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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】パルスバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/40 20060101AFI20240801BHJP
   F16K 31/122 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
F16K31/40 A
F16K31/122
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022517332
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 US2020050950
(87)【国際公開番号】W WO2021055389
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】62/902,129
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/021,283
(32)【優先日】2020-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505296441
【氏名又は名称】エムエイシー・バルブス,インク
【氏名又は名称原語表記】MAC VALVES,INC
【住所又は居所原語表記】30569 BECK ROAD,P.O.BOX 111,WIXOM,MICHIGAN 48393,UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェンキンス レイ
(72)【発明者】
【氏名】ネフ マシュー
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ ケビン シー
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-166670(JP,A)
【文献】特開2017-162460(JP,A)
【文献】特開2020-098027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/40
F16K 31/122
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスバルブアセンブリであって、
円筒状のメインバルブ本体と、前記メインバルブ本体内部を軸に沿って延びるメインバルブ孔と、前記メインバルブ孔内に軸に沿って摺動可能に配置され閉位置と開位置との間を移動するメインバルブスプールとを備えるメインバルブと、
前記閉位置と前記開位置との間で前記メインバルブスプールを選択的に移動させるよう構成されるパイロットバルブとを備え、
前記メインバルブ本体は、前記メインバルブ孔とそれぞれ流体連通するよう配置される、前記円筒状のメインバルブ本体の周面近傍に配置され軸に沿って延び横方向に離隔された複数の流入孔と、前記複数の流入孔から径方向内側に配置された流出孔と、パイロットバルブ流入流路と、常時閉パイロットバルブ流出流路と、常時開パイロットバルブ流出流路とを備え、
前記メインバルブ本体は、前記メインバルブ孔の一端の、前記流入孔と前記流出孔とに流体連通する第一圧力室と、前記メインバルブ孔の反対端の、前記常時開パイロットバルブ流出流路と流体連通する第二圧力室とを備え、
前記メインバルブスプールは、前記メインバルブスプールが前記閉位置にあるとき前記流入孔と前記流出孔との間の流体フローを遮断し、前記メインバルブスプールが前記開位置にあるとき前記流入孔から前記流出孔への流体フローを許容するよう構成されるメインバルブ部材を備え、
前記パイロットバルブは、前記パイロットバルブの閉位置において、前記パイロットバ
ルブ流入流路と前記常時開パイロットバルブ流出流路との間が流体連通可能であり、これにより前記第二圧力室を加圧して前記メインバルブスプールを前記閉位置に維持して前記流入孔から前記流出孔への流体フローを防止し、
前記パイロットバルブは、前記パイロットバルブの開位置において、前記パイロットバルブ流入流路と前記常時開パイロットバルブ流出流路との間が流体連通不能とされ、かつ前記パイロットバルブ流入流路と前記常時閉パイロットバルブ流出流路との間が流体連通可能とされ、前記メインバルブスプールを前記開位置に移動して前記流入孔から前記流出孔への流体フローを許容するよう構成されることを特徴とするパルスバルブアセンブリ。
【請求項2】
請求項に記載のパルスバルブアセンブリにおいて、前記メインバルブスプールは、前記第二圧力室内に配置され、前記メインバルブスプールが前記閉位置にあるとき前記第一圧力室と連通する第二圧力室流出孔を遮蔽するよう構成される第一ピストンと、前記第一圧力室に配置され、前記メインバルブスプールが前記閉位置にあるとき、前記流出孔を密閉する第二ピストンとを備え、
前記メインバルブスプールが前記開位置にあるとき、流体が前記第二圧力室から前記第二圧力室流出孔を通って前記第一圧力室に流入可能、かつ前記流出孔を通って前記メインバルブ本体から流出可能であることを特徴とするパルスバルブアセンブリ。
【請求項3】
