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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20240802BHJP
   A01D 34/68 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
A01B69/00 302
A01D34/68 L
A01D34/68 M
A01D34/68 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020052469
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021151191
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-06-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山田 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】伊東 寛和
(72)【発明者】
【氏名】久國 智彦
【合議体】
【審判長】有家 秀郎
【審判官】▲高▼橋 祐介
【審判官】澤田 真治
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-123784(JP,A)
【文献】特開平9-100908(JP,A)
【文献】特開平9-164852(JP,A)
【文献】特開2009-7882(JP,A)
【文献】米国特許第8240420(US,B1)
【文献】特開2016-193695(JP,A)
【文献】特開2003-252074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00 - 69/08
A01D 34/00 - 34/90
B60K 20/00 - 20/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置を駆動する変速可能な駆動装置と、
前記駆動装置の変速操作を行う揺動操作可能な操作レバーと、
前記操作レバーの操作位置を検出する回転式のポテンショメータと、
前記ポテンショメータの検出結果を基に前記駆動装置を変速操作する制御手段と、
前記操作レバーと前記ポテンショメータの回転操作軸とを連動させる連動機構と、が備えられ、
前記操作レバーおよび前記ポテンショメータは、前記操作レバーの揺動軸芯と前記回転操作軸の回転軸芯とが同一の軸芯上に位置する状態で支持され、
前記連動機構に、第1貫通孔を有し、前記揺動軸芯を揺動支点にした状態で前記操作レバーに追随して揺動して前記操作レバーの動力を入力する入力部と、第2貫通孔を有し、前記回転操作軸に支持されて前記入力部の動力を前記回転操作軸に出力する出力部と、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間を延び、前記入力部および前記出力部に連結されて前記入力部と前記出力部とを連動連結する連結ピンと、が備えられ、
前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の内径と前記連結ピンの外径とが略同じであり、
前記操作レバーのための箱状のレバーガイドが備えられ、
前記入力部に連結され、前記操作レバーに作用するダンパーが備えられ、
前記操作レバーは、前記レバーガイドの内部において前記揺動軸芯のまわりに揺動可能に支持され、
前記入力部は、前記レバーガイドの内部に設けられ、
前記ダンパーは、前記レバーガイドの内部において前記入力部に連結されている作業車。
【請求項2】
前記回転操作軸は、前記ポテンショメータのメータケースから前記操作レバーが位置する側に突出している請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記入力部は、前記操作レバーに対して前記ポテンショメータが位置する側に位置している請求項1または2に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車には、走行装置を駆動する変速可能な駆動装置と、駆動装置の変速操作を行う揺動操作可能な操作レバーと、操作レバーの操作位置を検出する回転式のポテンショメータと、ポテンショメータの検出結果を基に駆動装置を変速操作する制御手段と、が備えられたものがある。
【0003】
