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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】取付器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20240802BHJP
   F21V 21/04 20060101ALI20240802BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240802BHJP
【FI】
F21S8/02 420
F21V21/04
F21Y115:10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019207192
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021082421
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 勉
(72)【発明者】
【氏名】胡内 昌章
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-015213(JP,U)
【文献】実開平02-140708(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
F21V 21/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込みボックスに取付対象物を取り付ける取付器具であって、
前記取付対象物を固定する固定部材と、
前記固定部材を保持し、前記埋め込みボックスに取付られる保持部材と
を備え、
前記固定部材は、
前記取付対象物の背面側を覆う上面部と、
前記取付対象物の側面側を覆う側面部と
を有し、
前記上面部は、貫通孔を含み、
前記貫通孔には、前記上面部を前記保持部材に取り付けるビスが配置され、
前記固定部材は、前記取付対象物を固定するソケットを更に有し、
前記ソケットには、前記取付対象物が係合される一対の係合孔が形成され、
前記上面部において、前記貫通孔は、前記一対の係合孔より中央側に位置する、取付器具。
【請求項2】
前記保持部材は、
第1面と、
前記第1面と反対側の第2面と
を有し、
前記保持部材は前記第1面に前記固定部材を保持し、
前記第2面は、前記埋め込みボックスと所定の距離が離れて対向する、請求項1に記載の取付器具。
【請求項3】
前記固定部材は、前記取付対象物として照明器具を固定し、
前記照明器具は光を出射し、
前記固定部材は、前記光を反射する、請求項1又は請求項2に記載の取付器具。
【請求項4】
前記固定部材は端部から外側に突出する鍔部を有し、
前記埋め込みボックスは、本体部と、前記本体部を覆うカバー部とを有し、
前記カバー部には、開口が形成されており、
前記鍔部は前記開口の縁と重なる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の取付器具。
【請求項5】
前記本体部は、前記カバー部が取り付けられる複数の取付部を有し、
前記保持部材は、前記複数の取付部のうち、対角線上に並ぶ取付部に固定される、請求項4に記載の取付器具。
【請求項6】
前記保持部材は、
板状の第1板状部と、
板状の第2板状部と、
前記第1板状部と前記第2板状部とを連絡する連絡部と
を有し、
前記保持部材は、
前記連絡部において、前記固定部材を保持し、
前記第1板状部および前記第2板状部において、前記埋め込みボックスに取付られる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の取付器具。
【請求項7】
前記保持部材は、
板状の第1板状部と、
板状の第2板状部と、
前記第1板状部と前記第2板状部とを連絡する連絡部と
を有し、
前記連絡部は、
板状の第3板状部と、
前記第3板状部と前記第1板状部とを接続する第1接続部と、
前記第3板状部と前記第2板状部とを接続する第2接続部と
を有し、
前記第3板状部は、前記第1板状部および前記第2板状部よりも前記開口から離れた位置に位置する、請求項4または請求項5に記載の取付器具。
【請求項8】
