(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】電池セルで測定を実行するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/48 20060101AFI20240802BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20240802BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20240802BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20240802BHJP
H01M 10/0525 20100101ALN20240802BHJP
【FI】
H01M10/48 P
H01M10/058
H01M50/569
H01M50/531
H01M10/0525
(21)【出願番号】P 2021500280
(86)(22)【出願日】2019-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2019062988
(87)【国際公開番号】W WO2020011435
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-04-19
(31)【優先権主張番号】102018211508.7
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】シュミット・ヤン・フィリップ
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-222671(JP,A)
【文献】特表2014-523606(JP,A)
【文献】特開2013-137976(JP,A)
【文献】特開平06-233474(JP,A)
【文献】特開2010-218900(JP,A)
【文献】特開2016-076328(JP,A)
【文献】特表2012-516433(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0250478(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/42-10/48
H01M50/50-50/598
H01M10/05-10/0587
H01M10/36-10/39
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
G01R31/36-31/396
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-キャパシタンスが1つの素子(24)に印加する電圧に依存する、1つのコイル(26)とこの素子(24)とを有する1つの共振回路(8)と、
-1つの基準電極(7)とを有し、
1つの電池セル(1)内に存在する第1電圧の算出を可能にする電気回路(20,21)であって、
1つの電池セル電極(3,5)と前記基準電極(7)との間に存在する前記第1電圧の少なくとも一部が、前記素子(24)に印加し、前記共振回路(8)の、当該印加から発生する共振周波数が、1つのハウジング(2)の外側で前記コイル(26)の磁場によって検出可能であるように、当該電気回路(20,21)は、前記電池セル(1)の前記ハウジング(2)内に配置されているように構成されていて、
1つの限流抵抗(22)が
、前記共振回路(8)と前記基準電極(7)との間に電気接続されている当該電気回路(20,21)。
【請求項2】
前記素子(24)は、1つのダイオード(24)、特に1つのバラクタダイオード(24)を有する請求項1に記載の電気回路(20,21)。
【請求項3】
前記共振回路(8)は、前記素子(24)に直列接続されている1つのコンデンサ(28)を有する請求項1又は2に記載の電気回路(20,21)。
【請求項4】
前記基準電極(7)の材料の半電池の電位が、平坦な範囲を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の電気回路(20,21)。
【請求項5】
前記基準電極(7)は、以下の材料である:
-リン酸鉄リチウム
-チタン酸リチウム
-リン酸マンガンリチウム
-リチウムと金との合金
のうちの1つ又は複数の材料を有する請求項1~4のいずれか1項に記載の電気回路(20,21)。
【請求項6】
-電池セル(1)のハウジング(2)内の1つの第1及び第2の電池セル電極(3,5)と、
-前記電池セル(1)の前記ハウジング(2)内の請求項1~5のいずれか1項に記載の1つの電気回路(20,21)とを有する電池セル(1)であって、
1つの素子(24)の1つの第1電気接触点(25,23)が、前記第1の電池セル電極(3,5)に電気接続されていて、前記素子(24)の1つの第2の電気接触点(23,25)が、1つの基準電極(7)に電気接続されているように、1つの共振回路(8)が、前記第1の電池セル電極(3,5)と前記基準電極(7)とに接続されている当該電池セル(1)。
