(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】点灯装置、照明器具及び照明システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/105 20200101AFI20240802BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20240802BHJP
H05B 45/345 20200101ALI20240802BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20240802BHJP
H05B 45/335 20200101ALI20240802BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B45/375
H05B45/345
H05B45/325
H05B45/335
(21)【出願番号】P 2020174529
(22)【出願日】2020-10-16
【審査請求日】2023-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】館山 涼
(72)【発明者】
【氏名】大澤 祐也
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-150975(JP,A)
【文献】特開2012-226839(JP,A)
【文献】特開2018-163852(JP,A)
【文献】特開2017-111877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのLEDを有する複数の光源を備えた照明器具に用いられる点灯装置であり、前記光源のそれぞれに流れる電流値を制御して前記光源のそれぞれの点灯状態を制御する点灯装置であって、
PWM信号が入力される受信部と、
前記PWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに対して前記照明器具の色温度及び調光率の組み合わせを関連付けた情報を複数有するテーブルを記憶した第1記憶部と、
前記光源のいずれかに接続され、接続された前記光源に電流を供給する複数の電流供給部と、
前記受信部に入力された前記PWM信号の前記周期時間及び前記デューティー比の組み合わせに関連付けられた前記色温度及び前記調光率となるように、前記電流供給部のそれぞれが供給する電流値を制御する制御部と、
を備えて
おり、
前記受信部に入力された前記PWM信号の前記周期時間及び前記デューティー比のうちの少なくとも一方が変化した場合、
前記制御部は、変化後の前記PWM信号が規定周期継続した際、変化後の前記PWM信号の前記周期時間及び前記デューティー比の組み合わせに関連付けられた前記色温度及び前記調光率となるように、前記電流供給部のそれぞれが供給する電流値を変更する構成であり、
前記テーブルが有する前記情報のそれぞれは、前記PWM信号の前記周期時間及び前記デューティー比の組み合わせに対して、フェード時間がさらに関連付けられており、
前記制御部は、前記電流供給部のそれぞれが供給する電流値を変更する際、前記フェード時間かけて、変化後の前記PWM信号の前記周期時間及び前記デューティー比の組み合わせに関連付けられた前記色温度及び前記調光率となるように、前記電流供給部のそれぞれが供給する電流値に変更していく構成である点灯装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の点灯装置と、
複数の前記光源と、
を備えている照明器具。
【請求項3】
請求項
2に記載の照明器具と、
出力装置と、
を備え、
前記出力装置は、
前記照明器具が設定される前記色温度及び前記調光率の情報が入力される入力部と、
前記テーブルを記憶した第2記憶部と、
前記入力部に入力された前記色温度及び前記調光率の組み合わせに関連付けられた前記周期時間及び前記デューティー比となる前記PWM信号を前記点灯装置の前記受信部に出力する出力部と、
を備えている照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、色温度及び調光率を調整可能な照明器具に用いられる点灯装置、該点灯装置を備えた照明器具、及び、該照明器具を備えた照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、色温度及び調光率を調整可能な照明器具が知られている(例えば特許文献1参照)。このような照明器具は、少なくとも1つのLEDを有する複数の光源を備えている。LEDは、Light Emitting Diodeの略称である。LEDは、発光ダイオードとも称される。そして、点灯装置が光源のそれぞれに流れる電流値を制御して、光源のそれぞれの点灯状態を制御することにより、照明器具の色温度及び調光率が調整される。具体的には、各光源のLEDが発する光は、異なる色温度の光となっている。そして、照明器具が発する光は、各光源から発せられる光が混合したものとなる。このため、各光源から発せられる光量を変更することにより、照明器具から発せられる光の色温度が変化する。したがって、点灯装置が光源のそれぞれに流れる電流値を制御することにより、照明器具の色温度を変更することができる。また、各光源から発せられる光量を変更することにより、照明器具全体として発する光量も変化する。このため、点灯装置が光源のそれぞれに流れる電流値を制御することにより、照明器具の調光率を変更することもできる。
【0003】
