(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】PWM変調波異常検出方法およびPWM変調波異常検出装置
(51)【国際特許分類】
H04L 25/49 20060101AFI20240802BHJP
H02P 29/024 20160101ALI20240802BHJP
H03K 7/08 20060101ALI20240802BHJP
H03K 9/08 20060101ALI20240802BHJP
B60L 3/00 20190101ALN20240802BHJP
【FI】
H04L25/49 H
H02P29/024
H03K7/08
H03K9/08
B60L3/00 C
(21)【出願番号】P 2020156058
(22)【出願日】2020-09-17
【審査請求日】2023-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 順之助
(72)【発明者】
【氏名】水谷 英司
(72)【発明者】
【氏名】稲田 健太朗
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-182974(JP,A)
【文献】国際公開第2019/021479(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/00-25/66
H03K 7/08
H03K 9/08
H02P 29/024
B60L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号波を搬送波でPWM変調した変調波が基準値を上回ってから、再度、前記基準値を上回るまでの時間、又は前記変調波が前記基準値を下回ってから、再度、前記基準値を下回るまでの時間である変調波変化時間を測定し、
前記変調波変化時間の所定の範囲からの逸脱を検知することにより、前記信号波又は前記搬送波の異常を検知するPWM変調波異常検出方法において、
前記変調波変化時間が前記所定の範囲の下限値を下回る状態が第一の所定の時間以上継続した場合、
前記搬送波の周波数が許可できる上限の周波数を超えた異常である搬送波上限周波数異常と判別し、
前記変調波変化時間が前記所定の範囲の上限値を上回る状態が第二の所定の時間以上継続した場合、
前記搬送波の周波数が許可できる下限の周波数を下回った異常である搬送波下限周波数異常と判別し、
前記変調波変化時間が前記所定の範囲の上限値を上回る状態と上回らない状態が第三の所定の時間内に所定の回数以上繰り返した場合、
前記信号波の異常と判別する
ことを特徴とするPWM変調波異常検出方法。
【請求項2】
請求項1に記載されたPWM変調波異常検出方法において、
前記変調波変化時間が前記所定の範囲の下限値を下回る状態、又は前記変調波変化時間が前記所定の範囲の上限値を上回る状態が第一の所定の時間以上継続した場合、
前記搬送波の搬送波周波数異常と判別し、
前記変調波変化時間が前記所定の範囲の上限値を上回る状態と上回らない状態が第三の所定の時間内に所定の回数以上繰り返した場合、
前記信号波の異常と判別する
ことを特徴とするPWM変調波異常検出方法。
【請求項3】
信号波を搬送波でPWM変調した変調波における搬送波周波数の異常および信号波の異常を検知するPWM変調波異常検出装置であって、
前記PWM変調波異常検出装置は、
変調波が基準値を上回ってから、再度、前記基準値を上回るまでの時間、又は前記変調波が前記基準値を下回ってから、再度、前記基準値を下回るまでの時間である変調波変化時間を測定する測定部と、
前記搬送波の搬送波周波数の異常および前記信号波の異常を判別する異常判別部と、を有し、
前記異常判別部は、
前記測定部で測定した変調波変化時間が所定の範囲の下限値を下回る状態が第一の所定の時間以上継続した場合、
前記搬送波の周波数が許可できる上限の周波数を超えた異常である搬送波上限周波数異常と判別し、
前記変調波変化時間が所定の範囲の上限値を上回る状態が第二の所定の時間以上継続した場合、
前記搬送波の周波数が許可できる下限の周波数を下回った異常である搬送波下限周波数異常と判別し、
前記変調波変化時間が所定の範囲の上限値を上回る状態と上回らない状態が第三の所定の時間内に所定の回数以上繰り返した場合、
前記信号波の異常と判別する機能を有する
ことを特徴とするPWM変調波異常検出装置。
【請求項4】
請求項3に記載されたPWM変調波異常検出装置において、
前記異常判別部は、
前記測定部で測定した変調波変化時間が所定の範囲の下限値を下回る状態、又は前記変調波変化時間が所定の範囲の上限値を上回る状態が第一の所定の時間以上継続した場合、
前記搬送波の搬送波周波数異常と判別し、
前記変調波変化時間が所定の範囲の上限値を上回る状態と上回らない状態が第三の所定の時間内に所定の回数以上繰り返した場合、
前記信号波の異常と判別する機能を有する
ことを特徴とするPWM変調波異常検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PWM変調波異常検出方法およびPWM変調波異常検出装置に関する。
