(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】オリゴヌクレオチドの産生のための新規プロセス
(51)【国際特許分類】
C12N 15/113 20100101AFI20240802BHJP
C12N 15/10 20060101ALI20240802BHJP
C12P 19/34 20060101ALI20240802BHJP
C12N 9/00 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
C12N15/113 Z
C12N15/10 110Z
C12P19/34 A ZNA
C12N9/00
(21)【出願番号】P 2022053096
(22)【出願日】2022-03-29
(62)【分割の表示】P 2020138521の分割
【原出願日】2017-07-07
【審査請求日】2022-04-28
(32)【優先日】2016-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513032275
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、ディベロップメント、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXOSMITHKLINE INTELLECTUAL PROPERTY DEVELOPMENT LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラメリ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヒル,マルコム リースヘッド
(72)【発明者】
【氏名】ラブロック,サラ ルイーズ
(72)【発明者】
【氏名】ショーバー,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】テュー,デヴィッド グラハム
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,パメラ ジョーン
【審査官】山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-534132(JP,A)
【文献】特表2003-527866(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0068406(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
C12P
A61K
A61P
C07H
C07K
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1個の改変ヌクレオチド残基を有する
治療用の一本鎖オリゴヌクレオチド生成物を産生するための方法であって、
a)鋳型が
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物からの分離を可能にする特性を有する、
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物の配列と相補的な鋳型オリゴヌクレオチド(I)を提供すること;
b)少なくとも1個のセグメント
オリゴヌクレオチドが少なくとも1個の改変ヌクレオチド残基を含有する、
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物配列のセグメントである
セグメントオリゴヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチド(II)のプールを提供すること;
c)アニーリングを可能にする条件で(I)と(II)とを接触させること;
d)
リガーゼでの酵素的ライゲーションによってセグメントオリゴヌクレオチドを連結して、
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物を形成させること;
e)アニーリングした鋳型と不純物オリゴヌクレオチド鎖とを変性させること、および不純物を分離することを含む、任意の不純物を分離するために条件を変化させること;ならびに
f)アニーリングした鋳型と
一本鎖オリゴヌクレオチド生成
物とを変性させること、および
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物を分離することを含む、
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物を分離するために条件を変化させること
、
それにより少なくとも1個の改変ヌクレオチド残基を有する一本鎖オリゴヌクレオチド生成物を生成すること
を含む、
前記方法。
【請求項2】
変性が温度の上昇、pHの変化、または緩衝溶液中の塩濃度の変化によりもたらされる、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
温度を上昇させる2つのステップ:i)任意のアニーリングした不純物を変性させることおよびii)アニーリングした
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物を変性させることを含む、請求項
1又は2に記載の方法。
【請求項4】
セグメント
オリゴヌクレオチドが3~15ヌクレオチド長である、請求項
1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物が10~200ヌクレオチド長
、20~30ヌクレオチド長
、又は、20~25ヌクレオチド長である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物が20ヌクレオチド長であり、前記
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物が
、前記一本鎖オリゴヌクレオチド生成物配列のセグメントである3個のセグメントオリゴヌクレオチド:
(i)7ヌクレオチド長である5'セグメント、6ヌクレオチド長である中央セグメントおよび7ヌクレオチド長である3'セグメント;
(ii)6ヌクレオチド長である5'セグメント、8ヌクレオチド長である中央セグメントおよび6ヌクレオチド長である3'セグメント;または
(iii)5ヌクレオチド長である5'セグメント、10ヌクレオチド長である中央セグメントおよび5ヌクレオチド長である3'セグメント
を含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
鋳型を
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物から分離することを可能とする特性が、鋳型が支持材料に結合されていることである、請求項1~
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
支持材料が可溶性支持材料であり、支持材料が、ポリエチレングリコール、可溶性有機ポリマー、DNA、タンパク質、デンドリマー、多糖、オリゴ糖、および炭水化物からなる群から選択される、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
支持材料が不溶性支持材料であり、支持材料が、ガラスビーズ、ポリマービーズ、繊維性支持体、膜、ストレプトアビジン被覆ビーズ、セルロースからなる群から選択されるか、または反応容器自体の一
部である、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
鋳型の複数の反復コピーが単一の結合点を介して支持材料に連続的様式で結合されている、請求項
7~
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
鋳型を
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物から分離することを可能とする特性が、鋳型の分子量である、請求項1~
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
鋳
型が、将来の反応における使用のためにリサイクルされる、請求項1~
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、連続的または半連続的流動プロセスを用いて実行される、請求項1~
12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
改変が、糖部分の2'位にあり
、2'-F、2'-OMe、2'-MOE、および2'-アミノからなる群から選択されるか、または、オリゴヌクレオチドが、PMO、LNA、PNA
、もしくはBN
Aを含む、請求項1~
13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
改変が核酸塩基中にあり
、改変が5-メチルピリミジン、7-デアザグアノシンおよび脱塩基ヌクレオチドからなる群から選択される、請求項1~
14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
改変が骨格中にあり、改変がホスホロチオエート、ホスホロアミダートおよびホスホロジアミダートからなる群から選択される、請求項1~
15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
得られる
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物が少なくとも90%
、95%、又は98%純粋で
ある、請求項1~
16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
2つの相補的一本鎖オリゴヌクレオチドが、請求項1~
17のいずれか一項に記載の方法によって産生され、次いで、アニーリングを可能にする条件下で混合される、二本鎖オリゴヌクレオチド生成物を産生するための方法。
【請求項19】
一本鎖オリゴヌクレオチド生成物がグラムもしくはキログラム規模で産生される、および/または方法が1L以上のリアクター中で実行される、請求項1~
18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
オリゴヌクレオチドがギャップマーである、請求項1~
19のいずれか一項に記載の方
法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、療法において使用されるものなどの、化学的に改変されたオリゴヌクレオチドの産生における使用に適しているオリゴヌクレオチドの産生のための新規プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
ホスホロアミダイト化学によるオリゴヌクレオチドおよび改変オリゴヌクレオチドの化学合成は確立されており、数十年にわたってこれらの規定の配列のバイオポリマーを合成するための選択法であった。合成プロセスは通常、単一のヌクレオチドが各ヌクレオチドの付加と共に連続的に付加される固相合成として実行され、その後のステップのための調製において成長するオリゴヌクレオチド(「オリゴ」)を付加し、脱保護するために数サイクルの化学的ステップを必要とする。ヌクレオチドの連続的付加の終わりに、オリゴは固相支持体から遊離し、さらに脱保護が起こり、次いで、未精製のオリゴヌクレオチドは、カラムクロマトグラフィーによってさらに精製される。
【0003】
この方法は日常的であると考えられ、自動化することができるが、特に、目標がオリゴヌクレオチド治療剤にとって必要とされるように大規模でオリゴヌクレオチドを調製することである場合、この方法にはいくつかの欠点がある。これらの欠点としては、限定されるものではないが、以下のものが挙げられる:
