(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/48 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
H01L23/48 J
(21)【出願番号】P 2020045603
(22)【出願日】2020-03-16
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 克哉
(72)【発明者】
【氏名】山口 翔
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0036078(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードフレームの第1部分に半導体チップを固定する工程と、
前記半導体チップの第1端子及び第2端子、並びに、前記リードフレームの第2部分及び第3部分に、一つのコネクタ部材を接合する工程と、
前記半導体チップ、並びに、前記コネクタ部材における前記第1端子との接合部、前記第2端子との接合部、前記第2部分との接合部、及び前記第3部分との接合部を覆い、前記コネクタ部材の一部、及び前記リードフレームの一部を露出させる封止部材を形成する工程と、
前記コネクタ部材における前記封止部材から露出した部分の少なくとも一部を除去することにより、前記コネクタ部材における前記第1端子及び前記第2部分に接合された第1導電部分と、前記コネクタ部材における前記第2端子及び前記第3部分に接合された第2導電部分とを分離する工程と、
を備え
、
前記コネクタ部材を接合する工程において、前記コネクタ部材は、前記リードフレームにおいて前記第2部分と前記第3部分との間に位置する第4部分と一の方向において接している、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記コネクタ部材を接合する工程は、
前記第1端子と前記コネクタ部材との間、前記第2部分と前記コネクタ部材との間、前記第2端子と前記コネクタ部材との間、前記第3部分と前記コネクタ部材との間に、それぞれ半田を配置する工程と、
リフロー炉内で前記半田を加熱する工程と、
を有する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記コネクタ部材を接合する工程において、前記コネクタ部材と前記第4部分とは、係合している請求項
1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記コネクタ部材を接合する工程において、前記コネクタ部材は、前記第4部分に設けられた段差に配置されることにより、前記第4部分と係合している請求項
3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記コネクタ部材を接合する工程において、前記第4部分は、前記コネクタ部材に設けられた一対の段差の間に配置されることにより、前記コネクタ部材と係合している請求項
3または
4に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体装置において、半導体チップを外部の配線に容易に接続できるように、ダイパッド上に半導体チップを設け、半導体チップにおける2つの端子とこれらに対応する2つのリードフレームとの間をそれぞれ導電部材で電気的に接続する構造が知られている。このような半導体装置においては、2つの導電部材が近接した状態で接合される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、2つの導電部材が近接することを抑制できる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置の製造方法は、リードフレームの第1部分に半導体チップを固定する工程と、前記半導体チップの第1端子及び第2端子、並びに、前記リードフレームの第2部分及び第3部分に、一つのコネクタ部材を接合する工程と、前記半導体チップ、並びに、前記コネクタ部材における前記第1端子との接合部、前記第2端子との接合部、前記第2部分との接合部、及び前記第3部分との接合部を覆い、前記コネクタ部材の一部、及び前記リードフレームの一部を露出させる封止部材を形成する工程と、前記コネクタ部材における前記封止部材から露出した部分の少なくとも一部を除去することにより、前記コネクタ部材における前記第1端子及び前記第2部分に接合された第1導電部分と、前記コネクタ部材における前記第2端子及び前記第3部分に接合された第2導電部分とを分離する工程と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。
【
図2】第1の実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
【
図4】第1の実施形態に係る半導体装置の製造時に用いられる複数のリードフレームを示す上面図である。
【
図5】一つのリードフレーム及びその周辺を拡大して示す上面図である。
【
図6】一つのリードフレーム及びその周辺を示す斜視図である。
【
図7】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図である。
【
図8】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図である。
【
図9】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図である。
【
図10】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法における中間体を示す斜視図である。
【
図13】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図である。
【
図14】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図である。
【
図15】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図である。
【
図16】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法における一つのリードフレーム及びその周辺を示す斜視図である。
【
図17】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法における中間体を示す斜視図である。
【
図20】第2の実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
【
図22】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法における一つのリードフレーム及びその周辺を示す斜視図である。
