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特許7531504弁閉鎖不全を修復するデバイスおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】弁閉鎖不全を修復するデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
A61F2/24
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021549678
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(86)【国際出願番号】 US2020018863
(87)【国際公開番号】W WO2020176310
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】62/809,903
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ボアズ・マナッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ノア・アクセルロッド・マネラ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・リンスキー
(72)【発明者】
【氏名】アミール・ケレット
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0067048(US,A1)
【文献】国際公開第2018/195201(WO,A1)
【文献】特開2017-170214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
A61B 17/122
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁閉鎖不全を修復するための遮断構成要素であって、
逆流心臓弁の間隙内に位置するように適合され、前記間隙内に位置すると前記間隙を埋め逆流流れを軽減するように構成された、分厚い遮断構成要素本体
を備え、
前記分厚い遮断構成要素本体は、ポリマー発泡体クッションを備え、前記ポリマー発泡体クッションは、前記間隙内に位置すると、周期的に収縮することおよび拡張することによって収縮期および拡張期の周期に応答し、拡張中に、血液の逆流流れを軽減する方法で前記間隙を少なくとも部分的に埋めるように構成される、
遮断構成要素。
【請求項2】
締結具をさらに備え、
前記締結具が、前記逆流心臓弁内に前記分厚い遮断構成要素本体を固定することによって前記間隙内に前記遮断構成要素を定着させるように適合される、
請求項1に記載の遮断構成要素。
【請求項3】
前記締結具が、前記分厚い遮断構成要素本体を前記逆流心臓弁の一組の1つまたは複数の天然弁尖に定着させる、請求項2に記載の遮断構成要素。
【請求項4】
前記締結具が、縫合糸、接着剤およびステープルからなる群から選択される連結要素によって前記分厚い遮断構成要素本体に固定されるクリップであり、
前記クリップが、前記分厚い遮断構成要素本体を定着させるとき、前記分厚い遮断構成要素本体が前記逆流心臓弁の前記間隙内に定着するように心臓の一組の1つまたは複数の天然弁尖にクリップ留めされる、
請求項2または3に記載の遮断構成要素。
【請求項5】
前記クリップが、ワイヤを収容することができるアイを含み
前記アイは、前記ワイヤの張りに応じて開くことができ、前記ワイヤの緩みに応じて閉じることができる、
請求項4に記載の遮断構成要素。
【請求項6】
前記分厚い遮断構成要素本体および締結具が、経カテーテル送達システムに組み入れられる、請求項2から5のいずれか一項に記載の遮断構成要素。
【請求項7】
前記締結具が、連結要素によって前記分厚い遮断構成要素本体に固定されるクリップであり、
前記クリップが、ワイヤを収容することができるアイを含み、
前記経カテーテル送達システムが、前記アイを通り、前記クリップを開けるように適合された作動ワイヤをさらに備える、
請求項6に記載の遮断構成要素。
【請求項8】
前記クリップは、1つ又は複数のスロットを画定するように形成され、
前記経カテーテル送達システムは、前記クリップを前記経カテーテル送達システムに固定するように、各スロット内に挿入可能である1つ又は複数のビームを備える、
請求項7に記載の遮断構成要素。
【請求項9】
前記スロットを含む前記クリップは、前記クリップを画定するように折り曲げられたワイヤから形成される、
請求項8に記載の遮断構成要素。
【請求項10】
前記クリップは、前記ワイヤによって形成されたフレームをさらに備え、
前記スロットのそれぞれのために、前記ワイヤは、前記スロットの周りで且つ前記スロットに沿って延在することによって、前記スロットを画定する各螺旋部内に折り曲げられる、
請求項9に記載の遮断構成要素。
【請求項11】
前記クリップは、前記ワイヤによって画定された一対の平行なバーをさらに備え、
前記平行なバーは、前記クリップの開閉中に互いに離れたり、互いに近づいたりする、
請求項10に記載の遮断構成要素。
【請求項12】
前記分厚い遮断構成要素本体は、前記ポリマー発泡体クッションが局所的な血圧の上昇により収縮し、且つ局所的な血圧の降下により拡張するように、収縮期および拡張期の周期に応答する、
請求項1に記載の遮断構成要素。
【請求項13】
前記ポリマー発泡体クッションは、前記逆流心臓弁が閉じると前記間隙を埋めるように拡張するように構成され、前記逆流心臓弁が開くと前記逆流心臓弁を通じて前進流れを促進するように収縮する、
請求項1に記載の遮断構成要素。
【請求項14】
弁閉鎖不全軽減をシミュレートする方法であって、
遮断構成要素を、前記遮断構成要素が間隙を埋めシミュレートされた逆流流れを軽減するようにシミュレートされた逆流心臓弁の間隙内に位置させるステップ
を含み、
前記遮断構成要素は、ポリマー発泡体クッションを備え、前記ポリマー発泡体クッションは、前記シミュレートされた逆流心臓弁のシミュレートされた局所圧力が低いときは逆流流れを軽減するように前記間隙を埋めるように拡張し、前記シミュレートされた逆流心臓弁のシミュレートされた局所圧力が高いときは血液の前進流れを可能にするように縮小することによって、収縮期および拡張期の周期に応答するように構成され、
前記遮断構成要素が、遮断構成要素本体を備える、
方法。
【請求項15】
弁閉鎖不全修復をシミュレートする方法であって、
経カテーテル送達システムを用いてシミュレートされた循環系を通して、シミュレートされた弁尖の間の間隙を有するシミュレートされた逆流心臓弁にアプローチするステップであり、
前記経カテーテル送達システムが、
前記間隙内に位置するように適合され、前記間隙内に位置すると前記シミュレートされた逆流心臓弁を通る逆流を軽減するように構成されたポリマー発泡体クッションを備える遮断構成要素、
前記遮断構成要素に固定され、アイを有する、締結クリップ、
前記アイを通るように配置された作動ワイヤ、ならびに
前記遮断構成要素、前記締結クリップおよび前記作動ワイヤが配置される内部体積を画定するカテーテル、を備える、
ステップと、
前記遮断構成要素と前記締結クリップ前記作動ワイヤとともに前記カテーテルから出し、前記間隙の近傍の前記シミュレートされた逆流心臓弁の前記シミュレートされた弁尖の方に向けて前進させるステップと、
前記作動ワイヤをぴんと張ることによって前記締結クリップを開けるステップと、
前記遮断構成要素が前記間隙を埋め逆流流れを軽減するように配置されるように、前記締結クリップを前記シミュレートされた弁尖にクリップ留めするステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に、天然弁を修復するデバイスおよび方法を対象とし、より詳細には、弁閉鎖不全を修復するデバイスおよび方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
心臓弁(例えば大動脈弁、肺動脈弁、三尖弁および僧帽弁)は、心臓血管系を通る適正な血液供給の前進流れを保証する重要な機能を果たしている。これらの心臓弁は、先天性疾患、炎症性疾患または感染性疾患によって結果的に逆流(すなわち、弁を通るバックフロー)が起こることで効率が下がる場合がある。そうした疾患は、やがて深刻な心血管の損傷(compromise)または死を引き起こすおそれがあり、弁の外科的な修復および置換を必要とすることがある。
【0003】
大動脈弁閉鎖不全(AI)(大動脈逆流とも称される)などの弁閉鎖不全は、大動脈弁などの天然弁が完全には閉じることができず、結果的にバックフロー漏洩になる比較的よくある疾患である。例えば、大動脈弁閉鎖不全の結果、拡張期の間、大動脈からの血液のバックフローが左心室に流入することがある。バックフローにより心拍出量が減少し、その結果しばしば、十分な末梢血流を生成するためにより激しく作動することから心筋が拡張または虚弱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第9,622,863号
【文献】米国仮特許出願第62/575,252号
【文献】米国特許第6,908,481号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
