(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】制御方法、通信端末、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240802BHJP
G06Q 30/0235 20230101ALI20240802BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G06Q30/0235
(21)【出願番号】P 2021203546
(22)【出願日】2021-12-15
(62)【分割の表示】P 2021559194の分割
【原出願日】2020-12-22
【審査請求日】2023-09-29
(31)【優先権主張番号】P 2020101866
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】矢羽田 洋
(72)【発明者】
【氏名】西 孝啓
(72)【発明者】
【氏名】遠間 正真
(72)【発明者】
【氏名】杉尾 敏康
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-028899(JP,A)
【文献】特開2018-101271(JP,A)
【文献】特開2014-052944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
系列店舗の第1支店に対応する第1店舗端末及び第2支店に対応する第2店舗端末と接続された店舗管理システムと通信する通信端末において実行される制御方法であって、
前記通信端末の入力デバイスを介して前記第1支店を選択し、
前記第1支店に配置された第1ビーコン信号発信器又は前記第2支店に配置された第2ビーコン信号発信器のいずれかから一のビーコン信号を、前記通信端末が前記一のビーコン信号の受信圏内にある場合に受信し、前記一のビーコン信号が前記第1ビーコン信号発信器から発信される第1ビーコン信号である場合前記第1ビーコン信号には前記第1支店を示す第1支店IDが含まれ、また、前記一のビーコン信号が前記第2ビーコン信号発信器から発信される第2ビーコン信号である場合前記第2ビーコン信号には前記第2支店を示す第2支店IDが含まれ、
前記選択された第1支店を示す前記第1支店IDが前記一のビーコン信号に含まれる一の支店IDと一致した場合に、前記第1支店で販売可能な時間が限定された限定商品を示す限定商品情報を含む特典付きメニュー情報
を、ネットワークを介して前記店舗管理システムから取得する、
制御方法。
【請求項2】
前記選択された第1支店IDが前記一のビーコン信号に含まれる一の店舗IDと一致しなかった場合に、前記系列店舗の標準購買メニュー情報を、前記ネットワークを介して前記店舗管理システムから取得する、
請求項1記載の制御方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の制御方法を実行する通信端末。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の制御方法を前記通信端末のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の制御方法を前記通信端末のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、店舗端末と接続された店舗管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗からの広告を店舗内に居るユーザの携帯端末に通知するサービスが提案されている。例えば、特許文献1には、ユーザにとって適切な頻度であり、広告効果も維持できるような広告のプッシュ通知を実現するための広告提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1ではさらなる改良の必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る情報提供方法は、系列店舗に含まれる一の支店に対応する店舗端末と接続された店舗管理システムにおける情報提供方法であって、ネットワークを介して前記店舗端末から、前記店舗端末に対応する一の支店で販売可能な時間が限定された限定商品を示す限定商品情報を取得し、前記ネットワークを介してユーザの通信端末から、i)前記系列店舗の購買メニューの依頼及びii)前記一の支店に配置されたビーコン信号発信器を特定する機器IDに対応する前記一の支店を特定する支店IDを取得し、前記ビーコン信号発信器から発信されるビーコン信号は前記ビーコン信号の受信圏内にある前記通信端末において受信され、前記支店IDは前記通信端末において前記ビーコン信号に含まれる前記機器IDに基づき取得され、前記限定商品情報、前記購買メニューの依頼及び前記支店IDに基づき、前記系列店舗の標準購買メニューに前記限定商品情報が示す前記限定商品が追加された前記一の支店に対応する特典付き購買メニュー情報を生成し、前記特典付き購買メニュー情報を前記通信端末に出力する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、さらなる改善を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態1に係る情報提供システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る情報提供システムの詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】店舗辞書のデータ構成の一例を示す図である。
【
図5】店舗辞書のデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】実施の形態1に係る情報提供システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図7】事業者Xアプリの初期画面の一例を示す図である。
【
図9】標準購買メニューの一例を示す画面図である。
【
図10】注文欄が重畳表示された標準購買メニューを示す図である。
【
図13】特典付き購買メニューの一例を示す画面図である。
【
図14】情報端末に表示される注文確定画面を示す図である。
【
図15】表示装置に表示される注文状況画面の一例を示す図である。
【
図16】表示装置に表示される注文状況画面の一例を示す図である。
【
図17】実施の形態1に係る情報提供システムの処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図18】実施の形態2に係る情報提供システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図19】実施の形態3に係る情報提供システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示に至る経緯)
店舗では販売が可能な残り時間、又は販売が可能な時間帯(以下、「販売可能な時間」と記載する)が限定された限定商品が発生することがある。例えば、スーパーマーケットでは閉店間際になって売れ残った商品を特別価格で販売したり、本日特別に入荷された食品を販売時間帯を限定して特別価格で販売したりするようなケースである。
【0009】
また、ファーストフード店では店舗外から携帯端末を介してユーザからの注文を受け付け、来店時に出来立ての食品をユーザに引き渡すサービスが行われているが、注文後にユーザが食品をキャンセルすることもある。このような食品を廃棄せずに限定商品として特別価格で販売すれば食品ロスを防ぐことが期待できる。
【0010】
特許文献1には、店舗からのビーコン信号を受信した情報端末のディスプレイに広告のプッシュ通知を表示させることが開示されている。しかしながら、特許文献1において、情報端末のディスプレイに表示される広告は、紙媒体の広告を単に電子化したものにすぎず、限定商品を通知するにはさらなる改良の余地があった。
【0011】
また、特許文献1には、情報端末を所持するユーザがショッピングモールに入場してから通知待機時間が経過したことを条件に広告のプッシュ通知を情報端末のディスプレイに表示させることが開示されている。しかしながら、特許文献1においては、ショッピングモールに入場してから通知待機時間が経過していなければユーザに広告が通知されないため、限定商品をタイムリーにユーザに通知することができず、さらなる改良の余地がある。
【0012】
上記知見に基づき、本発明者らは、以下の本開示に係る各態様を想到するに至った。
【0013】
本開示の一態様に係る情報提供方法は、系列店舗に含まれる一の支店に対応する店舗端末と接続された店舗管理システムにおける情報提供方法であって、ネットワークを介して前記店舗端末から、前記店舗端末に対応する一の支店で販売可能な時間が限定された限定商品を示す限定商品情報を取得し、前記ネットワークを介してユーザの通信端末から、i)前記系列店舗の購買メニューの依頼及びii)前記一の支店に配置されたビーコン信号発信器を特定する機器IDに対応する前記一の支店を特定する支店IDを取得し、前記ビーコン信号発信器から発信されるビーコン信号は前記ビーコン信号の受信圏内にある前記通信端末において受信され、前記支店IDは前記通信端末において前記ビーコン信号に含まれる前記機器IDに基づき取得され、前記限定商品情報、前記購買メニューの依頼及び前記支店IDに基づき、前記系列店舗の標準購買メニューに前記限定商品情報が示す前記限定商品が追加された前記一の支店に対応する特典付き購買メニュー情報を生成し、前記特典付き購買メニュー情報を前記通信端末に出力する。
【0014】