ここで、上述のような照明器具に用いられている従来の点灯装置には、調色用の信号として、PWM信号が入力される。換言すると、従来の点灯装置には、照明器具に対して希望する光の色温度を点灯装置に知らせる信号として、PWM信号が入力される。この調色用のPWM信号は、照明器具に対して希望する光の色温度によって、デューティー比が異なる。また、上述のような照明器具に用いられている従来の点灯装置には、調光用の信号として、調色用の信号とは異なるPWM信号が入力される。換言すると、従来の点灯装置には、照明器具に対して希望する光量を点灯装置に知らせる信号として、PWM信号が入力される。この調光用のPWM信号は、照明器具に対して希望する光量によって、つまり照明器具に対して希望する調光率によって、デューティー比が異なる。なお、PWM信号のPWMは、Pulse Width Modulationの略称である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、色温度及び調光率を調整可能な照明器具の従来の点灯装置は、PWM信号のデューティー比のみによって、希望する照明器具の色温度及び調光率を認識できる構成となっていた。このため、従来の点灯装置は、1つのPWM信号のみでは、希望する照明器具の色温度及び調光率の組み合わせを認識できる数が少ないという課題があった。したがって、従来の点灯装置は、調色用と調光用の2つのPWM信号を用いて、希望する照明器具の色温度及び調光率の組み合わせを認識する構成となっていた。
【0006】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであり、1つのPWM信号によって、希望する照明器具の色温度及び調光率の組み合わせの数を従来よりも多く認識することができる点灯装置を得ることを第1の目的とする。また、本開示は、このような点灯装置を備えた照明器具を得ることを第2の目的とする。また、本開示は、このような照明器具を備えた照明システムを得ることを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る点灯装置は、少なくとも1つのLEDを有する複数の光源を備えた照明器具に用いられる点灯装置であり、前記光源のそれぞれに流れる電流値を制御して前記光源のそれぞれの点灯状態を制御する点灯装置であって、PWM信号が入力される受信部と、前記PWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに対して前記照明器具の色温度及び調光率の組み合わせを関連付けた情報を複数有するテーブルを記憶した第1記憶部と、前記光源のいずれかに接続され、接続された前記光源に電流を供給する複数の電流供給部と、前記受信部に入力された前記PWM信号の前記周期時間及び前記デューティー比の組み合わせに関連付けられた前記色温度及び前記調光率となるように、前記電流供給部のそれぞれが供給する電流値を制御する制御部と、を備えており、前記受信部に入力された前記PWM信号の前記周期時間及び前記デューティー比のうちの少なくとも一方が変化した場合、前記制御部は、変化後の前記PWM信号が規定周期継続した際、変化後の前記PWM信号の前記周期時間及び前記デューティー比の組み合わせに関連付けられた前記色温度及び前記調光率となるように、前記電流供給部のそれぞれが供給する電流値を変更する構成であり、前記テーブルが有する前記情報のそれぞれは、前記PWM信号の前記周期時間及び前記デューティー比の組み合わせに対して、フェード時間がさらに関連付けられており、前記制御部は、前記電流供給部のそれぞれが供給する電流値を変更する際、前記フェード時間かけて、変化後の前記PWM信号の前記周期時間及び前記デューティー比の組み合わせに関連付けられた前記色温度及び前記調光率となるように、前記電流供給部のそれぞれが供給する電流値に変更していく構成である。
【0008】
また、本開示に係る照明器具は、本開示に係る点灯装置と、複数の前記光源と、を備えている。
【0009】
また、本開示に係る照明システムは、本開示に係る照明器具と、出力装置と、を備え、前記出力装置は、前記照明器具が設定される前記色温度及び前記調光率の情報が入力される入力部と、前記テーブルを記憶した第2記憶部と、前記入力部に入力された前記色温度及び前記調光率の組み合わせに関連付けられた前記周期時間及び前記デューティー比となる前記PWM信号を前記点灯装置の前記受信部に出力する出力部と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る点灯装置は、第1記憶部に記憶されたテーブルを用いることにより、PWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせによって、希望する照明器具の色温度及び調光率の組み合わせを認識することができる。このため、本開示に係る点灯装置は、1つのPWM信号によって、希望する照明器具の色温度及び調光率の組み合わせの数を従来よりも多く認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施の形態に係る照明システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施の形態に係るテーブルの一例を示す図である。
【
図3】本実施の形態に係るテーブルの一例を示す図である。
【
図4】本実施の形態に係る照明器具が点灯状態を変更する際の動作の一例を示す図である。
【
図5】本実施の形態に係る照明器具が点灯状態を変更する際の動作の別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態.
