IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャパンディスプレイの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0232 20140101AFI20240801BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20240801BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20240801BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20240801BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
H01L31/02 D
H01L31/10 A
H01L27/146 C
H01L27/146 F
A61B5/02 310B
A61B5/1455
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020161107
(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公開番号】P2022054105
(43)【公開日】2022-04-06
【審査請求日】2023-04-25
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】知念 怜
(72)【発明者】
【氏名】野村 盛一
【審査官】原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-356270(JP,A)
【文献】特開2020-031104(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0141104(US,A1)
【文献】特表2020-504500(JP,A)
【文献】特開2004-214613(JP,A)
【文献】特開平11-338379(JP,A)
【文献】特開2022-035262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/0392
H01L 31/08-31/119
H01L 31/18-31/20
H01L 27/144-27/148
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の第1主面上に配列された複数のフォトダイオードと、
複数の前記フォトダイオードを覆う保護膜と、
前記保護膜を介して複数の前記フォトダイオードのそれぞれに対向して設けられた複数のレンズと、
隣り合う前記レンズの間に設けられる突出部と、を備え、
前記基板には、前記レンズと直に接し、前記レンズと前記基板との間に位置する第1層が設けられ、
前記突出部は、第1突出部と、前記第1突出部に重畳し前記第1突出部の前記第1層とは反対側に設けられた第2突出部と、を有し、
前記第1突出部は、前記第1層と直に接し、
前記第1突出部の材質は前記第2突出部の材質と異なり、
前記第2突出部の径は、前記第1突出部の径よりも小さく、
前記第1主面から前記第2突出部の頂部までの距離は、前記第1主面から前記レンズの頂部までの距離よりも大きい、
検出装置。
【請求項2】
複数の前記フォトダイオードと複数の前記レンズとの間に設けられ、複数の前記フォトダイオードのそれぞれに重畳する領域に開口が設けられた遮光層と、
前記遮光層と前記レンズとの間に設けられた透光性樹脂層と、を有し、
前記第1層は、前記透光性樹脂層であり、
前記レンズは、前記開口と重畳し、前記突出部は、前記開口が形成されていない前記遮光層と重畳する
請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記突出部は、前記第1主面に垂直な方向での高さが前記レンズの高さよりも高い
請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記突出部の頂部から底部までの全長は、前記レンズの頂部から底部までの全長よりも長い
請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
【請求項5】
前記突出部は、前記基板に垂直な方向からの平面視で、前記レンズと同じ形状を有する
請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
【請求項6】
前記フォトダイオードは、それぞれ、p型半導体層、i型半導体層及びn型半導体層が積層された複数の部分フォトダイオードを有し、
複数の前記レンズは、複数の前記部分フォトダイオードのそれぞれに重畳して設けられ、
前記突出部の数は前記レンズの数よりも少ない
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の検出装置。
【請求項7】
前記第1突出部の前記径は、前記レンズの径と等しい、
請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
【請求項8】
前記第1突出部の形状は、前記レンズの形状と等しい、
請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
【請求項9】
前記突出部は、複数個形成され、
複数個の前記突出部は、平面視で並んで配置される第3の突出部と第4の突出部とを含み、
前記第3の突出部と前記第4の突出部との間には、前記複数のレンズの内の2つ以上が配置され、前記複数個の前記突出部のうちの他の突出部が配置されない、
請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
【請求項10】
前記突出部は、平面視で、前記複数のレンズの内の幾つかによって囲われている、
請求項1又は請求項2に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置及び検出装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、マイクロレンズと光センサとの間に、開口が設けられた遮光層を有する光学撮像装置について記載されている。このような光センサとして、PIN型のフォトダイオードが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2020/0089928号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PIN型のフォトダイオードを用いた検出装置では、薄型化が要求される。ここで、検出装置は、複数のフォトダイオード及び複数のマイクロレンズが設けられたアレイ基板単体で形成される。この場合、基板の研磨工程でアレイ基板に形成されたマイクロレンズが損傷する等、基板の研磨が困難となる可能性がある。
【0005】
本発明は、薄型化が可能な検出装置及び検出装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の検出装置は、基板と、前記基板の第1主面上に配列された複数のフォトダイオードと、複数の前記フォトダイオードを覆う保護膜と、前記保護膜を介して複数の前記フォトダイオードのそれぞれに対向して設けられた複数のレンズと、隣り合う前記レンズの間に設けられる突出部と、を備え、前記第1主面から見た場合に、前記突出部の頂部は、前記レンズの頂部よりも高い位置に設けられている。
【0007】
本発明の一態様の検出装置の製造方法は、基板と、前記基板の第1主面に配列された複数のフォトダイオードと、複数の前記フォトダイオードを覆って前記基板の上に設けられた保護膜と、複数の前記フォトダイオードのそれぞれに重畳して設けられた複数のレンズと、を有する検出装置の製造方法であって、前記基板に垂直な方向での高さが前記レンズの高さよりも高い突出部が形成された一対の前記基板の前記第1主面を対向させて、一対の前記基板を重ね合わせる工程と、一対の前記基板が重ね合わされた状態で、それぞれの前記第1主面と反対側の第2主面を研磨する工程と、を有し、前記一対の前記基板を重ね合わせる工程では、前記一方の検出装置の突出部が対向する他方の検出装置の一部に当接すると共に、各検出装置の前記複数のレンズは互いに接触することなく対向する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、実施形態に係る検出装置を有する照明装置付き検出機器の概略断面構成を示す断面図である。
図1B図1Bは、変形例1に係る検出装置を有する照明装置付き検出機器の概略断面構成を示す断面図である。
図1C図1Cは、変形例2に係る検出装置を有する照明装置付き検出機器の概略断面構成を示す断面図である。
図1D図1Dは、変形例3に係る検出装置を有する照明装置付き検出機器の概略断面構成を示す断面図である。
図2図2は、実施形態に係る検出装置を示す平面図である。
図3図3は、実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、検出素子を示す回路図である。
図5図5は、検出素子を示す平面図である。
図6図6は、図5のVI-VI’断面図である。
図7図7は、図5のVII-VII’断面図である。
図8図8は、光学フィルタ及び突出部の構成例を示す平面図である。
図9図9は、図8のIX-IX断面図である。
図10図10は、実施形態に係る検出装置の製造方法を説明するためのフローチャート図である。
図11図11は、貼り合わされた一対のマザー基板を模式的に示す斜視図である。
図12図12は、図11のXII-XII’断面図である。
図13図13は、表示パネルに貼り合わされたアレイ基板の構成を模式的に示す断面図である。
図14図14は、変形例4に係る検出装置の製造方法を説明するためのフローチャート図である。
