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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】通信キット
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/32 20180101AFI20240801BHJP
   F24F 11/65 20180101ALI20240801BHJP
   F24F 11/54 20180101ALI20240801BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20240801BHJP
   F24F 110/12 20180101ALN20240801BHJP
【FI】
F24F11/32
F24F11/65
F24F11/54
F24F110:10
F24F110:12
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022543140
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 KR2020007661
(87)【国際公開番号】W WO2021145517
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0005908
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ボムス
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ジュンシク
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ジュンホ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ピルヒョン
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-236297(JP,A)
【文献】特開平06-082086(JP,A)
【文献】特開平06-002915(JP,A)
【文献】特開2008-101897(JP,A)
【文献】特開2019-066107(JP,A)
【文献】特開2016-003787(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0074537(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0353370(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0041446(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信キットであって、
サーモスタットと、室内機及び室外機と通信する通信モジュール;
前記サーモスタットから受信した信号に基づいて前記室内機及び前記室外機に送信する運転信号を生成するコントローラ;
前記サーモスタットのバックアップ機能を実行するか否かを選択する入力をユーザから受ける入力部;及び
室内空間の温度を感知する室内温度センサー;を備えてなり、
前記コントローラは、前記入力部を通じて、前記サーモスタットのバックアップ機能が実行されると、
前記サーモスタットから受信した信号を処理せず、前記室内温度センサーのセンシング値に基づいて内温度を算出し、
室内温度に基づいて、冷房運転モード、暖房運転モード、又は運転停止モードに動作するように、前記室内機及び前記室外機の運転モードを決定し、
前記入力部は、前記サーモスタットのバックアップ機能をオン又はオフさせる入力、或いは、前記サーモスタットのバックアップ機能がオンのときに動作モードを選択する入力、を受けるディップスイッチである、通信キット。
【請求項2】
前記サーモスタットのバックアップ機能が実行されると、
前記コントローラは、
前記室内温度が冷房基準温度よりも高い場合、前記室内機及び前記室外機が冷房運転するように制御する運転信号を生成し、
前記室内温度が暖房基準温度よりも低い場合、前記室内機と前記室外機が暖房運転するように制御する運転信号を生成する、請求項1に記載の通信キット。
【請求項3】
前記サーモスタットのバックアップ機能が実行されると、
前記コントローラは、前記室内温度が冷房基準温度よりも低く、暖房基準温度よりも高い場合、前記室内機及び前記室外機を運転停止モードに制御する、請求項1に記載の通信キット。
【請求項4】
前記サーモスタットのバックアップ機能が実行されると、前記コントローラは、冷房基準温度又は暖房基準温度を変更する、請求項1に記載の通信キット。
【請求項5】
前記コントローラは、所定時間の間に送風運転を行った後、前記センシング値に基づいて前記室内温度を算出する、請求項1に記載の通信キット。
【請求項6】
前記コントローラは、前記送風運転が終了する前の設定時間の間、前記センシング値の平均を前記室内温度として算出する、請求項5に記載の通信キット。
【請求項7】
前記サーモスタットのバックアップ機能が実行されると、前記コントローラは、既に設定された周期毎に送風運転を行うことにより算出された室内温度に基づいて前記室内機及び前記室外機の運転モードを決定する、請求項1に記載の通信キット。
【請求項8】
前記コントローラは、前記室内機及び前記室外機が運転を終了した時点毎に前記周期をカウントするタイマを初期化する、請求項7に記載の通信キット。
【請求項9】
前記コントローラは、前記サーモスタットのバックアップ機能を通じて、暖房運転時の室外温度に応じて暖房運転時間を調整する、請求項1に記載の通信キット。
【請求項10】
