(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】電池
(51)【国際特許分類】
H01M 6/32 20060101AFI20240801BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20240801BHJP
H01M 50/392 20210101ALI20240801BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20240801BHJP
H01M 50/152 20210101ALI20240801BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20240801BHJP
H01M 50/169 20210101ALI20240801BHJP
H01M 50/474 20210101ALI20240801BHJP
H01M 50/636 20210101ALI20240801BHJP
【FI】
H01M6/32 A
H01M50/548 201
H01M50/392
H01M50/533
H01M50/152
H01M50/107
H01M50/169
H01M50/474
H01M50/636
(21)【出願番号】P 2021575518
(86)(22)【出願日】2020-06-09
(86)【国際出願番号】 CN2020095032
(87)【国際公開番号】W WO2020253571
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-02-15
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】HK
(73)【特許権者】
【識別番号】522048889
【氏名又は名称】フェノジー アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バッカー, ニールス
【審査官】冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0027713(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0088955(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 6/32
H01M 50/548
H01M 50/392
H01M 50/533
H01M 50/152
H01M 50/107
H01M 50/169
H01M 50/474
H01M 50/636
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
負荷に電気的に連絡するように構成された第1および第2の電池端子と、
第1および第2の端部と、内部に配置されたチャンバとを有する電池ケーシングと、
第1の成分と、第2の成分と、前記第1および第2の電池端子に電気的に連絡した前記負荷への電力の供給における前記電池の動作に適した電解質を前記チャンバ内にもたらすための前記第1の成分と前記第2の成分との相互作用を制限する第1の構成で、前記チャンバ内に配置された少なくとも1つのバリアと
を含んでおり、
前記第1の成分は、金属酸化物粉末を含み、前記第2の成分は、水酸化カリウム溶液、塩化亜鉛溶液、および水のうちの少なくとも1つを含み、
前記第1の成分は、崩壊剤型粒子を含む粉末組成物をさらに含み、
前記電池の一部分へと加えられる力に応答して、前記バリアは、前記第1の成分と前記第2の成分とが互いに相互作用して、前記負荷への電力の供給における前記電池の動作に適した電解質を前記チャンバ内にもたらすことができるように、前記第1の構成から第2の構成へと配置されるように構成されている、電池。
【請求項2】
前記チャンバは、前記第1および第2の成分をそれぞれ収容するように構成された第1および第2の区画を含み、前記バリアは、前記第1および第2の区画を隔てる壁を含む、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記バリアが前記第1の構成から前記第2の構成へと配置されるように構成されるように前記電池の前記一部分へと加えられる前記力は、
(a)電池ケーシングの第1の部分を前記電池ケーシングの第2の部分に対して回転させること、
(b)電池ケーシングの第1の部分を前記電池ケーシングの第2の部分に対してスライドさせること、
(c)前記電池ケーシングの一部分を圧迫すること、
(d)前記電池ケーシングの一部分を変形させること、
(e)前記電池ケーシングの一部分を押し込むこと、
(f)前記電池ケーシングを揺すること、
(g)前記電池ケーシングの第1の部分を前記電池ケーシングの第2の部分から遠ざかるように引っ張ること、および
(h)前記電池ケーシングを別の物体で叩くこと
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記粉末組成物は、圧縮された粉末組成物を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池。
【請求項5】
前記粉末組成物は、少なくとも1つの圧縮された粉末リングとして形成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項6】
前記電池ケーシングの内面に隣接して前記チャンバ内に配置され、前記第1の電池端子に電気的に連絡するように構成された導電層と、
前記チャンバ内に配置され、前記チャンバ内に設けられたときの前記電解質を前記導電層から電気的に隔てるように構成された透過性セパレータシートと、
前記第2の電池端子に電気的に連絡するように構成された第1の端部と、前記チャンバ内に設けられたときの前記電解質と接触するように構成された第2の端部とを有する導電性ロッドと
を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池。
【請求項7】
前記第1の電池端子および前記第2の電池端子は、それぞれ前記電池ケーシングの前記第1および第2の端部に配置される、請求項1~6のいずれか一項に記載の電池。
【請求項8】
前記電池ケーシング内の空気を前記電池ケーシングの外へと排出できるようにする少なくとも1つの空気出口チャネルを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池。
【請求項9】
前記少なくとも1つの空気出口チャネルは、前記第1および第2の端部の少なくとも一方に配置される、請求項8に記載の電池。
【請求項10】
前記空気出口チャネルは、約0.3mmの直径を含む、請求項8または9に記載の電池。
【請求項11】
前記少なくとも1つの空気出口チャネルと協働することができる弁を含んでおり、前記弁は、前記チャンバから空気が排出されるときに前記チャンバからの液体の排出を防止するように構成される、請求項9または10に記載の電池。
【請求項12】
前記弁は、前記空気出口チャネルへの開口部を覆うように前記電池ケーシング内に配置された膜層を含み、前記膜層は、前記チャンバから空気が排出されるときに前記チャンバからの液体の排出を防止するように構成された構造を含む、請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記電解質および前記導電層の少なくとも一方を前記電池ケーシングの前記第2の端部から離すように構成されたスペーサ要素を含み、前記スペーサ要素は、Oリングを含む、請求項
6に記載の電池。
【請求項14】
前記導電層は、前記電池ケーシングへと挿入されるように構成された導電性ライニングを含み、前記導電層は、前記導
