(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240802BHJP
A63F 13/428 20140101ALI20240802BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240802BHJP
A63H 5/00 20060101ALI20240802BHJP
A63H 11/00 20060101ALI20240802BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
G06F3/01 510
A63F13/428
A63F13/55
A63H5/00 C
A63H11/00 Z
B25J13/00 Z
(21)【出願番号】P 2019183261
(22)【出願日】2019-10-03
【審査請求日】2022-01-18
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】大内 芳高
【合議体】
【審判長】篠塚 隆
【審判官】野崎 大進
【審判官】北元 健太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/194206(WO,A1)
【文献】特開2019-70985(JP,A)
【文献】ふーま、“Googleマップ・検索での評価・口コミ・レビューの書き方、[オンライン]、2019年7月9日、インターネット
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
A63F 13/428
A63F 13/55
A63H 5/00 - 11/00
B25J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
現実社会における特定の位置に関連する情報であって、ユーザの行動に応じて入力された位置関連入力情報、を受け付ける受付手段と、
前記位置関連入力情報を入力した時点での前記ユーザの位置にかかわらず、前記特定の位置の場所の情報である特定場所情報と前記位置関連入力情報とを関連付けて記憶部に記憶させる関連付け手段と、
前記ユーザとは別の他ユーザの現時点での位置情報と、前記特定場所情報と、の関係にかかわらず、前記他ユーザの行動に起因して前記特定場所情報が入力された場合には、前記他ユーザに向けて、入力された前記特定場所情報に対応する前記位置関連入力情報を報知部に報知させる報知制御手段と、
として機能させ、
前記報知部および前記受付手段は、前記ユーザおよび/または前記他ユーザの移動に伴って自立移動可能な1つの移動体に設けられており、
前記報知部は、前記他ユーザが前記受付手段に前記特定場所情報を入力したことを契機として、前記ユーザが前記受付手段に入力しておいた前記位置関連入力情報を報知することが可能であり、
前記移動体には、前記ユーザおよび前記他ユーザを識別して対応付けることが可能である
ことを特徴とする、情報処理プログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
現実社会における特定の位置に関連する情報であって、ユーザの行動に応じて入力された位置関連入力情報、を受け付ける受付手段と、
前記位置関連入力情報を入力した時点での前記ユーザの位置にかかわらず、前記特定の位置の場所の情報である特定場所情報と前記位置関連入力情報とを関連付けて記憶部に記憶させる関連付け手段と、
前記ユーザとは別の他ユーザの現時点での位置情報と、前記特定場所情報と、の関係にかかわらず、前記他ユーザの行動に起因して前記特定場所情報が入力された場合には、前記他ユーザに向けて、入力された前記特定場所情報に対応する前記位置関連入力情報を報知部に報知させる報知制御手段と、
前記ユーザおよび/または前記他ユーザの移動に伴って自立移動可能な1つの移動体を表す移動体オブジェクトを、通信端末に設けられた表示部に表示させる表示制御手段と、
前記表示部上において、前記移動体オブジェクトを、前記ユーザおよび/または前記他ユーザによる前記通信端末の操作に応じてゲーム内で動作させるゲーム実行手段と
として機能させ、
前記報知部および前記受付手段は、前記移動体に設けられており、
前記移動体には、前記ユーザおよび前記他ユーザを識別して対応付けることが可能であり、
前記関連付け手段は、前記ゲームに関する情報を、前記移動体の情報として前記移動体の識別情報に関連付ける
ことを特徴とする、情報処理プログラム。
【請求項3】
前記受付手段は、前記他ユーザの行動に応じて入力された前記位置関連入力情報、を更に受け付け、
前記関連付け手段は、
前記特定場所情報と、複数の前記位置関連入力情報
と、を関連付けることを特徴とする、請求項1
または2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記報知制御手段は、前記ユーザおよび/または前記他ユーザと前記移動体を表す移動体オブジェクトとの間で会話が成立しているように、通信端末に設けられた表示部に前記移動体オブジェクトを表示させるとともに前記移動体オブジェクトの音声を出力させる
ことを特徴とする、請求項1
または2に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載の情報処理プログラムを記憶する記憶部と、
前記情報処理プログラムを実行するコンピュータと、
を備えることを特徴とする、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよび情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な分野において、人工知能(AI:Artificial Intelligence)が利用されている。特許文献1には、人工知能が携帯端末およびサーバ装置を備えたシステムに搭載されたものが開示されている。特許文献1によれば、ユーザは、携帯端末を介して発話することにより、仮想上の相手とチャット(会話)を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のチャットは、一対一で行われ、当人同士の間で完結する。つまり、特許文献1では、ユーザは仮想上の相手とコミュニケーションをとるのみに留まる。そのため、当該ユーザが他ユーザとのコミュニケーションをとるきっかけにはなり難い。
【0005】
本発明の目的は、ユーザ同士を繋ぐきっかけとなり得るプログラムおよびシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、コンピュータを、
現実社会における特定の位置に関連する情報であって、ユーザの行動に応じて入力された位置関連入力情報、を受け付ける受付手段と、
前記特定の位置の場所を示す位置情報と前記位置関連入力情報とを関連付けて記憶部に記憶させる関連付け手段と、
前記ユーザとは別の他ユーザに向けて、前記位置関連入力情報を報知部に報知させる報知制御手段と、
として機能させることを特徴とする、情報処理プログラムである。
【0007】
また、第1の発明では、コンピュータを、
前記他ユーザの現在の位置を示す前記位置情報を検知する位置検知手段、
として更に機能させ、
前記報知制御手段は、前記他ユーザの前記位置情報が、前記位置関連入力情報に関連付けられた前記位置情報と一致した場合、前記位置関連入力情報を前記他ユーザに向けて前記報知部に報知させる
ことができる。
【0008】
また、第1の発明では、
前記受付手段は、前記他ユーザの行動に応じて入力された前記位置関連入力情報、を更に受け付け、
前記関連付け手段は、前記位置情報ごとに、複数の前記位置関連入力情報を関連付ける
ことができる。
【0009】
また、第1の発明では、
前記報知部は、前記ユーザおよび/または前記他ユーザの移動に伴って自立移動可能な筐体を備える1つの移動体、に設けられている
ことができる。
【0010】
また、第1の発明では、
前記報知制御手段は、前記ユーザおよび/または前記他ユーザと前記移動体を表す移動体オブジェクトとの間で会話が成立しているように、通信端末に設けられた表示部に前記移動体オブジェクトを表示させるとともに前記移動体オブジェクトの音声を出力させる
ことができる。
【0011】
また、第1の発明では、コンピュータを、