【0004】
1)大量のオリゴヌクレオチドを精製するには不適なものにするクロマトグラフィーの使用に付いて回る実用的な限界。大規模なクロマトグラフィーの使用は高価であり、カラムのサイズおよび性能に関する限界のため、達成するのが難しい。
【0005】
2)エラー数が、合成されるオリゴヌクレオチドの長さと共に蓄積する。したがって、現在のプロセスの直線的で連続的な性質は、収率の幾何的低下をもたらす。例えば、ヌクレオチド付加の各サイクルに関する収率が99%である場合、20マーの収率は83%であろう。
【0006】
3)合成オリゴヌクレオチド合成装置ならびに下流の精製および単離装備に関する規模の限界:現在、単一バッチで製造することができる生成物の最大量は、10kgの規模である。
【0007】
したがって、収率を増加させるためには、カラムクロマトグラフィーを減少させる(または理想的には、除去する)ことと、純粋に連続的ではない方法で合成を実施することの両方が必要である。
【0008】
DNAポリメラーゼは、分子生物学および同様の用途における使用のためのオリゴヌクレオチドを合成するためによく使用される。しかしながら、DNAポリメラーゼは、オリゴヌクレオチドの比較的短い長さと、異なるデオキシリボースまたはリボース改変を有するヌクレオチド間を識別する必要性との両方のため、治療用オリゴヌクレオチドを合成するには適さない。例えば、治療用オリゴヌクレオチドは、20~25ヌクレオチドの範囲にあることが多い。DNAポリメラーゼは、各方向におけるプライマーとして、少なくとも7または8ヌクレオチド、最適には、18~22ヌクレオチドを必要とし、したがって、プライマーが所望の生成物とサイズが類似する場合、治療用オリゴを合成しようとする際に増加するものがほとんどない。また、DNAポリメラーゼを用いる場合、反応物中に全てのヌクレオチドが存在する必要があり、次のヌクレオチドを整列させるためにワトソン・クリックの塩基対形成に依拠する。かくして、ギャップマーにより必要とされるものなどの、デオキシリボースまたはリボース改変の任意の順序間を識別することができず、その結果は、所与の位置でのデオキシリボースまたはリボース改変の混合物であろう。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、少なくとも1個の改変ヌクレオチド残基を有する一本鎖オリゴヌクレオチド生成物を産生するためのプロセスであって、
a)鋳型が生成物からの分離を可能にする特性を有する、生成物の配列と相補的な鋳型オリゴヌクレオチド(I)を提供すること;
b)オリゴヌクレオチド(II)のプールを提供すること;
c)アニーリングを可能にする条件で(I)と(II)とを接触させること;
d)アニーリングした鋳型と不純物オリゴヌクレオチド鎖とを変性させること、および不純物を分離することを含む、任意の不純物を分離するために条件を変化させること;ならびに
e)アニーリングした鋳型と生成物オリゴヌクレオチド鎖とを変性させること、および生成物を分離することを含む、生成物を分離するために条件を変化させること
を含む、前記プロセスを提供する。
【0010】
そのようなプロセスを用いて、精製プロセスとして、不純物から一本鎖オリゴヌクレオチド生成物を単離することができる。
【0011】
本発明はさらに、少なくとも1個の改変ヌクレオチド残基を有する一本鎖オリゴヌクレオチド生成物を産生するためのプロセスであって、
a)鋳型が生成物からの分離を可能にする特性を有する、生成物の配列と相補的な鋳型オリゴヌクレオチド(I)を提供すること;
b)少なくとも1個のセグメントが少なくとも1個の改変ヌクレオチド残基を含有する、生成物配列のセグメントであるオリゴヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチド(II)のプールを提供すること;
c)アニーリングを可能にする条件で(I)と(II)とを接触させること;
d)セグメントオリゴヌクレオチドを連結して、生成物を形成させること;
e)アニーリングした鋳型と不純物オリゴヌクレオチド鎖とを変性させること、および不純物を分離することを含む、任意の不純物を分離するために条件を変化させること;ならびに
f)アニーリングした鋳型と生成物オリゴヌクレオチド鎖とを変性させること、および生成物を分離することを含む、生成物を分離するために条件を変化させること
を含む、前記プロセスを提供する。
【0012】
そのようなプロセスを用いて、一本鎖オリゴヌクレオチド生成物を生成し、例えば、製造および精製プロセスとして、それを不純物から単離することができる。
【0013】
本発明はまた、そのような方法により作製された改変オリゴヌクレオチドおよびそのような方法における使用のためのリガーゼも包含する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】不純物を除去するために条件を変化させるステップ、例えば、洗浄ステップを含む、本発明のプロセスの図である。
【
図2】セグメントオリゴヌクレオチドを連結/ライゲートして、生成物を形成させ、不純物を除去するために条件を変化させるステップを含む、本発明のプロセスの図である。
【
図4】フローシステムで実行される本発明のプロセスの基本図である。
【
図5-1】フローシステムで実行される本発明のプロセスの詳細図である:a)ライゲーション化学セクション、b)ライゲーション精製セクション、およびc)代替ライゲーション化学セクション、およびd)代替精製セクション。N.B.セクションa)およびb)(あるいは、c)およびd))を、単一ステップで、例えば、a)における収集容器 = b)におけるライゲーションステップからの出力中で実行することができる。
【
図5-2】フローシステムで実行される本発明のプロセスの詳細図である:a)ライゲーション化学セクション、b)ライゲーション精製セクション、およびc)代替ライゲーション化学セクション、およびd)代替精製セクション。N.B.セクションa)およびb)(あるいは、c)およびd))を、単一ステップで、例えば、a)における収集容器 = b)におけるライゲーションステップからの出力中で実行することができる。
【
図6】本発明のプロセス中に生成され得る不純物の例である。
【
図7】市販のNEB T4リガーゼ(配列番号3)および非改変DNA(実施例1)を使用するライゲーション反応の結果を示すクロマトグラムである。
【
図8】PERLOZA結合T4リガーゼ(配列番号4)および非改変DNA(実施例1)を使用するライゲーション反応の結果を示すクロマトグラムである。
【
図9】実施例2に従って発現されたPERLOZA結合T4リガーゼおよび2'-OMe改変オリゴヌクレオチド断片を使用するライゲーション反応の結果を示すクロマトグラムである。
【
図10-1】実施例4に関するHPLCトレースである:上トレース(a)-リガーゼなしの対照。下トレース(b)-クローンA4。生成物および鋳型はこのHPLC法においては同時溶出する。2つ中間ライゲーション断片(セグメント)を、クローンA4トレース中、10.3および11.2分に見ることができる。
【
図10-2】実施例4に関するHPLCトレースである:上トレース(a)-リガーゼなしの対照。下トレース(b)-クローンA4。生成物および鋳型はこのHPLC法においては同時溶出する。2つ中間ライゲーション断片(セグメント)を、クローンA4トレース中、10.3および11.2分に見ることができる。
【
図11】「ハブ」と呼ばれる支持材料と、3つの鋳型配列とを含む、実施例13で用いられる「3鋳型ハブ」の図である。
【
図12】実施例13で用いられる半連続ライゲーションリグの図である。
【
図13】実施例14で用いられる終端濾過リグの図である。
【
図14】実施例14で用いられる交差流動濾過リグの図である。
【
図15】実施例14における、60℃で10kDa MWCO BADIR膜を用いる終端濾過実験の結果を示すクロマトグラムである。
図a)は、2倍透析濾過容量後に濾過セル中に残存し、主に3鋳型ハブを含有した保持溶液のクロマトグラムである;
図b)は、2倍透析濾過容量後の、生成物中で濃縮された溶液、浸透液のものである。
【
図16】実施例14における、50℃および3.0バールの圧力で5kDa MWCO Snyder膜を用いる交差流動濾過実験の結果を示すクロマトグラムである。
図a)は、20倍透析濾過容量後に主に3鋳型ハブおよび生成物を含有した保持溶液のクロマトグラムである;
図b)は、20倍透析濾過容量後に、主にセグメントオリゴヌクレオチドを含有した浸透液のクロマトグラムである。
【
図17】実施例14における、80℃および3.1バールの圧力で5kDa MWCO Snyder膜を用いる交差流動濾過実験の結果を示すクロマトグラムである。
図17は、a)20倍透析濾過容量後に3鋳型ハブのみを含有した保持溶液のクロマトグラムを示す;
図b)は、2倍透析濾過容量後に、生成物のみを含有した浸透溶液のクロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
定義
本明細書で使用される用語「オリゴヌクレオチド」または短縮して「オリゴ」は、デオキシリボヌクレオチド(得られるオリゴヌクレオチドはDNAである)、リボヌクレオチド(得られるオリゴヌクレオチドはRNAである)、またはその混合物である、ヌクレオチド残基のポリマーを意味する。オリゴヌクレオチドは、全体として自然に見出されるヌクレオチド残基から構成されていてもよく、または改変された、少なくとも1個のヌクレオチド、もしくはヌクレオチド間の少なくとも1つの結合を含有してもよい。オリゴヌクレオチドは、一本鎖または二本鎖であってもよい。本発明のオリゴヌクレオチドを、別の分子、例えば、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)または複数のそれ(GalNAcクラスター)にコンジュゲートしてもよい。
【0016】
本明細書で使用される用語「治療用オリゴヌクレオチド」は、治療用途を有するオリゴヌクレオチドを意味する。そのようなオリゴヌクレオチドは、典型的には、1つ以上の改変されたヌクレオチド残基または結合を含有する。治療用オリゴヌクレオチドは、限定されるものではないが、アンチセンス、スプライススイッチングまたはエクソンスキッピング、免疫刺激ならびに例えば、マイクロRNA(miRNA)および低分子干渉RNA(siRNA)によるRNA干渉(RNAi)を含む、いくつかの異なる機構の1つを介して作用する。治療用オリゴヌクレオチドは、アプタマーであってもよい。治療用オリゴヌクレオチドは通常、常にではないが、規定の配列を有するであろう。
【0017】
本明細書で使用される用語「鋳型」は、標的(または生成物)オリゴヌクレオチドの配列と100%相補的である配列を有するオリゴヌクレオチドを意味する。
【0018】
別途特定しない限り、本明細書で使用される用語「相補的」とは、100%相補的であることを意味する。
【0019】
本明細書で使用される用語「生成物」は、本明細書で「標的オリゴヌクレオチド」とも呼ばれる、特定の配列を有する所望のオリゴヌクレオチドを意味する。
【0020】
本明細書で使用される用語「プール」とは、配列が変化してもよく、標的配列よりも短い、または長くてもよく、標的配列と同じ配列を有さなくてもよい、オリゴヌクレオチド群を指す。オリゴヌクレオチドのプールは、精製あり、またはなしで用いられる、オリゴヌクレオチド合成、例えば、ホスホロアミダイト化学による固相化学合成の生成物であってもよい。オリゴヌクレオチドのプールは、標的配列のセグメントから構成されていてもよい。各セグメント自体が、そのセグメントのプールとして存在してもよく、オリゴヌクレオチド合成、例えば、ホスホロアミダイト化学による固相化学合成の生成物であってもよい。
【0021】
