IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東レエンジニアリング株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-人物判定装置および人物判定方法 図1
  • 特許-人物判定装置および人物判定方法 図2
  • 特許-人物判定装置および人物判定方法 図3
  • 特許-人物判定装置および人物判定方法 図4
  • 特許-人物判定装置および人物判定方法 図5
  • 特許-人物判定装置および人物判定方法 図6
  • 特許-人物判定装置および人物判定方法 図7
  • 特許-人物判定装置および人物判定方法 図8
  • 特許-人物判定装置および人物判定方法 図9
  • 特許-人物判定装置および人物判定方法 図10
  • 特許-人物判定装置および人物判定方法 図11
  • 特許-人物判定装置および人物判定方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】人物判定装置および人物判定方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240801BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020050647
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021146027
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】児玉 涼次
(72)【発明者】
【氏名】本道 泰章
(72)【発明者】
【氏名】園田 亜斗夢
(72)【発明者】
【氏名】平原 大暉
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-041764(JP,A)
【文献】特開2005-224363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された遊技場内の画像から遊技機の座席毎に設定されている前記座席を含む閉領域の判定画像を抽出する判定画像抽出部と、
抽出した前記判定画像毎に画像の特徴量を算出する特徴量算出部と、
予め登録されている着席判定モデルに基づいて、前記判定画像の座席に人物が着席しているか否かを判定する着席判定部と、
前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像と、前記判定画像の特徴量と、前記遊技場内における前記判定画像の座席位置とを単位時間毎に時系列で記憶する記憶部と、
前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像の特徴量との差異が所定範囲内である特徴量を有する前記判定画像を記憶部に記憶された判定画像の中から検出した場合、前記判定画像の人物と前記記憶部から検出された前記判定画像の人物とが同一人物であると判定する人物判定部と、を備え
前記人物判定部は、
前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像の特徴量と、前記記憶部に単位時間前に記憶された同一の座席位置における前記判定画像の特徴量とが所定範囲を超えており、且つ前記遊技機が取得した遊技者の情報と前記遊技機が単位時間前に取得した遊技者の情報とが一致している場合、前記判定画像の人物と前記記憶部に単位時間前に記憶された前記判定画像の人物とが同一人物であると判定する、
人物判定装置。
【請求項2】
撮影された遊技場内の画像から遊技機の座席毎に設定されている前記座席を含む閉領域の判定画像を抽出する判定画像抽出部と、
抽出した前記判定画像毎に画像の特徴量を算出する特徴量算出部と、
予め登録されている着席判定モデルに基づいて、前記判定画像の座席に人物が着席しているか否かを判定する着席判定部と、
前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像と、前記判定画像の特徴量と、前記遊技場内における前記判定画像の座席位置とを単位時間毎に時系列で記憶する記憶部と、
前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像の特徴量との差異が所定範囲内である特徴量を有する前記判定画像を記憶部に記憶された判定画像の中から検出した場合、前記判定画像の人物と前記記憶部から検出された前記判定画像の人物とが同一人物であると判定する人物判定部と、
前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像内の前記人物を追跡する人物追跡部を備え、
前記人物追跡部は、
前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像内の前記人物が前記判定画像を構成する閉領域を超えて移動した場合、前記人物の移動方向と移動速度から単位時間後の前記人物の位置を推測し、推測した位置において前記人物を検出して、前記人物の位置を特定し、前記着席判定部によって前記人物が前記遊技機の座席に着席したと判定されると前記人物の位置の推測を終了する、
人物判定装置。
【請求項3】
前記人物判定部は、
前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像の座席の遊技場内における座席位置と、前記記憶部から検出された前記判定画像のうち最新の前記判定画像の座席の前記遊技場内における座席位置が異なる場合、前記人物が前記遊技機の座席を移動したと判定し、
前記記憶部は、移動前の座席位置と移動後の座席位置とを記憶する請求項1または請求項2に記載の人物判定装置。
【請求項4】
前記人物判定部は、
前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像の特徴量と、前記記憶部に単位時間前に記憶された同一の座席位置における前記判定画像の特徴量とが異なる場合、単位時間前に前記座席に着席していた人物と異なる人物が前記座席に着席したと判定する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の人物判定装置。
【請求項5】
遊技場内の画像から遊技機の座席に着席している人物を判定する人物判定方法であって、
撮影された前記遊技場内の画像から遊技機の座席毎に設定されている閉領域の判定画像を抽出する判定画像抽出工程と、
抽出した前記判定画像毎に画像の特徴量を算出する特徴量算出工程と、
予め登録されている着席判定モデルに基づいて、前記判定画像の座席に人物が着席しているか否かを判定する着席判定工程と、
前記着席判定工程によって人物が着席していると判定された前記判定画像と、前記判定画像の特徴量と、前記遊技場内における前記判定画像の座席位置とを単位時間毎に時系列で記憶する記憶工程と、
前記着席判定工程によって人物が着席していると判定された前記判定画像の特徴量との差異が所定範囲内である特徴量を有する前記判定画像を記憶部に記憶された判定画像の中から検出した場合、前記判定画像の人物と前記記憶部から検出された前記判定画像の人物とが同一人物であると判定する人物判定工程と、を備え
前記人物判定工程は、
前記着席判定工程によって人物が着席していると判定された前記判定画像の特徴量と、前記記憶工程によって単位時間前に記憶された同一の座席位置における前記判定画像の特徴量とが所定範囲を超えており、且つ前記遊技機が取得した遊技者の情報と前記遊技機が単位時間前に取得した遊技者の情報とが一致している場合、前記判定画像の人物と前記記憶工程によって単位時間前に記憶された前記判定画像の人物とが同一人物であると判定する、
