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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】調光装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20240801BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20240801BHJP
   G02F 1/1347 20060101ALI20240801BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/1345
G02F1/1347
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023502097
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(86)【国際出願番号】 JP2021046675
(87)【国際公開番号】W WO2022181005
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2021029045
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】落合 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】竹内 俊平
(72)【発明者】
【氏名】小林 修
(72)【発明者】
【氏名】森本 浩也
(72)【発明者】
【氏名】小糸 健夫
(72)【発明者】
【氏名】長尾 康一
【審査官】植田 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0196318(US,A1)
【文献】国際公開第2012/102349(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/017617(WO,A1)
【文献】特開2019-032491(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0185549(US,A1)
【文献】特開2011-150187(JP,A)
【文献】特開2010-281961(JP,A)
【文献】特開2006-53518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1343-1/1345
G02F 1/1347
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から照射される光を液晶の配向により制御可能な調光領域を有する複数の液晶セルが光の照射方向に積層された調光装置であって、
前記液晶セルは、
複数の第1金属配線が設けられる第1基板と、
複数の第2金属配線が設けられ、前記第1基板との間に液晶層を挟む第2基板と、
を備え、
複数の前記第1金属配線は、それぞれ前記第1基板上の配線層において間隔を空けて設けられており、
複数の前記第2金属配線は、それぞれ前記第2基板上の配線層において間隔を空けて設けられており、
複数の前記液晶セルのうちの少なくとも1つの液晶セルは、前記調光領域の外側の周辺領域の全面において、複数の前記第1金属配線の間の隙間が、前記光の照射方向において、前記第2金属配線によって遮光され、複数の前記第2金属配線の間の隙間が、前記光の照射方向において、前記第1金属配線によって遮光されている、
調光装置。
【請求項2】
複数の前記液晶セルのうち、前記光源からより遠い1つの液晶セルは、前記調光領域の外側の周辺領域の全面において、複数の前記第1金属配線の間の隙間が、前記光の照射方向において、前記第2金属配線によって遮光され、複数の前記第2金属配線の間の隙間が、前記光の照射方向において、前記第1金属配線によって遮光されている、
請求項1に記載の調光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED等の光源にプリズムパターンが刻まれた薄型レンズを組み合わせ、光源と薄型レンズとの距離を変化させることにより、配光角を変化させる照明器具がある。このような照明器具では、光源と薄型レンズとの距離を変化させるために薄型レンズを駆動するために小型モーターを用いている。また、例えば、透明電球の前面を液晶調光素子で覆い、液晶層の透過率を変えることで直達光と散乱光とを切り替える照明器具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平2-65001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液晶セルを用いた構成では、液晶層を挟む2枚の基板に電極が設けられ、この2枚の基板にそれぞれ設けられた電極間に駆動電圧が印加されることにより、液晶分子の配向が制御される。配向膜は、電極が設けられることによって液晶分子の配向を制御可能な領域に設けられるが、その周辺の領域では、液晶分子の制御が行えないために配向乱れが生じて光漏れが生じ、調光機能の低下を招く可能性がある。
