(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】光学近接センサシステム
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240801BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240801BHJP
H01H 35/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
G09F9/00 366Z
G09F9/00 324
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
H01H35/00 M
H01H35/00 V
(21)【出願番号】P 2021544858
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2020052345
(87)【国際公開番号】W WO2020157230
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2023-01-24
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521339201
【氏名又は名称】アー・エム・エス・インターナショナル・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ams International AG
【住所又は居所原語表記】Eichwiesstrasse 18b, 8645 Jona, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジエン
(72)【発明者】
【氏名】シュミデッグ,クラウス
(72)【発明者】
【氏名】エルナンデス,ホイットニー
(72)【発明者】
【氏名】タイラー,ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】クリーベルネッグ,ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】ケリー,ジョージ・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】クローズ,マット
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-214058(JP,A)
【文献】国際公開第2018/130850(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109141485(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108388056(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0083917(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0212060(US,A1)
【文献】特開2015-119138(JP,A)
【文献】特開2009-151039(JP,A)
【文献】特開2008-083675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G09F 9/30
H01H 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイスクリーンと、
前記ディスプレイスクリーンの裏側に設けられる光学近接センサモジュールと、を備え、前記光学近接センサモジュールは、
対象物体に向けて前記ディスプレイスクリーンを透過する赤外光または近赤外光を産出するように
構成される複数の発光体と、
前記対象物体によって反射された赤外光または近赤外光を感知するように
構成される光センサと、を含み、
前記複数の発光体は、集合的に、近接感知のために十分な光学エネルギを提供するように
構成され、前記発光体は、前記近接感知のために前記光学エネルギを広げ、これにより前記ディスプレイスクリーンの歪みを低減
し、
前記複数の発光体は、前記ディスプレイスクリーンの裏側を、3mW/mm
2
またはそれ以下の光学出力密度で照光するように構成される、機器。
【請求項2】
前記ディスプレイスクリーンは、OLEDディスプレイスクリーンである、請求項
1に記載の機器。
【請求項3】
前記複数の発光体は、各々が2.0mWの最大
出力レベルを産出するように
構成される、複数のVCSELを含む、請求項
1または2に記載の機器。
【請求項4】
前記複数の発光体は、各々が1.5mWの最大
出力レベルを産出するように
構成される、複数のVCSELを含む、請求項
1または2に記載の機器。
【請求項5】
方法であって、
ディスプレイスクリーンの裏側に設けられる光学近接センサモジュールにおける複数のVCSELの各々に、対象物体に向けて前記ディスプレイスクリーンを透過する赤外光または近赤外光を産出させることを含み、前記VCSELの各々は、
前記ディスプレイスクリーンの裏側を、3mW/mm
2
またはそれ以下の光学出力密度で照光し、前記方法はさらに、
前記対象物体によって反射された赤外光または近赤外光を感知することと、
近接感知のために感知された前記赤外光または近赤外光に対応する信号を処理することと、を含む、方法。
【請求項6】
前記VCSELの各々
が2.0mWの最大
