(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】水耕栽培ユニット
(51)【国際特許分類】
A01G 31/02 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
A01G31/02
(21)【出願番号】P 2021525244
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(86)【国際出願番号】 US2019062413
(87)【国際公開番号】W WO2020106839
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-11-14
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503403135
【氏名又は名称】オーエムエス・インヴェストメンツ・インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ,ブラッドリー
(72)【発明者】
【氏名】グレイ,アンジー
(72)【発明者】
【氏名】メイデン,ホイットニー
(72)【発明者】
【氏名】バージャー,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】モンタグ,ショーン
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3213206(JP,U)
【文献】韓国登録特許第10-1892977(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0271841(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0255152(US,A1)
【文献】特表2019-534040(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0092312(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0208598(US,A1)
【文献】独国実用新案第202014101488(DE,U1)
【文献】中国特許出願公開第107343470(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0126269(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 31/00-31/06
A01G 9/00- 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
底面および開いた天面を備える、前記筐体の中に配置される貯水器と、
前記筐体の前記開いた天面の中に嵌め込まれるように構成され、複数の開口部を画定する支持構造と、
前記筐体の前記開いた天面の中で前記支持構造の上に嵌め込まれるように構成される少なくとも1つのカバー板であって、前記支持構造の前記複数の開口部に対応する複数の切欠部を備える、少なくとも1つのカバー板と、
前記貯水器の中に配置されるポンプであって、入口および出口を備える、ポンプと、
前記ポンプの前記出口に結合される噴霧器
であって、前記支持構造の下方にあるノズルを備え、前記ノズルが前記支持構造の前記複数の開口部の中央に位置する、前記噴霧器と、
前記筐体に結合される照明システムと
を備える水耕栽培装置。
【請求項2】
前記照明システムの下面と前記少なくとも1つのカバー板の上面との間の固定された距離が35.56cm(14インチ)から45.72cm(18インチ)の範囲内にある、請求項1に記載の水耕栽培装置。
【請求項3】
前記照明システムが、制御盤と、レンズと、ライトを有する照明パネルとを有する、請求項1に記載の水耕栽培装置。
【請求項4】
一日のうちの時間期間において前記照明システムをオンにするように構成され、前記時間期間が12時間から16時間の範囲内にある、請求項1に記載の水耕栽培装置。
【請求項5】
前記筐体の中に配置される電源、および前記貯水器の中の前記ポンプから前記筐体の中の前記電源まで延在するポンプ電源コードをさらに備える、請求項1に記載の水耕栽培装置。
【請求項6】
前記貯水器の前記底面が、前記ポンプ電源コードを受けるように構成される、起立壁を有する通路を備える、請求項5に記載の水耕栽培装置。
【請求項7】
前記カバー板の前記複数の切欠部によって画定される少なくとも1つの開口部をさらに備え、前記少なくとも1つの開口部が前記支持構造の前記複数の開口部のうちの少なくとも1つの開口部に重なる、請求項1に記載の水耕栽培装置。
【請求項8】
磁気浮遊物を有する水位計をさらに備える、請求項1に記載の水耕栽培装置。
【請求項9】
前記支持構造における前記複数の開口部のうちの任意の開口部の中に嵌め込まれるためのサイズおよび形状の少なくとも1つの籠をさらに備える、請求項1に記載の水耕栽培装置。