詳しくは、例えば、信号波発生器からの信号波を搬送波でPWM変調したPWM変調波における搬送波周波数の異常および信号波の異常を正確に判別して検出し、検出した異常検知信号を信号波の元となるデータを出力する演算器、又は異常処理用演算器へ伝達できるPWM変調波異常検出方法およびPWM変調波異常検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道分野において、モータの駆動制御や軌道回路に出力する列車検知信号(TD信号)および自動列車制御信号(ATC信号)の増幅などに、PWM変調波を用いている。列車の安全性を保証するために、PWM変調波に異常が発生したとき、その異常を検知し、列車を安全に停止させる機能がある。
更に、保守性を高めるために、異常の原因解析が容易にできるよう、異常を検知した時の異常発生状況および異常部位を正確に判別および記録する機能を備えることが求められる。
【0003】
従来、PWM変調波に含まれる搬送波成分の搬送波周波数に着目し、単位時間当たりの搬送波の変化の回数が所定の範囲から逸脱することを検知することにより、搬送波周波数の異常を検知する技術として、特許第4767211号公報がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術によれば、変調波発生器において、搬送波周波数の異常検知を簡素な回路で構成することができる効果がある。しかしながら、搬送波周波数の異常検知の判定条件である単位時間当たりの搬送波の変化の回数だけでは搬送波周波数が正常な場合でも、搬送波周波数に異常が発生したと、誤検知してしまう場合がある。別の表現に言い換えると、搬送波周波数が異常であれば、単位時間当たりの搬送波の変化の回数が必ず所定の範囲から逸脱するが、単位時間当たりの搬送波の変化の回数が所定の範囲から逸脱したからと言って、必ずしも搬送波周波数が異常であるとは限らない。
【0006】
すなわち、信号波が正常で、搬送波周波数が異常の状態(
図2(b)を参照)と、搬送波周波数が正常で、信号波が異常の状態(
図2(c)、(d)を参照)という二つの状態において、単位時間当たりの搬送波の変化の回数が同数である場合がある。このような場合、特許文献1に記載された従来技術では、この二つの状態を判別できない課題があることが分かった。また、特許文献1では、信号波の異常検知については特に考慮されていない。詳細は、
図2を参照して後述する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、代表的な本発明のPWM変調波異常検出方法および装置の一つは、変調波が基準値を上回ってから、再度、基準値を上回るまでの時間、又は変調波が基準値を下回ってから、再度、基準値を下回るまでの時間である変調波変化時間を測定し、変調波変化時間の所定の範囲からの逸脱を検知することにより、信号波又は搬送波の異常を検知する方法および装置において、変調波変化時間が所定の範囲の下限値を下回る状態が所定の時間以上継続した場合、搬送波の周波数が許可できる上限の周波数を超えた異常である搬送波上限周波数異常と判別し、変調波変化時間が所定の範囲の上限値を上回る状態が所定の時間以上継続した場合、搬送波の周波数が許可できる下限の周波数を超えた異常である搬送波下限周波数異常と判別し、変調波変化時間が所定の範囲の上限値を上回る状態と上回らない状態が所定の時間内に所定の回数以上繰り返した場合、信号波の異常と判別、又は検知するものである。
【0008】
また、代表的な本発明のPWM変調波異常検出方法および装置の簡易版の一つは、変調波が基準値を上回ってから、再度、基準値を上回るまでの時間、又は変調波が基準値を下回ってから、再度、基準値を下回るまでの時間である変調波変化時間を測定し、変調波変化時間の所定の範囲からの逸脱を検知することにより、信号波又は搬送波の異常を検知する方法および装置において、変調波変化時間が所定の範囲の下限値を下回る状態が所定の時間以上継続した場合、又は変調波変化時間が所定の範囲の上限値を上回る状態が所定の時間以上継続した場合、搬送波周波数異常と判別し、変調波変化時間が所定の範囲の上限値を上回る状態と上回らない状態が所定の時間内に所定の回数以上繰り返した場合、信号波の異常と判別、又は検知するものである。
【0009】
上記の基準値56(
図2、
図4を参照)とは、変調波のLowレベル(OFF)とHighレベル(ON)のしきい値電圧を意味する。また、上記の変調波が基準値を上回ってから再度基準値を上回るまでの時間とは、変調波の二つ連続した立ち上がりエッジ間の間隔(Tpwm)(
図2、
図4を参照)、変調波が基準値を下回ってから再度基準値を下回るまでの時間とは、変調波の二つの立ち下がりエッジ間の間隔を意味する。また、上記の所定の範囲とは、正常とされる下限判定値から上限判定値の間を意味する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、変調波における、信号波が正常で搬送波の搬送波周波数が異常の状態と搬送波周波数が正常で信号波が異常の状態、両方の異常状態の検知と判別ができ、システムにおける異常状態および異常部位の特定を可能にすることができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明のPWM変調波異常検出装置を適用したシステム構成図の一例。