【
図23】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法における中間体を示す斜視図である。
【
図26】第3の実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<第1の実施形態>
先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る半導体装置を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
図3は、
図2のA-A’線における断面図である。
本実施形態に係る半導体装置100は、
図1を参照して概説すると、第1リードフレーム110と、第2リードフレーム120と、第3リードフレーム130と、半導体チップ140と、第1導電部材150と、第2導電部材160と、封止部材170と、を備える。なお、一部の図において、半導体装置100の内部構造をわかりやすくするために、封止部材170は2点鎖線で示している。
【0008】
以下、半導体装置100の各部について詳述する。以下の説明では、XYZ直交座標系を用いる。
図1~
図3に示すように、第1リードフレーム110における本体部111から半導体チップ140に向かう方向を「Z方向」又は「上方向」という。上方向の反対方向を「下方向」という。
図2に示すように、Z方向と直交し、かつ、上面視で本体部111から第2リードフレームに向かう方向を「X方向」という。Z方向及びX方向と直交し、第3リードフレーム130から第2リードフレーム120に向かう方向を「Y方向」という。
【0009】
第1リードフレーム110は、銅等の導電性材料からなる。
図1及び
図2に示すように、第1リードフレーム110は、本体部111と、突出部112と、を有する。
【0010】
本体部111は、例えばダイパッドである。本体部111の形状は、板状である。本体部111の表面は、上面111aと、上面111aの反対側に位置する下面111bと、上面111aと下面111bとの間に位置する側面111cと、を含む。上面111a及び下面111bはX方向及びY方向に平行である。
【0011】
突出部112は、
図2に示すように、上面視において本体部111からX方向に突出しており、第2リードフレーム120と第3リードフレーム130との間に位置する。
図3に示すように、突出部112は、第1延伸部112aと、第2延伸部112bと、を有する。
【0012】
第1延伸部112aは、本体部111に接続されている。第1延伸部112aは、X方向に向かうにつれて上方向に向かうように、Z方向及びX方向に対して傾斜した方向に沿って延びている。第2延伸部112bは、第1延伸部112aに接続されており、第1延伸部112aからX方向に沿って延びている。第2延伸部112bの上面112cは、X方向及びY方向に平行である。ただし、第1リードフレーム110に突出部112は設けられていなくてもよい。
【0013】
第2リードフレーム120は、銅等の導電性材料からなる。
図1に示すように、第2リードフレーム120は、第1リードフレーム110と離隔している。本実施形態では、第2リードフレーム120は、平板部121と、第1延伸部122と、第2延伸部123と、第3延伸部124と、を有する。
【0014】
平板部121は、本体部111の上面111aよりも上方に位置する。また、
図2に示すように、上面視において平板部121は、本体部111からX方向に離隔している。
図3に示すように、平板部121の上面121aは、X方向及びY方向に平行である。
【0015】
第1延伸部122は、平板部121に接続されており、平板部121からX方向に沿って延びている。第1延伸部122は、平板部121よりも上方に突出している。そのため、平板部121と第1延伸部122との間には、上方向に起立する段差125が形成されている。第2延伸部123は、第1延伸部122に接続されている。第2延伸部123は、X方向に向かうにつれて下方向に向かうように、X方向及びZ方向に対して傾斜した方向に沿って延びている。第3延伸部124は、第2延伸部123に接続されており、X方向に沿って延びている。
【0016】
第3リードフレーム130は、銅等の導電性材料からなる。
図1に示すように、第3リードフレーム
130は、第1リードフレーム110から離隔している。また、第2リードフレーム120及び第3リードフレーム130は、Y方向に配列されており、Y方向において互いに離隔している。本実施形態では、第3リードフレーム130は、平板部131と、第1延伸部132と、第2延伸部133と、第3延伸部134と、を有する。
【0017】
平板部131は、本体部111の上面111aよりも上方に位置する。
図2に示すように、上面視において平板部131は、本体部111からX方向に離隔している。
図1に示すように、平板部131の上面131aは、X方向及びY方向に平行である。Z方向において、上面131aは、第2リードフレーム120の平板部121の上面121aと概ね同じ位置に位置する。
【0018】
第1延伸部132は、平板部131に接続されており、平板部131からX方向に平行に延びている。第1延伸部132は、平板部131よりも上方に突出している。そのため、平板部131と第1延伸部132との間には、上方向に起立する段差135が形成されている。第2延伸部133は、第1延伸部132に接続されている。第2延伸部133は、X方向に向かうにつれ下方向に向かうように、X方向及びZ方向に対して傾斜した方向に沿って延びている。第3延伸部134は、第2延伸部133に接続されており、X方向に沿って延びている。
【0019】
半導体チップ140は、本実施形態では、MOSFET (Metal-Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。半導体チップ140は、第1リードフレーム110の本体部111上に配置されている。半導体チップ140と本体部111との間には、半田等の導電性の接合部材181が設けられており、半導体チップ140と本体部111とが接合部材181により接合されている。半導体チップ140は、第1端子141と、第2端子142と、第3端子143と、を有する。
【0020】
第1端子141は、半導体チップ140の上面に設けられている。第1端子141は、本実施形態ではゲート電極に相当する。第2端子142は、半導体チップ140の上面に設けられている。第2端子142は、本実施形態ではソース電極に相当する。第1端子141及び第2端子142は、例えばY方向に配列されている。
【0021】
第3端子143は、半導体チップ140の下面に設けられている。第3端子143は、本実施形態ではドレイン電極に相当する。
図3に示すように、第3端子143は、接合部材181を介して第1リードフレーム110に電気的に接続されている。
【0022】
