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  • 特許-ボトル内の液体の温度を示すための装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】ボトル内の液体の温度を示すための装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 5/00 20220101AFI20240802BHJP
   A61J 9/02 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
G01J5/00 101Z
A61J9/02 Z
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021569125
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 AU2020050531
(87)【国際公開番号】W WO2020232514
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】2019203533
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】521507165
【氏名又は名称】シューエル インストゥルメンツ プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEWELL INSTRUMENTS PTY LTD
【住所又は居所原語表記】3/11-13 Olympic Circuit, Southport, Queensland, Australia
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シューエル サミュエル ジョン
【審査官】小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205580603(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第104677506(CN,A)
【文献】中国実用新案第203479402(CN,U)
【文献】中国実用新案第206756316(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第108324054(CN,A)
【文献】中国実用新案第201701503(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第107951726(CN,A)
【文献】中国実用新案第202836769(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 9/02
G01J 5/00 - G01J 5/90
G01K 1/00 - G01K 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトル内の液体の温度を示すための装置であって、
ボトルを支持するように構成された上面を有するハウジングと、
平坦な構造上に載るように構成されたベース表面と、
非接触温度計であって、前記ハウジング内に位置する非接触温度計と、
前記ボトルの温度状態の指標を表示または提供するための1つ以上のインジケータであって、前記1つ以上のインジケータは、LEDライトアレイを含む、1つ以上のインジケータと、
プロセッサと、を備え、
前記非接触温度計は、前記ハウジングの前記上面に置かれたボトルの温度を感知し、前記温度に関連する信号を前記プロセッサに送り、前記プロセッサは、前記ボトルの温度状態に上昇がある場合、ユーザに注意喚起するための指標を提供するように構成されており、
前記LEDライトアレイは、不均一な加熱または過度の加熱の結果として前記ボトルの前記温度が上昇している場合、または前記ボトルが加熱環境からちょうど取り出されたばかりの場合、断続的に点滅する、装置。
【請求項2】