本明細書で使用される用語「アニーリング」は、配列特異的様式での相補的オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを意味する。「アニーリングを可能にする条件」は、ハイブリダイズする相補的オリゴヌクレオチドのTmに依存し、当業者にとっては容易に明らかとなるであろう。例えば、アニーリングのための温度は、ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドのTmより下であってよい。あるいは、アニーリングのための温度は、ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドのTmに近いもの、例えば、+/-1、2または3℃であってもよい。アニーリングのための温度は、一般的には、ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドのTmの10℃上よりも高くない。アニーリングを可能にする特定の条件は、実施例のセクションに概略される。
【0022】
本明細書で使用される場合、二本鎖オリゴヌクレオチドに関する用語「変性させること」は、相補鎖が最早アニーリングしないことを意味するように用いられる。変性は、条件を変化させる結果として起こり、本明細書では、オリゴヌクレオチド鎖を分離することと呼ばれることもある。そのような鎖の分離を、例えば、温度を上昇させること、pHを変化させること、または緩衝溶液の塩濃度を変化させることによって行うことができる。二本鎖オリゴヌクレオチド(「二重鎖」)の変性は、鋳型から「遊離」する生成物または不純物であり得る一本鎖オリゴヌクレオチドをもたらす。
【0023】
本明細書で使用される用語「不純物」または「複数の不純物」は、所望の生成物配列を有しないオリゴヌクレオチドを意味する。これらのオリゴヌクレオチドは、生成物よりも短い(例えば、1、2、3、4、5ヌクレオチド残基以上短い)、または生成物よりも長い(例えば、1、2、3、4、5ヌクレオチド残基以上長い)オリゴヌクレオチドを含んでもよい。産生プロセスが、セグメント間で結合が形成されるステップを含む場合、不純物は、1個以上の結合が形成に失敗する場合に残存しているオリゴヌクレオチドを含む。不純物はまた、不正確なヌクレオチドが組み込まれ、鋳型と比較した場合に不一致をもたらすオリゴヌクレオチドも含む。不純物は、上記の特徴の1つ以上を有してもよい。
図6は、生じ得る不純物のうちのいくつかを示す。
【0024】
本明細書で使用される用語「セグメント」は、より長いオリゴヌクレオチドの小さい方の一部、特に、生成物または標的オリゴヌクレオチドの小さい方の一部である。所与の生成物について、そのセグメントの全部がその鋳型にアニーリングし、一緒にライゲートされる場合、生成物が形成される。
【0025】
本明細書で使用される用語「酵素的ライゲーション」は、2つの隣接するヌクレオチド間の結合が酵素的に形成されることを意味する。この結合は、天然に存在するホスホジエステル結合(PO)、または限定されるものではないが、ホスホロチオエート(PS)もしくはホスホロアミダート(PA)などの改変された結合であってもよい。
【0026】
本明細書で使用される用語「リガーゼ」は、例えば、一方のオリゴヌクレオチド(またはセグメント)の3'末端と、同じか、または別のオリゴヌクレオチド(またはセグメント)の5'末端との間のホスホジエステル結合の形成による、2つのオリゴヌクレオチド分子の連結、すなわち、共有的連結を触媒する酵素を意味する。これらの酵素は、DNAリガーゼまたはRNAリガーゼと呼ばれることが多く、コファクター:ATP(真核生物、ウイルスおよび古細菌DNAリガーゼ)またはNAD(原核生物DNAリガーゼ)を利用する。あらゆる生物に出現するにも拘わらず、DNAリガーゼは、広い多様性のアミノ酸配列、分子サイズおよび特性を示す(Nucleic Acids Research, 2000, Vol.28, No.21, 4051-4058)。それらは通常、International Union of Biochemistry and Molecular Biologyにより定義された酵素クラスEC 6.5のメンバー、すなわち、リン酸エステル結合を形成するために使用されるリガーゼである。本発明の範囲内にあるのは、非改変オリゴヌクレオチドを別の非改変オリゴヌクレオチドに連結することができるリガーゼ、非改変オリゴヌクレオチドを改変オリゴヌクレオチドに(すなわち、改変5'オリゴヌクレオチドを非改変3'オリゴヌクレオチドに、および非改変5'オリゴヌクレオチドを改変3'オリゴヌクレオチドに)連結することができるリガーゼ、ならびに改変オリゴヌクレオチドを別の改変オリゴヌクレオチドに連結することができるリガーゼである。
【0027】
本明細書で使用される場合、「熱安定性リガーゼ」は、高温、すなわち、ヒトの体温より上、すなわち、37℃より上で活性であるリガーゼである。熱安定性リガーゼは、例えば、40℃~65℃、または40℃~90℃などで活性であってもよい。
【0028】
本明細書で使用される用語「改変ヌクレオチド残基」または「改変オリゴヌクレオチド」は、天然に存在するヌクレオチド残基またはオリゴヌクレオチドとは異なるその化学の少なくとも1つの態様を含有するヌクレオチド残基またはオリゴヌクレオチドを意味する。そのような改変は、ヌクレオチド残基の任意の部分、例えば、糖、塩基またはリン酸に存在してもよい。ヌクレオチドの改変の例は、以下に開示される。
【0029】
本明細書で使用される用語「改変リガーゼ」は、1個以上のアミノ酸残基が、天然に存在する「野生型」リガーゼと異なるリガーゼを意味する。そのようなリガーゼは、自然には見出されない。そのようなリガーゼは、本発明の新規プロセスにおいて有用である。改変リガーゼの例は、以下に開示される。用語「改変リガーゼ」および「リガーゼ変異体」は、互換的に使用される。
【0030】
本明細書で使用される用語「ギャップマー」は、ギャップセグメントが、RNase H切断を支援する複数のヌクレオチドからなり、それぞれのウィングセグメントが、ギャップセグメント内のヌクレオチドと化学的に異なる1個以上のヌクレオチドからなる、2つの外部「ウィングセグメント」により隣接される内部「ギャップセグメント」を有するオリゴヌクレオチドを意味する。
【0031】
本明細書で使用される用語「支持材料」は、鋳型の分子量を増大させることによって、不純物および生成物が反応混合物から分離されるときにその保持を可能にする高分子量化合物または材料を意味する。
【0032】
本明細書で使用される場合、クエリー核酸配列と対象核酸配列との間の「同一性パーセント」は、ペアワイズBLASTNアラインメントが実行された後に、対象核酸配列がクエリー核酸配列との100%のクエリー包含率を有する場合にBLASTNアルゴリズムによって算出される、パーセンテージとして表される「同一性」の値である。クエリー核酸配列と、対象核酸配列とのそのようなペアワイズBLASTNアラインメントは、低複雑性領域のためのフィルターをオフにしてNational Center for Biotechnology Instituteのウェブサイト上で利用可能なBLASTNのデフォルト設定を用いることによって実行される。重要なことに、クエリー核酸配列を、本明細書の1つ以上の請求項で同定される核酸配列によって記載することができる。クエリー配列は、対象配列と100%同一であってもよく、またはそれは同一性%が100%未満であるような対象配列と比較した場合、ある特定の整数のヌクレオチド変化を含んでもよい。例えば、クエリー配列は、対象配列と少なくとも80、85、90、95、96、97、98、または99%同一である。
【0033】
発明の記載
本発明の一態様においては、少なくとも1個の改変ヌクレオチド残基を有する一本鎖オリゴヌクレオチド生成物を産生するためのプロセスであって、
a)鋳型が生成物からの分離を可能にする特性を有する、生成物の配列と相補的な鋳型オリゴヌクレオチド(I)を提供すること;
b)オリゴヌクレオチド(II)のプールを提供すること;
c)アニーリングを可能にする条件で(I)と(II)とを接触させること;
d)アニーリングした鋳型と不純物オリゴヌクレオチド鎖とを変性させること、および不純物を分離することを含む、任意の不純物を分離するために条件を変化させること;ならびに
e)アニーリングした鋳型と生成物オリゴヌクレオチド鎖とを変性させること、および生成物を分離することを含む、生成物を分離するために条件を変化させること
を含む、前記プロセスが提供される。
【0034】
そのようなプロセスを用いて、不純物、例えば、ホスホロアミダイト化学による化学合成、例えば、ホスホロアミダイト化学による固相化学合成によって産生されるオリゴヌクレオチドのプールから生成物を精製することができる。
本発明のさらなる実施形態においては、
a)鋳型が生成物からの分離を可能にする特性を有する、生成物の配列と相補的な鋳型オリゴヌクレオチド(I)を提供すること;
b)少なくとも1個のセグメントが少なくとも1個の改変ヌクレオチド残基を含有する、標的配列のセグメントである短いオリゴヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチド(II)のプールを提供すること;
c)アニーリングを可能にする条件で(I)と(II)とを接触させること;
d)セグメントオリゴヌクレオチドを連結すること;
e)アニーリングした鋳型と不純物オリゴヌクレオチド鎖とを変性させること、および不純物を分離することを含む、任意の不純物を分離するために条件を変化させること;ならびに
f)アニーリングした鋳型と生成物オリゴヌクレオチド鎖とを変性させること、および生成物を分離することを含む、生成物を分離するために条件を変化させること
を含む、プロセスが提供される。
【0035】
本発明の実施形態においては、反応容器中にヌクレオチドは実質的に存在しない。本発明の実施形態においては、反応容器中にヌクレオチドは存在しない。特に、反応容器は、ヌクレオチドのプールを含まない、すなわち、反応物は、ヌクレオチドを実質的に含まない、好ましくは、含まない。
【0036】
本発明の別の実施形態は、変性が温度上昇の結果である、本明細書で以前に記載されたプロセスを提供する。
【0037】
本発明の一実施形態は、セグメントオリゴヌクレオチドが酵素的ライゲーションによって連結される、本明細書で以前に開示されたプロセスを提供する。さらなる実施形態においては、酵素的ライゲーションは、リガーゼによって実行される。
【0038】
本発明の別の実施形態は、セグメントオリゴヌクレオチドが化学的ライゲーションによって連結される、本明細書で以前に開示されたプロセスを提供する。さらなる実施形態においては、化学的ライゲーションは、クリック化学反応である。本発明の実施形態においては、セグメントオリゴヌクレオチドの化学的ライゲーションは、Kalinowskiら、ChemBioChem 2016, 17, 1150-1155によって詳述されたホスホロアミダート結合を産生する鋳型反応中で起こる。
【0039】
本発明のさらに別の実施形態は、セグメントオリゴヌクレオチドが3~15ヌクレオチド長である、本明細書で以前に開示されたプロセスを提供する。本発明のさらなる実施形態では、セグメントは5~10ヌクレオチド長である。本発明のさらなる実施形態では、セグメントは5~8ヌクレオチド長である。本発明のさらなる実施形態では、セグメントは5、6、7又は8ヌクレオチド長である。特定の実施形態においては、3つのセグメントオリゴヌクレオチド:7ヌクレオチド長である5'セグメント、6ヌクレオチド長である中央セグメントおよび7ヌクレオチド長である3'セグメントが存在し、一緒にライゲートした場合、20ヌクレオチド長であるオリゴヌクレオチド(「20マー」)を形成する。特定の実施形態においては、3つのセグメントオリゴヌクレオチド: 6ヌクレオチド長である5'セグメント、8ヌクレオチド長である中央セグメントおよび6ヌクレオチド長である3'セグメントが存在し、一緒にライゲートした場合、20ヌクレオチド長であるオリゴヌクレオチド(「20マー」)を形成する。特定の実施形態においては、3つのセグメントオリゴヌクレオチド: 5ヌクレオチド長である5'セグメント、10ヌクレオチド長である中央セグメントおよび5ヌクレオチド長である3'セグメントが存在し、一緒にライゲートした場合、20ヌクレオチド長であるオリゴヌクレオチド(「20マー」)を形成する。特定の実施形態においては、4つのセグメントオリゴヌクレオチド: 5ヌクレオチド長である5'セグメント、5ヌクレオチド長である5'-中央セグメント、5ヌクレオチド長である中央-3'セグメント、および5ヌクレオチド長である3'セグメントが存在し、一緒にライゲートした場合、20ヌクレオチド長であるオリゴヌクレオチド(「20マー」)を形成する。
