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特許7530741ネットワークシステムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】ネットワークシステムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/32 20200101AFI20240801BHJP
   D06F 35/00 20060101ALI20240801BHJP
   D06F 34/05 20200101ALI20240801BHJP
   D06F 33/52 20200101ALI20240801BHJP
【FI】
D06F33/32
D06F35/00 Z
D06F34/05
D06F33/52
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020083598
(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公開番号】P2021177846
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】作田 瑞
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕之
(72)【発明者】
【氏名】前川 隆紀
(72)【発明者】
【氏名】古本 佳慧
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 直哉
(72)【発明者】
【氏名】小野 真由美
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/078194(WO,A1)
【文献】特開2004-195063(JP,A)
【文献】特開2013-132500(JP,A)
【文献】特表2018-521743(JP,A)
【文献】特開2005-185460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/32
D06F 35/00
D06F 34/05
D06F 33/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機と、
前記洗濯機に関する情報の入力を受け付ける通信端末と、
前記通信端末からの前記情報に基づいて、前記洗濯機に洗濯用の制御プログラムをダウンロードするためのサーバと、を備え、
前記通信端末は、前記情報として、前記洗濯機による洗濯の終了後に当該洗濯の調整項目に関するフィードバック情報を受け付けて前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記調整項目毎の調整値および調整値の限界値を格納するとともに、前記調整項目と前記調整値の限界値に対応付けて前記洗濯機に適用するのに適した前記制御プログラムの情報を格納しており、
前記サーバは、前記フィードバック情報によって前記調整項目の前記調整値が前記限界値に達したことに基づいて、前記洗濯機に適した前記制御プログラムを決定するネットワークシステム。
【請求項2】
前記通信端末は、前記情報として、前記洗濯機で利用する洗剤や柔軟剤の情報を受け付けて前記サーバに送信する、請求項に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
サーバによる情報処理方法であって、
前記サーバは、調整項目毎の調整値および調整値の限界値を格納するとともに、前記調整項目と前記調整値の限界値に対応付けて洗濯機に適用するのに適した制御プログラムの情報を格納しており、
プロセッサが、通信インターフェイスを介して、通信端末から前記洗濯機による洗濯に関するフィードバック情報を受信するステップと、
前記通信端末からの前記フィードバック情報によって前記調整項目の前記調整値が前記限界値に達したことに基づいて、前記洗濯機に適した洗濯用の制御プログラムを決定して、前記洗濯機に洗濯用の制御プログラムをダウンロードするステップと、を備える情報処理方法。
【請求項4】
洗濯に関する情報の入力を受け付ける洗濯機と、
前記洗濯機からの前記情報に基づいて、前記洗濯機に洗濯用の制御プログラムをダウンロードするためのサーバと、を備え、
前記洗濯機は、前記情報として、前記洗濯機による洗濯の終了後に当該洗濯の調整項目に関するフィードバック情報を受け付けて前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記調整項目毎の調整値および調整値の限界値を格納するとともに、前記調整項目と前記調整値の限界値に対応付けて前記洗濯機に適用するのに適した前記制御プログラムの情報を格納しており、