ただし、半導体チップ140は、MOSFETではなく、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等であってもよい。例えば半導体チップ140がIGBTである場合、第1端子141はゲート電極に相当し、第2端子142はエミッタ電極に相当し、第3端子143はコレクタ電極に相当する。
【0023】
第1導電部材150は、
図1に示すように、半導体チップ140における第1端子141と第2リードフレーム120とを電気的に接続する。第1導電部材150は、銅等の導電性材料からなる。第1導電部材150は、第1部分151と、第2部分152と、第3部分153と、第4部分154と、を有する。
【0024】
第1部分151は、第1端子141上に配置されている。第1部分151と第1端子141との間には、半田等の導電性の接合部材182が配置されており、第1部分151と第1端子141とが接合部材182により接合されている。
【0025】
第2部分152は、第2リードフレーム120における平板部121上に設けられている。したがって、第2部分152は、第1部分151よりも上方に位置する。第2部分152と平板部121との間には、半田等の導電性の接合部材183が配置されており、第2部分152と平板部121とが接合部材183により接合されている。第2部分152の形状は、板状である。
【0026】
第3部分153は、第1部分151と第2部分152とを接続している。第3部分153は、X方向及びZ方向に対して傾斜する方向に沿って延びている。
【0027】
第4部分154は、第2部分152に接続されており、第2部分152からX方向に沿って延びている。
図2に示すように、上面視において第4部分154は、第2リードフレーム120の第1延伸部122と突出部112との間に位置する。
【0028】
図3に示すように、本実施形態では、第1導電部材150において接合部材183に対向する面(第2部分152及び第4部分154の下面155)は、X方向及びY方向に平行である。Z方向において、下面155は、第2リードフレーム120の平板部121の上面121aよりも若干上方に位置し、突出部112の上面112cと概ね同じ位置に位置する。ただし、第1導電部材150の具体的な形状は、上記に限定されない。
【0029】
第2導電部材160は、
図1に示すように、半導体チップ140における第2端子142と第3リードフレーム130とを電気的に接続する。第2導電部材160は、銅等の導電性材料からなる。第1導電部材150及び第2導電部材160は、Y方向に配列されており、Y方向において互いに離隔している。第2導電部材160は、第1部分161と、第2部分162と、第3部分163と、第4部分164と、を有する。
【0030】
第1部分161は、第2端子142上に配置されている。第1部分161と第2端子142との間には、半田等の導電性の接合部材184が配置されており、第1部分161と第2端子142とが接合部材184により接合されている。
【0031】
第2部分162は、第3リードフレーム130における平板部131上に設けられている。そのため、第2部分162は、第1部分161よりも上方に位置する。第2部分162と平板部131との間には、半田等の導電性の接合部材185が配置されており、第2部分162と平板部131とが接合部材185により接合されている。第2部分162の形状は、板状である。
【0032】
第3部分163は、第1部分161と第2部分162とを接続している。第3部分163は、X方向及びZ方向に対して傾斜する方向に沿って延びている。
【0033】
第4部分164は、第2部分162に接続されており、第2部分162からX方向に沿って延びている。
図2に示すように、上面視において第4部分164は、第3リードフレーム130の第1延伸部132と突出部112との間に位置する。
【0034】
封止部材170は、樹脂材料からなる。封止部材170の形状は、
図1に示すように、本実施形態では直方体である。ただし、封止部材170の形状は上記に限定されない。
【0035】
封止部材170は、第1リードフレーム110と半導体チップ140との接合部、第1端子141と第1導電部材150との接合部、第1導電部材150と第2リードフレーム120との接合部、第2端子142と第2導電部材160との接合部、及び、第2導電部材160と第3リードフレーム130との接合部を封止している。具体的には、
図1~
図3に示すように、封止部材170は、第1リードフレーム110における本体部111の上面111a及び側面11
1c、並びに、突出部112の第1延伸部112a及び第2延伸部112bの一の部分を覆っている。また、封止部材170は、第2リードフレーム120における平板部121及び第1延伸部122の一の部分を覆っている。また、封止部材170は、第3リードフレーム130における平板部131及び第1延伸部132の一の部分を覆っている。
【0036】
封止部材170は、第1リードフレーム110の一部、第2リードフレーム120の一部、及び第3リードフレーム130の一部を露出させる。具体的には、
図2及び
図3に示すように、封止部材170は、第1リードフレーム110における本体部111の下面111b及び突出部112の第2延伸部112bの他の部分を露出させる。また、封止部材170は、第2リードフレーム120における第1延伸部122の他の部分、第2延伸部123及び第3延伸部124を露出させる。また、封止部材170は、第3リードフレーム130における第1延伸部132の他の部分、第2延伸部133及び第3延伸部134を露出させる。半導体装置100の使用時においては、本体部111の下面111b、第2リードフレーム120における第3延伸部124、及び第3リードフレーム130における第3延伸部134が外部の配線に電気的に接続される。
【0037】
ただし、第1リードフレーム110、第2リードフレーム120、及び第3リードフレーム130のそれぞれにおいて封止部材170から露出する部分は、上記に限定されない。例えば、封止部材170は、第1リードフレーム110のX方向と反対方向の端部を露出させてもよい。また、第1リードフレーム110の第2延伸部112bの端面112dは、封止部材170の側面と面一であってもよい。
【0038】
封止部材170は、
図2に示すように、第1導電部材150における第4部分154の端面150a及び第2導電部材160における第4部分164の端面160aを露出させる。なお
図2では、第1導電部材150の第4部分154及び第2導電部材160の第4部分164は、封止部材170からX方向に突出している。ただし、第1導電部材150における第4部分154の端面150a及び第2導電部材160における第4部分164の端面160aは、封止部材170の側面と面一であってもよい。
【0039】
