(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】車両用運転者支援制御システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240802BHJP
B60R 16/023 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60R16/023 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018191846
(22)【出願日】2018-10-10
【審査請求日】2021-07-19
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】10 2017 123 581.7
(32)【優先日】2017-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508108903
【氏名又は名称】ヴァレオ・シャルター・ウント・ゼンゾーレン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】スティーブ、クライヤー
(72)【発明者】
【氏名】マルテ、ヨース
【合議体】
【審判長】河端 賢
【審判官】山本 信平
【審判官】倉橋 紀夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0101069(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0060574(US,A1)
【文献】特開2015-079470(JP,A)
【文献】特開2015-121971(JP,A)
【文献】特開2011-065334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W10/00-10/30
B60W30/00-60/00
B60R16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用運転者支援制御システム(10)であって、車両に搭載され、少なくとも1つの運転者支援機能(26)を制御するコンピュータベース制御ユニット(12)と、データ伝送技術を用いてネットワーク(20)を介して前記コンピュータベース制御ユニット(12)に接続可能であって、前記運転者支援機能(26)を表示および動作させるための少なくとも1つのユーザインタフェース(14)を備えるコンピュータベース端末装置(16、18)とを備え、
前記コンピュータベース制御ユニット(12)は、前記コンピュータベース端末装置(16、18)を介して実行可能なウェブアプリケーションにWebSocketサーバ(32)を提供し、前記ユーザインタフェース(14)は、前記コンピュータベース端末装置(16、18)に前記ウェブアプリケーションを介して実装されるものであり、
前記コンピュータベース端末装置(16、18)に、
ウェブブラウザ(34)が実装され、前記ウェブブラウザ(34)を介して、ユーザによる前記ウェブアプリケーションの使用が実現されるものであり、
前記コンピュータベース制御ユニット(12)と
前記ウェブブラウザ(34)との間でJSONデータフォーマットのデータ(30)のデータ交換を行うように構成されるものであり、
前記運転者支援機能(26)は、駐車支援機能(28)であり、
前記コンピュータベース制御ユニット(12)は、自動車環境(24)に一体化されるコンピュータベース制御ユニット(22)として構成され、
前記コンピュータベース制御ユニット(22)は、前記駐車支援機能(28)を提供する駐車支援装置(28)を備え、
前記駐車支援装置(28)は、遠隔から前記コンピュータベース制御ユニット(22)で実行して操作可能であり、この運転者支援機能の結果を前記コンピュータベース端末装置(16、18)上に提示する、ことを特徴とする、システム(10)。
【請求項2】
前記端末装置(16、18)は、コンピュータベース移動端末装置(18)、特に、スマートフォンであることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(10)。
【請求項3】
前記ネットワーク(20)は、LANまたはWANとして構成されることを特徴とする、
請求項1から2のいずれか一項に記載のシステム(10)。
【請求項4】
車両における少なくとも1つの運転者支援機能(26)の実行方法(10)であって、前記車両に、前記運転者支援機能(26)を制御するコンピュータベース制御ユニット(12)が搭載され、前記運転者支援機能(26)を表示および動作させるための少なくとも1つのユーザインタフェース(14)を備えるコンピュータベース端末装置(16、18)が、データ伝送技術を用いてネットワーク(20)を介して前記コンピュータベース制御ユニット(12)に接続可能であり、
