(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】無線通信ネットワークシステム及び無線通信機
(51)【国際特許分類】
H04W 4/10 20090101AFI20240801BHJP
H04W 76/45 20180101ALI20240801BHJP
【FI】
H04W4/10
H04W76/45
(21)【出願番号】P 2023116516
(22)【出願日】2023-07-18
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000234937
【氏名又は名称】八重洲無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089956
【氏名又は名称】永井 利和
(72)【発明者】
【氏名】飯束 嘉庸
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】特許第7293468(JP,B2)
【文献】特開2008-258688(JP,A)
【文献】特開2012-227792(JP,A)
【文献】特開2003-051087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末である無線通信機が、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、受信モードにおいて前記ネットワークで使用可能な全チャネルを巡回走査する第2の受信復調部を備え、一の端末がグループ識別信号(以下、「G-ID」という)とチャネル変更要求信号(以下、「CCR」という)を指定変更先チャネルで送信する一方、他の端末が前記第2の受信復調部による前記指定変更先チャネルの走査段階で前記G-IDと前記CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CCR」という)を受信することによりネットワークチャネルの変更が行われるグループ無線通信ネットワークにおいて、
前記ネットワークの各端末が、前記G-ID・CCRの送受信回数をインクリメント方式でカウントしてそのカウント値情報を更新記憶する機能Aと、送信モードにおいて前記G-IDと通話信号に自機の前記カウント値情報を付加して送信する機能Bと、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけがチャネル走査過程で前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、前記第2の受信復調部における受信チャネル情報と共にその復調信号に含まれている送信元端末のカウント値情報を検出して更新記憶する機能Cと、受信モードで前記更新記憶がなされる度に、自機の前記カウント値情報(M回)と前記送信元端末のカウント値情報(N回)を比較する機能Dと、前記比較の結果、M>Nの場合には、前記変調送信部を現状設定チャネルとしたまま送信モードを自動設定して、前記G-IDと自機の前記カウント値情報(M回)を送信し、N>Mの場合には、前記送受信部のチャネルを前記更新記憶した受信チャネルに変更すると共に、自機の前記カウント値情報(M回)を前記送信元端末の前記カウント値情報(N回)に書き替え、M=Nの場合には、何も実行しない機能Eとを備え、
前記ネットワークの各端末はそれぞれ前記機能Aを実行しており、いずれか一の端末による前記機能Bの実行に対して、他の端末が前記機能C、D及びEを実行し、その際の前記機能Dの実行においてM>Nとなった場合の前記他の端末による機能Eでの情報送信に対して、前記一の端末が機能C、D及びEを実行することを特徴とするグループ無線通信ネットワークシステム。
【請求項2】
単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末である無線通信機が、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、受信モードにおいて前記ネットワークで使用可能な全チャネルを巡回走査する第2の受信復調部を備え、一の端末がグループ識別信号(以下、「G-ID」という)とチャネル変更要求信号(以下、「CCR」という)を指定変更先チャネルで送信する一方、他の端末が前記第2の受信復調部による前記指定変更先チャネルの走査段階で前記G-IDと前記CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CCR」という)を受信することによりネットワークチャネルの変更が行われるグループ無線通信ネットワークにおいて、
前記ネットワークの各端末が、前記G-ID・CCRの送受信が検出された時にその検出時刻情報を更新記憶する機能Aと、送信モードにおいて前記G-IDと通話信号に自機の前記検出時刻情報を付加して送信する機能Bと、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけがチャネル走査過程で前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、前記第2の受信復調部における受信チャネル情報と共にその復調信号に含まれている送信元端末の検出時刻情報を検出して更新記憶する機能Cと、受信モードで前記更新記憶がなされる度に、自機の前記検出時刻情報(T1)と前記送信元端末の検出時刻情報(T2)を比較する機能Dと、前記比較の結果、T1がT2より後の場合には、前記変調送信部を現状設定チャネルとしたまま送信モードを自動設定して、前記G-IDと自機の前記検出時刻情報(T1)を送信し、T2がT1より後の場合には、前記送受信部のチャネルを前記更新記憶した受信チャネルに変更すると共に、自機の前記検出時刻情報(T1)を前記送信元端末の前記検出時刻情報(T2)に書き替え、T1とT2が同時である場合には、何も実行しない機能Eとを備え、
前記ネットワークの各端末はそれぞれ前記機能Aを実行しており、いずれか一の端末による前記機能Bの実行に対して、他の端末が前記機能C、D及びEを実行し、その際の前記機能Dの実行においてT1がT2より後となった場合の前記他の端末による機能Eでの情報送信に対して、前記一の端末が機能C、D及びEを実行することを特徴とするグループ無線通信ネットワークシステム。
【請求項3】
単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末である無線通信機が、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、周波数制御チャネルに設定された第2の受信復調部を備え、一の端末がグループ識別信号(以下、「G-ID」という)と変更先チャネル指定を伴うチャネル変更要求信号(以下、「CH-CCR」という)を前記周波数制御チャネルで送信する一方、他の端末が前記第2の受信復調部で前記G-IDと前記CH-CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CH-CCR」という)を受信することによりネットワークチャネルの変更が行われるグループ無線通信ネットワークにおいて、
前記ネットワークの各端末が、前記G-ID・CH-CCRの送受信回数をインクリメント方式でカウントしてそのカウント値情報を更新記憶する機能Aと、所定の指示操作により通常の送信モードを設定して前記G-IDと通話信号を送信する機能Bと、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部のいずれからも所定時間に亘って前記G-IDを含む受信復調信号が検出されなかった場合に、一時的に前記送信変調部を現状設定チャネルから前記周波数制御チャネルに切り替えた自動送信モードを設定して、前記G-IDと前記現状設定チャネル情報と前記カウント値情報を送信する機能Cと、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけが前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、さらにその復調信号に含まれている送信元端末の現状設定チャネル情報とカウント値情報を検出して更新記憶する機能Dと、受信モードで前記更新記憶がなされる度に、自機での前記カウント値情報(M回)と前記送信元端末のカウント値情報(N回)を比較する機能Eと、前記比較の結果、M>Nの場合には、前記変調送信部を一時的に現状設定チャネルから周波数制御チャネルへ変更した送信モードを設定して、前記G-IDと自機の現状設定チャネル情報と前記カウント値情報(M回)を送信し、N>Mの場合には、前記送受信部のチャネルを前記送信元端末の現状設定チャネルに変更すると共に、自機の前記カウント値情報(M回)を前記送信元端末のカウント値情報(N回)に書き替え、M=Nの場合には、何も実行しない機能Fとを備え、
前記ネットワークの各端末はそれぞれ前記機能Aを実行していると共に適宜前記機能Bを実行し、いずれか一の端末による前記機能Cの実行に対して、他の端末が前記機能D、E及びFを実行し、その際の前記機能Eの実行においてM>Nとなった場合の前記他の端末による機能Fでの情報送信に対して、前記一の端末が前記機能D、E及びFを実行することを特徴とするグループ無線通信ネットワークシステム。
【請求項4】
単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末である無線通信機が、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、周波数制御チャネルに設定された第2の受信復調部を備え、一の端末がグループ識別信号(以下、「G-ID」という)と変更先チャネル指定を伴うチャネル変更要求信号(以下、「CH-CCR」という)を前記周波数制御チャネルで送信する一方、他の端末が前記第2の受信復調部で前記G-IDと前記CH-CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CH-CCR」という)を受信することによりネットワークチャネルの変更が行われるグループ無線通信ネットワークにおいて、
前記ネットワークの各端末が、前記G-ID・CH-CCRの送受信が検出された時にその検出時刻情報を更新記憶する機能Aと、所定の指示操作により通常の送信モードを設定して前記G-IDと通話信号を送信する機能Bと、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部のいずれからも所定時間に亘って前記G-IDを含む受信復調信号が検出されなかった場合に、一時的に前記送信変調部を現状設定チャネルから前記周波数制御チャネルに切り替えた自動送信モードを設定して、前記G-IDと前記現状設定チャネル情報と前記検出時刻情報を送信する機能Cと、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけが前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、さらにその復調信号に含まれている送信元端末の現状設定チャネル情報と検出時刻情報を検出して更新記憶する機能Dと、受信モードで前記更新記憶がなされる度に、自機での前記検出時刻情報(T1)と前記送信元端末の検出時刻情報(T2)を比較する機能Eと、前記比較の結果、T1がT2より後の場合には、前記変調送信部を一時的に現状設定チャネルから周波数制御チャネルへ変更した送信モードを設定して、前記G-IDと自機の現状設定チャネル情報と前記検出時刻情報(T1)を送信し、T2がT1より後の場合には、前記送受信部の現状設定チャネルを前記送信元端末の現状設定チャネルに変更すると共に、自機の前記検出時刻情報(T1)を前記送信元端末の検出時刻情報(T2)に書き替え、T1とT2が同時である場合には、何も実行しない機能Fとを備え、
前記ネットワークの各端末はそれぞれ前記機能Aを実行していると共に適宜前記機能Bを実行し、いずれか一の端末による前記機能Cの実行に対して、他の端末が前記機能D、E及びFを実行し、その際の前記機能Eの実行においてT1がT2より後となった場合の前記他の端末による機能Fでの情報送信に対して、前記一の端末が前記機能D、E及びFを実行することを特徴とするグループ無線通信ネットワークシステム。
【請求項5】
単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末として、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、受信モードにおいて前記ネットワークで使用可能な全チャネルを巡回走査する第2の受信復調部を備え、前記変調送信部からグループ識別信号(以下、「G-ID」という)とチャネル変更要求信号(以下、「CCR」という)を指定変更先チャネルで送信する一方、前記第2の受信復調部のチャネル巡回走査過程で他の端末から指定変更先チャネルで送信された前記G-IDと前記CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CCR」という)を受信することによりネットワークチャネルの変更を可能にする無線通信機であって、
前記G-ID・CCRの送受信回数をインクリメント方式でカウントしてそのカウント値情報を更新記憶する計数記憶手段と、
送信モードにおいて前記G-IDと通話信号に前記計数記憶手段のカウント値情報を付加して送信させる情報送信手段と、
受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけがチャネル走査過程で前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、前記第2の受信復調部における受信チャネル情報と共にその復調信号に含まれている送信元端末のカウント値情報を検出する情報検出手段と、
前記情報検出手段が検出した受信チャネル情報と送信元端末のカウント値情報を更新記憶する情報記憶手段と、
前記情報記憶手段で情報の更新記憶がなされる度に、前記計数記憶手段のカウント値情報(M回)と前記情報記憶手段のカウント値情報(N回)を比較する比較手段と、
前記比較の結果、M>Nの場合には、前記変調送信部を現状設定チャネルとしたまま送信モードを自動設定して、前記G-IDと自機の前記カウント値情報(M回)を送信し、N>Mの場合には、前記送受信部のチャネルを前記情報記憶手段の受信チャネルに変更すると共に、前記計数記憶手段のカウント値情報(M回)を前記情報記憶手段のカウント値情報(N回)に書き替える対応処理手段と
を具備したことを特徴とする無線通信機。
【請求項6】
前記情報送信手段が、前記計数記憶手段のカウント値情報を通話信号フレームの末尾に付加する態様で送信することとした請求項5に記載の無線通信機。
【請求項7】
単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末として、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、受信モードにおいて前記ネットワークで使用可能な全チャネルを巡回走査する第2の受信復調部を備え、前記変調送信部からグループ識別信号(以下、「G-ID」という)とチャネル変更要求信号(以下、「CCR」という)を指定変更先チャネルで送信する一方、前記第2の受信復調部のチャネル巡回走査過程で他の端末から指定変更先チャネルで送信された前記G-IDと前記CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CCR」という)を受信することで、前記ネットワークチャネルの変更を可能にする無線通信機であって、
前記G-ID・CCRの送受信が検出された時にその検出時刻情報を更新記憶する時刻記憶手段と、
送信モードにおいて前記G-IDと通話信号に前記時刻記憶手段の検出時刻情報を付加して送信させる情報送信手段と、
受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけがチャネル走査過程で前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、前記第2の受信復調部における受信チャネル情報と共にその復調信号に含まれている送信元端末の検出時刻情報を検出する情報検出手段と、
前記情報検出手段が検出した受信チャネル情報と送信元端末の検出時刻情報を更新記憶する情報記憶手段と、
前記情報記憶手段で情報の更新記憶がなされる度に、前記時刻記憶手段の検出時刻情報(T1)と前記情報記憶手段の検出時刻情報(T2)を比較する比較手段と、
前記比較の結果、T1がT2より後の場合には、前記変調送信部を現状設定チャネルとしたまま送信モードを自動設定して、前記G-IDと前記時刻記憶手段の検出時刻情報(T1)を送信し、T2がT1より後の場合には、前記送受信部のチャネルを前記情報記憶手段の受信チャネルに変更すると共に、前記時刻記憶手段の検出時刻情報(T1)を前記情報記憶手段の前記検出時刻情報(T2)に書き替える対応処理手段と
を具備したことを特徴とする無線通信機。
【請求項8】
前記情報送信手段が、前記時刻記憶手段の検出時刻情報を通話信号フレームの末尾に付加する態様で送信することとした請求項7に記載の無線通信機。
【請求項9】
単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末として、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、周波数制御チャネルに設定された第2の受信復調部を備え、前記変調送信部からグループ識別信号(以下、「G-ID」という)と変更先チャネル指定を伴うチャネル変更要求信号(以下、「CH-CCR」という)を前記周波数制御チャネルで送信する一方、前記第2の受信復調部で他の端末から前記周波数制御チャネルで送信された前記G-IDと前記CH-CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CH-CCR」という)を受信することで、前記ネットワークチャネルの変更を可能にする無線通信機であって、