前記サーバは、前記フィードバック情報によって前記調整項目の前記調整値が前記限界値に達したことに基づいて、前記洗濯機に適した前記制御プログラムを決定するネットワークシステム。
【請求項5】
前記洗濯機は、各種のセンサを含み、
前記洗濯機は、前記情報として、洗濯した際に、前記各種のセンサによって測定された数値を前記サーバに送信する、請求項に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記洗濯機は、前記情報として、前記洗濯機で利用する洗剤や柔軟剤の情報を受け付けて前記サーバに送信する、請求項4または5に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
サーバによる情報処理方法であって、
前記サーバは、調整項目毎の調整値および調整値の限界値を格納するとともに、前記調整項目と前記調整値の限界値に対応付けて洗濯機に適用するのに適した制御プログラムの情報を格納しており、
プロセッサが、通信インターフェイスを介して、洗濯機から洗濯に関するフィードバック情報を受信するステップと、
前記洗濯機からの前記フィードバック情報によって前記調整項目の前記調整値が前記限界値に達したことに基づいて、前記洗濯機に適した洗濯用の制御プログラムを決定して、前記洗濯機に洗濯用の制御プログラムをダウンロードするステップと、を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機や乾燥機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、洗濯機や乾燥機などの電気機器をシェアしながら利用するための技術が知られている。たとえば、特開2019-171157号公報(特許文献1)には、洗濯機が開示されている。特許文献1によると、洗濯システムは、洗濯機と携帯端末を含む。携帯端末は、洗濯機の運転条件設定部で設定可能な組み合わせからなる運転条件が予め設定された複数のオリジナルコースのうちの1つを1つの操作で選択可能であり、その選択されたオリジナルコースの運転条件の情報を洗濯機の通信部に送信する。洗濯機は、通信部で受信された携帯端末からのオリジナルコースの運転条件の情報に基づいて、運転条件設定部により洗濯部の運転条件を設定する。
【0003】
特開2015-205121号公報(特許文献2)には、洗濯機システムが開示されている。特許文献2によると、実施形態の洗濯機システムは、洗濯機と、表示手段(モニタ表示部、携帯表示部)を有する表示操作端末(モニタ端末、携帯端末)と、を備え、表示操作端末(モニタ端末、携帯端末)の表示手段(モニタ表示部、携帯表示部)に複数の洗濯指示マークと洗濯物に関する情報である追加情報とを選択可能に表示し、洗濯指示マークと追加情報との組合せに基づいて洗濯機の運転が可能であるかを判定し、運転が可能であると判定すると、運転に適した運転コースを報知する。
【0004】
特開2014-33765号公報(特許文献3)には、洗濯機通信システムが開示されている。特許文献3によると、洗濯機と携帯端末とより構成される洗濯機通信システムにおいて、洗濯機は、洗濯コースを設定する設定部と、洗濯コースを制御する制御部と、携帯端末と無線通信をする無線送受信部とを有し、携帯端末は、洗濯機のコース説明を表示する表示部と、洗濯機の制御内容を入力する入力部と、前記制御内容を電文に変換する演算部と、洗濯機と無線通信をする無線通信部とを有し、携帯端末の表示部に表示されたコース説明が選択された場合には、前記コース説明に対応する洗濯コースが洗濯機の設定部に設定されるものとし、洗濯機への直接入力もしくは携帯端末による入力により洗濯コースが設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-171157号公報
【文献】特開2015-205121号公報
【文献】特開2014-33765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ユーザに適した洗濯を実行するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様に従うと、洗濯機と、洗濯機に関する情報の入力を受け付ける通信端末と、通信端末からの情報に基づいて、洗濯機に洗濯用の制御プログラムをダウンロードするためのサーバと、を備えるネットワークシステムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明によれば、ユーザに適した洗濯を実行するための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成を示すイメージ図である。