本構成によれば、ネットワークを介して、販売可能な時間が限定された限定商品を示す限定商品情報が取得され、一の支店からのビーコン信号の受信エリア内にいる人に対して、限定商品を含む特典付き購買メニューが表示される。
【0015】
これにより、例えば、在庫又は時間に応じて時々刻々と変化する限定商品に関する情報を、通信端末を通じて、一の支店内又は一の支店付近にいる人に対してタイムリーに提供することができる。
【0016】
限定商品が、時間の経過とともに商品価値が著しく低下するような食品、例えば、賞味期限間際の弁当である場合に、本開示によれば以下の効果が得られる。
【0017】
すなわち、一の支店付近にいて限定商品を直ちに受け取れる可能性が高い人である一の支店からのビーコン信号の受信エリア内にいる人に対して、通信端末を介して、限定商品を含む購買メニューを表示することで、一の支店が提供する食品の食品ロスを低減することができる。限定商品が安価な場合は、ユーザは、安価な値段で限定商品を入手できる。
【0018】
また、本構成によれば、ユーザによる系列店舗の購買メニューの依頼により特典付き購買メニュー情報が生成され、通信端末に出力されている。そのため、ユーザの意思に反して特典付き購買メニューが通信端末に表示されることが防止され、ユーザに煩わしさを与えること防止できる。
【0019】
なお、本構成において、i)に示す系列店舗に対応する購買メニューの依頼及びii)に示す支店IDは、必ずしも2つに分かれている必要はない。例えば、i)及びii)は、一の支店において限定商品の在庫がある場合、当該限定商品を含む特典付き購買メニュー情報を通信端末に送信して欲しいことを示す特定の情報によって示されてもよい。
【0020】
本開示の別の一態様に係る情報提供方法は、系列店舗に含まれる一の支店に対応する店舗端末と接続された店舗管理システムにおける情報提供方法であって、ネットワークを介して前記店舗端末から、前記店舗端末に対応する一の支店で販売可能な時間が限定された限定商品を示す限定商品情報を取得し、前記ネットワークを介してユーザの通信端末から、i)前記系列店舗の購買メニューの依頼及びii)前記一の支店に配置されたビーコン信号発信器を特定する機器IDに対応する前記一の支店を特定する支店IDを取得し、前記ビーコン信号発信器から発信されるビーコン信号は前記ビーコン信号の受信圏内にある前記通信端末において受信され、前記支店IDは前記通信端末において前記ビーコン信号に含まれる前記機器IDに基づき取得され、前記限定商品情報に基づき、前記系列店舗の標準購買メニューに前記限定商品情報が示す前記限定商品が追加された前記一の支店に対応する特典付き購買メニュー情報を生成し、前記購買メニューの依頼及び前記支店IDに基づき、前記一の支店に対応する特典付き購買メニュー情報を前記通信端末に出力する。
【0021】
本構成によれば、ネットワークを介して、販売可能な時間が限定された限定商品を示す限定商品情報が取得され、一の支店からのビーコン信号の受信エリア内にいる人に対して、限定商品を含む特典付き購買メニューが表示される。
【0022】
これにより、例えば、在庫又は時間に応じて時々刻々と変化する限定商品に関する情報を、通信端末を通じて、一の支店内又は一の支店付近にいる人に対してタイムリーに提供することができる。
【0023】
限定商品が、時間の経過とともに商品価値が著しく低下するような食品、例えば、賞味期限間際の弁当である場合に、本開示によれば以下の効果が得られる。
【0024】
すなわち、一の支店付近にいて限定商品を直ちに受け取れる可能性が高い人である一の支店からのビーコン信号の受信エリア内にいる人に対して、通信端末を介して、限定商品を含む購買メニューを表示することで、一の支店が提供する食品の食品ロスを低減することができる。限定商品が安価な場合は、ユーザは、安価な値段で限定商品を入手できる。
【0025】
また、本構成によれば、ユーザによる系列店舗の購買メニューの依頼により特典付き購買メニュー情報が生成され、通信端末に出力されている。そのため、ユーザの意思に反して特典付き購買メニューが通信端末に表示されることが防止され、ユーザに煩わしさを与えること防止できる。
【0026】
さらに、本構成によれば、購買メニューの依頼及び支店IDを取得した際に、限定商品情報に基づいて生成しておいた特典付き購買メニュー情報を通信端末に表示することが可能となり、購買メニューの依頼及び支店IDを取得する都度、特典付き購買メニュー情報を生成する手間を省くことができる。
【0027】
なお、本構成において、i)に示す系列店舗に対応する購買メニューの依頼及びii)に示す支店IDは、必ずしも2つに分かれている必要はない。例えば、i)及びii)は、一の支店において限定商品の在庫がある場合、当該限定商品を含む特典付き購買メニュー情報を通信端末に送信して欲しいことを示す特定の情報によって示されてもよい。
【0028】
本開示のさらに別の一態様に係る制御方法は、系列店舗の第1支店に対応する第1店舗端末及び第2支店に対応する第2店舗端末と接続された店舗管理システムと通信する通信端末において実行される制御方法であって、前記通信端末の入力デバイスを介して前記第1支店を選択し、前記第1支店に配置された第1ビーコン信号発信器又は前記第2支店に配置された第2ビーコン信号発信器のいずれかから一のビーコン信号を、前記通信端末が前記一のビーコン信号の受信圏内にある場合に受信し、前記一のビーコン信号が前記第1ビーコン信号発信器から発信される第1ビーコン信号である場合前記第1ビーコン信号には前記第1支店を示す第1支店IDが含まれ、また、前記一のビーコン信号が前記第2ビーコン信号発信器から発信される第2ビーコン信号である場合前記第2ビーコン信号には前記第2支店を示す第2支店IDが含まれ、前記選択された第1支店を示す前記第1支店IDが前記一のビーコン信号に含まれる一の支店IDと一致した場合に、前記系列店舗の標準購買メニューの依頼と共に前記第1支店IDを、ネットワークを介して前記店舗管理システムに出力し、前記依頼に応じて、前記第1支店で販売可能な時間が限定された限定商品を示す限定商品情報が前記標準購買メニューに追加された前記第1支店に対応する特典付きメニュー情報を、前記ネットワークを介して前記店舗管理システムから取得する。
【0029】
本構成によれば、ネットワークを介して、販売可能な時間が限定された限定商品を示す限定商品情報が取得され、第1支店からのビーコン信号の受信エリア内にいる人に対して、限定商品を含む特典付き購買メニューが表示される。
【0030】
これにより、例えば、在庫又は時間に応じて時々刻々と変化する限定商品に関する情報を、通信端末を通じて、第1支店内又は第1支店付近にいる人に対してタイムリーに提供することができる。
【0031】
限定商品が、時間の経過とともに商品価値が著しく低下するような食品、例えば、賞味期限間際の弁当である場合に、本開示によれば以下の効果が得られる。
【0032】
すなわち、第1支店付近にいて限定商品を直ちに受け取れる可能性が高い人である一の支店からのビーコン信号の受信エリア内にいる人に対して、通信端末を介して、限定商品を含む購買メニューを表示することで、第1支店が提供する食品の食品ロスを低減することができる。限定商品が安価な場合は、ユーザは、安価な値段で限定商品を入手できる。
【0033】
また、本構成によれば、ユーザによる系列店舗の購買メニューの依頼により特典付き購買メニュー情報が生成され、通信端末に出力されている。そのため、ユーザの意思に反して特典付き購買メニューが通信端末に表示されることが防止され、ユーザに煩わしさを与えること防止できる。
【0034】
上記制御方法において、前記選択された第1支店IDが前記一のビーコン信号に含まれる一の店舗IDと一致しなかった場合に、前記系列店舗の標準購買メニューの依頼を、前記ネットワークを介して前記店舗管理システムに出力し、前記依頼に応じて、前記系列店舗の標準購買メニュー情報を、前記ネットワークを介して前記店舗管理システムから取得してもよい。
【0035】
例えば、限定商品がキャンセルされた食品であるような場合、自宅から遠く離れた第2支店付近で自宅に近い第1支店における限定商品をユーザが注文すると、第1支店で限定商品を受け取った時に、冷めるなどしてその限定商品の品質が低下している可能性がある。そこで、本構成では、ユーザが指定した第1支店とは異なる支店内又は支店付近にユーザが居る場合、当該ユーザが第1支店を選択したとしても、当該ユーザの通信端末に系列店舗の標準購買メニューを表示させる。これにより、例えば第2支店内又は第2支店付近においてユーザが第1支店の限定商品を注文することが防止でき、ユーザに品質の劣化した限定商品が提供されることを防止できる。
【0036】
なお、上記制御方法の各処理は、通信端末に実装されてもよいし、各処理を通信端末のコンピュータに実行させるプログラムとして提供されてもよいし、そのプログラムを記録する記録媒体として提供されてもよい。
【0037】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る情報提供システムの全体構成の一例を示すブロック図である。情報提供システムは、情報端末100、管理サーバ200(店舗管理システムの一例)、運営システム300を含む。情報端末100、管理サーバ200、及び運営システム300はネットワークNTを介して相互に通信可能に接続されている。ネットワークNTは、例えばインターネット及び携帯電話通信網等を含む広域通信網で構成される。情報端末100は通信端末の一例である。
【0038】
情報端末100は、例えばスマートフォン、タブレット端末等の携帯可能な情報処理装置で構成されている。情報端末100は、事業者Xのサービスが提供されるユーザによって所持される。このサービスは、事業者Xの店舗が販売する商品を購買するための購買メニューを情報端末100に表示させ、購買メニューを通じてユーザに商品を購入させるサービスである。情報端末100には、事業者Xのアプリケーションソフトウェア(以下事業者Xアプリと呼ぶ)がインストールされている。事業者Xアプリは、事業者Xのサービスをユーザに提供するためのアプリケーションソフトウェアである。