【請求項7】
-前記電池セル(1)の外側からアクセス可能な1つの第1の電池セル接続部(4,6)が、前記電池セル(1)の前記ハウジング(2)を貫通する1つの第1の電気接続部(9,10)によって前記第1の電池セル電極(3,5)に電気接続されていて、
-前記電池セル(1)の外側からアクセス可能な1つの第2の電池セル接続部(6,4)が、前記電池セル(1)の前記ハウジング(2)を貫通する1つの第2の電気接続部(10,9)によって前記第2の電池セル電極(5,3)に電気接続されていて、
-前記電池セル(1)の前記ハウジング(2)を貫通するその他の電気接続部は存在しない請求項6に記載の電池セル(1)。
【請求項8】
-請求項6~7のいずれか1項に記載の1つの電池セル(1)と、
-少なくとも一部が前記電池セル(1)のハウジング(2)の外側に配置されていて、共振回路(8)の共振周波数を1つのコイル(26)の磁場によって検出するように構成されている1つの別の電気回路(12)とを有する、前記電池セル(1)内に存在する電圧を算出するための装置(100)。
【請求項9】
電気回路(20,21)と前記別の電気回路(12)とが、互いに電気絶縁されている請求項8に記載の装置(100)。
【請求項10】
請求項6~7のいずれか1項に記載の2つ以上の電池セル(1)又は請求項8又は9に記載の2つ以上の装置(100)を有する電池。
【請求項11】
-請求項8又は9に記載の装置(100)を提供すること、
-別の電気回路(12)によってコイル(26)の磁場を介して共振回路(8)の共振周波数を検出すること、及び
-前記共振回路(8)の当該検出された共振周波数に基づいて、電池セル(1)内に存在する第1電圧を算出することを有する、前記電池セル(1)内に存在する前記第1電圧を算出するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池セルで測定を実行するための装置及び方法に関する。本発明は、特に電池セル又は電池の内部に存在する電圧の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特に車両の電池(及び当該電池内に含まれている電池セル)で使用される。この場合、当該電池は、例えば、車両を駆動させるために使用される高電圧電池でもよいが、車両を実際に駆動させるために考えられているのではなくて、例えば車両のエンジンの始動を可能にする従来の車両電池でもよい。当該使用は、車両の電池に関して有益であるものの、本発明は、当該車両の電池に限定される必要はなく、原理的には、その他の電池及び電池セルで使用されてもよい。
【0003】
多くの場合、様々な理由から、電池セル内の電圧又は電池セル内の半電池の半電池電位を検出することが望ましい。このため、当該電池セルが、より高い信頼性で且つより大きい電力で、-自動車用の駆動としての使用時には-より大きい電圧範囲で稼働され得るように、1つ又は複数の基準電極が、当該電池セル内に内蔵され得ることが既に公知である。これらの基準電極の稼働の場合、当該測定装置の入力電流が小さいときに、より良好な結果が得られる。何故なら、さもなければ、当該電位が、場合によっては安定しなく、基準電極がドリフト(wegdriftet)するからである。この問題を解決するため、例えば米国特許第8,586,222号明細書では、複数の基準電極を有する電極アレイが提唱される。
【0004】
本願発明の発明者は、1つの基準電極又は複数の基準電極が電池セルの内部の電圧を検出するために使用される既知の使用の場合に、一般に存在する2つの端子(電池セルのプラス極及びマイナス極)に加えて、追加の端子が必要であることを認識している。これに関連して、当該発明者は、基準電極によって検出されなければならない電池セルの内部の電圧が、当該電池セルの外側の適切な回路又は測定機器によって読み取られ得るように、当該追加の端子に対して、電池セルハウジングを貫通する追加の電気接続が施される必要があることを認識している。これに関連して、当該発明者は、当該電池ハウジングを貫通する追加の電気接続がハウジングコストをより高くし、当該ハウジングを弱くし、必要なスペースをより大きくすることを認識している。特に(米国特許第8,586,222号明細書に開示されている)基準電極アレイの場合は、当該アレイの個々の基準電極を個々に制御し再充電することが必要である。その結果、ここでは、電池セルハウジングを貫通する複数の電気接続部がさらに必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この背景から、本発明の課題は、電池セルの内部に存在する電圧を検出するために、特に改良された代わりの装置と、特に改良された方法とを提供することにある。本発明の好適な構成は、従属請求項、明細書及び図面の対象である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この課題は、それぞれの独立請求項に記載の特徴を有する電気回路、電池セル、装置及び電池及び方法によって解決される。
