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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】販売促進装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 19/10 20060101AFI20240802BHJP
   G09F 19/02 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
G09F19/10
G09F19/02 M
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020190040
(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公開番号】P2022079081
(43)【公開日】2022-05-26
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】520448577
【氏名又は名称】THREE RIVERS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】三河 傑
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-053092(JP,U)
【文献】実開昭54-143191(JP,U)
【文献】特開2014-042655(JP,A)
【文献】実開平03-105890(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 19/00-19/22
G09F 5/00
A47F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を濾過するための飲料用フィルタの販売促進装置であって、
筐体と、
前記筐体の側面に設けられ、該筐体の内部を視認可能な窓部と、
前記筐体の内部における前記窓部を通じて視認可能な位置に配置され、前記飲料用フィルタが載置される載置部と、
前記筐体の内部に配置され、前記載置部に載置された前記飲料用フィルタの上方から前記飲料用フィルタに向かって液体を落下させるノズル部を有する液体供給装置と、
前記筐体における前記窓部が設けられる側面に配置され、前記ノズル部から落下する液体の挙動を示す映像を表示する表示部と、を備える販売促進装置。
【請求項2】
前記液体供給装置は、前記載置部の下方に配置され、前記ノズル部から落下した液体を受ける受け部と、
一端側が前記受け部に接続され、他端側がノズル部に接続される液移送ラインと、
前記受け部の内部の液体を汲み上げ、前記液移送ラインを介して前記ノズル部に供給する揚水部と、を有する請求項1に記載の販売促進装置。
【請求項3】
前記表示部及び前記窓部は、映像を表示可能であるとともに、前記筐体の内部を視認可能な透過ディスプレイである請求項1又は2に記載の販売促進装置。
【請求項4】
前記表示部は、
前記窓部よりも上方に位置し、前記飲料用フィルタに流入する前の液体の挙動を示す映像を表示する上側表示部と、
前記窓部よりも下方に位置し、前記飲料用フィルタから流出した後の液体の挙動を示す映像を表示する下側表示部と、を有する請求項1又は2に記載の販売促進装置。
【請求項5】
前記ノズル部から落下する液体を前記窓部から視認可能な表示モードと前記ノズル部から落下する液体を前記窓部から視認不能な隠蔽モードに切り替える映像制御部を更に備え、
前記表示部は、前記隠蔽モードにおいて前記ノズル部から落下する液体を前記窓部から視認不能になるように隠す映像を表示する請求項1から4の何れかに記載の販売促進装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用フィルタの販売促進装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店頭等に配置され、商品の販売を促進するための販売促進装置が知られている。この種の技術が記載されているものとして例えば特許文献1がある。特許文献1には、中華まん等の商品を陳列する陳列室を含む回転可能なハウジングを備えるショーケース装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-46286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、販売促進装置には、その販売促進の効果を高めるために販売する商品に応じて様々な機能が求められる。