前記コントローラは、前記室外温度が低いほど前記暖房運転時間を長く調整する、請求項9に記載の通信キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信キットに関し、より詳細には、ユニタリシステムの連動運転に使用される通信キットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ユニタリシステム(Unitary System)は、工場、事務所、ホテル、家庭などの地下室に備えられた冷暖房器具を利用して冷風または温風を作り、これを建物内の壁体などに備えられたダクトを通じて個別空間に移送して供給する中央集中式冷暖房システムの一種である。
【0003】
ユニタリシステムにおいては、冷暖房が必要な領域と必要でない領域を区分し、個別領域ごとに冷風または温風を独立的に供給できるように、たいていダクトの中間に領域制御器(zone controller)を設置するか、または領域の個数に応じて複数の冷暖房機構を独立的に設置している。
【0004】
ユニタリシステムは、建物の外部に設置される室外機と、建物の地下室や天井部などに設置される室内機と、サーモスタットとを含むことができる。前記サーモスタットは、温度調節器であって、室内に設置され得る。ユーザは、前記サーモスタットを通じて室内空間の温度を設定することができ、前記サーモスタットは、前記室内空間の温度が設定温度を維持するように室内機および室外機などにオン/オフ信号を送信することができる。前記室内機または前記室外機は、前記サーモスタットから受信したオン/オフ信号に従って動作する。
【0005】
このようなサーモスタットが故障した場合、前記サーモスタットは、前記室内機または前記室外機にオン/オフ信号を送信できず、これにより、前記室内空間の温度が調整されないという問題が発生することがある。即ち、前記室内機および前記室外機は、正常動作が可能であっても前記サーモスタットに故障が発生すると、前記室内機および前記室外機は設定温度が分からないため、室内空気が過熱または冷却することがあり、これによりユーザ不便を招く問題が発生することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、サーモスタットが故障したときに緊急運転を実施可能な通信キットを提供することを目的とする。
【0007】
本開示は、サーモスタットが故障したときに室内空気が過度に過熱または冷却されることを最小限に抑えることができる通信キットを提供することを目的とする。
【0008】
本開示は、サーモスタットが故障したときに室内温度を選択可能な通信キットを提供することを目的とする。
【0009】
本開示は、緊急運転中にサーモスタットから信号を受信したときに発生可能な混乱を最小限に抑えることができる通信キットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の実施形態に係る通信キットは、サーモスタットのバックアップ機能を実行するとき、室内温度に基づいて室内機および室外機を運転することができる。
【0011】
本開示の実施形態に係る通信キットは、前記サーモスタットが故障した場合、前記室内温度が冷房基準温度よりも低く、暖房基準温度よりも高く調整されるように前記室内機および前記室外機を運転することができる。
【0012】
本開示の実施形態に係る通信キットは、前記サーモスタットのバックアップ機能が実行されてとき、前記冷房基準温度または前記暖房基準温度を変更する入力を受信することができる。
【0013】
本開示の実施形態に係る通信キットは、ガス炉を通じて暖房運転を行うときに室外温度に基づいて暖房運転時間を調整することができる。
【0014】
本開示の実施形態に係る通信キットは、緊急運転中に前記サーモスタットから受信した信号を処理しないことがある。
【0015】
本開示の実施形態に係る通信キットは、前記サーモスタットのバックアップ機能の実行可否の選択 、またはバックアップ機能を実行するときの動作モードの選択を受けるディップスイッチを含むことができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示の実施形態によると、室内温度に基づいて室内機および室外機が運転可能であるので、前記サーモスタットが故障してもユニタリシステムが緊急運転を行うことができるという利点がある。
【0017】
本開示の実施形態によると、前記室内温度が冷房基準温度よりも低く、暖房基準温度よりも高く調整されるので、室内空気が過度に過熱または冷却される問題を最小限に抑えることができる。
【0018】
本開示の実施形態に係る通信キットは、前記冷房基準温度または前記暖房基準温度を変更する入力を受信することができるため、前記サーモスタットが故障しても、前記室内温度をユーザの好みに応じて調整できるという利点がある。
【0019】
本開示の実施形態によると、前記通信キットは、前記室内温度が不明であっても室外温度に基づいて暖房運転時間を調整することにより、暖房運転が過度に短くあるいは長く行われることを最小限に抑えることができるという利点がある。
【0020】
本開示の実施形態によると、前記通信キットは、緊急運転中に前記サーモスタットから受信した信号を処理しないことにより、前記室内機および前記室外機の動作の混乱を最小限に抑えることができるという利点がある。
【0021】
本開示の実施形態によると、ディップスイッチを通じて前記バックアップ機能の実行可否の選択 、または前記バックアップ機能が実行されるときの動作モードの選択を受けるので、前記バックアップ機能の実行可否の選択 、または前記バックアップ機能が実行されるときの動作モードの選択を受けるための通信キットの構造および制御アルゴリズムの単純化、製造のためのコストの追加を最小限に抑えることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の実施形態に係るユニタリシステムの設置様子を示す概略図である。
図2】本開示の一実施形態に係るユニタリシステムのブロック図である。
図3】本開示の他の実施形態に係るユニタリシステムのブロック図である。
図4】本開示の実施形態に係る通信キットの制御ブロック図である。
図5】本開示の第1実施形態に係る室内温度センサーの設置様子を示す例示図である。
図6】本開示の第2実施形態に係る室内温度センサーの設置様子を示す例示図である。
図7】本開示の第3実施形態に係る室内温度センサーの設置様子を示す例示図である。
