(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】採用支援システム、採用支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20240801BHJP
G06F 40/56 20200101ALI20240801BHJP
【FI】
G06Q10/1053
G06F40/56
(21)【出願番号】P 2023212594
(22)【出願日】2023-12-18
【審査請求日】2023-12-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512313953
【氏名又は名称】株式会社ビズリーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】原田 要一
(72)【発明者】
【氏名】萩野 貴拓
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-105444(JP,A)
【文献】特開2023-105781(JP,A)
【文献】特開2023-105825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 40/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
採用支援システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、
取得ステップでは、求人票を取得し、
スカウト文書作成ステップでは、前記求人票を学習モデルである第1処理モデルに入力し、前記第1処理モデルに前記求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の前記文書構成要素をさらに学習モデルである第2処理モデルに入力し、前記第2処理モデルに前記求人票に対応した第1スカウト文書を出力させ
、
ここで、複数の前記項目は、募集理由、採用対象者が有するとよい興味、将来展望、組織又はポジションの魅力、及び、組織又はポジションの競合優位性の少なくとも1つを含み、
前記第1処理モデルは、前記求人票を入力とし、複数の前記文書構成要素を出力とすることが可能なように学習された学習モデルであり、
前記第1スカウト文書は、前記項目ごとの前記文書構成要素にそれぞれ基づく複数のスカウト本文を含む文書であり、
前記第2処理モデルは、前記文書構成要素と前記スカウト本文とを組み合わせた教師データを用いて、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記第1スカウト文書を出力するように学習された学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第2処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記項目ごとに作成された複数の前記スカウト本文を含んだ前記第1スカウト文書を出力する指示を前記第2処理モデルに入力する、採用支援システム。
【請求項2】
採用支援システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、
取得ステップでは、求人票を取得し、
スカウト文書作成ステップでは、前記求人票を学習モデルである第1処理モデルに入力し、前記第1処理モデルに前記求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の前記文書構成要素をさらに学習モデルである第2処理モデルに入力し、前記第2処理モデルに前記求人票に対応した第1スカウト文書を出力させ、
ここで、前記第1処理モデルは、前記求人票を入力とし、複数の前記文書構成要素を出力とすることが可能なように学習された学習モデルであり、
前記第1スカウト文書は、前記項目ごとの前記文書構成要素に基づくスカウト本文を含む文書であり、
前記第2処理モデルは、前記文書構成要素と前記スカウト本文とを組み合わせた教師データを用いて、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記第1スカウト文書を出力するように学習された学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第2処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記スカウト本文を含んだ前記第1スカウト文書を出力する指示を前記第2処理モデルに入力し、
前記スカウト文書作成ステップでは、前記第1スカウト文書をさらに学習モデルである第3処理モデルに入力し、前記第3処理モデルに前記第1スカウト文書の形式を調整した第2スカウト文書を出力させ
、
ここで、前記第2スカウト文書は、前記第1スカウト文書の文頭又は文尾へ第1追加文章を挿入した文書であり、
前記第3処理モデルは、前記第1スカウト文書と前記第1追加文章を含む前記第2スカウト文書とを組み合わせた教師データを用いて、前記第1スカウト文書を入力とし、前記第2スカウト文書を出力とするように学習された学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第3処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第1スカウト文書を入力とし、前記第1追加文章を前記第1スカウト文書に追加したものを前記第2スカウト文書として出力する指示を前記第3処理モデルに入力する、採用支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記スカウト文書作成ステップでは、前記第2スカウト文書をさらに学習モデルである第4処理モデルに入力し、前記第4処理モデルに前記第2スカウト文書のタイトルを出力させ
、
ここで、前記第4処理モデルは、前記第2スカウト文書と前記タイトルとを組み合わせた教師データを用いて、前記第2スカウト文書を入力とし、前記タイトルを出力とするように学習された学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第4処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第2スカウト文書を入力とし、前記タイトルのサンプルを参照して前記タイトルを作成し出力する指示を前記第4処理モデルに入力する、採用支援システム。
【請求項4】
請求項2に記載の採用支援システムにおいて、
前記スカウト文書作成ステップでは、前記第2スカウト文書をさらに学習モデルである第5処理モデルに入力し、前記第5処理モデルに再送用スカウト文書を出力させ
、
ここで、前記再送用スカウト文書は、前記第2スカウト文書に含まれる文章と、返信を促すために追加された第2追加文章とを含む文書であり、
前記第5処理モデルは、前記第2スカウト文書と前記第2追加文章を含む前記再送用スカウト文書とを組み合わせた教師データを用いて、前記第2スカウト文書を入力とし、前記再送用スカウト文書を出力とするように学習された学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第5処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第2スカウト文書を入力とし、前記第2追加文章を前記第2スカウト文書に追加したものを前記再送用スカウト文書として出力する指示を前記第5処理モデルに入力する、採用支援システム。
【請求項5】
採用支援システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、
取得ステップでは、求人票を取得し、
スカウト文書作成ステップでは、前記求人票を学習モデルである第1処理モデルに入力し、前記第1処理モデルに前記求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の前記文書構成要素をさらに学習モデルである第2処理モデルに入力し、前記第2処理モデルに前記求人票に対応した第1スカウト文書を出力させ、
ここで、前記第1処理モデルは、前記求人票を入力とし、複数の前記文書構成要素を出力とすることが可能なように学習された学習モデルであり、
前記第1スカウト文書は、前記項目ごとの前記文書構成要素に基づくスカウト本文を含む文書であり、
前記第2処理モデルは、前記文書構成要素と前記スカウト本文とを組み合わせた教師データを用いて、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記第1スカウト文書を出力するように学習された学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第2処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記スカウト本文を含んだ前記第1スカウト文書を出力する指示を前記第2処理モデルに入力し、
前記スカウト文書作成ステップでは、前記第1スカウト文書をさらに学習モデルである第4処理モデルに入力し、前記第4処理モデルに前記第1スカウト文書のタイトルを出力させ
、
ここで、前記第4処理モデルは、前記第1スカウト文書と前記タイトルとを組み合わせた教師データを用いて、前記第1スカウト文書を入力とし、前記タイトルを出力とするように学習された学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第4処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第1スカウト文書を入力とし、前記タイトルのサンプルを参照して前記タイトルを作成し出力する指示を前記第4処理モデルに入力する、採用支援システム。
【請求項6】
採用支援システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、
取得ステップでは、求人票を取得し、
スカウト文書作成ステップでは、前記求人票を学習モデルである第1処理モデルに入力し、前記第1処理モデルに前記求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の前記文書構成要素をさらに学習モデルである第2処理モデルに入力し、前記第2処理モデルに前記求人票に対応した第1スカウト文書を出力させ、
ここで、前記第1処理モデルは、前記求人票を入力とし、複数の前記文書構成要素を出力とすることが可能なように学習された学習モデルであり、
前記第1スカウト文書は、前記項目ごとの前記文書構成要素に基づくスカウト本文を含む文書であり、
前記第2処理モデルは、前記文書構成要素と前記スカウト本文とを組み合わせた教師データを用いて、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記第1スカウト文書を出力するように学習された学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第2処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記スカウト本文を含んだ前記第1スカウト文書を出力する指示を前記第2処理モデルに入力し、
前記スカウト文書作成ステップでは、前記第1スカウト文書をさらに学習モデルである第5処理モデルに入力し、前記第5処理モデルに再送用スカウト文書を出力させ
、
ここで、前記再送用スカウト文書は、前記第1スカウト文書に含まれる文章と、返信を促すために追加された追加文章とを含む文書であり、
前記第5処理モデルは、前記第1スカウト文書と前記追加文章を含む前記再送用スカウト文書とを組み合わせた教師データを用いて、前記第1スカウト文書を入力とし、前記再送用スカウト文書を出力とするように学習された学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第5処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第1スカウト文書を入力とし、前記追加文章を前記第1スカウト文書に追加したものを前記再送用スカウト文書として出力する指示を前記第5処理モデルに入力する、採用支援システム。
【請求項7】
採用支援システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、