人物判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人物判定装置および人物判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場管理システムにおいて、様々な遊技機の機種の増加、遊技場の営業形態の多様化等に対応するために、遊技機毎にその稼動状態を取得して遊技場運営の基礎となる詳細な管理情報が蓄積されている。このような遊技場管理システムにおいて、遊技機の稼働状態をより的確に把握して遊技場の運営に反映させるために、遊技場内での遊技者の遊技状況を時系列で把握する必要がある。遊技場管理システムは、会員カードの使用状態から遊技場内での遊技者の遊技状況を把握することができる。しかし、会員登録している遊技者の割合が低い場合、会員カードの使用状況では遊技場内での遊技者の遊技状況を十分に把握できない。そこで、画像を使用して遊技者の遊技状況を把握する着席判定装置が知られている。例えば特許文献1の如くである。
【0003】
特許文献1に記載の着席判定装置は、映像取得部が取得した映像から遊技者を含む動体領域を検出し、動体領域に含まれる人物が起立状態から着席状態に変化したか否かを判定する。起立状態から着席状態に変化したと判定した場合、人物が遊技台の座席に着席したとして着席人数をカウントアップする。これにより、遊技機の稼働状況に対する着席している遊技者の人数と把握することができる。
【0004】
しかし、特許文献1に記載の着席判定装置では、人物の状態の変化を判定することで遊技機の座席に着席する人物の数を把握することができるが、どの遊技台の座席に着席しているかを把握することができない。また、着席判定装置は、離席した人物のその後の行動を把握することができない。つまり、特許文献1に記載の技術では、複数の人物を識別した上で、各人物の遊技場内での遊技状況を時系列で把握することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-179149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、遊技場内の遊技者を識別し、遊技者毎の遊技状況を時系列で把握することができる人物判定装置および人物判定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、第1の発明は、撮影された前記遊技場内の画像から遊技機の座席毎に設定されている前記座席を含む閉領域の判定画像を抽出する判定画像抽出部と、抽出した前記判定画像から判定画像毎に画像の特徴量を算出する特徴量算出部と、予め登録されている着席判定モデルに基づいて、前記判定画像の座席に人物が着席しているか否かを判定する着席判定部と、前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像と、前記判定画像の特徴量と、前記遊技場内における前記判定画像の座席位置と、を単位時間毎に時系列で記憶する記憶部と、前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像の特徴量との差異が所定範囲内である特徴量を有する前記判定画像を記憶部に記憶された判定画像の中から検出した場合、前記判定画像の人物と前記記憶部から検出された前記判定画像の人物とが同一人物であると判定する人物判定部と、を備える人物判定装置である。
【0009】
第2の発明の前記人物判定部は、前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像の座席の遊技場内における座席位置と、前記記憶部から検出された前記判定画像のうち最新の前記判定画像の座席の前記遊技場内における座席位置が異なる場合、前記人物が前記遊技機の座席を移動したと判定し、前記記憶部は、移動前の座席位置と移動後の座席位置とを記憶する。
【0010】
第3の発明の前記人物判定部は、前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像の特徴量と、前記記憶部に単位時間前に記憶された同一の座席位置における前記判定画像の特徴量とが異なる場合、単位時間前に前記座席に着席していた人物と異なる人物が前記座席に着席したと判定する。
【0011】
第4の発明の前記人物判定部は、前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像の特徴量と、前記記憶部に単位時間前に記憶された同一の座席位置における前記判定画像の特徴量とが所定範囲を超えており、且つ前記遊技機が取得した遊技者の情報と前記遊技機が単位時間前に取得した遊技者の情報とが一致している場合、前記判定画像の人物と前記記憶部に単位時間前に記憶された前記判定画像の人物とが同一人物であると判定する。
【0012】
第5の発明は、前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像内の前記人物を追跡する人物追跡部16を更に備え、前記人物追跡部16は、前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像内の前記人物が前記判定画像の閉領域を超えて移動した場合、前記人物の移動方向と移動速度から単位時間後の前記人物の位置を推測し、推測した位置において前記人物を検出して、前記人物の位置を特定し、前記着席判定部によって前記人物が前記遊技機の座席に着席したと判定されると前記人物の位置の推測を終了する。
【0013】
第6の発明は、遊技場内の画像から遊技機の座席に着席している人物を判定する人物判定方法であって、撮影された前記遊技場内の画像から遊技機の座席毎に設定されている閉領域の判定画像を抽出する判定画像抽出工程と、抽出した前記判定画像から判定画像毎に画像の特徴量を算出する特徴量算出工程と、予め登録されている着席判定モデルに基づいて、前記判定画像の座席に人物が着席しているか否かを判定する着席判定工程と、前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像と、前記判定画像の特徴量と、前記遊技場内における前記判定画像の座席位置とを単位時間毎に時系列で記憶する記憶工程と、前記着席判定部によって人物が着席していると判定された前記判定画像の特徴量との差異が所定範囲内である特徴量を有する前記判定画像を記憶部に記憶された判定画像の中から検出した場合、前記判定画像の人物と前記記憶部から検出された前記判定画像の人物とが同一人物であると判定する人物判定工程と、を備える人物判定方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
第1の発明と第6の発明においては、遊技機の座席毎に算出された判定画像の特徴量から、座席に遊技者(人物)が着席しているか否かを判定する。さらに、人物判定装置は、遊技者が着席していると判定した判定画像の特徴量に基づいて、過去の判定画像の特徴量から同一人物が着席している判定画像を検出する。つまり、人物判定装置は、遊技機の座席の着席状態の検出に加え、着席している遊技者が過去に着席していた座席を検出する。これにより、人物判定装置は、遊技場内の遊技者毎の遊技状況を時系列で把握することができる。
【0016】
第2の発明においては、遊技者が着席していると判定された判定画像の座席位置と、前記判定画像に含まれる人物と同一の人物が含まれる過去の前記判定画像のうち最新の前記判定画像の座席位置が異なる場合、遊技者が座席を移動したと判断し、その遊技者の過去の座席位置を記憶するので、遊技者の移動経路の履歴が生成される。これにより、人物判定装置は、遊技場内の遊技者毎の遊技状況を時系列で把握することができる。
【0017】
第3の発明においては、遊技者が着席していると判定された判定画像の特徴量と、同一の座席位置での単位時間前の判定画像の特徴量との差異が所定範囲を超えている場合、遊技者が着席していると判定された判定画像に含まれる座席に着席している遊技者が単位時間前から入れ替わったと判定する。これにより、人物判定装置は、遊技場内の遊技機に対する遊技者の入れ替わりが明確になり、技場内の遊技者毎の遊技状況を時系列で把握することができる。
【0018】
第4の発明においては、遊技者が着席していると判定された判定画像の特徴量と、同一の座席位置での単位時間前の判定画像の特徴量とが異なっていても、遊技機が取得した遊技者の情報が単位時間前に遊技機が取得した遊技者の情報と一致している場合、同一人物が着席していると判断する。これにより、人物判定装置は、遊技者の服装等が変化しても同一人物と判定するので、技場内の遊技者毎の遊技状況を時系列で把握することができる。