前記G-ID・CH-CCRの送受信回数をインクリメント方式でカウントしてそのカウント値情報を更新記憶する計数記憶手段と、
所定の指示操作により通常の送信モードを設定して前記G-IDと通話信号を送信する通常送信手段と、
受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部のいずれからも所定時間に亘って前記G-IDを含む受信復調信号が検出されなかった場合に、一時的に前記送信変調部を現状設定チャネルから前記周波数制御チャネルに切り替えた自動送信モードを設定して、前記G-IDと前記現状設定チャネル情報と前記計数記憶手段のカウント値情報を送信させる情報送信手段と、
受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけが前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、さらにその復調信号に含まれている送信元端末の現状設定チャネル情報とカウント値情報を検出する情報検出手段と、
前記情報検出手段が検出した送信元端末の現状設定チャネル情報とカウント値情報を更新記憶する情報記憶手段と、
前記情報記憶手段で情報の更新記憶がなされる度に、前記計数記憶手段のカウント値情報(M回)と前記情報記憶手段のカウント値情報(N回)を比較する比較手段と、
前記比較の結果、M>Nの場合には、前記変調送信部を一時的に現状設定チャネルから周波数制御チャネルへ変更した送信モードを設定して、前記G-IDと前記送受信部の現状設定チャネル情報と前記計数記憶手段の前記カウント値情報(M回)を送信し、N>Mの場合には、前記送受信部のチャネルを前記情報記憶手段の現状設定チャネルに変更すると共に、前記計数記憶手段のカウント値情報(M回)を前記情報記憶手段のカウント値情報(N回)に書き替える対応処理手段と
を具備したことを特徴とする無線通信機。
【請求項10】
単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末として、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、周波数制御チャネルに設定された第2の受信復調部を備え、前記変調送信部からグループ識別信号(以下、「G-ID」という)と変更先チャネル指定を伴うチャネル変更要求信号(以下、「CH-CCR」という)を前記周波数制御チャネルで送信する一方、前記第2の受信復調部で他の端末から前記周波数制御チャネルで送信された前記G-IDと前記CH-CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CH-CCR」という)を受信することで、前記ネットワークチャネルの変更を可能にする無線通信機であって、
前記G-ID・CH-CCRの送受信が検出された時にその検出時刻情報を更新記憶する時刻記憶手段と、
所定の指示操作により通常の送信モードを設定して前記G-IDと通話信号を送信する通常送信手段と、
受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部のいずれからも所定時間に亘って前記G-IDを含む受信復調信号が検出されなかった場合に、一時的に前記送信変調部を現状設定チャネルから前記周波数制御チャネルに切り替えた自動送信モードを設定して、前記G-IDと前記現状設定チャネル情報と前記時刻記憶手段の検出時刻情報を送信させる情報送信手段と、
受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけが前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、さらにその復調信号に含まれている送信元端末の現状設定チャネル情報と検出時刻情報を検出して更新記憶する情報検出手段と、
前記情報検出手段が検出した送信元端末の現状設定チャネル情報と検出時刻情報を更新記憶する情報記憶手段と、
前記情報記憶手段で情報の更新記憶がなされる度に、前記時刻記憶手段の検出時刻情報(T1)と前記情報記憶手段の検出時刻情報(T2)を比較する比較手段と、
前記比較の結果、T1がT2より後の場合には、前記変調送信部を一時的に現状設定チャネルから周波数制御チャネルへ変更した送信モードを設定して、前記G-IDと前記送受信部の現状設定チャネル情報と前記時刻記憶手段の検出時刻情報(T1)を送信させ、T2がT1より後の場合には、前記送受信部の現状設定チャネルを前記情報記憶手段が記憶している送信元端末の現状設定チャネルに変更すると共に、自機の前記検出時刻情報(T1)を前記送信元端末の検出時刻情報(T2)に書き替える対応処理手段と
を具備したことを特徴とする無線通信機。
【請求項11】
受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部のいずれからも所定時間に亘って前記G-IDを含む受信復調信号が検出されなかった場合に、自機が逸れ端末状態にある可能性が高いことを表示手段に表示させる表示制御手段及び/又は前記状態にあることを音声出力手段により所定音を出力させて通知する音声出力制御手段を設けた請求項9又は請求項10に記載の無線通信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単信方式によるグループ無線通信ネットワークにおいて、混信回避等の理由で通信チャネルが変更された場合に、ネットワークの構成端末(無線通信機)の一部が諸々の理由で変更後のチャネルから逸れてしまうことがあるが、そのような“逸れ端末”をネットワークへ自動的に復帰させることを可能にするネットワークシステム及び無線通信機に関する。
【背景技術】
【0002】
単信方式の業務用無線通信機は屋外の場合は建設現場などの様々な工事現場において、屋内の場合は比較的大きな飲食店や広いスペースのホームセンター等において、それぞれ従業者相互間の業務上の連絡に利用されている。
そして、特定小電力規格の無線通信機は400MHz帯を使用した近距離での音声通信を行うものであるが、各種業務で広範に利用されるようになった今日では無線ゾーンが近接ないし重複してしまうようなことも少なくない。
【0003】
下記非特許文献1では前記無線通信機の運用に係るシステムの技術的条件として電波の型式、通信方式、使用周波数及び空中線電力を定めており、通信方式が単信の場合については、422.0500~422.1750MHzを12.5kHz間隔で区分してチャネル番号をCH20~30とした11チャネル分と、422.2000~422.3000MHzを12.5kHz間隔で区分してチャネル番号をCH41~49とした9チャネル分とからなる20チャネル分が割り当てられている。また、チャネル番号:CH31(422.1875 MHz)は周波数制御チャネルとして割り当てられており、0.5秒以内の範囲で使用できることになっている。
【0004】
したがって、前記無線通信機を用いた単信方式でのグループ通信を行う場合には、前記20チャネル、又はそれらのチャネルから予め選択した数チャネルの中から空きチャネルを選択して通信を行うことになるが、前記のように無線ゾーンが密になると途中から混信が発生することがあり、業務に支障が生じるようなときにはネットワーク運用中であっても通信チャネルを変更する必要がある。
【0005】
この点について、市販されている無線通信機には自動チャネル選択機能を有する機種が多く見受けられる。
自動チャネル選択モードにおいては、グループ通信を行うネットワーク中の特定の無線通信機が送信側となり、他の無線通信機は受信側となる。
送信側の無線通信機では、受信復調部でキャリアセンスを実行して送信不可であった場合に、チャネル番号等に従ってチャネルを1つ移動させてキャリアセンスを実行するという手順を送信可になるまで繰り返して、送信可となったチャネルで送信モードとなり、一方、受信側の無線通信機は、受信復調部で常時全チャネルの走査を実行し、グループコードが一致した信号を受信した時点で走査を停止させて音声再生回路を開き、受信が終了すればまた走査を再開させる。
【0006】
また、特許文献での提案技術としては次のようなものがある。
下記特許文献1には、交信中の一方の無線通信機が、不要電波による混信を検出すると、空きチャネルを検索して、検出した空きチャネル情報に切換信号を付したチャネル切換信号を作成する手段を備え、交信中のチャネルの不要電波のレベルが降下して交信可能なレベルになった状態が検出されると、前記チャネル切換信号を送信すると共に、自機の使用チャネルを前記チャネル切換信号で指定されている空きチャネルに設定し、交信中の他方の無線通信機は前記チャネル切換信号を受信検出すると切換了解信号を送信してチャネル切換信号で指定されたチャネルに切り換わり、また、交信中以外の他の待受状態にある無線通信機は前記切換了解信号を受信して前記チャネル切換信号で指定されたチャネルに切り換わることとした無線通信ネットワークが開示されている。
【0007】
下記特許文献2においては、データ通信を行う子局と、各子局の制御を行う親局からなる無線ネットワークにあって、親局が立ち上がり時に使用可能な全無線チャネルの電波状況を判断して最適チャネルを決定すると共に(親局は空きチャネル情報をビーコンの中に含めて送信)、定期的にネットワークの送信を停止させて(親局が一定時間子局の送信を禁止する監視ビーコンを送信)、各子局が分散して近隣の電波状態を監視することにより(監視ビーコンを受信した子局が送信停止期間中に受信電界強度を測定してその結果を親局へ送信して通知)、無線ネットワークに最適チャネルを選択する(親局が各子局から受信した受信電界強度の測定結果に基づいて最適チャネルを選択し、その最適チャネル情報をビーコン中に含めて各子局へ送信)方式が開示されている。
【0008】
さらに、本願出願人は、単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける通信チャネルの変更に関連して、『単信方式の無線通信ネットワークシステムであって、何れかの構成端末が、送信モードへ移行してキャリアセンスにより現状使用チャネルに混信がある場合に、受信・待受モードの間にネットワークで使用可能な全てのチャネルを走査して、空きチャネルであった各チャネルをその受信信号強度が昇順になるように作成してあるチャネル選択順位データを用い、その最上位チャネルから所定順位のチャネルまで順次キャリアセンスを行う中で最先に検出された混信の無いチャネルを送受信チャネルとして設定すると共に、前記グループネットワークのグループ識別コードとチャネル変更コマンドを送信する一方、前記構成端末以外の各構成端末が、受信・待受モードの状態にあって前記グループネットワークで使用可能な全チャネルを繰り返し走査している過程において、混信状態と判定されたチャネルから前記グループネットワークのグループ識別コードとチャネル変更コマンドを受信・検出した場合に、送受信チャネルを前記混信状態と判定されたチャネルに変更設定するようにした無線通信ネットワークシステム』を提案している(特願2023-074015)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開平10-75194号公報
【文献】特開2002-158667号公報
【非特許文献】
【0010】
【文献】社団法人電波産業会、「特定小電力無線局/無線電話用無線設備/標準規格」,RCR STD-20 5.1版、令和3年10月29日改定
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のように、グループ無線通信ネットワークにおける通信チャネルの変更方式については種々提案がなされているが、ネットワークチャネルが変更されたときにたまたま圏外に位置していたり、電源が投入されていなかった等の理由により、通信チャネルの変更プロセスに関与できなかった端末(無線通信機)が発生することがあり、そのような端末(以下、「逸れ端末」という)は変更後の新しい通信チャネルへ移行できていないため、グループの他の端末と通信ができない状態になる。
【0012】
そして、そのようにネットワークから外れてしまった逸れ端末が生じたことは、ネットワーク圏内の他の無線通信機からは検知し難く、また、逸れ端末においても自機がネットワークから外れていることは即座に確認できないことが多いため、業務用途のネットワークである場合には業務連絡が徹底できない等の不都合な事態が生じる。
【0013】
そこで、本発明は、単信方式のグループ無線通信ネットワークにおいて、逸れ端末が発生しても、通話送信イベント又は一定条件下での自動的な情報送信イベントを契機に、逸れ端末を自動的に変更後の通信チャネルに移行させてネットワークに復帰できるようにしたネットワークシステムとその構成端末である無線通信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
<<第1の発明>>
この発明は、単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末である無線通信機が、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、受信モードにおいて前記ネットワークで使用可能な全チャネルを巡回走査する第2の受信復調部を備え、一の端末がグループ識別信号(以下、「G-ID」という)とチャネル変更要求信号(以下、「CCR」という)を指定変更先チャネルで送信する一方、他の端末が前記第2の受信復調部による前記指定変更先チャネルの走査段階で前記G-IDと前記CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CCR」という)を受信することによりネットワークチャネルの変更が行われるグループ無線通信ネットワークにおいて、前記ネットワークの各端末が、前記G-ID・CCRの送受信回数をインクリメント方式でカウントしてそのカウント値情報を更新記憶する機能Aと、送信モードにおいて前記G-IDと通話信号に自機の前記カウント値情報を付加して送信する機能Bと、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけがチャネル走査過程で前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、前記第2の受信復調部における受信チャネル情報と共にその復調信号に含まれている送信元端末のカウント値情報を検出して更新記憶する機能Cと、受信モードで前記更新記憶がなされる度に、自機の前記カウント値情報(M回)と前記送信元端末のカウント値情報(N回)を比較する機能Dと、前記比較の結果、M>Nの場合には、前記変調送信部を現状設定チャネルとしたまま送信モードを自動設定して、前記G-IDと自機の前記カウント値情報(M回)を送信し、N>Mの場合には、前記送受信部のチャネルを前記更新記憶した受信チャネルに変更すると共に、自機の前記カウント値情報(M回)を前記送信元端末の前記カウント値情報(N回)に書き替え、M=Nの場合には、何も実行しない機能Eとを備え、前記ネットワークの各端末はそれぞれ前記機能Aを実行しており、いずれか一の端末による前記機能Bの実行に対して、他の端末が前記機能C、D及びEを実行し、その際の前記機能Dの実行においてM>Nとなった場合の前記他の端末による機能Eでの情報送信に対して、前記一の端末が機能C、D及びEを実行することを特徴とするグループ無線通信ネットワークシステムに係る。
【0015】
この発明は、単信方式のグループ無線通信ネットワークを構成する各端末(無線通信機)がそれぞれ共通な機能を備え、ネットワークチャネルから逸れた端末が発生しても、通信が実行される中で各端末の機能が相互に共働し合うことによりネットワークへ復帰させるものである。
ネットワークを構成する各端末は送受信部(変調送信部及び第1の受信復調部)と共に第2の受信復調部を備え、受信モードにおいてはその第2の受信復調部がネットワークで使用可能な全チャネルを巡回走査している。
【0016】
そして、現在使用中のネットワークチャネルに混信が生じた場合などには、一の端末が別の空きチャネルでG-ID・CCRを送信する一方、他の端末が第2の受信復調部の巡回走査過程でそれを受信復調し、自機の送受信チャネルをG-ID・CCRを受信したチャネルへ変更することでネットワークチャネルが変更されるが、ネットワークの各端末においては、機能Aに基づいてG-ID・CCRの送信/受信がある度にそれを検出し、その送受信回数をインクリメント方式でカウントしてそのカウント値情報を更新記憶する。
【0017】
また、通話を行うために送信モードとなった一の端末は、機能Bに基づいてG-IDと通話信号に自機のカウント値情報を付加して送信することで、他の端末へ自機のカウント値情報を伝達する。
その場合、他の端末は一の端末の送信信号を受信復調するが、第1の受信復調部で受信復調したときは両端末の送受信チャネルが同一であり、第1の受信復調部で受信されずに第2の受信復調部だけで受信復調されたときは両端末の送受信チャネルが相違していることになる。
【0018】
ここで、両端末の送受信チャネルが同一であることは、両端末の送受信部がネットワークチャネルに設定されている状態、又は後述のMとNが等しいことを条件に両端末とも逸れ端末である状態に相当しており、他の端末はそれらの状態について関与せず、第1の受信復調部が復調した通話信号を再生するだけである。
一方、端末の送受信チャネルが相違している場合は、一方の端末がネットワークチャネルに設定されており、他方の端末が逸れ端末になっている状態、又は後述のMとNが相違していることを条件に両端末が共に逸れ端末である状態に相当している。