取得ステップでは、求人票を取得し、
スカウト文書作成ステップでは、前記求人票を学習モデルである第1処理モデルに入力し、前記第1処理モデルに前記求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の前記文書構成要素をさらに学習モデルである第2処理モデルに入力し、前記第2処理モデルに前記求人票に対応した第1スカウト文書を出力させ、
ここで、前記第1処理モデルは、前記求人票を入力とし、複数の前記文書構成要素を出力とすることが可能なように学習された大規模言語モデルであり、
前記第1スカウト文書は、前記項目ごとの前記文書構成要素に基づくスカウト本文を含む文書であり、
前記第2処理モデルは、前記文書構成要素と前記スカウト本文とを組み合わせた教師データを用いて、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記第1スカウト文書を出力するように学習された学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第2処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記スカウト本文を含んだ前記第1スカウト文書を出力する指示を前記第2処理モデルに入力し、
前記スカウト文書作成ステップでは、
予め定めた複数の
参照用項目
をさらに前記第1処理モデルに入力し、前記求人票に含まれない
前記参照用項目に対応する前記文書構成要素
として、予め定めた定型のエラー
文を出力する指示を前記第1処理モデルに入力し、
前記第1処理モデルが出力した複数の前記文書構成要素のうち、前記エラー文以外の前記文書構成要素を前記第2処理モデルに入力する、採用支援システム。
【請求項8】
採用支援システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、
取得ステップでは、求人票を取得し、
スカウト文書作成ステップでは、前記求人票とともに、スカウト文書の送信対象となる求職者の属性ごとに用意された
、学習モデルである第1処理モデルに出力させる文書構成要素の
第1属性別サンプルを前記第1処理モデルに入力し、前記第1処理モデルに
、前記属性に応じ
て、前記求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の前記文書構成要素をさらに学習モデルである第2処理モデルに入力し、前記第2処理モデルに前記求人票に対応した第1スカウト文書を出力させ、
ここで、前記第1処理モデルは、前記求人票及び前記第1属性別サンプルを入力とし、前記属性に応じた複数の前記文書構成要素を出力とすることが可能なように学習された学習モデルであり、
前記第1スカウト文書は、前記項目ごとの前記文書構成要素に基づくスカウト本文を含む文書であり、
前記第2処理モデルは、前記文書構成要素と前記スカウト本文とを組み合わせた教師データを用いて、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記第1スカウト文書を出力するように学習された学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第2処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記スカウト本文を含んだ前記第1スカウト文書を出力する指示を前記第2処理モデルに入力する、採用支援システム。
【請求項9】
請求項1に記載の採用支援システムにおいて、
前記スカウト文書作成ステップでは、複数の前記文書構成要素とともに、スカウト文書の送信対象となる求職者の属性ごとに用意された
、前記第2処理モデルに出力させる前記第1スカウト文書の
第2属性別サンプルを前記第2処理モデルに入力し、前記第2処理モデルに前記属性に応じた前記第1スカウト文書を出力させ
、
ここで、前記第2処理モデルは、前記文書構成要素と前記スカウト本文とを組み合わせた教師データを用いて、複数の前記文書構成要素及び前記第2属性別サンプルを入力とし、前記属性に応じた前記第1スカウト文書を出力とすることが可能な学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第2処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、複数の前記文書構成要素及び前記第2属性別サンプルを入力とし、前記第2属性別サンプルを参照して前記スカウト本文を含んだ前記第1スカウト文書を出力する指示を前記第2処理モデルに入力する、採用支援システム。
【請求項10】
採用支援システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、
取得ステップでは、求人票を取得し、
スカウト文書作成ステップでは、前記求人票を学習モデルである第1処理モデルに入力し、前記第1処理モデルに前記求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の前記文書構成要素をさらに学習モデルである第2処理モデルに入力し、前記第2処理モデルに前記求人票に対応した第1スカウト文書を出力させ、
ここで、前記第1処理モデルは、前記求人票を入力とし、複数の前記文書構成要素を出力とすることが可能なように学習された学習モデルであり、
前記第1スカウト文書は、前記項目ごとの前記文書構成要素に基づくスカウト本文を含む文書であり、
前記第2処理モデルは、前記文書構成要素と前記スカウト本文とを組み合わせた教師データを用いて、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記第1スカウト文書を出力するように学習された学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第2処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記スカウト本文を含んだ前記第1スカウト文書を出力する指示を前記第2処理モデルに入力し、
受付ステップでは、
求人者が求める人物像を定義する情報である初期条件の入力を受け付け、
求人票作成ステップでは、前記初期条件
を学習モデルである求人票作成モデルに入力し、前記求人票作成モデルに複数の前記項目を含む前記求人票を
出力させ、
ここで、前記求人票作成モデルは、前記初期条件を入力とし、前記求人票を出力とすることが可能なように学習された学習モデルであり、
前記取得ステップでは、前記初期条件に基づいて作成された前記求人票を取得する、採用支援システム。
【請求項11】
採用支援システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、
取得ステップでは、求人票を取得し、
スカウト文書作成ステップでは、前記求人票を学習モデルである第1処理モデルに入力し、前記第1処理モデルに前記求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の前記文書構成要素をさらに学習モデルである第2処理モデルに入力し、前記第2処理モデルに前記求人票に対応した第1スカウト文書を出力させ、
ここで、前記第1処理モデルは、前記求人票を入力とし、複数の前記文書構成要素を出力とすることが可能なように学習された学習モデルであり、
前記第1スカウト文書は、前記項目ごとの前記文書構成要素に基づくスカウト本文を含む文書であり、
前記第2処理モデルは、前記文書構成要素と前記スカウト本文とを組み合わせた教師データを用いて、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記第1スカウト文書を出力するように学習された学習モデル、又は大規模言語モデルであり、
前記第2処理モデルが大規模言語モデルである場合、前記スカウト文書作成ステップでは、複数の前記文書構成要素を入力とし、前記スカウト本文を含んだ前記第1スカウト文書を出力する指示を前記第2処理モデルに入力し、
求人票修正ステップでは、前記求人票
を学習モデルである初期条件推定モデルに入力し、前記初期条件推定モデルに、タイトル、業務内容、求人者が求める人物像及び募集背景の少なくとも1つ
を含む初期条件を出力させ、前記初期条件を学習モデルである求人票作成モデルに入力し、前記求人票作成モデルに修正求人票を
出力させ、
ここで、前記初期条件推定モデルは、前記求人票を入力とし、前記初期条件を出力とすることが可能なように学習された学習モデルであり、前記求人票作成モデルは、前記初期条件を入力とし、前記修正求人票を出力とすることが可能なように学習された学習モデルであり、
前記スカウト文書作成ステップでは、前記修正求人票を前記第1処理モデルに入力し、前記第1処理モデルに前記修正求人票に含まれる複数の前記項目にそれぞれ対応した複数の前記文書構成要素を出力させ、複数の前記文書構成要素をさらに前記第2処理モデルに入力し、前記第2処理モデルに前記修正求人票に対応した前記第1スカウト文書を出力させる、採用支援システム。
【請求項12】
請求項11に記載の採用支援システムにおいて、
前記プロセッサは、さらに次のステップを実行するように構成され、
修正提示ステップでは、前記修正求人票における修正内容を提示する、採用支援システム。
【請求項13】
請求項11に記載の採用支援システムにおいて、
前記取得ステップでは、複数の前記求人票それぞれへアクセスするための複数の求人票アクセス情報を含む、求人票参照ウェブサイトへアクセスするためのウェブサイトアクセス情報を取得し、前記ウェブサイトアクセス情報に基づいて
、前記求人票参照ウェブサイトから複数の前記求人票アクセス情報を取得し、さらに複数の前記求人票アクセス情報から複数の前記求人票を取得し、
ここで、前記求人票アクセス情報は、前記求人票参照ウェブサイトに掲載された求人票へのリンクであり、前記ウェブサイトアクセス情報は、前記求人票参照ウェブサイトのインターネット上の位置を指定する情報であり、
前記求人票修正ステップでは、
前記初期条件推定モデル及び前記求人票作成モデルによって、複数の前記求人票にそれぞれ対応する複数の前記修正求人票を作成し、
前記スカウト文書作成ステップでは、
前記第1処理モデル及び前記第2処理モデルによって、複数の前記修正求人票それぞれに対応した複数の前記第1スカウト文書を作成する、採用支援システム。
【請求項14】
採用支援方法であって、
請求項1から請求項1
3のいずれか1項に記載の採用支援システムが実行する各ステップを備える、採用支援方法。
【請求項15】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1から請求項1
3のいずれか1項に記載の採用支援システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採用支援システム、採用支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、求職者(採用者候補)のレスポンスに応じて、スカウト文書をテンプレートから自動で選択する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スカウト文書は、個々の求人票に沿った内容とすることが好ましい。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、求人票の内容に沿ったスカウト文書を効率的に作成できる採用支援システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、採用支援システムが提供される。この採用支援システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成される。取得ステップでは、求人票を取得する。スカウト文書作成ステップでは、求人票を学習モデルである第1処理モデルに入力し、第1処理モデルに求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の文書構成要素をさらに学習モデルである第2処理モデルに入力し、第2処理モデルに求人票に対応した第1スカウト文書を出力させる。
【0007】