前記固定部材は、前記埋め込みボックスに挿入された配線と電気的に接続する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の取付器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1記載の埋込型照明器具は、アウトレットボックスに取り付けられる。特許文献1に記載の照明器具は、高さ調整ねじによって、照明器具本体部の高さを調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-172334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の埋込型照明器具は、照明器具をコンクリートにネジで固定している。したがって、照明器具の施工が容易では無かった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、容易に取付対象物を施工することができる取付器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する取付器具は、埋め込みボックスに取付対象物を取り付ける。前記取付器具は、固定部材と、保持部材とを備える。前記固定部材は、前記取付対象物を固定する。前記保持部材は、前記固定部材を保持する。前記保持部材は、前記埋め込みボックスに取付られる。前記固定部材は、上面部と、側面部とを有する。前記上面部は、前記取付対象物の背面側を覆う。前記側面部は、前記取付対象物の側面側を覆う。前記上面部は、貫通孔を含む。前記貫通孔には、前記上面部を前記保持部材に取り付けるビスが配置される。前記固定部材は、前記取付対象物を固定するソケットを更に有する。前記ソケットには、前記取付対象物が係合される一対の係合孔が形成される。前記上面部において、前記貫通孔は、前記一対の係合孔より中央側に位置する。
【0007】
本願に開示する取付器具において、前記保持部材は、第1面と、第2面とを有することが好ましい。前記第2面は、前記第1面と反対側であることが好ましい。前記保持部材は前記第1面に前記固定部材を保持することが好ましい。前記第2面は、前記埋め込みボックスと所定の距離が離れて対向することが好ましい。
【0008】
本願に開示する取付器具において、前記固定部材は、前記取付対象物として照明器具を固定することが好ましい。前記照明器具は光を出射することが好ましい。前記固定部材は、前記照明器具の側面側および背面側を覆うことが好ましい。前記固定部材は、前記光を反射することが好ましい。
【0009】
本願に開示する取付器具において、前記固定部材は鍔部を有することが好ましい。前記鍔部は端部から外側に突出することが好ましい。前記埋め込みボックスは、本体部と、カバー部とを有することが好ましい。前記カバー部は、前記本体部を覆うことが好ましい。前記カバー部には、開口が形成されていることが好ましい。前記鍔部は前記開口の縁と重なることが好ましい。
【0010】
本願に開示する取付器具において、前記本体部は、複数の取付部を有することが好ましい。前記複数の取付部には、前記カバー部が取り付けられることが好ましい。前記保持部材は、前記複数の取付部のうち、対角線上に並ぶ取付部に固定されることが好ましい。
【0011】
本願に開示する取付器具において、前記保持部材は、第1板状部と、第2板状部と、連絡部とを有することが好ましい。前記第1板状部は、板状であることが好ましい。前記第2板状部は、板状であることが好ましい。前記連絡部は、前記第1板状部と前記第2板状部とを連絡することが好ましい。前記保持部材は、前記連絡部において、前記固定部材を保持することが好ましい。前記第1板状部および前記第2板状部において、前記埋め込みボックスに取付られることが好ましい。
【0012】
本願に開示する取付器具において、前記保持部材は、第1板状部と、第2板状部と、連絡部とを有することが好ましい。前記第1板状部は、板状であることが好ましい。前記第2板状部は、板状であることが好ましい。前記連絡部は、前記第1板状部と前記第2板状部とを連絡することが好ましい。前記連絡部は、第3板状部と、第1接続部と、第2接続部とを有することが好ましい。前記第3板状部は、板状であることが好ましい。前記第1接続部は、前記第3板状部と前記第1板状部とを接続することが好ましい。前記第2接続部は、前記第3板状部と前記第2板状部とを接続することが好ましい。前記第3板状部は、前記第1板状部および前記第2板状部よりも前記開口から離れた位置に位置することが好ましい。
【0013】
本願に開示する取付器具において、前記固定部材は、前記埋め込みボックスに挿入された配線と電気的に接続することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る取付器具によれば、容易に取付対象物を施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)および(b)は、本発明の実施形態に係る埋め込みボックスと照明器具とを示す模式的な斜視図である。
図2】(a)は、本発明の実施形態に係る埋め込みボックスと取付器具とを示す底面図である。(b)は、本発明の実施形態に係る埋め込みボックスと照明器具とを示す側面図である。
図3図2(a)のIII-III線に沿った埋め込みボックス、照明器具および取付器具の断面図である。