この発明では、この状態に対して関与し、逸れ端末をネットワークチャネルに戻すためのアルゴリズムを実行する。
【0019】
まず、機能Cに基づいて、他の端末(受信側端末)では第2の受信復調部がその巡回走査過程で一の端末(送信側端末)のカウント値情報を受信復調するが、その際の受信チャネル情報とカウント値情報を更新記憶する。
そして、機能Dに基づいて、他の端末(受信側端末)は自機のカウント値情報(M回)と更新記憶した一の端末(送信側端末)のカウント値情報(N回)を比較する。
その場合、各端末では、ネットワーク内に留まっている期間が長いほどネットワークチャネルの変更に係るカウント値は大きくなり、逆に、ネットワークチャネルから逸れた期間があるとネットワークチャネルの変更時に立ち会えずにカウント値が小さくなる傾向があり、逸れることなくネットワーク内に留まっていた端末は当然に最大のカウント値になることから、端末で更新記憶しているカウント値が大きいほどその送受信部が現状のネットワークチャネルに設定されている推定確率が高く、また逸れ端末である推定確率は低いということが言える。
【0020】
この発明ではその事情を合理的に利用し、他の端末では、機能Eに基づいてMとNの比較結果により次のように対応処理手順を実行する。
M>Nの場合は、他の端末(受信側端末)の方が一の端末(送信側端末)よりも現状のネットワークチャネルに設定されている推定確率が高いため、他の端末は一の端末の設定チャネルを自機のチャネルに変更するべく、送信/受信が逆転して、他の端末がG-IDとカウント値情報(M回)を自機の現状設定チャネルで送信(返信)する。
そして、他の端末からの送信情報はネットワーク内の各端末の第2の受信復調部の走査過程で受信復調されるが、今度は逆に受信側端末となる一の端末においては、機能C及びDに基づいて、復調したカウント値情報(M回)と自機のカウント値情報(N回)を比較することになる。
その場合、一の端末からみると、次述のN>Mの場合の対応処理でNとMが逆転した関係となり、機能Eに基づいて、一の端末の送受信チャネルが他の端末のチャネルに変更され、併せて一の端末のカウント値情報(N回)も他の端末のカウント値情報(M回)に書き替えられる。
したがって、一の端末が逸れ端末であって、他の端末の送受信部がネットワークチャネルの設定状態であれば、一の端末の送受信部がネットワークチャネルへ変更されてネットワークに復帰できることになる。
一方、双方の端末が逸れ端末である場合は、自機のカウント値情報が大きい方の端末の設定チャネルとカウント値情報に揃えられることになる。
なお、ネットワークとしてみると、複数の他の端末による応答送信が重複することになるが、キャリアセンスが要求される場合は最先に送信可となった端末だけが応答送信可能となる。
【0021】
N>Mの場合は、前記とは逆に、一の端末(送信側端末)の方が他の端末(受信側端末)よりも現状のネットワークチャネルに設定されている推定確率が高いため、他の端末は自機の送受信チャネルを更新記憶した受信チャネル(一の端末側の送受信チャネル)に変更し、併せて自機でのカウント値情報(M回)を一の端末側のカウント値情報(N回)に書き替えておくことにより、自機を形式的に一の端末と同一の履歴状態にしておく。
すなわち、一の端末の送受信部(送信側端末)がネットワークチャネルの設定状態にあり、他の端末(受信側端末)が逸れ端末の状態であれば、他の端末の送受信部がネットワークチャネルへ変更されてネットワークに復帰でき、カウント値情報についても形式的にネットワーク内に留まっていた端末に揃えられる。
【0022】
N=Mの場合については、一の端末と他の端末の現状設定チャネルが共にネットワークチャネルである場合、又は一の端末と他の端末がたまたま逸れ状態にあってG-ID・CCRの送受信回数が同一であった場合に相当するが、前者の場合については関与する必要がなく、後者の場合は逸れ端末状態を解消させる術がなく、逸れ状態にない端末との通信機会を待たざるを得ず、結局のところ、対応処理としては何もしないことになることになる。
【0023】
この第1の発明に係る前記グループ無線通信ネットワークシステムに適用できる無線通信機としては、次のような構成にすることができる。
単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末として、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、受信モードにおいて前記ネットワークで使用可能な全チャネルを巡回走査する第2の受信復調部を備え、前記変調送信部からグループ識別信号(以下、「G-ID」という)とチャネル変更要求信号(以下、「CCR」という)を指定変更先チャネルで送信する一方、前記第2の受信復調部のチャネル巡回走査過程で他の端末から指定変更先チャネルで送信された前記G-IDと前記CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CCR」という)を受信することによりネットワークチャネルの変更を可能にする無線通信機であって、前記G-ID・CCRの送受信回数をインクリメント方式でカウントしてそのカウント値情報を更新記憶する計数記憶手段と、送信モードにおいて前記G-IDと通話信号に前記計数記憶手段のカウント値情報を付加して送信させる情報送信手段と、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけがチャネル走査過程で前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、前記第2の受信復調部における受信チャネル情報と共にその復調信号に含まれている送信元端末のカウント値情報を検出する情報検出手段と、前記情報検出手段が検出した受信チャネル情報と送信元端末のカウント値情報を更新記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段で情報の更新記憶がなされる度に、前記計数記憶手段のカウント値情報(M回)と前記情報記憶手段のカウント値情報(N回)を比較する比較手段と、前記比較の結果、M>Nの場合には、前記変調送信部を現状設定チャネルとしたまま送信モードを自動設定して、前記G-IDと自機の前記カウント値情報(M回)を送信し、N>Mの場合には、前記送受信部のチャネルを前記情報記憶手段の受信チャネルに変更すると共に、前記計数記憶手段のカウント値情報(M回)を前記情報記憶手段のカウント値情報(N回)に書き替える対応処理手段とを具備したことを特徴とする無線通信機。
【0024】
また、前記無線通信機における情報送信手段は、前記計数記憶手段のカウント値情報を通話信号フレームの末尾に付加する態様で送信する手段であることが望ましい。
【0025】
<<第2の発明>>
この発明は、単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末である無線通信機が、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、受信モードにおいて前記ネットワークで使用可能な全チャネルを巡回走査する第2の受信復調部を備え、一の端末がグループ識別信号(以下、「G-ID」という)とチャネル変更要求信号(以下、「CCR」という)を指定変更先チャネルで送信する一方、他の端末が前記第2の受信復調部による前記指定変更先チャネルの走査段階で前記G-IDと前記CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CCR」という)を受信することによりネットワークチャネルの変更が行われるグループ無線通信ネットワークにおいて、前記ネットワークの各端末が、前記G-ID・CCRの送受信が検出された時にその検出時刻情報を更新記憶する機能Aと、送信モードにおいて前記G-IDと通話信号に自機の前記検出時刻情報を付加して送信する機能Bと、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけがチャネル走査過程で前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、前記第2の受信復調部における受信チャネル情報と共にその復調信号に含まれている送信元端末の検出時刻情報を検出して更新記憶する機能Cと、受信モードで前記更新記憶がなされる度に、自機の前記検出時刻情報(T1)と前記送信元端末の検出時刻情報(T2)を比較する機能Dと、前記比較の結果、T1がT2より後の場合には、前記変調送信部を現状設定チャネルとしたまま送信モードを自動設定して、前記G-IDと自機の前記検出時刻情報(T1)を送信し、T2がT1より後の場合には、前記送受信部のチャネルを前記更新記憶した受信チャネルに変更すると共に、自機の前記検出時刻情報(T1)を前記送信元端末の前記検出時刻情報(T2)に書き替え、T1とT2が同時である場合には、何も実行しない機能Eとを備え、前記ネットワークの各端末はそれぞれ前記機能Aを実行しており、いずれか一の端末による前記機能Bの実行に対して、他の端末が前記機能C、D及びEを実行し、その際の前記機能Dの実行においてT1がT2より後となった場合の前記他の端末による機能Eでの情報送信に対して、前記一の端末が機能C、D及びEを実行することを特徴とするグループ無線通信ネットワークシステムに係る。
【0026】
この発明も、第1の発明と同様に、単信方式のグループ無線通信ネットワークを構成する各端末(無線通信機)がそれぞれ共通な機能を備え、ネットワークチャネルから逸れた端末が発生しても、通信が実行される中で各端末の機能が相互に共働し合うことによりネットワークへ復帰させるものである。
また、ネットワークを構成する各端末が送受信部(変調送信部及び第1の受信復調部)と共に第2の受信復調部を備え、受信モードにおいてその第2の受信復調部がネットワークで使用可能な全チャネルを巡回走査する方式のものであり、さらに使用中のネットワークチャネルに混信が生じた場合などに、一の端末が別の空きチャネルでG-ID・CCRを送信し、他の端末が第2の受信復調部でそれを受信復調して自機の送受信チャネルをG-ID・CCRの受信したチャネルへ変更することによりネットワークチャネルが変更されることについても第1の発明と同様である。
【0027】
この第2の発明において、第1の発明と異なる点は、各端末において、自機によるG-ID・CCRの送信又は他の端末からのG-ID・CCRの受信があるとそれを検出するが、機能Aに基づいてその検出時刻情報を更新記憶することにある。
すなわち、第1の発明のようにG-ID・CCRの送受信回数ではなく、タイムスタンプに相当する検出時刻情報を各端末の送受信部が現状のネットワークチャネルであるかどうかの推定確率(端末が逸れ端末であるかどうかの推定確率)に係る相対的判定要素として用いる。
【0028】
通話を行うために送信モードとなった一の端末は、機能Aに基づいてG-IDと通話信号に自機の前記検出時刻情報を付加して送信することで、他の端末へ自機の検出時刻情報を伝達する。
その場合、他の端末は一の端末の送信信号を受信復調するが、第1の受信復調部で受信復調したときは両端末の送受信チャネルが同一であり、第1の受信復調部で受信されずに第2の受信復調部だけで受信復調されたときは両端末の送受信チャネルが相違していることになる。
ここで、両端末の送受信チャネルが同一であることは、両端末の送受信部がネットワークチャネルに設定されている状態、又は後述のT1とT2が同時であることを条件に両端末が共に逸れ端末である状態に相当しており、他の端末はそれらの状態については関与せず、第1の受信復調部が復調した通話信号を再生するだけである。
【0029】
一方、端末の送受信チャネルが相違している場合は、一方の端末がネットワークチャネルに設定されており、他方の端末が逸れ端末になっている状態、又は後述のT1とT2が相違していることを条件に両端末が共に逸れ端末である状態に相当している。
この発明では、この状態に対して関与し、逸れ端末をネットワークチャネルに戻すためのアルゴリズムを実行する。
【0030】
まず、機能Cに基づいて、他の端末(受信側端末)では第2の受信復調部がその巡回走査過程で一の端末(送信側端末)側の検出時刻情報を受信復調するが、その際の受信チャネル情報と検出時刻情報を更新記憶する。
そして、機能Dに基づいて、他の端末(受信側端末)は自機の検出時刻情報(T1)と更新記憶した一の端末(送信側端末)側の検出時刻情報(T2)を比較する。
その場合、時間的により遅いネットワークチャネルの変更時にネットワークに属している端末ほど、現状のネットワークチャネルに設定されている推定確率が高く、また逸れ端末である推定確率は低いということが言える。
【0031】
この発明では、その事情を合理的に利用して、他の端末が、機能Eに基づいて次のように対応処理手順を実行するようにしている。
T1がT2より後の場合は、他の端末(受信側端末)の方が一の端末(送信側端末)よりも現状のネットワークチャネルに設定されている推定確率が高いため、他の端末は一の端末の設定チャネルを自機のチャネルに変更するべく、送信/受信が逆転して、他の端末がG-IDと自機での検出時刻情報(T1)を自機の現状設定チャネルで送信(返信)する。
そして、他の端末からの送信情報はネットワーク内の各端末の第2の受信復調部の走査過程で受信復調されるが、今度は逆に受信側端末となる前記一の端末においては、機能C及びDに基づいて、復調した検出時刻情報(T1)と自機の検出時刻情報(T2)を比較することになる。
その場合、一の端末からみると次述のT2がT1より後の場合の対応処理でT2とT1が逆転した関係となり、機能Eに基づいて、一の端末の送受信チャネルが他の端末のチャネルに変更され、併せて一の端末の検出時刻情報(T2)も他の端末の検出時刻情報(T1)に書き替えられる。
したがって、一の端末が逸れ端末であって、他の端末の送受信部がネットワークチャネルの設定状態であれば、一の端末の送受信部がネットワークチャネルへ変更されて、ネットワークに復帰できることになる。
一方、双方の端末が逸れ端末である場合は、自機の検出時刻情報が後である方の端末の設定チャネルと検出時刻情報に揃えられることになる。
なお、ネットワークとしてみると、複数の他の端末による応答送信が重複することになるが、キャリアセンスが要求される場合は最先に送信可となった端末だけが応答送信可能となる。
【0032】
T2がT1より後の場合は、前記とは逆に他の端末(送信側端末)よりも一の端末(受信側端末)の方が現状のネットワークチャネルに設定されている推定確率が高いため、他の端末は自機の送受信チャネルを更新記憶した受信チャネル(一の端末側の送受信チャネル)に変更し、併せて自機での検出時刻情報(T1)を一の端末側の検出時刻情報(T2)に書き替えておくことにより、自機を形式的に一の端末と同一の履歴状態にしておく。
すなわち、一の端末の送受信部(送信側端末)がネットワークチャネルの設定状態にあり、他の端末(受信側端末)が逸れ端末の状態であれば、他の端末の送受信部がネットワークチャネルへ変更されてネットワークに復帰でき、カウント値情報についても形式的にネットワーク内に留まっていた端末に揃えられる。
【0033】
T1とT2が同時の場合については、一の端末と他の端末の現状設定チャネルが共にネットワークチャネルである場合、又は一の端末と他の端末がたまたま逸れ状態にあってG-ID・CCRの最終送受信時刻が同一であった場合に相当するが、前者の場合については関与する必要がなく、後者の場合は逸れ端末状態を解消させる術がなく、逸れ状態にない端末との通信機会を待たざるを得ず、結局のところ、対応処理としては何もしないことになることになる。
【0034】
この第2の発明に係る前記グループ無線通信ネットワークシステムに適用できる無線通信機としては、次のような構成にすることができる。
単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末として、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、受信モードにおいて前記ネットワークで使用可能な全チャネルを巡回走査する第2の受信復調部を備え、前記変調送信部からグループ識別信号(以下、「G-ID」という)とチャネル変更要求信号(以下、「CCR」という)を指定変更先チャネルで送信する一方、前記第2の受信復調部のチャネル巡回走査過程で他の端末から指定変更先チャネルで送信された前記G-IDと前記CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CCR」という)を受信することで、前記ネットワークチャネルの変更を可能にする無線通信機であって、前記G-ID・CCRの送受信が検出された時にその検出時刻情報を更新記憶する時刻記憶手段と、送信モードにおいて前記G-IDと通話信号に前記時刻記憶手段の検出時刻情報を付加して送信させる情報送信手段と、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけがチャネル走査過程で前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、前記第2の受信復調部における受信チャネル情報と共にその復調信号に含まれている送信元端末の検出時刻情報を検出する情報検出手段と、前記情報検出手段が検出した受信チャネル情報と送信元端末の検出時刻情報を更新記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段で情報の更新記憶がなされる度に、前記時刻記憶手段の検出時刻情報(T1)と前記情報記憶手段の検出時刻情報(T2)を比較する比較手段と、前記比較の結果、T1がT2より後の場合には、前記変調送信部を現状設定チャネルとしたまま送信モードを自動設定して、前記G-IDと前記時刻記憶手段の検出時刻情報(T1)を送信し、T2がT1より後の場合には、前記送受信部のチャネルを前記情報記憶手段の受信チャネルに変更すると共に、前記時刻記憶手段の検出時刻情報(T1)を前記情報記憶手段の前記検出時刻情報(T2)に書き替える対応処理手段とを具備したことを特徴とする無線通信機。