【0008】
本発明の第1の観点は、
-キャパシタンスが1つの素子に印加する電圧に依存する、1つのコイルとこの素子とを有する1つの共振回路と、
-1つの基準電極とを有し、1つの電池セル内に存在する第1電圧の算出を可能にする電気回路に関する。
【0009】
この場合、1つの電池セル電極と当該基準電極との間に存在する当該第1電圧の少なくとも一部が、当該素子に印加し、当該共振回路の、当該印加から発生する共振周波数が、1つのハウジングの外側で当該コイルの磁場によって検出可能であるように、当該電池セルの当該ハウジング内に配置されるように、当該電気回路は構成されている。
【0010】
電圧を検出するための当該回路は、電池セルの内部に設けられているものの、当該回路は、電池セル内に独立して組み込むために独立して提供されてもよい。
【0011】
素子のキャパシタンスが、当該素子に印加する電圧に依存することによって、共振回路の共振周波数も、当該素子に印加する電圧に依存する。何故なら、共振回路の共振周波数は、特に当該共振回路内の複数の当該素子のキャパシタンス及びインダクタンスに依存するからである。特に電池セルの外側に配置されている適切な読み取り回路によって、コイルの磁場が、当該電池セルのハウジングの外側で検出され得る。当該共振回路の共振周波数が、当該検出された磁場から算出され得る。その結果、同様に、当該素子に印加する電圧が推測される。当該電池セルの内部の1つの電池セル電極(陽極又は陰極)と基準電極との間に存在し、ここではより良好に区別するために「第1電圧」と呼ばれる電圧は、必ずしも直接に(すなわち、分圧されないで)当該素子に印加しない。この代わりに、当該第1電圧は、例えば分圧器によって分圧され得る。この場合、この第1電圧の一部が、当該素子に印加する。当該第1電圧が、どんな比で分圧されるかが既知である場合、当該第1電圧は、当該素子に印加する当該算出された電圧から計算され得る。したがって、最終的には、当該磁場を当該電池セルのハウジングの外側で検出すること、当該検出から当該共振回路の共振周波数を算出すること、当該算出から当該素子に印加する電圧を算出すること、及び当該算出から当該電池セルの内部の第1電圧を算出することが可能である。次いで、例えば、当該電池セルの過充電を回避するため、当該電池セルの充電を制御するため、当該電池セルの充電状態を監視するため等のため、こうして算出された第1電圧は、電池(セル)ハウジングを制御するために利用され得る。
【0012】
1つの構成によれば、当該素子は、1つのダイオード、特に1つのバラクタダイオードを有する。
【0013】
バラクタダイオードが、特に本発明の回路に対して適する。何故なら、以下で詳しく説明するように、第1には、バラクタダイオードは、印加する電圧に依存するキャパシタンスを有するからであり、第2には、当該ダイオード挙動が、基準電極を再充電するために有益に利用され得るからである。その他の素子、その他の素子のキャパシタンスが、当該素子に印加する電圧に依存することも考えられる。
【0014】
1つの構成によれば、当該共振回路は、当該素子に直列接続されている1つのコンデンサを有する。この共振回路は、この共振回路のコイルを通じて起こり得る短絡を回避するために適する。
【0015】
1つの構成によれば、当該基準電極の材料の半電池の電位が、平坦な範囲を有する。これにより、安定な稼働が、充電状態の比較的大きい範囲にわたって達成され得る。
【0016】
1つの構成によれば、当該基準電極は、以下の材料のうちの、例えば1つ又は複数の材料を有し得る:
-例えばLiCoO2のような遷移酸化金属
-例えばLiNi1-yCoyO2のような混合酸化物
-例えばLiMPO4のようなリン酸塩、この場合、Mは、例えばFe、Mn、Coであり得る
-金属
及び、特に
-リン酸鉄リチウム
-チタン酸リチウム
-リン酸マンガンリチウム
-リチウムと金との合金
-リチウムとアルミニウムとの合金
このような材料の半電池の電位は、本発明にとって適した平坦な範囲を有する。
【0017】
本発明の第2の観点は、
-電池セルのハウジング内の1つの第1及び第2の電池セル電極と、
-同様に当該電池セルの当該ハウジング内の上記の1つの電気回路とを有する電池セルに関する。この場合、1つの素子の1つの第1電気接触点が、当該第1の電池セル電極に電気接続されていて、当該素子の1つの第2の電気接触点が、1つの基準電極に電気接続されているように、1つの共振回路が、当該第1の電池セル電極と当該基準電極とに接続されている。
【0018】
このような電池セルの場合、上記の「第1電圧」は、第1電池セル電極と基準電極との間に印加する。
【0019】
1つの構成によれば、1つの抵抗が、当該共振回路と当該第1の電池セル電極との間に電気接続されているか、又は当該共振回路と当該基準電極との間に電気接続されている。