例えば、商品が飲料用フィルタである場合、コーヒー等の飲料がフィルタに注がれて濾過されるという商品の使用状況を消費者に演出することが好ましい。店頭に人員等を配置して実演する方法も考えられるが、実演するための人手が必要であり、効率的ではない。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、手作業によらず、飲料用フィルタの使用状況をリアルに演出できる販売促進装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、飲料を濾過するための飲料用フィルタの販売促進装置であって、筐体と、前記筐体の側面に設けられ、該筐体の内部を視認可能な窓部と、前記筐体の内部における前記窓部を通じて視認可能な位置に配置され、前記飲料用フィルタが載置される載置部と、前記筐体の内部に配置され、前記載置部に載置された前記飲料用フィルタの上方から前記飲料用フィルタに向かって液体を落下させるノズル部を有する液体供給装置と、前記筐体における前記窓部が設けられる側面に配置され、前記ノズル部から落下する液体の挙動を示す映像を表示する表示部と、を備える販売促進装置に関する。
【0007】
前記液体供給装置は、前記載置部の下方に配置され、前記ノズル部から落下した液体を受ける受け部と、一端側が前記受け部に接続され、他端側がノズル部に接続される液移送ラインと、前記受け部の内部の液体を汲み上げ、前記液移送ラインを介して前記ノズル部に供給する揚水部と、を有する。
【0008】
前記表示部及び前記窓部は、映像を表示可能であるとともに、前記筐体の内部を視認可能な透過ディスプレイである。
【0009】
前記表示部は、前記窓部よりも上方に位置し、前記飲料用フィルタに流入する前の液体の挙動を示す映像を表示する上側表示部と、前記窓部よりも下方に位置し、前記飲料用フィルタから流出した後の液体の挙動を示す映像を表示する下側表示部と、を有する。
【0010】
前記ノズル部から落下する液体を前記窓部から視認可能な表示モードと前記ノズル部から落下する液体を前記窓部から視認不能な隠蔽モードに切り替える映像制御部を更に備え、前記表示部は、前記隠蔽モードにおいて前記ノズル部から落下する液体を前記窓部から視認不能になるように隠す映像を表示する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、手作業によらず、飲料用フィルタの使用状況をリアルに演出できる販売促進装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る販売促進装置を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る販売促進装置に映像が表示されている状態を示す斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る販売促進装置を示す縦断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る販売促進装置を示す横断面図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る販売促進装置販売促進装置に映像が表示されている状態を示す正面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る販売促進装置の制御装置に関する電気的な構成を示すブロック図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る販売促進装置に映像が表示されている状態を示す斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る販売促進装置に映像が表示されている状態を示す正面図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る販売促進装置の制御装置に関する電気的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0014】