【請求項10】
前記複数の開口部がグリッド状に配列される4つの開口部である、請求項1に記載の水耕栽培装置。
【請求項11】
前記ポンプの前記入口に入る水を前記筐体の外部の場所まで運ぶために再配置可能な前記ポンプの前記出口に選択的に接続される排水チューブをさらに備える、請求項1に記載の水耕栽培装置。
【請求項12】
前記ポンプから前記貯水器を通って前記筐体の外部の地点まで延在するコードをさらに備え、前記ポンプが電動式である、請求項1に記載の水耕栽培装置。
【請求項13】
植物を水耕栽培により栽培する方法であって、
栽培用物質の中に植え付けられた植物をネットカップの中に配置するステップと、
前記ネットカップを
請求項1に記載の水耕栽培装置の中に置くステップと
を含む方法。
【請求項14】
前記栽培用物質が土壌である、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記植物を配置する前に、前記ネットカップの中にライナを配置するステップをさらに含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項16】
毎日12時間から16時間にわたって前記水耕栽培装置の照明システムから前記植物に対して光を提供するステップをさらに含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項17】
前記水耕栽培装置の貯水器の中の水に対して栄養組成物を定期的に追加するステップをさらに含む、請求項
13に記載の方法。
【請求項18】
請求項1に記載の水耕栽培装置と、
第1のサイズの1つまたは複数のネットカップと、
第2のサイズの1つまたは複数のネットカップであって、前記第2のサイズが前記第1のサイズとは異なる、1つまたは複数のネットカップと、
1つまたは複数のアダプタと、
前記第2のサイズの前記1つまたは複数のネットカップの中に嵌め込まれるようにサイズ決定される1つまたは複数の円筒形プラグと
を備えるキット。
【請求項19】
請求項1に記載の水耕栽培装置および栄養組成物を備えるキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、水耕栽培ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]従来の水耕栽培システムは多くの形態をとっており、しばしば桶のような形状であり、水耕栽培システムにおいて一列または複数の列の植物が栽培される。これらの種類のシステムでは、ポンプが水桶または貯水器の外部にあってよい。従来の水耕栽培システムは、ユニットの外部にあり得るポンプを有し、水または他の液体の中に沈められ得るポンプと比較して少ない流量を有する。低流量であることにより、水耕栽培システムの中で栽培される植物の上に塩殻が蓄積することになる。既存の水耕栽培器の欠点を解消するために水耕栽培ユニットに対して改善が行われ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]一実施形態によると、水耕栽培装置が、筐体と、貯水器と、照明システムとを有することができる。筐体が底面および開いた天面を有することができ、貯水器が、筐体の底面と天面との間の容積の少なくとも一部を含むことができる。装置が、貯水器の底部分のところに配置されるポンプであって、入口および出口を備える、ポンプと、ポンプの出口に結合される噴霧器とをさらに有することができる。さらに、装置が、筐体の開いた天面の中に嵌め込まれるように構成され、複数の開口部を画定する支持構造を有することができる。装置が、筐体の開いた天面の中で支持構造の上に嵌め込まれるように構成される少なくとも1つのカバー板を有することができる。少なくとも1つのカバー板が、支持構造の複数の開口部に対応する複数の切欠部を備える。
【0004】
[0004]別の実施形態によると、植物を水耕栽培により栽培する方法が、栽培用物質の中に植え付けられた植物をネットカップの中に配置することと、ネットカップを水耕栽培装置の中に置くこととを含む。
【0005】
[0005]別の実施形態によると、キットが、水耕栽培装置と、第1のサイズの1つまたは複数のネットカップと、第2のサイズの1つまたは複数のネットカップとを有し、第2のサイズが第1のサイズとは異なる。キットが、1つまたは複数のアダプタと、第2のサイズの1つまたは複数のネットカップの中に嵌め込まれるようにサイズ決定される1つまたは複数の円筒形プラグとをさらに有することができる。
【0006】
[0006]別の実施形態によると、キットが、水耕栽培装置と、栄養組成物とを有する。
[0007]以下の図と併せていくつかの例示の実施形態の詳細な説明により本開示がより容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】[0008]水耕栽培ユニットの実施形態を示す上面等角図である。