【
図2】(a)は、信号波、搬送波、変調波(PWM)の正常状態を説明する波形図、(b)は、信号波が正常で、搬送波周波数が異常の状態を説明する波形図、(c)は、搬送波周波数が正常で、信号波が異常の状態(振幅異常)を説明する波形図、(d)は、搬送波周波数が正常で、信号波が異常の状態(DCバイアス異常)を説明する波形図。
【
図3】本発明のPWM変調波異常検出装置の一例を示すブロック図(実施例1)。
【
図4】
図3と
図5のPWM変調波異常検出装置における、変調波の立ち上がりエッジ検出回路とPWM_EDG信号の立ち下がりエッジ検出回路の動作を、タイムチャートを用いて説明する図。
【
図5】本発明のPWM変調波異常検出装置の他の例を示すブロック図(実施例2)。
【
図6】実施例1の本発明のPWM変調を用いたシステムに適用した場合における、PWM変調波異常検出装置の搬送波周波数の異常と信号波の異常を検知する処理を示すフローチャート。
【
図7】実施例2の本発明のPWM変調を用いたシステムに適用した場合における、PWM変調波異常検出装置の搬送波周波数の異常と信号波の異常を検知する処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明のPWM変調波異常検出装置80を適用したシステム構成図の一例であって、変調器50にて、信号波発生器20からの信号波35を搬送波発生器40からの搬送波45で変調して出力される変調波(PWM)55における信号波35および搬送波45の搬送波周波数の異常を検知する実施の形態を示すブロック図である。
【0013】
上記のシステムは、演算器(CPU)10、信号波発生器(D/A)20、前段増幅器(PRE)30、搬送波発生器(CAR GEN)40、変調器(MOD)50、後段増幅器(AMP)60、負荷(LOAD)70、本発明のPWM変調波異常検出装置(LOGIC)80、基準クロック発生器(CLK GEN)90を有する。
【0014】
なお、本例では、前段増幅器(PRE)30および後段増幅器(AMP)60を有するシステムを前提としているが、これらのいずれか一方、または両方を必要としないシステムにも適用可能である。
【0015】
演算器10は、例えば、CPUからなり、信号波35の元となるデジタルデータ15を生成し、信号波発生器20に出力する。
【0016】
信号波発生器20は、デジタル/アナログ変換器(D/A)からなり、演算器10から出力されたデジタルデータ15をアナログ波形に変換して、前段増幅器30に出力する。
【0017】
前段増幅器30は、デジタル/アナログ変換器(D/A)によって変換されたアナログ波形を増幅し、信号波35として変調器50に出力する。
【0018】
変調器50は、前段増幅器30からの信号波35を、搬送波発生器40からの搬送波45を用いてPWM変調し、変調波(PWM)55を後段増幅器60に出力する。
【0019】
後段増幅器60は、変調波(PWM)55を増幅し、負荷(LOAD)70に出力する。負荷(LOAD)70は、スピーカ、モータ、軌道回路など様々な形態を有する。
【0020】
基準クロック発生器90は、搬送波45の周波数より高い周波数を有する基準クロック信号(CLK)95を発生する。
【0021】
本発明のPWM変調波異常検出装置(LOGIC)80は、変調波55に含まれる信号波35成分の異常および搬送波成分の搬送波周波数の異常を正確に判別して検出し、異常状態を知らせるための異常検知信号85を、演算器10及び/又は
図1で示していないが異常処理用演算器に伝達する。本発明のPWM変調波異常検出装置(LOGIC)80の回路構成および動作原理については、後述の実施例1と実施例2にて詳細に説明する。
【0022】
なお、上記の異常検知信号85は、後述の実施例1において、搬送波周波数の上限周波数超過異常検知信号(ERR_FH)86、搬送波周波数の下限周波数超過異常検知信号(ERR_FL)87と信号波異常検知信号(ERR_SIG)89の形態を有し、実施例2において、搬送波周波数異常検知信号(ERR_FRQ)88と信号波異常検知信号(ERR_SIG)89の形態を有する。
【0023】
演算器10及び/又は
図1で示していないが異常処理用演算器は、PWM変調波異常検出装置80から出力される異常検知信号85を受け、異常検知信号85の論理レベルのHigh/Lowで異常/正常を判定し、異常と判断した場合、システムを安全に停止させると共に、異常状態を記録する。
【実施例1】
【0024】
本発明のPWM変調波異常検出装置80の一つは、
信号波35を搬送波45でPWM変調した変調波55が基準値56を上回ってから、再度、前記基準値56を上回るまでの時間、つまり前記変調波55の二つ連続した立ち上がりエッジ間の間隔、又は前記変調波55が前記基準値56を下回ってから、再度、前記基準値56を下回るまでの時間、つまり前記変調波55の二つ連続した立ち上がりエッジ間の間隔である変調波変化時間を測定する測定部801と、
