(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】接合レンズを用いた広角で明るい車両用投影光学系
(51)【国際特許分類】
F21S 41/255 20180101AFI20240802BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20240802BHJP
【FI】
F21S41/255
F21S41/143
(21)【出願番号】P 2024535891
(86)(22)【出願日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 JP2024009019
【審査請求日】2024-06-14
(32)【優先日】2023-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597073645
【氏名又は名称】ナルックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105393
【氏名又は名称】伏見 直哉
(72)【発明者】
【氏名】坂上 典久
(72)【発明者】
【氏名】猪股 亨
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第113310027(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第115047591(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/20
F21V 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影対象側から順に第1乃至第4のレンズ
からなる車両用投影光学系であって、
第1のレンズは、正の屈折力を有し、投影対象側の面が投影対象側に凸のレンズであり、
第2のレンズは、負の屈折力を有するレンズであり、
第3のレンズは、正の屈折力を有するレンズであり、
第4のレンズは、正の屈折力を有する投影対象側に凸のメニスカスレンズであり、
該第2及び第3のレンズは、両凹レンズと両凸レンズとの組み合わせ
の接合型ダブレット、または凹平レンズと平凸レンズとの組み合わせの接合型ダブレットであり、
光軸方向の座標をz、光軸からの距離をhとして、第4のレンズの投影対象側と反対側の面を関数z=g(h)で表した場合に、関数z=g(h)はh=h1において変曲点を有し、該面はh<h1の範囲で凹面であり、h1<hの範囲に凸面の領域を備え、
該光学系を結像光学系とみなしたときの全体の焦点距離をf、該第1のレンズの焦点距離をf1、該接合型ダブレットの焦点距離をf23とし
、光軸と一致する主光線を有し像面に集光する光束の周縁の光線と光軸とがなす角度の余弦をFno.として
2.8<f1/f<5.8
3.0<f23/f<8.4
Fno.<0.75
を満たす車両用投影光学系。
【請求項2】
該接合型ダブレットの接合面の面中心の曲率半径の絶対値をR4として
0.79<R4/f<1.6
を満たす請求項1に記載の車両用投影光学系。
【請求項3】
第1のレンズの投影対象側の面の頂点から該光学系を結像光学系とみなしたときの像面までの距離をTTLとして
3<TTL/f<3.5
を満たす請求項1に記載の車両用投影光学系。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ランプに使用される投影光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ランプに使用される投影光学系であって、LED光源から放出された光がレンズで反射して再度LED表面で反射してレンズ系を透過して意図しない箇所に投影される戻り光を低減することができるように接合型ダブレットを使用した車両用投影光学系が開発されている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
しかし、十分に明るく照射範囲が十分に広く、戻り光を低減した接合型ダブレットを使用した車両用投影光学系は開発されていない。
【0004】
したがって、十分に明るく照射範囲が十分に広く、戻り光を低減した接合型ダブレットを使用した車両用投影光学系に対するニーズがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は十分に明るく照射範囲が十分に広く、戻り光を低減した接合型ダブレットを使用した車両用投影光学系を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の車両用投影光学系は、投影対象側から順に第1乃至第4のレンズを備える車両用投影光学系であって、第1のレンズは、正の屈折力を有し、投影対象側の面が投影対象側に凸のレンズであり、第2のレンズは、負の屈折力を有するレンズであり、第3のレンズは、正の屈折力を有するレンズであり、第4のレンズは、正の屈折力を有する投影対象側に凸のメニスカスレンズであり、該第2及び第3のレンズは、両凹レンズと両凸レンズとの組み合わせ、または凹平レンズと平凸レンズとの組み合わせの接合型ダブレットであり、第4のレンズの投影対象側と反対側の面は該光学系の光軸の周辺で凹であり、外側に凸の部分を有し、該光学系を結像光学系とみなしたときの全体の焦点距離をf、該第1のレンズの焦点距離をf1、該接合型ダブレットの焦点距離をf23として
2.8<f1/f<5.8 (1)
3.0<f23/f<8.4 (2)
を満たす。
【0008】
第1のレンズは、正の屈折力を有し、投影対象側の面が投影対象側に凸のレンズであり、第4のレンズは、正の屈折力を有する投影対象側に凸のメニスカスレンズであるので、光学系を結像光学系とみなした場合の周辺光量比を向上させることができ、車両用投影光学系の光源の周縁に配置したLEDの照射面の照度への寄与を増加させることができる。