【
図2】[0009]
図1の水耕栽培ユニットを示す正面図である。
【
図3】[0010]
図1の水耕栽培ユニットを示す背面図である。
【
図4】[0011]
図1の水耕栽培ユニットを示す側面図である。
【
図5】[0012]
図1の水耕栽培ユニットを示す上面図である。
【
図6】[0013]
図1の水耕栽培ユニットを示す底面図である。
【
図7】[0014]
図1の水耕栽培ユニットを示す底面等角図である。
【
図8】[0015]
図1の水耕栽培ユニットの栽培ユニットおよび支持体を示す分解図である。
【
図9】[0016]
図1の水耕栽培ユニットを示す断面図である。
【
図10】[0017]
図1の水耕栽培ユニットを示す断面図である。
【
図11】[0018]
図1の水耕栽培ユニットのアダプタを示す斜視図である。
【
図12】[0019]
図11のアダプタの下側を示す斜視図である。
【
図13】[0020]
図1の水耕栽培ユニットのカバー板を示す斜視図である。
【
図14】[0021]
図13のカバー板の下側を示す斜視図である。
【
図15】[0022]
図1の水耕栽培ユニットのネットカップ、ライナ、および栽培培地を示す分解図である。
【
図16】[0023]
図1の水耕栽培ユニットの別のネットカップを示す斜視図である。
【
図17】[0024]
図1の水耕栽培ユニットの蓋を示す斜視図である。
【
図19】[0026]
図1の水耕栽培ユニットの噴霧器を示す分解図である。
【
図21】[0028]
図1の水耕栽培ユニットを示す分解図である。
【
図22】[0029]
図1の水耕栽培ユニットの台を示す斜視図である。
【
図24】[0031]
図1の水耕栽培ユニットを示す断面図である。
【
図25】[0032]
図1の水耕栽培ユニットの貯水器を示す斜視図である。
【
図26】[0033]
図25の貯水器の下側を示す斜視図である。
【
図27】[0034]
図25の図から回転した、
図1の水耕栽培ユニットの貯水器を示す斜視図である。
【
図28】[0035]
図1の水耕栽培ユニットの照明システムを示す分解図である。
【
図29】[0036]
図28の照明システムを示す斜視図である。
【
図30】[0037]
図28の照明システムの下側を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0038]以下の記述は、水耕栽培ユニットに関連する種々の実施形態および詳細を提供することにより実施形態の徹底的な理解を実現することを意図される。しかし、本開示が、単に説明のためのものであるこれらの具体的な実施形態および詳細のみに限定されないことを理解されたい。さらに、既知のデバイス、システム、および方法に照らして、当業者であれば、その意図される目的のための本開示の使用および任意の数の代替的実施形態における利益を認識するであろうことを理解されたい。後でさらに説明されるように、本明細書で説明される水耕栽培ユニットは、使用者が植物を栽培するときの容易さを向上させるものである。
【0009】
[0039]
図1を参照すると、実施形態による水耕栽培ユニット100が示されている。図面がユニットの簡略化されたおよび/または説明的な図であってよいこと、および水耕栽培ユニット100が描かれていない追加の要素を含んでもよいことを認識されたい。水耕栽培ユニット100が、支持体104に結合される栽培ユニット102を有する。支持体104が複数の支柱106に結合され、複数の支柱106がさらに照明システム108に結合される。これらの構成要素の各々を以下でさらに考察する。
【0010】
[0040]図を参照すると、栽培ユニット102が、貯水器112を収容するように構成される筐体110を有する。支持構造または台114が貯水器112に取り外し可能に結合され得る。貯水器112が、台114の突出部118を受けるためのノッチ116を有する。台114が、突出部118まで延在する上面120を有する。上面120がウェブ状であり、複数の開口122を画定する。示される実施形態で、4つの円形開口122がグリッド状のパターンにおいて配列される。開口122の各々で、台114がリム124を有する。開口122が10.16cm(4インチ)のネットカップ126などのネットカップを支持するようにサイズ決定され、ネットカップがフレーム128および縁130を有する。フレーム128が開口122を通過し、対してリム124が、開口122を通過するように縁130が移動するのを防止する。言い換えると、10.16cm(4インチ)のネットカップ126が台114の上に配置されるとき、縁130がリム124によって支持される。5.08cm(2インチ)のネットカップ132を支持する場合、アダプタ134が使用され得る。アダプタ134が、傾斜壁140によって接続される外側リング136および内側リング138を有する。内側リング138の壁が内側スカート142のところで終端し、内側スカート142が開口部144を画定する。