図4】(a)は、保持部材の上面図である。(b)は、図4(a)のIVB-IVB線に沿った保持部材の断面図である。
図5】(a)は、ケースの上面図である。(b)は、図5(a)のVB-VB線に沿ったケースの断面図である。
図6】埋め込みボックス、照明器具および取付器具の断面図である。
図7】(a)は、ケースの上面図である。(b)は、図7(a)のVIIB-VIIB線に沿ったケースの断面図である。
図8】埋め込みボックス、取付器具および照明器具の断面図である。
図9】埋め込みボックス、取付器具および照明器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図中、理解の容易のため、三次元直交座標系のX軸、Y軸、およびZ軸を適宜記載している。X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。Z軸の正方向は鉛直上方向を示し、Z軸の負方向は鉛直下方向を示す。
【0017】
図1(a)および図1(b)を参照して、本発明の実施形態に係る埋め込みボックス100と照明器具200について説明する。図1(a)および図1(b)は、本発明の実施形態に係る埋め込みボックス100と照明器具200とを示す模式的な斜視図である。図1(a)は、斜め下方から見た埋め込みボックス100と照明器具200を示す。図1(b)は、斜め上方から見た埋め込みボックス100と照明器具200を示す。なお、図1(b)では、照明器具200は隠れており見えていない。
【0018】
図1(a)および図1(b)に示すように、埋め込みボックス100は、本体部110と、カバー部120とを有する。埋め込みボックス100は、例えば、天井または壁に埋め込まれて使用される。埋め込みボックス100は、例えば、アウトレットボックスである。埋め込みボックス100は、例えば、金属製である。埋め込みボックス100は、中空の箱状である。
【0019】
本体部110は、上面111と、側面112aと、側面112bと、側面112cと、側面112dとを有する。本体部110は、下方(-Z側)が開口している。
【0020】
上面111には、貫通孔1112が形成される。貫通孔1112は、上面111の中央に形成される。貫通孔1112は、埋め込みボックス100を天井裏に埋め込む場合、天井裏から延びる吊りボルトを通すための孔である。
【0021】
側面112aには、パイプP1を取り付けるための貫通孔1122が形成されている。また、側面112cには、パイプP2を取り付けるための貫通孔1122が形成されている。パイプP(パイプP1およびパイプP2)には、配線が通る。
【0022】
カバー部120は、本体部110を覆う。カバー部120は、埋め込みボックス100の下面を構成する。本実施形態では、カバー部120の形状は、角が丸みをおびた四角形である。なお、カバー部120の形状は、角が丸みをおびた四角形に限らない。例えば、カバー部120の形状は、円形または直角四角形でもよい。カバー部120には、開口121が形成されている。本実施形態では、開口121は、円形である。なお、開口121の形状は、円形に限らない。例えば、開口121は、四角形でもよい。
【0023】
照明器具200は、例えば、ダウンライトである。照明器具200は、例えば、LED(Light Emitting Diode)ランプである。照明器具200は、光を出射する。照明器具200は、埋め込みボックス100に取り付けられる。なお、照明器具200は、「取付対象物」の一例に相当する。本実施形態では、照明器具200は、埋め込みボックス100に内蔵される。照明器具200の径は、開口121の径よりも小さい。照明器具200は、埋め込みボックス100に着脱可能である。
【0024】
図2(a)および図2(b)を参照して、本発明の実施形態に係る埋め込みボックス100と取付器具300について説明する。図2(a)は、本発明の実施形態に係る埋め込みボックス100と取付器具300とを示す底面図である。図2(b)は、本発明の実施形態に係る埋め込みボックス100と照明器具200とを示す側面図である。図2(a)では、照明器具200を取り外した状態を示している。
【0025】
図2(a)に示すように、本体部110は、複数の取付部114をさらに有する。複数の取付部114は、取付部114aと、取付部114bと、取付部114cと、取付部114dとを含む。取付部114aと取付部114bとは、側面112dの下端から埋め込みボックス100の内側に向けて突出する。取付部114cと取付部114dとは、側面112bの下端から埋め込みボックス100の内側に向けて突出する。
【0026】