【0039】
管理サーバ200は、1以上のコンピュータで構成されるクラウドサーバである。管理サーバ200は、事業者Xが各店舗で販売する商品の種別及び在庫を管理したり、購買メニューを生成して情報端末100に表示させたり、購買メニューを介したユーザからの注文を受け付けたりする。
【0040】
店舗A及び店舗Bは事業者Xに属する店舗である。事業者Xは店舗A及び店舗Bを経営する会社である。本実施の形態では、事業者Xは、例えばハンバーガーショップ、及びコーヒーショップ等のファーストフードチェーンを展開する事業者である。したがって、店舗A及び店舗Bは、事業者Xが展開するファーストフードチェーンの店舗系列に属する支店となる。
図1の例では、店舗A及び店舗Bの2つの店舗が示されているが、これは一例であり、事業者Xが経営する店舗は3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。なお、事業者Xが経営する事業はファーストフードに限定されず、弁当を製造及び販売する事業であってもよいし、総菜などを製造及び販売する中食事業であってもよい。したがって、本実施の形態で店舗が販売する商品は、ハンバーガー、コーヒー、スイーツ、総菜、すし、弁当、フルーツジュース等の飲食物となる。
【0041】
運営システム300は、各店舗に対応して1以上存在する。
図1の例では、店舗A及び店舗Bのそれぞれに対応する2つの運営システム300が示されている。運営システム300は、自身に対応する店舗に設置され、対応する店舗おける商品の管理及び従業員の管理等を行う。
【0042】
運営システム300は、店舗端末310、表示装置320(モニターの一例)、及びビーコン信号発信器330を含む。店舗端末310は、例えばデスクトップコンピュータ、又はスマートフォン若しくはタブレット端末等の携帯型の情報処理装置で構成され、自身に対応する店舗における商品管理及び従業員の管理を行う。店舗端末310は、ネットワークNTを介して管理サーバ200と接続されており、店舗が販売する商品の在庫数等の情報を随時管理サーバ200に送信する。店舗端末310は表示装置320に表示する情報を生成し、表示装置320に出力することで、その情報を表示する。
【0043】
表示装置320は、店頭に設置された例えば大画面の表示装置で構成され、店舗に来客したユーザに対して種々の情報を提示する。例えば、表示装置320は、店舗端末310の制御の下、
図15及び
図16に示すような店舗が受注した商品の状況を表示する画面を表示する。さらに、表示装置320は、注文した商品がキャンセルされたことによって限定商品が発生した場合、そのことを示す情報を表示する。本実施の形態において、限定商品の販売可能時間は24時間より短い時間である。販売可能な時間は、例えば12時間より短い時間、6時間より短い時間、3時間より短い時間、1時間より短い時間、30分より短い時間、15分より短い時間、10分より短い時間、又は5分より短い時間であってもよい。なお、販売可能な時間は、限定商品に応じて異なる時間が設定されてもよい。
【0044】
ビーコン信号発信器330は、店舗に設置され、ビーコン信号を発信する。ビーコン信号発信器330は、例えば、店舗内の主要エリア又は全エリア及び/又は店舗の周囲の一定範囲内のエリアが通信圏内に入るように店舗内又は店舗の周囲において1つ以上配置されている。ビーコン信号としてはBluetooth(登録商標)に準拠した信号が採用できる。但し、これは一例であり、ビーコン信号としては赤外線のビーコン信号が採用されてもよいし、LPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる低消費電力で比較的広いエリアをカバーする無線通信方式が採用されてもよいし、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)と呼ばれる低消費電力で障害物にも影響を受けにくい900MHz台の周波数を用いた無線通信方式が採用されてもよいし、Wi-Fi(登録商標)が採用されてもよいし、または携帯電話向けのセルラーネットワークが採用されてもよい。
【0045】
図2は、実施の形態1に係る情報提供システムの詳細な構成の一例を示すブロック図である。情報端末100は、通信部101、メモリ102、近距離通信部103、演算部104、ディスプレイ105、及び操作部106を含む。
【0046】
通信部101は、例えば情報端末100をネットワークNTに接続するための通信回路で構成されている。通信部101は、例えばユーザが商品の受け取りを希望する店舗の店舗IDと、ユーザが購買メニュー情報の取得を希望するメニュー要請とを管理サーバ200に送信する。通信部101は、購買メニューを通じてユーザが注文する商品を示す注文情報を管理サーバ200に送信する。
【0047】
メモリ102は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置で構成されている。メモリ102は、例えばビーコン信号に含まれるビーコン信号発信器330の機器IDからビーコン信号発信器330が設置された店舗(店舗ID)を特定するための店舗辞書を記憶している。
【0048】
近距離通信部103は、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信を行うための通信回路で構成されている。近距離通信部103は、ビーコン信号発信器330から送信されるビーコン信号を受信する。
【0049】
演算部104は、例えばCPU等のプロセッサで構成され、情報端末100の全体制御を司る。演算部104は、近距離通信部103によりビーコン信号の検出結果が例えば
図3に示すUnknownの場合、ビーコン信号が受信できなかったと判定し、Unknown以外の場合、ビーコン信号を受信できたと判定すればよい。演算部104は、例えば、近距離通信部103が受信したビーコン信号に含まれる機器IDに対応する店舗をメモリ102に記憶された店舗辞書を参照して特定する処理を行う。
【0050】
具体的には、演算部104は、ユーザが指定した店舗の店舗IDとビーコン信号に含まれる機器IDに対応する店舗IDとが一致すると判定した場合、店舗IDとメニュー要請とを対応付けて通信部201を介して管理サーバ200に送信する。一方、演算部104は、ユーザが指定した店舗の店舗IDとビーコン信号に含まれる機器IDに対応する店舗IDが一致しないと判定した場合、店舗IDを送信せず、メニュー要請を通信部201を介して管理サーバ200に送信する。
【0051】
ディスプレイ105は、例えば液晶パネル、有機ELパネル等の表示装置で構成される。ディスプレイ105は、店舗の商品を注文するための購買メニューを表示する。操作部106は、例えばタッチパネルで構成され、ユーザからの指示を受け付ける。操作部106は、例えば、購買メニューを介してユーザが商品の注文を指示する注文指示を受け付ける。
【0052】
管理サーバ200は、通信部201、演算部202、及びメモリ203を含む。通信部201は、管理サーバ200をネットワークNTに接続する通信回路で構成されている。通信部201は、例えば、情報端末100から送信されるメニュー要請等を受信したり、注文内容を示す注文情報を受信したりする。さらに、通信部201は、購買メニューを情報端末100に表示させるための購買メニュー情報を送信する。購買メニュー情報は、例えば購買メニューを構成するGUI部品の表示位置等を指定するレイアウト情報及び/又はGUI部品の各種画像データが含まれていてもよい。購買メニュー情報には、後述するように特典付き購買メニュー情報と標準購買メニュー情報との2つがある。さらに、通信部201は、店舗端末310に対応する店舗で販売可能な時間が限定された限定商品を示す限定商品情報を店舗端末310から受信する。さらに、通信部201は、店舗において限定商品が完売されたことを示す完売情報を受信する。
【0053】
演算部202は、CPU等のプロセッサで構成され、管理サーバ200の全体制御を司る。演算部202は、店舗端末310に対応する店舗で販売可能な時間が限定された限定商品を示す限定商品情報を通信部201を介して取得する。演算部202は、限定商品情報を取得している場合において、情報端末100から店舗ID、及びメニュー要請を通信部201を介して受信した場合、標準購買メニューに限定商品情報が示す限定商品が追加された特典付き購買メニュー情報を生成し、通信部201を介して情報端末100に送信する。標準購買メニューは、事業者Xの店舗系列において全店舗に共通する購買メニューである。
【0054】
演算部202は、限定商品が完売されたことを示す完売情報を通信部201を介して受信している場合において、情報端末100から、店舗IDと、メニュー要請とを通信部201を介して受信した場合、限定商品を含まない購買メニュー情報である標準購買メニュー情報を通信部201を介して情報端末100に送信する。
【0055】
演算部202は、限定商品情報を通信部201を介して受信している場合において、情報端末100から店舗IDを受信せず、メニュー要請を通信部201を介して受信した場合、標準購買メニュー情報を通信部201を介して情報端末100に送信する。
【0056】
メモリ203は、例えば各店舗が販売する商品及び在庫数を管理する商品データベースを記憶する。メモリ203は、例えば各店舗において販売された商品の購買履歴を管理する購買履歴データベースを記憶する。
【0057】
