(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】支援システム
(51)【国際特許分類】
A01D 41/127 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
A01D41/127 110
(21)【出願番号】P 2021082326
(22)【出願日】2021-05-14
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】堀 高範
(72)【発明者】
【氏名】林 壮太郎
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 直
(72)【発明者】
【氏名】堀内 真幸
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-066917(JP,A)
【文献】特開2018-186726(JP,A)
【文献】特開2004-024056(JP,A)
【文献】特開2017-077204(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0245557(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/127
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場の作物を収穫する収穫部と、前記収穫部によって収穫された前記作物の脱穀処理を行う脱穀装置とを備えた収穫機の収穫作業を支援する支援システムであって、
前記脱穀装置は、前記作物を脱穀する脱穀部と、前記脱穀部の下方に設けられ、前記脱穀部から漏下してきた脱穀処理物を選別処理する選別部と、前記選別部によって選別された選別処理物のうちの一番物を回収する一番物回収部と、前記選別処理物のうちの二番物を回収する二番物回収部と、前記二番物回収部により回収された前記二番物を前記選別部に還元する二番物還元装置と、を有するものであり、
前記一番物の回収量を一番物回収量として測定する一番物センサと、
前記二番物の還元量を二番物還元量として測定する二番物センサと、
前記一番物回収量と前記二番物還元量とに基づいて、前記選別処理における前記脱穀処理物のロス率を推定するロス率推定部と、を備え
、
推定された前記ロス率に基づいて、当該ロス率を低減するように、前記脱穀装置の設定を変更可能な機器設定値である脱穀パラメータを設定する設定部を備え、
前記収穫機の走行速度が前記脱穀パラメータに含まれ、
前記設定部は、前記ロス率が低減されない場合に、前記収穫機の前記走行速度が低減されるように前記脱穀パラメータを設定する支援システム。
【請求項2】
前記ロス率推定部は、前記二番物還元量を、前記一番物回収量と前記二番物還元量との和で除して前記ロス率を推定する請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
圃場の作物を収穫する収穫部と、前記収穫部によって収穫された前記作物の脱穀処理を行う脱穀装置とを備えた収穫機の収穫作業を支援する支援システムであって、
前記脱穀装置は、前記作物を脱穀する脱穀部と、前記脱穀部の下方に設けられ、前記脱穀部から漏下してきた脱穀処理物を選別処理する選別部と、前記選別部によって選別された選別処理物のうちの一番物を回収する一番物回収部と、前記選別処理物のうちの二番物を回収する二番物回収部と、前記二番物回収部により回収された前記二番物を前記選別部に還元する二番物還元装置と、を有するものであり、
前記一番物の回収量を一番物回収量として測定する一番物センサと、
前記二番物の還元量を二番物還元量として測定する二番物センサと、
前記一番物回収量と前記二番物還元量とに基づいて、前記選別処理における前記脱穀処理物のロス率を推定するロス率推定部と、を備え、
前記ロス率推定部が推定する際に用いる前記一番物回収量と前記二番物還元量とは、互いに測定されたタイミングが異な
る支援システム。
【請求項4】
推定された前記ロス率を表示する表示部を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の支援システム。
【請求項5】
前記ロス率推定部は、前記収穫作業中にリアルタイムで推定する請求項1から
4のいずれか一項に記載の支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場の作物を収穫する収穫部と、当該収穫部によって収穫された作物の脱穀処理を行う脱穀装置とを備えた収穫機の収穫作業を支援する支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場の作物を収穫する収穫機が利用されている。このような収穫機として、例えば特許文献1に記載のコンバインがある。
【0003】