【0040】
本発明の一実施形態は、生成物が10~200ヌクレオチド長である、本明細書で以前に記載されたプロセスを提供する。本発明のさらなる実施形態においては、生成物は、15~30ヌクレオチド長である。本発明の実施形態においては、生成物は、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30ヌクレオチド長である。本発明の実施形態においては、生成物は20ヌクレオチド長、「20マー」である。本発明の実施形態においては、生成物は21ヌクレオチド長、「21マー」である。本発明の実施形態においては、生成物は22ヌクレオチド長、「22マー」である。本発明の実施形態においては、生成物は23ヌクレオチド長、「23マー」である。本発明の実施形態においては、生成物は24ヌクレオチド長、「24マー」である。本発明の実施形態においては、生成物は25ヌクレオチド長、「25マー」である。本発明の実施形態においては、生成物は26ヌクレオチド長、「26マー」である。本発明の実施形態においては、生成物は27ヌクレオチド長、「27マー」である。本発明の実施形態においては、生成物は28ヌクレオチド長、「28マー」である。本発明の実施形態においては、生成物は29ヌクレオチド長、「29マー」である。本発明の実施形態においては、生成物は30ヌクレオチド長、「30マー」である。
【0041】
本発明の実施形態においては、プロセスは、治療用オリゴヌクレオチドを産生するためのプロセスである。本発明の実施形態においては、プロセスは、一本鎖治療用オリゴヌクレオチドを産生するためのプロセスである。本発明の実施形態においては、プロセスは、二本鎖治療用オリゴヌクレオチドを産生するためのプロセスである。
【0042】
本発明の別の実施形態は、生成物からの鋳型の分離を可能にする特性が、鋳型が支持材料に結合することである、本明細書で以前に開示されたプロセスを提供する。本発明のさらなる実施形態においては、支持材料は、可溶性支持材料である。本発明のさらなる実施形態においては、可溶性支持材料は、ポリエチレングリコール、可溶性有機ポリマー、DNA、タンパク質、デンドリマー、多糖、オリゴ糖、および炭水化物からなる群から選択される。本発明の実施形態においては、支持材料は、ポリエチレングリコール(PEG)である。本発明のさらなる実施形態においては、支持材料は、不溶性支持材料である。本発明のさらなる実施形態においては、支持材料は、固体支持材料である。さらなる実施形態においては、固体支持材料は、ガラスビーズ、ポリマービーズ、繊維状支持体、膜、ストレプトアビジン被覆ビーズおよびセルロースからなる群から選択される。実施形態においては、固体支持材料は、ストレプトアビジン被覆ビーズである。さらなる実施形態においては、固体支持材料は、反応容器自体の一部、例えば、反応壁である。
【0043】
本発明の一実施形態は、鋳型の複数の反復コピーが単一の結合点を介して支持材料に連続的様式で結合される、本明細書で以前に開示されたプロセスを提供する。鋳型の複数の反復コピーを、リンカーにより、例えば、
図3に示されるように分離することができる。鋳型の複数の反復コピーは、直接反復であってもよい、例えば、それらはリンカーによって分離されない。
【0044】
本発明のさらに別の実施形態は、生成物からの鋳型の分離を可能に得する特性が鋳型の分子量である、本明細書で以前に開示されたプロセスを提供する。例えば、鋳型配列の反復コピーは、リンカー配列を含む、または含まない、単一のオリゴヌクレオチド上に存在してもよい。
【0045】
本発明の別の実施形態は、鋳型、または鋳型と支持材料が、例えば、以下に詳述されるように、将来の反応における使用のためにリサイクル(再利用)される、本明細書で以前に開示されたプロセスを提供する。本発明の別の実施形態は、反応が、例えば、
図4または
図5に示されるように、連続または半連続流動プロセスを使用して実行される、本明細書で以前に開示されたプロセスを提供する。
【0046】
本発明の実施形態においては、プロセスは、オリゴヌクレオチド、特に、治療用オリゴヌクレオチドの大規模製造のためのものである。本発明の文脈では、オリゴヌクレオチドの大規模製造は、1リットルより大きい、またはそれに等しい規模での製造を意味し、例えば、プロセスは1L以上のリアクター中で実行される。あるいは、またはさらに、本発明の文脈では、オリゴヌクレオチドの大規模製造は、生成物のグラム規模での製造、特に、10グラムより多い、またはそれと等しい生成物の産生を意味する。本発明の実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチド生成物の量は、グラム規模である。本発明の実施形態においては、産生される生成物の量は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90または100グラムより多い、またはそれと等しい。、本発明の実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチド生成物の量は、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950グラムより多い、またはそれと等しい。本発明の実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチド生成物の量は、500グラム以上である。本発明の実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチド生成物は、キログラム規模である。本発明の実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチド生成物の量は、1kg以上である。本発明の実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチド生成物の量は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10kgより多い、またはそれと等しい。本発明の実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチド生成物の量は、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100kgより多い、またはそれと等しい。
【0047】
本発明の実施形態においては、産生される生成物の量は、10グラム~100kgである。本発明の実施形態においては、産生される生成物の量は、10グラム~50kgである。本発明の実施形態においては、産生される生成物の量は、100グラム~100kgである。本発明の実施形態においては、産生される生成物の量は、100グラム~50kgである。本発明の実施形態においては、産生される生成物の量は、500グラム~100kgである。本発明の実施形態においては、産生される生成物の量は、500グラム~50kgである。本発明の実施形態においては、産生される生成物の量は、1kg~50kgである。本発明の実施形態においては、産生される生成物の量は、10kg~50kgである。
【0048】
本発明の実施形態においては、オリゴヌクレオチド製造は、2、3、4、5、6、7、8、9、10リットルより大きい、またはそれと等しい規模で、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10Lのリアクター中で行われる。本発明の実施形態においては、オリゴヌクレオチド製造は、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100リットルより大きい、またはそれと等しい規模で、例えば、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100Lのリアクター中で行われる。本発明の実施形態においては、オリゴヌクレオチド製造は、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000リットルより大きい、またはそれと等しい規模で、例えば、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000Lのリアクター中で行われる。
【0049】
本発明の実施形態においては、反応容量は、約10,000L、約5000L、約2000L、約1000L、約500L、約125L、約50L、約20L、約10L、または約5Lである。
【0050】
本発明の実施形態においては、反応容量は、5~10,000L、10~5000L、20~2000L、または50~1000Lである。
【0051】
本発明によるオリゴヌクレオチドは、RNAまたはDNAに基づくオリゴヌクレオチドと比較して、少なくとも1個の骨格改変、および/または少なくとも1個の糖改変および/または少なくとも1個の塩基改変を有してもよい。
【0052】
本発明の一実施形態は、生成物が少なくとも1個の改変ヌクレオチド残基を含有する、本明細書で以前に開示されたプロセスを提供する。さらなる実施形態においては、改変は、糖部分の2'位置にある。
【0053】
本発明のプロセスにおいて使用されるオリゴヌクレオチドは、糖改変、すなわち、改変型のリボシル部分、例えば、2'-O-アルキルまたは2'-O-(置換)アルキル、例えば、2'-O-メチル、2'-O-(2-シアノエチル)、2'-O-(2-メトキシ)エチル(2'-MOE)、2'-O-(2-チオメチル)エチル、2'-O-ブチリル、2'-O-プロパルギル、2'-O-アリル、2'-O-(3-アミノ)プロピル、2'-O-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)、2'-O-(2-アミノ)エチル、2'-O-(2-(ジメチルアミノ)エチル)などの2'-O-改変RNA;2'-デオキシ(DNA);2'-O-(ハロアルコキシ)メチル(Arai K.ら、Bioorg. Med. Chem. 2011, 21, 6285)、例えば、2'-O-(2-クロロエトキシ)メチル(MCEM)、2'-O-(2,2-ジクロロエトキシ)メチル(DCEM);2'-O-アルコキシカルボニル、例えば、2'-O-[2-(メトキシカルボニル)エチル](MOCE)、2'-O-[2-(N-メチルカルバモイル)エチル](MCE)、2'-O-[2-(N,N-ジメチルカルバモイル)エチル](DCME);2'-ハロ、例えば、2'-F、FANA(2'-Fアラビノシル核酸);カルバ糖およびアザ糖改変;3'-O-アルキル、例えば、3'-O-メチル、3'-O-ブチリル、3'-O-プロパルギル;ならびにその誘導体を含んでもよい。
【0054】
本発明の実施形態においては、糖改変は、2'-フルオロ(2'-F)、2'-O-メチル(2'-OMe)、2'-O-メトキシエチル(2'-MOE)、および2'-アミノからなる群から選択される。さらなる実施形態においては、改変は、2'-MOEである。
【0055】
他の糖改変としては、「架橋」または「二環式」核酸(BNA)、例えば、ロックド核酸(LNA)、キシロ-LNA、α-L-LNA、β-D-LNA、cEt(2'-O,4'-C拘束エチル)LNA、cMOEt(2'-O,4'-C拘束メトキシエチル)LNA、エチレン架橋核酸(ENA)、トリシクロDNA;アンロックド核酸(UNA);シクロヘキセニル核酸(CeNA)、アルトリオール核酸(ANA)、ヘキシトール核酸(HNA)、フッ素化HNA(F-HNA)、ピラノシル-RNA(p-RNA)、3'-デオキシピラノシル-DNA(p-DNA);モルホリノ(例えば、PMO、PPMO、PMOPlus、PMO-Xにおけるような);およびその誘導体が挙げられる。
