(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-31
(45)【発行日】2024-08-08
(54)【発明の名称】核酸増幅検査装置及びそれを備える試料自動分析システム
(51)【国際特許分類】
C12M 1/38 20060101AFI20240801BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20240801BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20240801BHJP
C12Q 1/6844 20180101ALN20240801BHJP
【FI】
C12M1/38 Z
C12M1/00 A
C12M1/34 Z
C12Q1/6844 Z
(21)【出願番号】P 2023520380
(86)(22)【出願日】2021-10-05
(86)【国際出願番号】 KR2021013552
(87)【国際公開番号】W WO2022075676
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】10-2020-0128151
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514171197
【氏名又は名称】バイオニア コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BIONEER CORPORATION
【住所又は居所原語表記】8-11, Munpyeongseo-ro, Daedeok-gu, Daejeon 34302, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パク ハンオ
(72)【発明者】
【氏名】パク ハンイ
(72)【発明者】
【氏名】イ ジンイル
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンカブ
(72)【発明者】
【氏名】クォン ウンヨン
【審査官】平林 由利子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-085230(JP,A)
【文献】特表2013-541959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00-3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析対象である標的核酸を精製及び分注する自動精製分注装置と、前記自動精製分注装置から得られた前記標的核酸を増幅して測定する核酸増幅検査装置とを含む試料自動分析システムの核酸増幅検査装置であって、
外部と隔離された内部空間を形成するハウジングと、
前記自動精製分注装置を介して標的核酸溶液が収容される複数の反応管が設けられるマルチウェルプレートが挿入されるマルチウェルプレート挿入部と、
複数の前記反応管の入口を封止するための封止手段が設けられた封止プレートが挿入される封止プレート挿入部と、
前記封止プレート挿入部の上側に配置され、前記反応管内の前記標的核酸を検出する蛍光検出部と、
前記マルチウェルプレート挿入部の下側に配置され、前記反応管の温度を制御する温度制御ブロックと、
を含み、
前記反応管は、
前記封止手段と互いに隣接するように
前記封止手段に対して前記封止手段側へ相対移動
されて、前記封止手段で封止され
、
前記温度制御ブロックは、
前記反応管を前記封止手段に密着するように上昇させて前記反応管を前記封止手段で封止し、前記蛍光検出部を介して前記反応管内の前記標的核酸が検出されるように、昇降駆動を介して前記マルチウェルプレートを上昇させることを特徴とする核酸増幅検査装置。
【請求項2】
前記温度制御ブロックは、
熱電モジュールを含み、前記マルチウェルプレート挿入部の下側に配置され、前記反応管と熱交換を行うことによって、前記反応管の温度を制御する加熱ブロックと、
前記加熱ブロックの下側に設けられ、前記熱電モジュールで発生される熱を外部に放出する放熱部と、
前記放熱部を上下に駆動することにより、前記マルチウェルプレートを支持する前記加熱ブロックを上下に移動させて前記マルチウェルプレートの位置を上下に駆動する昇降駆動部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項3】
前記加熱ブロックは、
前記熱電モジュールと、底面が前記熱電モジュールと面接触し、上面に複数の前記反応管が挿入されるための複数の挿入溝が形成される反応ブロックと、を含むことを特徴とする請求項
2に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項4】
前記加熱ブロックは、
前記反応ブロックの外側面を囲むように、前記反応ブロックに結合される反応カバーをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項5】
前記加熱ブロックは、
上側に配置される前記封止プレートを検知することによって、前記封止プレートの有無を識別する測定センサを含むことを特徴とする請求項
2に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項6】
前記放熱部は、
前記熱電モジュールの下側で面接触して設けられる放熱プレートと、
前記放熱プレートに設けられる複数の放熱フィンを含む放熱板と、
複数の前記放熱フィンが、前記内部空間とは分離される分離空間に位置するように、前記放熱プレートに結合して前記放熱プレートと共に前記分離空間を形成する複数の側面部及び下面部と、
を含むことを特徴とする請求項
2に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項7】
前記放熱部は、
前記分離空間と前記ハウジングの外部と独立して連通するように設けられ、前記分離空間の内気を前記ハウジングの外気と循環させる空気循環部を含むことを特徴とする請求項
6に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項8】
前記空気循環部は、
前記下面部と前記ハウジングとの間に連結される複数の連結配管と、
前記複数の連結配管の少なくとも一つに設けられ、前記ハウジングの外部の空気を吸入するか、前記分離空間内部の空気を排出する空気循環ファンと、を含むことを特徴とする請求項
7に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項9】
前記昇降駆動部は、
前記放熱部を昇降駆動して前記マルチウェルプレートを移動させることにより、複数の前記反応管を前記封止手段に付着させることを特徴とする請求項
2に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項10】
前記マルチウェルプレート挿入部は、
複数の前記反応管が設けられる前記マルチウェルプレートの縁を支持する支持部と、前記支持部を前記自動精製分注装置の分注位置と前記ハウジング内の増幅位置との間で駆動する駆動部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項11】
前記ハウジングは、前記マルチウェルプレート挿入部の搬入搬出のためのシャッタが設けられることを特徴とする請求項1に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項12】
前記封止手段は、前記反応管の入口を封止する封止フィルム又は封止キャップであることを特徴とする請求項1に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項13】
前記封止手段を前記マルチウェルプレート側に加圧して前記封止手段を前記反応管の入口に封止する自動封止部を含み、
前記自動封止部は、
前記封止プレート挿入部の上側で移動可能に設けられ、前記封止手段を前記マルチウェルプレート側に直接又は間接に加圧する加圧部を含むことを特徴とする請求項1に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項14】
前記温度制御ブロックは、
複数の前記反応管と前記封止手段が互いに密着するように、前記反応管を昇降駆動して支持することを特徴とする請求項
13に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項15】
前記加圧部は、
前記封止プレート挿入部の上側で前記封止手段を直接又は間接に加圧した状態で、水平移動のローリングを介して前記封止手段を前記反応管の入口に封止する加圧ローラと、前記加圧ローラを駆動するローラ駆動部と、を含むことを特徴とする請求項
13に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項16】
前記自動封止部は、