【0019】
第5の発明においては、前記判定画像内の前記人物が前記判定画像の閉領域を超えて移動した場合、前記人物の移動方向と移動速度から単位時間後の前記人物の位置を特定する。これにより、人物判定装置は、遊技機の座席に着席していない遊技者が遊技機の座席に着席するまで遊技者の位置を追跡するので、技場内の遊技者毎の遊技状況を時系列で把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】人物判定装置を含む遊技場管理システムの全体構成を示す概略図。
図2】人物判定装置を含む遊技場管理システムの全体構成を示すブロック図。
図3】人物判定装置の第1実施形態における人物判定装置の全体構成を示すブロック図。
図4】監視カメラ画像において設定された最新判定画像を示す図。
図5】着席判定部が判定した最新着席判定画像を示す図。
図6】特徴量算出部による最新着席判定画像毎の特徴量を示す図。
図7】人物判定部による最新着席判定画像の特徴量に基づいて過去着席判定画像との比較を示す図。
図8図8は監視カメラ画像において抽出された判定画像を示す。図8(A)は過去着席判定画像における遊技者の着席位置を示し、図8(B)は同一遊技者が着席している過去着席判定画像と最新着席判定画像とを示す。
図9】人物判定装置第1実施形態における人物判定制御のステップを示すフローチャートを表す図。
図10】人物判定装置の第2実施形態における人物判定装置の全体構成を示すブロック図。
図11】人物判定装置の第2実施形態における遊技者の席の移動を追跡している状態を示す図。
図12】人物判定装置の第2実施形態における遊技者追跡制御のステップを示すフローチャートを表す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
まず、図1図2とを用いて、人物判定装置10を含む遊技場管理システム1について説明する。なお、本実施形態において、遊技場管理システム1が管理する遊技機は、パチンコ遊技機2aとパチスロ遊技機2bとから構成されているものとするがこれに限定されるものではない。例えば、パチンコ遊技機2aまたはパチスロ遊技機2bのみから構成されていてもよい。
【0022】
図1図2とに示すように、遊技場管理システム1は、遊技場に設置されている遊技機に関する遊技機情報と遊技者の個別情報に関する遊技者情報とを取得し、管理するものである。
【0023】
遊技場管理システム1は、複数の遊技機(パチンコ遊技機2aおよびパチスロ遊技機2b)毎に設けられた台コンピュータ3、遊技機毎に設けられた遊技媒体であるパチンコ玉の玉(メダル)貸機4、島内コンピュータ5、カード情報管理コンピュータ6、遊技場管理コンピュータ7、人物判定装置10を具備している。台コンピュータ3、玉(メダル)貸機4、島内コンピュータ5およびカード情報管理コンピュータ6は、遊技場管理システム1の情報取得部として機能する。遊技場管理コンピュータ7は、遊技場管理システム1の遊技機評価部として機能する。なお、以下の実施形態において、遊技場には、遊技機としてパチンコ遊技機2aが設置されているものとして説明する。
【0024】
遊技機であるパチンコ遊技機2aは、遊技者が遊技媒体であるパチンコ玉(パチスロ遊技機2bにおいてはメダル)を発射し、特定の入賞口に投入することで一定数のパチンコ玉の払い出しが行われる遊技機である。パチンコ遊技機2aは、複数の機台をまとめた、いわゆる「島」を構成して遊技場内に配置されている。パチンコ遊技機2aは、内部に設けられる図示しない遊技機コンピュータによって制御され、各種の遊技機情報を取得することができる。パチンコ遊技機2aは、個別の遊技機番号Mが割り振られている。
【0025】
台コンピュータ3は、パチンコ遊技機2aに関する遊技機番号Mおよび遊技機情報を遊技機コンピュータから取得し、島内コンピュータ5に送信するものである。本実施形態においてパチンコ遊技機2aに関する遊技機情報には、パチンコ遊技機2aに投入されたパチンコ玉を回収するアウトボックスから出力されるアウト信号、大当たりの回数、中当たり回数、出玉数等、パチンコ遊技機2aが遊技者によって遊技されている際の各種情報を含む。本実施形態において台コンピュータ3は、パチンコ遊技機2a毎に設けられている。台コンピュータ3は、図示しない遊技機コンピュータに接続され、パチンコ遊技機2aの遊技機情報を取得するように構成されている。また、台コンピュータ3は、対応するパチンコ遊技機2aの遊技機番号Mが登録されている。なお、台コンピュータ3は、複数台の遊技機につき一台設ける構成でもよい。
【0026】
玉貸機4は、記憶媒体である磁気カード、ICカード等の情報を読み取ってパチンコ玉の貯玉、および設定金額の範囲内で貸出する端末である。玉貸機4は、パチンコ遊技機2aにそれぞれ設置されている場合が多い。すなわち、玉貸機4は、対応するパチンコ遊技機2aが定められ、そのパチンコ遊技機2a毎に設けられている。玉貸機4は、読取装置4a、入金装置4b、玉貸装置4cおよび各種操作、暗証番号等の入力を行う図示しない操作装置等を具備する。
【0027】
読取装置4aは、登録されている遊技者である会員を特定するための情報、貯玉情報等が記憶された記憶媒体である磁気カード、ICカード等からなる会員カードと、課金金額情報、カード自体を識別するカードID等が記憶された一般カード(プリペイドカード)と、を取り込み、会員カードの持ち主である会員を特定するための情報、貯玉情報と一般カード(プリペイドカード)の課金金額情報およびカードIDを読み取る。入金装置4bは、貨幣を取り込んで入金金額情報を生成する。玉貸装置4cは、会員カードの貯玉情報、一般カードの課金金額情報および入金装置4bが生成した入金金額情報に基づいてパチンコ玉を払い出す。玉貸機4は、個別の玉貸機番号が割り振られ、玉貸機4を識別することができるように構成されている。
【0028】
玉貸機4は、読取装置4aによって会員カードまたは一般カードを取り込み、カードに記憶されている情報を読み取る。玉貸機4は、図示しない操作装置からの暗証番号の入力確認後に、読取装置4aによって取り込まれた会員カードに記憶されている会員の識別番号である個人IDまたは一般カードの課金金額情報を取得することができる。また、玉貸機4は、会員カードから取得した個人ID、一般カードから取得した課金金額情報とカードIDまたは入金装置4bが生成した入金金額情報に基づいて、玉貸装置4cによってパチンコ玉を払い出すことができる。
【0029】
島内コンピュータ5は、島を構成するパチンコ遊技機2aの遊技機情報を収集、保持するものである。島内コンピュータ5は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。島内コンピュータ5は、遊技場内の各島にそれぞれ設置されている。なお、本実施形態において、各島に島内コンピュータ5をそれぞれ配置する構成としたがこれに限定されるものではなく、複数の島を一台の島内コンピュータ5で管理する構成としてもよい。
【0030】
島内コンピュータ5は、遊技場内に構築されたネットワークシステム等を介して島を構成する複数のパチンコ遊技機2aに接続されている台コンピュータ3に接続されている。島内コンピュータ5は、台コンピュータ3からパチンコ遊技機2aの個別の遊技機番号Mを取得するとともに、パチンコ遊技機2aの遊技機情報を所定時間毎に収集、保持することができる。
【0031】
カード情報管理コンピュータ6は、会員カードまたは一般カードから情報を取得し、管理するものである。カード情報管理コンピュータ6は、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータ等から構成される。カード情報管理コンピュータ6は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。
【0032】