電層を通過する流体の連絡を可能にするために前記
導電性ライニングを貫いて延びる少なくとも1つの通路を含む、請求項
6又は13のいずれか一項に記載の電池。
【請求項15】
前記少なくとも1つの通路は、細長いスロットを含む、請求項14に記載の電池。
【請求項16】
前記電池ケーシングは、押出成形および射出成形の少なくとも一方によって形成される、請求項1~15のいずれか一項に記載の電池。
【請求項17】
前記導電層と前記第1の電池端子との間の電気的連絡をもたらすように構成されたばね要素を含み、前記ばね要素は、コイルばねを含む、請求項
6、13~15のいずれか一項に記載の電池。
【請求項18】
前記電池ケーシングの前記第1および第2の端部の少なくとも一方は、前記電池ケーシングに取り付けられた第1の位置と前記電池ケーシングから変位した第2の位置との間で前記電池ケーシングに対して配置されるように構成される、請求項8~17のいずれか一項に記載の電池。
【請求項19】
接続部材を含んでおり、前記第1および第2の端部の前記少なくとも一方が前記電池ケーシングから変位するように前記第2の位置に配置されるとき、前記接続部材は、前記第1および第2の端部の前記少なくとも一方を前記電池に接続する、請求項18に記載の電池。
【請求項20】
前記第1および第2の端部の前記少なくとも一方が前記第1の位置に配置されるとき、前記第1および第2の端部の前記少なくとも一方は、前記電池ケーシングに螺合する、請求項18または19に記載の電池。
【請求項21】
前記第1および第2の端部の前記少なくとも一方が前記第2の位置に配置されるとき、前記電池ケーシングの開口部が、前記開口部を介する前記チャンバへの液体の進入を可能にするために開放される、請求項18~20のいずれか一項に記載の電池。
【請求項22】
前記第1および第2の端部の少なくとも一方が、前記電池ケーシングに超音波で溶接される、請求項8~21のいずれか一項に記載の電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からの既製のAA(単3)型電池およびAAA(単4)型電池は、保管中に時間とともに性能が低下する傾向がある。これは、例えば電池によって懐中電灯、ラジオ、携帯電話機、または他の生命を守るであろう電子機器に電力を供給させる必要がある緊急事態など、電池の性能における信頼性がきわめて重要である場合に、深刻な問題を引き起こす可能性がある。
【0003】
この問題に対処するために、後に水を加えることによって電池を活性化させたとき、電池の性能を実質的に失うことなく、未活性化状態(すなわち、電池内で、電解質粉末混合物を活性化するために、水がまだ電解質粉末混合物と混合されていない状態)で比較的長い期間にわたって保管することができる、水で活性化させることができる電池が開発されている。
【0004】
しかしながら、特定の既存の水活性化電池は、電解質の貯蔵容量、電池チャンバの内部における水と電解質との混合の効率、および長期にわたって電池内の構成要素間の電気的連絡を維持する能力に関して、不足を呈することが認識されており、これらのすべてが、最終的に、そのような電池の性能を損なう可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、先行技術に関する上述の問題のうちの少なくとも1つを軽減しようとするものである。
【0006】
本発明は、いくつかの広範な形態を含み得る。本発明の実施形態は、本明細書に記載される種々の広範な形態の1つまたは任意の組み合わせを含むことができる。
【0007】
1つの広範な形態において、本発明は、負荷に電気的に連絡するように構成された第1および第2の電池端子と;第1および第2の端部と、内部に配置されたチャンバとを有する電池ケーシングと;第1の成分と、第2の成分と、第1および第2の電池端子に電気的に連絡した負荷への電力の供給における電池の動作に適した電解質をチャンバ内にもたらすための第1の成分と第2の成分との相互作用を制限する第1の構成で、チャンバ内に配置された少なくとも1つのバリアと;を含んでおり、電池の一部分へと加えられる力に応答して、バリアは、第1の成分と第2の成分とが互いに相互作用して、負荷への電力の供給における電池の動作に適した電解質をチャンバ内にもたらすことができるように、第1の構成から第2の構成へと配置されるように構成されている、電池を提供する。
【0008】
好ましくは、第1の成分は、金属酸化物粉末を含むことができる。
【0009】
好ましくは、第2の成分は、水酸化カリウム溶液、塩化亜鉛溶液、および水のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0010】
好ましくは、チャンバは、第1および第2の成分をそれぞれ収容するように構成された第1および第2の区画を含むことができ、バリアは、第1および第2の区画を隔てる壁を含む。
【0011】
好ましくは、バリアが第1の構成から第2の構成へと配置されるように構成されるように電池の一部分へと加えられる力は、
(a)電池ケーシングの第1の部分を電池ケーシングの第2の部分に対して回転させること、
(b)電池ケーシングの第1の部分を電池ケーシングの第2の部分に対してスライドさせること、
(c)電池ケーシングの一部分を圧迫すること、
(d)電池ケーシングの一部分を変形させること、
(e)電池ケーシングの一部分を押し込むこと、
(f)電池ケーシングを揺すること、
(g)電池ケーシングの第1の部分を電池ケーシングの第2の部分から遠ざかるように引っ張ること、および
(h)電池ケーシングを別の物体で叩くこと
のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0012】
好ましくは、第1および第2の成分の少なくとも一方は、崩壊剤型粒子を含む粉末組成物を含むことができる。
【0013】
好ましくは、粉末組成物は、圧縮された粉末組成物を含むことができる。
【0014】
好ましくは、粉末組成物を、少なくとも1つの圧縮された粉末リングとして形成することができる。
【0015】
好ましくは、本発明は、ケーシングの内面に隣接してチャンバ内に配置され、第1の電池端子に電気的に連絡するように構成された導電層と、チャンバ内に配置され、チャンバ内に設けられたときの電解質を導電層から電気的に隔てるように構成された透過性セパレータシートと、第2の電池端子に電気的に連絡するように構成された第1の端部、およびチャンバ内に設けられたときの電解質と接触するように構成された第2の端部を有する導電性ロッドと、を含むことができる。
【0016】
好ましくは、第1の電池端子および第2の電池端子を、それぞれケーシングの第1および第2の端部に配置することができる。
【0017】
好ましくは、本発明は、ケーシング内の空気をケーシングの外へと排出できるようにする少なくとも1つの空気出口チャネルを含むことができる。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つの空気出口チャネルを、第1および第2の端部の少なくとも一方に配置することができる。
【0019】
好ましくは、空気出口チャネルは、約0.3mmの直径を含むことができる。
【0020】
好ましくは、本発明は、少なくとも1つの空気出口チャネルと協働することができる弁を含むことができ、この弁は、チャンバから空気が排出されるときにチャンバからの液体の排出を防止するように構成される。
【0021】
好ましくは、弁は、空気出口チャネルへの開口部を覆うようにケーシングの内面に配置された膜層を含むことができ、この膜層は、チャンバから空気が排出されるときにチャンバからの液体の排出を防止するように構成された構造を含む。
【0022】