図15図15は、変形例5に係る検出装置を模式的に示す断面図である。
図16図16は、変形例6に係る検出装置を模式的に示す断面図である。
図17図17は、変形例7に係る検出装置を模式的に示す平面図である。
図18図18は、変形例8に係る検出装置を模式的に示す平面図である。
図19図19は、変形例8に係る検出装置の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本開示と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0011】
図1Aは、実施形態に係る検出装置を有する照明装置付き検出機器の概略断面構成を示す断面図である。図1Bは、変形例1に係る検出装置を有する照明装置付き検出機器の概略断面構成を示す断面図である。図1Cは、変形例2に係る検出装置を有する照明装置付き検出機器の概略断面構成を示す断面図である。図1Dは、変形例3に係る検出装置を有する照明装置付き検出機器の概略断面構成を示す断面図である。
【0012】
図1Aに示すように、照明装置付き検出機器120は、検出装置1と、照明装置121と、を有する。検出装置1は、センサ基板5と、光学フィルタ7と、接着層125と、カバー部材122と、を有する。つまり、センサ基板5の表面に垂直な方向において、センサ基板5、光学フィルタ7、接着層125、カバー部材122の順に積層されている。なお、後述するように検出装置1のカバー部材122を照明装置121に置き換えることもできる。接着層125は、光学フィルタ7とカバー部材122とを接着させるものであればよく、検出領域AAに相当する領域に接着層125は無い構造であっても構わない。検出領域AAに接着層125が無い場合、検出領域AAの外側の周辺領域GAに相当する領域で接着層125がカバー部材122と光学フィルタ7とを接着させている構造となる。また、検出領域AAに設けられる接着層125は、単に光学フィルタ7の保護層と言い換えてもよい。
【0013】
図1Aに示すように、照明装置121は、例えば、カバー部材122を検出装置1の検出領域AAに対応する位置に設けられた導光板として用い、カバー部材122の一方端又は両端に並ぶ複数の光源123を有する、いわゆるサイドライト型のフロントライトであってもよい。つまり、カバー部材122は、光を照射する光照射面121aを有し、照明装置121の一構成要素となっている。この照明装置121によれば、カバー部材122の光照射面121aから検出対象である指Fgに向けて光L1を照射する。光源として、例えば、所定の色の光を発する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられる。
【0014】
また、図1Bに示すように、照明装置121は、検出装置1の検出領域AAの直下に設けられた光源(例えば、LED)を有するものであってもよく、光源を備えた照明装置121はカバー部材122としても機能する。
【0015】
また、照明装置121は、図1Bの例に限らず、図1Cに示すように、カバー部材122の側方や上方に設けられていてもよく、指Fgの側方や上方から指Fgに光L1を照射してもよい。
【0016】
さらには、図1Dに示すように、照明装置121は、検出装置1の検出領域に設けられた光源(例えば、LED)を有する、いわゆる直下型のバックライトであってもよい。
【0017】
照明装置121から照射された光L1は、検出対象である指Fgにより光L2として反射される。検出装置1は、指Fgで反射された光L2(光L2の陰影、又は反射光の強さ)を検知することで、指Fgの表面の凹凸(例えば、指紋)を検出する。さらに、検出装置1は、指紋の検出に加え、指Fgの内部で反射した光L2を検出することで、生体に関する情報を検出してもよい。生体に関する情報は、例えば、静脈等の血管像や脈拍、脈波等である。照明装置121からの光L1の色は、検出対象に応じて異ならせてもよい。
【0018】
カバー部材122は、センサ基板5及び光学フィルタ7を保護するための部材であり、センサ基板5及び光学フィルタ7を覆っている。上述のように、照明装置121がカバー部材122を兼ねる構造でもよい。図1C及び図1Dに示すカバー部材122が照明装置121と分離されている構造においては、カバー部材122は、例えばガラス基板である。なお、カバー部材122はガラス基板に限定されず、樹脂基板等であってもよく、これらの基板を積層した複数層からなる構成でもよい。また、カバー部材122が設けられていなくてもよい。この場合、センサ基板5及び光学フィルタ7の表面に絶縁膜等の保護層が設けられ、指Fgは検出装置1の保護層に接する。
【0019】
照明装置付き検出機器120は、図1Bに示すように、照明装置121に換えて表示パネル126が設けられていてもよい。表示パネル126は、例えば、有機ELディスプレイパネル(OLED:Organic Light Emitting Diode)や無機ELディスプレイ(マイクロLED、ミニLED)であってもよい。或いは、表示パネル126は、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示パネル(LCD:Liquid Crystal Display)や、表示素子として電気泳動素子を用いた電気泳動型表示パネル(EPD:Electrophoretic Display)であってもよい。この場合、表示パネル126から照射された表示光(光L1)が指Fgで反射され、当該反射光は表示パネル126を通り抜けて光学フィルタ7に到達する。かかる点を鑑みると、表示パネル126は光透過性の基板や積層膜によって構成されていることが好ましい。そして、かかる光L2に基づいて、指Fgの指紋や生体に関する情報を検出することができる。
【0020】
図2は、実施形態に係る検出装置を示す平面図である。なお、図2以下で示す、第1方向Dxは、基板21と平行な面内の一方向である。第2方向Dyは、基板21と平行な面内の一方向であり、第1方向Dxと直交する方向である。なお、第2方向Dyは、第1方向Dxと直交しないで交差してもよい。第3方向Dzは、第1方向Dx及び第2方向Dyと直交する方向であり、基板21の法線方向である。
【0021】
図2に示すように、検出装置1は、アレイ基板2(基板21)と、センサ部10と、走査線駆動回路15と、信号線選択回路16と、検出回路48と、制御回路102と、電源回路103と、を有する。
【0022】
基板21には、配線基板110を介して制御基板101が電気的に接続される。配線基板110は、例えば、フレキシブルプリント基板やリジット基板である。配線基板110には、検出回路48が設けられている。制御基板101には、制御回路102及び電源回路103が設けられている。制御回路102は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)である。制御回路102は、センサ部10、走査線駆動回路15及び信号線選択回路16に制御信号を供給し、センサ部10の動作を制御する。電源回路103は、電源電位VDDや基準電位VCOM(図4参照)等の電圧信号をセンサ部10、走査線駆動回路15及び信号線選択回路16に供給する。なお、本実施形態においては、検出回路48が配線基板110に配置される場合を例示したがこれに限られない。検出回路48は、基板21の上に配置されてもよい。
【0023】
基板21は、検出領域AAと、周辺領域GAとを有する。検出領域AA及び周辺領域GAは、基板21と平行な面方向に延在している。検出領域AA内には、センサ部10の各素子(検出素子3)が設けられている。周辺領域GAは、検出領域AAの外側の領域であり、各素子(検出素子3)が設けられない領域である。すなわち、周辺領域GAは、検出領域AAの外周と基板21の外縁部との間の領域である。周辺領域GA内には、走査線駆動回路15及び信号線選択回路16が設けられる。走査線駆動回路15は、周辺領域GAのうち第2方向Dyに沿って延在する領域に設けられる。信号線選択回路16は、周辺領域GAのうち第1方向Dxに沿って延在する領域に設けられ、センサ部10と検出回路48との間に設けられる。
【0024】
センサ部10の複数の検出素子3は、それぞれ、センサ素子としてフォトダイオード30を有する光センサである。フォトダイオード30は、光電変換素子であり、それぞれに照射される光に応じた電気信号を出力する。より具体的には、フォトダイオード30は、PIN(Positive Intrinsic Negative)フォトダイオードである。また、フォトダイオード30はOPD(Organic Photo Diode)と言い換えてもよい。検出素子3は、検出領域AAにマトリクス状に配列される。複数の検出素子3が有するフォトダイオード30は、走査線駆動回路15から供給されるゲート駆動信号(例えば、リセット制御信号RST、読出制御信号RD)に従って検出を行う。複数のフォトダイオード30は、それぞれに照射される光に応じた電気信号を、検出信号Vdetとして信号線選択回路16に出力する。検出装置1は、複数のフォトダイオード30からの検出信号Vdetに基づいて生体に関する情報を検出する。
【0025】
図3は、実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、検出装置1は、さらに検出制御回路11と検出部40と、を有する。検出制御回路11の機能の一部又は全部は、制御回路102に含まれる。また、検出部40のうち、検出回路48以外の機能の一部又は全部は、制御回路102に含まれる。
【0026】
検出制御回路11は、走査線駆動回路15、信号線選択回路16及び検出部40にそれぞれ制御信号を供給し、これらの動作を制御する回路である。検出制御回路11は、スタート信号STV、クロック信号CK等の各種制御信号を走査線駆動回路15に供給する。また、検出制御回路11は、選択信号ASW等の各種制御信号を信号線選択回路16に供給する。
