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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/20 20180101AFI20240801BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20240801BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20240801BHJP
   F21V 3/10 20180101ALI20240801BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240801BHJP
   F21W 103/15 20180101ALN20240801BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240801BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20240801BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20240801BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20240801BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20240801BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20240801BHJP
   F21W 102/19 20180101ALN20240801BHJP
   F21W 103/30 20180101ALN20240801BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20240801BHJP
   F21W 102/30 20180101ALN20240801BHJP
【FI】
F21S43/20
F21V3/02 200
F21V3/00 510
F21V3/10
F21V3/00 350
F21V3/10 370
F21S43/14
F21W103:15
F21Y115:10
F21W102:00
F21W103:00
F21W103:10
F21W103:35
F21W103:55
F21W102:19
F21W103:30
F21W103:45
F21W102:30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020172740
(22)【出願日】2020-10-13
(65)【公開番号】P2022064168
(43)【公開日】2022-04-25
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110004060
【氏名又は名称】弁理士法人あお葉国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077986
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100139745
【弁理士】
【氏名又は名称】丹波 真也
(74)【代理人】
【識別番号】100187182
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 由希
(74)【代理人】
【識別番号】100207642
【弁理士】
【氏名又は名称】簾内 里子
(72)【発明者】
【氏名】中林 道彦
(72)【発明者】
【氏名】石川 進
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 陽平
(72)【発明者】
【氏名】中林 政昭
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-201216(JP,A)
【文献】特開平10-021708(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00756131(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/20
F21V 3/02
F21V 3/00
F21V 3/10
F21S 43/14
F21W 103/15
F21Y 115/10
F21W 102/00
F21W 103/00
F21W 103/10
F21W 103/35
F21W 103/55
F21W 102/19
F21W 103/30
F21W 103/45
F21W 102/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源を内部に備えるハウジングと、
前記ハウジングと共に灯室を画成するアウターレンズとを備え、
前記アウターレンズの外面の、少なくとも車体の外部に露出する部分全体に、半透光性金属層を備え