【0035】
また、前記無線通信機における情報送信手段は、前記時刻記憶手段の検出時刻情報を通話信号フレームの末尾に付加する態様で送信する手段であることが望ましい。
【0036】
<<第3の発明>>
この発明は、単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末である無線通信機が、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、周波数制御チャネルに設定された第2の受信復調部を備え、一の端末がグループ識別信号(以下、「G-ID」という)と変更先チャネル指定を伴うチャネル変更要求信号(以下、「CH-CCR」という)を前記周波数制御チャネルで送信する一方、他の端末が前記第2の受信復調部で前記G-IDと前記CH-CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CH-CCR」という)を受信することによりネットワークチャネルの変更が行われるグループ無線通信ネットワークにおいて、前記ネットワークの各端末が、前記G-ID・CH-CCRの送受信回数をインクリメント方式でカウントしてそのカウント値情報を更新記憶する機能Aと、所定の指示操作により通常の送信モードを設定して前記G-IDと通話信号を送信する機能Bと、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部のいずれからも所定時間に亘って前記G-IDを含む受信復調信号が検出されなかった場合に、一時的に前記送信変調部を現状設定チャネルから前記周波数制御チャネルに切り替えた自動送信モードを設定して、前記G-IDと前記現状設定チャネル情報と前記カウント値情報を送信する機能Cと、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけが前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、さらにその復調信号に含まれている送信元端末の現状設定チャネル情報とカウント値情報を検出して更新記憶する機能Dと、受信モードで前記更新記憶がなされる度に、自機での前記カウント値情報(M回)と前記送信元端末のカウント値情報(N回)を比較する機能Eと、前記比較の結果、M>Nの場合には、前記変調送信部を一時的に現状設定チャネルから周波数制御チャネルへ変更した送信モードを設定して、前記G-IDと自機の現状設定チャネル情報と前記カウント値情報(M回)を送信し、N>Mの場合には、前記送受信部のチャネルを前記送信元端末の現状設定チャネルに変更すると共に、自機の前記カウント値情報(M回)を前記送信元端末のカウント値情報(N回)に書き替え、M=Nの場合には、何も実行しない機能Fとを備え、前記ネットワークの各端末はそれぞれ前記機能Aを実行していると共に適宜前記機能Bを実行し、いずれか一の端末による前記機能Cの実行に対して、他の端末が前記機能D、E及びFを実行し、その際の前記機能Eの実行においてM>Nとなった場合の前記他の端末による機能Fでの情報送信に対して、前記一の端末が前記機能D、E及びFを実行することを特徴とするグループ無線通信ネットワークシステムに係る。
【0037】
この発明も、第1及び第2の発明と同様に、単信方式のグループ無線通信ネットワークを構成する各端末(無線通信機)がそれぞれ共通な機能を備え、ネットワークチャネルから逸れた端末が発生しても、通信が実行される中で各端末の機能が相互に共働し合うことによりネットワークへ復帰させるものである。
そして、ネットワークを構成する各端末が送受信部(変調送信部及び第1の受信復調部)と共に第2の受信復調部を備えていることも第1及び第2の発明の場合と同様であるが、この発明においては、第2の受信復調部が周波数制御チャネルに設定されている点において前記各発明と相違している。
したがって、この第3の発明ではネットワークでの制御情報信号の送受信において常に周波数制御チャネルを使用する。
【0038】
この発明では、使用中のネットワークチャネルに混信が生じた場合などに、一の端末が周波数制御チャネルでG-ID・CH-CCRを送信する一方、他の端末が第2の受信復調部でそれを受信復調して自機の送受信チャネルをCH-CCRが指定するチャネルへ変更することでネットワークチャネルが変更されるが、ネットワークの各端末においては、G-ID・CH-CCRの送信/受信がある度にそれを検出し、機能Aに基づいて、その送受信回数をインクリメント方式でカウントしてそのカウント値情報を更新記憶する。
これに関しても、CCRとCH-CCRの相違、すなわちチャネル変更要求信号が変更先チャネルを示すものであるか否かの相違があるが、そのネットワークチャネルの変更システムは第1の発明と同様である。
【0039】
一方、各端末は、機能Bに基づいて、PTTボタン等の指示操作による通常の通信モードでのG-IDと通話信号の送信を行うが、それ以外に、機能Cに基づいて、受信モードで第1及び第2の受信復調部のいずれからも所定時間に亘ってG-IDの受信復調信号が検出されなかった場合、すなわち、所定時間継続してグループの他の端末からの受信がなかった場合には、一時的に現状設定チャネルを周波数制御チャネルに切り替えた自動送信モードを設定し、G-IDと現状設定チャネル情報と前記カウント値情報(自機におけるG-ID・CH-CCRの送受信検出回数)を送信して他の端末へ伝達する。
なお、この場合の「所定時間」は、各端末において自機が逸れ端末になった可能性があると想定される無通信時間として決定されるものであり、ネットワークの通信頻度に応じて定めればよい。
【0040】
第1及び第2の発明においては、第2の受信復調部がチャネル走査方式になっているために、通話信号の送信がある都度、所要情報を送信して各端末に伝達されるシステムになっているが、この発明では特定小電力無線で頻繁に使用される周波数制御チャネルを利用しているため、逸れ端末の発生が予測される条件下でのみカウント値情報が伝達されるようにしている。
また、送信される情報には前記カウント値情報だけでなく自機の現状設定チャネル情報も含まれるが、これは、第1及び第2の発明のように各端末の第2の受信復調部がチャネル走査方式で受信しているために受信チャネルがそのまま送信元端末の現状設定チャネル情報であるのに対して、この発明では各端末の第2の受信復調部が周波数制御チャネルに設定されており、具体的に情報として示す必要があるからである。
【0041】
そして、所定時間継続してグループの他の端末からの受信がなかった一の端末がG-IDと現状設定チャネル情報と前記カウント値情報を送信すると、他の端末は一の端末の送信信号を受信復調することになるが、第1の受信復調部で受信復調したときは両端末の送受信チャネルが同一であり、第1の受信復調部で受信されずに第2の受信復調部だけで受信復調されたときは両端末の送受信チャネルが相違していることになる。
【0042】
ここで、両端末の送受信チャネルが同一であることは、両端末の送受信部がネットワークチャネルに設定されている状態、又は後述のMとNが等しいことを条件に両端末が共に逸れ端末である状態に相当しており、他の端末はそれらの状態について関与せず、第1の受信復調部が復調した通話信号を再生するだけである。
一方、端末の送受信チャネルが相違している場合は、一方の端末がネットワークチャネルに設定されており、他方の端末が逸れ端末になっている状態、又は後述のMとNが相違していることを条件に両端末が共に逸れ端末である状態に相当している。
この発明では、その状態に対して関与し、逸れ端末をネットワークチャネルに戻すためのアルゴリズムを実行する。
【0043】
まず、一の端末から前記G-ID等の信号を受信した他の端末では、機能Dに基づいて、第2の受信復調部が受信信号に含まれている一の端末側の現状設定チャネル情報とカウント値情報を受信復調して更新記憶する。
そして、他の端末は、機能Eに基づいて、自機のカウント値情報(M回)と更新記憶した一の端末側のカウント値情報(N回)を比較する。
その場合、各端末では、ネットワーク内に留まっている期間が長いほどネットワークチャネルの変更に係るカウント値が大きくなり、逆に、ネットワークチャネルから逸れた期間が長くなるとネットワークチャネルの変更時に立ち会えずにカウント値が小さくなる傾向があり、逸れることなくネットワーク内に留まっていた端末は当然に最大のカウント値情報を記憶していることから、端末で更新記憶しているカウント値が大きいほどその送受信部が現状のネットワークチャネルに設定されている推定確率が高く、また逸れ端末である推定確率は低いということが言える。
【0044】
この発明では、その事情を合理的に利用して、他の端末が、機能Fに基づいて次のように対応処理手順を実行するようにしている。
M>Nの場合は、他の端末の方が一の端末よりも現状のネットワークチャネルに設定されている推定確率が高いため、他の端末は、一の端末の設定チャネルを自機のチャネルに変更するべく、一時的に送信変調部を現状設定チャネルから前記周波数制御チャネルに切り替えた自動送信モードを設定して、G-IDと自機の現状設定チャネル情報とカウント値情報(M回)を送信する。
そして、他の端末からの送信情報はネットワーク内の各端末の第2の受信復調部で受信復調されるが、前記一の端末においては、機能D及びEに基づいて、復調したカウント値情報(M回)と自機のカウント値情報(N回)を比較することになる。
その場合、一の端末からみると次述のN>Mの場合の対応処理でNとMが逆転した関係となり、機能Fに基づいて、一の端末の送受信チャネルが他の端末の現状設定チャネル情報に変更され、併せて一の端末のカウント値情報(N回)も他の端末のカウント値情報(M回)に書き替えられる。
したがって、一の端末が逸れ端末であって、他の端末の送受信部がネットワークチャネルの設定状態であれば、一の端末の送受信部がネットワークチャネルへ変更されて、ネットワークに復帰できることになる。
一方、双方の端末が逸れ端末である場合は、自機のカウント値情報が大きい方の端末の設定チャネルとカウント値情報に揃えられることになるが、これ自体はネットワークに復帰に寄与するものではない。
なお、ネットワークとしてみると、複数の他の端末による応答送信が重複することになるが、周波数制御チャネルでのキャリアセンスで最先に送信可となった端末だけが応答送信可能となる。
【0045】
N>Mの場合は、前記とは逆に他の端末よりも一の端末の方が現状のネットワークチャネルに設定されている推定確率が高いため、他の端末は、受信復調して更新記憶している情報を用いて、自機の送受信チャネルを一の端末側の現状設定チャネルに変更し、併せて自機でのカウント値情報(M回)を一の端末側のカウント値情報(N回)に書き替えておくことにより、自機を形式的に一の端末と同一の履歴状態にしておく。
【0046】
N=Mの場合については、一の端末と他の端末の現状設定チャネルが共にネットワークチャネルである場合、又は一の端末と他の端末がたまたま逸れ状態にあってG-ID・CH-CCRの送受信回数が同一であった場合に相当するが、前者の場合については関与する必要がなく、後者の場合は逸れ端末状態を解消させる術がないため逸れ状態にない端末との通信機会を待たざるを得ず、結局のところ、対応処理としては何もしないことになることになる。
【0047】
この第3の発明に係る前記グループ無線通信ネットワークシステムに適用できる無線通信機としては、次のような構成にすることができる。
単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末として、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、周波数制御チャネルに設定された第2の受信復調部を備え、前記変調送信部からグループ識別信号(以下、「G-ID」という)と変更先チャネル指定を伴うチャネル変更要求信号(以下、「CH-CCR」という)を前記周波数制御チャネルで送信する一方、前記第2の受信復調部で他の端末から前記周波数制御チャネルで送信された前記G-IDと前記CH-CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CH-CCR」という)を受信することで、前記ネットワークチャネルの変更を可能にする無線通信機であって、前記G-ID・CH-CCRの送受信回数をインクリメント方式でカウントしてそのカウント値情報を更新記憶する計数記憶手段と、所定の指示操作により通常の送信モードを設定して前記G-IDと通話信号を送信する通常送信手段と、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部のいずれからも所定時間に亘って前記G-IDを含む受信復調信号が検出されなかった場合に、一時的に前記送信変調部を現状設定チャネルから前記周波数制御チャネルに切り替えた自動送信モードを設定して、前記G-IDと前記現状設定チャネル情報と前記計数記憶手段のカウント値情報を送信させる情報送信手段と、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけが前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、さらにその復調信号に含まれている送信元端末の現状設定チャネル情報とカウント値情報を検出する情報検出手段と、前記情報検出手段が検出した送信元端末の現状設定チャネル情報とカウント値情報を更新記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段で情報の更新記憶がなされる度に、前記計数記憶手段のカウント値情報(M回)と前記情報記憶手段のカウント値情報(N回)を比較する比較手段と、前記比較の結果、M>Nの場合には、前記変調送信部を一時的に現状設定チャネルから周波数制御チャネルへ変更した送信モードを設定して、前記G-IDと前記送受信部の現状設定チャネル情報と前記計数記憶手段の前記カウント値情報(M回)を送信し、N>Mの場合には、前記送受信部のチャネルを前記情報記憶手段の現状設定チャネルに変更すると共に、前記計数記憶手段のカウント値情報(M回)を前記情報記憶手段のカウント値情報(N回)に書き替える対応処理手段とを具備したことを特徴とする無線通信機。
【0048】
<<第4の発明>>
第4の発明は、単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末である無線通信機が、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、周波数制御チャネルに設定された第2の受信復調部を備え、一の端末がグループ識別信号(以下、「G-ID」という)と変更先チャネル指定を伴うチャネル変更要求信号(以下、「CH-CCR」という)を前記周波数制御チャネルで送信する一方、他の端末が前記第2の受信復調部で前記G-IDと前記CH-CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CH-CCR」という)を受信することによりネットワークチャネルの変更が行われるグループ無線通信ネットワークにおいて、前記ネットワークの各端末が、前記G-ID・CH-CCRの送受信が検出された時にその検出時刻情報を更新記憶する機能Aと、所定の指示操作により通常の送信モードを設定して前記G-IDと通話信号を送信する機能Bと、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部のいずれからも所定時間に亘って前記G-IDを含む受信復調信号が検出されなかった場合に、一時的に前記送信変調部を現状設定チャネルから前記周波数制御チャネルに切り替えた自動送信モードを設定して、前記G-IDと前記現状設定チャネル情報と前記検出時刻情報を送信する機能Cと、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけが前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、さらにその復調信号に含まれている送信元端末の現状設定チャネル情報と検出時刻情報を検出して更新記憶する機能Dと、受信モードで前記更新記憶がなされる度に、自機での前記検出時刻情報(T1)と前記送信元端末の検出時刻情報(T2)を比較する機能Eと、前記比較の結果、T1がT2より後の場合には、前記変調送信部を一時的に現状設定チャネルから周波数制御チャネルへ変更した送信モードを設定して、前記G-IDと自機の現状設定チャネル情報と前記検出時刻情報(T1)を送信し、T2がT1より後の場合には、前記送受信部の現状設定チャネルを前記送信元端末の現状設定チャネルに変更すると共に、自機の前記検出時刻情報(T1)を前記送信元端末の検出時刻情報(T2)に書き替え、T1とT2が同時である場合には、何も実行しない機能Fとを備え、前記ネットワークの各端末はそれぞれ前記機能Aを実行していると共に適宜前記機能Bを実行し、いずれか一の端末による前記機能Cの実行に対して、他の端末が前記機能D、E及びFを実行し、その際の前記機能Eの実行においてT1がT2より後となった場合の前記他の端末による機能Fでの情報送信に対して、前記一の端末が前記機能D、E及びFを実行することを特徴とするグループ無線通信ネットワークシステムに係る。
【0049】
この発明も、第1及び第2の発明と同様に、単信方式のグループ無線通信ネットワークを構成する各端末(無線通信機)がそれぞれ共通な機能を備え、ネットワークチャネルから逸れた端末が発生しても、通信が実行される中で各端末の機能が相互に共働し合うことによりネットワークへ復帰させるものである。
