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特許7530882リコピン組成物および紫外線放射から皮膚を保護するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】リコピン組成物および紫外線放射から皮膚を保護するための方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/11 20160101AFI20240801BHJP
   A61K 31/01 20060101ALI20240801BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20240801BHJP
   A61K 31/355 20060101ALI20240801BHJP
   A61K 31/015 20060101ALI20240801BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20240801BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20240801BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240801BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A23L33/11
A61K31/01
A61K31/192
A61K31/355
A61K31/015
A61P17/00
A61P43/00 111
A61K8/31
A61K8/365
A61Q19/00
A61Q19/08
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021503847
(86)(22)【出願日】2019-07-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 IL2019050833
(87)【国際公開番号】W WO2020021546
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-07-05
(31)【優先権主張番号】62/701,899
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515252318
【氏名又は名称】ライコレッド リミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】クラットマン,ジーン
(72)【発明者】
【氏名】シャローニ,ヨアフ
(72)【発明者】
【氏名】レビー,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】リンネウィール ハーモニ,カリン
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-513075(JP,A)
【文献】特表2012-515198(JP,A)
【文献】特開2015-205882(JP,A)
【文献】特表2018-501305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L、A61K、A61Q
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)リコピンと、(b)フィトエンおよびフィトフルエンと、(c)カルノシン酸と、を含む、組成物であって、(a)と(b)との重量比が1:0.5~1:0.9であリコピンとカルノシン酸との重量比が、1:0.05~1:0.9である、組成物。
【請求項2】
前記組成物が、トコフェロールをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
リコピンとトコフェロールとの重量比が、1:0.05~1:0.9である、請求項に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、β-カロチンをさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
リコピンとβ-カロチンとの重量比が、1:0.005~1:0.5である、請求項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、経口組成物である、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
機能性食品、薬用化粧品、または医薬的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
1つ以上の皮膚パラメータを改善する際に使用するための、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記1つ以上の皮膚パラメータが、顔の筋/しわ、平均皮膚カロテノイドレベル、皮膚明度、皮膚輝度、および紫外線放射(UV)誘発性損傷からなる群から選択される、請求項に記載の使用のための組成物。
【請求項10】
薬用化粧品組成物である、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
しわ防止組成物である、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
紫外線B(UVB)誘発性インターロイキン6(IL-6)放出を相乗的に阻害する、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記皮膚が、手掌の皮膚である、請求項またはに記載の使用のための組成物。
【請求項14】
UV誘発性損傷を改善することが、UV放射によって引き起こされる皮膚関連状態を予防または治療することを含む、請求項またはに記載の使用のための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月23日に出願された「LYCOPENE COMPOSITIONS AND METHODS FOR PROTECTING SKIN AGAINST ULTRAVIOLET RADIATION」と題された米国仮特許出願第62/701,899号の優先権の利益を主張し、該仮特許出願の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、特に、リコピンを含む組成物に関する。より具体的に、本発明は、特に、化粧品組成物、摂取可能なスキンケア、紫外線放射によって引き起こされる皮膚関連状態の治療、またはそれらの組み合わせにおいて使用され得る、リコピンを含む組成物を提供する。
【背景技術】
【0003】
太陽への長時間の曝露が皮膚に有害な影響を与えることは十分に認められている。特に、太陽からの紫外線(UV)放射は、皮膚の紅斑、日焼け、および皮膚がんを引き起こすことが知られている。UV放射からの皮膚の保護は、保護服だけでなく、さまざまな保護成分の局所組成物の形態での保護によって達成することができる。特定の保護組成物群は、経口投与を目的としている。経口組成物は、内部輸送メカニズムを介して皮膚に送達され、したがってUV放射による損傷から皮膚を保護する有効成分を含有する。上記経口組成物と共に使用するのに好適な特定の有効成分群は、カロテノイドである。米国特許第3,920,834号は、カンタキサンチンが組成物中の主要カロテノイドであるカロテノイドの混合物の使用について記載している。しかしながら、カンタキサンチンの使用は、色素沈着に悪影響を与える可能性があるため、制限されていることが知られている。米国特許第5,290,605号は、UV日射から皮膚を保護することを目的とした食品および飲料について記載している。カロテノイドと、アスコルビン酸、トコフェロール、コエンザイムQ10、および還元型グルタチオンと、を含む、上記食品および飲料。米国特許第6,110,478号はさらに、UV放射およびその有害な影響から皮膚を保護するための組成物について記載しており、この組成物は、プロビタミンAカロテノイドおよびリコピンを含有する。かかる組成物の使用は、プロビタミンAカロテノイドが特定の投与量レベルで対象の健康に及ぼし得る悪影響によって制限される。プロビタミンAカロテノイドから体内で生成される過剰なビタミンAは、健康に悪影響を与えることが分かった。Stahlら(”Dietary Tomato Paste Protects against Ultraviolet Light-induced Erythema in Humans”,Biochemical and Molecular Action of Nutrients,Research Communication,(2001)1449-1451)は、特に、リコピン、β-カロチンおよびトコフェロールを含有することが知られているトマトペーストの、紫外線誘発性紅斑に対する保護効果を示した。しかしながら、Stahlは、望ましいカロテノイド血清レベルを達成する上での問題を報告しており、生物学的利用能が低いことを示唆している。
【0004】
したがって、UV放射から皮膚を保護するだけでなく、経口投与に好適であって、広範な投与量で安全な、他の皮膚パラメータを改善するための組成物を開発する必要性が長い間感じられている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、いくつかの実施形態において、リコピンを含む組成物および経口製剤などにおけるその使用に関する。さらに、異なる皮膚状態を予防もしくは治療するか、または皮膚の外観もしくは健康を改善する際にそれらの組成物を使用するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、皮膚状態は紫外線放射によって引き起こされる。
【0006】
一態様によれば、(a)リコピンと、(b)フィトエンおよびフィトフルエンと、(c)カルノシン酸と、を含む、組成物であって、(a)と(b)との重量比が1:0.05~1:0.9である、組成物が提供される。
【0007】
別の態様によれば、必要とする対象における1つ以上の皮膚パラメータを改善するための方法であって、本明細書に開示される組成物の治療有効量を対象に投与し、それにより、対象における1つ以上の皮膚パラメータを改善する工程を含む、方法が提供される。
【0008】
いくつかの実施形態では、リコピンとカルノシン酸との重量比は、1:0.05~1:0.9である。