図8】本開示の実施形態に係る前記通信キットの動作方法を示す順序図である。
図9】本開示の実施形態に係る前記通信キットの入力部を示す例示図である。
図10】本開示の実施形態に係る室内温度センサーのセンシング値と実際の室内平均温度とを示すグラフである。
図11】本開示の実施形態に係る室内温度に応じて決定される運転モードを示す例示グラフである。
図12】本開示の実施形態に係る前記通信キットが室外温度に応じて調整する暖房運転時間を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の具体的な実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は、本開示の実施形態に係るユニタリシステムの設置様子を示す概略図であり、図2は、本開示の一実施形態に係る前記ユニタリシステムのブロック図である。
【0025】
前記ユニタリシステムは、温度調節命令を受信するサーモスタット10と、前記サーモスタットが受信した温度調節命令に基づいて運転する室外機40および室内機60を含むことができる。
【0026】
前記室外機40は、建物の外部に設置されてもよく、圧縮機、室外ファンなどを備えることができる。前記室外機40は、室外温度を感知する室外温度センサー(図示せず)を備えることができる。前記室外機40は、前記室外温度センサー(図示せず)で感知した室外温度を通信キット50(図3参照)に送信することができる。
【0027】
前記サーモスタット10と前記室内機60は、室内空間Sに設置され得る。例えば、前記サーモスタット10は、ユーザが滞在する空間に設置され、前記室内機60は、建物の地下室、天井部、別荘などに設置され得る。
【0028】
前記室内機60の例としては、Aコイル20やガス炉30を含むことができる。前記室内機60は、前記Aコイル20または前記ガス炉30のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0029】
前記Aコイル20は、冷房運転または暖房運転を行うことができる。例えば、前記Aコイル20は、冷房運転時にダクトに流れる空気を冷却するか、暖房運転時にダクトに流れる空気を加熱することができる。前記Aコイル20は、冷媒が流れる熱交換器の役割を果たすことができる。
【0030】
前記ガス炉30は、送風運転または暖房運転を行うことができる。例えば、前記ガス炉30は、送風運転時にファンのみを駆動することによって空気を循環させるか、暖房運転時に燃料の燃焼によって発生する高温の排気ガスによって空気を加熱することができる。
【0031】
しかし、前記Aコイル20および前記ガス炉30は、説明の便宜のために例示したものに過ぎず、これに限定されない。
【0032】
前記室内機60は、冷却または加熱された空気を供給流路2を介して前記室内空間Sに供給し、前記室内空間Sと連通した回収流路1を介して室内の空気を回収して再び冷却または加熱させることができる。
【0033】
前記供給流路2と前記回収流路1は、ダクトに形成されることがあり、前記供給流路2と前記回収流路1は、異なる位置に配置され得る。
【0034】
前記室内空間Sが複数の場合、前記供給流路2は、複数に分岐されて各室内空間Sに冷却または加熱された空気を供給することができる。
【0035】
前記サーモスタット10は、温度調節器である。前記サーモスタット10は、温度センサーを備えることができ、ユーザから温度調節命令を受信することができる。前記サーモスタット10は、前記温度センサーが測定した温度と前記温度調節命令により設定された温度が異なる場合、前記室外機40および前記室内機60が動作するようにオン/オフ信号と、接点信号とを送信することができる。
【0036】
前記サーモスタット10は、前記室内機60、例えば前記ガス炉30に接続されることがあり、前記室内機60は、前記室外機40に接続され得る。前記サーモスタット10は、前記室内機60にオン信号またはオフ信号を送信することができ、前記室内機60は、前記室外機40にオン信号またはオフ信号を送信することができる。または、図2に示すものとは異なり、前記サーモスタット10は、前記室外機40および前記室内機60のそれぞれに接続されて、前記室外機40および前記室内機60のそれぞれにオン信号またはオフ信号を送信することができる。
【0037】
図3は、本開示の他の実施形態に係るユニタリシステムのブロック図である。
【0038】
本開示の他の実施形態による前記ユニタリシステムは、サーモスタット10、室外機40、室内機60、および通信キット50を含むことができる。即ち、本開示の他の実施形態による前記ユニタリシステムは、図2で説明した前記ユニタリシステムと比較して、通信キット50をさらに含むことができる。
【0039】
前記通信キット50は、前記サーモスタット10、前記室外機40、および前記室内機60と通信することができる。前記通信キット50は、前記サーモスタット10からオン(On)信号またはオフ(Off)信号などの接点信号を受信すると、前記接点信号に応じて前記室外機40および前記室内機60が動作するように制御する運転信号を送信することができる。
【0040】
前記通信キット50は、緊急運転を行うことができる。前記緊急運転は、前記サーモスタット10に故障が発生したときに、前記サーモスタット10から信号を受信するか否かにかかわらず、前記通信キット50が前記室外機40および前記室内機60を制御する運転であり得る。
【0041】
前記通信キット50は、前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行するか否かを選択する入力を受信することができる。前記通信キット50は、受信した入力に応じて前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行しないか、または前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行することができる。
【0042】