【0027】
走査線駆動回路15は、各種制御信号に基づいて複数の走査線(読出制御走査線GLrd、リセット制御走査線GLrst(図4参照))を駆動する回路である。走査線駆動回路15は、複数の走査線を順次又は同時に選択し、選択された走査線にゲート駆動信号(例えば、リセット制御信号RST、読出制御信号RD)を供給する。これにより、走査線駆動回路15は、走査線に接続された複数のフォトダイオード30を選択する。
【0028】
信号線選択回路16は、複数の出力信号線SL(図4参照)を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。信号線選択回路16は、例えばマルチプレクサである。信号線選択回路16は、検出制御回路11から供給される選択信号ASWに基づいて、選択された出力信号線SLと検出回路48とを接続する。これにより、信号線選択回路16は、フォトダイオード30の検出信号Vdetを検出部40に出力する。
【0029】
検出部40は、検出回路48と、信号処理回路44と、座標抽出回路45と、記憶回路46と、検出タイミング制御回路47と、を備える。検出タイミング制御回路47は、検出制御回路11から供給される制御信号に基づいて、検出回路48と、信号処理回路44と、座標抽出回路45と、が同期して動作するように制御する。
【0030】
検出回路48は、例えばアナログフロントエンド回路(AFE:Analog Front End)である。検出回路48は、少なくとも検出信号増幅回路42及びA/D変換回路43の機能を有する信号処理回路である。検出信号増幅回路42は、検出信号Vdetを増幅する回路であり、例えば、積分回路である。A/D変換回路43は、検出信号増幅回路42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0031】
信号処理回路44は、検出回路48の出力信号に基づいて、センサ部10に入力された所定の物理量を検出する論理回路である。信号処理回路44は、指Fgが検出面に接触又は近接した場合に、検出回路48からの信号に基づいて指Fgや掌の表面の凹凸(指紋、掌紋)を検出できる。また、信号処理回路44は、検出回路48からの信号に基づいて生体に関する情報を検出してもよい。生体に関する情報は、例えば、指Fgや掌の血管像、脈波、脈拍、血中酸素飽和度等である。
【0032】
記憶回路46は、信号処理回路44で演算された信号を一時的に保存する。記憶回路46は、例えばRAM(Random Access Memory)、レジスタ回路等であってもよい。
【0033】
座標抽出回路45は、信号処理回路44において指Fgの接触又は近接が検出されたときに、指Fg等の表面の凹凸の検出座標を求める論理回路である。また、座標抽出回路45は、指Fgや掌の血管の検出座標を求める論理回路である。座標抽出回路45は、センサ部10の各検出素子3から出力される検出信号Vdetを組み合わせて、指Fg等の表面の凹凸の形状を示す二次元情報を生成する。なお、座標抽出回路45は、検出座標を算出せずにセンサ出力Voとして検出信号Vdetを出力してもよい。
【0034】
次に、検出装置1の回路構成例について説明する。図4は、検出素子を示す回路図である。図4に示すように、検出素子3は、フォトダイオード30、リセットトランジスタMrst、読出トランジスタMrd及びソースフォロワトランジスタMsfを有する。リセットトランジスタMrst、読出トランジスタMrd及びソースフォロワトランジスタMsfは、1つのフォトダイオード30に対応して設けられる。リセットトランジスタMrst、読出トランジスタMrd及びソースフォロワトランジスタMsfは、それぞれn型TFT(Thin Film Transistor)で構成される。ただし、これに限定されず、各トランジスタは、それぞれp型TFTで構成されてもよい。
【0035】
フォトダイオード30のアノードには、基準電位VCOMが印加される。フォトダイオード30のカソードは、ノードN1に接続される。ノードN1は、容量Cs、リセットトランジスタMrstのソース又はドレインの一方及びソースフォロワトランジスタMsfのゲートに接続される。さらにノードN1には、寄生容量Cpが存在する。フォトダイオード30に光が入射した場合、フォトダイオード30から出力された信号(電荷)は、容量Csに蓄積される。
【0036】
ここで、容量Csは、例えば、フォトダイオード30のp型半導体層33とn型半導体層32(図6参照)との間に形成される容量である。寄生容量Cpは、容量Csに付加された容量であり、アレイ基板2に設けられた各種配線、電極間に形成される容量である。
【0037】
リセットトランジスタMrstのゲートは、リセット制御走査線GLrstに接続される。リセットトランジスタMrstのソース又はドレインの他方には、リセット電位Vrstが供給される。リセットトランジスタMrstがリセット制御信号RSTに応答してオン(導通状態)になると、ノードN1の電位がリセット電位Vrstにリセットされる。基準電位VCOMは、リセット電位Vrstよりも低い電位を有しており、フォトダイオード30は、逆バイアス駆動される。
【0038】
ソースフォロワトランジスタMsfは、電源電位VDDが供給される端子と読出トランジスタMrd(ノードN2)との間に接続される。ソースフォロワトランジスタMsfのゲートは、ノードN1に接続される。ソースフォロワトランジスタMsfのゲートには、フォトダイオード30で発生した信号(電荷)が供給される。これにより、ソースフォロワトランジスタMsfは、フォトダイオード30で発生した信号(電荷)に応じた電圧信号を読出トランジスタMrdに出力する。
【0039】
読出トランジスタMrdは、ソースフォロワトランジスタMsfのソース(ノードN2)と出力信号線SL(ノードN3)との間に接続される。読出トランジスタMrdのゲートは、読出制御走査線GLrdに接続される。読出トランジスタMrdが読出制御信号RDに応答してオンになると、ソースフォロワトランジスタMsfから出力される信号、すなわち、フォトダイオード30で発生した信号(電荷)に応じた電圧信号が、検出信号Vdetとして出力信号線SLに出力される。
【0040】
なお、図4に示す例では、リセットトランジスタMrst及び読出トランジスタMrdは、それぞれ、2つのトランジスタが直列に接続されて構成されたいわゆるダブルゲート構造である。ただし、これに限定されず、リセットトランジスタMrst及び読出トランジスタMrdは、シングルゲート構造でもよく、3つ以上のトランジスタが直列に接続されたマルチゲート構造でもよい。また、1つの検出素子3の回路は、リセットトランジスタMrst、ソースフォロワトランジスタMsf及び読出トランジスタMrdの3つのトランジスタを有する構成に限定されない。検出素子3は、2つ、又は、4つ以上のトランジスタを有していてもよい。
【0041】
次に、検出素子3の平面構成及び断面構成について説明する。図5は、検出素子を示す平面図である。図5に示すように、1つの検出素子3は、2つの走査線(読出制御走査線GLrd、リセット制御走査線GLrst)と、4つの信号線(出力信号線SL、電源信号線SLsf、リセット信号線SLrst及び基準信号線SLcom)とを含む。
【0042】
読出制御走査線GLrd及びリセット制御走査線GLrstは、第1方向Dxに延在し、第2方向Dyに並んで配置される。出力信号線SL、電源信号線SLsf、リセット信号線SLrst及び基準信号線SLcomは、第2方向Dyに延在し、第1方向Dxに並んで配置される。
【0043】
検出素子3は、2つの走査線(読出制御走査線GLrdとリセット制御走査線GLrst)と、2つの信号線(例えば、隣接する検出素子3の2つの電源信号線SLsf)とで囲まれた領域で規定される。
【0044】
図5に示すように、フォトダイオード30は、複数の部分フォトダイオード30S-1、30S-2、・・・、30S-8を有する。部分フォトダイオード30S-1、30S-2、・・・、30S-8は、三角格子状に配置される。
【0045】
部分フォトダイオード30S-1、30S-2、・・・、30S-8のそれぞれに重畳して、図9に示す光学フィルタ7のレンズ78、第1遮光層71の第1開口OP1及び第2遮光層72の第2開口OP2が設けられる。なお、図5では、図面を見やすくするために、光学フィルタ7の構成要素のうち第1開口OP1のみ示している。
【0046】
より具体的には、部分フォトダイオード30S-1、30S-2、30S-3は、第2方向Dyに配列される。部分フォトダイオード30S-4、30S-5は、第2方向Dyに配列され、部分フォトダイオード30S-1、30S-2、30S-3で構成される素子列と第1方向Dxに隣り合う。部分フォトダイオード30S-6、30S-7、30S-8は、第2方向Dyに配列され、部分フォトダイオード30S-4、30S-5で構成される素子列と第1方向Dxに隣り合う。隣接する素子列間で、部分フォトダイオード30Sの第2方向Dyでの位置が、互い違いに配置される。
【0047】
部分フォトダイオード30S-1、30S-2、・・・、30S-8には、それぞれ、光学フィルタ7を通して光L2が入射する。部分フォトダイオード30S-1、30S-2、・・・、30S-8は、電気的に接続され、1つのフォトダイオード30として機能する。つまり、部分フォトダイオード30S-1、30S-2、・・・、30S-8のそれぞれが出力する信号が統合されて、フォトダイオード30から1つの検出信号Vdetが出力される。なお以下の説明では、部分フォトダイオード30S-1、30S-2、・・・、30S-8を区別して説明する必要が無い場合には、単に部分フォトダイオード30Sと表す。
【0048】