前記LEDライトアレイは、前記ボトルの高温、最適温度、および低温状態を示すために、少なくとも3色のカラー表示を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記LEDライトアレイは、前記ボトルの前記温度状態が高いとき、第1の色を表示する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の色が赤色であり、前記温度が37.5℃を上回っているとき、前記温度状態が高い、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記LEDライトアレイは、前記ボトルの前記温度状態が最適であるとき、第2の色を表示する、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の色が緑色であり、前記温度が36.5℃~37℃の範囲にあるとき、前記温度状態が最適である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記LEDライトアレイは、前記ボトルの前記温度状態が低すぎるとき、第3の色を表示する、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第3の色が青色であり、前記温度が36℃を下回っているとき、前記温度状態が低すぎる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記LEDライトアレイは、前記ハウジングの前記上面の周縁に配置され、前記周縁の周りに部分的に延在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記非接触温度計は、前記ハウジングの中央に埋め込まれている、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記ハウジングは、円筒形または扁平回転楕円体の形状である、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記ハウジングは、電池を収容する、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記非接触温度計は、非接触赤外線温度計である、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記非接触温度計は、前記ボトルの中身の前記温度を示す信号を前記プロセッサに提供する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、所定の時間にわたって前記ボトルの温度を読み取るように構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記所定の時間にわたって記録された前記温度の平均を計算する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記所定の時間は、5秒である、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記所定の時間は、20秒である、請求項15または16に記載の装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記ボトルの前記温度が前記所定の時間にわたって記録された前記温度の平均よりも高い場合、前記ボトルの前記温度の上昇をユーザに警告する、請求項16~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、比較的より長い時間にわたって平均温度を計算し、また、比較的短い時間にわたる平均温度も計算する、請求項16~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記比較的短い時間にわたって計算された前記平均温度が、前記比較的より長い時間にわたって計算された前記平均温度よりも高いとき、前記ボトルの前記温度状態が上昇していることを前記ユーザに注意喚起するために、注意喚起シーケンスのライトが表示される、請求項20に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトル内の液体の温度を示すための装置に関する。より具体的には、発明は、哺乳瓶の異なる温度状態を示す装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミルクは、新生児や幼児が他の食品を食べたり消化したりできる前の、不可欠な栄養源である。ほとんどの母親にとって、乳児を母乳で育てることは、より簡単でかつより効率的である。しかしながら、これは常に可能であるとは限らず、母親または世話人は、乳児用粉ミルクやその他の形態のミルクに頼る必要がある。乳児用粉ミルクや他の形態のミルクを使用するときに多くの母親または世話人が遭遇する問題は、ミルクの温度を決定することである。典型的には、直接母親からの母乳の温度は、約摂氏37度である。そのため、母親および世話人は、通例、母親からの母乳の温度を反映するために、ミルクを約摂氏37度に加熱してから、ミルクを乳児に与える。
【0003】
しかしながら、ミルクが正しい温度であるかどうかを判断するのは難しい場合がある。ミルクが熱すぎる場合、乳児の口をやけどさせることがあり、ミルクが冷たすぎる場合、乳児の食欲が損なわれることがある。