このような態様によれば、求人票の項目に応じた文書構成要素を含むスカウト文書を作成することができる。また、項目ごとの文書構成要素を生成するステップと、当該文書構成要素を用いてスカウト文書を生成するステップとが段階的に行われることで、求人票の内容を適切に反映したスカウト文書を効率的に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】求人者端末20及び求職者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】サーバ装置10(制御部11)、求人者端末20(制御部21)及び求職者端末30(制御部31)によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】初期条件入力画面IDの一例を示す図である。
【
図6】募集背景選択領域BF1が表示された初期条件入力画面IDの一例を示す図である。
【
図8】求人票参照ウェブサイトRSの一例を示す図である。
【
図9】求人票アクセス情報を取得するための情報取得画面ADの一例を示す図である。
【
図10】スカウト文書作成部116が作成するスカウト文書SDの一例を示す図である。
【
図12】採用支援システム1によって実行される第1実施形態の情報処理(求人票作成からのスカウト文書の作成処理)の流れを示すアクティビティ図である。
【
図13】採用支援システム1によって実行される第2実施形態の情報処理(求人票修正からのスカウト文書の作成処理)の流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0014】
<採用支援システム1>
図1は、採用支援システム1を表す構成図である。採用支援システム1は、通信回線2と、サーバ装置10と、複数の求人者端末20と、複数の求職者端末30とを備える。サーバ装置10と、求人者端末20と、求職者端末30とは、通信回線2を通じて通信可能に構成されている。サーバ装置10、求人者端末20及び求職者端末30の接続は有線でも無線でもよい。
【0015】
採用支援システム1は、複数の求人者(第1求人者U1及び第2求人者U2)と、複数の求職者(第1求職者U3及び第3求職者U4)が利用する求人・求職システムの一部を構成する。採用支援システム1は、求人票に基づいたスカウト文書の作成及び送信を主に行う。一実施形態において、採用支援システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。以下、これらの構成要素について説明する。
【0016】
<サーバ装置10>
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、通信バス14とを備える。制御部11、記憶部12、及び通信部13は、サーバ装置10の内部において通信バス14を介して電気的に接続されている。
【0017】
<制御部11>
制御部11は、サーバ装置10に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部11は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ装置10に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能毎に複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0018】
<記憶部12>
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム、変数等を記憶している。また、記憶部12は、サーバ装置10に接続された外部記憶装置であってもよい。
【0019】
<通信部13>
通信部13は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ装置10は、通信部13及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0020】
サーバ装置10は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態のサーバ装置10としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。また、サーバ装置10は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってもよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。
【0021】
<求人者端末20>
図3は、求人者端末20及び求職者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3Aに示されるように、求人者端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25と、通信バス26とを備える。制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、及び出力部25は、求人者端末20の内部において通信バス26を介して電気的に接続されている。制御部21、記憶部22及び通信部23の説明は、サーバ装置10における各部の説明と同様のため省略する。なお、求人者端末20は、求人者の代わりに求職者とのやり取りを行う人材仲介業者が操作する端末であってもよい。
【0022】
<入力部24>
入力部24は、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。操作入力は、命令信号として通信バス26を介して制御部21に転送される。制御部21は、必要に応じて、転送された命令信号に基づいて所定の制御や演算を実行しうる。入力部24は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部24は、出力部25と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。入力部24がタッチパネルとして実施される場合、ユーザは、入力部24に対してタップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。入力部24としては、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、トラックパッド、QWERTYキーボード等が採用可能である。
【0023】
<出力部25>
出力部25は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。出力部25は、求人者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。具体的には、出力部25は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又はプラズマディスプレイ等の表示デバイスとして実施されうる。これらの表示デバイスは、求人者端末20の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。
【0024】
<求職者端末30>
図3Bに示されるように、求職者端末30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、通信バス36とを備える。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、及び出力部35は、求職者端末30の内部において通信バス36を介して電気的に接続されている。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34及び出力部35の説明は、求人者端末20における各部の説明と同様のため省略する。
【0025】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11(採用支援システム1が備えるプロセッサ)に含まれる各機能部として実行されうる。
【0026】
図4は、サーバ装置10(制御部11)、求人者端末20(制御部21)及び求職者端末30(制御部31)によって実現される機能を示すブロック図である。
【0027】
図4Aに示されるように、サーバ装置10(制御部11)は、基本表示制御部111と、受付部112と、求人票作成部113と、取得部114と、求人票修正部115と、スカウト文書作成部116と、修正提示部117と、人工知能部120とを備える。
図4Bに示されるように、求人者端末20(制御部21)は、表示部211と、操作受付部212とを備える。
図4Cに示されるように、求職者端末30(制御部31)は、表示部311と、操作受付部312とを備える。
【0028】
<基本表示制御部111>
基本表示制御部111は、種々の情報を求人者端末20及び求職者端末30に表示させるように構成される。例えば、基本表示制御部111は、求職者が作成した履歴書及び職務経歴書、求人者が作成した求人票及びスカウト文書等を、求人者端末20の表示部211又は求職者端末30の表示部311に表示させる。
【0029】
求人者には、営利法人(例えば企業等)、非営利法人(例えば、協同組合、財団法人等)、公的法人(例えば地方公共団体等)等の組織が含まれる。また、求人者には、組織の代理人として、求職者と組織とを仲介する人材仲介業者も含まれる。人材仲介業者は、ヘッドハンター、エージェント等とも呼ばれる。
【0030】
<受付部112>
受付部112は、求人票を作成するための初期条件の入力を受け付けるように構成される。初期条件は、求人者が求める人物像を定義する情報である。初期条件は、例えば、求人票のタイトル、ポジション名、業務内容、求人者が求める人物像及び募集背景の少なくとも1つを含む。ペルソナは、求人者が求める(募集の対象とする)人物像(どのような人材を採用したいか)であり、採用したい人材像と言い換えられてもよく、例えば、職務の情報が含まれてもよい。募集背景は、募集する人材やポジションを必要とする理由であり、組織の目標、課題、事業状況(例えば新規プロジェクトの開始)等が含まれる。また、初期条件は、職種、役職、スキル、取扱商品等であってもよい。
【0031】
<求人票作成部113>
求人票作成部113は、受付部112が受け付けた初期条件から求人票を作成するように構成される。具体的には、求人票作成部113は、初期条件に基づいて複数の参照用項目を含む求人票を作成する。参照用項目は、スカウト文書作成部116においてスカウト文書の作成時に参照される項目(つまりスカウト文書作成に必要な項目)である。求人票作成部113が作成した求人票は、記憶部12に記憶されたデータベースに追加される。
【0032】
図5は、初期条件入力画面IDの一例を示す図である。
図5Aに示されるように、初期条件入力画面IDは、初期条件入力欄PFと、第1ボタンB1とを含む。初期条件入力欄PFは、ユーザからの初期条件(例えば、求める人材像、ポジション名又はタイトルの内容を示す文章)の入力を受け付ける。ユーザが初期条件の全部又は一部を入力すると、
図5Bに示されるように、予め用意されている人材像、ポジション名又はタイトルの中から、入力された初期条件に関連する人材像、ポジション名又はタイトルが一覧表示される。表示された人材像、ポジション名又はタイトルをユーザが選択すると、選択された人材像、ポジション名又はタイトルが初期条件入力欄PFに入力される。初期条件入力欄PFに人材像、ポジション名又はタイトルが入力された状態で第1ボタンB1が入力される(押下される)と、受付部112は、初期条件入力欄PFに入力された人材像、ポジション名又はタイトルを、初期条件として受け付ける。初期条件は、ユーザが直接入力することなく、予め用意された文章の選択肢が一覧で表示され、その中から、ユーザが選択することで入力されてもよい。また、初期条件の選択肢として、ユーザによって事前に登録されたユーザの登録情報(例えば、業種、組織規模など)に関連するものが、予め用意された初期条件の内容を示す文章から抽出され、初期条件入力画面IDに表示されてもよい。
【0033】
図6は、募集背景選択領域BF1が表示された初期条件入力画面IDの一例を示す図である。初期条件入力画面IDにおいて、
図5A及び
図5Bに示される第1ボタンB1が入力されると、