【0020】
当該基準電極に通電する電流が、この抵抗によって制限され得る。この理由から、場合によっては、例えばメガオームの範囲内にある高インピーダンスの抵抗の使用が望ましい。
【0021】
1つの構成によれば、
-当該電池セルの外側からアクセス可能な1つの第1の電池セル接続部が、当該電池セルの当該ハウジングを貫通する1つの第1の電気接続部によって当該第1の電池セル電極に電気接続されていて、
-当該電池セルの外側からアクセス可能な1つの第2の電池セル接続部が、当該電池セルの当該ハウジングを貫通する1つの第2の電気接続部によって当該第2の電池セル電極に電気接続されていて、
-当該電池セルの当該ハウジングを貫通するその他の電気接続部は存在しない。
【0022】
したがって、このような電池セルのハウジングは、このハウジングを貫通する追加の電気接続部によって弱くならない。
【0023】
本発明の第3の観点は、
-上記の1つの電池セルと、
-少なくとも一部が当該電池セルのハウジングの外側に配置されていて、1つの共振回路の共振周波数を1つのコイルの磁場によって検出するように構成されている1つの別の電気回路とを有する、当該電池セル内に存在する電圧を算出するための装置に関する。
【0024】
当該別の電気回路が、当該コイルの磁場によって当該共振回路の共振周波数を検出できることによって、第1電圧が、最終的に「読み取られ」得る。その結果、例えば当該電池セルの充電状態に関する情報が、当該電池セルの外側でアクセス可能になる。
【0025】
1つの構成によれば、当該電気回路と当該別の電気回路とが、互いに電気絶縁されている。この場合、用語「互いに電気絶縁」は、特に、当該電気回路と当該別の電気回路とが互いに直接に接続されていないことを意味する、すなわちこれらの回路が、ほぼ磁器結合だけによって影響されることを意味する。しかしながら、当然に、当該電気回路は、当該電池セルの別の素子に、特に第1電池セル電極に接続されていて、当該別の電気回路は、例えば車両内で使用する場合は当該同じ(車両の)電池(セル)によって稼働され得る。その結果、その結果、こうして、当該電気回路と当該別の電気回路とが、間接的に電気接続される。
【0026】
本発明の第4の観点は、上記の2つ以上の電池セル又は上記の2つ以上の装置を有する電池に関する。
【0027】
本発明の第5の観点は、
-上記の装置を提供すること、
-別の電気回路によってコイルの磁場を介して共振回路の共振周波数を検出すること、及び
-当該共振回路の当該検出された共振周波数に基づいて、電池セル内に存在する第1電圧を算出することを有する、当該電池セル内に存在する当該第1電圧を算出するための方法に関する。
【0028】
これに応じて、本発明のこれらの観点(電気回路、電池セル、装置、電池及び方法)のうちの1つの観点に関して示された好適な構成及び実施の形態並びにそれらの利点は、本発明のその他の観点に対しても成立する。
【0029】
本発明のその他の利点、特徴及び利用可能性は、特許請求の範囲、図面及び図面の説明に記載されている。明細書に記載されている全ての特徴及び特徴の組み合わせ、並びに以下に図面の説明で言及されている及び/又は図面だけで示された特徴及び特徴の組み合わせは、列挙されているそれぞれの組み合わせだけで使用可能であるのではなくて、実行可能であれば、別の組み合わせでも又は単独でも使用可能である。
【0030】
以下に、本発明を実施の形態に基づいて及び添付図面を参照して詳しく説明する。この場合、同じ機能又は類似の機能の構成要素は、同じ符号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図3】本発明の別の実施の形態による電気回路を示す。
【
図4】異なる材料に対する半電池の電位のグラフである。
【
図5】本発明の方法ステップによるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、電池セル1と電池(セル)制御システム13に接続されている読み取り回路12とを有する装置100の概略図である。
【0033】
この実施の形態では、電池セル1の内部を気密に密閉するため、電池セル1は、例えばプラスチック材料から成るハウジング2を有する。陽極線9を介して陽極端子4に接続されている陽極3が、ハウジング2の内部に配置されている。陽極端子4は、外側からアクセス可能であり、例えばハウジング2の表面上に固定されていて、及び/又は、その少なくとも一部が、当該ハウジングの壁と一体化されている。この場合、陽極線9及び/又は陽極端子4の一部が、開口部を通過してハウジング2内に敷設されている。その結果、ハウジング2の内部からこのハウジング2の外側の空間への電気接続が可能になる。
【0034】
同様に、陰極線10を介して陰極端子6に接続されている陰極5が、ハウジング2内に配置されている。
【0035】
電池セル1は、例えばリチウムイオン電池セルでもよい。