前記加圧部と前記封止プレート挿入部に載置された前記封止プレートとの間に設けられ、前記マルチウェルプレートの前記反応管の入口側に高温環境を組成する加熱部をさらに含むことを特徴とする請求項
13に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項17】
前記加熱部は、
前記加圧部を介した加圧力が、前記封止手段に伝達できるように弾性を有することを特徴とする請求項
16に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項18】
前記加熱部は、
前記反応管に対して前記封止プレート挿入部の上側に配置される前記蛍光検出部を介した前記標的核酸の検出のために、複数の前記反応管に対応する貫通口が形成されることを特徴とする請求項
16に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項19】
前記蛍光検出部は、
前記反応管に向けて前記標的核酸が反応する励起光を照射し、前記標的核酸の反応に応じた蛍光を検知する検出部と、前記検出部が前記封止プレート挿入部の上側で移動可能に駆動する検出駆動部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項20】
前記検出部は、
前記反応管に向けて前記標的核酸が反応する励起光を照射する光源部と、照射された前記励起光を介して前記標的核酸の反応に応じた蛍光を検知する検出センサと、を含むことを特徴とする請求項
19に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項21】
前記反応管に付着する識別情報コードをスキャンして、前記標的核酸の情報を取得するスキャン部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項22】
前記スキャン部は、
前記封止プレートに付着する位置情報コードをスキャンして、前記封止手段の有無を識別することを特徴とする請求項
21に記載の核酸増幅検査装置。
【請求項23】
請求項1から請求項22のいずれか一項に記載の核酸増幅検査装置を含む試料自動分析システムであって、
前記標的核酸を分離及び精製して、分注位置で複数の反応管に前記標的核酸を分注する自動精製分注装置と、
前記自動精製分注装置から伝達され、複数の前記反応管内に収容された標的核酸溶液をリアルタイムで測定する核酸増幅検査装置と、
を含み、
前記
マルチウェルプレート挿入部は、
前記マルチウェルプレートを支持し、前記分注位置と前記内部空間との間で移動可能に設けられ
ることを特徴とする試料自動分析システム。
【請求項24】
前記マルチウェルプレート挿入部は、
複数の前記反応管が設けられる前記マルチウェルプレートの縁を支持する支持部と、前記支持部を前記自動精製分注装置の分注位置と前記ハウジング内の前記標的核酸の増幅が行われる増幅位置との間で駆動する駆動部とを含むことを特徴とする請求項
23に記載の試料自動分析システム。
【請求項25】
前記ハウジングは、前記マルチウェルプレート挿入部の搬入搬出のためのシャッタが設けられることを特徴とする請求項
23に記載の試料自動分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸増幅検査装置及びそれを備える試料自動分析システムに関し、より詳しくは、試料の分離精製、分注、増幅及び検査が一体的に行われる核酸増幅検査装置及びそれを備える試料自動分析システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
遺伝子増幅検査法は、特定配列の遺伝子を増幅して遺伝子の有無を判別する体外診断検査(in vitro diagnostic testing:IVD検査)技術であり、ヒトをはじめとする各種動物、植物などの病原性微生物検査、遺伝子型検査だけでなく、食品検査、GMO検査など様々な分野で使用されている。
【0003】
様々な生体試料から正確な遺伝子増幅検査を行うためには、まず遺伝子増幅反応を阻害する試料に含まれている様々な反応阻害物質を試料から除去し、高純度の標的核酸を獲得する核酸抽出過程が必要である。
【0004】
このように抽出された標的核酸は、遺伝子増幅溶液と混合し、遺伝子増幅反応を行った後、遺伝子増幅産物DNAの長さに対応するDNAを確認するか、遺伝子増幅産物で発生した蛍光を確認することによって、遺伝子増幅検査が完成される。
【0005】
より具体的には、遺伝子増幅検査は、標的核酸を増幅するための方法として、PCR、Nested PCR、RT/PCR、等温核酸増幅法などの様々な方法が開発されており、一般に抽出された標的核酸を遺伝子増幅反応溶液と混合して遺伝子増幅反応物を準備する準備工程と、反応を進行させる反応工程とからなっていた。
【0006】
特に、遺伝子増幅反応工程は、等温増幅の場合は、一定の温度を維持すればよいが、PCRを用いる場合は、温度循環反応のための加熱、冷却工程が必要であり、この過程で温度を上げなければならないため、蒸発を防ぐために一般に反応管を密封する。
【0007】
様々な自動化システムの発売にもかかわらず、従来は反応管の収容部分である入口を密封するために自動精製分注装置から標的核酸を含む反応物が分注された後、使用者が直接複数の反応管の入口を封止キャップや封止フィルムのような封止手段で密封し、核酸増幅検査装置に投入している。
【0008】
この過程で使用者の直接介入による反応管の入口に対する封止が行われることから、遺伝子増幅反応工程のための事前準備時間が長くなり、遺伝子増幅検査全体の検査時間が共に増加して遺伝子増幅検査の全過程を完全に自動化できず、検査効率が低下し、コスト及び時間が増加する問題があった。
【0009】
また、核酸増幅検査装置の外部で、反応管内の反応物が露出された状態で使用者が直接反応管の入口を封止フィルムで密封しなければならないところ、反応管内の反応物がエアロゾルなどにより汚染される余地がある問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、前記の問題を解決するために、反応管に溶液を分注する工程と封止を行う工程、核酸増幅検査工程が連続的且つ自動的に行われる核酸増幅検査装置及びそれを備える試料自動分析システムを提供することにある。
【0011】
また、本発明の別の目的は、前記の問題を解決するために、マルチウェルプレートに反応溶液や核酸試料溶液の分注のための移動を自動的に行うことができる核酸増幅検査装置及びそれを備える試料自動分析システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記のような本発明の目的を達成するために創出されたものであり、本発明は、分析対象である標的核酸を精製及び分注する自動精製分注装置と、前記自動精製分注装置から得られた前記標的核酸を増幅して測定する核酸増幅検査装置とを含む試料自動分析システムの核酸増幅検査装置であって、外部と隔離された内部空間を形成するハウジングと、前記自動精製分注装置を介して標的核酸溶液が収容される複数の反応管が設けられるマルチウェルプレートが挿入されるマルチウェルプレート挿入部と、複数の前記反応管の入口を封止するための封止手段が設けられた封止プレートが挿入される封止プレート挿入部と、前記封止プレート挿入部の上側に配置され、前記反応管内の前記標的核酸を検出する蛍光検出部と、前記マルチウェルプレート挿入部の下側に配置され、前記反応管の温度を制御する温度制御ブロックと、を含み、前記反応管は、前記封止手段と互いに隣接するように相対移動し、前記封止手段で封止される核酸増幅検査装置を開示する。
【0013】
前記温度制御ブロックは、昇降駆動により前記反応管を前記封止手段に密着するように上昇させることによって、前記反応管を前記封止手段で封止することができる。
【0014】
前記温度制御ブロックは、熱電モジュールを含み、前記マルチウェルプレート挿入部の下側に配置され、前記反応管と熱交換を行うことによって、前記反応管の温度を制御する加熱ブロックと、前記加熱ブロックの下側に設けられ、前記熱電モジュールで発生される熱を外部に放出する放熱部と、前記放熱部を上下に駆動することにより、前記マルチウェルプレートを支持する前記加熱ブロックを上下に移動させて前記マルチウェルプレートの位置を上下に駆動する昇降駆動部と、を含むことができる。
【0015】
前記加熱ブロックは、前記熱電モジュールと、底面が前記熱電モジュールと面接触し、上面に複数の前記反応管が挿入されるための複数の挿入溝が形成される反応ブロックと、を含むことができる。
【0016】
前記加熱ブロックは、前記反応ブロックの外側面を囲むように、前記反応ブロックに結合される反応カバーをさらに含むことができる。
【0017】
前記加熱ブロックは、上側に配置される前記封止プレートを検知することによって、前記封止プレートの有無を識別する測定センサを含むことができる。
【0018】
