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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20240801BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
H04R1/02 108
H04R1/02 107
H05K7/14 G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021038667
(22)【出願日】2021-03-10
(65)【公開番号】P2022138656
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】宇野 晴貴
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正義
(72)【発明者】
【氏名】森下 恵太
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-210584(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0116674(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00- 1/08
H04R 1/12- 1/14
H04R 1/42- 1/46
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を導入する音孔が形成された筐体と、
前記筐体内に設けられた基板ホルダと、
前記基板ホルダにおける前記筐体の前記音孔に対向する側に設けられ、音声を集音するマイク素子が実装されたマイク基板と、
前記筐体の内壁面と前記マイク基板との間に挟持された状態で設けられ、弾性体により構成され、前記筐体の前記音孔に連通する開口部を有したスペーサと、を備え、
前記スペーサと前記マイク基板のうちの一方に係合突起が形成され、前記スペーサと前記マイク基板のうちの他方に前記係合突起と係合可能な係合切欠又は係合孔が形成されている、電子機器。
【請求項2】
前記筐体の内壁面に位置決めピンが形成され、前記マイク基板に前記位置決めピンと篏合可能な篏合孔が形成されている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記筐体の内壁面における前記音孔の周縁に環状の保護突起が形成され、前記保護突起が前記スペーサの前記開口部の内側に入り込んでいる、請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記スペーサの少なくとも一方の面における前記開口部の周縁に環状の弾性突起が形成されている、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記スペーサに前記マイク基板の縁部に係止可能なフック部が形成されている、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記マイク基板に前記マイク素子の集音孔と前記筐体の前記音孔側を連通する通孔が形成されている、請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記筐体に前記音孔側に入り込んだ設置空間が形成され、前記基板ホルダ、前記マイク基板、及び前記スペーサが前記筐体の前記設置空間に配置されている、請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声を集音するマイク素子を内蔵した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の音声操作又は通話等を行うために、電子機器にマイク素子を内蔵することがある。特許文献1に示す電子機器においては、電子機器の筐体内にマイク素子を取付けるためのマイク取付構造を備えており、マイク取付構造の構成は、次の通りである。
【0003】