多くの実施形態は、弁閉鎖不全を修復するデバイスおよび方法を対象とする。いくつかの実施形態は、逆流を軽減するように逆流心臓弁のアパーチャ、開口または間隙内に位置することができるデバイスを対象とする。実施形態はさらに、遮断構成要素を逆流心臓弁内に位置させる外科処置および他の医療処置を含む方法を対象とする。遮断構成要素は、拡張可能かつ縮小可能であり、例えば、逆流血流を遮断するように拡張するが、より多くの血液が適切な方向に流れることができるように収縮または縮むことができる。本明細書に記載のあらゆる方法、動作、技法、工程などは、生存動物、または非生存死体、死体心臓、シミュレータ、擬人化された影(anthropomorphic ghost)などにおいて実施することができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、弁閉鎖不全を修復するための遮断構成要素は、逆流心臓弁のアパーチャ、開口または間隙内に位置するように適合され、開口または間隙内に位置すると開口/間隙(例えば、開口/間隙の全体または一部)を埋め逆流流れを軽減するように構成された、分厚い遮断構成要素本体を含む。一実施形態では、分厚い遮断構成要素本体は、開口/間隙内に位置すると、弁の局所圧力が低いときは逆流流れを軽減するように開口/間隙を埋めるように拡張し、弁の局所圧力が高いときは血液の前進流れを可能にするように縮小することによって、収縮期および拡張期の周期に応答するように、可撓性かつ適合可能な材料から作られる。
【0007】
いくつかの実施形態では、遮断構成要素は、締結具をさらに含み、締結具は、弁内に分厚い遮断構成要素本体を固定することによって開口/間隙内に遮断構成要素を定着させるように適合される。
【0008】
一実施形態では、締結具は、接着剤、一組の1つまたは複数の縫合糸、および一組の1つまたは複数のクリップからなる群から選択される。
【0009】
一実施形態では、締結具は、分厚い遮断構成要素本体を弁の一組の1つまたは複数の天然弁尖に定着させる。
【0010】
様々な実施形態では、締結具は、縫合糸、接着剤およびステープルからなる群から選択される連結要素によって分厚い遮断構成要素本体に固定されるクリップである。クリップは、分厚い遮断構成要素本体を定着させるとき、分厚い遮断構成要素本体が弁の開口/間隙内に定着するように、心臓の一組の1つまたは複数の天然弁尖に取り付け(例えば、圧着、クリップ留めなど)られる。
【0011】
一実施形態では、クリップは、ワイヤを収容することができるアイを含み、したがって、ワイヤをぴんと張る(または、ぴんと引っ張る)ことによって開くことができる。
【0012】
一実施形態では、分厚い遮断構成要素本体および締結具は、送達システムに組み入れられる。
【0013】
いくつかの実施形態では、送達システムは、分厚い遮断構成要素本体および締結具を収容するカテーテルと、カテーテルを通り抜けて延びカテーテルを患者の心臓血管系内で案内する手段を提供するガイドワイヤとをさらに含む、経カテーテル送達システムである。
【0014】
様々な実施形態では、締結具は、縫合糸、接着剤およびステープルからなる群から選択される連結要素によって分厚い遮断構成要素本体に固定されるクリップである。クリップは、ワイヤを収容することができるアイを含み、経カテーテル送達システムは、アイを通り、クリップを開けるように適合された作動ワイヤをさらに備える。
【0015】
様々な実施形態では、分厚い遮断構成要素は、心膜、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、およびポリマー発泡体からなる群から選択される材料から形成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、弁閉鎖不全の修復のための遮断構成要素は、逆流心臓弁のアパーチャ、開口または間隙内に位置するように適合された開閉遮断構成要素本体(例えば、ポケット様遮断構成要素本体、ポケット付き遮断構成要素本体、ポーチ様遮断構成要素本体、弁尖様遮断構成要素本体など)を含む。いくつかの実施形態では、開/閉遮断構成要素本体は、遮断構成要素本体が開口/間隙内に位置するときのような上外周寸法のポケットまたはポーチ(または他の開/閉フラップ)を有する。ポケットの上外周は、開いて、開口/間隙内へと延び、それ(例えば、開口/間隙の全体または一部)を埋め、逆流流れを軽減することができる。開/閉遮断構成要素本体は、開口/間隙内に位置すると、弁の局所圧力が低いときは逆流流れを軽減するように開口/間隙を埋めるように開いて拡張し、弁の局所圧力が高いときは血液の前進流れを可能にするように閉じて縮小することによって、収縮期および拡張期の周期に応答するように、可撓性かつ適合可能な材料から作られ得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、遮断構成要素は、締結具をさらに含み、締結具は、弁内に遮断構成要素本体を固定することによって開口/間隙内に遮断構成要素本体を定着させるように適合される。
【0018】
様々な実施形態では、締結具は、接着剤、一組の1つまたは複数の縫合糸、および一組の1つまたは複数のクリップからなる群から選択される。
【0019】
一実施形態では、締結具は、遮断構成要素本体を弁の一組の1つまたは複数の天然弁尖に定着させる。
【0020】
様々な実施形態では、締結具は、縫合糸、接着剤およびステープルからなる群から選択される連結要素によって遮断構成要素本体に固定されるクリップである。クリップは、遮断構成要素本体を定着させるとき、遮断構成要素本体が弁の開口/間隙内に定着するように心臓の一組の1つまたは複数の天然弁尖に取り付けられる(例えば、圧着、クリップ留めなど)。
【0021】
一実施形態では、クリップは、ワイヤを収容することができるアイを含み、ワイヤをぴんと張る(またはぴんと引っ張る)ことによって開くことができる。
【0022】
一実施形態では、遮断構成要素本体および締結具は、送達システムに組み入れられる。
【0023】
いくつかの実施形態では、送達システムは、遮断構成要素本体および締結具を収容するカテーテルと、カテーテルを通り抜けて延びカテーテルを患者の心臓血管系内で案内する手段を提供するガイドワイヤとをさらに含む、経カテーテル送達システムである。
【0024】
様々な実施形態では、締結具は、縫合糸、接着剤およびステープルからなる群から選択される連結要素によって遮断構成要素本体に固定されるクリップであり、クリップは、ワイヤを収容することができるアイを含み、経カテーテル送達システムは、アイを通り、クリップを開けるように適合された作動ワイヤをさらに備える。
【0025】
様々な実施形態では、遮断構成要素本体は、心膜、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、およびポリマー発泡体からなる群から選択される材料から形成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、弁閉鎖不全を軽減する方法は、遮断構成要素を、遮断構成要素がアパーチャ/開口/間隙(例えば、アパーチャ/開口/間隙の全体または一部)を埋め逆流流れを軽減するように逆流心臓弁のアパーチャ、開口または間隙(例えば、完全には閉じない弁の一領域)内に位置させるステップを含む。方法は、生存動物、または非生存死体、死体心臓、シミュレータ、擬人化された影などにおいて実施することができる。いくつかの実施形態では、遮断構成要素は、弁の局所圧力が低いときは逆流流れを軽減するように開口/間隙を埋めるように拡張し、弁の局所圧力が高いときは血液の前進流れを可能にするように縮小することによって、収縮期および拡張期の周期に応答する、可撓性かつ適合可能な材料から作られる。一実施形態では、遮断構成要素は、分厚い遮断構成要素本体、および/または開/閉遮断構成要素本体を含むことができる。分厚い遮断構成要素本体は、開口/間隙を埋め逆流流れを軽減するように構成される。開/閉遮断構成要素本体は、ポケットまたはポーチを有するポケット様またはポーチ様遮断構成要素本体とすることができ、ポケットまたはポーチの上外周寸法は、開いて、開口/間隙内へと延び、それ(例えば、開口/間隙の全体または一部)を埋め、逆流流れを軽減するように構成される。
【0027】
様々な実施形態では、方法は、締結具を用いて遮断構成要素を弁内に定着させるステップをさらに含み、締結具は、接着剤、一組の1つまたは複数の縫合糸、および一組の1つまたは複数のクリップからなる群から選択される。
【0028】
一実施形態では、締結具は、遮断構成要素を弁の一組の1つまたは複数の天然弁尖に定着させる。
【0029】
様々な実施形態では、締結具は、縫合糸、接着剤およびステープルからなる群から選択される連結要素によって遮断構成要素に固定されるクリップである。方法は、遮断構成要素を弁のアパーチャ、開口または間隙内に定着させるように、クリップを弁の一組の1つまたは複数の天然弁尖に取り付ける(例えば、圧着、クリップ留めなど)ステップをさらに含む。
【0030】
一実施形態では、クリップは、ワイヤを収容することができるアイを含む。方法は、ワイヤをぴんと張る(または、ぴんと引っ張る)ことによってクリップを開けるステップをさらに含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、弁閉鎖不全を修復する方法は、経カテーテル送達システムを用いて患者の循環系を通して逆流心臓弁にアプローチするステップを含む。方法は、生存動物、または非生存死体、死体心臓、シミュレータ、擬人化された影などにおいて実施することができる。経カテーテル送達システムは、逆流弁の開口/間隙内に位置するように適合され、開口/間隙内に位置すると弁を通る逆流を軽減するように構成された、遮断構成要素を含む。経カテーテル送達システムは、遮断構成要素に固定された締結クリップをさらに含むことができる。締結クリップは、アイを有することができる。経カテーテル送達システムは、アイを通るように配置された作動ワイヤをさらに含むことができる。一実施形態では、経カテーテル送達システムは、遮断構成要素、締結クリップおよび/または作動ワイヤが配置される内部体積を画定するカテーテルをさらに含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、方法は、遮断デバイスとクリップを作動ワイヤとともにカテーテルから出し、開口/間隙の近傍の天然弁尖の方に向けて前進させるステップをさらに含む。方法は、作動ワイヤをぴんと張る(または、ぴんと引っ張る)ことによってクリップを開けるステップと、遮断構成要素が開口/間隙(例えば、開口/間隙の全体または一部)を埋め逆流流れを軽減する構成に配置されるように、クリップを天然弁尖に取り付ける(例えば、圧着、クリップ留めなど)ステップとをさらに含むことができる。