そして、ネットワークを構成する各端末が送受信部(変調送信部及び第1の受信復調部)と共に第2の受信復調部を備えていることも第1及び第2の発明の場合と同様であるが、この発明においては、第2の受信復調部が周波数制御チャネルに設定されている点において前記各発明と相違している。
したがって、この第4の発明ではネットワークでの制御情報信号の送受信において常に周波数制御チャネルを使用する。
【0050】
この発明では、使用中のネットワークチャネルに混信が生じた場合などに、一の端末が周波数制御チャネルでG-ID・CH-CCRを送信する一方、他の端末が第2の受信復調部でそれを受信復調して自機の送受信チャネルをCH-CCRが指定するチャネルへ変更することでネットワークチャネルが変更されるが、ネットワークの各端末では、G-ID・CH-CCRの送信/受信がある度にそれを検出し、機能Aに基づいて、その検出時刻情報を更新記憶する。
これに関しても、CCRとCH-CCRの相違、すなわちチャネル変更要求信号が変更先チャネルを示すものであるか否かの相違があるが、そのネットワークチャネルの変更システムは第2の発明と同様である。
【0051】
一方、各端末は、機能Bに基づいて、PTTボタン等の指示操作による通常の通信モードでのG-IDと通話信号の送信を行うが、それ以外に、機能Cに基づいて、受信モードにおいて第1及び第2の受信復調部のいずれからも所定時間に亘ってG-IDの受信復調信号が検出されなかった場合、すなわち、所定時間継続してグループの他の端末からの受信がなかった場合には、一時的に現状設定チャネルを周波数制御チャネルに切り替えた自動送信モードを設定し、G-IDと現状設定チャネル情報と前記検出時刻情報(自機におけるG-ID・CH-CCRの送受信に係る最新の検出時刻情報)を送信して他の端末へ伝達する。
なお、この場合の「所定時間」は、各端末において自機が逸れ端末になった可能性があると想定される無通信時間として決定されるものであり、ネットワークの通信頻度に応じて定めればよい。
【0052】
第1及び第2の発明においては、第2の受信復調部がチャネル走査方式になっているために、通話信号の送信がある都度、所要情報を送信して各端末に伝達されるシステムになっているが、この発明では特定小電力無線で頻繁に使用される周波数制御チャネルを利用しているため、逸れ端末の発生が予測される条件下でのみ検出時刻情報が伝達されるようにしている。
また、送信される情報には検出時刻情報だけでなく自機の現状設定チャネル情報も含まれるが、これは、第1及び第2の発明のように各端末の第2の受信復調部がチャネル走査方式で受信しているために受信チャネルがそのまま送信元端末の現状設定チャネル情報であるのに対して、この発明では各端末の第2の受信復調部が周波数制御チャネルに設定されており、具体的に情報として示す必要があるからである。
【0053】
そして、所定時間継続してグループの他の端末からの受信がなかった一の端末がG-IDと現状設定チャネル情報と前記検出時刻情報を送信すると、他の端末は一の端末の送信信号を受信復調することになるが、第1の受信復調部で受信復調したときは両端末の送受信チャネルが同一であり、第1の受信復調部で受信されずに第2の受信復調部だけで受信復調されたときは両端末の送受信チャネルが相違していることになる。
【0054】
ここで、両端末の送受信チャネルが同一であることは、両端末の送受信部がネットワークチャネルに設定されている状態、又は後述のT1とT2が等しいことを条件に両端末が共に逸れ端末である状態に相当しており、他の端末はそれらの状態について関与せず、第1の受信復調部が復調した通話信号を再生するだけである。
一方、端末の送受信チャネルが相違している場合は、一方の端末がネットワークチャネルに設定されており、他方の端末が逸れ端末になっている状態、又は後述のMとNが相違していることを条件に両端末が共に逸れ端末である状態に相当している。
この発明では、その状態に対して関与し、逸れ端末をネットワークチャネルに戻すためのアルゴリズムを実行する。
【0055】
まず、一の端末から前記G-ID等の信号を受信した他の端末では、機能Dに基づいて、第2の受信復調部が受信信号に含まれている一の端末側の現状設定チャネル情報と検出時刻情報を受信復調して更新記憶する。
そして、他の端末は、機能Eに基づいて、自機の検出時刻情報(T1)と更新記憶した一の端末側の検出時刻情報(T2)を比較する。
その場合、時間的により遅いネットワークチャネルの変更時にネットワークに属している端末ほど、現状のネットワークチャネルに設定されている推定確率が高く、また逸れ端末である推定確率は低いということが言える。
【0056】
この発明では、その事情を合理的に利用して、他の端末が、機能Fに基づいて次のように対応処理手順を実行するようにしている。
T1がT2より後の場合は、他の端末の方が一の端末よりも現状のネットワークチャネルに設定されている推定確率が高いため、他の端末は、一の端末の設定チャネルを自機のチャネルに変更するべく、一時的に送信変調部を現状設定チャネルから周波数制御チャネルに切り替えた自動送信モードを設定して、G-IDと自機の現状設定チャネル情報と検出時刻情報(T1)を送信する。
そして、他の端末からの送信情報はネットワーク内の各端末の第2の受信復調部で受信復調されるが、前記一の端末においては、機能D及びEに基づいて、復調した検出時刻情報(T1)と自機の検出時刻情報(T2)を比較することになる。
その場合、一の端末からみると次述のT1がT2より後の場合の対応処理でT1とT2が逆転した関係となり、機能Fに基づいて、一の端末の送受信チャネルが他の端末の現状設定チャネル情報に変更され、併せて一の端末の検出時刻情報(T2)も他の端末の検出時刻情報(T1)に書き替えられる。
したがって、一の端末が逸れ端末であって、他の端末の送受信部がネットワークチャネルの設定状態であれば、一の端末の送受信部がネットワークチャネルへ変更されて、ネットワークに復帰できることになる。
一方、双方の端末が逸れ端末である場合は、自機のカウント値情報が大きい方の端末の設定チャネルとカウント値情報に揃えられることになるが、これ自体はネットワークに復帰に寄与するものではない。
なお、ネットワークとしてみると、複数の他の端末による応答送信が重複することになるが、周波数制御チャネルでのキャリアセンスで最先に送信可となった端末だけが応答送信可能となる。
【0057】
T2がT1より後の場合は、前記とは逆に他の端末よりも一の端末の方が現状のネットワークチャネルに設定されている推定確率が高いため、他の端末は、受信復調して更新記憶している情報を用いて、自機の送受信チャネルを一の端末側の現状設定チャネルに変更し、併せて自機での検出時刻情報(T1)を一の端末側の検出時刻情報(T2)に書き替えておくことにより、自機を形式的に一の端末と同一の履歴状態にしておく。
【0058】
T1とT2が同時の場合については、一の端末と他の端末の現状設定チャネルが共にネットワークチャネルである場合、又は一の端末と他の端末がたまたま逸れ状態にあってG-ID・CH-CCRの送受信に係る最新の検出時刻が同一であった場合に相当するが、前者の場合については関与する必要がなく、後者の場合は逸れ端末状態を解消させる術がないため、逸れ状態にない端末との通信機会を待たざるを得ず、結局のところ、対応処理としては何もしないことになることになる。
【0059】
この第4の発明に係る前記グループ無線通信ネットワークシステムに適用できる無線通信機としては、次のような構成にすることができる。
単信方式のグループ無線通信ネットワークにおける共通構成の端末として、変調送信部と第1の受信復調部からなる送受信部と、周波数制御チャネルに設定された第2の受信復調部を備え、前記変調送信部からグループ識別信号(以下、「G-ID」という)と変更先チャネル指定を伴うチャネル変更要求信号(以下、「CH-CCR」という)を前記周波数制御チャネルで送信する一方、前記第2の受信復調部で他の端末から前記周波数制御チャネルで送信された前記G-IDと前記CH-CCR(以下、両信号を合わせて「G-ID・CH-CCR」という)を受信することで、前記ネットワークチャネルの変更を可能にする無線通信機であって、前記G-ID・CH-CCRの送受信が検出された時にその検出時刻情報を更新記憶する時刻記憶手段と、所定の指示操作により通常の送信モードを設定して前記G-IDと通話信号を送信する通常送信手段と、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部のいずれからも所定時間に亘って前記G-IDを含む受信復調信号が検出されなかった場合に、一時的に前記送信変調部を現状設定チャネルから前記周波数制御チャネルに切り替えた自動送信モードを設定して、前記G-IDと前記現状設定チャネル情報と前記時刻記憶手段の検出時刻情報を送信させる情報送信手段と、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部の内、前記第2の受信復調部だけが前記G-IDを含む信号を受信復調した場合に、さらにその復調信号に含まれている送信元端末の現状設定チャネル情報と検出時刻情報を検出して更新記憶する情報検出手段と、前記情報検出手段が検出した送信元端末の現状設定チャネル情報と検出時刻情報を更新記憶する情報記憶手段と、前記情報記憶手段で情報の更新記憶がなされる度に、前記時刻記憶手段の検出時刻情報(T1)と前記情報記憶手段の検出時刻情報(T2)を比較する比較手段と、前記比較の結果、T1がT2より後の場合には、前記変調送信部を一時的に現状設定チャネルから周波数制御チャネルへ変更した送信モードを設定して、前記G-IDと前記送受信部の現状設定チャネル情報と前記時刻記憶手段の検出時刻情報(T1)を送信させ、T2がT1より後の場合には、前記送受信部の現状設定チャネルを前記情報記憶手段が記憶している送信元端末の現状設定チャネルに変更すると共に、自機の前記検出時刻情報(T1)を前記送信元端末の検出時刻情報(T2)に書き替える対応処理手段と を具備したことを特徴とする無線通信機。
【0060】
なお、前記の第3及び第4の発明に係る前記グループ無線通信ネットワークシステムに適用できる無線通信機については、受信モードにおいて、前記第1及び第2の受信復調部のいずれからも所定時間に亘って前記G-IDを含む受信復調信号が検出されなかった場合に、自機が逸れ端末状態にある可能性が高いことを表示手段に表示させる表示制御手段及び/又は前記状態にあることを音声出力手段により所定音を出力させて通知する音声出力制御手段を設けておくことが望ましい。
【発明の効果】
【0061】
本発明は、単信方式によるグループ無線通信ネットワークにおいて、同ネットワークでの使用チャネルが変更された際に圏外に所在したり、電源がOFF状態にあった等の理由で新しい使用チャネルへ移行できずに、一部の端末がネットワークから逸れた状態になっても、各端末がネットワークチャネルの変更のカウント値情報やその変更の検出時刻情報を更新記憶しており、通信の中でそれらの情報を用いた所定のアルゴリズムが実行されることにより、逸れた端末の送受信チャネルを自動的にネットワークでの現状使用チャネルに切り替えさせて、ネットワークへの迅速且つ円滑な復帰を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1A】実施形態1及び2に係る無線通信機のブロック図である。
【
図1B】実施形態3及び4に係る無線通信機のブロック図である。
【
図2】特定小電力無線局が単信方式の無線通信で使用可能な周波数とそのチャネル番号の一覧表である。
【
図3】グループ無線通信ネットワークで使用される通信フレームフォーマット図の一例である。
【
図4】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図5】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図6】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図7】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図8】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図9】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図10】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図11】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図12】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図13】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図14】実施形態1において、ネットワークの構成端末である無線通信機によるG-ID・CCR(グループ識別信号・チャネル変更要求信号)の送受信に係る検出回数のカウント手順を示すフローチャートである。
【
図15】実施形態1において、ネットワークの構成端末である無線通信機による送信モードでの動作実行手順を示すフローチャートである。
【
図16A】実施形態1において、ネットワークの構成端末である無線通信機による受信モードでの動作実行手順(ステップS30では自動送信モードでの割込み処理有り)を示すフローチャートである。
【
図16B】
図16AのステップS30での動作実行手順の詳細を示すフローチャートである。
【
図17】実施形態1において、ネットワーク側端末からの送信を開始イベントとして逸れ端末をネットワークへ自動復帰させる場合の開始状態を示すネットワークの簡略構成図である。
【
図18】実施形態1において、逸れ端末側からの送信を開始イベントとして同逸れ端末をネットワークへ自動復帰させる場合の開始状態を示すネットワークの簡略構成図である。
【
図19】実施形態2において、ネットワークの構成端末である無線通信機によるG-ID・CCRの送受信に係る検出時刻情報を更新記憶する手順を示すフローチャートである。
【
図20】実施形態2において、ネットワークの構成端末である無線通信機による送信モードでの動作実行手順を示すフローチャートである。
【
図21A】実施形態2において、ネットワークの構成端末である無線通信機による受信モードでの動作実行手順(ステップS70では自動送信モードでの割込み処理有り)を示すフローチャートである。
【
図21B】
図21AのステップS70での動作実行手順の詳細を示すフローチャートである。
【
図22】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図23】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図24】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図25】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図26】単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図である。
【
図27】実施形態3において、ネットワークの構成端末である無線通信機によるG-ID・CH-CCR(グループ識別信号・変更先チャネル指定を伴うチャネル変更要求信号)の送受信に係る検出回数のカウント手順を示すフローチャートである。
【
図28】実施形態3において、ネットワークの構成端末である無線通信機による送信モードでの動作実行手順を示すフローチャートである。
【
図29A】実施形態3において、ネットワークの構成端末である無線通信機による受信モードでの動作実行手順(但し、ステップS117-S119及びステップS70では自動送信モードでの割込み処理有り)を示すフローチャートである。
【
図29B】
図29AのステップS122での動作実行手順の詳細を示すフローチャートである。
【
図30】実施形態3において、ネットワーク側端末からの送信を開始イベントとして逸れ端末をネットワークへ自動復帰させる場合の開始状態を示すネットワークの簡略構成図である。
【
図31】実施形態3において、逸れ端末側からの送信を開始イベントとして同逸れ端末をネットワークへ自動復帰させる場合の開始状態を示すネットワークの簡略構成図である。
【
図32】実施形態4において、ネットワークの構成端末である無線通信機によるG-ID・CH-CCRの送受信に係る検出時刻情報を更新記憶する手順を示すフローチャートである。
【
図33】実施形態4において、ネットワークの構成端末である無線通信機による送信モードでの動作実行手順を示すフローチャートである。
【
図34A】実施形態4において、ネットワークの構成端末である無線通信機による受信モードでの動作実行手順(但し、ステップS177-S179及びステップS182では自動送信モードでの割込み処理有り)を示すフローチャートである。
【
図34B】
図34AのステップS182での動作実行手順の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下、本発明の無線通信ネットワークシステム及び無線通信機の実施形態について、図面を用いながら詳細に説明する。
先ず、
図1Aは下記実施形態1及び2に係る業務用無線通信機のブロック図、
図1Bは下記実施形態3及び4に係る業務用無線通信機のブロック図である。
そして、各無線通信機は、
図4以降における単信方式のグループ無線通信ネットワークの簡略構成図においてネットワークの構成端末51~55,61~65となる。
【0064】
図1Aの無線通信機(実施形態1及び2)について;