【0056】
本発明のプロセスにおいて使用されるオリゴヌクレオチドは、ペプチドに基づく核酸(PNA)、ホウ素改変PNA、ピロリジンに基づくオキシ-ペプチド核酸(POPNA)、グリコール-またはグリセロールに基づく核酸(GNA)、トレオースに基づく核酸(TNA)、非環式トレオニノールに基づく核酸(aTNA)、塩基と骨格が組み込まれたオリゴヌクレオチド(ONIB)、ピロリジン-アミドオリゴヌクレオチド(POM);およびその誘導体などの他の改変を含んでもよい。
【0057】
本発明の実施形態においては、改変オリゴヌクレオチドは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)、ロックド核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、架橋核酸(BNA)、例えば、(S)-cEt-BNA、またはSPIEGELMERを含む。
【0058】
さらなる実施形態においては、改変は、核酸塩基中にある。塩基改変としては、改変型の天然プリンおよびピリミジン塩基(例えば、アデニン、ウラシル、グアニン、シトシン、およびチミン)、例えば、イノシン、ヒポキサンチン、オロチン酸、アグマチジン、リシジン、2-チオピリミジン(例えば、2-チオウラシル、2-チオチミン)、G-クランプおよびその誘導体、5-置換ピリミジン(例えば、5-メチルシトシン、5-メチルウラシル、5-ハロウラシル、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、5-アミノメチルウラシル、5-ヒドロキシメチルウラシル、5-アミノメチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、Super T)、2,6-ジアミノプリン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、7-アザ-2、6-ジアミノプリン、8-アザ-7-デアザグアニン、8-アザ-7-デアザアデニン、8-アザ-7-デアザ-2、6-ジアミノプリン、Super G、Super A、およびN4-エチルシトシン、またはその誘導体;N2-シクロペンチルグアニン(cPent-G)、N2-シクロペンチル-2-アミノプリン(cPent-AP)、およびN2-プロピル-2-アミノプリン(Pr-AP)、またはその誘導体;ならびに2,6-ジフルオロトルエンのような縮重もしくはユニバーサル塩基または脱塩基部位のような非存在塩基(例えば、1-デオキシリボース、1,2-ジデオキシリボース、1-デオキシ-2-O-メチルリボース;または環酸素が窒素で置き換えられたピロリジン誘導体(アザリボース))が挙げられる。Super A、Super GおよびSuper Tの誘導体の例を、US6683173に見出すことができる。cPent-G、cPent-APおよびPr-APは、siRNA中に組み込まれた場合、免疫刺激効果を低下させることが示された(Peacock H.ら、J. Am. Chem. Soc. (2011), 133, 9200)。
【0059】
本発明の実施形態においては、核酸塩基改変は、5-メチルピリミジン、7-デアザグアノシンおよび脱塩基ヌクレオチドからなる群から選択される。実施形態においては、改変は、5-メチルシトシンである。
【0060】
本発明のプロセスにおいて使用されるオリゴヌクレオチドは、骨格改変、例えば、ホスホロチオエート(PS)、ホスホロジチオエート(PS2)、ホスホノアセテート(PACE)、ホスホノアセトアミド(PACA)、チオホスホノアセテート、チオホスホノアセトアミド、ホスホロチオエートプロドラッグ、H-ホスホネート、メチルホスホネート、メチルホスホノチオエート、メチルホスフェート、メチルホスホロチオエート、エチルホスフェート、エチルホスホロチオエート、ボラノホスフェート、ボラノホスホロチオエート、メチルボラノホスフェート、メチルボラノホスホロチオエート、メチルボラノホスホネート、メチルボラノホスホノチオエート、およびその誘導体などの、RNA中に存在する改変型のホスホジエステルを含んでもよい。別の改変としては、ホスホロアミダイト、ホスホロアミダート(ホスホロアミデート)、N3'→P5'ホスホロアミダート、ホスホロジアミダート、ホスホロチオジアミダート、スルファメート、ジメチレンスルホキシド、スルホネート、トリアゾール、オキサリル、カルバメート、メチレンイミノ(MMI)、およびチオアセトアミド核酸(TANA);およびその誘導体が挙げられる。
【0061】
さらなる実施形態においては、改変は、骨格中にあり、ホスホロチオエート(PS)、ホスホロアミダート(PA)およびホスホロジアミダートからなる群から選択される。本発明の実施形態においては、改変オリゴヌクレオチドは、ホスホロジアミダートモルホリノオリゴマー(PMO)である。PMOは、ホスホロジアミダート結合と共にメチレンモルホリン環の骨格を有する。本発明の実施形態においては、生成物はホスホロチオエート(PS)骨格を有する。
【0062】
本発明の実施形態においては、オリゴヌクレオチドは、上記に開示された2つ以上の改変の組合せを含む。当業者であれば、オリゴヌクレオチドの合成誘導体が多く存在することを理解するであろう。
【0063】
本発明の実施形態においては、生成物はギャップマーである。本発明の実施形態においては、ギャップマーの5'および3'ウィングは、2'-MOE改変ヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。本発明の実施形態においては、ギャップマーのギャップセグメントは、糖部分の2'位置に水素を含有するヌクレオチドを含むか、またはそれからなる、すなわち、DNAのようなものである。本発明の実施形態においては、ギャップマーの5'および3'ウィングは、2'MOE改変ヌクレオチドからなり、ギャップマーのギャップセグメントは、糖部分の2'位置に水素を含有するヌクレオチドからなる(すなわち、デオキシヌクレオチド)。本発明の実施形態においては、ギャップマーの5'および3'ウィングは、2'MOE改変ヌクレオチドからなり、ギャップマーのギャップセグメントは糖部分の2'位置に水素を含有するヌクレオチドからなり(すなわち、デオキシヌクレオチド)、全てのヌクレオチド間の結合はホスホロチオエート結合である。
【0064】
本発明の一実施形態は、得られる生成物が90%を超えて純粋である、本明細書で以前に記載されたプロセスを提供する。さらなる実施形態においては、生成物は、95%を超えて純粋である。さらなる実施形態においては、生成物は、96%を超えて純粋である。さらなる実施形態においては、生成物は、97%を超えて純粋である。さらなる実施形態においては、生成物は、98%を超えて純粋である。さらなる実施形態においては、生成物は、99%を超えて純粋である。オリゴヌクレオチドの純度を、任意の好適な方法、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または質量分析(MS)、特に、液体クロマトグラフィー-MS(LC-MS)、HPLC-MSまたはキャピラリー電気泳動質量分析(CEMS)を用いて決定することができる。
【0065】
本発明のさらに別の実施形態は、2つの相補的一本鎖オリゴヌクレオチドを、前記実施形態のいずれかに記載の方法によって産生した後、アニーリングを可能にする条件下で混合する、二本鎖オリゴヌクレオチドを産生するためのプロセスを提供する。実施形態においては、生成物はsiRNAである。
【0066】
本発明の一実施形態は、本明細書で以前に記載されたプロセスによって産生されるオリゴヌクレオチドを提供する。本発明の実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチドはRNAである。本発明の実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチドはDNAである。本発明の実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチドは、RNAとDNAの両方を含む。本発明のさらなる実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチドは、改変オリゴヌクレオチドである。本発明の実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチドは、アンチセンスオリゴヌクレオチドである。本発明の実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチドは、アプタマーである。本発明の実施形態においては、産生されるオリゴヌクレオチドは、miRNAである。本発明の実施形態においては、生成物は治療用オリゴヌクレオチドである。
【0067】
本明細書に開示される発明は、その産生のためのプロセスの改良を提供するためにオリゴヌクレオチド結合の特性を利用する。標的配列と100%相補的である鋳型オリゴヌクレオチドを提供すること、および生成物を特定の条件下で遊離させ、分離することができるように反応条件を制御することによって、高純度の生成物を得ることができる。
【0068】
鋳型からの生成物(または不純物)の遊離、すなわち、生成物(または不純物)の変性:鋳型二重鎖、および生成物(または不純物)の分離
鋳型からの生成物(またはプロセスが不純物遊離の追加のステップを含む場合、任意の不純物)の遊離には、鋳型オリゴヌクレオチド鎖と、破壊しようとする生成物(または不純物)とのワトソン・クリック塩基対形成が必要である。次いで、生成物(または不純物)を鋳型から分離することができる。これは、2つの分離ステップとして、または1つの組合せステップとして行ってもよい。
【0069】
生成物(または不純物)の遊離および分離は、プロセスがカラムリアクター中で実行される場合、1ステップとして行ってもよい。pHもしくは塩濃度を変化させる、または塩基対を破壊する化学的薬剤(ホルムアミドもしくは尿素など)を含有するバッファー中での泳動は、オリゴヌクレオチド鎖の変性を引き起こし、生成物(または不純物)はバッファー中に溶出されるであろう。
【0070】
プロセスが他の反応容器中で実行される場合、生成物(または不純物)の遊離および分離は、2ステッププロセスとして行ってもよい。第1に、ワトソン・クリック塩基対を破壊して鎖を分離した後、生成物(または不純物)を反応容器から取り出す。生成物の遊離および分離を2ステッププロセスとして実行する場合、ワトソン・クリック塩基対の破壊を、バッファー条件(pH、塩)を変化させること、または化学的破壊剤(ホルムアミド、尿素)を導入することによって達成することができる。あるいは、温度の上昇も、2つの鎖の解離を引き起こすであろう。次いで、生成物(または不純物)を、分子量に基づく分離、電荷に基づく分離、疎水性に基づく分離、特定の配列に基づく分離またはこれらの方法の組合せを含む方法によって反応容器から取り出すことができる。
【0071】
プロセスを連続的または半連続的流動リアクター中で実行する場合、生成物(または不純物)の遊離および分離は1ステップまたは2ステップのいずれかであってもよい。例えば、1ステップでの生成物(または不純物)の遊離および分離を、2つの鎖の解離を引き起こすために温度を上昇させること、および温度を上昇させるために使用されるリアクターの同じ部分において分子量に基づいて遊離した鎖を分離することによって行うことができる。2ステップでの生成物(または不純物)の遊離および分離を、リアクターのある部分における2つの鎖の解離を引き起こすために温度を上昇させること、およびリアクターの異なる部分において分子量に基づいて遊離した鎖を分離することによって行うことができる。
