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特許7531025表示制御装置、操作検出装置、表示制御方法及び表示制御プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】表示制御装置、操作検出装置、表示制御方法及び表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04845 20220101AFI20240801BHJP
【FI】
G06F3/04845
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023094610
(22)【出願日】2023-06-08
(62)【分割の表示】P 2022093375の分割
【原出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2023105202
(43)【公開日】2023-07-28
【審査請求日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】P 2018243419
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】黄 慶浩
【審査官】酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-038009(JP,A)
【文献】特開2017-135444(JP,A)
【文献】特開平07-117561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の外界を撮影した画像を当該移動体内において表示させる第1表示制御手段と、
第1の操作を検出する操作検出手段と、
前記移動体の移動する方向である移動方向を検出する移動方向検出手段と、
前記移動方向に応じて前記第1の操作を、表示中の画像より後に撮影された画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に撮影された画像を表示する戻し操作とするかを切り替える切替手段と、
を備え、
前記第1表示制御手段は、前記送り操作又は前記戻し操作に応じた画像を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
画像を移動体内において表示させる第1表示制御手段と、
第1の操作を検出する操作検出手段と、
前記移動体の移動する方向である移動方向を検出する移動方向検出手段と、
前記移動方向に応じて前記第1の操作を、表示中の画像より後に表示されるべき画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に表示されるべき画像を表示する戻し操作とするかを切り替える切替手段と、
を備え、
前記第1表示制御手段は、前記第1の操作に応じた画像を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示制御装置であって、
前記画像は、前記移動体から連続して撮影された画像であることを特徴とする表示制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の表示制御装置であって、
前記操作検出手段は、前記第1の操作とは異なる第2の操作を更に検出し、
前記切替手段は、前記移動方向が第1の方向である場合に、前記第1の操作を前記送り操作とするとともに前記第2の操作を前記戻し操作とし、前記移動方向が前記第1の方向から当該第1の方向とは異なる第2の方向に切り替わった場合に、前記第1の操作を前記戻し操作に切り替えるとともに前記第2の操作を前記送り操作に切り替えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の表示制御装置であって、
前記操作検出手段は、前記第1の操作を検出する第1検出部と、前記第2の操作を検出する第2検出部とを含み、
前記移動方向が第1の方向である場合に、前記第1検出部が前記送り操作に対応し、且つ、前記第2検出部が前記戻し操作に対応することを提示し、前記移動方向が前記第1の方向から前記第2の方向に切り替わった場合に、前記第1検出部が前記戻し操作に対応し、且つ、前記第2検出部が前記送り操作に対応することを示す提示に切り替えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の表示制御装置であって、
前記第1表示制御手段が表示させる画像とは別に、前記移動体内において複数の前記画像を撮影した順番に並べて表示させるとともに、当該並べて表示させる画像のうち前記第1表示制御手段により表示されている画像に対応する画像を他の画像と識別可能に表示させる第2表示制御手段、を更に備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の表示制御装置であって、
前記第1表示制御手段は、前記移動体内における前記移動方向を基準として側面部、天井部又は床面部の少なくとも何れかに前記画像を表示させる表示装置に当該画像を表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の前記操作検出手段を備える操作検出装置であって、
前記第1表示制御手段、前記移動方向検出手段及び前記切替手段を備える前記表示制御装置の当該切替手段に、前記操作検出手段が前記第1の操作を検出したことを示す操作検出情報を出力する出力手段を更に備えることを特徴とする操作検出装置。
【請求項9】
表示制御装置による表示制御方法であって、
移動体の外界を撮影した画像を当該移動体内において表示させる第1表示制御工程と、
第1の操作を検出する操作検出工程と、
前記移動体の移動する方向である移動方向を検出する移動方向検出工程と、
前記移動方向に応じて前記第1の操作を、表示中の画像より後に撮影された画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に撮影された画像を表示する戻し操作とするかを切り替える切替工程と、
を含み、
前記第1表示制御工程では、前記送り操作又は前記戻し操作に応じた画像を表示させることを特徴とする表示制御方法。
【請求項10】
表示制御装置に含まれるコンピュータを、
移動体の外界を撮影した画像を当該移動体内において表示させる第1表示制御手段、
第1の操作を検出する操作検出手段、
前記移動体の移動する方向である移動方向を検出する移動方向検出手段、
前記移動方向に応じて前記第1の操作を、表示中の画像より後に撮影された画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に撮影された画像を表示する戻し操作とするかを切り替える切替手段、
として機能させる表示制御プログラムであって、
前記第1表示制御手段は、前記送り操作又は前記戻し操作に応じた画像を表示させることを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項11】
表示制御装置による表示制御方法であって、
画像を移動体内において表示させる第1表示制御工程と、
第1の操作を検出する操作検出工程と、
前記移動体の移動する方向である移動方向を検出する移動方向検出工程と、
前記移動方向に応じて前記第1の操作を、表示中の画像より後に表示されるべき画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に表示されるべき画像を表示する戻し操作とするかを切り替える切替工程と、
を含み、
前記第1表示制御工程では、前記第1の操作に応じた画像を表示させることを特徴とする表示制御方法。
【請求項12】
表示制御装置に含まれるコンピュータを、
画像を移動体内において表示させる第1表示制御手段、
第1の操作を検出する操作検出手段、
前記移動体の移動する方向である移動方向を検出する移動方向検出手段、
前記移動方向に応じて前記第1の操作を、表示中の画像より後に表示されるべき画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に表示されるべき画像を表示する戻し操作とするかを切り替える切替手段、
として機能させる表示制御プログラムであって、
前記第1表示制御手段は、前記第1の操作に応じた画像を表示させることを特徴とする表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、移動体の外界を撮影した画像を当該移動体内において表示させる表示制御装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、移動体の外界を動画撮影し、搭乗者が時間帯や対象物を指定すると対応する過去の動画を出力する技術が開示されている。しかしながら、搭乗者が見たい部分を時間帯や対象物では指定することが難しい場合がある。例えば、見たい部分が3分10秒前のものか、3分30秒前のものか正確に指定することは難しく、また、対象物についても類似する対象物が複数ある場合などは指定することが難しい。
【0003】
そこで、例えば、動画とともに当該動画を所定の時間間隔で切り取り小さくした画像(サムネイル)を並べて表示させて、搭乗者により選択されたサムネイルに対応する部分を再生することにすると、ユーザは見たい部分に対応するサムネイルを選択することにより当該部分を見ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-38009公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、サムネイルを横方向に並べて表示させる際、従来の技術では、左側を過去、右側を現在に対応させて表示させるのが一般的となっているが、移動中の移動体に搭乗している搭乗者は、サムネイルの並び順の現在と過去が移動体の移動方向に対応していない場合に違和感を覚え、サムネイルの選択操作を誤ることがある。
【0006】
そこで、本発明は、こうした問題の一例に鑑み、移動体の外界を撮影した画像を当該移動体内で表示させる場合において、操作者が表示中の画像より前又は後に撮影された画像を表示させる操作を、当該搭乗者が違和感なく行うことができる表示制御装置等を提供することを一つの課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、移動体の外界を撮影した画像を当該移動体内において表示させる第1表示制御手段と、第1の操作を検出する操作検出手段と、前記移動体の移動する方向である移動方向を検出する移動方向検出手段と、前記移動方向に応じて前記第1の操作を、表示中の画像より後に撮影された画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に撮影された画像を表示する戻し操作とするかを切り替える切替手段と、を備え、前記第1表示制御手段は、前記送り操作又は前記戻し操作に応じた画像を表示させることを特徴とする。
【0008】
請求項8に記載の発明は、表示制御装置による表示制御方法であって、移動体の外界を撮影した画像を当該移動体内において表示させる第1表示制御工程と、第1の操作を検出する操作検出工程と、前記移動体の移動する方向である移動方向を検出する移動方向検出工程と、前記移動方向に応じて前記第1の操作を、表示中の画像より後に撮影された画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に撮影された画像を表示する戻し操作とするかを切り替える切替工程と、を含み、前記第1表示制御工程では、前記送り操作又は前記戻し操作に応じた画像を表示させることを特徴とする。
【0009】