【0036】
(大抵は、一括して作用電極、主電極又は単に電池セル電極とも呼ばれる)陽極3及び陰極5に加えて、別の電極、すなわち基準電極7が、ハウジング2内に存在する。この基準電極7は、以下で詳しく説明されている共振回路8と接続線11とを介して陽極3又は陽極線9に接続されている。この例では基準電極7と共振回路8と接続線11とから構成される電気回路は、電池セルの内部に存在する(第1)電圧の検出を可能にする電気回路である。
【0037】
既に公知の手段と同様に、当該基準電極が、当該ハウジングの外側の別の(第3)端子に接続されることによって、これらの作用電極のうちの1つの作用電極に対する当該基準電極の直流電圧を「直接に」読み取る代わりに、この実施の形態では、共振回路8を離調させるように、又はこの共振回路8の共振周波数を変化させるように、これらの作用電極のうちの1つの作用電極(
図1の例では、陽極3)に対する当該基準電極の電位差が作用する。
【0038】
以下に、基準電極7と陽極3との間の電位差による共振回路8への作用又は共振周波数の変化を
図2及び3に基づいて説明する。
【0039】
図1に示されているように、別の電気回路、すなわち読み取り回路12が、電池セル1のハウジング2の外側に配置されている。この読み取り回路12は、既知の回路を有する。この読み取り回路12を使用することで、共振回路8の共振周波数が、磁器結合によって検出され得る。
図1には、当該磁器結合は、共振回路8又は読み取り回路12の対向する2つのコイルによって示されている。十分な磁器結合が可能になるように、これらのコイルは、可能な限り近接して平行配置されている。
【0040】
基準電極7と陽極3との間の電位差が、読み取り回路12によって検出された共振回路8の共振周波数から算出される。共振回路8の構成要素の電気特性と、場合によっては基準電極7の電気特性とが既知であるならば、当該検出された共振周波数と、基準電極7と陽極3との間の電位差との間の数学的関係が、純粋に計算によって/理論的に算定され得る。しかし、この代わりに又はさらに、較正を実行することも有益である。
【0041】
当該検出された共振周波数から基準電極7と陽極3との間の電位差を算出することは、読み取り回路12内で又は後続接続された構成要素、例えば電池(セル)制御システム13によって実行され得る。最終的に、当該算出された基準電極7と陽極3との間の電位差は、電池セル1の充電状態に関する情報を得るために電池(セル)制御システム13によって利用され得る。当該情報は、様々な目的のために、例えば電池セル1の過充電を回避するために、電池セル1の再充電を開始するために、又は電池セル1の希望の目的(例えば、車両の駆動)に適した当該電池セル1の機能を制御し、場合によっては最適化するために、当該電池(セル)制御システムによって利用され得る。
【0042】
図2は、回路20を示す。この回路20の上方の部分は、
図1による共振回路8に相当し、この回路20の下方の部分は、基準電極7に相当する。回路20は、共振回路8と基準電極7との間に接続されている抵抗22も有する。
【0043】
回路20の共振回路8は、コイル26及びコンデンサ28を有する。さらに、共振回路8は、別の素子24、図示された例ではバラクタダイオード24を有する。
【0044】
バラクタダイオード24は、そのキャパシタンスがこのバラクタダイオード24に印加する電圧に依存する素子である。
図2の例では、この電圧は、バラクタダイオード24の(点23として示された抵抗22とコンデンサ28とに接続されている)左側の端子とバラクタダイオード24の(点25として示されたコイル26に接続されている)右側の端子との間の電圧である。点30で終端する
図1による接続線11も、点25に接続されている。この終点30は、接続線11が陽極線9に接触する
図1の点に相当する。
【0045】
図1に示されているように、
図2の回路20が、電池セル1内で使用される(すなわち、電池セルハウジング2内に配置されていて、点30によって陽極線9に接続されている)場合、電位差が、基準電極7と点30との間に発生する(「第1電圧」)。この第1電圧の一部が、例えばメガオームの範囲内にあり得る抵抗22の大きさに応じてバラクタダイオード24で、すなわち点23と25との間で発生する。バラクタダイオード24に印加するこの電圧は、バラクタダイオード24のキャパシタンス、すなわち共振回路8の全体のキャパシタンスに影響を及ぼす。公知であるように、当該全体のキャパシタンスは、複数のキャパシタンスから合成される、すなわちここではコンデンサ28のキャパシタンスとバラクタダイオード24の(短期間に変動し得る)キャパシタンスとから合成される。
【0046】
共振回路8の共振周波数は、この共振回路8の全体のキャパシタンスと全体のインダクタンス(コイル26)とに依存するので、この共振周波数は、基準電極7と点30又は陽極3との間の電位差にも依存する。共振回路8の共振周波数は、