【0004】
伝統的に、ミルクの温度をテストする方法は、手首または手の甲にミルク滴を置くことによる。しかしながら、この方法は、人によって熱を異なって感じるので、信頼性がない。また、大人は熱に対してより耐性があり、したがって、ミルクは正しい温度であると大人が感じる場合でも、ミルクは乳児にはまだ熱すぎるかもしれない。
【0005】
ミルクの温度をテストするために一般的に使用される別の方法は、ミルクの温度を測定するためにボトル内に温度計を挿入することによる。しかしながら、ほとんどの場合、温度計は、ミルクの温度をテストするように構成されておらず、ミルクが、乳児が消費するのに好適な温度であるといういかなる指標も提供しない。
【0006】
市場で見られる別の方法は、温度感知および測定プレートを瓶上に有する哺乳瓶である。温度感知測定プレートは、温度によって色を変えることができ、それが、ミルクの温度のある種の指標を母親および世話人に提供する。しかしながら、この方法の測定精度は比較的低く、ほとんどの場合、母親および世話人は、ミルクの最適温度を判断する際に依然として困難を感じる。
【0007】
市販されているさらなる製品は、ボトル温度計である。ボトル温度計は、非接触赤外線温度計を有するベースを備える。ボトルは、ベースの上に置かれる。ボトルの温度が、LCDディスプレイ上に数値で表示され、表示の色が、温度設定に従って変わる。この方法は、先の方法と比較して、ボトルの温度のより良い指標を提供するが、依然としていくつかの欠点を有する。例えば、温度は、LEDディスプレイ上に数値で示される。これは、母親または世話人が、彼らの乳児に最適なボトル内のミルクの温度範囲を認識していない場合、温度の読み取り値はほとんど役に立たないことを意味する(これは、世話人が、ミルクの最適温度範囲に馴染みのないベビーシッターまたは祖父母である場合に特に当てはまる)。さらに、温度計は基本的にボトルの表面温度を読み取り、これは、ボトル内のミルクの実際の温度を正確に反映していないことがある。例えば、ボトルが電子レンジで加熱された場合、ミルクは、ボトルの外側よりもかなり高い温度になることがあり、熱すぎるミルクが乳児に与えられるリスクにつながり得る。
【0008】
従来技術の公開物が本明細書で参照される場合、この参照は、その公開物が、オーストラリアでまたは任意の他の国で、当技術分野における普通の一般知識の一部を形成することを承認するものではないことが明確に理解されよう。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、上記の欠点のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に克服するか、または消費者に有用なもしくは市販的な選択を提供し得る、ボトル内の液体の温度を示すための装置を対象とする。
【0010】
前述のことを考慮して、1つの形態の本発明は、概して、ボトル内の液体の温度を示すための装置であって、
ボトルを支持するように構成された上面を有するハウジングと、
平坦な構造上に載るように構成されたベース表面と、
非接触温度計であって、ハウジング内に位置する非接触温度計と、ボトルの温度状態の指標を表示または提供するための1つ以上のインジケータと、
プロセッサと、を備え、
非接触温度計は、ハウジングの上面に置かれたボトルの温度を感知し、温度に関連する信号をプロセッサに送り、プロセッサは、ボトルの温度状態に上昇がある場合、ユーザに注意喚起するための指標を提供するように構成されている、装置にある。
【0011】
1つの実施形態では、1つ以上のインジケータは、LEDライトアレイなどのライトアレイを含む。
【0012】
LEDライトアレイは、ボトルの高温、最適温度、および低温状態を示すために、少なくとも3色のカラー表示を含み得る。
【0013】
1つの実施形態では、LEDライトアレイは、ボトルの温度状態が高いとき、好ましくは温度が37.5℃を上回っているとき、赤色などの第1の色を表示する。例えば、装置には、3つの赤色LEDライトが設けられ得る。温度が37.5℃を少しだけ上回っている(乳児が飲むにはわずかに暖かすぎる)場合、単一の赤色LEDライトが点灯する。温度がそれよりも高い場合、第2および/または第3の赤色LEDライトが消えて、ボトルの温度がより高いことを示す。
【0014】
1つの実施形態では、LEDライトアレイは、ボトルの温度状態が最適であるとき、好ましくは温度が36.5℃~37℃の範囲にあるとき、緑色などの第2の色を表示する。例えば、装置には、1つの緑色LEDライトが設けられ得る。ボトルの温度が最適な範囲である場合、その単一の緑色LEDライトが点灯して、ボトル内のミルクは、乳児が飲む準備ができていることを示す。
【0015】
