(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】キサントフィルとヒシ属植物の加工物を含有する組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/10 20160101AFI20240801BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240801BHJP
A61K 31/047 20060101ALI20240801BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20240801BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20240801BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
A23L33/10
A23L33/105
A61K31/047
A61K36/185
A61P27/02
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2022168792
(22)【出願日】2022-10-21
(62)【分割の表示】P 2021023833の分割
【原出願日】2016-11-11
【審査請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】P 2016021067
(32)【優先日】2016-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000177634
【氏名又は名称】参天製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】南里 友明
(72)【発明者】
【氏名】坂田 大志
(72)【発明者】
【氏名】堂田 敦義
(72)【発明者】
【氏名】長野 敬
【審査官】澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第97/048388(WO,A1)
【文献】特開平05-306214(JP,A)
【文献】特開2003-063976(JP,A)
【文献】特開2013-209363(JP,A)
【文献】特表2009-512626(JP,A)
【文献】特表2009-515821(JP,A)
【文献】特開2015-209420(JP,A)
【文献】特開2015-232025(JP,A)
【文献】国際公開第2011/089951(WO,A1)
【文献】特開2014-037399(JP,A)
【文献】特開2010-077123(JP,A)
【文献】大平 明弘 他,酸化ストレスと眼,日本眼科学会雑誌,2008年01月10日,Vol.112, No.3,pp.22-29
【文献】加治優一,平成16年度日本眼科学会学術奨励賞 受賞論文総説 角膜内皮細胞における蛋白糖化最終産物受容体の局在と役割,日本眼科学会誌,2005年11月10日,Vol. 109, No. 11,pp. 691-699
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 33/10
A61K 31/047
A61K 36/185
A61P 27/02
A61P 43/00
A23L 33/105
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルテイン及びヒシエキスを含有する眼の老化を予防又は改善するための組成物
であって、眼の老化が、紫外線又は糖尿病に起因するものである組成物(但し、加齢性黄斑変性の予防又は治療用の組成物を除く)。
【請求項2】
組成物が経口又は非経口用である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
組成物が飲食品又は医薬である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物がサプリメントである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
組成物がソフトカプセル、ハードカプセル、液剤、ゼリー、グミ、錠剤又は散剤である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1)キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する新規の組成物、2)ヒシ属植物の加工物を含有する新規の眼科用組成物、及び3)ルテイン又はその塩を含有する眼科用組成物の新規用途に関する。本発明の組成物は、視機能低下等の予防及び/又は改善並びに眼疾患等の予防及び/又は治療に使用できる。
【背景技術】
【0002】
パソコン、インターネット、スマートフォン等の普及に伴い、目の疲れ(眼疲労)やそれに伴う全身的な疲労(眼精疲労)を訴える人が増加している。また、老視、白内障、緑内障、加齢性黄斑変性、糖尿病網膜症等の、加齢や眼疾患に伴う視機能低下は、QOL(Quality of Life)を著しく低下させる原因となることから、深刻な社会問題となっている。そのため、目又は目に起因するトラブル(眼精疲労、眼の老化、それらに起因する各種疾患)を訴える人が年々増加しており、視機能を維持し、目又は目に起因するトラブルを予防又は改善するサプリメントや目又は目に起因するトラブルを治療する医薬のニーズも増大している。
【0003】
特に、老視は、加齢やパソコン、インターネット、スマートフォン等のITツールの長時間にわたる極度の使用等に伴う、水晶体の老化(水晶体の混濁(白濁)、硬化等)により、水晶体の弾性が失われる等して、目のピント調節機能がそこなわれ、目の疲れ、かすみ、肩こり等の自覚症状を伴う目又は目に起因する代表的なトラブルの一つである。
【0004】
キサントフィルは、カロテノイド由来の色素であり、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、メソゼアキサンチン等を含む化合物が知られている。また、これらキサントフィルは、ヒトの体内で生合成ができないので、ヒトはキサントフィルを食物等から摂取する必要がある。さらに、キサントフィルは、眼の調節機能障害や眼精疲労を改善することも知られている(特許文献1)。
【0005】
ルテインは、緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイドの一種であり、体内の主要なカロテノイドの一つである。ルテインは抗酸化作用を有するが、加齢や紫外線等により消費されるので、日々の食事やサンテルタックス(登録商標)20等のサプリメントを通して継続的に摂取する必要がある(非特許文献1)。さらに、体内のルテインが不足すると白内障、加齢黄斑変性、ドライアイといった様々な眼のトラブルを引き起こす可能性も指摘されている。
【0006】
アスタキサンチンは、サケ、イクラ、カニ、エビ、マダイ等に多く含まれるカロテノイドの一種である。アスタキサンチンは、ヘマトコッカス藻が生合成する色素であり、このアスタキサンチンも抗酸化作用を有する。また、アスタキサンチンは、眼精疲労、ブドウ膜炎等の眼炎症性の疾患の改善に有用であることが知られており、多数のサプリメントや化粧品に配合されている。
【0007】
ゼアキサンチンは、ルテインと同様にカロテノイドの一種であり、βカロテンに似た脂溶性の物質で、ルテインの構造異性体である。また、ゼアキサンチンはルテインと同様に黄斑に多く存在するという事から、ゼアキサンチンもルテインと同様に黄斑を保護する働きがあるといわれている。
【0008】
メソゼアキサンチンは、ルテインの代謝物質であり、ゼアキサンチンの立体異性体である。また、メソゼアキサンチンはゼアキサンチンと同様の働きがあるといわれている。
【0009】
ヒシ属植物の果皮を熱水抽出したヒシ属植物の抽出物、特にトウビシ抽出物は、ヒシエキスと呼ばれ糖化抑制作用を有することが知られている(特許文献2)。糖化作用により生じる終末糖化産物(AGEs:Advanced Glycation End-products)は、コラーゲン、エラスチン等の生体タンパク質の変性と機能低下を引き起こすことで、様々な老化現象や疾病の発現に関与することも知られている。この糖化作用を抑制することで、生体の老化、特に皮膚の老化の予防が期待されるため、トウビシ抽出物は化粧品等に配合されている。
【0010】
紫外線は波長が10~400nmの不可視光線の電磁波であり、その波長が280nm未満のものはUV-C、280~315nmのものはUV-B、315~400nmのものはUV-Aと呼ばれる。また、紫外線は殺菌消毒、体内でのビタミンDの合成、生体に対する血行、新陳代謝の促進等の有用な作用を有するが、一方でDNA損傷による皮膚がんの誘発、肌のシミの生成、各組織の老化の加速、眼障害等の原因となることも広く知られている。また、パソコン、インターネット、スマートフォン等のITツールからも紫外線が放射されることが知られている。
【0011】
しかしながら、キサントフィル又はその塩とヒシ属植物の加工物を組み合わせて使用すること、例えば、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物が、1)紫外線照射により誘発される角膜等の上皮細胞死を抑制すること、2)糖尿病モデルラットの水晶体の混濁(白濁)を抑制すること、3)糖尿病モデルラットの網膜の損傷を抑制又は改善すること、は知られていない。
【0012】
また、ヒシ属植物の加工物を単独で使用すること、例えば、ヒシ属植物の加工物を含有する組成物が、1)紫外線照射により誘発される角膜等の上皮細胞死を抑制すること、2)糖尿病モデルラットの水晶体の混濁(白濁)を抑制すること、3)糖尿病モデルラットの網膜の損傷を抑制又は改善すること、も知られていない。
【0013】
