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特許7531510共振周波数を有する多様なメタマテリアルおよびメタサーフェス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】共振周波数を有する多様なメタマテリアルおよびメタサーフェス
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/44 20060101AFI20240802BHJP
   G10K 11/18 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
H01Q3/44
G10K11/18
【請求項の数】 37
(21)【出願番号】P 2021553025
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-02
(86)【国際出願番号】 US2020023954
(87)【国際公開番号】W WO2020191331
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】16/361,147
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514106982
【氏名又は名称】エルファー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ウルスモフ,ヤロスァフ エイ.
【審査官】鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0346176(US,A1)
【文献】特開2016-021741(JP,A)
【文献】米国特許第09967011(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0259757(US,A1)
【文献】国際公開第2003/058809(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0108987(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0131103(US,A1)
【文献】米国特許第7525711(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0205152(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0089055(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
G10K 11/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容量性基板と、
同調可能な共振器素子のサブセットのそれぞれは、共通の物理刺激によって変更可能な共通の共振特性を有する少なくとも2つの共振器素子を含む、前記容量性基板上に配置される同調可能な共振器素子の複数の前記サブセットと、
前記容量性基板の第1の部分のキャパシタンス値を変更して、前記容量性基板の第1の部分に関連する前記同調可能な共振器素子の第1の前記サブセット内の全ての同調可能な共振器素子の前記共振特性を変更するための第1物理刺激を与えるための第1制御入力と、
前記第1制御入力を介して与えられる前記第1物理刺激を複数の物理刺激値の間で調節するための制御装置と、
を備え、
異なる前記物理刺激値のそれぞれは、複数の固有の共振パターンおよび関連する固有の放射パターンのうちの1つに対応し、
前記複数のサブセットの同調可能な共振器素子は、動作周波数に対してサブ波長素子間間隔で配置されることを特徴とするビームフォーミングシステム。
【請求項2】
前記共振器素子は、前記動作周波数において、1次元配列状にサブ波長の素子間の間隔を有するように配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記共振器素子は、前記動作周波数において、2次元配列状にサブ波長の素子間の間隔を有するように配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記共振器素子のサブセットのそれぞれに対して固有の制御入力をさらに含み、前記制御装置は、前記共振器素子の前記サブセットのそれぞれに固有の物理刺激を与えるように構成され、前記制御入力の数は、前記共振器素子の数の半分未満である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1物理刺激は、少なくとも1つの印加電圧である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、一連の電圧値を印加して、対応する一連の放射パターンを生成するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記共振器素子のそれぞれは、第1の導電層と第2の導電層との間で機械的に変形可能な材料を有するコンデンサと関連する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
第2制御入力をさらに含み、
前記第制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の1つ以上の前記共振器素子のうちの1つの機械的変形を引き起こして、前記共振特性を変化させる少なくとも1つの変換器を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1制御入力は、電気入力、熱入力、機械的入力、および超音波入力のうちの1つ以上を介して、前記容量性基板の前記第1の部分のキャパシタンスを変更するための物理刺激を与える、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記共振器素子は、前記容量性基板上に同心円状に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記共振器素子は、音響共振を有する素子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
それぞれ固有の位相-トグルバイアス範囲を下回るバイアス電圧において第1の位相で動作し、
それぞれ固有の位相-トグルバイアス範囲を上回るバイアス電圧において第2の位相で動作する、
それぞれが固有の位相トグル-バイアス範囲を有するように構成された複数の共振器と、
調節可能なバイアス電圧を印加するための電圧バイアス入力と、
印加されたバイアス電圧がそれぞれ固有の位相-トグルバイアス範囲を下回ることにより前記第1の位相で動作する共振器と、印加されたバイアス電圧がそれぞれの固有の位相-トグルバイアス範囲を上回ることにより前記第2の位相で動作する共振器との組み合わせを選択するために、電圧バイアス制御によって印加されるバイアス電圧を調節する制御装置と
前記複数の共振器の2次元面積よりも大きな開口を有し、サブ波長の特性の3次元体積分布を含む回折静的プリコーダ構造を備え、
前記第1の位相および前記第2の位相で動作する共振器の各組み合わせは、前記共振器の固有の放射パターンに対応し、
前記回折静的プリコーダ構造は、前記複数の共振器の前記2次元面積の少なくとも一部に入射放射線を回折的に集束し、
前記共振器の前記固有の放射パターンのそれぞれと、目標とする一組の放射パターンとの間を変換するように構成される、ことを特徴とするシステム。
【請求項13】
前記共振器は、音響共振器を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記共振器は、電磁共振器を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の位相および前記第2の位相は、180度位相がずれている、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御装置は、第1のバイアス電圧値と第2のバイアス電圧値との間の不連続なステップで前記バイアス電圧を調節する、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記不連続なステップのそれぞれの間の電圧差は、前記音響共振器のQ値に対応する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記固有の放射パターンの少なくともいくつかは、線形的に独立である、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記制御装置は、第1電圧と第2電圧との間で前記バイアス電圧を掃引することによって、ビームシーケンス生成器を実現するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
開始電圧と停止電圧との間で前記バイアス電圧を掃引することは、前記第1電圧と前記第2電圧との間の連続的なアナログ電圧の掃引を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
開始電圧と停止電圧との間で前記バイアス電圧を掃引することは、前記第1電圧と前記第2電圧との間の電圧値の不連続なステッピングを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
ゼロと、
【数1】

によって与えられる理論的な最大許容角との間の角度からの入射波が、複数の前記共振器の少なくともいくつかの上に回折的に集束され、Sは、前記回折静的プリコーダ構造の開口面積であり、Σは、複数の前記共振器の少なくとも一部の前記2次元面積である、請求項12に記載のシステム。
【請求項23】
前記理論的な最大許容角の約4分の1の間の角度から受信した入射波は、複数の前記共振器の少なくともいくつかに回折的に集束する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記回折静的プリコーダ構造および前記音響共振器は、可聴音響周波数帯域内で動作するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項25】
前記回折静的プリコーダ構造および前記音響共振器は、可聴音響周波数帯域を含む帯域内で動作するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項26】
前記回折静的プリコーダ構造および前記音響共振器は、超音波周波数帯域内で動作するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項27】
前記回折静的プリコーダ構造および前記音響共振器は、医用画像形成のために超音波周波数帯域内で動作するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項28】
前記回折静的プリコーダ構造は、前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間で変換するために、様々な密度を有する材料の分布を有する、請求項13に記載のシステム。
【請求項29】
前記回折静的プリコーダ構造は、空間位置と前記音響共振器のサブセットとの間での音響多入力多出力(MIMO)のために前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間で変換するために、様々な密度を有する材料の分布を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項30】
目標とする視野を有する複数の空間位置のそれぞれから前記音響共振器の前記サブセットまで受信された音響波を3次元で局在化させる音波である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
位相-トグル閾値範囲を下回る刺激入力において第1の位相で動作し、
位相-トグル閾値範囲を上回る刺激入力において第2の位相で動作し、
各々が固有の位相-トグル閾値範囲を有するように構成された複数の共振器と、
前記複数の共振器のサブセット内の各共振器に機械的変形を引き起こす調節可能な物理刺激を前記共振器に印加するための制御入力であって、前記複数の共振器のサブセット内の共振器の数は、前記調節可能な物理刺激の大きさに基づいており、
印加された物理刺激がそれぞれ固有の位相-トグル閾値範囲を下回ることにより前記第1の位相で動作する共振器と、印加された物理刺激がそれぞれ固有の位相-トグル閾値範囲を上回ることにより前記第2の位相で動作する共振器との組合せを選択するために前記物理刺激の大きさを調節する制御装置と、
を備え、
前記第1の位相および前記第2の位相で動作する共振器の各組合せは、前記共振器の固有の放射パターンに対応することを特徴とするシステム。
【請求項32】
前記共振器は、音響共振器を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記共振器は、電磁共振器を含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記共振器は、放射線を受信する受信モードで動作するように構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項35】
前記共振器は、放射線を送信する送信モードで動作するように構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
前記共振器は、放射線を選択的に送受信する送受信モードで動作するように構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項37】
前記第1の位相および前記第2の位相は、180度位相がずれている、請求項31に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
優先出願の全ての主題は、そのような主題が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔技術分野〕
本開示は、一般に、共振器素子を介した電磁ビームフォーミングおよび音響ビームフォーミングに関する。
【0003】
〔図面の簡単な説明〕
図1〕様々な実施形態による、一例の電磁アンテナシステムの簡略ブロック図である。
【0004】
図2A〕一実施形態による、2次元配列状に配置された共振器素子の6つのサブセットを含む音響または電磁システムの簡略化された実施例を示す図である。
【0005】