この種の作業車としては、例えば特許文献1に示される芝刈機がある。特許文献1に示される芝刈機では、後輪を駆動する駆動装置としての走行用電動モータ、走行用電動モータを変速操作する操作レバーとしての走行変速レバーが備えられている。そして、走行変速レバーの操作位置を検出するポテンショメータ、ポテンショメータの検出情報に基づいて走行用電動モータを制御する制御手段としての制御装置が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-55号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した作業車において、操作レバーとポテンショメータとを連動させる連動機構として、図8に示されるものが考えられる。すなわち、操作レバー12の揺動に連動して操作レバー12の揺動軸芯P1を揺動支点にして揺動して、操作レバー12の動力を入力する入力部23、ポテンショメータ13の回転操作軸13bから延び、回転操作軸13bの回転軸芯P2を揺動支点にして揺動して入力部23の動力を回転操作軸13bに出力する出力部24を備える。そして、入力部23に設けた長穴31と、長穴31にスライド可能に係入する状態で出力部24に備えた連結ピン32とにより、入力部23と出力部24とを連動させるものである。
【0006】
この連動機構の場合、長穴に塵埃が入り込むと、塵埃が抵抗になって連結ピンの動きが悪くなったり、塵埃が詰まって連結ピンが動かなくなったりする作動不良が発生する。また、連結ピンが長穴内をスムーズにスライドするようにすると、入力部と出力部との間に長穴による連結融通が発生してポテンショメータによる検出誤差が発生する。
【0007】
本発明は、連動機構がスムーズに動き、かつ、精度よい検出結果を得られる作業車を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による作業車は、
走行装置を駆動する変速可能な駆動装置と、
前記駆動装置の変速操作を行う揺動操作可能な操作レバーと、
前記操作レバーの操作位置を検出する回転式のポテンショメータと、
前記ポテンショメータの検出結果を基に前記駆動装置を変速操作する制御手段と、
前記操作レバーと前記ポテンショメータの回転操作軸とを連動させる連動機構と、が備えられ、
前記操作レバーおよび前記ポテンショメータは、前記操作レバーの揺動軸芯と前記回転操作軸の回転軸芯とが同一の軸芯上に位置する状態で支持され、
前記連動機構に、第1貫通孔を有し、前記揺動軸芯を揺動支点にした状態で前記操作レバーに追随して揺動して前記操作レバーの動力を入力する入力部と、第2貫通孔を有し、前記回転操作軸に支持されて前記入力部の動力を前記回転操作軸に出力する出力部と、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間を延び、前記入力部および前記出力部に連結されて前記入力部と前記出力部とを連動連結する連結ピンと、が備えられ、
前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の内径と前記連結ピンの外径とが略同じであり、
前記操作レバーのための箱状のレバーガイドが備えられ、
前記入力部に連結され、前記操作レバーに作用するダンパーが備えられ、
前記操作レバーは、前記レバーガイドの内部において前記揺動軸芯のまわりに揺動可能に支持され、
前記入力部は、前記レバーガイドの内部に設けられ、
前記ダンパーは、前記レバーガイドの内部において前記入力部に連結されている。
【0009】
本構成によると、入力部と出力部とが連結ピンによって連動連結されて同一の軸芯を揺動支点にした状態で連動して揺動することによって操作レバーの揺動がポテンショメータの回転操作軸に伝達されるので、長穴など連結ピンに比して大きな連結穴を入力部および出力部に設ける必要がない。従って、連動機構が作動不良を起こさないでスムーズに動くようにでき、かつ、ポテンショメータが操作レバーに精度よく連動して作動して精度よい検出結果を得られる。
本構成によると、ダンパーを操作レバーに連動させる部材に入力部を活用した簡素な構造でダンパーを操作レバーに作用させることができる。
【0010】
本発明においては、
前記回転操作軸は、前記ポテンショメータのメータケースから前記操作レバーが位置する側に突出していると好適である。
【0011】
本構成によると、回転操作軸がメータケースから操作レバー側と反対側に突出するのに比べ、出力部を操作レバーに近づけることができ、連動機構の揺動軸芯や回転軸芯に沿う方向での大きさを小さく済ませられる。
【0012】
本発明においては、
前記入力部は、前記操作レバーに対して前記ポテンショメータが位置する側に位置していると好適である。
【0013】
本構成によると、入力部が操作レバーに対してポテンショメータが位置する側と反対側に位置するのに比べ、入力部をポテンショメータに近づけることができ、連動機構の揺動軸芯や回転軸芯に沿う方向での大きさを小さく済ませられる。
【0014】
【0015】
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】乗用型草刈機の全体を示す左側面図である。
図2】乗用型草刈機の全体を示す平面図である。
図3】走行制御および操向制御のブロック図である。
図4】操作レバー、ポテンショメータおよび連動機構を示す正面図である。