前記通信キット50は、前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行しない場合、前記サーモスタット10から受信した接点信号に応じて前記室外機40および前記室内機60を制御することができる。
【0043】
前記通信キット50は、前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行する場合、室内温度に基づいて前記室外機40および前記室内機60を制御することができる。
【0044】
図4は、本開示の実施形態に係る通信キットの制御ブロック図である。
【0045】
前記通信キット50は、コントローラ51、電源部52、通信モジュール53、54、55、配管温度センサー56、室内温度センサー57、および入力部58のうち少なくとも一つを含むことができ、前記通信モジュール53、54、55は、第1通信部53、第2通信部54、および接点信号受信部55を含むことができる。
【0046】
前記コントローラ51は、前記電源部52、前記第1通信部53、前記第2通信部54、前記接点信号受信部55、前記配管温度センサー56、前記室内温度センサー57、および前記入力部58のそれぞれを制御することができる。
【0047】
前記コントローラ51は、前記サーモスタット10から受信した信号に基づいて前記室内機60および前記室外機40に送信する運転信号を生成することができる。
【0048】
前記電源部52は、前記通信キット50の駆動に必要な電源を外部から供給されてもよい。前記電源部52は、外部から供給された電源を変換して前記通信キット50に備えられた構成要素のそれぞれに供給することができる。前記電源部52は、SMPS(switched mode power supply)を備えることができる。
【0049】
前記第1通信部53は、前記室外機40と有線または無線で接続されて、前記室外機40と信号を送受信することができる。前記第2通信部54は、前記室内機60と有線または無線で接続されて、前記室内機60と信号を送受信することができる。一方、図4において、前記室外機40と通信するための構成要素と前記室内機60と通信するための構成要素とを第1通信部53と第2通信部54とに区分したが、これは例示的なものに過ぎない。一つの通信部が前記室外機40および前記室内機60と通信することができる。
【0050】
前記接点信号受信部55は、オン(On)信号またはオフ(Off)信号を受信することができる。前記接点信号受信部55は、ドライコンテクスト(dry contact)であり得る。
【0051】
一実施形態によると、前記接点信号受信部55は、前記サーモスタット10からオン/オフ信号を受信することができる。
【0052】
具体的には、前記サーモスタット10は、前記通信キット50にオン/オフ信号を送信することができる。例えば、前記サーモスタット10は、前記通信キット50に冷房運転用のオン/オフ信号、暖房運転用のオン/オフ信号、送風運転用のオン/オフ信号などを送信することができる。
【0053】
他の実施形態によると、図3に示すものとは異なり、前記サーモスタット10は、前記室内機60と接続され、前記通信キット50は、前記室外機40と前記室内機60との間に接続され得る。この場合、前記サーモスタット10は、前記室内機60にオン/オフ信号を送信し、前記室内機60が前記通信キット50にオン/オフ信号を送信することにより、前記接点信号受信部55は、前記室内機60からオン/オフ信号を受信することができる。
【0054】
他の実施形態によると、前記サーモスタット10は、前記通信キット50と共に前記室内機60にオン/オフ信号を送信し、前記接点信号受信部55は、前記サーモスタット10および前記室内機60のうち少なくとも一つからオン/オフ信号を受信することができる。
【0055】
以下、前記接点信号受信部55が前記サーモスタット10から接点信号を受信することと仮定する。
【0056】
前記配管温度センサー56は、前記室内機60、特に前記Aコイル20の内部に設置され得る。前記コントローラ51は、前記配管温度センサー56が感知した配管温度に基づいて、前記Aコイル20および前記室外機40の少なくとも一つを制御することができる。
【0057】
前記室内温度センサー57は、前記室内空間Sの温度を感知するための温度センサーであり得る。前記室内温度センサー57は、前記室内機60の空気吸入部または前記室内機60に接続された吸入流路1に設置され得る。前記室内温度センサー57の位置については、図5乃至図7を参照して詳細に説明する。
【0058】
前記入力部58は、ユーザからの入力を受信することができる。例えば、前記入力部58は、前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行するか否かを選択する入力、または前記サーモスタット10のバックアップ機能がオンのときに動作モードを選択する入力のうち少なくとも一つを受信することができる。
【0059】
前記入力部58は、ユーザからの入力を受信するためのキーやボタンを含むことができる。例えば、前記入力部58は、ディップスイッチ(DIP switch)であり得るが、これは例示的なものに過ぎず、これに限定されない。
【0060】
図5は、本開示の第1実施形態に係る室内温度センサーの設置様子を示す例示図である。
【0061】
前記室内温度センサー57は、前記Aコイル20の空気吸入部に設置され得る。
【0062】
具体的には、前記Aコイル20には、前記回収流路1と接続される空気吸入部20aと、前記供給流路2と接続される空気吐出部20bとを有することができ、前記室内温度センサー57は、前記Aコイル20の空気吸入部20aに設置され得る。即ち、図5に示すように、前記室内温度センサー57は、前記Aコイル20の空気吸入部20aと前記Aコイル20の空気吐出部20bのうち前記空気吸入部20aに近く設置され得る。
【0063】
図6は、本開示の第2実施形態に係る室内温度センサーの設置様子を示す例示図である。
【0064】
前記室内温度センサー57は、前記ガス炉30の空気吸入部に設置され得る。
【0065】