図6に示される募集背景選択領域BF1と、募集背景表示領域BF2と、第2ボタンB2とが表示される。募集背景選択領域BF1には、入力を受け付けた人材像、ポジション名又はタイトルに関連する募集背景の選択肢が表示される。なお、入力を受け付けた人材像、ポジション名又はタイトルに限らず、ユーザの登録情報やユーザによって入力されたその他の情報に関連する募集背景の選択肢が表示されてもよい。募集背景表示領域BF2には、選択肢の中からユーザが選択した募集背景が表示される。少なくとも1つの募集背景が選択された状態で、第2ボタンB2が入力されると、人工知能部120の第1求人票作成モデルによって求人票が作成される。なお、ユーザによる募集背景の内容を示す文章の全部又は一部の入力を受けて、予め用意されている募集背景の中から、入力された文章に関連する募集背景が選択肢として表示されてもよい。
【0034】
ここで、
図6において、初期条件やユーザの登録情報に基づいて表示される選択肢にってユーザに選択される情報は、初期条件として入力されていない関連情報であれば、募集背景に限られない。関連情報は、求人票に関連する情報であり、例えば、募集背景の他に、業務内容、必要なスキル等が含まれる。募集背景以外の関連情報が選択肢として表示及び選択される場合、募集背景選択領域BF1は関連情報選択領域BF1、募集背景表示領域BF2は関連情報表示領域BF2と読み替えられる。関連情報選択領域BF1には、入力を受け付けた人材像、ポジション名又はタイトルに関連する情報の選択肢が表示される。関連情報表示領域BF2には、選択肢の中からユーザが選択した関連情報が表示される。少なくとも1つの関連情報が選択された状態で、第2ボタンB2が入力されると、人工知能部120の第1求人票作成モデルによって求人票が作成される。なお、関連情報は、初期条件の一部である。
【0035】
募集背景を含む関連情報の選択肢は、例えば人工知能部120の関連情報作成モデルによって作成される。関連情報作成モデルは、初期条件の一部(例えば、人材像、ポジション名又はタイトル)を入力とし、初期条件の別の一部である関連情報を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、関連情報作成モデルは、初期条件の一部と、それに対応する関連情報のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、関連情報作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人票作成部113は、初期条件の一部を入力とし、関連情報を作成して出力する指示を含むプロンプトを関連情報作成モデルに入力し、関連情報を関連情報作成モデルに出力させる。また、求人票作成部113は、関連情報の作成・出力指示と初期条件の一部とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の初期条件の一部のサンプルと、それに対応する1以上の関連情報のサンプルとを挿入したプロンプトを関連情報作成モデルに入力してもよい。
【0036】
求人票作成部113は、初期条件を人工知能部120の第1求人票作成モデルに入力し、第1求人票作成モデルに求人票を出力させる。第1求人票作成モデルは、初期条件を入力とし、求人票を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第1求人票作成モデルは、初期条件のデータと、それに対応する求人票のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、第1求人票作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人票作成部113は、初期条件を入力とし、求人票を作成して出力する指示を含むプロンプトを第1求人票作成モデルに入力し、求人票を第1求人票作成モデルに出力させる。また、求人票作成部113は、求人票の作成・出力指示と初期条件とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の初期条件のサンプルと、それに対応する1以上の求人票のサンプルとを挿入したプロンプトを第1求人票作成モデルに入力してもよい。
【0037】
図7は、求人票JPの一例を示す図である。求人票JPには、募集するポジション名、仕事内容・労働条件、応募資格、アピールポイント等の複数の項目欄が含まれる。求人票JPには、これら以外の他の項目欄が含まれてもよい。第1求人票作成モデルは、これらの項目欄の文章を、初期条件に基づいて生成する。第1求人票作成モデルは、後述する第1処理モデルが抽出する複数の参照用項目がそれぞれ、いずれかの項目欄に含まれる求人票JPを作成するとよい。例えば、求人票作成部113は、複数の参照用項目のサンプルが挿入されたプロンプトを第1処理モデルに入力するとよい。
【0038】
また、求人票作成部113は、人工知能部120の第2求人票作成モデルを用いて、複数の参照用項目を1つずつ作成してもよい。第2求人票作成モデルは、初期条件を入力とし、参照用項目を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第2求人票作成モデルは、初期条件のデータと、それに対応する参照用項目のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、第2求人票作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人票作成部113は、初期条件を入力とし、参照用項目を作成して出力する指示を含むプロンプトを第2求人票作成モデルに入力し、参照用項目を第2求人票作成モデルに出力させる。すなわち、求人票作成部113は、複数の参照用項目ごとに1つずつプロンプトを作成し、このプロンプトを1つずつ第2求人票作成モデルに入力する。この場合、求人票作成部113は、参照用項目ごとに学習された複数の第2求人票作成モデルを用いてもよい。また、求人票作成部113は、参照用項目の作成・出力指示と初期条件とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の初期条件のサンプルと、それに対応する1以上の参照用項目のサンプルとを挿入したプロンプトを第2求人票作成モデルに入力してもよい。
【0039】
求人票作成部113は、第2求人票作成モデルが出力した複数の参照用項目を、さらに人工知能部120の第3求人票作成モデルに入力することで、求人票を作成してもよい。第3求人票作成モデルは、複数の参照用項目を入力とし、求人票を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第3求人票作成モデルは、複数の参照用項目のデータと、それに対応する求人票のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、第3求人票作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人票作成部113は、複数の参照用項目を入力とし、求人票を作成して出力する指示を含むプロンプトを第3求人票作成モデルに入力し、求人票を第3求人票作成モデルに出力させる。また、求人票作成部113は、求人票の作成・出力指示と初期条件とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の複数の参照用項目のサンプルと、それに対応する1以上の求人票のサンプルとを挿入したプロンプトを第3求人票作成モデルに入力してもよい。
【0040】
<取得部114>
取得部114は、スカウト文書を作成する対象の求人票を取得するように構成される。取得部114は、例えば、求人者端末20からのスカウト文書を作成する求人票の入力を受け付け、当該求人票のデータを取得する。取得部114が取得する求人票は、求人票作成部113によって作成されたものであってもよいし、採用支援システム1の外部で作成され、採用支援システム1にインポートされたものであってもよい。
【0041】
求人者端末20によって求人票作成部113が作成した求人票が選択された場合、取得部114は、上述のように初期条件に基づいて作成された求人票を取得する。求人票作成部113で作成された求人票は、後述する第1処理モデルによる複数の参照用項目の抽出精度が高くなる。そのため、スカウト文書に求人票の内容が適切に反映されやすくなる。
【0042】
取得部114は、求人票参照ウェブサイトへアクセスするためのウェブサイトアクセス情報を取得し、ウェブサイトアクセス情報に基づいて、ウェブスクレイピング処理により求人票参照ウェブサイトから複数の求人票アクセス情報を取得し、さらに複数の求人票アクセス情報から複数の求人票を取得してもよい。求人票参照ウェブサイトは、複数の求人票それぞれへアクセスするための複数の求人票アクセス情報を含むサイトである。
図8は、求人票参照ウェブサイトRSの一例を示す図である。求人票参照ウェブサイトRSには、複数の求人票リンクJL(求人票アクセス情報)が掲載されている。求人票参照ウェブサイトRSでは、求人票リンクJLの選択によって、個々の求人票にアクセスできる。求人票参照ウェブサイトRSとしては、例えば、組織が利用する採用管理システム(ATS:Applicant Tracking System)が提供する組織毎に用意される求人一覧が各求人票の求人票リンクJLとともに掲載された、求人票一覧ページ(ウェブサイト)が挙げられる。
【0043】
図9は、求人票アクセス情報を取得するための情報取得画面ADの一例を示す図である。
図9Aに示されるように、情報取得画面ADは、アクセス情報入力欄AFを含む。アクセス情報入力欄AFには、求人票参照ウェブサイトRSのURL(ウェブサイトアクセス情報)が入力される。求人票参照ウェブサイトRSのURLは、求人者端末20からユーザが直接入力してもよいし、ユーザが閲覧した(アクセスした)求人票参照ウェブサイトRSから取得部114が取得して表示させてもよい。取得部114は、アクセス情報入力欄AFに入力されたURLをウェブサイトアクセス情報として取得する。
【0044】
ウェブサイトアクセス情報の取得後、取得部114は、ウェブサイトアクセス情報を使って求人票参照ウェブサイトRSに含まれる複数の求人票リンクJLを取得する。
図9Bに示されるように、取得部114は、情報取得画面ADにおいて取得した求人票リンクJL(求人票のURL)をリスト表示させる。ユーザは、求人票を取得する(つまり、スカウト文書の作成、求人票の修正等の対象とする)求人票リンクJLを、例えばチェックボックスのチェックによって選択する。また、
図9Bに示されるように、取得部114は、複数の求人票リンクJLをグループ化してもよい。求人票リンクJLのグループ(URLグループ)は、例えば、職種、業種、年収等の条件によって分類される。ユーザは、URLグループを選択することで、当該URLグループに含まれる複数の求人票リンクJLを一括選択することができる。1以上の求人票リンクJLが選択された状態で第3ボタンB3が入力される(押下される)と、取得部114は、選択された求人票リンクJLに対しウェブスクレイピング処理を実行して、それぞれのURLから求人票を取得する。
【0045】
<求人票修正部115>
求人票修正部115は、取得部114が取得した求人票を修正するように構成される。具体的には、求人票修正部115は、取得部114が取得した求人票から抽出された、タイトル、業務内容、求人者が求める人物像及び募集背景の少なくとも1つに基づいて、当該求人票を修正した修正求人票を作成する。
【0046】
例えば、求人票修正部115は、求人票を人工知能部120の初期条件推定モデルに入力し、初期条件推定モデルに求人票に対応する初期条件(つまり、タイトル、ポジション名、業務内容、求人者が求める人材像及び募集背景の少なくとも1つ)を推定させる。その後、求人票修正部115は、推定された初期条件を上述した第1求人票作成モデル、又は第2求人票作成モデルと第3求人票作成モデルとの組に入力し、これらのモデルに求人票を出力させる。求人票修正部115は、モデルから出力された求人票をスカウト文書の作成対象となる修正求人票とする。
【0047】
求人票修正部115は、複数の参照用項目が含まれる修正求人票を出力するように構成されるとよい。例えば、求人票修正部115は、求人票作成部113と同様に、複数の参照用項目ごとに1つずつプロンプトを作成し、このプロンプトを1つずつ第2求人票作成モデルに入力することで、複数の参照用項目を1つずつ作成してもよい。また、求人票修正部115は、参照用項目ごとに学習された複数の第2求人票作成モデルを用いてもよい。
【0048】