【0072】
鋳型上に生成物を保持しながらの鋳型からの不純物の特異的な遊離および分離
不純物は、不正確なヌクレオチドが鎖伸長の間にオリゴヌクレオチド鎖に組み込まれるとき、または鎖伸長反応が早期に終結する時に生じる。不純物はまた、反応がセグメントオリゴヌクレオチドをライゲートするステップを含み、1つ以上のライゲーションステップの失敗が起こる時にも生じる。生じ得る不純物の種類を、
図6に例示する。
【0073】
ワトソン・クリック塩基対の特性を活用して、生成物の遊離前に鋳型に結合した任意の不純物を特異的に遊離させることができる。それぞれの二本鎖オリゴヌクレオチドは、特定の条件下で解離し、これらの条件は100%の相補性を有する配列と比較した場合、100%の相補性を有しない配列について異なる。そのような条件の決定は、当業者の権限の範囲内にある。
【0074】
オリゴヌクレオチドを変性させる一般的な方法は、温度を上昇させることによるものである。塩基対の半分が解離する、すなわち、二重鎖の50%が一本鎖状態になる温度は、融点Tmと呼ばれる。融点を決定するための最も信頼でき、正確な手段は、経験によるものである。しかしながら、これは面倒であり、通常は必要ではない。いくつかの式を用いて、Tm値を算出することができ(Nucleic Acids Research 1987, 15 (13): 5069-5083; PNAS 1986, 83 (11): 3746-3750; Biopolymers 1997, 44 (3): 217-239)、いくつかの融点計算式を、試薬供給業者および大学により提供されるオンラインに見出すことができる。所与のオリゴヌクレオチド配列について、全てホスホロチオエート結合を有するバリアントは、全てホスホジエステル結合を有するバリアントよりも低温で融解することが知られている。オリゴヌクレオチド中のホスホロチオエート結合の数の増加は、その意図される標的についてオリゴヌクレオチドのTmを低下させる傾向がある。
【0075】
反応混合物から不純物を特異的に分離するために、第1に、生成物:鋳型二重鎖の融点を算出する。次いで、反応容器を、第1の温度、例えば、生成物:鋳型二重鎖の融点より低い温度、例えば、融点より1、2、3、4、5、6、7、8、9または10℃低い温度に加熱する。これは、鋳型に由来する、生成物ではない、鋳型と100%相補的ではないオリゴヌクレオチドの変性を引き起こす。次いで、これらのものを、上記で開示された方法の1つ、例えば、分子量に基づく分離、電荷に基づく分離、疎水性に基づく分離、特定の配列に基づく分離またはこれらの方法の組合せを用いて反応容器から取り出すことができる。次いで、反応容器を、第2の、より高い温度、例えば、融点計算値より高い温度、例えば、融点より1、2、3、4、5、6、7、8、9または10℃高い温度に上昇させて、鋳型からの生成物の変性を引き起こす。次いで、生成物を、上記で開示された方法の1つ、例えば、分子量に基づく分離、電荷に基づく分離、疎水性に基づく分離、特定の配列に基づく分離またはこれらの方法の組合せを用いて反応容器から取り出すことができる。
【0076】
破壊剤がpH、塩濃度の変化を引き起こす薬剤または化学的破壊剤である場合、同様のプロセスを用いることができる。破壊剤の濃度を、生成物が解離する濃度のすぐ下まで増加させて、鋳型に由来する生成物ではないオリゴヌクレオチドの変性を引き起こす。次いで、これらの不純物を、上記に開示された方法の1つを用いて反応容器から取り出すことができる。次いで、破壊剤の濃度を、生成物が鋳型から解離する濃度の上まで増加させる。次いで、生成物を、上記に開示された方法の1つを用いて反応容器から取り出すことができる。
【0077】
上記に開示されたものなどのプロセスから得られた生成物は、高い純度を有し、さらなる精製ステップを必要としない。例えば、得られた生成物は、95%を超えて純粋である。
【0078】
鋳型の特性
鋳型には、鋳型が生成物中の不純物になることを防ぐために、生成物が取り出される時に鋳型を反応容器中に保持することができる特性が必要である。換言すれば、鋳型は、鋳型を生成物から分離することを可能とする特性を有する。本発明の一実施形態においては、この保持は、鋳型を支持材料にカップリングさせることによって達成される。このカップリングは、高い分子量を有し、したがって、不純物および生成物が、例えば、濾過によって取り出される時に反応容器中に保持することができる鋳型-支持体複合体をもたらす。鋳型を、ポリマービーズ、繊維状支持体、膜、ストレプトアビジン被覆ビーズおよびセルロースなどの固体支持材料にカップリングすることができる。また、鋳型を、ポリエチレングリコール、可溶性有機ポリマー、DNA、タンパク質、デンドリマー、多糖、オリゴ糖および炭水化物などの可溶性支持材料にカップリングすることもできる。
【0079】
それぞれの支持材料は、鋳型を結合させることができる複数の点を有してもよく、それぞれの結合点は、例えば、
図3に示される様式で結合される複数の鋳型を有してもよい。
【0080】
鋳型は、それ自体、支持材料に結合させることなく、高分子量を有してもよく、例えば、それは
図3に示される様式で、リンカーによって分離された、例えば、複数コピーの鋳型を含む分子であってもよい。
【0081】
鋳型を反応容器中に保持する能力はまた、回収されるか、または連続もしくは半連続流動プロセスにおける使用による、将来の使用のために鋳型をリサイクルすることもできる。
【0082】
生成物(または不純物)からの鋳型の分離方法
上記に開示された鋳型の特性は、鋳型と生成物の分離、または鋳型に結合した生成物と不純物の分離を可能にする。分子量に基づく分離、電荷に基づく分離、疎水性に基づく分離、特定の配列に基づく分離またはこれらの方法の組合せを用いることもできる。
【0083】
鋳型を固体支持体に結合させる場合、生成物からの鋳型の分離または鋳型に結合した生成物からの不純物の分離は、適切な条件下で固体支持体を洗浄することによって達成される。鋳型を可溶性支持体にカップリングさせるか、または鋳型自体が反復鋳型配列から構成される場合、生成物からの鋳型の分離または不純物からの鋳型に結合した生成物の分類を、分子量に基づく分離によって達成することができる。これを、大きい方の分子がフィルターによって保持され、小さい方の分子が通過するようなフィルター材料が選択される限外濾過またはナノ濾過などの技術を使用することによって達成することができる。鋳型生成物複合体からの不純物の単一分離ステップまたは鋳型からの生成物の分離が十分に効率的ではない場合、複数の連続濾過ステップを用いて、分離効率を増大させ、したがって、所望の純度を満たす生成物を生成することができる。
【0084】
効率的であり、また、工業生産規模に適用できるそのようなオリゴヌクレオチドの分離のためのプロセスを提供することが望ましい。「Therapeutic oligonucleotides: The state of the art in purification technologies」Sanghviら、Current Opinion in Drug Discovery (2004) Vol. 7 No. 8は、オリゴヌクレオチド精製のために使用されるプロセスを概説している。
【0085】
WO-A-01/55160は、夾雑物とのイミン結合を形成させた後、クロマトグラフィーまたは他の技術を用いてイミン結合した不純物を除去することによるオリゴヌクレオチドの精製を開示している。「Size Fractionation of DNA Fragments Ranging from 20 to 30000 Base Pairs by Liquid/Liquid chromatography」Mullerら、Eur. J. Biochem (1982) 128-238は、ヌクレオチド配列の分離のためにPEG/デキストラン相上に沈着した微結晶性セルロースの固相カラムの使用を開示している。「Separation and identification of oligonucleotides by hydrophilic interaction chromatography.」Easterら、The Analyst (2010); 135(10)は、固体ケイ素支持体相を用いるHPLCの変形を用いたオリゴヌクレオチドの分離を開示している。「Fractionation of oligonucleotides of yeast soluble ribonucleic acids by countercurrent distribution」Doctorら、Biochemistry (1965) 4(1) 49-54は、乾燥DEAE-セルロースを充填した乾燥固体カラムの使用を開示している。「Oligonucleotide composition of a yeast lysine transfer ribonucleic acid」 Madisonら; Biochemistry, 1974, 13(3)は、ヌクレオチド配列の分離のための固相クロマトグラフィーの使用を開示している。
【0086】
液体-液体クロマトグラフィーは、公知の分離方法である。「Countercurrent Chromatography The Support-Free Liquid Stationary Phase」Billardello, B.; Berthod, A; Wilson & Wilson's Comprehensive Analytical Chemistry 38; Berthod, A., Ed.; Elsevier Science B.V.: Amsterdam (2002) pp 177-200は、液体-液体クロマトグラフィーの有用な一般的記載を提供する。様々な液体-液体クロマトグラフィー技術が公知である。1つの技術は、液体-液体対抗電流クロマトグラフィー(本明細書では「CCC」と呼ばれる)である。別の公知の技術は、向流遠心クロマトグラフィー(本明細書では「CPC」と呼ばれる)である。
【0087】
上記に開示された方法およびWO2013/030263に記載された方法を用いて、例えば、鋳型および/または不純物からオリゴヌクレオチド生成物を分離することができる。
【0088】
出発材料として使用されるオリゴヌクレオチド
本発明のプロセスのための出発材料として使用されるオリゴヌクレオチドは、本明細書では「プール」と記載され、その定義は上記で提供されている。プールは、オリゴヌクレオチドの非均一セットである。プールを形成するオリゴヌクレオチドは、他のオリゴヌクレオチド産生方法によって産生されたものであり、したがって、高い程度の不純物を含有する可能性がある。したがって、このオリゴヌクレオチドのプールが本発明のプロセスに適用される場合、本明細書に記載のように不純物を特異的に除去する能力は、精製ステップの発生をもたらす。
【0089】
プールは、鋳型オリゴヌクレオチドと同じ長さであることが意図されるオリゴヌクレオチドを含有してもよい(しかしながら、異なる長さの不純物、ならびに不正確に組み込まれた残基を含有するであろう)。また、プールは、鋳型上に集合(アセンブリ)させながら一緒に連結される生成物オリゴヌクレオチドのセグメントから構成されていてもよい。各セグメントは、異なる長さの不純物および不正確に組み込まれた残基を含む非均一セットであろう。
【0090】
リガーゼ
本発明の態様においては、リガーゼが提供される。本発明の実施形態においては、リガーゼは、ATP依存的リガーゼである。ATP依存的リガーゼは、30~100kDaのサイズである。本発明の実施形態においては、リガーゼは、NAD依存的リガーゼである。NAD依存的酵素は、高度に相同性であり、70~80kDaのモノマータンパク質である。本発明の実施形態においては、リガーゼは熱安定性リガーゼである。熱安定性リガーゼは、好熱性細菌に由来するものであってよい。
【0091】