図1に基づいて説明されているように別の電気回路(読み取り回路12)によって検出され、基準電極7と陽極3との間の電位差が、この読み取り回路12から算定され得る。
【0047】
コンデンサ28は、抵抗22とコイル26と接続線11とを介した基準電極7と陽極3との短絡を阻止する。さらに、抵抗22は、基準電極7に通電する電流を制限する。
【0048】
図3は、
図2に示された回路20に似ている回路21である。同様に、
図3の上方の部分には、
図2に示されているのと同じ機能を有する共振回路8が見て取れる。回路21は、基準電極7及び(特に高インピーダンスの)抵抗22も有する。しかしながら、
図2とは違って、抵抗22は、陰極線10に接続するために設けられている点31に接続している。基準電極7は、点25に接続されている。回路21を
図1に示された装置で使用する場合、対応する変更を実施する必要がある。
【0049】
上記のように、本発明の実施の形態は、基準電極7の半電池の電位又は基準電極7と複数の作用電極のうちの1つの作用電極との間の電圧の「非接触式又は無線式」の読み取り又は測定を可能にし得る。したがって、基準電極7用の第3端子が不要であり、したがって電池セルのハウジング2を通じた別の(第3の)電気接続も不要である。
【0050】
図2による回路に対するバリエーションとして、抵抗22に加えて又は抵抗22の代わりに、抵抗を点25と点30との間に接続することも可能である。これは、
図3による回路に対しても成立する。この場合、抵抗22又は追加の抵抗が、点25と基準電極7との間に配置され得る。
【0051】
図2及び3による回路に対するバリエーションとして、-用途に応じて-抵抗22又は追加の抵抗を省略してもよい。
【0052】
抵抗22又は追加の抵抗用の適切な抵抗値は、例えば、抵抗22又は追加の抵抗が請け負わなければならない目的によって決まる。当該目的は、特に、基準電極7に通電する充電電流を制限すること、及び/又は無視できない漏れ電流を減少させることにある。当該可能な抵抗値は、用途に応じて大きく異なる。
【0053】
限定されない例としては、以下の一対の材料が、作用電極(陽極/陰極)用に使用され得る:
黒鉛/NMC(リチウムニッケルコバルト酸化物)
黒鉛及びシリコン/NCA(リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物)
黒鉛/LCO(リチウムコバルト酸化物)
【0054】
本発明の実施の形態のさらなる利点を、
図4を用いて説明する。
【0055】
図4は、充電状態(State of Charge,SOC)に依存する2つの材料に対する半電池の電位を概略的に示す。当該充電状態は、水平軸線上に0%から100%の充電状態まで描かれている。当該半電池の電位は、垂直軸線上にリチウム半電池に対するボルト単位(V対Li)で描かれている。この場合、留意すべきは、
図4に示された当該半電池の電位の曲線40及び41は、定性的な概念を示しているにすぎず、定量的に正確な曲線とみなしてはならない点である。
【0056】
曲線41は、黒鉛電極に対する半電池の電位を示す。この半電池の電位は、充電状態0%のときの最大値から100%のときの遥かにより小さい値に減少する。
【0057】
曲線40は、基準電極7の半電池の電位を示す。この半電池の電位は、充電状態0%のときの小さい値(0ボルト又はほぼ0ボルト)から約15~20%の充電状態Dに達する値Bに増大する。曲線40は、約80~90%のときに存在し得る充電状態Dと別の充電状態Eとの間に平坦な範囲を有する。この範囲内では、曲線40の半電池の電位が、広範囲にわたって一定のままである。充電状態Eの上方では、100%の充電状態のときの最大値に達するまで、半電池の電位がさらに増大する。
【0058】
本発明の実施の形態に対する
図4の半電池の電位曲線の関連性を説明するため、上記の(いずれにしても当業者にとって周知である)基準電極の充電又は再充電が説明されている米国特許第8,586,222号明細書を再び参照する。
【0059】
基準電極7の半電池に電位(曲線40)が、特定の時点に最大値のときに又は最大値の近く(曲線40の右側の端部)に存在する値を有する。バラクタダイオード24及び/又は並列接続されたコンデンサ28に通電する漏れ電流と、通常は何日もの期間にわたって発生する化学反応とによって、当該基準電極の充電状態が、0%の方向に変化する。すなわち、基準電極7の半電池の電位が、曲線40上で左側に向かって緩やかに移動する。しかしながら、比較的大きい範囲にわたって、すなわち(大まかに、点Dと点Eとの間の)平坦な範囲にわたって、基準電極7の半電池の電位は一定のままである。その結果、基準電極7の半電池の電位は、陽極線9に対するほぼ一定の基準電位としてこの範囲にわたって使用され得る。この範囲内では、基準電極7の電位は、陽極線9の電位よりも大きい。その結果、バラクタダイオード24は、
図2の回路20では遮断状態となる。したがって、バラクタダイオード24は、コンデンサのように作用する。すなわち、回路20は、特に基準電極7と陽極3との間の電位差を算定するために設けられている。