請求項に記載のパルスバルブアセンブリにおいて、前記パイロットバルブ流入流路と前記常時閉パイロットバルブ流出流路との間が流体連通可能とされ、前記メインバルブスプールを前記開位置に移動して前記流入孔から前記流出孔への流体フローを許容するとき、前記メインバルブスプールは、前記パイロットバルブに向かう方向に移動されて第二圧力室流出孔を開くことを特徴とするパルスバルブアセンブリ。
【請求項4】
請求項に記載のパルスバルブアセンブリにおいて、前記メインバルブスプールが前記開位置にあるとき、前記複数の流入孔から流入する前記第一圧力室内の流体と前記第二圧力室流出孔から流入する流体とは前記流出孔から流出可能とされることを特徴とするパルスバルブアセンブリ。
【請求項5】
請求項に記載のパルスバルブアセンブリにおいて、前記メインバルブスプールの周囲に配置され、前記メインバルブスプールを前記閉位置に付勢するばねをさらに備えることを特徴とするパルスバルブアセンブリ。
【請求項6】
請求項に記載のパルスバルブアセンブリにおいて、前記パイロットバルブ流入流路は、前記複数の流入孔と連通することを特徴とするパルスバルブアセンブリ。
【請求項7】
請求項に記載のパルスバルブアセンブリにおいて、前記常時開パイロットバルブ流出流路は、前記第二圧力室と連通して前記メインバルブスプールを前記閉位置に維持することを特徴とするパルスバルブアセンブリ。
【請求項8】
請求項に記載のパルスバルブアセンブリにおいて、前記常時開パイロットバルブ流出流路は、前記メインバルブ本体に形成され、前記第二圧力室から区画する開口を介して前記第二圧力室と連通するキャビティと連通することを特徴とするパルスバルブアセンブリ。
【請求項9】
請求項に記載のパルスバルブアセンブリにおいて、前記パイロットバルブは、パイロットバルブ部材が内部に配置されるパイロットバルブ孔が形成されるパイロットバルブ本体を備え、前記パイロットバルブ部材は、前記パイロットバルブ流入流路と前記常時開パイロットバルブ流出流路との間の流体を介した連通が許容される第一位置と、前記パイロットバルブ流入流路と前記常時閉パイロットバルブ流出流路との間の流体を介した連通が
許容される第二位置との間で前記パイロットバルブ部材を移動させるソレノイドによって駆動されることを特徴とするパルスバルブアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年9月18日に出願されたアメリカ仮出願番号62/902,129を基礎とする2020年9月15日に出願されたアメリカ特許出願番号17/021,283の優先権を主張する。上記出願の開示事項全体を、本明細書で参照して援用する。
【0002】
本願開示は、集塵機またはプラスチックブロー成形機に利用可能なパルスバルブアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
本セクションは、必ずしも先行技術ではない本願開示に関連する背景情報を提供する。
【0004】
パルスバルブアセンブリはクリーニング目的で集塵機に広く用いられる。集塵機は、環境中の塵、おがくずなどの微粒子を集めるための多様な用途に用いられる。一般の集塵機は、集塵機を通過する流体フロー(例:空気流)中に漂う塵を除去/捕集する一つまたは複数のフィルタ部材を備える。結果、集塵機から排出される流体フローには、塵および/またはその他の微粒子がほぼ含まれない。パルスバルブアセンブリは集塵機内で、高速の流体フロー(例:空気)のパルスまたは破裂(バースト)を生じさせ、これにより集塵機の一つまたは複数のフィルタ部材に作用して当該フィルタ部材から塵および/または他の微粒子を振り落とす、または吹き飛ばす圧力波を生じさせるのに用いられる。例えば、いくつかのシステムにおいて、集塵機は、パルスバルブアセンブリによって供給される空気パルスによりフィルタ部材を高速で膨張させ、その後に初期状態に収縮させるように構成される。この高速拡張/収縮が起こったとき、フィルタ部材上またはフィルタ部材内にたまった塵および/または他の微粒子は、フィルタ部材から脱落して集塵機内の収納容器に入り、これによりフィルタ部材がクリーニングされる。このクリーニング工程は、集塵機の稼働中に行われる可能性がある。パルスバルブアセンブリは、フィルタ部材を清浄に保つため、所定間隔で空気のパルスを提供するよう制御される。
【発明の概要】
【0005】
本セクションは、開示の概要を提供するものであり、完全な範囲またはその特徴の全ての包括的な開示ではない。
【0006】
本願開示の第一の側面によれば、メインバルブ本体と、メインバルブ本体内部を延びるメインバルブ孔と、メインバルブ孔内に摺動可能に配置され閉位置と開位置との間を移動するメインバルブスプールとを備えるメインバルブを備えるパルスバルブアセンブリが提供される。また、このパルスバルブアセンブリは、閉位置と開位置との間でメインバルブスプールを選択的に移動させるよう構成されるパイロットバルブを備える。メインバルブ本体は、それぞれメインバルブ孔と流体連通するよう配置される、流入孔と、流出孔と、パイロットバルブ流入流路と、常時閉パイロットバルブ流出流路と、常時開パイロットバルブ流出流路とを備える。メインバルブ本体は、メインバルブ孔の一端の、常時閉パイロットバルブ流出流路と流体連通する第一圧力室と、メインバルブ孔の反対端の、常時開パイロットバルブ流出流路と流体連通する第二圧力室とを備える。メインバルブスプールは、メインバルブスプールが閉位置にあるとき流入孔と流出孔との間の流体フローを遮断し、メインバルブスプールが開位置にあるとき流入孔から流出孔への流体フローを許容するよう構成されるメインバルブ部材を備える。パイロットバルブは、パイロットバルブの閉位置において、パイロットバルブ流入流路と常時開パイロットバルブ流出流路との間が流体連通可能であり、これにより第二圧力室を加圧してメインバルブスプールを閉位置に維持して流入孔から流出孔への流体フローを防止する。パイロットバルブは、パイロットバルブの開位置において、パイロットバルブ流入流路と常時開パイロットバルブ流出流路との間が流体連通不能とされ、かつパイロットバルブ流入流路と常時閉パイロットバルブ流出流路との間が流体連通可能とされ、これにより第一圧力室を加圧し、第二圧力室を減圧して、メインバルブスプールを開位置に移動して流入孔から流出孔への流体フローを許容するよう構成される。