好ましくは、本発明は、電解質および導電層の少なくとも一方を第2の端部から離すように構成されたスペーサ要素を含むことができる。
【0023】
好ましくは、スペーサ要素は、Oリングを含むことができる。
【0024】
好ましくは、導電層は、ケーシングへと挿入されるように構成されてよい導電性ライニングを含むことができる。
【0025】
好ましくは、導電性ライニングは、導電性ライニングを通過する流体の連絡を可能にするためにライニングを貫いて延びる少なくとも1つの通路を含むことができる
【0026】
。
好ましくは、少なくとも1つの通路は、細長いスロットを含むことができる。
【0027】
好ましくは、導電層は、亜鉛を含むことができる。
【0028】
好ましくは、導電層を、インジウムで処理することができる。
【0029】
好ましくは、ケーシングは、電気絶縁性材料を含むことができる。
【0030】
好ましくは、ケーシングは、ポリマー材料を含むことができる。
【0031】
好ましくは、ケーシングを、押出成形および射出成形の少なくとも一方によって形成することができる。
【0032】
好ましくは、本発明は、導電層と第1の電池端子との間の電気的連絡をもたらすように構成されたばね要素を含むことができる。
【0033】
好ましくは、ばね要素は、コイルばねを含むことができる。
【0034】
好ましくは、ケーシングの第1および第2の端部の少なくとも一方を、ケーシングに取り付けられた第1の位置およびケーシングから変位した第2の位置の少なくとも一方の間でケーシングに対して配置されるように構成することができる。
【0035】
好ましくは、本発明は、接続部材を含むことができ、第1および第2の端部の少なくとも一方がケーシングから変位するように第2の位置に配置されるとき、接続部材は、第1および第2の端部の少なくとも一方を電池に接続する。
【0036】
好ましくは、第1および第2の端部の少なくとも一方が第1の位置に配置されるとき、第1および第2の端部の少なくとも一方を、ケーシングに螺合させることができる。
【0037】
好ましくは、第1および第2の端部の少なくとも一方が第2の位置に配置されるとき、ケーシングの開口部を、開口部を介するチャンバへの液体の進入を可能にするために開放することができる。
【0038】
好ましくは、第1および第2の端部の少なくとも一方が、ケーシングに超音波で溶接されてよい。
【0039】
第2の広範な形態において、本発明は、負荷に電気的に連絡するように構成された第1および第2の電池端子と;第1および第2の端部と、内部に第1の成分を収容するように構成されたチャンバとを有する電池ケーシングと;チャンバにおける第1の成分と第2の成分との相互作用を可能にするための手段と;を含んでおり、第1の成分と第2の成分との相互作用に応答して、第1および第2の電池端子に電気的に連絡した負荷への電力の供給における電池の動作に適した電解質がチャンバ内にもたらされ、電解質は、崩壊剤型粒子である少なくともいくつかの粒子を含む、電池を提供する。
【0040】
好ましくは、第1の成分は、金属酸化物粉末を含むことができる。
【0041】
好ましくは、第1の成分は、粉末組成物を含むことができる。
【0042】
好ましくは、第1の成分は、圧縮された粉末組成物を含むことができる。
【0043】
好ましくは、圧縮された粉末組成物を、少なくとも1つの圧縮された粉末リングとして形成することができる。
【0044】
好ましくは、第2の成分は、水酸化カリウム溶液、塩化亜鉛溶液、および水のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0045】
好ましくは、本発明は、第1および第2の電池端子に電気的に連絡した負荷への電力の供給における電池の動作に適した電解質をチャンバ内にもたらすための第1の成分と第2の成分との相互作用を制限することができる第1の構成で、チャンバ内に配置された少なくとも1つのバリアを含むことができ、電池の一部分へと加えられる力に応答して、バリアを、第1の成分と第2の成分とが互いに相互作用して、負荷への電力の供給における電池の動作に適した電解質をチャンバ内にもたらすことができるように、第1の構成から第2の構成へと配置されるように構成することができる。
【0046】
好ましくは、チャンバは、第1および第2の成分をそれぞれ収容するように構成された第1および第2の区画を含むことができ、バリアは、第1および第2の区画を隔てる壁を含むことができる。
【0047】
好ましくは、バリアが第1の構成から第2の構成へと配置されるように構成されるように電池の一部分へと加えられる力は、
(a)電池ケーシングの第1の部分を電池ケーシングの第2の部分に対して回転させること、
(b)電池ケーシングの第1の部分を電池ケーシングの第2の部分に対してスライドさせること、
(c)電池ケーシングの一部分を圧迫すること、
(d)電池ケーシングの一部分を変形させること、
(e)電池ケーシングの一部分を押し込むこと、
(f)電池ケーシングを揺すること、
(g)電池ケーシングの第1の部分を電池ケーシングの第2の部分から遠ざかるように引っ張ること、および
(h)電池ケーシングを別の物体で叩くこと
のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0048】
好ましくは、本発明は、ケーシングの内面に隣接してチャンバ内に配置され、第1の電池端子に電気的に連絡するように構成された導電層と、チャンバ内に配置され、チャンバ内に設けられたときの電解質を導電層から電気的に隔てるように構成された透過性セパレータシートと、第2の電池端子に電気的に連絡するように構成された第1の端部、およびチャンバ内に設けられたときの電解質と接触するように構成された第2の端部を有する導電性ロッドと、を含むことができる。
【0049】
好ましくは、第1の電池端子および第2の電池端子を、それぞれケーシングの第1および第2の端部に配置することができる。
【0050】
好ましくは、本発明は、ケーシング内の空気をケーシングの外へと排出できるようにする少なくとも1つの空気出口チャネルを含むことができる。
【0051】
好ましくは、少なくとも1つの空気出口チャネルを、第1および第2の端部の少なくとも一方に配置することができる。
【0052】
好ましくは、空気出口チャネルは、約0.3mmの直径を含むことができる。
【0053】
好ましくは、本発明は、少なくとも1つの空気出口チャネルと協働することができる弁を含むことができ、この弁を、チャンバから空気が排出されるときにチャンバからの液体の排出を防止するように構成することができる。
【0054】
好ましくは、弁は、空気出口チャネルへの開口部を覆うようにケーシングの内面に配置された膜層を含むことができ、この膜層は、チャンバから空気が排出されるときにチャンバからの液体の排出を防止するように構成された構造を含むことができる。
【0055】
好ましくは、本発明は、電解質および導電層の少なくとも一方を第2の端部から離すように構成されたスペーサ要素を含むことができる。
【0056】
好ましくは、スペーサ要素は、Oリングを含むことができる。
【0057】
好ましくは、導電層は、ケーシングへと挿入されるように構成されてよい導電性ライニングを含むことができる。
【0058】
好ましくは、導電性ライニングは、導電性ライニングを通過する流体の連絡を可能にするためにライニングを貫いて延びる少なくとも1つの通路を含むことができる。
【0059】
好ましくは、少なくとも1つの通路は、細長いスロットを含むことができる。
【0060】
好ましくは、導電層は、亜鉛を含むことができる。
【0061】
好ましくは、導電層を、インジウムで処理することができる。
【0062】
好ましくは、ケーシングは、電気絶縁性材料を含むことができる。
【0063】