初期条件推定モデルは、求人票を入力とし、初期条件を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、初期条件推定モデルは、求人票のデータと、それに対応する初期条件のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、初期条件推定モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人票作成部113は、求人票を入力とし、初期条件を抽出して出力する指示を含むプロンプトを初期条件推定モデルに入力し、初期条件を初期条件推定モデルに出力させる。また、求人票作成部113は、初期条件の抽出・出力指示と求人票とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上の初期条件のサンプルとを挿入したプロンプトを初期条件推定モデルに入力してもよい。
【0049】
取得部114において、例えば求人票参照ウェブサイト等から複数の求人票が取得されている場合、求人票修正部115は、複数の求人票にそれぞれ対応する複数の修正求人票を作成する。すなわち、求人票修正部115は、複数の求人票を1つずつ初期条件推定モデルに入力し、初期条件を抽出する。さらに、求人票修正部115は、複数の求人票それぞれか抽出された初期条件を1つずつ、第1求人票作成モデル、又は第2求人票作成モデルと第3求人票作成モデルとの組に入力し、これらのモデルに修正求人票を出力させる。
【0050】
<スカウト文書作成部116>
スカウト文書作成部116は、取得部114が取得した求人票に対応するスカウト文書を作成するように構成される。スカウト文書作成部116によるスカウト文書の作成は、任意のタイミングで行われる。スカウト文書作成部116によるスカウト文書の作成は、例えば、求人票の作成後又は修正後に自動で実行されてもよいし、ユーザによるスカウト文書の作成指示を受けて実行されてもよい。
【0051】
具体的には、スカウト文書作成部116は、取得部114が取得した求人票を学習モデルである第1処理モデルに入力し、第1処理モデルに求人票に含まれる複数の参照用項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の文書構成要素をさらに学習モデルである第2処理モデルに入力し、第2処理モデルに求人票に対応した第1スカウト文書を出力させる。
【0052】
参照用項目としては、例えば、「募集理由」(募集背景)、「採用対象」、「将来展望」、「組織又はポジションの魅力」、「組織又はポジションの競合優位性」等が挙げられるが、これに限られず、スカウト文書に関連する内容の項目であればよい。これらの参照用項目のうち、少なくとも1つの文書構成要素が出力されてもよい。すなわち、スカウト文書作成部116は、第1処理モデルに、求人票に記載された「募集理由」から導かれる文書構成要素(つまり、「なぜ募集しているか?」を求職者に伝えるための文)と、求人票に記載された「採用対象」から導かれる文書構成要素(つまり、「どんな人を募集しているか?」を求職者に伝えるための文)と、求人票に記載された「将来展望」から導かれる文書構成要素(つまり、「今後どんな将来展望があるか?」を求職者に伝えるための文)と、求人票に記載された「組織又はポジションの魅力」から導かれる文書構成要素(つまり、「社員にとってどんな魅力があるか?」を求職者に伝えるための文)と、求人票に記載された「組織又はポジションの競合優位性」から導かれる文書構成要素(つまり、「競合組織に対して、組織又はポジションがどんな優位性があるか?」を求職者に伝えるための文)とを出力させるとよい。
【0053】
<第1処理モデル>
第1処理モデルは、求人票を入力とし、複数の文書構成要素を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第1処理モデルは、求人票のデータと、それに対応する文書構成要素のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、第1処理モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、スカウト文書作成部116は、求人票を入力とし、複数の文書構成要素を作成して出力する指示を含むプロンプトを第1処理モデルに入力し、複数の文書構成要素を第1処理モデルに出力させる。また、スカウト文書作成部116は、複数の文書構成要素の作成・出力指示と求人票とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上の文書構成要素のサンプルとを挿入したプロンプトを第1処理モデルに入力してもよい。ここで、第1処理モデルは、複数の文書構成要素を、入力された求人票のデータに含まれる文から抜き出して出力してもよいし、入力された求人票のデータに含まれる文に基づいて作成し出力してもよい。第1処理モデルが作成し出力する複数の文書構成要素は、求人票のデータに含まれる文の少なくとも一部を必ず含むように作成されてもよい。これらの出力結果は、第1処理モデルに入力されるプロンプトによって指示されてもよい。
【0054】
第1処理モデルが抽出すべき参照用項目は、第1処理モデルに学習結果のパラメータとして組み込まれるか、又は第1処理モデルに入力されるプロンプトに挿入される。
【0055】
さらに、スカウト文書作成部116は、求人票とともに、スカウト文書の送信対象となる求職者の属性ごとに用意された文書構成要素のサンプルを第1処理モデルに入力し、第1処理モデルに求職者の属性に応じた文書構成要素を出力させてもよい。これにより、1つの求人票から、ターゲットに合わせて異なる文面の第1スカウト文書を作成することができる。求職者の属性は、求職者に関する情報である。求職者の属性の具体例としては、求職者の経験した業種、経験した組織、経験した職種、保有スキル、保有資格、年収、年齢等が挙げられる。スカウト文書作成部116は、例えば、同業種(つまり、経験した業種が求人票の業種と同じ求職者)に対するサンプルと、異業種(つまり、経験した業種が求人票の業種と異なる求職者)に対するサンプルとを第1処理モデルに入力することで、1つの求人票の入力から、同業種向けの文書構成要素と、異業種向けの文書構成要素とを出力させる。つまり、1つの求人票に基づいて、内容の異なる、複数の文書構成要素を出力することができる。
【0056】
スカウト文書作成部116は、求人票の募集カテゴリごとに用意された文章構成要素のサンプルを用いてもよい。募集カテゴリは、例えば、求人票の職種、業種等である。また、スカウト文書作成部116は、求職者の属性又は求人票の募集カテゴリごとに学習された第1処理モデルを用いてもよい。例えば、スカウト文書の送信対象が同業種の求職者である場合、スカウト文書作成部116は、同業種に対応した文章構成要素を出力する第1処理モデルに求人票を入力してもよい。
【0057】
さらに、スカウト文書作成部116は、求職者の属性又は求人票の募集カテゴリに応じて、第1処理モデルに入力するプロンプトを変えてもよい。例えば、スカウト文書の送信対象が同業種の求職者である場合、スカウト文書作成部116は、同業種に対応した文章構成要素を出力する指示を第1処理モデルへのプロンプトに挿入してもよい。
【0058】
スカウト文書作成部116は、求人票とともに、複数の参照用項目のうち求人票に含まれない参照用項目に対応する文書構成要素を特定のエラー文とする指示を第1処理モデルに入力するとよい。具体的には、スカウト文書作成部116は、第1処理モデルに入力するプロンプトに対し、例えば「情報が不足している(該当の参照用項目が求人票に存在しない)場合は「わかりません」と記載してください。」といったエラー文(本例では「わかりません」)の出力指示を挿入する。これにより、エラー文が、存在しない参照用項目に対応する文書構成要素として出力される。また、スカウト文書作成部116は、求人票に含まれない参照用項目がある場合に、その旨(エラー表示)を求人者端末20等に表示させてもよい。
【0059】
スカウト文書作成部116は、求人票とともに、複数の参照用項目のうち、求人票に含まれない参照用項目に対応する文書構成要素を作成しない指示を第1処理モデルに入力してもよい。この場合は、第1処理モデルは、求人票に含まれる参照用項目に対応する文章構成要素のみを出力する。
【0060】
<第2処理モデル>
第2処理モデルは、複数の文章構成要素(例えば、「募集理由」、「採用対象」、「将来展望」、「組織又はポジション」、「組織又はポジションの競合優位性」等のそれぞれに対応する文章構成要素)を入力とし、第1スカウト文書を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第2処理モデルは、複数の文書構成要素のデータと、それに対応する求人票のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、第2処理モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、スカウト文書作成部116は、複数の文書構成要素を入力とし、第1スカウト文書を作成して出力する指示を含むプロンプトを第2処理モデルに入力し、第1スカウト文書を第2処理モデルに出力させる。また、スカウト文書作成部116は、第1スカウト文書の作成・出力指示と複数の文書構成要素とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の文書構成要素のサンプルと、それに対応する1以上の第1スカウト文書のサンプルとを挿入したプロンプトを第2処理モデルに入力してもよい。
【0061】
さらに、スカウト文書作成部116は、複数の文書構成要素とともに、スカウト文書の送信対象となる求職者の属性ごとに用意された第1スカウト文書のサンプルを第2処理モデルに入力し、第2処理モデルに属性に応じた第1スカウト文書を出力させてもよい。これにより、1つの求人票から、ターゲットに合わせて異なる文面の第1スカウト文書を作成することができる。スカウト文書作成部116は、例えば、同業種に対するサンプルと異業種に対するサンプルとを第2処理モデルに入力することで、1つの求人票に基づく複数の文書構成要素の入力から、同業種向けの第1スカウト文書と、異業種向けの第1スカウト文書とを出力させる。
【0062】
なお、上述のように、求職者の属性ごとに用意された文書構成要素のサンプルを第1処理モデルに入力し、第1処理モデルに求職者の属性に応じた文書構成要素を出力させる場合は、第2処理モデルに求職者の属性ごとに用意された第1スカウト文書のサンプルを必ずしも入力しなくてもよい。すなわち、スカウト文書作成部116は、同業者向けに出力された文章構成要素を第2処理モデルに入力することで同業種向けの第1スカウト文書を出力させ、異業者向けに出力された文章構成要素を第2処理モデルに入力することで異業者向けの第1スカウト文書を出力させてもよい。
【0063】
スカウト文書作成部116は、求人票の募集カテゴリごとに用意された第1スカウト文書のサンプルを用いてもよい。また、スカウト文書作成部116は、求職者の属性又は求人票の募集カテゴリごとに学習された第2処理モデルを用いてもよい。例えば、スカウト文書の送信対象が同業種の求職者である場合、スカウト文書作成部116は、同業種に対応した第1スカウト文書を出力する第2処理モデルに複数の文章構成要素を入力してもよい。
【0064】
さらに、スカウト文書作成部116は、求職者の属性又は求人票の募集カテゴリに応じて、第2処理モデルに入力するプロンプトを変えてもよい。例えば、スカウト文書の送信対象が同業種の求職者である場合、スカウト文書作成部116は、同業種に対応した第1スカウト文書を出力する指示を第2処理モデルへのプロンプトに挿入してもよい。
【0065】
また、スカウト文書作成部116は、複数の文書構成要素のうち、エラー文以外の文書構成要素を第2処理モデルに入力する。つまり、スカウト文書作成部116は、中身がエラー文(例えば、「わかりません」)となっている文書構成要素は、第2処理モデルに入力しない。第2処理モデルは、入力された文書構成要素のみを用いて、第1スカウト文書を作成する。これにより、第1スカウト文書におけるハルシネーションが抑制される。すなわち、参照用項目に該当する記述が求人票に含まれない場合に、この参照用項目に対する文書構成要素が、求人票に含まれない情報から第2処理モデルによって生成されることが抑制される。