特許文献1に記載のコンバインは、刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置が備えられ、脱穀装置の脱穀処理の一番物を穀粒タンクへ搬送する一番搬送装置と、脱穀装置の脱穀処理の二番物を脱穀装置へ戻す二番搬送装置と、脱穀装置の脱穀処理における穀粒のロスを検知するロスセンサとが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術のように、脱穀処理における穀粒のロスを検知することが有用である。しかしながら、このようなロスセンサによるロスは絶対値を検知したものであることから、例えば脱穀処理物の量によっては同じ絶対値であっても良否判定が異なる場合がある。このため、脱穀処理におけるロスが許容できるものであるか否か、すなわち脱穀処理におけるロスが適切なものであるか否かを判定するにあたり改善の余地がある。
【0006】
そこで、脱穀処理におけるロスが適切なものであるか否かを把握することが可能な支援システムが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る支援システムの特徴構成は、圃場の作物を収穫する収穫部と、前記収穫部によって収穫された前記作物の脱穀処理を行う脱穀装置とを備えた収穫機の収穫作業を支援する支援システムであって、前記脱穀装置は、前記作物を脱穀する脱穀部と、前記脱穀部の下方に設けられ、前記脱穀部から漏下してきた脱穀処理物を選別処理する選別部と、前記選別部によって選別された選別処理物のうちの一番物を回収する一番物回収部と、前記選別処理物のうちの二番物を回収する二番物回収部と、前記二番物回収部により回収された前記二番物を前記選別部に還元する二番物還元装置と、を有するものであり、前記一番物の回収量を一番物回収量として測定する一番物センサと、前記二番物の還元量を二番物還元量として測定する二番物センサと、前記一番物回収量と前記二番物還元量とに基づいて、前記選別処理における前記脱穀処理物のロス率を推定するロス率推定部と、を備え、推定された前記ロス率に基づいて、当該ロス率を低減するように、前記脱穀装置の設定を変更可能な機器設定値である脱穀パラメータを設定する設定部を備え、前記収穫機の走行速度が前記脱穀パラメータに含まれ、前記設定部は、前記ロス率が低減されない場合に、前記収穫機の走行速度が低減されるように前記脱穀パラメータを設定する点にある。
【0008】
このような特徴構成とすれば、一番物回収量と二番物還元量とに基づいてロス率を推定することにより、脱穀処理物に対するロスの割合を定量的に推定することができる。したがって、脱穀処理におけるロスが適切なものであるか否かを把握することが可能となる。
【0009】
また、前記ロス率推定部は、前記二番物還元量を、前記一番物回収量と前記二番物還元量との和で除して前記ロス率を推定すると好適である。
【0010】
このような構成とすれば、一番物センサと二番物センサとの検出結果を利用してロス率を推定することができるので、例えばロスを検出するロスセンサを設ける必要がないことから低コストで実現できる。
【0011】
また、本発明に係る支援システムの特徴構成は、圃場の作物を収穫する収穫部と、前記収穫部によって収穫された前記作物の脱穀処理を行う脱穀装置とを備えた収穫機の収穫作業を支援する支援システムであって、前記脱穀装置は、前記作物を脱穀する脱穀部と、前記脱穀部の下方に設けられ、前記脱穀部から漏下してきた脱穀処理物を選別処理する選別部と、前記選別部によって選別された選別処理物のうちの一番物を回収する一番物回収部と、前記選別処理物のうちの二番物を回収する二番物回収部と、前記二番物回収部により回収された前記二番物を前記選別部に還元する二番物還元装置と、を有するものであり、前記一番物の回収量を一番物回収量として測定する一番物センサと、前記二番物の還元量を二番物還元量として測定する二番物センサと、前記一番物回収量と前記二番物還元量とに基づいて、前記選別処理における前記脱穀処理物のロス率を推定するロス率推定部と、を備え、前記ロス率推定部が推定する際に用いる前記一番物回収量と前記二番物還元量とは、互いに測定されたタイミングが異なる点にある。
【0012】
このような構成とすれば、脱穀処理物が選別部により選別されてから一番物回収部により回収されるまでの時間と、脱穀処理物が選別部により選別されてから二番部回収部により回収されるまでの時間とが互いに異なる場合であっても、夫々の時間に応じたタイミングで測定された一番物回収量と二番物還元量とを用いることで、測定したいタイミングにおけるロス率を精度良く推定することが可能となる。
【0013】
また、推定された前記ロス率を表示する表示部を備えると好適である。
【0014】
このような構成とすれば、作業者に対してロス率を明示することが可能となる。
【0015】
【0016】
このような構成とすれば、一番物回収量を増大させるように選別処理を行うことが可能となる。したがって収量を増大させることが可能となる。
【0017】
また、前記ロス率推定部は、前記収穫作業中にリアルタイムで推定すると好適である。
【0018】