カード情報管理コンピュータ6は、遊技場内に構築されたネットワークシステム等を介して遊技場内の複数の玉貸機4に接続されている。また、カード情報管理コンピュータ6は、複数の玉貸機4の玉貸機番号、読取装置4aが会員カードから読み取った遊技者である会員の個人IDまたは一般カードから読み取った課金金額情報とカードID、入金装置4bが生成した個人ID毎の入金金額情報を取得することができる。
【0033】
カード情報管理コンピュータ6は、会員の個人IDに関連付けされて、会員の会員名、性別、年齢、入金金額情報、貯玉数、来店回数、前回来店日時、来店ポイント等の遊技者の個別情報に関する遊技者情報(以下、非会員と区別するため、単に「会員情報Pi」と記す)が記憶される。また、一般カードに課金IDが記憶されている場合は、課金IDに関連付けされた課金金額情報が記憶されている。
【0034】
カード情報管理コンピュータ6は、会員の個人IDと会員情報Piとを関連付ける組合せ情報が予め記憶されている。また、カード情報管理コンピュータ6は、一般カードに課金IDが記憶されている場合、課金IDと課金金額情報とを関連付ける組合せ情報が予め記憶されている。カード情報管理コンピュータ6は、玉貸機4から会員の個人IDまたは一般カードの課金金額情報とカードID、入金装置4bが生成した入金金額情報およびこれらの情報を読み取った玉貸機4の玉貸機番号を取得するためのプログラムが格納されている。
【0035】
遊技場管理コンピュータ7は、複数の島内コンピュータ5とカード情報管理コンピュータ6とからの情報を管理するものである。遊技場管理コンピュータ7は、汎用コンピュータ等から構成される。遊技場管理コンピュータ7は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。遊技場管理コンピュータ7は、取得した情報を表示する表示装置7aを具備している。なお、本実施形態において、遊技場管理コンピュータ7とカード情報管理コンピュータ6とは、独立して構成されているが一体的に構成されていてもよい。
【0036】
遊技場管理コンピュータ7は、各パチンコ遊技機2aの遊技場における位置情報と遊技機番号M、遊技媒体であるパチンコ玉の単価および玉貸機4の玉貸機番号が予め記憶されている。また、遊技場管理コンピュータ7は、各パチンコ遊技機2aの位置情報と各パチンコ遊技機2aの遊技機番号Mと玉貸機4の玉貸機番号とを関連付ける組合せ情報が予め記憶されている。また、遊技場管理コンピュータ7は、取得した情報を図表として表示装置7aに表示するためのプログラムが格納されている。
【0037】
遊技場管理コンピュータ7は、複数の島内コンピュータ5とカード情報管理コンピュータ6とからの情報を取得して処理するために種々のプログラムが格納されている。遊技場管理コンピュータ7は、複数の島内コンピュータ5からパチンコ遊技機2a毎の遊技機番号Mと遊技機情報を取得し、遊技場全体の稼働台数および停止(運休)台情報、稼働率、エラー件数等を所定時間毎に取得するためのプログラムが格納されている。また、遊技場管理コンピュータ7は、カード情報管理コンピュータ6から個人ID毎の会員情報Pi、または一般カードの課金金額情報とカードID、入金装置4bが生成した入金金額情報およびこれらの情報を読み取った玉貸機4の玉貸機番号を取得するためのプログラムが格納されている。
【0038】
遊技場管理コンピュータ7は、遊技場内に構築されたネットワークシステム等を介して複数の島内コンピュータ5に接続され、各島内コンピュータ5が取得したパチンコ遊技機2aの遊技機番号M、パチンコ遊技機2a毎の遊技機情報、パチンコ遊技機2aの稼働台数、稼働率、エラー件数および停止台数を所定時間毎に取得することができる。
【0039】
遊技場管理コンピュータ7は、カード情報管理コンピュータ6に接続され、カード情報管理コンピュータ6から遊技者の会員情報Piまたは一般カードの課金金額情報とカードID、入金装置4bが生成した入金金額情報およびこれらの情報を読み取った玉貸機4の玉貸機番号を取得することができる。
【0040】
遊技場管理コンピュータ7は、取得した各パチンコ遊技機2aの遊技機番号Mと各玉貸機4の玉貸機番号とに基づいてパチンコ遊技機2aの稼動情報と対応する玉貸機4の読取装置4aが読み取った会員の個人IDに基づいた個人情報または一般カードの課金金額情報とカードIDおよび入金装置4bが生成した入金金額情報に基づいた各種情報を表示装置7aに表示することができる。
【0041】
以下に、図2図3とを用いて、遊技場管理システム1による人物判定装置10の第一実施形態について具体的に説明する。
【0042】
図3に示すように、人物判定装置10は、パチンコ遊技機2aの座席に着席している遊技者(人物)を識別する装置である。また、人物判定方法は、パチンコ遊技機2aの座席に着席している遊技者を識別する方法である。人物判定装置10は、判定画像抽出部11、特徴量算出部12、着席判定部13、記憶部14および人物判定部15を具備する。
【0043】
人物判定装置10は、汎用コンピュータ等から構成される。人物判定装置10は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。人物判定装置10は、取得した情報を表示する表示装置を具備している。なお、本実施形態において、遊技場管理コンピュータ7と人物判定装置10とは、独立して構成されているが一体的に構成されていてもよい。
【0044】
図2に示すように、人物判定装置10は、遊技場内に構築されたネットワークシステム等を介して遊技場管理コンピュータ7に接続されている。また、人物判定装置10は、ネットワークシステム等を介して前記遊技場内の複数の監視カメラ8に接続されている。複数の監視カメラ8は、前記遊技場の建造物に設けられている。本実施形態において、監視カメラ8は、例えば、パチンコ遊技機2aの島と島との間毎に遊技場の天井付近に設置されている。これにより、監視カメラ8は、パチンコ遊技機2aの島と島との間の通路およびパチンコ遊技機2aの座席を上方から撮影するように配置されている。
【0045】
人物判定装置10は、ネットワークシステム等を介して遊技場管理コンピュータ7から会員の個人ID、会員情報Pi、パチンコ遊技機2aの遊技機番号Mを取得することができる。また、人物判定装置10は、ネットワークシステム等を介して監視カメラ8から単位時間毎に監視カメラ画像P0を取得することができる。
【0046】
図3に示すように、人物判定装置10の判定画像抽出部11は、監視カメラ画像P0からパチンコ遊技機2aの座席を含む判定画像P(n)を抽出する(以下、(n)は判定画像番号とする)。判定画像抽出部11は、監視カメラ8から監視カメラ画像P0を取得することができる。判定画像抽出部11は、監視カメラ画像P0において、パチンコ遊技機2aの座席を基準として座席を含む矩形状の閉領域を設定する。
【0047】
判定画像抽出部11は、設定した閉領域の画像を判定画像P(n)として監視カメラ画像P0に含まれる複数のパチンコ遊技機2aの座席の画像毎に判定画像P(n)を抽出する。この際、判定画像抽出部11は、判定画像P(n)の座席の遊技場内における座席位置に関する情報(例えば遊技機番号M)を判定画像P(n)毎に付加する。判定画像抽出部11は、監視カメラ画像P0と抽出した判定画像P(n)とを記憶部14に送信する。以下の説明において、着席判定部13が撮影カメラ画像から抽出した判定画像P(n)のうち最新の判定画像P(n)を「最新判定画像P(n)」と記す。なお、以下の記載について、「画像に含まれる遊技者」等の記載は、「画像に含まれる遊技者の画像」等を意味するものとする。
【0048】
人物判定装置10の特徴量算出部12は、最新判定画像P(n)毎に画像の特徴量を算出する。特徴量算出部12は、最新判定画像P(n)を既知の手法でベクトル化し、特徴量を算出する。本実施形態において、特徴量算出部12は、画像のカラーヒストグラムによるベクトル化、オートエンコーダによるベクトル化および局所特徴量によるベクトル化を併用してそれぞれのベクトル化による特徴量の算出を行う。カラーヒストグラムによるベクトル化は、色の強度と出現頻度を特徴量としてベクトル化する手法である。オートエンコーダによるベクトル化は、オートエンコーダの中間層を、画像を代表する特徴量とする手法である。オートエンコーダは、3層ニューラルネットにおいて、入力層と出力層に同じデータを用いて教師あり学習をさせたものである。局所特徴量によるベクトル化は、KAZE局所特徴量を用いて画像をベクトル化する手法である。