前記測定部で測定した変調波変化時間が所定の範囲の下限値を下回る状態が第一の所定の時間以上継続した場合、前記搬送波の周波数が許可できる上限の周波数を超えた異常である搬送波上限周波数異常と判別し、
前記変調波変化時間が所定の範囲の上限値を上回る状態が第二の所定の時間以上継続した場合、前記搬送波の周波数が許可できる下限の周波数を下回った異常である搬送波下限周波数異常と判別し、
前記変調波変化時間が所定の範囲の上限値を上回る状態と上回らない状態が第三の所定の時間内に所定の回数以上繰り返した場合、前記信号波の異常と判別する異常判別部802とを有する。
【0025】
図3を用いて詳しく説明する。本発明のPWM変調波異常検出装置80の測定部801は、変調波55の立ち上がりエッジ検出回路810と、PWM_EDG信号の立ち下がりエッジ検出回路815と、カウンタ821と、ラッチ841と、カウンタ821のリセット回路881と、で構成される。
【0026】
本発明のPWM変調波異常検出装置80の異常判別部802は、比較器861と、比較器871と、カウンタ822と、比較器862と、ラッチ842と、カウンタ822のリセット回路882と、カウンタ823と、比較器863と、ラッチ843と、カウンタ823のリセット回路883と、カウンタ824と、比較器864と、比較器874と、カウンタ824のリセット回路884と、カウンタ825と、比較器865と、ラッチ845と、カウンタ825のリセット回路885と、で構成される。
上記測定部801と異常判別部802を構成する各部位の動作原理について、以下詳細に説明する。
【0027】
まず、測定部801の動作原理について詳しく説明する。
カウンタ821は変調波55の二つ連続した立ち上がりエッジ間の間隔(Tpwm)を測定するためのタイマである。
カウンタ821は、リセットされた後、基準クロック発生器90の基準クロック信号(CLK)95の立ち上がりの回数をカウントし、そのカウント値CNT1を出力する。
【0028】
変調波55の立ち上がりエッジ検出回路810は、変調波55の立ち上がりエッジ(
図4の(A))と、その直後に現れるCLK信号95の立ち上がりエッジ(
図4の(B))の間だけ、論理レベルHigh(‘H’)に、それ以外は論理レベルLow(‘L’)になる論理を有する変調波55のエッジ検知信号(PWM_EDG)を生成する。
【0029】
ラッチ841は、PWM_EDG信号の立ち上がりエッジ(
図4の(A))のタイミングで、カウント数CNT1を取り込んでCNT1_Lとして保持し、比較器861および比較器871に出力する。
【0030】
一方で、PWM_EDG信号の立ち下がりエッジ検出回路815は、PWM_EDG信号の立ち下がりエッジ(
図4の(C))と、その直後に現れるCLK信号95の立ち上がりエッジ(
図4の(D))の間だけ、論理レベルHigh(‘H’)に、それ以外は論理レベルLow(‘L’)になる論理を有する信号C_RST1を生成する。
【0031】
カウンタ821のリセット回路881は、リセット信号(RST)81と信号C_RST1を入力とする論理ORゲートで構成し、カウンタ821のリセット信号CNT1_Rを生成する。すなわち、RST信号81と信号C_RST1のいずれか一方、または両方が論理レベルHigh(‘H’)の時、CNT1_RのレベルがHigh(‘H’)になり、カウンタ821のカウント値CNT1が0にリセットされる。
【0032】
上記の測定部801の動作により、変調波55の二つ連続した立ち上がりエッジ間の間隔(Tpwm)を測定し、それに比例したCLK信号95のカウント値CNT1_Lへ変換するができる。つまり、下記の説明でCNT1_LをTpwmと読み替えても差し支えない。
【0033】
CLK信号95は、変調波55の二つ連続した立ち上がりの間隔を測定するため、その間隔より短い間隔のクロックが必要であり、つまり、変調波55より高い周波数を有するCLK信号が必要である。CLK信号周波数は高ければ高いほど、測定精度が上がる。これらは周知であるので、詳細説明は省略する。
【0034】
次に異常判別部802の動作原理について詳しく説明する。
比較器861は、測定部801から出力されたカウント値CNT1_L(B)と、予め設定した上限値MAX(A)を比較し、その結果、カウント値CNT1_LがMAXより小さい場合(B<A)、論理レベルHigh(‘H’)に、それ以外の場合は論理レベルLow(‘L’)になる論理を有する比較結果CR1aを出力する。
なお、上限値MAXは、CLK信号95の周波数を搬送波45の下限正常周波数で除した値より小さい最大の整数である。
【0035】
比較器871は、測定部801から出力されたカウント値CNT1_L(A)と、予め設定した下限値MIN(B)を比較し、その結果、カウント値CNT1_LがMINより大きい場合(A>B)、論理レベルHigh(‘H’)に、それ以外の場合は論理レベルLow(‘L’)になる論理を有する比較結果CR1bを出力する。
なお、下限値MINは、CLK信号95の周波数を搬送波45の上限正常周波数で除した値より大きい最小の整数である。
【0036】
搬送波45の搬送波周波数の上限周波数超過異常の検知方法を説明する。
