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特許7531161情報処理システム、サーバ、情報処理プログラム、および、情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】情報処理システム、サーバ、情報処理プログラム、および、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/795 20140101AFI20240802BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20240802BHJP
【FI】
A63F13/795
A63F13/58
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021196086
(22)【出願日】2021-12-02
(65)【公開番号】P2023082364
(43)【公開日】2023-06-14
【審査請求日】2023-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】397037890
【氏名又は名称】株式会社インテリジェントシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100158780
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100121359
【弁理士】
【氏名又は名称】小沢 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】前田 耕平
(72)【発明者】
【氏名】大橋 雄史
(72)【発明者】
【氏名】飯田 隼一
(72)【発明者】
【氏名】松下 慎吾
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-077393(JP,A)
【文献】特開2010-167251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対戦ゲームの参加ユーザを決定するための情報処理システムであって、
サーバと、当該サーバと通信可能な複数の端末装置とを含み、
前記端末装置は、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、所定のオブジェクトパラメータがそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、前記対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクトを指定し、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、前記オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータを指定し、
指定された前記利用オブジェクトに関する情報と、指定された前記指定パラメータに関する情報とを含むマッチング要求を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、
前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、前記指定パラメータの値または範囲に対応する前記マッチング要求を複数の前記端末装置から受信した場合、当該複数の前記端末装置のうち、互いの前記マッチング要求に含まれる前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、相手の前記マッチング要求に含まれる前記指定パラメータの値または範囲に対応する2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザとして決定し、
前記オブジェクトに対応付けられる前記オブジェクトパラメータは、
前記対戦ゲームのアプリケーションのバージョンのうち、当該オブジェクトに対応するバージョンに応じた値、
当該オブジェクトが前記アプリケーションにおいて利用可能となった時期に応じた値、
前記対戦ゲームに含まれる、当該対戦ゲームとは異なる複数のゲームのうち、当該オブジェクトが登場するゲームに応じた値、および、
前記複数のオブジェクトが属する複数のグループのうち、当該オブジェクトの属するグループに応じた値、
の少なくともいずれかを示す、情報処理システム。
【請求項2】
対戦ゲームの参加ユーザを決定するための情報処理システムであって、
サーバと、当該サーバと通信可能な複数の端末装置とを含み、
前記端末装置は、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、所定のオブジェクトパラメータがそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、前記対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクトを指定し、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、前記オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータを指定し、
指定された前記利用オブジェクトに関する情報と、指定された前記指定パラメータに関する情報とを含むマッチング要求を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、
前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、前記指定パラメータの値または範囲に対応する前記マッチング要求を複数の前記端末装置から受信した場合、当該複数の前記端末装置のうち、互いの前記マッチング要求に含まれる前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、相手の前記マッチング要求に含まれる前記指定パラメータの値または範囲に対応する2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザとして決定し、
前記対戦ゲームは、第1モードと第2モードとの少なくともいずれかで実行可能であり、
前記第1モードにおいては、前記ユーザに対応付けられるレートが前記対戦ゲームの結果に応じて変動し、前記第2モードにおいては、当該レートは前記対戦ゲームの結果に応じて変動せず、
前記サーバは、前記第2モードにおいて前記指定パラメータに基づく参加者の決定を行い、前記第1モードにおいては前記指定パラメータに基づく前記参加ユーザの決定を行わない、情報処理システム。
【請求項3】
対戦ゲームの参加ユーザを決定するための情報処理システムであって、
サーバと、当該サーバと通信可能な複数の端末装置とを含み、
前記端末装置は、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、所定のオブジェクトパラメータがそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、前記対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクトを指定し、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、前記オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータを指定し、
指定された前記利用オブジェクトに関する情報と、指定された前記指定パラメータに関する情報とを含むマッチング要求を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、
前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、前記指定パラメータの値または範囲に対応する前記マッチング要求を複数の前記端末装置から受信した場合、当該複数の前記端末装置のうち、互いの前記マッチング要求に含まれる前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、相手の前記マッチング要求に含まれる前記指定パラメータの値または範囲に対応する2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザとして決定し、
前記端末装置は、さらに、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、(a)前記対戦ゲームのルールに関するゲーム設定と、当該ゲーム設定が適用されることとを示す第1情報、または、(b)対戦相手となる他のユーザが指定したゲーム設定が適用されることを示す第2情報を含むゲーム設定情報を指定し、
前記マッチング要求は、指定された前記ゲーム設定情報を含み、
前記サーバは、前記マッチング要求に含まれる前記ゲーム設定情報に基づいて前記参加ユーザを決定する、情報処理システム。
【請求項4】
前記サーバは、
前記第1情報を含む前記ゲーム設定情報を含む前記マッチング要求を送信した前記端末装置のユーザと、前記第2情報を含む前記ゲーム設定情報を含む前記マッチング要求を送信した前記端末装置のユーザとを前記参加ユーザに決定し、当該端末装置同士による前記対戦ゲームにおける前記ゲーム設定を、当該第1情報を含む前記ゲーム設定情報に基づいて決定する、請求項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記サーバは、前記第2情報を含む前記ゲーム設定情報を含む前記マッチング要求を送信した2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザに決定し、当該端末装置同士による前記対戦ゲームにおける前記ゲーム設定を自動的に決定する、請求項または請求項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記サーバは、前記第1情報が示す前記ゲーム設定が同じであることを条件として、前記第1情報を含む前記ゲーム設定情報を含む前記マッチング要求を送信した2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザに決定し、当該端末装置同士による前記対戦ゲームにおける前記ゲーム設定を、当該ゲーム設定情報に基づいて決定する、請求項から請求項のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
複数のユーザから対戦ゲームに参加する参加ユーザを決定するサーバであって、
所定のオブジェクトパラメータがそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、前記対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクトとして前記ユーザが指定するオブジェクトに関する情報と、前記オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータとして前記ユーザが指定するパラメータに関する情報とを含むマッチング要求を、当該ユーザの端末装置から受信する受信手段と、
前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、前記指定パラメータの値または範囲に対応する前記マッチング要求を複数の前記端末装置から受信した場合、当該複数の前記端末装置のうち、互いの前記マッチング要求に含まれる前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、相手の前記マッチング要求に含まれる前記指定パラメータの値または範囲に対応する2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザとして決定する決定手段とを備え
前記オブジェクトに対応付けられる前記オブジェクトパラメータは、
前記対戦ゲームのアプリケーションのバージョンのうち、当該オブジェクトに対応するバージョンに応じた値、
当該オブジェクトが前記アプリケーションにおいて利用可能となった時期に応じた値、
前記対戦ゲームに含まれる、当該対戦ゲームとは異なる複数のゲームのうち、当該オブジェクトが登場するゲームに応じた値、および、
前記複数のオブジェクトが属する複数のグループのうち、当該オブジェクトの属するグループに応じた値、
の少なくともいずれかを示す、サーバ。
【請求項8】
複数のユーザから対戦ゲームに参加する参加ユーザを決定するサーバであって、
所定のオブジェクトパラメータがそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、前記対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクトとして前記ユーザが指定するオブジェクトに関する情報と、前記オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータとして前記ユーザが指定するパラメータに関する情報とを含むマッチング要求を、当該ユーザの端末装置から受信する受信手段と、
前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、前記指定パラメータの値または範囲に対応する前記マッチング要求を複数の前記端末装置から受信した場合、当該複数の前記端末装置のうち、互いの前記マッチング要求に含まれる前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、相手の前記マッチング要求に含まれる前記指定パラメータの値または範囲に対応する2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザとして決定する決定手段とを備え、
前記対戦ゲームは、第1モードと第2モードとの少なくともいずれかで実行可能であり、
前記第1モードにおいては、前記ユーザに対応付けられるレートが前記対戦ゲームの結果に応じて変動し、前記第2モードにおいては、当該レートは前記対戦ゲームの結果に応じて変動せず、
前記サーバは、前記第2モードにおいて前記指定パラメータに基づく参加者の決定を行い、前記第1モードにおいては前記指定パラメータに基づく前記参加ユーザの決定を行わない、サーバ。
【請求項9】
複数のユーザから対戦ゲームに参加する参加ユーザを決定するサーバであって、
所定のオブジェクトパラメータがそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、前記対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクトとして前記ユーザが指定するオブジェクトに関する情報と、前記オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータとして前記ユーザが指定するパラメータに関する情報とを含むマッチング要求を、当該ユーザの端末装置から受信する受信手段と、
前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、前記指定パラメータの値または範囲に対応する前記マッチング要求を複数の前記端末装置から受信した場合、当該複数の前記端末装置のうち、互いの前記マッチング要求に含まれる前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、相手の前記マッチング要求に含まれる前記指定パラメータの値または範囲に対応する2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザとして決定する決定手段とを備え、
前記受信手段は、さらに、
前記端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて指定される、(a)前記対戦ゲームのルールに関するゲーム設定と、当該ゲーム設定が適用されることとを示す第1情報、または、(b)対戦相手となる他のユーザが指定したゲーム設定が適用されることを示す第2情報を含むゲーム設定情報を前記端末装置から受信し、
前記マッチング要求は、指定された前記ゲーム設定情報を含み、
前記サーバは、前記マッチング要求に含まれる前記ゲーム設定情報に基づいて前記参加ユーザを決定する、サーバ。
【請求項10】
複数のユーザから対戦ゲームに参加する参加ユーザを決定するサーバのコンピュータに、
所定のオブジェクトパラメータがそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、前記対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクトとして前記ユーザが指定するオブジェクトに関する情報と、前記オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータとして前記ユーザが指定するパラメータに関する情報とを含むマッチング要求を、当該ユーザの端末装置から受信させ、
前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、前記指定パラメータの値または範囲に適合する前記マッチング要求を複数の前記端末装置から受信した場合、当該複数の前記端末装置のうち、互いの前記マッチング要求に含まれる前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、相手の前記マッチング要求に含まれる前記指定パラメータの値または範囲に適合する2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザとして決定させる、情報処理プログラムであって、
前記オブジェクトに対応付けられる前記オブジェクトパラメータは、
前記対戦ゲームのアプリケーションのバージョンのうち、当該オブジェクトに対応するバージョンに応じた値、
当該オブジェクトが前記アプリケーションにおいて利用可能となった時期に応じた値、
前記対戦ゲームに含まれる、当該対戦ゲームとは異なる複数のゲームのうち、当該オブジェクトが登場するゲームに応じた値、および、
前記複数のオブジェクトが属する複数のグループのうち、当該オブジェクトの属するグループに応じた値、
の少なくともいずれかを示す、情報処理プログラム
【請求項11】
複数のユーザから対戦ゲームに参加する参加ユーザを決定するサーバのコンピュータに、
所定のオブジェクトパラメータがそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、前記対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクトとして前記ユーザが指定するオブジェクトに関する情報と、前記オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータとして前記ユーザが指定するパラメータに関する情報とを含むマッチング要求を、当該ユーザの端末装置から受信させ、
前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、前記指定パラメータの値または範囲に適合する前記マッチング要求を複数の前記端末装置から受信した場合、当該複数の前記端末装置のうち、互いの前記マッチング要求に含まれる前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、相手の前記マッチング要求に含まれる前記指定パラメータの値または範囲に適合する2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザとして決定させる、情報処理プログラムであって、
前記対戦ゲームは、第1モードと第2モードとの少なくともいずれかで実行可能であり、
前記第1モードにおいては、前記ユーザに対応付けられるレートが前記対戦ゲームの結果に応じて変動し、前記第2モードにおいては、当該レートは前記対戦ゲームの結果に応じて変動せず、
前記情報処理プログラムは、前記コンピュータに、前記第2モードにおいて前記指定パラメータに基づく参加者の決定を行わせ、前記第1モードにおいては前記指定パラメータに基づく前記参加ユーザの決定を行わせない、情報処理プログラム。
【請求項12】
複数のユーザから対戦ゲームに参加する参加ユーザを決定するサーバのコンピュータに、
所定のオブジェクトパラメータがそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、前記対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクトとして前記ユーザが指定するオブジェクトに関する情報と、前記オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータとして前記ユーザが指定するパラメータに関する情報とを含むマッチング要求を、当該ユーザの端末装置から受信させ、
前記端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて指定される、(a)前記対戦ゲームのルールに関するゲーム設定と、当該ゲーム設定が適用されることとを示す第1情報、または、(b)対戦相手となる他のユーザが指定したゲーム設定が適用されることを示す第2情報を含むゲーム設定情報を前記端末装置から受信させ、
前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、前記指定パラメータの値または範囲に適合する前記マッチング要求を複数の前記端末装置から受信した場合、当該複数の前記端末装置のうち、互いの前記マッチング要求に含まれる前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、相手の前記マッチング要求に含まれる前記指定パラメータの値または範囲に適合する2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザとして決定させる、情報処理プログラムであって、
前記マッチング要求は、指定された前記ゲーム設定情報を含み、
前記情報処理プログラムは、前記コンピュータに、前記マッチング要求に含まれる前記ゲーム設定情報に基づいて前記参加ユーザを決定させる、情報処理プログラム。
【請求項13】
対戦ゲームの参加ユーザを決定する情報処理システムにおいて実行される情報処理方法であって、
前記情報処理システムは、サーバと、当該サーバと通信可能な複数の端末装置とを含み、
前記端末装置は、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、所定のオブジェクトパラメータがそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、前記対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクトを指定し、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、前記オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータを指定し、
指定された前記利用オブジェクトに関する情報と、指定された前記指定パラメータに関する情報とを含むマッチング要求を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、
前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、前記指定パラメータの値または範囲に対応する前記マッチング要求を複数の前記端末装置から受信した場合、当該複数の前記端末装置のうち、互いの前記マッチング要求に含まれる前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、相手の前記マッチング要求に含まれる前記指定パラメータの値または範囲に対応する2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザとして決定し、