好ましくは、ケーシングは、ポリマー材料を含むことができる。
【0064】
好ましくは、ケーシングを、押出成形および射出成形の少なくとも一方によって形成することができる。
【0065】
好ましくは、本発明は、導電層と第1の電池端子との間の電気的連絡をもたらすように構成されたばね要素を含むことができる。
【0066】
好ましくは、ばね要素は、コイルばねを含むことができる。
【0067】
好ましくは、ケーシングの第1および第2の端部の少なくとも一方を、ケーシングに取り付けられた第1の位置およびケーシングから変位した第2の位置の少なくとも一方の間でケーシングに対して配置されるように構成することができる。
【0068】
好ましくは、本発明は、接続部材を含むことができ、第1および第2の端部の少なくとも一方がケーシングから変位するように第2の位置に配置されるとき、接続部材は、第1および第2の端部の少なくとも一方を電池に接続することができる。
【0069】
好ましくは、第1および第2の端部の少なくとも一方を第1の位置に配置できるとき、第1および第2の端部の少なくとも一方を、ケーシングに螺合させることができる。
【0070】
好ましくは、第1および第2の端部の少なくとも一方が第2の位置に配置されるとき、ケーシングの開口部を、開口部を介するチャンバへの第2の成分の進入を可能にするために開放することができる。
【0071】
好ましくは、第1および第2の端部の少なくとも一方が、ケーシングに超音波で溶接されてよい。
【0072】
別の広範な形態において、本発明は、上述した広い形態のいずれかによる電池が組み込まれた装置であって、電話、ファックス、電子メール、およびデジタル・データ・メッセージを送信および受信するためのハンドヘルドおよびモバイル電子デバイス、ハンドヘルドおよびモバイルコンピュータ、携帯情報端末、電話機、衛星携帯電話機、携帯電話機、テレビ電話機、カメラ、衛星および/または全地球測位システム(GPS)ナビゲーションシステム、緊急追跡ビーコン、電気式個人追跡デバイス、電気式サイレン、無線機、LED信号灯、レーザ信号灯、電気式信号灯、ならびに電気式水ろ過または浄化装置のうちの少なくとも1つを含む装置を提供する。
【0073】
本発明は、添付の図面に関連して説明される本発明の好ましい(ただし、これに限られるわけではない)実施形態の以下の詳細な説明から、さらに充分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】本発明の一実施形態による互いに共成形され、電池ケーシングに対する位置へと操作される共成形のカーボンロッドおよび第1の端部キャップを有している電池の製造における第1のステップの側面切断図を示している。
【
図2】本発明の一実施形態によるケーシング内に配置された付勢要素が示されている電池の製造における第2のステップの側面切断図を示している。
【
図3】本発明の一実施形態によるケーシング内に亜鉛管を挿入する電池の製造における第3のステップの側面切断図を示している。
【
図4】ケーシング内への挿入後の付勢部材に当接した亜鉛ライニングの側面切断図を示している。
【
図5】亜鉛ライニングをケーシング内へと挿入して付勢部材に当接させた状態で電池ケーシングへと挿入される透過性セパレータシートの側面切断図を示している。
【
図6】電解質紙内の入れ子位置に挿入中のスペーサ要素の側面切断図を示している。
【
図7】本発明の実施形態による電池の製造におけるさらなるステップの側面切断図を示している。
【
図8】本発明の実施形態による透過性セパレータシートの内側に入れ子状に挿入される電解質粉末リングの側面切断図を示している。
【
図9】本発明の実施形態による電解質を内部に保持すべく透過性セパレータシートを折り返す前のケーシング内に安全に配置されたすべての電解質粉末リングの側面切断図を示している。
【
図10】一実施形態による電解質を内部に保持すべく透過性セパレータシートがまさに折り返され始めたときのケーシング内に安全に配置されたすべての電解質粉末リングの側面切断図を示している。
【
図11】一実施形態による電解質を内部に保持すべく透過性セパレータシートが電解質粉末リングへと折り返された状態の電池の側面切断図を示している。
【
図12】本発明の一実施形態による折り返されたセパレータシートを保持するように電池ケーシングへと移動させられる過程における固定部材の側面切断図を示している。
【
図13】本発明の実施形態による電池ケーシング内の所定の位置にしっかりと配置された固定部材の側面切断図を示している。
【
図14】ケーシング内に安全に配置されたすべての電解質粉末リング、電解質を内部に保持すべく折り返された透過性セパレータ、および電池ケーシングに取り付けられるように配置された第2の端部キャップの側面切断図を示している。
【
図15】一実施形態による電池およびケーシングの開口部に対して閉鎖位置に配置された第2の端部キャップの側面切断図を示している。
【
図16】電池およびケーシングの開口部に対して開放位置に配置された第2の端部キャップの側面切断図を示している。固定部(110)の開口部に係合した導電ピン(113A)の形状構成ゆえに、第2の端部キャップを完全に取り外すことはできない。
【
図17】本発明の実施形態によるスペーサ要素のおかげで水が電池ケーシング内をどのように通過するかを示している。
【
図18】本発明の電池の実施形態のさらなる例示的な図を示している。
【
図19】本発明の実施形態による電池の部品の分解斜視図を示している。
【
図20】テーパ状のコイルばねを使用して第2の端部キャップ上の電池端子をケーシングチャンバ内の導電性ライニングに電気的に接続する別の実施形態の側面切断図を示している。
【
図21】第2の端部キャップをケーシングから取り外した状態のさらに別の実施形態の斜視図を示しており、1つの成分(例えば、水、KOH溶液、など)を放出可能に収容するための区画が、電池の一端に位置するように構成され、この成分を、ケーシングチャンバ内の別の成分と相互作用させ、負荷への給電における電池の動作に適した電解質をチャンバ内にもたらすために、区画からユーザによって制御可能に放出することができる。
【
図22】電池ケーシングの第1の端部からケーシングに沿って見た
図21の実施形態の図を示しており、ケーシングの第1の端部に第1の端部キャップを超音波溶接する前であり、電解質成分をケーシングチャンバへと挿入する前であり、ケーシングの第2の端部に第2の端部キャップを超音波溶接する前である。
【
図23】第2の端部キャップを電池ケーシングの第2の端部に組み付ける過程にある
図21の実施形態の図を示している。
【
図24】ケーシングチャンバに挿入され、花またはギヤ状の断面プロファイルを有する例示的な圧縮された粉末リングの上面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0075】
次に、添付の
図1~
図24を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。本明細書に記載の特定の例示的な実施形態は、選択的に密閉および開放することができるケーシングの第1の端部の開口部を介して液体が電池ケーシングチャンバへと進入することで活性化させることができる電池を含む。水は、チャンバに進入すると、チャンバ内の電解質粉末と接触して、電池の動作のために電解質を活性化する。本発明の実施形態は、AA型およびAAA型電池の標準的な形状および寸法に従うことができ、AA型およびAAA型電池に実質的に匹敵し得る性能出力を提供することができる。
【0076】
本明細書において、ポリマー材料という用語への言及は、例えば熱可塑性材料、熱硬化性材料、PE、PP、PVC、PVA、EVA、PEEL、PMMA、またはPIPEなど、任意のポリマー、モノポリマー、コポリマー、混合ポリマーブレンドを含むことができる。