本発明の第1実施形態に係る販売促進装置1について、図1から図5を参照しながら説明する。図1は販売促進装置1を示す斜視図である。図2は販売促進装置1に映像が表示されている状態を示す斜視図である。図3は販売促進装置1を図1に示すA-A線で切断した縦断面図である。図4は販売促進装置1を図1に示すB-B線で切断した横断面図である。図5は販売促進装置1に映像が表示されている状態を示す正面図である。
【0015】
販売促進装置1は、商品である飲料用フィルタ2の販売を促進するための装置である。販売促進装置1は、その内部に飲料用フィルタ2を載置した状態で店頭に配置して用いられる。
【0016】
まず、販売促進装置1による販売対象である飲料用フィルタ2について説明する。飲料用フィルタ2は、水やコーヒー、紅茶、酒類等の飲料を濾過するためのフィルタである。具体的には、飲料用フィルタ2は、粉状に挽いたコーヒー豆や茶葉から飲料を抽出して濾過する場合や水や日本酒を濾過する場合に用いられる。飲料用フィルタ2としては、例えば、紙フィルタや多数の微細孔が形成された多孔質のセラミック製フィルタ等が挙げられる。本実施形態では、椀状に形成された多孔質のセラミック製フィルタである飲料用フィルタ2を用いた場合を例に販売促進装置1について説明する。
【0017】
次に、販売促進装置1の構成について説明する。販売促進装置1は、筐体10と、載置部20と、液体供給装置30と、透過ディスプレイ40と、発光部であるLEDユニット50と、制御装置60と、を備える。
【0018】
筐体10は、販売促進装置1の主要部を構成する本体部分である。図1から図3に示すように、筐体10は、全体として上下方向に長い略直方体形状である。筐体10は、外部から筐体10の内部を視認できない不透明な部材によって形成される。筐体10は、上方が開放した箱状の本体部11と、本体部11の上部の開口115を開閉する蓋部12と、仕切り板13と、を備える。
【0019】
本体部11は、底板110と、筐体10の4つの側面を形成する側板111,112,113,114を有する。
【0020】
底板110は、販売促進装置1の土台となる矩形平板である。底板110の端辺からは、側板111~114が上方に延びる。
【0021】
図1に示すように、側板111は、上下方向に長い矩形平板状である。側板111には、上方に長い開口116がその中央部から端部側にかけて形成される。側板111には、透過ディスプレイ40を支持するガイド溝(図示省略)が開口116に沿って形成される。
【0022】
側板112~114は、上下方向に長い矩形平板状である。側板112は、側板111に対向する位置に形成される。側板113,114は、互いに対向する位置に形成され、側板111から側板112に延びる。
【0023】
蓋部12は、販売促進装置1の上面を形成する矩形平板である。蓋部12は、平面視において底板110と略等しいサイズである。図1に示すように、蓋部12によって本体部11の開口116を閉じた状態では、蓋部12の端部が側板111,112,113,114のそれぞれの上部に接触する。
【0024】
仕切り板13は、筐体10内の空間を上下方向に区画するように本体部11の上側に配置される矩形平板状である。具体的には、仕切り板13は、蓋部12に対して間隔を空けて略平行に配置される。仕切り板13の4つの端縁は、側板111~114に固定される。図1から図3に示すように、仕切り板13の上面には制御装置60が配置され、仕切り板13の底面にはLEDユニット50が取り付けられる。
【0025】
載置部20は、筐体10の内部に配置され、飲料用フィルタ2が載置される部材である。筐体10の内部とは、底板110と、側板111~114と、仕切り板13と、側板111に取り付けられた透過ディスプレイ40に囲まれた空間部分である。載置部20は、延出片21と、環状部材22とを含んで構成される。
【0026】
載置部20は、液体供給装置30の後述する受け部32に配置される支持板23に支持される。支持板23は、透光性を有し、上方に長い矩形平板であり、側板112に対して略平行に配置される。図3に示すように、支持板23は、側板112の近傍に配置される。なお、図1図2、及び図5では、支持板23の図示を省略している。
【0027】
延出片21は、平板状であり、支持板23の表面における略中心付近から開口116側に向かって水平方向に延出する。延出片21の開口116側の端部には、環状部材22が形成される。
【0028】