【0009】
第2及び第3のレンズはそれぞれ負及び正の屈折力を有するので光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を低減することができ、車両用投影光学系における色割れを低減することができる。また、第2及び第3のレンズを接合型ダブレットとして構成し、接合型ダブレットの両面を光源側に凸面としているので、LEDから放出された光がレンズで反射して再度LED表面で反射してレンズ系を透過して意図しない箇所に投影される戻り光を低減することができ、戻り光を防止するためのレンズ面の反射防止コートが不要である。
【0010】
第4のレンズの投影対象側と反対側(光源側)の面は該光学系の光軸の周辺で凹であり、外側に凸の部分を有するので、光学系を結像光学系とみなした場合に像面に有効に集光する光束の主光線と光軸とのなす角度の最大値(半画角)を増加させることができ、車両用投影光学系による照射範囲を広げることができる。
【0011】
式(1)に関し、f1/fの値を上限より小さくすることで、光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲及び倍率色収差を適切な範囲とし、f1/fの値を下限より大きくすることで、光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差、周辺光量比及び像面湾曲を適切な範囲とすることができる。
【0012】
式(2)に関し、f23/fの値を上限より小さくすることで、光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差、周辺光量比及び像面湾曲を適切な範囲とし、f23/fの値を下限より大きくすることで、接合型ダブレットの面の曲率を抑え加工が困難となることを防止する。
【0013】
本態様の車両用投影光学系は、光学系を結像光学系とみなした場合の周辺光量比が比較的大きいので明るく、光学系を結像光学系とみなした場合の半画角が比較的大きいので照射範囲が広い。
【0014】
本発明の第1の態様の第1の実施形態の車両用投影光学系は、該接合型ダブレットの接合面の面中心の曲率半径の絶対値をR4として
0.79<R4/f<1.6 (3)
を満たす。
【0015】
式(3)に関し、R4/fの値を上限より小さくすることで、光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差及び像面湾曲を適切な範囲とし、R4/fの値を下限より大きくすることで、接合面の曲率を抑え加工が困難となることを防止する。
【0016】
本発明の第1の態様の第2の実施形態の車両用投影光学系は、第1のレンズの投影対象側の面の頂点から該光学系を結像光学系とみなしたときの像面までの距離をTTLとして
3<TTL/f<3.5 (4)
を満たす。
【0017】
式(4)に関し、TTL/fの値を上限より小さくすることで、光学系をコンパクトにし、TTL/fの値を下限より大きくすることで、光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差及び像面湾曲を適切な範囲とすることができる。
【0018】
本発明の第1の態様の第3の実施形態の車両用投影光学系は、該光学系を結像光学系とみなし、光軸と一致する主光線を有し像面に集光する光束の周縁の光線と光軸とがなす角度の余弦をFno.として
Fno.<0.75 (5)
を満たす。
【0019】
式(5)を満たすことにより、明るい車両用投影光学系が得られる。
【0020】
本発明の第2の態様の車両用投影光学系は、投影対象側から順に第1乃至第4のレンズを備える車両用投影光学系であって、第1のレンズは、正の屈折力を有し、投影対象側に凸のメニスカスレンズであり、第2のレンズは、負の屈折力を有するレンズであり、第3のレンズは、正の屈折力を有するレンズであり、第4のレンズは、正の屈折力を有する投影対象側に凸のメニスカスレンズであり、該第2及び第3のレンズは、凹平レンズと平凸レンズとの組み合わせの接合型ダブレットであり、第4のレンズの投影対象側と反対側の面は該光学系の光軸の周辺で凹であり、外側に凸の部分を有する。
【0021】
第1のレンズ及び第4のレンズは、正の屈折力を有する投影対象側に凸のメニスカスレンズであるので、光学系を結像光学系とみなした場合の周辺光量比を向上させることができ、投影光学系の光源の周縁に配置したLEDの照射面の照度への寄与を増加させることができる。
【0022】
第2及び第3のレンズはそれぞれ負及び正の屈折力を有するので光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を低減することができ、投影光学系における色割れを低減することができる。また、第2及び第3のレンズを接合型ダブレットとして構成し、接合型ダブレットの両面を光源側に凸面としているので、LEDから放出された光がレンズで反射して再度LED表面で反射してレンズ系を透過して意図しない箇所に投影される戻り光を低減することができ、戻り光を防止するためのレンズ面の反射防止コートが不要である。
【0023】
第4のレンズの投影対象側と反対側の面は該光学系の光軸の周辺で凹であり、外側に凸の部分を有するので、光学系を結像光学系とみなした場合に像面に有効に集光する光束の主光線と光軸とのなす角度の最大値(半画角)を増加させることができ、投影光学系による照射範囲を広げることができる。
【0024】
本態様の車両用投影光学系は、光学系を結像光学系とみなした場合の周辺光量比が比較的大きいので明るく、光学系を結像光学系とみなした場合の半画角が比較的大きいので照射範囲が広い。