筐体には、音声を導入する音孔(特許文献1では集音口)が形成されており、筐体内には、基板ホルダ(特許文献1ではが設けられている。基板ホルダにおける筐体の音孔に対向する側には、マイク基板(特許文献1ではマイク基板固定板金)が設けられており、マイク基板には、マイク素子が実装されている。筐体の内壁面とマイク基板との間には、スペーサ(特許文献1では第1クッション材)が中間部材(特許文献1では中子カバー)を介して挟持された状態で設けられている。スペーサは、弾性体により構成されており、筐体の音孔に連通する開口部を有している。ここで、筐体の音孔からマイク素子にかけて、音声の通り道である音道が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-55361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、マイク基板を基板ホルダに組付ける際に、マイク基板の組付け誤差によって基板ホルダに対してマイク基板の位置ずれが発生することがある。このような場合には、マイク基板に実装されたマイク素子と、筐体の内壁面とマイク基板とによって挟持されたスペーサとの間に位置ずれが発生して、音道のぶれを招くことになる。その結果、ノイズの要因となる不要な音響が発生して、マイク素子の集音性能が低下するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、マイク素子とスペーサとの間の位置ずれを防止して、マイク素子の集音性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子機器は、音声を導入する音孔が形成された筐体と、前記筐体内に設けられた基板ホルダと、前記基板ホルダにおける前記筐体の前記音孔に対向する側に設けられ、音声を集音するマイク素子が実装されたマイク基板と、前記筐体の内壁面と前記マイク基板との間に挟持された状態で設けられ、弾性体により構成され、前記筐体の前記音孔に連通する開口部を有したスペーサと、を備え、前記スペーサと前記マイク基板のうちの一方に係合突起が形成され、前記スペーサと前記マイク基板のうちの他方に前記係合突起と係合可能な係合切欠又は係合孔が形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、マイク素子とスペーサとの間の位置ずれを防止して、マイク素子の集音性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るテレビジョン受信機を示す模式的な正面図である。
図2図1におけるII-II線に沿った拡大断面図である。
図3図1におけるIII-III線に沿った拡大断面図である。
図4図2におけるIV-IV線に沿った断面図である。
図5】実施形態1に係るマイク取付構造に用いられるスペーサを示す斜視図である。
図6】実施形態2に係るマイク取付構造を示す断面図である。
図7図6のマイク取付構造に用いられるスペーサを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図面に記載した通り、テレビジョン受信機又は筐体の正面側を前側、テレビジョン受信機又は筐体の背面側を後側と称する。テレビジョン受信機又は筐体の幅方向の一方側を左側、テレビジョン受信機又は筐体の幅方向の他方側を右側と称する。テレビジョン受信機又は筐体の高さ方向の一方側を上側、テレビジョン受信機又は筐体の高さ方向の他方側を下側と称する。
【0011】
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1から5を参照して説明する。図1は、実施形態に係るテレビジョン受信機を示す模式的な正面図である。図2は、図1におけるII-II線に沿った拡大断面図である。図3は、図1におけるIII-III線に沿った拡大断面図である。図4は、図2におけるIV-IV線に沿った断面図である。図5は、実施形態1に係るマイク取付構造に用いられるスペーサを示す斜視図である。
【0012】
(テレビジョン受信機の全体的な構成)
図1に示すように、テレビジョン受信機10は、画像を表示する矩形の表示パネル12を備えており、表示パネル12は、左右方向に延びている。表示パネル12は、アレー基板(不図示)とカラーフィルタ基板(不図示)との間に液晶(不図示)を封入した液晶パネルである。また、テレビジョン受信機10は、表示パネル12を囲むように保持する矩形枠状のフレーム14を備えており、フレーム14は、左右方向に延びている。フレーム14は、例えば、アルミニウム又は鉄等の金属により構成されている。なお、液晶パネルの代わりに、有機発光ダイオード素子(不図示)を備えた有機ELパネルを表示パネル12として用いてもよい。
【0013】
テレビジョン受信機10は、フレーム14の下側に設けられた筐体16を備えており、筐体16は、左右方向に延びている。筐体16は、例えばアルミニウム、鉄等の金属又は樹脂により構成されている。テレビジョン受信機10の音声操作等を行うため、筐体16内には、音声を集音する2つ(1つのみ図示)のマイク素子(マイクロフォン)18が内蔵されている。
【0014】
(マイク取付構造の構成)
図2に示すように、テレビジョン受信機10は、筐体16内に2つのマイク素子18を取付けるためのマイク取付構造20を備えている。そして、実施形態1に係るマイク取付構造20の具体的な内容は、次の通りである。
【0015】