さらに、ルテイン又はその塩を単独で使用すること、ルテイン又はその塩を含有する組成物が、紫外線照射により誘発される角膜等の上皮細胞死を抑制することは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】特開2008-297222
【文献】特開2014-94964
【非特許文献】
【0015】
【文献】Sawa M, Gomi F, Hara C, Nishida K. Effects of a lutein supplement on the plasma lutein concentration and macular pigment in patients with central serous chorioretinopathy. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2014 Jul 29;55(8):5238-44. doi: 10.1167/iovs.14-14470.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、1)キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する新規の組成物及びその眼科用途、2)ヒシ属植物の加工物を含有する新規の眼科用組成物、並びに3)ルテイン又はその塩を含有する眼科用組成物の新規用途を提供することである。
【0017】
本発明者らは、ルテイン及びヒシエキスの組み合わせ、ヒシエキス単独、又はルテイン単独を使用することによって、角膜上皮細胞死を効果的に抑制すること、水晶体の白濁(混濁)を抑制すること、及び網膜の損傷を抑制または改善することを見出した。すなわち、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物の組み合わせ、ヒシ属植物の加工物、又はルテイン又はその塩が、眼を構成する角膜、水晶体、網膜等に作用して、視機能低下及びそれに伴う自覚症状の予防、治療又は改善することを見出だして、本発明を完成させた。
【0018】
すなわち、本発明は、以下に関する。
項1-1.キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物。
項1-2.キサントフィルがルテイン、アスタキサンチン、β-クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、メソゼアキサンチン、カンタキサンチン、カプサンチン及びフコキサンチンからなる群より選択される少なくとも一つである、項1-1に記載の組成物。
項1-3.キサントフィルがルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン及びメソゼアキサンチンからなる群より選択される少なくとも一つである、項1-1又は1-2に記載の組成物。
項1-4.ヒシ属植物の加工物がツノナシビシ、ヒメビシ、ヒシ、トウビシ、トラパ・ナタンス、オニビシからなる群より選択される少なくとも一つのヒシ属植物の加工物である、項1-1~1-3のいずれか一項に記載の組成物。
項1-5.ヒシ属植物の加工物がヒシ属植物の果皮の粉砕物又は抽出物である、項1-1~1-4のいずれか一項に記載の組成物。
項1-6.ヒシ属植物の加工物がヒシ属植物の加工物の総重量に対して、ポリフェノールを0.1~80重量%で含有する、項1-1~1-5のいずれか一項に記載の組成物。
項1-7.ルテイン又はその塩とトウビシの加工物を含有する組成物。
項1-8.トウビシの加工物がトウビシの果皮の粉砕物及び/又は抽出物である、項1-7に記載の組成物。
項1-9.トウビシの加工物がトウビシの加工物の総重量に対して、ポリフェノールを0.1~80重量%で含有する、項1-7又は1-8に記載の組成物。
項1-10.組成物が経口又は非経口用である、項1-1~1-9のいずれか一項に記載の組成物。
項1-11.組成物が飲食品又は医薬用である、項1-1~1-10のいずれか一項に記載の組成物。
項1-12.組成物がサプリメント用である、項1-1~1-11のいずれか一項に記載の組成物。
項1-13.組成物が眼科用である、項1-1~1-12のいずれか一項に記載の組成物。
項1-14.組成物がソフトカプセル、ハードカプセル、液剤、ゼリー、グミ、錠剤又は散剤である、項1-1~1-13のいずれか一項に記載の組成物。
項1-15.視機能低下及びそれに伴う自覚症状の予防及び/又は改善のための、項1-1~1-14のいずれか一項に記載の組成物。
項1-16.視機能低下が眼の疲労、眼の老化又は眼のピント調節機能の低下である、項1-15に記載の組成物。
項1-17.視機能低下が加齢、紫外線、血行不良、乾燥、活性酸素及び/又は炎症により誘発される視機能低下である、項1-15又は1-16に記載の組成物。
項1-18.自覚症状が肩、首筋、背中又は腰のこりである、項1-15に記載の組成物。
項1-19.眼疾患の予防及び/又は治療のための、項1-1~1-14に記載の組成物。
項1-20.眼疾患が加齢、紫外線、血行不良、乾燥、活性酸素及び/又は炎症により誘発される眼疾患である、項1-19に記載の組成物。
項1-21.眼疾患が眼精疲労、白内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜色素変性症、中心性漿液性脈絡網膜症、緑内障、ブドウ膜炎、老視、近視、ドライアイ、翼状片及び炎症性眼疾患からなる群より選択される、項1-19又は1-20に記載の組成物。
項1-22.角膜障害の予防、改善及び/又は治療のための、項1-1~1-14のいずれか一項に記載の組成物。
項1-23.角膜障害が紫外線により誘発される角膜障害である項1-22に記載の組成物。
項1-24.水晶体変性の予防、改善及び/又は治療のための、項1-1~1-14のいずれか一項に記載の組成物。
項1-25.水晶体変性が水晶体の混濁又は硬化である項1-24に記載の組成物。
項1-26.眼調節機能の低下の予防、改善及び/又は治療のための、項1-1~1-14のいずれか一項に記載の組成物。
項1-27.眼調節機能がピント調節機能である、項1-26に記載の組成物。
項1-28.網脈絡膜障害の予防、改善及び/又は治療のための、項1-1~1-14のいずれか一項に記載の組成物。
項1-29.網脈絡膜障害が網膜の損傷である、項1-28に記載の組成物。
項1-30.キサントフィル又はその塩とヒシ属植物の加工物とを組み合わせることを特徴とする視機能低下及びそれに伴う自覚症状の予防及び/又は改善剤。
項1-31.キサントフィル又はその塩とヒシ属植物の加工物とを組み合わせることを特徴とする眼疾患の予防及び/又は治療剤。
項1-32.キサントフィル又はその塩とヒシ属植物の加工物とを組み合わせることを特徴とする角膜障害の予防、改善及び/又は治療剤。
項 1-33.角膜障害が紫外線により誘発される角膜損傷である項1-32に記載の組成物。
項1-34.キサントフィル又はその塩とヒシ属植物の加工物とを組み合わせることを特徴とする水晶体変性の予防、改善及び/又は治療剤。
項1-35.水晶体変性が水晶体の混濁又は硬化である項1-34に記載の予防、改善及び/又は治療剤。
項1-36.キサントフィル又はその塩とヒシ属植物の加工物とを組み合わせることを特徴とする眼調節機能の低下の予防、改善及び/又は治療剤。
項1-37.眼調節機能がピント調節機能である項1-36に記載の予防、改善及び/又は治療剤。
項1-38.キサントフィル又はその塩とヒシ属植物の加工物とを組み合わせることを特徴とする網膜障害の予防、改善及び/又は治療剤。
項1-39.網膜障害が網膜の損傷である、項1-38に記載の予防、改善及び/又は治療剤。
なお、項1-1~1-39を適宜選択して、組み合わせた発明も本発明の範囲である。
【0019】
また、本発明は、以下に関する。
項1-40.キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物であって、視機能低下及びそれに伴う自覚症状の予防及び/又は改善のための該組成物の使用。
項1-41.視機能低下及びそれに伴う自覚症状の予防、改善及び/又は治療の方法であって、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物の有効量を投与することを含む方法。
項1-42.キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物であって、眼疾患の予防及び/又は治療のための該組成物の使用。
項1-43.眼疾患の予防、改善及び/又は治療の方法であって、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物の有効量を投与することを含む方法。
項1-44.キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有するメイラード反応抑制剤。
項1-45.キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する抗酸化剤。
項1-46.キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する活性酸素消去剤。
項1-47.キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する光毒性抑制剤。
項1-48.光が紫外線である項1-47に記載の光毒性抑制剤。
項1-49.キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する上皮細胞死抑制剤。
項1-50.上皮細胞が角膜上皮細胞である項1-49に記載の上皮細胞死抑制剤。
項1-51.キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する水晶体変性抑制剤。