請求項9に記載の発明は、表示制御装置に含まれるコンピュータを、移動体の外界を撮影した画像を当該移動体内において表示させる第1表示制御手段、第1の操作を検出する操作検出手段、前記移動体の移動する方向である移動方向を検出する移動方向検出手段、前記移動方向に応じて前記第1の操作を、表示中の画像より後に撮影された画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に撮影された画像を表示する戻し操作とするかを切り替える切替手段、として機能させる表示制御プログラムであって、前記第1表示制御手段は、前記送り操作又は前記戻し操作に応じた画像を表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、画像を移動体内において表示させる第1表示制御手段と、第1の操作を検出する操作検出手段と、前記移動体の移動する方向である移動方向を検出する移動方向検出手段と、前記移動方向に応じて前記第1の操作を、表示中の画像より後に表示されるべき画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に表示されるべき画像を表示する戻し操作とするかを切り替える切替手段と、を備え、前記第1表示制御手段は、前記第1の操作に応じた画像を表示させることを特徴とする。
【0011】
請求項11に記載の発明は、表示制御装置による表示制御方法であって、画像を移動体内において表示させる第1表示制御工程と、第1の操作を検出する操作検出工程と、前記移動体の移動する方向である移動方向を検出する移動方向検出工程と、前記移動方向に応じて前記第1の操作を、表示中の画像より後に表示されるべき画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に表示されるべき画像を表示する戻し操作とするかを切り替える切替工程と、を含み、前記第1表示制御工程では、前記第1の操作に応じた画像を表示させることを特徴とする。
【0012】
請求項12に記載の発明は、表示制御装置に含まれるコンピュータを、画像を移動体内において表示させる第1表示制御手段、第1の操作を検出する操作検出手段、前記移動体の移動する方向である移動方向を検出する移動方向検出手段、前記移動方向に応じて前記第1の操作を、表示中の画像より後に表示されるべき画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に表示されるべき画像を表示する戻し操作とするかを切り替える切替手段、として機能させる表示制御プログラムであって、前記第1表示制御手段は、前記第1の操作に応じた画像を表示させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態における表示制御装置1の構成例を示すブロック図である。
図2】第1実施例における表示制御装置200の構成例を示すブロック図である。
図3】第1実施例における表示制御装置200が搭載される車両(主にその内部)の一例を示す概略図である。
図4】第1実施例におけるディスプレイ(左上)226LUの表示例を示す図である。
図5】第1実施例における再生スクロールバーの表示例を示す図である。
図6】第1実施例における再生スクロールバーの表示例を示す図である。
図7】第1実施例における再生スクロールバーの表示例を示す図である。
図8】第1実施例における再生スクロールバーの表示例を示す図である。
図9】第1実施例における制御部211による表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
図10】第2実施例における表示制御装置200が搭載される車両(主にその内部)の様子を示す概略図である。
図11】(A)は、第2実施例における携帯端末400の構成例を示すブロック図であり、(B)は、ディスプレイにおける画像表示領域と再生スクロールバー表示領域の一例を示す図である。
図12】第2実施例における表示制御装置200及び携帯端末400の動作例を示すフローチャートである。
図13】変形例2-1における表示制御装置200が搭載される車両(主にその内部)の一例を示す概略図である。
図14】変形例2-2における自車両の前面部に画像を表示するディスプレイ260と再生スクロールバー300Bを表示するディスプレイ261の一例を示す図である。
図15】変形例2-3における車両270の概要の一例を上方から見た図である。
図16】変形例2-3における車両270に設置されるディスプレイ271A、271BA、271C、271Dの移動方向毎の表示形式の一例を示す図である。
図17】変形例4における表示制御装置200が搭載される車両(主にその内部)の一例を示す概略図である。
図18】変形例9-1における、内壁の全面がシームレスなディスプレイで覆われている車両280の一例を示す図である。
図19】変形例9-2における、内壁の全面が2枚のディスプレイで覆われており、且つ、車両の前後方向にディスプレイのつなぎ目289がある車両280の一例を上方から見た図である。
図20】変形例9-3における、内壁の全面が2枚のディスプレイで覆われており、且つ、車両の左右方向にディスプレイのつなぎ目289がある車両280の一例を上方から見た図である。
図21】変形例9-4における、内壁の全面が2枚のディスプレイで覆われており、且つ、車両の斜め方向にディスプレイのつなぎ目289がある横長の車両280の一例を上方から見た図である。
図22】変形例9-5における、内壁の全面が2枚のディスプレイで覆われており、且つ、車両の斜め方向にディスプレイのつなぎ目289がある縦長の車両280の一例を上方から見た図である。
図23】変形例9-6における、内壁の全面が2枚のディスプレイで覆われており、且つ、車両の斜め方向にディスプレイのつなぎ目289がある、縦横がほぼ同じ長さの車両280の一例を上方から見た図である。
図24】変形例10における、ディスプレイが車内の複数の側面部にわたって設置された車両の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願発明を実施するための形態について、図1を用いて説明する。
【0015】
図1に示すように、表示制御装置100は第1表示制御手段101、操作検出手段102、移動方向検出手段103、切替手段104を備える。
【0016】
第1表示制御手段101は、移動体の外界を撮影した画像を当該移動体内において表示させる。
【0017】
操作検出手段102は、第1の操作を検出する。
【0018】
移動方向検出手段103は、前記移動体の移動する方向である移動方向を検出する。
【0019】
切替手段104は、前記移動方向に応じて前記第1の操作を、表示中の画像より後に撮影された画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に撮影された画像を表示する戻し操作とするかを切り替える。
【0020】
そして、第1表示制御手段101は、前記送り操作又は前記戻し操作に応じた画像を表示させる。
【0021】
表示制御装置100によれば、移動体の外界を撮影した画像が当該移動体内において表示される場合に、第1の操作が移動方向に応じて表示中の画像より後に撮影された画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に撮影された画像を表示する戻し操作とするかが切り替えられ、送り操作又は戻し操作に応じた画像が表示される。したがって、搭乗者が違和感なく直感的に操作できるように移動方向に応じて送り操作と戻し操作を切り替えられることから、操作者は表示中の画像より前又は後に撮影された画像を表示させる操作を違和感なく直感的に行うことができる。
【実施例
【0022】
[1.第1実施例]
次に、上述した実施形態に対応する第1実施例について説明する。なお、以下に説明する第1実施例は、本願発明を、車両に搭載される表示制御装置200に適用した場合の実施例である。以下、表示制御装置200が搭載された車両を自車両という場合がある。
【0023】
[1.1.表示制御装置200の構成]
図2図8を用いて、第1実施例における表示制御装置200の構成について説明する。図2は、表示制御装置200の構成例を示すブロック図であり、図3は、表示制御装置200が搭載される車両(主にその内部)の一例を示す概略図である。なお、図3で示す車両は、フロントウィンドウFW及びコントロールパネルCPが設置されている方向が前進方向に対応する。図4は、ディスプレイ(左上)226LUの表示例を示す図であり、図5図8は、ディスプレイ(左下)226LLに表示される再生スクロールバーの表示例を示す図である。
【0024】
図2に示すように、表示制御装置200は、制御部211と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等からなる記憶部212と、キーボード、タッチパネル等からなる入力部213と、表示ユニット214と、通信部215と、バスラインBと、入出力インターフェース部220と、車速センサ221と、角速度センサ222と、加速度センサ223と、舵角センサ224と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部225と、ディスプレイ(左上)226LUと、ディスプレイ(左下)226LLと、ディスプレイ(右上)226RUと、ディスプレイ(右下)226RLと、カメラ(左)227Lと、カメラ(右)227Rと、を備えて構成されている。なお、ディスプレイ(左上)226LUと、ディスプレイ(左下)226LLと、ディスプレイ(右上)226RUと、ディスプレイ(右下)226RLを総称してディスプレイ226という場合がある。また、カメラ(左)227Lと、カメラ(右)227Rを総称してカメラ227という場合がある。
【0025】
制御部211は、制御部211全体を制御するCPU211aと、制御部211を制御する制御プログラム等が予め記憶されているROM211bと、各種データを一時的に格納するRAM211cと、により構成されている。そして、CPU211aが、ROM211bや記憶部212に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種手段として機能する。制御部211又はCPU211aは、「コンピュータ」に対応する。
【0026】
記憶部212は、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム等の各種プログラムや、各種プログラムで利用されるデータや情報を記憶する。OSは、システム時計を管理し、定期的に時刻サーバに接続し同期することにより正確な時間を保持する。また、記憶部212は、ディスプレイ226に画像を表示させるための表示制御プログラムを記憶している。なお、各種プログラムは、例えば、サーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしても良いし、CD、DVD、USBメモリ等の記録媒体に記録されたものを読み込むようにしても良い。
【0027】
記憶部212は、カメラ(左)227Lとカメラ(右)227Rがそれぞれ自車両の外界を撮影した画像を記憶する。各画像は当該画像の撮影時刻を特定できるように記憶される。例えば、画像そのものが属性情報として撮影時刻を保持することとしてもよいし、画像と撮影時刻を紐付けるテーブル等により管理することとしてもよい。なお、画像が動画形式で撮影された場合には、当該動画を構成する複数の連続した画像のそれぞれについて撮影時刻を特定できるように記憶される。また、記憶部212は、各画像をそれぞれ縮小化した画像(以下、サムネイル画像という場合がある)を当該画像と対応付けて記憶する。撮影時刻は、例えば、記憶部212が画像を記憶した時点の撮影時刻とすることができる。
【0028】
入力部213は、操作者の入力操作を受け付けて、操作内容を示す操作信号を制御部211に送信する。
【0029】
表示ユニット214は、グラフィックスコントローラ214aと、VRAM(Video RAM)等のメモリからなるバッファメモリ214bを備えて構成されている。この構成においてグラフィックスコントローラ214aは、バスラインBを介して制御部211から送られる制御情報に基づいて、表示ユニット214及びディスプレイ226の制御を行う。また、バッファメモリ214bは、それぞれのディスプレイ226に即時表示可能な画像データを一時的に記憶する。そして、グラフィックスコントローラ214aから出力される画像データに基づいて、それぞれのディスプレイ226に画像が表示される。
【0030】
表示ユニット214は、制御部211の制御下でディスプレイ(左上)226LUと、ディスプレイ(右上)226RUに画像を表示させるための処理を行う。また、表示ユニット214は、後述する再生スクロールバーをディスプレイ(左下)226LLと、ディスプレイ(右下)226RLに表示させるための処理を行う。