前記アウターレンズの内面には、光学ステップが形成されており、
前記光学ステップは、複数の四角錘が同心円状に連続的に並ぶように形成されている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記アウターレンズは、前記灯室が前方に突出する形状を有し、
前記車体から露出するように取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記アウターレンズは、有色の透明材料で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記アウターレンズは、外面全体に、前記半透光性金属層を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記ハウジングには、前記半透光性金属層と同じ色調の金属調の表面処理がなされていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関し、より詳細には、トラック、タクシー、バス等の車両に外付けで取り付けられる車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラック等に外付けで取り付けられる車両用灯具として、サイドマーカランプが知られている。一般にサイドマーカランプは、ハウジングと、光源ユニットと、砲弾形状のアウターレンズを備え、夜間に点灯して車幅を示すという標識灯の機能を有する。
【0003】
このために、特許文献1のサイドマーカランプでは、ハウジングの近傍に環状の反射体を備えるが、アウターレンズは、一般的な透明または機能色のレンズであり、昼間の非点灯時の外観が変わり映えがしないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-155389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、夜間における点灯時の被視認性を確保しつつ、昼間における非点灯時に一般的なアウターレンズとは異なる外観と有する斬新な車両用灯具の開発が求められていた。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、斬新な意匠性を有する車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の1つの態様に係る車両用灯具は、光源と、前記光源を内部に備えるハウジングと、前記ハウジングと共に灯室を画成するアウターレンズとを備え、前記アウターレンズの外面の、少なくとも車体外部に露出する部分全体に、半透光性金属層を備える。
【0007】
上記態様では、アウターレンズの外面に半透光性金属層(ハーフミラー蒸着膜)を形成したので、非点灯時は鏡面の装飾品のように感じさせ、点灯時は照明として機能するので、点灯時に意匠としての意外性を提供することができる。また、アウターレンズの外面に直接半透光性金属層を形成したので従来の車両用灯具にはない、メッキのような印象的な外観を達成することができる。また、さらなる保護カバーを備えないので、コストを低減することができる。
【0008】
上記態様において、前記アウターレンズは、前記灯室が前方に突出する形状を有し、前記車体から露出するように取り付けられることも好ましい。
【0009】
このように構成すると、夜間の非点灯時に、他の車両からの照明光を反射するので、非点灯時でも被視認性が確保される。
【0010】
また、上記態様において、前記アウターレンズの内面には、光学ステップが形成されていることも好ましい。
【0011】
このように構成すると、非点灯時には鏡面の外観を有し、点灯時にのみ光学ステップによる模様が視認可能となるため、外観の変化が大きく、需要者に、より斬新な印象を与えることができる。
【0012】
また、上記態様において、前記アウターレンズは、有色の透明材料で構成されていることも好ましい。
【0013】
このように構成すると、非点灯時には鏡面(金属色)の外観を有し、点灯時には有色の光を発するので、外観の変化が大きく、需要者に、より斬新な印象を与えることができる。
【0014】
また、上記態様において、前記アウターレンズは、外面全体に、前記半透光性金属層を備えることも好ましい。
【0015】
このように構成すると、非点灯時には、灯具全体が一体的な、鏡面の外観を有するので、一見して灯具のように見えずより斬新な印象を与えることができる。
【発明の効果】
【0016】
上記態様に係る車両用灯具によれば、斬新な意匠性を有する車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る車両用灯具をサイドマーカランプとしてトラックに取り付けた状態を示す図である。
図2】同車両用灯具の、取付プレートを含む分解斜視図である。
図3】同車両用灯具の平面図である。
図4】同車両用灯具の図3の線IV-IVに沿う断面図である。
図5】同車両用灯具の非点灯時および点灯時の状態を示す写真である。
図6】本発明の別の実施の形態に係る車両用灯具をアクセサリランプとして車両に取り付けた状態を示す図である。