【0009】
いくつかの実施形態では、組成物は、トコフェロールをさらに含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、リコピンとトコフェロールとの重量比は、1:0.05~1:0.9である。
【0011】
いくつかの実施形態では、組成物は、β-カロチンをさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、リコピンとβ-カロチンとの重量比は、1:0.005~1:0.5である。
【0013】
いくつかの実施形態では、組成物は、経口組成物をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、組成物は、機能性食品、薬用化粧品、または医薬的に許容される賦形剤をさらに含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の皮膚パラメータを改善する際に使用するためのものである。
【0016】
いくつかの実施形態では、1つ以上の皮膚パラメータは、顔の筋/しわ、平均皮膚カロテノイドレベル、皮膚明度、皮膚輝度、および紫外線放射(UV)誘発性損傷からなる群から選択される。
【0017】
いくつかの実施形態では、組成物は、薬用化粧品組成物をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、組成物は、しわ防止組成物をさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、方法は、対象の皮膚中のカロテノイドのレベルを判定する工程を含み、対照ベースラインと比較して対象の皮膚中のカロテノイドのレベルの低下は、対象が、本発明に開示される組成物を使用する治療に好適であることを示す。
【0020】
いくつかの実施形態では、対象は、カロテノイドのレベルの低下に罹患している。
【0021】
いくつかの実施形態では、皮膚は、手掌の皮膚である。
【0022】
いくつかの実施形態では、対象におけるUV誘発性損傷を改善することは、対象において、UV放射によって引き起こされる皮膚関連状態を予防または治療することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、治療することは、対象において、TNF-α、IL-6の産生、紅斑の減少、またはそれらの任意の組み合わせを阻害することを含む。
【0024】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様または同等の方法および材料を本発明の実施形態の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に説明する。矛盾する場合は、定義を含む特許明細書が優先される。さらに、材料、方法、および例は、単なる例示であり、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0025】
本発明のさらなる実施形態および適用可能性の全範囲は、以下の詳細な説明から明らかになろう。しかしながら、本発明の趣旨および範囲内の様々な変更および修正が、この詳細な説明から当業者に明らかになるので、詳細な説明および特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示す一方で、例示としてのみ与えられると理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の製剤1による治療およびプラセボによる治療後の対象におけるUV誘発性紅斑のレベルの変化を示す棒グラフである。アスタリスクは、P値=0.019を表す。
図2】本発明の製剤1による治療およびプラセボによる治療後の対象におけるUV誘発性遺伝子発現のレベルの変化を示す棒グラフである。
図3A-3C】試験中のリコピン(3A)、フィトフルエン(3B)およびフィトエン(3C)の濃度を示すグラフである。
図4】UVB誘導性IL-6放出の阻害における、カルノシン酸とリコピンとの相乗作用を示す棒グラフである。
図5A-5B】UVB誘導性IL-6放出の阻害における、Lycoredトマト栄養素複合体とカルノシン酸との相乗作用を示す棒グラフである。リコピンとカルノシン酸との比率が1:0.3(w/w、5A)および1:0.6(w/w、5B)であることが示されている。
図6A-6B】トマト栄養素複合体とカルノシン酸(6A)またはローズマリー抽出物(6B)との組み合わせ、およびLycoderm調製物(栄養素複合体とローズマリー抽出物とを組み合わせて含む)による、表皮ケラチノサイトにおける抗酸化剤応答配列(EpRE/ARE)レポーター活性の相乗的誘導を示す棒グラフである。リコピンとカルノシン酸との比率が1:0.14(つまり、CA2.5μM)および1:0.27(CA5μM)であることが示されている。「S」-相乗作用。
図7A-7B】トマト栄養素複合体とカルノシン酸との組み合わせによる真皮線維芽細胞におけるEpRE/AREレポーター活性の相乗的誘導を示す棒グラフである。リコピンとカルノシン酸との比率が1:0.14(つまり、CA2.5μM、7A)および1:0.27(CA5μM、7B)であることが示されている。「S」-相乗作用。
図8】トマト栄養素複合体の2つの異なる調製物によるヒトケラチノサイトにおけるEpRE/AREレポーター活性の誘導を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
一実施形態では、本発明は、リコピンと、フィトエンおよびフィトフルエンと、カルノシン酸と、を含む組成物を提供する。一実施形態では、本発明は、リコピンと、フィトエンと、フィトフルエンと、カルノシン酸と、トコフェロール(例えば、ビタミンE)と、β-カロチンと、を含む組成物を提供する。
【0028】
別の実施形態では、リコピンは、果物または野菜から抽出された天然リコピンである。別の実施形態では、リコピンは、トマト植物から抽出されたリコピンである。別の実施形態では、リコピンは、トマト果実から抽出されたリコピンである。別の実施形態では、トマトリコピンは、リコピンが富化されたトマト抽出物である。別の実施形態では、トマトリコピンは、すべて天然であるリコピンに富むトマト抽出物である。別の実施形態では、トマトリコピンは、トマトリコピン複合体である。別の実施形態では、トマトリコピン複合体は、フィトエン、フィトフルエン、β-カロチン、トコフェロールおよびフィトステロールを含む植物栄養素の複合体を含む。別の実施形態では、トマトリコピンは、Lyc-O-Mato(登録商標)(LycoRed Ltd.(イスラエル、ベエルシェバ))である。
【0029】
この抽出物および類似の抽出物を調製するための適切なプロセスは、米国特許第5,837,311号に記載されており、その明細書の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、他の多くの種類の調製手順を使用して、様々な植物源から組成物を得ることができることを認識されたい。
【0030】
別の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、フィトエンをさらに含む。別の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、フィトフルエンをさらに含む。別の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、β-カロチンをさらに含む。別の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、トコフェロールをさらに含む。別の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、フィトエン、フィトフルエン、β-カロチン、およびトコフェロールのうちの任意の2つ以上の組み合わせをさらに含む。別の実施形態では、フィトエン、フィトフルエン、β-カロチンおよびトコフェロールは、天然源のものである。別の実施形態では、フィトエン、フィトフルエン、β-カロチンおよびトコフェロールは、トマト由来である。別の実施形態では、フィトエン、フィトフルエン、β-カロチン、トコフェロール、またはそれらの任意の組み合わせが合成的に生成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される成分は、植物から天然に抽出されたものである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意の成分は、植物から天然に抽出されたものである。
【0032】
別の実施形態では、リコピンとフィトエンおよびフィトフルエンとの重量比は、1:0.05~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとフィトエンおよびフィトフルエンとの重量比は、1:0.1~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとフィトエンおよびフィトフルエンとの重量比は、1:0.4~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとフィトエンおよびフィトフルエンとの重量比は、1:0.1~1:0.5の範囲である。別の実施形態では、リコピンとフィトエンおよびフィトフルエンとの重量比は、1:0.3~1:0.5の範囲である。
【0033】
別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.5%(w/w)の濃度でリコピンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.9%(w/w)の濃度でリコピンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも1%(w/w)の濃度でリコピンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも1.5%(w/w)の濃度でリコピンを含む。
【0034】
別の実施形態では、記載される組成物は、0.5~0.8%(w/w)の濃度でリコピンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、0.5~1.1%(w/w)の濃度でリコピンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、0.5~1.6%(w/w)の濃度でリコピンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、0.5~1.5%(w/w)の濃度でリコピンを含む。