具体的には、前記ガス炉30と前記Aコイル20とは、互いに接続され得る。即ち、前記Aコイル20の下に前記ガス炉30が配置され、前記Aコイル20と前記ガス炉30とが互いに連通することができる。前記ガス炉30は、第1空気吸入部30aと第1空気吐出部30bを有することができ、前記Aコイル20は、第2空気吸入部20aと第2空気吐出部20bを有することができる。前記ガス炉30の第1空気吸入部30aは、前記回収流路1と接続され、前記ガス炉30の第1空気吐出部30bは、前記Aコイル20の第2空気吸入部20aと接続され、前記Aコイル20の第2空気吐出部20bは、前記供給流路2と接続され得る。前記Aコイル20は、前記ガス炉30の上部に設置され得る。この場合、前記室内温度センサー57は、前記ガス炉30の第1空気吸入部30aに設置され得る。
【0066】
前記ガス炉30は、燃料を燃焼させるバーナ31、燃料の燃焼によって発生した排気ガスが通過する排気流路32、前記第1空気吸入部30aを介して供給された空気を前記排気流路32に案内するブロワー33、前記排気流路32上に設けられた熱交換器34のうち少なくとも一つを含むことができる。このとき、前記室内温度センサー57は、前記回収流路1と前記ブロワー33との間に設置され得る。
【0067】
第1、第2などの序数は、説明の便宜のために使用したものに過ぎず、本開示はこれに限定されない。
【0068】
図7は、本開示の第3実施形態に係る室内温度センサーの設置様子を示す例示図である。
【0069】
図7に示すように、前記室内温度センサー57は、前記回収流路1に設置され得る。
【0070】
図5乃至図7に示すように前記室内温度センサー57が設置される場合、前記室内温度センサー57は、前記室内空間Sの温度を感知することができる。前記室内空間Sの温度は、前記室内機60の吸入温度であり得る。
【0071】
図5乃至図7で説明した前記室内温度センサー57の位置は、例示的なものに過ぎず、これに限定されない。前記Aコイル20が前記ガス炉30の上部に配置される場合、前記室内温度センサー57は、前記Aコイル20に設置され得る。
【0072】
前記通信キット50は、前記コントローラ51、前記電源部52、前記第1および第2通信部53、54、および前記接点信号受信部55のうち少なくとも一つを収容するケース59をさらに含むことができ、前記ケース59は、前記Aコイル20の外面に設置され得るが、前記ケース59の位置は、例示的なものに過ぎない。
【0073】
また、前記入力部58は、前記ケース59の内部に収容されるが、または前記ケース59の外面に配置され得る。この場合、ユーザは、前記入力部58を介して前記サーモスタット10のバックアップ機能をオンまたはオフさせるか、またはバックアップ機能の動作モードを選択することができる。前述した入力部58の位置は、例示的なものに過ぎず、前記入力部58の位置は、限定されない。例えば、前記入力部58は、前記ケース59と分離されて前記室内空間Sに配置され得る。
【0074】
前記通信キット50は、前記入力部58を介して前記サーモスタット10のバックアップ機能をオンに選択する命令を受信すると、前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行することができる。前記コントローラ51は、前記サーモスタット10のバックアップ機能が実行されると、室内温度に基づいて前記室内機60および前記室外機40の運転モードを決定することができ、以下、これについての具体的な方法を説明する。
【0075】
図8は、本開示の実施形態に係る通信キットの動作方法を示す順序図である。
【0076】
前記コントローラ51は、前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行しているか否かを判断することができる(S11)。
【0077】
前記サーモスタット10のバックアップ機能は、前記サーモスタット10の代わりに前記通信キット50が前記室外機40および前記室内機60を制御する機能を意味することができる。前記サーモスタット10のバックアップ機能は、前記サーモスタット10が故障した場合に備えて備えられた機能であり得る。ユーザは、前記サーモスタット10が故障した場合、前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行することができる。前記通信キット50は、前記入力部58を介して前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行可否の入力を受けることができる。
【0078】
図9は、本開示の実施形態に係る通信キットの入力部を示す例示図である。
【0079】
図9に示すように、前記入力部58は、ディップスイッチ(DIP switch)であり得る。前記ディップスイッチは、前記サーモスタット10のバックアップ機能をオンまたはオフにする入力または前記サーモスタット10のバックアップ機能がオンのときに動作モードを選択する入力を受けることができる。例えば、前記ディープスイッチの7番(No.7)は、前記サーモスタットのバックアップ機能のオン/オフ可否を決定し、前記ディップスイッチの8番(No.8)は、前記サーモスタットのバックアップ機能がオンのときの動作モードを決定することができる。この場合、前記コントローラ51は、前記ディップスイッチの7番が0(off)のときに前記バックアップ機能をオフさせ、前記ディップスイッチの7番が1(on)のときに前記バックアップ機能をオンさせることができる。
【0080】
そして、前記コントローラ51は、前記ディップスイッチの7番が1(on)であり、前記ディップスイッチの8番が0(off)であれば、動作モードを第1緊急運転モードに決定し、前記ディップスイッチの7番が1(on)であり、前記ディップスイッチの8番が1(on)であれば、動作モードを第2緊急運転モードに決定することができる。図9では、前記サーモスタットのバックアップ機能がオンのときに動作モードが2つのうち一つに決定されるものと例を挙げたが、前記動作モードは、一つであるか、または2つ以上であり得る。
【0081】