図2から4に示すように、筐体16には、音声を導入するための2つの音孔16hが貫通して形成されており、各音孔16hの断面は、円形状に形成されている。筐体16内には、音孔16h側に入り込んだ設置空間16sが形成されている。
【0016】
筐体16内には、基板ホルダ22が設けられており、基板ホルダ22は、左右方向に延びている。基板ホルダ22は、筐体16の設置空間16sに押し込んだ状態で固定部材(不図示)を介して固定されている。基板ホルダ22は、例えばアルミニウム等の金属又は樹脂により構成されている。
【0017】
基板ホルダ22における筐体16の音孔16hに対向する側(前側面)には、2つのマイク素子18を制御するためのマイク基板24が設けられており、マイク基板24は、左右方向に延びている。マイク基板24における筐体16の音孔16hに対向する側の反対側(後側面)には、2つのマイク素子18が実装されており、2つのマイク素子18は、左右方向に離隔している。各マイク素子18の前側面には、音声を集音するための円形の集音孔(マイク孔)18hが形成されている。各マイク素子18の集音孔18hは、筐体16の各音孔16hと同心上に位置しており、各マイク素子18の集音孔18hの断面積(開口面積)は、筐体16の音孔16hの断面積よりも小さく設定されている。マイク基板24には、マイク素子18の集音孔18hと筐体16の音孔16h側を連通する2つの通孔24hが形成されており、2つの通孔24hは、左右方向に離隔している。マイク基板24の各通孔24hは、各マイク素子18の集音孔18hと同心上に位置しており、マイク基板24の各通孔24hの断面積は、各マイク素子18の集音孔18hの断面積よりも大きく設定されている。なお、2つのマイク素子18をマイク基板24の後側面に実装する代わりに、マイク基板24の前側面に実装してもよく、この場合には、マイク基板24に通孔24hを形成しなくてもよい。
【0018】
マイク基板24は、テレビジョン受信機10全体を統括的に制御するためのメイン基板(不図示)に接続されている。そして、2つのマイク素子18によって集音された音声のデータは、マイク基板24からメイン基板に送信される。
【0019】
図2から5に示すように、筐体16の内壁面16fとマイク基板24の前側面との間には、2つのスペーサ26が挟持された状態で設けられており、2つのスペーサ26は、左右方向に離隔している。各スペーサ26は筐体16の各音孔16hに連通する円形の開口部26aを有しており、開口部26aの開口面積は、筐体16の音孔16hの断面積よりも大きく設定されている。各スペーサ26は、例えばシリコンゴム等の弾性体により構成されており、筐体16の内壁面16fとマイク基板24とにより圧縮されている。
【0020】
筐体16の内壁面16fには、後方向に突出した2つの位置決めピン28が設けられており、2つの位置決めピン28は、左右方向に離隔している。マイク基板24には、位置決めピン28と篏合可能な2つの篏合孔24vが形成されており、2つの篏合孔24vは、左右方向に離隔している。マイク基板24の一方の篏合孔24vは、丸孔であり、マイク基板24の他方の篏合孔24vは、左右方向に延びた長孔である。一方の位置決めピン28は、マイク基板24の一方の篏合孔24vに左右方向に移動不能に篏合する。他方の位置決めピン28は、マイク基板24の他方の篏合孔24vに左右方向に移動可能に篏合する。また、各スペーサ26には、位置決めピン28を挿通させるための挿通穴26hが形成されている。
【0021】
ここで、筐体16の音孔16hからマイク素子18の集音孔18hにかけて、音声の通り道である音道が形成される。換言すれば、筐体16の音孔16h、スペーサ26の開口部26a、及びマイク基板24の通孔24hは、それぞれ、音道の一部を構成する。
【0022】
両面テープ等によってマイク基板24を基板ホルダ22の前側面に取付けかつ2つのスペーサ26を基板ホルダ22に取付けた状態で、基板ホルダ22を筐体16の設置空間16sに押し込むことにより、基板ホルダ22、マイク基板24、及び2つのスペーサ26が筐体16の設置空間16sに配置される。前述のように、筐体16の設置空間16sは、音孔16h側に入り込んでいる。これにより、筐体16内に基板ホルダ22、マイク基板24、及びスペーサ26を設置する場合でも、筐体16のコンパクト化を図ることができる。
【0023】
各スペーサ26の上縁部及び下縁部には、後方向に突出した2つの係合突起30がそれぞれ形成されている。マイク基板24の左右の両端側における上縁部及び下縁部には、係合突起30と係合可能な2つの係合切欠24cがそれぞれ形成されている。なお、マイク基板24の左右の両端側における上縁部及び下縁部に2つの係合切欠24cをそれぞれ形成する代わりに、係合突起30と係合可能な2つの係合孔(不図示)をそれぞれ形成してもよい。各スペーサ26の上縁部及び下縁部に2つの係合突起30をそれぞれ形成する代わりに、マイク基板24の左右の両端側における上縁部及び下縁部に前方向に突出した係合突起(不図示)をそれぞれ形成してもよい。この場合には、各スペーサ26の上縁部及び下縁部に、係合突起と係合可能な2つの係合切欠(不図示)又は係合孔(不図示)を形成する。