図2B〕一実施形態による、異なるパターン状に配置された共振器素子の6つのサブセットを含むシステムの一実施例を示す図である。
【0006】
図2C〕一実施形態による、共振器素子のサブセットが、開口をほぼ楕円形に形成するようにあらかじめ定められたパターンに従って配置されるシステムの別の実施形態を示す図である。
【0007】
図2D〕一実施形態による、所定のサブセット内の各共振器素子が、印加された位相-トグル電圧に基づいて、第1の共振位相角と第2の共振位相角との間でトグルされるシステムの実施形態を示す図である。
【0008】
図3〕一実施形態による、単一の容量性素子に関連する4つの電磁共振器素子の簡略化された実施例を示す図である。
【0009】
図4〕一実施形態による、制御入力によってピストンが容量性素子のプレートを曲げる一実施形態を示す図である。
【0010】
図5〕一実施形態による、共振器素子の複数のサブセットを含むシステムの一実施例を示す図である。
【0011】
図6〕様々な実施形態による、様々な操舵角でビームフォームを生成するための、本明細書で説明される様々な実施形態のうちのいずれかを表すシステムを示す図である。
【0012】
図7A〕カバーエリア内でビームフォームを選択的に操舵するために共振器素子のサブセットを備えるように構成された電磁アンテナシステムを示す図である。
【0013】
図7B〕一実施形態による、カバーエリア内で操舵され得る高指向性ビームフォームを示す図である。
【0014】
図7C〕一実施形態による、カバーエリアで動作するようにシステムによって選択的に生成され得る種々の選択可能なビームフォームを示す図である。
【0015】
図8A〕様々な実施形態による、電磁または音響システムの潜在的な3次元のカバーエリアの簡略図を示す図である。
【0016】
図8B〕一実施形態による、3次元空間内でシステムによって生成された円錐状のフィールドパターンを備える簡略化された図である。
【0017】
図8C〕一実施形態による、3次元のカバーエリアで動作するようにシステムによって選択的に生成される有限数の円錐状のフィールドパターンを示す図である。
【0018】
図9〕一実施形態による、音響または電磁システムによって生成されるビームフォームを変更するための回折構造を示す図である。
【0019】
図10A〕一実施形態による、共振器素子のサブセットのシステムのサブ部分又は縮められた開口に入射する放射線を集束させる回折構造を示す図である。
【0020】
図10B〕一実施形態による、音響共振器素子を含む音響システムへ音波放射線をマッピングする音響回折構造を示す図である。
【0021】
図10C〕一実施形態による、音響回折集束器として機能する音響回折構造を示す図である。
【0022】
図11A〕共振器素子のサブセットにそれぞれ関連する容量性素子に物理刺激値を選択的に印加する制御装置を示す図である。
【0023】
図11B〕一実施形態による、初期値から最終値まで物理刺激値を掃引することによって、異なる操舵角で複数の固有のビームフォームを生成するシステムの一実施形態を示す図である。
【0024】
図11C図11Aと関連して説明されるように、共通の容量性素子に接続された共振器素子のサブセットの電磁システムの上方に配置された回折構造を示す図である。
【0025】
図11D〕一実施形態による、物理刺激値を初期値から最終値に掃引するときに、最初に生成されたビームフォームを目標とするビームフォームに変更する回折構造を有するシステムの一実施例を示す図である。
【0026】
〔発明を実施するための形態〕
本開示は、音響および電磁フィールドパターニングおよびビームファーミングに関する様々な実施形態、システム、装置、および方法を提供する。電磁フィールドパターニングは、無線電力転送、データ転送、制御信号通信、および他の目的のために有用であり得る。音響パターニングは、データ転送、画像形成、制御信号通信、および他の目的のために有用であり得る。
【0027】
電磁空間で狭いビームフォームを使用する一般的な例は、パラボラ椀型アンテナシステムである。システムにジンバルを追加することにより、制御装置は、パラボラ椀型アンテナシステムの方位角及び/又は仰角を変更して、複数の明確なビームフォーム又は放射パターンを持つ広いカバーエリアにサービスを提供することができる。方位角および/または仰角を調整する際に、パラボラ椀型アンテナシステムの機械的動作が比較的遅いため、その使用および特定の用途への適用を制限してしまう。
【0028】
アンテナの位相配列は、カバーエリア内の複数の明確なフィールドパターンの生成を可能にすることができる。位相配列は、各々が移相器に接続された複数の完了アンテナを含む。したがって、位相配列は、単一のアンテナよりも何倍も大きく、配列内の各アンテナに対して共通の制御装置、電力分配器、および移相器を必要とする。位相配列のサイズおよび複雑さは、潜在的な用途および一般的な適用可能性を実用的な応用の小さなサブセットに制限してしまう。
【0029】
同調可能なメタマテリアル装置は、様々な電磁フィールドに基礎を置いた問題を解決するために使用することができる。高密度に充填されたメタマテリアル配列の個々の素子を同調することによって、多種多様なカスタマイズ可能な放射パターンを達成することができる。多くの場合、メタマテリアル素子は、サブ波長アンテナ素子の例示的な実施形態として使用される。しかしながら、メタマテリアルとして分類されてもされなくてもよい、多種多様なサブ波長電磁素子またはサブ波長音響素子のいずれかが利用されてもよい。
【0030】
本明細書で説明する様々な実施形態では、電磁アンテナ素子および/または音響素子は、共振の原理に基づいて動作することができる。したがって、電磁アンテナ素子および/または音響素子は、一般に、電磁共振器素子および音響共振器素子を包含する「共振器素子」と呼ばれる。共振器素子は、カバーエリア(例えば、3次元空間)内で放射線(例えば、音響のまたは電磁気の)を送信および/または受信するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、共振器素子を有するシステムの選択性を高めるためにビームフォーミングを使用することが有用である。ビームフォームミングの他の利点をなお実現しながら、所望のカバーエリアを達成するために、多様な、選択可能なビームフォームを使用することができる。
【0031】
上述の関連出願に記載されたアプローチのいくつかでは、複数の同調可能な素子が、1次元または2次元配列状に配置される。関連出願におけるアプローチのいくつかは、個々に制御可能な各同調可能な素子を有することを意図している。さらに、関連出願におけるアプローチのいくつかは、電気的な同調可能な素子を意図している。本明細書で説明されているシステム及び方法は、制御入力の複雑さが低減され、物理刺激入力が同調可能な共振器素子のグループを変更するために使用される、同調可能で、ビームフォーミング可能な電磁システム及び音響システムのバリエーションを含む。
【0032】
例えば、ビームフォームングシステムは、基板上に配置された同調可能な共振器素子の複数のサブセットを含んでもよい。同調可能な共振器素子を有するサブセットのそれぞれは、少なくとも2つの共振器素子を含んでもよいが、代替的に、数十または数千の共振器素子を有してもよい。具体例として、ビームフォーミングシステムは、100個の共振器素子をそれぞれ有する100個のサブセットを構成する10,000個の同調可能な共振器素子を含んでもよい。サブセットのそれぞれは、例えば、隣接する同調可能な共振器素子のN×M個の配列であってもよい。ここで、NおよびMは整数である。代替的に、サブセットの個々の同調可能な共振器素子は、例えば、基板上にランダムに配置され、行に配置され、列に配置され、または予め定められた分布パターンに従って配置されてもよい。
【0033】
1つのサブセットに含まれる共振器素子は、単一の制御入力によって制御可能な共通の物理刺激によって変更可能であってもよい。したがって、100個の共振器素子を有するそれぞれ100個のサブセット内に10,000個の共振器素子を含む上記の例示的なシステムを使用することは、100個の物理刺激を制御する100個の入力を使用して完全な同調を可能としてもよい。いくつかの実施形態では、100個未満の入力を使用して、100個の物理刺激を処理し、そして制御してもよい。
【0034】
一つの制御入力は、同調可能な共振器素子の一つのサブセット内のすべての同調可能な共振器素子の共振特性を変更するために、一つの物理刺激を制御してもよい。制御装置は、第1物理刺激に対する変更を制御してもよい。例えば、制御装置は、共振器素子を有する各サブセットに異なる物理刺激値を加えるすることができる。いくつかの実施形態では、制御装置は、2つの可能な物理刺激値のどちらかを選択してもよい。他の実施形態では、制御装置は、多くの不連続な値から物理刺激値を選択してもよい。さらに他の実施形態では、制御装置は、ある範囲の物理刺激値の間で物理刺激値を選択してもよい。これらの実施形態それぞれにおいて、それぞれ異なる物理刺激値は、共振器素子のサブセットの、複数の固有の共振パターンおよび関連する固有の放射パターンのうちの1つに対応する。従って、共振器素子を有する複数のサブセットに適用される物理刺激値のそれぞれの固有のパターンは、固有のビームフォームに対応する。
【0035】
いくつかの実施形態では、共振器素子は、動作周波数において素子間をサブ波長の間隔を有するように配置される。例えば、隣接する共振器素子間の間隔は、システムの動作帯域幅における最小波長よりも小さくてもよい。共振器素子を有する所定のサブセット内のそれぞれの共振器素子は、第1制御入力の所定の物理刺激値に対して固有の共振を有していてもよい。共振器素子を有するそれぞれのサブセットは、所定の物理刺激に対する固有の共振に関連付けられていてもよく、共振器素子を有する所定のサブセット内のそれぞれ共振器素子は、所定の物理刺激に対して実質的に同様の共振を有してもよい。
【0036】
システムによって達成可能な固有の放射パターンの少なくともいくつかは、動作帯域幅内で線形的に独立している。いくつかの実施形態では、物理刺激は、すべての共振器素子に印加される共通の物理刺激であってもよい。共振器素子のそれぞれのサブセットに固有の制御入力を割り当てて、共振器素子のそれぞれのサブセットに固有の物理刺激を与えてもよい。共振器素子のそれぞれサブセット内に少なくとも2つの共振器素子を有することが最小であると仮定すると、制御入力の数は、多くても共振器素子の数の半分であろう。
【0037】
前述のように、共振器素子の一つのサブセットは、連続した共振器素子、共振器素子の列、共振器素子の六角形のグループ、共振器素子の方形のグループを備えてもよい。いくつかの実施形態では、共振器素子の一つのサブセットは、異なる一つのサブセットの一部である共振器素子間に点在する複数の共振器素子を含んでもよい。
【0038】
共振器素子のサブセットに印加される物理刺激は、共振器素子の共振特性を変化させるために共振器素子に直接印加される電圧であってもよい。あるいは、電圧を印加して、サブセット内の共振器素子と関連付けられた誘電体材料の誘電率パラメータを変更してもよい。制御装置は、一連の電圧値を共振器素子の1つ以上のサブセットに印加して、一連の固有の放射パターンを生成してもよい。一連の放射パターンは、例えば、目標とする符号化開口による画像形成に使用することができる。一連の放射パターンは、湾曲パターン、螺旋パターン、ジグザグパターン、および/または目標とする領域のラスター走査に対応するように選択されてもよい。一連の放射パターンは、固有の放射パターンのそれぞれが互いに重なり合って連続的であってもよい。
【0039】
一例として、電磁的実施形態は、それぞれが機械的に変形可能なコンデンサと関連付けられる共振器素子のサブセットを含んでもよい。例えば、変形可能なコンデンサのプレートは、そのキャパシタンスを変化させる制御入力に応じて変形してもよい。例えば、制御入力は、コンデンサの第1の導電層と第2の導電層との間を機械的に変形可能な材料で操作してもよい。
【0040】
別の実施例として、制御入力は、共振器素子の一つのサブセット二関連するし、機械的に変形可能な材料の寸法を変化させる機械的動作を行うアクチュエータを含んでもよい。機械的に変形可能な材料は、変形に応じて、キャパシタンスまたはインダクタンスを変化させてもよい。いくつかの実施形態では、制御入力は、共振器素子の一つのサブセット内の共振器素子に調節可能な電気バイアスとして物理刺激を与えてもよい。いくつかの実施形態では、制御入力は、共振器素子のサブセット内の共振器素子に印加される磁界の形態の物理刺激を与えてもよい。いくつかの実施形態では、制御入力は、共振器素子の第1のサブセット内のそれぞれの共振器素子の少なくとも一部を機械的に変形させてもよい。
【0041】
一実施形態では、制御入力は、共振器素子のサブセット内の共振器の部分を選択的に変形させる変換器として具体化されてもよい。あるいは、変換器は、共振器素子のサブセット内のすべての共振器素子に接続された共通の装置または素子を選択的に変形させてもよい。このような実施形態では、複数の変換器は、それぞれ、システム内の共振器素子の固有のサブセットに接続されてもよく、その結果、変換器の数は、共振器素子を有するサブセットの数と等しくなる。変換器は、システムの動作周波数より少なくとも1桁高い周波数で機械的変形を生じさせてもよい。
【0042】
制御入力は、共振器素子の一つのサブセット内のそれぞれの共振器素子の構成要素を機械的に調節して、共振器素子の共振特性を変化させて、機械的アクチュエータとして具体化されてもよい。例えば、機械的アクチュエータは、共振器素子のサブセット内のすべての共振器素子に接続された共通のコンデンサのキャパシタンス値を調節してもよい。いくつかの実施形態では、基板は、共振器素子が配置される容量性基板を備える。制御入力は、基板のキャパシタンスを変更するために、物理刺激を与えてもよい。他の実施形態では、複数の制御入力は、共振器素子の異なるサブセットに関連する基板の部分のキャパシタンス値を選択的に変更してもよい。
【0043】
例えば、電気入力は、基板のキャパシタンスを変更するために、物理刺激を与えてもよい。別の実施形態では、熱入力は、基板のキャパシタンスを変更するために、物理刺激を与えてもよい。さらに別の実施形態では、機械的入力は、キャパシタンスを変更するために、物理刺激を与えてもよい。さらに別の実施形態では、超音波入力は、基板のキャパシタンスを変更するために、物理刺激を与えてもよい。いくつかの実施形態では、上述の入力タイプのいずれかを使用して、電磁的実施形態における(上述の)キャパシタンスおよび/またはインダクタンスを変更してもよい。音響的実施形態では、上述の入力タイプのいずれかを使用して、基板の、体積弾性率、密度、剛性率、または他の音響特性を変更して、音響共振器素子の音響共振を変更してもよい。
【0044】