項1-52.水晶体変性が水晶体の混濁又は硬化である項1-51に記載の水晶体変性抑制剤。
項1-53.キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する老化防止剤。
項1-54.キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する炎症改善剤。
項1-55.キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する網脈絡膜の損傷抑制剤。
項1-56.網脈絡膜が網膜である項1-55に記載の網脈絡膜の損傷抑制剤。
なお、項1-1~1-56を適宜選択して、組み合わせた発明も本発明の範囲である。
【0020】
また、本発明の別の態様は、以下に関する。
項2-1.ヒシ属植物の加工物を含有する眼科用組成物。
項2-2.ヒシ属植物の加工物がツノナシビシ、ヒシ、トウビシ、トラパ・ナタンス及びオニビシからなる群より選択される少なくとも一つのヒシ属植物の加工物である、項2-1に記載の眼科用組成物。
項2-3.ヒシ属植物の加工物がヒシ属植物の果皮の粉砕物又は抽出物である、項2-1又は2-2のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
項2-4.ヒシ属植物の加工物がヒシ属植物の加工物の総重量に対して、ポリフェノールを0.1~80重量%で含有する、項2-1~2-3のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
項2-5.トウビシの加工物を含有する眼科用組成物。
項2-6.トウビシの加工物がトウビシの果皮の粉砕物及び/又は抽出物である、項2-5に記載の眼科用組成物。
項2-7.トウビシの加工物がトウビシの加工物の総重量に対して、ポリフェノールを0.1~80重量%で含有する、項2-5又は2-6に記載の眼科用組成物。
項2-8.眼科用組成物が経口又は非経口用である、項2-1~2-7のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
項2-9.眼科用組成物が飲食品又は医薬用である、項2-1~2-8のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
項2-10.眼科用組成物がサプリメント用である、項2-1~2-9のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
項2-11.眼科用組成物がソフトカプセル、ハードカプセル、液剤、ゼリー、グミ、錠剤又は散剤である、項2-1~2-10のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
項2-12.視機能低下及びそれに伴う自覚症状の予防及び/又は改善のための、項2-1~2-11のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
項2-13.視機能低下が眼の疲労、眼の老化又は眼のピント調節機能の低下である、項2-12に記載の組成物。
項2-14.視機能低下が加齢、紫外線、血行不良、乾燥、活性酸素及び/又は炎症により誘発される視機能低下である、項2-12又は2-13に記載の組成物。
項2-15.自覚症状が肩、首筋、背中又は腰のこりである、項2-12に記載の組成物。
項2-16.眼疾患の予防及び/又は治療のための、項2-1~項2-11に記載の眼科用組成物。
項2-17.眼疾患が加齢、紫外線、血行不良、乾燥、活性酸素及び/又は炎症により誘発される、項2-16に記載の眼科用組成物。
項2-18.眼疾患が、眼精疲労、白内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜色素変性症、中心性漿液性脈絡網膜症、緑内障、ブドウ膜炎、老視、近視、ドライアイ、翼状片及び炎症性眼疾患からなる群より選択される、項2-16又は2-17に記載の眼科用組成物。
項2-19.角膜障害の予防、改善及び/又は治療のための、項2-1~2-11のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
項2-20.角膜障害が紫外線により誘発される角膜障害である項2-19に記載の眼科用組成物。
項2-21.水晶体変性の予防、改善及び/又は治療のための、項2-1~2-10のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
項2-22.水晶体変性が水晶体の混濁又は硬化である項2-21に記載の眼科用組成物。
項2-23.眼調節機能低下の予防、改善及び/又は治療のための、項2-1~2-11のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
項2-24.眼調節機能がピント調節機能である、項2-23に記載の眼科用組成物。
項2-25.網脈絡膜障害の予防、改善及び/又は治療のための、項2-1~2-11のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
項2-26.網脈絡膜障害が網膜の損傷である、項2-25に記載の眼科用組成物。
項2-27.ヒシ属植物の加工物を含有する視機能低下及びそれに伴う自覚症状の予防及び/又は改善剤。
項2-28.ヒシ属植物の加工物を含有する眼疾患の予防及び/又は治療剤。
項2-29.ヒシ属植物の加工物を含有する角膜障害の予防、改善及び/又は治療剤。
項2-30.角膜障害が紫外線により誘発される角膜障害である項2-29に記載の予防、改善及び/又は治療剤。
項2-31.ヒシ属植物の加工物を含有する水晶体変性の予防、改善及び/又は治療剤。
項2-32.水晶体変性が水晶体の混濁又は硬化である項2-31に記載の予防、改善及び/又は治療剤。
項2-33.ヒシ属植物の加工物を含有する眼調節機能の低下の予防、改善及び/又は治療剤。
項2-34.眼調節機能がピント調節機能である項2-33に記載の予防、改善及び/又は治療剤。
項2-35.ヒシ属植物の加工物を含有する網脈絡膜障害の予防、改善及び/又は治療剤。
項2-36.網脈絡膜障害が網膜の損傷である項2-35に記載の予防、改善及び/又は治療剤。
なお、項2-1~2-36を適宜選択して、組み合わせた発明も本発明の範囲である。
【0021】
また、本発明は、以下に関する。
項2-37.ヒシ属植物の加工物を含有する眼科用組成物であって、視機能低下及びそれに伴う自覚症状の予防及び/又は改善のための該組成物の使用。
項2-38.視機能低下及びそれに伴う自覚症状の予防、改善及び/又は治療の方法であって、ヒシ属植物の加工物の有効量を投与することを含む方法。
項2-39.ヒシ属植物の加工物を含有する眼科用組成物であって、眼疾患の予防及び/又は治療のための該組成物の使用。
項2-40.眼疾患の予防、改善及び/又は治療の方法であって、ヒシ属植物の加工物の有効量を投与することを含む方法。
項2-41.ヒシ属植物の加工物を含有する眼におけるメイラード反応抑制剤。
項2-42.ヒシ属植物の加工物を含有する眼における抗酸化剤。
項2-43.ヒシ属植物の加工物を含有する眼における活性酸素消去剤。
項2-44.ヒシ属植物の加工物を含有する眼における光毒性抑制剤。
項2-45.光が紫外線である、項2-44に記載の光毒性抑制剤。
項2-46.ヒシ属植物の加工物を含有する上皮細胞死抑制剤。
項2-47.上皮細胞が角膜上皮細胞である項2-46に記載の上皮細胞死抑制剤。
項2-48.ヒシ属植物の加工物を含有する水晶体変性抑制剤。
項2-49.水晶体変性が水晶体の混濁又は硬化である、項2-48に記載の水晶体変性抑制剤。
項2-50.ヒシ属植物の加工物を含有する眼における老化防止剤。
項2-51.ヒシ属植物の加工物を含有する眼炎症改善剤。
項2-52.ヒシ属植物の加工物を含有する網脈絡膜の損傷抑制剤。
項2-53.網脈絡膜が網膜である項2-52に記載の網脈絡膜の損傷抑制剤。
なお、項2-1~2-53を適宜選択して、組み合わせた発明も本発明の範囲である。
【0022】
更に、本発明の別の態様は、以下に関する。
項3-1.ルテイン又はその塩を含有する角膜上皮細胞死抑制剤。
項3-2.紫外線により誘発される角膜上皮細胞死である、項3-1に記載の角膜上皮細胞死抑制剤。
項3-3.紫外線がUV-Bである、項3-1又は3-2に記載の角膜上皮細胞死抑制剤。
項3-4.ルテイン又はその塩を含有する眼科用組成物であって、紫外線により誘発される視機能低下及びそれに伴う自覚症状の予防及び/又は改善のための眼科用組成物。
項3-5.ルテイン又はその塩を含有する眼科用組成物であって、紫外線により誘発される眼疾患の予防及び/又は治療のための眼科用組成物。
項3-6.ルテイン又はその塩を含有する眼科用組成物であって、紫外線により誘発される角膜障害の予防及び/又は治療のための眼科用組成物。
項3-7.眼科用組成物が経口又は非経口用である、項3-4~3-6に記載の眼科用組成物。
項3-8.眼科用組成物が飲食品又は医薬用である、項3-4~3-7に記載の眼科用組成物。
項3-9.眼科用組成物がサプリメント用である、項3-4~3-8のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
項3-10.眼科用組成物がソフトカプセル、ハードカプセル、液剤、ゼリー、グミ、錠剤又は散剤である、項3-4~3-9のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
項3-11.視機能低下が眼の疲労、眼の老化、又は眼のピント調節機能の低下である、項3-4に記載の眼科用組成物。
項3-12.自覚症状が肩、首筋、背中又は腰のこりである、項3-4に記載の眼科用組成物。
項3-13.眼疾患の予防及び/又は治療のための、項3-5に記載の眼科用組成物。
項3-14.眼疾患が、眼精疲労、白内障、加齢黄斑変性、ブドウ膜炎、老視、近視、ドライアイ、翼状片及び炎症性眼疾患からなる群より選択される、項3-5に記載の眼科用組成物。