このような構成とすれば、収穫作業を行っているタイミングでのロス率を知ることができる。これにより、例えばリアルタイムで脱穀処理の設定を変更することで、一番物回収量を増大させ、収量の増大を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】穀粒タンク、揚穀装置、及び脱穀装置の正面図である。
【
図6】支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図7】一番物回収量の測定と二番物還元量の測定との測定タイミングの説明図である。
【
図8】ロス率と夾雑物の混入率との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る支援システムは、圃場の作物を収穫する収穫部と、当該収穫部によって収穫された作物の脱穀処理を行う脱穀装置とを備えた収穫機の収穫作業を支援するように構成されている。以下、本実施形態の支援システム1について説明する。また、本実施形態では、収穫機として、コンバイン3を例に挙げて説明する。
【0021】
図1は本実施形態に係るコンバイン3の全体右側面図である。
図2は本実施形態に係るコンバイン3が備える脱穀装置10の縦断左側面図である。なお、以下では、本実施形態のコンバイン3について、脱穀装置10に、収穫された作物の全稈を投入するコンバイン、所謂普通型コンバインを例に挙げて説明する。もちろん、コンバイン3は自脱型コンバインであっても良い。また、本実施形態では、クローラ式のコンバインを例に挙げて説明するが、ホイール式のコンバインであっても良い。
【0022】
ここで、理解を容易にするために、本実施形態では、特に断りがない限り、「前」(
図1に示す矢印Fの方向)は機体前後方向(走行方向)における前方を意味し、「後」(
図1に示す矢印Bの方向)は機体前後方向(走行方向)における後方を意味するものとする。また、左右方向または横方向は、機体前後方向に直交する機体横断方向(機体幅方向)を意味するものとする。更に、「上」(
図1に示す矢印Uの方向)及び「下」(
図1に示す矢印Dの方向)は、機体の鉛直方向(垂直方向)での位置関係であり、地上高さにおける関係を示すものとする。また、「左」は機体左側、「右」は機体右側である。
【0023】
〔コンバインの全体構成〕
図1に示すように、コンバイン3は、収穫部H、脱穀装置10、クローラ式の走行装置11、運転部12、穀粒タンク14、搬送部16、穀粒排出装置18を備えている。
【0024】
走行装置11は、コンバイン3における下部に備えられている。また、走行装置11は、コンバイン3に搭載されたエンジンEからの動力によって駆動する。そして、コンバイン3は、走行装置11によって自走可能である。
【0025】
脱穀装置10、運転部12、及び穀粒タンク14は、走行装置11の上側に備えられている。運転部12にはオペレータが搭乗可能である。穀粒排出装置18は、穀粒タンク14の上側に設けられている。
【0026】
収穫部Hは、コンバイン3における前部に備えられている。そして、搬送部16は、収穫部Hの後側に設けられている。また、収穫部Hは、切断装置15及びリール17を含んでいる。
【0027】
切断装置15は、圃場の植立穀稈を刈り取る。また、リール17は、機体左右方向に沿うリール軸芯17b周りに回転駆動しながら収穫対象の植立穀稈を掻き込む。切断装置15により刈り取られた刈取穀稈は、搬送部16へ送られる。
【0028】
この構成により、収穫部Hは、圃場の穀物を収穫する。コンバイン3は、切断装置15によって圃場の植立穀稈を刈り取りながら走行装置11によって走行する刈取走行が可能である。
【0029】
収穫部Hにより収穫された作物(刈取穀稈)は、搬送部16によって機体後方へ搬送される。これにより、刈取穀稈は脱穀装置10へ搬送される。
【0030】
脱穀装置10において、刈取穀稈は脱穀処理される。脱穀処理により得られた穀粒は、穀粒タンク14に貯留される。穀粒タンク14に貯留された穀粒は、必要に応じて、穀粒排出装置18によって機外に排出される。
【0031】
また、
図1に示されるように、運転部12には、通信端末4が配置されている。通信端末4は、種々の情報を表示可能に構成されている。
図1では、通信端末4は、運転部12に固定されている状態が示されるが、通信端末4は、運転部12に対して着脱可能に構成されていても良いし、通信端末4は、コンバイン3の機外に位置していても良い。
【0032】
〔脱穀装置の構成〕
図2に示されるように、脱穀装置10は、扱胴22によって作物を脱穀する脱穀部41と、脱穀処理物を揺動選別処理する選別部42と、一番物回収部26と、二番物回収部27と、二番物還元装置32とを備える。
【0033】
脱穀部41は、脱穀装置10における上部領域に配置され、脱穀部41の下方に、受網23が設けられ、選別部42は、受網23の下方に設けられる。選別部42は、受網23から漏下してきた脱穀処理物を、回収すべき穀粒を含む選別処理物と、排藁等の排出物とに選別する。
【0034】