図7】(A)は、同車両用灯具の正面図、(B)は、(A)のB-B線に沿う同車両用灯具の断面図である。
図8】同車両用灯具の図7(A)の線VIII-VIIIに沿う断面図である。
図9】同車両用灯具の、取付プレートを含む分解斜視図である。
図10】同車両用灯具の非点灯時および点灯時の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を好適な実施の形態を、実施例を示す図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同等の構成要素、部材には、同一の名称を付し、重複した説明は適宜省略する。また、断面図において、説明の便宜のために、断面の奥に見える部材は適宜省略する。
【0019】
また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。
【0020】
(実施例1)
実施例1に係る車両用灯具100は、本発明をトラック2のサイドマーカランプに適用したものである。図1に示すように、車両用灯具100は、トラック2の外部の両サイド(但し、左サイドのみ図示)に、取付プレート3を介して車両外部に、車体から露出するように取り付けられている。あるいは、車体に直接取り付けられるようになっていてもよい。
【0021】
図2~4に示すように、車両用灯具100は、概略として、アウターレンズ10と、光源ユニット20と、ハウジング30とを備える。
【0022】
アウターレンズ10は、例えば黄色透明の樹脂で構成されている。アウターレンズ10の材料としては無色または有色のアクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート等透明の樹脂を用いることが好ましい。また、アウターレンズ10の材料として、無色または有色の透光性樹脂を用いてもよい。
【0023】
アウターレンズ10は、ハウジング30から前方に突出し、後方に開口する砲弾形状を有する。
【0024】
ハウジング30は、ポリプロピレン、ポリエチレン等の不透明の樹脂で構成される、外周に壁を有する円盤形状を有する。アウターレンズ10の開口をハウジング30で閉塞することにより車両用灯具100の灯室が画成されている。この結果、灯室は前方へ突出する形状となる。
【0025】
図2に示すように、ハウジング30は、アウターレンズ10の開口部の外径と同径の円盤形状を有し、外周に前後方向に延在する外周壁30aを有する。ハウジング30の中央部には、前後方向に延在するリブ31が蜘蛛の巣状に形成されており、ハウジング30の強度を補強している。
【0026】
また、ハウジング30の中央部には、配線コード34を通すための孔37が開口している。また、ハウジング30の外周部よりやや内側には、後述する取付ねじ26を通すための左右2つのねじ孔35が径方向に対向するように開口している。
【0027】
光源ユニット20は、円盤状の台座21上に、基板22を取り付けて構成されている。基板22上には、LED(発光ダイオード)光源23と、抵抗24が、それぞれ4つずつ周方向に等間隔に交互に取り付けられ、配線25で接続されている。台座の21の中央部には、配線コード34が、配線保持部33を介して取り付けられている、配線25は、台座21の中央部で配線コード34に接続されている。
【0028】
台座21の左右両端部には、取付ねじ26(図において、ネジ山は省略されている。)を挿入するためのねじ孔26aが設けられている。
【0029】
光源ユニット20は、取付ねじ26をワッシャ付きナット27でハウジング30に固定される。ワッシャ付きナット27に代えて、別体のナットおよびワッシャを用いてもよい。アウターレンズ10とハウジング30とは超音波溶着により接着されている。
【0030】
車両用灯具100は、通常、ハウジング30、光源ユニット20およびアウターレンズ10を組み付けてワッシャ付きナット36を取付ねじ26と螺合して、固定された状態で流通され、取付プレート3を介してトラック2に外付けで取り付けられる。ワッシャ付きナット36に代えて、別体のナットおよびワッシャを用いてもよい。
【0031】
取付プレート3は、概略として、下端部がハウジングの下部に沿う半円形であり、横幅がハウジング30の横幅とほぼ等しい金属プレートの上端部を、直角に折り曲げたものである。取付プレート3の鉛直面には、取付ねじ26と対応する位置に2か所の取付孔3aが、取付孔3aの間には、配線コード34を通すための開口3bが形成されている。また、取付プレート3の上面には、トラック2への取付孔3cが2か所形成されている。
【0032】
車両用灯具100は、配線コード34を開口3bに通した上で取付ねじ26を取付孔3aにそれぞれ通し、ワッシャ付きナット36を締結することにより取付プレート3を取り付けられる。そして、車両用灯具100を取付プレート3に取り付けた状態で、取付孔3cを介して、トラック2にねじ止めされる。
【0033】
図4に示すように、アウターレンズ10の外面(表面)には、入射した光の一部を反射し、一部を透過する半透光性金属層12が直接形成されている。半透光性金属層12は、いわゆるハーフミラー蒸着膜であり、金属材料としては、アルミニウム、銀、チタン、金等を用いることができる。