【0033】
一実施形態では、弁閉鎖不全を修復する方法は、弁にアプローチするために、経カテーテル送達システムを挿入するために弁から遠位にある部位の血管に切開を作るステップをさらに含む。
【0034】
様々な実施形態では、血管は、大腿動脈、鎖骨下動脈または頸動脈である。
【0035】
一実施形態では、弁閉鎖不全を修復する方法は、蛍光透視法および心エコー図法から選択されるイメージング技法を用いて、弁部位における遮断デバイスを見るステップをさらに含む。
【0036】
一実施形態では、イメージング技法は、クリップが天然弁尖に固定(例えば、圧着、クリップ留めなど)され、遮断構成要素が開口/間隙を埋め逆流流れを軽減する構成に配置されることを確実にするために使用される。
【0037】
さらなる特徴および実施形態は、以下の説明において部分的に記載されており、部分的に、本明細書を精査することにより当業者には明らかになり、または本発明の実施により知ることができる。本発明の性質および利点のさらなる理解は、本明細書の残りの部分および本開示の一部を形成する図面を参照することによって実現することができる。
【0038】
本発明の例示的な実施形態として示され本発明の範囲の完全な列挙として解釈されるべきではない、以下の図面およびデータグラフを参照すれば説明および特許請求の範囲をより完全に理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】ヒトの心臓の図である。
図2A】大動脈弁が完全に閉じている健康なヒトの心臓の図である。
図2B】大動脈弁閉鎖不全を患う逆流性大動脈弁を含むヒトの心臓の図である。
図3A】逆流性大動脈弁の詳細図である。
図3B】逆流を軽減する遮断構成要素の一例を含む、逆流性大動脈弁の詳細図である。
図4A】開閉ポケット様遮断構成要素の一例の斜視図である。
図4B図4Aの例示的な遮断構成要素の上面図である。
図4C図4Aの例示的な遮断構成要素の正面図である。
図5A】分厚い間隙充填材遮断構成要素の一例の斜視図である。
図5B】分厚い間隙充填材遮断構成要素の一例の上面図である。
図5C】分厚い間隙充填材遮断構成要素の一例の正面図である。
図6A】収縮期および拡張期の周期に応答する開/閉遮断構成要素の一例の図である。
図6B】収縮期および拡張期の周期に応答する開/閉遮断構成要素の一例の図である。
図6C】収縮期および拡張期の周期に応答する開/閉遮断構成要素の一例の図である。
図7A】収縮期および拡張期の周期に応答する分厚い間隙充填材遮断構成要素の一例の図である。
図7B】収縮期および拡張期の周期に応答する分厚い間隙充填材遮断構成要素の一例の図である。
図7C】収縮期および拡張期の周期に応答する分厚い間隙充填材遮断構成要素の一例の図である。
図8】弁に対する遮断構成要素の取付けに使用可能な様々な例示的なクリップの図である。
図9A】弁に対する遮断構成要素の取付けに使用可能な様々な例示的なクリップの図である。
図9B】弁に対する遮断構成要素の取付けに使用可能な様々な例示的なクリップの図である。
図10A】弁に対する遮断構成要素の取付けに使用可能な様々な例示的なクリップの図である。
図10B】弁に対する遮断構成要素の取付けに使用可能な様々な例示的なクリップの図である。
図11】弁に対する遮断構成要素の取付けに使用可能な様々な例示的なクリップの図である。
図12】弁に対する遮断構成要素の取付けに使用可能な様々な例示的なクリップの図である。
図13】弁に対する遮断構成要素の取付けに使用可能な様々な例示的なクリップの図である。
図14】弁に対する遮断構成要素の取付けに使用可能な様々な例示的なクリップの図である。
図15A】例示的な遮断構成要素に付けられた例示的なクリップの図である。
図15B】例示的な遮断構成要素に付けられた例示的なクリップの図である。
図16A】例示的な遮断構成要素に付けられた例示的なクリップの図である。
図16B】例示的な遮断構成要素に付けられた例示的なクリップの図である。
図17A】遮断構成要素を弁まで送達するための例示的な送達デバイスの図である。
図17B】遮断構成要素を弁まで送達するための例示的な送達デバイスの図である。
図18A】ワイヤを使用したクリップ作動の一例の詳細図である。
図18B】ワイヤを使用したクリップ作動の一例の詳細図である。
図18C】ワイヤを使用したクリップ作動の一例の詳細図である。
図18D】ワイヤを使用したクリップ作動の一例の詳細図である。
図19A】様々な実施形態に従って実施することができる医療処置の図である。
図19B】様々な実施形態に従って実施することができる医療処置の図である。
図19C】様々な実施形態に従って実施することができる医療処置の図である。
図19D】様々な実施形態に従って実施することができる医療処置の写真である。
図19E】様々な実施形態に従って実施することができる医療処置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に図面に移り、本発明の様々な実施形態による心臓弁の逆流を軽減および/または防止するデバイスおよび方法について述べる。多くの実施形態では、遮断構成要素と締結具(例えば、クリップ)を組み込んだ逆流軽減デバイスは、漏洩弁内に存在する間隙を塞ぐようにデバイスを心臓弁に締結することによって逆流を治療することに使用される。大動脈弁、三尖弁、僧帽弁および肺動脈弁を含むいくつかの心臓弁は、本明細書に記載されるような方法および実施形態に従って修復することができる。
【0041】
いくつかの実施形態は、遮断構成要素の設計および機能を対象とする。したがって、遮断構成要素の様々な実施形態は、様々な異なる構造をとることができるが、本質的に、弁逆流を軽減する機能を有する。弁逆流を軽減するため、遮断構成要素は、心臓弁を通る流体のバックフローを防ぐ手段を提供する。いくつかの実施形態では、遮断構成要素は、心臓弁の天然弁尖のように拡張および縮小することができる弁尖様ポケットを備え、こうして流体のバックフローを捕捉するポケットを提供する。実施形態はさらに、分厚く可撓性であり、漏洩弁の開口/間隙を埋めるためにその開口/間隙に適合することができる間隙充填材として働く遮断構成要素を対象とする。
【0042】
いくつかの実施形態による遮断構成要素は、可撓性、耐久性および生体適合性を提供する材料から作られる。多くの実施形態では、遮断構成要素は、漏洩心臓弁内に存在する間隙に遮断構成要素が適合できるようにする材料から作られる。実施形態はさらに、形式上、収縮期および拡張期の通常周期による心臓弁の開閉状態を支援するように遮断構成要素の拡張および縮小を可能にする材料から作られた遮断構成要素を対象とする。(これらに限定されないが)心膜、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリマー発泡体および望ましい特性を有する他のポリマーを含むいくつかの材料は、これらの特性を提供することができる。
【0043】
様々な実施形態は、遮断構成要素がバックフロー逆流を防ぐ手段を提供することができるように、1つまたは複数の弁尖または弁葉に遮断構成要素を取り付ける機能を果たす締結具の使用を対象とする。様々な実施形態によれば、縫合糸、接着剤および/またはクリップは、締結具として使用することができる。クリップは、数を変えることができる設計で提供され得る。いくつかの実施形態では、クリップは、レシピエントに対して有害な損傷を引き起こすことなく遮断構成要素が数年、数十年または生涯にわたって心臓弁内のその場所に留まることができるように、弁尖または弁葉への頑丈な固定または取付け(例えば、圧着、クリップ留めなど)を行うように設計される。いくつかの実施形態では、クリップは、これらの他の所望の特性をもたらすことができる材料から作ることができる。クリップの材料の実施形態としては、ニチノール、コバルト-クロム(CoCr)、ステンレス鋼(例えば、316L)、チタン、様々なポリマー、および所望の特性をもたらす他の材料が挙げられる。
【0044】
多くの実施形態は、遮断構成要素を逆流弁に送達する経カテーテル送達システムを用いる。したがって、遮断構成要素のいくつかの実施形態は、遮断構成要素が修復されるべき心臓弁に送達され得るようにカテーテルに適合する。実施形態はさらに、遮断構成要素を配置するために、クリップを開けてから、心臓弁尖または弁葉に正確に圧着もしくは留まるようにクリップを作動させることができる送達デバイスを対象とする。経カテーテル送達デバイスの使用によって、遮断構成要素とクリップを、レシピエントの心臓から遠位の部位に小さい切開を作り循環系を用いて心臓弁に達する低侵襲処置により送達することが可能になる。いくつかの実施形態では、経大腿、鎖骨下、経心尖、または経大動脈アプローチが使用される。しかし、いくつかの実施形態では、開心術を使用することができることに留意されたい。
【0045】