図1は、本実施の形態に係る照明システムの概略構成を示すブロック図である。
照明システム100は、出力装置40及び照明器具30を備えている。出力装置40は、希望する照明器具30の色温度及び調光率を示す制御信号として、PWM信号を照明器具30に出力するものである。照明器具30は、出力装置40から出力されたPWM信号に応じて、色温度及び調光率を調整可能な照明器具である。
【0013】
照明器具30は、複数の光源と、点灯装置10とを備えている。複数の光源のそれぞれは、少なくとも1つのLEDを有している。また、各光源のLEDが発する光は、異なる色温度の光となっている。なお、
図1では、4つの光源を例示している。具体的には、
図1では、光源20a、光源20b、光源20c及び光源20dを例示している。以下、複数の光源として、光源20a~光源20dを用いて説明していく。点灯装置10は、光源のそれぞれに流れる電流値を制御して光源のそれぞれの点灯状態を制御するものである。すなわち、本実施の形態では、点灯装置10は、光源20a~光源20dのそれぞれに流れる電流値を制御して、光源20a~光源20dのそれぞれの点灯状態を制御する。なお、本実施の形態では、光源20a~光源20dと点灯装置10とは、同じ筐体に収納されている。
【0014】
点灯装置10は、受信部11と、第1記憶部12と、複数の電流供給部(14a~14d等)と、制御部15とを備えている。受信部11は、出力装置40から出力されたPWM信号が入力されるものである。第1記憶部12は、テーブル13を記憶しているものである。テーブル13は、受信部11に入力されるPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに対して照明器具30の色温度及び調光率の組み合わせを関連付けた情報を、複数有している。以下に、テーブル13の一例を紹介する。
【0015】
図2及び
図3は、本実施の形態に係るテーブルの一例を示す図である。
図2に示すテーブル13は、情報1及び情報2を有している。情報1は、受信部11に入力されるPWM信号の周期時間が25.5msでデューティー比が5%の場合、照明器具30の色温度が6925Kで調光率が100%であると関連付けられている。この情報1は、例えば、昼の海の空の様子を再現する際に用いることができる。また、情報2は、受信部11に入力されるPWM信号の周期時間が16.5msでデューティー比が5%の場合、照明器具30の色温度が4499Kで調光率が100%であると関連付けられている。この情報2は、例えば、朝夕の海の空の様子を再現する際に用いることができる。なお、
図2に示すテーブル13は、情報1及び情報2に加え、さらに多くの情報を備えていてもよい。なお、デューティー比とは、PWM信号1周期中のオン時間の割合である。
【0016】
図3に示すテーブル13は、情報3及び情報4を有している。情報3は、
図2で示した情報1と同じ情報になっている。また、情報4は、受信部11に入力されるPWM信号の周期時間が25.5msでデューティー比が50%の場合、照明器具30の色温度が6925Kで調光率が50%であると関連付けられている。この情報4は、例えば、情報3よりも光量の少ない昼の海の空の様子を再現する際に用いることができる。なお、
図3に示すテーブル13は、情報3及び情報4に加え、さらに多くの情報を備えていてもよい。
【0017】
ここで、
図2及び
図3に示すテーブル13が有する各情報は、受信部11に入力されるPWM信号の周期時間及びデューティー比のうち、一方のみが異なっていた。これに限らず、
図2及び
図3に示すテーブル13が有する各情報は、受信部11に入力されるPWM信号の周期時間及びデューティー比のうちの双方が異なっていてもよい。また、
図2及び
図3に示すテーブル13が有する各情報は、照明器具30の色温度及び調光率のうち、一方のみが異なっていた。これに限らず、
図2及び
図3に示すテーブル13が有する各情報は、照明器具30の色温度及び調光率のうちの双方が異なっていてもよい。
【0018】
また、
図2及び
図3に示すテーブル13では、テーブル13が有する情報のそれぞれは、受信部11に入力されるPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに対して、フェード時間がさらに関連付けられている。なお、フェード時間とは、照明器具30の色温度及び調光率のうちの少なくとも一方を変更する際の、変更開始から変更終了までの時間である。
【0019】
複数の電流供給部は、複数の光源のいずれかに接続され、接続された光源に電流を供給するものである。複数の電流供給部は、例えば、バックコンバータ回路等のように定電流を供給するものである。なお、