図5】操作レバー、ポテンショメータおよび連動機構を示す平面図である。
図6】操作レバー、ポテンショメータおよび連動機構を示す側面図である。
図7】支持ブロック、ポテンショメータおよび分解状態の連動機構を示す斜視図である。
図8】比較構造の連動機構を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一例である実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、乗用型草刈機(「作業車」の一例)の走行車体に関し、図1,2に示される矢印Fの方向を「車体前方」、矢印Bの方向を「車体後方」、図1に示される矢印Uの方向を「車体上方」、矢印Dの方向を「車体下方」、図2に示される矢印Lの方向を「車体左方」、矢印Rの方向を「車体右方」とする。
【0018】
〔乗用型草刈機の全体の構成〕
図1,2に示されるように、乗用型草刈機は、左右一対の前車輪1が遊転可能に装備され、左右一対の後車輪2が駆動可能に装備された走行車体を備えている。左右一対の前車輪1は、キャスタ輪型に構成されている。走行車体の前部に、運転座席3を有する運転部4が形成されている。運転部4には、運転座席3、走行車体の走行操作および操向操作を行う左右一対の操作レバー12が備えられている。運転部4の下方に、左右一対の後車輪2を各別に駆動する左右一対の走行電動モータ5が設けられている。走行車体の後部に、左右一対の走行電動モータ5に電力を供給するバッテリパック6が備えられている。前車輪1と後車輪2との間に、草刈装置7が設けられている。草刈装置7は、草刈装置7を走行車体に対して昇降操作するリンク機構9を介して車体フレーム8に支持されている。草刈装置7には、刈刃ハウジング10、刈刃ハウジング10の内部に、車体上下方向に沿う方向の支軸(図示せず)を回転中心にして回転駆動可能に設けられた刈刃11が備えられている。
【0019】
〔走行車体の走行操作および操向操作について〕
図1,2に示されるように、運転部4に、走行車体の走行操作および操向操作を行う左右一対の操作レバー12が備えられている。左右の操作レバー12は、運転座席3の両横側方に振り分けて備えられている。
【0020】
図3に示されるように、左右の操作レバー12それぞれにおいて、操作レバー12が揺動軸芯P1を揺動支点にして揺動操作されたときの操作レバー12の操作位置をポテンショメータ13によって検出するように構成されている。左右の操作レバー12のポテンショメータ13が制御装置14に連係されている。制御装置14には、左の後車輪2を駆動する変速可能な駆動装置としての左の走行電動モータ5、および、右の後車輪2を駆動する変速可能な駆動装置としての右の走行電動モータ5が連係されている。左右の走行電動モータ5には、走行電動モータ5の前進駆動と後進駆動との切り換え、および、走行電動モータ5の前進回転速度の変速、および、走行電動モータ5の後進回転速度の変速を行うコントローラ15が備えられている。制御装置14は、マイクロコンピュータを利用して構成され、制御装置14には、コントローラ15を制御することによって走行電動モータ5を操作する制御手段16が備えられている。
【0021】
左の操作レバー12が車体前後方向に揺動操作されると、左の操作レバー12に対応するポテンショメータ13による検出結果が制御装置14に受信されて受信された検出結果を基に制御手段16が作動し、左のコントローラ15が制御手段16によって制御されて左の走行電動モータ5がコントローラ15によって操作される。右の操作レバー12が車体前後方向に揺動操作されると、左の操作レバー12が揺動操作された時と同様に、右の走行電動モータ5がコントローラ15によって操作される。左右の走行電動モータ5が前進駆動状態に同じ回転速度で回転するように操作されることにより、左右の後車輪2が前進側に同じ回転速度で駆動されて走行車体が前進側に直進走行する。左右の走行電動モータ5が後進駆動状態に同じ回転速度で回転するように操作されることにより、左右の後車輪2が後進側に同じ回転速度で駆動されて走行車体が後進側に直進走行する。左右の走行電動モータ5が異なる回転速度で回転するように操作されることにより、左右の後車輪2の異なる回転速度で駆動されて走行車体が低速側の後車輪2を旋回内側にして旋回走行する。
【0022】
〔操作レバーにおける操作位置をポテンショメータによって検出する構成について〕
左右の操作レバー12において、操作レバー12は、図4,7に示されるように、操作レバー12の基部に取付けられた支持ブロック17を有している。操作レバー12は、図4,5,6に示されるように、支持ブロック17を介して左右の支持部材18に支持されている。左右の支持部材18は、支持ブロック17などを覆う状態で車体フレーム8に支持されているレバーガイド19(図2参照)によって構成されている。支持ブロック17は、支持ブロック17の下部に形成されたボス部17a、および、ボス部17aに内嵌する支軸20を有し、支軸20を介して左右の支持部材18に枢支されている。支軸20は、車体横幅方向に沿う方向の揺動軸芯P1を有している。左右の操作レバー12は、揺動軸芯P1を揺動支点にして車体前後方向に揺動操作可能な状態で支持部材18に支持されている。