【0035】
別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.3%(w/w)の濃度でフィトエンおよびフィトフルエンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.4%(w/w)の濃度でフィトエンおよびフィトフルエンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.5%(w/w)の濃度でフィトエンおよびフィトフルエンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.6%(w/w)の濃度でフィトエンおよびフィトフルエンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.9%(w/w)の濃度でフィトエンおよびフィトフルエンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも1%(w/w)の濃度でフィトエンおよびフィトフルエンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも1.5%(w/w)の濃度でフィトエンおよびフィトフルエンを含む。
【0036】
別の実施形態では、記載される組成物は、0.3~1%(w/w)の濃度でフィトエンおよびフィトフルエンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、0.3~1.1%(w/w)の濃度でフィトエンおよびフィトフルエンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、0.3~1.3%(w/w)の濃度でフィトエンおよびフィトフルエンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、0.3~1.5%(w/w)の濃度でフィトエンおよびフィトフルエンを含む。
【0037】
別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.05%(w/w)の濃度でカルノシン酸を含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.1%(w/w)の濃度でカルノシン酸を含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.2%(w/w)の濃度でカルノシン酸を含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.3%(w/w)の濃度でカルノシン酸を含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.4%(w/w)の濃度でカルノシン酸を含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.5%(w/w)の濃度でカルノシン酸を含む。
【0038】
別の実施形態では、記載される組成物は、0.05~1.2%(w/w)の濃度でカルノシン酸を含む。別の実施形態では、記載される組成物は、0.05~1.0%(w/w)の濃度でカルノシン酸を含む。別の実施形態では、記載される組成物は、0.05~0.75%(w/w)の濃度でカルノシン酸を含む。別の実施形態では、記載される組成物は、0.05~0.5%(w/w)の濃度でカルノシン酸を含む。
【0039】
別の実施形態では、リコピンとカルノシン酸との重量比は、1:0.05~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとカルノシン酸との重量比は、1:0.1~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとカルノシン酸との重量比は、1:0.4~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとカルノシン酸との重量比は、1:0.1~1:0.5の範囲である。別の実施形態では、リコピンとカルノシン酸との重量比は、1:0.3~1:0.5の範囲である。
【0040】
別の実施形態では、本発明の組成物中のリコピンとカルノシン酸との重量比(w/w)は、1:0.1~1:1である。別の実施形態では、本発明の組成物中のリコピンとカルノシン酸との重量比(w/w)は、1:0.1~1:0.3である。別の実施形態では、本発明の組成物中のリコピンとカルノシン酸との重量比(w/w)は、1:0.1~1:0.4である。別の実施形態では、本発明の組成物中のリコピンとカルノシン酸との重量比(w/w)は、1:0.1~1:0.8である。別の実施形態では、本発明の組成物中のリコピンとカルノシン酸との重量比(w/w)は、1:0.2~1:0.4である。別の実施形態では、本発明の組成物中のリコピンとカルノシン酸との重量比(w/w)は、1:0.25~1:1である。別の実施形態では、本発明の組成物中のリコピンとカルノシン酸との重量比(w/w)は、1:0.3~1:1である。別の実施形態では、本発明の組成物中のリコピンとカルノシン酸との重量比(w/w)は、1:0.4~1:1である。別の実施形態では、本発明の組成物中のリコピンとカルノシン酸との重量比(w/w)は、1:0.5~1:1である。別の実施形態では、本発明の組成物中のリコピンとカルノシン酸との重量比(w/w)は、1:0.8~1:1である。
【0041】
別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.1%(w/w)の濃度でトコフェロール、例えばビタミンEを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.2%(w/w)の濃度でビタミンEを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.5%(w/w)の濃度でビタミンEを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.8%(w/w)の濃度でビタミンEを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも1%(w/w)の濃度でビタミンEを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも1.5%(w/w)の濃度でビタミンEを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも1.9%(w/w)の濃度でビタミンEを含む。
【0042】
別の実施形態では、記載される組成物は、0.1~2.0%(w/w)の濃度でトコフェロール、例えばビタミンEを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、0.2~1.9%(w/w)の濃度でビタミンEを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、0.5~1.9%(w/w)の濃度でビタミンEを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、0.8~1.9%(w/w)の濃度でビタミンEを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、1~1.9%(w/w)の濃度でビタミンEを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、0.5~1.5%(w/w)の濃度でビタミンEを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、1.5~1.9%(w/w)の濃度でビタミンEを含む。
【0043】
別の実施形態では、リコピンとビタミンEとの重量比は、1:0.05~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとビタミンEの重量比(w/w)は、1:0.1~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとビタミンEとの重量比は、1:0.3~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとビタミンEとの重量比は、1:0.4~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとビタミンEとの重量比は、1:0.1~1:0.5の範囲である。別の実施形態では、リコピンとビタミンEとの重量比は、1:0.3~1:0.5の範囲である。
【0044】
別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.01%(w/w)の濃度でβ-カロチンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.05%(w/w)の濃度でβ-カロチンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.07%(w/w)の濃度でβ-カロチンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.1%(w/w)の濃度でβ-カロチンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.15%(w/w)の濃度でβ-カロチンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、少なくとも0.19%(w/w)の濃度でβ-カロチンを含む。
【0045】
別の実施形態では、記載されている組成物は、0.01~0.2%(w/w)の濃度でβ-カロチンを含む。別の実施形態では、記載されている組成物は、0.01~0.19%(w/w)の濃度でβ-カロチンを含む。別の実施形態では、記載されている組成物は、0.02~0.18%(w/w)の濃度でβ-カロチンを含む。別の実施形態では、記載されている組成物は、0.03~0.15%(w/w)の濃度でβ-カロチンを含む。
【0046】