【0049】
特徴量算出部12は、画像のカラーヒストグラムによるベクトル化、オートエンコーダによるベクトル化および局所特徴量によるベクトル化により、最新判定画像P(n)毎に3つの特徴量を含む特徴量F(n)を算出する。特徴量算出部12は、最新判定画像P(n)毎に算出した特徴量F(n)を最新判定画像P(n)に関連付けて記憶部14に送信する。なお、特徴量F(n)としては、最新判定画像P(n)に含まれる輝度値、エッジのヒストグラム、色とエッジの相関関数等でもよい。また、HOG(Histogram of Oriented Gradients)、SIFT(Scale Invariant Feature Transform)等の最新判定画像P(n)の局所特徴量を算出するようにしてもよい。
【0050】
人物判定装置10の着席判定部13は、最新判定画像P(n)に含まれる座席に人物が着席しているか否かを判定する。着席判定部13には、パチンコ遊技機2aの座席に遊技者が着席していない状態の様々な画像と遊技者が着席している状態の様々な画像からCNN(Convolutional Neural Network)を用いて算出された遊技者が着席している状態の様々な画像の特徴マップである着席判定モデルが予め格納されている。着席判定部13は、最新判定画像P(n)毎に着席判定モデルに基づいてCNNを用いた画像分類により、最新判定画像P(n)に含まれる座席に遊技者が着席しているか否かを判定する。着席判定部13は、座席に遊技者が着席していると判定された最新判定画像P(n)と遊技場内における座席の座席位置に関する情報と関連付けて記憶部14に送信する。以下の説明において、座席に遊技者が着席していると判定された最新判定画像P(n)を「最新着席判定画像Pb(n)」と記す。
【0051】
人物判定装置10の記憶部14は、最新着席判定画像Pb(n)と最新着席判定画像Pb(n)に付加された情報とを単位時間毎に時系列で記憶する。記憶部14は、判定画像抽出部11から監視カメラ画像P0と抽出した最新判定画像P(n)とを単位時間毎に時系列で取得する。また、記憶部14は、着席判定部13から最新着席判定画像Pb(n)を単位時間毎に時系列で取得する。また、記憶部14は、特徴量算出部12から最新着席判定画像Pb(n)の特徴量Fb(n)を単位時間毎に時系列で取得する。また、記憶部14は、人物判定部15で算出された最新着席判定画像Pb(n)の判定結果である遊技者識別情報と、最新着席判定画像Pb(n)の遊技場内における座席位置に関する情報とを単位時間毎に時系列で取得する。遊技者識別情報とは、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者を他の遊技者と区別する情報である。
【0052】
記憶部14は、記憶した最新着席判定画像Pb(n)を所定期間経過するまで保持する。本実施形態において、記憶部14は、遊技場の開店から閉店までを所定時間として最新着席判定画像Pb(n)を保持するものとする。なお、最新着席判定画像Pb(n)を記憶する所定期間は、任意に設定できる。以下の説明において、記憶部14に記憶されている最新着席判定画像Pb(n)よりも単位時間以前に記憶された過去の最新着席判定画像Pb(n)を「過去着席判定画像Pa(n)」と記す。
【0053】
人物判定装置10の人物判定部15は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者が過去着席判定画像Pa(n)に含まれる遊技者と同一人物が着席しているか否かを判定する。人物判定部15は、画像のカラーヒストグラムによるベクトル化、オートエンコーダによるベクトル化および局所特徴量によるベクトル化によって特徴量算出部12が算出した最新着席判定画像Pb(n)の特徴量Fb(n)と、各過去着席判定画像Pa(n)の特徴量Fa(n)とを比較し、特徴量Fb(n)と特徴量Fa(n)との差異が所定範囲内である過去着席判定画像Pa(n)を検索する。人物判定部15は、最新着席判定画像Pb(n)の特徴量Fb(n)との差異が所定範囲内である特徴量Fa(n)を有する過去着席判定画像Pa(n)を検出した場合、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者と検出した過去着席判定画像Pa(n)に含まれる遊技者とが同一人物であると判定する。人物判定部15は、過去着席判定画像Pa(n)の遊技者識別情報と同一の遊技者識別情報を最新着席判定画像Pb(n)に付加する。
【0054】
人物判定部15は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席の遊技場内における座席位置と、最新着席判定画像Pb(n)の遊技者識別情報と同一の遊技者識別情報が付加されている過去着席判定画像Pa(n)のうち最新の過去着席判定画像Pa(n)に含まれる座席の座席遊技場内における座席位置とが異なる場合、過去着席判定画像Pa(n)に含まれる遊技者が最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席に移動したと判定する。
【0055】
また、人物判定部15は、最新着席判定画像Pb(n)の特徴量Fb(n)と、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席の遊技場内における座席位置と同一の座席位置における最新の過去着席判定画像Pa(n)の特徴量Fa(n)の差異が所定範囲を超えている場合、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席には、最新の過去着席判定画像Pa(n)が取得された際の遊技者と異なる遊技者が着席していると判定する。
【0056】
人物判定部15は、最新着席判定画像Pb(n)と、最新着席判定画像Pb(n)の特徴量Fb(n)と、最新着席判定画像Pb(n)の人物識別情報と、人物判定部15による判定結果を記憶部14に送信する。すなわち、人物判定部15は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者と同一の遊技者が含まれる最新の過去着席判定画像Pa(n)の座席の遊技場内における座席位置と、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席の遊技場内における座席位置とを記憶部14に送信する。また、人物判定部15は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者と同一の遊技者が含まれる単位時間前の過去着席判定画像Pa(n)が記憶部14に存在しない場合、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席が単位時間前に空席であったことを記憶部14に送信する。
【0057】
このように構成される人物判定装置10は、遊技場の監視カメラ画像P0からパチンコ遊技機2aの座席を含む判定画像P(n)を抽出する判定画像抽出部11と、判定画像P(n)毎に特徴量F(n)を算出する特徴量算出部12と、最新判定画像P(n)に含まれる座席に人物が着席しているか否かを判定する着席判定部13と、最新着席判定画像Pb(n)の特徴量Fb(n)に基づいて最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者が過去着席判定画像Pa(n)に含まれる遊技者と同一人物か否かを判定する判定する人物判定部15と、最新着席判定画像Pb(n)と最新着席判定画像Pb(n)に付加された情報と、を単位時間毎に時系列で記憶する記憶部14とが協働して、遊技者の着席判定および遊技者の識別を行う。この際、人物判定装置10は、遊技場内の監視カメラ8が撮影した監視カメラ画像P0を利用するので、専用のカメラ等の画像取得装置を含める必要がない。