【0007】
この構成により、パルスバルブを通る流路の屈曲の少ない、より高速のフローのバルブが提供され、これにより、より効率のよいパルスバルブが得られる点で好ましい。
【0008】
本願開示の第二の側面によれば、本願開示は、円筒状のメインバルブ本体と、メインバルブ本体内部を延びるメインバルブ孔と、メインバルブ孔内に摺動可能に配置され閉位置と開位置との間を移動するメインバルブスプールとを備えるメインバルブと、メインバルブスプールを閉位置と開位置との間で選択的に移動させるよう構成されるパイロットバルブとを備えるパルスバルブアセンブリを提供する。メインバルブ本体は、メインバルブ孔とそれぞれ流体連通する、円筒状のメインバルブ本体の周面近傍に配置され軸方向に延び横方向に離隔された複数の流入孔と、複数の流入孔から径方向内側に配置された流出孔と、パイロットバルブ流入流路と、常時閉パイロットバルブ流出流路と、常時開パイロットバルブ流出流路とを備える。メインバルブ本体は、メインバルブ孔の一端の、流出孔と流入孔と流体連通する第一圧力室と、メインバルブ孔の反対端の、常時開パイロットバルブ流出流路と流体連通する第二圧力室とを備える。メインバルブスプールは、メインバルブスプールが閉位置にあるとき流入孔と流出孔との間の流体フローを遮断し、メインバルブスプールが開位置にあるとき流入孔から流出孔への流体フローを許容するよう構成されるメインバルブ部材を備える。パイロットバルブは、パイロットバルブの閉位置において、パイロットバルブ流入流路と常時開パイロットバルブ流出流路との間が流体連通可能とされ、これにより第二圧力室を加圧してメインバルブスプールを閉位置に維持して流入孔から流出孔への流体フローを防止するよう構成される。またパイロットバルブは、パイロットバルブの開位置において、パイロットバルブ流入流路と常時開パイロットバルブ流出流路との間が流体連通不能とされ、かつパイロットバルブ流入流路と常時閉パイロットバルブ流出流路との間が流体連通可能とされ、メインバルブスプールを開位置に移動して流入孔から流出孔への流体フローを許容するよう構成される。
【0009】
第二の側面において、メインバルブスプールは、第二圧力室内に配置されメインバルブスプールが閉位置にあるとき第一圧力室と連通する第二圧力室流出孔を遮断するよう構成される第一ピストンと、第一圧力室内に配置され、メインバルブスプールが閉位置にあるとき流出孔を密閉する第二ピストンとを備え、メインバルブスプールが開位置にあるとき流体が第二圧力室から第二圧力室流出孔を通って第一圧力室に流出し、流出孔を通ってメインバルブ本体から排出可能とされる。
【0010】
第二の側面において、パイロットバルブ流入流路と常時閉パイロットバルブ流出流路との間が流体連通可能とされ、メインバルブスプールを開位置に移動して流入孔から流出孔への流体フローを許容するとき、メインバルブスプールは、パイロットバルブに向かう方向に移動されて第二圧力室流出孔を開く。
【0011】
第二の側面において、メインバルブスプールが開位置にあるとき、複数の流入孔から流入する第一圧力室内の流体と第二圧力室流出孔から流入する流体とは流出孔から流出可能とされる。
【0012】
第二の側面において、パルスバルブアセンブリは、メインバルブスプールの周囲に配置され、メインバルブスプールを閉位置に付勢するばねを備えてもよい。
【0013】
第二の側面において、パイロットバルブ流入流路は、複数の流入孔と連通する。
【0014】
第二の側面において、常時開パイロットバルブ流出流路は、第一圧力室と連通してメインバルブスプールを閉位置に維持する。
【0015】
第二の側面において、常時開パイロットバルブ流出流路は、メインバルブ本体に形成され、かつ、第二圧力室から区画する開口を介して第二圧力室と連通するキャビティと連通する。
【0016】
最後に、第二の側面において、パイロットバルブは、パイロットバルブ部材が内部に配置されるパイロットバルブ孔が形成されるパイロットバルブ本体を備え、パイロットバルブ部材は、パイロットバルブ流入流路と常時開パイロットバルブ流出流路との間の流体を介した連通が許容される第一位置と、パイロットバルブ流入流路と常時閉パイロットバルブ流出流路との間の流体を介した連通が許容される第二位置との間でパイロットバルブ部材を移動させるソレノイドによって駆動される。
【0017】
この構成により、パルスバルブを通る流路の屈曲の少ない、より高速のフローのバルブが提供され、これにより、より効率のよいパルスバルブが得られる点で好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の他の利点は、添付図面と合わせて検討したとき、下記の詳細な説明を参照することで本発明がよりよく理解されることで、容易に認識されるであろう。