【0077】
図19が、第1の実施形態の電池(10)の重要な特徴の分解図を示している一方で、
図1~
図17が、一実施形態によるそのような電池の形成における種々の段階を示している。最初に
図1を参照すると、電池の形成における第1のステップが示されており、開口した第1および第2の端部を有する電池ケーシング(100)が最初に用意される。ケーシング(100)は、好ましくはポリマー材料である電気絶縁性材料から形成される。ケーシング(100)を、好ましくは、押出成形または射出成形技術によって形成することができる。好都合なことに、押出ポリマー管は、比較的迅速かつ費用効率の高いやり方で形成することができ、AA型およびAAA型の標準サイズの電池の電池ケーシングとしての使用に適したサイズおよび寸法に切断することができる。
【0078】
中央に開口部が配置された第1の端部キャップ(102)を備える電池の第1の端部が用意される。カーボンロッド(101)の第1の端部が、第1の端部キャップ(102)の開口部を部分的に貫通して延び、ニッケルめっき真ちゅう端子(103)が、カーボンロッド(101)の第1の端部に取り付けられる。カーボンロッド(101)およびニッケルめっき真ちゅう端子(103)は、この実施形態においては任意の電気絶縁性ポリマー材料を含む第1の端部キャップ(102)と一緒に共成形される。
【0079】
第1の端部キャップ(102)は、ケーシング(100)の第1の端部の開口部を補うような形状および寸法とされる。電池の組み立て時に、第1の端部キャップ(102)は、第1の端部キャップ(102)の周縁部がケーシング(100)の第1の端部の開口部をきちんと覆うように、ケーシング(100)の第1の端部に接触するように移動させられる。次いで、第1の端部キャップ(102)は、例えば接着結合または超音波結合を含むことができる任意の適切な結合手段を使用してケーシング(100)の第1の端部に結合させられる。互いに接合されると、第1の端部キャップ(102)は、ケーシング(100)の第1の端部の開口部の周囲に水密シールを形成し、カーボンロッドは、ケーシング(100)の長さに実質的に沿ってケーシングチャンバ(100A)の内側に配置される。
【0080】
ここで
図2を参照すると、付勢部材(104)がケーシングチャンバ(100A)の内部に配置され、その目的は、以下でさらに説明される。この実施形態における付勢部材(104)は、ケーシング(100)の第2の端部の開口部を介してカーボンロッド(101)上をスライドできるように適切に形作られた開口部を中央に配置して有する円形のシリコーンパッドを含む。シリコーンパッドは、第1の端部の第1の端部キャップ(102)の内向きの表面に当接するまで、ケーシングチャンバ(100A)の内部をカーボンロッド(101)に沿ってスライドさせられる。別の実施形態において、付勢部材(104)は、例えばコイルばねまたは板ばね構造の形態をとってもよい。
【0081】
図3に示されるように、導電性ライニング(106)が、ケーシング(100)の第2の端部の開口部を介して、ケーシングチャンバ(100A)へと挿入される。導電性ライニング(106)は、管状の構成へと丸められた導電性金属シートを備えることができる。さらに、幅が約1.5~2.0mmの細長いスロットを含むことができる。導電性ライニング(106)を、摂氏105度のインジウム浴の溶液中で1~2分間処理することができる。あるいは、インジウム粒子を電池の電解質粉末に添加してもよい。この実施形態において、導電性ライニング(106)は亜鉛材料を含むが、別の実施形態においては、他の導電性材料を使用してもよい。この実施形態における導電性ライニング(106)は、カーボンロッド(100)をぴったりと挿入できるようなサイズおよび寸法とされた比較的小さい直径の開口部を備える第1の端部と、比較的大きい直径の開口部を備える第2の端部とを有する円筒形部分を含む。導電性ライニング(106)は、
図4に示されるように導電性ライニング(106)がシリコーンパッド(104)に当接するまで、
図3に示されるようにケーシングチャンバ(100A)内にスライドさせられる。導電性ライニング(106)の間のシリコーンパッド(104)の存在は、固定部材(110)および電池端子(113)に向かう方向の導電性ライニング(106)の付勢を助け、固定部材(110)および電池端子(113)との電気的連絡の維持を助ける。
【0082】
さらに、電池は、導電性ライニング(106)の内側に入れ子になるように構成された透過性セパレータシート(107)を含む。この実施形態において、透過性セパレータシート(107)は、導電性ライニング(106)の形状構成と同様の形状構成であり、カーボンロッド(100)をぴったりと挿入できるようなサイズおよび寸法とされた比較的小さい直径の開口部を備える第1の端部、および比較的大きい直径の開口部を備える第2の端部をやはり含む。透過性セパレータシート(107)は、円筒形に丸められ、
図6に示されるように透過性セパレータシート(107)の第1の端部に位置する透過性セパレータシート(107)の表面が導電性ライニング(106)の内壁に当接するまで、
図5に示されるようにケーシングチャンバ(100A)内へとスライドさせられる。ひとたび透過性セパレータシートが所定の位置に位置すると、
図8に示されるように、スペーサ要素(108)が、透過性セパレータシート(107)によって囲まれるようにケーシングチャンバ(100A)内に配置される。この実施形態におけるスペーサ要素(108)は、中央に開口部が配置されたディスク状の要素であり、開口部は、カーボンロッド(101)がぴったりとはまって貫通するようなサイズおよび寸法とされている。スペーサ要素(108)は、
図7に示されるように、透過性セパレータシート(107)の内向きの表面に当接するまで、カーボンロッド(101)に沿ってスライドさせられる。この実施形態において、スペーサ要素(108)はシリコーン材料で構成されるが、必ずしもシリコーンである必要はなく、図面に示されるように電解質粉末リングを導電性ライニング(106)の表面から離間させるうえで好適である限りにおいて、非ポリマー材料から構成されてもよい。
【0083】
電池(10)は、透過性セパレータシート(107)によって囲まれるようにケーシングチャンバ(100A)内へとスライドさせられる3つの圧縮された電解質粉末リング(109)を含む。圧縮された電解質パワーリング(109)の直径は、粉末リング(109)の周縁部と透過性セパレータシート(107)との間に適切なギャップを可能にするように形成され、これにより、圧縮された電解質粉末リング(109)が水に曝されたとき、ギャップを備えることによって粉末リング(109)の膨張を好都合に受け入れることができる。さらに、第1の圧縮された電解質粉末リングと透過性セパレータシート(107)との間に配置されたシリコーンスペーサ要素(108)は、ケーシングチャンバ(100A)内でより自由に循環することができる水の通過を可能にするのを助け、これによって電池性能を高めるのを助ける。
図17は、導電性亜鉛ライニング(106)の内側に入れ子にされることにより、圧縮された電解質粉末リングを亜鉛ライニングから離間させ、ケーシングチャンバ(100A)内で矢印の方向によって表される流路に沿って水を通すことができるようにするスペーサ要素(108)の拡大切断図を示している。
【0084】