別の実施形態では、リコピンとβ-カロチンとの重量比(w/w)は、1:0.005~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとβ-カロチンとの重量比は、1:0.01~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとβ-カロチンとの重量比は、1:0.05~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとβ-カロチンとの重量比は、1:0.1~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとβ-カロチンとの重量比は、1:0.3~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとβ-カロチンとの重量比は、1:0.4~1:0.9の範囲である。別の実施形態では、リコピンとβ-カロチンとの重量比は、1:0.1~1:0.5の範囲である。別の実施形態では、リコピンとβ-カロチンとの重量比は、1:0.3~1:0.5の範囲である。
【0047】
別の実施形態では、記載される組成物は、2.5~30mgのリコピンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、6mgのリコピンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、6~20mgのリコピンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、7mgのリコピンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、7~10mgのリコピンを含む。別の実施形態では、記載される組成物は、5~15mgのリコピンを含む。
【0048】
別の実施形態では、記載される組成物は、0.5mg~10mgのカルノシン酸を含む。別の実施形態では、記載される組成物は、1mg~5mgのカルノシン酸を含む。別の実施形態では、記載される組成物は、2mgのカルノシン酸を含む。別の実施形態では、記載される組成物は、2mg~4mgのカルノシン酸を含む。
【0049】
一実施形態において、「濃度」は、組成物全体からの濃度である。一実施形態において、特定成分の「濃度」は、組成物全体からのそのw/w濃度である。
【0050】
先に開示された組成物の成分は、精製化合物、合成化合物であり得るか、または、他の成分との混合物、例えば、ローズマリー抽出物(カルノシン酸の場合)もしくはトマト抽出物(LycoRed(イスラエル、ベエルシェバ)から市販されているLyc-O-Mato(登録商標)-リコピンおよび他のカロテノイドの場合)などの植物抽出物に存在し得る。いくつかの実施形態では、カルノシン酸は、ローズマリー抽出物として供給される。いくつかの実施形態では、カルノシン酸は、ローズマリー抽出物から得られる。
【0051】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、経口組成物である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、医薬的または機能性食品的に許容される賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、薬用化粧品組成物である。別の実施形態では、本明細書に記載される組成物は、薬用化粧品的に許容される賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、機能性食品組成物である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、機能性食品的に許容される賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、摂取可能な皮膚/美容組成物における本明細書に記載の組成物。
【0052】
いくつかの実施形態では、組成物は、しわ防止組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は、対象の皮膚および/または顔のしわの数を減らす。いくつかの実施形態では、組成物は、対象の皮膚および/または顔のしわの深さを低減する。いくつかの実施形態では、組成物は、対象の皮膚および/または顔のしわの発生を防止または低減する。いくつかの実施形態では、組成物は、対象の皮膚および/または顔に存在するしわのファイリングを誘発または促進する。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の活性化合物をさらに含み、この1つ以上の活性成分は、しわ防止および/または老化防止活性、例えば、皮膚ファイリング、保湿、皮膚肥厚、ならびにその他、ヒアルロン酸またはボツリヌス毒素などを有する。いくつかの実施形態では、1つ以上の活性化合物をさらに含む組成物であって、この1つ以上の活性成分が、しわ防止および/または老化防止活性、例えば、皮膚ファイリング、保湿、皮膚肥厚、ならびにその他、ヒアルロン酸またはボツリヌス毒素などを有し、1つ以上の活性成分のそれぞれが単独で投与される(すなわち、本発明の組成物と組み合わせない)場合と比較して、より低用量の1つ以上の活性化合物を含む、組成物。
【0053】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物は、1つ以上の皮膚パラメータを改善する際に使用するためのものであり、1つ以上の皮膚パラメータは、顔の筋/しわ、平均組織カロテノイドレベル、皮膚明度、皮膚輝度、および紫外線放射(UV)誘発性損傷から選択される。
【0054】
いくつかの実施形態では、必要とする対象における1つ以上の皮膚パラメータを改善するための方法であって、本明細書に開示される組成物の治療有効量を対象に投与する工程を含む、方法が提供される。
【0055】
いくつかの実施形態では、方法は、対象の皮膚中のカロテノイドのレベルを判定する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象の手掌の皮膚におけるカロテノイドのレベルを判定する工程を含む。いくつかの実施形態では、対象の皮膚および/または手掌の皮膚中のカロテノイドのレベルの低下は、対象が、本発明に開示される組成物を使用する治療に好適であることを示す。
【0056】
いくつかの実施形態では、「対照ベースライン」という用語は、手掌の皮膚のカロテノイドレベルの正常範囲、またはその範囲内の任意の値を指す。手掌の皮膚のカロテノイドレベルの正常範囲は、当業者には明らかであろう。平均組織カロテノイドレベルを判定するための方法は一般的であり、その非限定的な例には、以下に例示するようなバイオフォトニック・スキャンが含まれるが、これに限定されない。
【0057】
本明細書で使用される場合、「カロテノイド」という用語は、リコピン、フィトエン、フィトフルエン、またはそれらの代謝産物を包含する。
【0058】
いくつかの実施形態では、対象は、皮膚および/または手掌の皮膚に正常なカロテノイドのレベルを有する。いくつかの実施形態では、対象は、皮膚および/または手掌の皮膚におけるカロテノイドのレベルの低下に罹患している。
【0059】
いくつかの実施形態では、1つ以上の皮膚パラメータは、顔の皮膚の筋/しわ、平均組織カロテノイドレベル、皮膚輝度、皮膚明度、および紫外線(UV)誘発性損傷から選択される。
【0060】
本明細書で使用される場合、「UV」という用語は、UV範囲の任意の波長を包含する。いくつかの実施形態では、UVはUV放射である。いくつかの実施形態では、UV放射はUVB放射である。
【0061】
いくつかの実施形態では、組織は皮膚を含む。いくつかの実施形態では、皮膚は手掌の皮膚を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、対象におけるUV誘発性損傷を改善することは、対象において、UV放射によって引き起こされる皮膚関連状態を予防または治療することを含む。
【0063】
別の実施形態では、本発明は、紫外線放射によって引き起こされる皮膚関連状態に罹患した対象を治療することが、皮膚損傷および免疫調節性サイトカインのマーカーの生成を阻害することであると規定している。別の実施形態では、本発明は、紫外線放射によって引き起こされる皮膚関連状態に罹患した対象を治療することが、紅斑形成を低減することであると規定している。
【0064】
一実施形態では、「皮膚関連状態」は、紫外線放射への曝露などの外因性要因によって引き起こされる皮膚損傷を指す。一実施形態では、皮膚状態は、刺激物によって引き起こされる。一実施形態では、皮膚状態は、化学物質または他の任意の有毒因子によって引き起こされる。一実施形態では、皮膚関連状態には、皮膚の厚み、日焼け細胞、紅斑、皮膚の刺激、発赤、乾燥、刺痛、皮膚の剥離および脱離、にきびのような皮膚の発疹、皮膚の斑点および皮膚の色調不均一性、感染および体液の喪失、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
別の態様において、本発明は、TNF-α、IL-6、IL-1、IL-10、MMP-1、HO-1、ICAM-1またはそれらの任意の組み合わせの産生の阻害に応答する状態を治療するための薬剤を製造するための、本明細書に記載されるような組成物の使用に関する。
【0066】
上記方法のいくつかの実施形態では、対象は、ヒト対象である。上記方法のいくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物である。上記方法のいくつかの実施形態では、対象は、ペットである。上記方法のいくつかの実施形態では、対象は、家畜である。上記方法のいくつかの実施形態では、対象は、実験動物である。
【0067】
先に開示された方法において、治療用組成物は、任意の簡便な手段によって投与され得、一実施形態において、組成物は、医薬、機能性食品、栄養剤、または経口剤形で投与される。
【0068】
一実施形態では、本発明の組成物は、個体それ自体に提供され得る。一実施形態では、本発明の組成物は、医薬的に許容される担体と混合されるさらなる医薬組成物または機能性食品組成物の一部として個体に提供され得る。
【0069】
一実施形態では、「医薬組成物」、「薬用化粧品組成物」または「機能性食品組成物」は、生理学的に好適な担体および賦形剤などの他の化学成分を含む、本明細書に記載される組成物の調製物を指す。医薬組成物、薬用化粧品組成物、または機能性食品組成物の目的は、生体への組成物の投与を容易にすることである。