【0019】
図1】本願開示の原理にしたがったパルスバルブアセンブリの斜視図である。
図2図1に示されるパルスバルブアセンブリの底面斜視図である。
図3図1に示されるパルスバルブアセンブリの線A-Aに沿った斜視断面図である。
図4図1に示されるパルスバルブアセンブリの線A-Aに沿った斜視断面図である。
図5図1に示されるパルスバルブアセンブリの線A-Aに沿った斜視断面図である。
図6図1に示されるパルスバルブアセンブリの線A-Aに沿った斜視断面図である。
図7図1に示されるパルスバルブアセンブリの部分断面図である。
図8】本願開示の原理にしたがったパルスバルブアセンブリの斜視図である。
図9図1に示されるパルスバルブアセンブリの底面斜視図である。
図10図8に示されるパルスバルブアセンブリの線A-Aに沿った斜視断面図である。
図11図8に示されるパルスバルブアセンブリの線A-Aに沿った斜視断面図である。
図12図8に示されるパルスバルブアセンブリの線A-Aに沿った斜視断面図である。
図13図8に示されるパルスバルブアセンブリの線A-Aに沿った斜視断面図である。
図14】線B-Bに沿った図8に示されるパルスバルブアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、例示的実施形態をより十全に説明する。この例示的実施形態は、本開示が完全となり、当業者にその範囲を伝えるよう提供される。具体的要素、装置、および方法等の数多くの具体的詳細が述べられ、本願開示の実施形態の十全な理解を提供する。当業者にとって、具体的詳細が必ずしも用いられる必要はなく、例示的実施形態は多くの異なる形で実装されてよく、かつ具体的詳細および例示的実施形態のいずれも本願開示の範囲を限定するものと解釈されるべきでないことは明らかであろう。いくつかの例示的実施形態において、公知の方法、公知の工程、公知の装置構造、および公知の技術は詳細には述べられない。
【0021】
本明細書で用いられる用語は、特定の例示的実施形態を叙述するためだけのものであり、限定的であることを意図しない。本明細書で用いられる、「一つの(a、an)」および「この(the)」という単数形は、文脈上、明らかに別の意味を示す場合を除き、複数形をも包含することを意図する可能性がある。「含む(comprises、comprising、includingおよびhaving)」という用語は、両立的であり、したがって記載された特徴、整数、工程、操作、要素、および/または部品の存在を特定するが、他の一つまたは複数の特徴、整数、工程、操作、要素、部品および/またはこれらのグループの存在ないし付加を排除しない。本明細書に記載される方法工程、プロセス、および操作は、具体的に実行の順序として特定されない限り、これらが記述または図示される特定の順序で実行されることを必ず要求するものと解釈されてはならない。追加または代替的工程を用いてもよいことも理解されるべきである。
【0022】
ある要素または層が、別の要素または層「の上にある」、「と係合される」、「と接続される」、または「連結される」と記載される場合、直接、他の要素または層の上にあり、係合され、接続され、または連結されてもよく、または介在する要素または層があってもよい。これに対して、要素が別の要素または層「の上に直接あり」、「直接係合され」、「直接接続され」、または「直接連結される」と記載される場合、介在する要素または層はなくてもよい。要素間の関係を記述する他の用語も、同様に解釈されるべきである(例:「間に」と「直接間に」、「隣接して」と「直接隣接して」等)。本明細書で用いられる「および/または」との用語は、一つまたは複数の関連する挙げられた事物の任意かつすべての組み合わせを含む。
【0023】
本明細書中で第一、第二、第三などの用語が各種の要素、部品、領域、層、および/または部分を記述するのに用いられる可能性があるが、これらの要素、部品、領域、層、および/または部分は、これらの用語によって限定されるべきでない。これらの用語は、一つの要素、部品、領域、層、または部分を別の領域、層または部分と区別するためだけに用いられてもよい。「第一の」、「第二の」、および他の数値的用語は、本明細書中で用いられる場合、文脈上明確に示されない限り、順序または順番を暗示しない。したがって、下記に述べられる第一の要素、部品、領域、層、または部分は、例示的実施形態の開示事項を逸脱しない限りで、第二の要素、部品、領域、層、または部分と命名されてもよい。
【0024】
「内側」、「外側」、「下方」、「下」、「低い」、「上」、「上側」等の空間的な相対的表現は、図面に示される一つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を記述する便宜のために本明細書中で用いられてよい。空間的な相対的表現は、図面中で描かれる向きに加えて、使用中または操作中の装置の異なる向きを包含することを意図されてもよい。例えば、図面中の装置が裏返っている場合、他の要素または特徴の「下」または「下方」として記述される要素は、他の要素または特徴の「上」を向くことになる。したがって、「下」という例示的用語は、上および下の双方の向きを包含可能である。装置は別の向きになってもよく(90度または他の向き)本明細書中で用いられる空間的相対的表現は、これに応じて解釈される。
【0025】