脱穀部41は、脱穀装置10の左右の側壁と、天板53と、受網23とに囲われた扱室21を備える。扱室21には、回転によって作物を脱穀処理する扱胴22と、複数の送塵弁53aとが備えられている。搬送部16によって搬送された作物は、扱室21に投入され、扱胴22によって脱穀処理される。扱胴22によって連れ回される作物は、送塵弁53aの送り作用によって後方に向けて移送される。
【0035】
送塵弁53aはプレート状であり、天板53の内面(下面)に前後方向に沿って所定の間隔で設けられる。送塵弁53aは、平面視で回転軸心Xに対して傾斜する姿勢で設けられる。そのため、それぞれの送塵弁53aは、扱室21において扱胴22と共に回転する刈取穀稈を後側に移動させる力を作用させる。また、送塵弁53aは、回転軸心Xに対する傾斜角度を調整することができる。扱胴22内を作物が後方に送られる速度は、送塵弁53aの傾斜角度により決まる。また、作物が脱穀される脱穀効率は、作物が扱胴22内を送られる速度にも影響される。その結果、作物が脱穀される処理能力は、様々な手段を用いて調整することができるが、送塵弁53aの傾斜角度を変更することを1つの手段として調整することができる。特に図示はしないが、送塵弁53aの傾斜姿勢を変更制御可能な送塵弁制御機構が備えられており、送塵弁53aの傾斜角度を自動的に変更することが可能である。
【0036】
選別部42は、シーブケース33を有する揺動選別装置24と唐箕19とを備える。唐箕19は、選別部42の前部領域の下部領域に設けられ、揺動選別装置24の前側から後方に向かって、処理物の搬送方向に沿って選別風を発生させる。選別風は、比較的比重の軽い排藁等をシーブケース33の後側に向けて送り出す作用を有する。また、揺動選別装置24においては、揺動駆動機構43によってシーブケース33が揺動することにより、シーブケース33の内部の脱穀処理物が後方に移送されながら揺動選別処理が行われる。
このような理由から、以下の説明では、揺動選別装置24において、処理物の搬送方向の上流側が前端あるいは前側と称され、下流側が後端あるいは後側と称される。なお、唐箕19の選別風は強度(風量、風速)を変更することができる。選別風を強くすると、脱穀処理物を後方に送り出し易くなり、選別速度が高くなる。逆に、選別風を弱くすると、脱穀処理物が長くシーブケース33内に留まり、選別精度が高くなる。そのため、唐箕19の選別風は強度を変更することにより、揺動選別装置24の選別効率(選別精度や選別速度)を調整することができる。特に図示はしないが、唐箕19の選別風の強度を変更制御可能な唐箕制御機構が備えられており、唐箕19の選別風の強度を自動的に変更することができる。
【0037】
シーブケース33の前半部分には、第一チャフシーブ38が備えられ、シーブケース33の後半部分には、第二チャフシーブ39が備えられている。一般的な構成であるため特に説明はしないが、シーブケース33には、第一チャフシーブ38等以外に、グレンパンやグレンシーブ40が備えられている。受網23を漏下した脱穀処理物は、第一チャフシーブ38や第二チャフシーブ39に落下する。脱穀処理物のほとんどは、受網23から第一チャフシーブ38を含むシーブケース33の前半部分に対して漏下してきて、シーブケース33の前半部分によって粗選別及び精選別される。一部の脱穀処理物は、受網23から第二チャフシーブ39に対して漏下してきたり、第一チャフシーブ38において漏下せずに第二チャフシーブ39まで移送されてきたりして、第二チャフシーブ39において漏下選別される。
【0038】
第一チャフシーブ38の下方には、上記グレンシーブ40が備えられている。すなわち、揺動選別装置24は、第一チャフシーブ38の下方に設けられたグレンシーブ40を備えている。グレンシーブ40は、パンチングメタルや網体等の多孔部材によって構成され、第一チャフシーブ38から漏下してきた脱穀処理物を受け止めて漏下選別する。
【0039】
シーブケース33の前半部分の下方に、スクリュー式の一番物回収部26が備えられ、シーブケース33の後半部分の下方に、スクリュー式の二番物回収部27が備えられている。シーブケース33の前半部分によって選別処理されて漏下してきた一番物、すなわち、選別部42によって選別された選別処理物のうちの一番物は、一番物回収部26によって回収されて、穀粒タンク14の側(機体左右方向右側)に向けて搬送される。シーブケース33の後半部分(第二チャフシーブ39)によって選別処理されて漏下してきた二番物(一般的に選別処理精度が低く、切藁などの比率が高い)、すなわち、選別処理物のうちの二番物は、二番物回収部27によって回収される。二番物は、脱穀処理物のうち、選別処理物として選別されなかった脱穀処理物が相当する。二番物回収部27によって回収された二番物は、二番物還元装置32によって選別部42の前部に還元され、シーブケース33によって再選別される。
【0040】