複数の取付部114は、本体部110の下端の4隅に設けられている。詳しくは、取付部114aは、X軸方向において、側面112dの中央よりも-X方向側に設けられている。取付部114bは、X軸方向において、側面112dの中央よりも+X方向側に設けられている。取付部114cは、X軸方向において、側面112bの中央よりも+X方向側に設けられている。取付部114dは、X軸方向において、側面112bの中央よりも-X方向側に設けられている。複数の取付部114の各々には、ネジ孔1142が形成される。複数の取付部114には、カバー部120が取り付けられる。
【0027】
カバー部120には、複数の係合孔122が形成されている。複数の係合孔122の各々は、丸孔部1221と、長孔部1222とを有する。丸孔部1221と長孔部1222とは連続している。丸孔部1221の径は、ビスB1の頭部の径よりも大きい。一方、長孔部1222の幅は、ビスB1の頭部の径よりも小さく、ビスB1の軸部の径よりも大きい。したがって、長孔部1222の位置において、ビスB1をネジ孔1142に固定することによって、カバー部120は、本体部110に固定される。また、ビスB1の位置が丸孔部1221になるように、カバー部120を回転させることによって、カバー部120を本体部110から容易に取り外すことができる。
【0028】
取付器具300は、埋め込みボックス100に照明器具200を取り付ける。取付器具300は、保持部材310と、固定部材315とを有する。
【0029】
保持部材310は、固定部材315を保持する。保持部材310は、埋め込みボックス100に取り付けられる。保持部材310は、例えば、金属製である。保持部材310は、例えば、細長い板金を折り曲げ加工することによって作成される。保持部材310は、複数の取付部114のうち、対角線上に並ぶ取付部114に固定される。本実施形態では、保持部材310は、取付部114aと、取付部114cに取り付けられている。なお、保持部材310は、取付部114bと、取付部114dに取り付けてもよい。保持部材310が対角線上に並ぶ取付部114に固定されることによって、パイプPを埋め込みボックス100に取り付けた際に、保持部材310がパイプPの埋め込みボックス100内に突出している部分と干渉することを抑制することができる。
【0030】
固定部材315は、照明器具200を固定する。固定部材315は、ケース320とソケット330とを有する。
【0031】
ケース320は、2つのビスB3によって、保持部材310に取り付けられる。
【0032】
ソケット330は、4つのビスB4によって、ケース320に取り付けられる。ソケット330には、一対の係合孔332が形成されている。ソケット330は、照明器具200を固定する。詳しくは、係合孔332に照明器具200が係合されることによって、照明器具200はソケット330に取り付けられる。ソケット330は、埋め込みボックス100に挿入された配線と電気的に接続する。ソケット330は、接点を有する。接点は、配線に電気的に接続する。したがって、照明器具200をソケット330に取り付けた際に、照明器具200の端子が接点に電気的に接続される。
【0033】
図3を参照して、本発明の実施形態に係る取付器具300についてさらに説明する。図3は、図2(a)のIII-III線に沿った埋め込みボックス100、照明器具200および取付器具300の断面図である。
【0034】
図3に示すように、照明器具200は、天井CLに取り付けられる。本実施形態では、天井CLはコンクリートCで形成されている。埋め込みボックス100およびパイプPは、天井CLに埋め込まれている。すなわち、埋め込みボックス100およびパイプPは、コンクリートCで囲まれている。吊りボルトBは、埋め込みボックス100を固定する。
【0035】
保持部材310は、第1面310aと、第2面310bとを有する。第2面310bは、第1面310aと反対側である。第1面310aは、-Z方向(下側)を向いている。第2面310bは、+Z方向(上側)を向いている。保持部材310は、第1面310aに固定部材315を保持する。詳しくは、保持部材310は、第1面310aにケース320を保持する。第2面310bは、埋め込みボックス100と所定の距離が離れて対向している。したがって、吊りボルトBと保持部材310との距離を離すことができる。その結果、照明器具200およびソケット330が吊りボルトBと干渉することを抑制することができる。さらに、第2面310b側(例えば、上側)には、空間Sが形成される。その結果、外部配線CB1および内部配線CB2を設ける空間を確保することができる。外部配線CB1は、外部電源(図示せず)に接続される配線である。内部配線CB2は、ソケット330に接続している配線である。外部配線CB1と内部配線CB2とは、接続部CNを介して接続されている。接続部CNは、例えば、コネクタである。また、保持部材310の高さを適正な寸法に設定することによって、照明器具200の下面と天井面とを、ほぼ面一になるように施工することができる。また、保持部材310の高さを適正な寸法に設定することによって、照明器具200の交換が容易になるように、照明器具200の位置を設定することができる。