店舗端末310は、通信部311、メモリ312、演算部313、ディスプレイ314、及び操作部315を含む。通信部311は、店舗端末310をネットワークNTに接続する通信回路で構成されている。通信部311は、限定商品情報及び完売情報を管理サーバ200に送信する。なお、店舗端末310及び表示装置320は例えばローカルエリアネットワークで接続される。したがって、通信部311は、ローカルエリアネットワークを介して表示装置320と通信する通信機能を備えていてもよい。
【0058】
メモリ312は、例えば店舗が販売する商品の種類及び各商品の在庫数等を管理する店舗別の店舗商品データベースを記憶する。メモリ312は、例えば店舗の従業員の勤務状況、勤務予定、及び実労働時間等を管理する勤務データベースを記憶する。
【0059】
演算部313は、CPU等のプロセッサで構成されている。演算部313は、店舗の従業員から表示装置320に限定商品情報を表示するための入力指示(第1指示の一例)を取得した場合、又は注文のキャンセルなどにより限定商品が発生したことを検知した場合、限定商品情報を表示するためのコマンド及び/又は表示用データを表示装置320に出力する。演算部313は、限定商品情報を表示するためのコマンド及び/又は表示用データの出力に同期して、限定商品情報を管理サーバ200に送信する。これにより、管理サーバ200は限定商品情報を表示するための入力指示に同期して、又は演算部313が限定商品が発生したことを検知すると同時に、限定商品情報を取得することが可能になる。
【0060】
演算部313は、限定商品情報の表示を消去する入力指示(第2指示の一例)を取得した場合、又は限定商品が完売したことを検知した場合、限定商品情報を消去するためのコマンド及び/又は表示用データを表示装置320に出力する。演算部313は、限定商品情報を消去するためのコマンド及び/又は表示用データの出力に同期して、限定商品情報が示す商品が完売したことを示す完売情報を管理サーバ200に送信する。これにより、管理サーバ200は限定商品情報を消去するための入力指示に同期して、又は演算部313が限定商品が完売したことを検知すると同時に、完売情報を取得することが可能になる。
【0061】
ディスプレイ314は、液晶パネル又は有機ELパネル等の表示装置で構成されている。操作部315は、キーボード及びマウス等の入力装置により構成されている。操作部315は、従業員によって入力される限定商品情報を表示するための入力指示及び限定商品情報を消去するための入力指示を取得する。なお、操作部315はタッチパネルで構成されてもよい。
【0062】
表示装置320は、通信部321、メモリ322、演算部323、及びディスプレイ324を含む。通信部321は、表示装置320をローカルエリアネットワークに接続するための通信回路で構成されている。通信部321は、限定商品情報を表示するためのコマンド及び/又は表示用データ、並びに限定商品情報を消去するためのコマンド及び/又は表示用データを店舗端末310から受信する。
【0063】
メモリ322は、ディスプレイ324に表示するための画像データ等を記憶する。演算部323は、例えばCPU等のプロセッサで構成されている。演算部323は、限定商品情報を表示するコマンド及び/又は表示用データを取得した場合、限定商品情報をディスプレイ324に表示させ、限定商品情報を消去するコマンド及び/又は表示用データを取得した場合、限定商品情報をディスプレイ324から消去させる。ディスプレイ324は、液晶パネル、有機ELパネル又は、プロジェクター等の表示装置で構成され、演算部323の制御の下、限定商品情報等を表示する。
【0064】
ビーコン信号発信器330は、例えばBLE(Bluetooth Low Energy)の規格に対応する発信器であり、通信部331及びメモリ332を含む。通信部331はメモリ332に記憶された機器IDを含むビーコン信号を定期的に送信する。ビーコン信号は、事業者Xアプリがインストールされた情報端末100を所持するあるユーザが、ある店舗内及びその店舗の周辺に居るか否かを検知、判別するために用いられる。ビーコン信号の到達範囲よりも店舗の面積が大きいケースがある。この場合、ビーコン信号発信器330を店舗内に複数設置することで、ユーザが店舗内又は店舗の周辺に居ることをもれなく検知、判別することが可能となる。
【0065】
メモリ332は、フラッシュメモリ等の書き換え可能の不揮発性の記憶装置で構成され、ビーコン信号発信器330を一意に特定するための機器IDを記憶する。
【0066】
図3は、ビーコン信号に関する説明図である。ビーコン信号の規格としてはiBeacon(登録商標、以下同様)というプラットフォームが知られており、
図3の例では、iBeaconが示されている。iBeaconではビーコン信号を情報端末100が受信したときの電波強度でビーコン信号発信器330と情報端末100との距離が計測される。iBeaconでは、計測された距離を、Immediate、Near、Far、及びUnknownの4種類に大別して表現することがある。例えば、ビーコン信号発信器330とスマートフォンとの距離が、数cm以内であればImmediate、約1m内であればNear、約10m内であればFar、約10m以上でビーコン信号を検知できなければUnknownとなる。
【0067】
ビーコン信号にはUUID(Universally Unique Identifier)が含まれている。UUIDに固有のデータを埋め込んでサービス等の識別が可能となる。UUIDの値の設定形式としては例えばISO/IEC11578に準拠した形式が採用できる。
【0068】
なお、iBeaconでは、サービス等の識別にUUIDが用いられるため、ビーコンID等を知っているスマホアプリが情報端末100にインストールされていなければ、情報端末100はビーコン信号に反応することができない。したがって、iBeaconでは、情報端末100に特定のビーコン信号のUUIDに対応するスマホアプリをインストールしておく必要がある。
【0069】
ビーコン信号のプラットフォームとしては他にEddystone(登録商標)が知られている。EddystoneにはUIDタイプ及びURLタイプがある。UIDタイプではiBeaconと同様にビーコンIDが送信されるため、そのビーコンIDに対応するアプリを情報端末100にインストールしておく必要がある。URLタイプではクロームブラウザが自動的にアクセスするURLを指定できる。したがって、URLタイプの場合、情報端末100はクロームブラウザを有していれば良く、特定のビーコンIDに対応するアプリを有している必要はない。
【0070】
本実施の形態では、ビーコンID(機器ID)の受信に基づいて、ユーザに購買メニューの通知等のサービスを提供する。そのため、情報端末100にはビーコン信号に反応する機能を有する専用アプリである事業者Xアプリがインストールされており、ビーコン信号には固有のサービス識別情報であるビーコンID(機器ID)が含まれているものとする。本実施の形態においては、iBeacon及びEddystoneのいずれも採用可能である。なお、EddystoneのURLタイプが採用された場合、情報端末100は事業者Xアプリを有していなくてもよく、クロームブラウザを有していればよい。
【0071】
図4及び
図5は、店舗辞書のデータ構成の一例を示す図である。
図4はiBeaconが採用された場合の店舗辞書であり、
図5はEddystoneのUIDタイプが採用された場合の店舗辞書である。iBeaconの場合、店舗辞書は、機器IDと店舗情報とを対応付けて記憶する。機器IDはUUID、Major、及びMinorを含む。UUIDは事業者Xの識別子を示す。Majorは事業者Xの店舗の識別子を示す。MinorはMajorで示される店舗内の詳細位置を示す。店舗情報は、事業者ID、店舗ID、及び店舗内の詳細位置を含む。
【0072】
例えば、1行目には、UUID「0000-0000-0000-000X」、Major「A」、及びMinor「1N」に対して、事業者X、店舗A、及び1F北が対応付けられている。そのため、受信したビーコン信号に1行目の機器IDが含まれている場合、そのビーコン信号は事業者Xの店舗Aの1Fの北に設置されたビーコン信号発信器330から発信された信号であることが分かる。したがって、このビーコン信号を受信した情報端末100のユーザは事業者Xの店舗Aの1Fの北に居ることが分かる。
【0073】
EddystoneのUIDタイプの場合、機器IDはフレームタイプ、ネームスペースID、及びインスタンスIDを含み、店舗情報はiBeaconと同じである。フレームタイプはEddystoneのタイプを示す。ここでは、フレームタイプに記載された「0」は、UIDタイプであることを示している。ネームスペースIDは事業者及び店舗を示す。インスタンスIDは店舗内の詳細位置を示す。例えば、1行目には、フレームタイプ「0」、ネームスペースID「X-A」、インスタンスID「1F-ENT」に対して、事業者X、店舗A、及び1F入口が対応付けられている。したがって、このビーコン信号を受信した情報端末100のユーザは事業者Xの店舗Aの1Fの入口に居ることが分かる。
【0074】
なお、これらのビーコンIDと店舗情報との対応付けは一例であり、ビーコンIDと店舗情報との対応付けが実現できる限り、どのように設定、運用されても構わない。
【0075】
なお、情報端末100に具備された位置情報検出機能(例えば、Global Positioning Systemによる位置判定や、接続している携帯基地局による地域判定など)と受信したビーコンIDとを組み合わせて、ユーザの位置情報を特定するようにしてもよい。
【0076】
次に、実施の形態1に係る情報提供システムの処理について説明する。実施の形態1では、情報端末100からメニュー要請が送信される都度、管理サーバ200が特典付き購買メニュー情報を生成する。
【0077】
図6は、実施の形態1に係る情報提供システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