【0031】
車速センサ221は、例えば表示制御装置200が搭載されている自車両から取得される車速パルス等を用いた速度検出処理等を用いて自車両の現在速度を検出し、速度データを出力する。角速度センサ222は、自車両の、例えば方向変化の角速度を検出し、単位時間当たりの角速度データ及び相対方位データを出力する。加速度センサ223は、自車両の例えば前後方向の加速度を検出し、単位時間当たりの加速度データ等を出力する。舵角センサ224は、自車両の舵角を検出し、舵角データ等を出力する。GNSS受信部225は、GNSS衛星からの航法電波を受信し、GNSS測位データを出力する。
【0032】
制御部211は、車速センサ221、角速度センサ222、加速度センサ223、舵角センサ224、GNSS受信部225、カメラ226、マイク227、スピーカー228及び空調機器229と、バスラインB及び入出力インターフェース部220を介して接続されている。
【0033】
制御部211は、GNSS測位データに基づく衛星測位や、速度データ、角速度データ、相対方位データ、加速度データ、舵角データ等に基づく自立測位、又は、これらを組み合わせたハイブリッド測位等を行い、自車両の現在位置(緯度、経度、高度)を示す現在位置情報を取得する。また、制御部211は、GNSS測位データ、速度データ、角速度データ、相対方位データ、加速度データ、舵角データの少なくとも一部に基づいて、自車両の移動方向を検出する。
【0034】
カメラ227は、自車両の外界を撮影して画像を生成する。具体的には、カメラ(左)227Lは、図3に示すように自車両から見て左側の風景を撮影する。また、カメラ(右)227R(図3には図示しない)は、自車両から見て右側の風景を撮影する。カメラ227により生成された画像は記憶部212に記憶される。なお、カメラ227は、搭乗者が自車両からの風景をディスプレイ226に表示される画像により楽しめるように、自車両が停止している際も、移動している際も撮影を行う。すなわち、カメラ227は、所定時間(例えば、1秒間)が経過する度に連続して撮影を行ったり、動画形式で撮影を行ったりすることにより、複数の連続した画像を生成する。これにより、カメラ227は、自車両が移動中であれば異なる地点から自車両の外界の風景を撮影し、自車両が停車中であれば同じ地点から自車両の外界の風景を撮影する。
【0035】
ディスプレイ226は、自車両の内部であって、自車両の移動方向(前進方向及び当該前進方向の逆方向である後進方向)を基準として側面方向に設置され、カメラ227が生成した画像を表示する。具体的には、図3に示すように、ディスプレイ(左上)226LUは、自車両内部の左側面部に設置され、図4に示すようにカメラ(左)227Lが生成した画像を表示する。同様に、ディスプレイ(右上)226RU(図3には図示しない)は、自車両内部の右側面部に設置され、カメラ(右)227Rが撮影した画像を表示する。なお、ディスプレイ(左上)226LUとディスプレイ(右上)226RUは、それぞれ車両の左側に設置されるか右側に設置されるかの違いのため、同様の部分については、左側に設置されるディスプレイ(左上)226LUについて説明し、右側に設置されるディスプレイ(右上)226RUについての説明を省略する場合がある。
【0036】
制御部211は、ディスプレイ(左上)226LUに、カメラ(左)227Lにより生成された複数の連続した画像を撮影された順番(撮影順)に切り替えつつ表示させる画像の切替制御を行う。なお、制御部211は、動画形式で撮影された複数の連続した画像については、動画の撮影時間と再生時間が一致するように、当該画像の切替制御を行う。これにより、自車両の左側面部と右側面部に窓が設置されていない場合であっても、搭乗者はカメラ227が撮影した画像がディスプレイ226に表示されることにより風景を楽しむことができる。また、搭乗者は過去に撮影された風景、すなわち、自車両が通過した地点からの風景を遡って楽しむこともできる。更に、自車両の外観を撮影した複数の連続した画像が切り替わりつつ表示されるので、搭乗者は実際に窓から風景を見ているような臨場感を得ることができる。なお、自車両の移動中に撮影された複数の連続した画像を切替制御することにより風景が移り変わる様子が表示され、自車両の停車中に撮影された複数の連続した画像を切替制御することにより停車中の自車両の外界の風景が表示される。
【0037】
一方、ディスプレイ(左下)226LLは、図3に示すように自車両内部の左側面部であってディスプレイ(左上)226LUの下方に設置され、図5図8に示すようにディスプレイ(左上)226LUに表示される画像に対応する再生スクロールバーを表示する。また、ディスプレイ(右下)226RL(図3には図示しない)は、自車両内部の右側面部であってディスプレイ(右上)226RUの下方に設置され、ディスプレイ(右上)226RUに表示される画像についての再生スクロールバーを表示する。なお、再生スクロールバーを表示するディスプレイ(左下)226LLとディスプレイ(右下)226RLは、タッチパネル式ディスプレイであり、搭乗者(操作者)のディスプレイへのタッチを検知し、検知信号を制御部211に送信する。これにより、制御部211は、ディスプレイ(左下)226LLとディスプレイ(右下)226RLが操作者にタッチされたことと、操作者が何れの表示領域をタッチしたかを検出することができる。なお、ディスプレイ(左下)226LLとディスプレイ(右下)226RLは、それぞれ車両の左側に設置されるか右側に設置されるかの違いのため、同様の部分については、左側に設置されるディスプレイ(左下)226LLについて説明し、右側に設置されるディスプレイ(右下)226RLについての説明を省略する場合がある。
【0038】
次に、図5図8を用いて、ディスプレイ(左下)226LLに表示される再生スクロールバーについて説明する。図5は、図4で示したディスプレイ(左上)226LUに表示中の画像に対応する再生スクロールバー300の表示例を示す図である。図6及び図7は、自車両の移動方向が前進方向である場合の再生スクロールバー300の表示例を示す図であり、図8は、自車両の移動方向が後進方向である場合の再生スクロールバー300の表示例を示す図である。なお、図6図8では、再生スクロールバーのサムネイル画像部におけるサムネイル画像の描写を省略している。
【0039】
再生スクロールバー300は、第1ボタン部301、第2ボタン部302、基準線303及びサムネイル部304を含む。サムネイル部304には、複数のサムネイル画像からなるサムネイル画像群が、撮影順に並べて表示される。このとき、ディスプレイ(左上)226LUに表示中の画像に対応するサムネイル画像が他のサムネイル画像と識別可能に表示される。具体的には、ディスプレイ(左上)226LUに表示中の画像に対応するサムネイル画像がサムネイル部304の中央に配置された基準線303と重畳する位置に表示される。すなわち、基準線303と重畳する位置に表示されるサムネイル画像は、ディスプレイ(左上)226LUに表示中の画像を縮小化した画像である。
【0040】
第1ボタン部301と第2ボタン部302には、自車両の移動方向に応じて「過去」又は「現在」の何れかの互いに異なる表記がなされる。すなわち、自車両の移動方向が前進方向である場合には、図5に示すように第1ボタン部301に「過去」、第2ボタン部302に「現在」がそれぞれ表記される。一方、自車両の移動方向が後進方向(前進方向の逆方向)である場合には、第1ボタン部301に「現在」、第2ボタン部302に「過去」がそれぞれ表記される(図8参照)。そして、制御部211は、自車両の移動方向が切り替わったことを検出した場合には、第1ボタン部301と第2ボタン部302の「現在」と「過去」の表記を切り替える。なお、以下、「過去」と表記されている第1ボタン部301又は第2ボタン部302を「過去ボタン」といい、「現在」と表記されている第1ボタン部301又は第2ボタン部302を「現在ボタン」という場合がある。
【0041】
図6に示すように第1ボタン部301(図6の例では過去ボタン)は、操作者にタッチ操作されることにより、サムネイル部304に表示されているサムネイル画像群を左スクロール(サムネイル画像群を右にスライド)させるボタンである。図6の例では第1ボタン部301が過去ボタンであるため、第1ボタン部301へのタッチ操作後において基準線303と重畳して表示されるサムネイル画像は、タッチ操作前よりも前に撮影されたサムネイル画像となる。基準線303と重畳して表示されるサムネイル画像とディスプレイ(左上)226LUに表示される画像は対応するため、過去ボタンは、ディスプレイ(左上)226LUに表示中の画像を当該表示中の画像より前に撮影された画像とする「戻し操作」を行うためのボタンである。一方、第2ボタン部302(図6の例では現在ボタン)は、操作者にタッチ操作されることにより、サムネイル部304に表示されているサムネイル画像群を右スクロール(サムネイル画像群を左にスライド)させるボタンである。図6の例では第2ボタン部302が現在ボタンであるため、第2ボタン部302へのタッチ操作後において基準線303と重畳して表示されるサムネイル画像は、タッチ操作前よりも後に撮影されたサムネイル画像となる。すなわち、現在ボタンは、ディスプレイ(左上)226LUに表示中の画像を当該表示中の画像より後に撮影された画像とする「送り操作」を行うためのボタンである。
【0042】
図7及び図8に示すように、操作者は、サムネイル部304のサムネイル画像群をスライド(指やスタイラス等でサムネイル部304をタッチした状態で左右にスライド)させることにより画像の送り操作又は戻し操作を行うことができる。具体的には、図7に示すように、自車両の移動方向が前進方向である場合(すなわち、第1ボタン部301が過去ボタンであり、第2ボタン部302が現在ボタンである場合)には、サムネイル部304のサムネイル画像群を右にスライドさせることにより戻し操作を行うことができ、サムネイル部304を左にスライドさせることにより送り操作を行うことができる。また、図8に示すように、自車両の移動方向が後進方向である場合(すなわち、第1ボタン部301が現在ボタンであり、第2ボタン部302が過去ボタンである場合)には、サムネイル部304を右にスライドさせることにより送り操作を行うことができ、サムネイル部304を左にスライドさせることにより戻し操作を行うことができる。すなわち、制御部211は、自車両の移動方向が切り替わったことを検出した場合には、例えば、再生スクロールバー300のサムネイル部304に対する右にスライドさせる操作(右スライド操作)を戻し操作から送り操作に、又は、送り操作から戻し操作に切り替えたり、左にスライドさせる操作(左スライド操作)を送り操作から戻し操作に、又は、戻し操作から送り操作に切り替えたりする。このように、車両の移動方向によって、送り操作又は戻し操作を行うためにスライドさせる方向が切り替わる。本実施例では、自車両の移動によって自車両から見える風景が流れる方向(自車両の移動方向とは逆方向)と、送り操作によってスライドさせる方向が一致する(図7の例では左方向、図8の例では右方向)ようにスライドさせる方向を切り替えることから、操作者は違和感なく送り操作及び戻し操作を行うことができる。なお、本実施例では、サムネイル部304に対するタッチを伴うスクロール操作を送り操作又は戻し操作としたが、再生スクロールバー300に対するタッチを伴わない他の操作を送り操作又は戻し操作とすることができる。例えば、手、足、頭、又は視線等を車両の移動方向に沿って動かす動作を検出し、車両の移動方向が前進方向である場合には、前方から後方に動かす動作を送り操作として検出し、後方から前方に動かす動作を戻し操作として検出することとしてもよい。
【0043】