図1では、4つの電流供給部を例示している。具体的には、
図1では、光源20aに接続された電流供給部14a、光源20bに接続された電流供給部14b、光源20cに接続された電流供給部14c、及び、光源20dに接続された電流供給部14dを例示している。以下、複数の電流供給部として、電流供給部14a~電流供給部14dを用いて説明していく。
【0020】
制御部15は、受信部11に入力されたPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに関連付けられた色温度及び調光率となるように、電流供給部のそれぞれが供給する電流値を制御するものである。換言すると、制御部15は、受信部11に入力されたPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに関連付けられた色温度及び調光率となるように、電流供給部のそれぞれに対して供給する電流値を指令するものである。これにより、各光源から発せられる光量は供給される電流値によって変化し、各光源から発せられる光が混合したものである照明器具30から発せられる光は、色温度が変化する。また、各光源から発せられる光量が供給される電流値によって変化することで、照明器具30全体として発する光量も変化する。すなわち、照明器具30の調光率も変化する。
【0021】
なお、本実施の形態では、点灯装置10の第1記憶部12及び制御部15は、専用のハードウェア、又はメモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)で構成されている。なお、CPUは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はプロセッサともいう。
【0022】
第1記憶部12及び制御部15が専用のハードウェアである場合、第1記憶部12及び制御部15は、例えば、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。第1記憶部12及び制御部15が実行する各機能のそれぞれを、個別のハードウェアで実現してもよいし、各機能部を一つのハードウェアで実現してもよい。
【0023】
第1記憶部12及び制御部15がCPUの場合、第1記憶部12及び制御部15が実行する各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。CPUは、メモリに格納されたプログラムを読み出して実行することにより、第1記憶部12及び制御部15の各機能を実現する。ここで、メモリは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、又はEEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。
【0024】
なお、第1記憶部12及び制御部15の機能の一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。
【0025】
出力装置40は、入力部41と、第2記憶部42と、出力部43とを備えている。入力部41は、照明器具30が設定される色温度及び調光率の情報が入力されるものである。すなわち、入力部41は、希望する照明器具30の色温度及び調光率が入力されるものである。第2記憶部42は、上述したテーブル13を記憶しているものである。出力部43は、入力部41に入力された色温度及び調光率の組み合わせに関連付けられた周期時間及びデューティー比となるPWM信号を、点灯装置10の受信部11に出力するものである。
【0026】
なお、本実施の形態では、出力装置40の第2記憶部42及び出力部43は、点灯装置10の第1記憶部12及び制御部15と同様に、専用のハードウェア、又はメモリに格納されるプログラムを実行するCPUで構成されている。
【0027】
続いて、照明システム100の動作について説明する。
【0028】
まず、消灯している照明器具30を点灯させる動作について説明する。
照明器具30に対して設定される色温度及び調光率の情報が出力装置40の入力部41に入力されると、出力装置40の出力部43は、第2記憶部42のテーブル13を参照し、これらの色温度及び調光率の組み合わせに関連付けられたPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせを求める。そして、出力部43は、求めた周期時間及びデューティー比となるPWM信号を、点灯装置10の受信部11へ出力する。
【0029】