1つの実施形態では、LEDライトアレイは、ボトルの温度状態が低すぎるとき、好ましくは温度が36℃を下回っているとき、青色などの第3の色を表示する。例えば、装置には、3つの青色LEDライトが設けられ得る。温度が36℃を少しだけ下回っている場合、単一の青色LEDライトが点灯して、ボトル内のミルクの温度がわずかに冷たすぎることを示し得る。ボトル内のミルクがより冷たい場合は、第2および第3の青色ledライトが点灯して、ボトルのミルクの温度がさらにより冷たいことを示し得る。
【0016】
LEDライトアレイは、ハウジングの上面の周縁に配置され得、好適には、周縁の周りに部分的に延在する。
【0017】
1つの実施形態では、非接触温度計は、ハウジングの中央に埋め込まれている。
【0018】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、円筒形または扁平回転楕円体の形状であり得る。
【0019】
1つの実施形態では、LEDライトアレイは、不均一な加熱もしくは過度の加熱の結果としてボトルの温度が上昇している場合、またはボトルが加熱環境からちょうど取り出されたばかりの場合、断続的に点滅する。好適には、不均一な加熱もしくは過度の加熱の結果としてボトルの温度が上昇している場合、またはボトルが加熱環境からちょうど取り出されたばかりの場合、すべてのLEDライトが断続的に点滅する。
【0020】
ボトルの中身の温度が上昇していることをユーザに注意喚起するために、他の指標が提供され得ることが理解されよう。例えば、1つ以上のインジケータが液晶表示画面を備える場合、「注意、温度上昇中」などの注意喚起メッセージが表示され得る。あるいは、LEDディスプレイの背景が断続的に点滅してもよい。
【0021】
ボトルの中身の温度が上昇していることをユーザに注意喚起するために、いくつかの異なる指標が提供され得ることが理解されよう。本発明は、そのようなすべての考えられる指標を包含する。
【0022】
1つの実施形態では、ハウジングは、電池を備える。
【0023】
1つの実施形態では、非接触温度計は、非接触赤外線温度計である。
【0024】
1つの実施形態では、非接触温度計は、ボトルの中身の温度を示す信号をプロセッサに提供する。次いで、プロセッサは、その信号を処理して、(a)ボトルの中身の温度を決定し、(b)ボトルの中身の温度が時間の経過とともに上昇しているかどうかを判断する。次いで、プロセッサは、温度および/または温度の上昇の適切な指標が1つ以上のインジケータによって提供されるように、適切な信号を1つ以上のインジケータに送る。非接触温度計は、プロセッサと通信して、プロセッサが、ボトルの温度の指標を提供すること、およびボトルの温度の上昇をユーザに警告することを可能にすることが理解されよう。
【0025】
1つの実施形態では、プロセッサは、所定の時間にわたってボトルの温度を読み取るように構成されている。
【0026】
1つの実施形態では、プロセッサは、所定の時間にわたって記録された温度の平均を計算する。
【0027】
1つの実施形態では、所定の時間は、5秒である。
【0028】
1つの実施形態では、所定の時間は、20秒である。
【0029】
1つの実施形態では、プロセッサは、ボトルの温度が所定の時間にわたって記録された温度の平均よりも高いときに、ボトルの温度の上昇をユーザに警告する。
【0030】
1つの実施形態では、プロセッサは、比較的より長い時間にわたって平均温度を計算し、また、比較的短い時間にわたる平均温度も計算する。比較的短い時間にわたって計算された平均温度が比較的より長い時間にわたって計算された平均温度よりも高い場合、これは、ボトルの中身の温度が上昇していることを示す。このような状況では、ボトルの中身の温度が上昇していることをユーザに注意喚起するために、注意喚起シーケンスのライトまたは他の注意喚起表示が表示される。比較的より長い時間は、15秒~30秒ほど、例えば、約20秒であり得る。比較的短い時間は、1秒~10秒、例えば、約5秒であり得る。
【0031】
本明細書に記載の特徴のうちのいずれも、本明細書に記載の他の特徴のうちのいずれか1つ以上と、発明の範囲内で任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0032】
本明細書における従来技術への言及は、従来技術が普通の一般知識の一部を形成することの承認またはいかなる形態の示唆としても解釈されないし、解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
発明の好ましい特徴、実施形態、および変形態様は、発明を実施するために当業者に十分な情報を提供する以下の詳細な説明からわかり得る。詳細な説明は、前述の発明の概要の範囲をいかようにも制限するものと見なされるべきではない。詳細な説明では、以下のようないくつかの図面を参照する。