カウンタ822は上述の第一の所定の時間を測定するためのタイマである。
カウンタ822は、リセットされた後、CLK信号95の立ち上がりの回数をカウントし、そのカウント値CNT2を出力する。
【0037】
カウンタ822のリセット回路882は、リセット信号(RST)81と比較器871の比較結果CR1bを入力とする論理ORゲートで構成し、カウンタ822のリセット信号CNT2_Rを生成する。すなわち、RST信号81とCR1bのいずれか一方、または両方が論理レベルHigh(‘H’)の時、CNT2_RのレベルがHigh(‘H’)になり、カウンタ822のカウント値CNT2が0にリセットされる。
【0038】
比較器862は、カウンタ822のカウント値CNT2(A)と、予め設定した判定値N2(B)を比較し、カウント値CNT2が判定値N2より大きい場合(A>B)、論理レベルHigh(‘H’)に、それ以外の場合は論理レベルLow(‘L’)になる論理を有する比較結果CR2を出力する。
【0039】
変調波55に含まれる搬送波成分の搬送波周波数が上限周波数を超過していない場合(正常状態、
図2(a)を参照)、CNT1_L>MINであり、CR1b=‘H’なので、カウンタ822で構成したタイマが常にリセット状態を維持する。しかし、搬送波周波数が上限周波数を超過する(異常状態)と、前記のタイマが開始し、異常状態が所定の時間継続すると、CNT2>N2になり、CR2が‘L’から‘H’に変化する。
【0040】
ラッチ842は、CR2が‘L’から‘H’に変化したタイミングで、搬送波周波数の上限周波数超過異常検知信号(ERR_FH)86の論理レベルを‘L’から‘H’に変化させ、‘H’の状態(異常状態)を保持する。
【0041】
なお、比較器862の比較結果CR2の代わりに、カウンタ822の最上位ビットをラッチ842に入力する方法でも、同様な効果が得られる。
【0042】
次に、搬送波45の搬送波周波数の下限周波数超過異常の検知方法を説明する。
カウンタ823は上述の第二の所定の時間を測定するためのタイマである。
カウンタ823は、リセットされた後、CLK信号95の立ち上がりの回数をカウントし、そのカウント値CNT3を出力する。つまり、
【0043】
カウンタ823のリセット回路883は、リセット信号(RST)81と比較器861の比較結果CR1aを入力とする論理ORゲートで構成し、カウンタ823のリセット信号CNT3_Rを生成する。すなわち、RST信号81とCR1aのいずれか一方、または両方が論理レベルHigh(‘H’)の時、CNT3_RのレベルがHigh(‘H’)になり、カウンタ823のカウント値CNT3が0にリセットされる。
【0044】
比較器863は、カウンタ823のカウント値CNT3(A)と、予め設定した判定値N3(B)を比較し、カウント値CNT3が判定値N3より大きい場合(A>B)、論理レベルHigh(‘H’)に、それ以外の場合は論理レベルLow(‘L’)になる論理を有する比較結果CR3を出力する。
なお、判定値N3は前述のN2と異なる値(N2≠N3)でもよく、同一の値(N2=N3)でもよい。
【0045】
変調波55に含まれる搬送波成分の搬送波周波数が下限周波数を超過していない場合(正常状態、
図2(a)を参照)、CNT1_L<MAXであり、CR1a=‘H’なので、カウンタ823で構成したタイマが常にリセット状態を維持する。しかし、搬送波周波数が下限周波数を超過する(異常状態、
図2(b)を参照)と、前記のタイマが開始し、異常状態が所定の時間継続すると、CNT3>N3になり、CR3が‘L’から‘H’に変化する。
【0046】
ラッチ843は、CR3が‘L’から‘H’に変化したタイミングで、搬送波周波数の下限周波数超過異常検知信号(ERR_FL)87の論理レベルを‘L’から‘H’に変化させ、‘H’の状態(異常状態)を保持する。
【0047】
なお、比較器863の比較結果CR3の代わりに、カウンタ823の最上位ビットをラッチ843に入力する方法でも、同様な効果が得られる。
【0048】
最後に、信号波35の異常の検知方法を説明する。
カウンタ825は、上述の所定の回数を測定するためのカウンタである。
カウンタ825は、リセットされた後、比較器861の比較結果CR1aの立ち上がりの回数をカウントし、そのカウント値CNT5を比較器865に出力する。
【0049】
比較器865は、カウンタ825のカウント値CNT5(A)と、予め設定した判定値N5(B)を比較し、カウント値CNT5が判定値N5より大きい場合(A>B)、論理レベルHigh(‘H’)に、それ以外の場合は論理レベルLow(‘L’)になる論理を有する比較結果CR5を出力する。
【0050】
変調波55に含まれる信号波成分が正常の場合(
図2(a)を参照)、CNT1_L<MAXであり、CR1aは常に‘H’(‘H’と ‘L’の状態を繰り返し変化しない)ので、カウント値CNT5が増加しない。しかし、信号波に異常があると(
図2(c)、(d)を参照)、CR1aは‘H’と ‘L’の状態を繰り返し、CR1aが‘L’から‘H’に変化する(立ち上がる)度にカウント値CNT5が増加し、所定の回数N5を超える(CNT5>N5)と、CR5が‘L’から‘H’に変化する。