1つの電磁的実施形態では、制御入力は、基板の一部であるか又は基板に接続されている荷電プレート間の物理的ギャップを変更してもよい。他の実施形態では、1つまたは複数の制御入力に応答して変形されると、共振器素子の1つ以上のサブセットの共振器素子の1つ以上の共振特性を変更する、変形可能な材料を、基板は備えてもよい。別の実施例として、制御入力は、共振器素の1つ以上のサブセットの共振器素子を変形させるか、またはそうでなければ機械的に変化させるために、均一な(または不均一な)圧縮力を与えてもよい。
【0045】
制御装置は、早見表を使用して、共振器素子の複数のサブセットに関連する様々な制御入力値を、様々な放射パターンにマッピングさせてもよい。よい。目的とする放射パターンは、制御入力を特定のパターンに設定することによって達成することができる。前述のように、共振器素子のそれぞれのサブセットは、物理刺激に応答する単一の同調可能な素子に関連付けられてもよい。本明細書で説明される実施形態の多くは、共振器素子の一つのサブセット内の共振器素子の物理的特性を直接変更することによって実施されてもよく、共振器素子のそれぞれサブセットに関連する1つ以上の共通の同調可能な素子を変更することによって実施されてもよい。
【0046】
制御入力は、共振器素子の行および列に関連付けられてもよい。制御入力は、共振器素子の一つのサブセット内の共振器素子の共振特性を変更する移相器(例えば、調節可能な移相器)として具体化されてもよい。音響システムの一実施形態では、共振器素子は、超音波マイクロ共振器、またはより一般的には、音響共振微粒子として構成される。さらに他の実施形態では、共振器素子は、RFナノ共振器、または光ナノ共振器のためのプラズモンのナノ粒子として機能するナノ粒子またはナノキューブを備える。
【0047】
共振器素子は、互いに直接接続されてもよいし、物理的に固定されていなくてもよいが、多くの実施形態は、共振器素子を予め定められた配置を維持するために、基板を利用する。基板は、例えば、誘電体層または金属層であってもよい。共振器素子は、規則正しい方法で基板に選択的に配置または取り付けることができる。別の実施形態では、共振器素子は、基板上に化学的に成長させてもよく、または機械的または化学的プロセスによってランダムに堆積させてもよい。例えば、システムは、ナノリソグラフィーにより製造された共振器素子を備えてもよい。
【0048】
制御入力は、共振器素子のそれぞれのサブセットの1つ以上の共振特性を変更するために使用されてもよい。共振器素子の変更可能な共振特性のいくつかの具体例には、限定はしないが、変更可能な共振周波数、変更可能な共振強度、変更可能な共振減衰率、または他の共振特性が含まれる。適切な共振器素子の実施例は、ローレンツ共振器である。
【0049】
別の実施形態では、物理刺激は、共振器素子の一つのサブセット内の共振器素子のそれぞれに関連するリアクタンス負荷パラメータを変更する。共振器素子は、例えば、電磁共振を有するアンテナ素子であってもよい。隣接する共振器素子間の間隔は、動作周波数帯域の最小波長の半分未満の間隔を有するサブ波長であってもよい。周波数帯域は、RFスペクトル、赤外スペクトル、可視スペクトル、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。可能な周波数帯域の実施例としては、マイクロ波周波数帯域、300GHz~3000GHzの間の周波数の帯域幅、ミリメートル(mm)周波数帯域の一部(例えば、40GHz~300GHz)などが挙げられる。ミリ波(mmW)画像形成を実施するために、ミリ波周波数帯域を使用してもよい。
【0050】
他の実施形態では、共振器素子は、光共振器素子であってもよい。様々な実施形態では、光共振器素子は、基板上にランダムに配置され、同心円状のリングに配置され、1次元配列状に配置され、又は2次元配列状に配置されてもよい。光共振器素子は、例えば、プラズモンの光共振器、半導体ベースの光共振器、及び/又は誘電体光共振器であってもよい。光共振器素子は、不連続な共振-同調可能な電気活性光学媒体または共通の共振-同調可能な電気活性光学媒体に結合されてもよい。例えば、共振器素子ののサブセットは、単一の調節可能な制御入力を介して同調可能である液晶、又は単一の調節可能な制御入力を介して同調可能である電気活性ポリマーのような共通の共振-同調可能な電気活性光学媒体に結合されてもよい。別の実施例では、共通の共振-同調可能な電気活性光学媒体は、単一の調節可能な制御入力を介して同調可能な半導体-金属接合であってもよい。別の実施例では、共通の共振-同調可能な電気活性光学媒体は、単一の調節可能な制御入力を介して同調可能な半導体-半導体接合であってもよい。
【0051】
上述の実施形態のいずれか、またはそれらの組み合わせにおいて、光共振器素子のそれぞれのサブセットは、共通の共振-同調可能な電気活性光学媒体に結合されてもよい。他の実施形態では、共振器素子は、超音波音響共振などの音響共振を有する素子を有してもよい。様々な音響的実施形態では、入力は、共振器素子の一つのサブセット内のそれぞれの共振器素子に関連する音響媒体の体積弾性率を変更する物理刺激を与えてもよい。変更された体積弾性率は、共振器素子のサブセット内の共振器素子の音響共鳴特性を変化させる。代替的に又は追加的に、入力は、共振器要素の第1のサブセット内のそれぞれの共振器素子に関連する音響媒体の剛性率又は密度を変更する物理刺激を与えてもよい。
【0052】
他の実施形態におけるように、物理刺激を与える入力は、電気入力、熱入力、機械的入力、超音波入力、および/またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、入力は、共振器素子を有する第1のサブセットの共振器素子または共振器素子に共通に関連付けられた同調可能な素子のそれぞれのキャパシタンス、インダクタンス、および誘電率のうちの1つ以上を変更する単一の電気入力であってもよい。いくつかの実施形態では、共振器素子は、異方性メタマテリアルの一部であってもよい。制御入力は、異方性メタマテリアルのテンソル特性を変更してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、制御入力は、共振器素子の一つのサブセットに可変電圧バイアスを与えて、第1電圧と第2電圧との間の電圧バイアス(例えば、アナログ掃引または不連続のステップで)を掃引することによって符号化開口を具体化することができる。システムの制御装置は、それぞれが共振器素子の固有のサブセットに関連する多数の制御入力のバイアス電圧を掃引して、一連のビームを生成することができる。いくつかの実施形態では、一連のビームは、3次元空間にランダムに分布されてもよく、または2次元経路に沿って操舵されてもよい。他の実施形態では、ビームの操舵は、2次元平面上にラスター走査で具体化してもよい。
【0054】
バイアス電圧、温度、音響特性、または他の物理刺激を初期値から最終値まで掃引することは、離散的で不連続な物理刺激値を選択するよりも好ましいか、またはより実用的であってもよい。例えば、温度値を初期温度値から最終温度値に掃引する方が実用的であってもよい。不連続な温度値を選択することは実際的ではない。基板上に配置された共振器素子の2次元面積よりも大きい開口を有する回折構造を用いて、共振器素子のビームフォームを目的とするビームフォームにマッピングしてもよい。一例として、物理刺激値を掃引することは、様々な、形状および操舵角の基本とする一対のビームフォームを生成することができる。回折構造は、基本とする一対のビームフォームを、目標とする一対のビーム形状および/または目標とする操舵角を有する目標の一対のビームフォームにマッピングすることができる。
【0055】
回折構造は、入射放射線をサブ部分(すなわち、すべての共振器素子よりも少ない)に回折的に集束してもよい。回折構造は、電磁放射線または音響放射線を回折するために、サブ波長の特徴の3次元分布を含んでもよい。
【0056】
回折構造は、例えば、ゼロから
【0057】
【数1】
【0058】
で与えられる理論的な最大許容角までの角度から入射放射線をマップしてもよい。ここで、Sは、回折構造開口の面積であり、Σは、放射線がマッピングされる共振器素子部分の2次元の面積である。受信モードでは、回折構造は、理論的な最大許容角度の約1/2の間の角度から入射放射線を受信し、共振器素子の少なくとも一部に放射線を回折的に集束させてもよい。回折構造は、送信モードにおいて、逆の効果で動作してもよい。回折構造は、全体として反射性または透過性であってもよく、3次元の体積として配置された反射性および/または透過性ボクセルを含んでもよい。メタマテリアルは、いくつかの実施形態で利用され、動作帯域幅内の電磁放射または音響放射のために、目標とする反射特性および/または屈折特性を達成してもよい。回折構造は、共振器素子の固有の放射パターンのそれぞれと目標とする一組の放射パターンのそれぞれとの間で1:1ベースで変換する線形プリコーダのような静的プリコーダとして機能してもよい。
【0059】
システムは、空間位置と共振器素子のサブセットとの間で音響多入力多出力(MIMO)を実施するため、共振器素子によって生成される固有の放射パターンと、目標とする一組の放射パターンとの間で変換するための、様々な密度を有するメタマテリアルまたは材料の体積分布としての静的プリコーダを含んでいてもよい。
【0060】
このような実施形態では、目標とする視界を有する複数の空間位置のそれぞれからの音波は、受信した音波を3次元で局在化させるために、共振器素子のサブセットにマッピングされてもよい。共振器素子のサブセットのそれぞれは、1次元配列、2次元配列、非周期的分布、ランダム分布、または本明細書に記載されるような他の配列で複数の共振器素子を含んでもいてもよい。音響的実施形態では、静的プリコーダは、固有の放射パターンと目標とする一組の放射パターンとの間で変換するために、様々な剛性率、密度、体積弾性率、または他の音響特性を有する材料の分布を備えていてもよい。
【0061】
本明細書の実施形態の多くに関連して記載され、組み込まれるように、共振器素子は、電磁的実施形態では「アンテナ」共振器素子として、超音波および他の音響的実施形態では、それらの類似放射素子として機能してもよい。共振器素子を有するシステムと関連して使用される場合、または個々の共振器素子と関連して使用される場合、放射、放射パターン、ビーム形状、ビーム操舵、動作等の用語は、電磁気および線形音響に適用される場合T対称性または時間反転対称性の原理の文脈において理解される。
【0062】
例えば、電磁的実施形態におけるアンテナ共振器素子は、アンテナ相反性の基本的理解の文脈内で、動作、放射、機能、ビームフォーミング、ビーム操舵などとして記述されてもよい。例えば、利得、共振周波数、偏波などのアンテナ素子またはアンテナ素子のシステムの特性は、アンテナが送信しているか受信しているかにかかわらず同じである。同じ原理は、超音波共振器素子を有する超音波音響システムを含む音響システムにも適用可能である。従って、個々の共振器素子、共振器素子のサブセット、及び共振器素子を有するシステムについて様々に記載された実施形態は、送信モード及び受信モードの両方、並びにそれらの同時でかつ時間多重化された組み合わせを包含するように理解されるべきである。
【0063】
図1は、様々な実施形態による、電磁アンテナシステム100の一例の簡略ブロック図である。電磁アンテナシステム100は、1つ以上の電磁信号102を受信し、電磁参照波112をアンテナシステム100の複数の共振器素子120に伝搬するように構成された1つ以上の給電線110を含む。図示のように、共振器素子は「サブセット」120a~120nに配置され、サブセットのそれぞれは共通の制御線134~144を有する。各サブセットの各制御線は、本明細書で「サブセット」と呼ばれる特定のサブセット120a~120nのグループにおける共振器素子の共振特性を変更するために、物理刺激を選択的に与える。ブロック図は、9つの隣接する共振器素子をそれぞれ含んでいるように見える6つのサブセット120a~120nを示している。しかしながら、アンテナシステム100は、単一の制御線によって与えられる物理刺激の変更によって共通に同調される数十、数百、または数千の共振器素子をそれぞれ有し得る数十、数百、または数千のサブセットを含んでもよいことが理解される。
【0064】
前述のように、複数の共振器素子120は、サブ波長の距離(例えば、動作周波数の半波長未満、動作周波数の4分の1波長未満など)で離間されてもよい。共振器素子を有するサブセット120a~120nのそれぞれは、少なくとも2つの異なる動作状態で動作するように構成されてもよく、同調に対して非線形共振応答を有していてもよい。共振器素子120は、電磁参照波を放射波122として選択的に散乱させるように構成される。本明細書で使用されるとき、「動作周波数」という用語は、自由空間における(例えば、空気または空隙を通る)放射波の基本周波数を指す。
【0065】
また、アンテナシステム100は、複数の制御線134~144を経由して複数の共振器素子120と動作可能に結合された制御装置132を含む制御回路130を含む。いくつかの実施形態では、制御装置132を使用して、放射波122を経時的に変調して、複数の異なる情報ストリームを複数の異なる遠端位置140に送ることができる。従って、いくつかの実施形態では、1つの遠端位置140で受信された放射波122からの情報ストリームは、別の遠端位置で受信された放射波122からの情報ストリームとは異なっていてもよい。
【0066】
図2Aは、2次元配列状に配置された共振器素子の6つのサブセット201~206を示す、音響または電磁システム200の簡略化された実施例である。サブセット201~206のそれぞれは、サブセット内のすべての共振器素子の共振特性を変更するために、物理刺激によって選択的に変更され得る共通の同調可能な素子に接続されていてもよい。したがって、簡略化された例では、6つの同調可能な素子は、例えば、6つの制御入力によって制御されて、共振器素子のそれぞれのサブセット201~206内の共振器素子の共振特性を変更するために、物理刺激を選択的に与えてもよい。
【0067】
図示しない給電層は、共振器素子のそれぞれに(または共振器素子のそれぞれから)電磁信号または音響信号を給電してもよい。自由空間と給電層の間の伝送の位相と振幅は、変更された共振特性に基づいて変化させている。図示の実施形態では、サブセット201~206のそれぞれの共振器素子は、2次元配列状にグループ化されている(各サブセットにおいて簡略化された9×9配列として図示される)。
【0068】