前記放熱部は、前記熱電モジュールの下側で面接触して設けられる放熱プレートと、前記放熱プレートに設けられる複数の放熱フィンを含む放熱板と、複数の前記放熱フィンが、前記内部空間とは分離される分離空間に位置するように、前記放熱プレートに結合して前記放熱プレートと共に前記分離空間を形成する複数の側面部及び下面部と、を含むことができる。
【0019】
前記放熱部は、前記分離空間と前記ハウジングの外部と独立して連通するように設けられ、前記分離空間の内気を前記ハウジングの外気と循環させる空気循環部を含むことができる。
【0020】
前記空気循環部は、前記下面部と前記ハウジングとの間に連結される複数の連結配管と、前記複数の連結配管の少なくとも一つに設けられ、前記ハウジングの外部の空気を吸入するか、前記分離空間内部の空気を排出する空気循環ファンと、を含むことができる。
【0021】
前記昇降駆動部は、前記放熱部を昇降駆動して前記マルチウェルプレートを移動させることにより、複数の前記反応管を前記封止手段に付着させる。
【0022】
前記マルチウェルプレート挿入部は、複数の前記反応管が設けられる前記マルチウェルプレートの縁を支持する支持部と、前記支持部を前記自動精製分注装置の分注位置と前記ハウジング内の増幅位置との間で駆動する駆動部とを含むことができる。
【0023】
前記ハウジングは、前記マルチウェルプレート挿入部の搬入搬出のためのシャッタが設けられる。
【0024】
前記封止手段は、前記反応管の入口を封止する封止フィルム又は封止キャップであってもよい。
【0025】
前記封止手段を前記マルチウェルプレート側に加圧して前記封止手段を前記反応管の入口に封止する自動封止部を含み、前記自動封止部は、前記封止プレート挿入部の上側で移動可能に設けられ、前記封止手段を前記マルチウェルプレート側に直接又は間接に加圧する加圧部を含むことができる。
【0026】
前記温度制御ブロックは、複数の前記反応管と前記封止手段が互いに密着するように、前記反応管を昇降駆動して支持することができる。
【0027】
前記加圧部は、前記封止プレート挿入部の上側で前記封止手段を直接又は間接に加圧した状態で、水平移動のローリングを介して前記封止手段を前記反応管の入口に封止する加圧ローラと、前記加圧ローラを駆動するローラ駆動部と、を含むことができる。
【0028】
前記自動封止部は、前記加圧部と前記封止プレート挿入部に載置された前記封止プレートとの間に設けられ、前記マルチウェルプレートの前記反応管の入口側に高温環境を組成する加熱部をさらに含むことができる。
【0029】
前記加熱部は、前記加圧部を介した加圧力が、前記封止手段に伝達できるように弾性を有してもよい。
【0030】
前記加熱部は、前記反応管に対して前記封止プレート挿入部の上側に配置される前記蛍光検出部を介した前記標的核酸の検出のために、複数の前記反応管に対応する貫通口が形成されてもよい。
【0031】
前記蛍光検出部は、前記反応管に向けて前記標的核酸が反応する励起光を照射し、前記標的核酸の反応に応じた蛍光を検知する検出部と、前記検出部が前記封止プレート挿入部の上側で移動可能に駆動する検出駆動部とを含むことができる。
【0032】
前記検出部は、前記反応管に向けて前記標的核酸が反応する励起光を照射する光源部と、照射された前記励起光を介して前記標的核酸の反応に応じた蛍光を検知する検出センサと、を含むことができる。
【0033】
前記反応管に付着する識別情報コードをスキャンして、前記標的核酸の情報を取得するスキャン部をさらに含むことができる。
【0034】
前記スキャン部は、前記封止プレートに付着する位置情報コードをスキャンして、前記封止手段の有無を識別することができる。
【0035】
また、本発明は、前記標的核酸を分離及び精製して、分注位置で複数の反応管に前記標的核酸を分注する自動精製分注装置と、
前記自動精製分注装置から伝達され、複数の前記反応管内に収容された標的核酸溶液をリアルタイムで測定する核酸増幅検査装置と、を含み、前記核酸増幅検査装置は、内部空間を形成するハウジングと、複数の前記反応管が設けられるマルチウェルプレートを支持し、前記分注位置と前記内部空間との間で移動可能に設けられるマルチウェルプレート挿入部と、を含む試料自動分析システムを開示する。
【0036】
前記マルチウェルプレート挿入部は、複数の前記反応管が設けられる前記マルチウェルプレートの縁を支持する支持部と、前記支持部を前記自動精製分注装置の分注位置と前記ハウジング内の前記標的核酸の増幅が行われる増幅位置との間で駆動する駆動部と、を含むことができる。
【0037】
前記ハウジングは、前記マルチウェルプレート挿入部の搬入搬出のためのシャッタが設けられてもよい。
【発明の効果】
【0038】
本発明による核酸増幅検査装置及びそれを備える試料自動分析システムは、マルチウェルプレートが核酸増幅検査装置と自動精製分注装置との間を往復駆動することにより、マルチウェルプレートへの分注と封止過程を経てリアルタイムPCRが自動的に行われ、核酸自動精製部から標的核酸溶液分注及び核酸増幅検査の全過程を自動的に行うことができ、装置稼動後、検査実施者の中間作業がなくても結果を得ることができる利点がある。
【0039】
本発明による核酸増幅検査装置及びそれを備える試料自動分析システムは、反応管の入口に対する封止を自動的に行うことにより、封止速度が向上するにつれて全体的な標的核酸の検出時間が短縮され、検出効率が増大する利点がある。
【0040】
特に、本発明による核酸増幅検査装置及びそれを備える試料自動分析システムは、反応管の入口に対する封止を自動的に行うことにより、従来使用者が直接封止する方式に比べて一定の封止が可能であり、封止機序が単純化される利点がある。
【0041】
また、本発明による核酸増幅検査装置及びそれを備える試料自動分析システムは、反応管の入口に対する封止を自動的に行うことにより、従来使用者が直接封止する方式に比べて異物が反応管内に混入するなどの試料汚染問題を最小限に抑えることができ、したがって検出の精度が向上する利点がある。
【0042】
特に、本発明による核酸増幅検査装置及びそれを備える試料自動分析システムは、反応管の入口に対する封止が行われた封止空間を外部から隔離することにより、核酸精製の実行中に分注及び封止のために待機する過程で異物が反応管内に混入するなどの試料汚染問題を最小限に抑えることができ、検出の精度が向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明による試料自動分析システムの概略的な様子を示す斜視図である。
【
図2】
図1の試料自動分析システムの概略的な様子を示す正面図である。
【
図3】
図1の試料自動分析システムにおける核酸増幅検査装置の駆動の様子を示す図面である。
【
図4】
図1の核酸増幅検査装置の自動封止部の様子を示す平面図である。
【
図5】
図1の核酸増幅検査装置の自動封止部の様子を示す断面図である。
【
図6A-6C】
図1の核酸増幅検査装置中のマルチウェルプレートの昇降の様子を示す断面図であり、
図6Aは、マルチウェルプレートがハウジング内に挿入された状態を示す断面図、
図6Bは、マルチウェルプレートが一部昇降して反応管を支持した状態を示す断面図、
図6Cは、マルチウェルプレートが昇降して反応管と封止フィルムが接触した状態を示す断面図である。
【
図7】
図1の核酸増幅検査装置における温度制御ブロックの様子を示す断面図である。
【
図8】
図1の核酸増幅検査装置における温度制御ブロック及び昇降駆動部の様子を示す断面図である。
【
図9】
図1の核酸増幅検査装置における封止フィルム形式の封止プレートの様子を示す斜視図である。
【
図10】
図1の核酸増幅検査装置における封止キャップ形式の封止プレートの様子を示す斜視図である。
【
図11】
図1の核酸増幅検査装置における核酸増幅用複数の反応管が取り付けられるマルチウェルプレートの様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明による核酸増幅検査装置及びそれを備える試料自動分析システムについて添付の図面を参照して説明すると以下の通りである。
【0045】
本発明による試料自動分析システムは、
図1~
図3に示されるように、標的核酸の定性又は定量分析を同時に行う試料自動分析システムであって、標的核酸を分離精製して分注位置Pで複数の反応管1に標的核酸を分注する自動精製分注装置10と、自動精製分注装置10から伝達された複数の反応管1内の標的核酸をリアルタイムで測定する核酸増幅検査装置20とを含む。
【0046】
ここで分析対象の試料は、検査対象となる標的核酸を含む構成であり、様々な構成が可能である。
【0047】
例えば、試料は生体試料であり、生物から得られる標的核酸を含む血液、尿、組織、唾液、喀痰などを意味し、さらに、動物、植物、微生物などの生体そのものを含むことができる。
【0048】
したがって、本発明による試料自動分析システムは、試料から分析対象である標的核酸を精製し、標的核酸の増幅による検出として分析を行うことができる。
【0049】
前記自動精製分注装置10は、標的核酸を分離精製して分注位置Pで複数の反応管1に標的核酸を分注する構成であり、様々な構成が可能である。
【0050】