項3-15.角膜障害が角膜上皮細胞障害である、項3-6に記載の眼科用組成物。
なお、項3-1~3-15を適宜選択して、組み合わせた発明も本発明の範囲である。
【0023】
項3-16.ルテイン又はその塩を含有する眼科用組成物であって、紫外線により誘発される視機能低下及びそれに伴う自覚症状の予防及び/又は改善のための該組成物の使用。
項3-17.紫外線により誘発される視機能低下及びそれに伴う自覚症状を予防及び/又は改善する方法であって、ルテイン又はその塩の有効量を投与することを含む方法。
項3-18.ルテイン又はその塩を含有する眼科用組成物であって、紫外線により誘発される眼疾患の予防及び/又は治療のための該組成物の使用。
項3-19.紫外線により誘発される眼疾患を予防及び/又は改善する方法であって、ルテイン又はその塩の有効量を投与することを含む方法。
なお、項3-1~3-19を適宜選択して、組み合わせた発明も本発明の範囲である。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物を提供する。また、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物の眼科用途、特に、視機能低下等の予防及び/又は改善並びに眼疾患等の予防及び/又は治療用途を提供する。
【0025】
キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物は、紫外線照射により誘発される角膜上皮細胞死を効果的に抑制することから、紫外線に起因する(紫外線によるDNA損傷に起因)視機能低下(眼の疲労、眼の老化等)およびそれに伴う自覚症状(肩、首筋、背中、腰等のこり)の予防及び/又は改善並びに眼疾患(眼精疲労、白内障、加齢黄斑変性、炎症性眼疾患、翼状片等)の予防又は治療、に有用であることが期待される。
同時に、紫外線に起因する生体細胞死を効果的に抑制することから、皮膚がんの誘発、肌のシミの生成、各組織の老化の加速等をも予防、改善及び/又は治療に有用であることも期待される。
【0026】
また、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物は、水晶体の白濁を効果的に抑制することから、水晶体の混濁(白濁)、すなわち、水晶体の変性に起因する視機能低下(眼の疲労、眼の老化、眼のピント調節機能の低下等)およびそれに伴う自覚症状(肩、首筋、背中、腰等のこり)の予防及び/又は改善並びに眼疾患(眼精疲労、白内障、老視等)の予防又は治療に有用であることが期待される。特に水晶体の変性は、眼のピント調節機能に大きく影響を与えるので、ピント調節機能に関する疾患である老視、近視等の予防、改善及び/又は治療に特に有効であることが期待される。
【0027】
さらに、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物は、網膜の損傷を効果的に抑制または改善することから、網脈絡膜の損傷を伴う視機能低下(眼の疲労、眼の老化等)およびそれに伴う自覚症状(肩、首筋、背中、腰等のこり)の予防及び/又は改善並びに眼疾患(眼精疲労、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜色素変性症、中心性漿液性脈絡網膜症、緑内障、ブドウ膜炎等の網脈絡膜疾患)の予防又は治療に有効であることが期待される。
【0028】
本発明は、ヒシ属植物の加工物を含有する眼科用組成物を提供する。また、ヒシ属植物の加工物を眼科用途、特に、視機能低下等の予防及び/又は改善並びに眼疾患等の予防及び/又は治療用途を提供する。
【0029】
ヒシ属植物の加工物を含有する組成物は、紫外線照射により誘発される角膜上皮細胞死を効果的に抑制することから、紫外線に起因する視機能低下(眼の疲労、眼の老化等)およびそれに伴う自覚症状(肩、首筋、背中、腰等のこり)の予防及び/又は改善並びに眼疾患(眼精疲労、白内障、加齢黄斑変性、炎症性眼疾患、翼状片等)の予防又は治療、に有用であることが期待される。
【0030】
また、ヒシ属植物の加工物を含有する組成物は、水晶体の白濁を効果的に抑制することから、水晶体の混濁(白濁)、すなわち、水晶体の変性に起因する視機能低下(眼の疲労、眼の老化、眼のピント調節機能の低下等)およびそれに伴う自覚症状(肩、首筋、背中、腰等のこり)の予防及び/又は改善並びに眼疾患(眼精疲労、白内障、老視等)の予防又は治療に有用であることが期待される。特に水晶体の変性は、眼のピント調節機能に大きく影響を与えるので、ピント調節機能に関する疾患である老視、近視等の予防、改善及び/又は治療に特に有効であることが期待される。
【0031】
さらに、ヒシ属植物の加工物を含有する組成物は、網膜の損傷を効果的に抑制または改善することから、網脈絡膜の損傷を伴う視機能低下(眼の疲労、眼の老化等)およびそれに伴う自覚症状(肩、首筋、背中、腰等のこり)の予防及び/又は改善並びに眼疾患(眼精疲労、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜色素変性症、中心性漿液性脈絡網膜症、緑内障、ブドウ膜炎等の網脈絡膜疾患)の予防又は治療に有効であることが期待される。
【0032】
本発明は、ルテイン又はその塩を含有する角膜上皮細胞死抑制剤を提供する。特に、紫外線により誘発される角膜上皮細胞死抑制剤を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】UV-B照射(120mJ/cm
2)前に、角膜上皮細胞をルテイン、ヒシエキスで処置した場合の角膜上皮細胞の細胞生存率を示すグラフである。
【
図2】水晶体の混濁(白濁)に対する効果を示すグラフである。
【
図3】網膜の損傷に対する効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、本発明について詳細に説明する。
【0035】
本発明の一態様は、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物である。
【0036】
本発明において、キサントフィルは、特に限定されない。キサントフィルの具体例として、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、メソゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン、ツナキサンチン、サルモキサンチン、パラシロキサンチン、ビオラキサンチン、アンテラキサンチン、ククルビタキサンチン、ディアトキサンチン、アロキサンチン、ペクテノール、ペクテノロン、マクトラキサンチン、カプサンチン、カプサンチノール、フコキサンチン、フコキサンチノール、ペリジニン、ハロシンチアキサンチン、アマロウシアキサンチン、カンタキサンチン、エキネノン、ロドキサンチン、ビキシン、ノルビキシン等が挙げられる。好ましくは、ルテイン、アスタキサンチン、β-クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、メソゼアキサンチン、カンタキサンチン、カプサンチン又はフコキサンチンが挙げられ、特に好ましくは、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン又はメソゼアキサンチンが挙げられる。また、前記キサントフィルは、植物、動物、微生物等の天然物由来のもの(例えば、マリーゴールド、ホウレンソウ、ケール等の植物、動物脂肪、卵黄、黄体、甲殻類の殻、甲殻類の殻を餌とするマダイの体表、サケ科魚類の筋肉の赤色部分、目の網膜、黄斑等から得られるもの)であってもよく、化学的に合成されたもの(一般的な合成方法で製造されたもの)であってもよい。さらに、天然物由来のものは、その原料の種類、産地、製造方法等により、特に限定されない。
【0037】
本発明において、ルテインは、(3R,3’R,6’R)-β,ε-カロテン-3,3’-ジオール:
【化1】
あり、その立体異性体、並びにそれらのモノエステル体及び/又はジエステル体を含む。
【0038】
本発明において、アスタキサンチンは、(3S,3’S)-3,3’-ジヒドロキシ-β,β-カロテン-4,4’-ジオン:
【化2】
であり、その立体異性体、並びにそれらのモノエステル体及び/又はジエステル体を含む。
【0039】
本発明において、β-クリプトキサンチンは、(3R)-β,β-カロテン-3-オール:
【化3】
であり、その立体異性体、並びにそれらのモノエステル体及び/又はジエステル体を含む。
【0040】
本発明において、ゼアキサンチンは、(3R,3’R)-β,β-カロテン-3,3’-ジオール:
【化4】
であり、その立体異性体、並びにそれらのモノエステル体及び/又はジエステル体を含む。
【0041】
本発明において、メソゼアキサンチンは、(3R,3’S)-β,β-カロテン-3,3’-ジオール:
【化5】
あり、その立体異性体、並びにそれらのモノエステル体及び/又はジエステル体を含む。
【0042】
本発明において、カンタキサンチンは、β,β-カロテン-4,4’-ジオン:
【化6】
であり、その立体異性体、並びにそれらのモノエステル体及び/又はジエステル体を含む。
【0043】
本発明において、カプサンチンは、(3R,3’S)-3,3’-ジヒドロキシ-β,κ-カロテン-6’-オン:
【化7】
であり、その立体異性体、並びにそれらのモノエステル体及び/又はジエステル体を含む。
【0044】
本発明において、フコキサンチンは、(3S,3′S,5R,5′R,6S,6′R)‐3′‐アセトキシ‐6′,7′‐ジデヒドロ‐5,6‐エポキシ‐5,5′,6,6′,7,8‐ヘキサヒドロ‐3,5′‐ジヒドロキシ‐8‐オキソ‐β,β‐カロテン:
【化8】
であり、その立体異性体、並びにそれらのモノエステル体及び/又はジエステル体を含む。
【0045】