図2Bは、図2Aに示されているものに類似しそれぞれの共振器素子を濃淡によって識別した共振器素子の6つのサブセットを含むシステム210の一実施例を示している。しかしながら、図示されるように、各サブセットの共振器素子は、連続的ではなく、むしろ予め定められたパターンに従って分布している。この場合も、各固有のサブセットは、単一の入力からの物理刺激によって選択的に変更されて、それぞれのサブセット内のすべての共振器素子の共振特性を変更することができる1つまたは複数の共通の同調可能な素子に接続されていてもよい。
【0069】
図2Cは、システム220の別の実施形態を示しており、ここでは、共振器素子のサブセットは、予め定められたパターンに従って分布されて、ほぼ楕円形の開口を形成する。様々な実施形態では、楕円形のエッジがより丸く見えるように、数百の共振器素子をそれぞれ有する数百のサブセットを利用してもよい。
【0070】
図2Dは、システム211の実施形態を示しており、所定のサブセット内の共振器素子のそれぞれは、印加された位相-トグル電圧に基づいて、第1の位相角と第2の位相角との間でトグルされる。表250は、それぞれの特定のサブセット(異なる濃淡によって識別される)の共振器素子の位相-トグル電圧と、対応する第1の位相角および第2の位相角とを示す。
【0071】
図示するように、複数の共振器素子は、位相-トグルバイアス範囲を下回るバイアス電圧では、第1の位相角で動作(例えば、送信および/または受信放射)し、位相-トグルバイアス範囲を上回るバイアス電圧では、第2の位相角で動作(例えば、送信および/または受信放射)するように、固有の位相-トグルバイアス範囲で構成されてもよい。このような実施形態では、単一の制御入力又は少ない数の制御入力を使用して、調節可能なバイアス電圧を印加してもよい。
【0072】
制御装置は、第1の共振位相角で動作する(例えば、放射線を受信および/または送信する)共振器素子と、第2の共振位相角で動作する残りの共振器素子との組み合わせを選択するために、1つ以上の制御入力によって印加されるバイアス電圧を調節してもよい。所定の印加電圧の場合、印加されたバイアス電圧がそれぞれの固有の位相-トグルバイアス範囲を下回るため、共振器素子のいくつかは第1の位相角で動作し、共振器素子のその他は、印加されたバイアス電圧がそれぞれの固有の位相-トグルバイアス範囲を上回るため、第2の位相角で動作する。6つの異なる位相-トグル電圧レベルを有する共振器素子を示すために、異なる共振器素子を表す6つの濃淡例のみが使用されているが、異なる位相-トグル電圧レベルを有する任意の数の共振器素子が利用されてもよいことが理解される。
【0073】
第1の位相角及び第2の位相角で動作する共振器素子のそれぞれの固有の組み合わせは、共振器の固有の放射パターンに対応する。従って、目標とするビーム形状及びビーム操舵角は、第1の位相角で動作させるいくつかの共振器及び第2の位相角で動作させるその他の共振器にもたらされる特定の位相-トグル電圧を選択することによって達成されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、システム211内のすべての共振器素子は、一つの固有の位相-トグル電圧を有してもよい。他の実施形態では、(図示のように)、共振器素子を有するサブセットのそれぞれは、一つの固有の位相-トグル電圧を有してもよいが、印加電圧に応じて共通の第1の位相角および第2の位相角で動作してもよい。さらに他の実施形態では、一つのサブセット内の各共振器素子は、同一の位相-トグル電圧を有してもよいが、異なる第1の共振位相角および第2の共振位相角を有してもよい。制御装置は、全ての共振器素子に影響を与える単一の制御入力に特定の電圧を印加してもよい。あるいは、制御装置は、複数の制御入力を介して選択的な電圧値を印加してもよく、ここで、各制御入力は、共振器素子の一つのサブセットに関連付けられている。
【0075】
システムは、例えば、位相-トグル閾値範囲を下回る刺激入力において第1の位相角で動作し、位相-トグル閾値範囲を上回る刺激入力において第2の位相角で動作するように、固有の位相-トグル閾値範囲でそれぞれ構成される複数の共振器素子を含んでもよい。刺激入力は、機械的変形、機械的要素の膨張、機械的要素の収縮などに基づく、電圧入力、熱入力、音響入力、圧力入力であってもよい。
【0076】
そのような実施形態では、単一の制御入力が、一つの調節可能な物理刺激を全ての共振器素子に印加するものであってもよい。あるいは、単一の制御入力が、一つの調節可能な物理刺激を共振器素子のそれぞれのサブセット内の全ての共振器素子に印加してもよい。いずれにしても、制御装置は、物理刺激の大きさを調節して、第1の位相角および第2の位相角で動作する共振器素子の組み合わせを選択して、固有の放射パターンを選択してもよい。
【0077】
図3は、単一の容量性素子(3つのリングによって適所に保持されたプレート350及び352)に関連付けられる4つの電磁共振器素子300の簡略化された実施例を示す。単一の制御入力353は、容量性素子の容量値を変更するために、容量性素子(例えば、プレート自体またはリング)に物理刺激を印加することができる。容量性素子の容量値を変更することは、4つのすべての電磁共振器素子300の共振特性に影響を及ぼす。
【0078】
図4は、制御入力453が、ピストンで、容量性素子のプレート452を曲げるか、または別に機械的に変形させる実施形態の例を示す。プレート450および452の間の距離は、容量性素子のキャパシタンスに影響を及ぼす。キャパシタンスの変化は、共振器素子のサブセット400内の4つの電磁共振器素子のそれぞれの共振特性に影響を及ぼす。
【0079】
図5は、共振器素子510の複数のサブセットを含むシステム500の一実施例を示す。各サブセットは、単一の容量性素子520に共通して関連付けられる複数の共振器素子510を含む。給電線540は、すべての共振器素子510に共通信号を給電してもよい。
【0080】
図6は、本明細書で説明される様々な実施形態のうちのいずれかを表すシステム600を示す。システム600は、ビームフォーム610~614によって図示されるように、様々な操舵角で様々なビームフォームを生成することができる。
【0081】
図7Aは、カバーエリア720内のビームフォームを選択的に操舵するように構成された、本明細書に記載される様々な実施形態のいずれかによる共振器素子のサブセットを備えるように構成された電磁アンテナシステム710を示す。本明細書に記載されるように、制御入力の数は、共振器素子のサブセットの数に等しくてもよい。共振器素子のサブセットのそれぞれは、多くの共振器素子を含んでもよいので、制御入力の数は、共振器素子の数よりも大幅に少なくてもよい。
【0082】
図7Bは、システム710によってカバーエリア720内を操舵することができる高指向性ビームフォーム730を示す。
【0083】
図7Cは、システム710によって選択的に生成され、カバーエリア720全体をカバーすることができる様々な選択可能なビームフォーム730~744を示す。本明細書で説明される位相-トグル技術を使用する実施形態では、いくつかの共振器素子を第1の位相角で動作させ、その他の共振器素子を第2の位相角で動作させる特定の電圧を印加することによって、それぞれの固有のビームフォームが選択されてもよい。有限数のフィールドパターン(すなわち、ビームフォーム730~744)を使用して、カバーエリア720をカバーすることができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、所定のサイズの開口に対して、可能な最大指向性を有するビームが、カバーゾーンを通って掃引されてもよい。カバーエリアは、3次元空間で定義されてもよく、ビームを2方向に掃引する必要がある。他の実施形態では、ビームは2次元的に操舵され、他の次元において一定のビーム幅又は操舵角に依存するビーム幅を維持してもよい。例えば、カバーエリアは、立体角Ωを有するシステムから延びる3次元空間の円錐区域として定義されてもよい。可能な最大指向性を有するシステムによって生成されるビーム幅Ωは、開口サイズおよびフリス指向性の関数である。
【0085】
このようなシステムのビーム幅は、次のように表すことができる:
【0086】
【数2】
【0087】
・・・式1
式1において、Aは、共振器素子のサブセットの集合内の共振器素子の開口面積であり、λは、動作帯域幅内の周波数の波長であり、Dは、最大指向性である。システムによって生成されたビーム幅Ωを有するビームは、立体角Ωを有する円錐形のカバーエリアの周りを移動または操舵され得る。システムは、全カバーエリアをカバーする十分な数の別個のフィールドパターンNを生成することができる限り、円錐形のカバーエリアをカバーすることができる。各フィールドパターンNを、立体角Ωによって定義される円錐形のカバーエリアの固有の部分をカバーするように適合させることができると仮定すると、フィールドパターンの最小数は、以下のように表すことができる。
【0088】
【数3】
【0089】
・・・式2
図8Aは、一実施形態による、3次元空間815内の電磁または音響システム810の潜在的な3次元カバーエリア820の簡略化された図800を示す。
【0090】
図8Bは、一実施形態による、3次元空間内のシステム810によって生成された円錐形のフィールドパターン810を有する簡略化された図800を示す。
【0091】
図8Cは、一実施形態による、3次元空間815内の3次元カバーエリア(820、図8A)をカバーする、システム810によって選択的に生成され得る有限数の円錐形のフィールドパターン821~827を示す。理解されるように、システム810の指向性が増加すると、ビーム幅Ωが減少し、カバーエリア全体をカバーするために必要なビームフォームまたは放射パターンの数が増加するであろう。共振器素子のの一意的に制御可能なサブセットの数(および各サブセット内の共振器素子の数)は、目標とする指向性およびカバーエリアを達成するように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、制御入力の数、ならびに関連する費用および/または複雑さを最小限に抑えるために、目標とする指向性およびカバーエリアのための最小数のサブセットが使用されてもよい。
【0092】
図9は、音響または電磁システム910によって生成されるビームフォームを変更するための、ホログラフィックレンズまたはプリコーダなどの回折構造を示す。回折構造900は、システム910よりも大きな開口を有し、入射音波および/または電磁波をシステム910の一部のみに集束させることができる。回折構造は、例えば、様々な、誘電率(電磁的実施形態において)または密度、体積弾性率等のような音響特性(音響的実施形態において)を有する複数の不連続なサブ波長ボクセルとして形成されてもよい。いくつかの実施形態では、動作帯域幅について1未満の誘電率を含むために、メタマテリアルが利用されてもよい。
【0093】
図10Aは、共振器素子のサブセットのシステムのサブ部分又は低減された開口に入射放射線を集束させる回折構造1000を示す。
【0094】
図10Bは、一実施形態による、音響システム1015に音波をマッピングする音響回折構造1001が、音響共振器素子を備えていることを示す。いくつかの実施形態では、音響システム1015は、本明細書の他の実施形態と関連して記載されるように、音響共振器素子の複数のサブセットを含んでもよい。
【0095】
図10Cは、一実施形態による、音響回折集束器として機能する音響回折構造1001を示す。音響回折構造は、音響システム1015のサブ部分に音波を集束させてもよい。音響回折構造1001は、音響回折構造1015の有効開口に入射する音波を、音響システム1015上のより小さな有効開口に回折的に集束させるために、音響屈折率の3次元分布を有する音響透過構造として具体化されてもよい。
【0096】
音響回折構造1001は、本明細書で説明する音響システム1015以外の他の音響送信器、受信器、および/または送受信器とともに使用することができる。例えば、音響回折構造1001は、音響変換器または音響変換器の配列とともに使用されてもよい。音響回折構造1001は、少なくとも1つの変換器の音響受信面積に対応する、より小さな有効開口に音波を集束させてもよい。音響回折構造1001は、伝播のために少なくとも1つの変換器から、または本明細書に記載されるような音響システム1015から、音波を回折的に逆集束させてもよい。
【0097】
音響回折構造1001は、最小許容角と最大許容度との間で受信した入射音波を、より小さい有効開口に回折的に集束させてもよい。いくつかの実施形態では、最小許容角は、構造の有効開口に実質的に直交する(ゼロ度)。最大許容角は、ゼロ度と、
【0098】
【数4】
【0099】
として定義される理論的な最大許容角との間で定義される。
【0100】
Sは、構造の有効開口の面積であり、Σは、音響アンテナ素子の配列の有効開口の面積である。最大許容角は、理論的な最大許容角の約1/2であってもよい。いくつかの実施形態では、最大許容角は、理論的な最大許容角の約4分の1として設定されてもよい。
【0101】
音響屈折率の3次元分布は、音響屈折率の数値的に最適化された分布であってもよい。分布は、数値的に形状の最適化および/または数値的に厚さの最適化がなされてもよい。音響回折構造1001は、集束の一部として、および/または透過帯域幅を制御または変更するために、ある音波を部分的に反射してもよい。
【0102】
音響回折構造は、画像形成に使用されるような可聴周波数または超音波周波数に適合され、構成されてもよい。メタマテリアルは、さもなければ達成できない可能性のある動作帯域幅に対して有効な音響屈折率を達成するために利用されてもよい。いくつかの実施形態では、音響回折構造1001は、構造を形成するために複数のボクセルとして不連続な音響屈折率の分布を含んでもよい。
【0103】
エタンデュの概念は、回折集束器構造で達成できる集束を特徴付けるのに有用である。エタンデュは、受光、スループット、または集束力として知られているが、
【0104】
【数5】
【0105】
として微分して定義される。dSは、入射角θを有する立体角dΩ内の光を受光する屈折率nの媒質中の微小表面要素である。エタンデュは、本明細書に記載されるような回折システムを含む無損失システムにおいて保存される。散乱および吸収は、エタンデュを増加させることができるが、それを減少させない。理想的な集束は、エタンデュを可能な限り低く維持する。
【0106】
エタンデュの保存は、音響回折システムにおいて達成され得る最大集束係数に理論的限界を課す。音響回折構造1001の比較的大きな開口は、開口角2αの円錐内で放射線を受信するか、または送信する。すなわち、大きな開口は、許容角αを有する。基礎をなす電気音響変換器および/または音響システム1015は、開口角2βを有する円錐内で音波を送受信する比較的小さな開口で表現できる。このような実施形態では、大きな開口における放射線のエタンデュは、
【0107】