制御部211は、ディスプレイ(左上)226LUに表示される画像の切替に伴って、再生スクロールバーのサムネイル部304を更新する。すなわち、制御部211は、ディスプレイ(左上)226LUに表示される画像が切り替わったことに伴って、サムネイル画像群を左にスライドさせ(車両の移動方向が前進方向の場合。車両の移動方向が後進方向の場合は右にスライドさせる)、ディスプレイ(左上)226LUに表示中の画像に対応するサムネイル画像が基準線303に重畳する位置に表示されるように更新する。すなわち、制御部211は、ディスプレイ(左上)226LUに表示中の画像のサムネイル画像が常に基準線303に重畳するように、画像の切替制御とサムネイル部304の更新を並行して行う。なお、自車両の停車中に撮影された複数の連続した画像が切替制御される場合にはその停車時間分だけ風景が変わらない様子(停車中の自車両から見える風景)がディスプレイ(左上)226LUに表示される一方、サムネイル部304では当該停車中に撮影された複数の連続した画像(同じ風景を撮影した画像)にそれぞれ対応するサムネイル画像で構成されるサムネイル画像群が左にスライドするように更新される。
【0044】
なお、図4図8は、車両の左側に設置されるディスプレイ(左上)226LU及びディスプレイ(左下)226LLの表示例について説明したが、車両の右側に設置されるディスプレイ(右上)226RU及びディスプレイ(右下)226RLについては、左側と同様に自車両の移動方向に伴って、現在ボタン及び過去ボタンの位置や、送り操作又は戻し操作に対応するスクロール(スライド)方向が定まる。すなわち、自車両の移動方向側に現在ボタンが設けられ、当該移動方向と逆方向側に過去ボタンが設けられる。また、自車両の移動方向へサムネイル部304をスライドさせる操作が戻し操作となり、当該移動方向と逆方向へサムネイル部304をスライドさせる操作が送り操作となる。
【0045】
[1.2.制御部211による表示制御処理]
次に、図9に示すフローチャートを用いて、制御部211による表示制御処理について説明する。なお、図9は、制御部211による表示制御処理の一例を示すフローチャートである。表示制御処理は、ディスプレイ226に画像を表示する条件が満たされた場合に実行される。なお、ここでは、ディスプレイ(左上)226LU及びディスプレイ(左下)226LLに関する表示制御処理について説明する。
【0046】
まず、制御部211は、自車両の移動方向を検出し、当該移動方向を示す移動方向情報を記憶部212に記憶させる(ステップS101)。なお、本実施例では、移動方向情報は自車両の移動が前進方向又は後進方向の何れであるかを示す情報とする。
【0047】
次に、制御部211は、ステップS101の処理で検出した移動方向に応じて、第1ボタン部301及び第2ボタン部302の表記を決定する(ステップS102)。具体的には、制御部211は、移動方向が前進方向である場合には、第1ボタン部301に「過去」と表記し、第2ボタン部302に「現在」と表記することを決定する。これにより、再生スクロールバーを表示するステップS104の処理において、第1ボタン部301に「過去」と表記されるとともに、第2ボタン部302に「過去」と表記される。
【0048】
次に、制御部211は、ステップS101の処理で検出した移動方向に応じて、送り操作と戻し操作を決定する(ステップS103)。具体的には、制御部211は、移動方向が前進方向である場合には、サムネイル部304のサムネイル画像群を右にスライドさせる操作を戻し操作に決定し、サムネイル部304を右にスライドさせる操作を送り操作に決定する。また、制御部211は、移動方向が前進方向である場合には、第1ボタン部301をタッチする操作を戻し操作に決定し、第2ボタン部302をタッチする操作を送り操作に決定する。
【0049】
次に、制御部211は、ディスプレイ(左下)226LLに再生スクロールバー300を表示させるとともに、サムネイル部304の更新を開始する(ステップS104)。なお、第1ボタン部301と第2ボタン部302には、ステップS102の処理における決定に基づいて、それぞれ「現在」又は「過去」を表記させる。サムネイル部304には、サムネイル画像が撮影順(過去ボタンから現在ボタンに向けて撮影順が新しくなるように)に並べられる。また、サムネイル部304には、まず、ディスプレイ(左上)226LUへの画像の表示を開始する際に表示する画像(表示開始時画像)に対応するサムネイル画像が基準線303に重畳する位置に表示され、その後、サムネイル部304はディスプレイ(左上)226LUに表示される画像の切替制御に伴って更新される。表示開始時画像は任意の画像とすることができるが、例えば、前回、画像の表示を終了した際に表示されていた画像や、最も過去に撮影された画像などとすることができる。
【0050】
次に、制御部211は、ディスプレイ(左上)226LUに表示開始時画像を表示させ、画像の切替制御を開始する(ステップS105)。なお、制御部211は、画像の切替制御に伴い、サムネイル部304の更新を行い、ディスプレイ(左上)226LUに表示されている画像と、基準線303に重畳して表示されるサムネイル画像が一致するように制御する。すなわち、ディスプレイ(左上)226LUに表示される画像とサムネイル部304に表示されるサムネイル画像を同期させる。
【0051】
次に、制御部211は、自車両の移動方向を検出し(ステップS106)、直近に移動方向を検出したときから移動方向が変化したか否かを判定する(ステップS107)。制御部211は、移動方向が変化していないと判定した場合には(ステップS107:NO)、ステップS111の処理に移行する。一方、制御部211は、移動方向が変化したと判定した場合には(ステップS107:YES)、移動方向情報を更新し(ステップS108)、送り操作と戻し操作を切り替える(ステップS109)。例えば、制御部211は、右スライド操作が戻し操作であり、左スライド操作が送り操作である場合には、右スライド操作を送り操作とし、左スライド操作を戻し操作とする。また、制御部211は、第1ボタン部301をタッチする操作が戻し操作であり、第2ボタン部302をタッチする操作が送り操作である場合には、第1ボタン部301をタッチする操作を送り操作とし、第2ボタン部302をタッチする操作を戻し操作とする。
【0052】
次に、制御部211は、第1ボタン部301と第2ボタン部302の表記を切り替える(入れ替える)(ステップS110)。例えば、第1ボタン部301の表記が「過去」であり、第2ボタン部302の表記が「現在」である場合には、第1ボタン部301の表記を「現在」とし、第2ボタン部302の表記を「過去」とする。
【0053】
制御部211は、ステップS107の処理で移動方向が変化していないと判定した場合(ステップS107:NO)、又は、ステップS110の処理を終了すると、次いで、戻し操作を検出したか否かを判定する(ステップS111)。制御部211は、戻し操作を検出したと判定した場合には(ステップS111:YES)、戻し操作に応じて、ディスプレイ(左上)226LUに表示中の画像を当該画像より前に撮影された画像に切り替え(ステップS112)、画像の切替制御を再開する。また、制御部211は、戻し操作に応じて、サムネイル部304に表示されるサムネイル画像群をスライドさせるスライド制御を行い(ステップS113)、サムネイル部304の更新を再開する。具体的には、第1ボタン部301に「過去」と表記されている場合には、サムネイル画像群を右方向にスライドさせ、第1ボタン部301に「現在」と表記されている場合には、サムネイル画像群を左方向にスライドさせる。すなわち、制御部211は、戻し操作が行われた場合にも、ディスプレイ(左上)226LUに表示される画像とサムネイル部304の基準線303に重畳して表示されるサムネイル画像を同期させる。
【0054】
一方、制御部211は、戻し操作を検出していないと判定した場合には(ステップS111:NO)、次いで、送り操作を検出したか否かを判定する(ステップS114)。制御部211は、送り操作を検出していないと判定した場合には(ステップS114:NO)、ステップS117の処理に移行する。一方、制御部211は、送り操作を検出したと判定した場合には(ステップS114:YES)、送り操作に応じて、ディスプレイ(左上)226LUに表示中の画像を当該画像より後に撮影された画像に切り替え(ステップS115)、画像の切替制御を再開する。また、制御部211は、送り操作に応じて、サムネイル部304に表示されるサムネイル画像群をスライドさせるスライド制御を行い(ステップS116)、サムネイル部304の更新を再開する。具体的には、第1ボタン部301に「過去」と表記されている場合には、サムネイル画像群を左方向にスライドさせ、第1ボタン部301に「現在」と表記されている場合には、サムネイル画像群を右方向にスライドさせる。すなわち、制御部211は、送り操作が行われた場合にも、ディスプレイ(左上)226LUに表示される画像とサムネイル部304の基準線303に重畳して表示されるサムネイル画像を同期させる。
【0055】
次に、制御部211は、画像切替終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS117)。画像切替終了条件として任意の条件を設定することができるが、例えば、画像の切替制御を終了させる操作が検出されることや、表示制御装置200の電源が切られることなどを設定することができる。制御部211は、画像切替終了条件が満たされていないと判定した場合には(ステップS117:NO)、ステップS106の処理に移行し、ステップS106からステップS117の処理を繰り返す。一方、制御部211は、画像切替終了条件が満たされたと判定した場合には(ステップS117:YES)、表示制御処理を終了する。
【0056】
以上説明したように、第1実施例における表示制御装置200は、制御部211(「第1表示制御手段」、「操作検出手段」、「移動方向検出手段」、「切替手段」の一例)が、車両(「移動体」の一例)の外界を撮影した画像を当該車両内において表示させ、サムネイル部304のサムネイル画像群を左にスライドさせる操作(「第1の操作」の一例)を検出し、車両の移動する方向である移動方向を検出し、当該移動方向に応じて当該左にスライドさせる操作を、表示中の画像より後に撮影された画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に撮影された画像を表示する戻し操作とするかを切り替え、当該送り操作又は当該戻し操作に応じた画像を表示させる。
【0057】
同様に、第1実施例における表示制御装置200の制御部211は、移動方向に応じて第2ボタン部302にタッチする操作を、表示中の画像より後に撮影された画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に撮影された画像を表示する戻し操作とするかを切り替える。
【0058】
したがって、第1実施例における表示制御装置200によれば、車両からの風景(「車両の外界」の一例)を撮影した画像が当該車両内において表示される場合に、サムネイル部304のサムネイル画像群を左にスライドさせる操作や第2ボタン部302をタッチする操作が移動方向に応じて表示中の画像より後に撮影された画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に撮影された画像を表示する戻し操作とするかが切り替えられ、送り操作又は戻し操作に応じた画像が表示される。したがって、操作者が違和感なく直感的に操作できるように移動方向に応じて送り操作と戻し操作を切り替えられることから、操作者は表示中の画像より前又は後に撮影された画像を表示させる操作を違和感なく直感的に行うことができる。
【0059】
また、第1実施例における表示制御装置200において、車両内で表示される画像は、当該車両から連続して撮影された画像である。これにより、車両の搭乗者に、当該車両から連続して撮影した画像を見せることができる。特に、動画形式で撮影した場合には、直接、風景を見ているような感覚を感じさせることができる。
【0060】
更に、第1実施例における表示制御装置200の制御部211は、サムネイル部304のサムネイル画像群を左にスライドさせる操作とは異なるサムネイル部304のサムネイル画像群を右にスライドさせる操作(「第2の操作」の一例)を更に検出し、移動方向が前進方向(「第1の方向」の一例)である場合に、サムネイル画像群を左にスライドさせる操作を送り操作とするとともにサムネイル画像群を右にスライドさせる操作を戻し操作とし、移動方向が前進方向から後進方向(「第2の方向」の一例)に切り替わった場合に、サムネイル画像群を左にスライドさせる操作を戻し操作に切り替えるとともにサムネイル画像群を右にスライドさせる操作を送り操作に切り替える。