前記移動体を表す移動体オブジェクトを、通信端末に設けられた表示部に表示させる表示制御手段と、
前記表示部上において、前記移動体オブジェクトを、前記ユーザおよび/または前記他ユーザによる前記通信端末の操作に応じてゲーム内で動作させるゲーム実行手段と
として更に機能させ、
前記関連付け手段は、前記ゲームに関する情報を、前記移動体の情報として前記移動体の識別情報に関連付ける
ことができる。
【0012】
第2の発明は、
第1の発明に記載の情報処理プログラムを記憶する記憶部と、
前記情報処理プログラムを実行するコンピュータと、
を備えることを特徴とする、情報処理システムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ユーザの行動に応じて入力された位置関連入力情報を、情報処理プログラムが搭載されたシステムを介して他ユーザは知ることができる。他ユーザは、位置関連入力情報を直接聞いていなくても、ユーザに対する親近感を得ることができる。つまり、本発明の情報処理プログラムおよび情報処理システムは、ユーザおよび他ユーザの間を繋ぐハブとしての機能を有すると言える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態における情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図2】本実施形態における情報処理システムの構成を模式的に示す図である。
【
図3】本実施形態における情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図6】ゲーム実行中の通信端末のディスプレイに表示される画面例である。
【
図7】本実施形態における情報処理システムの一連の動作を説明するにあたり、主にサーバ装置が行う処理の流れを表したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
本発明の実施形態にかかる情報処理システム1および情報処理プログラムについて、図面を参照して説明する。
【0016】
<概要>
図1に示すように、本実施形態の情報処理システム1は、家庭に設置されたロボット3(移動体に相当)が家族の構成メンバー間の“ハブ”として活躍することで、構成メンバー間のコミュニケーションが活発となるきっかけを各構成メンバーに与えるものである。
図2に示すように、この情報処理システム1では、1台のサーバ装置2、1台のロボット3、および複数台の通信端末5が、通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。
【0017】
サーバ装置2は、クラウドサーバであって、ロボット3および通信端末5を統括して管理する。ロボット3は、人や動物の形をしたロボットで構成され、自立または操作により移動などの様々な動作をすることができる。
【0018】
サーバ装置2は、各構成メンバーの性別、職業、年齢などの初期に入力された基本的な属性情報やこれまでの発話内容、これまでの行動などに基づいて、各構成メンバーの趣味、思考、傾向などを学習する。この学習結果に基づいて、ロボット3は、各構成メンバーからの発話に対して返答を行う。つまり、各構成メンバーは、直接ロボット3に向かって発話することで、当該ロボット3と会話ができる。
【0019】
通信端末5は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどの電子機器で構成される。通信端末5は、他の通信端末5との通信の他、ゲーム機としても使用される。各構成メンバーは、通信端末5を1台ずつ所有する。
【0020】
各通信端末5には、ロボット3を模したキャラクタオブジェクト(移動体オブジェクトに相当)をディスプレイ52上で動作させるための、専用のアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、本実施形態にかかる情報処理プログラムの一部に対応するものである。このアプリケーションプログラムを起動することにより、通信端末5を利用する構成メンバーは、ロボット3の近くにいなくても、当該通信端末5を介してロボット3と会話をしているように感じることができる。
【0021】
また、各構成メンバーは、アプリケーションプログラム起動後の通信端末5を操作し、キャラクタオブジェクトを動作させてゲームのクエストを進めることができる。例えば、キャラクタオブジェクトは、ダンジョンを探検したり、敵キャラクタと戦ったりするクエストを行う。キャラクタオブジェクトは、他キャラクタオブジェクトと協力して、オンラインにてクエストを進めることもできる。
【0022】
クエスト終了後、通信端末5は、クエストの結果をサーバ装置2に送信する。サーバ装置2は、このクエストの結果を各構成メンバーに関する情報として蓄積し、各構成メンバーの趣味、思考、傾向などを学習する際に利用する。
【0023】
特に、本実施形態では、任意の構成メンバーが訪れたことのある特定の場所についての情報を他の構成メンバーに積極的に知らせるべく、ロボット3は、他の構成メンバーとの会話の中で、任意の構成メンバーが訪れた特定の場所についての情報を積極的に発話する。そのため、情報処理システム1は、その特定の場所の位置情報に、その位置に関する情報であってその構成メンバーの行動に応じて入力されたもの(以下、位置関連入力情報)を関連付けておき、当該位置関連入力情報を、ロボット3を介して他の構成メンバーに向けて報知する。
【0024】
例えば、場所Aを訪れた母が、その場所Aに関する感想を、位置関連入力情報としてロボット3または通信端末5を介して発話により入力したとする。この場合、場所Aの位置を表す位置情報と、場所Aに関する感想(入力された位置関連入力情報)とが関連付けられる。その後、
図3に示すように、子供(弟)が、修学旅行で場所Aを訪れることをロボット3に発話した際、ロボット3は、以前に場所Aを訪れた母の感想を、その子供に向けて発話する。
【0025】
また、本実施形態の情報処理システム1は、各構成メンバーの発話に対する返答のみならず、構成メンバー間にて共通する話題のカテゴリを、属性情報およびこれまでの会話内容から学習にて割り出し、そのカテゴリについての情報を、ロボット3を介して各構成メンバーに報知する。例えば
図1に示すように、共通する話題のカテゴリは、「母」「姉」に対して「ファッション」「コスメ」「スイーツ」、「姉」「弟」に対して「学校」「映画館」「コンテンツ」、「弟」「父」に対して「スポーツ」「アウトドア」、「父」「母」に対して「資産運用」「旅行」などと割り出される。
【0026】
つまり、情報処理システム1のサーバ装置2は、構成メンバーが興味や関心を有すると判明した話題の情報のうち、構成メンバー間で共通する情報を、構成メンバーの組み合わせに応じてグルーピングする。その後、ロボット3は、任意の構成メンバーとの会話の中で、その構成メンバーが興味を有する話題について他構成メンバーが発話していた内容を、当該構成メンバーに向けて報知する。例えば、
図1の場合、ロボット3は、姉との会話にて姉から得たファッションやコスメ、スイーツに関する情報を、母との会話にて母に向けて積極的に発話する。
【0027】
このように、本実施形態の情報処理システム1によれば、ロボット3は、構成メンバーとの会話の中で、他構成メンバーから取得した情報を積極的に報知する。これにより、当該情報を報知された構成メンバーは、他構成メンバーとは直接話をせずとも、ロボット3を介して当該情報を取得できる。取得した情報を1つのきっかけとして、構成メンバー間のコミュニケーションが活発となり得る。つまり、ロボット3は、構成メンバー間のハブとしての役割を担っている。
【0028】
以下の説明では、上述した“構成メンバー”を「ユーザ」、“他構成メンバー”を「他ユーザ」という。また、説明上、構成メンバーか他構成メンバーかを区別する必要がない場合、各構成メンバーを「各ユーザ」という。
【0029】
また、以下では、位置関連入力情報が、ユーザが発話する行動によって入力される場合を例示する。
【0030】
<情報処理システム1の構成>
図2に示すように、情報処理システム1は、1台のサーバ装置2、1台のロボット3、および、複数の通信端末5にて構成される。
【0031】