図4に示すように、環状部材22は、平面視において円環状である。環状部材22は、その開口221に飲料用フィルタ2の底部を挿入した状態で飲料用フィルタ2を支持可能に形成される。即ち、環状部材22の開口221の径は、少なくとも飲料用フィルタ2の底面の径よりも大きく、飲料用フィルタ2の上端の径よりも小さく形成される。なお、本実施形態では、載置部20は環状部材22の中心軸が略垂直方向に延びるように支持板23に支持される。
【0029】
液体供給装置30は、筐体10の内部に配置され、液体Lを循環する装置である。液体供給装置30が循環する液体Lは、特に限定されないが、メンテナンス性の観点から水が好ましい。本実施形態では、液体Lとして水を用いている。図1から図3に示すように、液体供給装置30は、ノズル部31と、受け部32と、液移送ライン33と、揚水部であるポンプ34と、を備える。
【0030】
ノズル部31は、仕切り板13よりも下方に位置し、その先端から液体Lを下方に排出する排出口である。ノズル部31は、平面視において載置部20の開口221の略中心に位置する。即ち、ノズル部31は、載置部20に載置された飲料用フィルタ2の上方から飲料用フィルタ2に向かって液体Lを落下可能に構成される。
【0031】
受け部32は、載置部20の下方に配置され、ノズル部31から落下した液体Lを受ける桶である。具体的には、受け部32は、液体Lを貯留可能な箱状であり、底板110の上面に配置される。
【0032】
液移送ライン33は、液体Lが流通可能な管である。図1から図3に示すように、液移送ライン33は、一端側(図1から図3では下側)が受け部32の内部に位置し、他端側(図1から図3では上側)がノズル部31に接続される。具体的には、液移送ライン33は、一端がポンプ34に取り付けられ、仕切り板13の近傍まで上方に延出し、平面視における開口221の中心に向かって水平方向に延出した後に、下方に延出して他端がノズル部31に接続される。
【0033】
ポンプ34は、受け部32の内部に配置され、液体Lを汲み上げる装置である。ポンプ34には、ノズル部31の一端が取り付けられる。ポンプ34は、受け部32の内部の液体Lを汲み上げ、液移送ライン33を介してノズル部31に液体Lを供給する。ポンプ34と液移送ライン33のうちポンプ34から上方に延出している部分は、支持板23に隠れて外部から開口116を通じて視認できない位置に配置される。
【0034】
液体供給装置30によれば、受け部32の内部の液体Lをポンプ34によって液移送ライン33を介してノズル部31に供給し、ノズル部31から載置部20に載置された飲料用フィルタ2に落下させて、受け部32に戻すことができる。即ち、液体Lを飲料用フィルタ2に流し続けることができる。
【0035】
透過ディスプレイ40は、上下方向に長い矩形平板状のディスプレイであり、側板111に取り付けられる。具体的には、透過ディスプレイ40は、開口116を塞ぐようにその端辺がガイド溝に嵌め込まれる。即ち、透過ディスプレイ40は、側板111とともに筐体10の側面の1つを形成する。
【0036】
また、図2及び図5に示すように、透過ディスプレイ40は、映像Iを表示可能であるとともに、映像Iが表示される画面の裏側を透けて見せることができるように構成される。即ち、透過ディスプレイ40は、映像Iを表示する表示部として機能するとともに、筐体10の内部を視認可能な窓部としても機能する。なお、載置部20は、透過ディスプレイ40を通じて外部から視認可能な位置に配置される。本実施形態では、載置部20は、透過ディスプレイ40に相対して載置部20を見た場合に、透過ディスプレイ40の略中心部に位置するが、透過ディスプレイ40を通じて視認可能な位置であれば載置部20の位置は特に限定されない。
【0037】
透過ディスプレイ40としては、透明液晶ディスプレイ、透明有機ELディスプレイ、透明無機ELディスプレイ等が挙げられる。本実施形態の透過ディスプレイ40は、液晶パネルからバックライトを取り外し、液晶パネルの偏光フィルムを特殊フィルムに変更した透明液晶ディスプレイを用いている。
【0038】
透過ディスプレイ40は、例えば、図2及び図5に示すように、ノズル部31から落下する液体Lの挙動を示す映像Iを表示する。具体的には、透過ディスプレイ40に相対して透過ディスプレイ40を見た場合に、飲料用フィルタ2よりも上方のポットから飲料用フィルタ2に向かってお湯が流れ、飲料用フィルタ2によって抽出及び濾過されたコーヒーが飲料用フィルタ2の下方に位置する容器に流れ落ちる映像Iが表示される。これにより、消費者は透過ディスプレイ40を通じて実物の液体Lが流れる飲料用フィルタ2を視認できるとともに、図5に示すように透過ディスプレイ40の全面に表示される飲料用フィルタ2に落下する液体Lの挙動を示す映像を確認できる。