出力レベルを産出する
、
および/または
前記方法が、前記複数のVCSELの各々に2~3mAの範囲の駆動電流を印加することを含む、請求項
5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の分野
この開示は、光学近接感知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
スマートフォン工業設計における近年のトレンドは、ベゼル幅を減らし、光学センサのための開口ならびにマイク、スピーカおよび/または指紋リーダ装置のための他の穴を減らすことにより残りのベゼル領域を片付けることによって、スクリーン領域を最大化することである。一方で、追加の機能のために光学センサの数は増える傾向にもある。たとえば、ある場合においては、使用者がスマートフォンを耳に近づけるときに、ディスプレイスクリーンの明るさの調節を容易にし、ディスプレイ全体のエネルギ消費を減らすために、光学近接センサがスマートフォンに統合される。光学近接感知は、典型的には、赤外(IR)光または近赤外(NIR)光を放出し、検知対象となる物体から反射される光エネルギを測定することに依存する。
【0003】
スマートフォン市場におけるさらなるトレンドは、有機発光ディスプレイ(OLED:organic light emitting display)の採用である。このトレンドは、近接センサをスマートフォンのベゼルからOLEDの下の位置まで移動させる機会を作り出す。結果として、近接センサはOLEDの裏側に埋め込まれ、これはIRおよびNIR放射を含む光を通過させることを可能にする。しかしながら、IR光またはNIR光のエネルギは、スクリーンが黒色画面を表示するときであっても、スクリーン歪み(たとえば、ある条件下で見られ得るOLEDスクリーン上の明るい点)を生じさせることがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示は、近接センサモジュールにおける発光体からのエネルギによって生じるディスプレイスクリーン歪みを低減するまたはなくすのに役立つ技術について説明する。
【0005】
たとえば、1つの局面において、本開示は、ディスプレイスクリーンと、ディスプレイスクリーンの裏側に設けられる光学近接センサモジュールとを含む機器について説明する。光学近接センサモジュールは、対象物体に向けてディスプレイスクリーンを透過する波長を有する光を産出するように動作可能な発光体と、対象物体によって反射されるとともに上記波長を有する光を感知するように動作可能な光センサとを含む。光学近接センサモジュールは、また、発光体によって産出される光ビームの最大エネルギ密度を低減するための手段を含む。光ビームの最大エネルギ密度を低減するための手段は、発光体によって産出された光ビームを横切るように発光体とディスプレイスクリーンとの間に設けられる。
【0006】
いくつかの実施は、以下の構成のうちの1つ以上を含む。たとえば、いくつかの例において、ディスプレイスクリーンは、OLEDディスプレイスクリーンである。光ビームの最大エネルギ密度を低減するための手段は、たとえば、マイクロレンズ、マイクロレンズアレイ、および/または光学ディフューザを含んでもよい。光ビームの最大エネルギ密度を低減するための手段は、OLEDスクリーンに入射する光ビームの最大エネルギ密度を低減するように、光ビームを放射状に広げるように動作し得る。いくつかの実施において、光ビームの最大エネルギ密度を低減するための手段から出る光ビームは、発光体によって放出された光ビームよりも大きいハーフビーム・半値幅を有する。いくつかの例において、発光体は、赤外光または近赤外光を産出するように動作可能である。
【0007】
別の局面によれば、本開示は、ディスプレイスクリーンと、ディスプレイスクリーンの裏側に設けられる光学近接センサモジュールとを含む機器について説明する。光学近接センサモジュールは、対象物体に向けてディスプレイスクリーンを透過する赤外光または近赤外光を産出するように動作可能な多数の発光体と、対象物体によって反射された赤外光または近赤外光を感知するように動作可能な光センサとを含む。発光体は、集合的に、近接感知のために十分な光学エネルギを提供するように動作可能である。特に、発光体は、近接感知のために光学エネルギを広げ、これによりディスプレイスクリーンの歪みを低減する。
【0008】
いくつかの例において、発光体の各々は、ディスプレイスクリーンの裏側に入射する光の最大エネルギ密度が低減される一方、総エネルギは近接感知の実行を容易にするために維持されるように、エネルギ密度を産出するように動作可能である。ディスプレイスクリーンは、たとえば、OLEDディスプレイスクリーンであり得る。
【0009】
本開示は、また、ディスプレイスクリーンの裏側に設けられる光学近接センサモジュールにおける複数のVCSELの各々に、対象物体に向けてディスプレイスクリーンを透過する赤外光または近赤外光を産出させることを含む方法について説明する。VCSELの各々は、2.0mWの最大エネルギレベル、好ましくは1.5mWの最大エネルギレベルを産出する。上記方法は、対象物体によって反射された赤外光または近赤外光を感知することと、近接感知のために感知された赤外光または近赤外光に対応する信号を処理することとをさらに含む。いくつかの実施において、上記方法は、複数のVCSELの各々に2~3mAの範囲の駆動電流を印加することを含む。このような方法は、ある場合において、スクリーン歪みをなくすまたは低減するのに役立ち得る。
【0010】