前記第1緊急運転モードは、最小緊急運転モードであり、前記室外機40および前記室内機60が動作を停止することを防止して前記室内空間Sの空気が過度に過熱または冷却される場合を最小限に抑えるための運転モードであり得る。前記第2緊急運転モードは、快適緊急運転モードであり、前記室外機40および前記室内機60を前記第1緊急運転モードのときよりも頻繁に駆動させることにより、前記室内空間Sの空気を比較的快適にするための運転モードであり得る。
【0082】
前記第1緊急運転モードにおいて、暖房基準温度は第1温度に制御され、冷房基準温度は第2温度に制御され、前記第2緊急運転モードにおいて、前記暖房基準温度は前記第1温度よりも高い第3温度に制御され、前記冷房基準温度は前記第2温度よりも低い第4温度に制御され得る。そして、前記第1温度および前記第3温度は、前記第4温度よりも低く、前記第2温度および前記第4温度は、前記第3温度よりも高くてもよい。
【0083】
前記コントローラ51は、前記ディップスイッチの7番が0(off)の場合、前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行中でないと判断し、前記ディップスイッチの7番が1(on)の場合、前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行中であると判断することができる。
【0084】
再び、図8を説明する。
【0085】
前記コントローラ51は、前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行中であれば、室内温度を算出することができる(S13)。
【0086】
前記コントローラ51は、前記室内温度センサー57のセンシング値に基づいて前記室内温度を算出することができる。
【0087】
前記第1実施形態によると、前記コントローラ51は、前記室内温度センサー57のセンシング値で前記室内温度を算出することができる。
【0088】
前記第2実施形態によると、前記コントローラ51は、所定時間送風運転を行った後、前記室内温度センサー57のセンシング値で前記室内温度を算出することができる。
【0089】
本開示において、前記送風運転は、前記室内機60の室内ファンのみを駆動させる運転であり得る。例えば、前記コントローラ51は、前記送風運転時に前記ガス炉30に備えられたファンのみを駆動させることができる。
【0090】
図10は、本開示の実施形態に係る室内温度センサーのセンシング値と実際の室内平均温度とを示すグラフである。
【0091】
図10に示すOn区間は、前記室内ファンが動作中の区間を意味し、図10に示すOff区間は、前記室内ファンを含む前記室内機60と前記室外機40が動作しない区間を意味することができる。また、図10に示す点線は、実際の室内平均温度を示すグラフであり、前記実際の室内平均温度は、前記室内空間Sの空気温度の平均を意味することができる。図10に示す実線は、前記室内温度センサー57のセンシング値を示すグラフであり得る。
【0092】
図10を参照すると、前記室内ファンが動作するときの前記室内温度センサー57のセンシング値と前記実際の室内平均温度が互いに類似しているのに対して、前記室内ファンが動作しない場合は、前記室内温度センサー57のセンシング値と実際の室内平均温度との間に比較的大きな差がある。
【0093】
したがって、図10を介して前記送風運転を行った後、前記室内温度センサー57のセンシング値を通じて前記室内温度を予測可能であることを確認することができる。
【0094】
このように、前記送風運転が所定時間行われた後、前記室内温度センサー57のセンシング値を前記室内温度として算出する場合、ある程度循環した室内空気の温度が室内温度として算出されるので、一時的に冷たいまたは熱い風が吹くなどの特殊な状況によって前記室内温度を誤検出する場合を最小限に抑えることができる。
【0095】
前記第3実施形態によると、前記コントローラ51は、所定時間送風運転を行った場合、前記送風運転が終了する前の設定時間中の前記室内温度センサー57のセンシング値の平均を前記室内温度として算出することができる。例えば、所定時間は3分であり、設定時間は1分であり得るが、これは例示的なものに過ぎず、これに限定されない。このように、前記送風運転が所定時間行われ、前記送風運転が終了する前の設定時間の間、前記室内温度センサー57のセンシング値の平均を前記室内温度として算出する場合、特殊な状況によって前記室内温度を誤検出する場合を最小限に抑えながら、前記平均温度を通じて前記室内温度の算出の精度を高めることができるという利点がある。
【0096】
再び、図8を説明する。
【0097】
前記コントローラ51は、前記室内温度を算出すると、前記室内温度を前記冷房基準温度および前記暖房基準温度と比較することができる(S15)。
【0098】
前記コントローラ51は、前記室内温度が前記冷房基準温度よりも小さいか、または大きいか、および前記室内温度が前記暖房基準温度よりも小さいか、または大きいかを検出することができる。
【0099】
前記冷房基準温度および前記暖房基準温度は、前記室外機40および前記室内機60の運転可否が決定されるように予め設定された基準値であり得る。特に、前記冷房基準温度は、前記室外機40および前記室内機60の冷房運転可否が決定されるように予め設定された基準値であり、前記暖房基準温度は、前記室外機40および前記室内機60の暖房運転可否が決定されるように予め設定された基準値であり得る。
【0100】
一実施形態によると、前記通信キット50は、前記サーモスタット10のバックアップ機能がオンのときに2つ以上の動作モードをサポートすることができ、この場合、動作モードによって前記冷房基準温度および前記暖房基準温度が異なることがある。例えば、前記バックアップ機能がオンであり、動作モードが前記第1緊急運転モードの場合、前記暖房基準温度は、第1温度(例えば、18℃)であり、前記冷房基準温度は、第2温度(例えば、29℃)であり、前記バックアップ機能がオンであり、動作モードが前記第2緊急運転モードである場合、前記暖房基準温度は、第3温度(例えば、20℃)であり、前記冷房基準温度は、第4温度(例えば、26℃)であり得る。前記コントローラ51は、前記室内温度を現在の動作モードに対応する前記冷蔵基準温度および前記暖房基準温度と比較することができる。