【0005】
本発明は、調光機能の低下を抑制することができる調光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る調光装置は、光源から照射される光を偏光する調光領域を有する複数の液晶セルが光の照射方向に積層された調光装置であって、前記液晶セルは、複数の第1金属配線が設けられる第1基板と、複数の第2金属配線が設けられ、前記第1基板との間に液晶層を挟む第2基板と、を備え、複数の前記第1金属配線は、それぞれ前記第1基板上の配線層において間隔を空けて設けられており、複数の前記第2金属配線は、それぞれ前記第2基板上の配線層において間隔を空けて設けられており、複数の前記液晶セルのうちの少なくとも1つの液晶セルは、前記調光領域の外側の周辺領域の全面において、複数の前記第1金属配線の間の隙間が、前記光の照射方向において、前記第2金属配線によって遮光され、複数の前記第2金属配線の間の隙間が、前記光の照射方向において、前記第1金属配線によって遮光されている。
【0007】
本開示の一態様に係る調光装置は、光源から照射される光を偏光する調光領域を有する複数の液晶セルが光の照射方向に積層された調光装置であって、前記液晶セルは、第1基板と、前記第1基板との間に液晶層を挟む第2基板と、を備え、複数の前記液晶セルのうちの少なくとも1つの液晶セルは、前記調光領域の外側の周辺領域の全面において、前記第1基板と前記第2基板とのうち、光の照射対象により近い方の基板に遮光層が設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る調光装置が設けられた照明器具の一例を示す斜視図である。
図2図2は、第1基板をDz方向から見た概略平面図である。
図3図3は、第2基板をDz方向から見た概略平面図である。
図4図4は、第1基板と第2基板とをDz方向に重ねた液晶セルの透視図である。
図5図5は、図4に示すA-A’線断面図である。
図6A図6Aは、第1基板の配向膜のラビング方向を示す図である。
図6B図6Bは、第2基板の配向膜のラビング方向を示す図である。
図7図7は、実施形態1に係る調光装置の第1基板上の周辺領域をDz方向から見た平面図である。
図8図8は、実施形態1に係る調光装置の第2基板上の周辺領域をDz方向から見た平面図である。
図9図9は、実施形態1に係る調光装置の第1基板と第2基板とをDz方向に重ねた透視図である。
図10図10は、図9に示すB-B’線断面図である。
図11図11は、実施形態2に係る調光装置の第2基板上の周辺領域をDz方向から見た平面図である。
図12図12は、実施形態2に係る調光装置の第1基板と第2基板とをDz方向に重ねた透視図である。
図13図13は、図12に示すC-C’線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
図1は、実施形態に係る調光装置が設けられた照明器具の一例を示す斜視図である。ここでは、まず、実施形態に係る調光装置1の概略説明を行う。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の調光装置1は、第1液晶セル2と、第2液晶セル3と、を含む。
【0012】
照明器具100は、調光装置1と、光源4と、を含む。光源4は、調光装置1に向けて光を照射する。光源4は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)で構成される。
【0013】
図1において、調光装置1の平面の一方向がDx方向とされ、調光装置1の平面においてDx方向と直交する方向がDy方向とされている。また、Dx-Dy平面に直交する方向がDz方向とされている。
【0014】
Dz方向は、光源4の光の照射方向を示している。照明器具100は、Dz方向に第1液晶セル2と第2液晶セル3とが積層されて構成される。以下、Dz方向にみて調光装置1から光が放射される放射面(又は上面)がある側を放射面側(又は上面側)とも称し、Dz方向にみて放射面(又は上面)とは反対の背面(又は下面)がある側を入射面側(又は下面側)とも称する。
【0015】
配向膜18と配向膜19とは、後述するようにラビング方向が異なっている。第1液晶セル2と第2液晶セル3とは同様の構成である。本実施形態において、第1液晶セル2は、p波偏光用の液晶セルとする。また、第2液晶セル3は、s波偏光用の液晶セルとする。これにより、フレキシブルな調光制御が可能となる。なお、第1液晶セル2をs波偏光用の液晶セルとし、第2液晶セル3をp波偏光用の液晶セルとする態様であっても良い。第1液晶セル2と第2液晶セル3とは、何れか一方がp波偏光用の液晶セルであり、他方がs波偏光用の液晶セルであれば良い。