【0066】
また、スカウト文書作成部116は、中身がエラー文となっている文書構成要素も第2処理モデルに入力とするとともに、エラー文に基づく文章を第1スカウト文書に挿入しない指示を第2求処理モデルに入力してもよい。例えば、スカウト文書作成部116は、第2処理モデルに入力するプロンプトに対し、参照用項目がエラー文の場合は当該参照用項目(エラー文)を第1スカウト文書に反映させない内容の指示を挿入してもよい。
【0067】
また、スカウト文書作成部116は、第1処理モデルが出力した複数の文章構成要素を必ずしも全て第2処理モデルに入力しなくてもよい。例えば、スカウト文書作成部116は、第1処理モデルが出力した複数の文章構成要素のうち、予め指定された文章構成要素のみを第2処理モデルに入力してもよい。第2処理モデルに入力されなかった文章構成要素は、例えば後述する第5処理モデルによる再送用スカウト文書の作成に使用される。
【0068】
スカウト文書作成部116は、第1スカウト文書の文字数を一定以下とする指示、及び候補者名(スカウト文書の送信先である求職者の氏名)を特定のラベル名とする指示を第2処理モデルに入力するとよい。具体的には、スカウト文書作成部116は、第2処理モデルに入力するプロンプトに対し、例えば「生成する文章の文字数は〇〇文字以内」、「候補者名は{候補者名}から変更しない」といった出力指示を挿入する。これにより、適切な文章の長さで、かつ、候補者名におけるハルシネーションが抑制された第1スカウト文書が出力される。
【0069】
取得部114が取得した求人票に対し、求人票修正部115によって修正求人票が作成された場合、スカウト文書作成部116は、修正求人票を第1処理モデルに入力し、第1処理モデルに修正求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の文書構成要素をさらに第2処理モデルに入力し、第2処理モデルに修正求人票に対応した第1スカウト文書を出力させる。これにより、求人者が求める求職者を採用しやすいように求人票を修正しつつ、修正した求人票に基づいた第1スカウト文書を作成することができる。そのため、求職者を採用しやすいスカウト文書を効率的に作成することができる
【0070】
第2処理モデルが出力する第1スカウト文書は、複数の文書構成要素の表現、文脈等を調整した文章群によって構成される。第1スカウト文書には、第2処理モデルによって付与された文及び単語も含まれうる。
図10は、スカウト文書作成部116が作成するスカウト文書SDの一例を示す図である。
図10のスカウト文書SDは、第2処理モデルによって作成された本文MBと、後述する第3処理モデルによって作成された文頭SH及び文尾SFとを含む。
図10の例では、本文MBは、第1文章S1、第2文章S2、第3文章S3、第4文章S4及び第5文章S5を含む。
【0071】
図10の例において、第1文章S1は、「どのような組織・事業か」を説明する文章である。第1文章S1は、例えば、「募集理由」に対応する文章構成要素に基づいて生成される。第2文章S2は、「どのような環境か」を説明する文章である。第2文章S2は、例えば、「募集理由」に対応する文章構成要素に基づいて生成される。第3文章S3は、「どのような人にマッチするか」を説明する文章である。第3文章S3は、例えば、「採用対象」に対応する文章構成要素に基づいて生成される。第4文章S4は、「どのような魅力・将来展望があるか」を示す文章である。第4文章S4は、例えば、「将来展望」に対応する文章構成要素と、「組織又はポジションの魅力」に対応する文章構成要素とに基づいて生成される。第5文章S5は、「どのような競合優位性があるか」を示す文章である。第5文章S5は、例えば、「組織又はポジションの競合優位性」に対応する文章構成要素に基づいて生成される。
【0072】
第2処理モデルが出力した第1スカウト文書は、ユーザによってスカウト文書としてそのまま求職者に送信されてもよいし、ユーザの修正及び追記を前提としたスカウト文書のテンプレートとして使用されてもよい。
【0073】
スカウト文書作成部116は、第1スカウト文書の内容や体裁を調整又は修正してもよい。すなわち、スカウト文書作成部116は、第1スカウト文書をさらに学習モデルである第3処理モデルに入力し、第3処理モデルに第1スカウト文書の形式を調整した第2スカウト文書を出力させてもよい。これにより、スカウト文書全体に対する調整を行いつつ、スカウト文書としての体裁を整えることができる。
【0074】
<第3処理モデル>
第3処理モデルは、第1スカウト文書を入力とし、第2スカウト文書を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第3処理モデルは、第1スカウト文書のデータと、それに対応する第2スカウト文書のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、第3処理モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、スカウト文書作成部116は、第1スカウト文書を入力とし、第2スカウト文書を作成して出力する指示を含むプロンプトを第3処理モデルに入力し、第2スカウト文書を第3処理モデルに出力させる。また、スカウト文書作成部116は、第2スカウト文書の作成・出力指示と第1スカウト文書とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の第1スカウト文書のサンプルと、それに対応する1以上の第2スカウト文書のサンプルとを挿入したプロンプトを第3処理モデルに入力してもよい。
【0075】
スカウト文書作成部116は、第1スカウト文書の文面をわかりやすくする指示と、文頭及び文尾を第1スカウト文書に挿入する指示とを第3処理モデルに入力するとよい。具体的には、スカウト文書作成部116は、第3処理モデルに入力するプロンプトに対し、例えば「スカウト文書を送信する採用担当者として第1スカウト文書をわかりやすくしてください」、「文頭の文章及び文尾の文章を含む出力形式に沿って第2スカウト文書を出力してください」といった出力指示を挿入する。これにより、採用担当者が作成するような文面で、かつ、
図10に示される文頭SH及び文尾SFを含む第2スカウト文書が出力される。なお、スカウト文書作成部116は、文頭及び文尾のいずれか一方のみを挿入する指示(プロンプト)を第3処理モデルに入力してもよい。また、スカウト文書作成部116は、第1スカウト文書の内容に依らない固定文(文頭、文尾、又はこれら以外の文)を挿入する指示(プロンプト)を第3処理モデルに入力してもよい。
【0076】
第3処理モデルが出力した第2スカウト文書は、ユーザによってスカウト文書としてそのまま求職者に送信されてもよいし、ユーザの修正及び追記を前提としたスカウト文書のテンプレートとして使用されてもよい。
【0077】
スカウト文書作成部116は、第2スカウト文書にタイトル(件名)を付与してもよい。すなわち、スカウト文書作成部116は、第2スカウト文書をさらに学習モデルである第4処理モデルに入力し、第4処理モデルに第2スカウト文書のタイトルを出力させてもよい。これにより、求職者の関心を高められるタイトルをスカウト文書に付与することができる。また、ユーザがスカウト文書のタイトルを検討する手間が削減される。
【0078】
さらに、スカウト文書作成部116は、第1スカウト文書にタイトル(件名)を付与してもよい。すなわち、スカウト文書作成部116は、第1スカウト文書をさらに学習モデルである第4処理モデルに入力し、第4処理モデルに第1スカウト文書のタイトルを出力させてもよい。つまり、スカウト文書作成部116は、第2処理モデルが出力した第1スカウト文書を、第3処理モデルに入力することなく、第4処理モデルに入力してもよい。これによっても、求職者の関心を高められるタイトルをスカウト文書に付与することができる。
【0079】
<第4処理モデル>
第4処理モデルは、スカウト文書(第1スカウト文書又は第2スカウト文書)を入力とし、スカウト文書のタイトルを出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第4処理モデルは、スカウト文書のデータと、それに対応するタイトルのデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、第4処理モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、スカウト文書作成部116は、スカウト文書を入力とし、タイトルを作成して出力する指示を含むプロンプトを第4処理モデルに入力し、スカウト文書のタイトルを第4処理モデルに出力させる。また、スカウト文書作成部116は、タイトルの作成・出力指示とスカウト文書とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上のスカウト文書のサンプルと、それに対応する1以上のタイトルのサンプルとを挿入したプロンプトを第4処理モデルに入力してもよい。
【0080】
第4処理モデルは、スカウト文書のタイトルのデータのみを教師データとして学習した学習モデルであってもよい。また、第4処理モデルが生成AIである場合、スカウト文書作成部116は、タイトルの作成・出力指示とスカウト文書とに加え、入力のサンプルを挿入せず、出力のサンプルとして複数のタイトルのサンプルを挿入したプロンプトを第4処理モデルに入力してもよい。
【0081】
スカウト文書作成部116は、スカウト文書を求職者に送信した後に、同一の求人票に基づき、同一の求職者に改めて送信するための再送用スカウト文書を作成してもよい。すなわち、スカウト文書作成部116は、第2スカウト文書をさらに学習モデルである第5処理モデルに入力し、第5処理モデルに再送用スカウト文書を出力させてもよい。これにより、第2スカウト文書の内容を維持しつつ、第2スカウト文書とは異なる文面の再送用スカウト文書を効率的に作成できる。
【0082】
さらに、スカウト文書作成部116は、第2スカウト文書に替えて、第1スカウト文書をさらに学習モデルである第5処理モデルに入力し、第5処理モデルに再送用スカウト文書を出力させてもよい。つまり、スカウト文書作成部116は、第2処理モデルが出力した第1スカウト文書を、第3処理モデルに入力することなく、第5処理モデルに入力してもよい。これにより、第1スカウト文書の内容を維持しつつ、第1スカウト文書とは異なる文面の再送用スカウト文書を効率的に作成できる。
【0083】
<第5処理モデル>
第5処理モデルは、スカウト文書(第1スカウト文書又は第2スカウト文書)を入力とし、再送用スカウト文書を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、第5処理モデルは、スカウト文書のデータと、それに対応する再送用スカウト文書のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、第5処理モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、スカウト文書作成部116は、スカウト文書を入力とし、再送用スカウト文書を作成して出力する指示を含むプロンプトを第5処理モデルに入力し、再送用スカウト文書を第5処理モデルに出力させる。また、スカウト文書作成部116は、再送用スカウト文書の作成・出力指示とスカウト文書とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上のスカウト文書のサンプルと、それに対応する1以上の再送用スカウト文書のサンプルとを挿入したプロンプトを第5処理モデルに入力してもよい。
【0084】
第5処理モデルが出力する再送用スカウト文書は、第1スカウト文章又は第2スカウト文書に含まれる文章群(又は当該文章群をアレンジしたもの)と、返信を促すために追加された追加文章とによって構成される。追加文章には、例えば、第1処理モデルが出力した文章構成要素に基づいて新たに作成された第1文章と、返信を促すための文言を含む汎用的な第2文章(例えば、「先日お送りしましたスカウトはご確認いただけましたでしょうか」)とが含まれる。第1文章は、スカウト文書の内容によって変動する変動文章と呼ばれてもよく、第2文章は、スカウト文書の内容によって変動しない固定文章と呼ばれてもよい。
【0085】