【0058】
次に、図4から図9を用いて、本発明の第1実施形態における人物判定装置10による人物判定について具体的に説明する。人物判定装置10は、遊技場内に構築されたネットワークシステム等を介して遊技場管理コンピュータ7から会員の個人ID、会員情報Pi、パチンコ遊技機2aの遊技機番号Mを取得しているものとする。また、人物判定装置10は、ネットワークシステム等を介して前記遊技場内の複数の監視カメラ8が撮影するパチンコ遊技機2aの島と島との間の通路およびパチンコ遊技機2aの座席を上方から撮影した監視カメラ画像P0を単位時間毎に取得しているものとする。また、人物判定装置10は、判定画像P(n)を抽出するために閉領域がパチンコ遊技機2aの座席毎に予め設定されているものとする。
【0059】
図4に示すように、人物判定装置10の判定画像抽出部11は、遊技場の監視カメラ8が撮影した監視カメラ画像P0を取得する。判定画像抽出部11は、取得した監視カメラ画像P0から、遊技機番号M1から遊技機番号M16までのパチンコ遊技機2aの座席毎に最新判定画像P1から最新判定画像P16を抽出する。
【0060】
図5に示すように、人物判定装置10の着席判定部13は、着席判定モデルに基づいてCNNを用いた画像分類により、最新判定画像P(n)に含まれる座席に遊技者が着席しているか否かを判定する。着席判定部13は、座席に遊技者が着席していると判定された遊技機番号M1のパチンコ遊技機2aの最新着席判定画像Pb1、遊技機番号M4のパチンコ遊技機2aの最新着席判定画像Pb4、遊技機番号M13のパチンコ遊技機2aの最新着席判定画像Pb13、遊技機番号M14のパチンコ遊技機2aの最新着席判定画像Pb14、遊技機番号M15のパチンコ遊技機2aの最新着席判定画像Pb15、遊技機番号M16のパチンコ遊技機2aの最新着席判定画像Pb16と、座席位置に関する情報である遊技機番号M1、M4、M13、M14、M15、M16と、を記憶部14に送信する。
【0061】
図6に示すように、人物判定装置10の特徴量算出部12は、最新着席判定画像Pb1、Pb4、Pb13、Pb14、Pb15、Pb16について、それぞれ3つの特徴量を含む特徴量Fb1、Fb4、Fb13、Fb14、Fb15、Fb16を算出する。
【0062】
図7に示すように、人物判定部15は、最新着席判定画像Pb1、Pb4、Pb13、Pb14、Pb15、Pb16の特徴量Fb1、Fb4、Fb13、Fb14、Fb15、Fb16と、記憶部14の各過去着席判定画像Pa(n)の特徴量Fa(n)と、を比較し、特徴量の差異が所定範囲内である特徴量を有する過去着席判定画像Pa(n)を検索する。
【0063】
人物判定部15は、最新着席判定画像Pb1、Pb4、Pb13、Pb14、Pb15、Pb16のうち、最新着席判定画像Pb1の特徴量Fb1との差異が所定範囲内である特徴量Fa2を有する過去着席判定画像Pa2を検出した場合、最新着席判定画像Pb1に含まれる遊技者と過去着席判定画像Pa2に含まれる遊技者とが同一人物であると判定する。同様に、人物判定部15は、最新着席判定画像Pb13の特徴量Fb13との差異が所定範囲内である特徴量Fa11を有する過去着席判定画像Pa11を検出した場合、最新着席判定画像Pb13に含まれる遊技者と過去着席判定画像Pa11に含まれる遊技者とが同一人物であると判定する。
【0064】
人物判定部15は、過去着席判定画像Pa2に付加されている遊技者識別情報である遊技者Aを最新着席判定画像Pb1に付加する。同様に、人物判定部15は、過去着席判定画像Pa11に付加されている遊技者識別情報である遊技者Bを最新着席判定画像Pb13に付加する。
【0065】
図8(A)と図8(B)とに示すように、最新着席判定画像Pb1で遊技者Aが着席している遊技機番号M1の座席は、過去着席判定画像Pa2で遊技者Aが着席している遊技機番号M2の座席と異なっている。従って、人物判定部15は、過去着席判定画像Pa2に含まれる遊技者Aが遊技機番号M2の座席から最新着席判定画像Pb1に含まれる遊技機番号M1の座席に移動したと判定する。同様に、人物判定部15は、過去着席判定画像Pa13に含まれる遊技者Bが遊技機番号M13の座席から最新着席判定画像Pb11に含まれる遊技機番号M11の座席に移動したと判定する。
【0066】
また、人物判定部15は、最新着席判定画像Pb1の特徴量Fb1と、最新着席判定画像Pb1に含まれる遊技機番号M1の座席における最新の過去着席判定画像Pa1の特徴量Fa1の差異が所定範囲を超えている場合、最新着席判定画像Pb1に含まれる遊技者Aが最新の過去着席判定画像Pa1に含まれる遊技者と異なると判定する。つまり、最新の過去着席判定画像Pa1に含まれる遊技機番号M1の座席に着席している遊技者が遊技者Aに入れ替わったと判定する。
【0067】
また、人物判定部15は、さらに遊技者Aがパチンコ遊技機2aで使用している会員カードの情報である個人ID、会員情報Piを用いて人物判定してもよい。
【0068】
人物判定部15は、遊技場管理コンピュータ7から個人ID、会員情報Pi等を取得する(図2参照)。人物判定部15は、最新着席判定画像Pb1の特徴量Fb1と個人IDおよび会員情報Piから最新着席判定画像Pb1に含まれる遊技者が遊技者Aであると判定する。一方、人物判定部15は、単位時間前に取得した遊技者Aが含まれている最新の過去着席判定画像Pa1の特徴量Fa1と、最新着席判定画像Pb1の特徴量Fb1との差異が所定範囲を超えている場合、最新の過去着席判定画像Pa1に含まれる遊技者Aと最新着席判定画像Pb1に含まれる遊技者とが同一人物でないと判定する。この際、人物判定部15は、最新着席判定画像Pb1に含まれるパチンコ遊技機2aで使用されている会員カードの情報である個人ID、会員情報Piが遊技者Aの情報である場合、最新の過去着席判定画像Pa1に含まれる遊技者Aと最新着席判定画像Pb1に含まれる遊技者とが同一人物であると判定する。
【0069】
このように、人物判定装置10は、最新着席判定画像Pb(n)の特徴量Fb(n)と、同一の座席位置での単位時間前の過去着席判定画像Pa(n)の特徴量Fa(n)とが異なっていても、取得した遊技者の個人IDまたは会員情報Piが単位時間前に取得した遊技者の情報と一致している場合、同一人物が着席していると判断する。これにより、人物判定装置10は、遊技者の服装等が変化しても同一人物と判定するので、技場内の遊技者毎の遊技状況を時系列で把握することができる。
【0070】
次に、図9を用いて、本発明の第1実施形態における人物判定装置10による人物判定方法の制御である人物判定制御について具体的に説明する。記憶部14には、単位時間以前の過去着席判定画像Pa(n)、特徴量Fa(n)および遊技者識別情報が記憶されているものとする。
【0071】
図9に示すように、判定画像抽出工程であるステップS110において、人物判定装置10の判定画像抽出部11は、監視カメラ8から取得した遊技場内の監視カメラ画像P0からパチンコ遊技機2aの座席毎の最新判定画像P(n)を抽出し、ステップを特徴量算出工程であるステップS120に移行させる。
【0072】
着席判定工程であるステップS120において、人物判定装置10の着席判定部13は、着席判定モデルに基づいてCNNを用いた画像分類により、最新判定画像P(n)に含まれる座席に遊技者が着席しているか否かを判定する。
その結果、最新判定画像P(n)に含まれる座席に遊技者が着席していると判定した場合、着席判定部13は、ステップを人物判定工程であるステップS130に移行させる。
一方、最新判定画像P(n)に含まれる座席に遊技者が着席していないと判断した場合、着席判定部13はステップを判定画像抽出工程であるステップS110に移行させる。
【0073】
特徴量算出工程であるステップS130において、人物判定装置10の特徴量算出部12は、最新判定画像P(n)を最新着席判定画像Pb(n)とし、最新着席判定画像P(n)毎に画像のカラーヒストグラムによるベクトル化、オートエンコーダによるベクトル化および局所特徴量によるベクトル化によって特徴量Fb(n)を算出し、算出した特徴量Fb(n)を最新着席判定画像Pb(n)に付加して、ステップを人物判定工程であるステップS140に移行させる。