【0023】
左右のポテンショメータ13は、図7に示されるように、メータケース13aから突設された回転操作軸13bを有し、回転操作軸13bが回転操作されることにより、回転操作軸13bの操作位置に対応する電気信号を検出結果として出力するように回転式に構成されている。
【0024】
左右の操作レバー12それぞれに対応するポテンショメータ13は、図4,5,6に示されるように、回転操作軸13bがメータケース13aから操作レバー12が位置する側に突出し、かつ、回転操作軸13bの回転軸芯P2が操作レバー12の揺動軸芯P1と同一の軸芯上に位置する取付姿勢で支持部材18に支持されている。ポテンショメータ13が支持される支持部材18は、左右の支持部材18のうち、支持ブロック17に対して車体横方向内側に位置する方の支持部材18である。
【0025】
ポテンショメータ13は、図4,5に示されるように、一対の取付軸13cによって支持部材18に支持されている。具体的には、ポテンショメータ13には、図7に示されるように、一対の取付軸13cが備えられている。一対の取付軸13cは、図4,5に示されるように、メータケース13aと支持部材18との間に配置され、メータケース13aおよび支持部材18に対してねじ部材13dによって締め付け連結される。一対の取付軸13cは、回転操作軸13bに対して前側と後側とに振り分けて配置される。一対の取付軸13cは、図5,7に示されるように、連結部材21によって連結されている。連結部材21は、取付軸13cのうち、支持部材18に対してメータケース13a側に位置する部位に連結されている。
【0026】
〔操作レバーとポテンショメータとの連動機構〕
操作レバー12とポテンショメータ13の回転操作軸13bとは、連動機構22によって連動されている。連動機構22には、図4,5,6に示されるように、操作レバー12の揺動を入力する入力部23、入力部23が入力した動力をポテンショメータ13の回転操作軸13bに出力する出力部24、入力部23と出力部24とを連動連結する連結ピン25が備えられている。
【0027】
入力部23は、図4,5,6に示されるように、操作レバー12に対してポテンショメータ13が位置する側に配置され、支持ブロック17に支持されている。具体的には、入力部23には、図7に示されるように、入力部23の基部に設けられた取付穴23a、および、取付穴23aよりも上側の箇所と取付穴23aよりも下側の箇所とに振り分けて設けられた二つの第1連結穴23bが備えられている。図4,5,6に示されるように、入力部23の基部が取付穴23aによって支持ブロック17のボス部17aに外嵌されている。入力部23の基部が二つの第1連結穴23bに装着され、支持ブロック17に形成されている支持部17b(図7参照)に締め付けられた連結ボルト26によって支持ブロック17に連結されている。入力部23は、支持ブロック17に支持され、操作レバー12が車体前後方向に揺動されると、操作レバー12と共に揺動する支持ブロック17によって揺動軸芯P1を揺動支点にして揺動操作される。
【0028】
出力部24は、図4,5,6に示されるように、ポテンショメータ13の回転操作軸13bの回転操作が可能な状態で回転操作軸13bに支持されている。具体的には、出力部24は、図7に示されるように、出力部24の基部に設けられた第1連結穴24aを有している。図4,5に示されるように、出力部24は、第1連結穴24aによってポテンショメータ13の回転操作軸13bに外嵌されている。出力部24と回転操作軸13bとは、第1連結穴24aおよび回転操作軸13bの非円形状によって相対回転不能に係合している。出力部24は、出力部24に対してメータケース13a側と反対側に位置する連結部材21によって回転操作軸13bから抜け外れないように受止め支持されている。
【0029】
連結ピン25は、図4,5,6に示されるように、入力部23の遊端側部と出力部24の遊端側部とに連結され、入力部23と出力部24とを連動連結している。具体的には、連結ピン25には、図7に示されるように、連結ピン25の一端部に形成されたねじ軸部25aと、連結ピン25の他端部に形成された抜止め部25bとが備えられている。図4,5,6に示されるように、連結ピン25は、出力部24に備えられた貫通穴24b(図7参照)と、入力部23に備えられた貫通穴23c(図7参照)とにわたって装着されている。ねじ軸部25aに装着された抜止めねじ部材25cと、抜止め部25bとによって入力部23および出力部24に対する連結ピン25の外れ止めがおこなわれている。
【0030】