前記コンピュータベース制御ユニット(12)は、前記コンピュータベース端末装置(16、18)を介して実行されるウェブアプリケーションにWebSocketサーバ(32)を提供し、前記ユーザインタフェース(14)は、前記コンピュータベース端末装置(16、18)に前記ウェブアプリケーションを介して実装されるものであり、
前記コンピュータベース端末装置(16、18)に、
ウェブブラウザ(34)が実装され、前記ウェブブラウザ(34)を介して、ユーザにより前記ウェブアプリケーションが使用されるものであり、
前記コンピュータベース制御ユニット(12)と
前記ウェブブラウザ(34)との間でJSONデータフォーマットでデータ(30)が交換されるものであり、
前記運転者支援機能(26)は、駐車支援機能(28)であり、
前記コンピュータベース制御ユニット(12)は、自動車環境(24)に一体化されるコンピュータベース制御ユニット(22)として構成され、
前記コンピュータベース制御ユニット(22)は、前記駐車支援機能(28)を提供する駐車支援装置(28)を備え、
前記駐車支援装置(28)は、遠隔から前記コンピュータベース制御ユニット(22)で実行して操作可能であり、この運転者支援機能の結果を前記コンピュータベース端末装置(16、18)上に提示する、ことを特徴とする、方法(10)。
【請求項5】
コンピュータベース制御ユニット(12)のプロセッサに読み込まれると、
請求項4に記載の方法を実行するように構成されたプログラム部分を備えるコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され少なくとも1つの運転者支援機能を制御するコンピュータベース制御ユニットと、データ伝送技術を用いてネットワークを介してコンピュータベース制御ユニットに接続可能であって、運転者支援機能を表示および/または動作させるための少なくとも1つのユーザインタフェースを備えるコンピュータベース端末装置とを備える車両用運転者支援制御システムに関する。
【0002】
本発明は、さらに、このシステムに関連する車両における少なくとも1つの運転者支援機能の実行方法およびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0003】
独国特許出願公開第2012007984号明細書には、このようなタイプの車両用運転者支援制御システムが記載されており、このシステムは、車両に搭載され自動操縦機能を制御するコンピュータベース制御ユニットと、データ伝送技術を用いてWLANデータ接続を介してコンピュータベース制御ユニットに接続可能であって、自動操縦機能を動作させる少なくとも1つの作動要素を備えるコンピュータベース携帯通信装置とを有する。この端末装置が備える作動要素は、ユーザインタフェースまたはヒューマンマシンインタフェース(HMI)である。
【0004】
上記2つのシステム、すなわち、(a)車両に搭載されるコンピュータベース制御ユニットおよび(b)コンピュータベース端末装置に設けられるユーザインタフェースは、特定用途向けにしかプログラムされていないものが多い。さらに、このような2つのサブシステム間でデータのやりとりを行うためのプログラムは、専有の非標準プロトコルである場合が多い。また、2つのサブシステムの拡張に特殊な専門知識が必要となる場合も多い。システム機能に修正を加えたり、動作や表示に係る新しいシステム機能で既存のシステムを拡張したりする必要が生じた場合、TTM(製品を市場に投入するまでの時間)の長期化を招くおそれがある。さらに、専用のHMIソフトウェアは、このソフトウェア専用のHMIハードウェアでのみ実行可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許出願公開第2012007984号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述したような従来の課題に鑑みてなされたものであり、システムまたはシステム機能への修正を比較的容易に行うことが可能であって、車両において少なくとも1つの運転者支援機能の実行する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。本発明の好ましい構成は、従属請求項に示されている。
【0008】