【0025】
なお、光学系を結像光学系とみなした場合の像面湾曲、歪曲、球面収差などの性能と車両用投影光学系の性能との関係については後で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施例1の光学系の光線経路を示す図である。
【
図2】実施例1の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
【
図3】実施例1の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
【
図4】実施例1の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
【
図5】実施例1の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
【
図6】実施例2の光学系の光線経路を示す図である。
【
図7】実施例2の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
【
図8】実施例2の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
【
図9】実施例2の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
【
図10】実施例2の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
【
図11】実施例3の光学系の光線経路を示す図である。
【
図12】実施例3の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
【
図13】実施例3の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
【
図14】実施例3の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
【
図15】実施例3の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
【
図16】実施例4の光学系の光線経路を示す図である。
【
図17】実施例4の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
【
図18】実施例4の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
【
図19】実施例4の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
【
図20】実施例4の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
【
図21】実施例5の光学系の光線経路を示す図である。
【
図22】実施例5の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
【
図23】実施例5の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
【
図24】実施例5の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
【
図25】実施例5の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
【
図26】実施例6の光学系の光線経路を示す図である。
【
図27】実施例6の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
【
図28】実施例6の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
【
図29】実施例6の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
【
図30】実施例6の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
【
図31】実施例7の光学系の光線経路を示す図である。
【
図32】実施例7の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
【
図33】実施例7の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
【
図34】実施例7の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
【
図35】実施例7の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
【
図36】実施例8の光学系の光線経路を示す図である。
【
図37】実施例8の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
【
図38】実施例8の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
【
図39】実施例8の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
【
図40】実施例8の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
【
図41】実施例9の光学系の光線経路を示す図である。
【
図42】実施例9の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
【
図43】実施例9の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