前記オブジェクトに対応付けられる前記オブジェクトパラメータは、
前記対戦ゲームのアプリケーションのバージョンのうち、当該オブジェクトに対応するバージョンに応じた値、
当該オブジェクトが前記アプリケーションにおいて利用可能となった時期に応じた値、
前記対戦ゲームに含まれる、当該対戦ゲームとは異なる複数のゲームのうち、当該オブジェクトが登場するゲームに応じた値、および、
前記複数のオブジェクトが属する複数のグループのうち、当該オブジェクトの属するグループに応じた値、
の少なくともいずれかを示す、情報処理方法。
【請求項14】
対戦ゲームの参加ユーザを決定する情報処理システムにおいて実行される情報処理方法であって、
前記情報処理システムは、サーバと、当該サーバと通信可能な複数の端末装置とを含み、
前記端末装置は、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、所定のオブジェクトパラメータがそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、前記対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクトを指定し、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、前記オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータを指定し、
指定された前記利用オブジェクトに関する情報と、指定された前記指定パラメータに関する情報とを含むマッチング要求を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、
前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、前記指定パラメータの値または範囲に対応する前記マッチング要求を複数の前記端末装置から受信した場合、当該複数の前記端末装置のうち、互いの前記マッチング要求に含まれる前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、相手の前記マッチング要求に含まれる前記指定パラメータの値または範囲に対応する2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザとして決定し、
前記対戦ゲームは、第1モードと第2モードとの少なくともいずれかで実行可能であり、
前記第1モードにおいては、前記ユーザに対応付けられるレートが前記対戦ゲームの結果に応じて変動し、前記第2モードにおいては、当該レートは前記対戦ゲームの結果に応じて変動せず、
前記サーバは、前記第2モードにおいて前記指定パラメータに基づく参加者の決定を行い、前記第1モードにおいては前記指定パラメータに基づく前記参加ユーザの決定を行わない、情報処理方法。
【請求項15】
対戦ゲームの参加ユーザを決定する情報処理システムにおいて実行される情報処理方法であって、
前記情報処理システムは、サーバと、当該サーバと通信可能な複数の端末装置とを含み、
前記端末装置は、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、所定のオブジェクトパラメータがそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、前記対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクトを指定し、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、前記オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータを指定し、
指定された前記利用オブジェクトに関する情報と、指定された前記指定パラメータに関する情報とを含むマッチング要求を前記サーバへ送信し、
前記サーバは、
前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、前記指定パラメータの値または範囲に対応する前記マッチング要求を複数の前記端末装置から受信した場合、当該複数の前記端末装置のうち、互いの前記マッチング要求に含まれる前記利用オブジェクトの前記オブジェクトパラメータの値が、相手の前記マッチング要求に含まれる前記指定パラメータの値または範囲に対応する2つの前記端末装置の各ユーザを前記参加ユーザとして決定し、
前記端末装置は、さらに、
当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、(a)前記対戦ゲームのルールに関するゲーム設定と、当該ゲーム設定が適用されることとを示す第1情報、または、(b)対戦相手となる他のユーザが指定したゲーム設定が適用されることを示す第2情報を含むゲーム設定情報を指定し、
前記マッチング要求は、指定された前記ゲーム設定情報を含み、
前記サーバは、前記マッチング要求に含まれる前記ゲーム設定情報に基づいて前記参加ユーザを決定する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対戦ゲームの参加ユーザを決定するための情報処理システム、サーバ、情報処理プログラム、および、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対戦ゲームにおいてユーザ同士をマッチングすることで当該対戦ゲームの参加ユーザを決定することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開第2020-168229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対戦ゲームの対戦相手をマッチングする場合には、ユーザにとって適切な対戦相手を決定することが好ましい。
【0005】
それ故、本発明の目的は、ユーザにとって適切な対戦相手を決定することができる情報処理システム、サーバ、情報処理プログラム、および、情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本発明は、以下の(1)~(10)の構成を採用した。
【0007】
(1)
本発明の一例は、対戦ゲームの参加ユーザを決定するための情報処理システムである。情報処理システムは、サーバと、当該サーバと通信可能な複数の端末装置とを含む。端末装置は、当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、所定のオブジェクトパラメータがそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクトを指定する。端末装置は、当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータを指定する。端末装置は、指定された利用オブジェクトに関する情報と、指定された指定パラメータに関する情報とを含むマッチング要求をサーバへ送信する。サーバは、利用オブジェクトのオブジェクトパラメータの値が、指定パラメータの値または範囲に対応するマッチング要求を複数の端末装置から受信した場合、当該複数の端末装置のうち、互いのマッチング要求に含まれる利用オブジェクトのオブジェクトパラメータの値が、相手のマッチング要求に含まれる指定パラメータの値または範囲に対応する2つの端末装置の各ユーザを参加ユーザとして決定する。
【0008】
上記(1)の構成によれば、情報処理システムは、ユーザによって指定される指定パラメータを考慮して参加ユーザを決定することで、ユーザにとって適切な対戦相手を決定することができる。
【0009】
(2)
端末装置は、対戦ゲームのアプリケーションを実行してもよい。オブジェクトに対応付けられるオブジェクトパラメータは、アプリケーションのバージョンのうち、当該オブジェクトに対応するバージョンに応じた値を示すものであってもよい。
【0010】
上記(2)の構成によれば、ユーザは、特定のバージョンに対応するオブジェクトが利用オブジェクトとして用いられることを条件として、対戦ゲームを行うことができる。
【0011】
(3)
端末装置は、対戦ゲームのアプリケーションを実行してもよい。オブジェクトに対応付けられるオブジェクトパラメータは、当該オブジェクトがアプリケーションにおいて利用可能となった時期に応じた値を示すものであってもよい。
【0012】
上記(3)の構成によれば、ユーザは、特定の期間に利用可能となったオブジェクトが利用オブジェクトとして用いられることを条件として、対戦ゲームを行うことができる。
【0013】
(4)
対戦ゲームのアプリケーションには、当該対戦ゲームとは異なる複数のゲームが含まれてもよい。複数のオブジェクトは、それぞれ、複数のゲームのいずれかにおいて登場してもよい。オブジェクトに対応付けられるオブジェクトパラメータは、当該オブジェクトが登場するゲームに応じた値を示すものであってもよい。
【0014】
上記(4)の構成によれば、ユーザは、上記アプリケーションにおける複数のゲームのうちで特定のゲームに登場するオブジェクトが利用オブジェクトとして用いられることを条件として、対戦ゲームを行うことができる。
【0015】
(5)
複数のオブジェクトは、それぞれ、複数のグループのいずれかに属してもよい。オブジェクトに対応付けられるオブジェクトパラメータは、当該オブジェクトの属するグループに応じた値を示すものであってもよい。
【0016】
上記(5)の構成によれば、ユーザは、特定のグループに属するオブジェクトが利用オブジェクトとして用いられることを条件として、対戦ゲームを行うことができる。
【0017】
(6)
対戦ゲームは、第1モードと第2モードとの少なくともいずれかで実行可能であってもよい。第1モードにおいては、ユーザに対応付けられるレートが対戦ゲームの結果に応じて変動し、第2モードにおいては、当該レートは対戦ゲームの結果に応じて変動しないようにしてもよい。サーバは、第2モードにおいて指定パラメータに基づく参加者の決定を行い、第1モードにおいては指定パラメータに基づく参加ユーザの決定を行わないようにしてもよい。
【0018】
上記(6)の構成によれば、第2モードにおいては、指定パラメータを用いることでユーザが対戦相手に関する条件を指定することができるとともに、第1モードにおいては、参加ユーザの決定に指定パラメータが用いられないので対戦ゲームにおいてユーザが有利になりすぎる可能性を低減することができる。
【0019】
(7)
端末装置は、さらに、当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、(a)対戦ゲームのルールに関するゲーム設定と、当該ゲーム設定が適用されることとを示す第1情報、または、(b)対戦相手となる他のユーザが指定したゲーム設定が適用されることを示す第2情報を含むゲーム設定情報を指定してもよい。マッチング要求は、指定されたゲーム設定情報を含んでもよい。サーバは、マッチング要求に含まれるゲーム設定情報に基づいて参加ユーザを決定してもよい。
【0020】
上記(7)の構成によれば、ユーザは、所望のゲーム設定で行われることを条件として対戦ゲームを行うことができる。また、上記第2情報によって、参加ユーザの決定を行いやすくすることができる。
【0021】
(8)
サーバは、第1情報を含むゲーム設定情報を含むマッチング要求を送信した端末装置のユーザと、第2情報を含むゲーム設定情報を含むマッチング要求を送信した端末装置のユーザとを参加ユーザに決定し、当該端末装置同士による対戦ゲームにおけるゲーム設定を、当該第1情報を含むゲーム設定情報に基づいて決定してもよい。
【0022】
上記(8)の構成によれば、ユーザが希望するゲーム設定での対戦ゲームを可能としつつ、適切に参加ユーザを決定することができる。
【0023】
(9)
サーバは、第2情報を含むゲーム設定情報を含むマッチング要求を送信した2つの端末装置の各ユーザを参加ユーザに決定し、当該端末装置同士による対戦ゲームにおけるゲーム設定を自動的に決定してもよい。
【0024】
上記(9)の構成によれば、ゲーム設定を自動的に決定することで、第2情報を含むマッチング要求に対応するユーザ同士を参加ユーザとすることができる。これによって、参加ユーザの決定を行いやすくすることができる。
【0025】
(10)
サーバは、第1情報が示すゲーム設定が同じであることを条件として、第1情報を含むゲーム設定情報を含むマッチング要求を送信した2つの端末装置の各ユーザを参加ユーザに決定し、当該端末装置同士による対戦ゲームにおけるゲーム設定を、当該ゲーム設定情報に基づいて決定してもよい。
【0026】
上記(10)の構成によれば、第1情報を含むマッチング要求に対応するユーザ同士を参加ユーザとして決定することで、参加ユーザの決定をより行いやすくすることができる。
【0027】
なお、本発明の別の一例は、上記(1)~(10)における各手段の全部または一部を備える情報処理装置(例えば、端末装置またはサーバ)であってもよい。また、本発明の別の一例は、上記手段の全部または一部としてコンピュータを機能させる情報処理プログラム(例えば、ゲームプログラム)であってもよい。また、本発明の別の一例は、上記(1)~(10)の情報処理システムにおいて実行される情報処理方法(例えば、ゲーム処理方法)であってもよい。
【発明の効果】
【0028】
上記情報処理システム、サーバ、情報処理プログラム、および、情報処理方法によれば、ユーザにとって適切な対戦相手を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施形態における情報処理システムの構成の一例を示すブロック図
図2】サーバの構成の一例を示すブロック図
図3】端末装置の構成の一例を示すブロック図
図4】情報処理システムにおいて表示されるゲーム画像の一例を示す図
図5】対戦ゲームにおける手番およびターンが進められる一例を示す図
図6】ターンの終了時において制圧エリア内にキャラクタが配置されている場合におけるゲーム画像の一例を示す図
図7】対戦ゲームにおいて制圧エリアが移動された後のゲーム画像を示す図
図8】端末装置においてマッチング要求を送信する際に表示される設定画像の一例を示す図
図9】対戦ゲームにおけるゲーム設定の決定方法の一例を示す図
図10】第2レート対戦モードにおいて利用チームが決定されるまでの処理の流れの一例を示す図
図11】情報処理システムにおける情報処理に用いられる各種データの一例を示す図
図12】情報処理システムにおける情報処理に用いられる各種データの一例を示す図
図13】端末装置によって実行される対戦ゲーム処理の流れの一例を示すフローチャート
図14図13に示すステップS14における手番処理の詳細な流れの一例を示すサブフローチャート
図15】端末装置によって実行される第1マッチング要求処理の流れの一例を示すフローチャート
図16】端末装置によって実行される第2マッチング要求処理の流れの一例を示すフローチャート
図17】サーバによって実行されるマッチング処理の流れの一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0030】
[1.情報処理システムの構成]
以下、本実施形態に係る情報処理システム、情報処理プログラム、および、情報処理方法について説明する。まず、本実施形態に係る情報処理システムの全体構成と、情報処理システムに含まれる端末装置およびサーバの構成とについて説明する。図1は、本実施形態における情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理システムは、サーバ1と、複数の端末装置(図1に示す例においては、端末装置2aおよび2b)とを含む。以下では、複数の端末装置のうちの任意の1つの端末装置を「端末装置2」と記載することがある。これらのサーバ1および端末装置2は、インターネットおよび/またはモバイル通信網等のネットワーク3に接続可能である。サーバ1および端末装置2は、ネットワーク3を介して互いに通信可能である。
【0031】
サーバ1は、端末装置2において実行されるアプリケーション(具体的には、ゲームアプリケーション)に関するサービスを提供するためのサーバである。本実施形態において、サーバ1は、端末装置2においてゲームを実行するためのゲームサーバであり、端末装置2においてゲーム処理を実行するための環境を提供する。例えば、サーバ1は、ゲーム処理を実行する端末装置2からの要求に応じて、必要に応じてゲーム処理を実行し、要求に応じたデータを当該端末装置2へ送信する(図1参照)。
【0032】
端末装置2は、ユーザが有する情報処理装置の一例であり、例えば、スマートフォン、携帯型または据置型のゲーム装置、携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、あるいは、ウェアラブル端末等である。端末装置2は、サーバ1がサービスを提供するゲームのためのゲームプログラム(換言すれば、ゲームアプリケーション)を実行することが可能である。なお、情報処理システムに含まれる各端末装置は、同じ種類の情報処理装置であってもよいし、異なる種類の情報処理装置であってもよい。
【0033】
(サーバ1の構成の具体例)
図2は、サーバ1の構成の一例を示すブロック図である。図2に示す、サーバ1が備える各構成は、1以上の情報処理装置によって実現される。ここで、本明細書では、「サーバ」とは、1つの情報処理装置(すなわち、サーバ装置)を指す他、そのサーバの機能が複数のサーバ装置によって実現される場合にはサーバ装置群(すなわち、サーバシステム)全体を指す意味である。つまり、「サーバ」とは、サーバ装置であってもよいし、サーバシステムであってもよい。なお、サーバシステムに複数の情報処理装置が含まれる場合、各情報処理装置は、同じ場所に配置されてもよいし、異なる場所に配置されてもよい。なお、本実施形態におけるサーバ1のハードウェア構成は、従来のサーバのためのハードウェア構成と同様であってもよい。
【0034】
図2に示すように、サーバ1は、処理部11および記憶部12を備える。処理部11は、サーバ1の各部12~15に電気的に接続される。処理部11は、CPU(Central Processing Unit、換言すれば、プロセッサ)およびメモリを有する。サーバ1においては、CPUがメモリを用いて、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって各種の情報処理が実行される。記憶部12は、処理部11がアクセス可能な任意の記憶装置(記憶媒体とも言う)である。記憶部12は、処理部11において実行されるプログラム、処理部11による情報処理に用いられるデータ、および、当該情報処理によって得られたデータ等を記憶する。本実施形態においては、記憶部12は、端末装置2において実行されるゲーム処理のためにサーバ側で実行されるゲーム処理のためのプログラムを少なくとも記憶する。
【0035】
サーバ1は、通信部13を備える。通信部13は、ネットワーク3に接続し、ネットワーク3を介して他の装置(例えば、端末装置2)と通信を行う機能を有する。処理部11は、通信部13を用いて、上記他の装置へ情報を送信したり、上記他の装置から情報を受信したりする。また、サーバ1は、入出力インターフェースとして、入力部14および表示部15を備える。
【0036】
(端末装置2の構成の具体例)
図3は、端末装置2の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、端末装置2は、処理部21および記憶部22を備える。処理部21は、端末装置2の各部22~25に電気的に接続される。処理部21は、CPU(換言すれば、プロセッサ)およびメモリを有する。端末装置2においては、CPUがメモリを用いて、記憶部22に記憶されたプログラム(より具体的には、ゲームプログラム)を実行することによって各種の情報処理が実行される。記憶部22は、処理部21において実行されるプログラム、処理部21による情報処理に用いられるデータ、および、当該情報処理によって得られたデータ等を記憶する。記憶部22は、端末装置2の本体装置(具体的には、処理部21が設けられる装置)に内蔵される記憶媒体であってもよいし、本体装置に対して着脱可能な記憶媒体(例えば、カード記憶媒体)であってもよい。なお、上記プログラムは、サーバ1から端末装置2へダウンロードされることによって本体装置に記憶されてもよい。
【0037】
端末装置2は、入力部23を備える。入力部23は、ユーザによって行われた入力に基づくデータを処理部21へ出力する。処理部21は、入力部23からのデータに基づいて、ユーザによって行われた入力の内容を判断する。入力部23は、ユーザによる入力を受け付ける任意の入力装置であってよい。本実施形態において、入力部23は、後述する表示部24の画面に設けられるタッチパネルを備える。なお、入力部23は、タッチパネルに加えて(または代えて)、ボタン、および/または、慣性センサ(例えば、加速度センサやジャイロセンサ)等を含んでいてもよい。入力部23は、端末装置2の本体装置に設けられる入力装置であってもよいし、本体装置とは別体の入力装置(例えば、ゲームコントローラ)であってもよい。
【0038】
端末装置2は、表示部24を備える。表示部24は、端末装置2の処理部21において実行される情報処理によって生成された画像(例えば、ゲーム画像等)を表示する。表示部24は、端末装置2の本体装置に設けられる表示装置であってもよいし、本体装置とは別体の表示装置であってもよい。なお、端末装置2は、スピーカ、マイク、および/または、カメラ等を備えていてもよい。
【0039】
端末装置2は、通信部25を備える。本実施形態において、通信部25は、モバイル通信網(換言すれば、携帯電話通信網)に接続して通信を行う機能を有する。すなわち、端末装置2(具体的には、処理部21)は、通信部25を用いて(換言すれば、通信部25を介して)モバイル通信網を介してネットワーク3に接続し、他の装置(例えば、サーバ1等)と通信を行う。処理部21は、通信部25を用いて、上記他の装置へ情報を送信したり、上記他の装置から情報を受信したりする。なお、端末装置2がネットワーク3を介した通信を行うための通信部の構成は任意である。例えば、通信部25は、Wi-Fiの認証を受けた通信モジュールによって無線LANに接続する機能を有していてもよいし、モバイル通信網に接続する機能と、無線LANに接続する機能との両方を有していてもよい。
【0040】
[2.情報処理システムにおける処理の概要]
以下、本実施形態における情報処理システムにおいて実行される処理の概要について説明する。本実施形態においては、情報処理システムにおいて実行されるゲームアプリケーション内において、ゲームキャラクタ(以下、単に「キャラクタ」と記載する)を用いた対戦ゲームが実行される。本実施形態においては、ユーザが操作するキャラクタをユニット(換言すれば、駒)として敵キャラクタと戦わせるシミュレーションゲームが行われる。キャラクタは、ゲームオブジェクトの一例であり、例えばゲームに登場する人物であるが、ゲームの設定において個性を有する物であれば人物に限らない。例えば、ゲームオブジェクトとして、動物、武器、または、アイテム等が用いられてもよい。
【0041】
[2-1.対戦ゲームの流れ]
本実施形態における対戦ゲームは、複数のキャラクタを含むチーム同士が対戦する形式のゲームである。以下においては、情報処理システムに含まれる複数の端末装置のうち主に端末装置2aにおいて対戦ゲームが行われる場合について説明するものとし、端末装置2aのユーザが操作するチームを「自軍チーム」と呼び、当該チームの対戦相手となるチームを「敵軍チーム」と呼ぶ。また、自軍チームに含まれるキャラクタを「自軍キャラクタ」と呼び、敵軍チームに含まれるキャラクタを「敵軍キャラクタ」と呼ぶ。
【0042】
敵軍チームは、端末装置2aのユーザとは異なる他のユーザによって操作されてもよいし、情報処理システムによって(すなわち、情報処理システムが所定のアルゴリズムおよび/またはAIを用いることによって)制御されてもよい。敵軍チームが他のユーザによって操作される場合、端末装置2aとは異なる他の端末装置(ここでは、一例として、図1に示す端末装置2bとする)が当該他のユーザによって用いられ、当該他の端末装置2bが当該他のユーザによる入力を受け付ける。端末装置2aと他の端末装置2bは直接またはサーバ1を介して通信を行い、2つの端末装置2aおよび2bの間でゲームデータ(例えば、端末装置に対して行われた入力を示すデータ、または、当該入力によって制御されたキャラクタの動作を示すデータ等)をやり取りすることで、対戦ゲームが進められる。また、敵軍チームが情報処理システムによって制御(操作とも言える)される場合、サーバ1が敵軍チームの制御を行い、サーバ1と端末装置2aとの間でゲームデータをやり取りすることで、対戦ゲームが進められる。なお、敵軍チームが情報処理システムによって制御される場合、端末装置2が(ユーザによる指示には依らずに)敵軍チームの制御を行うようにしてもよい。