【0070】
一実施形態では、「組み合わせ調製物」は、先に定義された組み合わせる成分(partners)が独立して、または異なる量の組み合わせる成分との異なる固定の組み合わせを使用することによって、つまり同時に、併発的に、個別に、または順次投与できるという意味で、特に「部品のキット」を画定する。いくつかの実施形態では、次いで、部品キットの部品を、例えば、同時にまたは時系列的にずらして、すなわち、異なる時点で、部品キットの任意の部分について等しいまたは異なる時間間隔で投与することができる。いくつかの実施形態では、組み合わせる成分の総量の比率は、組み合わせた調製物として投与することができる。一実施形態では、組み合わせた調製物は、例えば、当業者が容易に作成できるように、治療される患者亜集団のニーズ、または特定の疾患、疾患の重症度、年齢、性別、もしくは体重に起因し得る単一の患者の異なるニーズに対処するように変更することができる。
【0071】
一実施形態では、互換的に使用される「生理学的に許容される担体」および「医薬的に許容される担体」という句は、哺乳動物に重大な刺激を引き起こさず、投与された組成物の生物学的活性および特性を妨害しない担体または希釈剤を指す。これらの句にはアジュバントが含まれている。
【0072】
一実施形態では、「賦形剤」は、有効成分の投与をさらに容易にするために組成物に添加される不活性物質を指す。一実施形態では、賦形剤には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖および様々な種類のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ならびにポリエチレングリコールが含まれる。
【0073】
薬物の処方および投与のための技術は、”Remington’s Pharmaceutical Sciences,”Mack Publishing Co.、ペンシルベニア州イーストン、最新版に見出され、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0074】
一実施形態では、適切な投与経路には、例えば、経口、直腸、経粘膜、経鼻、腸管外または非経口送達(筋肉内、皮下および髄内注射、ならびに髄腔内、直接脳室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内または眼内注射が含まれる)が含まれる。
【0075】
一実施形態では、本発明の組成物の投与は、UV放射への曝露の前に開始される。一実施形態では、本発明の組成物の投与は、UV放射への曝露の15週間前に開始される。一実施形態では、本発明の組成物の投与は、UV放射への曝露の12週間前に開始される。一実施形態では、本発明の組成物の投与は、UV放射への曝露の7週間前に開始される。一実施形態では、本発明の組成物の投与は、UV放射への曝露の30日前に開始される。一実施形態では、本発明の組成物の投与は、UV放射への曝露の7日前に開始される。一実施形態では、本発明の組成物の投与は、UV放射への曝露の7~30日前に開始され、投与は、UV放射線への曝露の間、継続される。
【0076】
別の実施形態では、本発明の組成物の投与は、UV放射への曝露から7時間後に開始される。別の実施形態では、本発明の組成物の投与は、UV放射への曝露から12時間後に開始される。別の実施形態では、本発明の組成物の投与は、UV放射への曝露から24時間後に開始される。別の実施形態では、本発明の組成物の投与は、UV放射への曝露から48時間後に開始される。
【0077】
一実施形態では、本発明の組成物の投与は、平均組織カロテノイドレベルが対照ベースラインよりも低下する前に始まる。一実施形態では、本発明の組成物の投与は、平均組織カロテノイドレベルが対照ベースラインよりも低下する15週間前に始まる。一実施形態では、本発明の組成物の投与は、平均組織カロテノイドレベルが対照ベースラインよりも低下する12週間前に始まる。一実施形態では、本発明の組成物の投与は、平均組織カロテノイドレベルが対照ベースラインよりも低下する7週間前に始まる。一実施形態では、本発明の組成物の投与は、平均組織カロテノイドレベルが対照ベースラインよりも低下する30日前に始まる。一実施形態では、本発明の組成物の投与は、平均組織カロテノイドレベルが対照ベースラインよりも低下する7日前に始まる。一実施形態では、本発明の組成物の投与は、平均組織カロテノイドレベルが対照ベースラインよりも低下する7~30日前に始まり、投与は、平均組織カロテノイドレベルが対照ベースラインを下回っている間、継続される。
【0078】
別の実施形態では、本発明の組成物は、少なくとも1日1~3回投与される。別の実施形態では、本発明の組成物は、1日1回投与される。別の実施形態では、本発明の組成物は、1日2回投与される。別の実施形態では、本発明の組成物は、1日3回投与される。
【0079】
別の実施形態において、UVB照射によって引き起こされる紅斑形成の減少は、本発明の組成物の投与から3週間後に観察される。別の実施形態において、UVB照射によって引き起こされる紅斑形成の減少は、本発明の組成物の投与から7週間後に観察される。別の実施形態において、UVB照射によって引き起こされる紅斑形成の減少は、本発明の組成物の投与から12週間後に観察される。
【0080】
別の実施形態において、紅斑形成の阻止は、UVB照射の前に本発明の組成物を投与してから3週間後に観察される。別の実施形態において、紅斑形成の阻止は、UVB照射の前に本発明の組成物を投与してから7週間後に観察される。別の実施形態において、紅斑形成の阻止は、UVB照射の前に本発明の組成物を投与してから12週間後に観察される。
【0081】
別の実施形態において、サイトカインレベルの低下は、本発明の組成物の投与から3週間後に観察される。別の実施形態において、サイトカインレベルの低下は、本発明の組成物の投与から7週間後に観察される。別の実施形態において、サイトカインレベルの低下は、本発明の組成物の投与から12週間後に観察される。
【0082】
別の実施形態では、UVB照射前の3週間、本発明の組成物を投与すると、サイトカインのレベルが低下する。別の実施形態では、UVB照射前の7週間、本発明の組成物を投与すると、サイトカインのレベルが低下する。別の実施形態では、UVB照射前の12週間、本発明の組成物を投与すると、サイトカインのレベルが低下する。投与量範囲の様々な実施形態が本発明によって企図される。本発明の組成物の投与量は、一実施形態では、0.5~2000mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、5~500mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、500~2000mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、0.1~10mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、50~500mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、5~4000mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、0.5~50mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、5~80mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、100~1000mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、1000~2000mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、200~600mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、400~1500mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、800~1500mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、500~2500mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、600~1200mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は1200~2400mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、40~60mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、2400~4000mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、450~1500mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、1500~2500mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、5~10mg/日の範囲である。別の実施形態では、投与量は、550~1500mg/日の範囲である。別の実施形態では、「投与量」は、本発明の有効成分または有効成分の組み合わせの量を指す。別の実施形態では、「投与量」は、賦形剤については含まない。水溶液、緩衝液、ビヒクル、またはその他の不活性物質。
【0083】
一実施形態では、投与量は、200mg/日である。別の実施形態では、投与量は、300mg/日である。別の実施形態では、投与量は、400mg/日である。別の実施形態では、投与量は、500mg/日である。別の実施形態では、投与量は、600mg/日である。別の実施形態では、投与量は、700mg/日である。別の実施形態では、投与量は、800mg/日である。別の実施形態では、投与量は、900mg/日である。別の実施形態では、投与量は、1000mg/日である。
【0084】