他の局面、構成および利点が、以下の詳細な説明、添付の図面および請求項から容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ディスプレイスクリーンの裏側の光学近接センサモジュールを含むホスト装置の様々な構成を示す図である。
【
図2】第1の実施に係る光学近接センサモジュールの詳細を示す図である。
【
図3A】いくつかの実施に係る
図2の近接センサのさらなる詳細を示す図である。
【
図4】マイクロレンズアレイの第1の例を示す図である。
【
図5】マイクロレンズアレイの第2の例を示す図である。
【
図6】第2の実施に係る光学近接センサモジュールの詳細を示す図である。
【
図7】第3の実施に係る光学近接センサモジュールの詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
図1に示されるように、携帯用コンピューティング装置(たとえば、スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA:personal digital assistant)、ラップトップまたはウェアラブル)などのホスト装置10は、フロントガラス20の直下に設けられ得る、OLEDタイプまたは他のディスプレイスクリーン12を含む。光学近接センサモジュール14は、ディスプレイスクリーン12の一部の直下に設けられ、ホスト装置10の外側の対象物体に向けて光(たとえば、赤外放射または近赤外放射)を放出するとともに、センサモジュール14に戻るように対象物体によって反射された光を感知するように動作可能である。
【0013】
電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)16は、近接センサモジュール14からの信号を受信、処理および分析し、それに応じて、たとえば検知された光の量に応じて指定された作用を実行するように動作可能である。ある場合においては、たとえば、ECU16は、ディスプレイスクリーン12の明るさを調節させ得る。いくつかの例においては、検知/解放イベントは、割込み駆動され、近接結果が上側および/または下側閾値設定を超えるときに起こる。ECU16は、たとえば、センサハブのためのプロセッサまたは携帯コンピューティング装置10における何らかの他のプロセッサであり得る。OLEDの全体の明るさは、たとえば、直列のトランジスタを用いて各画素のPWM変調をその画素で適用することによって、または各画素を駆動し得る電流の全体範囲を調節することによって制御され得る。
【0014】
図2の例に示されるように、近接センサモジュール14は、(たとえば、940nmの波長における)IR放射またはNIR放射を放出するように動作可能な、発光ダイオード(LED:light emitting diode)または垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:vertical cavity surface emitting laser)などの放射体22と、工場校正されたLEDドライバとを含む。近接センサモジュール14は、放射体22によって放出された同じ波長の光を感知するように動作可能なフォトダイオード受信機などの光センサ24も含む。フォトダイオード受信機は、フォトダイオードからの信号を処理するように動作可能な関連回路を含んでもよい。発光体22およびフォトダイオード受信機24の各々は、たとえば、それぞれのダイ(すなわち、半導体チップ)として実施されてもよく、プリント回路基板または他の基板34上に設置されてもよい。
【0015】
ある発光体は、そのエネルギ密度が実質的にベルカーブのような形状である、すなわち、そのエネルギ密度が放射体の中心光学軸においてまたは付近において最大値を有するとともに中心光学軸からの距離に伴って減少する、光ビームを産出する。放射体22によって産出される最大エネルギ密度は、LEDスクリーン12上に歪みを起こすほど十分高いものであり得るが、これはこのような歪みを防ぐためのステップが行われない場合である。
【0016】
図2の例にさらに示されるように、近接センサモジュール14は、発光体22によって産出されてOLEDスクリーン12に入射する最大エネルギ密度を低減するための手段を含む。したがって、いくつかの実施において、近接センサモジュール14は、放射体22によって放出されたビーム28の経路に設けられるマイクロレンズまたはマイクロレンズアレイ26を含む。マイクロレンズまたはマイクロレンズアレイ26は、OLEDスクリーン12の裏側に入射する前にビーム28を横切り、ビーム28を放射状にいくらか広げ、これによりOLEDスクリーンに入射するビーム30の最大エネルギ密度を低減する。よって、一般に、マイクロレンズまたはマイクロレンズアレイ26は、放射体22単独で産出されたビーム28よりも幅広いビーム30(たとえば、より大きいハーフビーム・半値幅を有するビーム)を産出する。OLEDスクリーン12に入射するビーム30の最大エネルギ密度を低減することは、スクリーン歪み(または少なくもこのような歪みの使用者の知覚)を低減するまたはなくすことを可能にする。さらに、いくつかの例において、マイクロレンズアレイ26は、より均一なビーム30を提供するように実施されてもよい。いくつかの例においては、マイクロレンズまたはマイクロレンズアレイ26は、マイクロレンズまたはマイクロレンズアレイを離れる光ビーム30がOLEDディスプレイの表面に実質的に垂直になるように動作可能である。この構成は、光センサ24上に衝突するOLEDスクリーン12によって反射され得る光の量を低減するのに役立ち、これにより光学クロストークを低減する。