【0051】
ラッチ845は、CR5が‘L’から‘H’に変化タイミングで、信号波異常検知信号(ERR_SIG)89の論理レベルを‘L’から‘H’に変化させ、‘H’の状態(異常状態)を保持する。
【0052】
なお、比較器865の比較結果CR5の代わりに、カウンタ825の最上位ビットをラッチ845に入力する方法でも、同様な効果が得られる。
【0053】
更に、上記のカウンタ825のカウント値CNT5は、一過性の誤検知によって不正に積算しないために、カウンタ824と、比較器864と、比較器874と、カウンタ824のリセット回路884と、カウンタ825のリセット回路885と、で構成されたリセットタイマによって、定期的にカウンタ825をリセットし、所定の時間内のカウント値CNT5を異常判定に用いる。下記、その動作を説明する。
【0054】
カウンタ824は上述の第三の所定の時間を測定するためのタイマである。
カウンタ824は、リセットされて後、CLK信号95の立ち上がりの回数をカウントし、そのカウント値CNT4を出力する。つまり、
【0055】
比較器864は、カウンタ824のカウント値CNT4(A)と予め設定した判定値N4(B)を比較し、その結果、カウント値CNT4が判定値N4に等しい場合(A=B)、論理レベルHigh(‘H’)に、それ以外の場合は論理レベルLow(‘L’)になる論理を有する信号C_RST5を出力する。
【0056】
カウンタ825のリセット回路885は、リセット信号(RST)81と比較器864の比較結果C_RST5を入力とする論理ORゲートで構成し、カウンタ825のリセット信号CNT5_Rを生成する。すなわち、RST信号81とC_RST5のいずれか一方、または両方が論理レベルHigh(‘H’)の時、CNT5_RのレベルがHigh(‘H’)になり、カウンタ825カウント値CNT5が0にリセットされる。
【0057】
また、比較器874は、カウンタ824のカウント値CNT4(A)を予め設定した判定値N4+1(B)と比較し、その結果、カウント数CNT4がN4+1に等しい場合(A=B)、論理レベルHigh(‘H’)に、それ以外の場合は論理レベルLow(‘L’)になる論理を有する信号C_RST4を出力する。
【0058】
カウンタ824のリセット回路884は、リセット信号(RST)81と比較器874の比較結果C_RST4を入力とする論理ORゲートで構成し、カウンタ824のリセット信号CNT4_Rを生成する。すなわち、RST信号81とC_RST4のいずれか一方、または両方が論理レベルHigh(‘H’)の時、CNT4_RのレベルがHigh(‘H’)になり、カウンタ824カウント値CNT4が0にリセットされる。
【0059】
図6は、実施例1の本発明をPWM変調に用いたシステムに適用した場合における、PWM変調波異常検出装置の搬送波周波数の異常と信号波の異常を検知する処理を示すフローチャートである。
【0060】
図6のフローチャートに基づく動作は以下のとおりである。
ステップS801:
PWM変調波異常検出装置80における測定部801は、変調波55の立ち上がりエッジ間(または立ち下がりエッジ間)毎に検出した基準クロック信号CLKの立ち上がりエッジ回数(または立ち下がりエッジ回数)、つまり、変調波変化時間を測定(カウント)する。
【0061】
ステップS802’:
PWM変調波異常検出装置80における異常判別部802は、変調波変化時間が、所定の下限回数(MINの基準値)を下回った状態が所定時間継続したか否かを判定する。
その結果、変調波変化時間が所定の下限回数(MINの基準値)を下回って、この状態が所定時間継続した場合(Yes)は、ステップS803’へ進み、所定時間継続していない場合(No)は、ステップS801に戻る。
【0062】
ステップS803’:
PWM変調波異常検出装置80における異常判別部802は、搬送波45の搬送波周波数の上限周波数超過異常と判別し、その結果を搬送波周波数の上限周波数超過異常検知信号86(ERR_FH)として演算器10へ伝達し、異常検知処理を終了する。
【0063】
ステップS802’’:
PWM変調波異常検出装置80における異常判別部802は、変調波変化時間が、所定の上限回数(MAXの基準値)を上回った状態が所定時間継続したか否かを判定する。
その結果、変調波変化時間が所定の上限回数(MAXの基準値)を上回って、この状態が所定時間継続した場合(Yes)は、ステップS803’’へ進み、所定時間継続していない場合(No)は、ステップS801に戻る。
【0064】
ステップS803’’:
PWM変調波異常検出装置80における異常判別部802は、搬送波45の搬送波周波数の下限周波数超過異常と判別し、その結果を搬送波周波数の下限周波数超過異常検知信号87(ERR_FL)として演算器10へ伝達し、異常検知処理を終了する。
【0065】
ステップS804:
PWM変調波異常検出装置80における異常判別部802は、搬送波45の変調波変化時間が、所定の上限回数(MAX)を上回った状態と上限回数(MAX)を上回っていない状態が所定の時間内に所定の回数以上繰り返したか否かを判定する。