サーバ装置2は、情報処理プログラムおよび情報処理に必要なデータを記憶している。サーバ装置2は、ロボット3および複数の通信端末5とリンクするための初期設定を行ったあと、ロボット3および通信端末5それぞれのデータ管理を行う。
【0032】
なお、ロボット3には、識別情報が予め付与されている。ユーザおよび他ユーザそれぞれには、通信端末5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が割り当てられている。アカウント情報は、専用のアプリケーションプログラム起動時、通信端末5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。ユーザ認証を経て、サーバ装置2とロボット3および各通信端末5との相互通信が可能となる。
【0033】
<ハードウェア構成>
以下、サーバ装置2、ロボット3および通信端末5の各ハードウェア構成について説明する。
【0034】
<サーバ装置2のハードウェア構成>
サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0035】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介してロボット3および各通信端末5と通信可能に接続されている。
【0036】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかる情報処理プログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221、各種情報DB222、ロボット3の識別情報、情報処理に関する各種データなどが記憶されている。
【0037】
ユーザDB221には、主に通信端末5の各所有者(各構成メンバーすなわち各ユーザ)についての情報が格納される。
図4に示すように、ユーザDB221には、家族などの所属を表す識別情報ごとに、その家族における各ユーザの識別情報、各ユーザの属性情報(会社名、学校名、性別、年齢、職業など)、これまでの発話内容および属性情報による分析によって判明した、各ユーザが興味や関心を寄せる情報(関心情報)などが、対応づけて記憶されている。
【0038】
各種情報DB222には、ユーザDB221に登録された各ユーザが、ロボット3または通信端末5を介して発話(入力)した情報が格納されている。各種情報DB222には、各ユーザが発話(入力)するごとに、その発話された情報が追加されていく。
図5に示すように、各種情報DB222には、実在する(または実在した)現実社会での位置情報、入力者ID、位置関連入力情報、および入力日時が、対応付けられている。
【0039】
位置情報とは、ユーザが訪れた場所を表す情報であって、ロボット3および通信端末5にて、例えばGPS(Global Positioning System)を利用して把握された情報である。入力者IDは、位置情報が示す位置に訪れて位置関連入力情報を発話(入力)したユーザの識別情報である。位置関連入力情報は、位置に関する感想、コメント、メッセージなどであって、位置に関連してユーザが発話(入力)した情報であれば、どのようなものも含まれる。入力日時は、ユーザが位置関連入力情報を発話(入力)した日時である。
【0040】
例えば、
図5の各種情報DB222には、家族内の姉“A01/003”が、位置情報“場所A”について、位置関連入力情報“スイーツの○○はおいしかった”と、入力日時“2019/5/18”に発話したことが記憶されている。
【0041】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0042】
<サーバ装置2における制御部23の機能的構成>
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、
図2に示すように、通信制御手段231、会話制御手段232および関連付け手段233として機能する。
【0043】
―通信制御手段―
通信制御手段231は、ロボット3および通信端末5との間で各種データを送受信する。通信制御手段231がロボット3から受信する主なデータとしては、ユーザ(他ユーザ)の発話データ、ユーザ(他ユーザ)の位置情報などが挙げられる。通信制御手段231がロボット3に送信する主なデータとしては、ロボット3が発する返答データなどが挙げられる。
【0044】
通信制御手段231が通信端末5から受信する主なデータとしては、ユーザ(他ユーザ)の発話データ、ユーザ(他ユーザ)の位置情報、通信端末5の利用者のアカウント情報、通信端末5にて行われたゲーム(クエスト)に関する情報、などが挙げられる。通信制御手段231が通信端末5に送信する主なデータとしては、ゲームのクエスト要求、通信端末5に表示されたプレイヤキャラクタが発する返答データなどが挙げられる。
【0045】
-会話制御手段―
会話制御手段232は、ロボット3とユーザ(他ユーザ)、通信端末5に表示されたプレイヤキャラクタとユーザ(他ユーザ)との会話を、人工知能を用いて制御する。会話制御手段232は、音声認識機能、言語解析機能、機械学習機能などを実現するアルゴリズム、学習済みモデルなどにより実現される。機械学習機能における学習済みモデルは、たとえば、ディープラーニングと呼ばれる深層学習を含むニューラルネットワークや強化学習を含む。
【0046】
具体的に、会話制御手段232は、ロボット3または通信端末5から送られてきた発話データに基づいて、その発話内容を人工知能により解析する。会話制御手段232は、解析した発話内容に対して、人工知能により返答内容を生成する。返答内容の生成には、後述する「会話材料」が用いられる。生成された返答内容は、返答データとして、通信制御手段231から、ユーザ(他ユーザ)と会話を行うべきロボット3または通信端末5に送信される。
【0047】
特に、発話データとともに位置情報が送信されてきた場合、会話制御手段232は、その発話内容を解析し、更に受信した位置情報を各種情報DB222内に当てはめる。位置情報に該当するレコードが各種情報DB222内に存在する場合、会話制御手段232は、該当するレコード内の位置関連入力情報を抽出する。会話制御手段232は、抽出した位置関連入力情報を「会話材料」として用いて、当該情報を含む返答データを生成する。この返答データは、通信制御手段231によって、ユーザ(他ユーザ)と会話を行っているロボット3または通信端末5に送信される。
【0048】
人工知能で制御を行う会話制御手段232により、ユーザ(他ユーザ)は、実際に人と会話を行っているような感じで、ロボット3またはそのキャラクタオブジェクトと会話を行うことができる。
【0049】
―関連付け手段―
関連付け手段233は、発話データとともに位置情報が送信されてきた場合、各種情報DB222内において、その位置情報に該当するレコードを検索する。該当するレコードがヒットした場合、関連付け手段233は、そのレコード内の位置関連入力情報の欄に、会話制御手段232が解析した発話内容に含まれる位置関連入力情報を追記する。該当するレコードがヒットしない場合、関連付け手段233は、位置情報に対応するレコードを各種情報DB222内に作成し、そのレコードの位置関連入力情報の欄に、発話内容に含まれる位置関連入力情報を追記する。
【0050】
つまり、関連付け手段233は、ユーザが発話したところの位置と、その位置についての感想やコメントなどである位置関連入力情報とを、関連付けて記憶部22に記憶させる。
【0051】
このようにして関連づけられた位置関連入力情報は、ユーザとは別の他ユーザとの会話にて、「会話材料」として利用される。したがって、他ユーザは、位置関連入力情報の欄に追記されたユーザの、場所に関する感想やコメントの内容を、そのユーザから直接聞かずともロボット3または通信端末5を介して把握することができる。
【0052】
また、ロボット3または通信端末5から、他ユーザの位置情報と発話データとが送信されてきた場合も、上記と同様、関連付け手段233は、当該他ユーザの発話内容に含まれる位置関連入力情報を、当該位置情報に関連付けて記憶部22に記憶させる。
【0053】
つまり、関連付け手段233は、位置情報ごとに、その位置に関して誰かが発話した感想やコメントなどである位置関連入力情報を収集していく。従って、
図5に示すように、各種情報DB222には、1つの位置情報に対し、入力者ID、位置関連入力情報、入力日時が対応付けられたレコードが複数含まれている。