図2に示すように、第1導電部材150において封止部材170から露出する部分のX方向に沿う寸法L1、第2導電部材160において封止部材170から露出する部分のX方向に沿う寸法L2、及び突出部112において封止部材170から露出する部分のX方向に沿う寸法L3は、概ね同じである。また、第2リードフレーム120において封止部材170から露出する部分のX方向に沿う寸法L4及び第3リードフレーム130において封止部材170から露出する部分のX方向に沿う寸法L5は、概ね同じである。寸法L1、L2、L3は、本実施形態では、寸法L4、L5よりも短い。
【0040】
次に、本実施形態に係る半導体装置100の製造方法について説明する。
図4は、本実施形態に係る半導体装置の製造時に用いられる複数のリードフレームを示す上面図である。
図5は、一つのリードフレーム及びその周辺を拡大して示す上面図である。
図6は、一つのリードフレーム及びその周辺を示す斜視図である。
【0041】
先ず、複数のリードフレーム10を準備する。本実施形態では、
図4に示すように、複数のリードフレーム10は、X方向及びY方向に配列されており、一つの導電部材10aにより一体的に形成されている。以下では、複数のリードフレーム10のうちの一つのリードフレーム10を用いた製造方法について説明する。ただし、以下の手順は、一つの導電部材10aにおける各リードフレーム10に対して行うことができる。
【0042】
図5及び
図6に示すように、リードフレーム10は、第1部分11と、第2部分12と、第3部分13と、第4部分14と、上面視においてこれらを囲む枠部15と、を有する。
【0043】
第1部分11は、半導体装置100において第1リードフレーム110における本体部111となる部分である。第1部分11の形状は、板状である。
図6に示すように、第1部分11の表面は、上面11aと、上面11aの反対側に位置する下面11bと、上面11aと下面11bとの間に位置する側面11cと、を有する。上面11a及び下面11bは、X方向及びY方向に平行である。
【0044】
第2部分12の少なくとも一部は、半導体装置100において第2リードフレーム120となる部分である。第2部分12は、第1部分11と離隔している。第2部分12は、平板部12aと、第1延伸部12bと、第2延伸部12cと、第3延伸部12dと、を有する。
【0045】
図5に示すように、上面視において平板部12aは、第1部分11からX方向に離隔している。
図6に示すように、平板部12aは、第1部分11の上面11aよりも上方に位置する。平板部12aの上面12fは、X方向及びY方向に平行である。
【0046】
第1延伸部12bは、平板部12aに接続されており、平板部12aからX方向に沿って延びている。第1延伸部12bは、平板部12aよりも上方に突出している。そのため、平板部12aと第1延伸部12bとの間には、上方向に起立する段差12eが形成されている。第2延伸部12cは、第1延伸部12bに接続されている。第2延伸部12cは、X方向に向かうにつれて下方向に向かうように、X方向及びZ方向に対して傾斜した方向に沿って延びている。第3延伸部12dは、第2延伸部12c及び枠部15に接続されており、X方向に沿って延びている。
【0047】
第3部分13の少なくとも一部は、半導体装置100において第3リードフレーム130となる部分である。第3部分13は、第1部分11と離隔している。また、第2部分12及び第3部分13は、Y方向に配列しており、互いに離隔している。第3部分13は、平板部13aと、第1延伸部13bと、第2延伸部13cと、第3延伸部13dと、を有する。
【0048】
図5に示すように、上面視において平板部13aは、第1部分11からX方向に離隔している。
図6に示すように、平板部13aは、第1部分11の上面11aよりも上方に位置する。平板部13aの上面13fは、X方向及びY方向に平行である。
【0049】
第1延伸部13bは、平板部13aに接続されており、平板部13aからX方向に沿って延びている。第1延伸部13bは、平板部13aよりも上方に突出している。そのため、平板部13aと第1延伸部13bとの間には、上方向に起立する段差13eが形成されている。第2延伸部13cは、第1延伸部13bに接続されている。第2延伸部13cは、X方向に向かうにつれ下方向に向かうように、X方向及びZ方向に対して傾斜した方向に沿って延びている。第3延伸部13dは、第2延伸部13c及び枠部15に接続されており、X方向に沿って延びている。
【0050】
第4部分14の少なくとも一部は、半導体装置100において第1リードフレーム110における突出部112となる部分である。第4部分14は、第1延伸部14aと、第2延伸部14bと、第3延伸部14cと、第4延伸部14dと、を有する。
【0051】
第1延伸部14aは、第1部分11に接続されている。第1延伸部14aは、X方向に向かうにつれ上方向に向かうように、Z方向及びX方向に対して傾斜した方向に沿って延びている。
【0052】
第2延伸部14bは、第1延伸部14aに接続されており、第1延伸部14aからX方向に沿って延びている。第2延伸部14bの上面14eは、X方向及びY方向に平行である。上面14eは、第2部分12の平板部12aの上面12f及び第3部分13の平板部13aの上面13fよりも若干上方に位置する。
【0053】
第3延伸部14cは、第2延伸部14bに接続されている。第3延伸部14cは、X方向に向かうにつれ下方向に向かうように、X方向及びZ方向に対して傾斜した方向に沿って延びている。
【0054】
第4延伸部14dは、第3延伸部14c及び枠部15に接続されており、X方向に沿って延びている。ただし、リードフレーム10の形状は、上記に限定されない。例えば、リードフレーム10に第4部分14は設けられていなくてもよい。
【0055】
図7~
図9は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図である。
次に、
図7に示すように、リードフレーム10における第1部分11の上面11aにリフロー前の半田181Fを配置する。
【0056】
次に、
図8に示すように、半田181F上に半導体チップ140を配置する。これにより、半導体チップ140が第1部分11に固定される。この際、半導体チップ140は、第3端子143が第1部分11と対向するように配置される。これにより、第1端子141及び第2端子142が半導体チップ140の上面において露出する。
【0057】
次に、
図9に示すように、半導体チップ140の第1端子141上にリフロー前の半田182Fを配置する。また、各半導体チップ140の第2端子142上にリフロー前の半田184Fを配置する。また、リードフレーム10の第2部分12における平板部12a上にリフロー前の半田183Fを配置する。また、リードフレーム10の第3部分13における平板部13a上にリフロー前の半田185Fを配置する。これらの半田182F~185Fを配置する順番は、特に限定されない。
【0058】