連動機構22においては、操作レバー12が車体前後方向に揺動操作されると、支持ブロック17が操作レバー12と共に揺動して入力部23が操作レバー12の揺動軸芯P1を揺動支点にした状態で操作レバー12に追随して揺動し、操作レバー12の動力が入力部23によって入力される。入力された動力が連結ピン25によって出力部24に伝達されて出力部24から回転操作軸13bに出力される。これにより、操作レバー12が車体前後方向に揺動操作されると、ポテンショメータ13の回転操作軸13bが操作レバー12の前後揺動に連動させて回転操作され、ポテンショメータ13は、操作レバー12の操作位置に対応した電気信号を検出結果として出力する。
【0031】
図6に示されるように、入力部23の遊端側部と、車体フレーム8のうち、操作レバー12を支持する部位よりも後方に位置する部位と、にわたってダンパー30が連結されている。ダンパー30は、入力部23および支持ブロック17を介して操作レバー12に作用するように構成されている。入力部23および支持ブロック17がダンパー30を操作レバー12に連結する部材に活用されている。
【0032】
図4,5,6,7に示されるように、支持ブロック17には、支持部材18に支軸20を介して枢支される下ブロック部17Dと、下ブロック部17Dに第2支軸27を介して枢支され、操作レバー12が支持されている上ブロック部17Uと、が備えられている。
第2支軸27は、車体前後方向に沿う方向の第2揺動軸芯Xを有している。操作レバー12は、第2揺動軸芯Xを揺動支点にして車体左右方向に揺動操作可能な状態で左右の支持部材18に支持されている。図4に示されるように、上ブロック部17Uの横外側方に、牽制スイッチ28が設けられている。牽制スイッチ28は、操作レバー12が走行電動モータ5を停止させる中立操作位置から第2揺動軸芯Xを揺動支点にして車体横外側に向けて揺動操作されると、上ブロック部17Uによる押圧操作を受けて牽制状態から牽制解除状態に切り換え操作される。牽制スイッチ28は、図3に示されるように、制御装置14に連係されている。制御装置14に牽制手段29が備えられている。牽制手段29は、牽制スイッチ28が牽制解除状態に切り換え操作されることにより、牽制スイッチ28からの情報を基に走行電動モータ5の駆動が可能な状態にコントローラ15を制御するように構成されている。操作レバー12を中立操作位置から車体横外側方に揺動操作して牽制スイッチ28を牽制解除状態に切り換え操作し、この後に操作レバー12を中立操作位置から前後方向に揺動操作することにより、走行電動モータ5が駆動されて走行車体を走行させることができる。
【0033】
〔別実施形態〕
(1)上記した実施形態では、走行装置として前車輪1及び後車輪2が備えられ、走行装置を駆動する駆動装置として走行電動モータ5が備えられた例を示したが、これに限らない。たとえば、クローラ式の走行装置、ミニクローラと車輪とが組み合わされた走行装置が備えられたものであってもよい。また、エンジンの動力が入力され、入力された動力を変速して走行装置に伝達することによって走行装置を駆動する無段変速装置が備えられたものであってもよい。
【0034】
(2)上記した実施形態では、操作レバー12が揺動軸芯P1および第2揺動軸芯Xを揺動支点にして揺動操作可能に構成され、牽制スイッチ28が設けられた例を示したが、これに限らない。たとえば、揺動軸芯P1のみ、あるいは、車体前後方向に対して傾斜した揺動軸芯など、単一の揺動軸芯を揺動支点にする操作レバーが採用され、牽制スイッチ28が備えられないものであってもよい。
【0035】
(3)上記した実施形態では、回転操作軸13bがメータケース13aから操作レバー12が位置する側に突出する構成が採用された例を示したが、回転操作軸13bがメータケース13aから操作レバー12が位置する側と反対側に突出するものであってもよい。
【0036】
(4)上記した実施形態では、入力部23が操作レバー12に対してポテンショメータ13が位置する側に位置するよう構成された例を示したが、これに限らない。たとえば、入力部23および出力部24が揺動軸芯P1、回転軸芯P2に対して操作レバー12が延びる側と反対側に延びる状態で設け、入力部23が操作レバー12に対してポテンショメータ13が位置する側と反対側に位置するよう構成したものであってもよい。
【0037】
(5)上記した実施形態では、ダンパー30が設けられた例を示したが、ダンパー30が設けられないものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、草刈機の他、運搬車など各種の作業車に適用できる。
【符号の説明】
【0039】
2 走行装置(後車輪)
5 駆動装置(走行電動モータ)
12 操作レバー
13 ポテンショメータ
13a メータケース
13b 回転操作軸
16 制御手段
19 レバーガイド
22 連動機構
23 入力部
24 出力部
25 連結ピン
30 ダンパー
P1 揺動軸芯
P2 回転軸芯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8