【0054】
また、プレイヤキャラクタを利用して実行されたゲーム(クエスト)に関する情報が通信端末5から送られてきた場合、関連付け手段233は、当該情報を、ロボット3の識別情報に関連付けて記憶する。ゲームに関する情報には、クエストの結果(勝敗)、クエストによって得られた経験値、クエストによって上昇したプレイヤキャラクタのレベルなどが含まれる。このような情報がロボット3の識別情報に関連付けて記憶されることにより、当該情報はロボット3の情報としてロボット3に反映される。そして、このような情報は、上記位置関連入力情報と同様に、ロボット3がユーザや他ユーザと会話する際の、「会話材料」として用いられる。
【0055】
<ロボット3のハードウェア構成>
ロボット3は、ネットワークインターフェース31、スピーカ32(報知部に相当)、マイク33、記憶部34および制御部35を有する。ネットワークインターフェース31、スピーカ32、マイク33および記憶部34は、バス39を介して制御部35と電気的に接続されている。
【0056】
ネットワークインターフェース31は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介してサーバ装置2および各通信端末5と通信可能に接続されている。
【0057】
スピーカ32は、サーバ装置2からの返答データに基づいて、音声を出力する。マイク33は、ユーザが発話した場合、そのユーザの音声をひろう。このスピーカ32およびマイク33により、ユーザは、ロボット3と会話を行うことができる。
【0058】
記憶部34は、HDD、RAM、ROMおよびSSDなどで構成される。記憶部34には、本実施形態にかかる情報処理プログラムの一部を含む各種プログラムの他、情報処理に関する各種データなどが記憶されている。
【0059】
制御部35は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、ロボット3自身の動作を制御する。
【0060】
<ロボット3における制御部35の機能的構成>
制御部35は、各種プログラムを実行することにより、通信制御手段351、動作制御手段352、位置検知手段353(検知手段に相当)、受付手段354および報知制御手段355として機能する。
【0061】
―通信制御手段―
通信制御手段351は、主にサーバ装置2との間における、ネットワークインターフェース31を介した各種データの送受信を司る機能である。通信制御手段351がサーバ装置2から受信する主なデータとしては、返答データなどが挙げられる。通信制御手段351がサーバ装置2に送信する主なデータとしては、ユーザの発話データ、ユーザの位置情報などが挙げられる。
【0062】
―動作制御手段―
動作制御手段352は、自装置であるロボット3の筐体の動作を制御する。ロボット3の筐体のうち、手や首に対応する部分には、DCモータやブラシレスモータなどのモータが内蔵されている。ロボット3が自立歩行したり、首や手を振ったり、踊ったりできるように、動作制御手段352は、各場面に応じて、各モータのモータドライバに駆動信号を適宜出力し、各モータを動作させる。
【0063】
例えば、動作制御手段352は、ユーザ(他ユーザ)の移動に伴って、当該ユーザ(他ユーザ)に追従するようにロボット3の筐体を歩行させる。また、ロボット3は、持ち運び可能な程度軽量であり、ユーザ(他ユーザ)はロボット3を持って移動することも可能である。ユーザ(他ユーザ)がロボット3を持って移動する場合、ロボット3はユーザの移動に伴って移動することになる。
【0064】
―位置検知手段―
位置検知手段353は、現実社会におけるユーザ(他ユーザ)の現在の位置(特定の位置)を示す位置情報を検知する。位置検知にあたり、位置検知手段353は、例えばGPS機能を用いる。
【0065】
本実施形態の“ユーザ(他ユーザ)の位置”とは、自装置であるロボット3付近にユーザ(他ユーザ)がいる場合の、そのユーザ(他ユーザ)の位置を意味する。たとえロボット3の近くに人がいるとしても、その人の位置とロボット3の位置とは、厳密には同一とはならない。しかし、人がロボット3を中心とした所定範囲内にいるのであれば、位置検知手段353は、そのロボット3の位置を、人(ユーザ(他ユーザ))の位置とみなす。
【0066】
―受付手段―
受付手段354は、ユーザ(他ユーザ)が発話した内容に含まれる、当該ユーザ(他ユーザ)の位置に関する位置関連入力情報を受け付ける。受付手段354は、マイク33によって拾われたユーザの発話した音声を、通信ネットワーク6を介して送信可能な形式の発話データに変換する。受付手段354は、この発話データのうち、位置に関する情報を位置関連入力情報とする。なお、変換後の発話データは、通信制御手段351によってサーバ装置2に送信される。
【0067】
―報知制御手段―
報知制御手段355は、スピーカ32の音声出力制御を行う。報知制御手段355は、サーバ装置2から送られてきた返答データを、ユーザ(他ユーザ)が理解できる音声に変換する。報知制御手段355は、変換された後の返答データに基づく音声を、スピーカ32から出力させる。
【0068】
これにより、ロボット3は、ユーザ(他ユーザ)に、位置関連入力情報やゲーム(クエスト)に関する内容を盛り込んだ発話を行うことができる。
【0069】
特に、報知制御手段355は、他ユーザがロボット3を利用している場合、当該他ユーザに向けて、他ユーザではない別のユーザによって入力された位置関連入力情報を含んだ発話内容を、スピーカ32から出力させる。報知制御手段355が位置関連入力情報を含んだ発話内容をスピーカ32から出力させるタイミングとしては、以下が挙げられる。
(a)報知対象である他ユーザがロボット3とともに、位置関連入力情報に関連付けられた位置情報の示す場所にいる場合
(b)当該場所にはいないが、他ユーザがロボット3と発話をしている間
【0070】
上記(a)は、位置検知手段353が検知した他ユーザの現時点での位置情報が、各種情報DB222内に既に書き込まれている位置情報と一致した場合と同義である。つまり、上記(a)は、他ユーザが現在いる場所が、家族の構成メンバーの誰かが以前に訪れたことのある場所であって、かつその旨が各種情報DB222内に書き込まれている条件、および、その場所に関する感想やコメントを、当該構成メンバーが位置関連入力情報として残している条件、を満たすことを意味する。この場合、ロボット3は、家族の誰かが訪れた際の感想やコメントを、現在訪れている他メンバーに、スピーカ32を介して紹介する。
【0071】
上記(b)では、上記(a)とは異なり、他ユーザの現時点での位置情報は、各種情報DB222内に既に書き込まれている位置情報と一致しない。例えば、家にいる他ユーザがロボット3に発話している際に、任意の場所の名称が登場したとする。報知制御手段355は、当該場所を表す位置情報が各種情報DB222内に存在する場合、当該位置情報に関連付けられている位置関連入力情報を、現在会話中の他ユーザに報知させる。
【0072】
つまり、上記(b)は、家族の構成メンバーの誰かが以前に訪れたことのある場所であって、かつその旨が各種情報DB222内に書き込まれている条件、および、家族の他メンバーがその場所に関して発話した条件、を満たすことを意味する。この場合、ロボット3は、他メンバーとの会話の中で場所に関する情報が登場した時、その場所に家族の誰かが訪れて述べていた感想やコメントを、当該他メンバーにスピーカ32を介して紹介する。他メンバーが実際に訪れていなくても、会話の中で場所に関する情報が登場した場合、当該他メンバーは、その場所についての興味を多少なりとも持っていると推測できるからである。
【0073】
<通信端末5のハードウェア構成>
複数の通信端末5は、いずれも同様の構成を有する。
【0074】
通信端末5は、ネットワークインターフェース51、ディスプレイ52、スピーカ53、マイク54、タッチパッド55、記憶部56および制御部57を有する。ネットワークインターフェース51、ディスプレイ52、スピーカ53、マイク54、タッチパッド55および記憶部56は、バス59を介して制御部57と電気的に接続されている。
【0075】
ネットワークインターフェース51は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介してサーバ装置2およびロボット3と通信可能に接続されている。