アダプタ134の下側には一連のフランジ146が存在し、一連のフランジ146が、台114の中にアダプタ134が配置されるときの安定的な支持を実現する。アダプタ134が台114の中に配置されるとき、10.16cm(4インチ)のネットカップ126の縁130と同様に、外側リング136がリム124によって支持される。次いで、5.08cm(2インチ)のネットカップ132がアダプタ134の中に配置され得る。アダプタ134の開口部144が5.08cm(2インチ)のネットカップ132のフレーム148を通過させるのを可能にし、対して内側リング138が5.08cm(2インチ)のネットカップ132の縁150を支持する。したがって、使用者が、水耕栽培ユニット100の中で使用される所望のサイズのネットカップを上手く組み合わせることができる。貯水器112が、水位がそのレベルを越えるべきではないことを使用者に示すための満杯ライン152を有することができる。満杯ライン152が、台114の上に配置されているときの10.16cm(4インチ)のネットカップ126の底部の下方にあり、つまり10.16cm(4インチ)のネットカップ126の底部より低いレベルのところにある。貯水器112が、少なくとも3.78L(1ガロン)、少なくとも7.57L(2ガロン)、または3.78L(1ガロン)から15.14L(4ガロン)の間の体積の水を満杯ラインの下方で保持するのに十分な大きさの容積を有する。10.16cm(4インチ)のネットカップ126が使用される場合、ライナ154が含まれ得る。ライナ154が、土壌の中に植えられる植物を10.16cm(4インチ)のネットカップ126へ移すのを可能にする。ライナ154が、貯水器112の中の水の中へ土壌が落下するのを防止する。土壌または他の粒子状物質は水を汚すことになり、可能性としてポンプを詰まらせることになる(後で説明する)。植物の根がライナ154を通って成長することになり、それにより植物が継続的に成長することが可能となる。ライナ154が例えばココナツ繊維で作られ得る。ライナ154が、例えばラテックスコーティングなどの、コーティングを有することができる。
【0011】
[0041]栽培ユニット102が複数のカバー板156をさらに有する。各カバー板156の側壁158が、カバー板156を組み立てるときに側壁158により複数の開口部160を画定することになるように、形作られる。示される実施形態では、開口部160および開口122が軸方向において位置合わせされる。開口部160が台114の各々の開口122を覆わないようにするように構成される。したがって、カバー板156は、台114の上に使用者が植物を配置するのを防止しない。各カバー板156の側壁158が、使用者がカバー板156を把持してカバー板156を貯水器112の上に配置したりまたはカバー板156を貯水器112から取り外したりするのを可能にする窪みをさらに有する。栽培ユニット102が最大収容数で使用されない場合、蓋162が任意の塞がれていない開口122の中に配置され得る。蓋152が、カバー板156と共に、貯水器112からの光を遮断し、その中での藻類の成長を低減するのを補助する。
【0012】
[0042]水循環システム164が、貯水器112の中の水を、水耕栽培ユニット100の中で成長する植物まで循環させるように構成される。水循環システム164が、噴霧器168に結合されるポンプ166を有する。噴霧器168が貯水器112の中の中央に配置される。植物の周りではなく植物の中央に配置されることにより、使用する器具(例えば、管類、マルチノズル)を低減することが可能となる。噴霧器168が、ポンプチューブ172に結合される分岐するマルチノズル170を有する。分岐するマルチノズル170が水を各植物の方に(つまり、ネットカップ126、132の方に)誘導する。分岐するマルチノズル170を適切に方向付けるために、中央カバー板156aの下側174がガイド176を有する。ガイド176が一連の通路178を有する。中央カバー板156aが台114の上に配置される場合、分岐するマルチノズル170が、ノズル170の分岐を通路178に入れるように、それ自体で方向付けられる。これにより、分岐するマルチノズル170が植物から離すように水を誘導することが防止される。したがって、栽培ユニット102が、分岐するマルチノズル170の所望の向きを維持するように構成される。水が循環させられる間、ネットカップ126、132の周囲の空気により水が曝気される。ポンプチューブ172がポンプアダプタ180を介してポンプ166に取り外し可能に結合される。貯水器112の底面182が傾斜しており、傾斜部の底部の近くにまたは傾斜部の底部にポンプ筐体184を有する。ポンプ筐体184が、その中にポンプ166を配置するのに十分である形状およびサイズの側壁186を有する。側壁186が、ポンプ筐体184の中にポンプ166が配置される場合にポンプ166の入口を塞がない状態で維持するようにするための、開口部を有する。側壁186が、電源コードを通過させるための通路188をさらに有することができる。ポンプ筐体184がカバー189をさらに有することができる。貯水器112の底面182の傾斜構成が、貯水器112の中の水位が低下する場合に十分な量の水をポンプ166に供給する時間を伸ばす。ポンプ166の入口が、粒子状物質がポンプに入る可能性または入口のところで蓄積物(例えば、鉱物残留物)が形成される可能性を低減するためのフィルタ190を有することができる。