【0024】
筐体16の内壁面16fにおける各音孔16hの周縁には、後方向に突出した環状の保護突起32が形成されている。各保護突起32は、各スペーサ26の開口部26aの内側に入り込んでいる。各保護突起32は、マイク基板24に非接触であって、マイク基板24の各通孔24hの周縁に近接している。
【0025】
各スペーサ26の前後の両面における開口部26aの周縁には、環状の弾性突起34がそれぞれ形成されている。各スペーサ26の一方の弾性突起34は、筐体16の内壁面16fに圧接(圧力をもって接触)し、各スペーサ26の他方の弾性突起34は、マイク基板24の前側面に圧接する。なお、各スペーサ26の前後の両面に弾性突起34を形成する代わりに、各スペーサ26の前後の一方の面(前側面又は後側面)にのみ弾性突起34を形成してもよい。
【0026】
(実施形態1の作用効果)
実施形態1の構成によると、各スペーサ26の各係合突起30をマイク基板24の各係合切欠24cに係合に係合させる。これにより、基板ホルダ22の組付け誤差によって基板ホルダ22に対するマイク基板24の位置ずれが発生しても、マイク素子18とスペーサ26との間の位置ずれ、換言すれば、マイク素子18の集音孔18hとスペーサ26の開口部26aとの間の位置ずれを防止することができる。
【0027】
マイク基板24の各篏合孔24vを各位置決めピン28に篏合させる。これにより、基板ホルダ22の組付け誤差によって基板ホルダ22に対するマイク基板24の位置ずれが発生しても、筐体16とマイク基板24との間の位置ずれ、換言すれば、筐体16の音孔16hとマイク基板24の通孔24hとの間の位置ずれを防止することができる。
【0028】
従って、実施形態1によれば、音声の通り道である音道のぶれを十分に抑制して、マイク素子18の集音性能を十分に向上させることができる。
【0029】
各スペーサ26の一方の弾性突起34が筐体16の内壁面16fに圧接し、各スペーサ26の他方の弾性突起34がマイク基板24に圧接するため、各スペーサ26の開口部26aの内側の空間を筐体16の内部空間に対して密閉(遮断)することができる。これにより、実施形態1によれば、マイク素子18の集音性能をより向上させることができる。
【0030】
筐体16の各保護突起32が各スペーサ26の開口部26aの内側に入り込んでいるため、筐体16の各保護突起32によって各スペーサ26の開口部26aの周縁が音道に侵入することを防止することができる。これにより、実施形態1によれば、音道を良好な状態に維持して、マイク素子18の集音性能を安定的に向上させることができる。
【0031】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について図6及び7を参照して説明する。図6は、実施形態2に係るマイク取付構造を示す断面図である。図7は、図6のマイク取付構造に用いられるスペーサを示す斜視図である。
【0032】
(マイク取付構造)
図6に示すように、実施形態2に係るマイク取付構造36は、筐体16内に2つのマイク素子18を取付けるための構造であり、実施形態1に係るマイク取付構造20(図2参照)と同様の構成を有している。以下、マイク取付構造36の構成のうち、マイク取付構造20と異なる同様についてのみ説明する。
【0033】
図6及び7に示すように、マイク取付構造36においては、各スペーサ26における各係合突起30の先端部には、マイク基板24の上縁部又は下縁部に係止可能なフック部38が形成されている。なお、フック部38を各係合突起30の先端部に形成する代わりに、各スペーサ26の上縁部及び下縁部における2つの係合突起30の間に形成してもよい。
【0034】
(実施形態2の作用効果)
実施形態2の構成によると、前述の実施形態1と同様の作用効果を奏する。また、実施形態2の構成によると、各スペーサ26の各フック部38をマイク基板24の上縁部又は下縁部に係止させることで、両面テープ等を用いることなく、各スペーサ26をマイク基板24に容易に組み付けることができる。そのため、実施形態2によれば、マイク取付構造36の組立性、換言すれば、テレビジョン受信機10(図1参照)の組立性を向上させることができる。
【0035】
(実施形態の変形例)
なお、テレビジョン受信機10(図1参照)に適用したマイク取付構造20,36(図2及び6参照)を、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末機、加熱調理器等のテレビジョン受信機10以外の電子機器に適用してもよい。