すなわち、前記自動精製分注装置10は、後記の核酸増幅検査装置20を介して増幅し、リアルタイムで測定するための標的核酸を精製し、核酸増幅検査装置20に分注する構成であれば、従来開示されたいかなる形態の装置にも適用可能である。以下、簡単に説明する。
【0051】
例えば、前記自動精製分注装置10は、試料の精製に必要な試薬が内蔵されたマルチウェルプレートキット(未図示)を含み、試料から標的核酸を精製する精製部と、多数のピペット11が分離可能に取り付けられ、試料、試薬、標的核酸を移動するピペットブロック12を含むことができる。
【0052】
また、前記自動精製分注装置10は、ピペットブロック12が上下左右の少なくともいずれかの方向に移動可能にピペットブロック12を駆動するピペットブロック駆動部(未図示)をさらに含むことができる。
【0053】
前記精製部は、複数の列を有して内部に標的核酸を精製するための試料と標的核酸を精製に必要な試薬などが、特定列に内蔵されるマルチウェルプレートキットと、マルチウェルプレートキットの特定列に磁場を印加することにより、標的核酸に付着する磁性粒子を分離するための磁場印加部、マルチウェルプレートキットの特定列に熱を加えることにより、標的核酸の精製を加速化する加熱部とを含むことができる。
【0054】
前記ピペットブロック12は、多数のピペット11が分離可能に取り付けられ、精製時に用いられる試料、試薬、標的核酸を移動する構成であり、様々な構成が可能である。
【0055】
例えば、前記ピペットブロック12は、多数のピペット11が列を有して挿着可能に多数の挿着孔が形成されてもよく、挿着されたピペット11を介して試料、試薬、標的核酸などを吸入及び吐出することができる。
【0056】
このとき、前記ピペットブロック12は、後記するマルチウェルプレート40との相対移動を介して精製部を経て得られた標的核酸を核酸増幅検査装置20に伝達することができる。
【0057】
この過程で前記ピペットブロック12は、マルチウェルプレート40と相対移動を行うことができ、詳細な相対移動過程は後記する。
【0058】
前記ピペットブロック駆動部は、ピペットブロック12を上下左右の少なくとも一方の方向に駆動することにより、ピペットブロック12の多数のピペット11が各種試料、試薬、標的核酸などを移動して定位置で吸入及び吐出することができる。
【0059】
前記ピペットブロック駆動部は、従来開示された様々な形態の駆動手段を適用することができ、一例として、電気モータ駆動、油圧式アクチュエータ駆動などを利用することができる。
【0060】
一方、従来は自動精製分注装置10から標的核酸溶液を得た後、これをマルチウェルプレートに手動ピペットや自動ピペットを利用して核酸増幅溶液と一緒に加えて混合し、マルチウェルプレートの入口を手作業で封止した後に核酸増幅検査装置20に手動で取り付け、核酸増幅装置を稼動させる過程を経た。
【0061】
しかし、前述したように、自動精製分注装置10から出た標的核酸溶液を核酸増幅キットと混合して封止し、核酸増幅検査装置20に移動する過程を手作業で行う場合、使用者の介入による汚染リスクと全体分析時間が増加する問題があった。
【0062】
このような問題点を改善するために、本発明による核酸増幅検査装置20は、
図3乃至
図5に示されるように、内部空間S1を形成するハウジング30と、複数の前記反応管1が設けられるマルチウェルプレート40を支持し、前記分注位置Pと前記内部空間S1との間で移動可能に設けられるマルチウェルプレート挿入部100とを含むことができる。
【0063】
前記ハウジング30は、内部空間S1を形成する構成であり、様々な構成が可能である。
【0064】
例えば、前記ハウジング30は、直方体状に外部空間と隔離された内部空間S1を形成し、複数の反応管1が設けられたマルチウェルプレート40が内部に挿入されて搬出される。
【0065】
このために、前記ハウジング30は、一側面にマルチウェルプレート40を支持するマルチウェルプレート挿入部100が移動を介して内部空間S1から自動精製分注装置10を介して標的核酸を受け取るための分注位置P間を往復移動可能にするためにシャッタ60を設けることができる。
【0066】
より具体的には、前記ハウジング30は、自動精製分注装置10が位置する一側面に、マルチウェルプレート挿入部100がマルチウェルプレート40を支持した状態で内部空間S1と分注位置Pとの間を移動できるようにシャッタ60を設けることができる。
【0067】
このときの前記シャッタ60は、ハウジング30の一側面中の一部を形成するドア部61と、ドア部61の回転による開放及び閉鎖が可能となるドアヒンジ62を含むことができる。
【0068】
すなわち、前記シャッタ60は、マルチウェルプレート挿入部100の移動に応じてドア部61を加圧する場合、ドア部61のドアヒンジ62を介したヒンジ回転で開放されながらマルチウェルプレート挿入部100が移動することができる。
【0069】
一方、ドア部61がドアヒンジ62を介したヒンジ回転で開放された状態でマルチウェルプレート挿入部100との一部干渉によってドア部61は、開放状態を維持することができる。
【0070】
別の例として、ドア部61がドアヒンジ62を介したヒンジ回転で開放された状態で、ドアヒンジ62を固定する部材を介してドア部61の回転を中断し、ドア部61が開放された状態を維持することができる。
【0071】
一方、マルチウェルプレート挿入部100の移動によりマルチウェルプレート40が自動精製分注装置10の分注位置Pに移動した状態で、自動精製分注装置10を介して標的核酸が伝達され、自動的に内部空間S1に移動して核酸増幅及び検出を行うことができる。
【0072】
前記マルチウェルプレート挿入部100は、複数の反応管1が設けられるマルチウェルプレート40を支持し、分注位置Pと内部空間S1との間で移動可能に設けられる構成であり、様々な構成が可能である。
【0073】
例えば、前記マルチウェルプレート挿入部100は、複数の反応管1が設けられるマルチウェルプレート40の縁を支持する支持部110と、支持部110を自動精製分注装置10の分注位置Pとハウジング30内の標的核酸の増幅が行われる増幅位置との間で駆動する駆動部120を含むことができる。
【0074】
また、前記マルチウェルプレート挿入部100は、支持部110の下側両終端に設けられ、支持部110と駆動部120を連結する支持駆動ブロック130をさらに含むことができる。
【0075】
前記マルチウェルプレート40は、複数の反応管1が複数の列を有して設けられる構成であり、様々な構成が可能である。
【0076】
特に、前記マルチウェルプレート40は、分析対象である標的核酸を増幅して検出するために標的核酸を収容できる構成であれば、従来開示されたいずれの形態も適用可能である。
【0077】
例えば、前記マルチウェルプレート40は、プレート41に複数の反応管1が結合又は支持される構成であってもよく、別の例として、プレート41に多数の単位ウェルが形成され、ウェルを介して標的核酸を収容する構成であってもよい。
【0078】
前記支持部110は、複数の反応管1が設けられるマルチウェルプレート40の縁を支持する構成であり、様々な構成が可能である。
【0079】
例えば、前記支持部110は、中心にマルチウェルプレート40の反応管1との干渉を防止するために開放口111が形成され、マルチウェルプレート40の支持のための段差部112を含むことができる。
【0080】
すなわち、前記支持部110は、内部空間S1に設けられ、マルチウェルプレート40を支持して移動させることにより、マルチウェルプレート40を増幅位置に定位置させることができ、さらに自動精製分注装置10から標的核酸が伝達される分注位置Pに移動することができる。
【0081】
前記開放口111は、複数の反応管1が下側に干渉することなく支持部110を貫通できるように設けられる構成であり、マルチウェルプレート40の形状に対応して形成することができる。
【0082】
前記開放口111を介して複数の反応管1がプレート41が段差部112に支持された状態で下側に位置し、後記する温度制御ブロック500を介して温度を制御することができる。
【0083】
一方、前記段差部112は、マルチウェルプレート40の縁を支持するための構成であり、様々な構成が可能である。
【0084】
前記支持駆動ブロック130は、支持部110の下側の両終端に設けられ、支持部110と駆動部120を連結する構成であり、様々な構成が可能である。
【0085】
上側が前記支持部110の両終端の下側で支持部110と結合され、下側が駆動部120と連結され、駆動部120の駆動力を介して支持部110を内部空間S1の増幅位置から分注位置Pに移動させることができる。
【0086】
より具体的には、前記支持駆動ブロック130は、支持部110の両終端の下側でそれぞれ結合されたプレート131と、支持プレート131の下側で駆動部120の駆動ベルト121と連結されるブロック部132と、支持プレート131に設けられる駆動ガイド133を含むことができる。
【0087】