【0013】
[0043]水耕栽培ユニット100が、例えば貯水器112を洗浄するために、貯水器112から水を排水するための排水チューブ192をさらに有する。排水チューブ192がJ形または直線であってよいか、あるいは排水チューブ192に付される任意の他の湾曲部を有してもよい。分岐するマルチノズル170およびポンプチューブ172がポンプアダプタ180から分離していてよく、排水チューブ192の一方の端部がポンプアダプタ180に結合される。この切換中、ポンプ166はオン状態を維持してよいかまたはオフにされてもよい。排水チューブ192が貯水器112から出るように延在する。ポンプ166がポンプ電源コード194を介して電源218に接続される。植物からの根がポンプ電源コード194に巻き付くのを防止するために、貯水器112が、ポンプ166から貯水器112の側壁198まで延在する通路196を有する。通路196が起立壁200を有する。通路196が、ポンプ電源コード194を定位置にまとめるように通路196の幅を縮小させるバッフル(図示せず)をさらに有することができる。したがって、ポンプ電源コード194が意図されずに通路196から外に出ないようになる。
【0014】
[0044]図を参照すると、貯水器112が水位計204を有する。水位計204が磁気浮遊物206および筐体208を備える。筐体208が、貯水器112の内部に連通する内部210を画定する。貯水器112の中の水位が上昇または降下すると、筐体208の中の水位がそれに対応して磁気浮遊物206と共に上昇または降下する。電子的読み取りスイッチなどのセンサが、磁気浮遊物206が所定の高さに到達するタイミングを判断するのに使用され得る。例えば、所定のレベルが、貯水器112の中に一定の体積の水(例えば、3.78L(1ガロン)の水)が残っているのを示すことができる。
【0015】
[0045]図を参照すると、筐体110が、区分される底面214を有する内部212を画定する。示される実施形態では、底面214が4つの三角形セグメント216を有する。電源218が三角形セグメントのうちの1つの三角形セグメントの中に配置される。水が、例えば貯水器112から、筐体110に入る場合、区分されていることにより水が電源218に到達する可能性が低減される。加えて、電源218を収容するセグメント216が残りのセグメント216より低い位置にある。筐体110が支持体104に取り外し可能に結合される。実施形態で、筐体110の下面220が支持体104を受けるように構成される。図に示されるように、例えば、下面220が溝222を有する。溝222がX形であり、これが支持体104のX形に対応する。溝222が内部212の底面214を区分するのに使用されることに留意されたい。筐体110が支持体104に結合される場合、筐体110の下面220が支持体104を通過して延在することがない。水耕栽培ユニット100が電源スイッチ224および電源コード226をさらに有する。電源コード226が電気コンセントに接続され得、電源スイッチ224がオン位置とオフ位置との間でトグル式に切り換えられ得る。オフ位置では、ポンプ116および照明システム108への電力が停止される。オン位置では、電源218からポンプ116および照明システム108へ電力が提供される。
【0016】
[0046]示される実施形態では、電源スイッチ224が筐体110の下面220上に配置される。筐体110が少なくとも第1の出口228および第2の出口230を有する。電源コード226が電源218から第1の出口228を通って延在する。同様に、照明電源コード232が電源218から第2の出口230を通って支持体104の中まで延在する。支持体104の少なくとも一部分が中空であり、それにより照明電源コード232が図に示されるように少なくとも支持体104の端部234まで延在することが可能となる。上で考察したように、支持体104が複数の支柱106に取り外し可能に結合される。示される実施形態では、各々の支柱106が、支持体104の中空端部234の中へ延在する突出部236を有する。ねじ238およびワッシャ240などの固定具が、支持体104に対して支柱106を固定するのに使用され得る。照明電源コネクタ225を収容する支持体104の端部234に隣接する支柱106が照明電源コネクタ242を有する。照明電源コード232および照明電源コネクタ242が対合し、照明電源コネクタ242が支柱106を通って上方へ延在する。各支柱106の頂部の近くにまたは各支柱106の頂部に、支柱106を照明システム108に結合するためのシェード支持体244が存在する。照明電源コネクタ242が、少なくとも、突出部236から支持体244まで延在する。支柱106が、支柱106の端部248のところにある端部キャップ246をさらに有する。これらの端部キャップ246が取り外され得、複数の水耕栽培ユニット100が一体に積み重ねられ得る。