【0061】
同様に、第1実施例における表示制御装置200の制御部211は、第2ボタン部302をタッチする操作とは異なる第1ボタン部301をタッチする操作(「第2の操作」の一例)を更に検出し、移動方向が前進方向(「第1の方向」の一例)である場合に、第2ボタン部302をタッチする操作を送り操作とするとともに第1ボタン部301をタッチする操作を戻し操作とし、移動方向が前進方向から後進方向(「第2の方向」の一例)に切り替わった場合に、第2ボタン部302をタッチする操作を戻し操作に切り替えるとともに第1ボタン部301をタッチする操作を送り操作に切り替える。
【0062】
したがって、第1実施例における表示制御装置200によれば、移動方向が切り替わっても違和感なく直感的に送り操作及び戻し操作を行うことができる。
【0063】
更にまた、第1実施例における表示制御装置200のディスプレイ(左下)226LL(「操作検出手段」の一例)と制御部211は、第2ボタン部302(「第1検出部」の一例)をタッチする操作と、第1ボタン部301(「第2検出部」の一例)をタッチする操作を検出し、自車両の移動方向が前進方向である場合に、第2ボタン部302が送り操作に対応し、且つ、第1ボタン部301が戻し操作に対応することを表記(「提示」の一例)し、移動方向が前進方向から後進方向に切り替わった場合に、第2ボタン部302が戻し操作に対応し、且つ、第1ボタン部301が送り操作に対応することを示す表記に切り替える。これにより、操作者は、送り操作と戻し操作のためにタッチする部分が切り替わったことを把握することができる。
【0064】
更にまた、第1実施例における表示制御装置200の制御部211(「第2表示制御手段」の一例)は、ディスプレイ(左下)226LLにおいて複数のサムネイル画像を撮影した順番に並べて表示させるとともに、当該並べて表示させるサムネイル画像のうちディスプレイ(左上)226LUに表示されている画像に対応するサムネイル画像を基準線303と重畳させて、他のサムネイル画像と識別可能に表示している。これにより、操作者は、ディスプレイ(左上)226LUに表示させたい画像を、サムネイル画像から探しやすくなり、また、戻し操作又は送り操作の何れの操作をすれば当該画像を表示させられるかを把握できる。
【0065】
[2.第2実施例]
次に、図10図12を用いて、上述した実施形態に対応する第2実施例について説明する。図10は、第2実施例における自車両(主にその内部)の一例を示す概略図である。図11(A)は、携帯端末400の構成例を示すブロック図であり、図11(B)は、ディスプレイにおける画像表示領域と再生スクロールバー表示領域の一例を示す図である。図12は、第2実施例における表示制御装置200及び携帯端末400の動作例を示すフローチャートである。なお、以下では、第1実施例との相違点を中心に説明し、第1実施例と同様の部材、処理については同一の符号を用いて説明する。
【0066】
第1実施例では、カメラ227で撮影した画像を、自車両の側面部に設置されたディスプレイ226に表示させることとしたが、第2実施例は、図10に示すように、ディスプレイ226に代えて(又は加えて)、カメラ227で撮影した画像を自車両内の携帯端末400のディスプレイに表示させる実施例である。なお、第1実施例では、例えば左側面部であれば、画像と再生スクロールバー300をディスプレイ226(左上)LUとディスプレイ226(左下)LLに分けて表示させたが、第2実施例では、携帯端末400のディスプレイを、画像を表示する画像表示領域と再生スクロールバー表示領域に分けてそれぞれを表示させる。
【0067】
[2.1.携帯端末400の構成]
図11に示すように、第2実施例では、携帯端末400が表示制御装置200と無線又は有線で接続される。携帯端末400は、大別して、制御部401、記憶部402、センサ403、タッチパネル式ディスプレイ404、通信部405を含んで構成されている。
【0068】
記憶部402は、例えば不揮発性メモリ等により構成されており、OS、各種アプリケーションプログラム及び各種データを記憶する。
【0069】
センサ403は、GPSセンサ、磁気センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ等の複数のセンサにより構成される。
【0070】
タッチパネル式ディスプレイ404(以下、「ディスプレイ404」という場合がある)は、例えば、液晶ディスプレイとタッチセンサ等により構成されている。また、ディスプレイ404は、表示制御アプリケーションが起動されている場合には、図11(B)に示すように、その表示領域を、画像を表示する画像表示領域404Aと再生スクロールバーを表示する再生スクロールバー表示領域404Bに分けてそれぞれを表示する。
【0071】
通信部405は、表示制御装置200や、図示しない携帯電話基地局やサーバとの通信状態を制御する。
【0072】
制御部401は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。そして、CPUが、ROMや記憶部402に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより各種機能を実現する。
【0073】
また、制御部401は、センサ403から受信するセンサ情報に基づいて、ディスプレイ404の向きを検出する。例えば、ディスプレイ404の面が何れの方角を向いているかを検出し、当該方角を示すディスプレイ向き情報を生成する。
【0074】
[2.2.携帯端末400及び表示制御装置200による表示制御処理]
次に、図12に示すフローチャートを用いて、携帯端末400及び表示制御装置200による表示制御処理について説明する。図12に示す表示制御処理は、携帯端末400においてディスプレイ404に画像を表示する条件が満たされ、携帯端末400が表示制御処理を開始することを示す開始情報を表示制御装置200に送信することにより開始される。
【0075】
まず、携帯端末400の制御部401は、センサ403から受信するセンサ情報に基づいてディスプレイ404の向きを検出する(ステップS301)。次いで、制御部401は、ステップS301の処理で検出したディスプレイ404の向きを示すディスプレイ向き情報を表示制御装置200に送信する(ステップS302)。
【0076】
これに対して、表示制御装置200の制御部211は、携帯端末400からディスプレイ向き情報を受信するまで待機しており(ステップS401:NO)、ディスプレイ向き情報を受信すると(ステップS401:YES)、自車両の移動方向(前進方向又は後進方向の何れか)と、移動方角を検出し(ステップS402)、これらを示す情報を含む移動方向・方角情報を記憶部212に記憶する。
【0077】
次に、制御部211は、ディスプレイ404の向きに対応するカメラ227で撮影された複数の連続した画像及びこれらのサムネイル画像と、移動方向・方角情報を携帯端末400に送信する(ステップS403)。例えば、制御部211は、ディスプレイ向き情報が東向きを示している場合には、自車両の西側(携帯端末400の背面側)を向いているカメラ227(例えば、自車両のフロントウィンドウFWが北を向いている場合であれば、カメラ(左)227L)で撮影された複数の連続した画像を送信する。なお、ここで送信される画像は、撮影開始からディスプレイ向き情報を受信するまでの間に撮影された画像である。
【0078】
携帯端末400の制御部401は、表示制御装置200から画像及びサムネイル画像と、移動方向・方角情報を受信すると、これらを記憶部402に記憶させる(ステップS303)。
【0079】
次に、制御部401は、第1実施例における表示制御装置200の制御部211によるステップS102-ステップS105の処理と同様の処理を行う。すなわち、ステップS303の処理で記憶させた移動方向・方角情報の示す移動方角と、ステップS301の処理で検出したディスプレイの向きに応じて、第1ボタン部301及び第2ボタン部302の表記を決定する(ステップS102)。例えば、制御部401は、移動方角が北であり、ディスプレイ404の向きが東向きである場合には、第1ボタン部301に「過去」と表記し、第2ボタン部302に「現在」と表記することを決定する。これにより、再生スクロールバー300を表示する際、第1ボタン部301に「過去」と表記されるとともに、第2ボタン部302に「過去」と表記される。
【0080】
次に、制御部401は、移動方角とディスプレイ404の向きに応じて、送り操作と戻し操作を決定する(ステップS103)。例えば、制御部401は、移動方角が北であり、ディスプレイ404の向きが東向きである場合には、サムネイル部304のサムネイル画像群を右にスライドさせる操作を戻し操作に決定し、サムネイル画像群を左にスライドさせる操作を送り操作に決定する。また、制御部401は、移動方角が北であり、ディスプレイ404の向きが東向きである場合には、第1ボタン部301をタッチする操作を戻し操作に決定し、第2ボタン部302をタッチする操作を送り操作に決定する。
【0081】
次に、制御部401は、ディスプレイ404の再生スクロールバー表示領域404Bに再生スクロールバー300を表示させるとともに、サムネイル部304の更新を開始する(ステップS104)。サムネイル部304には、サムネイル画像が撮影順(過去ボタンから現在ボタンに向けて撮影順が新しくなるように)に並べられる。また、サムネイル部304には、まず、ディスプレイ404の画像表示領域404Aへの画像の表示を開始する際に表示する画像(表示開始時画像)に対応するサムネイル画像が基準線303に重畳する位置に表示され、その後、サムネイル部304は画像表示領域404Aに表示される画像の切替制御に伴って更新される。表示開始時画像は任意の画像とすることができるが、例えば、前回、画像の表示を終了した際に表示されていた画像や、最も過去に撮影された画像などとすることができる。
【0082】
次に、制御部401は、ディスプレイ404の画像表示領域404Aに表示開始時画像を表示させ、画像の切替制御を開始する(ステップS105)。なお、制御部211は、画像の切替制御に伴い、サムネイル部304の更新を行い、ディスプレイ404の画像表示領域404Aに表示されている画像と、基準線303に重畳して表示されるサムネイル画像が一致するように制御する。すなわち、ディスプレイ404の画像表示領域404Aに表示される画像とサムネイル部304に表示されるサムネイル画像を同期させる。
【0083】
一方、表示制御装置200の制御部211は、ステップ403の処理の後、又は、後述するステップS410の処理で「NO」と判定した場合に、差分の画像及びサムネイル画像を携帯端末400に送信する(ステップS404)。表示制御装置200は、ステップS403の処理において画像及びサムネイル画像を送信した後もカメラ227による撮影を継続している場合、ステップS404の処理において、ステップS403の処理後において撮影された画像及び当該画像のサムネイル画像を送信する。
【0084】
携帯端末400の制御部401は、表示制御装置200から差分の画像及びサムネイル画像を受信すると、記憶部402に記憶させる(ステップS304)。次いで、制御部401は、センサ403から受信するセンサ情報に基づいてディスプレイ404の向きを検出し(ステップS305)、直近にディスプレイ404の向きを検出したときと向きが変化したか否かを判定する(ステップS306)。例えば、自車両の移動方角が北であり、ディスプレイ404の向きが東向きから西向き、又は、西向きから東向きに変化したかを判定する。制御部401は、ディスプレイ404の向きが変化したと判定した場合には(ステップS306:YES)、ステップS305の処理で検出したディスプレイ404の向きを示すディスプレイ向き情報を表示制御装置200に送信し(ステップS307)、ステップS303の処理に移行する
【0085】