図1】本発明による好ましい実施形態の上面図である。
図2】本発明による好ましい実施形態の正面側面図である。
図3】ボトルの異なる温度状態におけるLEDライトアレイの点灯を示す好ましい実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の一実施形態によれば、図1に示されるように、ボトル内の液体の温度を示すための装置100が提供される。装置は、ハウジング101を備える。ハウジングは、ボトルを受容または支持するように構成された上面102を有する。ハウジングはまた、テーブルトップまたはカウンタートップなどの平坦な表面上に載るベース表面103を有する。上面102には、発光ダイオード(LED)ライト104のアレイが存在する。好ましい実施形態では、LEDライト104は、ハウジングの上面の周縁に位置する。
【0035】
LEDライト104は、ボトルの温度状態を表示する。好ましい実施形態では、LEDライトは、ボトルの高温、低温、および最適温度状態を示すために、赤、緑、および青の3色のカラー表示を含む。ボトルの温度状態が高い(つまり、37.5℃を上回っている)とき、赤色LEDライトが点灯して、ボトル内の液体が熱すぎることをユーザに警告する。装置は、(図3に示されるように)3つの赤色LEDライトを有する。温度が37.5℃を少しだけ上回っている場合、単一の赤色LEDライトが点灯して、ボトルの中身(例えば、ミルク)の温度がわずかに熱すぎることを示し得る。ミルクがより熱い場合、第2の、次いで第3の赤色LEDライトが点灯して、ミルクの温度がさらにより熱いことを示し得る。温度が37.5℃の範囲に下がるとき、赤色LEDライトは、ミルクが冷めるにつれて次第に消える。単一の緑色LEDライトが、36.5℃~37.4℃の範囲で点灯して、ボトル内のミルクが今、最適な飲用温度であることをユーザに示す。カラー表示により、ユーザが温度範囲や計算を覚える必要なしに、理解しやすい温度読み取りが提供される。この特徴により、ベビーシッターや祖父母などの世話人が、いったん緑色LEDライトが点灯したら、単純にミルクを乳児に与え、ミルクが最適な飲用温度であることを確信することが容易になる。また、カラー表示により、ミルクの温度を下げる、または上げるために、どれだけの冷水または温水をミルクに加え得るかを、ユーザがすばやく予測することも可能になる。ボトルの中身の温度が36.5℃を下回った場合、青色LEDライトのうちの1つ以上が点灯する。温度が36.5℃よりも下がるにつれ、青色LEDライトのうちのより多くが点灯して、ボトルの中身が飲むには冷たすぎるという視覚的指標を提供する。
【0036】
上面102の中心には、中心点106がある。中心点106は、非接触赤外線温度計がボトルの温度を測定する位置である。(図1には示されていない)非接触赤外線温度計は、ハウジング101の内部に位置する。
【0037】
好ましい実施形態では、非接触温度計は、ハウジングの上面に置かれたボトルの温度を感知し、温度に関連する信号をプロセッサに送る。ボトルの温度状態が上昇し続けたとき、プロセッサは、ボトルの温度状態の上昇をユーザに警告するように構成されている。すべてのLEDライトが断続的に点滅することにより、ユーザは警告される。
【0038】
動作中、プロセッサは、温度データを読み取り、各読み取り値を数値配列に記憶するように構成されている。プロセッサはまた、所定の時間(例えば、5秒間または20秒間にわたって)、温度データを読み取るように構成されている。次いで、所定の時間の読み取り値から、温度データの平均が計算される。ボトルの温度状態が温度データの計算された平均よりも高いことを非接触温度計が感知すると、プロセッサは、ボトルの温度状態が上昇していることをユーザに合図する。
【0039】
1つの実施形態では、プロセッサは、20秒間の平均温度を決定し、これは、より長期の平均温度を示すと見なすことができる。プロセッサはまた、5秒間の平均温度を決定し、これは、ボトルの実際の温度に非常に近い短期平均温度と見なすことができる。短期平均温度がより長期の平均温度よりも高い場合、プロセッサは、ボトルの中身の温度が上昇していると判断し、注意喚起シーケンスのLEDが表示される。この注意喚起シーケンスのLEDは、ボトルの中身の温度が低下していることを示す、短期平均温度がより長期の平均温度よりも低いとプロセッサが判断するまで続く。
【0040】
図2を参照すると、図2は、本発明の正面側面図を示す。ベース表面103の底部には、ハウジング101を支持する少なくとも2つの隆起した脚部105が存在し得る。好ましい実施形態では、ハウジングは、扁平回転楕円体または円盤状の外観に成形される。しかしながら、ハウジングは、特定の形状に限定されない。例えば、ハウジングは、円筒形、長方形、または正方形の形状とすることができる。