この無線通信機の受信系は、アンテナ11、2つの受信復調部RX1及び受信復調部RX2、信号合成部12、増幅器13及びスピーカ(又はイヤホン)14で構成されている。
アンテナ11での受信電波の信号は各受信復調部RX1,RX2に入力されるが、それらの受信チャネルの制御はシステム制御部10によって行われる。
【0065】
メイン受信部である受信復調部RX1は設定されたチャネルの受信信号を取り込み、その受信信号を復調して信号合成部12へ出力する。
一方、サブ受信部である受信復調部RX2は使用可能な全チャネルを巡回的に走査するように制御され、この無線通信機が所属するグループ無線通信ネットワークのグループ識別信号が検出された時にチャネル走査を停止し、その停止状態でスケルチを開いて復調信号を信号合成部12へ出力する。
【0066】
信号合成部12は各受信復調部RX1,RX2から出力される復調信号を合成して増幅器13へ出力し、増幅器13で増幅された復調信号がスピーカ(又はイヤホン)14で音声再生される。
なお、受信復調部RX1は変調送信部TX1が送信動作を行う前にその送信チャネルに係るキャリアセンスを実行し、また受信復調部RX2の復調信号から各種情報が検出されてチャネルの制御等が行われるため、各受信復調部RX1,RX2の復調信号はシステム制御部10へも出力されている。
【0067】
一方、この無線通信機の送信系は、マイクロホン15、増幅器16、変調送信部TX1、増幅器17及びアンテナ18からなる。
マイクロホン15の音声信号が増幅器16で増幅されて変調送信部TX1へ出力され、変調送信部TX1では搬送波を音声信号で変調して増幅器17へ出力し、増幅器17で電力増幅された変調後の搬送波信号がアンテナ18から無線送信される。
この送信系に係る送信チャネル等の制御もシステム制御部10によって行われる。
【0068】
システム制御部10は、操作部19のPTTボタンや各種キーからの指示入力や受信復調した各種信号の検出をイベントとして内蔵プログラムを実行することで受信復調部RX1,RX2や変調送信部TX1を制御する。また、システム制御部10は、増幅器13,16,17や液晶表示部20などを含むシステム全体の制御も担っており、下記の実施形態1及び2での制御に際してはカウンタ21やメモリ22を用いて各種データを更新記憶しながら対応処理を実行する。
【0069】
図1Bの無線通信機(実施形態3及び4)について;
この無線通信機は、前記
図1Aの無線通信機と対比して次の点で相違しているだけであるが、それに関連して下記の実施形態3及び4では実施形態1及び2の場合と一定の制御手順上の相違がある。
(1) サブ受信部である受信復調部Rx2が周波数制御チャネル(CH31)に固定されている。
(2) 受信復調部RX2では通話信号を扱わないので
図1Aにある信号合成部12は存在しない。
(3) 受信復調部RX1の受信復調信号だけが音声再生され、受信復調部RX2による受信復調信号は制御信号としてシステム制御部10での検出解析対象となる。
【0070】
次に、
図2は特定小電力無線局が単信方式の無線通信で使用可能な周波数とそのチャネル番号をまとめたものである。
同図における表3.3のチャネル番号20~30及び表3.5のチャネル番号41~49の合計20チャネルを通信用チャネルとして利用でき、表3.3のチャネル番号31は特別に周波数制御チャネル(CH31)とされており、制御信号の送受信に使用できることになっている。
なお、後述の各実施形態に係る無線通信機では前記表に掲載されている全てのチャネルが使用可能な条件で説明しているが、必ずしも全てのチャネルを使用する必要はなく、いくつかのチャネルに限定して使用する設定であってもよい。
【0071】
図3は後述の各実施形態におけるグループ無線通信ネットワークで使用される通信フレームフォーマット図の一例である。
送信側端末では同フォーマットに組み込まれた音声信号部のベースバンド信号によりMSK(Minimum Shift Keying)等で変調した変調波を送信し、受信側端末ではその変調波に係る受信信号を復調して音声信号を再生する一方、音声信号に先行して受信するデータペイロードの各情報信号が分離検出されてシステム制御部10による動作制御のためのデータとされる。
データペイロードには自機識別信号(以下、「自機ID」という)や送受信チャネル情報信号(以下、「送受信CH」という)がセットされていると共に、グループ識別信号(以下、「G-ID」という)とチャネル変更要求信号(以下、「CCR」という)又は変更先チャネル指定を伴うチャネル要求信号(以下、「CH-CCR」という)がセットされるようになっている。
また、後述の実施形態1及び2では、音声信号部の後にCCR又はCH-CCRの送受信回数に係るカウント値情報や送受信時刻情報に係る信号を付加するようになっている。
【0072】
<<実施形態1>>
この実施形態は
図1Aの無線通信機とそれを構成端末とするグループ無線通信ネットワークシステムに係り、ここでは
図4に示すように5台の端末51~55からなる単信方式のグループ無線通信ネットワークを想定する。
なお、
図4において、各端末51~55における「TX1-CH21」は変調送信部TX1が
図2のCH21のチャネルに設定されている状態を、「RX1-CH21」は受信復調部RX1が同チャネルに設定されている状態を、また「RX2-SCAN」は受信復調部RX2が
図2の表3.3のCH20~CH30及び表3.5のCH41~CH49の計20チャネルを巡回的に繰り返して走査している状態を示す。
また、ハッチングを施していないモジュールはアクティブであり、ハッチングを施したモジュールはインアクティブであることを示しており、変調送信部TX1がアクティブな状態では各受信復調部RX1,RX2はインアクティブとなる。
【0073】
このネットワークにおいて逸れ端末が発生する要因は、次のようなネットワーク状態の遷移による。
図4では、ネットワークチャネルがCH21であり、全ての端末51~55の受信復調部RX1(RX1-CH21)はCH21に設定された状態で受信(待受)モードにある。
また、全ての端末51~55の受信復調部RX2-SCANは、前記20チャネル(CH20~CH30、CH41~CH49)を巡回的に走査している。具体的には、受信復調部RX2-SCANが1つのチャネルに約100msec程度をかけながら走査し、システム制御部10が復調信号からG-IDとCCRが検出されるかどうかを確認し、前記20チャネル全てを2secで走査する動作を繰り返している。
【0074】
図4の状態では、単信方式のネットワークであるため、いずれかの端末が変調送信部TX1-CH21をアクティブにして送信モードになることで他の端末の受信復調部RX1-CH21に対して音声信号を送信することができ、例えば、
図5は端末51が他の端末52~55へ、
図6は端末55が他の端末51~54へ送信しているネットワークの状態を示している。
この状態においても、送信モードになった端末以外の端末は受信復調部RX1-CH21で音声信号を受信すると共に、受信復調部RX2-SCANが前記20チャネルを巡回的に走査している。
【0075】
ところで、送信モードへ移行して音声信号を送信しようとする端末は、常にその送信チャネルを受信復調部RX1に設定してキャリアセンス(以下、「CS」という。)を実行し、同チャネルに混信がないことが確認できなければ、変調送信部TX1をそのチャネルに設定した送信動作を行うことができない[平成元年郵政省告示第49号、令和3年総務省告示第308号及び上記非特許文献1における第1編1-10頁の(3)キャリアセンス]。
【0076】
図7は端末53の受信復調部RX1が現状設定チャネルCH21(ネットワークでの現状使用チャネルでもある)でCSを実行したが混信が生じている状態を示し、同端末53はCH21で送信を行うことができないため、
図8に示すように別のチャネルCH28でCSを行う。
この別チャネルの選択については、任意にチャネルを選択してキャリアセンスを行ってみるという方法であってもよいが、上記[背景技術]の欄に記載した本願出願人による特願2023-074015での提案のように、予めより良好な空きチャネルに優先順位を付けて候補チャネルとしておき、その順に選択してキャリアセンスを行うような方法も採用できる。
【0077】
図8に示したCH28のキャリアセンスで混信が無かった場合、
図9に示すように、端末53は変調送信部TX1をCH28でアクティブにしてGIDとCCRを送信し、他の端末51,52,54,55は受信復調部RX2 -SCANの走査過程でCH28の送信電波を受信してG-IDとCCRを復調する。
そして、他の端末51,52,54,55は、G-IDが所属グループの識別信号であることを確認した上で、CCRがチャネル変更要求であることに基づいて、
図10に示すように、受信復調部RX1と変調送信部TX1の設定チャネルを現状のCH21からG-IDとCCRの受信チャネルであるCH28へ変更する。
【0078】
その結果、
図11に示すように、全ての端末51~55の送受信チャネルがCH28に変更されてネットワークチャネルがCH28へ移行し、混信前のCH12の場合(
図5及び
図6)と同様に、各端末51~55は適宜変調送信部TX1-CH28をアクティブにして、通話信号を他の端末へ送信できることになる。
【0079】
ところで、
図9の段階、すなわち端末53がCH28でG-IDとCCRを他の端末51,52,54,55へ送信する段階で、端末51,52,54,55のいずれかがたまたま圏外に位置していた場合や電源をOFFにしていた場合には、当然にその端末はG-IDとCCRを受信できず、ネットワークチャネルの変更に対応できていないことになる。
具体的には、例えば、
図12は端末55が圏外等であった場合を示し、端末51,52,54は端末53からのG-DIとCCRを受信復調部RX2-SCANで受信できて自己の送受信チャネルをCH28へ変更できているが、
図13に示すように、端末55だけがCH21のままで逸れ端末の状態となる。
したがって、端末55はたとえ圏内に戻ったとしても、また電源をONにしても、そのままでは他の端末51~54との通信を回復させることはできず、ネットワークに復帰できない。
【0080】
また、その場合において、端末51~54では、端末55からの通話が無い状態が継続しているだけでは同端末55がネットワークから逸れたことにはならず、また、逸れた端末55では、現状設定チャネルCH21で他の端末51~54からの通話がない状態が継続するとはいえ、通話が多くないネットワークでは相当に時間が経過しなければ自機が逸れ状態になったと認識できない。
【0081】
そこで、この実施形態での無線通信機は、前記グループ無線通信ネットワークにおける端末51~55に適用されることにより、逸れ端末となった端末が圏内に戻り又は圏内で電源をON状態に戻すだけで、常に自動的にネットワークへ戻って通信可能な状態に復帰できるようにする。
【0082】
まず、この実施形態の無線通信機(
図1A)では、グループ無線通信モードにおいて
図14に示される手順を実行する。
先ず、操作部19からグループ無線通信モードが設定されると、システム制御部10はカウンタ21とメモリ22をリセットし(S1)、その後、自機の変調送信部TX1がG-IDとCCRを送信したかどうか及び受信復調部RX2-SCANで他の端末からのG-IDとCCRを受信復調したかどうかを検出しており(S2,S3)、それが検出される度にカウンタ21のカウント値を+1インクリメントする動作を繰り返す(S4,S5→S2)。
【0083】
したがって、前記ネットワークの状態の遷移(
図4から
図11)を対照させると、
図9の段階では、端末53が変調送信部TX1-CH28でG-IDとCCRを送信したことで同端末53のカウンタ21のカウント値が+1加算され、また端末51,52,54,55ではそれぞれの受信復調部RX2-SCANでG-IDとCCRを受信したことで各端末51,52,54,55のカウンタ21のカウント値が+1加算される。
しかし、
図12のように、端末53が変調送信部TX1-CH28でG-IDとCCRを送信した時に、圏外に位置していたか電源をOFFにしていた端末55においては、G-IDとCCRを受信できていないために、カウンタ21のカウント値がインクリメントされていない。
すなわち、逸れ端末となった端末55は、
図13に示すように、送受信部TX1,RX1の設定チャネルCH21が他の端末51,52,54,55の設定チャネルCH28と異なっていると共に、カウンタ21のカウント値が他の端末51,52,54,55のカウンタ21のカウント値よりも小さい値になっている。
【0084】
この実施形態に係る無線通信機は、単信方式の無線通信ネットワークの構成端末として、逸れ端末が生じた場合に
図14の実行手順で必然的に生じる前記カウント値の相違を利用して、
図15、
図16A及び
図16Bのフローチャートに示す手順を実行することにより、自他からを問わず逸れ端末を自動的にネットワークへ復帰させる。
先ず、
図15は送信モードにおける信号の送信手順を示す。
受信モードにおいて、ネットワークの他の端末へ音声メッセージを送信するべく、操作部19のPTTボタンをONにして送信モードの設定があると直ちに割込みがかかり(S10,S11)、受信復調部RX1により現状設定チャネルでCSを実行させて、混信が無いことを条件に(以下、CSに係る手順の介在についての説明は省略する。)、変調送信部TX1によりG-ID等(G-ID以外に自機IDや送受信CHも含む)を送信させた後、マイクロホン15からの入力音声信号でキャリア信号を変調して音声メッセージの送信を行う(S12,S13)。
【0085】
そして、通常の無線通信機においてはPTTボタンをOFFにすると直ちに通信終了信号を送信して音声メッセージの送信が終ることになるが、この実施形態の無線通信機では、PTTボタンをOFFにした後に直ちには終了せず、カウンタ21の現状でのカウント値情報を読み出して付加信号として送信した後、通信終了信号を送信して割込み処理から抜けるようになっている(S14,S15,S16)。
【0086】
受信モードでは、前記送信モード設定による割込み処理がなければ、
図16Aの手順を実行する。
先ず、受信復調部RX1側でG-IDが復調されると、それはグループに属して同一の送受信チャネルに設定されている他の端末が送信元であり、通常のグループ通信を実行すべき相手側端末であるので通話信号を再生し、通信終了信号を検出することで待受状態に戻る(S20~S23→S21)。
【0087】
一方、受信復調部RX1でG-IDが受信復調されずに受信復調部RX2側でのみG-IDが受信復調される場合は、送信元端末はグループに属してはいるが自機と送受信チャネルが相違している状態にあり、すなわち自機又は送信元端末が逸れ状態にある可能性が想定されるため、この場合には、受信復調部RX2の巡回走査動作をG-IDを検出したチャネルで停止させ(S21→S24,S25)、通話信号があればそれを復調して再生させると共に(S26,S27)、その通話信号の末尾に付加されているカウント値情報を受信復調する(S28)。
また、G-IDの検出で停止せしめられた受信復調部RX2のチャネル情報と共に、その復調されたカウント値情報をメモリ22に更新記憶させる(S29)。
【0088】
そして、メモリ22のチャネル情報とカウント値情報が更新される度に、カウンタ21のカウント値情報(M回)とメモリ22の更新後のカウント値情報(N回)を比較し、その比較結果に応じて対応処理を行うことになる(S29,S30)。
これは、メモリ22のカウント値情報(N回)は送信元端末(すなわちグループに属してはいるが、自機とは送受信チャネルが相違している状態の端末)のカウント値情報に相当し、それを自機のカウンタ21のカウント値情報(M回)と比較することで、いずれの端末が逸れ端末としての推定確率が高いかを判定し、その結果に応じて対応処理が選択される。
【0089】
この比較と対応処理(S30)に係る具体的手順は
図16Bに示される。
M>Nの場合:
送信モードが自動的に設定されて割込みがかかり、変調送信部TX1を現状設定チャネルとして、G-ID等とカウンタ21のカウント値情報(M回)を送信し、その終了により受信モードに自動復帰して割込み処理から抜ける(S31→S32~S36)。
N>Mの場合:
変調送信部TX1と受信復調部RX1のチャネルをメモリ22に更新記憶されているチャネル情報に係るチャネルに変更すると共に、カウンタ21のカウント値情報(M回)をメモリ22のカウント値情報(N回)に書き替える(S31→S37→S38,S39)。
M=Nの場合:
何も実行せず、送受信部のチャネルをそのまま維持する(S31→S40)。
【0090】
以上、単信方式のグループ無線通信ネットワークに適用される単一の無線通信機の観点からその機能について説明したが、次に、
図13に示したように逸れ端末55が生じたネットワークの状態から、如何にして逸れ端末55をグループネットワークに復帰させることができるかについて具体的に説明する。
【0091】
図17のグループネットワークの簡略構成図は、逸れ端末55以外の端末51~54の何れか(ここでは端末51)が送信モードとなって通話を行うことで、それを開始イベントとして逸れ端末55のネットワークへの復帰シーケンスが実行される場合に関するものである。
先ず、同図に示されるように、ネットワークチャネルはCH28であるが、逸れ端末55の送受信チャネルはCH21である。
ここで、端末51が
図15のステップS11~S16を実行し、送信モードに切り替えて変調送信部TX1-CH28からG-ID等と音声信号と共にカウンタ21のカウント値情報を付加して送信する。
それに対して、端末52~54では
図16AのステップS21~S23を実行し、受信復調部RX1-CH28でG-ID等を受信するため、通常の受信モードで音声信号を受信復調して再生する。
【0092】
一方、逸れ端末55では
図16AのステップS21→S24~S30を実行することになる。