図10は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法における中間体を示す斜視図である。
図11は、中間体を示す上面図である。
図12は、
図11のB-B’線における端面図である。
次に、
図10に示すように、これらの半田182F~185F上に一つのコネクタ部材20を配置する。
【0059】
コネクタ部材20は、銅等の導電性材料からなる。コネクタ部材20は、第1導電部分21と、第2導電部分22と、接続部23と、を有する。半田182F及び半田183F上にコネクタ部材20の第1導電部分21が配置され、半田184F及び半田185F上にコネクタ部材20における第2導電部分22が配置される。
【0060】
第1導電部分21は、第1部分21aと、第2部分21bと、第3部分21cと、を有する。第1部分21aは、半田182F上に配置される。第2部分21bは、半田183F上に配置される。第2部分21bの形状は、板状である。
図10及び
図11に示すように、第2部分21bは、X方向においてリードフレーム10における段差12eよりも第1部分11に近い位置に配置される。第3部分21cは、第1部分21aと第2部分21bとを接続しており、X方向及びZ方向に対して傾斜する方向に沿って延びている。
【0061】
第2導電部分22は、第1部分22aと、第2部分22bと、第3部分22cと、を有する。第1部分22aは、半田184F上に配置される。第2部分22bは、半田185F上に配置されている。第2部分22bの形状は、板状である。
図10及び
図11に示すように、第2部分22bは、X方向においてリードフレーム10における段差13eよりも第1部分11に近い位置に配置される。第3部分22cは、第1部分22aと第2部分22bとを接続しており、X方向及びZ方向に対して傾斜する方向に沿って延びている。
【0062】
接続部23は、第1導電部分21と第2導電部分22とを接続している。具体的には、接続部23は、第1延伸部23aと、第2延伸部23bと、第3延伸部23cと、を備える。第1延伸部23aは、第1導電部分21の第2部分21bに接続され、第2部分21bからX方向に沿って延びている。第2延伸部23bは、第2導電部分22の第2部分22bに接続され、第2部分22bからX方向に沿って延びている。第3延伸部23cは、第1延伸部23a及び第2延伸部23bに接続されており、Y方向に沿って延びている。
【0063】
図12に示すように、接続部23の第3延伸部23cとリードフレーム10の第4部分14における第2延伸部14bとは、Z方向において接している。
【0064】
次に、リードフレーム10、半導体チップ140、半田181F~185F、及びコネクタ部材20を含む中間体30を、リフロー炉内に配置し、半田181F~185Fを加熱し、半田181F~185Fを溶融させる。その後、半田181F~185Fを冷却し、凝固する。これにより、第1部分11と半導体チップ140とが接合される。また、これにより、コネクタ部材20における第1導電部分21が半導体チップ140の第1端子141及びリードフレーム10の第2部分12に接合される。また、これにより、コネクタ部材20における第2導電部分22が半導体チップ140の第2端子142及びリードフレーム10の第3部分13に接合される。
【0065】
リフロー炉による加熱中、半田181F~185Fが一時的に溶融し、流動する場合がある。また、リフロー炉内で熱風を中間体30当てることにより加熱を行う場合、リフロー炉内に空気の流れが発生する場合がある。また、ボイドの発生を抑制するためにリフロー炉内を減圧して真空に近づけた場合も、減圧時にリフロー炉内に空気の流れが発生する場合がある。本実施形態では、第1導電部分21と第2導電部分22とは、接続部23により接続されているため、このような状況下でも第1導電部分21と第2導電部分22との位置関係が変化することを抑制できる。このように、本実施形態では、第1導電部分21と第2導電部分22とが一つのコネクタ部材20により一体的に形成されているため、第1導電部分21と第2導電部分22とが近接することを抑制できる。
【0066】
また、第1導電部分21と第2導電部分22とが分離している場合、リフロー炉内で発生した空気の流れにより、第1導電部分21又は第2導電部分22の少なくとも一方が吹き飛ばされる可能性がある。これに対し、本実施形態では、第1導電部分21及び第2導電部分22は一つのコネクタ部材20により一体的に形成されているため、リフロー炉内に生じた空気の流れにより、吹き飛ばされ難い。
【0067】
また、
図10及び
図11に示すように、リードフレーム10における段差12e及び段差13eにより、コネクタ部材20が半導体チップ140の第1端子141及び第2端子142からX方向に離隔することを抑制できる。
【0068】
また、
図12に示すように、接続部23とリードフレーム10における第4部分14とは、Z方向において接している。そのため、接続部23と第4部分14との間に作用する摩擦力により、コネクタ部材20がリードフレーム10に対して位置ずれすることを抑制できる。
【0069】
図13~
図15は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す上面図である。
図13~
図15では、リフロー後の半田181Fを符号181で表し、リフロー後の半田182Fを符号182で表し、リフロー後の半田183Fを符号183で表し、リフロー後の半田184Fを符号184で表し、リフロー後の半田185Fを符号185で表す。
【0070】
次に、
図13に示すように、封止部材170を形成する。封止部材170は、半導体チップ140、並びに、コネクタ部材20における第1端子141との接合部、第2端子142との接合部、第2部分12との接合部、及び第3部分13との接合部を覆うように形成される。
【0071】
具体的には、封止部材170は、リードフレーム10の第1部分11の上面11a及び側面11cを覆うように形成される。また、封止部材170は、リードフレーム10の第2部分12の平板部12a及び第1延伸部12bの一の部分を覆うように形成される。また、封止部材170は、リードフレーム10の第3部分13の平板部13a及び第1延伸部13bの一の部分を覆うように形成される。また、封止部材170は、リードフレーム10の第4部分14の第1延伸部14a及び第2延伸部14bの一の部分を覆うように形成される。また、封止部材170は、コネクタ部材20における第1導電部分21、第2導電部分22、並びに、接続部23における第1延伸部23aの一の部分及び第2延伸部23bの一の部分を覆うように形成される。また、封止部材170は、接合部材181~185を覆うように形成される。
【0072】