本発明によれば、車両に搭載され、少なくとも1つの運転者支援機能を制御するコンピュータベース制御ユニットと、データ伝送技術を用いてネットワークを介してコンピュータベース制御ユニットに接続可能であって、運転者支援機能を表示および/または動作させるための少なくとも1つのユーザインタフェースを備えるコンピュータベース端末装置とを備える車両用運転者支援制御システムにおいて、コンピュータベース制御ユニットは、コンピュータベース端末装置を介して実行可能なウェブアプリケーションにWebSocketサーバを提供し、ユーザインタフェースは、コンピュータベース端末装置にウェブアプリケーションを介して実装される。この制御ユニットは、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)とも呼ばれる。ウェブアプリケーションは、クライアントサーバモデルのものであって、ローカル環境であるユーザの端末装置にインストールされることなく端末装置上で実行されるアプリケーションプログラムである。この代わりに、データの処理や評価は、主に、対応するWebSocketサーバを提供する制御ユニットで行われる。データ処理の結果のみが、運転者支援機能の表示および動作のためにユーザの端末装置に送信される。
【0009】
これにより、2つのサブシステムである(a)車両に搭載されたコンピュータベース制御ユニットおよび(b)コンピュータベース端末装置に設けられたユーザインタフェースが、少なくとも他のアプリケーションに対して一般的な方法で相互に接続される。
【0010】
本発明の1つの好ましい構成によれば、少なくとも1つのウェブクライアントがコンピュータベース端末装置に実装され、このウェブクライアントを介して、ユーザによるウェブアプリケーションの使用が実現される。このウェブクライアントは、特に、ウェブブラウザならびに/または動作用および/もしくは表示用アプリである。ウェブアプリケーションは、通常、ウェブページやウェブブラウザを介して使用される。ウェブブラウザは、対応するプロトコルを介したサーバとの通信やユーザインタフェースの表示といった機能を果たす。あるいは、特に、移動端末装置では、ウェブクライアントとしてアプリ(アプリケーション)が使用されてもよい。
【0011】
システムは、コンピュータベース制御ユニットとウェブクライアントとの間で、特に、JSONデータフォーマットでのデータ交換を行うように構成される。JSONデータフォーマットまたはJSON(JavaScript Object Notation)のデータフォーマットは、データ交換、特に、ウェブアプリケーションのようなアプリケーション間でのデータ交換を目的として比較的読みやすいテキスト形式の軽量なデータフォーマットである。JSONデータフォーマットは、この状況において、特に、非常に単純であるという理由から適したものであり、さらには、JavaScriptコード(HMIを実装するためにウェブクライアントによって実行される)からの対応する情報へのアクセスにも適したものである。
【0012】
本発明の1つのさらなる好ましい構成によれば、端末装置は、コンピュータベース移動端末装置、特に、スマートフォンである。移動端末装置の場合、ウェブクライアントとしてアプリ(アプリケーション)がウェブブラウザとともに使用されてもよい。システムのさらなる移動端末装置の例として、タブレットコンピュータがある。
【0013】
一般的に、運転者支援機能は、例えば、アダプティブクルーズコントロール機能、ブレーキ支援機能、速度支援機能、車線逸脱防止支援機能のような運転者支援制御システムの多くの機能のうちの1つであってもよい。本発明のさらなる好ましい構成によれば、運転者支援機能は駐車支援機能である。
【0014】
本発明の1つの好ましい構成によれば、コンピュータベース制御ユニットは、自動車環境に一体化されるコンピュータベース制御ユニットとして構成される。組込みシステムは、技術概念に一体化される(組み込まれる)電子コンピュータ(コンピュータ、コンピュータベース装置等)である。コンピュータは、監視機能、制御機能または調整機能のいずれかを実行し、または例えば、暗号化、解読、符号化または復号またはフィルタリング等のデータ処理または信号処理の形態の処理を担う。自動車環境とは、通常、車両の対応する車両構成部品である。
【0015】
本発明のさらなる好ましい構成によれば、ネットワークは、LANまたはWANとして構成される。LAN(ローカルエリアネットワーク)は、複数のコンピュータベース装置が、例えば、家庭内や企業内等でネットワークを介して通信を行うローカルエリアネットワークであり、WAN(ワイドエリアネットワーク)は、例えば、複数のLANからなり、広範囲にわたって、すなわち、国や大陸を跨って広がる広範囲のネットワークである。このシステムでは、ウェブクライアントとサーバ(組込みECU)とが接続されたEthernetベースのLAN(ローカルエリアネットワーク)またはWAN(ワイドエリアネットワーク)が使用されることが好ましい。