部分フォトダイオード30Sは、それぞれi型半導体層31、n型半導体層32及びp型半導体層33を含む。i型半導体層31及びn型半導体層32は、例えば、アモルファスシリコン(a-Si)である。p型半導体層33は、例えば、ポリシリコン(p-Si)である。なお、半導体層の材料は、これに限定されず、ポリシリコン、微結晶シリコン等であってもよい。
【0049】
n型半導体層32は、a-Siに不純物がドープされてn+領域を形成する。p型半導体層33は、p-Siに不純物がドープされてp+領域を形成する。i型半導体層31は、例えば、ノンドープの真性半導体であり、n型半導体層32及びp型半導体層33よりも低い導電性を有する。
【0050】
また、図5では、p型半導体層33とi型半導体層31(及びn型半導体層32)とが互いに重畳すると共に直接接続された実効的なセンサ領域である第1領域R1を点線で示している。部分フォトダイオード30Sは、それぞれ、少なくとも第1領域R1を有して構成される。言い換えると、複数の第1領域R1は、平面視で三角格子状に配置される。光学フィルタ7の第1開口OP1は、第1領域R1と重畳して設けられる。
【0051】
部分フォトダイオード30Sは、平面視で、それぞれ円形状又は半円形状で形成される。ただし、これに限定されず、部分フォトダイオード30Sは、多角形状等であってもよい。また、複数の部分フォトダイオード30Sは、互いに異なる形状を有していてもよい。
【0052】
第2方向Dyに配列された部分フォトダイオード30S-1、30S-2、30S-3のn型半導体層32は、連結部CA1により電気的に接続される。部分フォトダイオード30S-1、30S-2、30S-3のp型半導体層33は、連結部CA2により電気的に接続される。
【0053】
また、部分フォトダイオード30S-4、30S-5、30S-6、30S-7、30S-8のn型半導体層32(i型半導体層31)は、基部BA1により電気的に接続される。部分フォトダイオード30S-4、30S-5、30S-6、30S-7、30S-8のp型半導体層33は、基部BA2により電気的に接続される。基部BA1、基部BA2は、略五角形状に形成され、頂点の位置に部分フォトダイオード30S-4、30S-5、30S-6、30S-7、30S-8が設けられる。
【0054】
基部BA1と、部分フォトダイオード30S-1、30S-2、30S-3のi型半導体層31及びn型半導体層32とは、第1方向Dxで離隔して配置される。一方、部分フォトダイオード30S-4、30S-5、30S-6、30S-7、30S-8のp型半導体層33に接続される基部BA2と、部分フォトダイオード30S-1、30S-2、30S-3のp型半導体層33とは、リセット信号線SLrstと基準信号線SLcomの下方を第1方向Dxに沿って通過する連結部CA2aにより電気的に接続される。これにより、1つのフォトダイオード30を構成する複数の部分フォトダイオード30Sが電気的に接続される。
【0055】
下部導電層35は、部分フォトダイオード30S、連結部CA1、CA2、CA2a及び基部BA1、BA2と重なる領域に設けられる。下部導電層35は、部分フォトダイオード30Sと重畳する部分が円形状に形成されている。ただし、下部導電層35は、部分フォトダイオード30Sと異なる形状であってもよい。また、下部導電層35は、少なくとも第1領域R1と重畳する部分に設けられていればよい。下部導電層35には、p型半導体層33と同じ基準電位VCOMが供給され、下部導電層35とp型半導体層33との間の寄生容量を抑制することができる。
【0056】
上部導電層34は、複数の部分フォトダイオード30Sのn型半導体層32を電気的に接続する。具体的には、上部導電層34は、部分フォトダイオード30S-1、30S-3と重畳する位置で、絶縁膜27(図6参照)に設けられたコンタクトホールH1、H2を介して、それぞれのn型半導体層32と電気的に接続される。上部導電層34の接続部34aは、連結部CA1、CA2、CA2a及び部分フォトダイオード30S-2と重畳してT字状に形成され、接続部34bと接続される。また、上部導電層34の接続部34bは、基部BA1と重畳する位置で、絶縁膜27(図6参照)に設けられたコンタクトホールH3を介して、基部BA1のn型半導体層32と電気的に接続される。
【0057】
さらに、上部導電層34は、接続部34bからフォトダイオード30と非重畳の領域に延在し、接続部34cと接続される。上部導電層34の接続部34cは、コンタクトホールH4を介して各トランジスタ(リセットトランジスタMrst及びソースフォロワトランジスタMsf(図4参照))と電気的に接続される。なお、上部導電層34は、どのように設けられていてもよく、例えば、部分フォトダイオード30Sの一部を覆っていてもよいし、部分フォトダイオード30Sの全体を覆って設けられていてもよい。
【0058】
リセットトランジスタMrst、ソースフォロワトランジスタMsf及び読出トランジスタMrdは、フォトダイオード30と非重畳の領域に設けられる。ソースフォロワトランジスタMsf及び読出トランジスタMrdは、例えば、フォトダイオード30と第1方向Dxに隣り合って設けられる。また、リセットトランジスタMrstは、部分フォトダイオード30S-4と第2方向Dyに隣り合って配置され、かつ、第1方向Dxで部分フォトダイオード30S-1と部分フォトダイオード30S-6との間に配置される。
【0059】
リセットトランジスタMrstの半導体層61の一端は、リセット信号線SLrstに接続される。半導体層61の他端は、コンタクトホールH17(図7参照)を介して接続配線SLcn3(ノードN1)に接続される。リセット信号線SLrstの、半導体層61と接続される部分がソース電極として機能し、接続配線SLcn3の、半導体層61と接続される部分がドレイン電極63(図7参照)として機能する。半導体層61は、U字状に形成され、2箇所でリセット制御走査線GLrstと交差する。半導体層61の、リセット制御走査線GLrstと重なる部分にチャネル領域が形成され、リセット制御走査線GLrstの半導体層61と重なる部分が、それぞれゲート電極64として機能する。
【0060】
ソースフォロワトランジスタMsfは、半導体層65と、ソース電極66と、ドレイン電極67と、ゲート電極68とを有する。半導体層65の一端は、コンタクトホールH15(図6参照)を介して電源信号線SLsfに接続される。半導体層65の他端は、コンタクトホールH16(図6参照)を介して接続配線SLcn1(ノードN2)に接続される。電源信号線SLsfの、半導体層65と接続される部分がドレイン電極67として機能し、接続配線SLcn1の、半導体層65と接続される部分がソース電極66として機能する。
【0061】
ゲート電極68の一端側は、第1方向Dxに延在し、半導体層65と重畳する。ゲート電極68の他端側は、第2方向Dyに延在し、接続配線SLcn3と電気的に接続される。これにより、リセットトランジスタMrstは、接続配線SLcn3を介して、ソースフォロワトランジスタMsfのゲートに電気的に接続される。
【0062】
読出トランジスタMrdは、半導体層81と、ソース電極82と、ドレイン電極83と、ゲート電極84とを有する。半導体層81の一端は、接続配線SLcn1に接続される。半導体層81の他端は、出力信号線SLから第1方向Dxに分岐された接続配線SLcn2に接続される。接続配線SLcn1の、半導体層81と接続される部分がドレイン電極83として機能し、接続配線SLcn2の、半導体層81と接続される部分がソース電極82として機能する。2つのゲート電極84は第2方向Dyに並んで設けられ、半導体層81と重なる。2つのゲート電極84は、第2方向Dyに延在し電源信号線SLsfと重畳する分岐部を介して、読出制御走査線GLrdと電気的に接続される。このような構成で、ソースフォロワトランジスタMsf及び読出トランジスタMrdは、出力信号線SLに接続される。
【0063】
出力信号線SLは、ソースフォロワトランジスタMsf及び読出トランジスタMrdと、部分フォトダイオード30S-6、30S-7、30S-8との間に配置される。出力信号線SLは、部分フォトダイオード30S-6、30S-7、30S-8に沿ってジグザグ線状に設けられる。
【0064】
リセット信号線SLrst及び基準信号線SLcomは、部分フォトダイオード30S-1、30S-2、30S-3と、部分フォトダイオード30S-4、30S-5との間に配置される。リセット信号線SLrst及び基準信号線SLcomは、部分フォトダイオード30Sに沿ってジグザグ線状に設けられ、連結部CA2aと交差する。部分フォトダイオード30S-1、30S-2、30S-3と、部分フォトダイオード30S-4、30S-5とが連結部CA2aで接続されているので、リセット信号線SLrst及び基準信号線SLcomと重畳して基部BA1、BA2が設けられる構成に比べて、リセット信号線SLrst及び基準信号線SLcomの寄生容量を抑制することができる。
【0065】
基準信号線SLcomは、コンタクトホールH11を介して下部導電層35と電気的に接続される。また、基準信号線SLcomは、コンタクトホールH12を介して連結部CA2と電気的に接続される。これにより、基準信号線SLcomは、各部分フォトダイオード30Sのp型半導体層33と電気的に接続される。
【0066】
本実施形態では、光学フィルタ7の複数の第1開口OP1ごとに部分フォトダイオード30Sが設けられている。これにより、フォトダイオード30が、平面視で検出素子3の全体を覆うように四角形状等のベタ膜で形成された構成に比べて、複数の第1開口OP1に重畳しない領域での半導体層や配線層を削減できるので、フォトダイオード30の寄生容量を抑制することができる。また、複数の部分フォトダイオード30Sが設けられているので、各トランジスタ及び配線の配置の自由度を向上させることができ、各トランジスタ及び配線をフォトダイオード30と非重畳に設けることができる。したがって、本実施形態では、各トランジスタ及び配線と重畳してフォトダイオード30を設けた場合に比べて、フォトダイオード30の寄生容量を抑制することができる。