【0101】
したがって、前記コントローラ51は、前記サーモスタット10のバックアップ機能が実行中の場合、前記冷房基準温度または前記暖房基準温度を変更することができる。例えば、前記コントローラ51は、前記入力部58を通じて動作モードを変更する命令を受信すると、前記冷房基準温度または前記暖房基準温度を変更することができる。前記コントローラ51は、動作モードを前記第1緊急運転モードに選択する命令を受信すると、前記暖房基準温度を前記第1温度(例えば、18℃)に設定し、前記冷房基準温度を前記第2温度(例えば、29℃)に変更し、動作モードを前記第2緊急運転モードに選択する命令を受信すると、前記暖房基準温度を前記第3温度(例えば20℃)に設定し、前記冷房基準温度を前記第4温度(例えば、26℃)に変更することができる。
【0102】
前記コントローラ51は、比較結果に基づいて運転モードを決定することができる(S17)。
【0103】
前記コントローラ51は、前記室内温度に基づいて冷房運転モード、暖房運転モード、または運転停止モードで動作するように前記室内機60および前記室外機40を制御することができる。
【0104】
次に、図11を参照して、前記コントローラ51が前記室内温度を前記冷房基準温度および前記暖房基準温度と比較した結果に基づいて運転モードを決定する方法を説明する。
【0105】
図11は、本開示の実施形態に係る室内温度に応じて決定される運転モードを示す例示グラフである。
【0106】
室内温度Tinが冷房基準温度Tcoolよりも高い場合、 前記コントローラ51は、運転モードを冷房運転モードと決定し、前記室内温度Tinが暖房基準温度Theatよりも低い場合、前記コントローラ51は、運転モードを暖房運転モードと決定することができる。そして、前記室内温度Tinが前記暖房基準温度Theatよりも高く、前記冷房基準温度Tcoolよりも低い場合、前記コントローラ51は、運転モードを運転停止モードに決定することができる。
【0107】
即ち、前記サーモスタット10のバックアップ機能が実行されると、前記室内温度Tinが前記冷房基準温度Tcoolよりも高い場合、前記コントローラ51は、前記室内機60および前記室外機40が冷房運転するように制御する運転信号を生成し、 前記室内温度Tinが前記暖房基準温度Theatよりも低い場合、前記コントローラ51は、前記室内機60および前記室外機40が暖房運転するように制御する運転信号を生成することができる。そして、前記サーモスタット10のバックアップ機能が実行されると、前記室内温度Tinが前記冷房基準温度Tcoolよりも低く、前記暖房基準温度Theatよりも高い場合、前記コントローラ51は、 前記室内機60および前記室外機40を運転停止モードに制御することができる。
【0108】
再び、図8を説明する。
【0109】
前記コントローラ51は、決定された運転モードで動作するように前記室内機60および前記室外機40を制御することができる(S19)。
【0110】
前記コントローラ51は、運転モードを冷房運転モードに決定した場合、冷房運転を行うように前記室内機60および前記室外機40を制御し、運転モードを暖房運転モードに決定した場合、暖房運転を行うように前記室内機60および前記室外機40を制御し、運転モードを運転停止モードに決定した場合、運転を終了するように前記室内機60および前記室外機40を制御することができる。
【0111】
前記室内機60および前記室外機40を冷房運転または暖房運転を行うように制御した場合、前記コントローラ51は、所定の運転時間中に冷房運転または暖房運転を行うように前記室内機60および前記室外機40を制御することができる。例えば、 決定された運転モードが冷房運転モードまたは暖房運転モードである場合、前記コントローラ51は、所定の運転時間(例えば、30分)の間、冷房運転または暖房運転を行うように前記室内機60および前述室外機40を制御することができる。前記コントローラ51は、所定の運転時間中に冷房運転または暖房運転を行うように前記室内機60および前記室外機40を制御した後は、運転モードを運転停止モードに決定することができる。
【0112】
前記コントローラ51は、運転モードが運転停止モードであるか否かを判断することができる(S21)。
【0113】
前記コントローラ51は、前記室内機60および前記室外機40が冷房運転または暖房運転を行っている場合には、運転モードが運転停止モードに該当しないと判断することができる。
【0114】
前記コントローラ51は、運転モードが運転停止モードに該当しない場合、前記室内温度を算出することができる(S22)。
【0115】
即ち、運転モードが運転停止モードに該当しない場合、前記コントローラ51は、前記室内温度を算出し、算出された室内温度を前記冷房基準温度および前記暖房基準温度と比較した結果で決定された運転モードに応じて前記室内機60および前記室外機40を制御することができる。
【0116】
前記ステップS22のように、冷房運転モードまたは暖房運転モードで動作中の室内温度を算出する場合には、前記コントローラ51は、送風運転を行わず、感知された前記室内温度センサー57のセンシング値自体を前記室内温度として算出することができる。これは、冷房運転モードまたは暖房運転モードで動作中に送風運転を行う場合、前記室内空間Sの空気が適切に冷房または暖房されないことがあるからである。
【0117】
前記コントローラ51が前記室内温度を算出することが困難な場合があり得る。例えば、前記室内温度センサー57が前記Aコイル20に設けられ、前記ガス炉30を用いて暖房運転を行う場合、前記室内温度センサー57は、前記ガス炉30によって加熱された空気の温度を感知するため、前記室内温度を算出できないことがある。この場合、前記コントローラ51は、室外温度に基づいて暖房運転時間を調整することができる。
【0118】
即ち、実施形態によると、前記コントローラ51は、前記サーモスタット10のバックアップ機能により暖房運転時の室外温度に応じて暖房運転時間を調整することができ、これは、以下で詳細に説明する。