【
図44】実施例9の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
【
図45】実施例9の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
【
図46】実施例10の光学系の光線経路を示す図である。
【
図47】実施例10の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
【
図48】実施例10の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
【
図49】実施例10の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
【
図50】実施例10の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の光学系について説明する。
【0028】
図1は、後で説明する実施例1の光学系の光線経路を示す図である。
【0029】
図6は、後で説明する実施例2の光学系の光線経路を示す図である。
【0030】
本発明の光学系は、結像光学系として平行光束を入射させた際の像面にLEDなどの光源を配置して使用される車両用投影光学系である。
【0031】
本発明の光学系は、投影対象側から順に第1のレンズL1、第2のレンズL2、第3のレンズL3及び第4のレンズL4を備える。レンズの一致した主軸を光軸とする。上記の像面は光軸に垂直な平面である。
【0032】
第1のレンズL1は、正の屈折力を有し、投影対象側の面が投影対象側に凸のレンズであり、第2のレンズL2は、負の屈折力を有するレンズであり、第3のレンズL3は、正の屈折力を有するレンズであり、第4のレンズL4は、正の屈折力を有する投影対象側に凸のメニスカスレンズである。第2及び第3のレンズは、
図6に示すように両凹レンズと両凸レンズとの組み合わせ、または
図1に示すように凹平レンズと平凸レンズとの組み合わせであり接合型ダブレットを形成する。
【0033】
第1のレンズL1の投影対象側の面をS1、光源側の面をS2で表す。第2のレンズL2の投影対象側の面をS3、第3のレンズL3の光源側の面をS5で表す。第2のレンズL2と第3のレンズL3との接合面をS4で表す。第4のレンズL4の投影対象側の面をS6、光源側の面をS7で表す。
【0034】
本発明の光学系を結像光学系とみなした場合の絞りは第2のレンズL2の投影対象側の面S3である。
【0035】
以下において本発明の実施例を説明する。実施例のレンズの各面の形状は以下の式で表わせる。
【数1】
Zはサグ量、hは光軸からの距離、cは曲率、Rは曲率半径、kは円錐定数、Aiは非球面係数を表す。Rは、面が投影対象側に凸の場合に正、面が光源側に凸の場合に負となるように定める。
【0036】
実施例に関し、光線経路、レンズの形状及び性質、レンズの配置の他に、光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差、非点収差、歪曲及び球面収差のデータを示す。非点収差は、像面湾曲をタンジェンシャル成分とサジタル成分に分離した場合の差分に起因する収差である。結像光学系の倍率色収差は投影光学系の色割れに対応し、結像光学系の倍率色収差が大きくなると投影光学系の色割れが大きくなる。結像光学系の像面湾曲及び歪曲は、投影光学系においてLEDの位置と照射面におけるそのLEDによる照射位置との関係の「ずれ」に対応する。詳細には、像面湾曲は光軸方向の「ずれ」に対応し、歪曲は光軸に垂直な平面内の「ずれ」に対応する。結像光学系の像面湾曲または歪曲が大きくなると上記のずれにより、投影光学系においてLEDの点消灯による照射領域の制御が困難となる。球面収差は結像光学系の集光性を示し、結像光学系の球面収差が大きくなると投影光学系において個々のLEDによる照射効率が低下する。
【0037】
実施例1
図1は、実施例1の光学系の光線経路を示す図である。
【0038】
表1は、実施例1の光学系のレンズの形状及び性質を示す表である。
【0039】
表1及び以下の表において長さの単位は別途表示しない限りミリメータである。
【表1】
【0040】
本実施例の第2のレンズL2及び第3のレンズL3は、凹平レンズと平凸レンズの組み合わせであり接合型ダブレットを形成する。
【0041】
表1及び以下の表において、有効径とは光線束の通過領域の直径を指し、Nd及びvdはそれぞれ波長587.6nm(d線)での屈折率及びアッベ数を指す。また、表示されていないAiの値は0である。
【0042】
表2は、レンズの中心厚または面間距離を示す表である。
【表2】
【0043】
図2は、実施例1の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
図2の横軸は倍率色収差を示す。横軸の単位はマイクロメータである。
図2の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0044】
図2及び以下の図において、C線は656.3nmの波長の光線、d線は587.6nmの波長の光線、F線は486.1nmの波長の光線を示す。
【0045】
図3は、実施例1の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
図3の横軸は、像点の位置の光軸方向の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。
図3の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0046】