【0017】
図3Aから
図3Cは、いくつかの実施に係る近接センサモジュール14のさらなる詳細を示す。マイクロレンズアレイ26は、ある場合において、放射体22の真上の約480μm
2の領域をカバーする。他の実施については、マイクロレンズアレイ26の異なる領域が適当であり得る。
図4は、ピッチd1で配置される環状マイクロレンズ26Aを含むマイクロレンズアレイ26の特定的な例を示す。他の実施については異なる値が適当であり得るが、いくつかの例において、ピッチd1は95μmに等しい。
図5は、ピッチd2で配置される六角形マイクロレンズ26Bを含むマイクロレンズアレイ26の別の例を示す。他の実施については異なる値が適当であり得るが、いくつかの例において、ピッチd2は95μmに等しい。
【0018】
いくつかの実施において、最大エネルギ密度を低減するための手段は、マイクロレンズもしくはマイクロレンズアレイの代わりに、またはマイクロレンズもしくはマイクロレンズアレイに加えて、光学ディフューザを含む。
【0019】
図2および
図3A~3Cにさらに示されるように、モジュール14は、光センサ24の上方にあって、センサ24の光感知素子に向けて入ってくる光(たとえば、対象物体によって反射される光)を方向付けるように動作可能な、レンズなどの光学素子32を含んでもよい。このような光学素子32を設けることは、感度およびノイズ除去を改善するのに役立ち得る。
【0020】
いくつかの実施において、
図6の例に示されるように、多数の発光体22が、近接センサモジュール114に設けられ、OLEDスクリーン12に入射する、結果として生じる光点を広げるように、互いに対して配置される。この場合、放射体22の各々は、より低い最大エネルギ密度を産出するように動作可能であるため、OLEDスクリーン12の裏側に入射するIR光またはNIR光の密度は低減される一方、総エネルギは近接感知のために満足のいく実行を達成するように維持される。たとえば、いくつかの例においては、各VCSEL発光体22に15mAの電流を印加する代わりに、5mAの電流が印加される。他の実施については、異なる電流値が適当であり得る。いくつかの例においては、3mW/mm
2の最大光学エネルギ密度がOLEDスクリーン12の裏側に入射する。いくつかの場合において、各VCSELは、約2.0mWの最大エネルギレベル、好ましくは約1.5mWの最大エネルギレベル(いくつかのVCSELについて約2~3mAの駆動電流に対応する)を産出するように動作されて、スクリーン歪みを防止する。さらに、
図6の例は3つの放射体22を示すが、他の実施が2つのみの放射体を用いてもよく、または3つよりも多い放射体を用いてもよい。任意の場合において、同じ領域に光エネルギを集中させてOLEDスクリーン画素が悪影響を及ぼされることなく近接感知のために十分な光学エネルギを提供するために(たとえば、裸眼の人間の目に見えるOLEDスクリーン上の点を産出することを回避するように、またはその他の方法で生じる歪みを低減するように)、多数の放射体22が用いられる。
【0021】
図7は、
図2および
図3の技術を組み合わせる例を示す。したがって、近接センサモジュール114は、
図2~5に関連して記載されたような、最大エネルギ密度を低減するための手段26(たとえば、マイクロレンズ、マイクロレンズアレイまたはディフューザ)と、
図6に関連して記載されたような、多数の発光体22とを含む。
【0022】
この開示において参照されるスマートフォンおよび他のホストコンピューティング装置の設計は、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のメモリ(たとえば、RAM)と、保存装置(たとえば、ディスクまたはフラッシュメモリ)と、ユーザインターフェース(たとえば、キーパッド、TFT LCDまたはOLEDディスプレイスクリーン、タッチまたは他のジェスチャセンサ、カメラまたは他の光学センサ、コンパスセンサ、3D磁力計、3軸加速度計、3軸ジャイロスコープ、1つ以上のマイクなどを、グラフィカルユーザインターフェースを提供するためのソフトウェア命令とともに含み得る)と、これらの要素間の相互接続(たとえば、バス)と、他の装置との通信のためのインターフェース(GSM、3G、4G、CDMA、WiFi、WiMax、Zigbeeもしくはブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))などの無線および/またはイーサネット(Ethernet)ローカルエリアネットワーク、T-1インターネットコネクションによるものなどの有線であり得る)とを含み得る。
【0023】
主題の様々な局面およびこの明細書に記載された機能的な動作は、デジタル電子回路において、またはこの明細書に開示された構造およびそれらの構造的等価物を含む、コンピュータソフトウェア、ファームウェアもしくはハードウェアにおいて、またはそれらの1つ以上の組み合わせにおいて実施され得る。したがって、この明細書に記載された主題の局面は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、すなわちデータ処理機器による実行のための、またはデータ処理機器の動作を制御するためのコンピュータ読取可能媒体上にエンコードされたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実施されてもよい。コンピュータ読取可能媒体は、機械読取可能保存装置、機械読取可能保存基板、メモリ装置、機械読取可能伝播信号に影響する物の合成物、またはそれらの1つ以上の組み合わせであってもよい。機器は、ハードウェアに加えて、当該のコンピュータプログラムのための実行環境を形成するコード、たとえばプロセッサファームウェアを構成するコードを含んでもよい。