【0043】
図4は、情報処理システムにおいて表示されるゲーム画像の一例を示す図である。図4に示すように、ゲーム空間31には、自軍キャラクタ32a~32eと、敵軍キャラクタ33a~33eとがそれぞれ配置される。なお、本実施形態においては、対戦ゲームの開始時において1つのチームは5つのキャラクタを含むが、1つのチームに含まれるキャラクタの数は2以上の任意の数であってよい。
【0044】
本実施形態においては、対戦ゲームに用いられる自軍キャラクタは、端末装置2aのユーザの指示に基づいて決定される。具体的には、対戦ゲームの開始前において、ユーザは、自身が所有するキャラクタ(すなわち、対戦ゲームのゲームアプリケーションにおいてユーザが利用可能なキャラクタ)のうちから、自軍キャラクタとして利用するキャラクタを選択しておく。なお、情報処理システムは、自軍チームに含めることができる自軍キャラクタに制限を設けてもよい。例えば、情報処理システムは、特定のスキル(例えば、他の自軍キャラクタを再行動させることができるスキル)を有するキャラクタは自軍チームに1つのみ含めることができるという制限を設けてもよい。
【0045】
また、本実施形態においては、チームに含まれる5つのキャラクタのうち1つは、隊長キャラクタに設定される。隊長キャラクタの詳細については後述する。ユーザは、自身が操作するチームに含まれる5つのキャラクタを指定する際に、当該5つのキャラクタのうちから隊長キャラクタを指定する。
【0046】
図4に示すように、本実施形態におけるゲーム空間31は、マス目に区分されており、1つのキャラクタは、1つのマス目に配置される。なお、他の実施形態においては、ゲーム空間はマス目に区分されていなくてもよい。本実施形態においては、ゲーム空間31は、縦10マスおよび横8マスの大きさである。ただし、端末装置2aの表示部24の表示領域を効率良く使用する目的で、ゲーム空間31は長方形ではない。上記縦10マスおよび横8マスからなる長方形の領域のうち、右下の角部分における縦2マスおよび横2マス分の大きさの領域は、残り時間領域34である。また、上記長方形の領域のうち、左上の角部分における縦2マスおよび横2マス分の大きさの領域は、ターン数領域35である。残り時間領域34は、ユーザが自軍キャラクタに対する操作を行う場合における残り時間等を表示するための領域である。ターン数領域35は、対戦ゲームにおけるターン数等を表示するための領域である。残り時間領域34およびターン数領域35の詳細については後述する。
【0047】
本実施形態における対戦ゲームは、チームのキャラクタに対する操作の手番がチーム毎に(チーム単位で、とも言える)順次切り替えられながらゲームが進められる手番制のゲームである。また、本実施形態における対戦ゲームは、ターン制のゲームでもあり、1ターン中において1つのキャラクタが行動することができる回数に制限が設けられる。また、本実施形態における対戦ゲームでは、1ターン中において1つのチームに回る手番の回数(後述する手番上限回数)が決められている。
【0048】
図5は、対戦ゲームにおける手番およびターンが進められる一例を示す図である。図5に示す例における1ターン目では、各チームに手番が交互に回されている。このように、情報処理システムは、基本的には各チームに手番が交互に回るように(つまり、一方のチームの手番の次には他方のチームの手番となるように)手番を設定する。ただし、本実施形態においては、手番の設定に例外があり、手番は各チームに交互に回らない場合もある。
【0049】
チームに手番が設定される場合、当該チームが操作可能状態となる。つまり、この場合、当該チームに含まれるキャラクタが操作可能状態となる。端末装置2aのユーザは、自軍チームに手番が設定される場合、自軍キャラクタを操作可能となる。一方、敵軍チームに手番が設定される場合、敵軍キャラクタは他のユーザまたは情報処理システムによって操作可能となる。
【0050】
本実施形態においては、情報処理システムは、1回の手番において、1つのキャラクタに対する1回の操作を受け付ける。本実施形態においては、1回の操作においてはキャラクタに対して、例えば次の行動をとらせることができる。
・移動
・待機
・相手のキャラクタに対する攻撃
・味方のキャラクタに対する補助動作
・移動と攻撃とを組み合わせた動作
・移動と補助動作とを組み合わせた動作
・特殊スキルを発動する動作
【0051】
上記の移動とは、ゲーム空間31においてキャラクタが移動する動作である。なお、キャラクタが移動できる距離は、キャラクタ毎に設定されている。
【0052】
上記の待機とは、キャラクタが現在の位置に待機する動作である。本実施形態における対戦ゲームにおいては、キャラクタをその場から移動させずに手番を進めたいとユーザが考える場合もあり得ることから、情報処理システムはキャラクタが待機の動作を行うことを可能としている。
【0053】
上記の攻撃は、キャラクタ毎に設定される攻撃可能範囲内に位置する対戦相手のうちの1つのキャラクタを攻撃する動作である。攻撃の動作が行われた場合、動作を行ったキャラクタと、当該対戦相手の1つのキャラクタとの間で戦闘が行われる。なお、情報処理システムは、戦闘の結果に応じて各キャラクタの体力を減少させる。キャラクタの体力が0になった場合、情報処理システムは当該キャラクタをゲーム空間31から消滅させる。
【0054】
補助動作は、例えば、対象となる味方のキャラクタの体力を回復したり、味方のキャラクタの能力を向上させたり、味方キャラクタを移動(例えば、隣接する味方キャラクタと補助動作を行うキャラクタの位置を入れ替える等)させたり、再行動させたり(すなわち、後述する行動済状態を解除させる)する動作である。なお、補助動作を行うことができる範囲は、補助動作の種類毎に予め定められている。
【0055】
移動と攻撃とを組み合わせた動作とは、例えば、キャラクタがゲーム空間31を移動してから、移動後の位置で攻撃を行う動作である。また、移動と補助動作とを組み合わせた動作とは、例えば、ゲーム空間31を移動してから、移動後の位置で補助動作を行う動作である。なお、本実施形態においては、所定のスキル(すなわち、再移動のスキル)を有するキャラクタについては、攻撃後または補助動作後において移動を行うことも可能である。このようなキャラクタは、1回の操作において、移動と攻撃または補助動作とを組み合わせた動作として、移動を行った後で攻撃または補助動作を行い、その後にさらに移動を行うことも可能である。
【0056】
上記特殊スキルとは、対戦ゲームに利用可能なキャラクタのうち、特定の種類のキャラクタが有するスキルである。特殊スキルの内容は任意であるが、例えば、特殊スキルは、相手のキャラクタにダメージを与えたり、自身や味方のキャラクタの能力を向上させたり、自身や味方のキャラクタを再行動させたりすることができるスキルである。本実施形態においては、特殊スキルは、上記特定の種類のキャラクタとは異なるキャラクタが有するスキル(すなわち、通常のスキル)とは異なる種類のスキルであり、異なる効果を有するスキルである。ただし、他の実施形態においては、特殊スキルは、通常のスキルと同じ効果を有するものであってもよい。なお、特殊スキルに対しては、1回の対戦ゲームにおいて発動できる回数やタイミングに条件が設定されてもよい。
【0057】
上記のように、本実施形態においては、1回の手番を消費するキャラクタの行動には、移動や攻撃といった動作の他に、特殊スキルを発動する動作が含まれる。これによれば、1回の手番において、キャラクタは例えば攻撃と特殊スキルの発動との両方の動作を行うことができないので、特殊スキルを有するキャラクタが有利になりすぎるといった不都合を軽減することができる。また、1回の手番において、キャラクタに攻撃と特殊スキルの発動とのいずれを行わせるかという点について戦略性が生じるので、対戦ゲームの戦略性を向上することができる。
【0058】
本実施形態においては、1回の手番において、1つのキャラクタに対する1回の操作が可能である(1つのキャラクタによる1回の行動が可能であるとも言える。)。つまり、1回の手番において1回の操作が完了すると、手番はもう一方のチームに移る(すなわち、もう一方のチームに手番が設定される)。このように、情報処理システムは、操作可能状態であるチームに含まれる1つのキャラクタによる行動が完了した場合に、操作可能状態となるチームを設定し直して対戦ゲームを進行させる。これによれば、情報処理システムは、各チームが手番を切り替えながらゲームを進行させる対戦ゲームを行うことができる。なお、他の実施形態においては、1回の手番においてユーザが行うことができる、キャラクタに対する操作の回数(キャラクタが行う行動の回数とも言える)は、2回以上の所定回数であってもよい。
【0059】
本実施形態においては、情報処理システムは、ターン中においてキャラクタに行動をとらせたことによって当該キャラクタが行動終了条件を満たした場合、当該キャラクタを行動済状態とする。行動済状態とは、当該キャラクタによる行動が制限される状態である。すなわち、情報処理システムは、行動済状態であるキャラクタによる行動を制限する。ユーザは、行動済状態であるキャラクタに対しては操作を行うことができない。これによれば、1ターンにおいて同じキャラクタを何度も操作することによってゲームが有利になりすぎることを防止することができる。
【0060】
なお、本実施形態においては、上記特殊スキルを有しないキャラクタについては、上記行動終了条件は、任意の内容の1回の操作が行われたこと(操作に応じた行動を完了したこととも言える)である。つまり、上記特殊スキルを有しないキャラクタは、1回の操作に応じて1回の行動を完了した場合に行動済状態となる。一方、上記特殊スキルを有するキャラクタについては、上記行動終了条件は、1ターン中において、特殊スキルを発動する動作と、特殊スキルを発動する動作以外の動作との両方を行ったことである。つまり、上記特殊スキルを有するキャラクタは、1回の操作に応じて特殊スキルを発動する動作を行い、さらに、もう1回の操作に応じて、特殊スキルを発動する動作以外の動作を行った場合に行動済状態となる。なお、特殊スキルが発動できない状態(例えば、1回の対戦ゲームで一度のみ発動可能な特殊スキルを発動した後)においては、特殊スキルを有するキャラクタであっても、1回の操作に応じて1回の行動を完了した場合に行動済状態となる。
【0061】
以上のように、本実施形態においては、各チームに含まれる各キャラクタは、特殊スキルを有する第1の種類のキャラクタと、特殊スキルを有しない第2の種類のキャラクタとに区別される。情報処理システムは、第1の種類のキャラクタについては、特殊スキルを発動する動作と、当該動作とは異なる動作とを1回ずつ行わせた場合に行動終了条件が満たされたと判定する。一方、第2の種類のキャラクタについては、情報処理システムは、当該キャラクタに行動を1回行わせた場合に行動終了条件が満たされたと判定する。ここで、仮に、上記第1の種類のキャラクタについても第2の種類のキャラクタと同様に、1回の行動をとった場合に行動済状態とする場合を考える。この場合、当該キャラクタは、特殊スキルを発動する動作を行ってしまうと、現在のターン中には移動等の他の動作を行うことができなくなるので、当該キャラクタが不利になりすぎてしまう。これに対して、本実施形態においては、第1の種類のキャラクタについての行動終了条件を上記のように判定することによって、第1の種類のキャラクタが不利になりすぎることを防止することができる。
【0062】
図4に示すように、ゲーム画像におけるターン数領域35は、自軍手番画像36および敵軍手番画像37を含む。自軍手番画像36は、現在のターンにおける自軍チームの残り手番を示し、敵軍手番画像36は、現在のターンにおける敵軍チームの残り手番を示す。具体的には、各手番画像36および37は、対応するチームの残り手番の数と同数のマーク(図4では、6個の四角形のマーク)を含む。端末装置2aは、ターンの開始時には後述する手番上限回数と同数(すなわち、6個)のマークを含むように各手番画像36および37を表示し、上述のようにチームの手番が消費されることに応じて、当該チームに対応する手番画像36または37に含まれるマークの数を1つずつ減らすように手番画像36または37を更新して表示する。各手番画像36および37によって、各チームの残り手番をユーザに通知することができる。
【0063】
上記のように、本実施形態においては、あるターンにおいて行動済状態となったキャラクタは、当該ターンにおいてはさらに行動をとることはできない。ただし、本実施形態においては、情報処理システムは、キャラクタが行動済状態となった後で再行動条件が満たされた場合、当該キャラクタの行動済状態を解除する。行動済状態が解除されたキャラクタは、当該ターン中において再行動することが可能となる。
【0064】
本実施形態においては、キャラクタ自身または味方のキャラクタが有する所定の再行動スキル(再行動スキルは上記の特殊スキルであってもよい)による効果によって、あるいは、当該キャラクタに対する味方のキャラクタによる補助動作(すなわち、再行動を可能とする補助動作)による効果によって、当該キャラクタの行動済状態が解除されることがある。つまり、本実施形態において、上記再行動条件は、当該キャラクタに対して上記再行動スキルが発動したこと、および、当該キャラクタに対して再行動を可能とする補助動作が行われたこと、のいずれかが満たされたことである。なお、行動済状態を解除する方法は任意であり、他の条件(例えば、所定のアイテムが使用されたこと等)によってキャラクタの行動済状態が解除されてもよい。また、他の実施形態においては、キャラクタの行動済状態を解除する方法が用意されていなくてもよい。
【0065】
なお、本実施形態においては、手番を1回消費して操作することで行動済状態となったキャラクタについて行動済状態が解除された場合において、当該キャラクタを再度操作するためには、手番をもう1回消費する必要がある。つまり、本実施形態において、キャラクタを再行動させることは、1ターンにおいて当該キャラクタがもう1回行動することができるようにすることを意味し、1回の手番で当該キャラクタが2回行動できるようにすることではない。これは、再行動を行うキャラクタが有利になりすぎることを防止するためである。
【0066】
本実施形態においては、チームに手番が設定される場合、情報処理システムは、その手番において当該チームのキャラクタを操作することが可能な制限時間を設定する。本実施形態においては、情報処理システムは、上記制限時間として、手番残り時間と、予備時間とを管理する。図4に示すように、ゲーム画像における残り時間領域34には、上記手番残り時間(図4に示す例では、30秒)および予備時間(図4に示す例では、0秒)が表示される。手番残り時間および予備時間は、情報処理システムによるカウントダウンに応じて表示が更新される。
【0067】
手番残り時間は、1回の手番毎に設定され、手番の開始時に30秒に設定される。情報処理システムは、手番の開始時に手番残り時間のカウントダウンを開始する。また、予備時間は、手番残り時間が0になったときに消費される時間である。つまり、1回の手番において、手番残り時間の30秒が経過してもキャラクタに対する操作が完了されなかった場合、情報処理システムは、予備時間のカウントダウンを開始する。そして、予備時間が0秒となった場合、情報処理システムは、ユーザの操作時間が制限時間に達したと判定する。つまり、制限時間の長さは、手番残り時間と予備時間との合計の長さである。なお、他の実施形態においては、予備時間が設けられなくてもよい。つまり、手番残り時間の長さがそのまま制限時間の長さとされてもよい。
【0068】
本実施形態においては、ユーザの操作時間が制限時間に達した場合、情報処理システムは、手番が設定されるチームにおけるキャラクタの操作を自動的に(つまり、ユーザの操作とは独立して)行う。具体的には、本実施形態においては、上記の場合、端末装置2aは、操作モードを、ユーザがキャラクタを操作する手動操作モードから、キャラクタを自動的に操作する自動操作モードに切り替える。これによって、ユーザの操作時間が制限時間に達した手番においては、自動操作モードにおいて、自軍チームのキャラクタのうちから1つが自動的に操作される。なお、ユーザは、操作時間が制限時間に達した手番が終了した後で、自動操作モードを元の手動操作モードへと戻すことができる。また、情報処理システムは、ユーザによる指示に従って、手動操作モードを自動操作モードへ切り替えることも可能である。
【0069】
上記のように、本実施形態においては、情報処理システムは、操作可能状態に設定されるチームに含まれる1以上のキャラクタに対して、当該チームに対応するユーザによる操作が制限時間内に行われなかった場合、当該1以上のキャラクタのうちの1つに、自動的に行動をとらせる。これによれば、1回の手番におけるユーザの考慮時間が長くなりすぎず、情報処理システムはテンポ良く対戦ゲームを進行することができる。なお、他の実施形態においては、上記の場合、情報処理システムは、キャラクタに行動をとらせずに1回の手番を消費させるようにしてもよい。
【0070】
本実施形態においては、対戦ゲームの開始時には、予備時間は予め定められた値(例えば、0秒)に設定される。また、手番において手番残り時間が0秒になる前にキャラクタに対する操作が完了された場合、情報処理システムは、操作完了時における手番残り時間の長さに基づいて予備時間を追加する。例えば、操作完了時における手番残り時間の所定割合(例えば、半分)の時間が予備時間に追加される。したがって、ユーザは、手番において早く操作を完了し、手番残り時間を余らせることで、予備時間を増加することができる。そして、予備時間を増加させることで、ある1回の手番において手番残り時間(ここでは、30秒)よりも長い時間をかけて操作を考慮することができる。このように、予備時間を設定することによって対戦ゲームの戦略性を向上することができる。
【0071】
以上のように、本実施形態における対戦ゲームにおいては、1ターン中においてチーム単位で手番を順次切り替えてゲームが進行される(図5参照)。ここで、本実施形態においては、ターン終了条件が満たされた場合、現在のターンが終了される。
【0072】
本実施形態においては、ターン終了条件は、各チームのそれぞれについてチーム終了条件が満たされたことである。つまり、自軍チームおよび敵軍チームの両方についてチーム終了条件が満たされた場合、情報処理システムはターン終了条件が満たされたと判定する。ここで、チーム終了条件は、次の第1~第3条件の少なくともいずれかが満たされたことである。
第1条件:所定の手番上限回数(本実施形態においては、6回)の手番が完了したこと
第2条件:ターン終了の指示が行われたこと
第3条件:チームに行動可能なキャラクタがいないこと
【0073】
上記第1条件については、1つのチームについて6回の手番が回り、6回目の手番が完了した(つまり、6回目の手番におけるキャラクタの行動が完了した)場合に、当該チームについて条件が満たされることとなる。なお、第1条件が満たされる前に第2または第3条件が満たされる場合には、6回の手番が当該チームに回る前にチーム終了条件が満たされる。つまり、情報処理システムは、対戦ゲームにおいてターン終了条件が1回満たされるまでの間(すなわち、1ターンの間)において、各チームについてそれぞれ手番上限回数(すなわち、6回)を上限として、当該各チームを操作可能状態に順次設定する。これによって、1ターンにおける手番の回数が多くなりすぎることを防止することができ、対戦ゲームが長くなりすぎる可能性を低減することができる。
【0074】
また、本実施形態においては、上述したように、再行動条件が満たされたキャラクタおよび特殊スキルを有するキャラクタは1ターンに複数回の行動が可能であるので、1チーム内の5つのキャラクタについて6回の手番を消費した後でも、行動済となっていないキャラクタが存在する場合がある。このような場合でも、上記第1条件が満たされたことに応じてチーム終了条件が満たされたと判定される。このように、情報処理システムは、各チームに含まれる少なくとも1つのキャラクタが行動済状態となっていない場合であっても、当該各チームがそれぞれ手番上限回数(本実施形態では、6回)ぶん操作可能状態となった場合、各チームについてそれぞれチーム終了条件が満たされたと判断する結果、ターン終了条件が満たされたと判断する。これによれば、再行動条件が満たされたキャラクタおよび特殊スキルを有するキャラクタが存在する場合でも、1ターンにおける手番の回数が多くなりすぎることを防止することができる。これによって、対戦ゲームが長くなりすぎる可能性を低減することができる。
【0075】
上記第2条件について、本実施形態においては、対戦ゲーム中のゲーム画像には、ターン終了ボタン画像38が含まれる(図4参照)。ターン終了ボタン画像38は、端末装置2aのユーザがターン終了指示を行うためのボタン画像である。すなわち、ターン終了ボタン画像38を指定する入力(例えば、ターン終了ボタン画像38をタッチする入力)がユーザによって行われた場合、情報処理システムは、端末装置2aに対応するチームについて第2条件が満たされたと判定する。
【0076】
ユーザが上記ターン終了指示を行った場合、現在のターンにおいてはその後は当該ユーザのチームには手番が回らず、当該チームは操作可能状態とはならない。この場合、現在のターン中において当該チームに6回の手番が回らないこととなる。詳細は後述するが、本実施形態においては、現在のターンにおけるチームの手番を少なくすることで、次のターンにおいて当該チームが有利な状況に設定される場合がある。そのため、本実施形態においては、6回の手番が消費される前にユーザがターン終了の指示を行うことを可能としている。
【0077】
上記第3条件について、情報処理システムは、チームに含まれる全てのオブジェクトが行動不可能な状態となった場合、当該チームについてチーム終了条件が満たされたと判定する。なお、上記「チームに含まれる全てのオブジェクトが行動不可能な状態となった場合」とは、本実施形態においては、当該チームに含まれる全てのキャラクタが、行動済状態あるいはゲーム空間31から消滅した状態のいずれかとなった場合である。したがって、情報処理システムは、その時点でゲーム空間31に配置されている全てのキャラクタが行動済状態となったという条件が満たされた(つまり、各チームについて第3条件が満たされた)場合に、ターン終了条件が満たされたと判定する。これによれば、行動させることができるキャラクタがいないチームに手番が回されることがないので、対戦ゲームをスムーズに進めることができる。
【0078】
上記第1~第3条件のいずれかが満たされる結果、あるチームについてチーム終了条件が満たされると、当該チームについては現在のターンは終了となる。このとき、情報処理システムは、チーム終了条件を満たしていない他方のチームに対して連続して手番を設定する。例えば図5に示す例においては、2ターン目において、敵軍チームは1回目の手番においてターン終了を選択している。このとき、2ターン目においては、自軍チームの2回目から6回目までの手番が連続して設定される(図5参照)。このように、本実施形態においては、情報処理システムは、ターン中において、一方のチームについて上記第2条件または第3条件が満たされた場合、その後の当該ターン中には他方のチームに連続して手番を設定する。
【0079】
以上より、本実施形態においては、ターン中において、上記第2条件および第3条件のいずれも満たされていない場合は、各チームに対して手番を交互に設定し(図5に示す1ターン目を参照)、上記第2条件または第3条件が満たされた場合は、上記第2条件または第3条件を満たしていないチームに対して連続して手番を設定する(図5に示す2ターン目を参照)。
【0080】