【0036】
ケース320は、照明器具200の側面側および背面側と覆う。ケース320は、照明器具200が出射した光を反射する。したがって、照明器具200の光効率を向上させることができる。
【0037】
次に、図2(a)、図2(b)および図3を参照して、照明器具200の施工方法について説明する。
【0038】
まず、ケース320に保持部材310を取り付ける。詳しくは、ビスB2およびビスB3によって、ケース320を保持部材310に取り付ける。ビスB2は、保持部材310とケース320との中心位置の位置合わせに使用されることが好ましい。
【0039】
次に、ケース320にソケット330を取り付ける。詳しくは、ビスB4によって、ケース320にソケット330を取り付ける。
【0040】
次に、保持部材310およびカバー部120を取付部114に取り付ける。詳しくは、ビスB1によって、保持部材310およびカバー部120を取付部114aおよび取付部114cに取り付ける。また、カバー部120はビスB1によって、取付部114bおよび取付部114dにも取付られる。したがって、ケース320およびソケット330は、保持部材310を介して埋め込みボックス100に取り付けられる。
【0041】
次に、吊りボルトBに埋め込みボックス100を取り付ける。詳しくは、吊りボルトBを埋め込みボックス100の貫通孔1112に通過させる。そして、貫通孔1112を通過した吊りボルトBの先端にナットNが螺合されることによって、埋め込みボックス100が吊りボルトBに固定される。
【0042】
次に、外部配線CB1と内部配線CB2とを接続部CNにおいて接続する。したがって、外部電源から供給された外部電力がソケット330に供給される。
【0043】
次に、埋め込みボックス100の周囲にコンクリートを充填し、埋め込みボックス100の周囲をコンクリートで固める。このとき、コンクリートは、カバー部120の開口121の縁部近傍まで充填し、カバー部120における開口121を除くほとんどの部分を覆う。この結果、埋め込みボックス100は、天井CLの裏に固定され取り出せなくなる。
【0044】
次に、ソケット330に照明器具200を取り付ける。その結果、照明器具200の施工が完了する。
【0045】
このように、保持部材310を介して、照明器具200はコンクリート製の天井CLの裏に取り付けられる。したがって、コンクリートにネジを打つことなく、コンクリート製の天井CLに照明器具200を容易に取り付けることができる。
【0046】
図4(a)および図4(b)を参照して、本発明の実施形態に係る保持部材310についてさらに説明する。図4(a)は、保持部材310の上面図である。図4(b)は、図4(a)のIVB-IVB線に沿った保持部材310の断面図である。
【0047】
図4(a)および図4(b)に示すように、保持部材310は、第1板状部311と、第2板状部312と、連絡部313とを有する。
【0048】
第1板状部311は、例えば、板状である。第1板状部311は、例えば、平坦状である。第1板状部311には、貫通孔3112が形成されている。
【0049】
第2板状部312は、例えば、板状である。第2板状部312は、例えば、平坦状である。第2板状部312には、貫通孔3122が形成されている。
【0050】
連絡部313は、第1板状部311と第2板状部312とを連絡する。連絡部313は、第3板状部313aと、第1接続部313bと、第2接続部313cとを有する。
【0051】
第3板状部313aは、例えば、板状である。第3板状部313aは、例えば、平坦状である。第3板状部313aには、貫通孔3132と、一対の貫通孔3134とが形成されている。貫通孔3132は、第3板状部313aの略中央に形成されている。一対の貫通孔3134は、貫通孔3132から等間隔をあけて互いに対向するように形成されている。貫通孔3132は、ビスB2(図2および図3)を固定するための孔である。一対の貫通孔3134は、ビスB3(図2および図3)を固定するための孔である。
【0052】
第1接続部313bは、例えば、板状である。第1接続部313bは、第3板状部313aと第1板状部311とを接続する。
【0053】
第2接続部313cは、例えば、板状である。第2接続部313cは、第3板状部313aと第2板状部312とを接続する。
【0054】
保持部材310は、連絡部313において、固定部材315を保持する。詳しくは、保持部材310は、連絡部313において、ケース320を保持する。また、保持部材310は、第1板状部311および第2板状部312において、埋め込みボックス100に取り付けられる。
【0055】