図2】第1の実施の形態にかかる通信端末300の画面遷移を示すイメージ図である。
図3】第1の実施の形態にかかるネットワークシステム1におけるシーケンス図である。
図4】第1の実施の形態にかかる通信端末300の構成を表わすブロック図である。
図5】第1の実施の形態にかかる通信端末300の画面を示すイメージ図である。
図6】第1の実施の形態にかかる洗濯機200の構成を表わすブロック図である。
図7】第1の実施の形態にかかる調整データを示す図である。
図8】第1の実施の形態にかかるサーバ100の構成を表わすブロック図である。
図9】第1の実施の形態にかかるユーザ情報データ121を示すイメージ図である。
図10】第1の実施の形態にかかる洗濯機情報データ122を示すイメージ図である。
図11】第1の実施の形態にかかるプログラム情報データ123を示すイメージ図である。
図12】第1の実施の形態にかかるフィードバック対応データを示すイメージ図である。
図13】第1の実施の形態にかかる調整値限界対応データを示すイメージ図である。
図14】第1の実施の形態にかかる調整値揺らぎ対応データを示すイメージ図である。
図15】第1の実施の形態にかかる洗剤対応データを示すイメージ図で調整値限界対応データある。
図16】第1の実施の形態にかかるセンシング結果対応データを示すイメージ図で調整値限界対応データある。
図17】第1の実施の形態にかかる放置対応データを示すイメージ図で調整値限界対応データある。
図18】第1の実施の形態にかかるサーバ100の機能的な構成を示すブロック図である。
図19】第1の実施の形態にかかるサーバ100の情報処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<ネットワークシステムの全体構成>
【0011】
まず図1を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の全体構成について説明する。ネットワークシステム1は、主たる装置として、本サービスを提供するためのサーバ100と、ルータやインターネットなどを介してサーバ100とデータをやり取りする各家庭に配置される複数の洗濯機200と、洗濯機200を利用するユーザのスマートフォンなどの通信端末300などを含む。
<ネットワークシステムの動作概要>
【0012】
次に図1から図3を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステム1の動作概要について説明する。
【0013】
まず、ユーザが洗濯機200による洗濯を実行する。洗濯が終わると、洗濯機200は、その旨をサーバ100に送信する。このとき洗濯機200は、今回の洗濯中に測定された各種のセンシング結果のデータをサーバ100に送信する。たとえば、実行されたステップや、各ステップで使用された水量や、各ステップの時間や、洗濯物の量や、汚れの程度などがアップロードされる。
【0014】
サーバ100は、洗濯機200のユーザの通信端末300に、洗濯が終了した旨やフィードバックを受け付ける旨を送信する。通信端末300は、ユーザから今回の洗濯に関するフィードバックを受け付けて、サーバ100に送信する。サーバ100は、フィードバックに基づいて、洗濯機200の標準的な洗濯コースにおける各種の設定値を補正して、当該補正データを洗濯機200に送信する。これによって、洗濯機200は、次回の標準的な洗濯コースを実行する際に、よりユーザのニーズに沿った制御を行うことができる。
【0015】
本実施の形態においては、フィードバックがサーバ100に提供された後、サーバ100は、今回の洗濯に関するセンシング結果に関するレポートを通信端末300に送信する。通信端末300は、センシング結果に関するレポートを表示する。
【0016】
そして特に本実施の形態においては、サーバ100は、通信端末300に入力されたフィードバックや、洗濯機200によるセンシング結果に基づいて、よりユーザのニーズに沿った制御を行うための洗濯用の制御プログラムを洗濯機200にダウンロードするものである。たとえば、サーバ100は、よりユーザのニーズに沿った制御を行うための洗濯の制御プログラムが準備されている場合に、ユーザの通信端末300に、当該制御プログラムを洗濯機200にダウンロードするか否かを問い合わせる。そして、ユーザからの肯定的な回答を受けると、サーバ100は、当該制御プログラムを洗濯機200にダウンロードする
【0017】