【0067】
なお、図5に示すフォトダイオード30及び各トランジスタの平面構造は、あくまで一例であり、適宜変更することができる。例えば、1つのフォトダイオード30が有する部分フォトダイオード30Sの数は、7個以下でもよいし、9個以上でもよい。部分フォトダイオード30Sの配置は、三角格子状に限定されず、例えば、マトリクス状に配置されていてもよい。
【0068】
図6は、図5のVI-VI’断面図である。図7は、図5のVII-VII’断面図である。なお、図6では、部分フォトダイオード30S-1、30S-2、30S-7の断面構成とともに、検出素子3が有するソースフォロワトランジスタMsfの断面構成を示している。また、図7では、リセットトランジスタMrstの断面構成を示している。なお、図6図7で図示されない読出トランジスタMrdの断面構成も、ソースフォロワトランジスタMsf及びリセットトランジスタMrstと同様である。
【0069】
図6に示すように、基板21は絶縁基板であり、例えば、石英、無アルカリガラス等のガラス基板、又はポリイミド等の樹脂基板が用いられる。ゲート電極68は、基板21の上に設けられる。絶縁膜22、23は、ゲート電極68を覆って基板21の上に設けられる。絶縁膜22、23及び絶縁膜24、25、26は、無機絶縁膜であり、例えば、酸化シリコン(SiO)や窒化シリコン(SiN)等である。
【0070】
半導体層65は、絶縁膜23の上に設けられる。半導体層65は、例えば、ポリシリコンが用いられる。ただし、半導体層65は、これに限定されず、微結晶酸化物半導体、アモルファス酸化物半導体、低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Polycrystalline Silicone)等であってもよい。ソースフォロワトランジスタMsfは、ゲート電極68が半導体層65の下側に設けられたボトムゲート構造であるが、ゲート電極68が半導体層65の上側に設けられたトップゲート構造でもよく、ゲート電極68が半導体層65の上側及び下側に設けられたデュアルゲート構造でもよい。
【0071】
半導体層65は、チャネル領域65aと、高濃度不純物領域65b、65cと、低濃度不純物領域65d、65eと、を含む。チャネル領域65aは、例えば、ノンドープの真性半導体又は低不純物領域であり、高濃度不純物領域65b、65c及び低濃度不純物領域65d、65eよりも低い導電性を有する。チャネル領域65aは、ゲート電極68と重なる領域に設けられる。
【0072】
絶縁膜24、25は、半導体層65を覆って絶縁膜23の上に設けられる。ソース電極66及びドレイン電極67は、絶縁膜25の上に設けられる。ソース電極66は、コンタクトホールH16を介して半導体層65の高濃度不純物領域65bと接続される。また、ドレイン電極67は、コンタクトホールH15を介して、半導体層65の高濃度不純物領域65cに接続される。ソース電極66及びドレイン電極67は、例えば、チタンとアルミニウムとの積層構造であるTiAlTi又はTiAlの積層膜で構成されている。
【0073】
図7に示すように、リセットトランジスタMrstの断面構成は、図6に示したソースフォロワトランジスタMsfと同様である。すなわち、ドレイン電極63(接続配線SLcn3)は、コンタクトホールH17を介して半導体層61の高濃度不純物領域61cと接続される。絶縁膜26は、リセットトランジスタMrstを含む各トランジスタを覆って絶縁膜25の上に設けられる。絶縁膜27は、絶縁膜26の上に設けられる。上部導電層34は、絶縁膜27の上に設けられる。上部導電層34は、絶縁膜26、27を貫通して設けられたコンタクトホールH4を介して、ドレイン電極63と電気的に接続される。
【0074】
次に、図6に戻ってフォトダイオード30の断面構成について説明する。図6では、部分フォトダイオード30S-1、30S-2、30S-7について説明するが、部分フォトダイオード30S-1、30S-2、30S-7についての説明は、他の部分フォトダイオード30Sにも適用できる。図6に示すように、下部導電層35は、ゲート電極68と同層に基板21の上に設けられる。絶縁膜22及び絶縁膜23は、下部導電層35の上に設けられる。フォトダイオード30は、絶縁膜23の上に設けられる。言い換えると、下部導電層35は、基板21と、p型半導体層33との間に設けられる。下部導電層35が、ゲート電極68と同じ材料で形成されることで遮光層として機能し、下部導電層35は、フォトダイオード30への基板21側からの光の侵入を抑制できる。
【0075】
第3方向Dzで、i型半導体層31は、p型半導体層33とn型半導体層32との間に設けられる。本実施形態では、絶縁膜23の上に、p型半導体層33、i型半導体層31及びn型半導体層32の順に積層されている。
【0076】
具体的には、p型半導体層33は、半導体層61、65と同層に、絶縁膜23の上に設けられる。絶縁膜24、25、及び、26は、p型半導体層33を覆って設けられる。絶縁膜24及び絶縁膜25は、p型半導体層33と重なる位置にコンタクトホールH13が設けられる。絶縁膜26は、絶縁膜25の上に設けられ、コンタクトホールH13の内壁を構成する絶縁膜24及び絶縁膜25の側面を覆う。また、絶縁膜26には、p型半導体層33と重なる位置にコンタクトホールH14が設けられる。
【0077】
i型半導体層31は、絶縁膜26の上に設けられ、絶縁膜24から絶縁膜26を貫通するコンタクトホールH14を介してp型半導体層33と接続される。n型半導体層32は、i型半導体層31の上に設けられる。
【0078】
より詳細には、フォトダイオード30は、第1領域R1と、第2領域R2と、第3領域R3とを有する。複数の第1領域R1は、部分フォトダイオード30Sのそれぞれに対応して設けられる。複数の第1領域R1は、それぞれ、p型半導体層33、i型半導体層31及びn型半導体層32が直接、接して積層される。言い換えると、第1領域R1は、コンタクトホールH14の底面で規定される領域である。
【0079】
第2領域R2は、複数の第1領域R1の間に設けられる。第2領域R2は、基板21に垂直な方向(第3方向Dz)で、少なくともp型半導体層33とi型半導体層31とが、離隔して積層される。より具体的には、第2領域R2は、p型半導体層33とi型半導体層31との間に設けられた絶縁膜24、25、26を有する。ただし、これに限定されず、第2領域R2は、p型半導体層33とi型半導体層31との間に1層又は2層の絶縁膜を有していてもよいし、4層以上の絶縁膜を有していてもよい。
【0080】
第2領域R2で、p型半導体層33とi型半導体層31との間に設けられた絶縁膜24、25、26の厚さ(絶縁膜24、25の厚さti1と絶縁膜26の厚さti2の合計の厚さ)は、i型半導体層31の厚さti3よりも厚い。絶縁膜24、25の厚さti1は、絶縁膜26の厚さti2よりも厚い。また、第2領域R2のp型半導体層33とn型半導体層32との距離は、第1領域R1のp型半導体層33とn型半導体層32との距離よりも大きい。なお、i型半導体層31及び各絶縁膜24、25、26の厚さ関係は上記に限定されず、i型半導体層31の厚さよりも絶縁膜24、25、26の3層の合計の厚さの方が小さくなる構成も採用可能である。第2領域R2においては、i型半導体層31(及び/又はn型半導体層32)とp型半導体層33との間に所定厚さの絶縁膜24、25、26が存在していることが必要である一方、その絶縁膜24、25、26の厚さは様々な厚さのものを採用可能である。
【0081】
第2領域R2は、平面視で、第1領域R1の周囲に設けられ、かつ、連結部CA1、CA2及び基部BA1、BA2を含む。部分フォトダイオード30S-1、30S-2、30S-3(図6では部分フォトダイオード30S-3は図示されない)は、絶縁膜26の上に積層されたi型半導体層31及びn型半導体層32からなる連結部CA1と、絶縁膜23の上に形成されたp型半導体層33からなる連結部CA2とで接続される。同様に部分フォトダイオード30S-4から30S-8(図5参照)は、絶縁膜26の上に積層されたi型半導体層31及びn型半導体層32からなる基部BA1と、絶縁膜23の上に形成されたp型半導体層33からなる基部BA2とで接続される。
【0082】
このような構成により、第2領域R2でi型半導体層31とp型半導体層33との間に形成される単位面積あたりの容量は、第1領域R1でi型半導体層31とp型半導体層33との間に形成される単位面積あたりの容量よりも小さくなる。したがって、フォトダイオード30が、平面視で検出素子3の全体を覆うように四角形状等のベタ膜で形成された構成、すなわち、第2領域R2のi型半導体層31及びn型半導体層32を、第1領域R1と同層に設けた構成に比べて、1つのフォトダイオード30の容量Cs(図4参照)を小さくすることができる。この結果、検出装置1の検出感度を向上させることができる。なお、上記ではi型半導体層31とp型半導体層33との間に形成される容量について言及しているが、i型半導体層31とn型半導体層32とが直接接しており、かつ、i型半導体層31を介してp型半導体層33とn型半導体層32とが対向していることを鑑みると、上記容量についての言及は、p型半導体層33とn型半導体層32間の容量に置き換えることができることはもちろんである。
【0083】
第3領域R3は、p型半導体層33が設けられ、i型半導体層31及びn型半導体層32はp型半導体層33と非重畳に設けられる。第3領域R3は、上述したp型半導体層33からなる連結部CA2aが設けられた領域である。つまり、第3領域R3では、隣り合う複数の第1領域R1は少なくともp型半導体層33で接続される。また、第3領域R3では、p型半導体層33の上に絶縁膜24、25が設けられ、p型半導体層33の上に設けられた絶縁膜24、25の上にリセット信号線SLrst及び基準信号線SLcomが設けられる。言い換えると、リセット信号線SLrst及び基準信号線SLcomの上には、i型半導体層31及びn型半導体層32の空隙部SPが設けられる。このような構成により、i型半導体層31及びn型半導体層32がリセット信号線SLrst及び基準信号線SLcomと重畳して設けられる構成に比べて、各信号線と、n型半導体層32の絶縁を確保できる。