【0039】
LEDユニット50は、複数のLED素子が配列された複数の板状部材から成るものである。LEDユニット50は、仕切り板13の底面と側板112の支持板23に対向する面に取り付けられる。LEDユニット50は、筐体10の内部の照明や透過ディスプレイ40のバックライトとして機能する。
【0040】
制御装置60は、仕切り板13の上面に配置され、販売促進装置1の駆動を制御するコンピュータである。制御装置60の構成については、図6を参照しながら説明する。図6は制御装置60に関する電気的な構成を示すブロック図である。
【0041】
図6に示すように、制御装置60は、記憶部61と、通信部62と、表示制御部63と、を備える。
【0042】
記憶部61は、半導体メモリによって構成され、各種データを記憶する。記憶部61には、例えば、透過ディスプレイ40に表示させる映像や表示制御部63が各種の処理を実行する上において必要なデータ等が格納される。
【0043】
記憶部61に格納される映像は、特に限定されない。記憶部61に格納される映像としては、例えば、ノズル部31から落下する液体Lの挙動を示す映像I以外に、飲料用フィルタ2の産地に関する映像や飲料用フィルタ2の製造方法又は使用方法に関する映像、その他プロモーション動画等が挙げられる。
【0044】
通信部62は、外部装置と信号の送受信を行う。通信部62は、有線によって通信を行うものであっても、無線によって通信を行うものであってもよい。通信部62によって、例えば、使用者が操作する販売促進装置1のコントローラからの信号を受信することや、インターネット等のネットワークを介して離れた場所に存在するコンピュータ等と通信を行うことができる。外部装置からの信号は通信部62を介して記憶部61や表示制御部63に送信できる。これにより、例えば、新たな映像のデータを外部装置から販売促進装置1に送信することで表示可能な映像のデータを適宜更新できる。
【0045】
表示制御部63は、CPUによって構成され、透過ディスプレイ40の表示やLEDユニット50の発光を制御する。表示制御部63は、映像選択部631と、モード切替部632と、発光制御部633と、を備える。
【0046】
映像選択部631は、記憶部61に格納された映像や通信部62を介して受信した映像から透過ディスプレイ40に表示させる映像を選択し、透過ディスプレイ40に選択した映像を表示させるための信号を送信する。
【0047】
発光制御部633は、通信部62を介して外部から受信した信号や予め定められたプログラムに基づき、LEDユニット50の発光を制御する。発光制御部633は、LEDユニット50から照射される光量や光色を調整する。例えば、発光制御部633は、LEDユニット50の光量を調整して筐体10内や透過ディスプレイ40の明るさを調整することができる。また、発光制御部633は、LEDユニット50から照射される光色を調整してノズル部31から落下する液体Lの色を変化させることもできる。
【0048】
モード切替部632は、液体供給装置30のノズル部31から落下する液体Lを透過ディスプレイ40から視認可能な表示モードとノズル部31から落下する液体Lを透過ディスプレイ40から視認不能な隠蔽モードに切り替える。モード切替部632は、通信部62を介して外部から受信した信号や予め定められたプログラムに基づいて表示モードと隠蔽モードを選択する。
【0049】
モード切替部632によって隠蔽モードに切り替わると、例えば、映像選択部631は、液体Lが透過ディスプレイ40から視認不能になるように液体Lのみを隠す映像を表示させる信号を透過ディスプレイ40に送信する。この結果、液体供給装置30による液体Lの流れを停止させずに、筐体10の外側から透過ディスプレイ40を介して液体Lを視認不能にすることできる。
【0050】
また、モード切替部632によって表示モードから隠蔽モードに切り替わると、透過ディスプレイ40から筐体10の内部を視認可能な状態から、液体Lだけでなく筐体10の内部全体を視認不能な状態に切り替える構成としてもよい。この隠蔽モードでは、透過ディスプレイ40から筐体10の内部全体を視認不能であるが、透過ディスプレイ40に表示される映像Iを視認可能な状態である。透過ディスプレイ40から筐体10の内部全体を視認不能な状態と視認可能な状態との切り替えは、例えば、発光制御部633がLEDユニット50から透過ディスプレイ40に照射される光量や光の向きを調整することにより行ってもよい。