【0016】
本発明による車両における少なくとも1つの運転者支援機能の実行方法において、少なくとも1つの運転者支援機能を制御するコンピュータベース制御ユニットが車両に搭載され、運転者支援機能を表示および/または動作させるための少なくとも1つのユーザインタフェースを備えるコンピュータベース端末装置が、データ伝送技術を用いてネットワークを介してコンピュータベース制御ユニットに接続可能であり、コンピュータベース制御ユニットは、コンピュータベース端末装置を介して実行されるウェブアプリケーションにWebSocketサーバを提供し、ユーザインタフェースは、コンピュータベース端末装置にウェブアプリケーションを介して実装される。この方法は、特に、前述した車両用運転者支援制御システムにより実行される。
【0017】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、コンピュータベース端末装置に、少なくとも1つのウェブクライアント、特に、ウェブブラウザならびに/または動作用および/もしくは表示用アプリが実装され、少なくとも1つのウェブクライアントを介して、ユーザによりウェブアプリケーションが使用される。
【0018】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、コンピュータベース制御ユニットとウェブクライアントとの間でのデータの交換は、JSON(JavaScript Object Notation)データフォーマットで行われる。
【0019】
本発明によるコンピュータプログラム製品において、このコンピュータプログラム製品は、コンピュータベース制御ユニットのプロセッサに読み込まれると、前述した方法を実行するように構成されるプログラム部分を含む。
【0020】
以下、本発明について、添付の図面を参照しながら好ましい例示的な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の1つの好ましい実施形態による自動車用運転者支援制御システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、自動車(図示せず)の運転者支援制御システム10を示す概略図である。システム10は、必須の機能構成要素として、車両に搭載される制御ユニット(電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)12と、コンピュータベース端末装置16、特にコンピュータベース移動端末装置18として構成されうるものによって提供される少なくとも1つのユーザインタフェース14とを備える。
図1には、例として、コンピュータベース固定端末装置16であるパーソナルコンピュータ(PC)およびコンピュータベース移動端末装置18であるスマートフォンが示されている。制御ユニット12および端末装置16、18は、データ伝送技術を用いてネットワーク20を介して相互に接続される。図に示す制御ユニット(ECU)12は、対応する自動車環境24、通常、車両の対応する車両構成部品に一体化された組込み制御ユニット(組込みECU)である。制御ユニット12は、ハードウェアコンポーネントおよびソフトウェアコンポーネントを介して、運転者支援機能26、この場合は、駐車支援機能28を提供する。運転者支援制御システム10に対して、制御ユニット12は、ウェブアプリケーションのウェブサーバを形成する。サーバを形成する制御ユニット12と、クライアントを形成する端末装置16、18との間でのデータ交換は、JSONデータフォーマットのデータ30を介して行われる。制御ユニット12はまた、ウェブアプリケーションにWebSocketサーバ32を提供する。端末装置16、18には、対応するウェブクライアント34、36が設けられる。これらのウェブクライアントは、ウェブブラウザ34ならびに動作用および/もしくは表示用アプリ36として構成される。ユーザインタフェース14は、対応するウェブクライアント34、36、すなわち、例えば、マウスクリックにより操作可能なボタンやブラウザ34のタッチスクリーンを介して動かすことができるスライドスイッチ等で構成される。
【0023】
ウェブアプリケーションは、クライアントサーバモデルのものであって、ローカル環境であるユーザの端末装置16、18にインストールされることなく端末装置16、18で実行されるアプリケーションプログラムである。この代わりに、データの処理や評価は、主に、対応するWebSocketサーバ32を提供する制御ユニット12、22で行われる。データ処理の結果のみが、運転者支援機能の表示および動作のためにユーザの端末装置16、18に送信される。