【0119】
図12は、本開示の実施形態に係る通信キットが室外温度に応じて調整する暖房運転時間を示すグラフである。
【0120】
図12に示す点線は、ASHRAEで定義された室外温度に応じて建物に必要な暖房負荷を示すことができる。即ち、図12に示す点線を参照すると、室外温度が低くなるほど建物に必要な暖房負荷が増加することを確認することができる。
【0121】
したがって、前記コントローラ51は、室外温度が低いほど暖房運転時間を長く調整することができる。図12に示す実線は、室外温度に応じた暖房運転時間を示すことができる。前記通信キット50は、図12に示す実線グラフのように、室外温度のそれぞれにマッピングされた暖房運転時間を予め保存することができる。
【0122】
前記室内温度センサー57が前記Aコイル20に設けられ、前記ガス炉30を用いて暖房運転を行う場合は、前記コントローラ51は、ステップS22で室内温度を算出する代わりに前記室外機40から室外温度を受信し、受信した室外温度に応じて暖房運転時間を決定することができる。この場合、前記コントローラ51は、決定された暖房運転時間の間、暖房運転するように前記室内機60および前記室外機40を制御し、ステップS21に戻って運転停止モードであるか否かを判断することができる。
【0123】
しかし、前記室内温度センサー57が前記ガス炉30の吸気口または前記回収流路1に設置され、または冷房運転が行われる場合は、前記コントローラ51は、ステップS22のように室内温度を算出し、算出された室内温度を前記冷房基準温度および前記暖房基準温度と比較して運転モードを決定することができる。
【0124】
再び、図8を説明する。
【0125】
前記コントローラ51は、運転モードが運転停止モードである場合、既に設定された周期に到達するか否かを判断することができる(S23)。
【0126】
前記コントローラ51は、運転停止モードに入ったときにタイマを初期化(リセット)して運転停止モードで動作した時間をカウントすることができる。即ち、前記コントローラ51は、前記室内機60および前記室外機40が運転を終了した時点毎に周期をカウントするタイマを初期化することができる。前記コントローラ51は、前記サーモスタット10のバックアップ機能が実行中の場合、既に設定された周期毎に送風運転を行うことにより算出された室内温度に基づいて前記室内機60および前記室外機40の運転モードを決定することができる。
【0127】
前記コントローラ51は、運転停止モードで動作した時間が予め設定された周期に達しなければ、ステップS19に戻ることができる。即ち、前記コントローラ51は、運転停止モードで動作した時間が予め設定された周期に達しなければ、現在の運転モードに従って動作を継続するように前記室内機60および前記室外機40を制御することができる。
【0128】
一方、前記コントローラ51は、運転停止モードで動作した時間が予め設定された周期に達すると、ステップS13に戻ることができる。即ち、前記コントローラ51は、運転停止モードで動作した時間が予め設定された周期に達すると、室内温度を再算出し、再算出された室内温度を前記冷房基準温度および前記暖房基準温度と比較して運転モードを再決定することができる。
【0129】
即ち、前記コントローラ51は、運転停止モードで動作しても予め設定された周期毎に室内温度を算出することができ、室内温度が前記暖房基準温度よりも低いか、室内温度が前記冷房基準温度よりも高い場合、前記室内機60および前記室外機40が再び運転するように制御することができる。
【0130】
前記コントローラ51は、図8に示す順序に従って動作中に、前記サーモスタット10のバックアップ機能が実行終了したか否かを判断することができる。即ち、前記コントローラ51は、図8に示す順序に従って動作中に、前記入力部58を通じて前記サーモスタット10のバックアップ機能をオフする入力を受けると、前記サーモスタット10のバックアップ機能を終了することができる。前記コントローラ51は、前記サーモスタット10のバックアップ機能を終了すると、前記サーモスタット10から受信される接点信号に基づいて前記室内機60および前記室外機40を制御することができる。
【0131】
そして、前記コントローラ51は、前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行している間には、前記サーモスタット10から受信した信号を処理しないことがある。前記コントローラ51が前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行している間には、室内温度に応じて前記室内機60および前記室外機40が動作するので、前記サーモスタット10から受信した接点信号に応じて前記室内機60および前記室外機40が制御されると、前記室内機60および前記室外機40の動作に混乱が発生することがあるからである。即ち、前記室内機60および前記室外機40での信号混乱を防止するために、前記コントローラ51は、前記サーモスタット10のバックアップ機能を実行している間には、前記サーモスタット10から受信した信号を処理しないことがある。
【0132】
以上の説明は、本開示の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本開示の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正および変形が可能であろう。
【0133】
したがって、本開示に開示された実施形態は、本開示の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであり、そのような実施形態によって本開示の技術思想の範囲が限定されるものではない。
【0134】
本開示の保護範囲は、以下の特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本開示の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12