【0036】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る電子機器は、音声を導入する音孔が形成された筐体と、前記筐体内に設けられた基板ホルダと、前記基板ホルダにおける前記筐体の前記音孔に対向する側に設けられ、音声を集音するマイク素子が実装されたマイク基板と、前記筐体の内壁面と前記マイク基板との間に挟持された状態で設けられ、弾性体により構成され、前記筐体の前記音孔に連通する開口部を有したスペーサと、を備え、前記スペーサと前記マイク基板のうちの一方に係合突起が形成され、前記スペーサと前記マイク基板のうちの他方に前記係合突起と係合可能な係合切欠又は係合孔が形成されている。
【0037】
前記の構成によれば、前記スペーサと前記マイク基板のうちの一方に形成された前記係合突起を、前記スペーサと前記マイク基板のうちの他方に形成せれた前記係合切欠又は前記係合孔に係合に係合させる。これにより、前記基板ホルダの組付け誤差によって前記基板ホルダに対する前記マイク基板の位置ずれが発生しても、前記マイク素子と前記スペーサとの間の位置ずれを防止することができる。よって、音道のぶれを抑制して、前記マイク素子の集音性能を向上させることができる。
【0038】
本発明の態様2に係る電子機器は、前記態様1において、前記筐体の内壁面に位置決めピンが形成され、前記マイク基板に前記位置決めピンと篏合可能な篏合孔が形成されてもよい。
【0039】
前記の構成によれば、前記マイク基板の前記篏合孔を前記位置決めピンに篏合させる。これにより、前記基板ホルダの組付け誤差によって前記基板ホルダに対する前記マイク基板の位置ずれが発生しても、前記筐体と前記マイク基板との間の位置ずれを防止することができる。よって、音道のぶれを十分に抑制して、前記マイク素子の集音性能を十分に向上させることができる。
【0040】
本発明の態様3に係る電子機器は、前記態様1又は2において、前記筐体の内壁面における前記音孔の周縁に環状の保護突起が形成され、前記保護突起が前記スペーサの前記開口部の内側に入り込んでもよい。
【0041】
前記の構成によれば、前記保護突起によって前記スペーサの前記開口部の周縁が前記音道に侵入することを防止することができる。これにより、前記音道を良好な状態に維持して、前記マイク素子の集音性能を安定的に向上させることができる。
【0042】
本発明の態様4に係る電子機器は、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記スペーサの少なくとも一方の面における前記開口部の周縁に環状の弾性突起が形成されてもよい。
【0043】
前記の構成によれば、前記スペーサの前記弾性突起が前記筐体の内壁面又は前記マイク基板に圧接して、前記スペーサの前記開口部の内側の空間を前記筐体の内部空間に対して密閉(遮断)することができる。これにより、前記マイク素子の集音性能をより向上させることができる。
【0044】
本発明の態様5に係る電子機器は、前記態様1から4のいずれかにおいて、前記スペーサに前記マイク基板の縁部に係止可能なフック部が形成されてもよい。
【0045】
前記の構成よれば、前記スペーサの前記フック部を前記マイク基板の縁部に係止させることで、前記スペーサを前記マイク基板に容易に組み付けることができる。
【0046】
本発明の態様6に係る電子機器は、前記態様1から5のいずれかにおいて、前記マイク基板に前記マイク素子の集音孔と前記筐体の前記音孔側を連通する通孔が形成されてもよい。
【0047】
前記の構成によれば、前記マイク基板の前記通孔も前記音道の一部を構成する。
【0048】
本発明の態様7に係る電子機器は、前記態様1から6のいずれかにおいて、前記筐体に前記音孔側に入り込んだ設置空間が形成され、前記基板ホルダ、前記マイク基板、及び前記スペーサが前記筐体の前記設置空間に配置されてもよい。
【0049】
前記の構成によれば、前記筐体内に前記基板ホルダ、前記マイク基板、及び前記スペーサを設置する場合でも、前記筐体のコンパクト化を図ることができる。
【0050】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
10 テレビジョン受信機(電子機器)
16 筐体
16f 内壁面
16h 音孔
16s 設置空間
18 マイク素子
18h 集音孔
20 マイク取付構造
22 基板ホルダ
24 マイク基板
24c 係合切欠
24h 通孔
24v 篏合孔
26 スペーサ
26a 開口部
26h 挿通穴
28 位置決めピン
30 係合突起
32 保護突起
34 弾性突起
36 マイク取付構造
38 フック部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7