【0051】
次に、販売促進装置1の使用方法の一例につき、図1図2図5を参照しながら説明する。
【0052】
まず、販売員は、販売促進装置1を店頭に配置し、受け部32に液体Lを所定の量注ぐとともに、商品である飲料用フィルタ2を筐体10の内部の載置部20に載置する。そして、販売員は制御装置60や液体供給装置30のポンプ34を駆動する。
【0053】
制御装置60が駆動すると、表示制御部63によってLEDユニット50や透過ディスプレイ40に電気が供給され、筐体10の内部の明るさが確保されるとともに、外部から筐体10の内部が視認可能になるように透過ディスプレイ40の透過率が向上する。
【0054】
また、ポンプ34が駆動すると、受け部32の内部の液体Lが液移送ライン33を介してノズル部31に供給され、ノズル部31に供給された液体Lが飲料用フィルタ2に落下する。これにより、図1に示すように、液体Lが、受け部32と液移送ライン33とノズル部31と飲料用フィルタ2の間を循環する。この結果、手作業によらず、液体Lが微細孔を有する飲料用フィルタ2に濾過されて流れ落ちる様子を消費者に透過ディスプレイ40を通じて連続的に見せることができる。
【0055】
透過ディスプレイ40に電気が供給されると、表示制御部63は、コントローラやパソコン等の外部装置からの信号や予め定められたプログラムに基づいて透過ディスプレイ40に映像Iを表示する。例えば、図2及び図5に示すように、飲料用フィルタ2よりも上方のポットから飲料用フィルタ2に向かってお湯が流れ、飲料用フィルタ2によって抽出及び濾過されたコーヒーが飲料用フィルタ2の下方の容器に流れ落ちる映像Iが表示される。このとき、モード切替部632により、映像Iのポットのお湯を注ぐ動作に合わせて表示モードと隠蔽モードを切り替えてもよい。具体的には、モード切替部632は、映像Iにおいてお湯を注ぎ始めるタイミングで隠蔽モードから表示モードに切り替え、お湯を注ぎ終わるタイミングで表示モードから隠蔽モードに切り替える。この結果、お湯を注ぎ始める映像Iが表示されるまで実物の液体Lを視認不能にし、お湯を注いでいる間は実物の液体Lを視認可能に表示し、お湯を注ぎ終わるタイミングで再び液体Lを視認不能にすることができる。
【0056】
第1実施形態に係る販売促進装置1によれば、以下の効果が奏される。
【0057】
(1)販売促進装置1を、筐体10と、筐体10の内部に載置された飲料用フィルタ2の上方から飲料用フィルタ2に向かって液体Lを落下させるノズル部31を有する液体供給装置30と、ノズル部31から落下する液体Lの挙動を示す映像Iを表示し、筐体10の内部を視認可能に構成される透過ディスプレイ40と、を含んで構成した。これにより、透過ディスプレイ40を通じて実物の飲料用フィルタ2及び該飲料用フィルタ2に注がれて濾過される液体Lとともに、飲料用フィルタ2に注がれる液体Lの挙動に関連する映像を消費者に見せることができる。即ち、販売員が消費者の前で実演せずに、販売促進装置1を用いることで実物の飲料用フィルタ2に液体Lを流しつつ、飲料が飲料用フィルタ2に濾過される様子を映像として補うことができる。よって、手作業によらず、飲料用フィルタ2の使用状況をリアルに演出でき、飲料用フィルタ2の効率的な販売促進が可能となる。
【0058】
(2)液体供給装置30を、ノズル部31から落下した液体Lを受ける受け部32と、一端側が受け部32に接続され、他端側がノズル部31に接続される液移送ライン33と、受け部32の内部の液体Lを汲み上げ、液移送ライン33を介してノズル部31に供給するポンプ34と、を含んで構成した。これにより、液体Lが受け部32と液移送ライン33とノズル部31と飲料用フィルタ2の間を循環するので、飲料用フィルタ2に流す水等の液体Lの使用コストを低減できる。
【0059】
(3)販売促進装置1を、映像Iを表示可能であるとともに、筐体10の内部を視認可能な透過ディスプレイ40を含んで構成した。これにより、筐体10の内部を視認可能な透過ディスプレイ40の全面に映像Iを表示できるので、実物の飲料用フィルタ2や液体Lに重ねて飲料が飲料用フィルタ2に濾過される映像Iを表示させることができる。よって、飲料用フィルタ2の使用状況をよりリアルに演出できる。