各チームについてそれぞれチーム終了条件が満たされると、情報処理システムはターン終了条件が満たされたと判断し、当該ターンを終了させる。本実施形態においては、一方のチームの全てのキャラクタが消滅した場合を除いて、1回の対戦ゲームにおいて5ターンまでゲームが続けられる。したがって、ターンが終了した場合、5ターン目が終了するまでは次のターンが開始される。新たなターンが開始されると、情報処理システムは、すでに消滅したキャラクタを除く全てのキャラクタの行動済状態を解除する。
【0081】
また、図4に示すように、ターン数領域35には、現在のターン数と、対戦ゲームが終了となるターン数(ここでは、5)とを示す情報(図4では、「1/5」)が表示される。端末装置2aは、新たなターンが開始されるタイミングで、上記の情報を更新して表示する。ターン数領域35によって、現在のターン数をユーザに通知することができる。
【0082】
ここで、本実施形態においては、ターン開始時に先手となる(つまり、最初に手番が回される)チームは、例えば次のように決定される。
【0083】
まず、1ターン目において先手となるチームは、所定のルールに従って決定されてもよいし、(例えば乱数を用いて)ランダムに決定されてもよい。本実施形態においては、情報処理システムは、今回の対戦ゲームより前の対戦ゲームの内容に基づいて、先手となるチームを決定する。具体的には、情報処理システムは、各チームのうち、直前の対戦ゲームにおいて連続して後手となった回数が多い方のチームを先手とする。また、上記の回数が各チームで同じである場合、情報処理システムは、各チームのうち、過去5回の対戦ゲームにおいて後手となった回数が多い方のチームを先手とする。さらに、この回数が同じである場合、情報処理システムは、先手となるチームをランダムに決定する。なお、本実施形態においては、各ユーザの対戦ゲームの内容に関する情報(上記の回数の情報を含む)は、サーバ1において記憶されるものとする。
【0084】
次に、2ターン目以降において先手となるチームは、今回の対戦ゲームにおけるそれまでのターンにおける進行結果に基づいて決定される。具体的には、情報処理システムは、各チームのうち、前回のターンにおける手番の回数が少ない方のチームを今回のターンにおける先手とする。つまり、前回のターンにおいて第2条件または第3条件が満たされた結果、相手のチームよりも少ない回数しか手番が設定されなかったチームは、今回のターンにおいて先手となる。例えば図5に示す例においては、2ターン目においては、敵軍チームの手番の回数(具体的には、1回)が自軍チームの手番の回数(具体的には、6回)よりも少ないので、3ターン目においては、敵軍チームが先手となっている。上記のように先手後手を決定することで、一方のチームのみが無条件に先手となり続けることを防止することができ、ゲームの公平性を担保することができる。
【0085】
なお、前回のターンにおける手番の回数が各チームで同じである場合、情報処理システムは、前回のターンにおいて先手であったチームを先手とする(つまり、前回のターンにおける先手後手の関係を維持する)。なお、他の実施形態においては、上記の場合、情報処理システムは、前回のターンにおいて先手であったチームとは異なるチームを先手とするようにしてもよい。また、先手となるチームの決定方法は任意であり、他の実施形態においては、本実施形態とは異なる決定方法が用いられてもよい。
【0086】
上記のように、本実施形態においては、情報処理システムは、ターンが終了して新たなターンが開始される度(すなわち、対戦ゲームの進行状況がターン終了条件を満たす度)に、ターン終了条件を満たすまでの対戦ゲームの進行結果(具体的には、前回のターンにおける手番の回数)に基づいて、各チームのうちいずれか1つを操作可能状態(具体的には、ターンにおける最初の操作可能状態。先手となるチームとも言える。)に設定する。これによれば、対戦ゲームにおけるそれまでの進行状況に応じて先手となるチームが決められるので、一方のチームが無条件に先手となり続けることを防止することができる。なお、上記「対戦ゲームの進行結果に基づいて、各チームのうちいずれか1つを操作可能状態に設定する」とは、本実施形態のように、前回のターンにおける手番の少ない方のチームを先手とすることの他、手番が多い方のチームを先手とする(つまり、手番の少ない方のチームを後手とする)ことをも含む意味である。つまり、他の実施形態において、例えばターンの開始時において先手となるチームより後手となるチームの方が有利と考えられる対戦ゲームにおいては、前回のターンにおける手番が多い方のチームが、今回のターンにおける先手に設定されてもよい。
【0087】
また、本実施形態においては、情報処理システムは、対戦ゲームの開始から、または、対戦ゲームの終了条件が満たされずにターン終了条件が満たされてから、次にターン終了条件が満たされるまでの期間を単位期間(具体的には、1ターン)として、当該単位期間の最初に操作可能状態に設定されるチーム(すなわち、先手となるチーム)を決定する。また、情報処理システムは、あるチームについて単位期間中にスキップ条件(具体的には、上記第2条件または第3条件)が満たされる場合、当該チームを操作可能状態に設定した回数が手番上限回数未満であっても、当該単位期間中は当該あるチームを操作可能状態に設定しない。そして、情報処理システムは、前回の単位期間において操作可能状態に設定された回数(すなわち、手番が回された回数)が最も少ないチームを、今回の単位期間において最初に操作可能状態に設定されるチームに決定する。これによれば、前回のターンにおける手番の回数が少ない方のチームが今回のターンにおいて先手となる。ここで、前回のターンにおける手番の多い方のチームは、前回のターンの最後において連続して手番が回っているので、仮に当該チームを今回のターンにおける先手とすると、当該チームにさらに連続して手番が回ることとなり、当該チームが有利になりすぎる可能性がある。これに対して、本実施形態においては、前回のターンにおける手番の回数が少ない方のチームを今回のターンにおいて先手とすることで、上記の可能性を低減することができ、ゲームの公平性を担保することができる。
【0088】
情報処理システムは、ゲーム終了条件が満たされた場合、対戦ゲームを終了する。本実施形態においては、ゲーム終了条件は、いずれか1つのチームに含まれる全てのキャラクタが消滅したこと、および、5ターンが終了したこと、の少なくともいずれかが満たされたことである。すなわち、情報処理システムは、5ターンが経過する前であっても、いずれか1つのチームのキャラクタが全滅したことに応じて対戦ゲームを終了する。また、情報処理システムは、各チームのキャラクタが全滅していなくても、5ターンが経過したことに応じて対戦ゲームを終了する。
【0089】
上記のように、本実施形態においては、情報処理システムは、ターン終了条件が所定回数(具体的には、5回)満たされた場合に、ゲーム終了条件が満たされたと判定する。これによれば、例えば各チームのキャラクタが全滅しない場合であっても対戦ゲームが終了されるので、対戦ゲームが長くなりすぎる可能性を低減することができる。
【0090】
[2-2.対戦ゲームにおける勝敗の決定方法]
本実施形態において、情報処理システムは、対戦ゲームの終了時において対戦ゲームの勝敗を決定する。具体的には、いずれか1つのチームのキャラクタが全滅したことによって対戦ゲームが終了した場合、当該チームが敗北となり、もう一方のチームが勝利となる。また、5ターンが経過したことによって対戦ゲームが終了した場合、対戦ゲーム中に計算される各チームのスコアに基づいて勝敗が決定される。
【0091】
本実施形態においては、対戦ゲームの勝敗を決定するためのスコアとして、情報処理システムは、撃破スコアおよび制圧スコアを算出する。以下、各スコアの計算方法について説明する。
【0092】
撃破スコアは、対戦ゲーム中においてチームのキャラクタが戦闘によって相手チームのキャラクタを撃破した(すなわち、消滅させた)ことに応じて加算されるスコアである。本実施形態においては、キャラクタを1体撃破する毎に2点が味方のチームの撃破スコアに加算される。さらに、上述の隊長キャラクタが相手チームのキャラクタを撃破した場合には、上記の2点に加えて、追加ボーナスとしてさらに1点が味方のチームの撃破スコアに加算される。また、キャラクタが相手チームの隊長キャラクタを撃破した場合には、上記の2点に加えて、追加ボーナスとしてさらに1点が味方のチームの撃破スコアに加算される。なお、隊長キャラクタが相手チームの隊長キャラクタを撃破した場合には、上記2種類のボーナスの両方が加算され、合計4点が味方のチームの撃破スコアに加算される。なお、撃破スコアの具体的な計算方法は任意であり、他の実施形態においては、相手のキャラクタを撃破したことに応じて任意の計算方法で撃破スコアが加算されてもよい。
【0093】
図4に示すように、ゲーム画像は、自軍チームの撃破スコアを示す自軍撃破スコア画像41と、敵軍チームの撃破スコアを示す敵軍撃破スコア画像42とを含む。端末装置2aは、自軍チームの撃破スコアが更新されたことに応じて、自軍撃破スコア画像41の内容を更新し、敵軍チームの撃破スコアが更新されたことに応じて、敵軍撃破スコア画像42の内容を更新する。各撃破スコア画像41および42によって、各チームの現在の撃破スコアをユーザに通知することができる。
【0094】
制圧スコアは、ゲーム空間31に設定される制圧エリア39(図4参照)内にキャラクタが配置されることに基づいて加算されるスコアである。ここで、本実施形態においては、図4に示されるように、ゲーム空間31には制圧エリア39が設定される。本実施形態においては、制圧エリア39は、ゲーム空間31における中央に配置される、縦4マスおよび横6マスの大きさの領域である。
【0095】
本実施形態においては、ターンの終了時において制圧エリア39内に含まれている各チームのキャラクタの数に基づいて、制圧エリアが加算される。具体的には、ターンの終了時において制圧エリア39内に含まれている一方のチームのキャラクタの数が、他方のチームのキャラクタの数よりも2以上多い場合、当該一方のチームの制圧スコアに2点が加算される。なお、ターンの終了時において制圧エリア39内に含まれている一方のチームのキャラクタの数が、他方のチームのキャラクタの数よりも2未満である場合、いずれのチームについても制圧スコアは加算されない。
【0096】
図6は、ターンの終了時において制圧エリア内にキャラクタが配置されている場合におけるゲーム画像の一例を示す図である。図6に示す例においては、1ターン目の終了時において、自軍チームについては1つの自軍キャラクタ32bが制圧エリアに配置され、敵軍チームについては3つの敵軍キャラクタ33a,33b,および33dが制圧エリアに配置されている。このとき、情報処理システムは、敵軍チームについて2点を制圧スコアに加算する。なお、制圧スコアの具体的な計算方法は任意であり、他の実施形態においては、キャラクタが制圧エリアに配置されたことに基づく任意の計算方法で制圧スコアが加算されてもよい。他の実施形態においては、例えば、ターン終了時において制圧エリアに配置されているキャラクタの数に応じて制圧スコアが加算されてもよいし、ターン終了時に限らず、キャラクタが制圧エリア39内に入ったことに応じて制圧スコアが加算されてもよい。
【0097】
図4および図6に示すように、ゲーム画像は、自軍チームの制圧スコアを示す自軍制圧スコア画像43と、敵軍チームの制圧スコアを示す敵軍制圧スコア画像44とを含む。端末装置2aは、自軍チームの制圧スコアが更新されたことに応じて、自軍制圧スコア画像43の内容を更新し、敵軍チームの制圧スコアが更新されたことに応じて、敵軍制圧スコア画像44の内容を更新する。各制圧スコア画像43および44によって、各チームの現在の制圧スコアをユーザに通知することができる。
【0098】
上記のように、本実施形態においては、制圧スコアを設定することによって、対戦ゲームにおいてキャラクタを制圧エリア内に移動させる動機付けをユーザに与えることができる。また、敵軍チームが情報処理システムによって操作される場合には、キャラクタを制圧エリア内に向けて積極的に移動させるようなアルゴリズムで敵軍チームのキャラクタが操作されることとなる。したがって、互いのチームのキャラクタが制圧エリア内において戦闘を行う状況が生じやすくなり、各チームのキャラクタが互いに距離をとったまま戦闘を行わない膠着状態が生じにくくなる。これによって、対戦ゲームの興趣性を向上することができる。
【0099】
なお、本実施形態においては、図4に示すように、各チームのキャラクタの対戦ゲーム開始時における初期位置は、制圧エリア39外の位置である。つまり、情報処理システムは、対戦ゲームの開始時において、ゲーム空間31内のうちで制圧エリア外の位置に、各チームに含まれる各オブジェクトを配置する。これによれば、対戦ゲームの開始時において制圧エリアに関してチーム間の有利不利が生じにくくなるので、ゲームの公平性を担保することができる。なお、ユーザは、自身に対応するチームの各キャラクタの初期位置を、制圧エリア39外における所定の範囲内において指定することができてもよい。例えば、図4に示す例において、端末装置2aのユーザは、自軍キャラクタ32a~32eの初期位置を、任意の2つのキャラクタの位置を入れ替えることで変更することが可能であってもよい。
【0100】
なお、本実施形態においては、情報処理システムは、各キャラクタの初期配置位置と制圧エリア39との位置関係を、各チームについて等しくなるように設定する(図4参照)。これによって、対戦ゲームの開始時における公平性をより担保することができる。
【0101】
また、本実施形態においては、制圧エリア39は、ゲーム空間31のうち、当該ゲーム空間31の中央の位置を含む領域である。これによれば、キャラクタが制圧エリアへ移動するまでの条件(例えば、距離)に関して、各チーム間で有利不利が生じにくくなるので、ゲームの公平性を担保することができる。
【0102】
各チームのスコアに基づいて対戦ゲームの勝敗を決定する場合、情報処理システムは、対戦ゲームの終了時における上記撃破スコアと制圧スコアとの合計値をチーム毎に算出する。情報処理システムは、上記合計値が大きい方のチームを勝利とし、合計値が小さい方のチームを敗北とする。これによって、チームに含まれるキャラクタが全滅していない場合であっても対戦ゲームの勝敗を決定することができる。
【0103】
なお、他の実施形態においては、撃破スコアおよび制圧スコアに代えて(またはこれらのスコアとともに)、他の種類のスコアが対戦ゲームの勝敗の決定に用いられてもよい。例えば、情報処理システムは、対戦ゲーム中において相手チームのキャラクタに与えたダメージに基づくスコア、あるいは、対戦ゲームの終了時における味方のチームの各キャラクタの体力値に基づくスコアを、対戦ゲームの勝敗の決定に用いてもよい。
【0104】
[2-3.隊長キャラクタ]
次に、隊長キャラクタについて説明する。本実施形態においては、隊長キャラクタには隊長スキルが設定される。隊長スキルは、例えば、各キャラクタが有するスキル(上記特殊スキルを含む)とは異なる内容のスキルである。本実施形態においては、複数種類の隊長スキルが用意されており、ユーザは、対戦ゲーム前において隊長キャラクタを指定する際に、当該隊長キャラクタに付加する隊長スキルを、用意された複数種類の隊長スキルから選択することができる。なお、他の実施形態においては、用意される隊長スキルの種類は1種類であってもよい。
【0105】
上記のように、本実施形態においては、チームに含まれる複数のキャラクタは、当該チームにおける他のキャラクタが有するスキルとは異なる所定のスキル(すなわち、隊長スキル)を有する隊長キャラクタとして当該ユーザによって指定された1つのキャラクタを含む。これによれば、対戦ゲームに用いられる複数のキャラクタのうちから隊長キャラクタを選択することについて戦略性が生じるので、情報処理システムは、より戦略性の高い対戦ゲームを提供することができる。また、隊長キャラクタとなることでキャラクタは強化されるので、ユーザは、例えばお気に入りのキャラクタを隊長キャラクタとすることによって、お気に入りのキャラクタを対戦ゲームにおいて活躍させやすくすることができる。
【0106】
隊長スキルの具体的な内容(すなわち、スキルによる効果)は任意である。本実施形態においては、上記複数種類の隊長スキルには、対戦ゲーム中において上記制圧エリアを移動させる効果を有するエリア移動スキルが含まれる。なお、本実施形態においては、隊長スキルは、スキルを発動する指示入力をユーザが行わなくても発動条件が満たされたことに応じて自動的に発動する種類のスキルであるとするが、他の実施形態においては、隊長キャラクタは上記特殊スキルと同様、スキルを発動する指示入力をユーザが行ったことに応じて発動する種類のスキルであってもよい。
【0107】
図7は、対戦ゲームにおいて制圧エリアが移動された後のゲーム画像を示す図である。図7に示すゲーム画像は、図6に示すゲーム画像から制圧エリア39が移動した後の様子を表すゲーム画像である。図7においては、図6に示す状態から制圧エリア39が1マス分下へ移動している。
【0108】
本実施形態においては、エリア移動スキルが発動することによって、制圧エリア39が移動する。本実施形態においては、エリア移動スキルの発動条件は、例えば、2ターン目から4ターン目までのターンの開始時のいずれかにおいて、隊長キャラクタが制圧エリア39内に配置されていることである。なお、図7に示す例においては、自軍キャラクタ32bが隊長キャラクタであるものとする。図6に示す1ターン目の終了時の状況においては、隊長キャラクタが制圧エリア39内に配置されているので、図7に示す2ターン目の開始時の状況においては、上記の条件が満たされることでエリア移動スキルが発動し、制圧エリア39が移動する。なお、エリア移動スキルが発動する条件は任意であり、他の条件であってもよい。他の実施形態においては、この条件は、例えばユーザがスキルを発動する指示入力を行ったことであってもよい。
【0109】
本実施形態においては、エリア移動スキルが発動した場合、情報処理システムは、当該エリア移動スキルが付加された隊長キャラクタが属するチームが有利になる方向へ制圧エリア39を所定距離(ここでは、1マス分)だけ移動させる。なお、「チームが有利になる方向」とは、具体的には、当該チームに含まれるキャラクタの初期位置に近づく方向である。これによって、隊長キャラクタが属するチームの各キャラクタは制圧エリア39内に入りやすくなるので、当該チームにとって有利に対戦ゲームを進めることができる。図7に示す例においては、2ターン目の開始時に制圧エリア39が1マス分下へ移動する結果、自軍チームについては自軍キャラクタ32bに加えて自軍キャラクタ32dも制圧エリア39内となる一方、敵軍チームについては敵軍キャラクタ33aが制圧エリア39から外れて敵軍キャラクタ33bおよび33dのみが制圧エリア39内となる。つまり、制圧エリア39が移動することによって自軍チームが有利になっている。なお、他の実施形態においては、上記「チームが有利になる方向」とは、上記に限らず、例えば、当該チームに含まれるキャラクタの現在位置に近づく方向であってもよいし、相手チームのキャラクタが制圧エリア内に配置されなくなる方向であってもよい。
【0110】
なお、両方のチームの隊長キャラクタがともにエリア移動スキルを有しており、各隊長キャラクタのエリア移動スキルがともに発動する場合、エリア移動スキルの効果が相殺される結果、制圧エリア39は移動しない。
【0111】
また、隊長スキルは、それが付加された隊長キャラクタがゲーム空間31に存在している期間、発動可能であるものとする。したがって、隊長キャラクタが戦闘によって消滅した場合、隊長キャラクタに付加された隊長スキルは発動しない。
【0112】
上記のように、本実施形態においては、情報処理システムは、キャラクタが有する所定のスキル(すなわち、エリア移動スキル)が発動されたことに応じて、ゲーム空間における制圧エリア39の位置を変更する。これによれば、対戦ゲーム中において制圧エリア39が移動するので、対戦ゲームの戦略性を向上することができる。なお、制圧エリア39を移動させる効果を有する上記「所定のスキル」は、隊長スキルの一例であるエリア移動スキルに限らず、隊長スキルとは異なる種類のスキル(つまり、隊長キャラクタではないキャラクタが有するスキル)であってもよい。
【0113】
本実施形態においては、図4に示すように、ゲーム画像は、自軍の隊長スキルの種類を示す自軍隊長スキル画像45と、敵軍の隊長スキルの種類を示す敵軍隊長スキル画像46とを含む。図4に示す例においては、隊長スキル画像45および46は、隊長スキルの種類(内容とも言える)を表すアイコンである。
【0114】
ここで、本実施形態においては、自軍隊長スキル画像45は、対戦ゲームの開始時から、隊長スキルの種類を示すアイコンとなっている。一方、図4に示す例においては、敵軍隊長スキル画像46は、対戦ゲームの開始時においては、隊長スキルの種類が不明であることを示すアイコン(図4では、「?」のアイコン)となっている。本実施形態においては、端末装置2aは、対戦ゲーム中において敵軍スキルが発動したことに応じて、隊長スキルの種類を示すアイコンとなるように敵軍隊長スキル画像46を更新する。したがって、本実施形態においては、端末装置2aのユーザは、敵軍の隊長スキルの内容を知ることができず、敵軍の隊長スキルが発動した後において当該スキルの内容を敵軍隊長スキル画像46によって確認することができる。本実施形態によれば、スキルの発動前においては隊長スキルの内容を相手側にわからないようにすることによって、対戦ゲームの戦略性を向上することができる。また、スキルの発動後においては、敵軍隊長スキル画像46によって隊長スキルの内容をユーザが確認しやすいようになっている。
【0115】
本実施形態においては、ユーザが所有する各キャラクタには、それぞれキャラクタポイントが関連付けられる。情報処理システムは、ユーザが所有するキャラクタが隊長キャラクタとして対戦ゲームに用いられた場合、当該キャラクタについてのキャラクタポイントを加算する。加算されるキャラクタポイントの値は、対戦ゲームの結果および/または内容に基づいて決定される。具体的には、情報処理システムは、対戦ゲームに勝利したチームの隊長キャラクタのキャラクタポイントに対しては、勝利ボーナスとしての10ポイントと、当該対戦ゲーム中における撃破スコアと制圧スコアとの合計値とを加算する。一方、対戦ゲームに敗北したチームの隊長キャラクタのキャラクタポイントに対しては、情報処理システムは、当該対戦ゲーム中における撃破スコアと制圧スコアとの合計値とを加算する。上記のように、本実施形態においては、ユーザは対戦ゲームに勝利することでより多くのキャラクタポイントを得ることができるので、対戦ゲームに勝利する動機付けをユーザに与えることができる。また、ユーザは対戦ゲームに敗北した場合でもキャラクタポイントを得ることができるので、対戦ゲームをプレイすること自体の動機付けをユーザに与えることができる。
【0116】
なお、他の実施形態においては、キャラクタポイントの算出方法は任意である。例えば、他の実施形態においては、対戦ゲームの結果(例えば、対戦ゲームに勝利したこと)のみに基づいてキャラクタポイントが算出されてもよいし、対戦ゲームの内容(例えば、上記撃破スコアと制圧スコアとの合計値)のみに基づいてキャラクタポイントが加算されてもよい。
【0117】
本実施形態においては、情報処理システムは、ユーザが所有するキャラクタのキャラクタポイントに基づいて当該ユーザに報酬を付与する。報酬の内容は任意であるが、本実施形態においては、報酬は例えば対戦ゲームのゲームアプリケーションにおける報酬であり、より具体的には、ゲームアプリケーションにおいて利用可能なアイテムや通貨やポイントである。
【0118】
本実施形態においては、情報処理システムは、ユーザが所有する1以上のキャラクタのうち、キャラクタポイントが最も高いキャラクタのキャラクタポイントに基づいて当該ユーザに報酬を付与する。具体的には、情報処理システムは、上記キャラクタのキャラクタポイントが所定の基準値(例えば、100の倍数)に到達する毎に、到達した基準値に応じた報酬をユーザに付与する。なお、キャラクタポイントに基づいて報酬を付与する条件は任意である。例えば、他の実施形態においては、情報処理システムは、ユーザが所有する各キャラクタのキャラクタポイントの合計値に基づいて当該ユーザに報酬を付与するようにしてもよい。
【0119】