図6において、情報端末100Aは注文した商品をキャンセルする情報端末100を示す。情報端末100Bは特典付き購買メニュー情報を受信する情報端末100を示す。情報端末100Cは標準購買メニュー情報を受信する情報端末100を示す。
図6において、情報端末100A、100B、100Cの各ユーザは商品の注文を同一の店舗に対して行っている。この店舗はユーザの現在地とは関係なく、ユーザが帰宅などの移動中に立ち寄る店舗であってもよい。
【0078】
ユーザによりキャンセル指示が入力された情報端末100Aは、店舗IDと注文ID1とキャンセル要請とを対応付けて管理サーバ200に送信する(ステップS1)。店舗IDはユーザが商品を注文した店舗の識別子である。注文ID1は注文に対する識別子であり、今回キャンセルされる注文の識別子である。ステップS1において、ユーザは、例えば、事業者Xアプリのキャンセル画面において店舗名及び注文を特定する情報等を入力することで、注文をキャンセルすることが可能である。
【0079】
次に、管理サーバ200は、受信した店舗IDが示す店舗の店舗端末310に受信した注文ID1と受信したキャンセル要請とを対応付けて送信する(ステップS2)。
【0080】
次に、店舗端末310は、注文ID1が示すキャンセルされた商品(キャンセル品)が再販可能か否かを確認する(ステップS3)。この場合、店舗端末310はキャンセル品の情報を従業員に提示し、従業員から再販許可の指示が入力された場合、再販可能な残り時間も含めて確認すればよい。
【0081】
なお、そのキャンセル品が再販可能か、可能であれば再販可能な残り時間を、店舗端末310が自動的に決定するようにしてもよい。
【0082】
なお、そのキャンセル品が再販可能か、可能であれば再販可能な残り時間を、管理サーバ200が自動的に決定して、キャンセル品の情報と共に店舗端末310に対して通知するようにしてもよい。
【0083】
再販可能であることが確認できた店舗端末310は、キャンセル品を限定商品として決定し、当該限定商品を示す限定商品情報の登録要請を管理サーバ200に送信する(ステップS4)。これにより、店舗端末310は店舗商品データベースに限定商品情報を登録すると共に、その限定商品情報の在庫数を設定する(ここでは1個として説明する)。さらに、限定商品情報の登録要請を受信した管理サーバ200は、該当する店舗の商品データベースにおいて限定商品情報を登録する。次に、店舗端末310は、限定商品情報を表示装置320に表示させる(ステップS4´)。
【0084】
ステップS5において、情報端末100Bは、ユーザの指示に従って事業者Xアプリを起動させ、ユーザから商品の購入を希望する店舗を指定する入力指示を受け付ける。
【0085】
次に、情報端末100Bは、指定された店舗に対応するビーコン信号を受信できたか否かを判定する。ここでは、ビーコン信号を受信できたため、情報端末100Bは、指定された店舗の店舗IDと、メニュー要請とを管理サーバ200に送信する(ステップS6)。
【0086】
なお、ステップS6では、情報端末100Bは、メモリ102に記憶された店舗辞書を用いてビーコン信号に含まれる機器IDに対応する店舗IDを特定し、特定した店舗IDが指定された店舗の店舗IDと一致する場合、指定された店舗に対応するビーコン信号を受信できたと判定すればよい。ステップS6で送信されるメニュー要請は購買メニューの依頼の一例である。
【0087】
次に、管理サーバ200は、ステップS4において受信した店舗IDが示す店舗において、限定商品情報が登録されているため、当該店舗に対応する特典付き購買メニュー情報を生成する(ステップS7)。ここで、特典付き購買メニュー情報には、系列店舗の標準購買メニュー情報が示す商品に加えてユーザが指定した店舗で販売可能な時間が限定された限定商品情報が示す商品が含まれている。これにより、事業者Xアプリを通じて指定された店舗に来店している又は店舗周辺のユーザに対してのみ、限定商品情報を通知することが可能となり、店舗に来店する動機付けをユーザに与えることができる。
【0088】
次に、管理サーバ200は特典付き購買メニュー情報を情報端末100Bに送信する(ステップS8)。次に、情報端末100Bは特典付き購買メニューをディスプレイ105に表示する(ステップS9)。これにより、ユーザは特典付き購買メニューを閲覧することが可能になる。
【0089】
次に、情報端末100Bは、特典付き購買メニューを閲覧したユーザから限定商品に対する注文指示を受け付け、注文内容を示す注文情報を管理サーバ200に送信する(ステップS10)。次に、管理サーバ200は、注文情報を店舗端末310に送信する(ステップS11)。
【0090】
次に、店舗端末310は、限定商品の注文に対する注文ID2を発行することで注文ID2を確定する(ステップS12)。このとき、店舗端末310は、限定商品の在庫数を更新する。この例では1個の限定商品の再販が確定し、限定商品の在庫数は0となる。次に、店舗端末310は、注文ID2を表示装置320に表示させる(ステップS13)。さらに、店舗端末310は、注文ID2を管理サーバ200に送信すると共に、限定商品の削除要請を管理サーバ200に送信する(ステップS14)。この限定商品の削除要請は完売情報の一例に相当する。削除要請を受信した管理サーバ200は、該当する店舗の商品データベースに登録されている限定商品情報を削除する。
【0091】
次に、管理サーバ200は、注文ID2を情報端末100Bに送信する(ステップS15)。次に、情報端末100Bは、注文ID2をディスプレイ105に表示する(ステップS16)。これにより、ユーザは注文ID2を確認できる。
【0092】
限定商品情報の削除要請を受信した管理サーバ200は、該当する店舗の購買メニューの設定を特典付き購買メニュー情報から標準購買メニュー情報に切り替える(ステップS17)。
【0093】
次に、注文ID2が表示された情報端末100Bを確認した従業員により限定商品のユーザへの提供が完了すると、店舗端末310は、その完了を示す提供完了情報が従業員により入力され、当該提供完了情報を店舗商品データベースに登録する(ステップS18)。
【0094】
ステップS19において、情報端末100Cはユーザの指示に従って事業者Xアプリを起動させ、ユーザから商品の購入を希望する店舗を指定する入力指示を受け付ける。次に、情報端末100Cは、指定された店舗に対応するビーコン信号を検出できたか否かを判定し、当該ビーコン信号を検出できた場合、指定された店舗の店舗IDと、メニュー要請とを管理サーバ200に送信する(ステップS20)。なお、ステップS20において、情報端末100Cは、当該ビーコン信号を検出できなかった場合、指定された店舗の店舗IDを送信することなく、メニュー要請を管理サーバ200に送信すればよい。これにより、管理サーバ200は、メニュー要請と共に店舗IDが送信された場合、特典付き購買メニュー情報を情報端末100に送信し、メニュー要請と共に店舗IDが送信されなかった場合、またはメニュー要請と共に予め設定されている無効な店舗IDが送信された場合、標準購買メニュー情報を情報端末100に送信することができる。ここで、情報端末100Cは、メモリ102に記憶された店舗辞書を参照することで、指定された店舗に対応するビーコン信号を検出できたか否かを判定すればよい。
【0095】
次に、管理サーバ200は、ステップS17において、購買メニュー情報の設定を標準購買メニュー情報に切り替えたため、標準購買メニュー情報を情報端末100Cに送信する(ステップS21)。標準購買メニュー情報は全店舗共通であり、予め生成されている。そのため、ステップS21において、管理サーバ200は、標準購買メニューを生成せずに、予め生成された標準購買メニュー情報をメモリ203から読み出し、情報端末100Cに送信すればよい。
【0096】
次に、情報端末100Cは、標準購買メニューをディスプレイ105に表示する(ステップS22)。これにより、ユーザは標準購買メニューを閲覧することが可能になる。
【0097】
次に、情報端末100Cは、標準購買メニューを閲覧したユーザから商品に対する注文指示を受け付け、注文情報を管理サーバ200に送信する(ステップS23)。次に、管理サーバ200は、注文情報を店舗端末310に送信する(ステップS24)。
【0098】
次に、店舗端末310は、商品の注文に対する注文ID3を発行することで注文ID3を確定する(ステップS25)。次に、店舗端末310は、注文ID3を管理サーバ200に送信する(ステップS26)。次に、店舗端末310は、注文ID3を表示装置320に表示させる(ステップS27)。
【0099】
次に、管理サーバ200は、注文ID3を情報端末100Cに送信する(ステップS28)。次に、情報端末100Cは、注文ID3をディスプレイ105に表示する(ステップS29)。これにより、ユーザは注文ID3を確認できる。
【0100】
次に、注文ID3が表示された情報端末100Cが従業員に確認され、注文ID3が示す商品のユーザへの提供が完了すると、店舗端末310は、その完了を示す提供完了情報が従業員に入力され、当該提供完了情報を店舗商品データベースに登録する(ステップS30)。
【0101】
図7は、事業者Xアプリの初期画面G1の一例を示す図である。初期画面G1はユーザが事業者Xアプリの起動指示を情報端末100に入力した際にディスプレイ105に表示される。初期画面G1は、中央に表示された広告表示欄11と広告表示欄12とを含む。広告表示欄11と広告表示欄12とのそれぞれには、事業者Xのおすすめ商品又はサービス等の広告が表示される。なお、広告表示欄は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0102】