【0034】
また、半透光性金属層12の透過率は、非点灯時には鏡面となり、車両用灯具100の内部が外側から視認されにくくすると共に、点灯時には標識灯として必要な光量を透過させる範囲内で任意に設定することができる。これら光透過性と隠蔽性とのバランスを考慮して、例えば5~60%の範囲であることが好ましく、特に15%程度が好ましい。
【0035】
また、半透光性金属層12の表面には、例えば、疵を防止するために、二酸化ケイ素(SiO)等からなる、メッキや蒸着膜の保護膜として公知の保護膜が形成されていてもよい。
【0036】
アウターレンズ10の内面には、光学ステップ13,14が形成されている。光学ステップ14は、アウターレンズ10の前端部に形成され、複数の四角錘が同心円状に連続的に並ぶように形成されている。光学ステップ13は、光学ステップ14の周縁部から後方に向かって延在する放射線状に形成されている。
【0037】
ハウジング30の外周壁30aの表面には、メッキまたは金属コーティングにより、半透光性金属層12と同じ色調の金属調の表面処理がなされている。このようにすることで、非点灯時に灯具全体が一体的に金属調の鏡面の外観を有し、灯具の印象を与えない、斬新な印象を与えるのに貢献している。
【0038】
次に、車両用灯具100の作用について説明する。図5の左図に示すように、非点灯時には、外部からの光は半透光性金属層12により反射されることで鏡面の外観を有する。
【0039】
一方、点灯時には、LED光源23からの光のうち、光学ステップ14に入射する光は、光学ステップ14で拡散され、半透光性金属層12を透過して灯具前方に向かって照射される。光学ステップ13に入射される光は、光学ステップ13で灯具の周方向に拡散され、半透光性金属層12を透過して車両前後方向に向かって照射される。この結果、図5の右図に示すように、光学ステップ13,14の模様を反映して光り、所定の配光パターンを示す標識灯としての機能に従った外観を有するようになる。
【0040】
このように、上記構成によれば、非点灯時には、鏡面の外観を、点灯時には、機能に従う外観を示す、という斬新な外観を有する車両用灯具を提供することができる。本形態に係る車両用灯具は、非点灯時には全体として鏡面の外観を有するので、消灯している昼間には、灯具として目立たない。特に、トラック等の大型車両の運転手は、鏡面の外観を有する金属メッキ仕上げの装飾用部品を好んで採用するが、そのような装飾用部品と統一された美観を発揮することができる。
【0041】
また、実施の形態に係る車両用灯具100では、アウターレンズ10の表面に直接蒸着により半透光性金属層12を形成している。したがって、蒸着層のさらに外側に、例えば樹脂製の透明カバーなどを備えないので、いわゆるメッキ仕上げのような灯具として従来にはない外観を提供することができる。さらに、樹脂製の保護カバー等を備える必要がないことから、部品点数を少なくすることができ、製造コストも抑制される。
【0042】
さらに夜間においては、非点灯時であっても、車両用灯具100が他の車両の前照灯や街灯など外部からの光を反射するため、一定の被視認性を確保することができる。この時、車両の外部に露出する部分全体に半透光性金属層12が形成されているため死角となることがない。特に、アウターレンズ10は、灯室が前方へ突出する形状を有し、車体から露出しているため有利である。車両用灯具100のようにサイドマーカランプに適用した場合には、車両用灯具100を消灯して駐・停車していた場合でも、車幅を容易に認識することができ、事故を防止することができる。
【0043】
また、上記したように、半透光性金属層12の透過率は、車両用灯具100の非点灯時に鏡面となり、車両用灯具100の内部が外側から視認されにくくすると共に、点灯時には標識灯として必要な光量を透過させる範囲内で任意に設定することができる。これら光透過性と隠蔽性とのバランスを考慮して、例えば5~60%の範囲であることが好ましく、特に15%程度が好ましい。このような範囲であれば、非点灯時において、自然光のもとでは通常内部構造が見えなくなっており、外観の変化の意外性を確保できるからである。
【0044】
また、アウターレンズ10の内面に施される光学ステップ13,14は、必須ではなく、例えば、リフレクタやインナーレンズ等他の方法によって配光を制御することで、標識灯としての機能を確保するようになっていてもよい。しかし、光学ステップを形成することで、点灯時には、灯具自体が光学ステップに従った模様を示すことができるので、外観の変化を強く印象付けることができる。
【0045】
また、上記のように、アウターレンズ10の材料は、有色または無色の、透明または透光性の樹脂を用いることができるが、有色の透明樹脂を用いると、非点灯時の金属色の外観と、点灯時の外観との変化が顕著であり、特に有利である。
【0046】
(実施例2)
実施例2に係る車両用灯具200は、本発明をタクシー等の車両に外付けで取り付けるアクセサリランプに適用したものである。図6に示すように、車両用灯具200は、車両5のバンパーに、左右対称となるように取り付けられて、装飾的に用いられるとともに、車両5の被視認性を向上させる標識灯の機能を有する。