【0024】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても知られる)は、編集言語または通訳言語を含む任意のプログラム言語の形態で書かれてもよく、スタンドアローンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチンもしくはコンピューティング環境において用いられるのに適した他のユニットとして、任意の形態で展開されてよい。コンピュータプログラムは、ファイルシステムにおけるファイルと必ずしも対応している必要はない。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(たとえば、マークアップ言語ドキュメントに保存される1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部内に、当該のプログラム専用の単一のファイル内に、または多数の同格ファイル(たとえば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、もしくはコードの一部を保存するファイル)内に保存されてもよい。コンピュータプログラムは、1つの場所に位置する、または多数の場所にまたがって分配されて通信ネットワークによって相互接続される、1つのコンピュータ上または多数のコンピュータ上において実行されるように展開されてもよい。
【0025】
この明細書に記載されるプロセスおよびロジックフローは、インプットデータ上で動作しアウトプットを生じさせることによって機能を実行するために、1つ以上のコンピュータプログラムを実行させる1つ以上のプログラム可能プロセッサによって実行されてもよい。プロセスおよびロジックフローは、専用論理回路、たとえばFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ:field programmable gate array)またはASIC(特定用途向け集積回路:application specific integrated circuit)として実行されてもよく、機器は、専用論理回路、たとえばFPGAまたはASICとして実行されてもよい。
【0026】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサは、たとえば、汎用マイクロプロセッサおよび専用マイクロプロセッサの両者、ならびに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、メモリもしくはランダムアクセスメモリのみ、または両方の読取りから命令およびデータを受信し得る。コンピュータの必要不可欠な要素は、命令を実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを保存するための1つ以上のメモリ装置である。コンピュータプログラム命令およびデータを保存するのに好適なコンピュータ読取可能媒体は、例として、たとえばEPROMやEEPROM、フラッシュメモリ装置などの半導体メモリ装置を含む不揮発性メモリ、メディアおよびメモリ装置;たとえば内部ハードディスクまたはリムーバブルディスクなどの磁気ディスク;光磁気ディスク;ならびにCD ROMおよびDVD-ROMディスクのすべての形態を含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補完されてもよく、専用論理回路に組み込まれてもよい。
【0027】
この明細書は多くの具体例を含むが、これらは本発明または請求項に記載され得るものの範囲における限定として解釈されるべきではなく、むしろ本発明の特定的な実施形態への特定の構成の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈においてこの明細書に記載されているある構成は、単一の実施形態において組み合わせて実施されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈において記載されている様々な構成が、多数の実施形態において別個に、または任意の好適なサブコンビネーションにおいて実施されてもよい。さらに、構成が、ある組み合わせで作用するように上記に記載され、初めにこのように請求項に記載されていたとしても、請求項に記載された組み合わせからの1つ以上の構成が、ある場合において、その組み合わせから切り取られることがあり、請求項に記載された組み合わせはサブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形に係るものとなり得る。
【0028】
同様に、動作が特定の順序で図面に記載されているが、これは、望ましい結果を達成するために、このような動作が示された特定の順序においてもしくは一連の順序において実行されること、またはすべての図示された動作が実行されることを要求するものであると理解されるべきではない。ある状況においては、同時平行処理が有利であり得る。
【0029】
多数の実施が開示された。それでも、さまざま変形が本発明の精神および範囲から逸脱せずになされ得る。したがって、他の実施が請求項の範囲内にある。