本発明において、キサントフィルは、特に記載がない限り、キサントフィル及び/又はそのエステル体を含む。更に、キサントフィルのエステルは、モノエステル体及び/又はジエステル体を含む。
【0046】
本発明において、キサントフィルのモノエステル体として、例えば、低級若しくは高級飽和脂肪酸又は低級若しくは高級不飽和脂肪酸によりエステル化されたエステル類をあげることができる。前記低級若しくは高級飽和脂肪酸又は低級若しくは高級不飽和脂肪酸の具体例として、例えば、酢酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、カプリル酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、へブタデカン酸、エライジン酸、リシノール酸、ベトロセリン酸、バクセン酸、エレオステアリン酸、プニシン酸、リカン酸、パリナリン酸、ガドール酸、5-エイコセン酸、5-ドコセン酸、セトール酸、エルシン酸、5,13-ドコサジエン酸、セラコール酸、デセン酸、ドデセン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エイコサオペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等が挙げられる。
【0047】
本発明において、更なる、キサントフィルのモノエステル体として、例えば、グリシン、アラニン等のアミノ酸;酢酸、クエン酸等の一価又は多価カルボン酸;リン酸、硫酸等の無機酸;グルコシド等の糖;グリセロ糖脂肪酸、スフィンゴ糖脂肪酸等の糖脂肪酸;グリセロ脂肪酸等の脂肪酸;グリセロリン酸等によりエステル化されたモノエステル体が挙げられる。なお、前記モノエステル体として塩が想定されうる場合は前記モノエステル体の塩も含む。ここで、脂肪酸の誘導体としては、前記脂肪酸のリン脂質型、アルコール型、エーテル型、ショ糖エステル型、ポリグリセリンエステル型等が挙げられる。
【0048】
本発明において、キサントフィルのジエステル体として、例えば、前記低級飽和脂肪酸、高級飽和脂肪酸、低級不飽和脂肪酸、高級不飽和脂肪酸、アミノ酸、一価又は多価カルボン酸、無機酸、糖、糖脂肪酸、脂肪酸及びグリセロリン酸からなる群から選択される同一又は異種の酸によりエステル化されたジエステル体が挙げられる。なお、前記ジエステル体として塩が想定されうる場合は前記ジエステル体の塩も含む。ここで、グリセロリン酸のジエステルとしては、グリセロリン酸の飽和脂肪酸エステル類又は高級不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸又は飽和脂肪酸から選択される脂肪酸類を含有するグリセロリン酸エステル類等が挙げられる。
【0049】
本発明において、キサントフィルの塩は、生理学的又は医薬的に許容される塩であれば特に限定されない。例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩;酢酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、グルコン酸、グルコヘプト酸、グルクロン酸、テレフタル酸、メタンスルホン酸、乳酸、馬尿酸、1,2-エタンジスルホン酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、オレイン酸、パモ酸、ポリガラクツロン酸、ステアリン酸、タンニン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、硫酸ラウリルエステル、硫酸メチル、ナフタレンスルホン酸、スルホサリチル酸等の有機酸との塩;臭化メチル、ヨウ化メチル等との四級アンモニウム塩;臭素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオンとの塩;リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩;鉄、亜鉛等との金属塩;アンモニアとの塩;トリエチレンジアミン、2-アミノエタノール、2,2-イミノビス(エタノール)、1-デオキシ-1-(メチルアミノ)-2-D-ソルビトール、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、プロカイン、N,N-ビス(フェニルメチル)-1,2-エタンジアミン等の有機アミンとの塩等が挙げられる。
【0050】
本発明において、キサントフィル又はその塩は、本発明の組成物の総量に対して、その下限は0.1重量%、好ましくは0.5重量%、より好ましくは1重量%、更に好ましくは1.5重量%であり、特に好ましくは2重量%である。また、その上限は90重量%、好ましくは80重量%、より好ましくは70重量%、更に好ましくは60重量%、特に好ましくは50重量%である。さらに、それらの上限と下限は適宜組み合わせて使用することができる。より具体的には、例えば、0.1~90重量%、好ましくは0.5~80重量%、より好ましくは0.1~70重量%、更に好ましくは1.5~60重量%、特に好ましくは2~50重量%で使用することができる。
【0051】
本発明において、ヒシ属(Trapa)植物は、特に限定されない。ヒシ属(Trapa)植物の具体例として、ツノナシビシ(Trapa acornis Nakano)、ヒメビシ(Trapa incisa Sieb. et Zuc.)、ヒシ(Trapa japonica Flerov)、トウビシ(Trapa bispinosa Roxb.)、トラパ・ナタンス(Trapa natans L.)、オニビシ(Trapa natans L.var.japonica Nakai)等が挙げられ、好ましくは、ヒシ(Trapa japonica Flerov)、トウビシ(Trapa bispinosa Roxb.)、オニビシ(Trapa natans L.var.japonica Nakai)が挙げられ、特に好ましくは、トウビシ(Trapa bispinosa Roxb.)が挙げられる。
【0052】
本発明において、ヒシ属植物の加工物は、前記ヒシ属植物の全体又は各部位から調製・製造できる。各部位としては、例えば、花、花穂、果皮、果実、果肉、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、根、種子、虫えい、心材、地上部、又は地下部が挙げられ、特に果皮が好ましい。また、ヒシ属植物の加工物の調製・製造方法は、特に限定されず、例えば、通常用いられる方法により調製・製造することができる。
【0053】
本発明において、ヒシ属植物の加工物の総重量に対するポリフェノールの含量の下限は、0.1重量%、好ましくは5重量%、特に好ましくは10重量%である。また、その上限は80重量%、好ましくは70重量%、特に好ましくは60重量%である。さらに、それらの上限と下限は適宜組み合わせて使用することができる。より具体的には、ヒシ属植物の加工物の総重量に対するポリフェノールの含量は、0.1~80重量%、好ましくは5~70重量%、特に好ましくは10~60重量%である。また、ポリフェノール含量は、例えば、FOLIN-CIOCALTEU法等により測定することができる。
【0054】
本発明において、ヒシ属植物の加工物は、例えば、前記ヒシ属植物の粉砕物、抽出物及それら乾燥物である。ヒシ属植物の粉砕物、抽出物及びそれら乾燥物は、例えば、ヒシ属植物の根、茎、葉、花蕾、花、樹皮、果実(種子)、果皮等の各部位をそのまま又は適当な大きさに切断、粉砕、搾汁、溶媒抽出等により、また、場合によりそれらを乾燥させることで調製・製造できる。さらに、1種類以上のヒシ属植物の各部位を混合して調製・製造することもできる。
【0055】
本発明において、ヒシ属植物の抽出物の調製・製造には、抽出溶媒として、例えば、水、有機溶媒又はそれらの混合溶媒を使用できる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等の低級アルコール、クロロホルム、酢酸エチル、n-ヘキサン等が挙げられ、好ましくは、メタノール、エタノールが挙げられる。また、これらの有機溶媒の二種以上混合して使用することもできる。
【0056】
本発明において、抽出溶媒の使用量は、ヒシ属植物の種類や部位、抽出溶媒の種類等により適宜選択できる。ヒシ属植物と抽出溶媒との重量比は、例えば、1:2~1:30、好ましくは、1:3~1:20、特に好ましくは、1:5~1:10である。また、抽出時間は、例えば、数分~30日、好ましくは1時間~15日である。抽出温度は、例えば、5~100℃である。抽出方法は特に制限されず、例えば、バッチ抽出、カラム抽出を用いた連続抽出等、任意の方法を適用することができる。
【0057】
本発明において、得られるヒシ属植物の抽出物は、そのままの状態で用いることができる。また、必要に応じて、更に精製処理を加えることもできる。この精製処理は、通常の方法により行えばよく、例えば、ヒシ属植物の抽出物を常法によりろ過することで精製することができる。その後、得られたろ液を減圧濃縮、凍結乾燥等して、本発明に関するヒシ属植物の抽出物とすることもできる。
【0058】
本発明において、ヒシ属植物の加工物として、例えば、ヒシ属植物の果皮の抽出物又はその乾燥物を使用することができる。ヒシ属植物の果皮の抽出物又はその乾燥物は、例えば、ヒシ属植物の果皮を水やメタノール、エタノール等の低級アルコールで抽出し、ろ過、濃縮し、場合により賦形剤等を加えて、乾燥することにより、調製・製造することができる。
【0059】
本発明において、ヒシ属植物の加工物として、特に好ましいものは、トウビシの加工物であるヒシエキスである。
【0060】