図3及び以下の図において、Tan F線、Tan d線及びTan C線は、それぞれF線、d線及びC線についてタンジェンシャル光線束の像(焦線)の光軸方向の位置を示し、Sag F線、Sag d線及びSag C線は、それぞれF線、d線及びC線についてサジタル光線束の像(焦線)の光軸方向の位置を示す。
【0047】
図4は、実施例1の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
図4の横軸は歪曲を示す。横軸の単位はパーセントである。
図4の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0048】
図5は、実施例1の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
図5の横軸は光軸を含む平面内において光軸と平行に進行し光学系に入射した光線が光軸と交差する点の光軸方向の位置を示す。横軸の単位はミリメータである。
図5の縦軸は上記の光線の光軸からの距離の相対値を示す。絞り面S3の周縁と光軸との距離の相対値を1とする。
【0049】
実施例2
図6は、実施例2の光学系の光線経路を示す図である。
【0050】
表3は、実施例2の光学系のレンズの形状及び性質を示す表である。
【表3】
【0051】
本実施例の第2のレンズL2及び第3のレンズL3は、両凹レンズと両凸レンズの組み合わせであり接合型ダブレットを形成する。
【0052】
表4は、レンズの中心厚または面間距離を示す表である。
【表4】
【0053】
図7は、実施例2の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
図7の横軸は倍率色収差を示す。横軸の単位はマイクロメータである。
図7の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0054】
図8は、実施例2の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
図8の横軸は、像点の位置の光軸方向の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。
図8の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0055】
図9は、実施例2の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
図9の横軸は歪曲を示す。横軸の単位はパーセントである。
図9の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0056】
図10は、実施例2の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
図10の横軸は光軸を含む平面内において光軸と平行に進行し光学系に入射した光線が光軸と交差する点の光軸方向の位置を示す。横軸の単位はミリメータである。
図10の縦軸は上記の光線の光軸からの距離の相対値を示す。絞り面S3の周縁と光軸との距離の相対値を1とする。
【0057】
実施例3
図11は、実施例3の光学系の光線経路を示す図である。
【0058】
表5は、実施例3の光学系のレンズの形状及び性質を示す表である。
【表5】
【0059】
本実施例の第2のレンズL2及び第3のレンズL3は、両凹レンズと両凸レンズの組み合わせであり接合型ダブレットを形成する。
【0060】
表6は、レンズの中心厚または面間距離を示す表である。
【表6】
【0061】
図12は、実施例3の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
図12の横軸は倍率色収差を示す。横軸の単位はマイクロメータである。
図12の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0062】
図13は、実施例3の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
図13の横軸は、像点の位置の光軸方向の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。
図13の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0063】
図14は、実施例3の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
図14の横軸は歪曲を示す。横軸の単位はパーセントである。
図14の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0064】
図15は、実施例3の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
図15の横軸は光軸を含む平面内において光軸と平行に進行し光学系に入射した光線が光軸と交差する点の光軸方向の位置を示す。横軸の単位はミリメータである。
図15の縦軸は上記の光線の光軸からの距離の相対値を示す。絞り面S3の周縁と光軸との距離の相対値を1とする。
【0065】
実施例4
図16は、実施例4の光学系の光線経路を示す図である。
【0066】
表7は、実施例4の光学系のレンズの形状及び性質を示す表である。
【表7】
【0067】
本実施例の第2のレンズL2及び第3のレンズL3は、両凹レンズと両凸レンズの組み合わせであり接合型ダブレットを形成する。
【0068】
表8は、レンズの中心厚または面間距離を示す表である。
【表8】
【0069】
図17は、実施例4の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
図17の横軸は倍率色収差を示す。横軸の単位はマイクロメータである。