【0076】
ディスプレイ52およびスピーカ53は、報知部に相当する。ディスプレイ52は、例えば液晶で構成され、ロボット3を模したキャラクタオブジェクトを表示し、スピーカ53は、サーバ装置2からの返答データに基づいて音声を出力する。この際、キャラクタオブジェクトが音声を発しているように、キャラクタオブジェクトは音声にあわせた動きをする。また、ディスプレイ52は、制御部57から出力されるゲーム画像情報に従って、各種オブジェクトを含むゲーム画面などを表示する。スピーカ53は、制御部57から出力されるゲーム音声などを出力する。
【0077】
マイク54は、ユーザが発話した場合、そのユーザの音声をひろう。スピーカ53およびマイク54により、ユーザは、通信端末5に表示されたプレイヤキャラクタをロボット3と見立てて、会話を行うことができる。
【0078】
タッチパッド55は、通信端末5を操作するユーザ(他ユーザ)の操作入力を受け付ける。受け付けられた操作信号は、タッチパッド55から制御部57へと出力される。
【0079】
記憶部56は、HDD、RAM、ROMおよびSSDなどで構成される。記憶部56には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムや情報処理プログラムの一部を含む各種プログラムの他、情報処理に関する各種データおよび自端末5のアカウント情報などが格納されている。
【0080】
制御部57は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自端末5の動作を制御する。
【0081】
<通信端末5における制御部57の機能的構成>
制御部57は、各種プログラムを実行することにより、通信制御手段571、位置検知手段572(検知手段に相当)、受付手段573、ゲーム実行手段574および報知制御手段575(報知制御手段、表示制御手段に相当)として機能する。
【0082】
-通信制御手段-
通信制御手段571は、主にサーバ装置2との間における、ネットワークインターフェース51を介した各種データの送受信を司る機能である。通信制御手段571がサーバ装置2から受信する主なデータとしては、ゲームデータ、返答データなどが挙げられる。通信制御手段571がサーバ装置2に送信する主なデータとしては、アカウント情報、ゲームデータのダウンロード要求、ゲームのクエスト要求、ユーザの発話データ、ユーザの位置情報、ゲーム(クエスト)に関する情報などが挙げられる。
【0083】
-位置検知手段-
位置検知手段572は、現実社会におけるユーザ(他ユーザ)の現在の位置(特定の位置)を示す位置情報を検知する。位置検知にあたり、位置検知手段572は、例えばGPS機能を用いる。
【0084】
“ユーザの位置”については、既に述べたとおり、自端末5付近にユーザ(他ユーザ)がいる場合の、そのユーザ(他ユーザ)の位置を意味する。ユーザ(他ユーザ)が通信端末5を中心とした所定範囲内にいる場合、位置検知手段572は、自端末5の位置を、ユーザ(他ユーザ)の位置とみなす。
【0085】
-受付手段-
受付手段573は、ユーザ(他ユーザ)が発話した内容に含まれる、当該ユーザ(他ユーザ)の位置に関する位置関連入力情報を受け付ける。受付手段573は、マイク54によって拾われたユーザ(他ユーザ)の発話した音声を、通信ネットワーク6を介して送信可能な形式の発話データに変換する。受付手段573は、この発話データのうち位置に関する情報を、位置関連入力情報とする。変換後の発話データは、通信制御手段571によってサーバ装置2に送信される。
【0086】
-ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段574は、自端末5のユーザ(他ユーザ)によるタッチパッド55の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部56から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報はグラフィック処理され、ディスプレイ52にはゲーム画像が逐次表示される。
【0087】
ゲーム実行手段574は、ディスプレイ52上においてロボット3を模したキャラクタオブジェクトを、ユーザ(他ユーザ)によるタッチパッド55の操作に応じて、ゲーム内で動作させる。この動作としては、クエスト攻略のために前記キャラクタオブジェクトを移動させたり敵キャラクタと対戦したりする動作、ユーザ(他ユーザ)との会話の内容にあわせて前記キャラクタオブジェクトの表情を変えたりしぐさをさせる動作、などが挙げられる。つまり、ゲーム実行手段574は、クエスト攻略やユーザ(他ユーザ)のコミュニケーション対応のために、前記キャラクタオブジェクトを動作させる。
【0088】
-報知制御手段-
報知制御手段575は、クエストの実行にあたり、ユーザ(他ユーザ)の操作などに応じてディスプレイ52の表示制御およびスピーカ53の音声出力制御を行う。例えば、報知制御手段575は、
図6のクエスト中の画面sc1をディスプレイ52に表示させる。画面sc1には、ロボット3を模したクエスト中のプレイヤキャラクタp1と、そのプレイヤキャラクタp1のステータス(レベル、体力など)p2とが表されている。
【0089】
また、報知制御手段575は、クエスト中でなくても、前記プレイヤキャラクタp1をディスプレイ52に表示させることができる。また、報知制御手段575は、クエスト中か否かに関わらず、サーバ装置2から送られてきた返答データを、通信端末5を利用しているユーザ(他ユーザ)が理解できる音声に変換し、変換後の返答データに基づく音声を、スピーカ53から出力させる。具体的に、
図6の画面sc1に示すように、報知制御手段575は、ユーザ(他ユーザ)とプレイヤキャラクタp1との間で会話が成立しているように、返答データに基づき、ディスプレイ52にプレイヤキャラクタp1を表示させるとともにプレイヤキャラクタp1の音声を出力させる。
【0090】
これにより、プレイヤキャラクタp1は、ユーザ(他ユーザ)に、位置関連入力情報やゲーム(クエスト)に関する内容を盛り込んだ発話を行うことができる。
【0091】
特に、報知制御手段575は、ロボット3の報知制御手段355と同様、通信端末5を利用している他ユーザに向けて、他ユーザではない別のユーザによって入力された位置関連入力情報を含んだ発話内容を、スピーカ53から出力させる。その出力タイミングとしては、以下が挙げられる。
(c)報知対象である他ユーザが通信端末5とともに、位置関連入力情報に関連付けられた位置情報の示す場所にいる場合
(d)当該場所にはいないが、他ユーザが通信端末5のプレイヤキャラクタp1と発話をしている間
【0092】
上記(c)は、上記(a)に対応する。位置検知手段572が検知した他ユーザの現時点での位置情報が、各種情報DB222内に既に書き込まれている位置情報と一致した場合、プレイヤキャラクp1は、当該位置情報に対応する位置関連入力情報、つまり家族の誰かが訪れた際の感想やコメントを、現在訪れている他メンバーに、スピーカ53を介して紹介する。
【0093】
上記(d)は、上記(b)に対応する。上記(d)では、他ユーザが通信端末5のプレイヤキャラクp1に任意の場所の名称などを発話し、かつ当該場所を表す位置情報が各種情報DB222内に存在する場合、報知制御手段575は、当該位置情報に対応する位置関連入力情報を、現在会話中の他ユーザに報知させる。つまり、家族の構成メンバーの誰かが以前に訪れたことのある場所であって、かつその旨が各種情報DB222内に書き込まれている状態で、家族の他メンバーがその場所に関して発話した場合、プレイヤキャラクタp1は、以前に訪れたことのある構成メンバーがその場所について述べていた感想やコメントを、現在会話中の他メンバーにスピーカ53を介して紹介する。
【0094】
<情報処理システム1の動作の流れ>
図7は、本実施形態にかかるゲームシステム1が行う一連の動作を、サーバ装置2が行う処理を主として表したフロー図である。サーバ装置2が行う処理は、「情報収集処理」「会話処理」「ゲームに連動した処理」に大別される。
【0095】
―情報収集処理―