一方、表示制御装置200の制御部211は、ステップS404の処理の後、携帯端末400からディスプレイ向き情報を受信したか否かを判定する(ステップS405)。制御部211は、ディスプレイ向き情報を受信していないと判定した場合には(ステップS405:NO)、ステップS407の処理に移行する。一方、制御部211は、ディスプレイ向き情報を受信したと判定した場合には(ステップS405:YES)、ステップS403の処理と同様に、ディスプレイ404の向きに対応するカメラ227で撮影された画像及びサムネイル画像と、移動方向・方角情報を携帯端末400に送信し(ステップS406)、ステップS407の処理に移行する。
【0086】
次に、制御部211は、自車両の移動方向(前進方向又は後進方向の何れか)と、移動方角を検出し(ステップS407)、これらを示す情報を含む移動方向・方角情報を記憶部212に記憶する。次いで、制御部211は、移動方向が変化したか否かを判定する(ステップS408)。制御部211は、移動方向が変化していないと判定した場合には(ステップS408:NO)、ステップS410の処理に移行する。一方、制御部211は、移動方向が変化したと判定した場合には(ステップS408:YES)、移動方向・方角情報を携帯端末400に送信し(ステップS409)、ステップS410の処理に移行する。
【0087】
他方、携帯端末400の制御部401は、ステップS306の処理において、ディスプレイ404の向きが変化していないと判定した場合には(ステップS306:NO)、次いで、表示制御装置200から移動方向・方角情報を受信したか否かを判定する(ステップS308)。
【0088】
制御部401は、移動方向・方角情報を受信した(すなわち、自車両の移動方向が変化した)と判定した場合には(ステップ308:YES)、第1実施例における表示制御装置200の制御部211によるステップS108-ステップS110の処理と同様の処理を行う。すなわち、移動方向・方角情報を更新し(ステップS108)、送り操作と戻し操作を切り替える(ステップS109)。例えば、制御部401は、右スライド操作が戻し操作であり、左スライド操作が送り操作である場合には、右スライド操作を送り操作とし、左スライド操作を戻し操作とする。また、制御部401は、第1ボタン部301をタッチする操作が戻し操作であり、第2ボタン部302をタッチする操作が送り操作である場合には、第1ボタン部301をタッチする操作を送り操作とし、第2ボタン部302をタッチする操作を戻し操作とする。次いで、制御部401は、第1ボタン部301と第2ボタン部302の表記を切り替える(入れ替える)(ステップS110)。例えば、第1ボタン部301の表記が「過去」であり、第2ボタン部302の表記が「現在」である場合には、第1ボタン部301の表記を「現在」とし、第2ボタン部302の表記を「過去」とする。
【0089】
制御部401は、第1実施例におけるステップS110と同様の処理を行った後、又は、ステップ308の処理で移動方向・方角情報を受信していない(すなわち、自車両の移動方向が変化していない)と判定した場合には(ステップ308:NO)、次いで、第1実施例における表示制御装置200の制御部211によるステップS111-ステップS116の処理と同様の処理を行う。
【0090】
すなわち、制御部401は、戻し操作を検出したか否かを判定する(ステップS111)。制御部401は、戻し操作を検出したと判定した場合には(ステップS111:YES)、戻し操作に応じて、画像表示領域404Aに表示中の画像を当該画像より前に撮影された画像に切り替え(ステップS112)、画像の切替制御を再開する。また、制御部401は、戻し操作に応じて、サムネイル部304に表示されるサムネイル画像群をスライドさせるスライド制御を行い(ステップS113)、サムネイル部304の更新を再開する。具体的には、第1ボタン部301に「過去」と表記されている場合には、サムネイル画像群を右方向にスライドさせ、第1ボタン部301に「現在」と表記されている場合には、サムネイル画像群を左方向にスライドさせる。すなわち、制御部211は、戻し操作が行われた場合にも、画像表示領域404Aに表示される画像とサムネイル部304の基準線303に重畳して表示されるサムネイル画像を同期させる。
【0091】
一方、制御部401は、戻し操作を検出していないと判定した場合には(ステップS111:NO)、次いで、送り操作を検出したか否かを判定する(ステップS114)。制御部401は、送り操作を検出していないと判定した場合には(ステップS114:NO)、ステップS309の処理に移行する。一方、制御部401は、送り操作を検出したと判定した場合には(ステップS114:YES)、送り操作に応じて、画像表示領域404Aに表示中の画像を当該画像より後に撮影された画像に切り替え(ステップS115)、画像の切替制御を再開する。また、制御部401は、送り操作に応じて、サムネイル部304に表示されるサムネイル画像群をスライドさせるスライド制御を行い(ステップS116)、サムネイル部304の更新を再開する。具体的には、第1ボタン部301に「過去」と表記されている場合には、サムネイル画像群を左方向にスライドさせ、第1ボタン部301に「現在」と表記されている場合には、サムネイル画像群を右方向にスライドさせる。すなわち、制御部211は、送り操作が行われた場合にも、画像表示領域404Aに表示される画像とサムネイル部304の基準線303に重畳して表示されるサムネイル画像を同期させる。制御部401は、ステップS116の処理の後、ステップS309の処理に移行する。
【0092】
次に、制御部401は、画像切替終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS309)。画像切替終了条件として任意の条件を設定することができるが、例えば、画像切替終了条件として任意の条件を設定することができるが、例えば、画像の切替制御を終了させる操作が検出されることや、表示制御装置200又は携帯端末400の電源が切られることなどを設定することができる。制御部401は、画像切替終了条件が満たされていないと判定した場合には(ステップS309:NO)、ステップS304の処理に移行し、ステップS304からステップS309の処理を繰り返す。一方、制御部401は、画像切替終了条件が満たされたと判定した場合には(ステップS309:YES)、終了情報を表示制御装置200に送信し(ステップS310)、当該フローチャートに示す処理を終了する。
【0093】
一方、表示制御装置200の制御部211は、ステップS409の処理の後、携帯端末400から終了情報を受信したか否かを判定する(ステップS410)。制御部211は、終了情報を受信していないと判定した場合には(ステップS410:NO)、ステップS404の処理に移行する。一方、制御部211は、終了情報を受信したと判定した場合には(ステップS410:YES)、当該フローチャートに示す処理を終了する。
【0094】
[3.変形例]
次に、本実施例の変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例は適宜組み合わせることができる。
【0095】
[3.1.変形例1]
第1実施例では、ディスプレイ(左上)226LUのように画像を表示するディスプレイと、ディスプレイ(左下)226LLのように再生スクロールバー300を表示するディスプレイにそれぞれ役割を分けたが、これらの役割を一台のタッチパネル式ディスプレイに行わせることとしてもよい。具体的には、第2実施例における携帯端末400のディスプレイ404のように、画像を表示する画像表示領域と再生スクロールバーを表示する再生スクロールバー表示領域を含ませることとする。これによりディスプレイの数を半減することができる。
【0096】
[3.2.変形例2]
[3.2.1.変形例2-1]
第1実施例では、自車両の左右の側面部(自車両の移動方向(前進方向)を基準とした側面部)に画像を表示するディスプレイ(左上)226LU及びディスプレイ(右上)226RUと再生スクロールバー300を表示するディスプレイ(左下)226LL及びディスプレイ(右下)226RLを設置するとともに、自車両から見て左右の風景を撮影するカメラ227(右)R、カメラ227(左)Lを設置することとしたが、図13に示すように、自車両内の床部(自車両の移動方向(前進方向)を基準とした床部)に画像を表示するディスプレイ250と再生スクロールバー300Aを表示するディスプレイ251を設置するとともに、自車両から見て地面方向を撮影するカメラ227(図示しない)を設置して撮影することとし、制御部211が、地面方向を撮影するカメラ227で撮影した画像をディスプレイ250に表示させるとともに、これに対応する再生スクロールバー300Aをディスプレイ251に表示させることとしてもよい。また、図示しないが、自車両内の天井部(自車両の移動方向(前進方向)を基準とした天井部)に画像を表示する画像用ディスプレイと再生スクロールバー300を表示する再生スクロールバー用ディスプレイを設置するとともに、自車両から見て上方を撮影するカメラ227を設置することとし、制御部211が、自車両の情報を撮影するカメラ227で撮影した画像を天井部に設置した画像用ディスプレイに表示させるとともに、これに対応する再生スクロールバー300を天井部に設置した再生スクロールバー用ディスプレイに表示させることとしてもよい。
【0097】
制御部211は、ディスプレイ251に再生スクロールバー300Aを表示する場合には、第1ボタン301A、第2ボタン部302Aの「現在」、「過去」の表記を自車両の移動方向によって切り替える。例えば、自車両の移動方向が前進方向であれば、第1ボタン301Aの表記を「過去」とし、第2ボタン302Aの表記を「現在」とし、そして、自車両の移動方向が前進方向から後進方向に切り替わった場合には、第1ボタン301Aの表記を「現在」に、第2ボタン302Aの表記を「過去」にそれぞれ切り替える。なお、天井部に画像ディスプレイと再生スクロールバー用ディスプレイを設置する場合についても同様である。
【0098】
[3.2.2.変形例2-2]
また、自車両内の前面部や後面部に画像を表示するディスプレイと再生スクロールバー300を表示するディスプレイを設置するとともに、自車両から見て前方を撮影するカメラ227や、自車両から見て後方を撮影するカメラ227を設置することとしてもよい。例えば、図14に示すように、自車両の前面部に画像を表示するディスプレイ260と再生スクロールバー300Bを表示するタッチパネル式ディスプレイ261を設置した場合において、タッチパネル式ディスプレイ261に再生スクロールバー300Bを表示する場合には、制御部211は、第1ボタン301B、第2ボタン部302Bの「現在」、「過去」の表記を車両の移動方向によって切り替える。例えば、自車両の移動方向が前進方向であれば、第1ボタン301Bの表記を「過去」とし、第2ボタン302Bの表記を「現在」とし、そして、自車両の移動方向が前進方向から後進方向に切り替わった場合には、第1ボタン301Bの表記を「現在」に、第2ボタン302Bの表記を「過去」にそれぞれ切り替える。但し、設定により「現在」と「過去」の表記を逆にできるようにしてもよい。すなわち、自車両の移動方向が前進方向であれば、第1ボタン301Bの表記を「現在」とし、第2ボタン302Bの表記を「過去」とし、そして、自車両の移動方向が前進方向から後進方向に切り替わった場合には、第1ボタン301Bの表記を「過去」に、第2ボタン302Bの表記を「現在」にそれぞれ切り替える。これは、図14のように車両の進行方向側に再生スクロールバー300Bが縦に表示される場合、第1ボタン301Bに「現在」と表記される方が違和感を覚えない人と、第1ボタン301Bに「過去」と表記される方が違和感を覚えない人がいるからである。また、前面部の傾き(すなわち、前面部の上部が手前に傾き、下部が奥に傾いているか、或いはその逆であるか)や形状や大きさ又はディスプレイ260、タッチパネル式ディスプレイ261を設置する高さ方向や横方向の位置によって違和感の覚え方が異なるため、これらを考慮して「現在」と「過去」の表記の設定を行ってもよい。なお、ここでは、前面部にディスプレイ260とタッチパネル式ディスプレイ261を設置する場合について説明したが、後面部に画像を表示するディスプレイと再生スクロールバー300Bを表示するディスプレイを設置する場合についても同様である。なお、自車両内の前面部や後面部に再生スクロールバーを表示する場合、車両が前進方向又は後進方向に移動している場合の表示形式を、次の(1)~(4)の表示形式の中から操作者が選択できるようにしてもよい。