また、封止部材170は、コネクタ部材20の一部、及びリードフレーム10の一部を露出するように形成される。具体的には、封止部材170は、リードフレーム10の第1部分11における下面11bを露出するように形成される。また、封止部材170は、リードフレーム10の第2部分12における第1延伸部12bの他の部分、第2延伸部12c及び第3延伸部12dを露出するように形成される。また、封止部材170は、リードフレーム10の第3部分13における第1延伸部13bの他の部分、第2延伸部13c及び第3延伸部13dを露出するように形成される。また、封止部材170は、リードフレーム10の第4部分14における第2延伸部14bの他の部分、第3延伸部14c及び第4延伸部14dを露出するように形成される。また、封止部材170は、コネクタ部材20の接続部23における第1延伸部23aの他の部分、第2延伸部23bの他の部分、及び第3延伸部23cを露出するように形成される。
【0073】
次に、
図14及び
図15に示すように、リードフレーム10における第2部分12の少なくとも一部及び第3部分13の少なくとも一部を枠部15から分離する。具体的には、
図14の破線P1沿って第2部分12における第3延伸部12dを切断し、破線P2に沿って第3部分13における第3延伸部13dを切断する。
【0074】
その結果、
図15に示すように、第2部分12における平板部12a、第1延伸部12b、第2延伸部12c及び第3延伸部12dの一部により、第2リードフレーム120が形成される。また、第3部分13における平板部13a、第1延伸部13b、第2延伸部13c及び第3延伸部13dの一部により、第3リードフレーム130が形成される。
【0075】
また、
図14及び
図15に示すように、コネクタ部材20における封止部材170から露出した部分の少なくとも一部を除去することにより、第1導電部分21と第2導電部分22とを分離する。また、リードフレーム10における第4部分14の少なくとも一部を枠部15から分離する。具体的には、
図14の破線P3沿って、接続部23の第1延伸部23a及び第2延伸部23b、並びに、第4部分14の第2延伸部14bを切断する。
【0076】
その結果、
図15に示すように、第1導電部分21における第1部分21a、第2部分21b及び第3部分21c、並びに、接続部23における第1延伸部23aの一部により、第1導電部材150が形成される。また、第2導電部分22における第1部分22a、第2部分22b及び第3部分22c、並びに、接続部23における第2延伸部23bの一部により、第2導電部材160が形成される。また、第1部分11により、第1リードフレーム110の本体部111が形成される。また、第4部分14の第1延伸部14a及び第2延伸部14bの一部により、第1リードフレーム110の突出部112が形成される。
【0077】
なお、コネクタ部材20のうち封止部材170から露出する部分の少なくとも一部を除去する工程は、リードフレーム10における第2部分12及び第3部分13を枠部15から分離する工程の前に行ってもよいし、同時に行ってもよい。また、コネクタ部材20のうち封止部材170から露出する部分の少なくとも一部を除去する工程は、第4部分14を枠部15から分離する工程と同時に行ってもよいし、別に行ってもよい。
【0078】
また、本実施形態では、第4部分14が第1部分11及び枠部15に接続されている例を説明した。しかし、第4部分14は、第1部分11に接続されておらず枠部15にのみ接続され、第1部分11は別途枠部15に接続されていてもよい。この場合、封止部材170を形成する際に第1部分11と枠部15との接続部を露出させておき、封止部材170を形成する工程の後に、第1部分11の少なくとも一部を枠部15から分離してもよい。
【0079】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る半導体装置100の製造方法では、まず、リードフレーム10の第1部分11に半導体チップ140を固定する。次に、半導体チップ140の第1端子141及び第2端子142、並びに、リードフレーム10の第2部分12及び第3部分13に、一つのコネクタ部材20を接合する。次に、半導体チップ140、並びに、コネクタ部材20における第1端子141との接合部、第2端子142との接合部、第2部分12との接合部、及び第3部分13との接合部を覆い、コネクタ部材20の一部、及びリードフレーム10の一部を露出させる封止部材170を形成する。次に、コネクタ部材20における封止部材170から露出した部分の少なくとも一部を除去することにより、コネクタ部材20における第1端子141及び第2部分12に接合された第1導電部分21と、コネクタ部材20における第2端子142及び第3部分13に接合された第2導電部分22とを分離する。このように、本実施形態では、第1導電部分21を第1端子141及び第2部分12に接合し、第2導電部分22を第2端子142及び第3部分13に接合する工程において、第1導電部分21と第2導電部分22とが一つのコネクタ部材20により一体的に形成されている。そのため、第1導電部分21と第2導電部分22とが近接することを抑制できる。その結果、半導体チップ140における第1端子141と第2端子142とが電気的に接続され、短絡することを抑制できる。
【0080】
このような製造方法によって製造された半導体装置100では、封止部材170は、半導体チップ140、第1端子141と第1導電部材150との接合部、第2端子142と第2導電部材160との接合部、第2リードフレーム120と第1導電部材150との接合部、及び、第3リードフレーム130と第2導電部材160との接合部を覆い、第1リードフレーム110の一部、第2リードフレーム120の一部、第3リードフレーム130の一部、第1導電部材150の端面、及び第2導電部材160の端面を露出させる。
【0081】
また、コネクタ部材20を接合する工程は、第1端子141とコネクタ部材20との間、第2部分12とコネクタ部材20との間、第2端子142とコネクタ部材20との間、第3部分13とコネクタ部材20との間に、それぞれ半田182F~185Fを配置する工程と、リフロー炉内で半田182F~185Fを加熱する工程と、を有する。この際、半田182F~185Fが一時的に溶融し、流動する場合がある。本実施形態では、このような状況下でも第1導電部分21と第2導電部分22とが一つのコネクタ部材20により一体的に形成されているため、第1導電部分21と第2導電部分22とが近接することを抑制できる。
【0082】
また、コネクタ部材20を接合する工程において、コネクタ部材20は、リードフレーム10において第2部分12と第3部分13との間に位置する第4部分14と一の方向(Z方向)において接している。このため、コネクタ部材20と第4部分14との間に作用する摩擦力により、コネクタ部材20がリードフレーム10に対して位置ずれすることを抑制できる。
【0083】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
図16は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法における一つのリードフレーム及びその周辺を示す斜視図である。