【0017】
[0047]図を参照すると、照明システム108が、シェード250、制御盤252、および照明パネル254を有する。シェード250が、天面256、および天面256から延在する側壁258を有する。側壁258が窪み260を有し、窪み260が支柱106のシェード支持体244に対合する。側壁258が照明パネル254からの光を下方の植物の方へとその向きを変えるように機能する。これらによりさらに、使用者に対して光を直接に当てることなく使用者の目の高さを照明パネル254に合わせることが可能となる。シェード250が1つまたは複数のブラケット262または挿入物263をさらに有する。ブラケット262および/または挿入物263が側壁258の少なくとも一部分に沿って延在する。ブラケット262および/または挿入物263が側壁258の強度を向上させ、それにより使用者がシェード250を把持することにより水耕栽培ユニット100の位置をより容易に変えることが可能となる。シェード250が充電ステーション264をさらに有することができるかまたは充電ステーション264に結合され得る。充電ステーション264が例えば伝導方式または誘導方式であってよい。誘導方式の充電ステーション264が制御盤252および/または照明電源コネクタ242に直接にまたは間接的に結合され得る。誘導方式の充電ステーション264はシェード250の上で使用者が携帯電話などのデバイスを充電するのを可能にする。水耕栽培ユニット100が120VのACコンセントなどの充電コンセントをさらに有することができる。
【0018】
[0048]さらに図を参照すると、制御盤252がシェード250の下側266に結合される。制御盤252が照明電源コネクタ242に電気的に結合される。制御盤252が、携帯電話などのリーダーデバイスと通信するための、Bluetooth(登録商標)などの無線プロトコルまたは別の無線プロトコルを有することができる。照明パネル254がLEDなどの一連のライト268を有する。ライト268が1つまたは複数の波長および色を有することができる。ライトのワット数は例えば60Wであってよい。実施形態で、ライト268からの光の波長が400nmから700nmの範囲内にあってよい。照明システム108が、照明パネル254と栽培ユニット102(つまり、植物)との間にあるレンズ270をさらに有する。水耕栽培ユニット100が、ライト268をオンおよびオフにするためのスイッチ272をさらに有する。スイッチ272がライト268を薄暗くするのにも使用され得る。示される実施形態では、スイッチ272がシェード250の天面256の上にあり、関連のセンサ273がシェード250の反対側にある。スイッチ272が例えば容量性スイッチまたはボタンであってよい。スイッチ272が容量性である場合の実施形態では、そこを通しての配線のための開口部が天面256内に存在しない。これにより、シェード250の上で何かをこぼしてしまう場合の、制御盤252および照明パネル254のためのより安全な環境が作られる。スイッチ272の境界部が天面256から一段高くなっていてよく、それにより使用者がスイッチ272の場所を容易に判断することが可能となる。
【0019】
[0049]制御盤252が、一日のうちで設定される時間期間においてライト268をオンにするようにプラグラムされ得る。種々の実施形態で、毎日の照明の時間期間が12時間から16時間の範囲にあってよいかまたは14時間であってよい。これにより使用者が能動的にライトをオンにしたりオフにしたりすることの必要性が排除され、それにより一日において植物が十分な光を受ける可能性を上げる。実施形態で、制御盤252が、(例えば、ライト268を薄暗くするかまたはオフにするために)スイッチ272を作動させた後の設定された時間期間の後でライト268をオンに戻すようにプログラムされ得る。
【0020】
[0050]照明システム108が栽培ユニット106に固着される。言い換えると、照明システム108と栽培ユニットの上面(例えば、カバー板156の天面274)との間の高さが固定される。照明パネル254からカラー板156の天面274までの高さ(H)は例えば35.56cm(14インチ)から45.72cm(18インチ)の範囲内にあってよい。実施形態で、高さ(H)が40.64cm(16インチ)であってよい。照明システム108が、固定される高さ(H)において、栽培ユニット102内に配置される種、苗、または植物に十分な光を提供するように構成される。
【0021】