図1-7を参照して、本願開示の第一実施形態にかかるパルスバルブアセンブリ10を説明する。パルスバルブアセンブリ10は、円筒状のメインバルブ12とパイロットバルブ14(図3-7に図示)とを備える。メインバルブ12は、円筒状のメインバルブ本体16と、メインバルブ孔18と、メインバルブスプール20とを備える。メインバルブ孔18は、メインバルブ本体16内を軸22に沿って延びる。メインバルブスプール20はメインバルブ孔18内に配置され、メインバルブ孔18内を閉位置(図3および4)と開位置(図5-7、矢印Bによって表示)との間を移動(すなわち、摺動)可能である。
【0026】
メインバルブ本体16は、軸方向に延び横方向に離隔した複数の流入孔26と、軸方向に延び横方向に離隔し、複数の流入孔26に対して径方向内側に配置される複数の流出孔28とを備える取付インタフェース24を有する。流入孔26と流出孔28の大きさおよび数、並びに流出孔28が流入孔26の径方向内側に配置されていることにより、バルブアセンブリ10からの流体(例:空気)の出力パルスおよびフローの効率が向上する。この点に関し、流入および流出孔26、28の大きさに応じてパルスバルブ10からパルス出力される流体(例:空気)の体積が増加し、流出孔28が流入孔26の径方向内側に配置されることで、パルスバルブ10を通る流路の屈曲がより少ないものとなる。ベース(図示略)がメインバルブ本体16の取付インタフェース24にねじ17によって接続されてもよい。このベースは、メインバルブ本体16の流入孔26と流体連通する入力部を提供し、加圧流体源(図示略)に接続され加圧流体源から加圧流体が流入するよう構成される。加圧流体源としては、例えば(これらに限られないが)、貯蔵タンク、ポンプ、およびコンプレッサが挙げられる。このベースの出力は、メインバルブ本体16の流出孔28と流体連通し、付属装置(図示略)に接続され、この付属装置に加圧流体を供給するよう構成される。付属装置としては(これに限られないが)、集塵機のノズルが挙げられる。
【0027】
メインバルブ本体16は、また流入孔26と連通するパイロット流入流路30と、閉位置と開位置との間でスプール20を駆動するのに用いられる常時閉パイロット流出流路32(図7)と、常時開パイロット流出流路34とを備える。パイロットバルブ14が閉位置にあるとき、流体(例:空気)が流入孔26からパイロット流入流路30に移動すると、この流体は常時閉パイロット流出流路32を迂回して常時開パイロット流出流路34内に移動する。流入孔26、流出孔28、パイロット流入流路30、常時閉パイロット流出流路32、および常時開パイロット流出流路34は、すべてメインバルブ孔18と流体連通するよう配置される。
【0028】
メインバルブ本体16のメインバルブ孔18は、第一ピストン座36と、第二ピストン座38と、メインバルブ部材40とを備える。メインバルブ本体16内で、第二ピストン座38は第一ピストン座36と軸方向に離隔され、メインバルブ部材座40は、軸方向において第一および第二ピストン座36、38の間に配置される。メインバルブスプール20は、第一ピストン42と、第二ピストン44と、メインバルブ部材46とを備える。第二ピストン44は第一ピストン42と軸方向に離隔され、メインバルブ部材46は、軸方向において第一および第二ピストン42、44の間に配置される。第一ピストン42は、メインバルブスプール20が開位置および閉位置にあるとき第一ピストン座36と摺動可能に当接して第一ピストン42によりメインバルブスプール20の一端に第一圧力室48(図7)が形成されるように配置される。第一圧力室48は、常時閉パイロット流出流路32と流体連通するよう配置され、常時閉パイロット流出流路32から加圧流体が流入する。第二ピストン44は、メインバルブスプール20が開位置および閉位置にあるとき第二ピストン座38と摺動可能に当接して第二ピストン44によりメインバルブ孔18の反対端に第二圧力室52が形成されるように配置される。第二圧力室52は、常時開パイロット流出流路34と流体連通するよう配置され、常時開パイロット流出流路34から加圧流体が流入する。
【0029】
メインバルブ部材46は、メインバルブスプール20が閉位置(図3、4および7)にあるときメインバルブ部材座40と当接する当接面54を備える。この結果、メインバルブ部材46は、メインバルブスプール20が閉位置にあるとき、メインバルブ本体16内の流入孔26と流出孔28との間の流体フローを遮断する。一方、メインバルブ部材46は、メインバルブスプール20が開位置(図5-7、矢印Bによって図示)にあるときメインバルブ部材座40と軸方向に離隔される。この結果、メインバルブ部材46は、メインバルブスプール20が開位置にあるとき、流体がメインバルブ本体16内の流入孔26から流出孔28に流れるのを許容する。必ずしも必要ではないが、メインバルブ12は、メインバルブ孔18の第二圧力室52内に配置されるメインバルブスプリング56を備える。このメインバルブスプリング56は、第二ピストン44に当接してメインバルブスプール20を閉位置に向けて付勢する(図3および4)。この構成により、メインバルブ12は、二方向の常時閉バルブとして動作する。
【0030】