【0074】
人物判定工程であるステップS140において、人物判定装置10の人物判定部15は、特徴量算出部12が算出した最新着席判定画像Pb(n)の特徴量Fb(n)と所定範囲内の差異の特徴量Fa(n)を有する過去着席判定画像Pa(n)が記憶部14に記憶されているか否かを判定する。すなわち、人物判定部15は、特徴量Fb(n)に基づいて、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者が過去着席判定画像Pa(n)に含まれる遊技者のいずれか一人と一致するか否かを判定する。
その結果、特徴量Fb(n)と所定範囲内の差異の特徴量Fa(n)を有する過去着席判定画像Pa(n)が記憶部14に記憶されている場合、すなわち、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者が過去着席判定画像Pa(n)に含まれる遊技者のいずれか一人と一致すると判定した場合、着席判定部13は、ステップを人物判定工程であるステップS150に移行させる。
一方、特徴量Fb(n)と所定範囲内の差異の特徴量Fa(n)を有する過去着席判定画像Pa(n)が記憶部14に記憶されていない場合、すなわち、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者が過去着席判定画像Pa(n)に含まれる遊技者のいずれとも一致しないと判定した場合、着席判定部13はステップをステップS190に移行させる。なお、人物判定部15は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれるパチンコ遊技機2aで使用されている会員カードの情報である個人ID、会員情報Piが遊技者の情報である場合、最新の過去着席判定画像Pa1に含まれる遊技者と最新着席判定画像Pb1に含まれる遊技者とが同一人物であると判定し、ステップをステップS150に移行させてもよい。
【0075】
人物判定工程であるステップS150において、人物判定装置10の人物判定部15は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者と同一の遊技者が含まれる過去着席判定画像Pa(n)の遊技者識別情報を最新着席判定画像Pb(n)に付加し、ステップを人物判定工程あるステップS160に移行させる。
【0076】
人物判定工程であるステップS160において、人物判定装置10の人物判定部15は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席の遊技場内における座席位置と、最新着席判定画像Pb(n)の遊技者識別情報と同一の遊技者識別情報が付加されている最新の過去着席判定画像Pa(n)に含まれる座席の座席遊技場内における座席位置と、が異なるか否かを判定する。
その結果、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席の遊技場内における座席位置と、最新着席判定画像Pb(n)の遊技者識別情報と同一の遊技者識別情報が付加されている最新の過去着席判定画像Pa(n)に含まれる座席の座席遊技場内における座席位置と、が異なると判定した場合、人物判定部15は、ステップを記憶工程であるステップS170に移行させる。
一方、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席の遊技場内における座席位置と、最新着席判定画像Pb(n)の遊技者識別情報と同一の遊技者識別情報が付加されている最新の過去着席判定画像Pa(n)に含まれる座席の座席遊技場内における座席位置と、が異ならないと判断した場合、着席判定部13はステップをステップS180に移行させる。
【0077】
記憶工程であるステップS170において、人物判定装置10の記憶部14は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者は最新の過去着席判定画像Pa(n)に含まれる座席から最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席に移動しているとして、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席の遊技場内における座席位置と最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者と同一の遊技者が含まれる最新の過去着席判定画像Pa(n)に含まれる座席の遊技場内における座席位置と、遊技者の移動履歴として関連付けて記憶する。記憶部14は、ステップを判定画像抽出工程であるステップS110に移行させる。
【0078】
記憶工程であるステップS180において、人物判定装置10の記憶部14は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者は最新の過去着席判定画像Pa(n)の座席と同一の座席に継続して着席しているとして、最新着席判定画像Pb(n)の座席の遊技場内における座席位置を記憶する。記憶部14は、ステップを判定画像抽出工程であるステップS110に移行させる。
【0079】
記憶工程であるステップS190において、人物判定装置10の記憶部14は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者を新たな遊技者として、遊技者識別情報と最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席の遊技場内における座席位置とを記憶し、ステップを判定画像抽出工程であるステップS110に移行させる。
【0080】
このように構成される人物判定装置10は、パチンコ遊技機2aの座席毎に着席判定モデルに基づいてCNNを用いた画像分類により、最新判定画像P(n)に含まれる座席に遊技者が着席しているか否かを判定する。さらに、人物判定装置10は、遊技者が着席していると判定した最新着席判定画像Pb(n)の特徴量Fb(n)と、所定範囲内の差異である特徴量Fa(n)を有する過去着席判定画像Pa(n)を検出する。つまり、人物判定装置10は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者と同一人物が着席している過去着席判定画像Pa(n)を検出する。このように、人物判定装置10は、パチンコ遊技機2aの座席の着席状態の検出に加え、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者が単位時間以前に着席していた座席位置を検出することができる。これにより、人物判定装置10は、遊技場内の遊技者を識別し、遊技者毎の遊技状況を時系列で把握することができる。
【0081】
また、人物判定装置10は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席の遊技場内での座席位置と、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者と同一の遊技者が含まれる過去着席判定画像Pa(n)のうち最新の過去着席判定画像Pa(n)に含まれる座席の遊技場内での座席位置とが異なる場合、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者が過去着席判定画像Pa(n)の座席に移動したと判定する。また、人物判定装置10は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席の遊技場内での座席位置と、同一の遊技者が含まれる過去着席判定画像Pa(n)のうち最新の過去着席判定画像Pa(n)に含まれる座席の遊技場内での座席位置と、を記憶し、遊技者の移動経路の履歴を生成する。これにより、人物判定装置10は、遊技場内の遊技者を識別し、遊技者毎の遊技状況を時系列で把握することができる。
【0082】