[0051]種々の実施形態で、水耕栽培ユニット100が使用者に対して1つまたは複数の状態を示すように構成され得る。実施形態で、センサが磁気浮遊物206が所定のレベルにあることを感知する場合、インジケータが水位が所定のレベルにあることを表す。インジケータが、貯水器112に対してさらに水を追加すべきであることを使用者に知らせる。実施形態で、インジケータがライト268の繰り返しの点滅である。例えば、水位を所定のレベルの上方まで上昇させるために使用者が水を追加するまで、ライト268が例えば10秒ごとといったように所定の間隔で繰り返し点滅することができる。これにより、ポンプ166の水がなくなる可能性が低減する。水耕栽培ユニット100が、実施形態で、ポンプ166の運転が止まったことを示すように構成され得る。例えば、ポンプがオフにされるまで、またはポンプに何かが詰まっている場合にはポンプが再び運転することができるようになるまで、ライト268が絶えず点滅してよい。加えて、実施形態で、インジケータが、Bluetooth(登録商標)などの無線プロトコルが起動したことを使用者に知らせることができる。例えば、ライト268が、近くにあるデバイスを見つけるためにBluetooth(登録商標)がその時点で利用可能であることを示すために一度点灯することができる。
【0022】
[0052]水耕栽培ユニット100の種々の構成要素が例えば金属またはプラスチックで作られ得る。種々の実施形態で、筐体110およびシェード250が同じ材料で作られ得る。例えば、筐体110および/またはシェード250がアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂で作られる。この材料が、材料の経時的な変色を回避するための紫外線阻害剤を含むことができる。種々の実施形態で、1つまたは複数の構成要素が、強度を向上させるための、ガラス充填ナイロンなどの強化材料で作られ得る。例えば、台114がガラス充填ナイロンで作られ得る。
【0023】
[0053]種々の植物が水耕栽培ユニット100の中で栽培されることができる。適切な植物には、限定しないが、観葉植物、ハーブ、顕花植物が含まれる。
[0054]使用時、種、苗、または植物が、10.16cm(4インチ)のネットカップ126および/または5.08cm(2インチ)のネットカップ132、のうちの一方に配置され得る。上で考察したように、土壌などの物質の中に既に植え付けられた植物が水耕栽培ユニット100に追加されてもよい。成長前のまたは発芽の任意の段階の種がネットカップ126、132内の栽培培地の中に配置され得る。栽培培地がスポンジ状の栽培培地を含んでよい。栽培培地の例には、限定しないが、コイア(圧縮されたコイア、圧縮されていないコイア、ふるいにかけたコイア、コイアダスト、および/またはコイア髄)、ピート、ピートモス(例えば、ミズゴケのピートモス)、ピート腐植土、バーミキュライト、堆肥パーライト、樹皮、樹皮微粉、堆肥樹皮微粉、経木、鋸屑、マルチ、加工コーンスターチ、トウモロコシ茎、ヒマワリ茎、堆肥もみ殻、アシカヤツリグサピート、糞尿堆肥、堆肥林産物、コーヒー出し殻、堆肥紙繊維、消化糞尿繊維、堆肥茶葉、バガス、庭ごみ堆肥、綿派生物、草木灰、樹皮の灰、植物性副生成物、農業副生成物、またはこれらの組み合わせが含まれる。他の実施形態で、発根培地が肥料または施肥剤を含むことができる。さらに、これらの物質が固体となるように形成および/または成形され得る。実施形態で、栽培培地が、円錐形、どんぐり形、三角形のどんぐり形、植木鉢形、または大くぎ形となるように成形される。別の実施形態で、栽培培地が、カリフォルニア州、95024、ホリスターのInternational Horticultural Technologies,Inc.によって製造および販売されるQ-PLUG(登録商標)またはEXCEL-PLUG(登録商標)である。別の実施形態で、Q-PLUG(登録商標)またはEXCEL-PLUG(登録商標)が、円錐形、どんぐり形、三角形のどんぐり形、植木鉢形、または大くぎ形となるように成形されて形作られる。別の実施形態で、成形および/または形成された発根培地172が、ネットカップ126、132によって画定される内部空間を完全にまたは部分的に埋めるように適合される。栽培培地の成分が自然由来であってよいかまたは有機源由来であってよい。この場合、シードポッド100から作られる植物または野菜は有機として分類および評価され得る。示される実施形態では、栽培培地276が5.08cm(2インチ)のネットカップ132の中に嵌め込まれるようにサイズ決定される成形される円筒形プラグである。5.08cm(2インチ)のネットカップ132がテーパ状であることから、円筒形の栽培培地276が5.08cm(2インチ)のネットカップ132の中にぴったり嵌め込まれる。5.08cm(2インチ)のネットカップ132は、栽培培地276の存在により、わずかに湾曲してよい。5.08cm(2インチ)のネットカップ132が満杯ではない場合、5.08cm(2インチ)のネットカップ132の側面に対しての水しぶきの音が知覚可能となる可能性がある。栽培培地276が5.08cm(2インチ)のネットカップ132を埋める場合、この音が大幅に低減される。実施形態で、栽培培地276が4.8cmの直径および5.2cmの高さを有することができる。