記載の方法、システムおよび装置は、いかなる形でも制限するものとして解釈されるべきでない。その代わりに、本開示は、単独のまた互いとの様々な組合せおよび部分的組合せの様々な開示されている実施形態のすべての新規性のある非自明の特徴および態様を対象とする。開示されている方法、システム、および装置は、任意の特定の態様、特徴、またはこれらの組合せに限定されず、また開示されている方法、システムおよび装置は、1つまたは複数の特定の利点が存在することまたは問題が解決されることを要求するものではない。
【0046】
開示されている方法のうちのいくつかの方法の動作は、説明の便宜のために特定の順次的順序で説明されるが、この説明の仕方は、特定の順序が以下に規定される特定の用語で要求されない限り、並べ替えを包含することを理解されたい。例えば、順次的に説明されている動作は、場合によっては、並べ替えられる、または同時に実行され得る。さらに、簡潔さのため、添付の図面は、開示される方法、システムおよび装置が他のシステム、方法および装置とあわせて使用され得る様々なやり方を示さないことがある。加えて、本明細書に記載のあらゆる方法、動作、技法、工程などは、生存動物、または非生存死体、死体心臓、シミュレータ、擬人化された影などにおいて実施することができる。
【0047】
漏洩心臓弁および弁閉鎖不全の概要
デバイスおよび方法の実施形態は、逆流を軽減することによる漏洩心臓弁の修復を対象とする。図面および添付の説明のいくつかは、大動脈弁閉鎖不全、ならびに漏洩大動脈弁を修復するデバイスおよび方法に関する。しかし、適宜、当業者に理解されるように、漏洩大動脈弁を修復するために提供される様々な実施形態は、三尖弁、僧帽弁および肺動脈弁などの他の心臓弁の治療に使用できることを理解されたい。したがって、多くの実施形態は、漏洩大動脈弁を修復するデバイスおよび方法に限定されると考えられるべきではなく、他の心臓弁の修復に拡大されるべきである。
【0048】
図1には、典型的なヒトの心臓の左心室と大動脈の断面が示されている。図に見られるように、大動脈弁は左心室を大動脈につないでいる。大動脈弁は、収縮拡張周期に伴う圧力に応じて開閉することができ、循環系内の血流方向を確実にする。
【0049】
健全に機能している心臓では、左心室が収縮すると(すなわち、収縮期)、心室内の圧力が上がり、それによって大動脈弁が開いて血液が全身分布のために大動脈へと流入できるようになる。左心室の収縮の後すぐに心室内の圧力が下がり(すなわち、拡張期)、それによって大動脈弁が閉じられ、血液が外方向に流れることが確実になる(図2A参照)。大動脈弁が閉じそこなうと、血液は左心室へと逆流するおそれがある(図2B参照)。
【0050】
大動脈逆流(AR)とも称される大動脈弁閉鎖不全(AI)は、拡張期中に大動脈弁(303)の1つまたは複数の弁尖または弁葉(301)が完全には閉じることができず、弁内に逆流開口/間隙(305)が残るときに起こる(図3A)。閉じることができないことによって、大動脈の血液が左心室(307)へと逆流することが可能になり、その結果、心拍出量の減少を含む様々な合併症が起こる。弁閉鎖不全は、他の心臓弁でも同様に起こり、結果的にそれぞれ三尖弁、僧帽弁および肺動脈の逆流になり得る。
【0051】
弁閉鎖不全を治療するいくつかの試みは、弁の弁尖または弁葉を一緒に縫合する外科処置、大動脈根を置換する外科処置(例えば、デイビット処置(David procedure))、弁を人工弁で置換することによる弁の再構成、または弁輪を減少させる人工リングステント(ring stent)の使用を含む。これらの解決策にはそれぞれ課題があり、AIを患うすべての患者に適切であるわけではない。例えば、デイビット処置は、非常に先進的であるが危険な処置であり、遺伝性障害を持つ若年患者により好適である。人工弁置換およびリングステントを使用すると、弁領域の周囲でさらなる合併症が起きたときにさらなる手術の実施を妨げることがあるので、他の合併症が起こる。したがって、これらの潜在的な合併症を克服する代替のアプローチが必要とされている。
【0052】
本明細書のいくつかの実施形態は、AIを患う患者の大動脈弁内に存在する間隙を埋めることによって弁逆流を軽減する遮断構成要素の使用(および、弁閉鎖不全の問題を有する他の弁にも同様に適応可能)を対象とする。図3Bの一実施形態に示されるように、遮断構成要素(321)は、大動脈弁(303)内にある間隙/アパーチャ/開口(305)に挿入される。この実施形態では、本明細書に記載されるようないくつかの実施形態での目的であるように、遮断構成要素(321)は、逆流の発生を減少および/または防止するように開口/間隙(305)の空間をすべて埋めるように設計される(図3B参照)。多くの実施形態では、遮断構成要素は、大動脈弁内の空いた空間を埋めることができる可撓性かつ適合可能な材料から作られる。いくつかの実施形態では、遮断構成要素は、大動脈弁内のすべての明らかな間隙を埋め、したがってすべての逆流を阻止することができる。実施形態はさらに、弁逆流を、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%減少させることができる遮断構成要素を対象とする。
【0053】
遮断構成要素を大動脈弁の間隙に固定するため、多くの実施形態は、締結機構を使用する。図3Bに示される実施形態では、大動脈弁尖(301)のうちの少なくとも1つに圧着または留まることができるクリップ(323)が遮断構成要素(321)に取り付けられる。(これらに限定されないが)機械クリップ、ばねクリップ、接着剤、縫合糸および適切な手段によるプロテーゼ用ステントへの取付け具を含むいくつかの締結機構は、遮断構成要素の固定に使用することができることを理解されたい。
【0054】
遮断構成要素を用いて弁逆流を軽減する具体的な実施態様が図3Bに示され上述されているが、当業者は、弁逆流の軽減に様々な実施態様が使用可能であり、本発明のいくつかの実施形態による特定の態様は、任意選択であり得ることを理解することができる。したがって、弁逆流を軽減するいくつかの実施態様は、医療処置および患者の必要性を考慮に入れて具体的な適用例の特定の要件に対して適宜使用することができることが明確であろう。さらに、本発明の様々な実施形態による、所与の適用例の要件に適合する遮断構成要素を用いて弁逆流を軽減する様々な方法も使用することができる。
【0055】
さらに、遮断構成要素は、弁逆流を軽減する他のデバイスおよび方法とともに使用することができることに留意されたい。したがって、実施形態は、弁逆流を軽減する遮断構成要素および少なくとも1つの他の機構を組み込んだ、逆流を軽減するシステムを対象とする。遮断構成要素とあわせた使用に適切であり得る、弁逆流を軽減するいくつかの他のデバイスおよび方法が知られている。例えば、弁輪の直径を効果的に減少させる、弁尖と一緒に締結される構造は、遮断構成要素とともに使用可能である。リング、クリップ、接着剤および縫合糸などの締結構造は、弁の外径近くで弁尖を一緒に締結することによく使用されるが、逆流開口/間隙は、依然として存在し得る。したがって、遮断構成要素は、弁逆流をさらに減少させるように、あらゆる逆流開口/間隙に配置され得る。逆流を減少させるリング、クリップおよび接着剤の説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,622,863号および米国仮特許出願第62/575,252号に記載されている。
【0056】
遮断構成要素
いくつかの実施形態によれば、遮断構成要素は、血液のバックフローを遮断することによって心臓弁内の逆流を軽減する機能を果たす。多くの実施形態では、遮断構成要素は主に、逆流弁内のアパーチャまたは開口間隙空間を占めることによってバックフローを妨げる働きをする。この目的を達成するため、遮断構成要素は、逆流弁のアパーチャ/開口/間隙内の使用できる空間の形をとることができる構成および構造を有することになる。加えて、遮断構成要素の様々な実施形態は、遮断構成要素が逆流している心臓弁内に固定されるように締結機構をさらに含むことになる。
【0057】
様々な実施形態では、遮断構成要素は、心臓弁の逆流アパーチャ/開口/間隙の空間に対応できるように可撓性かつ適用可能な構造を有することになる。いくつかの実施形態では、遮断構成要素は、天然弁の弁尖の少なくともいくつかの態様を模倣することができる弁尖様構造を有する。多くの実施形態では、遮断構成要素は、開口/間隙を埋めるように心臓弁の開口/間隙内に適合することができる分厚い間隙充填材構造である。
【0058】
開閉遮断構成要素および弁尖様遮断構成要素の様々な実施形態には、天然弁尖が血液を捕捉し逆流を遮断するやり方と類似し得る、血液逆流を捕捉することができるポケットまたはポーチが組み込まれる。弁尖様ポケットの実施形態の多くは、拡張および縮小することができ、弁尖様ポケットは、天然弁内の間隙領域内では拡張するように開き、間隙が閉じた領域内では縮小することができる。加えて、弁尖様ポケットの様々な実施形態は、拡張期および収縮期の周期に応答する。応答して縮小できることは、図6Aから図6Cに示されており、付随する文脈に記載されている。
【0059】
弁内に植え込まれるとき、開/閉または弁尖様の遮断構成要素の実施形態は、ポケットまたはポーチの開口が弁に対して上位になるように(すなわち、上方を向くように)向けられなければならない。開/閉遮断構成要素の幅および長さは、しばしば、逆流開口/間隙のサイズに応じて変わることになる。開/閉遮断構成要素の外周の長さは、しばしば、弁を通るバックフローの漏洩を防止(または、少なくとも軽減)するように逆流開口/間隙を埋めることができる長さである。ポケットまたはポーチの深さは可変であり、場合によっては、患者の必要性に応じて決めることができる。いくつかの実施形態では、ポケットまたはポーチの深さは、天然弁尖によって形成されるポケット領域の深さと同様である。