第3板状部313aは、第1板状部311および第2板状部312よりも開口121から離れた位置に位置する(図3)。
【0056】
図5(a)および図5(b)を参照して、本発明の実施形態に係るケース320についてさらに説明する。図5(a)は、ケース320の上面図である。図5(b)は、図5(a)のVB-VB線に沿ったケース320の断面図である。
【0057】
図5(a)および図5(b)に示すように、ケース320は、第1上面部321と、接続部322と、第2上面部323と、側面部324とを有する。ケース320は、金属製である。ケース320は、下方が開放した略円筒状の形状を有する。ケース320の内面は、照明器具200が出射した光を効率よく反射するために、白色塗装、銀色塗装、または光沢のある金属メッキなどの反射加工が施されていることが好ましい。なお、ケース320は、樹脂製であってもよい。
【0058】
第1上面部321は、例えば、円板状である。第1上面部321は、例えば、平坦状である。第1上面部321には、貫通孔3212、4つの貫通孔(貫通孔3214a、貫通孔3214b、貫通孔3214cおよび貫通孔3214d)が形成されている。貫通孔3212は、第1上面部321の略中央に形成されている。貫通孔3214a~貫通孔3214dは、貫通孔3212から等間隔をあけて形成されている。貫通孔3212は、ビスB2(図2および図3)を固定するための孔である。貫通孔3214a~貫通孔3214dは、ビスB3(図2および図3)を固定するための孔である。
【0059】
第2上面部323は、例えば、円環状である。第2上面部323は、例えば、平坦状である。第2上面部323には、貫通孔3232、貫通孔3234a、貫通孔3234b、貫通孔3234cおよび貫通孔3234dが形成されている。貫通孔3232は、内部配線CB2(図3)を通すための孔である。貫通孔3234a、貫通孔3234b、貫通孔3234cおよび貫通孔3234dは、ビスB4(図2)を固定するための孔である。
【0060】
接続部322は、第1上面部321と第2上面部323とを接続する。側面部324は、第2上面部323に接続する。
【0061】
以上、図1図5を参照して説明したように、取付器具300は、固定部材315(ケース320およびソケット330)と、保持部材310とを備える。固定部材315は、取付対象物(照明器具200)を固定する。保持部材310は、固定部材315を保持する。保持部材310は、埋め込みボックス100に取り付けられる。したがって、保持部材310と固定部材315とを介して取付対象物は、埋め込みボックス100に取り付けられる。その結果、容易に取付対象物を施工することができる。例えば、コンクリート製の天井CLに照明器具200を取り付ける場合、コンクリートにネジを打つことなく、コンクリート製の天井CLに照明器具200を容易に取り付けることができる。
【0062】
また、埋め込みボックス100に照明器具200を取り付けることによって、照明器具200が天井から突出することを抑制することができる。
【0063】
また、保持部材310は、第1面310aに固定部材315を保持する。第2面310bは、埋め込みボックス100と所定の距離が離れて対向する。したがって、保持部材310と吊りボルトBとの距離を離すことができる。その結果、照明器具200およびソケット330が吊りボルトBと干渉することを抑制することができる。さらに、第2面310b側(例えば、上側)には、空間Sが形成される。その結果、配線CBを設ける空間を確保することができる。また、保持部材310の高さを適正な寸法に設定することによって、照明器具200の下面と天井面とを、ほぼ面一になるように施工することができる。また、保持部材310の高さを適正な寸法に設定することによって、照明器具200の交換が容易になるように、照明器具200の位置を設定することができる。
【0064】
固定部材315は、照明器具200の側面側および背面側を覆う。固定部材315は、照明器具200からの光を反射する。したがって、照明器具200の光効率を向上させることができる。
【0065】
なお、ケース320は、鍔部325を有することが好ましい。
【0066】
図6図7(a)および図7(b)を参照して、本発明の実施形態に係る取付器具300について説明する。図6は、埋め込みボックス100、照明器具200および取付器具300の断面図である。図7(a)は、ケース320の上面図である。図7(b)は、図7(a)のVIIB-VIIB線に沿ったケース320の断面図である。
【0067】
本発明の実施形態に係る取付器具300は、ケース320が鍔部325を有する点を除いて、図1図5を参照して説明した取付器具300と同様な構成を有するため、重複部分については説明を省略する。
【0068】