パイロットバルブ14は、メインバルブ本体16の取付面58に取り付けられる。パイロットバルブ14は、取付面58に固定されるパイロットバルブ本体60と、ソレノイド駆動のパイロットバルブ部材64を覆う蓋62とを備える。パイロットバルブ部材64は、パイロットバルブ孔66に沿ってパイロットバルブ本体60内を摺動して常時閉パイロット流出流路32を開閉可能である。パイロットバルブ孔66は、上述のように、パイロットバルブ部材64が閉位置にあるとき、流体(例:空気)が流入孔26からパイロット流入流路30に、パイロット流入流路30からパイロットバルブ孔66内に、かつ常時開パイロット流出流路34内に流入するようパイロット流入流路30と常時開パイロット流出流路34とに連通する。ソレノイド68によりパイロットバルブ部材64が駆動すると、この流体(例:空気)はパイロットバルブ孔66から常時閉パイロット流出流路32内に自由に流入し、メインバルブスプール20を開位置に駆動する(図5および6)。パイロットバルブ14は、本願開示の譲受人でもあるマックバルブ社(MAC Valves、Inc)に譲渡されたアメリカ特許出願番号16/196,318に記載されたパイロットバルブであってもよい。アメリカ特許出願番号16/196,318の開示事項の全体を本明細書で参照して援用する。あるいは、パイロットバルブ14は、当業者に公知の任意の他の種類のパイロットバルブであってもよい。
【0031】
図7に最もよく示されるように、パイロットバルブ孔66はメインバルブ孔18の軸22に直行する横軸70に沿ってパイロットバルブ本体60内を延びる。上述のように、パイロットバルブ部材64はパイロットバルブ孔66内に配置され、横軸70に沿ってパイロットバルブ孔66内部を移動(すなわち摺動)可能である。しかしながら、パイロットバルブ14がメインバルブ12に対して異なる位置および/または向きで実装される別の構成も可能である。
【0032】
パイロットバルブ14は、パイロットバルブ孔66内部において二つ以上の軸方向に離隔した位置の間でパイロットバルブ部材64を駆動するソレノイド68を備える。この結果、パイロットバルブ部材64のパイロットバルブ孔66内での位置により、加圧流体がパイロット流入流路30から常時閉パイロット流出流路32に流入可能か否かが決まる。
【0033】
パイロットバルブ部材64は、第一弁頭72と、第一弁頭72から長手方向に離隔した第二弁頭74とを備える。パイロットバルブ14の閉位置(すなわち、常時閉パイロット流出流路32に加圧流体が流入しないとき)では、第一弁頭72はパイロットバルブ孔66の第一弁座76に当接し、第二弁頭74はパイロットバルブ孔66の第二弁座78から長手方向に離隔される。この状態において、加圧流体は自由にパイロットバルブ流入流路30を通ってパイロットバルブ14内に流入し、パイロットバルブ14(図示略)から常時開パイロットバルブ流出流路34に流出する。このようにして、加圧流体は、常時開パイロットバルブ流出流路34を介して第二圧力室52に流入し、スプール20をメインバルブ部材46がメインバルブ孔面40と係合する閉位置に付勢可能となる。
【0034】
パイロットバルブ14の開位置(すなわち、常時閉パイロット流出流路32への加圧流体の流入が許容されるとき)では、ソレノイド68が通電されて、パイロットバルブ部材64をソレノイド68から離れる方向に付勢され、これにより第一弁頭72が第一弁座76から離れ、第二弁頭74が移動してパイロットバルブ孔66の第二弁座78に当接する。この状態において、加圧流体は、常時開パイロットバルブ流出流路34に流入することなく、自由にパイロットバルブ流入流路30を通り、パイロットバルブ14から流出して常時閉パイロット流出流路32に流入する。このようにして、加圧流体は、第一圧力室48に流入可能である一方、第二圧力室52への到達が防止される。加圧流体が第二圧力室52にないことから(あるいは、少なくとも第二圧力室52内の流体が加圧されないことから)、第一圧力室48内の加圧流体は、メインバルブ部材46とメインバルブ部材座40とが係合しなくなるようメインバルブスプール20をパイロットバルブ14から離れる方向(すなわち矢印Bの方向)に付勢するのに十分である。したがって、流入孔26に流入する加圧流体は、流入孔26からメインバルブ孔18内に、またメインバルブ部材座40を迂回して流出孔28内に流入可能である。
【0035】
上述のパルスバルブ10によって、パルスバルブ10を通る流路の屈曲の少ない、より高速のフローのバルブが提供され、これにより、より効率のよいパルスバルブ10が得られる。この点、流入孔26と流出孔28の大きさおよび数、並びに流出孔28が流入孔26の径方向内側に配置されていることにより、バルブアセンブリ10からの流体(例:空気)の出力パルスおよびフローの効率が向上する。より具体的に、流入および流出孔26、28の大きさに応じてパルスバルブ10からパルス出力される流体(例:空気)の体積が増加し、流出孔28が流入孔26の径方向内側に配置されることで、パルスバルブ10を通る流路の屈曲がより少ないものとなる。
【0036】
図8-14を参照して本願開示の第二実施形態を説明する。パルスバルブアセンブリ100は、円筒状のメインバルブ112とパイロットバルブ114(図10-14に図示)とを備える。メインバルブ112は、円筒状のメインバルブ本体116と、メインバルブ孔118と、メインバルブスプール120とを備える。メインバルブ孔118は、メインバルブ本体116内を軸122に沿って延びる。メインバルブスプール120はメインバルブ孔118内に配置され、メインバルブ孔118内を閉位置と開位置(矢印Bによって表示)との間を移動(すなわち、摺動)可能である。
【0037】