【0084】
絶縁膜27は、フォトダイオード30を覆って絶縁膜26の上に設けられる。絶縁膜27は、フォトダイオード30及び絶縁膜26に直接、接して設けられる。絶縁膜27は、感光性アクリル等の有機材料からなる。絶縁膜27は、絶縁膜26よりも厚い。なお、これらの厚さ関係は互いに入れ替わっていても構わない。絶縁膜27は、無機絶縁材料に比べ、段差のカバレッジ性が良好であり、i型半導体層31及びn型半導体層32の側面を覆って設けられる。
【0085】
上部導電層34は、絶縁膜27の上に設けられる。上部導電層34は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電材料である。上部導電層34は、絶縁膜27の表面に倣って設けられ、絶縁膜27に設けられたコンタクトホールH1、H3を介してn型半導体層32と接続される。これにより、複数の部分フォトダイオード30Sからそれぞれ出力される信号(光電流Ip)は、共通の上部導電層34で統合されて、ソースフォロワトランジスタMsf、読出トランジスタMrd(図4参照)を介して、1つの検出信号Vdetとして出力される。
【0086】
なお、コンタクトホールH1は、第1領域R1と重畳する位置に設けられ、部分フォトダイオード30S-1のn型半導体層32と上部導電層34とがコンタクトホールH1の底面で接続される。また、部分フォトダイオード30S-2、30S-7の第1領域R1にはコンタクトホールH1、H3が形成されていない。コンタクトホールH3は、第2領域R2と重畳する位置に設けられる。部分フォトダイオード30S-1の第1領域R1の幅は、部分フォトダイオード30S-2、30S-7の第1領域R1の幅よりも大きい。ただし、上部導電層34は、任意の箇所でn型半導体層32と接続されていればよく、複数の部分フォトダイオード30Sの第1領域R1の幅、形状を等しく形成してもよい。
【0087】
絶縁膜28は、上部導電層34を覆って絶縁膜27の上に設けられる。絶縁膜28は、無機絶縁膜である。絶縁膜28は、フォトダイオード30への水分の侵入を抑制する保護層として設けられる。
【0088】
保護膜29は、絶縁膜28の上に設けられる。保護膜29は、有機保護膜である。保護膜29は、検出装置1の表面を平坦化するように形成される。
【0089】
本実施形態では、フォトダイオード30のp型半導体層33及び下部導電層35が、各トランジスタと同層に設けられるので、フォトダイオード30を各トランジスタと異なる層に形成した場合に比べて製造工程を簡略化できる。
【0090】
なお、図6に示すフォトダイオード30の断面構成は、あくまで一例である。これに限定されず、例えば、フォトダイオード30は、各トランジスタと異なる層に設けられていてもよい。また、p型半導体層33、i型半導体層31及びn型半導体層32の積層順も、図6に限定されず、n型半導体層32、i型半導体層31及びp型半導体層33の順に積層されていてもよい。
【0091】
次に、光学フィルタ7の構成例について説明する。図8は、光学フィルタ及び突出部の構成例を示す平面図である。図9は、図8のIX-IX断面図である。なお、図8では、図面を見やすくするために、突出部PSに斜線を付して示している。また、図9では、アレイ基板2の構成を簡略化して示しており、フォトダイオード30(部分フォトダイオード30S-1、30S-6)と、フォトダイオード30を覆う保護膜29と、を模式的に示している。
【0092】
光学フィルタ7は、指Fg等の被検出体で反射された光L2のうち、第3方向Dzに進行する成分をフォトダイオード30に向けて透過させ、斜め方向に進行する成分を遮蔽する光学素子である。光学フィルタ7は、コリメートアパーチャ、あるいは、コリメータとも呼ばれる。
【0093】
図8に示すように、光学フィルタ7は、マトリクス状に配列された複数の検出素子3(フォトダイオード30)を覆って設けられる。光学フィルタ7は、複数の検出素子3を覆う第1透光性樹脂層74(図9参照)及び第2透光性樹脂層75と、複数の検出素子3のそれぞれに設けられた複数のレンズ78を有する。さらに、検出装置1は、隣り合うレンズ78の間に設けられた複数の突出部PSを有する。
【0094】
1つの検出素子3に対して複数のレンズ78が配置される。図8に示す例では、1つの検出素子3に、レンズ78-1、78-2、・・・、78-8の8個のレンズ78が設けられる。複数のレンズ78-1、78-2、・・・、78-8は、三角格子状に配置され、複数の部分フォトダイオード30S-1、30S-2、・・・、30S-8のそれぞれに重畳して設けられる。
【0095】
ただし、1つの検出素子3に配置される複数のレンズ78の数は、複数の部分フォトダイオード30Sの数に合わせ、7個以下でもよいし、9個以上でもよい。複数のレンズ78の配置も、フォトダイオード30の構成に応じて適宜変更できる。
【0096】
突出部PSは、検出装置1の製造工程において、アレイ基板2を他の基板と重ね合わせる際のスペーサとして用いられる。なお、検出装置1の製造方法については、後述する。突出部PSは、平面視でレンズ78と同じ形状を有しており、円形状である。1つの突出部PSは、6個のレンズ78に囲まれて設けられる。より具体的には、突出部PSは、第2方向Dyでレンズ78-4とレンズ78-5との間に配置される。突出部PSは、第1方向Dxでレンズ78-1、78-3とレンズ78-6、78-8との間に配置される。突出部PSは、複数のレンズ78と三角格子状に配置され、複数のレンズ78の間のスペースに効率よく配置される。
【0097】
また、突出部PSは、第2方向Dyに隣り合う検出素子3の境界部分に設けられる。言い換えると、突出部PSは、平面視で、第2方向Dyに隣り合うフォトダイオード30の間に設けられる。第2方向Dyに配列された検出素子3-1、3-2、3-3の各境界部分に1つずつ突出部PSが設けられる。また、検出素子3-1、3-2、3-3と隣り合って配置された検出素子3-4、3-5、3-6の各境界部分に1つずつ突出部PSが設けられる。突出部PSの数は、レンズ78の数よりも少ない。また、突出部PSは、フォトダイオード30の部分フォトダイオード30Sと非重畳に設けられる。
【0098】
ただし、突出部PSの配置や数は適宜変更することができる。例えば、突出部PSは、第1方向Dxに隣り合う検出素子3の境界部分に設けられていてもよい。突出部PSは、各検出素子3に設けられているが、突出部PSが設けられない検出素子3があってもよい。また、突出部PSは、レンズ78と異なる形状、大きさであってもよい。
【0099】
図9に示すように、光学フィルタ7は、第1遮光層71と、第2遮光層72と、第1透光性樹脂層74と、第2透光性樹脂層75と、レンズ78と、を有する。本実施形態では、保護膜29の上に、第1遮光層71、第1透光性樹脂層74、第2遮光層72、第2透光性樹脂層75、レンズ78の順に積層されている。突出部PSは、光学フィルタ7と一体に形成され、レンズ78と同層に第2透光性樹脂層75の上に設けられる。
【0100】
レンズ78は、フォトダイオード30の部分フォトダイオード30Sのそれぞれに重畳する領域に設けられる。レンズ78は、凸レンズである。レンズ78の光軸CLは、第3方向Dzと平行方向に設けられ、部分フォトダイオード30Sと交差する。レンズ78は、第2透光性樹脂層75の上に直接接して設けられる。言い換えると、第2透光性樹脂層75は、第2遮光層72とレンズ78との間に設けられる。また、本実施形態では、隣接するレンズ78の間では、第2透光性樹脂層75の上に遮光層等が設けられていない。
【0101】
第1遮光層71及び第2遮光層72は、第3方向Dzでフォトダイオード30とレンズ78との間に設けられる。また、第1遮光層71には、フォトダイオード30に重畳する領域に第1開口OP1が設けられる。第2遮光層72には、フォトダイオード30に重畳する領域に第2開口OP2が設けられる。レンズ78は第1開口OP1及び第2開口OP2と重畳して設けられる。言い換えると、第1開口OP1及び第2開口OP2は、光軸CLと重なる領域に形成される。
【0102】
第1遮光層71は、例えば、モリブデン(Mo)等の金属材料で形成されている。これにより、第1遮光層71は、第1開口OP1を透過する光L2以外の、斜め方向に進行する光L2の成分を反射することができる。
【0103】
第2遮光層72は、例えば黒色に着色された樹脂材料で形成される。これにより、第2遮光層72は、第2開口OP2を透過する光L2以外の、斜め方向に進行する光L2の成分を吸収する光吸収層として機能する。例えば、第2遮光層72は、第1遮光層71で反射された光や、隣接するレンズ78の間から入射した外光を吸収することができる。
【0104】
本実施形態では、レンズ78の第1方向Dxでの幅W3、第2開口OP2の第1方向Dxでの幅W2、第1開口OP1の第1方向Dxでの幅W1の順に小さくなっている。また、第1開口OP1の第1方向Dxでの幅W1は、フォトダイオード30の部分フォトダイオード30Sの第1方向Dxでの幅よりも小さい。
【0105】
また、図9に示す第2透光性樹脂層75の厚さTH2は、第1透光性樹脂層74の厚さTH1よりも厚く形成される。また、第1透光性樹脂層74の厚さTH1及び第2透光性樹脂層75の厚さTH2は、センサ基板5の保護膜29の厚さTH3よりも厚い。
【0106】
このような構成により、指Fg等の被検出体で反射された光L2のうち、第3方向Dzに進行する光L2-1は、レンズ78で集光され、第2開口OP2及び第1開口OP1を透過して、フォトダイオード30に入射する。また、第3方向Dzに対して角度θ1だけ傾斜した光L2-2についても、第2開口OP2及び第1開口OP1を透過して、フォトダイオード30に入射する。