このように、本実施の形態にかかるネットワークシステム1は、ユーザが通信端末300や洗濯機200に入力した情報や、洗濯機200のセンシング結果などに基づいて、よりユーザのニーズに沿った洗濯を実行するための制御プログラムが洗濯機200に提供されるものである。以下、このような機能を実現するためのネットワークシステムの各装置の構成について詳述する。
<通信端末300の構成>
【0018】
まず、洗濯機200を利用するユーザが利用する通信端末300の構成の一態様について説明する。通信端末300は、スマートフォンや、ウェアラブル端末や、タブレットや、パーソナルコンピュータなどのような、サーバ100とデータ通信可能な装置である。図4を参照して、通信端末300は、主たる構成要素として、CPU310と、メモリ320と、ディスプレイ330と、操作部340と、通信インターフェイス360と、スピーカ370と、マイク380などを含む。
【0019】
CPU310は、メモリ320あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、通信端末300の各部を制御する。
【0020】
メモリ320は、各種のRAM(Random Access Memory)、各種のROM(Read-Only Memory)などによって実現される。メモリ320は、CPU310によって実行される各種のアプリケーションプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ100から受信したテキストデータや画像データや音声データや、操作部340を介して入力されたデータなどを記憶する。
【0021】
ディスプレイ330は、CPU310からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。操作部340は、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU310に入力する。ディスプレイ330と操作部340は、タッチパネル350によって実現されてもよい。
【0022】
通信インターフェイス360は、無線LAN通信あるいは有線LANなどの通信モジュールによって実現される。通信インターフェイス360は、有線通信あるいは無線通信によってサーバ100などの他の装置との間でデータを送受信する。
【0023】
スピーカ370は、CPU310からの信号に基づいて、音声を出力する。マイク380は、外部からの音声に基づいて音声信号を作成し、CPU310に入力する。
【0024】
本実施の形態においては、たとえば、CPU310は、メモリ320のプログラムに従って、サーバ100からの指示に基づいて、操作部340を介して、ユーザから洗濯に関するフィードバックを受け付けたり、当該フィードバックデータを通信インターフェイス360を介してサーバ100に送信したりする。なお、フィードバック情報は、洗濯機200が、自身のユーザインターフェイスを介して直接受け付けてもよい。
【0025】
また、本実施の形態においては、図5を参照して、CPU310は、メモリ320のプログラムに従って、操作部340を介して、ユーザから洗濯機200に投入する洗剤や柔軟剤に関する情報を受け付けて、当該情報を通信インターフェイス360を介してサーバ100に送信したりする。なお、後述するように、洗濯機200で使用する洗剤や柔軟剤に関する情報も、洗濯機200が取得してもよい。
<洗濯機200の構成>
【0026】
次に、図6を参照して、ネットワークシステム1を構成する洗濯機200の構成の一態様について説明する。洗濯機200は、主たる構成要素として、CPU210と、メモリ220と、ディスプレイ230と、操作部240と、通信インターフェイス260と、スピーカ270と、洗濯センサ281と、読取センサ282と、タイマ285と、機器駆動部290とを含む。
【0027】
CPU210は、メモリ220あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、洗濯機200の各部を制御する。たとえば、CPU110は、洗濯用の制御命令に基づいて機器駆動部290を制御して洗濯処理を実行したり、乾燥用の制御命令に基づいて機器駆動部290を制御して乾燥処理を実行したり、洗濯の予定終了時刻を計算したりする。
【0028】
メモリ220は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ220は、CPU210によって実行される洗濯制御プログラムや乾燥制御プログラムや対話プログラムやその他のプログラムや、サーバ100や他のサーバから受信した音声データやその他のデータ、操作部240を介して入力されたデータや、各種のセンサ281によって測定されたセンシング結果などを記憶する。なお、メモリ120は、予め複数の洗濯制御プログラムを記憶しているものであるが、後述するように、フィードバックデータやセンシング結果に基づいて、洗濯機200に適した新たな制御プログラムがダウンロードされてメモリ120に蓄積されていくものである。