【0060】
(4)販売促進装置1を、ノズル部31から落下する液体Lを透過ディスプレイ40から視認可能な表示モードとノズル部31から落下する液体Lを透過ディスプレイ40から視認不能な隠蔽モードに切り替える表示制御部63を更に備え、隠蔽モードにおいてノズル部31から落下する液体Lを透過ディスプレイ40から視認不能になるように隠す映像を表示する構成とした。これにより、実物の液体Lの流れを停止させずに、透過ディスプレイ40を介して液体Lを見えなくすることができる。例えば、お湯を注ぐ映像Iの表示が開始されるまで実物の液体Lを隠蔽し、お湯を注ぐ映像Iが表示されるタイミングで液体Lの隠蔽を解除できる。よって、透過ディスプレイ40の映像Iと実際に飲料用フィルタ2に流れる液体Lの流れに統一感を持たせることができるので、飲料用フィルタ2の使用状況をよりリアルに演出できる。
【0061】
次に、本発明の第2実施形態に係る販売促進装置1Aについて、図7から図9を参照しながら説明する。図7は販売促進装置1Aに映像I1,I2が表示されている状態を示す斜視図である。図8は販売促進装置1Aに映像I1,I2が表示されている状態を示す正面図である。図9は制御装置60Aに関する電気的な構成を示すブロック図である。なお、上記実施形態と同様の構成については、同様の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0062】
第2実施形態に係る販売促進装置1Aは、筐体10Aと、載置部20と、液体供給装置30と、窓部41と、上側表示部42と、下側表示部43と、LEDユニット50と、制御装置60Aと、を備える。販売促進装置1Aは、筐体10Aと制御装置60Aの構成や透過ディスプレイ40の代わりに窓部41と上側表示部42と下側表示部43を備える点が第1実施形態に係る販売促進装置1と主に異なる。
【0063】
図7及び図8に示すように、筐体10Aは、全体として上下方向に長い略直方体形状である。筐体10Aは、上方が開口した本体部11Aと、本体部11Aの上部の開口115を開閉する蓋部12と、を備える。
【0064】
本体部11Aは、底板110と、筐体10Aの4つの側面を形成する側板111A,112,113,114とを有する。本体部11Aは、第1実施形態に係る本体部11とは側板111Aの構成が異なる。側板111Aは上下方向に長い矩形平板状であるが、第1実施形態に係る側板111とは異なり開口を有していない。
【0065】
窓部41は、側板111Aの表面の略中央部に設けられ、側板111Aの裏側を透けて見せることができるように構成される。即ち、窓部41は、筐体10Aの側面に設けられ、筐体10Aの内部を視認可能に構成される。
【0066】
図8に示すように、載置部20は、筐体10Aの内部における窓部41を通じて視認可能な位置に配置される。載置部20の位置は、窓部41を通じて視認可能な位置であれば特に限定されない。本実施形態では、載置部20は、側板111Aに相対して載置部20を見た場合に、側板111Aの表面の略中央部に位置するように見える。
【0067】
上側表示部42は、側板111Aの筐体10Aの内部とは反対側の面に配置され、映像I1の表示画面を有する矩形平板状のパネルである。上側表示部42は、窓部41よりも上方に位置し、ポットからお湯を注ぐ映像I1を表示する。即ち、上側表示部42は、飲料用フィルタ2に流入する前の液体Lの挙動を示す映像I1を表示する。上側表示部42は、映像I1を表示する表示部として機能するが、透過ディスプレイ40と異なり筐体10の内部を視認可能に構成されていない。
【0068】
下側表示部43は、側板111Aの筐体10Aの内側とは反対側の面に配置され、映像I2の表示画面を有する矩形平板状のパネルである。下側表示部43は、窓部41よりも下方に位置し、コーヒーが容器に流れ落ちる映像I2を表示する。即ち、下側表示部43は、飲料用フィルタ2から流出した後の液体Lの挙動を示す映像I2を表示する。下側表示部43は、映像I2を表示する表示部として機能するが、透過ディスプレイ40と異なり筐体10の内部を視認可能に構成されていない。
【0069】
制御装置60Aは、仕切り板13の上面に配置され、販売促進装置1Aの駆動を制御するコンピュータである。図6に示すように、制御装置60Aは、記憶部61と、通信部62と、表示制御部63Aと、を備える。
【0070】