すなわち、受信復調部RX1-CH21では端末51からの電波を受信できず、当然にG-ID等の復調はないことになるが、受信復調部RX2-SCAN側がチャネルの巡回走査中にCH28でG-IDを受信復調するため、その走査動作を停止させた上で通話信号があればそれを復調し、さらにその通話信号の末尾に付加されているカウント値情報を受信復調する。
【0093】
そして、逸れ端末55では、その場合の受信チャネルCH28とカウント値情報(N)をメモリ22に更新記憶し、そのカウント値情報(N)と自機のカウンタ21のカウント値情報(M)と比較して、その比較結果に基づいて対応処理が実行する。
その場合、逸れ端末55ではN>Mの関係になっているため、
図16AのステップS30では
図16BのステップS31→S37~S39の手順が実行される。
したがって、送受信部(変調送信部TX1と受信復調部RX1)のチャネルはCH21からメモリ22に更新記憶されているCH28に変更され、その結果、端末55は逸れ状態からグループネットワークに復帰することができる。
また、ステップ38でカウンタ21のカウント値情報(M)がメモリ22のカウント値情報(N)に書き替えられて、カウンタ21のカウント値情報(M)に関しても端末51~54と同一の状態にされる。
【0094】
図18のグループネットワークの簡略構成図は、逸れ端末55側が送信モードとなって通話信号を送信することで、それが開始イベントとなってネットワークへの復帰シーケンスが実行される場合に関するものである。
先ず、同図に示されるように、ネットワークチャネルはCH28であるが、逸れ端末55の送受信チャネルはCH21である。
この場合は、逸れ端末55が
図15のステップS11~S16を実行し、送信モードに切り替えて変調送信部TX1-CH21からG-ID等と音声信号と共にカウンタ21のカウント値情報を付加して送信する。
【0095】
それに対して、端末51~54の受信復調部RX1-CH28では逸れ端末55の変調送信部TX1-CH21から送信される電波は受信できず、
図16AのステップS21→S24~S30を実行することになる。
すなわち、端末51~54の受信復調部RX2-SCANがチャネルの巡回走査中にCH21でG-IDを受信復調するため、その走査動作を停止させた上で通話信号があればそれを復調し、さらにその通話信号の末尾に付加されているカウント値情報を受信復調する。
【0096】
そして、端末51~54では、その場合の受信チャネル情報(CH21)とカウント値情報(N)をメモリ22に更新記憶し、そのカウント値情報(N)と自機のカウンタ21のカウント値情報(M)を比較して、その比較結果に基づいて対応処理が実行する。
その場合、端末51~54ではM>Nの関係になっているため、
図16AのステップS30では
図16BのステップS31→S32~S36の手順が実行される。
したがって、端末51~54は、自動的に送信モードを設定し、割込みがかかった状態で変調送信部TX1-CH28から現状設定チャネル(CH28)でG-ID等とカウンタ21のカウント値情報を送信して受信モードに復帰することになる。
しかし、実際には端末51~54の現状設定チャネル(CH28)での送信が競合するため、CSが最先に成立したいずれかの端末(以下、端末5Xという)だけが送信できることになる。
【0097】
一方、前記端末5Xからの情報送信に対して、逸れ端末55は
図16AのステップS21→S24~S30を実行する。
この場合、逸れ端末55では、端末5XからCH28で送信された電波を受信復調部RX1-CH21では受信できず、受信復調部RX2-SCAN側がチャネルの巡回走査中にCH28でG-IDを受信復調するため、その走査動作を停止させた上で通信信号の末尾に付加されているカウント値情報を受信復調し、その場合の受信チャネルCH28とカウント値情報(N)をメモリ22に更新記憶する。
【0098】
そして、逸れ端末55では、メモリ22のカウント値情報(N)と自機のカウンタ21のカウント値情報(M)を比較して、その比較結果に基づいて対応処理が実行するが、この場合にはN>Mの関係になっているため、
図16AのステップS30では
図16BのステップS31→S37~S39の手順が実行される。
したがって、逸れ端末55の送受信部(変調送信部TX1と受信復調部RX1)のチャネルはCH21からメモリ22に更新記憶されているCH28に変更され、その結果、端末55は逸れ状態からグループネットワークに復帰することができる。
また、ステップS39ではカウンタ21のカウント値情報(M)がメモリ22のカウント値情報(N)に書き替えられ、カウンタ21のカウント値情報に関しても端末51~54と同一の状態に変更される。
【0099】
<<実施形態2>>
この実施形態は、前記実施形態1の場合と同様に、
図1Aの無線通信機とそれを構成端末とするグループ無線通信ネットワークシステムに係るものであり、また、
図4に示すような5台の端末51~55からなる単信方式のグループ無線通信ネットワークを想定する。
そして、このネットワークにおける逸れ端末の発生要因も前記実施形態1において
図4から
図13を用いて説明した事情と同様である。
【0100】
この実施形態に係る無線通信機における実施形態1との相違は、グループ無線通信ネットワークの構成端末として、実施形態1がG-IDとCCRの送受信回数のカウント値情報の大小関係を逸れ端末としての推定確率の比較要素に用いているのに対し、G-IDとCCRの最新の送受信に係る検出時刻情報の先後関係を比較要素に用いる点にある。
これは、G-IDとCCRの最新の送受信時刻が後である方が直近までネットワーク内に留まっていたことになるため、逸れ端末である推定確率がより低いとみなせることよる。
【0101】
したがって、実施形態1の無線通信機においては
図14でG-IDとCCRの送受信回数をカウントする手順が示されているが、この実施形態では
図19にG-IDとCCRの送受信の検出時刻情報を更新記憶する手順が示されている。
具体的には、操作部19からグループ無線通信モードが設定されると、システム制御部10はメモリ22をリセットし(S41)、その後、自機の変調送信部TX1がG-IDとCCRを送信したかどうか及び受信復調部RX2-SCANで他の端末からのG-IDとCCRを受信復調したかどうかを検出しており(S42,S43)、その検出がある度に、システム制御部10が内蔵タイマーの時刻情報をメモリ22の[A]領域に検出時刻情報として更新記憶する動作を繰り返す(S44,S45→S42)。
【0102】
この実施形態におけるG-IDとCCRの送受信時刻を更新記憶する方式によると、グループ無線通信ネットワークにおいて通信可能な状態にある端末にあっては、常にそのメモリ22の[A]領域にG-IDとCCRの送受信によるネットワークチャネルの変更に係る最新の検出時刻情報が更新記憶されるが、G-IDとCCRの送受信時に圏外に位置していたり電源をOFFにしていた逸れ端末においては、その記録が最新の検出時刻情報ではなくなる。
【0103】
この実施形態に係る無線通信機は、単信方式の無線通信ネットワークの構成端末として、逸れ端末が生じた場合に
図19の実行手順で必然的に生じるメモリ22の[A]領域の検出時刻情報の相違を利用して、
図20及び
図21のフローチャートに示す手順を実行することにより、自他からを問わず逸れ端末を自動的にネットワークへ復帰させる。
【0104】
先ず、
図20は送信モードにおける信号の送信手順を示す。
受信モードにおいて、ネットワークの他の端末へ音声メッセージを送信するべく、操作部19のPTTボタンをONにして送信モードの設定があると直ちに割込みがかかり(S50,S51)、受信復調部RX1により現状設定チャネルでCSを実行させて、混信が無いことを条件に、変調送信部TX1によりG-ID等を送信させた後、マイクロホン15からの入力音声信号でキャリア信号を変調して音声メッセージの送信を行う(S52,S53)。
【0105】
そして、通常の無線通信機においてはPTTボタンをOFFにすると直ちに通信終了信号を送信して音声メッセージの送信が終ることになるが、この実施形態の無線通信機では、PTTボタンをOFFにした後に直ちには終了せず、メモリ22の[A]領域から検出時刻情報を読み出して付加信号として送信した後、通信終了信号を送信して割込み処理から抜けるようになっている(S54,S55,S56)。
【0106】
受信モードでは、前記送信モード設定による割込み処理がなければ、
図21Aの手順を実行する。
先ず、受信復調部RX1側でG-IDが復調されると、それはグループに属して同一の送受信チャネルに設定されている他の端末が送信元であり、通常のグループ通信を実行すべき相手側端末であるので通話信号を再生し、通信終了信号を検出することで待受状態に戻る(S60~S63→S61)。
【0107】
一方、受信復調部RX1でG-IDが受信復調されずに受信復調部RX2側でのみG-IDが受信復調される場合は、送信元端末はグループに属してはいるが自機と送受信チャネルが相違している状態、すなわち自機又は送信元端末が逸れ状態にある可能性が想定されるため、この場合には、受信復調部RX2の巡回走査動作をG-IDを検出したチャネルで停止させ(S61→S64,S65)、通話信号があればそれを復調して再生させると共に(S66,S67)、その通話信号の末尾に付加されている検出時刻情報を受信復調する(S68)。
また、G-IDの検出で停止せしめられた受信復調部RX2のチャネル情報と共に、その復調された検出時刻情報をメモリ22の[B]領域に更新記憶させる(S69)。
【0108】
そして、メモリ22の[B]領域のチャネル情報と検出時刻情報が更新される度に、メモリ22の[A]領域の検出時刻情報(T1)と[B]領域の検出時刻情報(T2)を比較し、その比較結果に応じて対応処理を行うことになる(S69,S70)。
これは、メモリ22の[B]領域の検出時刻情報(T2)は送信元端末(すなわちグループに属してはいるが、自機とは送受信チャネルが相違している状態の端末)の検出時刻情報に相当し、それをメモリ22の[A]領域に更新記憶されている検出時刻情報(T1)と比較することで、いずれの端末が逸れ端末としての推定確率が高いかを判定し、その結果に応じて対応処理が選択される。
【0109】
この比較と対応処理(S70)に係る具体的手順は
図21Bに示される。
T1がT2より後の場合:
送信モードが自動的に設定されて割込みがかかり、変調送信部TX1を現状設定チャネルとして、G-ID等とメモリ22の[A]領域の検出時刻情報(T1)を送信し、その終了により受信モードに自動復帰して割込み処理から抜ける(S71→S72~S76)。
T2がT1より後の場合:
変調送信部TX1と受信復調部RX1のチャネルをメモリ22の[B]領域の更新記憶されているチャネルに変更すると共に、メモリ22の[A]領域の検出時刻情報(T1)をメモリ22の[B]領域の検出時刻情報(T2)に書き替える(S71→S77~S79)。
T1=T2の場合:
何も実行せず、送受信部のチャネルをそのまま維持する(S71→S80)。
【0110】
この実施形態における逸れ端末55のネットワークへの復帰シーケンスは、実施形態1で
図15、
図16A及び
図16Bを用いて説明した同復帰シーケンスとの関係において、「カウンタ21のカウント値情報(M)」が「メモリ22の[A]領域の検出時刻情報(T1)」となり、「メモリ22に更新記憶されるカウント値情報(N)」が「メモリ22の[B]領域の検出時刻情報(T2)」となり、また、“カウント値の大小比較”が“検出時刻情報の先後比較”となるだけで、実質的には同様の手順で逸れ端末55をグループ通信が可能な状態へ戻すことができる。
【0111】
したがって、
図20、
図21A及び
図21Bのステップを用いた簡単な手順の説明に留めるが、実施形態1での
図17に示されるように、逸れ端末55以外の端末51~54(ここでは端末51)からの送信イベントによる復帰シーケンスであれば、次のような手順となる。
(1) 端末51が
図20のステップS51~S56を実行する。その送信チャネルは現状設定チャネルGH28である。
(2) 端末52~54は、受信復調部RX1-CH28でG-IDが復調されると、
図21AのステップS61~S63を実行する。
(3) 端末55は、受信復調部RX2-SCANでG-IDが復調されると、
図21AのステップS64~S70を実行する。
(4) 端末55は、
図21AのステップS70で
図21BのステップS71→S77~S79を実行する。
これにより、逸れ端末55はその送受信部のチャネルをCH21からCH28へ変更することができ、グループ無線通信ネットワークへ自動的に復帰することができる。
【0112】
一方、実施形態1での
図18に示されるように、逸れ端末55からの送信イベントによる復帰シーケンスであれば、次のような手順となる。
(1) 端末55が
図20のステップS51~S56を実行する。その送信チャネルは現状設定チャネルGH21である。
(2) 端末51~54は、受信復調部RX2-SCANでG-IDが復調されると、
図21AのステップS64~S70を実行する。
(3) 端末51~54は、
図21AのステップS70で
図21BのステップS71→S72~S76を実行する。その場合、端末51~54は
図21BのステップS74のCS段階で競合し、いずれか一の端末5Xだけが送信可能となる。端末5Xの送信チャネルは現状設定チャネルCH28である。
(4) 端末55は、受信復調部RX2-SCANでG-IDが復調されると、
図21AのステップS64~S70を実行する。
(5) 端末55は、
図21AのステップS70で
図21BのステップS71→S77~S79を実行する。
これにより、逸れ端末55はその送受信部のチャネルをCH21からCH28へ変更することができ、グループ無線通信ネットワークへ自動的に復帰することができる。
【0113】
<<実施形態3>>
この実施形態は
図1Bの無線通信機とそれを構成端末とするグループ無線通信ネットワークシステムに係るものであり、また
図22に示すように5台の端末61~65からなる単信方式のグループ無線通信ネットワークを想定する。
上記したように
図1Bの無線通信機はその受信復調部RX2が周波数制御チャネルCH31に固定されており、ネットワークの構成端末61~65としてネットワークチャネルを変更する場合には、周波数制御チャネルCH31を利用してG-IDとCH-CCRを送信する。
ここで、実施形態1及び2で使用されているCCR(チャネル変更要求信号)と異なり、CH-CCR(変更先チャネル指定を伴うチャネル変更要求信号)が使用されるのは、実施形態1及び2における受信復調部RX2がネットワークで使用される全チャネルを走査しているのに対して、この実施形態では受信復調部RX2のチャネルがCH31に固定されており、変更先チャネルを送信チャネルで示すことができず、情報として示さざるを得ないからである。
【0114】
この実施形態での無線通信機をネットワーク構成端末とした場合におけるネットワークの状態の遷移は
図22から
図24に示される。
ただし、各図において受信復調部RX2-CH31は受信復調部RX2が周波数制御チャネルCH31に設定されていることを示す。
図22では、ネットワークチャネルがCH21であるが、端末63がCH21で送信モードにしてCSを実行したところ混信が生じたため、チャネルをCH28に変更してCSを行っている状態を示す。
そして、CH28でのCSにおいて混信がなければ、
図23に示すように、端末63は変調送信部TX1の設定チャネルを一時的にCH31へ切り替えてG-IDとCH-CCRを送信する一方、他の端末61,62,64,65はそれらの信号を受信復調部RX2-CH31で受信復調し、それぞれ自機の送受信部(変調送信部TX1及び受信復調部RX1)のチャネルをCH28に変更する。
【0115】
その結果、
図24に示すように、ネットワークチャネルはCH21からCH28に変更される。
しかしながら、実施形態1において説明した逸れ端末の発生要因と同様に、例えば、
図25に示すように、端末63がG-IDとCH-CCRを送信している時間帯に圏外の位置にいた又は電源をOFFにしていた端末65はチャネルの変更ができない。
じたがって、
図26に示すように、他の端末61~64の送受信チャネルがCH28になっているにも拘わらず、端末65はCH21のままで逸れ端末となる。
【0116】
この実施形態では、実施形態1の場合と同様に、各端末61~65ではカウンタ21を用い、G-IDとCH-CCRの送受信がある度にそれを検出して、カウンタ21のカウント値を+1インクリメントする。
図27はその手順を示すものであるが、ステップS92,S93においてCCRではなくCH-CCRが検出対象になっていること以外は、実施形態1における
図14の実行手順と同様である。
【0117】
この実施形態に係る無線通信機は、単信方式の無線通信ネットワークの構成端末として、逸れ端末が生じた場合に
図27の実行手順で必然的に生じる前記カウント値の相違を利用して、
図28、
図29A及び
図29Bのフローチャートに示す手順を実行することにより、自他からを問わず逸れ端末を自動的にネットワークへ復帰させる。
【0118】
先ず、
図28は通常の通話送信モードの手順を示し、受信モードからネットワークの他の端末へ音声メッセージを送信するべく操作部19のPTTボタンをONにして送信モードを設定すると(S100,S101)、受信復調部RX1により現状設定チャネルでのCSを実行させ、混信が無いことを条件に、変調送信部TX1によりG-ID等(G-ID以外に自機IDや送受信CHも含む)を送信させた後、マイクロホン15からの入力音声信号でキャリア信号を変調して音声メッセージの送信を行い(S102,S103)、その送信が終わるとPTTボタンをOFFにして送信モードを解除すると共に通信終了信号を送信する(S104,S105)。
これは無線通信機の送信モードで割込み処理として実行される一般的な動作であり、実施形態1及び2における