図17の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0070】
図18は、実施例4の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
図18の横軸は、像点の位置の光軸方向の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。
図18の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0071】
図19は、実施例4の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
図19の横軸は歪曲を示す。横軸の単位はパーセントである。
図19の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0072】
図20は、実施例4の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
図20の横軸は光軸を含む平面内において光軸と平行に進行し光学系に入射した光線が光軸と交差する点の光軸方向の位置を示す。横軸の単位はミリメータである。
図20の縦軸は上記の光線の光軸からの距離の相対値を示す。絞り面S3の周縁と光軸との距離の相対値を1とする。
【0073】
実施例5
図21は、実施例5の光学系の光線経路を示す図である。
【0074】
表9は、実施例5の光学系のレンズの形状及び性質を示す表である。
【表9】
【0075】
本実施例の第2のレンズL2及び第3のレンズL3は、両凹レンズと両凸レンズの組み合わせであり接合型ダブレットを形成する。
【0076】
表10は、レンズの中心厚または面間距離を示す表である。
【表10】
【0077】
図22は、実施例5の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
図22の横軸は倍率色収差を示す。横軸の単位はマイクロメータである。
図22の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0078】
図23は、実施例5の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
図23の横軸は、像点の位置の光軸方向の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。
図23の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0079】
図24は、実施例5の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
図24の横軸は歪曲を示す。横軸の単位はパーセントである。
図24の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0080】
図25は、実施例5の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
図25の横軸は光軸を含む平面内において光軸と平行に進行し光学系に入射した光線が光軸と交差する点の光軸方向の位置を示す。横軸の単位はミリメータである。
図25の縦軸は上記の光線の光軸からの距離の相対値を示す。絞り面S3の周縁と光軸との距離の相対値を1とする。
【0081】
実施例6
図26は、実施例6の光学系の光線経路を示す図である。
【0082】
表11は、実施例6の光学系のレンズの形状及び性質を示す表である。
【表11】
【0083】
本実施例の第2のレンズL2及び第3のレンズL3は、両凹レンズと両凸レンズの組み合わせであり接合型ダブレットを形成する。
【0084】
表12は、レンズの中心厚または面間距離を示す表である。
【表12】
【0085】
図27は、実施例6の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
図27の横軸は倍率色収差を示す。横軸の単位はマイクロメータである。
図27の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0086】
図28は、実施例6の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
図28の横軸は、像点の位置の光軸方向の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。
図28の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0087】
図29は、実施例6の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
図29の横軸は歪曲を示す。横軸の単位はパーセントである。
図29の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0088】
図30は、実施例6の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
図30の横軸は光軸を含む平面内において光軸と平行に進行し光学系に入射した光線が光軸と交差する点の光軸方向の位置を示す。横軸の単位はミリメータである。
図30の縦軸は上記の光線の光軸からの距離の相対値を示す。絞り面S3の周縁と光軸との距離の相対値を1とする。
【0089】
実施例7
図31は、実施例7の光学系の光線経路を示す図である。
【0090】
表13は、実施例7の光学系のレンズの形状及び性質を示す表である。
【表13】
【0091】