【0016】
第1液晶セル2及び第2液晶セル3は、第1基板5と、第2基板6と、を備える。図2は、第1基板をDz方向から見た概略平面図である。図3は、第2基板をDz方向から見た概略平面図である。図4は、第1基板と第2基板とをDz方向に重ねた液晶セルの透視図である。図5は、図4に示すA-A’線断面図である。
【0017】
図5に示すように、第1液晶セル2及び第2液晶セル3は、第1基板5と第2基板6との間に、周囲が封止材7で封止された液晶層8を備えている。
【0018】
液晶層8は、電界の状態に応じて、液晶層8を通過する光を変調するものである。液晶層8は、例えば、IPS(インプレーンスイッチング)の一形態であるFFS(フリンジフィールドスイッチング)等の横電界モードであっても良いし、縦電界モードを用いても良い。例えば、TN(Twisted Nematic:ツイステッドネマティック)、VA(Virtical Alignment:垂直配向)、ECB(Electrically Controlled Birefringence:電界制御複屈折)等の各種モードの液晶を用いても良く、液晶層8の種類や構成により限定されるものではない。
【0019】
図2に示すように、図5に示す第1基板5の基材9の液晶層8側には、複数の駆動電極10a,10bと、これらの駆動電極10に印加する駆動電圧を供給する複数の金属配線11a,11bと、後述する第2基板6に設けられる複数の駆動電極13a,13b(図3参照)に印加する駆動電圧を供給する複数の金属配線11c,11dと、を備える。金属配線11a,11b,11c,11dは、第1基板5の配線層に設けられる。金属配線11a,11b,11c,11dは、第1基板5上の配線層において間隔を空けて設けられている。以下、複数の駆動電極10a,10bを単に「駆動電極10」と称することがある。また、複数の金属配線11a,11b,11c,11dを「第1金属配線11」と称することがある。図2に示すように、第1基板5上の駆動電極10は、Dx方向(第1方向)に延在する。
【0020】
図3に示すように、図5に示す第2基板6の基材12の液晶層8側には、複数の駆動電極13a,13bと、これらの駆動電極13に印加する駆動電圧を供給する複数の金属配線14a,14bと、を備える。金属配線14a,14bは、第2基板6の配線層に設けられる。金属配線14a,14bは、第2基板6上の配線層において間隔を空けて設けられている。以下、複数の駆動電極13a,13bを単に「駆動電極13」と称することがある。また、複数の金属配線14a,14bを「第2金属配線14」と称することがある。図3に示すように、第2基板6上の駆動電極13は、Dy方向(第2方向)に延在する。
【0021】
駆動電極10及び駆動電極13は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性導電材料(透光性導電酸化物)で形成される透光性電極である。第1基板5及び第2基板6は、ガラスや樹脂などの透光性基板である。第1金属配線11及び第2金属配線14は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)又はこれらの合金の少なくとも1つの金属材料で形成される。また、第1金属配線11及び第2金属配線14は、これらの金属材料を1以上用いて、複数積層した積層体としてもよい。アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)又はこれらの合金の少なくとも1つの金属材料は、ITO等の透光性導電酸化物よりも低抵抗である。
【0022】
第1基板5の金属配線11aと第2基板6の金属配線14aとは、例えばビア等の導通部15aにより接続される。また、第1基板5の金属配線11dと第2基板6の金属配線14bとは、例えばビア等の導通部15bにより接続される。
【0023】
また、第1基板5上の第2基板6とDz方向に重ならない領域には、不図示のフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)と接続される接続(Flex-on-Board)端子部16a,16bが設けられている。接続端子部16a,16bは、それぞれ、金属配線11a,11b,11c,11dに対応する4つの接続端子を備えている。
【0024】
接続端子部16a,16bは、第1基板5の配線層に設けられる。第1液晶セル2及び第2液晶セル3は、接続端子部16a又は接続端子部16bに接続されたFPCから、第1基板5上の駆動電極10a,10b及び第2基板6上の駆動電極13a,13bに印加する駆動電圧が供給される。以下、接続端子部16a,16bを単に「接続端子部16」と称することがある。