【0060】
当該基準電極の充電状態がさらに減少する(すなわち、充電状態が、曲線40上で点Dの左側の範囲内で移動する)と、基準電極7の半電池の電位が減少する。しかし、当該半電池の電位は、以下の理由から0%のときの充電状態に達することはない:基準電極7の半電池の電位40と陽極3の半電池の電位41とが、点Cで交差する。基準電極7の半電池の電位が、点C(又は点Cの左側の範囲)に達すると、基準電極7は、陽極3よりも低い電位にある。結果として、バラクタダイオード24が導通する(
図2)。その結果、基準電極7が「再充電」される。基準電極7の半電池の電位が、この再充電によって曲線40上の点の右側の点に再び戻り、当該反応が繰り返され得る。
【0061】
陽極3に対する安定な基準電位を提供するため、基準電極7の再充電中は、この基準電極7は機能しない(何故なら、基準電極7が、陽極3によって再充電されるからである)。しかし、これは、重大な欠点とはみなされない。何故なら、充電されているときと、セルのより高い充電状態にあるときとに、基準電極7の機能は発揮できるからである(これは、例えばめっき成膜(Plating-Vermeidung)を回避するために重要であり得る)。
【0062】
図5は、本発明の方法の方法ステップによるフローチャートである。当該方法の開始50にしたがって、ステップ51で、上記の複数の装置のうちの1つの装置が提供される。当該装置は、例えば
図1による装置でもよい。この場合、この装置は、
図2の回路20を有してもよく、又は適切な変更にしたがって
図3の回路21を有してもよく、又は同様な機能の回路を有してもよい。
【0063】
引き続き、ステップ52で、共振回路8の共振周波数が検出される。このため、場合によっては電池(セル)制御システム13に接続している読み取り回路12等が使用され得る。
【0064】
引き続き、別のステップ53で、電池セル1の電圧が、当該検出された共振周波数に基づいて算出される。このとき、当該算出は、読み取り回路12又は電池(セル)制御システム13等によって実行され得る。これにより、当該方法が終了する(ステップ54)。次いで、当該算出された電圧は、上記の目的のために電池(セル)制御システム13によって利用され得る。
【0065】
上記の回路、電池セル、装置及び方法の変更又は拡張として、電池セルハウジング2内の反応又は状態に関する別の測定変数を無線式に又は非接触式に算出すること、すなわち電池セルハウジング2の外側の地点で取得可能にすることが可能である。このため、キャパシタンスが素子24に印加する電圧に依存するこの素子24(上記の例では、バラクタダイオード24)の代わりに、キャパシタンスが別の測定変数に依存する素子が使用されるように、
図2の回路20又は
図3の回路21が変更され得る。このような代わりの素子は、例えばロードセルを有し得る。当該ロードセルの場合、実際の圧力が、コンデンサの1つ又は2つのプレート上に伝達される。このコンデンサのプレート間隔が、電池セル1内の圧力の変化によって変化する。これにより、このコンデンサのキャパシタンスが変化する。同様に、当該キャパシタンスの変化が、当該(変更された)共振回路8の共振周波数を変化させる。このとき、当該変化した共振周波数は、上記のように読み取られ得る。
【0066】
別の例では、素子24は、キャパシタンスが電池セル1内の温度に依存する素子と置換され得る。温度変化が、この素子の一部の長さを変化させ得るように、当該素子は提供され得る。この長さ可変の一部は、コンデンサのプレートに結合され得る。その結果、このコンデンサのプレート間隔が、温度変化に基づいて変化する。同様に、この変化は、当該(変更された)共振回路8の共振周波数に変化させる。この場合、当該変化した共振周波数は、上記のように読み取られ得る。
【0067】
ここで説明されている変更された回路の場合、原理的には、回路20又は21のうちの共振回路8だけが必要である。すなわち、陽極3又は陰極5に対する基準電極7、抵抗22及び接続線11は省略され得る。
【0068】
上記で少なくとも1つの例示的な実施の形態を説明したが、留意すべきは、多数のバリエーションの実施の形態が存在する点である。この場合、留意すべきは、当該例示的な実施の形態は、限定されない例にすぎない点であり、当該実施の形態によって、ここで説明されている装置及び方法の範囲、用途又は構成を限定することを意図しない。むしろ、上記の説明は、少なくとも1つの例示的な実施の形態を実行するための手引を当業者に提供するものである。この場合、添付された特許請求の範囲でそれぞれ規定された対象及び当該対象と法律上等価な対象から外れることなしに、例示的な実施の形態において説明されている構成要素の機能及び配置が、様々に変更され得ることが分かる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下の構成も包含し得る:
1.