第一チャフシーブ38には、脱穀処理物の移送(搬送)方向(前後方向)に沿って並んで設けられた複数の板状のチャフリップが備えられている。各チャフリップは、後端側ほど斜め上方に向かう傾斜姿勢で配置されている。チャフリップの傾斜角度は可変であり、傾斜角度を急にするほど、隣り合うチャフリップ同士の間隔が広がり、脱穀処理物が漏下し易くなる。すなわち、複数のチャフリップの姿勢を変更することで漏下開度を変更可能に構成されている。そのため、チャフリップの傾斜角度を調整することにより、揺動選別装置24の選別効率(選別精度や選別速度)を調整することができる。チャフリップの傾斜姿勢を変更制御可能なリップ制御機構が備えられており、チャフリップの傾斜角度を自動的に変更することができる。
【0041】
第二チャフシーブ39も、第一チャフシーブ38と同様の構成である。第二チャフシーブ39のチャフリップの傾斜姿勢を変更制御可能な角度制御機構も備えられており、チャフリップの傾斜角度を自動的に変更することができる。
【0042】
図3は穀粒タンク14、揚穀装置29、及び脱穀装置10の正面図であり、
図4は揚穀装置29の縦断右側面図である。
図3及び
図4に示すように、一番物回収部26によって回収された選別処理物を穀粒タンク14に搬送する揚穀装置29が備えられている。揚穀装置29は、脱穀装置10と穀粒タンク14との間に配置され、上下方向に沿った姿勢で立設されている。揚穀装置29は、バケットコンベア式に構成されている。揚穀装置29によって揚送された選別処理物は、揚穀装置29の上端部において、横送り搬送装置30に受け渡される。横送り搬送装置30は揚穀装置29に隣り合う状態で連結されている。横送り搬送装置30は、スクリューコンベア式に構成され、穀粒タンク14の前部左側の壁部から穀粒タンク14の内部に突っ込まれている。横送り搬送装置30は、機体横向き軸芯Y1まわりに回転するスクリュー部30Sを有する。横送り搬送装置30のタンク内部側の端部には穀粒放出装置30Aが備えられ、選別処理物(穀粒)は、穀粒放出装置30A内に設けられる板状の放出回転体30Bを介して穀粒タンク14内に投擲される。
【0043】
揚穀装置29においては、
図3及び
図4に示すように、駆動スプロケット29Aと従動スプロケット29Bとにわたって巻き掛けられた無端回動チェーン29Cの外周側に複数のバケット31が一定間隔で取り付けられている。揚穀装置29は、選別処理物が収納されたバケット31が上昇する送り経路29Dと、選別処理物を横送り搬送装置30に排出した後のバケット31が下降する戻り経路29Eとを備える。送り経路29Dと戻り経路29Eとは、送り経路29Dが後側になるように、穀粒タンク14の左側壁14aに沿って並んで配置される。
【0044】
揚穀装置29と横送り搬送装置30との間に一番物センサ60が備えられている。一番物センサ60は、揚穀装置29の上端部において、バケット31から横送り搬送装置30に受け渡される選別処理物の量を測定するように配置される。一番物センサ60は、揚穀装置29及び横送り搬送装置30によって搬送される穀粒、すなわち一番物回収部26により回収された一番物の回収量を一番物回収量として測定する。一番物センサ60は、揚穀装置29の天板61に設けられた膨出部65に備えられ、膨出部65から揺動可能に支持されるアーム部63を有する。バケット31から投擲された穀粒によりアーム部63が揺動し、揺動角度に基づいて一番物の回収量を測定する。
【0045】
上述したように、二番物は二番物還元装置32によって揺動選別装置24の前部である上流側に還元される。具体的には、
図5に示されるように、二番物還元装置32の二番物排出口32Aは、円弧状の受網23における径方向外側の位置(受網23の側方であって、二番物が受網23を通らない位置)に設けられ、この位置において二番物が排出される。二番物センサ70は、二番物還元装置32によって還元された二番物の還元量を二番物還元量として測定する。したがって、本実施形態では、二番物センサ70は、二番物還元装置32の二番物排出口32Aに設けられる。
【0046】
図5に示されるように、二番物排出口32Aは受網23側に向けて設けられる。
図5に示されるように、二番物排出口32Aの近傍には、二番物還元装置32を構成するスクリューとともに回転する回転羽根32Bが設けられ、二番物還元装置32によって搬送された二番物は、脱穀部41の側壁50に形成された挿通孔を介して回転羽根32Bによって二番物排出口32Aから径方向外側に放出される。放出された二番物は、二番物センサ70が有する揺動アーム部72に向けて案内部32Cにより案内される。これにより、二番物が揺動アーム部72を揺動し、揺動角度に基づいて二番物の還元量を測定する。
【0047】
次に、支援システム1によるロス率の推定について説明する。
図6は支援システム1によるロス率の推定に係る機能部を示すブロック図である。支援システム1は、
図6に示されるように、一番物センサ60、一番物測定結果記憶部68、二番物センサ70、二番物測定結果記憶部78、ロス率推定部80、表示部84、設定部85を備えて構成される。
【0048】
一番物センサ60は、上述したように、一番物回収部26により回収された一番物の回収量を測定する。一番物センサ60の測定結果は、測定された時間を示す時間情報と関連付けされて、順次、一番物測定結果記憶部68に記憶される。一番物測定結果記憶部68に記憶された一番物センサ60の測定結果は、所定時間経過すると消去しても良いし、ユーザの消去指示に応じて消去するように構成しても良い。