【0029】
たとえば、メモリ220は、図7に示す調整データを記憶する。調整データは、たとえば、調整項目と、調整値と、調整内容との対応関係を格納する。より詳細には、調整の対象となる項目、たとえば水量や洗い時間や脱水回数や脱水時間毎に、サーバ100からの調整値と調整内容との対応関係を格納する。たとえば、水量に関しては、サーバ100から調整値として1が提供されると、標準よりも水量を5リットル少なめに補正し、サーバ100から調整値として2が提供されると、標準の水量とし、サーバ100から調整値として3が提供されると、標準よりも水量を5リットル多めに補正する。
【0030】
図6に戻って、ディスプレイ230は、CPU210からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。操作部240は、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの各種命令を受け付けて、当該命令をCPU210に入力する。なお、ディスプレイ230と操作部240とは、タッチパネルを構成してもよい。
【0031】
通信インターフェイス260は、無線LAN通信あるいは有線LANなどの通信モジュールによって実現され、有線通信あるいは無線通信によってサーバ100などの他の装置との間でデータをやり取りする。たとえば、CPU210は、操作部240を介して受け付けた命令や洗濯の予定終了時刻や洗濯を行った際に測定した各種のセンシングデータなどを通信インターフェイス260を介してサーバ100に送信したり、サーバ100からの調整値や制御プログラムや遠隔制御命令やその他のデータなどを受け付けてCPU210に入力したりする。
【0032】
スピーカ270は、CPU210からの信号に基づいて、音声を出力する。たとえば、CPU210は、メモリ220に予め登録された音声データやサーバ100から受信した音声データをスピーカ270から出力する。
【0033】
洗濯センサ281は、使用する水の量や、洗濯物の重さや、扉の開閉状態や、汚れの程度などを測定するものであって、測定結果をCPU210に入力する。
【0034】
読取センサ282は、カメラやバーコードリーダやRFIDアンテナなどであって、洗剤や柔軟剤のパッケージのQRコード(登録商標)やバーコードを読み取って、洗剤や柔軟剤に関する情報を取得してCPU210に入力するものである。
【0035】
タイマ285は、現在時刻をCPU210に入力したり、洗濯開始からの経過時間や、洗濯が終了するまでの時間などを計測してCPU210に入力したりする。
【0036】
機器駆動部290は、モータやアクチュエータやヒータなど、洗濯機200の主要な機能を実現する。CPU210は、予め準備されている制御プログラムに基づいて機器駆動部290を制御して洗濯を行ったり、フィードバックデータやセンシング結果に基づいてサーバ100からダウンロードされる新たな制御プログラムに基づいて機器駆動部290を制御して洗濯を行ったりする。
<サーバ100の構成>
【0037】
次に、ネットワークシステム1を構成する各装置について詳細に説明する。まず、図8を参照して、サーバ100の構成の一態様について説明する。本実施の形態にかかるサーバ100は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、操作部140と、通信インターフェイス160とを含む。
【0038】
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ100の各部を制御する。たとえば、CPU110は、メモリ120に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。
【0039】
メモリ120は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、サーバ100に内包されているものであってもよいし、サーバ100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行されるプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、ユーザ情報データ121、洗濯機情報データ122や、プログラム情報データ123や、フィードバック対応データや、調整値限界対応データや、調整値揺らぎ対応データや、洗剤対応データや、センシング結果対応データや、洗濯物放置対応データなどを記憶する。