上記のように、本実施形態においては、情報処理システムは、対戦ゲームの結果および/または内容に基づいて、当該対戦ゲームにおいて隊長キャラクタとして用いられたキャラクタに関連付けられるパラメータ(すなわち、キャラクタポイント)の値を算出する。そして、情報処理システムは、キャラクタに関連付けられるパラメータに基づいて、当該キャラクタを所有するユーザに報酬を付与する。これによれば、情報処理システムは、対戦ゲームをプレイする動機付けをユーザに与えることができる。また、キャラクタ毎にキャラクタポイントが計算されるので、ユーザは、お気に入りのキャラクタを隊長キャラクタとして用いて対戦ゲームを行うことで、お気に入りのキャラクタについてのキャラクタポイントを増加させることができる。つまり、本実施形態によれば、情報処理システムは、お気に入りのキャラクタを用いて対戦ゲームを行う動機付けをユーザに与えることができる。
【0120】
また、本実施形態においては、情報処理システムは、対戦ゲームのキャラクタに関するランキングをユーザに提示する。具体的には、情報処理システムは、単一のキャラクタに関する上記キャラクタポイントについて、各ユーザを順位付けし、順位付けされたユーザのランキングを提示する。ここで、本実施形態においては、複数のユーザがそれぞれ同一のキャラクタを所有している場合があり得るものとし、このとき、当該キャラクタのキャラクタポイントは、ユーザ毎に設定される。したがって、あるキャラクタに関するキャラクタポイントは、ユーザ毎に異なることとなる。本実施形態においては、情報処理システムは、1つのキャラクタについて、当該キャラクタのキャラクタポイントが多い順にユーザを順位付けし、順位をユーザに提示する。なお、順位付けを行う際、当該キャラクタのキャラクタポイントが同じである複数のユーザが存在する場合は、当該キャラクタを隊長としたときの対戦ゲームにおける結果(例えば、勝利数)に基づいて順位付けを行ってもよい。
【0121】
具体的には、サーバ1は、各ユーザのそれぞれについてキャラクタ毎のキャラクタポイントを記憶しておく。そして、サーバ1は、例えば端末装置2aから要求があったことに応じて、端末装置2によって指定されたキャラクタに関して上記の順位付けを行い、各ユーザの順位を示すランキング情報を端末装置2aへ送信する。端末装置2aは、サーバ1から受信したランキング情報を表示部24に表示する。以上のようにして、本実施形態においては、情報処理システムは、各キャラクタについて対戦ゲームの結果に基づくユーザのランキングを生成し、ユーザに提示することができる。このようなランキングをユーザに提示することによって、情報処理システムは、お気に入りのキャラクタを用いて対戦ゲームを行う動機付けをユーザに与えることができる。
【0122】
また、他の実施形態においては、情報処理システムは、上記のランキングに基づいてユーザに報酬を付与してもよい。例えば、情報処理システムは、上記のランキングにおけるユーザの順位に応じた報酬を各ユーザに付与してもよい。
【0123】
[2-4.対戦ゲームにおけるゲームモード]
次に、対戦ゲームにおけるゲームモードについて説明する。本実施形態においては、上記対戦ゲームは、複数種類のゲームモードを含む。具体的には、上記対戦ゲームは、フリー対戦モード、第1レート対戦モード、および、第2レート対戦モードの3種類のゲームモードを含む。以下、各ゲームモードについて説明する。
【0124】
[2-4-1.フリー対戦モード]
フリー対戦モードは、第1および第2レート対戦モードで用いられるレートを用いずに、対戦ゲームに参加するユーザのマッチングが行われるゲームモードである。本実施形態においては、各レート対戦モードは、ユーザ毎にレートが設定され、レートおよびレートに基づく階級を上げることを1つの目的とするゲームモードであるのに対して、フリー対戦モードは、このようなレートを気にせずに対戦ゲームを楽しむことができるゲームモードである。本実施形態においては、フリー対戦モードにおいては、ユーザは、対戦ゲームのマッチングの条件、および、対戦ゲームの設定(具体的には、ルール等)を指定することができる。
【0125】
フリー対戦モードで対戦ゲームを行う場合、端末装置2は、対戦相手となる他のユーザとのマッチングを行う要求(「マッチング要求」と呼ぶ。)をサーバ1へ送信する。サーバ1は、各端末装置からマッチング要求を受信し、マッチング要求を送信した各端末装置の各ユーザについてマッチングを行う(すなわち、各ユーザから、対戦ゲームに参加する2人の参加ユーザを決定する)。そして、マッチングによって設定された2人の参加ユーザ同士で対戦ゲームが行われる。
【0126】
図8は、端末装置2においてマッチング要求を送信する際に表示される設定画像の一例を示す図である。図8に示す設定画像は、例えば、端末装置2におけるゲームアプリケーションの実行中において、所定のメニュー画面において対戦ゲームの実行指示をユーザが行った場合に表示部24に表示される。
【0127】
図8に示す設定画像は、利用キャラクタ領域50を含む。利用キャラクタ領域50には、対戦ゲームにおいて用いられる複数(ここでは、5つ)のキャラクタ(以下、「利用キャラクタ」と呼ぶ。)を示す利用キャラクタ画像と、隊長スキル画像51とが表示される。なお、図8においては、5つの利用キャラクタ画像のうち、左端の利用キャラクタが隊長キャラクタであるものとする。隊長スキル画像51は、隊長キャラクタに設定される隊長スキルを示す。隊長スキル画像51は、例えば、上述の隊長スキル画像45および46と同様の、隊長スキルの種類を示すアイコンである。
【0128】
図8に示す設定画像は、編成指示ボタン画像52を含む。編成指示ボタン画像52は、端末装置2aのユーザが、利用キャラクタに関する編成指示を行うためのボタン画像である。すなわち、編成指示ボタン画像52を指定する入力がユーザによって行われた場合、情報処理システムは、上記設定画像に代えて、利用キャラクタの設定を行うための編成画像(不図示)を表示する。編成画像は、ユーザの所有するキャラクタの一覧を含み、端末装置2は、表示される各キャラクタのうちから、利用キャラクタに設定するキャラクタを1つずつ指定する入力を受け付ける。ユーザは、この入力を行うことによって、設定画像における利用キャラクタ領域50に表示される利用キャラクタを変更することができる。また、設定画像が表示される場合、隊長スキル画像51を指定する入力に応じて隊長スキルの一覧が表示され、端末装置2は、表示される隊長スキルのうちから、隊長キャラクタに設定する隊長スキルを指定する入力を受け付ける。ユーザは、この入力を行うことによって、隊長キャラクタに設定される隊長スキルを変更することができる。なお、上記における利用キャラクタおよび隊長スキルの設定方法は一例であり、ユーザが利用キャラクタおよび隊長スキルを設定および/または変更するためのユーザインターフェースは任意である。
【0129】
図8に示す設定画像は、ユーザが指定するマッチング条件を示すマッチング条件画像53を含む。マッチング条件とは、対戦ゲームにおいてサーバ1がマッチングを行う際の条件であり、マッチング条件を満たすようにマッチングが行われる。図8に示す例においては、マッチング条件として、「ストーリー3部まで」という条件が表示されている。この条件は、「利用キャラクタが、ゲームアプリケーションにおけるストーリーゲームにおけるストーリーの3部までに登場したキャラクタであること」というマッチング条件を意味する。詳細は後述するが、本実施形態においては、マッチング条件が指定された場合、当該マッチング条件を満たす利用キャラクタで構成されるチームに対応するユーザが対戦相手として設定されることとなる。
【0130】
ここで、本実施形態においては、ゲームアプリケーションは、上記対戦ゲームとは別に、ストーリーを進めていくストーリーゲームを含む。ストーリーゲームは、例えば、ゲームに勝利することでストーリーを進めることができる形式のゲームである。なお、ストーリーゲームは、対戦ゲームと同様、ユーザが所有するキャラクタを用いたゲームであるが、具体的なゲーム内容は任意であり、対戦ゲームと異なるジャンルおよびルールのゲームであってよい。また、上記ストーリーは、複数の部(章とも言う)に区分されており、ゲームアプリケーションに登場するキャラクタは、ストーリーにおける少なくともいずれかの部に登場するものとする。
【0131】
また、本実施形態においては、上記ストーリーは、ゲームアプリケーションのアップデートによって新たな部が追加されるものとする。つまり、ストーリーの各部は、ゲームアプリケーションのいずれかのバージョンに対して一意に対応している。一方、各キャラクタにはそれぞれ、キャラクタのパラメータとして、当該キャラクタに対応するゲームアプリケーションのバージョンを示すバージョン情報が関連付けられている。上記「キャラクタに対応するゲームアプリケーションのバージョン」とは、当該キャラクタが初めて登場したバージョンであり、換言すれば、当該キャラクタが初めて登場したストーリーの部に対応するバージョンである。したがって、本実施形態においては、キャラクタに関連付けられたバージョン情報によって、当該キャラクタが登場するストーリーの部を特定することができる。つまり、本実施形態においては、各利用キャラクタがマッチング条件を満たすか否かの判定は、各利用キャラクタに関連付けられたバージョン情報を用いて行うことができる。
【0132】
設定画像が表示される状態において、端末装置2は、マッチング条件画像53を指定する入力を受け付ける。ユーザは、この入力を行うことによって、マッチング条件画像53が示すマッチング条件を変更することができる。具体的には、端末装置2は、上記入力が行われたことに応じてマッチング条件の選択肢の一覧を表示し、選択肢から1つを指定する入力を受け付ける。本実施形態においては、選択肢は、例えば「ストーリー3部まで」または「ストーリー4部まで」のように、ストーリーの部数を指定する(すなわち、対戦ゲームにおいて利用を許可するキャラクタが登場する部数を指定する)条件である。ユーザは、選択肢から1つを指定することで、自身が指定するマッチング条件を変更することができる。つまり、本実施形態においては、ユーザがマッチング条件として指定することができるパラメータは、ストーリーの部の数に応じた値であると言うことができる。なお、本実施形態においては、上記選択肢には「指定なし」を示す選択肢が含まれ、ユーザは、当該選択肢を選択することで、マッチング条件を指定しないようにすることができる。
【0133】
上記のように、本実施形態においては、マッチング条件の判定に用いられるキャラクタパラメータ(具体的には、バージョン情報)は、ゲームアプリケーションのバージョンのうち、キャラクタに対応するバージョンに応じた値を示す。したがって、ユーザは、特定のバージョンに対応するキャラクタが利用キャラクタとして用いられることを条件として、対戦ゲームを行うことができる。
【0134】
ここで、バージョンアップが繰り返され、バージョンアップに応じて新たなキャラクタが登場するようなゲームアプリケーションにおいては、一般的に、新たに登場するキャラクタほど強い(すなわち、ゲームにおいて有利な能力を有する)傾向がある。そのため、本実施形態のように利用キャラクタに関連付けられるバージョン情報に関するマッチング条件を用いることで、例えば、新しい強力なキャラクタを利用キャラクタとして用いているユーザを対戦相手から除外することもできるので、ユーザは対戦相手のチームの強さを調整することができる。また、上記によれば、例えばお気に入りのキャラクタが初期のバージョンで登場したキャラクタ(すなわち、新しく登場したキャラクタに比べると能力が低い傾向にあるキャラクタ)を対戦ゲームに用いる場合であっても、マッチング条件を指定することで不利になりにくくなる。そのため、上記のような場合であってもお気に入りのキャラクタを用いて対戦ゲームを行う動機付けをユーザに与えることができる。
【0135】
なお、上記バージョン情報は、キャラクタがゲームアプリケーションにおいて利用可能となった時期に応じた値を示す情報であると言うことができる。マッチング条件の判定に用いられるキャラクタパラメータは、上記の時期に応じた値を示す情報であってもよい。例えば、キャラクタパラメータは、上記のバージョン情報の他、上記のキャラクタがゲームアプリケーションにおいて利用可能となった年月日を示す情報であってもよい。キャラクタパラメータがこのような時期を示す情報である場合でも、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0136】
また、上記ストーリーゲームにおける各部のストーリーにおいて行われる各ゲームは、対戦ゲームとは異なるゲームであると言うことができる。また、キャラクタに関連付けられる上記バージョン情報は、上記各ゲームのうちで、当該キャラクタが登場するゲームに応じた値を示す情報であると言うことができる。マッチング条件の判定に用いられるキャラクタパラメータは、上記のような情報(すなわち、対戦ゲームとは異なる各ゲームのうちで、当該キャラクタが登場するゲームを示す情報)であってもよい。例えば、キャラクタパラメータは、上記のバージョン情報の他、当該キャラクタが登場するゲームの識別番号(例えば、ストーリー毎に付された番号)を示す情報であってもよい。キャラクタパラメータがこのような情報である場合でも、本実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0137】
また、上記バージョン情報は、キャラクタの属するグループに応じた値を示す情報であると言うこともできる。なお、他の実施形態においては、マッチング条件の判定に用いられるキャラクタパラメータは、キャラクタの属するグループを示す情報であってもよい。このグループは、例えば、キャラクタの兵種(例えば、騎馬兵種や歩兵兵種等)や、キャラクタが装備する武器や、キャラクタの属性(例えば、火属性や水属性等)や、キャラクタが有するスキルや、キャラクタが有するアイテム等、キャラクタの性質および/または能力によって区分されるグループであってもよい。また、上記ゲームアプリケーションに登場する各キャラクタが、当該ゲームアプリケーションとは異なる他の複数のゲームアプリケーションのいずれかにおいて登場するキャラクタである場合(つまり、上記ゲームアプリケーションに登場する各キャラクタは、複数の他のゲームアプリケーションのいずれかに登場するキャラクタが元になっている場合)、上記のグループは、当該他のゲームアプリケーションのグループであってもよい。他の実施形態においては、情報処理システムは、上記のようなグループに関する条件をマッチング条件として指定する入力をユーザから受け付けるようにしてもよい。グループに関するマッチング条件を用いることで、ユーザは、例えば特定のグループのみを利用キャラクタとしたチーム同士で対戦を行うことも可能となるので、対戦ゲームをより多くの楽しみ方でプレイすることができる。
【0138】
図8に示す設定画像は、ゲーム設定領域54を含む。ゲーム設定領域54は、対戦ゲームにおけるゲーム設定であって、ユーザが指定するゲーム設定(例えば、対戦ゲームで用いるルールに関する設定)に関する情報が表示される領域である。本実施形態においては、ゲーム設定領域54には、優先設定画像55、指定制限時間画像56、指定マップ画像57、および、指定上限画像58が表示される。ユーザは、各画像55~58が示す情報を指定することで、対戦ゲームにおいて用いられることを希望するゲーム設定を指定することができる。
【0139】
指定制限時間画像56は、対戦ゲームにおける上述の制限時間に関する情報を示す。具体的には、指定制限時間画像56は、上述の手番残り時間の初期値(図8では「30秒」)を示す。本実施形態においては、ユーザは、予め用意された複数の選択肢から、自身が指定する手番残り時間の初期値を選択することができる。例えば、端末装置2は、指定制限時間画像56を指定する入力に応じて上記初期値の選択肢の一覧を表示し、一覧のうちから1つをユーザが選択することに応じて、指定制限時間画像56が示す内容を、選択された内容に変更する。
【0140】
なお、ユーザが指定可能な制限時間に関する情報は、上記手番残り時間に限らない。例えば、他の実施形態においては、情報処理システムは、手番残り時間に加えて(または代えて)、予備時間の有無、および/または、予備時間の計算方法をユーザが指定することができるようにしてもよい。
【0141】
指定マップ画像57は、対戦ゲームにおいて用いられるゲーム空間のマップに関する情報を示す。なお、本実施形態においては、対戦ゲームにおけるゲーム空間として、地形が互いに異なる複数種類のマップが用意されているものとする。なお、本実施形態では、各キャラクタは複数種類の兵種に分類され、兵種によってマップ上の地形を移動できる条件が異なる。例えば、騎馬兵種は、平地の地形のマス目については歩兵兵種よりも多く移動できるが、森の地形のマス目には進入できない、といった特徴があったり、飛行兵種は、他の兵種が進入できない山の地形のマス目に進入できるといった特徴があったりする。したがって、ユーザは、自身が用いる利用キャラクタの兵種の特徴に適したマップを指定することで、対戦ゲームを有利に進めやすくなる。
【0142】
本実施形態においては、ユーザは、予め用意された複数の選択肢から、自身が指定するマップを選択することができる。例えば、端末装置2は、指定マップ画像57を指定する入力に応じてマップの選択肢の一覧を表示し、一覧のうちから1つをユーザが選択することに応じて、指定マップ画像57が示す内容を、選択された内容に変更する。なお、本実施形態においては、上記選択肢には、用意される複数のマップに加えて、ユーザがマップを指定しないことを示す「おまかせ」の選択肢も含まれる(図8参照)。
【0143】
指定上限画像58は、利用キャラクタの上限レベル突破を有効とするか無効とするかに関する情報を示す。ここで、本実施形態においては、各キャラクタには上限レベル(例えば、40)が設定されるとともに、一定条件下で上限レベルをさらに上昇させる(すなわち、上限レベルを突破させる)ことで、キャラクタの能力値(例えば、攻撃力や防御力)をさらに上昇させることができる。対戦ゲームのゲーム設定において利用キャラクタの上限レベル突破が有効とされる場合には、上限レベルを突破したキャラクタは、突破によって上昇した能力値を有する状態で対戦ゲームが行われる。一方、利用キャラクタの上限レベル突破が無効とされる場合には、上限レベルを突破したキャラクタであっても、突破によって上昇した能力値ではなく、上限レベル時における能力値を有する状態で対戦ゲームが行われる。
【0144】
本実施形態においては、ユーザは、利用キャラクタの上限レベル突破を有効とするか無効とするかを指定することができる。例えば、端末装置2は、指定上限画像58を指定する入力に応じて、有効と無効との選択肢を表示し、選択肢から1つをユーザが選択することに応じて、指定上限画像58が示す内容を、選択された内容に変更する。
【0145】
なお、上限レベルを突破した状態のキャラクタを所有していないユーザ(例えば、初心者のユーザ)が、上限レベルを突破した状態のキャラクタを多く所有するユーザ(例えば、熟練者のユーザ)と対戦ゲームを行うと、利用キャラクタ自体の強さの面で劣ることから、対戦ゲームにおいて不利となる可能性がある。これに関して、本実施形態においては、利用キャラクタの上限レベル突破を有効とするか無効とするかをユーザが指定することができるので、ユーザは、利用キャラクタ自体の強さを同条件にして対戦ゲームを行うことができる。
【0146】
優先設定画像55は、対戦ゲームにおいて用いるゲーム設定を指定するユーザが、ユーザ自身であるか、対戦相手であるかを示す優先設定情報を示す。優先設定情報とは、ゲーム設定領域54において指定されるゲーム設定(すなわち、各画像56~58が示すゲーム設定)を対戦ゲームにおいて用いるか、それとも、対戦相手が指定するゲーム設定を対戦ゲームにおいて用いるかを示すものである。具体的には、優先設定画像55は、前者の場合、優先設定情報は、ユーザ自身を表す「自分の設定を使う」というメッセージを示し、後者の場合、優先設定情報は、対戦相手を表す「相手におまかせ」というメッセージを示す。なお、優先設定画像55が対戦相手を示す場合、各画像56~58が示す内容は表示されなくてもよい。本実施形態においては、端末装置2は、優先設定画像55を指定する入力に応じて、「自分の設定を使う」と「相手におまかせ」との選択肢を表示し、選択肢から1つをユーザが選択することに応じて、指定上限画像58が示す内容を、選択された内容に変更する。
【0147】
上記のように、ユーザは、ゲーム設定領域54において指定されるゲーム設定を対戦ゲームにおいて用いるか否かを指定することができる。なお、仮に優先設定画像55が示す項目を設けずにゲーム設定をユーザが指定するだけにすると、対戦ゲームのマッチングが決定しにくくなり、マッチングに時間を要する可能性がある。これに対して、本実施形態においては、対戦相手が指定するゲーム設定を対戦ゲームにおいて用いる旨の選択肢を加えることで、情報処理システムはマッチングをスムーズに行いやすくなる。
【0148】
なお、ゲーム設定領域54においてユーザが指定可能なゲーム設定の具体的な内容は任意である。他の実施形態においては、ゲーム設定領域54においてユーザが指定可能なゲーム設定の情報は、画像56~58が示す各情報を含んでいなくてもよいし、当該各情報とは異なる情報を含んでいてもよい。他の実施形態においては、端末装置2は、ゲーム設定の情報として、例えば、対戦ゲームに参加する利用キャラクタの数に関する情報、対戦ゲームにおけるターン数に関する情報、あるいは、ゲーム空間における上記制圧エリアに関する情報(例えば、制圧エリアの位置および/または大きさ)等をユーザが指定できるようにしてもよい。
【0149】
図8に示す設定画像は、開始ボタン画像59を含む。開始ボタン画像59は、端末装置2のユーザがマッチング開始指示を行うためのボタン画像である。すなわち、開始ボタン画像59を指定する入力がユーザによって行われた場合、端末装置2は、その時点で指定されているマッチング条件およびゲーム設定に基づくマッチング要求をサーバ1へ送信する。具体的には、端末装置2は、当該端末装置2のユーザに関する情報(例えば、ユーザのID等)、利用キャラクタおよび隊長スキルの情報、マッチング条件の情報、ゲーム設定の情報、および、対戦ゲームのゲームモードを示す情報(具体的には、フリー対戦モードを示す情報)を含むマッチング要求をサーバ1へ送信する。詳細は後述するが、マッチング要求を受信したサーバ1においてマッチングが行われて対戦相手のユーザが決定すると、端末装置2においてフリー対戦モードの対戦ゲームが開始される。
【0150】
ここで、本実施形態においては、マッチング開始指示が行われた場合であっても、その時点で指定されている利用キャラクタ(すなわち、利用キャラクタ領域50に表示されている利用キャラクタ)が、指定されているマッチング条件(すなわち、マッチング条件画像53が示すマッチング条件)を満たしていない場合、端末装置2は、マッチング要求を送信しない。上記の場合、対戦相手に対して要求するマッチング条件をユーザ自身の利用キャラクタが満たしていないので、このような場合にマッチングを行うと、対戦相手のユーザが不利になるおそれがあるためである。上記の場合、端末装置2は、利用キャラクタがマッチング条件を満たしていないことをユーザに対して通知したり、利用キャラクタまたはマッチング条件を指定し直すことを促す通知を行ったりする。
【0151】
なお、他の実施形態においては、指定されている利用キャラクタが、指定されているマッチング条件を満たしているか否かの判断は、端末装置2に代えてサーバ1によって行われてもよい。例えば、指定されている利用キャラクタが、指定されているマッチング条件を満たしていない場合でも、端末装置2はマッチング要求を送信し、サーバ1がこのようなマッチング要求に基づくマッチングを行わないようにしてもよい。
【0152】
図8に示す設定画像は、切替ボタン画像60および61を含む。切替ボタン画像60および61は、対戦ゲームのモードを切り替える切替指示を行うためのボタン画像である。すなわち、切替ボタン画像60または61を指定する入力がユーザによって行われた場合、端末装置2は、表示部24に表示する設定画像を、フリー対戦モード用の設定画像から、他のモード(すなわち、第1または第2レート対戦モード)用の設定画像へと切り替える。なお、端末装置2は、切替ボタン画像60を指定する入力に応じて、所定の順序で3つのモードの設定画像を切り替えて表示し、切替ボタン画像61を指定する入力に応じて、当該所定の順序とは逆の順序で3つのモードの設定画像を切り替えて表示する。なお、図示しないが、各レート対戦モードにおける設定画像は、当該対戦モードにおいて利用する利用キャラクタをユーザが指定するためのユーザインターフェースを含む。
【0153】