ロボット3または通信端末5のユーザ(他ユーザ)は、ロボット3または通信端末5とともに任意の場所に訪れ、その場所に関する感想やコメントなどをロボット3または通信端末5に向けて発話したとする。ロボット3または通信端末5の位置検知手段353,572は、当該場所を示す位置情報を検出し、受付手段354,573は、ユーザ(他ユーザ)の発話した内容のうち当該場所に関する情報を位置関連入力情報として受け付ける。通信制御手段351,571は、位置関連入力情報を含む発話データと位置情報とを、サーバ装置2に送信する。
【0096】
サーバ装置2の通信制御手段231は、このステップst1の位置情報および位置関連入力情報を受信すると(ステップst1のYES,ステップst2のYES)、関連付け手段233は、受信した各種情報および発話データに基づいて各種情報DB222を更新する。具体的に、ステップst1で受信した位置情報のレコードが各種情報DB222内に存在する場合、関連付け手段233は、ステップst2で受信した位置関連入力情報を当該レコードに追記する。位置情報のレコードが各種DB222内に存在しない場合、関連付け手段233は、ステップst1で受信した位置情報にステップst2で受信した位置関連入力情報を対応付けた状態のレコードを、各種情報DB222内に追記する。
【0097】
ステップst1~ステップst3は、位置関連入力情報を含む発話データと、位置情報とを、サーバ装置2が受信するたびに行われる。したがって、ステップst1~ステップst3は、発話データおよび位置情報の双方を受信しない限り(ステップst1のNO,ステップst2のNO)、行われない。
【0098】
-会話処理―
ロボット3または通信端末5のユーザ(他ユーザ)は、ロボット3または通信端末5とともに任意の場所に訪れ、ロボット3または通信端末5に向けて発話しているとする。ロボット3または通信端末5の位置検知手段353,572は、当該場所を示す位置情報を検出し、通信制御手段351,571は、ユーザ(他ユーザ)の発話データをサーバ装置2に送信する。
【0099】
サーバ装置2の通信制御手段231は、位置情報および発話データを受信すると(ステップst4のYES)、会話制御手段232は、受信した位置情報が各種情報DB222内に存在するか否かを判定する(ステップst5)。受信した位置情報が各種情報DB222内に存在する場合(ステップst5のYES)、会話制御手段232は、各種情報DB222内から、当該位置情報に対応する位置関連入力情報を抽出し、その位置関連入力情報を含む返答データを生成する。通信制御手段231は、当該返答データを、発話を受けたロボット3または通信端末5に送信する(ステップst6)。
【0100】
前記返答データを受信したロボット3または通信端末5の報知制御手段355,575は、この返答データに基づいて、位置関連入力情報を含む返答内容を、ロボット3または通信端末5を利用しているユーザ(他ユーザ)に向けてスピーカ32,53やディスプレイ52を介して報知させる。これにより、ユーザ(他ユーザ)は、自身が現在いる場所について、自身とは別の他ユーザ(ユーザ)が以前に発話した感想やコメントを知ることができる。
【0101】
また、ロボット3または通信端末5を家の中に置いた状態で、ユーザ(他ユーザ)がそのロボット3または通信端末5に向けて、現在位置とは別の場所に関し発話したとする。この場合、位置検知手段353,572が検知したユーザ(他ユーザ)の現在の位置情報と、発話データとが、サーバ装置2に送信される。ただしこの場合、検知された現在の位置情報と、発話された場所についての情報とは、異なっている。
【0102】
サーバ装置2の通信制御手段231は、位置情報および発話データを受信すると(ステップst4のYES)、会話制御手段232は、発話データ内に“場所”に関する発話内容が含まれるか否かと、含まれる場合はその“場所”を示す位置情報が各種情報DB222内に存在するか否かを判定する(ステップst5)。
【0103】
発話データ内に“場所”に関する発話内容が含まれ、かつその場所を示す位置情報が各種情報DB222内に存在する場合(ステップst5のYES)、会話制御手段232は、各種情報DB222内から、当該位置情報に対応する位置関連入力情報を抽出し、その位置関連入力情報を含む返答データを生成する。通信制御手段231は、当該返答データを、発話を受けたロボット3または通信端末5に送信する(ステップst6)。
【0104】
前記返信データを受信したロボット3または通信端末5の報知制御手段355,575は、この返答データに基づいて、位置関連入力情報を含む返答内容を、ロボット3または通信端末5を利用しているユーザ(他ユーザ)に向けてスピーカ32,53やディスプレイ52を介して報知させる。これにより、ユーザ(他ユーザ)は、自身が発話した任意の場所について、自身とは別の他ユーザ(ユーザ)が以前に発話した感想やコメントを知ることができる。
【0105】
前記ステップst5において、受信した位置情報が各種情報DB222内に存在しない場合、発話データ内に“場所”に関する発話内容が含まれない場合、発話データ内に“場所”に関する発話内容が含まれるものの“場所”を示す位置情報が各種情報DB222内に存在しない場合、のいずれかが満たされる時(ステップst5のNO)、会話制御手段232は、単にユーザ(他ユーザ)との会話が成立するように、発話データに対応する返答データを生成する。通信制御手段231は、当該返答データを、発話を受けたロボット3または通信端末5に送信する(ステップst7)。
【0106】
前記返信データを受信したロボット3または通信端末5の報知制御手段355,575は、この返答データに基づく返答内容を、ロボット3または通信端末5を利用しているユーザ(他ユーザ)に向けてスピーカ32,53やディスプレイ52を介して報知させる。この場合の返答内容には、自身とは別の他ユーザ(ユーザ)が任意の場所について述べた感想やコメントなどは含まれない。
【0107】
ステップst4~st7の処理は、ステップst4において、現在の位置情報と発話データとをサーバ装置2が受信した場合に行われる。したがって、ステップst4において、現在の位置情報と発話データとをサーバ装置2が受信しない場合は、行われない(ステップst4のNO)。
【0108】
―ゲームに連動した処理―
通信端末5のユーザ(他ユーザ)は、通信端末5を操作してゲームのクエスト要求を入力すると、通信制御手段571は、当該クエスト要求をサーバ装置2に送信する。
【0109】
サーバ装置2の通信制御手段231は、当該クエスト要求を受信すると(ステップst8のYES)、クエストに関するゲームデータを、当該クエスト要求の送信元である通信端末5に送信する(ステップst9)。
【0110】
通信端末5のゲーム実行手段574は、ロボット3を模したプレイヤキャラクタp1をディスプレイ52に表示させつつ、ゲームデータおよびユーザ(他ユーザ)の操作に応じてプレイヤキャラクタp1を動作させてクエストを実行させる。クエストが終了すると、通信端末5の通信制御手段571は、クエスト結果を含むゲーム(クエスト)についての情報を、サーバ装置2に送信する。
【0111】
サーバ装置2の通信制御手段231は、前記ゲーム(クエスト)についての情報を受信すると(ステップst10のYES)、関連付け手段233は、ゲーム(クエスト)についての情報、具体的にはクエストの勝敗やクエストによって得られた経験値などを、ロボット3の識別情報に関連付けて記憶することで、当該情報をロボット3の情報とする処理を行う(ステップst11)。関連付けられた情報は、必要に応じて、ロボット3または通信端末5とユーザ(他ユーザ)との会話の中で利用される。
【0112】
このステップst8~ステップst11の処理は、ステップst8において、サーバ装置2がクエスト要求を受信した場合に行われる。したがって、ステップst8において、サーバ装置2がクエスト要求を受信しない場合は、行われない(ステップst8のNO)。
【0113】
以上をまとめると、本実施形態の情報処理プログラムは、ロボット3および通信端末5の制御部35,57(コンピュータ)を、現実社会における特定の位置に関連する情報であって、ユーザの行動に応じて入力された位置関連入力情報、を受け付ける受付手段354,573として機能させ、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、特定の位置の場所を示す位置情報と位置関連入力情報とを関連付けて記憶部22に記憶させる関連付け手段233として機能させ、ロボット3および通信端末5の制御部35,57(コンピュータ)を、ユーザとは別の他ユーザに向けて、位置関連入力情報をスピーカ32,53およびディスプレイ52の少なくとも1つ(報知部)に報知させる報知制御手段355,575と、として機能させるものである。