初期画面G1の下部には、オーダーボタン13、マップボタン14、アカウントボタン15、及び履歴ボタン16が設けられている。オーダーボタン13は、商品等の注文を事業者Xアプリから行う際に選択されるボタンである。以下、選択する操作のことを「タッチ」と記載する。マップボタン14は、現在地周辺の地図で事業者Xの店舗を確認するためにタッチされるボタンである。アカウントボタン15は、ユーザアカウントを登録、確認、更新する際にタッチされるボタンである。履歴ボタン16は、ユーザの過去の注文履歴を参照する際にタッチされるボタンである。
【0103】
図8は、地図画面G2の一例を示す図である。地図画面G2は初期画面G1においてマップボタン14がタッチされた場合に表示される。地図画面G2にはユーザの現在地の周辺の地図が表示されている。地図画面G2においてはユーザの現在地を示す現在地アイコン22が表示されている。地図画面G2においては、現在地の周辺にある店舗を示す店舗アイコン21が表示されている。ここでは、店舗A、B、C、Dの4つの店舗アイコン21が表示されており、ユーザは、現在地の周辺に事業者Xに属する4つの店舗があることを確認できる。ユーザは地図画面G2を閲覧し、商品を注文する店舗を選択する。この例では、ユーザは指示体1000を店舗Aの店舗アイコン21にタッチさせ、店舗Aを選択する。指示体1000は例えばユーザの指である。店舗Aの店舗アイコン21がタッチされると、情報端末100は、店舗Aに対応するビーコン信号が受信できたか否かを判定し、店舗Aに対応するビーコン信号を受信できた場合、店舗Aの店舗IDと、メニュー要請とを管理サーバ200に送信し、店舗Aに対応するビーコン信号を受信できなかった場合、メニュー要請を管理サーバ200に送信する。この処理は
図6のステップS6、S20が対応する。ここでは、情報端末100は店舗Aに対応するビーコン信号の通信圏外にあり、ビーコン信号を受信できなかったため、店舗Aの店舗IDが送信されず、メニュー要請が送信される。したがって、情報端末100は、管理サーバ200から標準購買メニュー情報が送信されることになる。
【0104】
図9は、標準購買メニューG3の一例を示す画面図である。標準購買メニューG3には、ユーザが選択した店舗Aにおいてユーザが注文できる商品が表示されている。ここでは、店舗Aはファーストフード店であるため、ユーザが注文できる商品は食品である。標準購買メニューG3には、注文可能な複数の商品のそれぞれに対応するタイルオブジェクト30が表示されている。タイルオブジェクト30は、四角形状の外枠を有し、商品名と、商品の値段と、商品を示す画像とを表示する。ここでは、店舗Aは飲食品を提供するため、アイスクリーム、カプチーノ等の各飲食品に対応するタイルオブジェクト30が表示されている。
【0105】
ここでは、タイルオブジェクト30は3行×2列で配列されているがこれは一例である。また、各タイルオブジェクト30のサイズは同一である。標準購買メニューG3においてスクロール操作が入力されると、情報端末100は標準購買メニューG3をスクロールさせ、非表示のタイルオブジェクト30をディスプレイ105上に表示させる。これにより、ユーザは、標準購買メニューG3の初期画面において非表示にされていた商品のタイルオブジェクト30をディスプレイ105に表示させ、その商品を注文することができる。
【0106】
標準購買メニュー情報には、標準購買メニューG3においてタイルオブジェクト30の表示位置を指定するレイアウト情報、各商品の優先順位、及びタイルオブジェクト30の画像データ等が含まれている。そのため、情報端末100は、このレイアウト情報にしたがって優先順位の高い順に各商品に対応するタイルオブジェクト30を配置することで標準購買メニューG3を描画すればよい。なお、各商品の優先順位は系列店舗において予め定義された順位が採用される。例えば、この順位は人気商品ほど優先順位が高くするという順序であってもよい。
【0107】
図10は、注文欄41が重畳表示された標準購買メニューG3を示す図である。ユーザが指示体1000を用いて希望する商品のタイルオブジェクト30をタッチすると、情報端末100は、標準購買メニューG3の下部に注文欄41を重畳表示する。
【0108】
注文欄41には、注文した商品の個数と注文した商品の価格と注文ボタン42とが含まれている。ここでは、カプチーノのタイルオブジェクト30が指示体1000によってタッチされている。そのため、注文欄41には、カプチーノの注文個数を示す「1」と、カプチーノの価格とが表示されている。なお、ユーザは、同じタイルオブジェクト30を複数回タッチすることで、同じ商品を複数個注文することができる。また、ユーザは、複数の異なるタイルオブジェクト30をタッチすることで種類の異なる複数の商品を選択することも可能である。注文操作が完了したユーザは、注文ボタン42をタッチする。注文ボタン42がタッチされると、情報端末100は、注文された商品の種類及び個数等を含む注文情報を管理サーバ200に送信する。これにより、注文が受注される。この処理は
図6のステップS23が対応する。
【0109】
図11は注文履歴画面G5の一例を示す図である。
図12は注文詳細画面G6の一例を示す図である。注文履歴画面G5は、初期画面G1において履歴ボタン16がタッチされると表示される。注文履歴画面G5は、ユーザが事業者Xアプリを用いて過去に注文した商品の注文履歴を一覧表示する画面である。注文履歴画面G5には、各注文履歴に対応する注文履歴欄50が含まれている。
【0110】
注文履歴画面G5の上部には、注文履歴欄50の並び順を変更する並び順変更欄52が設けられている。並び順変更欄52は時刻、店舗、及び金額が表示されている。時刻がタッチされると、注文履歴欄50は注文時刻が新しい順に並べられる。店舗がタッチされると、注文履歴欄50は受け取りを指定した店舗別に並べられる。金額がタッチされると、注文した金額が高い順又は低い順で注文履歴欄50が並べられる。なお、注文履歴画面G5はスクロール表示可能に構成されている。したがって、ユーザは注文履歴画面G5をスクロールすることで、注文履歴画面G5の初期画面で非表示であった注文履歴欄50を表示させ、過去の注文履歴を確認できる。
【0111】
注文履歴欄50には、注文日、注文時刻、注文店舗、注文した商品の商品名、及び注文した商品の合計価格が表示されている。例えば1行目の注文履歴欄50には、2020年4月3日の18時40分に店舗Aに対する注文履歴が表示されている。ここでは、カプチーノが注文されたため、注文履歴欄50には商品名である「カプチーノ」と、カプチーノの価格である「350円」とが表示されている。商品名「カプチーノ」の後の括弧内の数字(367)は注文番号である。注文番号は商品の受け取りが完了していない場合にのみ表示される。商品の受け取りが完了していない注文履歴を示す注文履歴欄50の左端にはキャンセルボタン51が表示される。キャンセルボタン51は、注文した商品をキャンセルする場合にタッチされる。
【0112】
キャンセルボタン51がタッチされると、情報端末100は注文詳細画面G6をディスプレイ105に表示する。注文詳細画面G6は、キャンセルボタン51がタッチされた注文履歴欄50が示す注文履歴の詳細を表示する画面である。
【0113】
注文詳細画面G6には、注文内容欄60及び注文キャンセルボタン61が含まれる。注文内容欄60には、注文番号、注文ステータス、注文日時、ご利用店舗、注文品、及び合計金額が表示されている。注文ステータスは、注文した商品の状態を示す。状態としては商品の受け取りが完了していない「受け取り待ち」及び商品の受け取りが完了している「受け取り済み」等がある。ユーザは注文詳細画面G6を閲覧してキャンセルを決定すると、注文キャンセルボタン61をタッチする。注文キャンセルボタン61がタッチされると、情報端末100は、店舗ID(店舗AのID)と注文ID(367)とキャンセル要請とを対応付けて管理サーバ200に送信する。この処理は、
図6のステップS1が対応する。これにより限定商品が発生することになる。
【0114】
図13は、特典付き購買メニューG7の一例を示す画面図である。特典付き購買メニューG7は、地図画面G2においてユーザが受け取りを指定した店舗Aにおいて限定商品が注文可能なタイミングに当該ユーザが店舗Aの近く居た場合に表示される。すなわち、このユーザが店舗Aの購買メニューを表示する直前のタイミングにおいて、当該ユーザの情報端末100が店舗Aに対応するビーコン信号を検出する。そして、情報端末100は、店舗Aの店舗IDと、メニュー要請とを対応付けて管理サーバ200に送信する。これにより、情報端末100は、特典付き購買メニュー情報を受信し、ディスプレイ105に特典付き購買メニューG7を表示する。この処理は、
図6のステップS6、S8、S9が対応する。
【0115】
特典付き購買メニューG7の上部には、
図9に示す標準購買メニューG3とは異なり、店舗Aの現在の限定商品を示す限定商品欄70が配置されている。これにより、ユーザに限定商品の存在を分かりやすく訴求することが可能になる。
【0116】
限定商品欄70の横幅はタイルオブジェクト30の横幅のほぼ2倍である。限定商品欄70には限定商品を示すタイルオブジェクト30が配置されている。ここでは、カプチーノが限定商品として発生したため、限定商品欄70には、カプチーノを示すタイルオブジェクト30が配置されている。このタイルオブジェクト30には、商品名及び価格に加えて、在庫数と割引額を示すメッセージ(ラスト50円引)とのメッセージが表示されている。これにより、ユーザは限定商品が残り1つであり、限定商品を通常の価格よりも50円引きで購入できることを確認できる。ここでは、割引額が表示されているが、割引率(例えば20%OFF)などが表示されてもよい。
【0117】
さらに、限定商品欄70には、「店舗Aだけのスペシャルオファー」と記載されたメッセージが表示されている。このメッセージにより、カプチーノが店舗Aの限定商品であることをユーザに認識させることができる。
【0118】