【0040】
図9を参照して、ユーザ情報データ121は、本サービスに登録されているユーザ毎に、ユーザの識別情報と、ユーザ名と、ユーザの通信端末300の識別情報と、ユーザの住所と、年齢や性別などのユーザ属性などの対応関係を格納する。
【0041】
図10を参照して、洗濯機情報データ122は、本サービスに登録されている洗濯機200毎に、洗濯機200の識別情報と、洗濯機200のユーザと、洗剤の情報と、柔軟剤の情報と、洗濯機200の動作やセンシング結果など各種の履歴と、フィードバックやセンシング結果に基づく各種の調整値と、フィードバックやセンシング結果に基づいて洗濯機200にダウンロードした制御プログラムの情報などの対応関係を格納する。
【0042】
図11を参照して、プログラム情報データ123は、洗濯機で利用される制御プログラム毎に、プログラムの識別情報と、プログラムの内容やコードと、プログラムを洗濯機200に提供するのに適した条件などの対応関係を格納する。
【0043】
図12を参照して、フィードバック対応データは、通信端末300からのフィードバックに対応する調整項目と調整値との対応関係を格納する。
【0044】
図13を参照して、調整値限界対応データは、調整項目毎に、調整値が限界に達した場合に通信端末300に提供する案内文を格納する。また、調整値限界対応データは、調整項目と調整値の限界値に対応付けて、洗濯機200にダウンロードすることが好ましい制御プログラムの情報を格納する。そして、CPU110は、標準的な洗濯コースの調整値を変更するだけでは対応できない場合に、通信インターフェイス160を介して、新たな制御プログラムを洗濯機200に提供したりする。たとえば、標準的な洗濯コース以上の水量を用いたり、洗いの時間を長くしたり、洗いの回数を増やした制御プログラムを準備したり、標準的な洗濯コースよりも洗濯層の回転数を下げたり洗剤の量を減らしたりした制御プログラムを準備したりしてもよい。
【0045】
図14を参照して、調整値揺らぎ対応データは、フィードバックが揺らいでいる場合に通信端末300に提供する案内文を格納する。また、調整値揺らぎ対応データは、相反するフィードバックの繰り返しに対応付けて、洗濯機200にダウンロードすることが好ましい制御プログラムの情報を格納する。そして、CPU110は、標準的な洗濯コースの調整値を変更するだけでは対応できない場合に、通信インターフェイス160を介して、新たな制御プログラムを洗濯機200に提供したりする。
【0046】
図15を参照して、洗剤対応データは、洗剤や柔軟剤と案内文との対応関係を格納する。また、洗剤対応データは、洗剤や柔軟剤やそれらの組み合わせに対応付けて、洗濯機200にダウンロードすることが好ましい制御プログラムの情報を格納する。具体的には、洗剤や柔軟剤のメーカのサーバから、洗濯ものの量と、洗剤や柔軟剤の量と、洗い時間と、水量に関する好ましい対応関係を取得したりして洗剤対応データを作成することが好ましい。そして、CPU110は、指定された洗剤や柔軟剤の情報に応じて、洗濯ものの量と、洗剤や柔軟剤の量と、洗い時間と、水量とに関して好ましい制御プログラムや、フィードバックでは対応できないレベルの制御プログラムを作成して洗濯機200に提供したりする。
【0047】
図16を参照して、センシング結果対応データは、洗濯機200によるセンシング結果と案内文との対応関係を格納する。また、センシング結果対応データは、センシング結果に対応付けて、洗濯機200にダウンロードすることが好ましい制御プログラムの情報を格納する。具体的には、汚れが多く検知された場合には、洗剤の量を多めに使用する制御プログラムや、洗い時間が長めに設定された制御プログラムや、洗剤の泡が消えにくいことが検知された場合には、すすぎの時間や回数が多めに設定された制御プログラムや、フィードバックでは対応できないレベルの制御プログラムを作成して洗濯機200に提供したりする。
【0048】
図17を参照して、洗濯物放置対応データは、調整値と、洗濯終了後から扉開放までの放置時間と、案内文との対応関係を格納する。また、洗濯物放置対応データは、報知時間に対応付けて、洗濯機200にダウンロードすることが好ましい制御プログラムの情報を格納する。具体的には、放置時間が平均的に長い洗濯機200は、抗菌洗剤の量を多めに使用する制御プログラムや、LEDライトを利用する制御プログラムや、送風機能を長めに利用する制御プログラムや、フィードバックでは対応できないレベルの制御プログラムを作成して洗濯機200に提供したりする。
【0049】
図8に戻って、操作部140は、サービスの管理者などからの操作を受け付けて、各種の命令をCPU110に入力する。