図17は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法における中間体を示す斜視図である。
図18は、中間体を示す上面図である。
図19は、
図18のC-C’線における端面図である。
本実施形態に係る半導体装置200の製造方法は、リードフレーム210における第4部分214の形状及びコネクタ部材220における接続部223の形状において、第1の実施形態に係る半導体装置100の製造方法と相違する。以下では、第1の実施形態との相違点のみを説明する。以下で説明する事項以外は、第1の実施形態と同様である。
【0084】
先ず、リードフレーム210を準備する。リードフレーム210における第4部分214は、第1延伸部214aと、第2延伸部214bと、第3延伸部214cと、第4延伸部214dと、を有する。
【0085】
第1延伸部214aは、第1部分11に接続されている。第1延伸部214aは、X方向に向かうにつれ上方向に向かうように、Z方向及びX方向に対して傾斜した方向に沿って延びている。
【0086】
第2延伸部214bは、第1延伸部214aに接続されており、第1延伸部214aからX方向に沿って延びている。第2延伸部214bの上面214eは、X方向及びY方向に平行である。上面214eは、第2部分12の平板部12aの上面12f及び第3部分13の平板部13aの上面13fよりも上方に位置する。
【0087】
第3延伸部214cは、第2延伸部214bに接続されている。第3延伸部214cは、X方向に向かうにつれ下方向に向かうように、X方向及びZ方向に対して傾斜した方向に沿って延びている。
【0088】
第4延伸部214dは、第3延伸部214c及び枠部15に接続されており、X方向に沿って延びている。
【0089】
次に、リードフレーム210における第1部分11上にリフロー前の半田181Fを配置する。
【0090】
次に、半田181F上に半導体チップ140を配置する。これにより、半導体チップ140が第1部分11に固定される。
【0091】
次に、半導体チップ140の第1端子141上にリフロー前の半田182Fを配置する。また、各半導体チップ140の第2端子142上にリフロー前の半田184Fを配置する。また、リードフレーム10の第2部分12における平板部12a上にリフロー前の半田183Fを配置する。また、リードフレーム10の第3部分13における平板部13a上にリフロー前の半田185Fを配置する。
【0092】
次に、
図17に示すように、これらの半田182F~185F上に一つのコネクタ部材220を配置する。
【0093】
コネクタ部材220は、銅等の導電性材料からなる。
図17及び
図19に示すように、コネクタ部材220における接続部223は、第1延伸部223aと、第2延伸部223bと、第3延伸部223cと、第4延伸部223dと、第5延伸部223eと、第6延伸部223fと、第7延伸部223gと、を有する。
【0094】
第1延伸部223aは、第1導電部分21に接続されており、X方向に沿って延びている。第2延伸部223bは、第2導電部分22に接続されており、X方向に沿って延びている。
【0095】
第3延伸部223cは、第1延伸部223aに接続されており、第1延伸部223aから第2延伸部223bに向かって、Y方向に沿って延びている。
図19に示すように、第4延伸部223dは、第3延伸部223cに接続されており、第3延伸部223cから上方向に延びている。第5延伸部223eは、第4延伸部223dに接続されており、Y方向に沿って延びている。第6延伸部223fは、第5延伸部223eに接続されており、第5延伸部223eから下方向に向かって延びている。
図17及び
図19に示すように、第7延伸部223gは、第6延伸部223f及び第2延伸部223bに接続されている。
【0096】
第4延伸部223dにおいて第6延伸部223fと対向する面と、第5延伸部223eの下面とは、段差224を形成している。また、第5延伸部223eの下面と第6延伸部223fにおいて第4延伸部223dと対向する面とは、段差225を形成している。このように接続部223の下面には、一対の段差224、225が設けられている。
【0097】
図17及び
図19に示すように、コネクタ部材220をリフロー前の半田182F~185F上に配置する際、一対の段差224、225の間に、リードフレーム210の第4部分214における第2延伸部214bを配置する。これにより、コネクタ部材220とリードフレーム210の第4部分214とが係合する。「係合」とは、コネクタ部材がリードフレームに対して相対的に位置ずれしようとした場合に、コネクタ部材とリードフレームの第4部分214とが少なくとも2方向で接触することにより、コネクタ部材とリードフレームとの相対的な位置ずれが規制されていることを意味する。本実施形態では、下方向、第1導電部分21から第2導電部分22に向かう方向(Y方向の反対方向)、及び第2導電部分22から第1導電部分21に向かう方向(Y方向)の3方向においてコネクタ部材220とリードフレーム210との相対的な位置ずれが規制されている。
【0098】
次に、リードフレーム210、半導体チップ140、半田181F~185F、及びコネクタ部材220を含む中間体230を、リフロー炉内に配置し、半田181F~185Fを加熱し、半田181F~185Fを溶融する。その後、半田181F~185Fを冷却し、凝固させる。本実施形態では、コネクタ部材220とリードフレーム210における第4部分214とが係合している。そのため、コネクタ部材220がリードフレーム210に対して位置ずれすることを抑制できる。
【0099】
以降の手順は、第1の実施形態における半導体装置100の製造方法と同様であるため、その説明を省略する。
【0100】
図20は、本実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
図21は、
図20のD-D’線における端面図である。
このようにして製造された半導体装置200では、
図20に示すように、第1導電部分21及び接続部223における第1延伸部223aの少なくとも一部により、第1導電部材250が形成される。また、第2導電部分22及び接続部223における第2延伸部223bの少なくとも一部により、第2導電部材260が形成される。また、第4部分214における第1延伸部214a及び第2延伸部214bの一部により、突出部212が形成される。そして、
図21に示すように、第1導電部材250において接合部材183に接続されている下面255は、突出部212において封止部材170から露出している部分の上面212cよりも下方に位置する。
【0101】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、コネクタ部材220を接合する工程において、コネクタ部材220と第4部分214とは、係合している。そのため、コネクタ部材220がリードフレーム10に対して位置ずれすることを抑制できる。