【0107】
突出部PSは、第1開口OP1が設けられていない第1遮光層71及び第2開口OP2が設けられていない第2遮光層72と重畳する位置に設けられる。言い換えると、突出部PSは、第1開口OP1及び第2開口OP2と非重畳であり、突出部PSを通過した光L2は、第1遮光層71及び第2遮光層72で遮られる。すなわち、検出装置1は、突出部PSを設けた構成であっても、検出精度の低下を抑制することができる。
【0108】
突出部PSの第1方向Dxでの幅W4(径)は、レンズ78の第1方向Dxでの幅W3(径)と等しい。第3方向Dzで、突出部PSの高さHE1は、レンズ78の高さHE2よりも高い。言い換えると、基板21の第1主面MS1(図12参照)から見た場合に、突出部PSの頂部は、レンズ78の頂部よりも高い位置に設けられている。また、突出部PSの頂部から底部までの全長は、レンズ78の頂部から底部までの全長よりも長い。突出部PSの高さHE1は、1.0μm以上5.5μm以下、例えば3.75μm程度である。レンズ78の高さHE2は、0.5μm以上5.0μm以下、例えば3.0μm程度である。突出部PSは、樹脂材料で形成され、フォトリソグラフィ法により柱状にパターニングされる。図9では、突出部PSの上面は平坦に形成されている。ただし、図9はあくまで模式的に示したものであり、突出部PSの上面は、レンズ78と同様に曲面を有していてもよい。
【0109】
また、光学フィルタ7は、アレイ基板2と一体に形成されている。すなわち、光学フィルタ7の第1遮光層71は、保護膜29の上に直接、接して設けられており、第1遮光層71と保護膜29との間に粘着層等の部材が設けられていない。光学フィルタ7は、センサ基板5上に直接、成膜され、パターニング等の工程が施されて形成されるので、光学フィルタ7を別体でアレイ基板2に貼り合わせた場合に比べて、光学フィルタ7の第1開口OP1、第2開口OP2及びレンズ78と、フォトダイオード30との位置精度を向上させることができる。
【0110】
なお、図9に示す光学フィルタ7の構成はあくまで一例であり、適宜変更することができる。例えば、光学フィルタ7は、アレイ基板2と別体に形成されていてもよい。また、幅W1、W2、W3及び厚さTH1、TH2、TH3の関係も、要求される光学特性に応じて適宜変更してもよい。また、光学フィルタ7は、第1遮光層71及び第2遮光層72が設けられる構成に限定されず、1層の第1遮光層71及び1層の第1透光性樹脂層74が設けられていてもよい。
【0111】
次に検出装置1の製造方法について説明する。図10は、実施形態に係る検出装置の製造方法を説明するためのフローチャート図である。図11は、貼り合わされた一対のマザー基板を模式的に示す斜視図である。図12は、図11のXII-XII’断面図である。なお、図12では、図面を見やすくするために、アレイ基板2の詳細な構成を省略して示しており、対向して配置された2つの部分フォトダイオード30S及び2つのレンズ78を例示して示している。
【0112】
図10に示すように、製造装置は、フォトダイオード30を形成する(ステップST1)。具体的には、一対のマザー基板105(図11参照)を用意し、マザー基板105のそれぞれに各種トランジスタ及び各種配線を形成した後、複数の部分フォトダイオード30Sを有するフォトダイオード30を形成する。図11に示すように、マザー基板105は、複数のセンサ領域106が配列されている。複数のセンサ領域106は、分割ライン108、109に沿って個片に分割された場合に、それぞれ検出装置1(アレイ基板2)として形成される予定の領域である。つまり、マザー基板105は、基板21から光学フィルタ7及び突出部PSまでの積層構造が形成され、複数のトランジスタ、各種配線及びフォトダイオード30を含む。
【0113】
次に、製造装置は、フォトダイオード30を覆う保護膜29の上に、第1遮光層71及び第2遮光層72を形成する(ステップST2)。具体的には、製造装置は、保護膜29の上に第1遮光層71を形成し、部分フォトダイオード30Sと重畳する位置に第1開口OP1をパターニングする。その後、第1遮光層71の上に第1透光性樹脂層74を塗布形成する。第1透光性樹脂層74の上に第2遮光層72を形成し、部分フォトダイオード30Sと重畳する位置に第2開口OP2をパターニングする。第2遮光層72の上に第2透光性樹脂層75を塗布形成する。
【0114】
次に、製造装置は、複数のレンズ78を形成する(ステップST3)。複数のレンズ78は、樹脂材料を第2透光性樹脂層75の上に塗布形成し、フォトリソグラフィ法によりパターニングし、ベークを施すことで表面が曲面状に形成される。
【0115】
次に、隣り合うレンズ78の間に複数の突出部PSを形成する(ステップST4)。複数の突出部PSは、レンズ78よりも厚くなるように、樹脂材料を第2透光性樹脂層75の上に塗布形成する。そして、フォトリソグラフィ法によりパターニングし、ベークを施すことで硬化される。突出部PSは、レンズ78と異なる材料が用いられることが好ましいが、同じ材料であっても構わない。レンズ78の材料は、例えば透明なアクリル樹脂やシロキサン樹脂が用いられる。突出部PSの材料は、例えば透明なアクリル樹脂やエポキシ樹脂、又はポリイミド等が用いられる。
【0116】
次に、一対のマザー基板105を重ね合わせる(ステップST5)。具体的には、図11及び図12に示すように、製造装置は、一対のマザー基板105の、フォトダイオード30(図12では、1つの部分フォトダイオード30Sを示す)、レンズ78及び突出部PSが形成された基板21の第1主面MS1を対向させて、一対のマザー基板105を貼り合わせる。これにより、第2透光性樹脂層75の表面に設けられた突出部PSが、一対の基板21の第1主面MS1の間に配置される。また、一対の基板21の第2主面MS2は、それぞれ第3方向Dzで外側に向けられる。
【0117】
図12に示すように、一方のマザー基板105-1の突出部PSと、他方のマザー基板105-2の突出部PSとが当接するように、一対のマザー基板105が重ね合わされる。これにより、一対の基板21の第1主面MS1の間には、空隙107が形成され、対向するレンズ78が接触することを抑制できる。一対の基板21の第1主面MS1に設けられた端子部90も、空隙を挟んで対向して配置される。端子部90は、例えば、アレイ基板2と外部の配線基板110(図2参照)とを電気的に接続するための端子である。また、一対のマザー基板105は、周辺領域105Pに設けられたシール部51で貼り合わされる。シール部51は、複数のセンサ領域106の周囲を囲んで設けられ、一対の基板21の間をシールする。
【0118】
なお、図12では、一方のマザー基板105-1の突出部PSと、他方のマザー基板105-2の突出部PSとの位置が完全に一致するように重ね合わされる。ただしこれに限定されず、一方のマザー基板105-1の突出部PSと、他方のマザー基板105-2の突出部PSとは、少なくとも一部が重なって設けられていればよい。
【0119】
次に、図10に戻って、製造装置は、一対のマザー基板105が重ね合わされた状態で、一対の基板21の、それぞれの第2主面MS2を研磨する(ステップST6)。基板21は、化学研磨により研磨される。なお、基板21の研磨には、機械研磨が適用されてもよい。一対の基板21は、それぞれ、元の厚さ(図12の実線で示す第2主面MS2)から第2主面S2側が除去されて、例えば図12の二点鎖線で示す第2主面MS2まで薄型化される。このように、本実施形態では、1回の研磨工程で、一対の基板21の研磨が同時に実行できる。
【0120】
したがって、本実施形態の検出装置1の製造方法は、1つの基板21(マザー基板105)の光学フィルタ7側を他の支持基板上に貼り合わせて、基板21の研磨工程を行う場合に比べて、製造コストを抑制することができる。また、光学フィルタ7のレンズ78が他の部材と非接触の状態で研磨工程を行うことができるので、レンズ78の損傷を抑制しつつ基板21の薄型化を図ることができる。
【0121】
次に、製造装置は、一対のマザー基板105を分離する(ステップST7)。具体的には、一対のマザー基板105の外縁部分をシール部51の内側に沿って切断することで、シール部51が除去される。これにより、一対のマザー基板105の、複数のセンサ領域106が形成された部分がシール部51と切り離され、一対のマザー基板105を分離できる。
【0122】
本実施形態では、突出部PSにより一対の基板21の間に空隙107が形成されているので、一対のマザー基板105を分離する際に空気が入り込みやすくなっており、容易に分離工程を行うことができる。すなわち、研磨工程により基板21が薄型化された場合であっても、一対のマザー基板105の分離工程を容易に行うことができ、分離工程で、基板21が損傷することを抑制できる。これにより、検出装置1の製造方法によれば、製造コストの増大を抑制しつつ、検出装置1の薄型化が可能となる。
【0123】
次に、製造装置は、マザー基板105(105-1、105-2)を、それぞれ、個片に分割する(ステップST8)。具体的には、図11に示す分割ライン108、109に沿ってセンサ領域106ごとに分割して、複数のアレイ基板2を形成する。その後、アレイ基板2のそれぞれに、必要に応じてカバー部材122や表示パネル126を貼り合わせることで、検出装置1が製造できる。図13は、表示パネルに貼り合わされたアレイ基板の構成を模式的に示す断面図である。図13に示すように、突出部PSが表示パネル126の下面に当接するように、基板21と表示パネル126とが貼り合わされる。これにより、検出装置1は、レンズ78が表示パネル126に接触して損傷することを抑制することができる。
【0124】