【0047】
図7~9に示すように、車両用灯具200は、概略として、アウターレンズ210と、光源ユニット220と、ハウジング230とを備える。
【0048】
また、車両用灯具200は、正面視で両端がとがった横長の棒形状を有する。
【0049】
アウターレンズ210は、正面視が車両用灯具200の全体形状に沿う形状を有し、かつ、前方へ突出し、後方へ開口する箱状の形状を有する。この結果、灯室がハウジングから前方へ突出形状となる。本例において、アウターレンズ210は、無色の透明樹脂で構成されている。アウターレンズ210の材料としては、アウターレンズ10と同様の材料から選択することができる。
【0050】
ハウジング230は、ポリプロピレン、ポリエチレン等の不透明の樹脂で構成され、アウターレンズ210の開口部に整合する形状を有する。アウターレンズ210の開口をハウジング230で閉塞することにより車両用灯具200の灯室が画成されている。
【0051】
ハウジング230の両端近傍には、光源取付ねじ226を挿通するためのねじ穴235が形成されている。ハウジング230の中央部には、配線コード(図示せず)と通すための貫通孔237が形成されている。また、貫通孔237と両側のねじ穴235との中間部の背面には、取付プレート203に取り付けるための取付ねじ205と螺合するねじ穴238が設けられている。
【0052】
光源ユニット220は、灯具の正面形状に対応する形状の基板221を備え、基板221上には、複数(図示の例では20個)のLED光源223が、左右方向に一列に等間隔に配置されている。また、基板221の両端部には、光源取付ねじ226を挿通するための貫通孔227が形成されている。
【0053】
光源ユニット220は、光源取付ねじ226をねじ穴235に、貫通孔227を介して螺合することでハウジング230に固定される。また、アウターレンズ210とハウジング230とは超音波溶着により接着されている。
【0054】
車両用灯具200は、通常、ハウジング230、光源ユニット220およびアウターレンズ210を組付けた状態で流通される。
【0055】
車両用灯具200は、取付プレート203を介して車両5に取り付けられる。具体的には、取付ねじ205を取付プレート203の取付孔203aに挿通して、取付プレート203をねじ止めし、その後、車体取付ねじ206で取付プレート203にねじ止めして取り付けられる。
【0056】
図7(B),図8に示すように、アウターレンズ210の表面全体には、車両用灯具100の半透光性金属層12と同じ半透光性金属層212が形成されている。また、アウターレンズの内面には、図7(A),(B)に示すように、左右方向に波線状に延在する複数本の光学ステップ213が、平行に形成されている。なお、図7(A)には、光学ステップ213を破線で示すが、非点灯時には表れない。
【0057】
この結果、図10の上図に示すように、非点灯時には、外部からの光が、半透光性金属層212で反射されて、鏡面の外観を示す。
【0058】
一方点灯時には、図10の下図に示すように、LED光源223からの光が、光学ステップ213に入射して拡散され、半透光性金属層212を透過して前方に照射されて、光学ステップ213の模様を反映して光る標識灯としての機能に従った外観を有するようになる。
【0059】
このように、実施例1とは形状の異なる車両用灯具200においても、車両用灯具100と同様の効果を奏することができる。
【0060】
以上、本発明の好ましい実施の形態について述べたが、上記の実施例は本発明の一例であり、これらを当業者の知識に基づいて組み合わせることが可能であり、そのような形態も本発明の範囲に含まれる。
【0061】
また、上記の実施例では、本発明をサイドマーカランプおよびアクセサリランプに適用した例について述べたが、本発明はこれに限定されず、法令の許す限り、ヘッドランプ、クリアランスランプ、テールランプ、サイドターンシグナルランプ、ストップランプ、デイタイムランニングランプ、コーナリングランプ、ハザードランプ、ポジションランプ、バックランプ、フォグランプ等の各種の車両用灯具に広く適用することができる。
【0062】
なお、上記の実施例では、アウターレンズ全体に半透光性金属層12,212を備える構成としたが、半透光性金属層12,212は、少なくとも車両外部に露出する部分全体に形成されていればよく、アウターレンズが車両外部に露出しない部分に延在する場合には、必ずしもアウターレンズ全体の表面に半透光性金属層212が形成されている必要はない。
【符号の説明】
【0063】
2 :トラック(車両)
5 :車両
100 :車両用灯具
10 :アウターレンズ
12 :半透光性金属層
13 :光学ステップ
14 :光学ステップ
23 :LED光源(光源)
30 :ハウジング
200 :車両用灯具
210 :アウターレンズ
212 :半透光性金属層
213 :光学ステップ
223 :LED光源(光源)
230 :ハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10