出力装置40の出力部43から点灯装置10の受信部11へPWM信号が入力されると、点灯装置10の制御部15は、第1記憶部12のテーブル13を参照し、PWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに関連付けられた照明器具30の色温度及び調光率の組み合わせを求める。そして、制御部15は、照明器具30が求めた色温度及び調光率の組み合わせとなるように、電流供給部14a~電流供給部14dが光源20a~光源20dへ供給する電流値を制御する。これにより、照明器具30は、設定された色温度及び調光率となる。
【0030】
なお、本実施の形態では、テーブル13が有する情報のそれぞれは、受信部11に入力されるPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに対して、フェード時間がさらに関連付けられている。このため、点灯装置10は、関連付けられているフェード時間かけて、消灯している照明器具30を、設定された色温度及び調光率に点灯させてもよい。
【0031】
図2に示すテーブル13を用いて、さらに具体的に説明する。
照明器具30に対して設定される色温度6925K及び調光率100%の情報が出力装置40の入力部41に入力されると、出力装置40の出力部43は、第2記憶部42のテーブル13を参照し、PWM信号が周期時間25.5msでデューティー比5%であると求める。そして、出力部43は、周期時間25.5msでデューティー比5%のPWM信号を、点灯装置10の受信部11へ出力する。
【0032】
出力装置40の出力部43から点灯装置10の受信部11へPWM信号が入力されると、点灯装置10の制御部15は、第1記憶部12のテーブル13を参照し、PWM信号の周期時間25.5ms及びデューティー比5%の組み合わせに関連付けられた照明器具30の色温度が6925Kで調光率が100%であると求める。そして、制御部15は、照明器具30が色温度6925Kで調光率100%となるように、電流供給部14a~電流供給部14dが光源20a~光源20dへ供給する電流値を制御する。これにより、照明器具30は、設定された色温度及び調光率となる。この際、点灯装置10は、フェード時間1秒かけて、消灯している照明器具30を、設定された色温度及び調光率に点灯させてもよい。
【0033】
次に、点灯している照明器具30の点灯状態を変更する際の動作について説明する。
点灯している照明器具30の色温度及び調光率のうちの少なくとも一方を変更したい場合、新たに照明器具30に対して設定される色温度及び調光率の情報を、出力装置40の入力部41に入力する。新たに照明器具30に対して設定される色温度及び調光率の情報が出力装置40の入力部41に入力されると、出力装置40の出力部43は、第2記憶部42のテーブル13を参照し、これらの色温度及び調光率の組み合わせに関連付けられたPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせを求める。そして、出力部43は、求めた周期時間及びデューティー比となるPWM信号を、点灯装置10の受信部11へ出力する。このPWM信号は、以前に出力されていたPWM信号と比べ、周期時間及びデューティー比のうちの少なくとも一方が変化したものとなる。このため、点灯装置10の受信部11に入力されるPWM信号も、以前に入力されていたPWM信号と比べ、周期時間及びデューティー比のうちの少なくとも一方が変化したものとなる。
【0034】
点灯装置10の受信部11に入力されたPWM信号の周期時間及びデューティー比のうちの少なくとも一方が変化した場合、点灯装置10の制御部15は、次のように動作する。制御部15は、変化後のPWM信号が規定周期継続した際、変化後のPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに関連付けられた色温度及び調光率となるように、電流供給部のそれぞれが供給する電流値を変更する。例えば、出力装置40の出力部43から点灯装置10の受信部11へ変化後のPWM信号が規定周期継続して入力されると、点灯装置10の制御部15は、第1記憶部12のテーブル13を参照し、変化後のPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに関連付けられた照明器具30の色温度及び調光率の組み合わせを求める。そして、制御部15は、照明器具30が求めた色温度及び調光率の組み合わせとなるように、電流供給部14a~電流供給部14dが光源20a~光源20dへ供給する電流値を制御する。これにより、照明器具30は、設定された色温度及び調光率となる。なお、点灯装置10の制御部15は、変化後のPWM信号が入力された際、当該PWM信号が規定周期継続する前に、変化後のPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに関連付けられた照明器具30の色温度及び調光率の組み合わせを予め求めておいてもよい。