本発明において、ヒシ属植物の果皮の抽出物の総重量に対するポリフェノールの含量の下限は、0.1重量%、好ましくは1重量%、より好ましくは5重量%、更に好ましくは10重量%、特に20重量%である。また、その上限は90重量%、好ましくは80重量%、より好ましくは70重量%、更に好ましくは65重量%、特に好ましくは60重量%である。さらに、それらの上限と下限は適宜組み合わせて使用することができる。より具体的には、ヒシ属植物の果皮の抽出物の総重量に対するポリフェノールの含量は、0.1~90重量%、好ましくは1~80重量%、より好ましくは5~70重量%、更に好ましくは10~65重量%、特に好ましくは20~60重量%である。
【0061】
本発明において、ヒシ属植物の加工物に加える賦形剤は、例えば、デキストリン、シクロデキストリン、乳糖、結晶セルロース、二酸化ケイ素、環状オリゴ糖等が挙げられ、好ましくは、シクロデキストリン、環状オリゴ糖が挙げられ、特に好ましくはシクロデキストリンが挙げられる。
【0062】
本発明において、ヒシ属植物の加工物は、本発明の組成物の総量に対して、その下限は0.1重量%、好ましくは1重量%、より好ましくは10重量%、更に好ましくは25重量%、特に60重量%であり、その上限は99重量%、好ましくは95重量%、より好ましくは90重量%、更に好ましくは85重量%、特に好ましくは80重量%である。さらに、それらの上限と下限は適宜組み合わせて使用することもできる。
より具体的には、0.1~99重量%、好ましくは1~95重量%、より好ましくは10~90重量%、更に好ましくは25~85重量%、特に好ましくは60~80重量%で使用することができる。
【0063】
本発明において、更に、キサントフィル及び/又はヒシ属植物の加工物に加えて、その他の有効成分(例えば、補助的な効果を有する物質)を添加することができる。例えば、ビタミンA類;カロテノイド類(キサントフィル除く);ビタミンB類;ビタミンC類;ビタミンD類、ビタミンE類;トコトリエノール類;グルタチオン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩;カテキン、アントシアニン、タンニン、ルチン、イソフラボン、クロロゲン酸、エラグ酸、クルクミン、クマリン等のポリフェノール類;リノール酸、α-又はγ-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体並びにそれらの塩;コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ケラチンから選ばれるタンパク質及びそれらの誘導体並びに加水分解物;グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸等のα-ヒドロキシ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩;血清除蛋白、脾臓、胎盤、鶏冠、ローヤルゼリー、酵母、乳酸菌、ビフィズス菌、霊芝、ニンジン、センブリ、ローズマリー、オウバク、ニンニク、ヒノキチオール、セファランチン、アロエ、サルビア、アルニカ、カミツレ、シラカバ、オトギリソウ、ユーカリ、ムクロジ、センプクカ、ケイケットウ、サンペンズ、ソウハクヒ、トウキ、イブキトラノオ、クララ、サンザシ、シラユリ、ホップ、ノイバラ、ヨクイニン、ドクダミ、海藻、納豆、レモングラス、ハイビスカス、イチョウ葉エキス、ホスファチジルセリン等の天然物並びにそれらの抽出物;アデノシン三リン酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸等のアデニル酸誘導体;鉄、バナジウム、モリブデン、マンガン、銅、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、セレン、ヨウ素等のミネラル類;マンニトール、キシリトール、グルコサミン等の単糖類;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、グリコーゲン、キチン、キトサン等の多糖類;デオキシリボ核酸、リボ核酸等の核酸類;その他のグリチルリチン酸、グアニン、ムチン、ユビキノン、α-リポ酸、オクタコサノール、アリシン、アリイン等、並びにそれらの混合物からなる群から1種又は2種以上選択することができる。好ましくはビタミンA類;カロテノイド類(キサントフィル除く);ビタミンB類;ビタミンC類;ビタミンD類、ビタミンE類;トコトリエノール類;グルタチオン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩;カテキン、アントシアニン、エラグ酸等のポリフェノール類;リノール酸、α-又はγ-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体並びにそれらの塩;コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ケラチンから選ばれるタンパク質及びそれらの誘導体並びに加水分解物;銅、亜鉛等のミネラル類;ムチン、ユビキノン、α-リポ酸等、並びにそれらの混合物からなる群から1種又は2種以上選択することができる。更に好ましくは、ビタミンA類;カロテノイド類(キサントフィル除く);ビタミンC類;ビタミンE類;トコトリエノール類;グルタチオン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩;カテキン、アントシアニン、エラグ酸等のポリフェノール類;エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体並びにそれらの塩;銅、亜鉛等のミネラル類;ムチン、ユビキノン、α-リポ酸等、並びにそれらの混合物からなる群から1種又は2種以上選択することができる。
【0064】
本発明において、前記のその他の有効成分は、組成物の総量に対して、その下限は0.1重量%、好ましくは1重量%、より好ましくは5重量%、更に好ましくは10重量%、特に20重量%であり、その上限は99重量%、好ましくは90重量%、より好ましくは80重量%、更に好ましくは70重量%、特に好ましくは60重量%である。また、それらの上限と下限は適宜組み合わせて使用することもできる。
より具体的には、例えば0.1~99重量%、好ましくは1~90重量%、より好ましくは5~80重量%、更に好ましくは10~80重量%、特に好ましくは20~70重量%で配合され、一種以上組み合わせて用いることができる。
【0065】
本発明において、本発明の組成物は、飲食品、機能性表示食品、特定保健食品、医薬部外品、医薬品(ヒト以外の哺乳類用医薬品を含む)等に使用可能な有効成分や添加剤を適宜配合することができ、また、当該品目で通常使用される製剤化方法により、適宜製剤化することができる。
【0066】
本発明において、症状の改善・予防が許可されている飲食品とは、国や公共団体が許可・指定している医薬品的な効能を有する食品であり、例えば、機能性表示食品、特定保健食品等の保健機能食品、特別用途食品等である。なお、状況や時代、各国の制度により名称や規程が変化するが、本質的に同じであるものは本発明に含まれる。
【0067】
本発明において、本発明の組成物の配合量は、特に制限されず、適用の目的(対象疾患や症状の種類等)、適用対象(ヒト、ヒト以外の動物(好ましくは哺乳類であり、特に好ましくは犬、猫等のペット))、適用対象部位、適用対象の性別や年齢、飲食品、機能性表示食品、特定保健食品、医薬部外品、又は医薬品の形態、これらの投与又は摂取方法や回数、嗜好等に応じて適宜設定される。
【0068】
本発明において、本発明の組成物の飲食品、機能性表示食品、特定保健食品、医薬部外品、又は医薬品への配合量は、特に制限されないが、本発明の組成物の成人1日当たりの適用量は、その下限は0.1mg、好ましくは1mg、より好ましくは10mg、更に好ましくは30mg、特に好ましくは50mgであり、その上限は2000mg、好ましくは1500mg、より好ましくは1000mg、更に好ましくは500mg、特に好ましくは300mgである。また、それらの上限と下限は適宜組み合わせて使用することもできる。
より具体的には、例えば、0.1~2000mgであり、好ましくは1~1500mg、より好ましくは10~1000mg、更に好ましくは30~500mg、特に好ましくは50~300mgである。
【0069】
本発明において、本発明の組成物を使用する場合には、キサントフィル又はその塩の成人1日当たりの適用量は、その下限は0.1mg、好ましくは0.5mg、より好ましくは1mg、更に好ましくは3mg、特に好ましくは5mgであり、その上限は500mg、好ましくは250mg、より好ましくは100mg、更に好ましくは75mg、特に好ましくは50mgである。また、それらの上限と下限は適宜組み合わせて使用することもできる。
より具体的には、例えば0.1~500mg、好ましくは0.5~250mg、より好ましくは1~100mg、更に好ましくは3~75mg、特に好ましくは5~50mgである。
【0070】
本発明において、本発明の組成物を使用する場合には、ヒシ属植物の加工物の成人1日当たりの適用量は、その下限は0.1mg、好ましくは1mg、より好ましくは10mg、更に好ましくは25mg、特に好ましくは50mgであり、その上限は2000mg、好ましくは1500mg、より好ましくは1000mg、更に好ましくは500mg、特に好ましくは300mgである。また、それらの上限と下限は適宜組み合わせて使用することもできる。
より具体的には、例えば0.1~2000mg、好ましくは1~1500mg、より好ましくは10~1000mg、更に好ましくは25~500mg、特に好ましくは50~300mgである。
【0071】
本発明の一態様は、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する、経口用又は非経口用の組成物である。本発明の組成物は、経口用組成物及び非経口用組成物として使用することができる。
【0072】
本発明の一態様は、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する、飲食品又は医薬用の組成物である。本発明の組成物は、飲食品及び医薬として使用することができる。