【0050】
通信インターフェイス160は、音声データや制御命令などの各種データを、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して洗濯機200や通信端末300などの他の装置に送信する。逆に、通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータなどを介して他の装置からのデータを受信して、CPU110に受け渡す。
<サーバ100の機能構成>
【0051】
次に、図18を参照して、本実施の形態にかかるサーバ100が有する機能について説明する。本実施の形態においては、サーバ100は、主に、アプリデータ受信部111と、洗濯機データ受信部112と、調整値決定部113と、案内文決定部114と、洗濯機データ送信部115と、アプリデータ送信部116などの機能を実現する。以下、各機能について詳細に説明する。
【0052】
CPU110は、メモリ120のプログラムを実行して、通信インターフェイス160を利用しながら、アプリデータ受信部111を実現する。アプリデータ受信部111は、通信端末300のアプリケーションプログラムからの、フィードバックデータや、洗剤の情報や、柔軟剤の情報などを受け付ける。
【0053】
CPU110は、メモリ120のプログラムを実行して、通信インターフェイス160を利用しながら、洗濯機データ受信部112を実現する。洗濯機データ受信部112は、洗濯機からの、センシング結果や、フィードバックデータや、洗剤の情報や、柔軟剤の情報などを受け付ける。
【0054】
CPU110は、メモリ120のプログラムを実行して、調整値決定部113を実現する。調整値決定部113は、メモリ120の各種のデータを参照しながら、通信端末300からのフィードバックデータや、洗濯機200からのセンシング結果に基づいて、各種の調整値を決定する。また、調整値決定部113は、フィードバックデータやセンシング結果に基づいて、洗濯機200に適した洗濯の制御プログラムを決定したりする。
【0055】
CPU110は、メモリ120のプログラムを実行して、案内文決定部114を実現する。案内文決定部114は、メモリ120の各種のデータを参照しながら、通信端末300からのフィードバックデータや、洗濯機200からのセンシング結果に基づいて、各種の案内文を決定する。
【0056】
CPU110は、メモリ120のプログラムを実行して、通信インターフェイス160を利用しながら、洗濯機データ送信部115を実現する。洗濯機データ送信部115は、調整値や案内文や制御プログラムなどを、洗濯機200に送信する。
【0057】
CPU110は、メモリ120のプログラムを実行して、通信インターフェイス160を利用しながら、アプリデータ送信部116を実現する。アプリデータ送信部116は、案内文のテキストデータや音声データなどを、通信端末300のアプリケーションプログラムに送信する。
<サーバ100の情報処理>
【0058】
本実施の形態においては、サーバ100のCPU110は、メモリ120のプログラムに従って以下のような処理を実行する。
【0059】
洗濯機200が洗濯を完了したときなどに、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、洗濯機200からセンシング結果を取得して洗濯機情報データ122に格納する(ステップS102)。
【0060】
次に、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、洗濯機200に対応するユーザの通信端末300から、今回の洗濯に関するフィードバックを受け付ける(ステップS104)。
【0061】
CPU110は、各種の対応データを参照することによって、フィードバックやセンシング結果に適した調整値を決定する(ステップS106)。
【0062】
設定値を補正できる場合、すなわち設定値の限界に達していない場合(ステップS108にてNOである場合)、CPU110は、洗濯機200の該当する設定値を更新して、洗濯機200に設定値を更新するように指示を送る(ステップS110)。
【0063】
設定値を補正できない場合、すなわち設定値の限界に達している場合(ステップS110にてNOである場合)、CPU110は、プログラム情報データ123を参照して、洗濯機200に適した洗濯を行うための制御プログラムを特定し、当該制御プログラムを当該洗濯機200にダウンロードする(ステップS112)。これによって、洗濯機200のCPU210は、ダウロードした制御プログラムに従って、よりユーザの好みに沿った洗濯を実行できるようになる。