圧縮された粉末リング(107)を含む電解質を、二酸化マンガン、酸化鉄、または結晶性酸化銀などの金属酸化物粉末から形成することができる。この実施形態において、電解質は、電解質の重量百分率で、おおむね3%の塩化アンモニウム粒子、16%の塩化亜鉛粒子、68%の二酸化マンガン粒子、12.4%のアセチレンカーボンブラック粒子、および0.6%の酸化亜鉛粒子を含む。粉末リングへと圧縮される前に、電解質粒子は、回転または遊星ボールミル、ならびにめのう(カーネリアン)などのセラミックボールを使用してボールミル粉砕される。試験において、体積500mlの実験用ボールミル粉砕機を、22.4mmの直径を有する重量110gのセラミックミリングボール、または10.0mmの直径を有する重量190gの小型のボールと共に使用した。やはり試験において、各々の場合に150gの電解質を粉砕した。電解質のボールミル粉砕を、はるかに大規模な生産に対応するように、工業規模に適切に拡大できることが理解されよう。ボールミル粉砕から得られた電解質粒子は、おおむね約0.2~0.8mmの範囲の直径、約1.71~1.75g/cm3の範囲の密度、および約3%以下の含水量を有する実質的に球形の構成を有する。本発明の実施形態は、水分によって電解質が意図せずに活性化するリスクを軽減するために、一般に「ドライルーム」と称される湿度制御された環境で組み立てられる。
【0085】
圧縮された粉末リング109がケーシングチャンバ(100A)内に入れ子にされると、透過性セパレータシート(107)は、
図10に示されるように電解質(109)を覆って内側に折り返される。
図12および
図13に示されるように、固定部材(110)が、透過性セパレータシート(107)の端部を折り返された位置に固定するように、ケーシング(100)内に配置されるように構成される。固定部材(110)は、ケーシング(100)の第2の端部の開口部に隣接してケーシング(100)に結合されるポリマー環状リング(114)の一部分と共成形される。ポリマー環状リング(114)の別の部分が、対応するねじ山付きのポリマーディスク部材(112)と螺合するように構成されたねじ山を含むことができる。ねじ山付きのポリマーディスク部材(112)は、ポリマー環状リング(114)に螺合によって着脱されて、ケーシング(100)の第2の端部に配置された開口部を選択的に密閉および開放することができ、第2の端部キャップ(112)として機能する。金属製の導電性端子(113)が、ねじ山付きのポリマーディスク部材(112)の中央に配置され、ポリマーディスク部材(112)からポリマー環状リングを通り、固定部材(110)に配置された開口部を通ってケーシングチャンバ(100A)の内部へと延びる導電性端子ピン(113A)を有する。この実施形態において、導電性端子ピン(113A)の先端部は、固定部材(110)の開口部を通って挿入することが可能であるが、その後に固定部材(110)の開口部から逆方向に引き戻すことは制限されるように、適切に成形される。このようにして、ケーシングチャンバ(100A)に水を進入させるために開口部を選択的に開放し、あるいはケーシングチャンバ(100A)から水が漏れることがないように開口部を選択的に密閉するために、ねじ弁型のアセンブリが、ケーシング(100)の第2の端部に好都合に形成される。ケーシング(100)の端部を密閉または開放するために完全に取り外し可能な端部キャップを使用することができる実施形態と比較して、この実施形態においては、密閉機構の取り外し可能な部分が存在しないため、端部キャップの意図せぬ誤配置のリスクが軽減される。当然ながら、特定の実施形態において、必要に応じて、密閉機構が、完全に取り外し可能な第2の端部キャップ(112)を含むことが可能である。さらに、上述の弁機構とは異なってよい任意の種類の弁機構が、ケーシング(100)の第2の端部に配置されてよい。さらに、第2の端部キャップ(112)は、ケーシング(100)の第2の端部と螺合するように構成される代わりに、バヨネット式の嵌合機構または任意の他の適切な機構によって接続されてもよい。
【0086】
金属製の導電性端子(113)および固定部材(110)は、どちらも導電性材料から形成されるため、導電性ライニング(106)を固定部材(110)へと押し付ける付勢部材(104)によって、両者は同時に導電性亜鉛ライニング(106)に電気的に連絡する。
【0087】
この実施形態において、第2の端部キャップ(112)をケーシング(100)の第2の端部に接続するステップは、以下のとおりである。電気絶縁性のポリマー環状リング(114)が、最初に、例えば超音波結合を使用してケーシングに結合される前に、導電性の固定部材(110)と共成形される。対応するねじ山付きのポリマーディスク部材(112)が、Oリング(111)および導電性端子/導電性ピン(113/113A)と共成形される。導電性端子ピンのピンヘッド(113A)が、固定部材(110)の開口部へと挿入され、ピンヘッド自体の形状が、開口部からのピンヘッドの引き抜きを防止し、あるいはピンヘッドを、開口部からの引き抜きを防止するために、挿入後に(例えば、ピンの先端部をTIG溶接し、もしくはピンの先端部を曲げることによって)さらに操作することができる。次いで、第2の端部キャップ(112)のアセンブリ全体が、ケーシングの端部を選択的に密閉および開放するために使用することができるねじ弁構成にてケーシング(100)の第2の端部に固定されるように、ポリマー環状リング(114)を超音波または接着によってケーシングに結合させることができる。開放時に、ケーシング(100)の第2の端部の開口部が露出し、ケーシングチャンバ(100A)へと水を進入させることができる。
【0088】
組み立てられた後の電池(10)の実施形態は、依然として未活性化状態であり、すなわち、ケーシング内の電解質は、電池端子に取り付けられた負荷に電力を供給する際の電池の動作に、まだ適していない。ケーシングの開放された第2の端部を介してケーシング(100)内に水が進入すると、水は透過性セパレータシート(107)に沿い、かつ透過性セパレータシート(107)を通って流れ、電解質粉末リング(109)に接触する。水がケーシング(100)内の電解質(109)に適切に接触すると、電解質(109)はイオン流をもたらすのに適したものになり、したがって導電性端子(103、113)間に導電性端子(103、113)に接続された負荷装置に電力を供給するための電位差が生じる。
【0089】
好都合なことに、本発明の電池の実施形態は、使用まで未活性化状態に保たれるがゆえに、このような電池の実施形態は、同様の使用を意図した従来からの市販の種類の電池と比べ、著しく長い保管期間を享受する。対照的に、従来型の電池は、電解質粉末混合物が製造時に活性化されているため、保管時にはるかに速く性能が低下する傾向にある。本明細書に記載の本発明の実施形態は、より長く保管できるため、緊急事態における使用にきわめて好適であり、そのような使用が意図される一方で、そのような電池の実施形態の実際の出力性能は、特定の従来からの電池について期待される出力と同等、またはそれを上回ることができる。
【0090】
やはり好都合なことに、スペーサ要素が、電池ケーシング内の水の通過の提供を助け、結果として得られる水の循環が、ケーシング内での水への電解質の曝露速度を高めることによって、電池性能を改善することができる。
【0091】
本発明の実施形態のまたさらなる利点は、電池端子ピン(113A)および固定部材(110)との直接的または間接的な電気的連絡の維持を助ける方向に導電性ライニング(106)を押し付けるシリコーンパッドなどの付勢部材(104)の使用を含むことができる。
【0092】
本発明の実施形態のまたさらなる利点は、ケーシング(100)の端部を超音波溶接によって迅速かつ容易に固定することができ、したがって接着剤結合の見苦しい性質ならびに接着剤結合に関連する不均一な密封が軽減されることである。
【0093】