上述のマッチング要求を受信したサーバ1は、マッチング要求を送信した端末装置2のユーザと、対戦相手となる他のユーザとからなる、対戦ゲームの参加ユーザを決定するマッチング処理を実行する。本実施形態においては、サーバ1は、マッチング要求をそれぞれ送信した各端末装置2のユーザのうちから、各マッチング要求に基づいてマッチングを行う。具体的には、サーバ1は、各マッチング要求のうちから、適合条件を満たす2つのマッチング要求を選出し、選出された2つのマッチング要求に対応する2人のユーザを参加ユーザとして決定する。
【0154】
本実施形態においては、適合条件は、マッチング適合条件と、設定適合条件との両方を満たすことである。マッチング適合条件は、2つのマッチング要求が、互いに、自身の利用キャラクタが相手のマッチング条件を満たす関係となっていることである。例えば、2つのマッチング要求に含まれるマッチング条件が同じである場合、2つのマッチング要求は互いに自身の利用キャラクタが相手のマッチング条件を満たすこととなるので、マッチング適合条件が満たされる。また例えば、2つのマッチング要求における一方のマッチング要求に含まれるマッチング条件が「ストーリー2部まで」であり、他方のマッチング要求に含まれるマッチング条件が「ストーリー3部まで」である場合のように、両者のマッチング条件が異なる場合であっても、マッチング適合条件が満たされることがある。例えば、上記の場合において、それぞれのマッチング要求に含まれる利用キャラクタが、ストーリー2部までに登場するキャラクタであれば、互いの利用キャラクタが相手のマッチング条件を満たすこととなるので、マッチング適合条件が満たされる。
【0155】
また、設定適合条件は、2つのマッチング要求におけるゲーム設定が適合することである。具体的には、設定適合条件は、(a)少なくとも一方のマッチング要求に含まれる優先設定情報が対戦相手を示すこと、(b)両方のマッチング要求に含まれる優先設定情報が共にユーザ自身を示し、かつ、両方のマッチング要求に含まれるゲーム設定の情報が同じであること、のいずれかが満たされることである。詳細は後述するが、上記(a)の場合には対戦ゲームにおけるゲーム設定を決定できるのに対して、両方のマッチング要求に含まれる優先設定情報が共にユーザ自身を示す場合には、互いのゲーム設定の情報が同じでなければ、各ユーザが希望するゲーム設定が一致しないので、対戦ゲームにおけるゲーム設定を決定することができない。そのため、本実施形態においては、マッチング適合条件に加えて上記の設定適合条件を用いることで、マッチングによる対戦ゲームのゲーム設定を決定できるようにしている。
【0156】
なお、端末装置2からマッチング要求を受信した場合、サーバ1は、受信したマッチング要求を保存する。サーバ1は、適宜のタイミングで(例えば、新たなマッチング要求を受信したタイミングで)、保存されている複数のマッチング要求について適合条件を満たす組を選出し、選出されたマッチング要求に対応する2人のユーザを参加ユーザとして決定する。
【0157】
マッチング要求に応じて対戦ゲームの参加ユーザが決定されると、情報処理システムは、当該対戦ゲームにおけるゲーム設定を決定する。図9は、対戦ゲームにおけるゲーム設定の決定方法の一例を示す図である。図9においては、参加ユーザの一方をユーザAとし、他方をユーザBとし、以下において、これらの参加ユーザについての対戦ゲームにおけるゲーム設定を決定する場合を例として説明する。
【0158】
まず、一方のユーザAについてのマッチング要求において、上記優先設定情報がユーザ自身(すなわち、「自分の設定を使う」)を示し、他方のユーザBについてのマッチング要求において、優先設定情報が対戦相手(すなわち、「相手におまかせ」)を示す場合、情報処理システムは、ユーザAについてのマッチング要求に含まれるゲーム設定の情報となるように、対戦ゲームにおけるゲーム設定を決定する。また、一方のユーザAについてのマッチング要求において、優先設定情報が対戦相手を示し、他方のユーザBについてのマッチング要求において、優先設定情報がユーザ自身を示す場合、情報処理システムは、ユーザBについてのマッチング要求に含まれるゲーム設定の情報となるように、対戦ゲームにおけるゲーム設定を決定する。このように、対戦ゲームにおける2人の参加ユーザのうちいずれか一方のマッチング要求のみの優先設定情報がユーザ自身を示す場合、当該一方のマッチング要求が示すゲーム設定が対戦ゲームにおいて用いられる。なお、上記マッチング要求が示すゲーム設定の情報において、ユーザがマップを指定していない場合(すなわち、上述の「おまかせ」の選択肢が指定された場合)、対戦ゲームにおけるマップは、サーバ1によって任意の方法で決定される。例えば、マップは、予め定められたものに決定されたり、複数の候補からランダムに決定されたりする。
【0159】
また、両方の参加ユーザについての各マッチング要求において、それぞれの優先設定情報が対戦相手を示す場合、情報処理システムは、対戦ゲームにおけるゲーム設定を自動的に(すなわち、マッチング要求に基づかずに)決定する。すなわち、対戦ゲームの制限時間、マップ、および、利用キャラクタの上限レベル突破の有効または無効は、自動的に決定される。このとき、具体的な決定方法は任意であり、ゲーム設定は、予め定められた内容に決定されてもよいし、候補となる複数の内容からランダムに決定されてもよい。
【0160】
また、両方の参加ユーザについての各マッチング要求において、それぞれ優先設定情報がユーザ自身を示す場合、(このような2つのマッチング要求は上述の設定適合条件を満たしているので、)各マッチング要求におけるゲーム設定は同じである。したがって、この場合、情報処理システムは、各マッチング要求に含まれるゲーム設定の情報となるように、対戦ゲームにおけるゲーム設定を決定する。
【0161】
上記のように、本実施形態においては、端末装置は、当該端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、(a)対戦ゲームのルールに関するゲーム設定(すなわち、各画像56~58が示すゲーム設定)と、当該ゲーム設定が適用されることとを示す第1情報(すなわち、ユーザ自身を示す優先設定情報)、または、(b)対戦相手となる他のユーザが指定したゲーム設定が適用されることを示す第2情報(すなわち、対戦相手を示す優先設定情報)を含むゲーム設定情報を指定する。サーバは、上記ゲーム設定情報に基づいて対戦ゲームの参加ユーザを決定する。これによれば、ユーザは、対戦相手をマッチングによって決定する場合において所望のゲーム設定で対戦ゲームを行うことができる。また、上記第2情報を指定可能とすることで、マッチングを行いやすくすることができる。
【0162】
上記において、サーバ1は、上記第1情報を含むゲーム設定情報を含むマッチング要求を送信した端末装置のユーザと、上記第2情報を含むゲーム設定情報を含むマッチング要求を送信した端末装置のユーザとを参加ユーザに決定する。このとき、サーバ1は、当該端末装置同士による対戦ゲームにおけるゲーム設定を、当該第1情報を含むゲーム設定情報に基づいて決定する。これによれば、ユーザが希望するゲーム設定での対戦ゲームを可能としつつ、適切に参加ユーザを決定することができる。
【0163】
また、サーバ1は、上記第2情報を含むゲーム設定情報を含むマッチング要求を送信した2つの端末装置の各ユーザを参加ユーザに決定する。このとき、サーバ1は、当該端末装置同士による対戦ゲームにおけるゲーム設定を自動的に決定する。これによれば、ゲーム設定を自動的に決定することで、第2情報を含むマッチング要求に対応するユーザ同士を参加ユーザとして決定することができるので、マッチングをより行いやすくすることができる。
【0164】
また、サーバ1は、上記第1情報が示すゲーム設定が同じであることを条件として、第1情報を含むゲーム設定情報を含むマッチング要求を送信した2つの端末装置の各ユーザを参加ユーザに決定する。このとき、サーバ1は、当該端末装置同士による対戦ゲームにおけるゲーム設定を、当該ゲーム設定情報に基づいて決定する。これによれば、第1情報を含むマッチング要求に対応するユーザ同士を参加ユーザとして決定することができるので、マッチングをより行いやすくすることができる。
【0165】
なお、他の実施形態においては、情報処理システムは、マッチング要求に含まれるマッチング条件およびゲーム設定情報とは異なる情報を用いてマッチングを行ってもよい。例えば、他の実施形態においては、サーバ1は、後述するレート対戦モードにおいて用いられるレートとは異なるレートを各ユーザに対して関連付け、対戦する2人のユーザの当該レートの値が近いことを条件にしてマッチングを行うようにしてもよい。なお、フリー対戦モードにおいて用いられる上記レートは、各レート対戦モードにおいて用いられるレートとは異なり、ユーザに対して自身のレートの値が通知されないものであってもよい。また例えば、サーバ1は、同じ相手と頻繁に対戦する可能性を低減するべく、1度対戦したユーザとは一定期間は対戦しないようにマッチングを行うようにしてもよい。また例えば、サーバ1は、端末装置にインストールされているゲームアプリケーションのバージョンが互いに異なる場合、当該2つの端末装置のユーザ同士が対戦しないようにマッチングを行うようにしてもよい。
【0166】
また、本実施形態においては、マッチング条件は、利用キャラクタに関する条件(具体的には、利用キャラクタが適当であるか否かを判定するための条件)であった。ここで、他の実施形態においては、マッチング条件は、利用キャラクタに関する条件に限らず、他の条件を含んでいてもよい。マッチング条件は、例えば、ユーザに関する条件を含んでいてもよい。具体的には、マッチング条件は、ユーザがゲームアプリケーションをインストールしてからの期間に関する条件を含んでもよいし、ユーザが所有するキャラクタの数に関する条件を含んでもよいし、ゲームアプリケーションにおいて設定されるユーザのレベルに関する条件を含んでもよい。このようなユーザに関するマッチング条件を用いることによって、例えば初心者のユーザが上級者のユーザとの対戦を避けるようにしたり、ユーザ自身のレベルにあった対戦相手と対戦しやすくしたりすることができる。
【0167】
また、サーバ1は、マッチング要求を送信した端末装置2のユーザに対して、一定条件下で、他のユーザではなく、情報処理システムによって操作されるチームとの対戦をマッチングするようにしてもよい。例えば、マッチング要求を受信してから所定時間が経過してもマッチングを行うことができなかった場合、サーバ1は、当該マッチング要求に対応するユーザに対して、情報処理システムによって操作されるチームとの対戦をマッチングするようにしてもよい。また、フリー対戦モードにおいて上記のレート(すなわち、レート対戦モードにおいて用いられるレートとは異なるレート)に基づいてマッチングを行う場合、レートが所定の基準より低いユーザ(すなわち、初心者のユーザ)に対しては、情報処理システムによって操作されるチームとの対戦をマッチングするようにしてもよい。これは、情報処理システムによって操作されるチームとの対戦ゲームの方が、他のユーザによって操作されるチームとの対戦ゲームよりも難易度が低いと一般的には考えられるので、レートが所定の基準より低いユーザが対戦ゲームに勝利しやすくするためである。
【0168】
以上のようにして、対戦ゲームの参加ユーザおよび対戦ゲームのゲーム設定が決められると、サーバ1は、各参加ユーザの端末装置2に対して、対戦ゲームの実行に用いられる情報を示すゲームデータを送信する。このゲームデータは、例えば、対戦相手に関する情報(具体的には、対戦相手のユーザ名、利用キャラクタ、および、隊長スキル等)、および、決定されたゲーム設定の情報を含む。その後、ゲームデータを受信した各端末装置において対戦ゲームが実行され、端末装置間で適宜通信が行われることによって対戦ゲームが進められる。
【0169】
なお、詳細は後述するが、各レート対戦モードにおける対戦ゲームについては、対戦ゲームを行うことが可能な期間および回数に制限が設けられる。これに対して、フリー対戦モードについては、対戦ゲームを行うことが可能な期間および回数に制限は設けられない。ただし、他の実施形態においては、フリー対戦モードにおいても、上記の期間および回数に制限が設けられてもよい。
【0170】
[2-4-2.第1レート対戦モード]
第1レート対戦モードは、ユーザ毎に設定されるレートに基づいてマッチングが行われるゲームモードである。本実施形態においては、情報処理システムは、レート対戦モードの対戦ゲームを行う各ユーザに対してそれぞれレートを設定し、ゲーム結果に応じてレートの値を変動させる。また、情報処理システムは、ユーザのレートに応じてユーザ毎に階級を設定する。すなわち、情報処理システムは、各ユーザをレートに応じて複数の階級に区分する。
【0171】
第1レート対戦モードで対戦ゲームを行う場合も上記フリー対戦モードの場合と同様に、端末装置2は、当該対戦ゲームを開始する旨のユーザ指示に応じて、マッチング要求をサーバ1へ送信する。このマッチング要求は、端末装置2のユーザに関する情報(例えば、ユーザのID等)、利用キャラクタおよび隊長スキルの情報、および、対戦ゲームのゲームモードを示す情報(具体的には、第1レート対戦モードを示す情報)を含む。なお、レート対戦モードにおいては、上述のマッチング条件およびゲーム設定のユーザによる指定は行われないので、レート対戦モードにおけるマッチング要求は、マッチング条件およびゲーム設定に関する情報を含まない。サーバ1は、各端末装置からマッチング要求を受信し、マッチング要求を送信した各端末装置の各ユーザについてマッチングを行う。そして、マッチングによって設定された2人の参加ユーザ同士で対戦ゲームが行われる。
【0172】
本実施形態においては、第1レート対戦モードにおいては、サーバ1は、マッチング要求に対応するユーザの階級に基づいてマッチングを行う。例えば、サーバ1は、階級が近いユーザ同士(例えば、階級の差が1以内のユーザ同士)が対戦するようにマッチングを行う。なお、第1レート対戦モードにおいて、サーバ1は、ユーザの対戦相手として他のユーザとの対戦をマッチングする他、一定条件下で、情報処理システムによって操作されるチームとの対戦をマッチングするようにしてもよい。例えば、サーバ1は、階級が所定の基準よりも低いユーザについては、情報処理システムによって操作されるチームとの対戦をマッチングしてもよい。また例えば、サーバ1は、階級が所定の基準より低く、かつ、所定の基準以上の連敗をしているユーザについては、情報処理システムによって操作されるチームとの対戦をマッチングしてもよい。情報処理システムによって操作されるチームとの対戦の方が実際のユーザとの対戦よりも勝利しやすいと考えられるので、上記のようなユーザが勝利しやすいマッチングを行うことで、これらのユーザが対戦ゲームを行うモチベーションを失わないようにするためである。
【0173】
また、第1レート対戦モードにおいて、サーバ1は、対戦ゲームの結果に応じて当該対戦ゲームを行ったユーザのレートを変動させる。具体的には、サーバ1は、対戦ゲームに勝利したユーザのレートを上昇させるとともに、対戦ゲームに敗北したユーザのレートを下降させる。なお、サーバ1は、レートの上昇量および下降量を、対戦したユーザ同士の階級差に応じて異ならせるようにしてもよい。
【0174】
本実施形態においては、第1レート対戦モードにおける対戦ゲームは、所定長さの単位プレイ期間(例えば、3日間の期間)において可能となる。すなわち、単位プレイ期間において、端末装置2は、第1レート対戦モードに関するマッチング要求を送信し、サーバ1は、当該マッチング要求に基づくマッチングを行う。サーバ1は、単位プレイ期間が経過した後において、当該単位プレイ期間における各レート対戦モードにおける対戦ゲームに関するユーザの成績(例えば、レートや階級)に基づいて、ユーザに対して報酬を付与する。なお、情報処理システムは、1回の単位プレイ期間において1人のユーザが第1レート対戦の対戦ゲームを実行可能な回数に制限を設ける(例えば、3回敗北すると終了とする)。これは、単位プレイ期間において対戦ゲームを多くの回数行ったユーザが有利になることを防止するためである。
【0175】
[2-4-3.第2レート対戦モード]
第2レート対戦モードは、第1レート対戦モードと同様、ユーザ毎に設定されるレートに基づいてマッチングが行われるゲームモードである。なお、本実施形態においては、第1レート対戦モードにおいて用いられるレートと第2レート対戦モードにおいて用いられるレートとは別のものであるとするが、他の実施形態においては、両者で同じレートが用いられてもよい。第2レート対戦モードにおいてレートに基づいてマッチングが行われる点については、第1レート対戦モードと同様である。また、第2レート対戦モードにおいても第1レート対戦モードと同様に、単位プレイ期間が設けられ、当該単位プレイ期間におけるユーザの成績に基づいてユーザに対する報酬が付与される。また、1回の単位プレイ期間において1人のユーザが第2レート対戦の対戦ゲームを実行可能な回数に制限が設けられる。
【0176】
第2レート対戦モードは、対戦ゲームを行う前に、1人のユーザが複数のチームを用意する点で、1人のユーザが1つのチームを用意する第1レート対戦モードとは相違する。以下、第2レート対戦モードにおける説明として、この相違点について主に説明し、第1レート対戦モードと同様またはそれに準じた処理については説明を省略する。
【0177】
図10は、第2レート対戦モードにおいて利用チームが決定されるまでの処理の流れの一例を示す図である。なお、図10においては、端末装置Aのユーザと端末装置Bのユーザとが参加ユーザとして第2レート対戦モードの対戦ゲームが行われる場合を例として説明する。なお、図10においては、端末装置Aにおける利用チームが決定される流れを示しているが、実際には、図10に示す処理の流れと同様の処理によって端末装置Bにおける利用チームも決定される。
【0178】
ここで、本実施形態においては、第2レート対戦モードにおいて端末装置2からマッチング要求が送信される前に、端末装置2のユーザは、4つの候補チームを設定しておく。候補チームは、第2レート対戦モードの対戦ゲームにおいて利用される利用チームの候補となるチームである。例えば、端末装置2は、第2レート対戦モードにおける設定画像(不図示)が表示される状態において、4つの候補チームに含まれる利用キャラクタを指定する入力をユーザから受け付け、当該入力に応じて各候補チームに含まれる利用キャラクタを設定する。なお、本実施形態においては、端末装置2は、単一のキャラクタを複数の候補チームに含ませる入力を受け付けないものとする。つまり、ユーザは、単一のキャラクタを複数の候補チームに含ませることはできないものとする。これは、同じキャラクタ構成である複数の候補チームを設定したり、強力なキャラクタを全ての候補チームに含ませたりすることをできないようにするためである。また、端末装置2は、ユーザの入力に応じて、各候補チームにおける隊長キャラクタの隊長スキルをそれぞれ設定する。隊長スキルについては、各候補チームにおいて同じ隊長スキルを重複して設定することも可能であるものとする。
【0179】
第2レート対戦モードにおいて各候補チームが設定された後、図10に示すように、端末装置Aは、ユーザの指示に応じてサーバ1へマッチング要求を送信する(ステップS1)。このマッチング要求は、端末装置Aのユーザに関する情報(例えば、ユーザのID等)、および、各候補チームの情報(図10では、候補チームA~Dの情報)を含む。図10において図示しないが、サーバ1は、端末装置Bからもマッチング要求を受信する。
【0180】
サーバ1は、受信したマッチング要求に基づいてマッチングを行い、マッチングによって決定された各参加ユーザの端末装置AおよびBに対して、対戦ゲームの実行に用いられるゲームデータを送信する(ステップS2)。このゲームデータは、例えば、対戦相手に関する情報(具体的には、対戦相手のユーザ名、および、候補チーム等)を含む。図10に示す例においては、サーバ1は、端末装置Bに対して、端末装置Aの候補チームA~Dの情報を含むゲームデータを送信する。図10において図示しないが、サーバ1は、端末装置Aに対して、端末装置Bの候補チームの情報を含むゲームデータを送信する。
【0181】
サーバ1からゲームデータを受信した端末装置Bは、端末装置Aの候補チームA~Dの情報を表示し、候補チームA~Dのうちで、今回の対戦ゲームにおいて利用禁止とする禁止チームを指定する指示をユーザから受け付ける(ステップS3)。端末装置Bのユーザは、端末装置Aのユーザの候補チームA~Dのうちから、上記禁止チームとして2つのチーム(図10に示す例においては、候補チームAおよびC)を指定する。なお、本実施形態においては、禁止チームとして指定できる候補チームの数を2つとするが、この数は、1以上でかつ候補チームの数未満である任意の数であってよい。
【0182】
なお、上記の指示を受け付ける場合、端末装置2は、ユーザが禁止チームを指定する参考とするために、各候補チームにおける各キャラクタの能力(スキルを含む意味である)を表示部24に表示する。ここで、本実施形態においては、各候補チームにおける隊長キャラクタの隊長スキルについては表示されないものとする。上述したように、対戦ゲームにおいては対戦相手の隊長スキルが発動するまで隊長スキルの内容をユーザに提示しないようにしているので、対戦ゲーム前においても対戦相手の隊長スキルの内容をユーザがわからないようにするためである。
【0183】
端末装置Bは、ユーザによって指定されたチームを禁止チームに設定し、禁止チームの情報を端末装置Aへ送信する(ステップS4)。禁止チームの情報を受信した端末装置Aは、候補チームA~Dのうち、当該禁止チーム(図10に示す例においては、候補チームAおよびC)を除く候補チーム(図10に示す例においては、候補チームBおよびD)から1つの利用チームを指定する入力をユーザから受け付ける(ステップS5)。端末装置Aのユーザは、禁止チームを除く候補チームのうちから、対戦ゲームにおいて用いる利用チームを指定する。端末装置Aは、ユーザによって指定された利用チーム(図10に示す例においては、利用チームB)を示す情報を端末装置Bへ送信する(ステップS6)。
【0184】
以上によって、端末装置Aにおける利用チームが決定され、当該利用チームの情報が端末装置Bへ通知される。上述のように、図10に示す処理の流れと同様の処理によって端末装置Bにおける利用チームも決定され、各端末装置AおよびBにおける利用チームが決定された後で、各端末装置AおよびBにおいて第2レート対戦モードにおける対戦ゲームが開始される。
【0185】
上記のように、本実施形態においては、第2レート対戦モードでは、ユーザは、対戦相手のユーザの複数の候補チームのうちから、いくつかを禁止チームとして指定することができる。これによって、ユーザは、複数の候補チームのうち、例えば、強力なチームや、自身のチームにとって相性の悪いチームが利用チームとなることを制限することができる。また、第2レート対戦モードにおいては、候補チームの編成に関して戦略性が増すので、対戦ゲームの戦略性をより向上させることができる。
【0186】
以上のように、本実施形態においては、対戦ゲームは、レート対戦モード(すなわち、第1レート対戦モードまたは第2レート対戦モード)と、フリー対戦モードとの少なくともいずれかで実行可能である。ここで、レート対戦モードにおいては、ユーザに対応付けられるレートが対戦ゲームの結果に応じて変動し、フリー対戦モードにおいては、当該レートは対戦ゲームの結果に応じて変動しない。また、サーバ1は、フリー対戦モードにおいて、マッチング条件に関するパラメータ(具体的には、キャラクタのバージョン情報に関するパラメータ)に基づく参加者の決定を行い、レート対戦モードにおいては当該パラメータに基づく参加ユーザの決定を行わない。これによれば、上記パラメータを用いてマッチングが行われるゲームモードをユーザに提供することができるとともに、レート対戦モードにおいて、当該パラメータを用いたマッチングが行われることによって一方のユーザが有利になりすぎる可能性を低減することができる。
【0187】
なお、他の実施形態においては、上記の3つのゲームモードに加えて、他のゲームモードによって対戦ゲームが実行されてもよい。例えば、他のゲームモードにおいては、端末装置2においてユーザのフレンドのユーザが登録されている場合において、フレンドのユーザを指定して対戦することができるようにマッチングが行われてもよいし、特定の合い言葉(パスワードとも言える)を指定することで、同じ合い言葉を指定したユーザ同士を対戦させるようにマッチングが行われてもよい。また、他の実施形態においては、情報処理システムは、上記3つのゲームモードで対戦ゲームを実行可能である必要はなく、いずれか1つのゲームモードのみによって対戦ゲームが行われてもよい。