【0073】
本発明の一態様は、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する、サプリメント用の組成物である。本発明の組成物は、サプリメントとして使用することができる。
【0074】
本発明の一態様は、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する、眼科用の組成物である。
【0075】
本発明において、本発明の組成物は、キサントフィル及び/又はヒシ属植物の加工物に加えて、その他の成分、例えば、賦形剤、増粘剤、乳化剤(例えば、蜜蝋、グリセリン脂肪酸エステル)等を混合して、所望の形態に調製することができる。本発明の組成物の形態については、特に制限はなく、例えば、ソフトカプセル、ハードカプセル、液剤、ゼリー、グミ、錠剤、散剤、ゲル状剤等のサプリメント等の形態が挙げられる。
【0076】
本発明において、本発明の飲食品用の組成物として調製する場合、キサントフィル及び/又はヒシ属植物の加工物に加えて、その他の成分、例えば、甘味料、着色料、保存料、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤(防ばい剤)、イーストフード、ガムベース、香料、酸味料、調味料、乳化剤、pH調整剤、かんすい、膨脹剤、栄養強化剤、その他飲食品素材等を混合等して、所望の形態に調製することができる。例えば、その形態については、特に制限されるものではなく、ゲル状剤、顆粒、細粒、カプセル、ソフトカプセル、錠剤、粉末、液剤、半固形剤等のサプリメントタイプの食品;炭酸飲料、清涼飲料、乳飲料、アルコール飲料、果汁飲料、茶類、栄養飲料等の飲料;粉末ジュース、粉末スープ等の粉末飲料;ガム、タブレット、キャンディー、クッキー、グミ、せんべい、ビスケット、ゼリー等の菓子類;パン、麺類、シリアル、ジャム、調味料等の形態とすることができる。これらの形態は、例えば、視機能低下の予防及び/又は改善のための飲食品として使用することができ、例えば、一般の飲食品の他、栄養補助食品、機能性表示食品、特定保健用食品、病者用食品等のニュートラシューティカルとしても使用することもできる。
【0077】
本発明において、本発明の医薬用の組成物(医薬品、医薬部外品等)として調製する場合、キサントフィル及び/又はヒシ属植物の加工物に加えて、必要に応じて他の薬効成分、薬学的に許容される担体や添加剤等を配合することができる。例えば、薬学的に許容される担体及び添加剤として、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、湿潤化剤、緩衝剤、保存剤、香料等を混合等して、所望の形態に調製することができる。
例えば、その形態については、特に制限されるものではなく、注射剤、外用剤、吸入剤、座剤、フィルム剤、トローチ剤、液剤、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、点眼剤、洗眼剤、点鼻剤等の形態とすることができる。これらの形態の中でも、経口投与に適した形態(即ち、内服用医薬品)が好ましく、例えば、トローチ剤、液剤、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、シロップ剤等が特に好ましい。これらの形態は、例えば、視機能低下の予防及び/又は治療のための医薬品として使用することができる。
【0078】
本発明の一態様は、視機能低下及びそれに伴う自覚症状の予防及び/又は改善のための、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物である。本発明の組成物は、視機能低下の予防及び/又は改善のために使用することができる。
【0079】
本発明において、「視機能低下」とは、文字や画像等の視覚情報、すなわち対象の形態、色、明暗、運動等の視覚情報を知覚する能力が衰えることを意味し、例えば、眼の疲労、眼の老化、又は眼のピント調節機能の低下(毛様体筋の収縮、弛緩等により水晶体の厚みを変化させ網膜にピント調節する機能が衰えること);老視、老人性白内障等の加齢による視力の低下;疲れ目、白内障、糖尿病網膜症等の疾患に伴う視力の低下を含む。また、「視機能低下の予防及び/又は改善」とは、前記の視機能低下の予防又は抑止、治療又は改善を意味し、そして視機能の維持を含む。視機能低下は、例えば、加齢、紫外線、血行不良、乾燥、及び/又は活性酸素により誘発される。さらに、「それに伴う自覚症状」とは、視機能低下による自覚症状であれば、特に制限されるものではないが、例えば、肩、首筋、背中又は腰のこり、が挙げられる。
【0080】
本発明において、本発明の組成物に係る商品、商品の包装、商品に係る情報、又は商品に係る広告(例えば、取引書類、取扱い説明書、添付文書、通信販売のカタログやインターネットサイト等)には、「視機能低下の予防(若しくは抑止)及び/又は改善(若しくは治療)」と表示することができ、また、「視機能低下の予防及び/又は改善」は、例えば、紫外線により誘発される眼障害の抑制、加齢等によって減少する目の黄斑部の色素量を上昇させる、ブルーライト等の光の刺激からの保護、(低下した)コントラスト感度の改善、目の調子を整える、目の疲労感を和らげる、(VDT作業等による)眼の疲労感を軽減する、網膜中心部の色素量を増やす、(日常生活で受ける)光の刺激から目を保護、目の健康を維持、(正常な目の)ピント調節機能を維持、目の疲労感の緩和、目の乾きの緩和、ピント調節機能の低下を緩和、視覚機能を維持、目の黄斑部の健康を維持、ピント調節機能をサポート、コントラスト感度(色の濃さの判別力)をサポート、見る力の維持、手元のピント調節機能を助ける、目の使用による肩・首筋への負担を和らげる等と表示をすることもでき、更にそれらに類似する表示をすることもできる。
【0081】
本発明の一態様は、眼疾患の予防及び/又は治療のための、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物である。本発明の組成物は、眼疾患の予防及び/又は治療のために使用することができる。
【0082】
本発明において、眼疾患は、加齢、紫外線、血行不良、乾燥、活性酸素及び/又は炎症により誘発される疾患であり、具体的には、眼精疲労、白内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜色素変性症、中心性漿液性脈絡網膜症、緑内障、ブドウ膜炎、老視、近視、ドライアイ、翼状片、炎症性眼疾患等が挙げられ、好ましくは、眼精疲労、白内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、老視、近視、ドライアイであり、特に好ましくは、老視である。
【0083】
本発明において、角膜障害とは、角膜上皮細胞死及びそれに起因する眼疾患(ドライアイ、炎症性眼疾患等)であれば特に制限はない。好ましくは、紫外線により誘発される角膜障害であり、紫外線により誘発される角膜上皮細胞死及びそれに起因する眼疾患である。
【0084】
本発明において、水晶体変性とは、水晶体に存在するタンパク質が変性した状態であり、その原因については特に制限はない。好ましくは、水晶体が混濁(白濁)、硬化、着色(黄色化)又は形状変化した状態であり、特に好ましくは、水晶体が混濁(白濁)又は硬化した状態である。
【0085】
本発明において、眼調節機能とは、視機能を調節する機能であれば特に制限はない。好ましくは、ピント調節機能であり、特に好ましくは、水晶体におけるピント調節機能である。
【0086】
本発明において、網脈絡膜障害とは、網膜の損傷およびその損傷に起因する眼疾患であり、好ましくは、網膜の損傷およびその損傷に起因するブドウ膜疾患(網膜、脈絡膜、強膜等の疾患)である。
【0087】
本発明において、「キサントフィル又はその塩とヒシ属植物の加工物とを組み合わせることを特徴とする」とは、キサントフィル又はその塩とヒシ属植物の加工物を各単剤として併用してもよく、各成分の配合剤として使用してもよいことを意味する。より好ましくは、配合剤としての使用である。
【0088】
本発明において、「予防」とは、各症状や疾患の発症及び/又は進行の予防を意味する。
【0089】
本発明において「治療」とは、各症状や疾患の治療を意味する。
【0090】
本発明において「改善」とは、各症状や疾患の改善を意味する。
【0091】
本発明において、「~を含有する」は、「実質的に~のみを含有する」、「~のみを含有する」、「~を有効成分として含有する」、「実質的に~のみを有効成分として含有する」、「~のみを有効成分として含有する」と読み替えたものも本発明の範囲である。
【0092】
本発明の別の一態様は、ヒシ属植物の加工物を含有する眼科用組成物、およびその用途である。尚、当該態様の各定義については、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物の各定義を準用できる。
【0093】
本発明の別の一態様は、ルテイン又はその塩を含有する角膜上皮細胞死抑制剤及びルテイン又はその塩を含有する眼科用組成物の新規用途である。尚、当該態様の各定義については、キサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物の各定義を準用できる。
【実施例】
【0094】
以下に、薬理試験例を示すが、これらの例示は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0095】
[薬理試験1]
紫外線(UV-B)照射前に角膜上皮細胞を本発明の組成物で処置した場合に、紫外線照射による生細胞数の低下が抑制されるか否かを評価した。
【0096】
(試験方法)