【0049】
二番物センサ70は、上述したように、二番物還元装置32により還元された二番物の還元量を測定する。二番物センサ70の測定結果は、測定された時間を示す時間情報と関連付けされて、順次、二番物測定結果記憶部78に記憶される。二番物測定結果記憶部78に記憶された二番物センサ70の測定結果は、所定時間経過すると消去しても良いし、ユーザの消去指示に応じて消去するように構成しても良い。
【0050】
ロス率推定部80は、一番物回収量と二番物還元量とに基づいて、選別処理における脱穀処理物のロス率を推定する。一番物回収量は上述した一番物測定結果記憶部68から取得され、二番物還元量は上述した二番物測定結果記憶部78から取得される。選別処理とは、脱穀部41により脱穀された作物から、選別部42が一番物を選別する処理である。
脱穀処理物のロス率とは、所定の穀粒の量に対して、本来、一番物として一番物回収部26により回収されるべき穀粒であったにも関わらず、一番物回収部26により回収されなかった穀粒の割合が相当する。
【0051】
したがって、ロス率推定部80は、一番物測定結果記憶部68から取得した一番物回収量と二番物測定結果記憶部78から取得した二番物還元量とに基づいて、脱穀部41により脱穀された作物から、選別部42が一番物を選別する処理において、所定の穀粒の量に対して、本来、一番物として一番物回収部26により回収されるべき穀粒であったにも関わらず、一番物回収部26により回収されなかった穀粒の割合を推定する。
【0052】
本実施形態では、上述した「所定の穀粒の量」は、一番物回収量と二番物還元量との和が相当する。一番物回収量をM1と、二番物還元量をM2とすると、ロス率Lは、(1)式に基づき推定される。
【0053】
【数1】
したがって、ロス率推定部80は、二番物還元量を、一番物回収量と二番物還元量との和で除してロス率を推定する。
【0054】
ここで、本実施形態では、一番物回収部26により回収された一番物は一番物センサ60により一番物回収量として測定されるが、脱穀装置10に収穫された作物が入ってから、一番物センサ60により検出される位置に達するまでに第1時間(「t1」とする)を要する。この第1時間t1は、上述した一番物回収部26による回収や、揚穀装置29のバケット31による上昇搬送や、揚穀装置29の上端部において、バケット31から横送り搬送装置30への受け渡しなどに要する時間(厳密には、バケット31から放出された穀粒がアーム部63にあたるまでの時間)に相当する。
【0055】
一方、二番物回収部27により回収された二番物は二番物センサ70により二番物還元量として測定されるが、脱穀装置10に収穫された作物が入ってから、二番物センサ70により検出される位置に達するまでに第2時間(「t2」とする)を要する。この第2時間t2は、上述した二番物回収部27による回収や、二番物還元装置32による二番物排出口32Aまでの搬送や、二番物排出口32Aから径方向外側への放出などに要する時間(厳密には、二番物排出口32Aから放出された穀粒が揺動アーム部72にあたるまでの時間)に相当する。
【0056】
第1時間t1は、例えば
図7に示されるように、コンバイン3の走行に伴い収穫部Hが作物の収穫を開始してから脱穀装置10に作物が入るタイミングをT1とすると、当該タイミングT1から一番物センサ60による一番物の回収量の測定が開始されるタイミングT2までの時間が相当し、第2時間t2は、タイミングT1から二番物センサ70による二番物の還元量の測定が開始されるタイミングT3までの時間が相当する。このような第1時間t1と第2時間t2とは差異(時間差)を有し、互いに異なることがある。このため、ロス率推定部80が推定する際に用いる一番物回収量と二番物還元量とは、互いに測定されたタイミングが異なるものとすることも可能である。上述したように、一番物測定結果記憶部68には、一番物センサ60の測定結果が一番物センサ60により測定された時間を示す時間情報と関連付けして記憶され、二番物測定結果記憶部78には、二番物センサ70の測定結果が二番物センサ70により測定された時間を示す時間情報と関連付けして記憶されている。そこで、ロス率推定部80は、ロス率を算定したいタイミングに対して、当該タイミングに対して第1時間t1と第2時間t2とを考慮して、一番物回収量を一番物測定結果記憶部68から取得し、二番物還元量を二番物測定結果記憶部78から取得すると好適である。これにより、ロス率を算定したいタイミングにおいて、適切な一番物回収量と二番還元量とを利用して推定することが可能となる。
【0057】
また、ロス率推定部80は、収穫作業中にリアルタイムでロス率を推定すると好適である。これにより、ロス率推定部80が、現在、コンバイン3が収穫作業を行っている最中における脱穀処理物のロス率を推定し、このロス率を作業者が確認することで、脱穀装置10による脱穀処理が適切であるか否かを容易に把握することが可能となる。
【0058】