本実施例の第2のレンズL2及び第3のレンズL3は、両凹レンズと両凸レンズの組み合わせであり接合型ダブレットを形成する。
【0092】
表14は、レンズの中心厚または面間距離を示す表である。
【表14】
【0093】
図32は、実施例7の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
図32の横軸は倍率色収差を示す。横軸の単位はマイクロメータである。
図32の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0094】
図33は、実施例7の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
図33の横軸は、像点の位置の光軸方向の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。
図33の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0095】
図34は、実施例7の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
図34の横軸は歪曲を示す。横軸の単位はパーセントである。
図34の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0096】
図35は、実施例7の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
図35の横軸は光軸を含む平面内において光軸と平行に進行し光学系に入射した光線が光軸と交差する点の光軸方向の位置を示す。横軸の単位はミリメータである。
図35の縦軸は上記の光線の光軸からの距離の相対値を示す。絞り面S3の周縁と光軸との距離の相対値を1とする。
【0097】
実施例8
図36は、実施例8の光学系の光線経路を示す図である。
【0098】
表15は、実施例8の光学系のレンズの形状及び性質を示す表である。
【表15】
【0099】
本実施例の第2のレンズL2及び第3のレンズL3は、両凹レンズと両凸レンズの組み合わせであり接合型ダブレットを形成する。
【0100】
表16は、レンズの中心厚または面間距離を示す表である。
【表16】
【0101】
図37は、実施例8の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
図37の横軸は倍率色収差を示す。横軸の単位はマイクロメータである。
図37の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0102】
図38は、実施例8の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
図38の横軸は、像点の位置の光軸方向の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。
図38の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0103】
図39は、実施例8の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
図39の横軸は歪曲を示す。横軸の単位はパーセントである。
図39の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0104】
図40は、実施例8の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
図40の横軸は光軸を含む平面内において光軸と平行に進行し光学系に入射した光線が光軸と交差する点の光軸方向の位置を示す。横軸の単位はミリメータである。
図40の縦軸は上記の光線の光軸からの距離の相対値を示す。絞り面S3の周縁と光軸との距離の相対値を1とする。
【0105】
実施例9
図41は、実施例9の光学系の光線経路を示す図である。
【0106】
表17は、実施例9の光学系のレンズの形状及び性質を示す表である。
【表17】
【0107】
本実施例の第2のレンズL2及び第3のレンズL3は、両凹レンズと両凸レンズの組み合わせであり接合型ダブレットを形成する。
【0108】
表18は、レンズの中心厚または面間距離を示す表である。
【表18】
【0109】
図42は、実施例9の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
図42の横軸は倍率色収差を示す。横軸の単位はマイクロメータである。
図42の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0110】
図43は、実施例9の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
図43の横軸は、像点の位置の光軸方向の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。
図43の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0111】
図44は、実施例9の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
図44の横軸は歪曲を示す。横軸の単位はパーセントである。
図44の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0112】
図45は、実施例9の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
図45の横軸は光軸を含む平面内において光軸と平行に進行し光学系に入射した光線が光軸と交差する点の光軸方向の位置を示す。横軸の単位はミリメータである。