【0041】
図3を参照すると、図3は、ボトルの異なる温度状態におけるインジケータを示す。特に、図3では、7つのLEDライトを含む表示が提供される。LEDライトは、3つの青色LEDライト111、112、113、単一の緑色LEDライト114、および3つの赤色LEDライト115、116、117を含む。好ましい実施形態では、ボトル内のミルクが、乳児が快適に飲むには少しだけ冷たすぎるとき、1つの青色LEDが点灯して、ボトルの低温状態を示す。好適には、これは、緑色LEDライト114の隣に位置する青色LEDライト113である。緑色LEDライト114の隣にある青色LEDライト113が点灯すると、これは、ミルクおよびボトルの温度が最適な飲用温度を少しだけ下回っていることを示す。ボトルの中身の温度がさらに冷えると、またはボトルの中身の温度が最適温度よりも著しく冷たい場合、第2の青色LEDライト112、次いで第3の青色LEDライト111もまた点灯する。したがって、ボトルが冷たすぎて飲めない場合は、3つすべての青色LEDライト111、112、113が点灯する。
【0042】
ボトル内のミルクが最適な飲用温度であるとき、単一の緑色LEDライト114が点灯する。
【0043】
ボトル内のミルクの温度が37.5℃の最高最適飲用温度をわずかに上回っているとき、1つの赤色LEDライトが点灯する。好適には、これは、緑色LEDライト114の隣に位置する赤色LEDライト115である。この赤色LEDライト115が単独で点灯するとき、それは、ボトルの中身の温度が、飲用にはほんの少しだけ暖かすぎることを示す。ボトルの中身の温度がより著しく温かい場合、LEDライト116および場合によってはLEDライト117もまた点灯する。ボトルの温度が、乳児が飲むにはあまりにも暖かすぎる場合、3つすべての赤色LEDライト115、116、117が点灯する。ボトルの温度状態が高いほど、より多くの赤色LEDライトが点灯する。
【0044】
ボトルの中身の温度が上昇しているとプロセッサが判断した場合(例えば、ボトルがちょうど電子レンジから出されたばかりで、液体の高温部分が、ボトルの中身全体に広がるべく斑点状であるので)、ボトルの温度状態の不均一な加熱が存在する場合に、すべてのLEDライト(赤、緑、および青)が同時に点灯する。あるいは、さらにより強い視覚的注意喚起をボトルのユーザに提供するために、ボトルの中身の温度が上昇しているとプロセッサが判断した場合、すべてのLEDライト(赤、緑、および青)が断続的に点滅して、ボトルの温度が上昇しており、ボトルの中身が熱すぎて乳児が飲むことができないことがあるという、ボトルのユーザへの目立つ視覚的注意喚起としての役割を果たす。
【0045】
従来技術の温度インジケータとは異なり、本発明の実施形態は、ボトルの瞬間的温度が乳児が飲むのに好適な範囲にあることを装置内の温度計が示している場合でさえ、ボトル内のミルクの温度が上昇しているという注意喚起を母親へ提供することができる。ボトル内のミルクの温度が上昇している場合、これは、乳児が非常に熱すぎるミルクを飲むことに潜在的につながる可能性がある。本発明は、ボトルの温度が上昇しているという指標を提供することにより、母親が、ボトルの温度が安定し、飲用に最適な温度に移行するまで、ある時間待つことを可能にする。これにより、乳児への安全性が高まり、母親の気がより楽になる。また、ボトル内のミルクの温度を測定する際の遅れの影響から保護する。
【0046】
本明細書および特許請求の範囲(もしあれば)において、「含む(comprising)」という語、ならびに「含む(comprises)」および「含む(comprises)」を含むその派生語は、記載された整数のそれぞれを含むが、1つ以上のさらなる整数を含むことを除外しない。
【0047】
本明細書全体を通して「1つの実施形態」または「一実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な箇所での「1つの実施形態では」または「一実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の組み合わせにおいて、任意の好適な方法で組み合わせることができる。
【0048】
法令に準拠して、本発明は、構造的または系統的特徴に多かれ少なかれ固有の言語表現で記述されてきた。本明細書に記載の手段は、本発明を実施する好ましい形態を含むので、本発明は、図示または記載された特定の特徴に限定されないことが理解されるべきである。したがって、本発明は、当業者によって適切に解釈される添付の特許請求の範囲(もしあれば)の適正な範囲内の、その形態または変形のうちのいずれかで特許請求される。
図1
図2
図3