図6に戻り、表示部84は、推定されたロス率を表示するように構成される。表示部84とは、各種の情報を表示可能な表示画面を有する表示装置が相当する。本実施形態では、上述したように、運転部12に通信端末4が配置されており、通信端末4は種々の情報を表示可能に構成されている。表示部84は、この通信端末4の表示装置と併用することが可能である。もちろん、表示部84は、通信端末4と別体で設けても良い。
【0059】
なお、表示部84に対するロス率の表示は、ロス率推定部80がリアルタイムでロス率を推定する場合には、リアルタイムで当該ロス率を表示すると良い。このような表示部84に、ロス率推定部80により推定されたロス率を表示することで、作業者がロス率を把握し易くできる。また、表示部84に表示するロス率は、推定したロス率を数値で表示しても良いし、時系列に沿って変化するグラフで表示しても良い。
【0060】
設定部85は、推定されたロス率に基づいて、当該ロス率を低減するように脱穀パラメータを設定する。推定されたロス率とは、ロス率推定部80により推定された脱穀処理物のロス率である。脱穀パラメータとは、脱穀装置10の設定を変更可能な機器設定値であって、具体的には脱穀装置10が備える脱穀部41の脱穀に関する設定を変更可能なパラメータや、選別部42の選別に関する設定を変更可能なパラメータが相当する。脱穀部41における脱穀に関する設定を変更可能なパラメータとは、扱胴22の回転支軸の回転速度を設定する設定値や、送塵弁53aの天板53に対する取付角度を設定する設定値が相当する。また、選別部42における選別に関する設定を変更可能なパラメータとは、唐箕19からの選別風の風量を設定する設定値や、チャフシーブの漏下開度を設定する設定値や、揺動選別装置24を揺動させる揺動駆動機構43の揺動速度や揺動量を設定する設定値が相当する。更には、コンバイン3の走行速度を増減することで、コンバイン3が刈り取る作物の量が変化させることが可能であるが、このようなコンバイン3の走行速度も、脱穀パラメータに含まれる。
【0061】
設定部85は、ロス率が低減するように、すなわち、揺動選別装置24の選別に関する設定、すなわち、受網23から漏下する処理物の量に対する、一番物回収部26により回収される一番物の量の割合である選別度(あるいは選別効率)が適切なものとなるように脱穀パラメータを設定する。
【0062】
脱穀装置10は、設定部85により設定された脱穀パラメータに基づいて脱穀処理を行う。すなわち、設定部85は、上述した脱穀パラメータにより、脱穀装置10の脱穀部41及び選別部42を制御する。したがって、設定部85は、一番物センサ60及び二番物センサ70の夫々の測定結果に基づき、ロス率が低減するように、フィードバック制御を行っていることとなり、適切に収穫作業を行うことが可能となる。
【0063】
図8には、上述した(1)式に基づくロス率推定部80による推定結果と、実際のロス率と、選別処理物に含まれる夾雑物の割合との関係が示される。
図8に示されるように、Lが大きくなる程、ロス率が増大するが夾雑物の割合が小さくなる。一方、Lが小さくなる程、ロス率が小さくなるが夾雑物の割合が大きくなる。そこで、設定部85は、二番物回収量が一定値を超えないように、脱穀部41の脱穀に関する設定を変更可能なパラメータや、選別部42の選別に関する設定を変更可能なパラメータを設定すると良い。また、これらのパラメータの設定により、二番物回収量を低減できなくなった場合には、コンバイン3の車速を遅くすると良い。
【0064】
具体的には、ロス率推定部80による推定結果L(ロス率L)が大きい程、漏下開度が大きくされ、唐箕19は、ロス率推定部80による推定結果Lが大きい程、選別風の風量が増大される。ロス率推定部80による推定結果Lが大きい場合は、揺動選別装置24において一番物として回収されず、且つ、二番物として還元されずに、揺動選別装置24からの後方へ三番物として搬送される量が多い可能性がある。そこで、ロス率推定部80による推定結果Lが大きい場合は、チャフシーブの漏下開度を大きく設定することで、一番物回収部26や二番物回収部27へ選別処理物を漏下し易くし、唐箕19の選別風の風量を増大することで、選別処理物以外のものを揺動選別装置24の後方で搬送することが可能となる。これにより、三番物として搬送されるような三番ロスを低減できる。一方、ロス率推定部80による推定結果Lが小さい場合は、選別精度が高すぎて、揺動選別装置24において一番物として回収されずに、二番物回収部27に搬送される量が多い可能性がある。そこで、ロス率推定部80による推定結果Lが小さい場合は、チャフシーブの漏下開度を大きく設定することで、一番物回収部26へ選別処理物を漏下し易くし、唐箕19の選別風の風量を低減することで、選別処理物を揺動選別装置24の後方に搬送し難くすることが可能となる。これにより、一番物として回収し易くできる。
【0065】