スカウト文書作成部116は、例えば、第1処理モデルが出力した複数の文章構成要素のうち、第2処理モデルに入力されなかった(つまり、第1スカウト文書に反映されなかった)文章構成要素を第1スカウト文書又は第2スカウト文書とともに第5処理モデルに入力し、第5処理モデルに当該文章構成要素に基づく第1文章が追加された再送用スカウト文書を出力させる。この場合、スカウト文書作成部116は、第5処理モデルに入力するプロンプトに対し、例えば「ポジションの「特に魅力的な点」を整理して挿入してください」といった出力指示を挿入する。これにより、初期のスカウト文書(第1スカウト文書又は第2スカウト文書)には含まれない追加文章が挿入された再送用スカウト文書が得られる。
【0086】
また、スカウト文書作成部116は、第5処理モデルに、第1スカウト文書に反映された文章構成要素や第1スカウト文書の内容から、特定の文章(例えば「魅力的な点」に関する文章)を抽出し、当該文章を強調した文章(例えば「魅力的な点」を強調する文章)を再送用スカウト文書に挿入させてもよい。
【0087】
第5処理モデルが出力した再送用スカウト文書は、ユーザによってスカウト文書としてそのまま求職者に送信されてもよいし、ユーザの修正及び追記を前提としたスカウト文書のテンプレートとして使用されてもよい。また、再送用スカウト文書は、第1スカウト文書又は第2スカウト文書の作成時に自動作成されてもよいし、ユーザによるスカウト文書の再送指示を受けて作成されてもよい。
【0088】
求人票修正部115が複数の修正求人票を作成した場合、スカウト文書作成部116は、複数の修正求人票それぞれに対応した複数の第1スカウト文書を作成する。これにより、上述した求人票参照ウェブサイトからアクセス可能な複数の求人票に対し、一括してそれぞれの求人票に対応するスカウト文書を作成することができる。さらに、スカウト文書作成部116は、複数の第1スカウト文書に基づいて、複数の第2スカウト文書、複数の第1スカウト文書それぞれのタイトル、又は複数の再送用スカウト文書を作成してもよい。同様に、スカウト文書作成部116は、複数の第2スカウト文書に基づいて、複数の第2スカウト文書それぞれのタイトル、又は複数の再送用スカウト文書を作成してもよい。
【0089】
<修正提示部117>
修正提示部117は、求人票修正部115が作成した修正求人票における修正内容を提示するように構成される。例えば、修正提示部117は、修正前の求人票と、修正後の求人票とを対比させて、求人者端末20に表示させる。
図11は、修正内容表示画面MDの一例である。修正内容表示画面MDには、修正概要MSと、修正前求人票JP1と、修正後求人票JP2とが表示される。修正前求人票JP1と、修正後求人票JP2とは、左右に並んで表示される。
【0090】
修正提示部117は、修正前求人票JP1と修正後求人票JP2との差分(修正後求人票JP2における修正箇所)をハイライト表示させるなど、他の部分と視覚的に区別できるよう、強調して表示させてもよい。また、修正提示部117は、修正箇所のみを提示してもよい。
【0091】
修正提示部117は、求人者端末20から、提示した求人票の修正(つまり、修正求人票による求人票の上書き更新)の承認入力を受け付ける。修正後の求人票は、データベースに記憶される。スカウト文書作成部116は、ユーザによる求人票の修正の承認を受けて、修正求人票に対するスカウト文書の作成を行うとよい。換言すれば、ユーザによる求人票の修正が承認されない場合、スカウト文書作成部116は、修正求人票に対するスカウト文書の作成を実行しないように構成されるとよい。ただし、スカウト文書作成部116は、修正の承認有無に関わらず、テンプレートとして修正求人票に対応するスカウト文書を作成するように構成されてもよい。
【0092】
修正提示部117は、求人者端末20からの求人票の記載事項に対する直接の修正入力(編集入力)を受け付けてもよい。この場合、修正入力によって修正された求人票に対し、スカウト文書作成部116によるスカウト文書の作成が行われる。
【0093】
<人工知能部120>
人工知能部120は、各機能部から入力を受け付け、指示された出力を返すように構成されている。なお、サーバ装置10が各機能部において使用する人工知能は、共通のものであってもよいし、機能部毎に個別に用意されたものであってもよい。
【0094】
人工知能部120は、GPT(Generative Pretrained Transformer、GPT-1、GPT-2、GPT-3を含む)、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、BART(Bidirectional and Auto-regressive Transformer)等を含むトランスフォーマ(Transformer)や再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network(RNN))等の言語モデル等を備えるAI(Artificial Intelligence)であって、生成AIを含んでもよい。
【0095】
言語モデルは、機械学習アルゴリズムによる学習モデルの一例である。機械学習の具体的なアルゴリズムとしては、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークを利用した深層学習(ディープラーニング)等が挙げられる。人工知能部120は、上記のアルゴリズムを適宜適用することができる。
【0096】
人工知能部120は、教師あり学習、教師なし学習、又は自己教師あり学習等の学習方法によって構築された学習済みモデルを有してもよい。教師あり学習では、教師データ(学習データ)を用いて機械学習を行う。教師データは、学習用の入力データ及び出力データ(正解データ)のペアで構成される。また、言語モデルは、特定のタスクのために訓練されたものだけでなく、幅広いタスクに対して汎用的に用いることができる汎用モデルであってもよい。
【0097】
人工知能部120は、人工知能として、膨大なデータを学習した大規模言語モデル(Large Language Models(LLM))のような汎用的な自然言語処理の学習モデルであってもよい。このような汎用的な学習モデルは、One-shot LearningやFew-shot Learning等により、ファインチューニングなしで様々なタスクに対応可能な言語モデルを含む。また、汎用的な学習モデルは、Zero-shot Learningによっても、様々なタスクに対応可能に構成されてもよい。制御部11の各機能部において用いられる人工知能は、それぞれ別個の学習モデルであってもよいし、共通した汎用的な学習モデルであってもよい。
【0098】
人工知能部120に含まれる学習モデル(第1処理モデル等の、各機能部において使用される学習モデル)は、追加の学習を行うことが可能である。例えば、人工知能部120は、新たな求人票の登録、及びスカウト文書の作成が発生する都度、これらを新たな教師データとして、追加の学習を行ってファインチューニングされてもよい。これにより、学習モデルから出力される期待値情報の精度が向上する。
【0099】
<表示部>
求人者端末20の表示部211及び求職者端末30の表示部311は、それぞれ、サーバ装置10から送信されてきた画面データが示す画面を表示する。
【0100】
<操作受付部>
求人者端末20の操作受付部212は、求人者端末20を利用するユーザ(求人者)による操作を受け付ける。求職者端末30の操作受付部312は、求職者端末30を利用するユーザ(求職者)による操作を受け付ける。
【0101】
3.情報処理方法
本節では、サーバ装置10の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、サーバ装置10の各部が、各ステップとしてコンピュータにより実行される。
【0102】
この情報処理方法には、第1実施形態と、第2実施形態とが含まれる。第1実施形態の情報処理方法は、求人票を作成するための初期条件の入力を受け付ける受付ステップと、初期条件に基づいて複数の項目を含む求人票を作成する求人票作成ステップと、初期条件に基づいて作成された求人票を取得する取得ステップと、求人票を学習モデルである第1処理モデルに入力し、第1処理モデルに求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の文書構成要素をさらに学習モデルである第2処理モデルに入力し、第2処理モデルに求人票に対応した第1スカウト文書を出力させ、第1スカウト文書をさらに学習モデルである第3処理モデルに入力し、第3処理モデルに第1スカウト文書の形式を調整した第2スカウト文書を出力させ、第2スカウト文書をさらに学習モデルである第4処理モデルに入力し、第4処理モデルに第2スカウト文書のタイトルを出力させ、第2スカウト文書をさらに学習モデルである第5処理モデルに入力し、第5処理モデルに再送用スカウト文書を出力させるスカウト文書作成ステップとを備える。
【0103】
図12は、採用支援システム1によって実行される第1実施形態の情報処理(求人票作成からのスカウト文書の作成処理)の流れを示すアクティビティ図である。以下では、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、情報処理を説明する。
【0104】
第1実施形態におけるスカウト文書の作成処理は、求人者による、求人票の作成から開始される。求人者は、求人者端末20において、求人票を作成するための初期条件を入力する(アクティビティA101)。サーバ装置10は、求人者端末20から初期条件の入力を受け付ける(アクティビティA102)。サーバ装置10は、受け付けた初期条件に基づいて求人票を作成する(アクティビティA103)。続いて、サーバ装置10は、作成した求人票を第1処理モデルに入力する(アクティビティA104)。これにより、第1処理モデルから文書構成要素が出力される。次に、サーバ装置10は、文章構成要素を第2処理モデルに入力する(アクティビティA105)。これにより、第2処理モデルから第1スカウト文書が出力される。
【0105】
さらに、サーバ装置10は、第1スカウト文書を第3処理モデルに入力する(アクティビティA106)。これにより、第3処理モデルから第2スカウト文書が出力される。続いて、サーバ装置10は、第2スカウト文書を第4処理モデル及び第5処理モデルに入力する(アクティビティA107)。これにより、第4処理モデルからタイトルが出力され、第5処理モデルから再送用スカウト文書が出力される。サーバ装置10は、第2スカウト文書及び再送用スカウト文書を求人者端末20に出力する(アクティビティA108)。これにより、求人者端末20に第2スカウト文書及び再送用スカウト文書が表示される(アクティビティA109)。
【0106】
第2実施形態の情報処理方法は、求人票を取得する取得ステップと、求人票から抽出された、タイトル、業務内容、求人者が求める人物像及び募集背景の少なくとも1つに基づいて、求人票を修正した修正求人票を作成する求人票修正ステップと、修正求人票を第1処理モデルに入力し、第1処理モデルに修正求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の文書構成要素をさらに第2処理モデルに入力し、第2処理モデルに修正求人票に対応した第1スカウト文書を出力させ、第1スカウト文書をさらに学習モデルである第3処理モデルに入力し、第3処理モデルに第1スカウト文書の形式を調整した第2スカウト文書を出力させ、第2スカウト文書をさらに学習モデルである第4処理モデルに入力し、第4処理モデルに第2スカウト文書のタイトルを出力させ、第2スカウト文書をさらに学習モデルである第5処理モデルに入力し、第5処理モデルに再送用スカウト文書を出力させるスカウト文書作成ステップとを備える。
【0107】
図13は、採用支援システム1によって実行される第2実施形態の情報処理(求人票修正からのスカウト文書の作成処理)の流れを示すアクティビティ図である。以下では、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、情報処理を説明する。
【0108】