本発明の実施形態に関連するまたさらなる利点は、押出ポリマー材料を使用することによってケーシング(100)の肉厚を比較的薄くすることができるため、ケーシング(100)内に収容することができる圧縮された粉末の量を増やすこともでき、したがって全体的な電池の出力性能が向上することである。さらに、押出ポリマー材料を電池ケーシング(100)として利用することにより、比較的肉厚の導電性ライニング(亜鉛シェルなど)を比較的安価に押し出し、電池の製造に使用するためのサイズに切断することができ、肉厚の導電性ライニング(106)はケーシング(100)内で真っ直ぐな状態を保つがゆえに、電池の製造時に電池ケーシングへとより容易かつより迅速に挿入することが可能である。対照的に、特定の先行技術の手法においては、ケーシング内で真っ直ぐな形状を保たない傾向にある比較的薄い導電性ライニングが使用される可能性があり、これにより、先行技術の電池の製造プロセスがさらに冗長になる。
【0094】
ここで
図20を参照すると、前述の電池の実施形態の変更版である別の実施形態(20)が示されている。この実施形態においては、上述の実施形態とは対照的に、電池端子(113)と導電性ライニング(120)との間の電気的連絡を提供するために、テーパ状の金属コイルばね(120)が利用される。具体的には、金属コイルばねの先細りの端部が、電池端子(113)に結合し、コイルばね(120)の反対側の「ベース」端が、固定部材(110)に結合し、固定部材は、導電性ライニング(106)に結合する。コイルばね(120)のベース端は、固定部材をケーシングチャンバ(100A)内に配置することによってコイルばね(120)をケーシングチャンバ(100A)内に確実に配置することができるように、固定部材(110)へと共成形される。
【0095】
図21~
図23に示されるような特定の実施形態においては、上述の実施形態とは対照的に、ケーシング(300)が、開放可能に密閉することができる第2の端部キャップを含まなくてもよく、代わりに、通常は使用時に(すなわち、第2の端部キャップの取り外しまたは他のやり方で)開放されることがないように構成された密封容器として製造されてよい。この代案の実施形態においては、水の供給源がチャンバ(300A)内の水密区画(310)の内部に収容され、したがって、ケーシング(300)を開放して外部の水の供給源を電解質粉末(図示せず)との相互作用のためにケーシングチャンバ(300A)へと導入できるようにする必要がない。水が、密閉されたケーシングチャンバ(300A)において電解質粉末から分離された水密区画(310)に留まるとき、電解質は「不活性」であり、すなわち電解質は、負荷に電力を供給するための電池(30)の動作に関して、適切に構成されていない。水密区画(310)は、特定の種類の力がケーシング(300)の外側領域に加えられたときに、チャンバ(300A)内の電解質が電池(30)に取り付けられた負荷に電力を供給するための電池(30)の動作に適するように、区画(310)に収容された水が放出されて圧縮された電解質粉末と接触するように適応するように構成される。例として、ケーシング(300)の外側領域に加えられる力の性質は、電池の第1の部分(330)を回転させることを含むことができ、これは、例えば、ケーシング(300)に対する電池(30)の端部キャップ(330)を含む。あるいは、加えられる力は、例えば、以下を含むことができる。
(a)電池ケーシングの第1の部分を電池ケーシングの第2の部分に対してスライドさせる、
(b)電池ケーシングの一部分を圧迫する、
(c)電池ケーシングの一部分を変形させる、
(d)電池ケーシングの一部分を押し込む、
(e)電池ケーシングを揺動させる、
(f)電池ケーシングの第1の部分を電池ケーシングの第2の部分から遠ざかるように引っ張る、または
(g)電池ケーシングを別の物体で叩く。
【0096】
区画は、ケーシングの第2の端部に隣接してケーシングチャンバ(100A)内に位置することができる。区画の壁(320)は、区画をチャンバ(100A)内の圧縮された電解質粉末から隔てる。壁(320)は、例えば、各々にほぼ同様のサイズおよび寸法の孔が配置された第1および第2の剛体平板ディスクを備えることができる。ディスクの平坦な表面は、互いに同一平面に位置しており、少なくとも、第1および第2のディスクの孔が整列せず、水が区画(310)から出てチャンバ(300A)内の電解質粉末と接触することを制限する第1の構成と、第1および第2のそれぞれのディスクの孔が互いに整列し、したがって区画(310)内の水が整列した孔を介して区画(310)から出てチャンバ(300A)内の電解質粉末と接触することができる第2の構成との間を、お互いに対して回転可能またはスライド可能に移動するように構成されてよい。この実施形態においては、電池(30)の端部(330)が第2のディスクに動作可能に結合させられ、したがって第2のディスクが、端部の回転につれて、区画(310)内の水を圧縮された電解質粉末を有するチャンバ(300A)へと放出できるように第1のディスクに対して異なる構成の間を回転する。この実施形態において、区画(310)が必ずしも水を収容する必要がないことに留意されたい。代わりに、任意の2つの成分が、チャンバ(300A)内で分離され、ユーザが制御する相互作用と併せて、電池端子に取り付けられた負荷へと電力を供給するための電池(30)の動作に適した電解質組成物をチャンバ(300A)内にもたらすように構成されてよい。例えば、圧縮された金属酸化物粉末をチャンバ(300A)内に配置することができる一方で、水酸化カリウム溶液、塩化亜鉛溶液、または水を、ユーザによる放出が容易に可能であるように、区画(310)内に当初は隔てて収容することができる。またさらに、特定の実施形態において、区画(310)は、ケーシング(300)の外側領域に力が加えられたときに穿刺または引き裂きによって破れることが可能であってよい密閉エンベロープの形態をとることができる。密閉容器を備えるケーシングを利用するこれらの実施形態などの実施形態が、特にはこのような電池が自然災害などの緊急事態において使用される場合に、さまざまな利点を提供することが理解されよう。第1に、ユーザが、電池を動作させるべく圧縮された電解質粉末を活性化させるために、電池を満たすための外部の水の供給源を見つける必要がない。第2に、ユーザは、ケーシングチャンバ(300A)を水で満たすために、電池ケーシングをまったく開放する必要がない。これらの2つのステップのいずれか1つを排除することにより、例えば救援者の注意を引くために救命ボート上で信号フレアを作動させる場合などの緊急事態において、危機的瞬間を免れることができる。これは、ユーザが高ストレスの状況において外部の水の供給源で電池を満たそうとして電池を扱い損ねるリスクも回避する。代わりに、ユーザは、電池の一部分(330)をケーシング(300)に対して回転させるだけで、区画(310)内の水を放出して電池チャンバ(300A)内の圧縮された電解質粉末に接触させることができる。
【0097】
上述のいずれかの実施形態において、電解質粉末混合物の一部は、少なくとも何らかの崩壊剤型粒子を含んでもよい。崩壊剤型粒子は、水に触れたときに毛管作用および浸透ならびに膨潤によって電解質粉末混合物への水の吸収を促進するように構成される。例として、崩壊剤は、水中で自身の重量の最大200倍を吸収することができ、そのときに、崩壊剤が膨潤して膨張するにつれて電解質粉末をばらばらにすることができる電解質粉末混合物内に均一に分散させた適切なサイズおよび寸法のペレットを含むことができる。別の実施形態において、圧縮された電解質粉末リングを例えば以下の結果としてばらばらにすることができる任意の他の適切な崩壊型の粒子を利用することができる。
a)閉じ込められた空気を加熱することによって生じる膨張、
b)崩壊力、
c)圧縮された粉末リングの変形、
d)ガス状物質の放出、および/または