これにより、前記支持駆動ブロック130は、駆動部120の駆動力が、ブロック部132を介して伝達されて移動することにより、支持プレート131に連結された支持部110に駆動力を伝達することができ、結果として支持部110と共に増幅位置と分注位置Pの間を移動することができる。
【0088】
一方、駆動ガイド133は、支持部110の移動をガイドするための構成であり、支持プレート131に設けられ、ハウジング30内壁面に設けられるガイド部材と共に支持プレート131及び支持部110の移動をガイドすることができる。
【0089】
前記駆動部120は、支持部110をハウジング30内部空間S1と分注位置Pとの間を往復移動するように駆動する構成であり、様々な構成が可能である。
【0090】
例えば、前記駆動部120は、従来開示された駆動のための方式であれば任意の方式を適用可能であり、電気モータ式、空気圧駆動式、磁場リニアモータなどが用いられる。
【0091】
一例として、前記駆動部120は、外部エネルギーが伝達されて回転運動する駆動源122と、駆動源122に連結される一対のプーリ部123、124と、一対のプーリ部123、124の間に連結される駆動ベルト121とを含むことができる。
【0092】
前記駆動源122は、モータであり、外部エネルギーが伝達されて回転運動することができ、回転運動に応じて連結される一対のプーリ部123、124の少なくとも一つを回転させることができる。
【0093】
前記一対のプーリ部123、124は、駆動源122の回転に応じて少なくとも一方が回転し、他方が連結された駆動ベルト121を介して縦回転して、駆動ベルト121を移動させることができる。
【0094】
一方、前記駆動ベルト121は、前述したようい支持駆動ブロック130のブロック部132を介して支持プレート131と連結され、駆動ベルト121の移動に応じて支持プレート131と支持部110が移動可能となる。
【0095】
一方、前述した移動は、上、下、左、右など線形移動と回転移動など様々な方向への移動が可能であり、より具体的には、核酸増幅検査装置20のハウジング30の側面を線形水平移動することにより、自動精製分注装置10側にマルチウェルプレート40が接近することができる。
【0096】
一方、従来の核酸増幅検査装置は、マルチウェルプレート40の上部面を使用者が直接封止して核酸増幅検査装置20に伝達したところ、封止過程での汚染問題が発生する余地があり、一定の封止が難しく、封止時間に伴う全体分析時間が増加して、分析効率が低下する問題があった。
【0097】
このような問題点を改善するために、本発明による核酸増幅検査装置20は、自動精製分注装置10から得られた標的核酸が自動的に伝達され、マルチウェルプレート40に対する封止を自動的に行うことができる。
【0098】
より具体的には、本発明による核酸増幅検査装置20は、
図5及び
図6に示されるように、外部と隔離された内部空間S1を形成するハウジング30と、前記自動精製分注装置10を介して伝達された前記標的核酸が収容された複数の反応管1が設けられるマルチウェルプレート40を支持するマルチウェルプレート挿入部100と、複数の前記反応管1の入口を封止するための封止手段が設けられた封止プレート50を前記マルチウェルプレート40の上側で支持する封止プレート挿入部200と、前記封止手段と前記マルチウェルプレート40を互いに隣接するように相対移動させて前記封止手段を前記反応管1の入口に封止する自動封止部300と、前記封止プレート挿入部200の上側に配置され、前記反応管1内の前記標的核酸を検出する蛍光検出部400と、前記マルチウェルプレート挿入部100の下側に配置され、前記反応管1内の前記標的核酸に対する温度を制御する温度制御ブロック500とを含む。
【0099】
一方、本発明による核酸増幅検査装置20の構成一部であるハウジング30とマルチウェルプレート支持部100については前述したので、詳細な説明は省略し、追加的に説明が必要な部分のみを添付した図面を参照して、補充説明する。
【0100】
したがって、以下に説明するハウジング30とマルチウェルプレート挿入部100について説明していない細部構成については、前述した同一構成の内容が適用される。
【0101】
前記ハウジング30は、外部と隔離された内部空間S1を形成する構成であり、マルチウェルプレート40と封止手段が設けられた封止プレート50が外部から挿入されるための挿入部33を含むことができる。
【0102】
すなわち、前記ハウジング30は、外部と隔離された内部空間S1にマルチウェルプレート40と封止プレート50が挿入されるために開放された挿入部33を含むことができる。
【0103】
前記挿入部33は、ハウジング30の上面の一側に封止プレート50及びマルチウェルプレート40に対応する大きさに開放されて形成され、前述した支持部110が位置してマルチウェルプレート40の縁を支持しながらスライドして挿入することができる。
【0104】
一方、前記挿入部33は、前述したように、後記する封止プレート挿入部200が位置して封止プレート50の縁を支持しながらスライドして挿入することができる。
【0105】
前記マルチウェルプレート挿入部100は、自動精製分注装置10を介して伝達された標的核酸が収容された複数の反応管1が設けられるマルチウェルプレート40を支持する構成であり、様々な構成が可能である。
【0106】
前記封止プレート挿入部200は、複数の反応管1の入口を封止するための封止手段が設けられた封止プレート50をマルチウェルプレート40の上側で支持する構成であり、様々な構成が可能である。
【0107】
また、本発明による封止手段は、反応管1の入口を封止する封止フィルム51又は封止キャップ52であってもよい。
【0108】
前記封止フィルム51は、反応管1に収容された標的核酸に後記する温度制御ブロック500を介して最適温度に加熱及び冷却を繰り返し実行する過程で標的核酸が蒸発されるのを防止するために、反応管1の入口を封止するための構成であり、様々な構成が可能である。
【0109】
前記封止フィルム51は、複数の反応管1が複数の列に配置されるマルチウェルプレート40に対応する大きさで形成されて位置することができる。
【0110】
また、封止キャップ52は、反応管1に収容された標的核酸に後記する温度制御ブロック500を介して最適温度に加熱及び冷却を繰り返し実行する過程で標的核酸が蒸発されるのを防止するために、反応管1の入口を封止するための構成であり、様々な構成が可能である。
【0111】
例えば、前記封止キャップ52は、複数の反応管1が複数の列に配置されるマルチウェルプレート40のそれぞれの反応管1の入口に対応する位置に対応する大きさで複数の配置及び設けられ得る。
【0112】
一方、以下では、封止フィルム51を主な実施例で説明しているが、封止フィルム51の構成を封止キャップ52として適用できることは言うまでもない。
【0113】
前記封止プレート50は、封止フィルム51が設けられたプレートであり、前述したハウジング30の挿入部33を介してマルチウェルプレート40の上側定位置に位置することができる。
【0114】
前記封止プレート挿入部200は、内部空間S1中のマルチウェルプレート挿入部100の上側に設けられ、封止プレート50を支持する構成であり、様々な構成が可能である。
【0115】
前記封止プレート挿入部200は、封止フィルム51の下側にマルチウェルプレート40に設けられる複数の反応管1が接触できるように中心が開放され、封止プレート50の縁を支持するための支持段差部210を形成することができる。
【0116】
特に、封止プレート挿入部200は、封止プレート50の形状に対応する形状に形成することができ、終端が挿入部33に隣接して形成されることにより、支持段差部210を介して封止プレート50がスライドして挿入されて支持することができる。
【0117】
一方、前記封止プレート挿入部200又は封止プレート50には、後記する測定センサ550を介した検知が可能なバーコード、QRコード(登録商標)など識別情報が設けられてもよい。
【0118】
これにより、後記する測定センサ550を介して封止フィルム51が設けられた状態であることを識別し、封止フィルムの欠落にも作業が進むことを防止でき、検査分析不良率を減少させることができる。
【0119】
前記自動封止部300は、封止フィルム51とマルチウェルプレート40を互いに隣接するように相対移動させて封止フィルム510を反応管1の入口に封止する構成であり、様々な構成が可能である。
【0120】
例えば、前記自動封止部300は、封止プレート挿入部200の上側で移動可能に設けられ、封止フィルム51をマルチウェルプレート40側に直接又は間接的に加圧する加圧部310を含むことができる。
【0121】
また、前記自動封止部300は、前記加圧部310と前記封止プレート挿入部200に載置された前記封止プレート50の間に設けられ、前記マルチウェルプレート40の前記反応管1入口側に高温環境を組成する加熱部320をさらに含むことができる。
【0122】
前記加圧部310は、封止プレート挿入部200の上側で移動可能に設けられ、封止フィルム51をマルチウェルプレート40側に直接又は間接的に加圧する構成であり、様々な構成が可能である。