特典付き購買メニューG7において、限定商品欄70の下側には、標準購買メニューが表示されている。標準購買メニューは、
図9に示す標準購買メニューG3と同様に各商品の優先順位にしたがってタイルオブジェクト30が配置されている。
【0119】
特典付き購買メニューG7は、標準購買メニューG3と同様、スクロール表示可能に構成されている。したがって、ユーザは、スクロール操作を行うことにより、特典付き購買メニューG7の初期画面では表示されていなかったタイルオブジェクト30を表示させ、優先順位の低い商品を注文することができる。
【0120】
限定商品が複数ある場合、特典付き購買メニューG7において、限定商品欄70は複数表示される。この場合、情報端末100は、複数の限定商品欄70を特典付き購買メニューG7において上から並べて表示すればよい。
【0121】
なお、本開示はこれに限らず、限定商品が複数ある場合でも、限定商品欄70のサイズを変更(拡大)することで、その中に複数の限定商品を表示するようにしてもよい。
【0122】
管理サーバ200から送信される特典付き購買メニュー情報には、限定商品欄70の表示位置及び各タイルオブジェクトの表示位置等を示すレイアウト情報、限定商品を特定するための情報、各商品の優先順位、及び各商品に対応するタイルオブジェクト30の画像データ等が含まれる。そこで、情報端末100は、このレイアウト情報にしたがって限定商品欄70及びタイルオブジェクト30を配置し、特典付き購買メニューG7をディスプレイ105に描画すればよい。
【0123】
特典付き購買メニューG7において、ユーザが指示体1000を用いてタイルオブジェクト30にタッチすると、情報端末100は特典付き購買メニューG7の下部に注文欄41を重畳表示する。ここでは、限定商品であるカプチーノのタイルオブジェクト30がタッチされているため、注文欄41にはカプチーノの注文個数、価格、及び注文ボタン42が表示されている。
【0124】
注文操作が完了したユーザは、注文ボタン42をタッチする。注文ボタン42がタッチされると、情報端末100は、注文された商品の種類及び個数等を含む注文情報を管理サーバ200に送信する。これにより、注文が受注される。この処理は
図6のステップS10が対応する。
【0125】
図14は、情報端末100に表示される注文確定画面G8を示す図である。
図15及び
図16は表示装置320に表示される注文状況画面G9の一例を示す図である。
【0126】
情報端末100は、特典付き購買メニューG7において注文ボタン42がタッチされると、注文確定画面G8を表示する。注文確定画面G8には、注文番号(注文ID)を表示する注文番号欄80と、注文内容欄81と、戻るボタン82とが表示されている。
【0127】
注文番号欄80には、注文IDが表示されている。注文IDは注文を受けた店舗Aの店舗端末310により発行され、注文を識別するための識別子である。
【0128】
注文内容欄81には、注文ステータス、注文日時、ご利用店舗、注文品、及び合計金額が表示されている。これらの詳細は注文内容欄60と同じである。戻るボタン82は初期画面G1(ホーム画面)に戻るためのボタンである。
【0129】
注文状況画面G9は、店舗Aに来店したユーザに対して注文状況を通知する画面である。
図15の注文状況画面G9は限定商品がある場合を示し、
図16の注文状況画面G9は限定商品がない場合を示している。
【0130】
注文状況画面G9には、表示欄91、92、93が表示されている。表示欄91は調理が完了し、ユーザが受け取り可能な商品の注文IDを表示する欄である。表示欄92は調理中の商品の注文IDを表示する欄である。表示欄93は限定商品情報を表示する欄である。ここでは、カプチーノが限定商品として発生したため、表示欄93にはカプチーノについての限定商品情報が表示されている。具体的には、表示欄93にはカプチーノの商品名、カプチーノの価格、カプチーノの画像、及びカプチーノの割引額が表示されている。これにより、店舗Aに来店したユーザは限定商品があることを確認できる。この限定商品の注文を希望するユーザは、事業者Xアプリを起動させ、地図画面G2から店舗Aを選択して特典付き購買メニューG7をディスプレイ105に表示させ、カプチーノを注文する。または、事業者Xアプリではなく、店頭カウンターにて従業員に購入を申し出てもよい。なお、
図15の注文状況画面G9を表示する処理は、
図6のステップS4´が対応する。そして、カプチーノの注文が完了すると、注文確定画面G8がディスプレイ105に表示されることになる。
【0131】
この場合、限定商品に対する注文が受注されたため、
図16の注文状況画面G9の表示欄91には限定商品に対する注文ID「C07」が追加されている。この注文によって限定商品の在庫数が0になったため、
図16の注文状況画面G9の表示欄93から限定商品情報が削除されている。
【0132】
次に、実施の形態1に係る情報提供システムの処理の詳細について説明する。
図17は、実施の形態1に係る情報提供システムの処理の詳細を示すフローチャートである。
【0133】
まず、情報端末100の操作部106は、商品を受け取る店舗を指定するユーザからの指示を受け付ける(ステップS1801)。この処理は
図6のステップS5に対応する。ここでは、ユーザにより店舗Aが選択されたものとする。
【0134】
次に、情報端末100の演算部104は、近距離通信部103がビーコン信号を受信できたか否かを判定する(ステップS1802)。ビーコン信号が受信できなかった場合(ステップS1802でNO)、処理はステップS1804に進む。ビーコン信号が受信できた場合(ステップS1802でYES)、処理はステップS1803に進む。
【0135】
ステップS1803において、情報端末100の演算部104は、受信したビーコン信号がステップS1801で指定された店舗Aに対応するビーコン信号であるか否かを判定する。この場合、演算部104は、受信したビーコン信号に含まれる機器IDに対応する店舗IDを店舗辞書を参照して特定し、特定した店舗IDが店舗Aの店舗IDと一致するか否かを判定する。そして、一致する場合、演算部104は、ステップS1803でYESと判定し、一致しない場合、ステップS1803でNOと判定する。
【0136】
次に、情報端末100の演算部104は、メニュー要請等を通信部101を介して管理サーバ200に送信する。ここで、ステップS1803でYESと判定された場合は、演算部104は、店舗Aの店舗IDと、メニュー要請とを通信部101を介して管理サーバ200に送信する。この処理は
図6のステップS6に対応する。一方、ステップS1802でNO又はステップS1803でNOと判定された場合、演算部104は、メニュー要請を通信部101を介して管理サーバ200に送信する。
【0137】
ステップS1811において、管理サーバ200の通信部201はメニュー要請等を受信する。
【0138】
次に、管理サーバ200の演算部202は、ステップS1811で受信されたメニュー要請等に店舗IDが含まれているか否かを判定する(ステップS1812)。店舗IDが含まれている場合(ステップS1812でYES)、処理はステップS1813に進み、店舗IDが含まれていない場合又は予め設定された無効な店舗IDが含まれている場合(ステップS1812でNO)、処理はステップS1816に進む。
【0139】
ステップS1813において、演算部202は、ステップS1801で指定された店舗(店舗A)に限定商品があるか否かを判定する。ここで、演算部202は、メモリ203に記憶された店舗Aの商品データベースに限定商品情報が登録されている場合、店舗Aに限定商品があると判定し、店舗Aの商品データベースに限定商品情報が登録されていない場合、店舗Aに限定商品がないと判定すればよい。
【0140】
ステップS1813において、店舗Aについて限定商品があると判定された場合(ステップS1813でYES)、処理はステップS1814に進み、店舗Aについて限定商品がないと判定された場合(ステップS1813でNO)、処理はステップS1816に進む。
【0141】
ステップS1814において、演算部202は、店舗Aの標準購買メニュー情報に対して限定商品情報が示す限定商品が追加された特典付き購買メニュー情報を生成する。
【0142】
次に、演算部202は、特典付き購買メニュー情報である識別情報と、店舗Aの特典付き購買メニュー情報とを通信部201を介して情報端末100に送信する(ステップS1815)。ステップS1816において、演算部202はステップS1801にて指定された店舗に対応する標準購買メニュー情報を通信部201を介して情報端末100に送信する。
【0143】
ステップS1805において、情報端末100の演算部104は特典付き購買メニュー情報を受信したか否かを判定する。特典付き購買メニュー情報を受信した場合(ステップS1805でYES)、演算部104は、特典付き購買メニューをディスプレイ105に表示する(ステップS1806)。一方、標準購買メニュー情報を受信した場合(ステップS1805でNO)、演算部104は標準購買メニューをディスプレイ105に表示する(ステップS1807)。
【0144】
なお、管理サーバ200で購買メニュー情報だけでなく、その表示デザインも決定して情報端末100に送信する場合には、情報端末100は管理サーバ200から受信した購買メニュー情報の表示デザインに従ってディスプレイ105に表示すればよい。この場合は、ステップS1815にて送信される特典付き購買メニュー情報、又はステップS1816にて送信される標準購買メニュー情報を、ステップS1805の判断を行わずに、情報端末100のディスプレイ105にそのまま指定されたデザインに従って表示すればよい。これは、例えば、HTML(HyperText MarkupLanguage)を利用することで容易に実現可能である。
【0145】