【0025】
図4に示すように、第1液晶セル2及び第2液晶セル3は、第1基板5と第2基板6とがDz方向(光の照射方向)に重なり、Dz方向から見て、第1基板5上の複数の駆動電極10と第2基板6上の複数の駆動電極13とが交差する。このように構成された第1液晶セル2及び第2液晶セル3は、第1基板5上の複数の駆動電極10及び第2基板6上の複数の駆動電極13にそれぞれ駆動電圧が供給されることにより、液晶層8の液晶分子17の配向方向の制御が可能となる。この液晶層8の液晶分子17の配向方向の制御が可能となる領域を、「調光領域AA」と称する。この調光領域AAにおいて、液晶層8の屈折率分布が変化することにより、第1液晶セル2及び第2液晶セル3の調光領域AAを透過する光の制御が可能となる。この調光領域200の外側の領域において、液晶層8が封止材7で封止された領域を、「周辺領域GA」(図5参照)と称する。
【0026】
図5に示すように、第1基板5の調光領域は、配向膜18によって駆動電極10(図5では、駆動電極10a)が覆われている。また、第2基板6の調光領域は、配向膜19によって駆動電極13(図5では、駆動電極13a,13b)が覆われている。上述したように、配向膜18と配向膜19とでは、ラビング方向が異なっている。
【0027】
図6Aは、第1基板の配向膜のラビング方向を示す図である。図6Bは、第2基板の配向膜のラビング方向を示す図である。
【0028】
図6A及び図6Bに示すように、第1基板の配向膜18のラビング方向と、第2基板の配向膜19のラビング方向とは、平面視で互いに交差する方向である。具体的に、図6Aに示す第1基板5の配向膜18のラビング方向は、駆動電極10a,10bの延在方向に直交している。また、図6Bに示す第2基板6の配向膜19のラビング方向は、駆動電極13a,13bの延在方向に直交している。
【0029】
なお、本実施形態では、図2に示すように、第1基板5と第2基板6とがDz方向に重ならない、第1基板5上のDx方向に延在する領域とDy方向に延在する領域とのそれぞれに向きが異なる接続端子部16a,16bを設けている。これにより、第1液晶セル2と第2液晶セル3とのそれぞれに対して異なる方向からFPCを接続することができ、作業性が向上する。
【0030】
上述した本実施形態に係る調光装置1と用いた図1に示す構造とすることで、照明器具100の小型化が可能となる。
【0031】
また、本実施形態では、p波偏光用の第1液晶セル2及びs波偏光用の第2液晶セル3をそれぞれ1つ積層した構成について説明しているが、この構成に限るものではなく、例えば、第1液晶セル2及び第2液晶セル3を積層した組み合わせを複数有する構成であっても良い。例えば、第1液晶セル2及び第2液晶セル3を積層した組み合わせを2つ有する構成、すなわち、p波偏光用の液晶セルとs波偏光用の液晶セルとをそれぞれ2つ有する構成とすることで、よりフレキシブルな調光制御が可能となる。
【0032】
(実施形態1)
調光領域AAの外側の周辺領域GAは、上述した調光制御が不可能な領域である。このため、調光領域AAの外側の周辺領域GAでは、液晶分子17の配向乱れが生じる。周辺領域GAに設けられた第1基板5上の第1金属配線11、第2基板6上の第2金属配線14は、ITO等の透光性導電酸化物に比較して遮光性があるが、図5に示すように、例えば、第1基板5上の第1金属配線11間の隙間から光漏れが生じて、調光機能の低下を招く可能性がある。
【0033】
図7は、実施形態1に係る調光装置の第1基板上の周辺領域をDz方向から見た平面図である。図8は、実施形態1に係る調光装置の第2基板上の周辺領域をDz方向から見た平面図である。図9は、実施形態1に係る調光装置の第1基板と第2基板とをDz方向に重ねた透視図である。図10は、図9に示すB-B’線断面図である。なお、図7図8図9では、説明を容易とするために、調光領域AA内の図示を省略している。
【0034】
図7図8図9図10に示す実施形態1の構成では、図9に示す透視図に示すように、調光領域AAの外側の周辺領域GAの全面において、第1基板5a上の複数の第1金属配線11(金属配線11a,11b,11c,11d)の間の隙間が、光の照射方向(Dy方向)において、第2基板6上の複数の第2金属配線14(金属配線14a,14b)によって遮光されている。また、第2基板6上の複数の第2金属配線14(金属配線14a,14b)の間の隙間が、光の照射方向(Dy方向)において、第1基板5a上の複数の第1金属配線11(金属配線11a,11b,11c,11d)によって遮光されている。これにより、第1基板5a上の第1金属配線11と、第2基板6上の第2金属配線14とは、Dz方向に一部重畳して設けられる。
【0035】