【0188】
また、本実施形態においては、上記対戦ゲームのゲームアプリケーションにおいては、対戦ゲームとは異なる他のゲーム(例えば、上述したストーリーゲーム)が実行可能であってもよい。ここで、対戦ゲームにおいては、ユーザの所有するキャラクタが上記他のゲームにおいて用いられる場合と比べてキャラクタの能力に変更が加えられてもよい。例えば、情報処理システムは、他のゲームで用いられる場合と比べて対戦ゲームにおいて有利になりすぎるキャラクタについては、対戦ゲームにおいて一部の能力を制限したり低下させたりしてもよい。
【0189】
[3.情報処理システムにおける処理の具体例]
次に、図11図17を参照して、情報処理システムにおける情報処理の具体例について説明する。
【0190】
[3-1.情報処理に用いられるデータ]
図11および図12は、情報処理システムにおける情報処理に用いられる各種データの一例を示す図である。図11に示す各データは、端末装置2の記憶部22に記憶されるデータの一例であり、図12に示す各データは、サーバ1の記憶部12に記憶されるデータの一例である。
【0191】
図11に示すように、端末装置2は、端末側ゲームプログラムを記憶する。端末側ゲームプログラムは、上記ゲームアプリケーションを実行するための端末側のゲームプログラムであり、端末装置2で実行されるゲーム処理(図13図16に示す各処理)を実行するためのプログラムである。すなわち、端末装置2の処理部21が上記端末側ゲームプログラムを実行することによって、後述する各処理(図13図16参照)が端末装置2において実行される。
【0192】
端末装置2は、少なくとも、ユーザデータ、所有キャラクタデータ、チームデータ、マッチング条件データ、ゲーム設定データ、および、対戦ゲームデータを記憶する。なお、これらのデータの他、端末装置2は、対戦ゲームの実行に用いられる各種データを記憶する。
【0193】
ユーザデータは、端末装置2のユーザに関する各種情報を示すデータである。例えば、ユーザデータは、当該ユーザのID、および、ゲームにおいて当該ユーザが所有するアイテムやポイントや通貨等の情報を示す。
【0194】
所有キャラクタデータは、端末装置2のユーザが所有するキャラクタに関する各種情報を示すデータである。本実施形態においては、所有キャラクタデータは、キャラクタ毎のキャラクタデータを含む。例えば、キャラクタデータは、キャラクタについてのポイントデータおよびバージョンデータを含む。ポイントデータは、当該キャラクタに関連付けられる上述のキャラクタポイントを示す。バージョンデータは、当該キャラクタに関連付けられる上述のバージョン情報を示す。なお、キャラクタデータは、上記のデータの他、当該キャラクタの能力値(例えば、レベルや体力や攻撃力や防御力等)、および、当該キャラクタが有するスキルの情報を示すデータを含む。
【0195】
チームデータは、上記対戦ゲームに用いられるチームに関する情報を示すデータである。例えば、チームデータは、チームに含まれる各キャラクタ、および、隊長スキルの情報を示す。なお、チームデータは、対戦ゲームにおける各ゲームモードにおいて用いられるチーム毎にそれぞれ記憶される。また、上述の第2レート対戦モードについては、設定される各候補チーム毎にチームデータが記憶される。
【0196】
マッチング条件データは、上述のフリー対戦モードにおいてユーザによって設定されるマッチング条件の情報を示すデータである。具体的には、マッチング条件データは、対戦ゲームにおいて第何部までのストーリーに登場するキャラクタを利用可能とするかを示す値(すなわち、パラメータ)を示す。
【0197】
ゲーム設定データは、上述のフリー対戦モードにおいてユーザによって設定されるゲーム設定に関する情報を示すデータである。具体的には、ゲーム設定データは、上述の手番残り時間の初期値、マップに関する情報、利用キャラクタの上限レベル突破を有効とするか否かを示す情報、および、優先設定情報を示す。
【0198】
対戦ゲームデータは、端末装置2において実行される対戦ゲームに関する情報(例えば、ゲームの状況)を示すデータである。例えば、対戦ゲームデータは、スコアデータ、および、エリアデータを含む。スコアデータは、対戦ゲームにおける各チームの撃破スコアおよび制圧スコアを示す。エリアデータは、対戦ゲームのゲーム空間における制圧エリアの位置を示す。また、対戦ゲームデータは、対戦ゲーム中における各キャラクタの状態(例えば、体力および位置)を示すデータを含む。対戦ゲームデータは、対戦ゲーム中における適宜のタイミングで(例えば、後述するステップS11,S17,S36,S39,S41,S43,S45の処理において)更新される。
【0199】
図12に示すように、サーバ1は、サーバ側ゲームプログラムを記憶する。サーバ側ゲームプログラムは、上記ゲームアプリケーションを実行するためのサーバ側のゲームプログラムであり、サーバ1で実行されるサーバ処理(図17に示す処理)を実行するためのプログラムである。すなわち、サーバ1の処理部11が上記サーバ側ゲームプログラムを実行することによって、後述する各処理(図17参照)がサーバ1において実行される。
【0200】
また、サーバ1は、ユーザデータ、キャラクタデータ、および、マッチング要求データを記憶する。なお、これらのデータの他、サーバ1は、対戦ゲームの実行に用いられる各種データを記憶する。
【0201】
ユーザデータは、対戦ゲームを行うユーザに関する情報を示すデータである。サーバ1は、ユーザデータをユーザ毎に記憶する。ユーザデータは、当該ユーザのID、ゲームにおいて当該ユーザが所有するアイテムやポイントや通貨等の情報、および、当該ユーザの対戦ゲームのゲーム結果(例えば、これまでの対戦結果)の情報を示す。
【0202】
キャラクタデータは、ゲームに用いられる各キャラクタに関する情報を示すデータである。サーバ1は、キャラクタデータをキャラクタ毎に記憶する。キャラクタデータは、当該キャラクタの能力値(例えば、レベルや攻撃力や防御力等)、および、当該キャラクタが有するスキルの情報等を示す。
【0203】
マッチング要求データは、端末装置2から受信されたマッチング要求を示すデータである。本実施形態においては、サーバ1は、端末装置2から受信したマッチング要求のデータを記憶するとともに、当該マッチング要求についてマッチングが完了すると、当該マッチング要求のデータを削除する。
【0204】
なお、サーバ1は、図12に示すデータの他に、サーバ処理の実行に用いるために、端末装置2に記憶される各種データ(図11参照)の一部または全部を記憶していてもよい。また、情報処理システムにおいて用いられる各データは、サーバ1および端末装置2のいずれに記憶されていてもよい。なお、サーバ1と端末装置2とにおいて同じデータが記憶される場合には、適宜のタイミングで、サーバ1に記憶されるデータと端末装置2に記憶されるデータとの同期がとられる。
【0205】
[3-2.端末装置における処理]
図13は、端末装置によって実行される対戦ゲーム処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図13に示す対戦ゲーム処理は、端末装置2において対戦ゲームが開始されたことに応じて開始される。
【0206】
なお、本実施形態では、サーバ1の処理部11または端末装置2の処理部21のCPU(換言すればプロセッサ)が、記憶部12または22に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、図13図17に示す各ステップの処理を実行するものとして説明する。ただし、他の実施形態においては、上記各ステップの処理のうちの一部の処理を、CPUとは別のプロセッサ(例えば、専用回路等)が実行するようにしてもよい。また、端末装置2がサーバ1と通信可能である場合、図13図16に示す各ステップの処理の一部は、サーバ1において実行されてもよい。また、図17に示す各ステップの処理の一部は、端末装置2において実行されてもよい。また、図13図17に示す各ステップの処理は、単なる一例に過ぎず、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよいし、各ステップの処理に加えて(または代えて)別の処理が実行されてもよい。
【0207】
また、端末装置2の処理部21は、図13図16に示す各ステップの処理を、メモリ(または記憶部22)を用いて実行する。すなわち、処理部21のCPUは、各処理ステップによって得られるデータをメモリに記憶し、それ以降の処理ステップにおいて当該データを用いる場合には、メモリから当該データを読み出して利用する。同様に、サーバ1の処理部11は、図17に示す各ステップの処理を、メモリ(または記憶部12)を用いて実行する。すなわち、処理部11のCPUは、各処理ステップによって得られるデータをメモリに記憶し、それ以降の処理ステップにおいて当該データを用いる場合には、メモリから当該データを読み出して利用する。
【0208】
図13に示す端末処理においては、まずステップS11において、処理部21は、対戦ゲームにおけるチームに含まれるキャラクタを、各チームのそれぞれについてゲーム空間に配置する。すなわち、処理部21は、端末装置2のユーザによる入力を示すデータを入力部23から取得し、取得したデータに基づいて各自軍キャラクタをゲーム空間内に配置する。このとき、処理部21は、通信部25を用いて、各自軍キャラクタの配置を示すデータを対戦相手のユーザの端末装置へ送信する。また、処理部21は、通信部25を用いて、敵軍キャラクタの配置を示すデータを対戦相手のユーザの端末装置から受信し、受信したデータに基づいて敵軍キャラクタをゲーム空間内に配置する。なお、敵軍チームが情報処理システムによって操作される場合は、サーバ1が敵軍キャラクタの配置を決定し、当該配置を示すデータはサーバ1から端末装置2へ送信される。さらに、処理部21は、各キャラクタがゲーム空間に配置された様子を示すゲーム画像(例えば、図4参照)を表示部24に表示させる。ステップS11の次にステップS12の処理が実行される。
【0209】
ステップS12において、処理部21は、対戦ゲームにおけるターンを開始する。具体的には、処理部21は、“[2-1.対戦ゲームの流れ]”の欄で述べた方法に従って、ターン開始時に先手となるチームを決定する。これによって、先手となるチームが操作可能状態に設定されたこととなる。また、処理部21は、対戦ゲームにおけるターン数をカウントする。ステップS12の次にステップS13の処理が実行される。
【0210】
ステップS13において、処理部21は、各キャラクタが有するスキルのうち、ターン開始時に発動するスキルに応じた処理を実行する。例えば、隊長スキルの一例である上述のエリア移動スキルは、発動条件が満たされている場合にはターンの開始時に効果が発揮されるスキルである。したがって、処理部21は、エリア移動スキルを有する隊長スキルが存在する場合、発動条件が満たされるか否かを判定し、発動条件が満たされる場合、ゲーム空間における制圧エリアの位置を変更する。なお、制圧エリアの位置は、“[2-3.隊長キャラクタ]”の欄で述べた方法に従って変更される。上記の場合、処理部21は、記憶部22に記憶されているエリアデータを、更新後の制圧エリアの位置を示すように更新する。ステップS13の次にステップS14の処理が実行される。
【0211】
ステップS14において、処理部21は手番処理を実行する。手番処理は、1つのチームに対して設定される1回の手番においてゲームを進行させるための処理である。以下、図14を参照して、手番処理の詳細について説明する。
【0212】
図14は、図13に示すステップS14における手番処理の詳細な流れの一例を示すサブフローチャートである。手番処理においては、まずステップS31において、処理部21は、自軍チームの手番であるか否かを判定する。この判定は、図13に示す対戦ゲーム処理における上記ステップS12および後述のステップS15の処理結果に基づいて行われる。ステップS31の判定結果が肯定である場合、ステップS32の処理が実行される。一方、ステップS31の判定結果が否定である場合、後述するステップS40の処理が実行される。
【0213】
ステップS32において、処理部21は、端末装置2のユーザによる、自軍チームを操作するための操作入力を受け付ける。すなわち、処理部21は、端末装置2のユーザによる入力を示すデータを入力部23から取得する。なお、ステップS32~S35の処理ループは、所定時間(例えば、1フレーム時間)に1回の割合で繰り返し実行される。ステップS32の次にステップS33の処理が実行される。
【0214】
ステップS33において、処理部21は、現在の手番における手番残り時間または予備時間の管理を行う。すなわち、処理部21は、手番の開始時においては手番残り時間を初期値に設定し、その後においては、“[2-1.対戦ゲームの流れ]”で述べた方法に従って手番残り時間または予備時間のカウントダウンを行う。また、処理部21は、所定の単位時間(例えば、1秒)が経過する毎に、表示部24に表示されるゲーム画像における残り時間領域34の表示を更新する。ステップS33の次にステップS34の処理が実行される。
【0215】
ステップS34において、処理部21は、ステップS33の処理においてカウントダウンが行われた結果、ユーザの操作時間が制限時間に達したか否かを判定する。ステップS34の判定結果が否定である場合、ステップS35の処理が実行される。一方、ステップS34の判定結果が肯定である場合、後述するステップS39の処理が実行される。
【0216】
ステップS35において、処理部21は、ステップS32の処理で受け付けられた、自軍チームを操作するための操作入力が完了したか否かを判定する。具体的には、処理部21は、自軍キャラクタに1回の行動を行わせるための操作入力が完了したか否かを判定する。例えば、自軍キャラクタを移動させる操作が、当該自軍キャラクタの移動前の位置から移動後の位置へのドラッグ操作である場合、ステップS35の処理は、当該ドラッグ操作が完了したか否かを判定する処理である。ステップS35の判定結果が肯定である場合、ステップS36の処理が実行される。一方、ステップS35の判定結果が否定である場合、ステップS32の処理が再度実行される。以降、ステップS34の判定において制限時間が経過したと判定されるか、または、ステップS35の判定において操作入力が完了したと判定されるまで、ステップS32~S35の処理ループが繰り返し実行される。
【0217】
ステップS36において、処理部21は、ステップS32~S35の処理ループにおいて受け付けられた入力に基づいて、自軍キャラクタの動作を制御する。これによって、1回の手番における自軍キャラクタの行動が行われたこととなる。なお、処理部21は、自軍キャラクタの動作を反映するように、表示部24に表示されるゲーム画像を更新する。ステップS36の次にステップS37の処理が実行される。
【0218】
ステップS37において、処理部21は、通信部25を用いて、ステップS36の処理によって制御された自軍キャラクタの行動内容を示すゲームデータを、対戦相手のユーザの端末装置へ送信する。なお、敵軍チームが情報処理システムによって操作される場合は、処理部21は、上記のゲームデータをサーバ1へ送信する。ステップS37の次にステップS38の処理が実行される。
【0219】
ステップS38において、処理部21は、ステップS32~S35の処理ループにおいて行われた自軍キャラクタの操作完了時における手番残り時間の余りに基づいて、予備時間を追加する。具体的には、処理部21は、上記“[2-1.対戦ゲームの流れ]”の欄で述べた方法に従って、現在の予備時間に、上記手番残り時間の余りに応じた時間を加算する。ステップS38の次に、後述するステップS42の処理が実行される。
【0220】
一方、ステップS39において、処理部21は、自軍キャラクタを自動的に制御する。すなわち、処理部21は、自軍キャラクタから1つを自動的に選択し、選択された自軍キャラクタの動作を自動的に制御する。これによって、ユーザの操作時間が上記制限時間に達した場合には、自軍キャラクタのいずれか1つが、ユーザの指示によらずに動作を行うこととなる。なお、処理部21は、自軍キャラクタの動作を反映するように、表示部24に表示されるゲーム画像を更新する。ステップS39の次に、後述するステップS42の処理が実行される。
【0221】
また、ステップS40において、処理部21は、通信部25を用いて、対戦相手のユーザの端末装置から、敵軍キャラクタの行動内容を示すゲームデータを受信する。ここで、対戦ゲーム中においては、対戦相手のユーザの端末装置においても図13および図14に示す一連の処理が実行される。そのため、敵軍チームの手番において対戦相手のユーザの端末装置によってステップS37と同様の処理が実行されることによって、上記ゲームデータが端末装置2へ送信されることとなる。なお、敵軍チームが情報処理システムによって操作される場合は、サーバ1が敵軍キャラクタの動作を制御し、当該敵軍キャラクタの行動内容を示すゲームデータを端末装置2へ送信する。ステップS40の次にステップS41の処理が実行される。
【0222】
ステップS41において、処理部21は、ステップS40において受信されたゲームデータに基づいて、敵軍キャラクタの動作を制御する。また、処理部21は、敵軍キャラクタの動作を反映するように、表示部24に表示されるゲーム画像を更新する。ステップS41の次にステップS42の処理が実行される。
【0223】
ステップS42において、処理部21は、上記ステップS36,S39,またはS41において行われたキャラクタの行動が攻撃動作を含むものであるか否かを判定する。ステップS42の判定結果が肯定である場合、ステップS43の処理が実行される。一方、ステップS42の判定結果が否定である場合、処理部21は、図14に示す手番処理を終了する。
【0224】
ステップS43において、処理部21は、自軍キャラクタと敵軍キャラクタとの戦闘に関する戦闘処理を実行する。ここで戦闘を行うキャラクタは、上記ステップS36,S39,またはS41において攻撃動作を行ったキャラクタと、当該攻撃動作の対象となったキャラクタである。処理部21は、記憶部22に記憶されている、これらのキャラクタに関するキャラクタデータに基づいて(より具体的には、当該キャラクタの能力値およびスキルに基づいて)、キャラクタが受けるダメージを計算し、ダメージに応じてキャラクタの体力を減少させる処理を実行する。なお、上記の処理は、攻撃を受けたキャラクタについて実行されることに加えて、攻撃を受けたキャラクタが反撃を行うことが可能である場合には、攻撃を行ったキャラクタについても実行されてもよい。また、戦闘処理の実行中において、処理部21は、ゲーム空間を表す画像に代えて、各キャラクタが戦闘を行うアニメーションを表示部24に表示するようにしてもよい。戦闘処理の終了後、ステップS43の次にステップS44の処理が実行される。
【0225】
ステップS44において、処理部21は、ステップS43において戦闘を行ったキャラクタが撃破されたか(すなわち、体力が0になったか)否かを判定する。ステップS44の判定結果が肯定である場合、ステップS45の処理が実行される。一方、ステップS44の判定結果が否定である場合、処理部21は、図14に示す手番処理を終了する。
【0226】
ステップS45において、処理部21は、撃破スコアを計算する。具体的には、処理部21は、上記“[2-2.対戦ゲームにおける勝敗の決定方法]”で述べた方法に従って、撃破されたキャラクタの相手側のチームの撃破スコアを加算する。このとき、処理部21は、記憶部22に記憶されているスコアデータを、加算後の撃破スコアを示す内容に更新する。また、処理部21は、撃破されたキャラクタをゲーム空間から消滅させる。ステップS45の次にステップS46の処理が実行される。
【0227】
ステップS46において、処理部21は、自軍チームまたは敵軍チームが全滅したか否かを判定する。すなわち、処理部21は、ステップS44の処理においてキャラクタが撃破されたと判定されたチームのキャラクタが全滅したか否かを判定する。ステップS46の判定結果が否定である場合、処理部21は図14に示す手番処理を終了する。一方、ステップS46の判定結果が肯定である場合、処理部21は、後述するステップS19(図13参照)の処理を実行する。この場合、対戦ゲームが終了されることとなる。
【0228】
図13の説明に戻り、ステップS15において、処理部21は、ターンを終了するか否かを判定する。具体的には、処理部21は、上述のターン終了条件が満たされたか否かを判定する。ステップS15の判定結果が肯定である場合、ステップS17の処理が実行される。一方、ステップS15の判定結果が否定である場合、ステップS16の処理が実行される。
【0229】
ステップS16において、処理部21は、次の手番となるチームを設定する。次の手番となるチームは、上記“[2-1.対戦ゲームの流れ]”の欄で述べた方法に従って決定される。これによって、次の手番のチームが操作可能状態に設定されたこととなる。ステップS16の次にステップS14の処理が再度実行される。以降、ステップS15においてターンを終了すると判定されるまで、ステップS14~S16の一連の処理が繰り返し実行される。これによって、1回のターン中において各チームに手番が順次設定されながらゲームが進行されることとなる。
【0230】
ステップS17において、処理部21は、制圧スコアを計算する。具体的には、処理部21は、上記“[2-2.対戦ゲームにおける勝敗の決定方法]”で述べた方法に従って、制圧エリア内の各キャラクタの数に基づいて制圧スコアを計算する。なお、処理部21は、ゲーム空間における制圧エリアおよび各キャラクタの位置を、記憶部22に記憶されている対戦ゲームデータ(具体的には、エリアデータ等)を参照することで知ることができる。処理部21は、記憶部22に記憶されているスコアデータを、加算後の制圧スコアを示す内容に更新する。ステップS17の次にステップS18の処理が実行される。
【0231】
ステップS18において、処理部21は、対戦ゲームを終了するか否かを判定する。具体的には、処理部21は、上述のゲーム終了条件が満たされたか否かを判定する。ステップS18の判定結果が肯定である場合、ステップS19の処理が実行される。一方、ステップS18の判定結果が否定である場合、ステップS12の処理が再度実行される。以降、ステップS18において対戦ゲームを終了すると判定されるまで、ステップS12~S18の一連の処理が繰り返し実行される。これによって、ターンが繰り返されながらゲームが進行されることとなる。
【0232】
ステップS19において、処理部21は、対戦ゲームの勝敗を決定する。すなわち、処理部21は、上記ステップS46の処理において、自軍チームまたは敵軍チームが全滅したと判定された場合は、全滅していない方のチームを勝利とし、全滅した方のチームを敗北とする。また、上記ステップS18の処理において、対戦ゲームを終了すると判定された場合は、記憶部22に記憶されているスコアデータを参照し、撃破スコアと制圧スコアとの合計値が高い方のチームを勝利とし、低い方のチームを敗北とする。ステップS19の次にステップS20の処理が実行される。
【0233】
ステップS20において、処理部21は、対戦ゲームにおける自軍チームの隊長キャラクタの上記キャラクタポイントを加算する。このキャラクタポイントは、上記“[2-3.隊長キャラクタ]”で述べた方法に従って加算される。処理部21は、記憶部22に記憶されているポイントデータを、加算後のポイントを示すように更新する。ステップS20の次にステップS21の処理が実行される。
【0234】
ステップS21において、処理部21は、端末装置2のユーザに報酬を付与するか否かを判定する。ここで、処理部21は、通信部25を用いて、対戦ゲームの結果および加算されたキャラクタポイントを示すゲーム結果データをサーバ1へ送信する。ゲーム結果データを端末装置2から受信したサーバ1は、上記“[2-3.隊長キャラクタ]”で述べた方法に従って、当該端末装置2のユーザに報酬を付与するかを判定する。そして、サーバ1は、ユーザに報酬を付与するか否かを示す通知データを当該端末装置2へ送信する。ステップS21において、処理部21は、通信部25を用いて通知データを受信し、受信した通知データに基づいてステップS21における判定を行う。ステップS21の判定結果が肯定である場合、ステップS22の処理が実行される。一方、ステップS21の判定結果が否定である場合、処理部21は図13に示す対戦ゲーム処理を終了する。