【0114】
<発明の効果>
本実施形態によれば、特定の場所に関してユーザが発話した感想やコメントは、位置関連入力情報として、その特定に場所を表す位置情報とともに関連付けられる。その位置関連入力情報は、当該ユーザとは別の他ユーザに向けて報知される。これにより、他ユーザは、ユーザの発話により入力された位置関連入力情報を、ユーザから直接聞かずとも把握することができる。したがって、他ユーザは、ユーザに対する親近感を得ることができる。
【0115】
つまり、本実施形態の情報処理プログラムおよび情報処理システム1は、ユーザおよび他ユーザの間を繋ぐハブとしての機能を有する。このプログラムおよびシステム1をきっかけとして、ユーザおよび他ユーザはコミュニケーションを展開することができる。
【0116】
他ユーザの位置情報が各種情報DB222内の位置情報と一致した場合、各種情報DB222内の当該位置情報に対応する位置関連入力情報は、他ユーザに向けて報知される。つまり、他ユーザが現在いる場所についての感想やコメントを以前に別のユーザが発していた場合、その発話内容が位置関連入力情報として、他ユーザにロボット3や通信端末5を介して伝えられる。これにより、他ユーザは、現在いる場所について、別のユーザが思ったことなどをその場で把握することができる。
【0117】
関連付け手段233は、各種情報DB222内において、位置情報ごとに複数の位置関連入力情報を関連付けることで、位置ごとに、その位置に関する情報を複数収集することができる。
【0118】
位置関連入力情報は、他ユーザ(ユーザ)の移動に伴って自立移動可能なロボット3のスピーカ32から報知される。これにより、他ユーザ(ユーザ)は、位置関連入力情報を、屋内や屋外にかかわらず、様々な場所にて取得することができる。また、ロボット3と他ユーザ(ユーザ)とが一緒に移動し特定の場所を訪れることで、当該他ユーザ(ユーザ)には、その特定の場所に対する印象が強く残る。
【0119】
ユーザ(他ユーザ)とロボット3を模したプレイヤキャラクタp1との間で会話が成立しているように、通信端末5に設けられたディスプレイ52には、プレイヤキャラクタp1が表示され、スピーカ53からは当該プレイヤキャラクタp1の音声が出力される。これにより、ユーザ(他ユーザ)は、通信端末5を介してロボット3と対話しているように感じることができる。
【0120】
ユーザ(他ユーザ)による通信端末5の操作に応じてプレイヤキャラクタp1をゲーム内で動作させた際の、勝敗や経験値などを含むゲームに関する情報は、ロボット3の情報としてロボット3の識別情報に関連付けられる。これにより、ゲームに関する情報は、ロボット3の情報として反映される。この情報が会話材料として利用されることで、ロボット3とユーザ(他ユーザ)との親密度はより高まる。
【0121】
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0122】
前記実施形態では、ロボット3が1つの場合を例示したが、ロボット3は複数台あってもよい。ロボット3は、1つの家庭に複数台あってもよいし、各家庭に1台以上あってもよい。
【0123】
複数のロボット3それぞれは、ロボット3同士で互いに通信可能であってもよい。この場合、ロボット3同士がすれ違った際に、互いに位置関連入力情報の送受信を行うことで、位置関連入力情報を共有することができてもよい。また、一家族のロボット3と他家族のロボット3とが互いに通信可能なように、各ロボット3に他ロボット3の通信設定がなされていてもよい。
【0124】
ロボット3同士が互いに通信可能に接続された場合、ロボット3それぞれを模したプレイヤキャラクタp1同士が、通信端末5で実行されるゲーム内にて対戦や共闘を行うことが可能となってもよい。ゲーム実行手段574は、ゲーム内に仮想的な部屋やギルドを生成し、その部屋やギルドにて当該プレイヤキャラクp1同士が一緒に活動できるように、各プレイヤキャラクタp1を動作させてもよい。このゲーム実行手段574は、各プレイヤキャラクタp1を操作するユーザそれぞれが所有する通信端末5の各制御部57にて機能される。
【0125】
また、ロボット3同士が対戦したり、協力して何らかの目的を達成したりすることができてもよい。この場合、ロボット3の少なくとも1つをユーザ(他ユーザ)が操作可能であってもよいし、ユーザ(他ユーザ)は最初の指令のみで、後はすべてのロボット3が自立して動作する仕様であってもよい。
【0126】
ロボット3を模したプレイヤキャラクタp1がゲーム内で使用するアイテムは、抽選手段(図示せず)により、ユーザの操作に応じて抽選にて選択されたゲーム媒体であって、ユーザの課金によって購入されたゲーム媒体であったりすることができる。
【0127】
ロボット3に対応するプレイヤキャラクタp1の外観、性格、ステータスなどの設定を、ユーザの操作に応じて変更手段(図示せず)が変更可能な仕様であってもよい。
【0128】
前記実施形態では、プレイヤキャラクタp1は、ロボット3を模したキャラクタであると説明した。しかし、プレイヤキャラクタp1は、ロボット3に対応していればよく、ロボット3とは別の外観であってもよい。別の外観としては、ロボット3とは異なるキャラクタ、モンスター、動物などが挙げられる。
【0129】
ロボット3やプレイヤキャラクタp1の態様(見た目、しぐさ、音声、しゃべり方など)は、ユーザから取得した様々な情報を集積した結果や、ロボット3またはプレイヤキャラクタp1の利用時間の累積値などに応じて、変化手段(図示せず)によって変化してもよい。この場合、集積した結果や時間の累積値がどの程度の範囲であれば態様がどのように変化するかが、予め設定されていることが好ましい。なお、情報の集積や時間の計測は、ゲーム実行手段574が行うことができる。
【0130】
前記実施形態では、位置関連入力情報がロボット3のスピーカ32から出力される場合について説明したが、位置関連入力情報の報知方法は、これに限定されない。位置関連入力情報は、ロボット3自体にディスプレイを設け、そのディスプレイにて表示されてもよいし、このディスプレイへの表示とスピーカ32による音声出力との組み合わせにて報知されてもよい。また、ロボット3自体がプロジェクターとして機能できる場合、位置関連入力情報は、壁やスクリーンなどに投影されてもよい。
【0131】
また、ロボット3は、ユーザ(他ユーザ)の移動をナビゲーションする機能を有していてもよい。
【0132】
前記実施形態では、位置関連入力情報の入力方法が、ユーザによる発話である場合を例示した。しかし、入力方法はこれに限定されない。受付手段354,573は、ユーザが手入力した位置関連入力情報を受け付けてもよい。また、情報処理システム1には、ロボット3や通信端末5とは別途、入力専用の入力装置(プロジェクタキーボードなど)が設けられ、その入力装置における受付手段354,573が、位置関連入力情報の入力を、発話や手入力などによって受け付けてもよい。
【0133】
会話制御手段232は、各個人から収集した位置関連入力情報などを含む会話材料の情報に対し、誰が発信元かに応じて利用度に重みをつけ、その利用度に応じて返答データを生成してもよい。例えば、母の発話から収集した位置関連入力情報については、会話材料として利用する回数を減らしたり、逆に増やしたりすることができる。利用度の重みづけは、予め設定されていてもよいし、ユーザの操作に応じて会話制御手段232が設定してもよいし、これまでの会話の内容を基に会話制御手段232が学習により設定してもよい。
【0134】
通信端末5のディスプレイ52におけるプレイヤキャラクタp1の表示画面には、いわゆる拡張実現(AR:Augmented Reality)を駆使して、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示する仕様が採用されてもよい。
【0135】
前記実施形態では、移動体がロボット3であると説明した。しかし、移動体は、ロボットではなく、ぬいぐるみなどであってもよい。