メインバルブ本体116は取付インタフェース124を有し、この取付インタフェース124は、軸方向に延び横方向に離隔した複数の流入孔126と、複数の流入孔126に対して径方向内側に配置され取付インタフェース124の中央に配置される単一の流出孔128とを備える。流入孔126と流出孔128の大きさおよび数、並びに流出孔128が流入孔126の径方向内側に配置されていることにより、バルブアセンブリ100からの流体(例:空気)の出力パルスおよびフローの効率が向上する。この点に関し、流入および流出孔126、128の大きさにより、パルスバルブ10からパルス出力される流体(例:空気)の体積が増加し、流出孔128が流入孔126の径方向内側に配置されることで、パルスバルブ100を通る流路の屈曲がより少ないものとなる。ベース(図示略)がメインバルブ本体116の取付インタフェース124にねじ117によって接続されてもよい。このベースは、メインバルブ本体116の流入孔126と流体連通する入力部を構成し、加圧流体源(図示略)に接続され加圧流体源から加圧流体が流入するよう構成される。加圧流体源としては、これらに限られないが、例えば、貯蔵タンク、ポンプ、およびコンプレッサが挙げられる。このベースの出力は、メインバルブ本体116の流出孔128と流体連通し、付属装置(図示略)に接続されこの付属装置に加圧流体を供給するよう構成される。付属装置としては、これに限られないが、集塵機のノズルが挙げられる。
【0038】
メインバルブ本体116は、流入孔126と連通するパイロット流入流路130を備える。この点に関し、流体(例:空気)が各流入孔126に流入すると、流体はパイロット流入流路130に流入してパイロットバルブ114に移動する前に、メインバルブスプール120を囲む第一室131内に集積する。メインバルブ本体116は、また閉位置と開位置との間でメインバルブスプール120を駆動するのに用いられる常時閉パイロット流出流路132(図10-14)と、常時開パイロット流出流路134とを備える。パイロットバルブ114が閉位置にあるとき、流体(例:空気)が流入孔126からパイロット流入流路130に移動すると、この流体は常時閉パイロット流出流路132を迂回して常時開パイロット流出流路134内に移動し、メインバルブ本体116に形成された開口141を介して常時開パイロット流出流路134と連通するキャビティ137を経由して第二室135を加圧し、これによりメインバルブスプール120を閉位置に保持する。流入孔126、流出孔128、パイロット流入流路130、常時閉パイロット流出流路132、および常時開パイロット流出流路134は、すべてメインバルブ孔118と流体連通するよう配置される。キャビティ137と第二圧力室135とに生じる余剰の圧力は、パイロットバルブ114に形成されたブリード流路143を通って排出可能とされてもよい。
【0039】
メインバルブ本体116のメインバルブ孔118は、第二室135内の第一ピストン座136と、第一室131内の第二ピストン座138とを備える。第二ピストン座138は、第一ピストン座136から軸方向に離隔される。メインバルブスプール120は、第一ピストン142と、第二ピストン144とを備える。第二ピストン144は、第一ピストン142に対して軸方向に離隔される。第一ピストン142は、メインバルブスプール120が開位置および閉位置にあるとき、第一ピストン座136と摺動可能に当接するよう配置される。
【0040】
第二圧力室135は、常時開パイロット流出流路134と流体連通するのに加え、パイロットバルブ114が開位置にあるとき常時閉パイロット流出流路132と流体連通して加圧流体が常時閉パイロット流出流路132から流入する。これによりメインバルブスプール120が駆動されて第一ピストン142をパイロットバルブ114に向く方向に動かしバルブ100を開く。第二ピストン144は、第二ピストン座138と摺動可能に当接するよう配置され、流出孔128を密閉および開くのに用いられる。第一圧力室131は、流体流入孔126と連通するのに加え、第二圧力室流出孔139(図14)を介して第二圧力室135とも連通し、バルブスプール120が開位置に移動する際、第一ピストン142と第二ピストン144とがそれぞれ矢印Bの方向に動いて第二室135と第一室131との間の流体連通を可能とし、流体が流出孔128を通ってバルブ100から排出されるのを可能とする。バルブスプリング156がメインバルブ孔118の第二圧力室135内でバルブスプール120の周囲に配置されてもよい。このバルブスプリング156は、第一ピストン142に当接してメインバルブスプール20を閉位置に向けて付勢する。この構成により、バルブ100は、二方向の常時閉バルブとして動作する。
【0041】
パイロットバルブ114は、メインバルブ本体116の取付面158に取り付けられる。パイロットバルブ114は、取付面158に固定されるパイロットバルブ本体160と、ソレノイド駆動のパイロットバルブ部材164を覆う蓋162とを備える。パイロットバルブ部材164は、パイロットバルブ孔166に沿ってパイロットバルブ本体160内を摺動して常時閉パイロット流出流路132を開閉可能である。パイロットバルブ孔166は、上述のように、パイロットバルブ部材164が閉位置にあるとき、流体(例:空気)が流入孔126からパイロット流入流路130に、パイロット流入流路130からパイロットバルブ孔166内に、かつ常時開パイロット流出流路134内に流入するようパイロット流入流路130と常時開パイロット流出流路134とに連通する。ソレノイド168によりパイロットバルブ部材164が駆動すると、この流体(例:空気)はパイロットバルブ孔166から常時閉パイロット流出流路132内に自由に流入し、メインバルブスプール120を開位置に駆動する(図5および6)。パイロットバルブ114は、本願開示の譲受人でもあるマックバルブ社(MAC Valves、Inc)に譲渡されたアメリカ特許出願番号16/196,318に記載されたパイロットバルブであってもよい。アメリカ特許出願番号16/196,318の開示事項の全体を本明細書で参照して援用する。あるいは、パイロットバルブ114は、当業者に公知の任意の他の種類のパイロットバルブであってもよい。