【0235】
ステップS22において、処理部21は、キャラクタポイントに応じた報酬を端末装置2のユーザに付与する。すなわち、処理部21は、記憶部22に記憶されているユーザデータを、付与後の報酬を示す内容に更新する。ステップS22の終了後、処理部21は図13に示す対戦ゲーム処理を終了する。
【0236】
図15は、端末装置によって実行される第1マッチング要求処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図15に示す第1マッチング要求処理は、端末装置2におけるゲームアプリケーションの実行中において、所定のメニュー画面において上記フリー対戦モードにおける対戦ゲームの実行指示をユーザが行ったことに応じて開始される。
【0237】
図15に示す第1マッチング要求処理においては、まずステップS51において、処理部21は、フリー対戦モード用の設定画像(図8参照)を表示部24に表示させる。このとき、処理部21は、設定画像に対する各種の入力を受け付ける。ステップS51の次にステップS52の処理が実行される。
【0238】
ステップS52において、処理部21は、設定画像に対するユーザの入力に応じて設定処理を実行する。具体的には、処理部21は、端末装置2のユーザによる入力を示すデータを入力部23から取得し、取得したデータに基づいて、利用キャラクタ、隊長スキル、マッチング条件、および、ゲーム設定に関する設定を行う。処理部21は、設定された利用キャラクタおよび隊長スキルの内容を反映するように、記憶部22に記憶されているチームデータを更新し、設定されたマッチング条件の内容を反映するように、記憶部22に記憶されているマッチング条件データを更新し、設定されたゲーム設定の内容を反映するように、記憶部22に記憶されているゲーム設定データを更新する。なお、処理部21は、上記の設定が行われた場合、設定された内容を反映するように、表示部24に表示される設定画像を更新する。ステップS52の次にステップS53の処理が実行される。
【0239】
ステップS53において、処理部21は、端末装置2のユーザによる入力を示すデータを入力部23から取得し、取得したデータに基づいて、設定画像に対して上述のマッチング開始指示が行われたか否かを判定する。ステップS53の判定結果が肯定である場合、ステップS54の処理が実行される。一方、ステップS53の判定結果が否定である場合、ステップS52の処理が再度実行される。以降、ステップS53においてマッチング開始指示が行われたと判定されるまで、ステップS52およびS53の一連の処理が繰り返し実行される。
【0240】
ステップS54において、処理部21は、上記ステップS53の処理において設定された利用キャラクタが、設定されたマッチング条件を満たすか否かを判定する。ステップS54の判定結果が否定である場合、ステップS55の処理が実行される。一方、ステップS54の判定結果が肯定である場合、ステップS56の処理が再度実行される。
【0241】
ステップS55において、処理部21は、設定された利用キャラクタが、設定されたマッチング条件を満たしていないことの通知をユーザに対して行う。また、処理部21は、利用キャラクタまたはマッチング条件を設定し直すことを促す通知を行う。処理部21は、例えば、これらの通知を示すメッセージを表示部24に表示させる。ステップS55の次にステップS52の処理が再度実行される。
【0242】
一方、ステップS56において、処理部21は、通信部25を用いて、マッチング要求をサーバ1へ送信する。すなわち、処理部21は、記憶部22に記憶されている各種データに基づいて、上記“[2-4-1.フリー対戦モード]”で述べた各種情報を含むマッチング要求を生成し、マッチング要求をサーバ1へ送信する。詳細は後述するが、マッチング要求を受信したサーバ1は、マッチング要求に応じたゲームデータ(すなわち、対戦ゲームの実行に用いられる情報を示すゲームデータ)を端末装置2へ送信する(後述するステップS76)。ステップS56の次にステップS57の処理が実行される。
【0243】
ステップS57において、処理部21は、通信部25を用いて、サーバ1から送信されてくるゲームデータを受信する。このゲームデータは、対戦ゲームの実行に用いられるゲームデータであり、上述したように、対戦相手に関する情報、および、決定されたゲーム設定の情報を含む。このゲームデータを受信したことによって、端末装置2は、対戦ゲームを開始することができる。ステップS57の終了後、処理部21は、図15に示す第1マッチング要求処理を終了する。この後、フリー対戦モードにおける対戦ゲームが開始され、図13に示す対戦ゲーム処理の実行が開始される。
【0244】
図16は、端末装置によって実行される第2マッチング要求処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図15に示す第2マッチング要求処理は、端末装置2におけるゲームアプリケーションの実行中において、所定のメニュー画面において上記レート対戦モードにおける対戦ゲームの実行指示をユーザが行ったことに応じて開始される。
【0245】
図16に示す第2マッチング要求処理においては、ステップS61において、処理部21は、現在のゲームモードに応じた設定画像(すなわち、第1レート対戦モードにおける設定画像、または、第2レート対戦モードにおける設定画像)を表示部24に表示させる。このとき、処理部21は、設定画像に対する各種の入力を受け付ける。ステップS61の次にステップS62の処理が実行される。
【0246】
ステップS62において、処理部21は、上記ステップS52と同様、設定画像に対するユーザの入力に応じて設定処理を実行する。なお、第2マッチング要求処理におけるステップS62においては、具体的には、処理部21は、マッチング条件およびゲーム設定に関する設定は行わずに、利用キャラクタおよび隊長スキルに関する設定を行う。ステップS62の次にステップS63の処理が実行される。
【0247】
第2マッチング要求処理におけるステップS63~S65の処理は、第1マッチング要求処理におけるステップS53,S56,およびS57の処理と同様である。すなわち、処理部21は、設定画像に対して上述のマッチング開始指示が行われたか否かを判定し(ステップS63)、マッチング開始指示が行われた場合(ステップS63でYes)は、マッチング要求をサーバ1へ送信し(ステップS64)、その後、サーバ1から送信されてくるゲームデータを受信する(ステップS65)。なお、ステップS63の処理においてマッチング開始指示が行われていない場合(ステップS63でNo)は、ステップS62の処理が再度実行される。ステップS65の終了後、処理部21は、図16に示す第2マッチング要求処理を終了する。この後、第1レート対戦モードまたは第2レート対戦モードにおける対戦ゲームが開始され、図13に示す対戦ゲーム処理の実行が開始される。なお、第2レート対戦モードにおいては、上記“[2-4-3.第2レート対戦モード]”で述べたように、対戦ゲーム処理の実行が開始される前に、候補チームから利用チームを選択する処理が実行される(図10参照)。
【0248】
[3-3.サーバにおける処理]
図17は、サーバによって実行されるマッチング処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図17に示す一連の処理は、サーバ1の動作中において継続的に実行される。
【0249】
図17に示すマッチング処理においては、まずステップS71において、処理部11は、通信部13を用いて、端末装置2から送信されてくるマッチング要求を受信したか否かを判定する。ステップS71の判定結果が肯定である場合、ステップS72の処理が実行される。一方、ステップS71の判定結果が否定である場合、ステップS72の処理がスキップされてステップS73の処理が実行される。
【0250】
ステップS72において、処理部11は、受信されたマッチング要求のデータを保存する。すなわち、処理部11は、記憶部12に記憶されるマッチング要求データを、受信されたマッチング要求のデータを含む内容となるように更新する。ステップS72の次にステップS73の処理が実行される。
【0251】
ステップS73において、処理部11は、保存されているマッチング要求について、マッチングが可能であるか否かを判定する。なお、本実施形態においては、端末装置2から送信されるマッチング要求には、対戦ゲームの上記ゲームモード(すなわち、フリー対戦モード、第1レート対戦モード、および、第2レート対戦モード)のいずれかを示す情報が含まれる。処理部11は、マッチング要求をゲームモード毎に区別して保存し、ゲームモード毎に上記判定を行う。
【0252】
フリー対戦モードのマッチング要求については、処理部11は、上記“[2-4-1.フリー対戦モード]”で述べた方法によってマッチングが可能であるか否かを判定する。具体的には、処理部11は、保存しているマッチング要求のうちに、上述の適合条件(具体的には、マッチング適合条件および設定適合条件)を満たす2つのマッチング要求があるか否かを判定する。すなわち、処理部11は、記憶部12に記憶されているマッチング要求データが示すマッチング要求のうちで、マッチング適合条件を満たす2つのマッチング要求があるか否かを判定する。なお、この判定は、各マッチング要求に含まれる、利用キャラクタと、マッチング条件と、ゲーム設定とに関する情報を参照することで行うことができる。このような2つのマッチング要求がある場合、処理部11は、マッチングが可能であると判定する。
【0253】
各レート対戦モードのマッチング要求については、処理部11は、上記“[2-4-2.第1レート対戦モード]”および“[2-4-3.第2レート対戦モード]”で述べたように、ユーザに設定されるレートに基づいてマッチングを行うことで、マッチングが可能であるか否かを判定する。
【0254】
上記ステップS73の判定結果が肯定である場合、ステップS74の処理が実行される。一方、ステップS73の判定結果が否定である場合、ステップS71の処理が再度実行される。
【0255】
ステップS74において、処理部11は、対戦ゲームの参加ユーザを決定する。具体的には、処理部11は、上記ステップS73の処理においてマッチングが可能と判定された2つのマッチング要求に対応する2人のユーザを参加ユーザとして決定する。ステップS74の次にステップS75の処理が実行される。
【0256】
ステップS75において、処理部11は、対戦ゲームのゲーム設定を決定する。フリー対戦モードの対戦ゲームについては、処理部11は、上記“[2-4-1.フリー対戦モード]”で述べた方法によってゲーム設定を決定する。また、レート対戦モードの対戦ゲームについては、処理部11は、対戦ゲームにおいて用いられるゲーム設定を、予め定められた設定内容に決定する。ステップS75の次にステップS76の処理が実行される。
【0257】
ステップS76において、処理部11は、通信部13を用いて、対戦ゲームを行う各端末装置2へ、対戦ゲームを行うためのゲームデータを送信する。すなわち、処理部11は、対戦相手に関する情報、および、決定されたゲーム設定の情報を含むゲームデータを生成して各端末装置2へ送信する。ステップS76の次に、ステップS71の処理が再度実行される。
【0258】
なお、上記ステップS73の処理において、処理部11は、あるユーザの対戦相手のチームとして、情報処理システムによって操作されるチームを設定することで、マッチングが可能であると判定してもよい。このとき、上記ステップS74の処理においては、参加ユーザは1人として決定され、上記ステップS76の処理においては、1つの端末装置2にのみゲームデータが送信される。なお、処理部11は、記憶部12に記憶されているキャラクタデータに基づいて対戦相手のチームに含まれるキャラクタを任意の方法で生成し、生成されたキャラクタの情報を含むゲームデータを端末装置2へ送信する。
【0259】
また、本実施形態においては、サーバ1は、図17に示す一連の処理の他、端末装置2において対戦ゲームを実行するために必要な処理を適宜実行する。例えば、対戦ゲームにおける一方のチームの操作が情報処理システムによって行われる場合、サーバ1は、当該チームを操作する処理を実行する。また、対戦ゲームが終了した場合に、端末装置2は、対戦ゲームの結果を示す結果データをサーバ1へ送信する。サーバ1は、端末装置2から結果データを受信すると、当該結果データが示す対戦ゲームの結果を含むように、記憶部12に記憶されているユーザデータの内容を更新する。これによって、各ユーザについて対戦ゲームの結果がサーバ1によって管理される。
【0260】
[4.本実施形態の作用効果および変形例]
以上のように、上記実施形態においては、情報処理システムは、複数のオブジェクト(例えば、キャラクタ)を含むチームが他のチームと対戦する対戦ゲームを実行し、次の各手段を備える構成である。
・各チームのそれぞれについて、チームに含まれる複数のオブジェクトをゲーム空間内に配置する配置手段(ステップS11)
・各チームのうちいずれか1つを、当該チームに含まれるオブジェクトを操作可能となる操作可能状態に設定する操作状態設定手段(ステップS12)
・対戦ゲーム中において、操作可能状態であるチームに含まれるオブジェクトに対して、当該チームに対応付けられるユーザによる指示、または、情報処理システムによる制御に基づいて、ゲーム空間内における移動、および、他のチームのオブジェクトとの戦闘を含む複数種類の行動のうち少なくともいずれかの行動をとらせるオブジェクト制御手段(ステップS36およびS41)
・戦闘の結果に基づいて第1評価値(例えば、撃破スコア)を算出する第1評価値算出手段(ステップS45)
・操作可能状態であるチームに含まれるオブジェクトによる行動が所定回数行われた場合、操作可能状態となるチームを設定し直して対戦ゲームを進行させる再設定手段(ステップS16)
・対戦ゲームの進行状況が第1進行条件(例えば、ターン終了条件)を満たす度に、ゲーム空間に含まれる所定領域(例えば、制圧エリア)内に位置するオブジェクトの数に基づいて第2評価値(例えば、制圧スコア)を算出する第2評価値算出手段(ステップS17)
・対戦ゲームの進行状況が第2進行条件(例えば、ゲーム終了条件)を満たす場合、第1評価値および第2評価値に基づいて対戦ゲームの勝敗を判定する判定手段(ステップS19)
【0261】
上記の構成によれば、第2評価値に基づいて対戦ゲームの勝敗が判定されるので、互いのチームのオブジェクトが所定領域内において戦闘を行う状況が生じやすくなり、各チームのオブジェクトが互いに距離をとったまま戦闘を行わない膠着状態を生じにくくすることができる。
【0262】
なお、上記の構成において、対戦ゲームにおけるマッチング方法は任意であり、上記実施形態におけるマッチング方法に限らない。また、ユーザの対戦相手となるチームは、他のユーザによって操作されるチームであってもよいし、情報処理システムによって操作されるチームであってもよい。また、上記実施形態においては、2つのチームが対戦する対戦ゲームを例として説明したが、上記の構成における対戦ゲームは、3つ以上のチームが対戦するものであってもよい。
【0263】
なお、上記の構成において、複数のチームのうち少なくとも1つはユーザによって操作される。ここで、他のチームは、他のユーザによって操作されてもよいし、情報処理システムによって操作されてもよい。前者の場合、各チームに含まれる複数のオブジェクトは、各チームに対応する各ユーザによってそれぞれ操作される。具体的には、情報処理システムは、第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置とを含む。そして、第1の情報処理装置は、当該第1の情報処理装置の第1のユーザに対応する第1のチームが操作可能状態である場合、当該第1のユーザの指示に基づいて当該第1のチームのオブジェクトにゲーム動作を行わせる。また、第1の情報処理装置は、第2の情報処理装置の第2のユーザに対応する第2のチームが操作可能状態である場合、当該第2の情報処理装置から送信される、当該第2のユーザの指示を示す情報を受信し、受信した情報に基づいて第2のチームのオブジェクトにゲーム動作を行わせる。
【0264】
また、後者の場合(すなわち、上記他のチームが情報処理システムによって操作される場合)、情報処理システムは、サーバと、情報処理装置とを含む。そして、情報処理装置は、当該情報処理装置のユーザに対応するチームが操作可能状態である場合、当該ユーザの指示に基づいて当該チームのオブジェクトにゲーム動作を行わせる。また、情報処理装置は、他のチームが操作可能状態である場合、サーバから送信される、当該他のチームに対する操作を示す情報を受信し、受信した情報に基づいて当該他のチームのオブジェクトにゲーム動作を行わせる。
【0265】
なお、上記「操作可能状態となるチームを設定し直して」とは、設定し直す直前に操作可能状態であったチームと同じチームが操作可能状態に再度設定されることを含む意味である(図5参照)。
【0266】
上記「戦闘の結果に基づいて第1評価値を算出する」とは、戦闘が行われる毎に常に第1評価値が更新される態様に限らず、戦闘が行われた場合に一定条件下では第1評価値が更新されない態様をも含む意味である。すなわち、上記「戦闘の結果に基づいて第1評価値を算出する」とは、上記実施形態のように、現時点の第1評価値に対して加算すべきか否かを戦闘の結果に基づいて判定し、加算すべきと判定される場合に第1評価値を更新する態様を含む意味である。
【0267】
また、上記と同様に、上記「対戦ゲームの進行状況が第1進行条件を満たす度に、ゲーム空間に含まれる所定領域内に位置するオブジェクトの人数に基づいて第2評価値を算出する」とは、第1進行条件が満たされる度に常に第2評価値が更新される態様に限らず、第1進行条件が満たされた場合に一定条件下では第2評価値が更新されない態様をも含む意味である。すなわち、上記「対戦ゲームの進行状況が第1進行条件を満たす度に、ゲーム空間に含まれる所定領域内に位置するオブジェクトの数に基づいて第2評価値を算出する」とは、上記実施形態のように、第1進行条件が満たされる度に、現時点の第2評価値に対して加算すべきか否かを上記オブジェクトの数に基づいて判定し、加算すべきと判定される場合に第2評価値を更新する態様を含む意味である。
【0268】
なお、上記各評価値(すなわち、第1評価値および第2評価値)は、上記実施形態における撃破スコアまたは制圧スコアのように、チーム毎に設定される値であってもよいし、チーム毎に設定されない値であってもよい。例えば、他の実施形態においては、各評価値はそれぞれ、正負のいずれかの符号をとり得る数値であってよく、自軍チームの行動によって加算されるとともに、敵軍チームの行動によって減算されるような値であってもよい。このとき、情報処理システムは、対戦ゲームの終了時における評価値が正であれば自軍チームの勝利とし、負であれば敵軍チームの勝利と判定してもよい。
【0269】
また、上記実施形態においては、情報処理システムは、対戦ゲームの参加ユーザを決定するための情報処理システムであって、サーバと、当該サーバと通信可能な複数の端末装置とを含む構成であるとも言うことができる。
ここで、端末装置は、次の処理を実行する。
・端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、所定のオブジェクトパラメータ(例えば、キャラクタが登場するストーリーの部数を示すバージョン情報)がそれぞれ対応付けられる複数のオブジェクトのうち、対戦ゲームにおいて利用する利用オブジェクト(例えば、利用キャラクタ)を指定する処理(ステップS52)
・端末装置に対するユーザの操作入力に基づいて、オブジェクトパラメータの値または範囲を示す指定パラメータ(例えば、上記マッチング条件を示す、キャラクタが登場するストーリーの部数に関するパラメータ)を指定する処理(ステップS52)
・指定された利用キャラクタに関する情報と、指定された指定パラメータに関する情報とを含むマッチング要求をサーバへ送信する処理(ステップS56)
また、サーバは、利用オブジェクトのオブジェクトパラメータの値が、指定パラメータの値または範囲に対応するマッチング要求を複数の端末装置から受信した場合、当該複数の端末装置のうち、互いのマッチング要求に含まれる利用オブジェクトのオブジェクトパラメータの値が、相手のマッチング要求に含まれる指定パラメータの値または範囲に対応する2つの端末装置の各ユーザを参加ユーザとして決定する(ステップS74)。
【0270】
上記の構成によれば、サーバは、ユーザによって指定される指定パラメータを考慮することで、対戦相手の利用オブジェクトを制限して参加ユーザを決定することができる。これによって、サーバは、ユーザにとって適切な対戦相手を決定することができる。
【0271】
なお、上記の構成において、対戦ゲームの内容は任意であり、上記実施形態のような、複数のキャラクタを含むチームが対戦するシミュレーションゲームに限らず、任意の種類のゲームであってよい。
【0272】
上記実施形態においては、上記指定パラメータとして用いられる、マッチング条件を示すパラメータは、例えば、「ストーリーの第1部から第3部まで」のように、オブジェクトパラメータの範囲を示すものであった。ここで、指定パラメータは、「ストーリーの第3部」のように、オブジェクトパラメータの値を示すものであってもよい。
【0273】
また、指定パラメータは、オブジェクトパラメータの値または範囲を示す任意の情報でよく、オブジェクトパラメータと同じ種類の値である必要はない。例えば、上記実施形態においては、オブジェクトパラメータは、バージョン情報を示す値である。ここで、上記実施形態においては、バージョン情報の値とストーリーの部数の値とが一意に対応付けられているので、ストーリーの部数を示す値または範囲によって、オブジェクトパラメータの値または範囲を特定可能である。そのため、指定パラメータは、バージョン情報の値または範囲であってもよいし、ストーリーの部数を示す値または範囲であってもよい。
【0274】
上記の構成において、サーバは、上記「利用オブジェクトのオブジェクトパラメータの値が、指定パラメータの値または範囲に対応するマッチング要求」を複数の端末装置から受信した場合において参加ユーザを決定すればよく、「利用オブジェクトのオブジェクトパラメータの値が、指定パラメータの値または範囲に対応しないマッチング要求」を受信してもよいし、受信しなくてもよい。そして、このようなマッチング要求を受信した場合、サーバは、当該マッチング要求に基づいて参加ユーザを決定しないようにしてもよい。
【0275】
なお、上記の実施形態において、ある情報処理装置においてデータ(プログラムを含む意味である)を用いて処理が実行される場合、当該処理に必要なデータの一部が、当該ある情報処理装置とは異なる他の情報処理装置から送信されてもよい。このとき、当該ある情報処理装置は、他の情報処理装置から受信されたデータと、自身に記憶されているデータとを用いて上記処理を実行してもよい。
【0276】
なお、他の実施形態において、情報処理システムは、上記実施形態における構成の一部を備えていなくてもよいし、上記実施形態において実行される処理の一部を実行しなくてもよい。例えば、情報処理システムは、上記実施形態における一部の特定の効果を奏するためには、当該効果を奏するための構成を備え、当該効果を奏するための処理を実行すればよく、その他の構成を備えていなくてもよいし、その他の処理を実行しなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0277】
上記実施形態は、ユーザにとって適切な対戦相手を決定すること等を目的として、例えばゲームシステムやサーバやゲームプログラムとして利用することが可能である。
【符号の説明】
【0278】
1 サーバ
2 端末装置
11 処理部
12 記憶部
13 通信部
21 処理部
22 記憶部
23 入力部
24 表示部
25 通信部
31 ゲーム空間
32a~32e 自軍キャラクタ
33a~33e 敵軍キャラクタ
39 制圧エリア
53 マッチング条件画像
54 ゲーム設定領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17