(1)図14に示すように再生スクロールバー300Bを縦表示として、第1ボタン301Bに「現在」と表記し、第2ボタン302Bに「過去」と表記する表示形式。
(2)図14に示すように再生スクロールバー300Bを縦表示として、第1ボタン301Bに「過去」と表記し、第2ボタン302Bに「現在」と表記する表示形式。
(3)図5に示すように再生スクロールバー300を横表示として、第1ボタン301に「過去」と表記し、第2ボタン302に「現在」と表記する表示形式。
(4)図5に示すように再生スクロールバー300を横表示として、第1ボタン301に「現在」と表記し、第2ボタン302に「過去」と表記する表示形式。
【0099】
[3.2.3.変形例2-3]
更に、図15に示すように、車両270の前方、後方、左側方、右側方に方向転換することなく移動可能な車両270の内部における前方、後方、左側方、右側方の側面部に、変形例2で説明したタッチパネル式ディスプレイ271A、271B、271C、271Dを設置するとともに、車両270から見て前方、後方、左側方、右側方のそれぞれの風景を撮影するカメラ272A、272B、272C、272Dを設置することとしてもよい。そして、タッチパネル式ディスプレイ271Aはカメラ272Aが撮影した画像を表示し、タッチパネル式ディスプレイ271Bはカメラ272Bが撮影した画像を表示し、タッチパネル式ディスプレイ271Cはカメラ272Cが撮影した画像を表示し、タッチパネル式ディスプレイ271Dはカメラ272Dが撮影した画像を表示する。これにより、車両270が前方、後方、左側方、右側方に窓を備えない場合であっても、搭乗者は自車両の前方、後方、左側方、右側方の風景を見ることができる。なお、車両270から見て上方を撮影するカメラを設置するとともに、車両270の天井部にタッチパネル式ディスプレイを設置して、当該カメラで撮影した画像を当該タッチパネル式ディスプレイに表示させることとしてもよい。同様に、車両270から見て下方(地面)を撮影するカメラを設置するとともに、車両270の床部にタッチパネル式ディスプレイを設置して、当該カメラで撮影した画像を当該タッチパネル式ディスプレイに表示させることとしてもよい。
【0100】
なお、車両270の前方、後方、左側方、右側方にタッチパネル式ディスプレイ271A、271B、271C、271Dを設置した場合、画像を表示する画像表示領域と再生スクロールバーを表示する再生スクロールバー表示領域の表示形式を車両270の移動方向によって切り替えてもよい。ここで、図16を用いて、車両270の移動方向に応じたタッチパネル式ディスプレイ271A、271B、271C、271Dの表示形式について具体的に説明する。タッチパネル式ディスプレイ271A、271B、271C、271Dの表示領域は、変形例2で説明したように、画像を表示する画像表示領域275と再生スクロールバーを表示する再生スクロールバー表示領域276とする。再生スクロールバー表示領域276は、自らが表示されるディスプレイの向きと車両270の移動方向とに応じて、縦長に表示されたり、横長に表示されたりする。より具体的には、車両270の前方に設置されるタッチパネル式ディスプレイ271Aと、車両270の後方に設置されるタッチパネル式ディスプレイ271Cでは、車両270の移動方向が前方又は後方である場合には、画像表示領域275の右側に再生スクロールバー表示領域276が縦長に表示され、一方、車両270の移動方向が左側方又は右側方である場合には、画像表示領域275の下側に再生スクロールバー表示領域276が横長に表示される。また、車両270の右側方に設置されるタッチパネル式ディスプレイ271Bと、車両270の左側方に設置されるタッチパネル式ディスプレイ271Dでは、車両270の移動方向が前方又は後方である場合には、画像表示領域275の下側に再生スクロールバー表示領域276が横長に表示され、一方、車両270の移動方向が左側方又は右側方である場合には、画像表示領域275の右側に再生スクロールバー表示領域276が縦長に表示される。なお、再生スクロールバー表示領域276を縦長に表示する場合、画像表示領域275の左側に再生スクロールバー表示領域276を表示することとしてもよい。また、再生スクロールバー表示領域276を横長に表示する場合、画像表示領域275の上側に再生スクロールバー表示領域276を表示することとしてもよい。
【0101】
[3.3.変形例3]
第1実施例の表示制御装置200は、カメラ227が撮影した画像をリアルタイムでディスプレイ(左上)226LUに表示させることとしてもよい。すなわち、制御部211は、カメラ(左)227Lが撮影した画像の表示中に送り操作が最新の画像を表示させるまで繰り返された場合には、その際にカメラ(左)227Lが撮影した画像を記憶部212に記憶させると直ちにディスプレイ(左上)226LUに表示させる。これにより、搭乗者は、自車両から見える風景をカメラ(左)227L及びディスプレイ(左上)226LUを介してリアルタイムで見ることができる。
【0102】
また、ディスプレイ(左上)226LUを、ディスプレイの後方側を透過して視認可能にしたり視認不能にしたりする切替可能な構造を持つディスプレイとし、制御部211は、操作者による最新の画像を表示するための操作、又は、現在地における車両の外界の風景を見るための操作が検出された場合に、ディスプレイの後方側を透過して視認可能な状態に切り替えることとしてもよい。これにより、搭乗者は、画像として映し出される風景ではなく、生の風景を見ることができる。
【0103】
[3.4.変形例4]
第1実施例では、自車両の側面部に再生スクロールバー300を表示するディスプレイ(左下)226LL及びディスプレイ(右下)226RLを設置することとしたが、図17に示すように、自車両の中心部に再生スクロールバー300を表示するディスプレイ331L、331Rを備えるコントロールタワー330を設置することとしてもよい。ディスプレイ331Lは、ディスプレイ(左上)226LUに表示される画像について送り操作及び戻し操作を行うための再生スクロールバー300を表示し、ディスプレイ331Rは、ディスプレイ(右上)226RUに表示される画像について送り操作及び戻し操作を行うための再生スクロールバー300を表示する。ディスプレイ331Lに表示される再生スクロールバー300の制御については、ディスプレイ(左下)226LLに表示される再生スクロールバー300と同様である。
【0104】
[3.5.変形例5]
第2実施例では、携帯端末400のディスプレイ404に画像及び再生スクロールバーを表示させるために、携帯端末400と表示制御装置200が協働して処理を行うこととしたが、何れか一方の処理として説明した処理を他方が処理することとしてもよい。例えば、表示制御装置200は、カメラ(左)227Lとカメラ(右)227Rが撮影した画像を全て携帯端末400に送信して記憶部402に記憶させるとともに、携帯端末400の制御部401が自車両の移動方向や移動方角を検出して、当該検出結果とディスプレイ404の向きに基づいて、何れのカメラ227により撮影された画像をディスプレイ404に表示させるかを決定してもよい。
【0105】
また、携帯端末400が、ディスプレイ404の向きが変化したことを検出した場合に、ディスプレイ向き情報を表示制御装置200に送信するとともに、操作者による送り操作又は戻し操作を検出した場合に、当該操作の内容を示す操作情報を表示制御装置200に送信することとして、表示制御装置200は、携帯端末400から受信したディスプレイ向き情報と操作情報の双方に基づいて、携帯端末400のディスプレイ404に画像及び再生スクロールバーを表示させるための表示データを携帯端末400に送信することとしてもよい。そして、携帯端末400の制御部401は、表示制御装置200から受信した表示データに基づいて画像及び再生スクロールバーを表示させることとしてもよい。
【0106】
[3.6.変形例6]
第1実施例及び第2実施例では、自車両に設置されたカメラ227により撮影された画像を自車両に設置されたディスプレイ226に表示させることとしたが、カメラ227以外のカメラが、自車両が移動する経路上から撮影した風景をディスプレイ226に表示させることとしてもよい。例えば、カメラ227以外のカメラ(他の車両に設置されていてもよいし、他の車両の搭乗者が所有するカメラ)が撮影した画像データを、撮影した位置、撮影した向き、撮影日時と対応付けてサーバ(図示しない)に記憶させておき、表示制御装置200が自車両の移動経路に基づいて当該サーバから画像データを受信して、ディスプレイ226に表示させることとしてもよい。
【0107】
[3.7.変形例7]
第1実施例では、自車両の側面部に設置されたディスプレイ226に画像を表示させることとしたが、これに代えて、プロジェクターを設置し、自車両の側面部に画像や再生スクロールバー表示領域を表示させることとしてもよい。この場合、ディスプレイ226に対するタッチによる操作を検出することができないことから、例えば、手、足、頭、又は視線等を車両の移動方向に沿って動かす動作を車内に設置したカメラや光センサ等により検出し、車両の移動方向が前進方向である場合には、前方から後方に動かす動作を送り操作として検出し、後方から前方に動かす動作を戻し操作として検出することとしてもよい。また、制御部211は、例えば、表示制御装置200を操作するためのリモコンのボタンAを押下する操作を送り操作として認識し、リモコンのボタンBを押下する操作を戻し操作として認識し、車両の移動方向が切り替わったことにより、リモコンのボタンAを押下する操作を戻し操作として認識し、リモコンのボタンBを押下する操作を送り操作として認識することとしてもよい。
【0108】
[3.8.変形例8]
第1実施例では、制御部211(「第1表示制御手段」、「操作検出手段」、「移動方向検出手段」、「切替手段」の一例)が、車両(「移動体」の一例)の外界を撮影した画像を当該車両内において表示させ、再生スクロールバー300のサムネイル部304を左にスライドさせる操作(「第1の操作」の一例)を検出し、車両の移動する方向である移動方向を検出し、当該移動方向に応じて当該左にスライドさせる操作を、表示中の画像より後に撮影された画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に撮影された画像を表示する戻し操作とするかを切り替え、当該送り操作又は当該戻し操作に応じた画像を表示させることとした。
【0109】
これに代えて、再生スクロールバー300のサムネイル部304を左にスライドさせる操作(「第1の操作」の一例)を検出するディスプレイ(左下)226LL及びディスプレイ(右下)226RLを表示制御装置200から切り離すこととする一方、ディスプレイ(左下)226LL及びディスプレイ(右下)226RL(「操作検出手段」の一例)と、ディスプレイ(左下)226LL及びディスプレイ(右下)226RLがサムネイル部304を左にスライドさせる操作を検出したことを示す操作検出情報を表示制御装置200に出力する制御部(図示しない。「出力手段」の一例で、CPU、ROM、RAM等を含む)を更に備える操作検出装置(図示しない)を設けることとしてもよい。そして、表示制御装置200の制御部211は、サムネイル部304を左にスライドさせる操作を検出することはせず、操作検出装置から受信した操作検出情報の示すサムネイル部304を左にスライドさせる操作を、表示中の画像より後に撮影された画像を表示する送り操作とするか、表示中の画像より前に撮影された画像を表示する戻し操作とするかを車両の移動方向に応じて切り替える。この場合、表示制御装置200がディスプレイ(左下)226LL及びディスプレイ(右下)226RLを備えていなくても、サムネイル部304を左にスライドさせる操作を送り操作とするか、戻し操作とするかを車両の移動方向に応じて切り替えることができる。よって、操作者は表示中の画像より前又は後に撮影された画像を表示させる操作を違和感なく直感的に行うことができる。
【0110】
[3.9.変形例9]