【数6】
【0108】
である。Sは、大きな開口の面積である。小さな開口における放射線のエタンデュは、
【0109】
【数7】
【0110】
である。Σは、小さな開口の面積である。エタンデュの保存
【0111】
【数8】
【0112】
は、以下の式3に記載される。
【0113】
【数9】
【0114】
・・・式3
式3において、Cは、音響回折構造(すなわち、音響集束器)の集束である。所定の許容角αに対して、集束は、βの最大値、すなわち90°に対して最大となる。従って、理論的な最大の集束は、
【0115】
【数10】
【0116】
である。あるいは、所定の集束係数Cに対して、理論的な最大許容角は、
【0117】
【数11】
【0118】
である。例えば、集束係数C=16は、理論的な最大許容角
【0119】
【数12】
【0120】
に対応する。
【0121】
図11Aは、共振器素子1110の一つのサブセットにそれぞれ関連付けられているされる容量性素子1120に物理刺激値を選択的に印加する制御装置1145を示す。印加された物理刺激値の各固有のパターンは、共振器素子1110の共振特性の固有のパターンに対応する。共振特性のそれぞれの所定のパターンは、自由空間1100と給電線1140との間の固有のビーム形状および/または操舵角に対応する。電磁的実施形態のための容量性素子1120が図示されているが、音響的実施形態では、変更可能な、密度、体積弾性率などを有する音響的に変更可能な素子が利用されてもよいことが理解される。
【0122】
物理刺激が電圧値を含むかどうかの実施形態では、数直線上で連続していない電圧値を選択的に選んで実現してもよい。しかし、熱の物理刺激、圧力、または機械的変形などの物理刺激の場合、物理刺激値を第1の値から最終値に掃引することが好ましく、またはより実現可能であり得る。
【0123】
図11Bは、(グラフ1190に示されるように)正規化された初期値0から正規化された最終値1への物理刺激値を掃引することによって、異なる操舵角で複数の固有のビームフォーム1195を生成するシステムの実施形態を示す。これは、幾つかの応用に適していてもよいが、1つ以上の物理刺激値を掃引することによって、システムが、ビームフォーム1195の任意の順序およびグラフの上方の操舵角とは対照的に、ビームフォームおよび/または操舵角の特定のパターンを生成するようなシステムを有することが望ましい場合がある。
【0124】
図11Cは、図11Aと関連して説明したように、共通容量性素子1120に接続された共振器素子1100のサブセットの電磁システムの上方に配置された回折構造1100を示す。回折構造100は、物理刺激値をビームフォームの目標とする配列(例えば、3次元空間のラスター走査またはビームフォームの他のパターン)に適合するビームフォームの配列に掃引することによって生成される任意のビームフォームを変更するために特別に選択された誘電率の体積分布を有してもよい。
【0125】
図11Bと関連して説明されるように、図11Dは、回折構造を使用して、正規化された初期値0から正規化された最終値1(グラフ1190に示されるように)への物理刺激値を確実に掃引するシステムの一例を示す。結果として、目標とする操舵角配列に適合するように目標とするビームフォーム1199のパターンを生じる。
【0126】
1つのタイプの放射(電磁または音響)に関連して本明細書で説明される特定の例は、他のタイプの放射に適合され得ることが理解される。本明細書で説明されるシステムは、データ通信、無線電力転送、画像形成、またはビームフォーミング音響または電磁エネルギーを利用する多種多様な代替応用のいずれかのために使用され得る。システムは、例えば、多入力多出力(MIMO)システムの一部であってもよい。
【0127】
多くの既存のコンピューティングデバイスおよびインフラストラクチャを、本明細書で説明するシステムおよび方法と組み合わせて使用してもよい。汎用コンピュータ、コンピュータプログラムツールおよび技術、デジタル記憶媒体、および通信リンクなど、本明細書で開示される実施形態で使用することができるインフラストラクチャのいくつかは、既に利用可能である。コンピューティングデバイスまたは制御装置は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、論理回路などのプロセッサを含んでもよい。
【0128】
プロセッサは、特定用途向集積回路(ASIC)、プログラマブルアレイロジック(PAL)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のカスタマイズ可能および/またはプログラマブルデバイスなどの専用処理装置を含んでもよい。コンピューティングデバイスはまた、不揮発性メモリ、スタティックRAM、ダイナミックRAM、ROM、CD-ROM、ディスク、テープ、磁気、光学、フラッシュメモリ、又は他の機械可読記憶媒体のような機械可読記憶装置を含んでもよい。特定の実施形態の様々な態様は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せを使用して具体化してもよい。
【0129】
本開示は、最良の形態を含む様々な例示的な実施形態を参照してなされた。しかし、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に変更および修正を加えることができることを認識するであろう。本開示の原理は、様々な実施形態において示されてきたが、構造、配置、比率、要素、材料、および構成要素の多くの修正は、本開示の原理および範囲から逸脱することなく、特定の環境および/または動作要件に適合させることができる。これらおよび他の変更または修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0130】
上記の説明では、開示を合理化する目的で、様々な特徴が、単一の例、図、またはそれらの説明に一緒にグループ化されることがある。しかしながら、この開示方法は、現在提示されているか又は将来提示される請求項が、当該請求項に明示的に記載されているものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の態様は、前述の任意の単一の開示された例のすべての特徴よりも少ない特徴の組み合わせにあることが理解される。特許請求の範囲は、本明細書によって、各請求項が別個の実施例としてそれ自体に基づく状態で、この詳細な説明に明確に組み込まれる。本開示は、独立請求項およびそれらの従属請求項のすべての置換および組み合わせを含む。
【0131】
本明細書に記載される主題の態様は、以下の番号付けされた条項に記載される。
【0132】
1. 同調可能な共振器素子の各サブセットは、共通の物理刺激によって変更可能な共通の共振特性を有する少なくとも2つの共振器素子を含む、基板上に配置される前記同調可能な共振器素子の複数の前記サブセットと、
前記同調可能な共振器素子の第1の前記サブセット内の全ての前記同調可能な共振器素子の共振特性を変更するための第1物理刺激を与えるための第1制御入力と、
前記第1制御入力を介して与えられる前記第1物理刺激を複数の前記物理刺激値の間で調節するための制御装置と、
を備え、
各異なる前記物理刺激値は、複数の固有の共振パターンおよび関連する固有の放射パターンのうちの1つに対応することを特徴とするビームフォーミングシステム。
【0133】
2. 前記共振器素子は、動作周波数において、サブ波長の素子間の間隔で1次元配列状にに配置される、条項1に記載のシステム。
【0134】
3. 前記共振器素子は、動作周波数において、サブ波長の素子間の間隔で2次元配列状に配置される、条項1に記載のシステム。
【0135】
4. 前記共振器要素の第1の前記サブセット内の各前記共振器素子は、前記第1制御入力の所定の物理刺激値に対して固有の共振を有する、条項1に記載のシステム。
【0136】
5. 前記共振器素子の各前記サブセットが、所定の前記物理刺激についての固有の共振に関連付けられ、前記共振器素子を有する所定の前記サブセット内の各前記共振器素子が、所定の前記物理刺激についての実質的に類似した共振を有する、条項1に記載のシステム。
【0137】
6. 前記固有の放射パターンのうちの少なくともいくつかは、動作周波数において線形的に独立である、条項1に記載のシステム。
【0138】
7. 前記物理刺激が、全ての前記共振器素子に印加される共通の前記物理刺激を含む、条項1に記載のシステム。
【0139】
8. 前記共振器素子の各前記サブセットのための固有の制御入力をさらに備え、前記制御装置は、前記共振器素子を有する各前記サブセットに固有の前記物理刺激を与えるように構成され、前記制御入力の数は、前記共振器素子の数の半分未満である、条項1に記載のシステム。
【0140】
9. 前記共振器素子の各前記サブセットは、複数の連続する前記共振器素子を備える、条項8に記載のシステム。
【0141】
10. 前記共振器素子の各前記サブセットは、前記共振器素子の列を備える、条項9に記載のシステム。
【0142】
11. 前記共振器素子の各前記サブセットは、前記共振器素子が六角形グループを含む、条項9に記載のシステム。
【0143】
12. 前記共振器素子の各前記サブセットは、前記共振器素子が方形グループを含む、条項9に記載のシステム。
【0144】
13. 前記共振器素子の各前記サブセットは、別の前記サブセットの一部である前記共振器素子の間に散在する複数の前記共振器素子を備える、条項8に記載のシステム。
【0145】
14. 前記第1物理刺激が、少なくとも1つの印加電圧を含む、条項1に記載のシステム。
【0146】
15. 少なくとも1つの前記印加電圧は、複数の前記共振器素子に直接印加されて、前記共振特性を変化させる、条項14に記載のシステム。
【0147】
16. 少なくとも1つの前記印加電圧は、前記共振器素子を有する第1の前記サブセット内の前記共振器素子の各々に連携する誘電材料の誘電率パラメータを変更して、前記共振特性を変化させる、条項15に記載のシステム。
【0148】
17. 少なくとも1つの前記印加電圧は、前記共振器素子を有する第1の前記サブセット内の全ての前記共振器素子に印加される単一で共通の電圧を含む、条項15に記載のシステム。
【0149】
18. 複数の印加電圧値の各々は、固有の放射パターンに対応する、条項17に記載のシステム。
【0150】
19. 前記制御装置は、一連の電圧値を印加して、対応する一連の放射パターンを生成するように構成される、条項18項に記載のシステム。
【0151】
20. 前記一連の放射パターンは、目標とする符号化開口による画像形成のために選択される、条項19に記載のシステム。
【0152】
21. 前記一連の放射パターンは、曲線パターン、螺旋パターン、ジグザグパターン、および目標とする領域のラスター走査のうちの1つに対応するように選択される、条項19に記載のシステム。
【0153】
22. 前記一連の放射パターンは、隣接する放射パターンに重なる前記固有の放射パターンのそれぞれと連続している、条項19に記載のシステム。
【0154】
23. 前記一連の放射パターンは、非連続である、条項19に記載のシステム。
【0155】
24. 前記一連の放射パターンは、ユーザ指定の2次元ビーム操舵に対応するように選択される、条項19に記載のシステム。
【0156】
25. 少なくとも1つの前記印加電圧は、前記共振器素子の各前記サブセットに印加される固有の電圧を含む、条項15に記載のシステム。
【0157】
26. 第1の前記物理刺激は、少なくとも1つの印加電流である、条項1に記載のシステム。
【0158】
27. 前記共振器素子のそれぞれは、第1の導電層と第2の導電層との間に機械的に変形可能な材料を有するコンデンサと連携されている、条項1に記載のシステム。
【0159】
28. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれに連携するキャパシタンスパラメータを変更して、前記共振特性を変更するために、前記機械的に変形可能な材料の寸法を変更する機械的動作として、前記第1物理刺激を与えるための少なくとも1つのアクチュエータを備える、第27項に記載のシステム。
【0160】
29. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれに連携するキャパシタンスパラメータを変更して、前記共振特性を変更するために、前記機械的に変形可能な材料の誘電率を変更する少なくとも1つのアクチュエータを備える、第27項に記載のシステム。
【0161】
30. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれに連携するキャパシタンスパラメータを変更して、前記共振特性を変更するために、前記機械的に変形可能な材料の寸法を変更する少なくとも1つの電気入力を備える、第27項に記載のシステム。
【0162】
31. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれに連携するキャパシタンスパラメータを変更して、前記共振特性を変更するために、前記機械的に変形可能な材料の誘電率を変更する少なくとも1つの電気入力信号を備える、第27項に記載のシステム。
【0163】
32. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子に、調節可能な電気バイアスとして前記物理刺激を与える、条項1に記載のシステム。
【0164】
33. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子に印加される磁界の形態で物理刺激を与える、条項1に記載のシステム。
【0165】
34. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の各共振器素子の少なくとも一部に機械的変形を加える、条項1に記載のシステム。
【0166】
35. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の1つ以上の前記共振器素子のうちの一つの素子の機械的変形を引き起こして、前記共振特性を変化させるために、少なくとも1つの変換器を備える、条項1に記載のシステム。
【0167】
36. 前記少なくとも1つの変換器は、少なくとも動作周波数よりも高い大きさの周波数で前記機械的変形を引き起こす、条項35に記載のシステム。
【0168】
37. 前記少なくとも1つの変換器は、メガヘルツ(MHz)フレームレートで前記機械的変形を引き起こす、条項35に記載のシステム。
【0169】
38. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれの構成要素を機械的に調節して、前記共振特性を変更するために、少なくとも1つの機械的アクチュエータを備える、条項1に記載のシステム。