【0035】
ここで、本実施の形態では、テーブル13が有する情報のそれぞれは、受信部11に入力されるPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに対して、フェード時間がさらに関連付けられている。このため、本実施の形態においては、点灯装置10は、電流供給部14a~電流供給部14dが光源20a~光源20dへ供給する電流値を変更していく際、関連付けられているフェード時間かけて、変化後のPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに関連付けられた照明器具30の色温度及び調光率となるように、電流供給部14a~電流供給部14dが光源20a~光源20dへ供給する電流値を変更していく。
【0036】
以下、図面を用いて、点灯している照明器具30の点灯状態を変更する際の動作について、さらに具体的に説明する。
【0037】
図4は、本実施の形態に係る照明器具が点灯状態を変更する際の動作の一例を示す図である。
この
図4の上部は、点灯装置10の受信部11に入力されたPWM信号を示している。また、
図4の下部は、照明器具30の色温度の変化を示している。なお、
図4では、変化後のPWM信号が1周期継続した際、照明器具30の色温度を変化させる例を示している。
【0038】
詳しくは、
図4では、時間Tsよりも前においては、点灯装置10の受信部11に、PWM信号Aが入力されている。このPWM信号Aは、周期時間がTaとなっており、オン時間がTaonとなっており、オフ時間がTaoffとなっている。すなわち、Taoffは、次式となる。
Taoff=Ta-Taon…(1)
また、このPWM信号Aのデューティー比Daは、次式となる。
Da=Taon/Ta…(2)
【0039】
このPWM信号Aは、テーブル13によって、照明器具30の色温度CT1と関連付けられている。このため、時間Tsよりも前においては、照明器具30の色温度は、CT1となっている。したがって、時間Tsよりも前においては、点灯装置10の制御部15は、照明器具30の色温度がCT1となるように、電流供給部14a~電流供給部14dが光源20a~光源20dへ供給する電流値を制御する。
【0040】
また、
図4では、時間Tsにおいて、点灯装置10の受信部11に入力されるPWM信号が変化している。具体的には、時間Ts以後においては、点灯装置10の受信部11に、PWM信号Bが入力されている。このPWM信号Bは、PWM信号Aと比べ、周期時間が異なっており、デューティー比が同じとなっている。すなわち、PWM信号Bの周期時間Tb、PWM信号Bのオン時間Tbon、PWM信号Bのオフ時間Tboff、及び、PWM信号Bのデューティー比Dbは、次式となる。なお、次式に示すαは、任意の定数である。
Tb=Ta×α…(3)
Tbon=Taon×α…(4)
Tboff=Tb-Tbon=(Ta-Taon)×α…(5)
Db=Tbon/Tb=(Taon×α)/(Ta×α)=Da…(6)
【0041】
このPWM信号Bは、テーブル13によって、照明器具30の色温度CT2と関連付けられている。このため、点灯装置10の受信部11にPWM信号Bが1周期入力された際、点灯装置10の制御部15は、照明器具30の色温度がCT2となるように、電流供給部14a~電流供給部14dが光源20a~光源20dへ供給する電流値を制御する。ここで、本実施の形態では、PWM信号Bは、テーブル13によって、フェード時間Tf1と関連付けられている。このため、点灯装置10の受信部11にPWM信号Bが1周期入力された際、点灯装置10の制御部15は、フェード時間Tf1かけて、電流供給部14a~電流供給部14dが光源20a~光源20dへ供給する電流値を変更していく。
【0042】
なお、
図4に示す例では、点灯装置10の受信部11に入力されるPWM信号をPWM信号AからPWM信号Bに変化させることにより、照明器具30の色温度をCT1からCT2へ変化させた。これに限らず、点灯装置10の受信部11に入力されるPWM信号をPWM信号AからPWM信号Bに変化させることにより、照明器具30の調光率を変化させてもよい。テーブル13において、PWM信号Aに関連付けられた照明器具30の調光率と、PWM信号Bに関連付けられた照明器具30の調光率とを異ならせておけば、PWM信号AからPWM信号Bに変化させることによる調光率の変更を実現することができる。
【0043】
図5は、本実施の形態に係る照明器具が点灯状態を変更する際の動作の別の一例を示す図である。
この
図5の上部は、点灯装置10の受信部11に入力されたPWM信号を示している。また、