一実施形態では、経口投与は、錠剤、カプセル、トローチ剤、チュアブル錠、懸濁液、飲料、シロップ、ネクター、飲料、グミ、エマルジョンなどを含む単位剤形を含む。かかる単位剤形は、安全かつ有効な量の組成物を含む。経口投与用の単位剤形の調製に好適な医薬的に許容される担体は、当技術分野で周知である。いくつかの実施形態では、錠剤は、典型的には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトースおよびセルロースなどの不活性希釈剤、デンプン、ゼラチンおよびショ糖などの結合剤、デンプン、アルギン酸およびクロスカルメロースなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクなどの潤滑剤として従来の医薬的に適合性のあるアジュバントを含む。一実施形態では、二酸化ケイ素などの滑剤を使用して、粉末混合物の流動特性を改善することができる。一実施形態では、FD&C染料などの着色剤を外観のために加えることができる。アスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミントおよびフルーツフレーバーなどの甘味料および香料は、チュアブル錠の有用なアジュバントである。カプセルは、通常、先に開示された1つ以上の固体希釈剤を含む。いくつかの実施形態では、担体成分の選択は、味、コスト、および保存安定性などの二次的考慮事項(本発明の目的にとって重要ではない)に依存し、当業者によって容易に行うことができる。
【0085】
一実施形態では、経口剤形は、予め決められた放出プロファイルを含む。一実施形態では、本発明の経口剤形は、持続放出性錠剤、カプセル、トローチ剤、またはチュアブル錠を含む。一実施形態では、本発明の経口剤形は、徐放性錠剤、カプセル、トローチ剤、またはチュアブル錠を含む。一実施形態では、本発明の経口剤形は、即時放出性錠剤、カプセル、トローチ剤、またはチュアブル錠剤を含む。一実施形態では、経口剤形は、当業者に知られているような有効成分の所望の放出プロファイルに従って処方される。別の実施形態では、組成物は、本明細書に記載される比率または量の有効成分の組み合わせを含む(consists)投与量を含む飲料または飲料である。
【0086】
いくつかの実施形態では、経口組成物は、液体溶液、エマルジョン、懸濁液などを含む。いくつかの実施形態において、かかる組成物の調製に好適な医薬的に許容される担体は、当技術分野で周知である。いくつかの実施形態では、液体経口組成物は、約0.012%~約0.933%、または別の実施形態では、約0.033%~約0.7%の有効成分を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用するための医薬組成物は、溶液またはエマルジョンを含み、これらは、いくつかの実施形態では、安全かつ有効な量の本発明の組成物および任意に他の化合物を含む水溶液またはエマルジョンである。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書に記載される有効成分の組み合わせを約0.01%~約10.0%w/vまたはw/w含む。
【0088】
さらに、別の実施形態では、組成物は、体表面に局所的に投与され、したがって、局所投与に好適な形態で処方される。適切な局所製剤には、ゲル、軟膏、クリーム、ローション、ドロップなどが含まれる。局所投与の場合、本発明の組成物は、さらなる1つ以上の適切な治療剤と組み合わされ、医薬担体の有無にかかわらず、生理学的に許容される希釈剤中の溶液、懸濁液、またはエマルジョンとして調製および適用される。
【0089】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、当技術分野で周知のプロセスによって、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、摩砕、乳化、カプセル化、取込みまたは凍結乾燥プロセスによって製造される。
【0090】
一実施形態では、本発明に従って使用するための組成物は、有効成分を医薬的に使用できる調製物に加工することを容易にする、賦形剤および助剤を含む1つ以上の生理学的に許容される担体を使用して従来の方法で処方される。一実施形態では、処方は、選択された投与経路に依存する。
【0091】
組成物はまた、いくつかの実施形態において、塩化ベンザルコニウムおよびチメロサールなどの防腐剤;エデト酸ナトリウムなどのキレート剤;リン酸塩、クエン酸塩および酢酸塩などの緩衝液;塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリンおよびマンニトールなどの張性剤;アスコルビン酸、アセチルシステインおよびメタ重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;芳香剤;セルロースおよびその誘導体を含むポリマーなどの粘度調整剤;ならびに、必要に応じてこれらの水性組成物のpHを調整するためのポリビニルアルコールおよび酸および塩基を含む。組成物はまた、いくつかの実施形態では、局所麻酔薬または他の活性物質を含む。組成物は、スプレー、ミスト、ドロップなどとして使用することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、組成物は、水溶性形態の活性調製物の水溶液を含む。さらに、いくつかの実施形態では、有効成分の懸濁液は、適切な油性または水性懸濁液として調製される。適切な親油性溶媒またはビヒクルとしては、いくつかの実施形態において、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチル、トリグリセリドもしくはリポソームなどの合成脂肪酸エステルが挙げられる。水性懸濁液は、いくつかの実施形態において、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランなどの、懸濁液の粘度を増加させる物質を含有する。別の実施形態では、懸濁液はまた、有効成分の溶解度を増加させて高濃度溶液の調製を可能にする好適な安定剤または薬剤を含有する。
【0093】
いくつかの実施形態において、本発明の文脈での使用に好適な組成物としては、有効成分が意図された目的を達成するのに有効な量で含有されている組成物が挙げられる。いくつかの実施形態において、治療有効量は、疾患の症状を予防、緩和もしくは改善するか、または治療される対象の生存を延長するのに有効な有効成分の量を意味する。
【0094】
一実施形態では、治療有効量の判定は、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0095】
機能性食品または医薬的に許容される担体またはその成分として役立ち得る物質のいくつかの例は、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;コーンスターチおよび馬鈴薯澱粉などの澱粉;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、およびメチルセルロースなどのセルロースおよびその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムなどの固体潤滑剤、硫酸カルシウム;ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油およびテオブロマ油などの植物油;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール;アルギン酸;Tween(商標)ブランドの乳化剤などの乳化剤、ラウリル硫酸ナトリウムなどの湿潤剤;着色剤;着香料;打錠剤;安定剤;抗酸化剤;防腐剤;パイロジェンフリー水;等張食塩水;ならびにリン酸緩衝液である。化合物と組み合わせて使用される機能性食品または医薬的に許容される担体の選択は、基本的に、化合物が投与される方法によって決定される。一実施形態において、対象化合物を注射する場合、機能性食品または医薬的に許容される担体は、pHが約7.4に調整された血液適合性懸濁剤を含む無菌生理食塩水である。
【0096】
さらに、組成物は、結合剤(例えば、アカシア、コーンスターチ、ゼラチン、カルボマー、エチルセルロース、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン)、崩壊剤(例えば、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸、二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、デンプングリコール酸ナトリウム)、さまざまなpHおよびイオン強度の緩衝剤(例えば、Tris-HCl、酢酸塩、リン酸塩)、表面への吸収を防ぐためのアルブミンおよびゼラチンなどの添加剤、洗浄剤(例、Tween20、Tween80、Pluronic F68、胆汁酸塩)、プロテアーゼ阻害剤、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、浸透促進剤、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール)、安定剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、増粘剤(例えば、カルボマー、コロイド状二酸化ケイ素、エチルセルロース、グアーガム)、甘味料(例えば、アスパルテーム、クエン酸)、防腐剤(例えば、チメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、流動助剤(例えば、コロイド状二酸化ケイ素)、可塑剤(例えば、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル)、乳化剤(例えば、カルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム)、ポリマーコーティング(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)、コーティングおよび膜形成剤(例えば、エチルセルロース、アクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩)および/またはアジュバントを含む。
【0097】