【0123】
すなわち、前記加圧部310は、封止プレート50とマルチウェルプレート40が一定間隔で離隔して配置されている状態で、封止プレート50をマルチウェルプレート40側に加圧して、封止フィルム51が反応管1の入口を密封することができる。
【0124】
例えば、前記加圧部310は、封止プレート挿入部200の上側で封止フィルム51を直接又は間接的に加圧した状態で、水平移動のローリングを介して封止フィルム51を反応管1の入口に封止する加圧ローラ311と、加圧ローラ311を駆動するローラ駆動部900とを含むことができる。
【0125】
また、前記加圧部310は、加圧ローラ311の中心で両端を横切って設けられる加圧ローラ軸312と、加圧ローラ軸312が設けられる加圧ローラ本体313をさらに含むことができる。
【0126】
また、前記加圧部310は、後記するローラ駆動部900の駆動本体910と弾性を有して連結されるための弾性連結部314を含むことができる。
【0127】
すなわち、前記加圧部310は、加圧ローラ本体313がローラ駆動部900と弾性連結部314を介して連結され、加圧ローラ本体313に加圧ローラ軸312及び加圧ローラ313が設けられ、加圧ローラ313を回転して移動させることができる。
【0128】
この過程で、ローラ駆動部900と加圧ローラ本体313との間が弾性連結部314を介して連結されることにより、加圧ローラ311を介して封止プレート40を加圧しながらも封止プレート40への過度な衝撃を防止することができる。
【0129】
前記ローラ駆動部900は、加圧ローラ本体313と弾性連結部314を介して連結される駆動本体910と、加圧ローラ311の移動経路を形成して駆動本体910の移動をガイドする駆動軸920と、加圧駆動ベルト941が駆動本体910に連結され、加圧駆動ベルト941の回転移動を介して駆動本体910を移動させる加圧駆動ベルト部940と、加圧駆動ベルト部940を駆動することにより、駆動本体910を移動させる加圧駆動源930とを含むことができる。
【0130】
より具体的には、前記加圧駆動ベルト部940は、駆動本体910に連結され、駆動本体910の移動をガイドする駆動軸920を基準に駆動軸920と平行に駆動本体910と連結される加圧駆動ベルト941と、加圧駆動ベルト941が回転するように設けられる両端に設けられる一対の加圧駆動プーリ942とを含むことができる。
【0131】
これにより、モータである加圧ローラ駆動源943の回転運動を加圧駆動プーリ942に伝達し、一端の加圧駆動プーリ942が回転して加圧駆動ベルト941を一対の加圧駆動プーリ942を基準に回転駆動することにより、加圧駆動ベルト941に連結された駆動本体910を駆動軸920にガイドして線形移動することができる。
【0132】
一方、前記ローラ駆動部900は、一つの加圧駆動源930を介して駆動軸920を基準に両側にそれぞれ設けられる加圧駆動ベルト部940を駆動するために、加圧駆動源930から伝達される回転力をそれぞれの加圧駆動プーリ942に伝達するために、一対の駆動軸920を横切って設けられる駆動伝達軸950をさらに含むことができる。
【0133】
前記加熱部320は、加圧部310と封止プレート挿入部200に載置された封止プレート50との間に設けられ、マルチウェルプレート40の反応管1入口側に高温環境を組成する構成であり、様々な構成が可能である。
【0134】
例えば、前記加熱部320は、加圧部310と封止プレート挿入部200に載置された封止プレート50との間に設けられるヒータであり、反応管1の入口側に高温環境を組成することにより、反応管1入口側に結露が発生することを防止することができる。
【0135】
また、さらに前記加熱部320は、封止手段の素材に応じて封止手段を加熱することにより、封止手段の反応管1の入口に対する封止を強化する役割を果たすことができる。
【0136】
これにより、前記加熱部320は、反応管1の入口側に結露が発生するか、湿気が発生することを防止し、後記する蛍光検出部400を介した光の照射及び受光の遮断、反射及び散乱を防止して、蛍光検出を円滑に行うことができる。
【0137】
より具体的には、前記加熱部320は、反応管1の入口に熱を伝達するためのヒータ321と、ヒータ321を上側で保護するヒータ上部カバー322及びヒータ321の下側で封止プレート挿入部200に支持されて位置するヒータ下部カバー323とを含むことができる。
【0138】
前記ヒータ321は、前記反応管1の上部に熱を伝達するための構成であり、反応管1の入口側に結露及び湿気が発生することを防止することができる。
【0139】
前記ヒータ上部カバー322は、加圧部310を介した封止フィルム51の加圧過程でヒータ321及び封止フィルム51を保護するために、ヒータ321の上側に設けられる構成であり、様々な構成が可能である。
【0140】
特に、前記ヒータ上部カバー322は、ヒータ321の上側に位置し、加圧部310の加圧力を、ヒータ321を介して封止フィルム51に伝達することにより、封止フィルム51が複数の反応管1を含むマルチウェルプレート40の上部に密着させることができる。
【0141】
すなわち、前記ヒータ上部カバー322は、封止フィルム51の加圧部310を介した直接加圧を防止し、間接的に加圧することにより、封止フィルム51の損傷を防止しながらも、適切な加圧力が封止フィルム51に到達し、マルチウェルプレート40の上側に封止フィルム51を密着及び接触させることができる。
【0142】
一方、前記加熱部320は、反応管1に対して封止プレート挿入部200の上側に配置される蛍光検出部400を介した標的核酸の検出のために、複数の反応管1に対応する貫通口324を形成することができる。
【0143】
このとき、前記貫通口324は、後記する蛍光検出部400を介して反応管1に収容された標的核酸を光照射して検出するために、ヒータ上部カバー322及びヒータ321を含む加熱部320に形成することができる。
【0144】
特に、前記貫通口324は、ヒータ上部カバー322及びヒータ321のうち複数の反応管1が位置する位置に整列して形成されることにより、ヒータ上部カバー322及びヒータ321を貫通した光を介して標的核酸を検出することができる。
【0145】
一方、そのために、前記ヒータ上部カバー322及び前記ヒータ321を含む加熱部320は、加圧部310を介した加圧力が封止フィルム51に伝達されるように弾性を有することができる。
【0146】
前記蛍光検出部400は、封止プレート挿入部200の上側に配置され、反応管1内の標的核酸を検出する構成であり、様々な構成が可能である。
【0147】
例えば、前記蛍光検出部400は、反応管1に向けて標的核酸が反応する光を照射し、標的核酸の反応に応じた光を検知する検出部430と、検出部430が封止プレート挿入部200の上側で移動可能に駆動する検出駆動部440を含むことができる。
【0148】
すなわち、前記蛍光検出部400は、反応管1内に収容された標的核酸が反応する励起光を照射し、それに応じた蛍光を検知することにより、反応管1内に収容された標的核酸をリアルタイムで測定することができる。
【0149】
前記検出部430は、反応管1に向けて標的核酸が反応する光を照射し、標的核酸の蛍光を検知する構成であり、様々な構成が可能である。
【0150】
例えば、前記検出部430は、反応管1を向けて標的核酸が反応する励起光を照射する光源部410と、照射された光を介した標的核酸濃度に比例して発生する蛍光を検知する検出センサ420を含むことができる。
【0151】
この場合、前記検出部430は、一つの一体化されたモジュールとして、反応管1を向けてそれぞれの標的核酸に特異的な励起光を照射する光源部410と発生されるそれぞれの蛍光を検知する検出センサ420とを設けてもよく、別の例として、光源部410と検出センサ420がそれぞれ別々に設けられて検出する構成であってもよい。
【0152】
前記光源部410は、反応管1を向けて標的核酸が反応する特定波長の光を照射する構成であり、対象波長帯の光は、分析対象である標的核酸に特異的な蛍光プローブの種類に応じて多様に適用可能である。
【0153】
このとき、前記光源部410は、前述した加熱部320の上側に位置し、加熱部320に設けられる貫通口324を貫通して反応管1に到達するように励起光を照射することができる。
【0154】
このために、前記光源部410は、ハウジング30上端のうち反応管1、貫通口324と垂直に整列する位置に固定配置することができ、別の例として後記する検出駆動部440を介して駆動して定位置に位置することができる。
【0155】
前記検出センサ420は、光源部410から反応管1内の標的核酸に照射された励起光を通じて発生される蛍光を検知する構成であり、様々な構成が可能である。
【0156】
前記検出センサ420は、特定波長帯の励起光を照射して標的核酸の濃度に比例して発生する蛍光を検出し、標的核酸の量をリアルタイムで測定することができ、光源部410のように貫通口324と垂直に整列する位置に固定配置されるか、検出駆動部440を介して光源部410と共に移動して定位置することもできる。