なお、図10から図12に示す検出装置1の製造方法は、説明を分かりやすくするたに模式的に示したものであり、適宜変更してもよい。例えば、マザー基板105のセンサ領域106は、3行5列で配置されているが、実際には16個以上の多数のセンサ領域106が設けられていてもよい。また、図12では、端子部90は部分フォトダイオード30Sと同層に示しているが、部分フォトダイオード30Sと異なる層に形成されていてもよい。
【0125】
以上説明したように、本実施形態の検出装置1は、基板21と、基板21の第1主面MS1上に配列された複数のフォトダイオード30と、複数のフォトダイオード30を覆う保護膜29と、保護膜29を介して複数のフォトダイオード30のそれぞれに対向して設けられた複数のレンズ78と、隣り合うレンズ78の間に設けられる突出部PSと、を備え、第1主面MS1から見た場合に、突出部PSの頂部は、レンズの頂部78よりも高い位置に設けられている。
【0126】
また、本実施形態の検出装置1の製造方法は、基板21に垂直な方向での高さHE1がレンズ78の高さHE2よりも高い突出部PSが形成された一対の基板21の第1主面MS1を対向させて、一対の基板21を重ね合わせる工程(ステップST5)と、一対の基板21が重ね合わされた状態で、それぞれの第1主面MS1と反対側の第2主面MS2を研磨する工程(ステップST6)と、を有する。一対の基板21を重ね合わせる工程では、一方の検出装置1の突出部PSが対向する他方の検出装置1の一部に当接すると共に、各検出装置1の複数のレンズ78は互いに接触することなく対向する。
【0127】
図14は、変形例4に係る検出装置の製造方法を説明するためのフローチャート図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0128】
図14に示すように、変形例4では、製造装置は、レンズ78及び突出部PSを同じ工程で形成する(ステップST11)。複数のレンズ78及び複数の突出部PSは、樹脂材料を第2透光性樹脂層75の上に塗布形成し、フォトリソグラフィ法によりパターニングし、ベークを施すことで形成される。複数のレンズ78及び複数の突出部PSは、例えばハーフ露光等によりパターニングすることで、高さHE1、HE2を異ならせるように形成してもよい。これにより、変形例4では、上述した実施形態に比べ、製造工程を1つ省略することができる。なお、ステップST1、ST2、ST5からST8は、図10で示した工程と同様である。
【0129】
図15は、変形例5に係る検出装置を模式的に示す断面図である。図15に示すように、変形例5に係る検出装置1A及び光学フィルタ7Aでは、突出部PSは、第1突出部PSAと、第2突出部PSBとを有する。第1突出部PSAは、レンズ78と同層に第2透光性樹脂層75の上に設けられる。第2突出部PSBは、第1突出部PSAに重畳して設けられる。
【0130】
第1突出部PSAは、レンズ78と同じ材料が用いられ、図10に示すステップST3において、レンズ78と同じ工程で形成される。第2突出部PSBは、レンズ78と異なる材料が用いられ、図10に示すステップST4と同じ工程で、第1突出部PSAの上に形成される。すなわち、変形例5の検出装置1Aの製造方法は、レンズ78及びレンズ78と同層に第1突出部PSAを形成する工程(ステップST3)と、第1突出部PSAに重畳して第2突出部PSBを形成する工程(ステップST4)と、を有する。第2突出部PSBは、第1突出部PSAの全体を覆って形成され、第1突出部PSAの幅W4と等しい幅(径)を有する。
【0131】
本変形例では、突出部PSの高さは、第1突出部PSAの高さHE3と、第2突出部PSBの高さHE4との合計の高さとなり、レンズ78の高さHE2よりも突出部PSを高く形成することが容易である。
【0132】
図16は、変形例6に係る検出装置を模式的に示す断面図である。図16に示すように、変形例6に係る検出装置1B及び光学フィルタ7Bでは、第2突出部PSBの幅W5(径)は、第1突出部PSAの幅W4(径)よりも小さい。言い換えると、第2突出部PSBは、第1突出部PSAの上面から突出して形成される。このように、第1突出部PSAと第2突出部PSBとが異なる形状、大きさであってもよい。
【0133】
図16に示す例に限定されず、第1突出部PSAと第2突出部PSBとの大小関係は逆であってもよく、第2突出部PSBの幅W5(径)は、第1突出部PSAの幅W4(径)よりも大きくてもよい。例えば、第1突出部PSAの幅W4がレンズ78の幅W3よりも小さく形成され、第2突出部PSBは第1突出部PSAの全体を覆って、レンズ78の幅W3と同じ幅で形成されてもよい。
【0134】
図17は、変形例7に係る検出装置を模式的に示す平面図である。なお、図17では、一対のマザー基板105が重ね合わされた場合(図11参照)において、一方のマザー基板105-1に設けられた突出部PSCに斜線を付して示し、他方のマザー基板105-2に設けられた突出部PSCを二点鎖線で示している。
【0135】
図17に示すように、変形例7に係る検出装置1C及び光学フィルタ7Cでは、突出部PSCは、レンズ78と異なる形状、大きさで形成される。突出部PSCは、第3方向Dzから見たときの平面視で、矩形状であり、突出部PSCの長辺に沿った方向は、第1方向Dx及び第2方向Dyと交差する方向に傾斜して向けられる。なお、突出部PSCは、矩形状に限定されず、例えば、長円形状又は楕円形状であってもよい。
【0136】
一対のマザー基板105が重ね合わされた場合に、一方のマザー基板105-1に設けられた突出部PSCと、他方のマザー基板105-2に設けられた突出部PSCとは、交差するように配置される。つまり、突出部PSCは、少なくとも一部が接するように対向して設けられる。
【0137】
変形例7では、上述した実施形態に比べて、突出部PSCを設けるスペースが小さい場合や、複数のレンズ78が密集して配置された場合であっても、複数のレンズ78及び部分フォトダイオード30Sと非重畳の領域に突出部PSCを設けることができる。また、突出部PSCの長辺に沿った方向が、第1方向Dx及び第2方向Dyに対して傾いて設けられている。これにより、一対のマザー基板105を重ね合わせる際に位置ずれが生じた場合であっても、一対の突出部PSCの重なり合う面積を確保することができる。
【0138】
図18は、変形例8に係る検出装置を模式的に示す平面図である。図19は、変形例8に係る検出装置の製造方法を説明するための断面図である。なお、図18では、一対のマザー基板105が重ね合わされた場合(図19参照)において、一方のマザー基板105-1に設けられた突出部PSCに斜線を付して示し、他方のマザー基板105-2に設けられた突出部PSCを二点鎖線で示している。
【0139】
図18に示すように、変形例8に係る検出装置1D及び光学フィルタ7Dでは、突出部PSDは、第2方向Dyに配列された複数の検出素子3において、2つの検出素子3ごとに1つ配置されている。例えば、一方のマザー基板105-1では、検出素子3-1と検出素子3-2との境界部分には突出部PSDは設けられず、検出素子3-2と検出素子3-3との境界部分に突出部PSDが設けられる。
【0140】
他方のマザー基板105-2では、検出素子3-1と検出素子3-2との境界部分に突出部PSDが設けられ、検出素子3-2と検出素子3-3との境界部分に突出部PSDは設けられない。すなわち、一対のマザー基板105が重ね合わされた場合に、平面視で、一方のマザー基板105-1に設けられた突出部PSDと、他方のマザー基板105-2に設けられた突出部PSDとが、第1方向Dx及び第2方向Dyで交互に配置され、互いに重ならない位置に設けられる。
【0141】
図19に示すように、一対のマザー基板105が重ね合わされた場合に、一方のマザー基板105-1の突出部PSD(PSD-1)は、他方のマザー基板105-2のレンズ78が設けられていない第2透光性樹脂層75と当接する。同様に、他方のマザー基板105-2の突出部PSD(PSD-2)は、一方のマザー基板105-1のレンズ78が設けられていない第2透光性樹脂層75と当接する。変形例8においても、一方のマザー基板105-1のレンズ78と他方のマザー基板105-2のレンズ78との間に空隙107が形成される。
【0142】
本変形例では、上述した実施形態に比べ、突出部PSDが高く形成され、単位面積あたりの突出部PSDの数が少ない。また、一対のマザー基板105が重ね合わされた場合に、突出部PSDが重なるように配置する必要がないので、一対のマザー基板105の位置ずれの許容度を大きくすることができる。
【0143】
なお、上述した各変形例は、互いに組み合わせることができる。例えば、変形例7に示した突出部PSC及び変形例8に示した突出部PSDは、それぞれ、変形例5、6と組み合わせてもよい。つまり、突出部PSC、PSDは、それぞれ2層の突出部が積層された構造とすることができる。
【0144】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0145】
1、1A、1B、1C、1D 検出装置
3 検出素子
2 アレイ基板
5 センサ基板
7、7A、7B、7C、7D 光学フィルタ
10 センサ部
21 基板
30 フォトダイオード
30S、30S-1、30S-2、30S-3、30S-4、30S-5、30S-6、30S-7、30S-8 部分フォトダイオード
31 i型半導体層
32 n型半導体層
33 p型半導体層
34 上部導電層
35 下部導電層
71 第1遮光層
72 第2遮光層
105、105-1、105-2 マザー基板
106 センサ領域
107 空隙
108、109 分割ライン
Mrst リセットトランジスタ
Mrd 読出トランジスタ
Msf ソースフォロワトランジスタ
MS1 第1主面
MS2 第2主面
OP1 第1開口
OP2 第2開口
PS、PSC、PSD 突出部
PSA 第1突出部
PSB 第2突出部
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19