その結果、変調波変化時間が所定の上限回数(MAX)を上回った状態と上限回数(MAX)を上回っていない状態が所定の時間内に所定の回数以上繰り返した場合(Yes)は、ステップS805へ進み、所定の回数以上繰り返していない場合(No)は、ステップS801に戻る。
【0066】
ステップS805:
PWM変調波異常検出装置80における異常判別部802は、信号波異常と判別し、その結果を信号波異常検知信号89(ERR_SIG)として演算器10へ伝達し、異常検知処理を終了する。
なお、
図6において、ステップS802’、S802’’、S804をパラレル(並列処理)で実行しているが、シリアル(逐次処理)で実行してもよい。
【0067】
以上によって、搬送波45の搬送波周波数が上限正常周波数より上回るという異常状態と、搬送波周波数が下限正常周波数より下回るという異常状態と、信号の異常状態とを区別して検知することができる。
【実施例2】
【0068】
本発明のPWM変調波異常検出装置80の一つは、
信号波35を搬送波45でPWM変調した変調波55が基準値56を上回ってから、再度、前記基準値56を上回るまでの時間、つまり前記変調波55の二つ連続した立ち上がりエッジ間の間隔、又は前記変調波55が前記基準値56を下回ってから、再度、前記基準値56を下回るまでの時間、つまり前記変調波55の二つ連続した立ち上がりエッジ間の間隔である変調波変化時間を測定する測定部801と、
前記測定部で測定した変調波変化時間が所定の範囲の下限値を下回る状態、又は前記変調波変化時間が所定の範囲の上限値を上回る状態が第一の所定の時間以上継続した場合、前記搬送波の周波数が許可できる下限の周波数を下回った異常である搬送波下限周波数異常と判別し、
前記変調波変化時間が所定の範囲の上限値を上回る状態と上回らない状態が第三の所定の時間内に所定の回数以上繰り返した場合、前記信号波の異常と判別する異常判別部802’とを有する。
【0069】
図5を用いて詳しく説明する。実施例2のPWM変調波異常検出装置80の測定部801は、実施例1と全く同じなため説明を省略する。
【0070】
本発明のPWM変調波異常検出装置80の異常判別部802’は、比較器861と、比較器871と、カウンタ826と、比較器866と、ラッチ846と、カウンタ826のリセット回路886と、カウンタ824と、比較器864と、比較器874と、カウンタ824のリセット回路884と、カウンタ825と、比較器865と、ラッチ845と、カウンタ825のリセット回路885と、で構成される。
【0071】
比較器861、比較器871、信号波の異常検知回路は実施例1と全く同じなため説明を省略する。
【0072】
以下、実施例1と異なる、搬送波45の搬送波周波数の異常検知方法を説明する。
カウンタ826は上述の第一の所定の時間を測定するためのタイマである。
カウンタ826は、リセットされた後、CLK信号95の立ち上がりの回数をカウントし、そのカウント値CNT6を出力する。
【0073】
カウンタ826のリセット回路886は、リセット信号(RST)81と、比較器861の比較結果CR1aと比較器871の比較結果CR1bを入力とする論理ANDゲートの出力C_RST6とを、入力とする論理ゲートORで構成し、カウンタ826のリセット信号CNT6_Rを生成する。すなわち、RST信号81とC_RST6のいずれか一方、または両方が論理レベルHigh(‘H’)の時、CNT6_RのレベルがHigh(‘H’)になり、カウンタ826のカウント値CNT6が0にリセットされる。なお、C_RST6論理レベルHigh(‘H’)になるのは、CR1aとCR1b両方が論理レベルHigh(‘H’)になるときだけである。
【0074】
比較器866は、カウンタ826のカウント値CNT6(A)と、予め設定した判定値N6(B)を比較し、カウント値CNT6が判定値N6より大きい場合(A>B)、論理レベルHigh(‘H’)に、それ以外の場合は論理レベルLow(‘L’)になる論理を有する比較結果CR6を出力する。
【0075】
変調波55に含まれる搬送波成分の搬送波周波数が上限周波数を超過していない、かつ下限周波数を超過していない場合(正常状態、
図2(a)を参照)、MAX>CNT1_L>MINであり、CR1a=‘H’かつCR1b=‘H’なので、前記のタイマが常にリセット状態を維持する。しかし、搬送波周波数が上限周波数を超過する又は下限周波数を超過する(異常状態)と、カウンタ826で構成したタイマが開始し、異常状態が所定の時間継続すると、CNT6>N6になり、CR6が‘L’から‘H’に変化する。
【0076】
ラッチ846は、CR6が‘L’から‘H’に変化したタイミングで、搬送波周波数異常検知信号(ERR_FRQ)88の論理レベルを‘L’から‘H’に変化させ、‘H’の状態(異常状態)を保持する。
【0077】
なお、比較器866の比較結果CR6の代わりに、カウンタ826の最上位ビットをラッチ846に入力する方法でも、同様な効果が得られる。
【0078】
図7は、実施例2の本発明のPWM変調を用いたシステムに適用した場合における、PWM変調波異常検出装置の搬送波周波数の異常と信号波の異常を検知する処理を示すフローチャートである。
【0079】