【0060】
弁尖様遮断構成要素とすることができる開/閉遮断構成要素(401)の一実施形態は、斜視図(図4A)、平面図(図4B)および正面図(図4C)に示されている。遮断構成要素(401)は、逆流バックフローを捕捉することができる開放可能/拡張可能かつ閉鎖可能/縮小可能なポケットまたはポーチ(403)を有する。したがって、デバイスが植え込まれると、ポケット(403)は、拡張期および収縮期の周期に関連する圧力に反応し、したがって、ポケットは前進流圧力に応答して閉じる、または縮小し、圧力が開放されるとバックフローを捕捉し逆流を軽減するように開く、または拡張する。
【0061】
様々な実施形態は、逆流弁の逆流バックフローを遮断するために分厚い間隙充填材を用いる遮断構成要素を対象とする。いくつかの実施形態では、遮断構成要素の分厚い間隙充填材は、逆流弁開口/間隙の形状に適合することができるクッション様構造を有する。さらに、いくつかの実施形態では、分厚い遮断構成要素は、拡張期および収縮期の周期に関連する圧力に応答し、したがって、図7Aから図7Cに示されるように、間隙充填材は、前進流圧力に応答して縮小し、圧力が解放されるとバックフローを遮断し逆流を軽減するために拡張する。
【0062】
多くの実施形態では、分厚い遮断構成要素は、逆流弁の開口/間隙内に組み入れられ、さらに、弁を通るバックフローの漏洩を妨げるように開口/間隙を埋めるように拡張することができる。分厚い遮断構成要素の寸法およびサイズは変えることができ、しばしば、修復されるべき開口/間隙のサイズに応じて決まる。典型的には、分厚い遮断構成要素は、弁を通るバックフローの漏洩を防ぐ(または少なくとも軽減する)ように、逆流開口/間隙を埋めることができる外周長さを有する。
【0063】
分厚い遮断構成要素(501)の1つの実施形態が、斜視図(図5A)、平面図(図5B)および正面図(図5C)に示されている。分厚い遮断構成要素は、バックフローを軽減するために逆流開口/間隙を埋めることができるクッション様形状(503)を有する。したがって、デバイスが植え込まれると、分厚い遮断構成要素は、拡張期および収縮期の周期に反応し、したがって、クッション様形状は、前進流圧力に応答して縮小し、圧力が解放されるとバックフローを遮断し逆流を軽減するように拡張する。
【0064】
開/閉デバイス、弁尖様デバイスおよび分厚いデバイスの変形形態を含む遮断構成要素の様々な実施形態は、修復されるべき弁の逆流開口/間隙の形状に適合することができる生体適合性、可撓性および耐久性のある材料から作られる。理想的には、これらの材料は、遮断構成要素が、圧力が低いときは拡張し圧力が高いときは縮小することができように、拡張期および収縮期の周期に関連した圧力の変化に応答する。遮断構成要素に使用できる材料としては、(これらに限定されないが)心膜、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリマー発泡体および所望の特性を有する他のポリマーが挙げられる。
【0065】
いくつかの実施形態はさらに、逆流弁開口/間隙内に遮断構成要素を締結する機構を対象とする。様々な実施形態は、以下の対応する段落により詳細に説明されるクリップ、接着剤、縫合糸、クラスプなどの締結機構の使用を対象とする、または含む。いくつかの実施形態では、締結機構は、遮断構成要素が目的通りに機能することができるように、遮断構成要素と協働する。したがって、締結デバイスは、遮断構成要素が弁を通るバックフローを軽減することができるように遮断構成要素を弁開口/間隙内に位置させることができるように適合される。
【0066】
クリップなどの締結機構を組み込んだ遮断構成要素の実施形態では、クリップは、任意の適切な機構によって遮断構成要素に固定され得る。適切な機構としては、(これらに限定されないが)縫合糸、ステープルおよび接着剤が挙げられる。図4Aから図4Cおよび図5Aから図5Cには、修復されるべき弁内において天然弁尖にクリップ留めすることができる単純なクリップ(405、505)の例が示されている。クリップは図4Aから図4Cおよび図5Aから図5Cに示されているが、あらゆる適切な締結デバイスを様々な実施形態に従って組み込みことができることに留意されたい。
【0067】
いくつかの実施形態は、拡張期および収縮期の周期に従って、圧力が低いときは弁アパーチャ、開口または間隙を埋めるように拡張し、圧力が高いときは前進流れを可能にするように縮小する、遮断構成要素を対象とする。図6Aから図6Cおよび図7Aから図7Cには、縮小および拡張するこの能力の一例が示されている。図6Aおよび図7Aには見下ろすように示された閉鎖不全弁(601、701)が示されている。図面に見られるように、3つの弁尖のうちの1つ(603、703)は、完全には閉じることができず、したがってアパーチャ、開口または間隙(605、705)があり、バックフロー逆流が可能になっている。逆流を軽減するため、遮断構成要素を開口/間隙(605、705)に挿入することができる。図6Bには、開口/間隙(605)にある弁尖様開/閉遮断構成要素(607)の一実施形態が示されている。同様に、図7Bには、開口/間隙(705)にある分厚い遮断構成(707)の一実施形態が示されている。図6Bおよび図7Bには、圧力が低いとき(例えば、拡張期中の大動脈弁)、したがって弁が閉状態にあるときの弁が示されている。圧力が低いとき、遮断構成要素(607、707)は、その拡張状態にあり、開口/間隙(605、705)の大部分を占める。開口/間隙の大部分を占めることで、バックフロー逆流が軽減される。前進圧力が増大すると(例えば、収縮期中の大動脈弁)、天然弁尖が縮むので、弁(601、701)は開く(図6Cおよび図7C)。このとき、遮断構成要素(607、707)も縮み、それによって血液の自由な前進流れが可能になる。
【0068】
遮断構成要素の具体的な実施態様が図4Aから図7Cに示され上述されているが、当業者は、弁逆流の軽減に遮断構成要素の様々な設計が使用可能であり、本発明のいくつかの実施形態による特定の態様は、任意選択であり得ることを理解することができる。したがって、いくつかの遮断構成要素は、医療処置および患者の必要性を考慮に入れて具体的な適用例の特定の要件に対して適宜使用することができることが明確であろう。さらに、図示されないものもある、本発明の様々な実施形態による、所与の適用例の要件に適合する様々な遮断構成要素も使用することができる。
【0069】
締結機構
いくつかの実施形態は、閉鎖不全心臓弁の開口/間隙内への遮断構成要素の締結を対象とする。遮断構成要素の締結には、(これらに限定されないが)クリップ、縫合糸、接着剤および遮断構成要素を弁の開口/間隙内に固定するのに適切な任意の他の機構を含む様々なデバイスおよび機構を使用することができる。
【0070】
いくつかの実施形態による締結機構は、長期間にわたって遮断構成要素を弁の開口/間隙内に設置することができるように、耐久性および生体適合性を有する。いくつかの実施形態では、遮断構成要素は、開口/間隙内に恒久的に固定されることになり、したがって締結機構は一生もたなければならない。より多くの実施形態では、遮断構成要素は除去可能であるが、長期間にわたって開口/間隙内に固定される。いくつかの例では、締結機構は、少なくとも1、2、5、10、15、20、25、30、35または40年はもつほど十分な耐久性を有する。締結機構が遮断構成要素を固定すべき時間の長さは、しばしば、インプラントを受ける患者の必要性に応じて決まる。
【0071】
多くの実施形態では、遮断構成要素は、縫合糸および/または接着剤で弁の開口/間隙内に固定される。遮断構成要素の様々な実施形態は、遮断構成要素が開口/間隙内に位置するように、1つまたは複数の天然弁尖に固定および/または接着される。いくつかの例では、プロテーゼが弁領域内に位置する場合、遮断構成要素は、そのプロテーゼに対して縫合または接着され得る。プロテーゼへの縫合および/または接着は、米国特許第9,622,863号(前掲)に記載のような様々な人工リングおよびクリップなどのプロテーゼが弁輪の有効径の減少に使用される例において有用であり得る。米国仮特許出願第62/575,252号(前掲)に記載されるようないくつかの接着剤も使用可能である。
【0072】
多くの実施形態では、弁の開口/間隙内での遮断構成要素の固定に1つまたは複数のクリップが使用される。これらの実施形態のいくつかでは、クリップは、任意の適切な手段によって遮断構成要素に取り付けられる。例えば、クリップは、縫合糸、接着剤、ステープルおよびその様々な組合せによって取り付けられ得る。クリップが遮断構成要素に取り付けられている場合、修復されるべき弁内において1つまたは複数の天然弁尖またはプロテーゼにクリップを圧着またはクリップ留めすることによって、遮断構成要素を弁の開口/間隙内に位置させることができる。
【0073】