【0170】
39. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれに連携されるキャパシタンスを変更するために、物理刺激を与える、条項1に記載のシステム。
【0171】
40. 前記基板は、容量性基板を備え、前記第1制御入力は、前記基板のキャパシタンスを変更するために、前記物理刺激を与える、条項1に記載のシステム。
【0172】
41. 前記第1制御入力は、電気入力、熱入力、機械的入力、および超音波入力のうちの1つ以上を介して、前記基板の前記キャパシタンスを変更するために、前記物理刺激を与える、条項40に記載のシステム。
【0173】
42. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれに連携されるキャパシタンスを変更するために、前記第1物理刺激を与える、条項1に記載のシステム。
【0174】
43. 前記キャパシタンスに対する前記変更は、前記共振器素子を有する第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれに連携される複数のコンデンサのそれぞれの荷電プレートの間の物理的間隙に対する変更を含む、条項42に記載のシステム。
【0175】
44. 各コンデンサの前記荷電プレートの間の前記物理的間隙は、変形可能な材料を含む、条項43に記載のシステム。
【0176】
45. 前記キャパシタンスに対する前記変更は、電気入力、熱入力、超音波入力、および機械的入力のうちの1つ以上を介して前記変形可能な材料を変形させることを含む、条項44に記載のシステム。
【0177】
46. 前記キャパシタンスに対する前記変更は、前記コンデンサへの熱的変更を介して達成される、条項42に記載のシステム。
【0178】
47. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子に加えられる均一な圧縮力を通して、前記共振器素子の機械的変形を生じさせるために、前記物理刺激を与える、条項1に記載のシステム。
【0179】
48. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子に加えられる不均一な力を通して、前記共振器素子の機械的変形を生じさせるために、前記第1物理刺激を与える、条項1に記載のシステム。
【0180】
49. 複数の前記物理刺激値のそれぞれと前記固有の放射パターンとの間での早見表による写像を記憶するコンピュータ可読記憶媒体をさらに備える、条項1に記載のシステム。
【0181】
50. 前記共振器素子は、前記基板上に2次元配列状に配置される、条項1に記載のシステム。
【0182】
51. 前記共振器素子は、前記基板上に行および列で配置される、条項1に記載のシステム。
【0183】
52. 前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれは、前記第1物理刺激に応答する単一の同調可能な素子と関連付けられ、前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれの調整可能な素子に接続されたバイアス線のインターリーブ格子を含む、条項51に記載のシステム。
【0184】
53. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の各行および前記共振器素子の各列に対して、少なくとも1つの独立した前記物理刺激を備える、条項51に記載のシステム。
【0185】
54. 前記第1制御入力は、少なくとも1つの調節可能な移相器を備える、条項53に記載のシステム。
【0186】
55. 前記少なくとも1つの調節可能な移相器は、連続的に調節可能な移相器である、条項54に記載のシステム。
【0187】
56. 前記少なくとも1つの調節可能な移相器は、不連続で有限な一組の位相シフトレベルを有する移相器を含む、条項54に記載のシステム。
【0188】
57. 前記少なくとも1つの調節可能な移相器は、正確に2つの不連続な位相シフトレベルを有する移相器である、条項54に記載のシステム。
【0189】
58. 前記調節可能な移相器の前記2つの不連続な位相シフトレベルは、互いに180度位相がずれている、条項57に記載のシステム。
【0190】
59. 前記調節可能な移相器の前記2つの不連続な位相シフトレベルは、前記移相器の前記共振周波数を前記動作周波数の下方または上方のいずれかになるように調節することによって達成される、条項57に記載のシステム。
【0191】
60. 前記共振器素子は、前記基板上に同心リング状に配置される、条項1に記載のシステム。
【0192】
61. 前記共振器素子は、前記基板上にランダムに配置される、条項1に記載のシステム。
【0193】
62. 前記共振器素子は、超音波マイクロ共振器として機能するマイクロ粒子を含む、条項61に記載のシステム。
【0194】
63. 前記共振器素子は、RFナノ共振器として機能するナノ粒子を含む、条項61に記載のシステム。
【0195】
64. 前記ナノ粒子がナノキューブを含む、条項63に記載のシステム。
【0196】
65. 前記共振器素子が、光ナノ共振器として機能するプラズモンナノ粒子を含む、条項61に記載のシステム。
【0197】
66. 前記基板が金属層を含む、条項65に記載のシステム。
【0198】
67. 前記共振器素子は、化学的に成長される、条項65に記載のシステム。
【0199】
68. 前記共振器素子は、変形可能な基板上にランダムに配置されたナノキューブであり、前記基板の変形が、各前記ナノキューブの前記共振特性を変更する、条項1に記載のシステム。
【0200】
69. 前記ナノキューブは、前記変形可能な基板上に化学的に成長される、条項68に記載のシステム。
【0201】
70. 前記共振器素子は、ナノリソグラフィーにより作製される、条項1に記載のシステム。
【0202】
71. 前記共振素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子の変更された前記共振特性は、共振周波数である、条項1に記載のシステム。
【0203】
72. 前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子の変更された前記共振特性は、共振強度である、条項1に記載のシステム。
【0204】
73. 前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子の変更された前記共振特性は、共振減衰率である、条項1に記載のシステム。
【0205】
74. 前記共振器素子は、ローレンツ共振器である、条項1に記載のシステム。
【0206】
75. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記ローレンツ共振器の共振減衰率、共振強度、および共振周波数のうちの少なくとも1つを変化させるために、前記第1物理刺激を与える、条項74に記載のシステム。
【0207】
76. 前記第1制御入力は、前記共振器素子のを有する第1の前記サブセット内のすべてのローレンツ共振器の1つの共振特性をそれぞれ制御する3つの独立したサブ入力を備える、条項74に記載のシステム。
【0208】
77. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記ローレンツ共振器のうちの1つ以上で前記共振周波数を選択的に変更するために、前記第1物理刺激を与え、
独立した第2制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記ローレンツ共振器のうちの1つ以上で共振減衰率を選択的に変更するために、第2物理刺激を与え、
独立した第3制御入力が、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記ローレンツ共振器のうちの1つ以上で共振強度を選択的に変更するために第3物理刺激を与える、条項76に記載のシステム。
【0209】
78. 前記第1物理刺激は、前記共振器素子のそれぞれに連携されるリアクタンス負荷パラメータを変更する、条項1に記載のシステム。
【0210】
79. 複数の前記共振器素子は、電磁共振を有するアンテナ素子である、条項1に記載のシステム。
【0211】
80. 隣接する前記共振器素子間の間隔が、動作周波数帯域内の最小波長の半分未満である、条項79記載のシステム。
【0212】
81. 前記動作周波数帯域は、可視スペクトルの少なくとも一部を含む周波数帯域である、条項80に記載のシステム。
【0213】
82. 前記動作周波数帯域は、赤外周波数帯域である、条項80に記載のシステム。
【0214】
83. 前記動作周波数帯域は、近赤外周波数帯域、中赤外周波数帯域、および遠赤外周波数帯域のうちの少なくとも1つの少なくとも一部である、条項82に記載のシステム。
【0215】
84. 前記動作周波数帯域は、マイクロ波周波数帯域である、条項80に記載のシステム。
【0216】
85. 前記動作周波数帯域は、約300GHzから3000GHzの間の周波数を有するテラヘルツ(THz)周波数帯域の少なくとも一部である、条項80に記載のシステム。
【0217】
86. 前記動作周波数帯は、RF周波数帯域である、条項80に記載のシステム。
【0218】
87. 前記RF共振器素子は、前記基板上にランダムに配置される、条項86に記載のシステム。
【0219】
88. 前記RF共振器素子は、体系化された2次元配列状に配置される、条項86に記載のシステム。
【0220】
89. 前記動作周波数帯域は、約40GHzから300GHzの間の周波数を有するミリメートル(mm)周波数帯域の少なくとも一部である、条項80に記載のシステム。
【0221】
90. 前記制御装置は、前記第1物理刺激を選択的に調節して、ミリ波(mmW)の画像形成を行う、条項89に記載のシステム。
【0222】
91. 前記動作周波数帯域は、光動作周波数帯域であり、前記共振器素子は、光共振器素子である、条項80に記載のシステム。
【0223】
92. 前記光共振器素子は、前記基板上にランダムに配置される、条項91に記載のシステム。
【0224】
93. 前記光共振器素子は、体系化された2次元配列状に配置される、条項91に記載のシステム。
【0225】
94. 前記光共振器素子は、プラズモン光共振器である、条項91に記載のシステム。
【0226】
95. 前記光共振器素子は、半導体ベースの光共振器である、条項91に記載のシステム。
【0227】
96. 前記光共振器素子は、誘電体光共振器である、条項91に記載のシステム。
【0228】
97. 前記光共振器素子のそれぞれは、不連続な共振-同調可能な電気活性光学媒体に結合される、条項91に記載のシステム。
【0229】
98. 前記光共振器素子のそれぞれは、共通の共振-同調可能な電気活性光学媒体に結合される、条項91に記載のシステム。
【0230】
99. 前記共通の共振-同調可能な電気活性光学媒体は、単一の調節可能な制御入力を介して同調可能な液晶である、条項98に記載のシステム。
【0231】
100. 前記共通の共振-同調可能な電気活性光学媒体は、単一の調節可能な制御入力を介して同調可能な電気活性ポリマーである、条項98に記載のシステム。
【0232】
101. 前記共通の共振-同調可能な電気活性光媒体は、単一の調節可能な制御入力を介して同調可能な半導体-金属接合を備える、条項98に記載のシステム。
【0233】
102. 前記共通の共振-同調可能な電気活性光媒体は、単一の調節可能な制御入力を介して同調可能な半導体-半導体接合を備える、請求項98に記載のシステム。
【0234】
103. 前記光共振器素子を有するサブセットのそれぞれは、共通の共振-同調可能な電気活性光学媒体に結合される、条項91に記載のシステム。
【0235】
104. 前記共振器素子は、音響共振を有する素子である、条項1に記載のシステム。
【0236】
105. 前記共振器素子は、超音波音響共振を有する、条項104に記載のシステム。
【0237】
106. 前記第1物理刺激は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれに連携される音響媒体の体積弾性率を変更して、前記共振特性を変更する、条項104に記載のシステム。
【0238】
107. 前記第1物理刺激は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれに連携する音響媒体の剛性率を変更して、前記共振特性を変更する、条項104に記載のシステム。
【0239】
108. 前記第1物理刺激は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれに連携される音響媒体の密度を変更して、前記共振特性を変更する、条項104に記載のシステム。
【0240】
109. 前記第1物理刺激は、電気入力、熱入力、機械的入力、および超音波入力のうちの少なくとも1つである、条項104に記載のシステム。
【0241】
110. 前記第1物理刺激は、単一の電気入力であり、前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子のそれぞれのキャパシタンス、インダクタンス、および誘電率のうちの1つを変更する、条項109に記載のシステム。
【0242】
111. 前記第1制御入力は、前記共振器素子の第1の前記サブセット内のすべての前記共振器素子の前記物理的パラメータを変更して、前記共振特性を変更するために、前記基板の機械的変形および音響的変形のうちの少なくとも1つを与える、条項104に記載のシステム。
【0243】
112. 前記第1制御入力は、少なくとも1つの音響変換器によって与えられる、条項104に記載のシステム。
【0244】
113. 前記共振器素子は、異方性メタマテリアルの一部を形成する、条項104に記載のシステム。
【0245】
114. 前記第1制御入力は、前記異方性メタマテリアルのテンソル特性を選択的に変更して、前記異方性メタマテリアルと連携される前記共振器素子の第1の前記サブセット内の前記共振器素子の前記共振特性を変更するために、前記物理刺激を与える、条項113に記載のシステム。
【0246】
115. 前記制御装置は、前記第1制御入力を調節して、様々な時間間隔で前記第1物理刺激を選択的に与えることによって、符号化開口の検知を行うように構成される、条項1に記載のシステム。
【0247】
116. 前記第1制御入力は、電圧バイアスを含み、前記制御装置は、第1電圧と第2電圧との間を前記電圧バイアスを掃引することによって符号化された開口をように構成される、条項1に記載のシステム。