e)酵素作用によるトリガ。
【0098】
崩壊剤型粒子を圧縮された電解質粉末に取り入れることで、いくつかの利点がもたらされ、すなわち、(i)崩壊剤型粒子が水を吸収して膨張するとき、圧縮された電解質粉末リングにおいて多孔性が高まり、圧縮された電解質粉末リングへの液体の浸透が促進され、電解質のより迅速な活性化が可能になり、(ii)崩壊剤型粒子の膨潤および膨張が、電解質粉末をセパレータ紙に押し付け、したがって電気的接触が強化され、使用時の電池のアンペア数が改善され、(iii)電解質粉末中に崩壊剤型粒子が存在することで、水が電解質粉末へと適切に浸透できることが保証されるため、電解質粉末をより強く圧縮して、使用時の電池の全体的なアンペア数を改善することができ、(iv)内部の水の供給源が活性化前の電解質粉末とは別の電池チャンバ内の区画に放出可能に密封される実施形態においては、電解質粉末内の崩壊剤型粒子の改善された吸水能力ゆえに、破ることができる区画に比較的少量の水を格納するだけでよく、(v)崩壊剤型粒子の改善された吸水特性ゆえに、複数の圧縮された粉末リングの代わりに、単一の圧縮された粉末リングを形成して、ケーシングチャンバに挿入することができる。
【0099】
チャンバ(300A)内の水の流れをさらに促進するために、圧縮された電解質粉末リング309の断面形状プロファイルは、圧縮された粉末リングの長さに沿った水流チャネル(309A)を提供する
図24に示されるような花または円形ギヤ型の形状を備えることができる。
【0100】
特定の実施形態においては、電池ケーシング内の空気を電池ケーシングから排出できるように、少なくとも1つの空気出口チャネルがケーシング内に設けられる。これにより、電解質粉末の崩壊剤型粒子の膨張に起因するケーシングチャンバ(300A)内の過度の圧力上昇が軽減される。少なくとも1つの空気出口チャネルは、電池ケーシングの一方の端部に配置される。典型的には、約0.3mmの2つ~3つの空気出口チャネルを、電池ケーシングの第1および/または第2の端部に配置することができる。さらに、空気出口チャネルを覆うように、端部キャップの内向きの表面に膜層を配置することができる。膜は、空気の流れの通過を許すが、空気出口チャネルを介する電池からの液体の流出を防止する。またさらに、空気出口チャネルが配置された第1および/または第2の端部の外向きの表面にステッカーを配置することもできる。ステッカーは、電池が活性化されて使用されるまで、ケーシングからの空気の流出を防止する。特定の実施形態においては、導電性ライニングが、空気出口チャネルを介するチャンバ(300A)内からの空気の流出を改善するために、切り取られた約1.5~2.0mmの幅のいくつかの細長いスロットをさらに含むことができる。
【0101】
特定の実施形態において、上述の電池のいずれかを、例えば、電話、ファックス、電子メール、およびデジタル・データ・メッセージを送信および受信するためのハンドヘルドおよびモバイル電子デバイス、ハンドヘルドおよびモバイルコンピュータ、携帯情報端末、電話機、衛星携帯電話機、携帯電話機、テレビ電話機、カメラ、衛星および/または全地球測位システム(GPS)ナビゲーションシステム、緊急追跡ビーコン、電気式個人追跡デバイス、電気式サイレン、無線機、LED信号灯、レーザ信号灯、電気式信号灯、ならびに電気式水ろ過または浄化装置など、種々のさまざまな種類の装置に一体的に組み込むことができる。備えるそのような装置は、以下の理由で、自然災害の発生時などの緊急事態においてきわめて有用となり得る。
(a)電池を装置自体の一部として一体的に形成することによって、電池を装置に挿入するために必要な時間が軽減され、
(b)一体的に組み込まれた電池(したがって、装置)を、電池ケーシングチャンバ内の圧縮された電解質粉末混合物が崩壊剤型粒子を含む実施形態である場合に、より迅速に活性化させることができ、
(c)一体的に組み込まれた電池(したがって、装置)を、ケーシングチャンバ内の別の成分と相互作用して、装置への給電における電池の動作に好適なチャンバ内の電解質をもたらすように、ユーザによる制御が可能な放出のために(すなわち、第2の端部キャップを回転して)水、KOH、などの供給源を内部に収容している上述の実施形態のうちの1つである場合に、より迅速に活性化させることができ、
(d)一体的に組み込まれた電池(したがって、装置)は、装置に電力を供給するために電池端子からの有線のより信頼性の高い電気接続を提供する上で助けとなり得る。
【0102】
電池が装置に一体的に組み込まれる特定の実施形態において、装置は、液体が電池ケーシングから、あるいは電池ケーシングが外部の供給源からの液体で満たされる場合には外部の供給源から、装置の電子機器へと誤って漏れることを防止するために、適切な防水バリアを含むことができる。
【0103】
特定の実施形態においては、装置を複数の電池によって給電されるように構成されてよく、複数の電池のうちの一部は一体的に組み込まれてよく、一部はそのようでなくてよい。特定の装置を、上述の電池の実施形態を期限切れになると交換できるように、上述の電池の実施形態にモジュール式のやり方で電気的に結合するように構成することができる。
特定の実施形態において、電池は、電池の陰極および陽極要素が逆にされるというさらなる変更を伴って、上述のやり方および構成のいずれかにおいて説明されたとおりであってよい。
【0104】
さらに別の実施形態においては、一体的に形成されたスイッチを備える電池が提供され、このスイッチは、電池が電池の端子に結合した負荷装置に電力を供給するように動作することができない非活性化状態、および電池が負荷装置に電力を供給するように動作することができる活性化状態のうちの少なくとも一方の間をユーザによって制御されて動作するように構成される。典型的には、活性化状態と非活性化状態との間でスイッチを調整する能力は、電池の動作に適した電解質がチャンバ内にもたらされるように、第1および第2の成分がケーシングチャンバ内で互いに制御可能に相互作用する上述の実施形態における任意の機構によって具現化可能である。第1および第2の成分を分離するとき、スイッチは非活性化状態に配置される。第1および第2の成分をユーザによる制御によって相互作用させるとき、スイッチは活性化状態に調整される。さらに別の実施形態において、スイッチは、ユーザにとって電池を制御可能に活性化させることを可能にするために、純粋に機械的、電気的、または化学的な切り換え要素、あるいはこれらの任意の組み合わせを純粋に備えることができる。例えば、電池を、電池の外側部分に(例えば、端部を回転させ、あるいは押し込むことによって)力を加えることで、そのような力が機械的な切り換え要素の動きを生じさせて、負荷装置に電力を供給するための電池の動作に必要な電池内の電気的接続を達成できるように構成することができる。
【0105】
本明細書において説明した発明について、本発明の範囲から逸脱することなく、具体的に説明したもの以外の変形および修正を受け入れる余地があることを、当業者であれば理解できるであろう。当業者にとって明らかになるそのような変形および修正はすべて、本明細書において広く上述した本発明の精神および範囲に含まれるとみなされるべきである。本発明がすべてのそのような変形および修正を含むことを、理解すべきである。さらに、本発明は、本明細書において言及され、あるいは本明細書に示されたステップおよび特徴のすべてを、個別に、またはまとめて含み、それらのステップまたは特徴のうちの任意の2つ以上によるあらゆるすべての組み合わせを含む。
【0106】
本明細書において何らかの先行技術に言及したとしても、そのような言及は、その先行技術が共通の一般知識の一部を形成すると認めたものでも、いかなるかたちで示唆したものでもなく、そのように認めた、または示唆したと解釈されてはならない。