図7のフローチャートに基づく動作は以下のとおりである。
ステップS801:
PWM変調波異常検出装置80における測定部801は、変調波55の立ち上がりエッジ間(または立ち下がりエッジ間)毎に検出した基準クロック信号CLKの立ち上がりエッジ回数(または立ち下がりエッジ回数)、つまり、変調波変化時間を測定(カウント)する。
【0080】
ステップS802:
PWM変調波異常検出装置80における異常判別部802’は、変調波変化時間が所定の下限回数(MINの基準値)を下回った状態又は所定の上限回数(MAXの基準値)を上回った状態が所定の時間継続したかを判定する。
その結果、変調波変化時間が所定の下限回数(MINの基準値)を下回った状態又は所定の上限回数(MAXの基準値)を上回った状態が所定時間継続した場合(Yes)は、ステップS803へ進み、所定時間以上継続していない場合(No)は、ステップS801に戻る。
【0081】
ステップS803:
PWM変調波異常検出装置80における異常判別部802’は、搬送波45の搬送波周波数異常と判別し、その結果を搬送波周波数異常検知信号88(ERR_FRQ)として演算器10へ伝達し、異常検知処理を終了する。
【0082】
ステップS804:
PWM変調波異常検出装置80における異常判別部802’は、変調波変化時間が、所定の上限回数(MAX)を上回った状態と上限回数(MAX)を上回っていない状態が所定の回数以上繰り返したかを判定する。
その結果、変調波変化時間が所定の回数以上繰り返した場合(Yes)は、ステップS805へ進み、所定の回数以上繰り返していない場合(No)は、ステップS801に戻る。
【0083】
ステップS805:
PWM変調波異常検出装置80における異常判別部802は、信号波35の信号波異常と判別し、その結果を信号波異常検知信号89(ERR_SIG)として演算器10へ伝達し、異常検知処理を終了する。
【0084】
以上によって、搬送波45の搬送波周波数異常状態と、信号の異常状態とを区別して検知することができる。
【0085】
以上、本発明のPWM変調波異常検出装置(LOGIC)80の代表的な構成と動作原理である。なお、本発明は上述した実施例1と実施例2に限定されるものではなく、同等の結果が得られる微小変更した構成も含まれる。
【0086】
例えば、測定部801は変調波55の二つ連続した立ち上がりエッジの間隔を測定するが、変調波55の二つ連続した立ち下がりエッジの間隔を測定する構成に組み替えてもよい。
【0087】
また、本実施例では、搬送波周波数の上限周波数超過異常検知信号(ERR_FH)86、搬送波周波数の下限周波数超過異常検知信号(ERR_FL)87、搬送波周波数の異常検知信号88(ERR_FRQ)と信号波異常検知信号(ERR_SIG)89は、論理レベルLow(‘L’)の時が「正常状態」、High(‘H’)の時が「異常状態」を意味するように設計されている。論理レベルLow(‘L’)/High(‘H’)と正常状態/異常状態の関係を逆にしたい場合は、ラッチ842、843、845、846のD端子入力レベルをLow(‘L’)に変更すれば良い。
【0088】
また、本発明の比較器の出力やリセット信号などの内部信号を正論理で設計しているが、負論理で設計してもよい。
【0089】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記のPWM変調波検出装置の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【符号の説明】
【0090】
10 演算器
20 信号波発生器
30 前段増幅器
40 搬送波発生器
50 変調器
60 後段増幅器
70 負荷
80 PWM変調波異常検出装置
90 基準クロック発生器
15 デジタルデータ
35 信号波
45 搬送波
55 変調波(PWM)
56 基準値
81 リセット信号(RST)
85 異常検知信号
86 搬送波周波数の上限周波数超過異常検知信号(ERR_FH)
87 搬送波周波数の下限周波数超過異常検知信号(ERR_FL)
88 搬送波周波数異常検知信号(ERR_FRQ)
89 信号波異常検知信号(ERR_SIG)
95 基準クロック信号(CLK)
801 PWM変調波異常検出装置80の測定部
802 PWM変調波異常検出装置80の異常判別部(実施例1)
802’ PWM変調波異常検出装置80の異常判別部(実施例2)
810 変調波55の立ち上がりエッジ検出回路
815 PWM_EDG信号の立ち下がりエッジ検出回路
821 カウンタ
822 カウンタ
823 カウンタ
824 カウンタ
825 カウンタ
826 カウンタ
841 ラッチ
842 ラッチ
843 ラッチ
845 ラッチ
846 ラッチ
861 比較器
862 比較器
863 比較器
873 比較器
864 比較器
865 比較器
866 比較器
871 比較器
874 比較器
881 カウンタ821のリセット回路
882 カウンタ822のリセット回路
883 カウンタ823のリセット回路
884 カウンタ824のリセット回路
885 カウンタ825のリセット回路
886 カウンタ826のリセット回路