【0248】
117. 開始電圧と停止電圧の間で電圧バイアスを掃引することは、前記第1電圧と前記第2電圧の間で連続なアナログ電圧を掃引することを含む、条項116に記載のシステム。
【0249】
118. 開始電圧と停止電圧の間で電圧バイアスを掃引することは、前記第1電圧と前記第2電圧の間で不連続な電圧値のステッピングを含む、条項116に記載のシステム。
【0250】
119. 前記第1制御入力は、電圧バイアスを含み、前記制御装置は、第1電圧と第2電圧の間で前記電圧バイアスを掃引することによってビームシーケンス生成器を実現するように構成される、条項1に記載のシステム。
【0251】
120. 開始電圧と停止電圧の間で電圧バイアスを掃引することは、前記第1電圧と前記第2電圧の間で連続したアナログ電圧を掃引することを含む、条項119に記載のシステム。
【0252】
121. 開始電圧と停止電圧の間で電圧バイアスを掃引することは、前記第1電圧と前記第2電圧の間で不連続な電圧値のステッピングを含む、条項119に記載のシステム。
【0253】
122. 開始電圧と停止電圧の間で電圧バイアスを掃引することにより、空間的で非連続的な一連のビームが生じる、条項119に記載のシステム。
【0254】
123. 前記基板上に配置された前記共振器素子の2次元面積よりも大きい開口を有する回折構造をさらに含み、前記回折構造は、入射放射線を前記共振器素子の前記2次元面積の少なくとも一部に回折的に集束させるように構成され、前記回折構造は、サブ波長の特徴の3次元分布を含む、条項1に記載のシステム。
【0255】
124. ゼロと
【0256】
【数13】
【0257】
によって与えられる理論的な最大許容角の間の角度からの入射放射線が、前記共振器素子の少なくともいくつかに回折的に集束され、Sは、前記回折構造の開口の面積であり、Σは、前記共振器素子の少なくとも一部の2次元面積である、、条項123に記載のシステム。
【0258】
125. 前記理論的な最大許容角の約半分の間の角度から受信した入射放射線が、少なくともいくつかの前記共振器素子上に回折的に集束される、条項124に記載のシステム。
【0259】
126. 前記共振器素子によって送信される放射線は、ゼロと前記理論的な最大許容角の間の伝搬角度において、前記回折構造によって回折される、条項123に記載のシステム。
【0260】
127. 前記サブ波長の特徴の3次元分布が、サブ波長の特徴の数値的に最適化された分布である、条項123に記載のシステム。
【0261】
128. 前記回折構造が反射構造である、条項123に記載のシステム。
【0262】
129. 前記回折構造が透過構造である、条項123に記載のシステム。
【0263】
130. 前記回折構造がメタマテリアル構造である、条項123に記載のシステム。
【0264】
131. 前記共振器素子の前記固有の放射パターンと、目標とする一組の放射パターンとの間で放射線を変換する定在波のプリコーダをさらに備える、条項1に記載のシステム。
【0265】
132. 前記放射線が電磁放射線を含む、条項131に記載のシステム。
【0266】
133. 前記放射線が音響放射線を含む、条項131に記載のシステム。
【0267】
134. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間で変換するための有効屈折率の分布を含む、条項131に記載のシステム。
【0268】
135. 前記静的プリコーダは、散乱素子の分布を含む、条項131に記載のシステム。
【0269】
136. 前記静的プリコーダは、前記共振器素子の前記固有の放射パターンのそれぞれと前記目標とする一組の放射パターンのそれぞれとの間を1:1ベースで変換する線形プリコーダを備える、条項131に記載のシステム。
【0270】
137. 前記静的プリコーダは、メタマテリアル素子の体積分布である、条項131に記載のシステム。
【0271】
138. 誘電率は、前記目標とする放射パターンを達成するために、前記固有の放射線パターンに基づいてメタマテリアル素子の体積分布のために選択される、条項137に記載のシステム。
【0272】
139. 誘電率は、前記固有の放射パターンの測定に基づいて選択される、条項138に記載のシステム。
【0273】
140. 前記静的プリコーダは、入射電磁放射線をより小さな開口に回折的に集束させるようにさらに機能する、条項131に記載のシステム。
【0274】
141. 前記入射電磁放射線は、ゼロから最大許容角の間の角度で受信され、前記共振器素子の物理的領域に対応するより小さな開口に回折的に集束される、条項140に記載のシステム。
【0275】
142. 前記最大許容角は、
【0276】
【数14】
【0277】
と定義される理論的な最大値の分数であり、Sは、前記静的プリコーダの有効な前記開口の面積であり、Σは、前記共振器素子の前記2次元面積である、条項141に記載のシステム。
【0278】
143. 前記回折構造は、反射構造を含む、条項140に記載のシステム。
【0279】
144. 前記回折構造は、透過構造を含む、条項140に記載のシステム。
【0280】
145. 前記回折構造がメタマテリアル構造を含む、条項140に記載のシステム。
【0281】
146. 前記共振器素子の前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間で音波を変換する静的プリコーダをさらに備える、条項1に記載のシステム。
【0282】
147. 前記静的プリコーダおよび前記共振器素子は、可聴音響周波数帯域内で動作するように構成される、条項146に記載のシステム。
【0283】
148. 前記静的プリコーダおよび前記共振器素子は、可聴音響周波数帯域を含む帯域内で動作するように構成される、条項146に記載のシステム。
【0284】
149. 前記静的プリコーダおよび前記共振器素子は、超音波周波数帯域内で動作するように構成される、条項146に記載のシステム。
【0285】
150. 前記静的プリコーダおよび前記共振器素子は、医用画像形成のために超音波周波数帯域内で動作するように構成される、条項146に記載のシステム。
【0286】
151. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間で変換するために、様々な密度を有する材料の分布である、条項146に記載のシステム。
【0287】
152. 前記静的プリコーダは、空間位置と前記共振器素子のサブセットとの間の音響多入力多出力(MIMO)のため、前記固有の放射パターンと、前記目標とする一組の放射パターンとの間で変換するために、様々な密度を有する材料の分布である、条項146に記載のシステム。
【0288】
153. 受信した音波を3次元で局在化させるために、前記共振器素子のサブセットへの目標とする視野を有する複数の空間位置のそれぞれからの音波である、条項152に記載のシステム。
【0289】
154. 前記共振器素子の前記サブセットのそれぞれは、1次元配列状に複数の共振器素子を備える、条項152に記載のシステム。
【0290】
155. 前記共振器素子の前記サブセットのそれぞれは、2次元配列状に複数の共振器素子を備える、条項152に記載のシステム。
【0291】
156. 前記共振器素子の前記サブセットのそれぞれは、前記基板上にある前記共振器素子の2次元配列内の非周期的分布状に複数の前記共振器素子を備える、条項152に記載のシステム。
【0292】
157. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射パターンと、入射角と前記共振器素子の前記サブセットとの間の音響多入力多出力(MIMO)のため、前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間で変換するために、様々な音響応答を有する材料の分布、条項146に記載のシステム。
【0293】
158. 前記共振器素子の前記サブセットのそれぞれは、1次元配列状に複数の前記共振器素子を備える、条項157に記載のシステム。
【0294】
159. 前記共振器素子の前記サブセットのそれぞれは、2次元配列状に複数の前記共振器素子を備える、条項157に記載のシステム。
【0295】
160. 前記共振器素子の前記サブセットのそれぞれは、前記基板上にある前記共振器素子の2次元配列内の非周期的分布状にある複数の前記共振器素子を備える、条項157に記載のシステム。
【0296】
161. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間で変換するために、様々な密度を有する材料の分布である、条項146に記載のシステム。
【0297】
162. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間で変換するために、様々な体積弾性率を有する材料の分布を含む、条項146に記載のシステム。
【0298】
163. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間で変換するために、様々な剛性率を有する材料の分布である、条項146に記載のシステム。
【0299】
164. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射パターンと前記目標とする一対の放射パターンとの間で変換するために、選択された、密度、体積弾性率、および剛性率を有する材料の分布である、条項146に記載のシステム。
【0300】
165. 前記静的プリコーダは、前記共振器素子の前記固有の放射パターンのそれぞれと前記目標とする一組の放射パターンのそれぞれとの間を1:1ベースで変換する線形プリコーダである、条項146に記載のシステム。
【0301】
166. 前記静的プリコーダは、メタマテリアル素子の体積分布を含む、条項146に記載のシステム。
【0302】
167. 誘電率が、前記目標とする放射パターンを達成するために、前記固有の放射線パターンに基づいてメタマテリアル素子の体積分布のために選択される、条項166に記載のシステム。
【0303】
168. 誘電率が、前記固有の放射パターンの測定に基づいて選択される、条項167に記載のシステム。
【0304】
169. それぞれ固有の位相-トグルバイアス範囲を下回るバイアス電圧において第1の位相で動作し、
それぞれ固有の位相-トグルバイアス範囲を上回るバイアス電圧において第2の位相で動作する、
それぞれが固有の位相トグル-バイアス範囲を有するように構成された複数の共振器と、
調節可能なバイアス電圧を印加するための電圧バイアス入力と、
印加されたバイアス電圧がそれぞれの固有の位相-トグルバイアス範囲を下回ることにより前記第1の位相で動作する共振器と、印加されたバイアス電圧がそれぞれの固有の位相-トグルバイアス範囲を上回ることにより前記第2の位相で動作する共振器との組み合わせを選択するために、電圧バイアス制御によって印加されるバイアス電圧を調節する制御装置と、
を備え、
前記第1の位相および前記第2の位相で動作する共振器の組み合わせのそれぞれは、前記共振器の固有の放射パターンに対応することを特徴とするシステム。
【0305】
170. 前記共振器は、音響共振器を含む、条項169に記載のシステム。
【0306】
171. 前記共振器は、電磁共振器を含む、条項169に記載のシステム。
【0307】
172. 前記共振器は、放射線を受信する受信モードで動作するように構成される、条項169に記載のシステム。
【0308】
173. 前記共振器は、放射を送信するために送信モードで動作するように構成される、条項169に記載のシステム。
【0309】
174. 前記共振器は、放射線を選択的に送受信するために送受信モードで動作するように構成される、条項169に記載のシステム。
【0310】
175. 前記第1の位相および前記第2の位相は、位相が180度ずれている、条項169に記載のシステム。
【0311】
176. 前記制御装置は、第1のバイアス電圧値と第2のバイアス電圧値との間で不連続なステップで電圧バイアスを調節する、条項169に記載のシステム。
【0312】
177. 前記不連続なステップのそれぞれの間の電圧は、前記音響共振器のQ値に対応する、条項176に記載のシステム。
【0313】
178. すべての前記共振器は、前記第1のバイアス電圧で共振し、前記すべての共振器は、前記第2のバイアス電圧で共振し、前記不連続なステップで、前記第1のバイアス電圧値から前記第2のバイアス電圧まで、前記バイアス電圧を掃引することは、各共振器を、前記第1の位相での共振から、前記第2の位相での共振へと順次変化させる、条項177に記載のシステム。
【0314】
179. 前記固有の放射パターンのうちの少なくともいくつかは、線形的に独立である、条項169に記載のシステム。
【0315】
180. 前記制御装置は、音響符号化開口による画像形成のための一連の放射パターンを選択するように動作する、条項169に記載のシステム。
【0316】
181. 前記制御装置は、曲線パターン、螺旋パターン、ジグザグパターン、および目標とする領域のラスター走査のうちの1つに対応する一連の放射パターンを選択するように動作する、条項169に記載のシステム。
【0317】
182. 前記制御装置は、隣接する放射パターンに重なる前記固有の放射パターンのそれぞれを有する連続する一連の放射パターンを選択するように動作する、条項169に記載のシステム。
【0318】
183. 前記制御装置は、非連続的である一連の放射パターンを選択するように動作する、条項169に記載のシステム。
【0319】
184. 前記制御装置は、ユーザ指定の2次元ビーム操舵に対応する一連の放射パターンを選択するように動作する、条項169に記載のシステム。
【0320】
185. 各バイアス電圧値と前記固有の放射パターンとの間で早見表によるマッピングを記憶するコンピュータ可読記憶媒体をさらに含む、条項169に記載のシステム。
【0321】
186. 前記共振器は、基板上に配置される、条項169に記載のシステム。
【0322】
187. 前記共振器は、2次元配列状に配置される、条項169に記載のシステム。
【0323】
188. 前記共振器は、行および列で配置される、条項169に記載のシステム。
【0324】
189. 前記共振器は、同心リング状に配置される、条項169に記載のシステム。
【0325】
190. 前記共振器は、基板上にランダムに配置される、条項169に記載のシステム。
【0326】
191. 前記共振器がナノリソグラフィックで作製される、条項169に記載のシステム。
【0327】
192. 前記共振器は、超音波音響共振器を含む、条項169に記載のシステム。
【0328】