表示制御部63Aは、CPUによって構成され、上側表示部42の表示や下側表示部43の表示、LEDユニット50の発光を制御する。表示制御部63Aは、映像選択部631Aと、発光制御部633Aと、を備える。
【0071】
映像選択部631Aは、記憶部61に格納された映像や通信部62を介して受信した映像から上側表示部42及び下側表示部43に表示させる映像を選択し、上側表示部42及び下側表示部43に選択した映像を表示させるための信号を送信する。
【0072】
発光制御部633Aは、通信部62を介して外部から受信した信号や予め定められたプログラムに基づき、LEDユニット50の発光を制御する。発光制御部633Aは、LEDユニット50から照射される光量や光色を調整する。
【0073】
第2実施形態に係る販売促進装置1Aによれば、上記効果(1)(2)に加えて、以下の効果が奏される。
【0074】
(5)販売促進装置1Aを、窓部41よりも上方に位置し、飲料用フィルタ2に流入する前の液体Lの挙動を示す映像I1を表示する上側表示部42と、窓部41よりも下方に位置し、飲料用フィルタ2から流出した後の液体Lの挙動を示す映像I2を表示する下側表示部43と、を有する構成とした。これにより、実物の飲料用フィルタ2に液体Lを流しつつ、飲料用フィルタ2に液体Lが流入する前後の挙動を映像として補うことができるので、手作業によらず、飲料用フィルタの使用状況をよりリアルに演出できる。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に制限されるものではなく適宜変更が可能である。
【0076】
上記実施形態では、液体供給装置30がノズル部31と、受け部32と、液移送ライン33と、ポンプ34を有し、液体Lを循環可能な構成としたが、液体Lを循環させる機構を設けずに外部からノズル部31に液体Lを供給する構成であってもよい。
【0077】
第2実施形態では、上側表示部42と下側表示部43は筐体10の内部を視認可能に構成されていないが、透過ディスプレイ40のように映像を表示可能であるとともに、筐体10の内部を視認可能な構成としてもよい。
【0078】
また、上記実施形態は、透過ディスプレイ40や上側表示部42、下側表示部43等の表示部に表示される映像に応じて、液体供給装置30のポンプ34の駆動を制御するポンプ駆動制御部を備える構成としてもよい。例えば、ポンプ駆動制御部は、表示部にお湯を注ぐ映像が表示されるまでポンプ34を駆動させず、お湯が注がれる映像が表示されるタイミングでポンプ34の駆動を開始し、お湯を注ぎ終わるタイミングでポンプ34の駆動を停止してもよい。これにより、表示部に表示される映像と実際の飲料用フィルタ2に流れる液体Lの流れに統一感を持たせることができるので、飲料用フィルタの使用状況をよりリアルに演出できる。
【0079】
また、上記実施形態に係る販売促進装置1、1Aを、支持板23に対する載置部20の延出片21の角度を変更する角度変更手段を備える構成としてもよい。これにより、支持板23に対する環状部材22の中心軸の角度を変更でき、載置部20に載置された飲料用フィルタ2の角度を調整できる。例えば、支持板23に対して延出片21が下方に傾斜する角度に変更することで、載置部20に載置された飲料用フィルタ2の内側を窓部から視認できるようになり、実演効果を高めることができる。
【0080】
また、上記実施形態において、上方から落下した液体の跳ね上がりを防止する液跳ね防止手段を受け部32内に配置してもよい。液跳ね防止手段としては、例えば、スポンジ等が挙げられる。これにより、飲料用フィルタ2から受け部32に落下した液体Lの液跳ねを防止し、液体Lが表示部等に付着することを防止できる。
【0081】
また、上記実施形態において、仕切り板13の上面に断熱シートを配置してもよい。これにより、LEDユニット50から制御装置60に伝わる熱を低減できる。
【0082】
また、上記実施形態に係る販売促進装置1,1Aの筐体10に底板110や側板111~114等に、代金を支払うと内部に格納された飲料用フィルタ2を消費者が受け取り可能な位置に排出する飲料用フィルタ2の自動販売機を取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1,1A 販売促進装置
2 飲料用フィルタ
10 筐体
20 載置部
30 液体供給装置
31 ノズル部
40 透過ディスプレイ(窓部、表示部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9