【0024】
これにより、2つのサブシステムである(a)車両に搭載されたコンピュータベース制御ユニット12および、(b)コンピュータベース端末装置16、18に設けられたユーザインタフェース14は、一般的な方法で相互に接続される。したがって、システム10において、コンピュータベース制御ユニット12とウェブクライアント34、36との間でのデータ交換は、JSONデータフォーマットで行われる。JSONデータフォーマットまたはJSON(Javascript Object Notation)ベースのデータフォーマットは、データ交換、特に、ウェブアプリケーション間でのデータ交換を目的とした比較的読みやすいテキスト形式の軽量なデータフォーマットである。また、JSONデータフォーマットは、HMIを実装するためにウェブクライアントによって実行されるJavaScript Codeからの対応する情報へのアクセスにも適している。
【0025】
以下、図示したシステム10の特徴および利点について別の表現を用いて改めて説明する。
【0026】
運転者支援制御システム10は、
運転者支援機能26、例えば、WebSocket(RFC 6455)およびTCP/IP(伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル)ベースのサーバ通信ポートを実装する駐車支援装置28等の運転者支援機能26を備えた組込みECU22と、
ユーザインタフェース(HMI)14を介した運転者支援機能26の表示用および動作用の1つ以上のウェブクライアント34、36(例えば、ウェブブラウザ34またはスマートフォンアプリ36)と、
JSON(JavaScript Object Notation)(RFC 7159)フォーマットのデータ30を介したクライアント(ウェブクライアント34、36)とサーバ(組込み)ECU12、22との間でのデータ交換と、
ウェブクライアント34、36のハードウェア、すなわち、端末装置16、18と、制御ユニット12(組込みECU22)とがサーバとして接続されるEthernetベースLAN(ローカルエリアネットワーク)またはWAN(ワイドネットワーク)として構成されるネットワーク20と
を備える。
【0027】
以下の利点が得られる。
【0028】
組込みECU22は、駐車支援装置28の表示動作用の対応するデータ30を規定するJSONインタフェースを実装する。JSONインタフェースは、ネットワーク20を介して接続されたウェブクライアント34、36であれば、WebSocketベースのサーバ通信ポート32を介して利用可能なものである。
【0029】
これらのウェブ技術を利用することで、各ウェブベースクライアント16、18による運転者支援機能26の利用が可能となる。このように、ユーザインタフェース(HMI)14を、スマートフォンアプリ36としても、各汎用ウェブブラウザ34のウェブサイトとしても実装することができる。ユーザインタフェース(HMI)14をウェブサイトとして実装すれば、統合型のウェブブラウザ34を備えた任意の装置16、18(例えば、スマートフォン18またはパーソナルコンピュータ(PC)16)による実行が可能になるという利点が得られる。
【0030】
採用する通信技術の標準化が浸透していることから、表示動作用のユーザインタフェース(HMI)14の迅速な実装が可能である。表示動作に関するシステム機能や新たなシステム機能の修正変更の迅速な実装も可能であるため、それに伴い、TTMの短縮が見込まれる。
【0031】
図1は、構成の一例を示す。ウェブブラウザ34およびアプリの実行環境は、WebSocket(RFC 6455)およびJSON(RFC 7159)標準をすでに組み込んでいる。このため、ブラウザ34またはアプリ36と組み合わせてウェブページ等のアプリケーションが、WebSocketサーバ(組込みECUにより実装)とつながるWebSocketクライアント34、36として機能する。したがって、駐車支援装置28は、WAN/LANアクセスを経由して遠隔から制御ユニット(ECU)12で実行して操作可能であり、この運転者支援機能の結果をスマートフォン18またはPC16上に提示することができる。
【符号の説明】
【0032】
10 運転者支援制御システム
12 制御ユニット(ECU)
14 ユーザインタフェース(HMI)
16 コンピュータベース端末装置(PC)
18 コンピュータベース移動端末装置
20 ネットワーク
22 組込み制御ユニット(ECU)
24 自動車環境
26 運転者支援機能
28 駐車支援機能
30 JSONデータフォーマットのデータ
32 WebSocketサーバ
34 ウェブブラウザ
36 アプリ、特に、移動体アプリ