<第2の実施の形態>
【0064】
上記の実施の形態においては、設定値が限界に達した場合に、サーバ100が、洗濯機200に適した制御プログラムを抽出して洗濯機200に提供するものであった。しかしながら、設定値が限界に達したか否かにかかわらずに、洗濯機200に適した洗濯の制御プログラムを抽出して洗濯機200にダウンロードしてもよい。
<第3の実施の形態>
【0065】
上記の実施の形態においては、洗濯に関するフィードバックや、洗剤や柔軟剤の情報を通信端末300に入力するものであったが、これらの情報は洗濯機200自身が受け付けてもよい。たとえば、洗濯機200の操作部240や、読取センサ282を介して、CPU210は、洗濯に関するフィードバックや、洗剤や柔軟剤の情報を取得して、通信インターフェイス260を介して、サーバ100にアップロードしてもよい。
<第4の実施の形態>
【0066】
上記の実施の形態のネットワークシステム1のサーバ100や洗濯機200や通信端末300などの各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。たとえば、サーバ100の処理の一部または全部を洗濯機200や通信端末300が担ったり、洗濯機200の機能の一部をサーバ100や通信端末300が担ったり、通信端末300の機能の一部を洗濯機200やサーバ100が担ったりしてもよい。また、サーバ100の役割を、クラウド上の多数のサーバによって分担して実現してもよい。
<まとめ>
【0067】
上記の実施の形態おいては、洗濯機と、洗濯機に関する情報の入力を受け付ける通信端末と、通信端末からの情報に基づいて、洗濯機に洗濯用の制御プログラムをダウンロードするためのサーバと、を備えるネットワークシステムが提供される。
【0068】
好ましくは、通信端末は、情報として、洗濯機による標準的な洗濯の終了後に当該洗濯に関するフィードバック情報を受け付けてサーバに送信する。
【0069】
好ましくは、サーバは、フィードバック情報によって標準的な洗濯に関する各種の設定値を補正し、当該設定値の限界に達すると、洗濯機に洗濯用の制御プログラムをダウンロードする。
【0070】
好ましくは、通信端末は、情報として、洗濯機で利用する洗剤や柔軟剤の情報を受け付けてサーバに送信する。
【0071】
上記の実施の形態おいては、サーバによる情報処理方法が提供される。情報処理装置は、プロセッサが、通信インターフェイスを介して、通信端末から洗濯機に関する情報を受信するステップと、通信端末からの情報に基づいて、洗濯機に洗濯用の制御プログラムをダウンロードするステップと、を備える。
【0072】
上記の実施の形態おいては、洗濯に関する情報の入力を受け付ける洗濯機と、洗濯機からの情報に基づいて、洗濯機に洗濯用の制御プログラムをダウンロードするためのサーバと、を備えるネットワークシステムが提供される。
【0073】
好ましくは、洗濯機は、各種のセンサを含む。洗濯機は、情報として、洗濯した際に、各種のセンサによって測定された数値とサーバに送信する。
【0074】
好ましくは、洗濯機は、情報として、洗濯機で利用する洗剤や柔軟剤の情報を受け付けてサーバに送信する。
【0075】
上記の実施の形態おいては、サーバによる情報処理方法が提供される。情報処理方法は、プロセッサが、通信インターフェイスを介して、洗濯機から洗濯に関する情報を受信するステップと、洗濯機からの情報に基づいて、洗濯機に洗濯用の制御プログラムをダウンロードするステップと、を備える。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0077】
1 :ネットワークシステム
100 :サーバ
110 :CPU
111 :アプリデータ受信部
112 :洗濯機データ受信部
113 :調整値決定部
114 :案内文決定部
115 :洗濯機データ送信部
116 :アプリデータ送信部
120 :メモリ
121 :ユーザ情報データ
122 :洗濯機情報データ
123 :プログラム情報データ
140 :操作部
160 :通信インターフェイス
200 :洗濯機
210 :CPU
220 :メモリ
230 :ディスプレイ
240 :操作部
260 :通信インターフェイス
270 :スピーカ
281 :洗濯センサ
282 :読取センサ
285 :タイマ
290 :機器駆動部
300 :通信端末
310 :CPU
320 :メモリ
330 :ディスプレイ
340 :操作部
350 :タッチパネル
360 :通信インターフェイス
370 :スピーカ
380 :マイク
390 :アンテナ
図1
図2
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