変形例9は、図18に示すように、床部281の下に車輪が設置され、内壁の全面がディスプレイで覆われている車両280に関する変形例である。以下、図18図23を用いて変形例9の複数のケースについて説明する。なお、図18は、内壁の全面がシームレスなディスプレイで覆われている車両280の一例を示す図である。図19は、内壁の全面が2枚のディスプレイで覆われており、且つ、車両の前後方向にディスプレイのつなぎ目289がある車両280の一例を上方から見た図である。図20は、内壁の全面が2枚のディスプレイで覆われており、且つ、車両の左右方向にディスプレイのつなぎ目289がある車両280の一例を上方から見た図である。図21は、内壁の全面が2枚のディスプレイで覆われており、且つ、車両の斜め方向にディスプレイのつなぎ目289がある横長の車両280の一例を上方から見た図である。図22は、内壁の全面が2枚のディスプレイで覆われており、且つ、車両の斜め方向にディスプレイのつなぎ目289がある縦長の車両280の一例を上方から見た図である。図23は、内壁の全面が2枚のディスプレイで覆われており、且つ、車両の斜め方向にディスプレイのつなぎ目289がある、縦横がほぼ同じ長さの車両280の一例を上方から見た図である。
【0111】
[3.9.1.変形例9-1]
図18に示すように、車両280の内壁(側面部、天井部、床部)の全面がシームレスなディスプレイで覆われている場合において、当該ディスプレイに表示される画像は、例えば、車両280から見た全方位(水平360度+垂直360度)の風景を複数のカメラ227で撮影し、それぞれが撮影した画像を合成することにより生成してもよい。制御部211は、当該ディスプレイの何れかの表示領域(車両280の前進方向又は後進方向に対応する部分を除く)に車両の前後方向に沿って再生スクロールバー300Cを表示させ、第1実施例と同様に、第1ボタン部301C、第2ボタン部302Cの表記(「現在」と「過去」)を、車両280の移動方向に応じて切り替える。なお、車両280の前進方向又は後進方向に対応する部分に再生スクロールバーを表示させる場合、当該再生スクロールバーの表示形式は、変形例2-2と同様に、操作者が選択できるようにする。また、再生スクロールバーは必ずしもディスプレイの何れかの表示領域に表示させる必要は無く、変形例4(図17)で説明したコントロールタワー330を自車両内に設置し、ディスプレイ331L、331Rに表示させることとしてもよい。
【0112】
[3.9.2.変形例9-2]
図19に示すように、車両280の内壁の全面が2枚のディスプレイ282A、282Bで覆われており、且つ、車両の前後方向にディスプレイ282A、282Bのつなぎ目289がある場合には、車両280から見て左側(左前方、左後方を含む)を撮影した画像をディスプレイ282Aに表示させるとともに、車両280から見て右側(右前方、右後方を含む)を撮影した画像をディスプレイ282Bに表示させる。そして、制御部211は、ディスプレイ282A、282Bのそれぞれの何れかの領域に、車両の前後方向に沿って再生スクロールバー(図示しない)を表示させ、第1実施例と同様に、第1ボタン部(図示しない)、第2ボタン部(図示しない)の表記(「現在」と「過去」)を車両280の移動方向に応じて切り替える。なお、再生スクロールバーは必ずしもディスプレイ282A、282Bのそれぞれの何れかの表示領域に表示させる必要は無く、変形例4(図17)で説明したコントロールタワー330を自車両内に設置し、ディスプレイ331L、331Rに表示させることとしてもよい。
【0113】
[3.9.3.変形例9-3]
図20に示すように、車両280の内壁の全面が2枚のディスプレイ282C、282Dで覆われており、且つ、車両の左右方向にディスプレイ282C、282Dのつなぎ目289がある場合には、車両280から見て前方(左側方の前側、右側方の前側)を撮影した画像をディスプレイ282Cに表示させるとともに、車両280から見て後方(左側方の後ろ側、右側方の後ろ側)を撮影した画像をディスプレイ282Dに表示させる。そして、制御部211は、ディスプレイ282C、282Dのそれぞれの何れかの領域に、再生スクロールバー(図示しない)を表示させ、当該再生スクロールバーの表示形式は、変形例2-2と同様に、操作者が選択できるようにする。なお、再生スクロールバーは必ずしもディスプレイ282C、282Dのそれぞれの何れかの表示領域に表示させる必要は無く、変形例4(図17)で説明したコントロールタワー330を自車両内に設置し、ディスプレイ331L、331Rに表示させることとしてもよい。
【0114】
[3.9.4.変形例9-4]
図21に示すように、横長の車両280の内壁の全面が2枚のディスプレイ282E、282Fで覆われており、且つ、車両の斜め方向にディスプレイ282E、282Fのつなぎ目289がある場合には、車両280から見て右前方(前方、右側方)を撮影した画像をディスプレイ282Eに表示させるとともに、車両280から見て左後方(後方、左側方)を撮影した画像をディスプレイ282Fに表示させる。そして、制御部211は、ディスプレイ282E、282Fのそれぞれの何れかの領域に、再生スクロールバー(図示しない)を表示させ、当該再生スクロールバーの表示形式は、変形例2-2と同様に、操作者が選択できるようにする。横長の車両280を斜めに区切った場合、搭乗者は、ディスプレイ282Eを前方のディスプレイ、ディスプレイ282Fを後方のディスプレイと認識すると考えられるためである。なお、再生スクロールバーは必ずしもディスプレイ282E、282Fのそれぞれの何れかの表示領域に表示させる必要は無く、変形例4(図17)で説明したコントロールタワー330を自車両内に設置し、ディスプレイ331L、331Rに表示させることとしてもよい。
【0115】
[3.9.5.変形例9-5]
図22に示すように、縦長の車両280の内壁の全面が2枚のディスプレイ282G、282Hで覆われており、且つ、車両の斜め方向にディスプレイ282G、282Hのつなぎ目289がある場合には、車両280から見て右前方(前方、右側方)を撮影した画像をディスプレイ282Hに表示させるとともに、車両280から見て左後方(後方、左側方)を撮影した画像をディスプレイ282Gに表示させる。そして、制御部211は、ディスプレイ282G、282Hのそれぞれの何れかの領域に、再生スクロールバー(図示しない)を表示させ、第1実施例と同様に、第1ボタン部(図示しない)、第2ボタン部(図示しない)の表記(「現在」と「過去」)を車両280の移動方向に応じて切り替える。縦長の車両280を斜めに区切った場合、搭乗者は、ディスプレイ282Gを左側のディスプレイ、ディスプレイ282Hを右側のディスプレイと認識すると考えられるためである。なお、再生スクロールバーは必ずしもディスプレイ282G、282Hのそれぞれの何れかの表示領域に表示させる必要は無く、変形例4(図17)で説明したコントロールタワー330を自車両内に設置し、ディスプレイ331L、331Rに表示させることとしてもよい。
【0116】
[3.9.6.変形例9-6]
図23に示すように、縦横がほぼ同じ長さの車両280の内壁の全面が2枚のディスプレイ282J、282Kで覆われており、且つ、車両の斜め方向にディスプレイ282J、282Kのつなぎ目289がある場合には、車両280から見て右前方(前方、右側方)を撮影した画像をディスプレイ282Kに表示させるとともに、車両280から見て左後方(後方、左側方)を撮影した画像をディスプレイ282Jに表示させる。そして、制御部211は、ディスプレイ282J、282Kのそれぞれの何れかの領域に、再生スクロールバー(図示しない)を表示させ、当該再生スクロールバーの表示形式は、変形例2-2と同様に、操作者が選択できるようにする。縦横がほぼ同じ長さの車両280を斜めに区切った場合、搭乗者が、ディスプレイ282Kを前方のディスプレイ又は右側のディスプレイの何れのディスプレイと認識するか、ディスプレイ282Jを後方のディスプレイ又は左側のディスプレイの何れのディスプレイと認識するか、はそれぞれ個人差があるためである。なお、再生スクロールバーは必ずしもディスプレイ282J、282Kのそれぞれの何れかの表示領域に表示させる必要は無く、変形例4(図17)で説明したコントロールタワー330を自車両内に設置し、ディスプレイ331L、331Rに表示させることとしてもよい。
【0117】
[3.10.変形例10]
変形例10は、図24に示すように、車両の前面部と左側面部にわたってディスプレイ291が設置される車両に関する変形例である。なお、車両の前面部と右側面部にわたって別のディスプレイが設置されているが左右の違いだけであるので説明を省略する。また、車両の後面部と左側面部にわたって、又は、後面部と右側面部にわたって別のディスプレイを設置することとしてもよい。
【0118】
ディスプレイ291の左右及び下の位置に再生スクロールバーを表示するタッチパネル式ディスプレイ292A-292Eが設置されている。図24では再生スクロールバーを表示するタッチパネル式ディスプレイを5つ表しているがこれらの一部を設置することとしてもよい。
【0119】
ディスプレイ291は、図示しないカメラ227が車両の左前方方向を撮影した画像を表示する。
【0120】
タッチパネル式ディスプレイ292A-292Eは、車両の移動方向に応じて再生スクロールバーを表示する。例えば、車両が矢印294Aで示す方向(前進方向)に移動する場合であれば、タッチパネル式ディスプレイ292B、292C、292Dの少なくとも一部が再生スクロールバーを表示する。そして、制御部211は、車両の移動方向が矢印294Aで示す方向(前進方向)から矢印294Aで示す方向とは逆方向(後進方向)に切り替わったこと(或いはその逆)を検出した場合には、例えば、タッチパネル式ディスプレイ292B、292C、292Dに表示される再生スクロールバーのサムネイル部に対するスライドさせる操作を戻し操作から送り操作に、又は、送り操作から戻し操作に切り替えたりする。また、車両が矢印294Bで示す方向(左側面方向)に移動する場合であれば、タッチパネル式ディスプレイ292A、292D、292Eの少なくとも一部が再生スクロールバーを表示する。そして、制御部211は、車両の移動方向が矢印294Bで示す方向(左側面方向)から矢印294Bで示す方向とは逆方向(右側面方向)に切り替わったこと(或いはその逆)を検出した場合には、例えば、タッチパネル式ディスプレイ292A、292D、292Eに表示される再生スクロールバーのサムネイル部に対するスライドさせる操作を戻し操作から送り操作に、又は、送り操作から戻し操作に切り替えたりする。
【0121】
なお、制御部211が、縦長の形状を有するタッチパネル式ディスプレイ292A、292Bに再生スクロールバーを表示させる際の制御は、変形例2-2(図14)で説明したタッチパネル式ディスプレイ261に再生スクロールバー300Bを表示させる際の制御と同様であるため説明を省略する。また、制御部211が、横長の形状を有するタッチパネル式ディスプレイ292C、292D、292Eに再生スクロールバーを表示させる際の制御は、第1実施例(図3)で説明したディスプレイ226LLに再生スクロールバー300を表示させる際の制御と同様であるため説明を省略する。
【符号の説明】
【0122】
1 表示制御装置
101 第1表示制御手段
102 操作検出手段
103 移動方向検出手段
104 切替手段
200 表示制御装置
211 制御部
211a CPU
211b ROM
211c RAM
212 記憶部
213 入力部
214 表示ユニット
214a グラフィックスコントローラ
214b バッファメモリ
215 通信部
220 入出力インターフェース部
221 車速センサ
222 角速度センサ
223 加速度センサ
224 舵角センサ
225 GNSS受信部
226 ディスプレイ
227 カメラ
400 携帯端末
401 制御部
402 記憶部
403 センサ
404 タッチパネル式ディスプレイ
405 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
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図11
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図15
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図19
図20
図21
図22
図23
図24