図45の縦軸は上記の光線の光軸からの距離の相対値を示す。絞り面S3の周縁と光軸との距離の相対値を1とする。
【0113】
実施例10
図46は、実施例10の光学系の光線経路を示す図である。
【0114】
表19は、実施例10の光学系のレンズの形状及び性質を示す表である。
【表19】
【0115】
本実施例の第2のレンズL2及び第3のレンズL3は、両凹レンズと両凸レンズの組み合わせであり接合型ダブレットを形成する。
【0116】
表20は、レンズの中心厚または面間距離を示す表である。
【表20】
【0117】
図47は、実施例10の光学系を結像光学系とみなした場合の倍率色収差を示す図である。
図47の横軸は倍率色収差を示す。横軸の単位はマイクロメータである。
図47の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0118】
図48は、実施例10の光学系を結像光学系とみなした場合の非点収差を示す図である。
図48の横軸は、像点の位置の光軸方向の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。
図48の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0119】
図49は、実施例10の光学系を結像光学系とみなした場合の歪曲を示す図である。
図49の横軸は歪曲を示す。横軸の単位はパーセントである。
図49の縦軸は光学系に入射する光束の主光線が光軸となす角度を示す。縦軸の単位は度である。
【0120】
図50は、実施例10の光学系を結像光学系とみなした場合の球面収差を示す図である。
図50の横軸は光軸を含む平面内において光軸と平行に進行し光学系に入射した光線が光軸と交差する点の光軸方向の位置を示す。横軸の単位はミリメータである。
図50の縦軸は上記の光線の光軸からの距離の相対値を示す。絞り面S3の周縁と光軸との距離の相対値を1とする。
【0121】
実施例1-10の光学系の特徴
表21は、実施例1-10の光学系の各レンズの各面の有効半径を示す表である。有効半径とは光線束の通過領域の半径を指す。
【表21】
【0122】
表22は、実施例1-10の光学系の各レンズの焦点距離を示す表である。
【表22】
【0123】
f1-f4はそれぞれ第1-第4のレンズの焦点距離を表す。f 23は第2及び第3のレンズによって形成される接合型ダブレットの焦点距離を表す。
【0124】
表23は、実施例1-10の光学系を結像光学系とみなした場合の光学的性能を示す表である。
【表23】
【0125】
「焦点距離f」は合成焦点距離を意味する。合成焦点距離は、車両用投影光学系の照射範囲及び照射面における明るさに対応する。
【0126】
「Fno.」はF値を意味する。F値は光軸と一致する主光線を有し像面に集光する光束の周縁の光線と光軸とがなす角度の余弦(コサイン)として求める。F値は焦点距離が同じ場合の車両用投影光学系の照射面における明るさに対応する。
【0127】
「半画角」は像面に有効に集光する光束の主光線と光軸とのなす角度の最大値を意味する。光学系を結像光学系とみなした場合の半画角が増加すると、投影光学系の照射範囲が増加する。
【0128】
「TTL」は第1のレンズの投影対象側の面(S1)の頂点から像面までの距離を意味する。
【0129】
「周辺光量比」は像平面における光軸上の照度に対する周縁の照度の比率を意味する。周辺光量比は、投影光学系において、結像光学系の像面のある位置に配置されたLEDの光線による照射面上の各点における照度に比例する。周辺光量比が低下すると周縁に配置されたLEDの照射面の照度への寄与が低下する。
【0130】
「像高」は光束の主光線と光軸とのなす角度が最大の場合にその主光線と像面との交点の光軸からの距離を意味する。
【0131】
表24は、実施例1-10に関し数式(1)-(5)の項の値を示す表である。
【表24】
【0132】
R4はS4のRの絶対値を表す。
【0133】
実施例1-10は数式(1)、数式(2)、数式(4)及び数式(5)を満たす。
【0134】
実施例5-6及び実施例9-10は数式(3)を満たす。
【0135】
表25は、実施例1-10の面S7の形状を関数z=g(h)で表した場合の変曲点の位置(光軸からの距離h)を示す表である。
【表25】
【0136】
実施例1-10の面S7は、h<h1の範囲で凹である。実施例1-6及び実施例8-10の面S7は、h1<hの範囲で凸である。実施例7の面S7は、h1<h<h2の範囲で凸であり、h2<hの範囲で凹である。
【0137】
実施例1-10の光学系を結像光学系とみなした場合の収差については以下のとおりである。倍率色収差は±50マイクロメータの範囲である。像面湾曲は±1ミリメータの範囲である。歪曲は0から-40パーセントの範囲である。球面収差は±0.2ミリメータの範囲である。
【要約】
投影対象側から順に第1乃至第4のレンズを備える車両用投影光学系であって、第1のレンズは、正の屈折力を有し、投影対象側の面が投影対象側に凸のレンズであり、第2のレンズは、負の屈折力を有するレンズであり、第3のレンズは、正の屈折力を有するレンズであり、第4のレンズは、正の屈折力を有する投影対象側に凸のメニスカスレンズであり、該第2及び第3のレンズは、両凹レンズと両凸レンズとの組み合わせ、または凹平レンズと平凸レンズとの組み合わせの接合型ダブレットであり、第4のレンズの投影対象側と反対側の面は該光学系の光軸の周辺で凹であり、外側に凸の部分を有し、該光学系を結像光学系とみなしたときの全体の焦点距離をf、該第1のレンズの焦点距離をf1、該接合型ダブレットの焦点距離をf23として
2.8<f1/f<5.8 (1)
3.0<f23/f<8.4 (2)
を満たす。