【0157】
前記検出駆動部440は、検出部430が封止プレート挿入部200の上側で移動可能に駆動する構成であり、様々な構成が可能である。
【0158】
例えば、前記検出駆動部440は、前述したローラ駆動部900と駆動軸920を共有しながら、別途の駆動源を介して加圧部310とは独立して駆動するように設けられてもよい。
【0159】
すなわち、前記検出駆動部440は、ローラ駆動部900の駆動軸920に連結されて核酸増幅検査装置20及び封止プレート50の長手方向に移動することができる。
【0160】
さらに、前記検出駆動部440は、核酸増幅検査装置20及び封止プレート50の長手方向に対する垂直方向及び上下方向への駆動のための構成をさらに含むことができる。
【0161】
例えば、前記検出駆動部440は、検出部430が設けられる検出駆動ブロック444と、検出駆動ブロック444の移動をガイドする一対の検出駆動ガイド442、443と、検出駆動ブロック444に連結されて検出駆動ブロック444を移動させる一対の検出駆動ベルト445、446と、一対の検出駆動ベルト445、446を移動させる一対の検出駆動プーリ447、448と、一対の検出駆動ベルト445、446をそれぞれ駆動する検出駆動源441を含むことができる。
【0162】
前記検出駆動部440について、
図4を参照して詳細に説明すると以下の通りである。
【0163】
前記検出駆動源441は、2がそれぞれ駆動軸910の終端に設けられ、検出駆動ベルト445が回転するように駆動することができる。
【0164】
また、一対の検出駆動プーリ447、448は、それぞれ検出駆動源441の反対側の終端に設けられ、一対の検出駆動ベルト445、446の回転をガイドすることができる。
【0165】
この場合、前記一対の検出駆動プーリ447、448は、一対の駆動軸910の終端にそれぞれ配置され、一対の検出駆動ベルト445、446を駆動軸910の縁に配置することができる。
【0166】
一方、一つの検出駆動ベルト445は対応する一つの検出駆動源441に連結されて回転し、その経路は検出部430を基準にして検出部430と検出駆動源441との間で駆動軸910に平行に駆動軸910一側で連結され、検出部430と駆動軸910の反対側の終端では一対の検出駆動プーリ447、448と一対の駆動軸910の外角に配置され、平面上四角形状に配置されてもよい。
【0167】
すなわち、一つの検出駆動ベルト445は、一つの検出駆動源441に連結され、駆動軸910に沿って終端に位置する検出駆動プーリ447を経て並んで位置する他の検出駆動プーリ448に達し、再び検出駆動プーリ448を用いて方向を切り替えて検出駆動ブロック444に連結するように駆動軸910を横切って配置された状態で、再び一つの検出駆動源441に連結される。
【0168】
一方、他の検出駆動ベルト446は、これに対称であり、前述した一方の検出駆動源441と対向する他方の検出駆動源441に連結され、反対側の駆動軸910に沿って駆動軸910の終端に位置する検出駆動プーリ448を経て他方の検出駆動プーリ447に達し、再び検出駆動プーリ447を用いて方向を切り替えて検出駆動ブロック444に連結されるように駆動軸910を横切って配置された状態で、再び他の検出駆動源441に連結され得る。
【0169】
これにより、前記検出駆動部440は、検出部430の移動を
図4の平面上X方向及びY方向に自在に移動することができ、前述した加圧部310とは独立して駆動することができる。
【0170】
前記検出駆動部440は、前述したような方式で、検出部430を垂直方向に移動させることは言うまでもない。
【0171】
一方、前記検出駆動部440は、前述したローラ駆動部900を介した長手方向への線形移動の実施例とは別に独自の駆動部を構成し、検出部430をハウジング30の上側から長手方向に線形移動させることができること言うまでもない。
【0172】
前記温度制御ブロック500は、
図7及び
図8に示されるように、マルチウェルプレート挿入部100の下側に配置され、反応管1内の標的核酸に対する温度を制御する構成であり、様々な構成が可能である。
【0173】
前記温度制御ブロック500は、マルチウェルプレート挿入部100の下側に配置され、反応管1と熱交換を行うことにより、反応管1の温度を制御する加熱ブロック510と、加熱ブロック510の下側に設けられ、加熱ブロック510で発生した熱を外部に伝達する放熱部800を含むことができる。
【0174】
また、前記温度制御ブロック500は、放熱部800を上下に駆動することにより、マルチウェルプレート40を支持する加熱ブロック510を上下に移動させ、マルチウェルプレート40の位置を上下に駆動する昇降駆動部600をさらに含むことができる。
【0175】
前記加熱ブロック510は、マルチウェルプレート挿入部100の下側に配置され、反応管1と熱交換を行うことにより反応管1の温度を制御する構成であり、様々な構成が可能である。
【0176】
例えば、前記加熱ブロック510は、熱電モジュール520と、底面が熱電モジュール520と面接触し、上面に複数の反応管1が挿入されるための複数の挿入溝531が形成される反応ブロック530を含むことができる。
【0177】
また、前記加熱ブロック510は、反応ブロック530の外側面を囲むように反応ブロック530に結合される反応カバー540をさらに含むことができる。
【0178】
また、前記加熱ブロック510は、上側に配置される封止プレート50を検知することにより、封止プレート50の有無を識別する測定センサ550を含むことができる。
【0179】
前記加熱ブロック510は、マルチウェルプレート挿入部100の下側に配置され、反応管1と熱交換を行うことにより、反応管1の温度を制御して反応管1内の標的核酸を増幅する構成であり、様々な構成が可能である。
【0180】
特に、前記加熱ブロック510は、加熱及び冷却の組み合わせを単位シクロ下として繰り返し行うことにより、標的核酸の増幅を誘導することができ、このとき、温度制御の具体的な内容は、標的核酸の種類に応じて多様に適用され得る。
【0181】
前記熱電モジュール520は、電流の印加及びその方向に応じて温度と加熱及び冷却を調節する構成であり、様々な構成が可能である。
【0182】
特に、前記熱電モジュール520は、従来開示された任意の形態の熱電モジュール520も適用可能であり、反応管1が設けられるマルチウェルプレート40の下部で反応管1を支持する反応ブロック530の底面に対応して設けられ得る。
【0183】
前記反応ブロック530は、底面が熱電モジュール520と面接触し、上面に複数の反応管1が挿入されるための複数の挿入溝531が形成される構成であり、様々な構成が可能である。
【0184】
このとき、前記反応ブロック530は、熱電モジュール520の上側に配置され、反応管1に対応する位置に反応管1の少なくとも一部、より好ましくは収容される標的核酸が完全に挿入されるように挿入溝531を設けることができる。
【0185】
これにより、前記反応ブロック530は、反応管1の下側一部が挿入溝531に挿入されるようにして、熱電モジュール520を介した熱を反応管1、特に標的核酸が位置する反応管1の位置と熱交換を行うことができる。
【0186】
さらに、前記反応ブロック530は、後記する昇降駆動部600を介した上昇すると、反応管1を支持して反応管1を上昇させることにより、反応管1の入口が封止フィルム51に隣接する位置に到達するようにすることができる。
【0187】
前記反応カバー540は、反応ブロック530の外側面を囲むように反応ブロック530に結合される構成であり、様々な構成が可能である。
【0188】
このとき、反応カバー540は、反応ブロック530の縁に結合して熱電モジュール520を介して伝達される熱が反応ブロック530の側面に発散することなく反応ブロック530に伝達され、熱効率が増加するようにすることができる。
【0189】
また、前記反応カバー540は、後記する昇降駆動部600を介して上昇すると、マルチウェルプレート40のプレート41を支持して上昇させることができる。
【0190】
前記測定センサ550は、上側に配置される封止プレート50を検知することにより、封止プレート50の有無を識別する構成であり、様々な構成が可能である。
【0191】
例えば、前記測定センサ550は、反応カバー540の外側に設けられ、上側の封止プレート50又は封止プレート挿入部200を向けて光を照射することにより、反射される光を検知して封止フィルム51の有無を識別することができる。
【0192】
別の例として、前記測定センサ550は、反応カバー540の外側に設けられ、上側の封止プレート50又は封止プレート挿入部200に検知が可能なバーコード、QRコード(登録商標)など識別情報が設けられた場合、識別精度を認識して存在有無及び関連情報を識別することができる。
【0193】
前記放熱部800は、加熱ブロック510の下側に向けられ、加熱ブロック510で発生した熱を外部に伝達する構成であり、様々な構成が可能である。