本発明の実施形態においては、リガーゼは、改変リガーゼである。例えば、改変リガーゼとしては、改変T4 DNAリガーゼ、改変腸内細菌ファージCC31リガーゼ、改変シゲラファージShf125875リガーゼおよび改変クロレラリガーゼが挙げられる。
実施形態においては、野生型T4 DNAリガーゼは、配列番号3のアミノ酸368位またはアミノ酸371位で改変される。
実施形態においては、変異体リガーゼは、368位のアミノ酸がRまたはKである、配列番号3を含む、またはそれからなる。
【0092】
実施形態においては、変異体リガーゼは、371位のアミノ酸が、以下のアミノ酸:L、K、Q、V、P、Rのいずれか1つである、配列番号3を含む、またはそれからなる。
【0093】
実施形態においては、T4 DNAリガーゼと関連して上記に開示された対応する残基は、腸内細菌ファージCC31リガーゼ、シゲラファージShf125875リガーゼおよびクロレラリガーゼのいずれか1つにおいて変異される。DNAリガーゼの保存された領域は、Chem. Rev. 2006, 106, 687-699およびNucleic Acids Research, 2000, Vol. 28, No. 21, 4051-4058に開示されている。実施形態においては、リガーゼは、リンカー領域中で改変される。
【0094】
本発明の実施形態においては、リガーゼは、野生型リガーゼ、例えば、腸内細菌ファージCC31リガーゼを除く、配列番号23またはそれに対する少なくとも90%の配列同一性を有するリガーゼを含む、またはそれからなる。
【0095】
本発明の実施形態においては、リガーゼは、以下のアミノ酸配列:配列番号10~28のいずれか1つを含む、またはそれからなる。
【0096】
本発明の実施形態においては、リガーゼは、例えば、ビーズ上に固定される。
【0097】
本発明の態様においては、1つ以上の改変された糖部分を含有する5'セグメントを、3'セグメント内の全ての糖部分が改変されていない3'セグメントにライゲートするための、配列番号6または配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むリガーゼの使用が提供される。本発明の実施形態においては、2'-OMe改変を有する1つ以上の糖部分を含有する5'セグメントを、3'セグメント内の全ての糖部分が改変されていない3'セグメントにライゲートするための、配列番号6または配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むリガーゼの使用が提供される。実施形態においては、5'セグメント中の全ての糖部分が2'-OMe改変を含有する。実施形態においては、5'セグメントは、2'-OMe改変を有する5個の糖部分を含有する。
【0098】
本発明は、以下の項目を含む:
1. 一本鎖オリゴヌクレオチド生成物を産生するためのプロセスであって、
a)鋳型が生成物からの分離を可能にする特性を有する、生成物の配列と相補的な鋳型オリゴヌクレオチド(I)を提供すること;
b)オリゴヌクレオチド(II)のプールを提供すること;
c)アニーリングを可能にする条件で(I)と(II)とを接触させること;および
d)生成物を除去するために条件を変化させること
を含む、前記プロセス。
【0099】
2. 下記:
a)鋳型が生成物からの分離を可能にする特性を有する、生成物の配列と相補的な鋳型オリゴヌクレオチド(I)を提供すること;
b)オリゴヌクレオチド(II)のプールを提供すること;
c)アニーリングを可能にする条件で(I)と(II)とを接触させること;
d)不純物を除去するために条件を変化させること;および
e)生成物を除去するために条件を変化させること
を含む、項目1に記載のプロセス。
【0100】
3. 下記:
a)鋳型が生成物からの分離を可能にする特性を有する、生成物の配列と相補的な鋳型オリゴヌクレオチド(I)を提供すること;
b)生成物配列のセグメントであるオリゴヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチド(II)のプールを提供すること;
c)アニーリングを可能にする条件で(I)と(II)とを接触させること;
d)セグメントオリゴヌクレオチドを連結して、生成物を形成させること;
e)不純物を除去するために条件を変化させること;および
f)生成物を除去するために条件を変化させること
を含む、項目1または2に記載のプロセス。
【0101】
4. プロセスが反応容器中で起こり、生成物を除去するために条件を変化させることが、アニーリングしたオリゴヌクレオチド鎖を分離するステップと、反応容器から生成物を取り出すステップとを含む、項目1~3のいずれかに記載のプロセス。
【0102】
5. プロセルが反応容器中で起こり、不純物を除去するために条件を変化させることが、アニーリングしたオリゴヌクレオチド鎖を分離するステップと、反応容器から不純物を取り出すステップとを含む、項目2~4のいずれかに記載のプロセス。
【0103】
6. 鎖の分離が温度の上昇の結果である、項目4または5に記載のプロセス。
【0104】
7. i)アニーリングした不純物を分離するため、およびii)アニーリングした生成物を分離するために温度を上昇させる2つのステップを含む、項目6に記載のプロセス。
【0105】
8. セグメントオリゴヌクレオチドが酵素的ライゲーションによって連結される、項目3~7に記載のプロセス。
【0106】
9. 酵素がリガーゼである、項目8に記載のプロセス。
【0107】
10. セグメントが3~15ヌクレオチド長である、項目3~9のいずれか1つに記載のプロセス。
【0108】
11. 生成物が10~200ヌクレオチド長である、項目1~10のいずれかに記載のプロセス。
【0109】
12. 生成物が20~25ヌクレオチド長である、項目11に記載のプロセス。
【0110】
13. 3つのセグメントオリゴヌクレオチド:7ヌクレオチド長である5'セグメント、6ヌクレオチド長である中央セグメントおよび7ヌクレオチド長である3'セグメントを含む、項目12に記載のプロセス。
【0111】
14. 3つのセグメントオリゴヌクレオチド:6ヌクレオチド長である5'セグメント、8ヌクレオチド長である中央セグメントおよび6ヌクレオチド長である3'セグメントを含む、項目12に記載のプロセス。
【0112】
15. 3つのセグメントオリゴヌクレオチド:5ヌクレオチド長である5'セグメント、10ヌクレオチド長である中央セグメントおよび5ヌクレオチド長である3'セグメントを含む、項目12に記載のプロセス。
【0113】
16. 生成物からの鋳型の分離を可能にする特性が、鋳型が支持材料に結合することである、項目1~15のいずれかに記載のプロセス。
【0114】
17. 支持材料が可溶性支持材料である、項目16に記載のプロセス。
【0115】
18. 支持材料がポリエチレングリコールである、項目17に記載のプロセス。
【0116】
19. 鋳型の複数の反復コピーが、単一の結合点により支持材料に連続様式で結合される、項目11~18のいずれか1つに記載のプロセス。
【0117】
20. 生成物からの鋳型の分離を可能にする特性が、鋳型の分子量である、項目1~15のいずれか1つに記載のプロセス。
【0118】
21. 鋳型、または鋳型と支持材料が、将来の反応における使用のためにリサイクルされる、項目1~20のいずれかに記載のプロセス。
【0119】
22. 反応が連続流動プロセスを用いて実行される、項目1~21のいずれかに記載のプロセス。
【0120】
23. 生成物が少なくとも1個の改変ヌクレオチド残基を含有する、項目1~22のいずれかに記載のプロセス。
【0121】
24. 少なくとも1個のセグメントが少なくとも1個の改変ヌクレオチド残基を含有する、項目23に記載のプロセス。
【0122】
25. 改変が糖部分の2'位にある、項目23または24に記載のプロセス。
【0123】
26. 改変が2'-F、2'-OMe、2'-MOE、および2'-アミノからなる群から選択される、項目25に記載のプロセス。
【0124】
27. オリゴヌクレオチドがPMO、LNA、PNA、BNA、またはSpiegelmerTMを含む、項目24に記載のプロセス。
【0125】
28. 改変が核酸塩基中にある、項目23または24に記載のプロセス。
【0126】
29. 改変が5-メチルピリミジン、7-デアザグアノシンおよび脱塩基ヌクレオチドからなる群から選択される、項目28に記載のプロセス。
【0127】
30. 改変が骨格中にある、項目23または24に記載のプロセス。
【0128】
31. 改変がホスホロチオエート、ホスホロアミダートおよびホスホロジアミダートからなる群から選択される、項目30に記載のプロセス。
【0129】
32. 得られる生成物が少なくとも90%純粋である、項目1~31のいずれかに記載のプロセス。
【0130】
33. 生成物が少なくとも95%純粋である、項目32に記載のプロセス。
【0131】
34. 2つの相補的一本鎖オリゴヌクレオチドを項目1~33のいずれかに記載の方法によって産生した後、アニーリングを可能にする条件下で混合する、二本鎖オリゴヌクレオチドを産生するためのプロセス。
【0132】
35. 治療的オリゴヌクレオチドを産生するための、項目1~34のいずれかに記載のプロセス。
【0133】
36. 項目1~35のいずれか1つに記載のプロセスによって産生されたオリゴヌクレオチド。
【0134】
37. オリゴヌクレオチドが項目23~35のいずれか1つに記載のプロセスによって産生された改変オリゴヌクレオチドである、項目36に記載のオリゴヌクレオチド。
【0135】
38. オリゴヌクレオチドがギャップマーである、項目37に記載のオリゴヌクレオチド。
【0136】
39. 368位のアミノ酸がRもしくはKと置き換えられる;および/または371位のアミノ酸がL、K、Q、V、P、もしくはRと置き換えられる、配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むリガーゼ。
40. 配列番号10~28のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むリガーゼ。
【0137】
41. 2'-OMe改変を有する1つ以上の糖部分を含有する5'セグメントを、3'セグメント内の全ての糖部分が改変されていない3'セグメントにライゲートするための、配列番号6または配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むリガーゼの使用。
【0138】
(実施例)
省略形
OMe O-メチル
MOE O-メトキシエチル(DNA骨格)またはメトキシエチル(RNA骨格)
CBD セルロース結合ドメイン
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
PBS リン酸緩衝生理食塩水
HAA ヘキシルアンモニウムアセテート
SDS PAGE ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
PO ホスホジエステル
DTT ジチオトレイトール
【実施例1】
【0139】
オリゴヌクレオチド(DNA)セグメントアセンブリおよび野生型T4 DNAリガーゼを用いるライゲーション
1.1 出発配列および対照配列の化学合成
複数の短いオリゴヌクレオチド(「セグメント」)を相補的鋳型鎖上で正確な順序でアセンブリさせ、所望の最終生成物(「標的」)を得るためにライゲートすることができることを証明するために、表1に詳述される、セグメント、標的および鋳型配列を、標準的な方法を用いて化学的に合成した。
【0140】
1.2 HPLC分析
HPLC分析を、258nmで吸光度をモニタリングしながら0.2ml/minで泳動してAgilent ZORBAX Eclipse Plus XDB-C18カラム(4.6 x 150mm、5μm dp. Agilent P/N 993967-902)を用いて実行した。カラムを60℃に維持した。20μlの試料を注入し、20~31%のバッファーBからの勾配を20分間にわたって行った後、5分間にわたって80%のバッファーBに段階的に上げた。