-キャパシタンスが1つの素子(24)に印加する電圧に依存する、1つのコイル(26)とこの素子(24)とを有する1つの共振回路(8)と、
-1つの基準電極(7)とを有し、1つの電池セル(1)内に存在する第1電圧の算出を可能にする電気回路(20,21)であって、
1つの電池セル電極(3,5)と前記基準電極(7)との間に存在する前記第1電圧の少なくとも一部が、前記素子(24)に印加し、前記共振回路(8)の、当該印加から発生する共振周波数が、1つのハウジング(2)の外側で前記コイル(26)の磁場によって検出可能であるように、前記電池セル(1)の前記ハウジング(2)内に配置されるように構成されている当該電気回路(20,21)。
2.
前記素子(24)は、1つのダイオード(24)、特に1つのバラクタダイオード(24)を有する上記1に記載の電気回路(20,21)。
3.
前記共振回路(8)は、前記素子(24)に直列接続されている1つのコンデンサ(28)を有する上記1又は2に記載の電気回路(20,21)。
4.
前記基準電極(7)の材料の半電池の電位が、平坦な範囲を有する上記1~3のいずれか1つに記載の電気回路(20,21)。
5.
前記基準電極(7)は、以下の材料である:
-リン酸鉄リチウム
-チタン酸リチウム
-リン酸マンガンリチウム
-リチウムと金との合金
のうちの1つ又は複数の材料を有する上記1~4のいずれか1つに記載の電気回路(20,21)。
6.
-電池セル(1)のハウジング(2)内の1つの第1及び第2の電池セル電極(3,5)と、
-同様に前記電池セル(1)の前記ハウジング(2)内の上記1~5のいずれか1つに記載の1つの電気回路(20,21)とを有する電池セル(1)であって、
1つの素子(24)の1つの第1電気接触点(25,23)が、前記第1の電池セル電極(3,5)に電気接続されていて、前記素子(24)の1つの第2の電気接触点(23,25)が、1つの基準電極(7)に電気接続されているように、1つの共振回路(8)が、前記第1の電池セル電極(3,5)と前記基準電極(7)とに接続されている当該電池セル(1)。
7.
1つの抵抗(22)が、前記共振回路(8)と前記第1の電池セル電極(3,5)との間に電気接続されているか、又は前記共振回路(8)と前記基準電極(7)との間に電気接続されている上記6に記載の電池セル(1)。
8.
-前記電池セル(1)の外側からアクセス可能な1つの第1の電池セル接続部(4,6)が、前記電池セル(1)の前記ハウジング(2)を貫通する1つの第1の電気接続部(9,10)によって前記第1の電池セル電極(3,5)に電気接続されていて、
-前記電池セル(1)の外側からアクセス可能な1つの第2の電池セル接続部(6,4)が、前記電池セル(1)の前記ハウジング(2)を貫通する1つの第2の電気接続部(10,9)によって前記第2の電池セル電極(5,3)に電気接続されていて、
-前記電池セル(1)の前記ハウジング(2)を貫通するその他の電気接続部は存在しない上記6又は7に記載の電池セル(1)。
9.
-上記6~8のいずれか1つに記載の1つの電池セル(1)と、
-少なくとも一部が前記電池セル(1)のハウジング(2)の外側に配置されていて、共振回路(8)の共振周波数を1つのコイル(26)の磁場によって検出するように構成されている1つの別の電気回路(12)とを有する、前記電池セル(1)内に存在する電圧を算出するための装置(100)。
10.
電気回路(20,21)と前記別の電気回路(12)とが、互いに電気絶縁されている上記9に記載の装置(100)。
11.
上記6~8のいずれか1つに記載の2つ以上の電池セル(1)又は上記9又は10に記載の2つ以上の装置(100)を有する電池。
12.
-上記9又は10に記載の装置(100)を提供すること、
-別の電気回路(12)によってコイル(26)の磁場を介して共振回路(8)の共振周波数を検出すること、及び
-前記共振回路(8)の当該検出された共振周波数に基づいて、電池セル(1)内に存在する第1電圧を算出することを有する、前記電池セル(1)内に存在する前記第1電圧を算出するための方法。
【符号の説明】
【0069】
1 電池セル
2 ハウジング
3 陽極
4 陽極端子
5 陰極
6 陰極端子
7 基準電極
8 共振回路
9 陽極線
10 陰極線
11 接続線
12 読み取り回路
13 電池(セル)制御システム
20,21 回路
22 抵抗
23 (接触)点
24 素子/バラクタダイオード
25 (接触)点
26 コイル
28 コンデンサ
30,31 (接触)点
40 基準電極の半電池の電位曲線
41 (黒鉛)陽極の半電池の電位曲線
50-54 方法ステップ
100 装置
A,B 電位レベル
C 交点
D,E 充電状態