【0102】
更に、コネクタ部材220を接合する工程において、第4部分214は、コネクタ部材220に設けられた一対の段差224、225の間に配置されることにより、コネクタ部材220と係合している。そのため、少なくとも3方向においてコネクタ部材220がリードフレーム10に対して位置ずれすることを抑制できる。
【0103】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。
図22は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法における一つのリードフレーム及びその周辺を示す斜視図である。
図23は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法における中間体を示す斜視図である。
図24は、中間体を示す上面図である。
図25は、
図24のE-E’線における端面図である。
本実施形態に係る半導体装置300の製造方法は、リードフレーム310における第4部分314の形状において、第1の実施形態に係る半導体装置100の製造方法と相違する。
【0104】
先ず、リードフレーム310を準備する。リードフレーム310における第4部分314は、第1延伸部314aと、第2延伸部314bと、第3延伸部314cと、第4延伸部314dと、を有する。
【0105】
第1延伸部314aは、第1部分11に接続されている。第1延伸部314aは、X方向に向かうにつれ上方向に向かうように、Z方向及びX方向に対して傾斜した方向に沿って延びている。
【0106】
第2延伸部314bは、第1延伸部314aに接続されており、第1延伸部314aからX方向に沿って延びている。第2延伸部314bの上面315は、
図25に示すように、第1延伸部314aの上面に接し、X方向及びY方向に平行な第1領域315aと、第1領域315aに接し、Z方向に平行な第2領域315bと、第2領域315bに接し、X方向及びY方向に平行な第3領域315cと、を含む。そのため、第2領域315bと第3領域315cとにより、段差316が形成されている。
【0107】
第3延伸部314cは、第2延伸部314bに接続されている。第3延伸部314cは、X方向に向かうにつれ下方向に向かうように、X方向及びZ方向に対して傾斜した方向に沿って延びている。
【0108】
第4延伸部314dは、第3延伸部314c及び枠部15に接続されており、X方向に沿って延びている。
【0109】
次に、
図22に示すように、リードフレーム210における第1部分11上にリフロー前の半田181Fを配置する。
【0110】
次に、半田181F上に半導体チップ140を配置する。これにより、半導体チップ140が第1部分11に固定される。
【0111】
次に、半導体チップ140の第1端子141上にリフロー前の半田182Fを配置する。また、各半導体チップ140の第2端子142上にリフロー前の半田184Fを配置する。また、リードフレーム10の第2部分12における平板部12a上にリフロー前の半田183Fを配置する。また、リードフレーム10の第3部分13における平板部13a上にリフロー前の半田185Fを配置する。
【0112】
次に、
図23に示すように、これらの半田182F~185F上に一つのコネクタ部材20を配置する。
【0113】
図23及び
図25に示すように、コネクタ部材20をリフロー前の半田182F~185F上に配置する際、段差316に、コネクタ部材20の接続部23における第3延伸部23cを配置する。これにより、コネクタ部材20とリードフレーム310の第4部分314とが係合する。本実施形態では、段差316により、下方向及びリードフレーム310における第1部分11に近づく方向(X方向の反対方向)の2方向においてコネクタ部材220とリードフレーム210との相対的な位置ずれが規制されている。
【0114】
次に、リードフレーム310、半導体チップ140、半田181F~185F、及びコネクタ部材20を含む中間体330を、リフロー炉内に配置し、半田181F~185Fを加熱し、半田181F~185Fを溶融する。その後、半田181F~185Fを冷却し、凝固させる。本実施形態では、コネクタ部材20とリードフレーム310における第4部分314とが係合している。そのため、コネクタ部材20がリードフレーム310に対して位置ずれすることを抑制できる。
【0115】
以降の手順は、第1の実施形態における半導体装置100の製造方法と同様であるため、その説明を省略する。
【0116】
図26は、本実施形態に係る半導体装置を示す上面図である。
図27は、
図26のF-F’線における端面図である。
このようにして製造された半導体装置300では、
図26に示すように、第4部分314における第1延伸部314a及び第2延伸部314bの一部により、突出部312が形成される。そして、
図27に示すように、第1導電部材150において接合部材183に接続されている下面155は、突出部312において封止部材170から露出している部分の上面312cよりも下方に位置する。
【0117】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、コネクタ部材20を接合する工程において、コネクタ部材20は、第4部分314に設けられた段差316に配置されることにより、第4部分314と係合している。そのため、少なくとも2方向においてコネクタ部材20がリードフレーム310に対して位置ずれすることを抑制できる。
【0118】
なお、第2の実施形態と第3の実施形態と組み合わせ、コネクタ部材に一対の段差を設け、かつ、リードフレームにおける第4部分に段差を設け、コネクタ部材と第4部分とを係合させてもよい。
【0119】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明及びその等価物の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0120】
10、210、310:リードフレーム
11:第1部分
12:第2部分
13:第3部分
14、214、314:第4部分
15:枠部
20、220:コネクタ部材
21:第1導電部分
22:第2導電部分
23、223:接続部
30、230、330:中間体
100、200、300:半導体装置
110:第1リードフレーム
111:本体部
112、212、312:突出部
112d:端面
120:第2リードフレーム
130:第3リードフレーム
140:半導体チップ
141:第1端子
142:第2端子
143:第3端子
150、250:第1導電部材
150a:端面
160、260:第2導電部材
160a:端面
170:封止部材
181~185:接合部材
181F~185F:半田
224、225:段差
316:段差