193. 前記バイアス電圧は、前記音響共振器と関連する音響媒体の体積弾性率を変更する、条項169に記載のシステム。
【0329】
194. 前記バイアス電圧は、前記音響共振器に関連する音響媒体の剛性率を変更する、条項169に記載のシステム。
【0330】
195. 前記バイアス電圧は、前記音響共振器に関連する音響媒体の密度を変更する、条項169に記載のシステム。
【0331】
196. 前記バイアス電圧は、前記音響共振器に関連する基板の機械的変形を引き起こす、条項169に記載のシステム。
【0332】
197. 前記バイアス電圧は、音響変換器の出力を制御する、条項169に記載のシステム。
【0333】
198. 前記音響変換器は、異方性メタマテリアルに関連する、条項169に記載のシステム。
【0334】
199. 前記バイアス電圧は、前記異方性メタマテリアルのテンソル特性を調節する、条項198に記載のシステム。
【0335】
200. 前記制御装置は、前記電圧バイアスを第1電圧と第2電圧との間で掃引することによって、ビームシーケンス生成器を実現するように構成される、条項169に記載のシステム。
【0336】
201. 開始電圧と停止電圧との間で電圧バイアスを掃引することは、前記第1電圧と前記第2電圧との間の連続的なアナログ電圧掃引を含む、条項200に記載のシステム。
【0337】
202. 開始電圧と停止電圧との間で電圧バイアスを掃引することは、前記第1電圧と前記第2電圧との間の電圧値の不連続なステッピングである、条項200に記載のシステム。
【0338】
203. 開始電圧と停止電圧との間で電圧バイアスを掃引することにより、空間的で非連続的な一連のビームがもたらされる、条項200に記載のシステム。
【0339】
204. 複数の前記音響共振器の2次元面積よりも大きな開口を有する回折構造をさらに備え、前記回折構造は、複数の前記共振器の2次元面積の少なくとも一部に入射波を回折的に集束させるように構成され、前記回折構造は、サブ波長の特徴の3次元分布を含む、条項169に記載のシステム。
【0340】
205. ゼロと
【0341】
【数15】
【0342】
によって与えられる理論的な最大許容角との間の角度からの入射波が、複数の前記共振器の少なくともいくつかに回折的に集束され、Sは、回折構造の開口の面積であり、Σは、複数の前記共振器の少なくとも一部の2次元面積である、条項204に記載のシステム。
【0343】
206. 前記理論的な最大許容角の約4分の1の間の角度から受信された入射波が、複数の前記共振器のうちの少なくともいくつかに回折的に集束される、条項205に記載のシステム。
【0344】
207. 前記理論的な最大許容角の約3分の1の間の角度から受信された入射波が、前記複数の共振器のうちの少なくともいくつかに回折的に集束される、条項205に記載のシステム。
【0345】
208. 前記共振器によって送信される波は、ゼロと前記理論的な最大許容角との間の伝搬角度において、前記回折構造によって回折される、条項205に記載のシステム。
【0346】
209. 前記理論的な最大許容角の約4分の3の間の角度から受信された入射波が、複数の前記共振器のうちの少なくともいくつかに回折的に集束される、条項205に記載のシステム。
【0347】
210. サブ波長の特徴の3次元分布は、サブ波長の特徴の数値的に最適化された分布である、条項204に記載のシステム。
【0348】
211. 前記回折構造は、可聴波長および超音波波長のうちの1つ以上を包含する動作帯域幅内で音波を集束させる、条項204に記載のシステム。
【0349】
212. 前記回折構造は、反射構造である、条項204記載のシステム。
【0350】
213. 前記回折構造は、透過構造である、条項204に記載のシステム。
【0351】
214. 前記回折構造は、メタマテリアル構造である、条項204記載のシステム。
【0352】
215. 前記回折構造は、選択された、密度、体積弾性率特性、および剛性率特性を有する材料の分布を有する音響材料の分布を含む、条項204に記載のシステム。
【0353】
216. 前記音響共振器の前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間で音波を変換する静的プリコーダをさらに含む、条項169に記載のシステム。
【0354】
217. 前記静的プリコーダおよび前記音響共振器は、可聴音響周波数帯域内で動作するように構成される、条項216に記載のシステム。
【0355】
218. 前記静的プリコーダおよび前記音響共振器は、可聴音響周波数帯域を含む帯域内で動作するように構成される、条項216に記載のシステム。
【0356】
219. 前記静的プリコーダおよび前記音響共振器は、超音波周波数帯域内で動作するように構成される、条項216に記載のシステム。
【0357】
220. 前記静的プリコーダおよび前記音響共振器は、医用画像形成のために超音波周波数帯域内で動作するように構成される、条項216に記載のシステム。
【0358】
221. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射線パターンと前記目標とする一対の放射線パターンの間で変換するために、様々な密度を有する材料の分布である、第216項に記載のシステム。
【0359】
222. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射パターンと、空間位置と前記音響共振器の前記サブセットとの間の音響多入力多出力(MIMO)のため前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間を変換するために、様々な密度を有する材料の分布である、条項216に記載のシステム。
【0360】
223. 受信された音波を3次元で局在化させるために、前記音響共振器を有する前記サブセットへの目標とする視野を有する複数の空間位置のそれぞれからの音波である、条項222に記載のシステム。
【0361】
224. 前記共振器素子の前記サブセットのそれぞれは、1次元配列状に複数の音響共振器を備える、条項222に記載のシステム。
【0362】
225. 前記共振器素子の前記サブセットのそれぞれは、2次元配列状に複数の音響共振器を備える、条項222に記載のシステム。
【0363】
226. 前記共振器素子の前記サブセットのそれぞれは、前記基板上に音響共振器の2次元配列内の非周期的分布状に複数の共振器素子を含む、条項222に記載のシステム。
【0364】
227. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射パターンと、入射角と前記音響共振器を有する前記サブセットとの間の音響多入力多出力(MIMO)のため、の前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間を変換するために、様々な音響応答を有する材料の分布を備える、条項216に記載のアンテナシステム。
【0365】
228. 前記音響共振器の前記サブセットのそれぞれは、1次元配列状に複数の前記音響共振器を備える、条項227に記載のシステム。
【0366】
229. 前記音響共振器の前記サブセットのそれぞれは、2次元配列状に複数の前記音響共振器を備える、条項227に記載のシステム。
【0367】
230. 前記音響共振器の前記サブセットのそれぞれは、基板上に前記音響共振器の2次元配列内の非周期的分布状に複数の前記音響共振器を備える、条項227に記載のシステム。
【0368】
231. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射線パターンと前記目標とする一組の放射線パターンとの間で変換するために、様々な密度を有する材料の分布を含む、条項216に記載のシステム。
【0369】
232. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間で変換するために、様々な体積弾性率を有する材料の分布を含む、条項216に記載のシステム。
【0370】
233. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射パターンと前記目標とする一組の放射パターンとの間で変換するために、様々な剛性率を有する材料の分布を含む、条項216に記載のシステム。
【0371】
234. 前記静的プリコーダは、前記固有の放射線パターンと前記目標とする一組の放射線パターンとの間で変換するために、選択された、密度、体積弾性率、および剛性率を有する材料の分布を有する材料の分布を含む、、条項216に記載のシステム。
【0372】
235. 前記静的プリコーダは、前記音響共振器の前記固有の放射パターンのそれぞれと前記目標とする一組の放射パターンのそれぞれとの間を1:1ベースで変換する線形プリコーダを備える、第216項に記載のシステム。
【0373】
236. 前記静的プリコーダは、メタマテリアル素子の体積分布を含む、条項216に記載のシステム。
【0374】
237. 前記静的プリコーダは、前記静的プリコーダの表面に入射する音波をより小さな開口に回折的に集束させるようにさらに機能する、条項216に記載のシステム。
【0375】
238. より小さな前記開口は、複数の前記音響共振器の寸法に対応する、条項237に記載のシステム。
【0376】
239. 位相-トグル閾値範囲を下回る刺激入力で第1の位相で動作し、

それぞれが固有の位相-トグル閾値範囲を有するように構成された複数の共振器と、
調節可能な物理刺激を前記共振器に印加するための制御入力と、
印加された物理刺激がそれぞれの固有の位相-トグル閾値範囲を下回ることにより前記第1の位相で動作する共振器と、印加された物理刺激がそれぞれの固有の位相-トグル閾値範囲を上回ることにより前記第2の位相で動作する共振器との組合せを選択するために前記物理刺激の大きさを調節する制御装置と、
を備え、
前記第1の位相および前記第2の位相で動作する共振器の各組合せは、前記共振器の固有の放射パターンに対応することを特徴とするシステム。
【0377】
240. 前記共振器は、音響共振器を含む、条項239に記載のシステム。
【0378】
241. 前記共振器は、電磁共振器を含む、条項239に記載のシステム。
【0379】
242. 前記共振器は、放射線を受信する受信モードで動作するように構成される、条項239に記載のシステム。
【0380】
243. 前記共振器は、放射線を送信するために送信モードで動作するように構成される、条項239に記載のシステム。
【0381】
244. 前記共振器は、放射線を選択的に送受信するために送受信モードで動作するように構成される、条項239に記載のシステム。
【0382】
245. 前記第1の位相および前記第2の位相は、位相が180度ずれている、条項239に記載のシステム。
【0383】
246. 前記第1の位相および前記第2の位相は、位相が180度ずれている、条項239に記載のシステム。
【0384】
247. 前記調節可能な物理刺激は、同調可能な素子の機械的変形を生じさせる、条項239に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0385】
図1】様々な実施形態による、一例の電磁アンテナシステムの簡略ブロック図である。
図2A】一実施形態による、2次元配列状に配置された共振器素子の6つのサブセットを含む音響または電磁システムの簡略化された実施例を示す図である。
図2B】一実施形態による、異なるパターン状に配置された共振器素子の6つのサブセットを含むシステムの一実施例を示す図である。
図2C】一実施形態による、共振器素子のサブセットが、開口をほぼ楕円形に形成するようにあらかじめ定められたパターンに従って配置されるシステムの別の実施形態を示す図である。
図2D】一実施形態による、所定のサブセット内の各共振器素子が、印加された位相-トグル電圧に基づいて、第1の共振位相角と第2の共振位相角との間でトグルされるシステムの実施形態を示す図である。
図3】一実施形態による、単一の容量性素子に関連する4つの電磁共振器素子の簡略化された実施例を示す図である。
図4】一実施形態による、制御入力によってピストンが容量性素子のプレートを曲げる一実施形態を示す図である。
図5】一実施形態による、共振器素子の複数のサブセットを含むシステムの一実施例を示す図である。
図6】様々な実施形態による、様々な操舵角でビームフォームを生成するための、本明細書で説明される様々な実施形態のうちのいずれかを表すシステムを示す図である。
図7A】カバーエリア内でビームフォームを選択的に操舵するために共振器素子のサブセットを備えるように構成された電磁アンテナシステムを示す図である。
図7B】一実施形態による、カバーエリア内で操舵され得る高指向性ビームフォームを示す図である。
図7C】一実施形態による、カバーエリアで動作するようにシステムによって選択的に生成され得る種々の選択可能なビームフォームを示す図である。
図8A】様々な実施形態による、電磁または音響システムの潜在的な3次元のカバーエリアの簡略図を示す図である。
図8B】一実施形態による、3次元空間内でシステムによって生成された円錐状のフィールドパターンを備える簡略化された図である。
図8C】一実施形態による、3次元のカバーエリアで動作するようにシステムによって選択的に生成される有限数の円錐状のフィールドパターンを示す図である。
図9】一実施形態による、音響または電磁システムによって生成されるビームフォームを変更するための回折構造を示す図である。
図10A】一実施形態による、共振器素子のサブセットのシステムのサブ部分又は縮められた開口に入射する放射線を集束させる回折構造を示す図である。
図10B】一実施形態による、音響共振器素子を含む音響システムへ音波放射線をマッピングする音響回折構造を示す図である。
図10C】一実施形態による、音響回折集束器として機能する音響回折構造を示す図である。
図11A】共振器素子のサブセットにそれぞれ関連する容量性素子に物理刺激値を選択的に印加する制御装置を示す図である。
図11B】一実施形態による、初期値から最終値まで物理刺激値を掃引することによって、異なる操舵角で複数の固有のビームフォームを生成するシステムの一実施形態を示す図である。
図11C図11Aと関連して説明されるように、共通の容量性素子に接続された共振器素子のサブセットの電磁システムの上方に配置された回折構造を示す図である。
図11D】一実施形態による、物理刺激値を初期値から最終値に掃引するときに、最初に生成されたビームフォームを目標とするビームフォームに変更する回折構造を有するシステムの一実施例を示す図である。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図11D