SV40不死化ヒト角膜上皮細胞(HCE-T:理化学研究所、バイオリソースセンター、Cell No.:RCB2280)を96ウェルプレートに播種(1×104個/ウェル)し、SHEM培地(15%Fetal Bovine Serum、5μg/mL Insulin、10ng/mL Human Epidermal Growth Factor、40μg/mL Gentamicin含有DMEM/F-12培地)で1日培養した。
翌日、前記SHEM培地を除去して、PBS(Phosphate Buffered Saline、リン酸緩衝生理食塩水)でSV40不死化ヒト角膜上皮細胞を洗浄した。
0.01%(w/v)ヒシエキスを含有するPBS、100μMルテインを含有するPBS、0.01%(w/v)ヒシエキス及び100μMルテインを含有するPBS、又は被験物質を含有しないPBS(コントロール)に交換した。
その後、角膜上皮細胞に120mJ/cm2UV-B(照射強度:約1mW/cm2、照射時間:約120秒)を照射した。
各群の培地をDMEM/F-12培地に交換してから、37℃で翌日まで培養した後、CellTiter96(登録商標) Aqueous One Solution Cell Proliferation Assay(Promega社製、カタログ番号:G3580)を用いて生細胞数を測定し、下記式1に従って、細胞生存率を算出した。
なお、本試験で使用したヒシエキス及びルテインは、それぞれ林兼産業株式会社及びChromaDex社から購入した。
【0097】
[式1]
細胞生存率(%)=(各群の生細胞数/UV-B非照射群の生細胞数)×100
【0098】
(結果)
試験結果を
図1に示す。なお、
図1中、値は平均値±標準誤差を示す(N=3)。
【0099】
(考察)
図1から明らかなように、UV-B照射前に角膜上皮細胞をヒシエキス単独、ルテイン単独又はヒシエキス+ルテインで処置した場合のいずれもが、コントロールに対して、細胞生存率が向上した。すなわち、ヒシ属植物の加工物を単独で、キサントフィルを単独で及びヒシ属植物の加工物とキサントフィルを組み合わせて処置した場合のいずれにおいても、紫外線照射により誘発される角膜上皮細胞死を効果的に抑制できることが示された。特に、ヒシ属植物の加工物及びキサントフィルを組み合わせて使用した場合、両者は相乗的又は補完的に作用して、紫外線照射により誘発される角膜上皮細胞死を効果的に抑制できることが示された。
【0100】
[薬理試験2]
糖尿病モデルラットを本発明の組成物で処置した場合に、水晶体の白濁(混濁)、及び網膜の損傷が改善されるか否かを評価した。
【0101】
1.試験動物(使用動物)
Wistar系雄性ラット(7週齢、日本チャールス・リバー株式会社 日野飼育センター)を株式会社イナリサーチ試験研究センター飼育室に搬入した。6日間の馴化を含めた検疫を行った後、実験に供した。
試験期間中は、温度23±2℃,湿度55±15%,明暗サイクル12時間(明期:午前7時~、暗期:午後7時~)に管理された同実験室で飼育した。固形飼料(CRF-1,オリエンタル酵母工業株式会社,千葉)及び飲水はそれぞれ自由に摂取させた。
【0102】
2.糖尿病モデルラットの作製
ラットにストレプトゾトシン(STZ)を生理食塩液で45mg/mLに調製し、1回目として1mL/kgを単回尾静脈内投与し、7日後にSTZを生理食塩液で25mg/mLに調製し、2回目として1mL/kgを単回尾静脈内投与し、1型糖尿病を誘導した。対照群には生理食塩液を同量投与した(正常群)。2回目のSTZ投与後6日目の飽食時血糖値が250mg/dL以上(糖尿病群:DM)のものをその後の実験に使用した。
【0103】
3.実験プロトコール
上述のDMラットを2回目のSTZ投与後6日目に以下の4群に血糖値が均等になるように割り付けた。
正常群:注射用水2mL/kg/日(n=8)
コントロール群:DM+注射用水2mL/kg/日(n=8)
ヒシエキス群:DM+ヒシエキス66%含有物2mg/kg/日(n=8)
ルテイン群:DM+ルテイン20%含有物2mg/kg/日(n=8)
ヒシエキス+ルテイン群:DM+ヒシエキス66%含有物2mg/kg/日+ルテイン20%含有物2mg/kg/日(n=8)
割り付けた翌日より被験物投与を開始し、69日間経時的変化について観察した。ヒシエキスは注射用水で1mg/mLの濃度に希釈して2mL/kg/日、ルテインはサフラワー油で1mg/mLの濃度に希釈して2mL/kg/日をポリプロピレン製注射筒及びラット用経口ゾンデを用いて1日1回強制経口投与した。
水晶体の白濁(混濁)は投与開始日から70日目に採材して白濁(混濁)状態を評価した。網膜電図の測定は被験物投与開始2日前及び投与開始日から43日目の計2回測定した。
なお、本試験で用いたヒシエキス及びルテインは、それぞれ林兼産業株式会社及びKatra Phytochem [India] Private Limitedから購入した。
【0104】
4.水晶体の白濁(混濁)に対する効果
ヒシエキス、ルテイン及びヒシエキス+ルテインの水晶体の白濁(混濁)抑制作用の有無を、糖尿病モデルラットを用いて検討した。
Wistar系ラット(雄、8週齢)にストレプトゾトシンを1回目(45mg/kg,i.v.)、7日後に2回目(25mg/kg,i.v.)を投与して1型糖尿病を誘発させた。ヒシエキス群はヒシエキス66%含有物(2mg/kg)、ルテイン群はルテイン20%含有物(2mg/kg)、ヒシエキス+ルテイン群はヒシエキス66%含有物(2mg/kg)とルテイン20%含有物(2mg/kg)を1日1回経口投与した。
水晶体は69日間の投与期間終了後、70日目に水晶体を採材して完全白濁(混濁)した水晶体の数の割合(完全白濁の発生率)評価した。
なお、本試験で使用したヒシエキス及びルテインは、それぞれ林兼産業株式会社及びKatra Phytochem [India] Private Limitedから購入した。
【0105】
[式2]
完全白濁率(%)=(各群で完全白濁した眼数/各群の全眼数)×100
【0106】
【0107】
(考察)
図2から明らかなように、ヒシエキス単独、ルテイン単独、ヒシエキス+ルテインを投与した場合のいずれもが、コントロールと比較して、水晶体の白濁(混濁)を抑制した。すなわち、ヒシ属植物の加工物を単独で、キサントフィルを単独で及びヒシ属植物の加工物とキサントフィルを組み合わせて使用した場合のいずれにおいても、水晶体の白濁(混濁)を抑制することが示された。
【0108】
5.網膜の損傷に対する効果
ヒシエキス、ルテイン及びヒシエキス+ルテインの網膜の損傷の抑制作用の有無を、糖尿病モデルラットを用いて検討した。
Wistar系ラット(雄、8週齢)にストレプトゾトシンを1回目(45mg/kg,i.v.)、7日後に2回目(25mg/kg,i.v.)を投与して1型糖尿病を誘発させた。ヒシエキス群はヒシエキス66%含有物(2mg/kg)、ルテイン群はルテイン20%含有物(2mg/kg)、ヒシエキス+ルテイン群はヒシエキス66%含有物(2mg/kg)とルテイン20%含有物(2mg/kg)を1日1回経口投与した。
データ収集・解析システムPowerLab(PowerLabシステム)を用いて、被験物投与開始2日前及び投与開始日から43日目の網膜電図(a波およびb波)を測定し、評価した。
なお、本試験で使用したヒシエキス及びルテインは、それぞれ林兼産業株式会社及びKatra Phytochem [India] Private Limitedから購入した。
ここで、網膜電図とは、網膜に光を照射した時に記録される電位変化であり、網膜機能を電気生理学的に評価する場合に使用する。
この網膜電図の基本形は、光照射による最初に生じる負の電位変動(a波)、次に、鋭く立ち上がった後に急降下する大きな正の電位変動(b波)に、分類され、a波振幅は視細胞由来の過分極相を、b波振幅はミュラー細胞由来の脱分極層を示し網膜機能の状態を把握するのに用いられる。すなわち、種々の疾患等により、網膜に何らかの障害が出れば、網膜電図上の各波の振幅が低下する。
【0109】
[式3]
振幅の変化率(%)=(各群の43日目の電位変動幅/投与開始2日前の電位変動幅)×100
【0110】
【0111】
(考察)
図3から明らかなように、ヒシエキス単独、ルテイン単独及びヒシエキス+ルテインを投与した場合のいずれもが、コントロールと比較して、a波およびb波の振幅の低下を抑制または改善した。すなわち、ヒシ属植物の加工物を単独で、キサントフィルを単独で及びヒシ属植物の加工物とキサントフィルを組み合わせて使用した場合のいずれにおいても、網膜の損傷を抑制または改善する可能性が示された。
[製剤例]
以下に、製剤例を示すが、これらの例示は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、また、本発明はこれらの製剤例にのみ限定されるものではない。
【0112】
製剤例中の各成分の配合量はソフトカプセルとした場合の1カプセル当たりの含有量である。
【0113】
製剤例1
ヒシエキス 33mg
グリセリン脂肪酸エステル 適量
【0114】
製剤例2
ルテイン 7.5mg
ヒシエキス 33mg
グリセリン脂肪酸エステル 適量
【0115】
製剤例3
ルテイン 7.5mg
ヒシエキス 33mg
ビタミンE 75mg
グリセリン脂肪酸エステル 適量
【0116】
製剤例4
ルテイン 7.5mg
ヒシエキス 33mg
ドコサヘキサエン酸 100mg
グリセリン脂肪酸エステル 適量
【0117】
製剤例5
ヒシエキス 33mg
ドコサヘキサエン酸 100mg
グリセリン脂肪酸エステル 適量
【0118】
製剤例6
ルテイン 7.5mg
ドコサヘキサエン酸 100mg
グリセリン脂肪酸エステル 適量
【0119】
製剤例1~6において、ルテイン、ヒシエキス、他の配合成分の種類や配合量を適宜調整することで所望の製剤を処方することができる。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明のキサントフィル又はその塩及びヒシ属植物の加工物を含有する組成物は、視機能低下の予防及び/又は改善のために使用できる。