図5の下部は、照明器具30の調光率の変化を示している。なお、
図5では、変化後のPWM信号が1周期継続した際、照明器具30の調光率を変化させる例を示している。
【0044】
詳しくは、
図5では、時間Tsよりも前においては、点灯装置10の受信部11に、PWM信号Aが入力されている。このPWM信号Aは、テーブル13によって、照明器具30の調光率M1と関連付けられている。このため、時間Tsよりも前においては、照明器具30の調光率は、M1となっている。したがって、時間Tsよりも前においては、点灯装置10の制御部15は、照明器具30の調光率がM1となるように、電流供給部14a~電流供給部14dが光源20a~光源20dへ供給する電流値を制御する。
【0045】
また、
図5では、時間Tsにおいて、点灯装置10の受信部11に入力されるPWM信号が変化している。具体的には、時間Ts以後においては、点灯装置10の受信部11に、PWM信号Cが入力されている。このPWM信号Cは、PWM信号Aと比べ、デューティー比が異なっており、周期時間が同じTaとなっている。すなわち、PWM信号Cのオン時間Tcon、PWM信号Cのオフ時間Tcoff、及び、PWM信号Cのデューティー比Dcは、次式となる。なお、次式に示すβは、任意の定数である。
Tcon=Taon×β…(7)
Tcoff=Ta-Tcon…(8)
Dc=Tcon/Ta=Taon×β/Ta…(9)
【0046】
このPWM信号Cは、テーブル13によって、照明器具30の調光率M2と関連付けられている。このため、点灯装置10の受信部11にPWM信号Cが1周期入力された際、点灯装置10の制御部15は、照明器具30の調光率がM2となるように、電流供給部14a~電流供給部14dが光源20a~光源20dへ供給する電流値を制御する。ここで、本実施の形態では、PWM信号Cは、テーブル13によって、フェード時間Tf2と関連付けられている。このため、点灯装置10の受信部11にPWM信号Cが1周期入力された際、点灯装置10の制御部15は、フェード時間Tf2かけて、電流供給部14a~電流供給部14dが光源20a~光源20dへ供給する電流値を変更していく。
【0047】
なお、
図5に示す例では、点灯装置10の受信部11に入力されるPWM信号をPWM信号AからPWM信号Cに変化させることにより、照明器具30の調光率をM1からM2へ変化させた。これに限らず、点灯装置10の受信部11に入力されるPWM信号をPWM信号AからPWM信号Cに変化させることにより、照明器具30の色温度を変化させてもよい。テーブル13において、PWM信号Aに関連付けられた照明器具30の色温度と、PWM信号Cに関連付けられた照明器具30の色温度とを異ならせておけば、PWM信号をPWM信号AからPWM信号Cに変化させることによる色温度の変更を実現することができる。
【0048】
以上、本実施の形態に係る点灯装置10は、少なくとも1つのLEDを有する複数の光源を備えた照明器具30に用いられる点灯装置であり、光源のそれぞれに流れる電流値を制御して光源のそれぞれの点灯状態を制御する点灯装置である。点灯装置10は、受信部11と、第1記憶部12と、複数の電流供給部と、制御部15とを備えている。受信部11は、PWM信号が入力されるものである。第1記憶部12は、テーブル13を記憶している。テーブル13は、受信部11に入力されるPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに対して照明器具30の色温度及び調光率の組み合わせを関連付けた情報を複数有している。複数の電流供給部は、光源のいずれかに接続され、接続された光源に電流を供給するものである。制御部15は、受信部に入力されたPWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせに関連付けられた色温度及び調光率となるように、電流供給部のそれぞれが供給する電流値を制御するものである。
【0049】
このように構成された点灯装置10においては、第1記憶部12に記憶されたテーブル13を用いることにより、PWM信号の周期時間及びデューティー比の組み合わせによって、希望する照明器具30の色温度及び調光率の組み合わせを認識することができる。このため、このように構成された点灯装置10は、1つのPWM信号によって、希望する照明器具30の色温度及び調光率の組み合わせの数を従来よりも多く認識することができる。
【符号の説明】
【0050】
10 点灯装置、11 受信部、12 第1記憶部、13 テーブル、14a~14d 電流供給部、15 制御部、20a~20d 光源、30 照明器具、40 出力装置、41 入力部、42 第2記憶部、43 出力部、100 照明システム。