シロップ、エリキシル剤、エマルジョンおよび懸濁液用担体の典型的な成分としては、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液体スクロース、ソルビトールおよび水が挙げられる。懸濁液の場合、典型的な懸濁剤としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロース(例えば、Avicel(商標)、RC-591)、トラガカント、およびアルギン酸ナトリウムが挙げられ、典型的な湿潤剤としては、レシチンおよびポリエチレンオキシドソルビタン(例えば、ポリソルベート80)が挙げられる。典型的な防腐剤としては、パラベンメチルおよび安息香酸ナトリウムが挙げられる。別の実施形態では、経口液体組成物はまた、先に開示された甘味料、着香料および着色剤などの1つ以上の成分を含有する。
【0098】
組成物はまた、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲルなどのポリマー化合物の粒子状調製物の中もしくは上への、またはリポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単層または多層小胞、赤血球ゴースト、またはスフェロプラスト)上への、活物質、本発明の組成物の組み込みを含む。かかる組成物は、物理的状態、溶解性、安定性、インビボ放出速度、およびインビボクリアランス速度に影響を与える。また、本発明によって理解されるのは、ポリマー(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)でコーティングされた粒子状組成物である。
【0099】
いくつかの実施形態では、有効量または用量の調製は、最初にインビトロアッセイから推定することができる。一実施形態では、用量は動物モデルにおいて定式化することができ、かかる情報を使用して、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定することができる。
【0100】
一実施形態では、本明細書に記載される組成物の毒性および治療効果は、細胞培養物または実験動物において、インビトロでの標準的な機能性食品的または医薬的手順によって判定することができる。一実施形態では、これらのインビトロおよび細胞培養アッセイならびに動物試験から得られたデータは、ヒトにおいて使用するための投与量の範囲を定式化する際に使用することができる。一実施形態では、投与量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じて変化する。一実施形態において、正確な処方、投与経路、および投与量は、患者の状態を考慮して個々の医師により選択され得る。[例えば、Fingl,et al.,(1975)”The Pharmacological Basis of Therapeutics”,Ch.1 p.1を参照]。
【0101】
一実施形態では、治療される状態の重症度および応答性に応じて、投薬は、単回または複数回の投与であり得、治療の過程は、数日~数週間、または治療が影響を受けるか、または疾患状態の軽減が達成されるまで続く。
【0102】
一実施形態では、投与される組成物の量は、もちろん、治療される対象、苦痛の重症度、投与方法、処方する医師の判断などに依存するであろう。
【0103】
一実施形態では、適合性のある医薬または機能性食品担体に処方された本発明の調製物を含む組成物はまた、調製され、適切な容器に入れられ、示された状態の治療のために標識される。
【0104】
一実施形態では、本発明の組成物は、組成物を含有する1つ以上の単位剤形を含む、FDA承認キットなどのパックまたはディスペンサー装置において提示される。一実施形態では、パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属またはプラスチック箔を含む。一実施形態では、パックまたはディスペンサー装置は、投与のための指示を伴う。一実施形態では、パックまたはディスペンサーは、機能性食品または医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形式の容器に関連する通知によって収容され、この通知は、組成物またはヒトもしくは獣医学的投与の形式の機関による承認を反映している。かかる通知は、一実施形態では、処方薬についての、または承認された製品の添付文書の、米国食品医薬品局によって承認された表示である。
【0105】
本発明の追加の目的、利点、および新規の特徴は、限定することを意図しない、以下の実施例を検討すると、当業者には明らかになるであろう。加えて、本明細書で先に説明され、以下の特許請求の範囲の節において主張されるような本発明の種々の実施形態および態様の各々は、次の実施例において実験に基づく裏付けを見出す。
【実施例
【0106】
一般に、本明細書で使用される術語、および本発明で利用される実験手順には、化学、分子、生化学、および細胞生物学の技術が含まれる。このような技術は、文献で詳しく説明されている。例えば、いずれも参照により組み込まれる、“Molecular Cloning:A laboratory Manual”Sambrook et al.,(1989)、“Current Protocols in Molecular Biology”Volumes I-III Ausubel,R.M.,ed.(1994)、”Cell Biology:A Laboratory Handbook”,Volumes I-III Cellis,J.E.,ed.(1994)、The Organic Chemistry of Biological Pathways by John McMurry and Tadhg Begley(Roberts and Company,2005)、Organic Chemistry of Enzyme-Catalyzed Reactions by Richard Silverman(Academic Press,2002)、Organic Chemistry(6th Edition)by Leroy ”Skip”G Wade、Organic Chemistry by T.W.Graham Solomons and,Craig Fryhleを参照。
【0107】
実施例1
リコピン組成物の調製
実施例全体で使用されるリコピンはLycored(登録商標)による天然トマトリコピンである。
【0108】
製剤1:各カプセル(Lyc-044)には以下のものが含有されていた。
リコピン:8.2mg
ビタミンE:2.9mg
フィトフルエンおよびフィトエン:3.00mg
β-カロチン:0.46mg
カルノシン酸:2mg
【0109】
当業者に既知の標準的な手順に従って調製されたソフトジェルカプセル中。
【0110】
実施例2
UV誘発性光酸化損傷から健康な皮膚を保護する上でのリコピン組成物の効果
方法
多施設、二重盲検、プラセボ対照並行群間臨床バイオスタディ。リコピンが豊富な食品と抗酸化サプリメントの摂取が制限されていた5週間の慣らし期間の後、対象を無作為化して、製剤1のソフトジェルカプセル(Lyc-044)を、または同じように見える中鎖トリグリセリドソフトジェルカプセルをプラセボとして、1日2回、12週間服用させた。
【0111】
対象数(計画および分析)
145人の対象が試験を完了し、分析された。
【0112】
診断および包含の主な基準
フィッツパトリックのスキンタイプがIまたはIIであり、BMI≦30kg/m2であり、健康的な食習慣の20~55歳の健康な男女。
【0113】
試験製品、投与量および投与方法
製剤1ソフトジェルカプセルを1日2回経口投与。
【0114】
参照療法、投与量および投与方法
プラセボを1日2回経口投与。
【0115】
治療期間
12週間。
【0116】
クロマメトリーで測定された紅斑に対する保護
クロマメトリーは、クロマメーターを使用して皮膚の色を測定する方法である。皮膚の色は、L*a*b*スケールを使用して測定され、L*はグレースケールの色の明度(luminance)を表し、a*は赤対緑を表し、b*は青対黄色を表す。
【0117】
対象を、UV照射誘発性紅斑からの保護について試験した。各対象には、皮膚の領域にUV照射し、照射から24時間後に紅斑の発生を測定した。
【0118】
この分析について、Δa*は、補給前のUV照射から24時間後の紅斑発生レベルと、補給後のUV照射から24時間後の紅斑発生レベルの差として定義された。製剤1群とプラセボ群との間で、紅斑形成の統計的に有意な変化が観察された。図1にデータを要約する。
【0119】
結論
製剤1を12週間補給すると、UVB照射に応答した紅斑形成が大幅に減少した。
【0120】
サイトカインレベル
平均IL-1α、IL-6、IL-10およびTNF-αレベルを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって評価した。臨床試験に参加した対象を、IL-1α、IL-6、IL-10およびTNF-αのレベルについてアッセイした。無作為化前のUVB照射後、および製剤1またはプラセボによる12週間の治療後に行われたUVB照射後にサンプルを得た。
【0121】
IL-1αの発現は、UVB照射により上方制御される。IL10は、強力な免疫抑制作用を発揮し、ヒト皮膚のUV照射に応答して上方制御される。ケラチノサイトは、ヒト皮膚にUVBを照射すると、IL6を産生および放出し、血漿レベルを上昇させる。炎症誘発性TNF-αは、UVBを照射すると、ケラチノサイト中に放出される。
【0122】
図2は、ベースラインおよびフォローアップで測定されたサイトカインレベルの変化を示している。
【0123】
結論
皮膚生検からのサイトカインmRNAの分析は、IL-6およびTNF-αについて治療群間に統計的に有意な差があることを示した。これらのサイトカインはいずれも、補給およびUVB照射後により低いレベルを示したが、プラセボ群では、同一条件下でそれらのレベルが増加した。UVB照射に応答したIL-10およびIL-1αレベルは、それぞれ、製剤1補給群とプラセボ群の間で異ならなかった。
【0124】
製剤1は、UVBによって誘発されるIL6およびTNF-αの発現を有意に減少させた。
【0125】
実施例3
対象の血清中のリコピン、フィトフルエンおよびフィトエンレベル
方法コンプライアンスを、試験中のリコピン、フィトフルエンおよびフィトエンレベルの増加によって測定した。
【0126】
無作為化検査来院(visit)時(補給を受ける前)、Lyc-044およびプラセボ群の対象の血清中のリコピン、フィトフルエンおよびフィトエンの平均レベルは類似していた。プラセボと比較して、リコピン、フィトフルエンおよびフィトエンの平均レベルの統計的に有意な増加が、4週間の治療後および試験終了時にLyc-044群で観察された(図3)。