また、人物判定装置10は、遊技者が着席していると判定された最新着席判定画像Pb(n)の特徴量Fb(n)と、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる座席の遊技場内での座席位置と同一の座席位置の座席を含む最新の過去着席判定画像Pa(n)の特徴量Fa(n)との差異が所定範囲内でない場合、過去着席判定画像Pa(n)に含まれる座席に着席している遊技者が最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者に入れ替わったと判定する。これにより、人物判定装置10は、遊技場内のパチンコ遊技機2aに対する遊技者の入れ替わりが明確になり、技場内の遊技者毎の遊技状況を時系列で把握することができる。
【0083】
次に、図10を用いて、本発明に係る人物判定装置10の第2実施形態について具体的に説明する。なお、以下の実施形態に係る人物判定装置10は、図1から図7に示す人物判定装置10において、人物判定装置10に替えて適用されるものとして、その説明で用いた名称、図番、符号を用いることで、同じものを指すこととし、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
【0084】
図10に示すように、人物判定装置10は、パチンコ遊技機2aの座席に着席している遊技者(人物)を識別する装置である。人物判定装置10は、判定画像抽出部11、特徴量算出部12、着席判定部13、記憶部14、人物判定部15および人物追跡部16を具備する。
【0085】
人物判定装置10の人物追跡部16は、最新着席判定画像Pb(n)に含まれる遊技者が最新着席判定画像Pb(n)の閉領域から移動した場合、Art Track等のトラッキング技術を用いて遊技者の位置を特定する。人物追跡部16は、着席判定モデルに基づいてCNNを用いた画像分類により、最新判定画像P(n)に含まれる遊技者が座席から起立して移動を開始しているか否かを判定する。最新着席判定画像Pb(n)内の遊技者が座席から移動を開始している場合、すなわち遊技者の画像の一部分が最新着席判定画像Pb(n)の閉領域を超えた位置に存在する場合、遊技者を追跡対象者として検出し、追跡対象者の移動方向と移動速度から単位時間後の追跡対象者の位置を推測する。
【0086】
人物追跡部16は、単位時間後の監視カメラ画像P0から、推測した位置の近傍において追跡対象者を検出し、単位時間後の追跡対象者の位置を特定する。人物追跡部16は、追跡対象者が最新判定画像P(n)の閉領域内に含まれ、且つ着席判定部13によって着席したと判定された場合、追跡対象者の追跡を終了する。
【0087】
次に、図11を用いて、本発明の第2実施形態における人物判定装置10による人物追跡について具体的に説明する。
【0088】
図11に示すように、人物判定装置10の人物判定部15は、実施形態1に記載の人物判定制御から最新着席判定画像Pb1に含まれる遊技者と過去着席判定画像Pa2に含まれる遊技者とが同一人物であると判定したものとする。
【0089】
人物追跡部16は、着席判定モデルに基づいてCNNを用いた画像分類により、最新判定画像P1の閉領域から遊技者Aのはみ出しを検出すると、遊技者Aを追跡対象者Aとして人物追跡部16に追跡を開始させる。人物追跡部16は、追跡対象者Aの現在の位置B(Xb、Yb)と単位時間前の位置A(Xa、Ya)とから移動方向と移動速度を算出する。さらに、人物追跡部16は、算出した追跡対象者Aの移動方向と移動速度から単位時間後の追跡対象者Aの位置C(Xc、Yc)を推測する。人物追跡部16は、単位時間後に監視カメラ8から取得した監視カメラ画像P0から推測した追跡対象者Aの位置C(Xc、Yc)の近傍において、追跡対象者Aを検出する。同様にして、人物追跡部16は、追跡対象者Aの現在の位置C(Xc、Yc)と単位時間前の位置B(Xb、Yb)とから単位時間後の追跡対象者Aの位置D(Xd、Yd)を推測する。また、人物追跡部16は、追跡対象者Aが監視カメラ画像P0の範囲を超えて移動した場合、他の監視カメラが撮影した監視カメラ画像から追跡対象者を検索し、追跡を継続する。
【0090】
人物追跡部16は、着席判定モデルに基づいてCNNを用いた画像分類により、追跡対象者Aが任意の最新判定画像P(n)の閉領域に含まれ、且つ着席判定部13によって着席していると判定された場合(図10の位置E)、追跡対象者Aの追跡を終了する。このようにして、人物追跡部16は、追跡対象者Aがパチンコ遊技機2aの座席に着席するまで追跡を継続する。
【0091】
次に、図12を用いて、本発明の第2実施形態における人物判定装置10による人物追跡工程の制御態様について具体的に説明する。なお、人物判定装置10は、単位時間毎に監視カメラ画像P0を取得し、着席判定部13および人物判定部15による判定が行われているものとする。
【0092】
図12に示すように、ステップS210において、人物判定装置10の人物追跡部16は、最新着席判定画像Pb(n)を構成する閉領域から遊技者がはみ出しているか否か判定する。
その結果、最新着席判定画像Pb(n)の閉領域から遊技者がはみ出していると判定した場合、人物追跡部16は、遊技者を追跡対象者として検出し、ステップをステップS220に移行させる。
一方、最新着席判定画像Pb(n)の閉領域から遊技者がはみ出していないと判断した場合、人物追跡部16はステップをステップS210に移行させる。
【0093】
ステップS220において、人物追跡部16は、単位時間前の追跡対象者の位置Aを含む過去着席判定画像Pa(n)または単位時間前の監視カメラ画像P0における追跡対象者の位置Aと最新の監視カメラ画像P0における追跡対象者の位置Bとを取得し、ステップをステップS230に移行させる。
【0094】
ステップS230において、人物追跡部16は、単位時間前の過去着席判定画像Pa(n)または最新の監視カメラ画像P0における追跡対象者の位置Aと最新の監視カメラ画像P0における追跡対象者の位置Bとから単位時間後の追跡対象者の位置Cを推測し、ステップをステップS240に移行させる。
【0095】
ステップS240において、人物追跡部16は、推測した単位時間後の追跡対象者の位置Cの近傍において追跡対象者を検出し、現在の追跡対象者の位置Cを特定し、ステップをステップS250に移行させる。
【0096】
ステップS250において、人物追跡部16は、追跡対象者がいずれかの最新判定画像P(n)を構成する閉領域内に含まれているか否か判定する。
その結果、追跡対象者がいずれかの最新判定画像P(n)の閉領域内に含まれていると判定した場合、人物追跡部16は、追跡対象者を遊技者として検出し、着席判定部13に情報を送信し、ステップをステップS210に移行させる。
一方、追跡対象者がいずれかの最新着席判定画像Pb(n)の閉領域内に含まれていないと判断した場合、人物追跡部16はステップをステップS220に移行させる。
【0097】
このように構成される人物判定装置10は、最新着席判定画像Pb(n)内の遊技者が最新着席判定画像Pb(n)の閉領域を超えて移動した場合、追跡対象者として認定し、現在の移動方向と移動速度に基づいて単位時間後の追跡対象者の位置を特定する。人物判定装置10は、追跡対象者が最新着席判定画像Pb(n)の閉領域に含まれるまで追跡を継続する。これにより、人物判定装置10は、遊技機の座席から離席した遊技者が遊技機の座席に着席するまでの遊技者の位置を追跡しているので、技場内の遊技者毎の遊技状況を時系列で把握することができる。
【0098】
上述の実施形態は、代表的な形態を示したに過ぎず、一実施形態の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【符号の説明】
【0099】
1 遊技場管理システム
2a パチンコ遊技機
10 人物判定装置
11 判定画像抽出部
12 特徴量算出部
13 着席判定部
14 記憶部
15 人物判定部
Pa(n) 過去着席判定画像
Pb(n) 最新着席判定画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12