第2実施形態におけるスカウト文書の作成処理は、求人者が選択した求人票の修正から開始される。求人者は、求人者端末20において、修正する求人票の選択を入力する(アクティビティA201)。サーバ装置10は、選択された求人票から、タイトル、業務内容、求人者が求める人物像及び募集背景の少なくとも1つを含む修正条件を抽出する(アクティビティA202)。サーバ装置10は、抽出した修正条件に基づいて修正求人票を作成する(アクティビティA203)。続いて、サーバ装置10は、作成した修正求人票を第1処理モデルに入力する(アクティビティA204)。これにより、第1処理モデルから文書構成要素が出力される。次に、サーバ装置10は、文章構成要素を第2処理モデルに入力する(アクティビティA205)。これにより、第2処理モデルから第1スカウト文書が出力される。アクティビティA206からアクティビティA209までは、第1実施形態のアクティビティA106からアクティビティA109と同じである。
【0109】
4.作用
本実施形態の作用をまとめると、次の通りとなる。すなわち、求人票の項目に応じた文書構成要素を含むスカウト文書を作成することができる。また、項目ごとの文書構成要素を生成するステップと、当該文書構成要素を用いてスカウト文書を生成するステップとが段階的に行われることで、求人票の内容を適切に反映したスカウト文書を効率的に作成することができる。
【0110】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0111】
5.その他
上記実施形態では、サーバ装置10が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ装置10に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。特に、人工知能部120は、サーバ装置10の外部構成であってもよい。その場合、外部構成である人工知能部120は、サーバ装置10の各機能部から入力を受け付け、指示された出力をサーバ装置10に返すように構成される。
【0112】
本実施形態の態様は、採用支援システム1に限定されず、情報処理方法であっても、プログラムであってもよい。採用支援方法は、採用支援システム1が実行する各ステップを備える。プログラムは、コンピュータに、採用支援システム1の各ステップを実行させる。
【0113】
採用支援システム1の制御部11は、必ずしも求人票作成部113を備えなくてもよい。つまり、制御部11は、既存の求人票のみに対して、スカウト文書の作成を行ってもよい。また、制御部11は、必ずしも求人票修正部115を備えなくてもよい。
【0114】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0115】
(1)採用支援システムであって、プロセッサを備え、前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、取得ステップでは、求人票を取得し、スカウト文書作成ステップでは、前記求人票を学習モデルである第1処理モデルに入力し、前記第1処理モデルに前記求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の前記文書構成要素をさらに学習モデルである第2処理モデルに入力し、前記第2処理モデルに前記求人票に対応した第1スカウト文書を出力させる、採用支援システム。
【0116】
(2)上記(1)に記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第1スカウト文書をさらに学習モデルである第3処理モデルに入力し、前記第3処理モデルに前記第1スカウト文書の形式を調整した第2スカウト文書を出力させる、採用支援システム。
【0117】
(3)上記(2)に記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第2スカウト文書をさらに学習モデルである第4処理モデルに入力し、前記第4処理モデルに前記第2スカウト文書のタイトルを出力させる、採用支援システム。
【0118】
(4)上記(2)又は(3)に記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第2スカウト文書をさらに学習モデルである第5処理モデルに入力し、前記第5処理モデルに再送用スカウト文書を出力させる、採用支援システム。
【0119】
(5)上記(1)に記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第1スカウト文書をさらに学習モデルである第4処理モデルに入力し、前記第4処理モデルに前記第1スカウト文書のタイトルを出力させる、採用支援システム。
【0120】
(6)上記(1)又は(5)に記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第1スカウト文書をさらに学習モデルである第5処理モデルに入力し、前記第5処理モデルに再送用スカウト文書を出力させる、採用支援システム。
【0121】
(7)上記(1)から(6)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、前記求人票とともに、複数の前記項目のうち前記求人票に含まれない項目に対応する前記文書構成要素を特定のエラー文とする指示を前記第1処理モデルに入力し、複数の前記文書構成要素のうち、前記エラー文以外の前記文書構成要素を前記第2処理モデルに入力する、採用支援システム。
【0122】
(8)上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、前記求人票とともに、スカウト文書の送信対象となる求職者の属性ごとに用意された前記文書構成要素のサンプルを前記第1処理モデルに入力し、前記第1処理モデルに前記属性に応じた前記文書構成要素を出力させる、採用支援システム。
【0123】
(9)上記(1)から(8)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、複数の前記文書構成要素とともに、スカウト文書の送信対象となる求職者の属性ごとに用意された前記第1スカウト文書のサンプルを前記第2処理モデルに入力し、前記第2処理モデルに前記属性に応じた前記第1スカウト文書を出力させる、採用支援システム。
【0124】
(10)上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記プロセッサは、さらに次のステップを実行するように構成され、受付ステップでは、前記求人票を作成するための初期条件の入力を受け付け、求人票作成ステップでは、前記初期条件に基づいて複数の前記項目を含む前記求人票を作成し、前記取得ステップでは、前記初期条件に基づいて作成された前記求人票を取得する、採用支援システム。
【0125】
(11)上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の採用支援システムにおいて、前記プロセッサは、さらに次のステップを実行するように構成され、求人票修正ステップでは、前記求人票から抽出された、タイトル、業務内容、求人者が求める人物像及び募集背景の少なくとも1つに基づいて、前記求人票を修正した修正求人票を作成し、前記スカウト文書作成ステップでは、前記修正求人票を前記第1処理モデルに入力し、前記第1処理モデルに前記修正求人票に含まれる複数の前記項目にそれぞれ対応した複数の前記文書構成要素を出力させ、複数の前記文書構成要素をさらに前記第2処理モデルに入力し、前記第2処理モデルに前記修正求人票に対応した前記第1スカウト文書を出力させる、採用支援システム。
【0126】
(12)上記(11)に記載の採用支援システムにおいて、前記プロセッサは、さらに次のステップを実行するように構成され、修正提示ステップでは、前記修正求人票における修正内容を提示する、採用支援システム。
【0127】
(13)上記(11)又は(12)に記載の採用支援システムにおいて、前記取得ステップでは、複数の前記求人票それぞれへアクセスするための複数の求人票アクセス情報を含む、求人票参照ウェブサイトへアクセスするためのウェブサイトアクセス情報を取得し、前記ウェブサイトアクセス情報に基づいて、ウェブスクレイピング処理により前記求人票参照ウェブサイトから複数の前記求人票アクセス情報を取得し、さらに複数の前記求人票アクセス情報から複数の前記求人票を取得し、前記求人票修正ステップでは、複数の前記求人票にそれぞれ対応する複数の前記修正求人票を作成し、前記スカウト文書作成ステップでは、複数の前記修正求人票それぞれに対応した複数の前記第1スカウト文書を作成する、採用支援システム。
【0128】
(14)上記(1)に記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、前記求人票に基づいて複数の前記文章構成要素を生成する指示を前記第1処理モデルに入力し、複数の前記文章構成要素に基づいて前記第1スカウト文書を生成する指示を前記第2処理モデルに入力する、採用支援システム。
【0129】
(15)上記(2)に記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第1スカウト文書に基づいて前記第2スカウト文書を生成する指示を前記第3処理モデルに入力する、採用支援システム。
【0130】
(16)上記(3)に記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第2スカウト文書に基づいて前記タイトルを生成する指示を前記第4処理モデルに入力する、採用支援システム。
【0131】
(17)上記(4)に記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第2スカウト文書に基づいて前記再送用スカウト文書を生成する指示を前記第5処理モデルに入力する、採用支援システム。
【0132】
(18)上記(5)に記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第1スカウト文書に基づいて前記タイトルを生成する指示を前記第4処理モデルに入力する、採用支援システム。
【0133】
(19)上記(6)に記載の採用支援システムにおいて、前記スカウト文書作成ステップでは、前記第1スカウト文書に基づいて前記再送用スカウト文書を生成する指示を前記第5処理モデルに入力する、採用支援システム。
【0134】
(20)採用支援方法であって、上記(1)から(19)のいずれか1つに記載の採用支援システムが実行する各ステップを備える、採用支援方法。
【0135】
(21)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)から(19)のいずれか1つに記載の採用支援システムの各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0136】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0137】
1 :採用支援システム
2 :通信回線
10 :サーバ装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :通信部
14 :通信バス
20 :求人者端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
24 :入力部
25 :出力部
26 :通信バス
30 :求職者端末
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :入力部
35 :出力部
36 :通信バス
111 :基本表示制御部
112 :受付部
113 :求人票作成部
114 :取得部
115 :求人票修正部
116 :スカウト文書作成部
117 :修正提示部
120 :人工知能部
211 :表示部
212 :操作受付部
311 :表示部
312 :操作受付部
【要約】
【課題】求人票の内容に沿ったスカウト文書を効率的に作成できる採用支援システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、採用支援システムが提供される。この採用支援システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成される。取得ステップでは、求人票を取得する。スカウト文書作成ステップでは、求人票を学習モデルである第1処理モデルに入力し、第1処理モデルに求人票に含まれる複数の項目にそれぞれ対応した複数の文書構成要素を出力させ、複数の文書構成要素をさらに学習モデルである第2処理モデルに入力し、第2処理モデルに求人票に対応した第1スカウト文書を出力させる。
【選択図】
図1