図15のステップS14~S16や
図20のステップS54~S56で示したように、通話信号の末尾にメモリ22のカウント値情報や検出時刻情報を付加送信させることは行わない。
【0119】
一方、
図29Aはこの実施形態の無線通信機の動作手順を示すものであり、受信モードにおいて常にインターバルタイマー(3分間)がセットされるようになっている(S110,S111)。
そして、そのインターバル3分間に受信復調部RX1と受信復調部RX2-CH31のいずれにおいてもG-IDの受信復調がなくタイムアウトになった場合(S111,S112→S115→S116)にはネットワークに逸れ端末が生じている可能性があるため(特に、自機が逸れ端末になっている可能性が高いため)、送信モードを自動設定して割込みをかけ、変調送信部TX1を現状設定チャネルからCH31へ変更した後、同チャネルCH31でG-IDと現状設定チャネル情報とカウンタ21のカウント値情報を送信し、通信終了信号を送信した後、変調送信部TX1をCH31から現状設定チャネルへ戻して割込み処理を解除する(S116→S117~S119)。
【0120】
また、
図29Aには図示していないが、タイムアウトになった時点でシステム制御部10がこれを検知して、表示部20に自機が逸れ端末状態になっている旨を表示させる手順及び/又は特殊な電子音をスピーカ14から出力させる手順を実行させて端末のユーザに知らせるようにしてもよい。
【0121】
なお、タイムアウトまでに受信復調部RX1でG-IDの受信復調が検出された場合には、その送信元端末はグループに属しており送受信チャネルが同一であるから通常のグループ通信を実行することになる(S111,S112→S113,S114)。
【0122】
一方、タイムアウトまでに受信復調部RX2-CH31でG-IDの受信復調が検出された場合には、その送信元端末においてインターバルタイマーのタイムアウト(S116:Y)でステップS117~S119を実行したことが想定され、G-IDに続いてチャネル情報(送信元の現状設定チャネル情報)とカウント値情報が受信復調されるため(S120)、それらをメモリ22に更新記憶する(S121)。
【0123】
そして、メモリ22のチャネル情報とカウント値情報が更新される度に、カウンタ21のカウント値情報(M回)とメモリ22の更新後のカウント値情報(N回)を比較し、その結果に基づいて対応処理を行う(S121,S122)。
これは、実施形態1の場合の
図16AのステップS29、S30と同様であり、メモリ22のカウント値情報(N回)は送信元端末(すなわち、グループに属してはいるが、自機と送受信チャネルが相違している状態の端末)のカウント値に相当し、それを自機のカウント値情報(M回)と比較することで、いずれの端末が逸れ端末としての推定確率が高いかを判定し、その比較結果に基づいて対応処理を行うことになる。
【0124】
この実施形態における前記比較結果と対応処理の手順は
図29Bに示され、次のようになる。
M>Nの場合:
送信モードが自動的に設定されて割込みがかかり、変調送信部TX1を現状設定チャネルからCH31へ変更して、G-ID等と現状設定チャネル情報とカウンタ21のカウント値情報(M回)を送信し、その終了により変調送信部TX1をCH31から現状設定チャネルへ変更して受信モードに戻ることで割込み処理から抜ける(S131→S132~S136)。
N>Mの場合:
変調送信部TX1と受信復調部RX1のチャネルをメモリ22の更新記憶されているチャネルに変更すると共に、カウンタ21のカウント値情報(M回)をメモリ22のカウント値情報(N回)に書き替える(S131→S137~S139)。
M=Nの場合:
何も実行せず、送受信部のチャネルをそのまま維持する(S131→S140)。
【0125】
以上、単信方式のグループ無線通信ネットワークに適用される単一の無線通信機の観点からその機能について説明したが、次に、
図26に示したように逸れ端末65が生じたネットワークの状態から、如何にして逸れ端末65をグループネットワークに復帰させることができるかについて具体的に説明する。
【0126】
図30のグループネットワークの簡略構成図は、逸れ端末65以外の端末61~64のいずれか(ここでは端末61)が送信モードとなってCH31で所要情報を送信することを開始イベントとして、逸れ端末65のネットワークへの復帰シーケンスが実行される場合に関するものである。
この場合の復帰シーケンスを
図29A及び
図29Bの各ステップを用いて説明すると次のような手順となる。
(1) 端末61が
図29AのステップS111,S112→S115→S116:Y(タイムアウト)によりステップS117~S119を実行する。
(2) 端末65が、
図29AのステップS115→S120~S122を実行し、S122でN>Mの条件になるため、
図29BのS131→S138,S139を実行する。
これにより、逸れ端末65はその送受信部のチャネルをCH21からCH28へ変更することができ、グループ無線通信ネットワークへ自動的に復帰することができる。
(3) 端末62~64は、
図29AのステップS115→S120~S122を実行し、S122でM=Nの条件になるため、
図29BのS131→S140となって何も実行しない。
【0127】
一方、
図31のグループネットワークの簡略構成図は、逆に逸れ端末65が送信モードとなってCH31で所要情報を送信することを開始イベントとして、逸れ端末65のネットワークへの復帰シーケンスが実行される場合に関するものである。
この場合の復帰シーケンスは
図28及び
図29のステップを用いて説明すると次のような手順となる。
(1) 端末65が
図29AのステップS111,S112→S115→S116:Y(タイムアウト)によりステップS117~S119を実行する。
(2) 端末61~64は
図29AのステップS115→S120~S122を実行し、S122でM>Nの条件になるため、
図29BのS131→S132~S136を実行する。
その場合、端末61~64は
図29BのステップS134のCH31でのCS段階で競合し、いずれか一の端末だけが送信可能となる。
(3) 端末65が
図29Aのステップ115→S120~S122を実行し、S122でN>Mの条件になるため、
図29BのS131→S137~S139を実行する。
したがって、逸れ端末65はその送受信部のチャネルをCH21からCH28へ変更することができ、グループ無線通信ネットワークへ自動的に復帰することができる。
【0128】
<<実施形態4>>
この実施形態は、前記実施形態3の場合と同様に、
図1Bの無線通信機とそれを構成端末とするグループ無線通信ネットワークシステムに係るものであり、また
図22に示すように5台の端末61~65からなる単信方式のグループ無線通信ネットワークを想定する。
このネットワークにおいても、逸れ端末が発生する要因は前記実施形態3において
図22から
図26を用いて説明したとおりである。
【0129】
この実施形態の無線通信機における実施形態3の場合との相違は、グループ無線通信ネットワークの構成端末として、実施形態3がG-IDとCH-CCRの送受信回数のカウント値情報を逸れ端末としての推定確率の比較要素に用いるのに対して、G-IDとCH-CCRの最新の送受信時刻の先後関係を比較要素に用いる点にあり、これは実施形態1の無線通信機に対する実施形態2の場合の相違点と同じである。
【0130】
したがって、実施形態3の無線通信機においては
図27でG-IDとCH-CCRの送受信を検出してその回数のカウント値情報を更新記憶する手順が示されているが、この実施形態では
図32でG-IDとCH-CCRの送受信を検出してその検出時刻情報を更新記憶する手順が示されている。
具体的には、操作部19からグループ無線通信モードが設定されると、システム制御部10はメモリ22をリセットし(S151)、その後、自機の変調送信部TX1がG-IDとCH-CCRを送信したかどうか及び受信復調部RX2-CH31で他の端末からのG-IDとCH-CCRを受信復調したかどうかを検出しており(S152,S153)、その検出がある度に、システム制御部10が内蔵タイマーの時刻情報をメモリ22の[A]領域に更新記憶する動作を繰り返す(S154,S155→S152)。
【0131】
実施形態3の場合と同様に、この実施形態におけるG-IDとCH-CCRの送受信時刻を更新記憶する方式によると、グループ無線通信ネットワークにおいて通信可能な状態にある端末にあっては、常にそのメモリ22の[A]領域に対してG-IDとCH-CCRの送受信に基づくネットワークチャネルの変更に係る最新の時刻情報が更新記憶されることになるが、G-IDとCH-CCRの送受信時に圏外に位置していたり、電源をOFFにしていた逸れ端末においては、その記録が最新の時刻情報ではなくなる。
【0132】
この実施形態に係る無線通信機は、単信方式の無線通信ネットワークの構成端末として、逸れ端末が生じた場合に
図32の実行手順で必然的に生じるメモリ22の[A]領域の時刻情報の相違を利用して、
図33、
図34A及び
図34Bのフローチャートに示す手順を実行することにより、自他からを問わず逸れ端末を自動的にネットワークへ復帰させる。
【0133】
図33は通常の通話送信モードの手順を示し、
図28と同等の内容になるが、機能のまとまりの関係上、あえて組み込まれている。
受信(待受)モードからネットワークの他の端末へ音声メッセージを送信するべく操作部19のPTTボタンをONにして送信モードを設定すると(S160,S161)、受信復調部RX1により現状設定チャネルでのCSを実行させ、混信が無いことを条件に、変調送信部TX1によりG-ID等(G-ID以外に自機IDや送受信CHも含む)を送信させた後、マイクロホン15からの入力音声信号でキャリア信号を変調して音声メッセージの送信を行い(S162,S163)、その送信が終わるとPTTボタンをOFFにして送信モードを解除すると共に通信終了信号を送信する(S164,S165)。
これは無線通信機の送信モードで割込み処理として実行される一般的な動作であり、実施形態3の場合と同様に、実施形態1及び2のように通話信号の末尾にメモリ22のカウント値や検出時刻情報を付加送信させることは行わない。
【0134】
一方、
図34Aはこの実施形態の無線通信機の動作手順を示すものであり、受信モードでは常にインターバルタイマー(3分間)がセットされるようになっている(S170,S171)。
そして、そのインターバル3分間に受信復調部RX1と受信復調部RX2-CH31のいずれにおいてもG-IDの受信復調がなくタイムアウトになった場合(S171→S172→S175→S176:Y)にはネットワークに逸れ端末が生じている可能性があるため(特に、自機が逸れ端末になっている可能性が高いため)、送信モードを自動設定して割込みをかけ、変調送信部TX1を現状設定チャネルからCH31へ変更し、同チャネルCH31でG-IDと現状設定チャネル情報とメモリ22の[A]領域の検出時刻情報を送信し、通信終了信号を送信した後、変調送信部TX1をCH31から現状設定チャネルへ戻して割込み処理から抜ける(S177~S179)。
【0135】
また、
図34Aには図示していないが、タイムアウトになった時点でシステム制御部10がこれを検知して、表示部20に自機が逸れ端末状態になっている旨を表示させる手順及び/又は特殊な電子音をスピーカ14から出力させる手順を実行させて端末のユーザに知らせるようにしてもよい。
【0136】
なお、タイムアウトまでに受信復調部RX1でG-IDの受信復調が検出された場合には、その送信元端末はグループに属しており送受信チャネルが同一であるから通常のグループ通信を実行することになる(S172→S173,S174)。
【0137】
一方、タイムアウトまでに受信復調部RX2-CH31でG-IDの受信復調が検出された場合には、その送信元端末においてインターバルタイマーのタイムアウト(S176:Y)でステップS177~S179を実行したことが想定され、G-IDに続いてチャネル情報(送信元端末の現状設定チャネル情報)と検出時刻情報が受信復調されるため(S180)、それらをメモリ22の[B]領域に更新記憶する(S181)。
【0138】
そして、メモリ22の[B]領域のチャネル情報と検出時刻情報が更新記憶される度に、メモリ22の[A]領域の検出時刻情報(T1)と[B]領域の検出時刻情報(T2)を比較し、その比較結果に応じて対応処理を行うことになる(S181,S182)。
これは、メモリ22の[B]領域の検出時刻情報(T2)は送信元端末(すなわちグループに属してはいるが、自機と送受信チャネルが相違している状態の端末)の検出時刻情報に相当し、それを自機の検出時刻情報(T1)と比較することでそれらの検出時刻の先後関係を求め、いずれの端末が逸れ端末としての推定確率が高いかを判定することになる。
【0139】
この実施形態における前記比較結果と対応処理の手順は
図34Bに示され、次のようになる。
T1がT2より後の場合:
送信モードを自動的に設定し、変調送信部TX1を現状設定チャネルからCH31へ変更してG-IDと現状設定チャネル情報とメモリ22の[A]領域の検出時刻情報(T1)を送信し、その終了により受信モードに自動復帰する(S191→S193~S196)。
T2がT1より後の場合:
変調送信部TX1と受信復調部RX1のチャネルをメモリ22の[B]領域の更新記憶されているチャネルに変更すると共に、メモリ22の[A]領域の検出時刻情報(T1)を[B]領域の検出時刻情報(T2)に書き替える(S191→S197,S199)。
T1=T2の場合:
何も実行せず、送受信部のチャネルをそのまま維持する(S191→S200)。
【0140】
この実施形態における逸れ端末65のネットワークへの復帰シーケンスは、実施形態3で
図30及び
図31を用いて説明した同復帰シーケンスとの関係において、「カウンタ21のカウント値情報(M)」が「メモリ22の[A]領域の検出時刻情報(T1)」となり、「メモリ22に更新記憶されるカウント値情報(N)」が「メモリ22の[B]領域の検出時刻情報(T2)」となり、また、“カウント値の大小比較”が“検出時刻情報の先後比較”となるだけで、実質的には同様の手順で逸れ端末65をグループ通信が可能な状態へ戻すことができる。
【0141】
したがって、
図34A及び
図34Bのステップを用いた簡単な手順の説明に留めるが、実施形態3での
図30に示されるように、逸れ端末65以外の何れか(ここでは端末61)からの送信イベントによる復帰シーケンスであれば、次のような手順となる。
(1) 端末61が
図34AのステップS171,S172→S175→S176:Y(タイムアウト)によりステップS177~S179を実行する。
(2) 端末65が、
図34AのステップS175→S180~S182を実行し、S182で“T2がT1よりも後”の条件になるため、
図34BのS191→S197~S199を実行する。
これにより、逸れ端末65はその送受信部のチャネルをCH21からCH28へ変更することができ、グループ無線通信ネットワークへ自動的に復帰することができる。
(3) 端末62~64は、
図34Aのステップ175→S180~S182を実行し、S182で“T1=T2(同時)”の条件になるため、
図34BのS191→S200となって何も実行しない。
【0142】
一方、実施形態3での
図31に示されるように、逸れ端末65からの送信イベントによる復帰シーケンスであれば、次のような手順となる。
(1) 端末65が
図34AのステップS171,S172→S175→S176:Y(タイムアウト)によりステップS177~S179を実行する。
(2) 端末61~64は、
図34AのステップS175→S180~S182を実行し、S182で“T1がT2よりも後”の条件になるため、
図34BのS191→S192~S196を実行する。
その場合、端末61~64は
図34BのステップS194のCS段階で競合し、いずれか一の端末だけが送信可能となる。
(3) 端末65は、
図34AのステップS175→S180~S182を実行し、S182で“T2がT1よりも後”の条件になるため、
図34BのS191→S197~S199を実行する。
これにより、逸れ端末65はその送受信部のチャネルをCH21からCH28へ変更することができ、グループ無線通信ネットワークへ自動的に復帰することができる。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本願の発明は、単信方式のグループ無線通信ネットワーク及びそのネットワークの構成端末に利用することができる。
【符号の説明】
【0144】
10…システム制御部、11…アンテナ、12…信号合成部、13…増幅器、14…スピーカ、15…マイクロホン、16…増幅器、17…増幅器、18…アンテナ、19…操作部、20…表示部、21…カウンタ、22…メモリ、RX1,RX2…受信復調部、TX1…変調送信部、51~55…ネットワークの構成端末(無線通信機)、61~65…ネットワークの構成端末(無線通信機)。
【要約】
【課題】単信方式の無線通信ネットワーク(NW)の構成端末が、一時的に圏外等になった間にNWの使用チャネルが変更され、圏内に戻っても逸れ状態にある端末を自動的にNWに復帰させる。
【解決手段】各端末は変調送信部TX1と受信復調部RX1,RX2を備え、受信モードでRX2はNWで使用可能な全チャネルを走査する。各端末はNWの使用チャネル変更に際しG-ID(グループ識別信号)とCCR(チャネル変更要求信号)を送受信し、各端末はその回数をカウントする。各端末は通話時に自機のカウント値も付加送信し、他の端末ではRX2でのみG-IDとカウント値を受信した場合には、自機のカウント値情報(M)と受信したカウント値情報(N)を比較し、M>NではG-IDとMを現状チャネルで送信し、N>Mでは自機の送受信チャネルをRX2の前記受信チャネルへ変更し、M=Nでは現状を維持する。
【選択図】
図16A