【0042】
図14に最もよく示されるように、パイロットバルブ孔166はメインバルブ孔18の軸22に直行する横軸70に沿ってパイロットバルブ本体160内を延びる。上述のように、パイロットバルブ部材64はパイロットバルブ孔66内に配置され、横軸170に沿ってパイロットバルブ孔66内部を移動(すなわち摺動)可能である。しかしながら、パイロットバルブ114がメインバルブ112に対して異なる位置および/または向きで実装される別の構成も可能である。
【0043】
パイロットバルブ114は、パイロットバルブ孔166内部において二つ以上の軸方向に離隔した位置の間でパイロットバルブ部材164を駆動するソレノイド168を備える。この結果、パイロットバルブ部材164のパイロットバルブ孔166内での位置により、加圧流体がパイロット流入流路130から常時閉パイロット流出流路132に流入可能か否かが決まる。
【0044】
パイロットバルブ部材164は、第一弁頭172と、第一弁頭172から長手方向に離隔した第二弁頭174とを備える。パイロットバルブ114の閉位置(すなわち、常時閉パイロット流出流路132に加圧流体が流入しないとき)において、第一弁頭172はパイロットバルブ孔166の第一弁座176に当接し、第二弁頭174はパイロットバルブ孔166の第二弁座178から長手方向に離隔される。この状態において、加圧流体は自由にパイロットバルブ流入流路130を通ってパイロットバルブ114内に流入し、パイロットバルブ114(図示略)から常時開パイロットバルブ流出流路134に流出する。このようにして、加圧流体は、常時開パイロットバルブ流出流路134とキャビティ137を介して第二圧力室135に流入して、スプール120を第一ピストン142がメインバルブ孔118の第一弁座136と係合する閉位置に付勢可能となる。
【0045】
パイロットバルブ114の開位置(すなわち、図14に示されるように、常時閉パイロット流出流路32への加圧流体の流入が許容されるとき)において、ソレノイド168が通電され、パイロットバルブ部材64をソレノイド168に向かう方向に付勢すると、これにより第一弁頭172が第一弁座176から離れ、第二弁頭174が移動してパイロットバルブ孔166の第二弁座178に当接する。この状態において、加圧流体は(常時開パイロットバルブ流出流路34に流入することなく)、自由にパイロットバルブ流入流路130を通って、パイロットバルブ114から流出して常時閉パイロット流出流路132に流入する。流体が常時閉パイロット流出流路132に流入するにつれ、常時閉流出流路132内で圧力が上昇して、第一および第二ピストン142および144が矢印Bの方向に移動する。第一ピストン142が矢印Bの方向に移動すると、流体は第二圧力室135に流入可能となり、第二圧力室流出孔139が開く。したがって、第二圧力室135に流入している流体は、第一圧力室131に流入可能となる。さらに、第二ピストン144も矢印Bの方向に動いて流出孔128を開くことから、第二圧力室流出孔139を介して第二圧力室135から第一圧力室131に入った加圧流体は、開いた流出孔128を通ってバルブ100から流出可能である。加えて、流入孔126には、第一圧力室131に流入したとき、流出孔128から排出可能な流体が入力され続けることになる。このようにして、バルブ100が開状態のとき、バルブ100によって、より多くの流体パルスを出力可能となる。
【0046】
上述のパルスバルブ100によって、パルスバルブ100を通る流路の屈曲の少ない、より高速のフローのバルブが提供され、これにより、より効率のよいパルスバルブ100が得られる。この点に関し、上述のように、バルブ100から流出する流体の量は、メインバルブスプール120を開位置に駆動するのに必要な流体、並びに流入孔126からバルブ100に流入し続ける流体の量を含む。
【0047】
上記の実施形態の記載は、説明および記述目的で提供されるものである。網羅的ないし開示事項を限定することを意図したものではない。具体的実施形態の個別の要素または機能は、広く当該具体的実施形態に限定されず、該当する場合、相互交換可能であり、具体的に示されない、または記載されない場合でも、選択された実施形態に用いることができる。同じことを、多くの形で変形してもよい。このような変形は開示事項からの逸脱としてとらえられるべきではなく、このような変形の全ては開示事項の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
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図10
図11
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図14