様々な実施形態による様々なクリップの形式および設計を使用することができる。図8Aから図14Dには、いくつかの具体的な実施形態が示されている。これらの図示される実施形態には、開口/間隙内での遮断構成要素の固定において(直接的または間接的に)恩恵をもたらすことができるいくつかの特徴がある。図示されるクリップのうちのいくつかは、特徴の特定の組を有するが、図示される様々な特徴は特定のクリップ設計に限定されないことを理解されたい。したがって、クリップの様々な実施形態は、図示されるものと類似するが、いくつかの特徴を有する、またはいくつかの特徴が除去、追加もしくは交換されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、クリップは、開状態で修復部位へと送達され(または、修復部位で開かれ)、次いで適切な場所に固定(例えば、圧着、またはクリップ留めなど)され得るように、作動機構を有する。これらの実施形態の多くでは、クリップは弾性力を有し、その弾性力によって閉じ、圧着またはクリップ留めされた位置に保持される。弾性力をもたらす(これらに限定されないが)ばねおよびワイヤを含むいくつかの構造は既知である。さらに、クリップは、望ましい弾性特性を有する剛性材料(例えば、ニチノール、CoCr、様々なポリマーおよび他の金属)から作ることができる。弾性力に頼ってクリップを開けるため、いくつかのクリップの実施形態には、ワイヤが引っ張られるとクリップが開くように、ワイヤが通されるまたは引っ掛けられ得るアイまたはループが組み込まれる。これらの機構的概念の少なくともいくつかを用いて送達デバイス内のクリップを作動させる例は、図18Aから図18Dに示されており、付随する説明においてさらに詳述される。
【0075】
クリップ(801)の一実施形態は、斜視図(図8)に示されている。この実施形態では、クリップ(801)は、フレーム(803)、2つの外側プロング(805および807)、ならびにアイ(811)を有する内側プロング(809)を産する金属シートのカットアウトである。フレーム(803)と2つの外側プロング(805)および(807)は、縫合糸、接着剤および/またはステープルなどの適切な手段によってクリップを遮断構成要素に固定するための構造をもたらす。内側プロング(809)は、閉じて平らになった位置でクリップ(801)がデバイスの固定または取付けのために天然弁尖またはプロテーゼなどの適切な場所に圧着または留まることができるように、弾性力を提供する。アイ(811)は、内側プロング(809)をクリップ面の平面に対して垂直な方向に持ち上げることによってクリップ(801)を開けるための作動手段をもたらす。内側プロング(809)を持ち上げるため、ワイヤまたは同様のもの(図示せず)をアイ(811)に通す、または引っ掛け、ワイヤをぴんと引っ張ることで内側プロング(809)を持ち上げることができる。緊張したワイヤの張力を解放する、および/またはワイヤを抜くことによって、クリップ(801)を圧着またはクリップ留めし、閉じることができる。この実施形態に示されるように、内側プロング(809)は、外側プロング(805および807)に近接しており、したがって圧着力またはクリップ留めの力を増強する助けとなり得る。
【0076】
クリップ(901)の一実施形態は、斜視図(図9A)および上面図(図9B)に示されている。この実施形態では、クリップ(901)は、ワイヤフレーム(903)に形成される。クリップワイヤは、クリップを遮断構成要素に縫合、接着およびまたはステープル留めするための場所を与えることによって遮断構成要素に対するクリップ(901)の固定を支援することができる、2つの側方螺旋部(905および907)と、外側下方バー(909)を有する。側方螺旋部(905および907)にはさらに、螺旋部内に、送達システムへのクリップの取付けに使用され得るスロット(911および913)が設けられる。1つのシナリオでは、送達システムは、修復部位へのクリップの送達のときにクリップを保持し固定するようにスロット(911および913)に挿入され得る2つのビームを用いる。側方螺旋部(905および907)はさらに、クリップが適切な場所に圧着またはクリップ留めされるときにクリップの定着の助けとなるグリップをもたらすことができる。クリップは、2つの内側側方バー(915および917)、およびアイ(921)を有する内側下方バー(919)を有する。2つの内側側方バー(915および917)上には連結要素(923および925)が位置する。連結要素(923および925)は、圧着またはクリップ留めのときの安定性、溶接のためのセグメント、イメージング中にクリップを視認するための放射線不透過性マーカ、またはそれらの任意の組合せを提供することができる。連結要素(923および925)はさらに、クリップの開閉のときに実質上のヒンジをもたらす、クリップの作動促進のためにクリップを剛化する構造要素とすることもできる。アイ(921)は、内側下方バー(919)をクリップ面の平面に対して垂直な方向に持ち上げることによってクリップ(901)を開けるための作動手段をもたらす。ワイヤまたは同様のもの(図示せず)をアイ(921)に通す、または引っ掛け、ワイヤをぴんと引っ張ることで内側下方バー(919)を持ち上げることができる。緊張したワイヤの張力を解放する、および/またはワイヤを抜くことによって、クリップ(901)を圧着し、閉じることができる。この実施形態で示されるように、内側下方バー(919)は、外側下方バー(909)に近接しており、したがって圧着力またはクリップ留めの力を増強する助けとなり得る。
【0077】
クリップ(1001)の一実施形態は、斜視図(図10A)および上面図(図10B)に示されている。この実施形態では、クリップ(1001)は、ワイヤフレーム(1003)に形成される。クリップワイヤは、クリップを遮断構成要素に縫合、接着およびまたはステープル留めするための場所を与えることによって遮断構成要素に対するクリップ(1001)の固定を支援することができる、2つの側方螺旋部(1005および1007)と、外側下方バー(1009)を有する。側方螺旋部(1005および1007)にはさらに、螺旋部内に、送達システムへのクリップの取付けに使用され得るスロット(1011および1013)が設けられる。1つのシナリオでは、送達システムは、修復部位へのクリップの送達のときにクリップを保持し固定するようにスロット(1011および1013)に挿入され得る2つのビームを用いる。側方螺旋部(1005および1007)はさらに、クリップが適切な場所に圧着またはクリップ留めされるときにクリップの定着の助けとなるグリップをもたらすことができる。クリップは、4つの内側側方バー(1015、1017、1019および1021)、内側上方バー(1023)、ならびにアイ(1029および1031)をそれぞれ有する2つの内側下方バー(1025および1027)を有する。4つの内側側方バー(1015、1017、1019および1021)ならびに内側上方バー(1023)上には連結要素(1033、1035、1037、1039および1041)が位置する。連結要素(1033、1035、1037、1039および1041)は、圧着のときの安定性、溶接のためのセグメント、イメージング中にクリップを視認するための放射線不透過性マーカ、またはそれらの任意の組合せを提供することができる。連結要素(1033、1035、1037、1039および1041)はさらに、クリップの開閉のときに実質上のヒンジをもたらす、クリップの作動促進のためにクリップを剛化する構造要素とすることもできる。アイ(1029および1031)は、内側下方バー(1025および1027)をクリップ面の平面に対して垂直な方向に持ち上げることによってクリップ(1001)の左側と右側両方をそれぞれ開けるための作動手段をもたらす。ワイヤまたは同様のもの(図示せず)を各アイ(1029および1031)に通す、または引っ掛け、各ワイヤをぴんと引っ張ることで各内側下方バー(1025および1027)を持ち上げることができ、したがってクリップ(1001)の各側を互いに独立して開けることができる。緊張したワイヤのうちの1つの張力を解放する、および/またはワイヤのうちの1つを抜くことによって、クリップ(1001)の片側を圧着またはクリップ留めし、閉じることができる。この実施形態で示されるように、内側下方バー(1025および1027)は、外側下方バー(1009)に近接しており、したがって圧着力またはクリップ留めの力を増強する助けとなり得る。各側に2つの独立した作動機構を有することによって、より長いクリップをその所期部位に圧着またはクリップ留めする能力を向上させることができる。さらに、この設計の単一のクリップは、弁の2つの天然弁尖など、2つの独立した場所に圧着またはクリップ留めすることができる。
【0078】
クリップ(1101)の一実施形態は、斜視図(図11)に示されている。この実施形態では、クリップ(1101)は、前方フレーム(1103)および後方フレーム(1105)を形成するように、様々な部材から組み立てられる。前方フレーム(1103)と後方フレーム(1105)は、それらの上部のソケットに挿入されるバー(1107)を用いて連結される。さらに、ばね(1109)は、連結バー(1107)を囲繞し、前方フレーム(1103)の外面へと延びる終端部分を有し、クリップ(1101)を閉じる弾性力をもたらす。後方フレーム(1105)は、遮断構成要素へのクリップ(1101)の縫合、したがって遮断構成要素へのクリップの固定を支援することができるスロット(1111)を有する。前方および後方フレーム(1103および1105)の両方の内面は、所期部位へのクリップの圧着またはクリップ留めおよび定着を支援する歯(1113)を有する。さらに、前方フレーム(1103)の外面上にはアイ(1115)が設けられる。アイ(1115)は、前方フレーム(1103)を前方フレーム外面の平面に対して垂直な方向に持ち上げることによってクリップ(1101)を開けるための作動手段をもたらす。ワイヤまたは同様のもの(図示せず)をアイ(1115)に通す、または引っ掛け、ワイヤをぴんと引っ張ることで前方フレーム(1103)を持ち上げることができる。緊張したワイヤの張力を解放する、および/またはワイヤを抜くことによって、クリップ(1101)を圧着し、閉じることができる。この実施形態で示されるように、前方フレーム(1103)は、後方フレーム(1105)に近接しており、したがって圧着力またはクリップ留めの力を増強する助けとなり得る。