【0024】
[0055]水耕栽培ユニット100の中で植物を成功裏に栽培するのを補助するために、栄養素が貯水器112の中の水に追加され得る。種々の実施形態で、栄養組成物が水に定期的に追加される。栄養組成物は、例えば、粉末状または液体であってよい。栄養組成物が、例えば、2週間に1回または月1回追加され得る。本出願と同時に出願した「Nutrient Composition」と題される米国仮特許出願第62/770,216号、国際出願PCT/US2019/が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。栄養組成物の追加の間の時間を伸ばすことにより、水耕栽培ユニット100を使用して植物を栽培することの容易さが向上する。栄養溶液が自己平衡pHを有することができる。水耕栽培ユニットの中で植物が成長するとき、植物の根が貯水器の中に存在する水に到達する可能性がある。根がポンプまで下方に成長する可能性がある。ポンプ筐体が、根がポンプの中に入ってポンプの動作および取水能力に干渉することからポンプを保護するのを補助する。上述したように、通路196が根の干渉からポンプ電源コード194を保護するのを補助する。根が水に到達しても、それでも水を曝気するようにポンプ166の電源をオンにすることが望ましい。曝気しない場合、植物の生存日数が制限される。中で成長する植物のライフサイクル中、水を交換する必要はない。
【0025】
[0056]水耕栽培ユニット100が1つの家庭用家具として機能することができる。例えば、水耕栽培ユニット100がエンドテーブルとして使用され得る。種々の実施形態で、水耕栽培ユニット100の全高が66.04cm(26インチ)から76.2cm(30インチ)の範囲内にあってよいかまたは71.12cm(28インチ)であってよい。水耕栽培ユニット100が多様な外形をとることができる。示される実施形態では、水耕栽培ユニット100の外観が実質的に正方形形状であり、丸みを有する縁部を有する。上述したように、1つまたは複数の実施形態による水耕栽培ユニットおよび/または方法が、毎日提供される水、栄養素、および光を自動化することと、栄養素を追加しなければならない頻度を低減することと、植物のライフサイクル中に水を変えるのを必要としないこととによって、種および/または植物を栽培する方法を提供することができる。
【0026】
[0057]特定の例示の実施形態で、本明細書で説明される各々の構成要素が所望の形状となるように射出成形される。いくつかの実施形態で、各構成要素が1つの一体成形部品として成形され得る。別の実施形態で、構成要素が複数の部品として成形され得、これらの複数の部品が一体に接合されるかまたは取り付けられて構成要素を形成する。このようなプロセスおよび部品に精通する人であれば、金型を設計するためのおよび1つの構成要素を形成するために種々の部品を接合するための種々の手段を理解するであろう。
【0027】
[0001]本明細書を通して、「種々の実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「いくつかの例示の実施形態」、「1つの例示の実施形態」、または「実施形態」に言及することは、任意の実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または性質が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して、「種々の実施形態で」、「いくつかの実施形態で」、「一実施形態で」、「いくつかの例示の実施形態」、「1つの例示の実施形態」、または「実施形態で」というフレーズが複数の箇所で現れることは、必ずしも全てが同じ実施形態を意味するわけではない。さらに、これらの特定の特徴、構造、または性質は1つまたは複数の実施形態において任意適切な形で組み合され得る。
【0028】
[0058]したがって、種々の実施形態の範囲は、本明細書で説明される具体的な実施形態のみに限定されない。また、本明細書では、実施形態のうちのいくつかの実施形態を特定の目的のための特定の環境において特定の実装形態の文脈で説明してきたが、当業者であれば、その有用性がこれのみに限定されないこと、およびこれらの種々の実施形態が任意の数の目的のために任意の数の環境で有益に実施され得ることを認識するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本明細書で開示される実施形態の全範囲および精神を考慮して解釈されるべきである。上記の説明は多くの詳細および特性を含むが、これらの詳細および特性が単に説明を目的として含まれるものであり、種々の実施形態を限定するものとして解釈されないことを理解されたい。本記述の精神および範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に対して多くの修正形態が作られ得る。