【0127】
実施例4
リコピンとポリフェノールとの組み合わせは、UVB誘発性IL-6放出を相乗的に阻害する
方法
細胞培養および治療
HaCaTケラチノサイト細胞は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection(米国ヴァージニア州マナサス))から購入した。細胞を、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(0.1mg/ml)、グルタミン(2mM)、および10%FCS(ウシ胎児血清)を補充したDMEM培地において培養した。KERTrケラチノサイトおよび正常なヒト真皮線維芽細胞(NHDF)は、PromoCell GmbH(ドイツ、ハイデルベルク)から購入した。KERTr細胞を、ウシ下垂体抽出物およびEGFを補充したケラチノサイト無血清培地(Gibco)において増殖させた。NHDF細胞を、製造元の指示に従って線維芽細胞増殖培地2(PromoCell)において増殖させた。
【0128】
IL-6レベルの測定
HaCaT細胞を、10%FCSを補充したDMEM培地の24ウェルプレート(120,000細胞/ウェル)に播種した。培地を、示された濃度で異なる食餌性化合物を含有する3%FCSに変更した。1日後、培地をPBS(リン酸緩衝生理食塩水)に交換し、細胞にUVBランプ(Ultra-Violet Products,Ltd.(カリフォルニア州アップランド)、302nm)を照射した。照射強度は、VLX-3W(VilberLourmat Deutschland GmbH(ドイツ、エバーハルツェル))で測定した。PBSを、3%FCSおよび試験化合物を含有する培地と交換し、6時間後に培地を回収した。培地中のIL-6は、Human IL-6 ELISA MAX(商標)Deluxeキット(Biolegend(カリフォルニア州サンディエゴ))を使用して測定した。
【0129】
結論
リコピンとカルノシン酸との組み合わせは、UVB誘発性IL-6放出を相乗的に阻害した(図4)。
【0130】
Lycoredトマト栄養素複合体とカルノシン酸との組み合わせは、IL-6放出をそれぞれ1:0.6~1:0.1の比率で相乗的に阻害する(図5)。
【0131】
実施例5
植物栄養素の組み合わせによる真皮細胞における抗酸化剤応答配列(EpRE/ARE)転写系の相乗的活性化
方法
細胞培養および治療
HaCaTケラチノサイト細胞は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection(米国ヴァージニア州マナサス))から購入した。細胞を、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(0.1mg/ml)、グルタミン(2mM)、および10%FCSを補充したDMEM培地において培養した。KERTrケラチノサイトおよび正常なヒト真皮線維芽細胞(NHDF)は、PromoCell GmbH(ドイツ、ハイデルベルク)から購入した。KERTr細胞を、ウシ下垂体抽出物およびEGFを補充したケラチノサイト無血清培地(Gibco)において増殖させた。NHDF細胞を、製造元の指示に従って線維芽細胞増殖培地2(PromoCell)において増殖させた。
【0132】
一過性トランスフェクションおよびレポーター遺伝子アッセイ
細胞を、24ウェルプレートにおいて、jetPEI試薬(Polyplus Transfection(フランス、イルキルシュ))を使用してトランスフェクトした。HaCaT細胞(ウェルあたり80,000細胞)を、0.2μgのNFkB-SEAPレポーター構築物および0.05μgの正規化プラスミドでトランスフェクトした。DNAとjetPEIとの比率は、1:5であった。KERTrケラチノサイトおよびNHDF線維芽細胞を、0.2μgの4xAREレポーター構築物および0.1μgの正規化プラスミドでトランスフェクトした。細胞を、3%FCSを含有する培地に播種した。翌日、細胞を適切な培養培地で1回リンスした後、0.45mlの培地およびjetPEIと混合した50μlのDNAを添加した。次に、細胞を37℃で4~6時間インキュベートした。培地を、3%FCSおよび試験化合物を補充したものと交換し、細胞をさらに16~20時間インキュベートした。
【0133】
AREレポーター活性を細胞抽出物において測定し、製造元の指示に従ってデュアルルシフェラーゼレポーターアッセイシステム(Promega(ウィスコンシン州マディソン))を使用してレニラルシフェラーゼに正規化した。NFkBレポーター活性測定について、分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)活性を、Great Escape TM SEAP化学発光キット(Clontech(カリフォルニア州マウンテンビュー))を製造元の指示に従って使用して培養培地において測定した。ルシフェラーゼ活性を、Lucアッセイキット(Promega(ウィスコンシン州マディソン))によって細胞抽出物において測定され、結果を正規化するために使用した。すべての発光測定は、Turner Biosystems Luminometer(カリフォルニア州サニーベール)で実施した。注目すべきことに、異なる実験において、トランスフェクションレベル、ならびに、細胞バッチおよび継代などの他のパラメータが変動した。組み合わせ実験では、同じ実験での異なる化合物間の比較は再現可能であったが、基本的なレポーター活性および誘導倍率は実験間で異なっていた。
【0134】
結論
リコピンを含有するトマト栄養素複合体、およびカルノシン酸を含有するローズマリー抽出物が、皮膚表皮ケラチノサイトおよび真皮線維芽細胞におけるEpRE/ARE転写系の活性化に及ぼす影響を評価した。
【0135】
EpRE/ARE転写系の活性化を、上記のようなレポーター遺伝子アッセイを使用して、KERTrケラチノサイトで測定した。リコピンフィトエンおよびフィトフルエン、β-カロチン、トコフェロールおよびフィトステロールなどのすべてのトマト植物栄養素を含有するトマト栄養素複合体を溶解して、10μMリコピンの最終濃度を得た。それを、精製カルノシン酸またはカルノシン酸を含有するローズマリー抽出物のいずれかと組み合わせた。いずれの組み合わせによっても、EpRE/AREレポーター活性が相乗的に活性化された(図6A~B)。
【0136】
トマト栄養素複合体およびカルノシン酸によるEpRE/AREレポーター活性の同様の相乗的活性化は、真皮線維芽細胞(NHDF細胞)において明らかであった(図7)。
【0137】
実施例6
トマト栄養素複合体の2つの異なる調製物によるヒトケラチノサイトにおけるEpRE/AREレポーター活性の誘導
KERTrヒトケラチノサイトを24ウェルプレート(60,000細胞/ウェル)に播種し、0.2μgの4xAREレポーター構築物および0.1μgの正規化プラスミドでトランスフェクションすることにより、EpRE/AREレポーター活性を測定した。AREレポーター活性を細胞抽出物において測定し、製造元の指示に従ってデュアルルシフェラーゼレポーターアッセイシステム(Promega(ウィスコンシン州マディソン))を使用してレニラルシフェラーゼに正規化した。10μMのリコピンを含有する試験化合物を、トランスフェクションから6時間後に添加し、さらに16~20時間インキュベートした。結果を、クリスタルバイオレット法によって推定された細胞数に正規化した。結果は、各実験で4つの反復試験片を用いた3~4回の実験の平均±SEMである(図8)。
【0138】
第1世代(Lycomato)組成物(米国特許第US9468609B2号に記載され、参照により本明細書に組み込まれる)および第2世代(Lycoderm最終組成物の一部である、本明細書に開示される組成物)(フィトエンおよびフィトフルエンを富化した皮膚グレードのトマト抽出物)のAREレポーター活性を測定した。Lycoderm製品の一部である調製物皮膚グレードトマト抽出物(皮膚グレードTE)は、より高いAREレポーター活性を示した。この調製物は、第1世代(Lycomato)と比較して、フィトエンおよびフィトフルエンの割合が高くなっている。
【0139】
実施例7
皮膚の筋/しわの改善
皮膚パラメータ(例えば、状態および外観)を改善するための経口製品Lycodermの有効性を評価するための16週間の二重盲検無作為化プラセボ対照臨床試験。データを、機器、専門家による格付け、画像分析、および主観的な質問票への回答によって評価された皮膚状態の変化について分析した。さらに、実験室評価には血液分析が含まれていた。パネルの半分が試験製品を使用し、パネルの残りはプラセボ対照を使用した。対象および試験スタッフは、試験期間中、製品の同一性を知らされていなかった。合計60人の対象が、試験への参加を完了した。試験のための来院は、スクリーニング/ウォッシュアウト時のベースラインの約21日前まで、ベースライン時、および4、8、12、16週間後(W4、W8、W12、W16)に行われた。
【0140】
Lycoderm組成物治療コホートの皮膚輝度/光度の外観に関する平均スコアは、ベースラインから4、8、12および16週目まで統計的に有意な改善を示した。顔の皮膚の筋/しわ(全体)および明るさ/輝き(lightening/brightening)の外観についてのLycoderm組成物治療コホートの平均スコアは、ベースラインから4、8および16週目まで統計的に有意な改善を示した。
【0141】
要約すると、Lycoderm組成物治療コホートは、16週目から顔の筋/しわ(全体)の大幅な改善を示した(表1を参照)。
【表1】
【0142】
実施例8
手掌皮膚におけるカロテノイドレベルの改善
組織カロテノイド、例えば、リコピン、フィトエンおよびフィトフルエンのレベルを、バイオフォトニックスキャナーを使用して定量化した。これらの結果により、プラセボ治療コホートでは有意な増加は検出されなかったが、すべての時間間隔検査で、Lycoderm組成物治療コホートにおける平均組織カロテノイドレベルが、ベースラインから統計的に有意に増加(改善)したことが明らかになった(表2を参照)。両コホートのベースラインスコアとの平均差の比較分析により、すべての時間間隔検査で、結果間に統計的に有意な差があったことが明らかになり、Lycoderm組成物治療コホートの結果は、プラセボ治療コホートの結果よりも有意に良好であった(表3を参照)。
【表2】
【表3】
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8