図6図7(a)および図7(b)に示すように、ケース320は、鍔部325を有する。鍔部325は、ケース320(固定部材315)の端部から外側に突出している。カバー部120の開口121の縁は、鍔部325と重なる。したがって、鍔部325によって、開口121の縁を覆い隠すことができる。その結果、開口121の縁の形状が凸凹していた場合であっても、凸凹した部分を隠すことができ、美観が低下することを抑制することができる。例えば、カバー部120の開口121の部分に器具を取り付けるためのリブ(突起)が形成されている場合がある。リブが不要である場合、照明器具200を施工する際に、作業者がリブを切断する。リブが切断された部分は、リブが設けられていない部分に比べて鋭くなり、美観が低下する可能性がある。しかしながら、鍔部325によって、リブが切断された部分を覆い隠すことができる。
【0069】
また、埋め込みボックス100のカバー部120は金属製である。したがって、カバー部120の開口121の寸法は比較的精度良く形成される。その結果、鍔部325の突出する部分の寸法を比較的小さくすることができる。
【0070】
なお、取付器具300は、天井吊り下げ灯にも適用可能である。
【0071】
図8を参照して、本発明の実施形態に係る取付器具300について説明する。図8は、埋め込みボックス100、取付器具300および照明器具400の断面図である。図1図5を参照して説明した取付器具300との重複部分については説明を省略する。
【0072】
図8に示すように、照明器具400は、天井吊り下げ灯である。照明器具400は、アダプタ420と、電源コード430と、セード440と、光源450とを備える。
【0073】
本実施形態では、取付対象物は、照明器具取付具410である。すなわち、取付器具300は、埋め込みボックス100に照明器具取付具410を取り付ける。照明器具取付具410は、照明器具400を取り付けるための部材である。照明器具取付具410は、例えば、引っ掛けローゼットまたは引っ掛けシーリングである。
【0074】
照明器具取付具410には、アダプタ420が取り付けられる。照明器具取付具410にアダプタ420が取り付けられることによって、外部配線CB1と内部配線CB2から供給された電力が電源コード430を介して光源450に供給される。光源450は、光を出射する。
【0075】
なお、取付器具300は、シーリングライト(天井直付け灯)にも適用可能である。
【0076】
図9を参照して、本発明の実施形態に係る取付器具300について説明する。図9は、埋め込みボックス100、取付器具300および照明器具500の断面図である。図1図5を参照して説明した取付器具300との重複部分については説明を省略する。
【0077】
図9に示すように、照明器具500は、シーリングライトである。
【0078】
照明器具500は、電源ユニット510と、光源520と、セード530とを備える。電源ユニット510は、光源520に電力を供給する。光源520は、光を出射する。
【0079】
本実施形態では、取付対象物は、電源ユニット510である。すなわち、取付器具300は、埋め込みボックス100に電源ユニット510を取り付ける。したがって、電源ユニット510を天井CLの裏におさめる事ができる。その結果、天井CLから突出する部分を薄くすることができる。
【0080】
以上、図面(図1図9)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(2))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0081】
(1)本発明の実施形態では、埋め込みボックス100の周囲はコンクリートで固められていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、埋め込みボックス100の周囲はコンクリートで固められていなくてもよい。
【0082】
(2)本発明の実施形態では、埋め込みボックス100は天井裏に埋め込まれていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、埋め込みボックス100は、床または壁に埋め込まれていてもよい。
【符号の説明】
【0083】
100 埋め込みボックス
110 本体部
114、114a、114b、114c、114d 取付部
120 カバー部
121 開口
200 照明器具(取付対象物)
300 取付器具
310 保持部材
310a 第1面
310b 第2面
311 第1板状部
312 第2板状部
313 連絡部
313a 第3板状部
313b 第1接続部
313c 第2接続部
315 固定部材
325 鍔部
410 照明器具取付具(取付対象物)
510 電源ユニット(取付対象物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9