第1基板5aの第1金属配線11及び第2基板6の第2金属配線14の幅は、例えば10[μm]程度であり、第1基板5aの第1金属配線11と第2基板6aの第2金属配線14とが重畳する重畳部SPの幅は、例えば5[μm]程度である。
【0036】
なお、例えば、第1基板5aの第1金属配線11及び第2基板6aの第2金属配線14の幅が広すぎると、静電気破壊等のESD問題が起きやすくなる。従って、例えば図8に示すように、第2基板6aの第2金属配線14(第1基板5aの第1金属配線11)にスリットSLを設け、配線幅が広くなり過ぎないようにすることが望ましい。
【0037】
このような構成とすることにより、調光領域AAの外側の周辺領域GAにおいて、液晶分子17の配向乱れに起因する光漏れを抑制することができる。
【0038】
なお、第1液晶セル2aと第2液晶セル3aとを積層して調光装置1を構成する場合、少なくとも何れか一方の液晶セルにおいて、図7図8図9図10に示す実施形態1の構成を適用すれば良い。より好ましくは、照明器具100による光照射の対象物により近い第2液晶セル3aにおいて、図7図8図9図10に示す実施形態1の構成を適用することが望ましい。また、例えば、第1液晶セル2a及び第2液晶セル3aを積層した組み合わせを複数有する構成では、照明器具100による光照射の対象物により近い液晶セルにおいて、図7図8図9図10に示す実施形態1の構成を適用することが望ましい。
【0039】
上述した実施形態1の構成によれば、調光領域AAの外側の周辺領域GAにおいて、液晶分子17の配向乱れに起因する光漏れを抑制することができ、調光機能の低下を抑制することができる。
【0040】
(実施形態2)
図11は、実施形態2に係る調光装置の第2基板上の周辺領域をDz方向から見た平面図である。図12は、実施形態2に係る調光装置の第1基板と第2基板とをDz方向に重ねた透視図である。図13は、図12に示すC-C’線断面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略し、実施形態1とは異なる点について説明する。また、図11及び図12では、説明を容易とするために、調光領域AA内の図示を省略している。
【0041】
図11図12図13に示す実施形態2の構成では、調光領域AAの外側の周辺領域GAの全面において、第2基板6bに遮光層20が設けられている。
【0042】
遮光層20は、第2基板6bの基材12aの液晶層8側に設けられている。遮光層20が設けられた第2基板6bの基材12aの液晶層8側は、平坦化膜21で覆われている。平坦化膜21は、例えば有機材料からなる樹脂絶縁膜である。平坦化膜21の液晶層8側に、駆動電極13と第2金属配線14とが設けられる。
【0043】
遮光層20は、例えば黒色の樹脂材料によって構成されている。また、遮光層20は、黒色の樹脂材料に限るものではなく、例えば、遮光性の金属材料によって構成されていても良い。
【0044】
このような構成とすることにより、調光領域AAの外側の周辺領域GAにおいて、液晶分子17の配向乱れに起因する光漏れを抑制することができる。
【0045】
なお、第1液晶セル2bと第2液晶セル3bとを積層して調光装置1を構成する場合、少なくとも何れか一方の液晶セルにおいて、図11図12図13に示す実施形態2の構成を適用すれば良い。より好ましくは、照明器具100による光照射の対象物により近い第2液晶セル3bにおいて、図11図12図13に示す実施形態1の構成を適用することが望ましい。また、例えば、第1液晶セル2b及び第2液晶セル3bを積層した組み合わせを複数有する構成では、照明器具100による光照射の対象物により近い液晶セルにおいて、図11図12図13に示す実施形態2の構成を適用することが望ましい。
【0046】
上述した実施形態2の構成によれば、調光領域AAの外側の周辺領域GAにおいて、液晶分子17の配向乱れに起因する光漏れを抑制することができ、調光機能の低下を抑制することができる。
【0047】
以上、本開示の好適な実施の形態を説明したが、本開示このような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0048】
1 調光装置
2 第1液晶セル
3 第2液晶セル
4 光源
5,5a 第1基板
6,6a,6b 第2基板
7 封止材
8 液晶層
9 基材
10,10a,10b 駆動電極
11 第1金属配線
11a,11b,11c,11d 金属配線
12 基材
13,13a,13b 駆動電極
14 第2金属配線
14a,14b 金属配線
15a,15b 導通部
16a,16b 接続端子部
17 液晶分子
18 配向膜
19 配向膜
20 遮光層
21 平坦化膜
AA 調光領域
GA 周辺領域
SL スリット
SP 重畳部
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13