【0079】
クリップ(1201)の一実施形態は、斜視図(図12)に示されている。この実施形態では、クリップ(1201)は、ワイヤ(1203)を含む一体部品から形成される。ワイヤ(1203)は、クリップ(1201)を閉じる弾性力をもたらすように、前方(1205)および後方(1207)プレートの外面に沿って進み、クリップの頂部を越えて位置(1209)でインターロックされる(interlock)。クリップ(1201)は、送達システムへのクリップの取付けに使用され得る2つの内蔵ガイドスロットをさらに有する。1つのシナリオでは、送達システムは、修復部位への送達のときに、クリップを保持し固定するようにスロット(1211および1213)に挿入され得る2つのビームを用いる。2つの丸みのある突出部(1215)は、クリップ(1201)に対するばね端部の取付けのための終止部をもたらす。さらに、インターロック位置(1209)とワイヤの端取付け点との間のワイヤ(1203)にはループ(1217)が設けられる。ワイヤ(1203)のループ(1217)は、前方プレート(1205)を前方外面の平面に対して垂直な方向に持ち上げることによってクリップ(1201)を開けるための作動手段をもたらす。ワイヤまたは同様のもの(図示せず)をループ(1217)に通す、または引っ掛け、ワイヤをぴんと引っ張ることで前面(1205)を持ち上げることができる。緊張したワイヤの張力を解放する、および/またはワイヤを抜くことによって、クリップ(1201)を圧着またはクリップ留めし、閉じることができる。この実施形態で示されるように、前方プレート(1205)は、後方プレート(1207)に近接しており、したがって圧着力またはクリップ留めの力を増強する助けとなり得る。
【0080】
クリップ(1301)の一実施形態は、斜視図(図13)に示されている。この実施形態では、クリップ(1301)は、ワイヤ(1303)を含む一体部品から形成される。ワイヤ(1303)は、クリップ(1301)を閉じる弾性力をもたらすように、前方(1305)および後方(1307)プレートの外面に沿って進み、クリップの頂部を越えて位置(1309)でインターロックされる。クリップは、前方(1305)および後方(1307)プレート上に、後方プレートに対する遮断構成要素の縫合または接着の助けに用いられ得るカットアウト部分(1311)をさらに有する。さらに、インターロック位置(1309)とワイヤの端取付け点との間のワイヤ(1303)にはループ(1313)が設けられる。ワイヤ(1303)のループ(1313)は、前方プレート(1305)を前方外面の平面に対して垂直な方向に持ち上げることによってクリップ(1301)を開けるための作動手段をもたらす。ワイヤまたは同様のもの(図示せず)をループ(1313)に通す、または引っ掛け、ワイヤをぴんと引っ張ることで前面(1305)を持ち上げることができる。緊張したワイヤの張力を解放する、および/またはワイヤを抜くことによって、クリップ(1301)を圧着またはクリップ留めし、閉じることができる。この実施形態で示されるように、前方プレート(1305)は、後方プレート(1307)に近接しており、したがって圧着力を増強する助けとなり得る。
【0081】
クリップ(1401)の一実施形態は、斜視図(図14)に示されている。この実施形態では、クリップ(1401)は、1つの部品が前方プレート(1403)を形成し第2の部品が後方プレート(1405)を形成する2つの部品、ならびに2本のワイヤ(1407および1409)から形成される。ワイヤ(1407および1409)は、クリップ(1401)を閉じる弾性力をもたらすように、前方(1403)および後方(1405)プレートの外面に沿って進み、クリップの頂部を越える。クリップ(1401)は、送達システムへのクリップの取付けに使用され得るガイドスロット(1411)をさらに有する。1つのシナリオでは、送達システムは、修復部位への送達のときにクリップを保持し固定するようにスロット(1411)に挿入され得るビームを用いる。クリップは、後方プレート(1405)の背面に連結されるプルワイヤにより作動され得る。この実施形態で示されるように、前方プレート(1403)は、後方プレート(1405)に近接しており、したがって圧着力またはクリップ留めの力を増強する助けとなり得る。
【0082】
遮断構成要素(1503)に取り付けられたクリップ(1501)の一実施形態は、正面図(図15A)および後面図(図15B)に示されている。金属シートから切り抜かれたクリップ(1501)は、フレーム(1505)、2つの外側プロング(1507および1509)、ならびにアイ(1513)を有する内側プロング(1511)を有する。フレーム(1505)ならびに2つの外側プロング(1507および1509)は、縫合糸、接着剤および/またはステープルなどのあらゆる適切な手段によって遮断構成要素(1503)に固定される。内側プロング(1511)は、遮断構成要素(1503)には取り付けられず、弾性力を用いてクリップ(1501)を適切な場所に圧着またはクリップ留めすることでそれに応じて遮断構成要素(1503)を位置させる、圧着またはクリップ留め機能を提供することができる。遮断構成要素(1503)の背面には、縫合糸、接着剤および/またはステープルなどの適切な手段によってポケット(1515)が取り付けられる。ポケット(1515)は、修復部位への送達のときに遮断構成要素(1503)を所定位置に保持し固定することができるように送達デバイスからのビームが挿入され得るスロットをもたらす。
【0083】
遮断構成要素(1603)に取り付けられたクリップ(1601)の一実施形態は、正面図(図16A)および上面図(図16B)に示されている。クリップ(1601)は、縫合糸、接着剤および/またはステープルを用いて遮断構成要素(1603)に固定される、2つの側方螺旋部(1605および1607)ならびに外側下方バー(1609)を含むワイヤ形態を有する。アイ(1613)を含む内側下方バー(1611)は、遮断構成要素(1603)には取り付けられず、弾性力を用いてクリップ(1601)を適切な場所に圧着またはクリップ留めすることでそれに応じて遮断構成要素(1603)を位置させる、圧着またはクリップ留め機能を提供することができる。
【0084】
クリップの具体的な実施態様が図8Aから図16Bに示され上述されているが、当業者は、遮断構成要素の配置に様々な設計のクリップが使用可能であり、本発明のいくつかの実施形態による特定の態様は、任意選択であり得ることを理解することができる。したがって、いくつかのクリップは、医療処置および患者の必要性を考慮に入れて具体的な適用例の特定の要件に対して適宜使用することができることが明確であろう。さらに、図示されないものもある、本発明の様々な実施形態による、所与の適用例の要件に適合する様々なクリップも使用することができる。
【0085】
遮断構成要素の送達システムおよび植込み
本発明のいくつかの実施形態による遮断構成要素を送達し植え込むシステムが提供される。一般的に、いくつかの実施形態は、逆流を軽減するために遮断構成要素を弁に植え込むことができるように、送達システムを逆流心臓弁に到達する医療方法とあわせて用いる。多くの実施形態では、経カテーテル送達デバイスを用いた低侵襲手術は、動脈または静脈を通して遮断構成要素を送達するように実施される。経カテーテル送達デバイスのいくつかの実施形態は、米国特許第9,622,863号(前掲)に記載されており、その多くは、使用可能であり、本明細書に記載の様々な遮断構成要素およびクリップ実施形態に組み込むことができる。
【0086】
図17Aおよび図17Bには、修復部位に送達されるべき遮断構成要素を組み込んだ送達デバイス(1701)の実施形態が示されている。図17Aには、金属シートから切断されたクリップが付いた遮断構成要素が示されている。図17Bには、ワイヤクリップが付いた遮断構成要素が示されている。
【0087】
送達デバイス(1701)は、可撓性外側カテーテル(1703)および可撓性内側カテーテル(1705)を有する。内側カテーテルは、遮断構成要素とクリップ(1707)を収容する。さらに、送達デバイスを循環系を通して運ぶための可撓性ガイドワイヤ(1709)が設けられる。作動ワイヤ(1711)は、内側カテーテル(1705)内にあり、クリップのアイを通って輪状にされ、クリップが修復部位で弁尖またはプロテーゼに圧着または留まることができるように、クリップを開くことに使用される。さらに、内側カテーテル(1705)内には、送達のときに遮断構成要素とクリップ(1707)を固定する支持ビーム(1713)がある。
【0088】
図18Aから図18Dには、遮断構成要素とクリップが内側(1803)および外側(1805)カテーテルから前進された状態の送達デバイス(1801)が詳しく示されている。図18Aおよび図18Bには、金属シートから切断されたクリップ(1811)が付いた遮断構成要素(1807)が示されている。図18Cおよび図18Dには、ワイヤクリップ(1821)が付いた遮断構成要素(1807)が示されている。
【0089】
図18Aおよび図18Bに見られるように、支持ビーム(1813)は、遮断構成要素(1807)とクリップ(1811)に対する支持をもたらす。図18Aに示されるように作動ワイヤ(1815)に弛みがあると、内側プロング(1817)は下がり、クリップは閉位置になる。図18Bに示されるように作動ワイヤ(1815)がぴんと張られると、内側プロング(1817)は持ち上げられ、クリップは開位置になる。
【0090】