【0194】
例えば、前記放熱部800は、加熱ブロック510の下側で面接触して設けられる放熱プレート811と、放熱プレート811に設けられる複数の放熱フィン812を含む放熱板810と、複数の放熱フィン812が内部空間S1とは分離される分離空間S2に位置するように放熱プレート811に結合して放熱プレート811と共に分離空間S2を形成する複数の側面部820及び下面部830とを含むことができる。
【0195】
また、前記放熱部800は、分離空間S2とハウジング30の外部と独立して連通するように設けられ、分離空間S2の内気をハウジング30の外気と循環させる空気循環部840をさらに含むことができる。
【0196】
前記放熱板810は、加熱ブロック510の下側に熱電モジュール520と接触して設けられ、加熱ブロック510で発生した熱を外部に伝達する構成であり、様々な構成が可能である。
【0197】
例えば、前記放熱板810は、加熱ブロック510の下側で面接触して設けられる放熱プレート811と、放熱プレート811に設けられる複数の放熱フィン812とを含むことができる。
【0198】
前記放熱板810は、複数の放熱フィン812が下側に位置するように熱電モジュール520の下側に配置される構成であり、従来開示されたいずれの形態の放熱板810も適用可能である。
【0199】
特に、前記放熱プレート811は、内部に冷媒経路813が形成され、冷媒を介した持続的な熱交換が行われることにより、放熱効率を最大化することができる。
【0200】
このとき、前記冷媒経路813及び冷媒は、従来開示された各種の冷媒が適用可能である。
【0201】
また、前記放熱フィン812は、放熱プレート811に複数設けられて放熱効率を増大させる構成であり、様々な構成が可能である。
【0202】
特に、前記放熱フィン812は、単純なフィンの形態で設けられてもよいが、より好ましくは面積を有した平行な面状のフィンであってもよい。
【0203】
一方、前記放熱フィン812は、後記する空気循環部840の円滑な空気循環のために空気の流れ方向と平行に配置されてもよい。
【0204】
前記側面部820及び下面部830は、複数の放熱フィン812が内部空間S1とは分離される分離空間S2に位置するように放熱プレート811に結合して放熱プレート811と共に分離空間S2を形成する構成であり、様々な構成が可能である。
【0205】
すなわち、前記側面部820及び下面部830は、内部に複数の放熱フィン812が内部空間S1とは分離される別途の分離空間S2に位置するように、放熱プレート811の下側縁に側面部820が結合され、複数の側面部820の下側に下面部830が結合されて設けられてもよい。
【0206】
これにより、放熱フィン812が位置する分離空間S2を形成して空気循環部840を介した空気循環が可能となる。
【0207】
前記空気循環部840は、分離空間S2とハウジング30の外部と独立して連通するように設けられ、分離空間S2の内気をハウジング30の外気と循環させる構成であり、様々な構成が可能である。
【0208】
例えば、前記空気循環部840は、下面部830とハウジング30との間に連結される複数の連結配管841と、複数の連結配管841の少なくとも一つに設けられ、ハウジング30外部の空気を吸入するか、分離空間S2内部の空気を排出する空気循環ファン842を含むことができる。
【0209】
すなわち、前記空気循環部840は、前述した側面部820及び下面部830を介して形成される分離空間S2とハウジング30外部と直接連通して分離空間S2に持続的な空気循環を誘導するための構成であり、様々な構成が可能である。
【0210】
例えば、前記空気循環部840は、下面部830とハウジング30との間に連結される複数の連結配管841が連結され、内部空間S1とは分離して独立してハウジング30外部と分離空間S2が連通するようにしてもよい。
【0211】
この場合、前記連結配管841は、後記する昇降駆動部600を介した放熱部800全体の上昇及び下降駆動時の分離空間S2と内部空間S1との間の分離状態を維持するために、蛇管又はベローズで設けられてもよい。
【0212】
前記連結配管841は、より好ましくは3つ設けられ、下面部830とハウジング30との間に連結されてもよい。
【0213】
前記空気循環ファン842は、複数の連結配管841の少なくとも一つに設けられ、ハウジング30外部の空気を吸入するか、分離空間S2内部の空気を排出することができる。
【0214】
より具体的には、前記空気循環ファン842は、複数の連結配管841のうちの一つに設けられてハウジング30外部の空気を吸入することにより、空気循環ファン842が設けられていない他の連結配管841を介して分離空間S2内の空気をハウジング30の外部に排出することができる。
【0215】
また、前記空気循環ファン842は、複数の連結配管841のうちの一つに設けられてハウジング30外部の空気を排出することにより、空気循環ファン842が設けられていない他の連結配管841を介してハウジング30の外部の空気を分離空間S2内に引き込むことができる。
【0216】
前記昇降駆動部600は、
図6A乃至
図6Cに示されるように、放熱部800を上下に駆動することにより、マルチウェルプレート40を支持する加熱ブロック510を上下に移動させ、マルチウェルプレート40の位置を上下に駆動する構成であり、様々な構成が可能である。
【0217】
この場合、前記昇降駆動部600は、単に放熱部800の昇降を介してマルチウェルプレート挿入部100に支持されるマルチウェルプレート40のうち反応管1を加熱ブロック510を介して支持することができる。
【0218】
さらに、前記昇降駆動部600は、放熱部800の昇降を介してマルチウェルプレート挿入部100に支持されるマルチウェルプレート40を加熱ブロック510を介して上昇させて封止フィルム51に隣接する位置まで上昇させて支持することができる。
【0219】
この場合、前記昇降駆動部600は、前述した加圧部310の加圧過程において反応管1の下側を支持することにより、封止の完成度を向上させることができる。
【0220】
一方、別の例として、前記昇降駆動部600は、放熱部800を昇降駆動してマルチウェルプレート40を移動させることにより、複数の反応管1を封止フィルム51に付着することができる。
【0221】
すなわち、前記昇降駆動部600は、前述したように、放熱部800の上昇を介してマルチウェルプレート40を封止フィルムプレート50まで上昇させ、反応管1の入口が封止フィルム51に接触するようにすることにより、反応管1に封止フィルム51を封止することもできる。
【0222】
一方、前記昇降駆動部600は、放熱部800を昇降駆動する構成であり、従来開示された様々な方式の昇降駆動方式を適用することができる。
【0223】
例えば、前記昇降駆動部600は、電気モータを利用したプーリ方式、ボールねじリニア移動方式、油圧駆動方式、電磁場を利用したリニア駆動方式など様々な方式で昇降駆動することができる。
【0224】
より具体的には、前記昇降駆動部600は、外部エネルギーを介して回転する回転駆動源610と、回転駆動源610を介して連結されて回転する昇降回転軸620と、昇降回転軸620に連結される昇降駆動連結ブロック630と、昇降駆動連結ブロック630と放熱部800、より具体的には、下面部830と連結される昇降ガイド640を含むことができる。
【0225】
これにより、前記昇降駆動部600は、回転駆動源610を介して昇降回転軸620が回転することにより、昇降回転軸620とネジ結合された昇降駆動連結ブロック630を上下に移動させ、下面部830を昇降ガイド640に沿って昇降駆動することができる。
【0226】
前記スキャン部700は、反応管1に付着する識別情報コードをスキャンして標的核酸の情報を取得する構成であり、様々な構成が可能である。
【0227】
例えば、前記スキャン部700は、前述した蛍光検出部400に一緒に設けられてもよく、別途ハウジング30の上側に設けられ、反応管1に付着した識別情報コードをスキャンし、標的核酸の情報を取得して識別することができる。
さらに、前記スキャン部700は、封止プレート50に付着された位置情報コードをスキャンし、封止フィルム51の有無をさらに識別することができる。
【0228】
一方、
図10に示されるように、本発明による封止手段、特に封止キャップ52、は例として、反応管1の数に対応して設けられてもよく、より具体的には、8つの反応管1に対応して封止キャップ52が8つ設けられ、両終端で封止キャップ52を使用者が運ぶためのつまみ部が設けられてもよい。
【0229】
すなわち、前記封止キャップ52は、8つが一列に設けられてもよく、両終端の封止キャップ52につまみ部が延びて設けられてもよい。
【0230】
以上は、本発明によって実現することができる好ましい実施例の一部について説明したものに過ぎず、周知のように本発明の範囲は、前記の実施例に限定されて解釈されるべきではなく、前述した本発明の技術的思想とその根本を合わせた技術的思想は、すべて本発明の範囲に含まれるというべきである。