【0136】
また、前記実施形態では、ロボット3が、ユーザ(他ユーザ)による持ち運びや自立歩行により、移動可能な移動体であると例示した。しかし、ロボット3は、家庭に設置され移動できないタイプのものであってもよい。
【0137】
前記実施形態では、ユーザ(他ユーザ)とプレイヤキャラクタp1との間で会話が成立しているように、通信端末5のディスプレイ52にはプレイヤキャラクタp1が表示され、スピーカ53からはプレイヤキャラクタの音声が出力されると説明した。しかし、この処理は必須ではない。また、情報処理システム1は、通信端末5を備えていなくてもよい。
【0138】
前記実施形態では、通信端末5にて、プレイヤキャラクタp1を用いて行われたゲームに関する情報は、ロボット3の識別情報に関連付けられ、当該ロボット3に反映されると説明した。しかし、この処理は必須ではない。
【0139】
前記実施形態では、構成メンバー間で興味や関心事として共通する情報が、構成メンバーの組み合わせに応じてグルーピングされ、構成メンバーに積極的に伝達されると説明したが、これに限定されない。共通する興味や関心事の情報ではないものの、一の構成メンバーが発話した内容が他の構成メンバーの興味や関心事に何らかの関わりのある情報であると会話制御手段232が判断した場合、ロボット3または通信端末5の報知制御手段355,575は、当該内容を、スピーカ32,53やディスプレイ52を介して当該他の構成メンバーに報知させてもよい。
【0140】
一例としては、現在プレイしているゲームのタイトルを弟がロボット3に発話し、その内容がユーザDB221における関心情報に格納され、一方で好きな映画俳優の氏名などを姉がロボット3に発話したとする。会話制御手段232は、その映画俳優が弟のプレイしているゲーム内にてキャラクタとして登場している場合、姉の発話した映画俳優とユーザDB221内における弟のプレイ中のゲームとに関係性があると判断する。報知制御手段355は、「弟のプレイしているゲームに姉の好きな映画俳優のキャラクタが登場している」との情報を、スピーカ32を介して姉に報知させる。
【0141】
前記実施形態では、ロボット3または通信端末5と構成メンバーとの会話が、音声出力によってなされる場合を説明した。しかし、ロボット3または通信端末5と構成メンバーとの会話は、音声出力に代えて、チャットによってなされてもよい。チャットにより会話がなされる場合、定型文が用いられたリ、アドベンチャーゲームの選択肢やしりとりゲームで選択した言葉などが用いられてもよい。
【0142】
前記実施形態では、位置検知手段353,572がユーザ(他ユーザ)の位置情報を検知し、その位置に関連するユーザ(他ユーザ)によって入力された位置関連入力情報と、当該位置情報とが関連付けられると説明した。しかし、位置情報の検知は必須ではない。例えば、ユーザが特定の地点や施設についての噂話を発話した場合、受付手段354,573は、この発話の中から当該地点名や施設名を抽出し、これを位置関連入力情報とする。つまり、ユーザ(他ユーザ)は、発話中の場所に実際に訪れていなくても、現実社会における特定の位置に関連する情報を発話したのみであってもよい。この場合、関連付け手段は、地図情報(図示せず)から、当該地点名の場所を示す位置情報を特定し、その位置情報と位置関連入力情報とを関連付ける。
【0143】
なお、上記の、位置情報および/または位置関連入力情報の特定にあたり、地図情報にかえて/または地図情報に加えてGPS機能が用いられてもよい。
【0144】
また、位置関連入力情報には、地点名や施設名以外にも、位置関連入力情報には、発話された中に含まれる、地点そのものを示唆するキーワードや呼び名、地点のジャンル(グルメ、レジャー施設、チェーン店など)を示唆するキーワーが含まれていてもよい。
【0145】
また、ロボット3または通信端末5とユーザ(他ユーザ)との間では、特定の場所についての会話のやり取りのみが行われてもよい。
【0146】
前記実施形態では、移動体がロボット3であると説明したが、これに限定されない。移動体は、例えば球体であって転がって移動するような、自立移動可能な筐体を備えるものであってもよい。この場合、ユーザ(他ユーザ)がARグラスを介してその移動体を見ると、その移動体の付近またはその移動体に代えてキャラクタが写し出される仕様であってもよい。
【0147】
前記実施形態における位置関連入力情報は、ユーザの発話により入力された感想やコメント以外に、どのユーザ(他ユーザ)がどのような行動を行ったかを表す情報であったり、感想やコメントに加えて当該情報が含んだものであったりしてもよい。例えば、姉が毎週金曜の特定の時間帯に特定の番組Aを自宅で見ている場合、位置関連入力情報「姉が番組Aを視聴する」に、位置情報「自宅」が対応付けられる。これらの情報は、会話材料として利用される。なお、姉がどのような行動を行っているかの把握は、ロボット3または通信端末5の撮像装置(図示せず)を介して姉の様子が撮像され、サーバ装置2の関連付け手段233が、撮像された画像を解析することによって、対象者が「姉」であることと、行動が「番組Aを視聴している」こととを特定することで実現される。
【0148】
また、位置検知手段353,572は必須ではなく、位置関連入力情報の入力方法も発話に限定されない例として、以下が挙げられる。例えば、ユーザAが現実社会における特定のスポット(映画館など)に立ち寄った場合、ロボット3または通信端末5が他のユーザに「ユーザAさんは映画館にいたよ。映画が好きみたいだね」との発話がなされる仕様も、前記実施形態の情報処理プログラムおよび情報処理システム1に含まれる。
【0149】
この場合、受付手段354,573は、ユーザの行動“立ち寄る”に応じて入力された位置関連入力情報「映画館に訪れた」を受け付ける。つまり、位置関連入力情報は、現実社会における特定の位置に関する情報と言える。関連付け手段233は、特定の位置の場所を示す位置情報(つまり、映画館Aの位置)と、前記位置関連入力情報「映画館に訪れた」とを、関連付けて記憶部22の各種情報DB222に記憶させる。報知制御手段355,575は、他ユーザに向けて、位置関連入力情報をスピーカ32,53および/またはディスプレイ52に報知させる。
【0150】
つまり、位置関連入力情報の入力方法には、ユーザの発話のみならず、ユーザがどこを訪れたかや、どのようなしぐさおよび動作(歩く、手をふるなど)をとったかによって自動入力されることも含まれる。ユーザがどこを訪れたかによって位置関連入力情報が自動入力される場合、GPS機能や地図情報などを駆使して訪れた場所の特定がなされることが好ましい。ユーザがどのようなしぐさおよび動作をとったかによって自動入力される場合、ユーザの行動を撮像する撮像装置などの、ユーザの行動を検知可能な機能を駆使して、行動の特定がなされることが好ましい。
【0151】
前記実施形態の本発明における情報処理プログラムは、サーバ装置、ロボットおよび通信端末を一体となって機能させる例が記載されているが、これには限られない。本発明におけるプログラムのすべての手段、すなわち、検知手段、受付手段、関連付け手段、報知制御手段、通信制御手段、表示制御手段、ゲーム実行手段などがが、サーバ装置単体、ロボット単体、通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ロボットおよび通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0152】
また、前記実施形態では、会話制御などを司る人工知能の機能がサーバ装置2に設けられている場合を説明したが、人工知能の機能は、ロボット3または通信端末5に設けられていてもよい。この場合、ロボット3または通信端末5は、発話データをサーバ装置2に送信する必要がなく、ロボット3または通信端末5自身にて、人工知能の機能を用いて会話制御を完結することができる。
【符号の説明】
【0153】
1 情報処理システム
3 ロボット(移動体)
5 通信端末
22,34,56 記憶部
23,35,57 制御部
233 関連付け手段
353,572 位置検知手段(検知手段)
354,573 受付手段
355 報知制御手段(報知制御手段)
571 通信制御手段
574 ゲーム実行手段
575 報知制御手段(報知制御手段、表示制御手段)