このように、本実施の形態によれば、販売可能な時間が限定された限定商品を示す限定商品情報が取得され、店舗からのビーコン信号の受信エリア内にいる人に対して、限定商品を含む特典付き購買メニューが表示される。これにより、在庫又は時間に応じて時々刻々と変化する限定商品に関する情報を、情報端末100を通じて、店舗内又は店舗付近にいる人に対してタイムリーに提供することができる。その結果、食品ロスを低減することができる。
【0146】
また、本実施の形態によれば、ユーザによる店舗に対応するメニュー要請により購買メニュー情報が生成され、情報端末100に出力されている。そのため、ユーザの意思に反して購買メニューが情報端末100に表示されることが防止され、ユーザに煩わしさを与えること防止できる。
【0147】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、管理サーバ200は、予め特典付き購買メニュー情報を生成しておき、メニュー要請等を受信した場合、予め生成しておいた特典付き購買メニュー情報を情報端末100に送信するものである。なお、本実施の形態において実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、本実施の形態において、ブロック図及び画面図は実施の形態1と同じである。
【0148】
図18は、実施の形態2に係る情報提供システムの処理の一例を示すシーケンス図である。なお、
図18において
図6と同じ処理については同じステップ番号を付し、説明を省略する。
【0149】
ステップS701において、限定商品情報の登録要請を受信した管理サーバ200は、限定商品情報に基づいて特典付き購買メニュー情報を生成する。この生成は、限定商品情報の登録要請をトリガーに実行され、メニュー要請等の受信をトリガーに実行されていない点が
図6と相違する。
【0150】
次に、店舗IDとメニュー要請とを受信した管理サーバ200は、特典付き購買メニュー情報を送信すると判定する(ステップS702)。すなわち、管理サーバ200は、メニュー要請等を受信した場合、事前に生成しておいた特典付き購買メニュー情報を情報端末100Bに送信するのである。なお、
図15においてステップS701、S702以外の処理は
図6と同じである。
【0151】
このように、実施の形態2によれば、メニュー要請等を受信する都度、特典付き購買メニュー情報を生成する必要がないため、管理サーバ200の処理負担を軽減できる。
【0152】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。情報端末100が管理サーバ200に対して特典付き購買メニュー要請又は標準購買メニュー要請を送信するものである。なお、本実施の形態において実施の形態1、2と同一の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。また、本実施の形態において、ブロック図及び画面図は実施の形態1と同じである。
【0153】
図2を参照する。本実施の形態において、情報端末100において、操作部106はユーザから商品の受け取りを希望する店舗(第1支店の一例)を指定する指示を受け付ける。
【0154】
情報端末100において、演算部104は、近距離通信部103により受信されたビーコン信号に含まれる機器IDに対応する店舗IDが、ユーザが指定した店舗の店舗IDと一致するか否かを判定する。そして、演算部104は、一致すると判定した場合、特典付き購買メニュー情報を取得するための特典付き購買メニュー要請を通信部101を介して管理サーバ200に送信する。ここで、特典付き購買メニュー要請には、前記一致すると判定された店舗IDが含まれている。一方、演算部104は、一致しないと判定した場合、標準購買メニュー情報を取得するための標準購買メニュー要請を通信部101を介して管理サーバ200に送信する。
【0155】
ここで、演算部104は、メモリ102に記憶された店舗辞書を参照し、ビーコン信号に含まれている機器IDに対応する店舗IDがユーザが指定した店舗の店舗IDに一致するか否かを判定する。
【0156】
管理サーバ200において、演算部202は、特典付き購買メニュー要請34を通信部201を介して受信した場合、特典付き購買メニュー要請に含まれる店舗IDに対応する店舗の特典付き購買メニュー情報を通信部201を介して情報端末100に送信する。一方、演算部202は、標準購買メニュー要請を通信部201を介して受信した場合、標準購買メニュー情報を通信部201を介して情報端末100に送信する。
【0157】
図19は、実施の形態3に係る情報提供システムの処理の一例を示すシーケンス図である。なお、
図19は、
図18をベースとしており、
図18と同じ処理には同じ符号を付し、説明を省略する。したがって、本実施の形態において、管理サーバ200は、限定商品情報の受信をトリガーに予め特典付き購買メニュー情報を生成しているものとする。また、ステップS5、S19において指定された店舗は店舗Aであるとする。但し、これは一例であり、管理サーバ200は、特典付き購買メニュー要請の受信をトリガーに特典付き購買メニュー情報を生成してもよい。
【0158】
ステップS801において、情報端末100は、特典付き購買メニュー要請又は標準購買メニュー要請を送信する。ここで、情報端末100は、ステップS5で指定された店舗Aの店舗IDに対応する機器IDを含むビーコン信号を受信できた場合、特典付き購買メニュー要請と店舗Aの店舗IDとを送信する。一方、情報端末100は、ステップS5で指定された店舗Aの店舗IDに対応する機器IDを含むビーコン信号を受信できなかった場合又はビーコン信号そのものを受信できなかった場合、標準購買メニュー要請を管理サーバ200に送信する。ここで、送信される標準購買メニュー情報は事業者Xの系列店舗において全店舗共通の購買メニューである。
【0159】
次に、管理サーバ200は、店舗Aの特典付き購買メニュー情報又は標準購買メニュー情報を情報端末100に送信する(ステップS802)。ここで、管理サーバ200は、店舗Aの店舗IDを含む特典付き購買メニュー要請を受信している場合、店舗Aの特典付き購買メニュー情報を情報端末100に送信する。一方、管理サーバ200は、標準購買メニュー要請を受信した場合、標準購買メニュー情報を情報端末100に送信する。特典付き購買メニュー要請は、第1支店IDと共に送信される系列店舗の標準購買メニューの依頼の一例である。標準購買メニュー要請は、標準購買メニューの依頼の一例である。
【0160】
以降、ステップS9~S19の処理は
図18と同じである。ステップS803において、情報端末100Cは、ステップS801と同様、特典付き購買メニュー要請と店舗Aの店舗ID又は標準購買メニュー要請を管理サーバ200に送信する。ステップS804において、管理サーバ200は、限定商品が完売しているため、標準購買メニュー情報を情報端末100Cに送信する。以降、ステップS22~S30の処理は
図18と同じである。
【0161】
本実施の形態は下記のユースケースが想定可能である。例えば、ユーザの自宅の最寄駅に店舗Aが存在し、ユーザの勤務先の最寄駅に店舗Aの系列店舗である店舗Bが存在している。限定商品は上述のような出来立てのキャンセル品であり、時間が経過するに冷めていくなどして味が低下する。そのため、ユーザが勤務先からの帰宅途中に自宅から遠く離れた店舗B付近で店舗Aの限定商品を注文すると、店舗Aで限定商品を受け取ったときには、限定商品の味が低下している可能性がある。
【0162】
そこで、本実施の形態は、ユーザが、勤務先からの帰宅途中に店舗Bの付近で事業者Xアプリを起動して店舗Aを指定した場合、情報端末100は特典付き購買メニューではなく系列店舗で共通の標準購買メニューを表示する。これにより、ユーザが自宅から遠く離れた店舗B付近に居る場合、店舗Aにおける限定商品を注文することができず、店舗Aにて味の低下した限定商品を受け取ることを防止できる。
【0163】
一方、ユーザが帰宅途中に店舗Aの付近で事業者Xアプリを起動して店舗Aを指定すると、情報端末100には特典付き購買メニューが表示される。これにより、ユーザは店舗Aにおける限定商品が通知され、味の低下していない限定商品を店舗Aにて受け取ることができる。これにより、ユーザは、限定商品を受け取り後、直ぐに自宅に持ち帰って食べることができ、限定商品をおいしく食べることができる。
【0164】
なお、実施の形態3において、ビーコン信号には店舗に対応する機器IDが含まれるとして説明したが、本開示はこれに限定されず、ビーコン信号には店舗ID(第1支店ID、第2支店IDの一例)が含まれていてもよい。この場合、情報端末100は、ユーザが指定した店舗の店舗IDがビーコン信号に含まれる店舗IDと一致するか否かを判定すればよい。そして、情報端末100は、一致すると判定した場合、特典付き購買メニュー要請を管理サーバ200に送信すればよい。一方、情報端末100は、一致しないと判定した場合、標準購買メニュー要請を管理サーバ200に送信すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本開示によれば、ファーストフード事業及び中食事業等において有用な情報提供方法を提供できる。
【符号の説明】
【0166】
100 :情報端末
101 :通信部
102 :メモリ
103 :近距離通信部
104 :演算部
105 :ディスプレイ
106 :操作部
200 :管理サーバ
201 :通信部
202 :演算部
203 :メモリ
300 :運営システム
310 :店舗端末
311 :通信部
312 :メモリ
313 :演算部
314 :ディスプレイ
315 :操作部
320 :表示装置
321 :通信部
322 :メモリ
323 :演算部
324 :ディスプレイ
330 :ビーコン信号発信器
331 :通信部
332 :メモリ