また、場合によっては、チャフシーブの漏下開度が大きくされ、唐箕19の選別風の風量が増大された場合であっても、ロス率推定部80による推定結果Lが小さくならないことが想定されるが、これは脱穀装置10に供給される作物の量が多過ぎることに起因する。そこで、チャフシーブの漏下開度が大きくされ、唐箕19の選別風の風量が増大された場合であっても、ロス率推定部80による推定結果Lが小さくならないときは、コンバイン3の走行速度を低減させると好適である。これにより、脱穀装置10に供給される作物の量が少なくなり、脱穀装置10における脱穀量及び選別量を低減できるので、適切に選別処理を行うことが可能となる。
【0066】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、一番物センサ60が、揚穀装置29の天板61に設けられた膨出部65に備えられるとして説明したが、他の場所に設けることも可能である。また、一番物センサ60は、バケット31から投擲された穀粒によりアーム部63が揺動し、揺動角度に基づいて一番物の回収量を測定するとして説明したが、例えば一番物回収部26が有するスクリューを回転させるアクチュエータに作用する負荷(例えば負荷電流)に基づいて算定することも可能である。
【0067】
上記実施形態では、二番物センサ70は、二番物還元装置32の二番物排出口32Aに設けられるとして説明したが、他の場所に設けることも可能である。また、二番物センサ70は、案内部32Cにより案内された二番物により揺動アーム部72が揺動し、揺動角度に基づいて二番物の還元量を測定するとして説明したが、例えば二番物回収部27が有するスクリューを回転させるアクチュエータに作用する負荷(例えば負荷電流)に基づいて算定することも可能である。
【0068】
上記実施形態では、ロス率推定部80は、二番物還元量を、一番物回収量と二番物還元量との和で除してロス率を推定するとして説明したが、一番物回収量を、一番物回収量と二番物還元量との和で除した値に基づいてロス率を推定するように構成することも可能である。また、例えば一番物回収量と二番物還元量とに所定の重み付けを付与し、重み付けが付与された一番物回収量と二番物還元量とに基づいてロス率を算定するように構成することも可能である。また、ロス率推定部80は、二番物還元量を、一番物回収量で除してロス率を推定するように構成することも可能である。
【0069】
上記実施形態では、ロス率推定部80が推定する際に用いる一番物回収量と二番物還元量とは、互いに測定されたタイミングが異なるとして説明したが、一番物回収量と二番物還元量とは、互いに同じタイミングで測定されたものを用いることも可能である。
【0070】
上記実施形態では、支援システム1は、推定されたロス率を表示する表示部84を備えるとして説明したが、支援システム1は表示部84を備えずに構成することも可能である。
【0071】
上記実施形態では、設定部85は、推定されたロス率に基づいて、当該ロス率を低減するように脱穀パラメータを設定するとして説明したが、設定部85を備えずに構成することも可能であって、係る場合には、例えば推定されたロス率を作業者に提示し、提示されたロス率に基づいて作業者が脱穀パラメータを設定するように構成することで、適切に選別処理を行うことが可能である。
【0072】
上記実施形態では、ロス率推定部80は、収穫作業中にリアルタイムでロス率を推定するとして説明したが、ロス率推定部80は、収穫作業の終了後に、ロス率を推定するように構成することも可能である。
【0073】
上記実施形態では、一番物測定結果記憶部68、二番物測定結果記憶部78、ロス率推定部80、表示部84、設定部85がコンバイン3に設けられているとして説明したが、これらは少なくとも一部が、コンバイン3が通信可能な管理端末に設けられていても良い。
【0074】
上記実施形態では、一番物測定結果記憶部68には、一番物センサ60の測定結果が一番物センサ60により測定された時間を示す時間情報と関連付けして記憶され、二番物測定結果記憶部78には、二番物センサ70の測定結果が二番物センサ70により測定された時間を示す時間情報と関連付けして記憶されているとして説明したが、一番物センサ60の測定結果を、一番物センサ60により測定された位置を示す位置情報と関連付けして一番物測定結果記憶部68に記憶し、二番物センサ70の測定結果を、二番物センサ70により測定された位置を示す位置情報と関連付けして二番物測定結果記憶部78に記憶するように構成することも可能である。この場合、例えば運転部12の上面に、コンバイン3の位置情報を取得する位置情報取得部として機能する衛星測位モジュール90を設けると好適である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、圃場の作物を収穫する収穫部と、当該収穫部によって収穫された作物の脱穀処理を行う脱穀装置とを備えた収穫機の収穫作業を支援する支援システムに用いることが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1:支援システム
3:コンバイン(収穫機)
10:脱穀装置
26:一番物回収部
27:二番物回収部
32:二番物還元装置
41:脱穀部
42:選別部
60:一番物センサ
70:二番物センサ
80:ロス率推定部
84:表示部
85:設定部
H:収穫部