図18Cおよび図18Dに見られるように、2つの支持ビーム(1823)は、遮断構成要素(1807)とクリップ(1821)に対する支持をもたらす。図18Cに示されるように作動ワイヤ(1825)に弛みがあると、内側下方バー(1827)は下がり、クリップは閉位置になる。図18Dに示されるように作動ワイヤ(1825)がぴんと張られると、内側下方バー(1827)は持ち上げられ、クリップは開位置になる。
【0091】
送達デバイスの具体的な実施態様が図17Aから図18Dに示され上述されているが、当業者は、遮断構成要素の送達に様々な設計の送達デバイスが使用可能であり、本発明のいくつかの実施形態による特定の態様は、任意選択であり得ることを理解することができる。したがって、いくつかの送達デバイスは、医療処置および患者の必要性を考慮に入れて具体的な適用例の特定の要件に対して適宜使用することができることが明確であろう。さらに、図示されていないものもある、本発明の様々な実施形態による、所与の適用例の要件に適合する様々な送達デバイスも使用することができる。
【0092】
遮断構成要素を植え込む医療処置
本発明のいくつかの実施形態による遮断構成要素を植え込む方法および処置が提供される。一般的に、方法の実施形態は、逆流心臓弁に到達してその弁に遮断構成要素を植え込み逆流を軽減する医療方法を用いる。いくつかの実施形態では、動脈または静脈を通して遮断構成要素を弁へと経血管的に誘導し送達することにカテーテルが使用される。他の実施形態では、遮断構成要素を弁に送達するのに、胸部の小切開部を通して低侵襲手術が行われる。様々な実施形態は、開胸術を用いて遮断構成要素を弁に送達する。いくつかの実施形態では、医療処置の組合せが行われる。送達の詳細な医療方法は様々であり、しばしば、実施されるべき処置、患者の状態および処置を実施する医療関係者に応じて決まる。
【0093】
いくつかの実施形態は、遮断構成要素を逆流弁の部位に植え込む経血管および/または経カテーテル方法を対象とする。一般的に、経血管および経カテーテル処置は、小さい切開を作り、多くの場合は心臓から遠位にある部位にカテーテル送達システムを挿入し、循環系を通して送達システムを心臓へと運ぶことを含む。多くの実施形態では、経大腿アプローチが使用され、したがって小切開は鼠径部または大腿部に位置する大腿動脈または大腿静脈で行われる。様々な実施形態はさらに、経静脈、鎖骨下、経心尖、経中隔、経心房、経大静脈、経大動脈および経橈骨アプローチを対象とする。いくつかの実施形態では、様々な弁は、鎖骨下および/または頸動脈を通して到達され得る。様々な実施形態によれば、修復されるべき逆流弁に到達するあらゆるアプローチが使用可能であることを理解されたい。様々な実施形態によれば、アプローチおよび修復を可視化するのに、蛍光透視法および心エコー図法のイメージングを含むいくつかの方法が使用可能である。使用可能なステップを含む経カテーテル方法のさらなる詳細は、参照により本明細書にその全体が組み込まれる米国特許第9,622,863号(前掲)および米国特許第6,908,481号を参照する。
【0094】
多くの実施形態によれば、遮断構成要素を修復部位に送達する医療方法を用いて、遮断構成要素は、逆流弁内、具体的には弁が閉じているときに存在する開口/間隙内に配置される。次いで、遮断構成要素は、空いた空間を埋めるように開口/間隙内に植え込まれ得る。いくつかの実施形態では、遮断構成要素は、締結機構によって開口/間隙内に保持される。締結機構の様々な実施形態は、(これらに限定されないが)クリップ、接着剤および縫合糸の使用を含む。
【0095】
図19Aから図19Eには、大動脈弁への到達に経大腿(または同様の)アプローチを用いる経血管および経カテーテル方法の実施形態が示されている。大腿動脈への到達のために、鼠径部に切開を行う(図19A)。遮断構成要素を収容した送達デバイスを切開部位(1901)から挿入する。送達デバイスを動脈系を通して大動脈弓内(1903)へと誘導することを助けるためにガイドワイヤが用いられる。大動脈弓内、またはそうではなく大動脈弁に最も近づいたら、遮断構成要素(1951)を送達デバイス(1953)から前進させ、大動脈弁(1905)および/またはその弁尖のうちの1つもしくは複数の方に向けて進める。弁のアパーチャ/開口/間隙(1907)に近づいたら、作動ワイヤ(1955)を用いてクリップ(1957)を開く。この実施形態では、作動ワイヤの張力の解放によりクリップ(1957)を天然弁尖(1909)に取り付ける(例えば、圧着、クリップ留めなど)。クリップの作動、および天然弁尖へのクリップの取付け(例えば、圧着、クリップ留めなど)による遮断構成要素の植込みは、心エコー図法を用いて可視化することができる(図19D参照)。クリップ(1957)を天然弁尖(1909)に取り付ける、またはクリップ留めし、遮断構成要素(1951)を開口/間隙内に位置させたら(図19E参照)送達デバイス(1953)を大動脈弁から後退させ、切開部位から取り出す。
【0096】
経大腿アプローチの具体的な実施態様が図19Aから図19Eに示され上述されているが、当業者は、遮断構成要素の大動脈弁位置または他の弁位置(例えば、三尖弁、肺動脈弁、および/または僧帽弁位置)への植込みに様々な他のアプローチおよび処置を使用することができること、ならびに、本発明のいくつかの実施形態による特定の態様は任意選択とすることができることを理解することができる。したがって、いくつかのアプローチおよび処置は、植え込まれるべきデバイスおよび患者の必要性を考慮に入れて具体的な適用例の特定の要件に対して適宜使用することができることが明確であろう。さらに、図示されないものもある、本発明の様々な実施形態による、所与の適用例の要件に適合するアプローチおよび処置の様々なステップも使用することができる。加えて、経カテーテルまたは他の手術アプローチは、生存動物、または非生存死体、死体心臓、シミュレータ、擬人化された影などにおいて実施することもできる。
【0097】
均等物の原則
上述の説明は、本発明の多くの特定の実施形態を包含するが、本発明の範囲を制限するものではなく、その1つの実施形態の一例として解釈すべきである。したがって、本発明の範囲は、例示の実施形態ではなく、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって決定されるべきである。
【符号の説明】
【0098】
301 弁尖、弁葉
303 大動脈弁
305 アパーチャ、開口、間隙
307 左心室
321 遮断構成要素
323 クリップ
401 遮断構成要素
403 ポケット、ポーチ
405 クリップ
501 遮断構成要素
503 クッション様形状
505 クリップ
601 弁
603 弁尖
605 アパーチャ、開口、間隙
607 遮断構成要素
701 弁
703 弁尖
705 開口、間隙
707 遮断構成要素
801 クリップ
803 フレーム
805 外側プロング
807 外側プロング
809 内側プロング
811 アイ
901 クリップ
903 フレーム
905 側方螺旋部
907 側方螺旋部
909 外側下方バー
911 スロット
913 スロット
915 内側側方バー
917 内側側方バー
919 内側下方バー
921 アイ
923 連結要素
925 連結要素
1001 クリップ
1003 ワイヤフレーム
1005 側方螺旋部
1007 側方螺旋部
1009 外側下方バー
1011 スロット
1013 スロット
1015 内側側方バー
1017 内側側方バー
1019 内側側方バー
1021 内側側方バー
1023 内側上方バー
1025 内側下方バー
1027 内側下方バー
1029 アイ
1031 アイ
1033 連結要素
1035 連結要素
1037 連結要素
1039 連結要素
1041 連結要素
1101 クリップ
1103 前方フレーム
1105 後方フレーム
1107 バー
1109 ばね
1111 スロット
1113 歯
1115 アイ
1201 クリップ
1203 ワイヤ
1205 前方プレート
1207 後方プレート
1209 位置
1211 スロット
1213 スロット
1215 突出部
1217 ループ
1219 位置
1301 クリップ
1303 ワイヤ
1305 前方プレート
1307 後方プレート
1309 位置
1311 カットアウト部分
1313 ループ
1401 クリップ
1403 前方プレート
1405 後方プレート
1407 ワイヤ
1409 ワイヤ
1411 スロット
1501 クリップ
1503 遮断構成要素
1505 フレーム
1507 外側プロング
1509 外側プロング
1511 内側プロング
1513 アイ
1515 ポケット
1601 クリップ
1603 遮断構成要素
1605 側方螺旋部
1607 側方螺旋部
1609 外側下方バー
1611 内側下方バー
1613 アイ
1701 送達デバイス
1703 外側カテーテル
1705 内側カテーテル
1707 クリップ
1709 ガイドワイヤ
1711 作動ワイヤ
1713 支持ビーム
1801 送達デバイス
1803 内側カテーテル
1805 外側カテーテル
1807 遮断構成要素
1811 クリップ
1813 支持ビーム
1815 作動ワイヤ
1817 内側プロング
1821 ワイヤクリップ
1823 支持ビーム
1825 作動ワイヤ
1827 内側下方バー
1901 切開部位
1903 大動脈弓
1905 大動脈弁
1907 アパーチャ、開口、間隙
1909 天然弁尖
1951 遮断構成要素
1953 送達デバイス
1955 作動ワイヤ
1957 クリップ
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図18C
図18D
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E