【0141】
バッファーA:75mlの1M HAA、300mlのイソプロピルアルコール、200mlのアセトニトリル、4425mlの水。
バッファーB:650mlのイソプロピルアルコール、350mlのアセトニトリル。
【0142】
【0143】
1.3 市販のT4 DNAリガーゼ(配列番号3)を用いたオリゴヌクレオチドアセンブリおよびライゲーション法
5'セグメント、中央セグメントおよび3'セグメントを鋳型上にアセンブリさせた:それぞれのセグメントおよび鋳型を、1mg/mlの濃度で水に溶解した後、以下のように混合した:
5'セグメント 2μl
中央セグメント 2μl
3'セグメント 2μl
ビオチン化された鋳型 2μl
H2O 36μl。
【0144】
合わせたオリゴヌクレオチド溶液を、94℃で5分間インキュベートし、37℃に冷却した後、37℃でさらに5分間インキュベートして、セグメントを鋳型にアニーリングさせた。次いで、2μl(2μgと同等)のT4 DNAリガーゼ(NEB)および4μlの1xT4 DNAライゲーションバッファー(NEB)を添加し、反応液(総反応容量50μl)を室温で1時間インキュベートした。この後、40μlのストレプトアビジン被覆磁気ビーズを添加し、懸濁液を室温で10分間インキュベートして、ビオチン化された鋳型をストレプトアビジンに結合させた。ストレプトアビジンビーズを2 x 100μlのPBSで洗浄して、未結合のセグメントを除去した。洗浄液を、HPLCによって分析した。次いで、反応混合物を94℃で10分間インキュベートして、鋳型から未結合のライゲーション生成物(または任意の結合したセグメント)を分離した後、氷上で急速に冷却して、DNAを「融解」し、オリゴヌクレオチド生成物(またはセグメント)の鋳型への再アニーリングを停止させた。次いで、ライゲーション反応の分析を、HPLCによって実行した。
【0145】
1.4 インハウスT4 DNAリガーゼビーズスラリーを用いたオリゴヌクレオチドのアセンブリおよびライゲーション法
1.4.1 ビーズスラリーの生成
セルロース結合ドメイン(CBD)にN末端で融合したT4リガーゼ(配列番号4)を、標準的なクローニング、発現および抽出方法を用いて産生した。このT4リガーゼのアミノ酸配列は、N末端メチオニン(M)がグリシンおよびセリン(GS)で置き換えられているという点で市販のT4リガーゼ配列(配列番号3)と異なる。これを行って、CBD融合タンパク質の生成および発現を補助した。CBD-T4リガーゼ融合タンパク質を、BL21 A1細胞(INVITROGEN)中で発現させた。上清を収獲し、600μlのPERLOZA 100(PERLOZA)ビーズに添加し、26℃で1時間振とうした。次いで、PERLOZAセルロースビーズを収集し、2mlのバッファー(50mM Tris pH8.0、200mM NaCl、0.1%Tween 20、10%グリセロール)、次いで、5mlのPBSで洗浄し、最後に、200μlのPBS(10mM PO4
3-、137mM NaCl、2.7mM KCl pH7.4)中に再懸濁した。タンパク質発現を分析するために、15μlのPERLOZAビーズスラリーを、5μlのSDSローディングバッファーと混合し、80℃で10分間インキュベートした後、標準的なプロトコールに従ってSDS PAGE勾配ゲル(4~20%)上で泳動した。
【0146】
1.4.2 ビーズスラリーを用いるオリゴヌクレオチドのアセンブリおよびライゲーション
PERLOZAビーズに結合したT4リガーゼについて、上記の1.3に記載のアセンブリおよびライゲーション法を、以下のように改変した。初期のセグメント混合物中で、36μlのH2Oを、8μlのH2Oに減少させた。アニーリング後、2μlの市販のT4 DNAリガーゼを、20μlのPERLOZAビーズスラリーにより置き換えた。ストレプトアビジン磁気ビーズを添加する前に、PERLOZAビーズをスピンダウンし、上清を除去した。ストレプトアビジン磁気ビーズを上清に添加し、室温で10分間インキュベートして、ビオチン化された鋳型をストレプトアビジンビーズに結合させた。
【0147】
1.5 結果および結論
生成物、鋳型および3つ全てのセグメントオリゴヌクレオチドは、対照クロマトグラムにおいて明確に分解された。
【0148】
リガーゼ反応液のHPLC分析により、一部のライゲートしていないオリゴヌクレオチドセグメントは残存したが、市販のT4 DNAリガーゼ(NEB)が3つのセグメントのライゲーションを触媒して、所望の生成物オリゴヌクレオチドを生成することができることが示された(
図7)。PERLOZAビーズに結合したT4 DNAリガーゼは、オリゴヌクレオチドセグメントのライゲーション時にあまり効率的ではないと考えられたが、オリゴヌクレオチドセグメントは、対照洗浄試料と反応試料の両方に認められた(
図8)。しかしながら、市販の酵素と比較して同じ量の酵素がビーズ上に添加されたかどうかを確認することは難しいため、ライゲーション効率の直接比較は不可能であった。
【実施例2】
【0149】
野生型T4 DNAリガーゼを用いた2'-OMeリボース改変オリゴヌクレオチドセグメントのアセンブリおよびライゲーション
2.1 セグメント毎の各ヌクレオチド位置での2'OMe
T4 DNAリガーゼが、リボース環の2'位が改変されたオリゴヌクレオチドセグメントをライゲートすることができるかどうかを決定するために、オリゴヌクレオチドセグメントを、実施例1についてと同じ配列を用いて合成したが、リボース環の2'位をOMe基と置換し、チミジンを以下に示されるようにウリジンで置き換えた。
【0150】
【0151】
アセンブリ(集合)、ライゲーションおよびHPLC分析を、市販のNEBリガーゼと、PERLOZAビーズに結合したT4リガーゼCBD融合物の両方と共に、実施例1に記載の方法を用いて実行した。市販のT4 DNAリガーゼ(NEB)実験のために反応混合物中で用いた水の量は、36μlよりもむしろ26μlであり、したがって、最終反応容量は40μlであった。インハウスT4 DNAリガーゼビーズスラリー実験のために反応混合物中で用いた水の量は23μlであり、用いたビーズの量は5μlであり、したがって、最終反応容量も40μlであった。2'-OMe DNAと反対に非改変DNAを用いた対照実験を平行して行った。
【0152】
対照実験の結果は、実施例1に従うものであった。2'-OMe実験についてHPLCを用いて生成物は検出されなかった。これは、市販のT4 DNAリガーゼまたはPERLOZAビーズに結合したインハウスT4 DNAリガーゼCBD融合物を用いたかどうかに関係なく、T4 DNAリガーゼが完全に2'-OMe改変されたオリゴヌクレオチドセグメントをライゲートすることができないことを示す。
【0153】
2.2 単一セグメント中の各ヌクレオチド位置での2'-OMe
1mg/ml溶液の各オリゴヌクレオチドを用いて、表3に詳述される反応を設定した。
【0154】
【表3】
アセンブリおよびライゲーションを、市販のNEBリガーゼと、インハウスPERLOZA結合T4 DNAリガーゼと共に実施例1に記載の方法を用いて実行した。
【0155】
反応物を94℃で5分間インキュベートした後、37℃で5分間インキュベートして、アニーリングさせた。4μlの1xNEB T4 DNAライゲーションバッファーを、5μl(約2μg)のインハウスT4 DNAリガーゼまたは2μl(約2μg)の市販のT4 DNAリガーゼ(リガーゼ対照がない実験1とは別)と共に各反応物に添加し、ライゲーション反応を室温で2時間進行させた。次いで、ストレプトアビジン磁気ビーズを各反応物に添加し、反応物を94℃に加熱した後、実施例1に記載のように氷上で急速に冷却して、出発材料および生成物から鋳型を分離した。
【0156】
処理された反応物を2つに分割した:半分を、実施例1(セクション1.2)について記載されたようにHPLCによって分析した。試料の他の半分を、質量分析のために保持して、HPLCの結果を確認した。
【0157】
非改変オリゴヌクレオチドセグメント(実験5)のライゲーションは、予想通り進行して、完全長生成物をもたらした。5'セグメントが
図9に示されるように置換された2'-OMeであった場合(実験3)、少量のライゲーションが認められたが、3'セグメントが置換された2'-OMeであった場合(実験2)、ライゲーションは認められなかった。3つ全部のセグメントが2.1に従って置換された2'-OMeであった場合(実験4)、有意な生成物は認められなかった。
【0158】
2.3 結論
野生型T4 DNAリガーゼは2'-OMe置換されたオリゴヌクレオチドセグメントをあまりライゲートしないが(ライゲート能が乏しいが)、3'セグメントよりも5'オリゴヌクレオチドセグメントの改変に対してわずかにより感受性が低い。
【実施例3】
【0159】
野生型および変異体リガーゼを用いた2'-OMeリボース改変オリゴヌクレオチドセグメントのアセンブリおよびライゲーション
3.1 材料
それぞれ、CBDにN末端で融合した、野生型腸内細菌ファージリガーゼCC31(配列番号6)、野生型シゲラファージShf125875(配列番号8)、および配列番号10~19の10種の変異体T4リガーゼを、標準的なクローニング、発現および抽出方法を用いて産生した。1.4.1に開示されたように、CBD融合タンパク質を生成し、発現させるために、N末端メチオニン(M)を、それぞれ、グリシンおよびセリン(GS)で置き換えた(例えば、腸内細菌ファージリガーゼCC31については配列番号7およびシゲラファージShf125875リガーゼについては配列番号9)。
【0160】
以下のオリゴヌクレオチドを、標準的な固相方法によって合成した。
【0161】
【0162】
3.2 リガーゼビーススラリーを用いたオリゴヌクレオチドのアセンブリおよびライゲーション法
3.2.1 ビーズスラリー生成
CBDに融合したリガーゼを、1.4に記載のようにPERLOZAビーズに結合させて、ビーズスラリーを生成した。
【0163】
3.2.2 ビーズスラリーを用いるオリゴヌクレオチドのアセンブリおよびライゲーション
ライゲーション反応物を、96ウェルプレート中50μLの最終容量となるように以下の成分を用いて調製した:
2μL 約1mg/mLの5'(2'-OMe)セグメント
2μL 約1mg/mLの中央セグメント
2μL 約1mg/mLの3'セグメント
2μL 約1mg/mLの鋳型
5μL NEB T4 DNAリガーゼバッファー
22μL H2O
15μL PERLOZA結合ビーズスラリー。
【0164】
反応物を室温で15分間インキュベートした後、PERLOZAビーズスラリーを添加して、セグメントを鋳型にアニーリングさせた。PERLOZAビーズスラリーを添加し、反応物を室温で1時間インキュベートした。インキュベーション時間の後、溶液をACOPREP advance 350フィルタープレート(PN 8082)中に移し、フィルタープレートをABGENEスーパープレート(Thermo Scientific、#AB-2800)の頂部に置き、4,000rpmで10分間遠心分離して、PERLOZAビーズスラリーを除去した。次いで、溶液を、実施例1(セクション1.2)に記載の方法を用いるHPLCによって分析した。
【0165】
各オリゴヌクレオチドアセンブリ及びライゲーションは、それぞれのリガーゼについて6回反復した。
【0166】
3.3 結果および結論
野生型腸内細菌ファージCC31リガーゼ(配列番号6)および野生型シゲラファージShf125875リガーゼ(配列番号8)は、5個の2'-OMe核酸塩基および1個のデオキシ核酸塩基を含有する2'OMe置換された5'セグメントを、非改変DNAのみを含有するセグメントにライゲートすることができる。さらに、野生型T4 DNAリガーゼ(配列番号3および4)は、実施例2に示され、ここで再確認されるように、この反応をあまり実行しないが、368および371位でのいくつかの変異は、リガーゼ(配列番号10~19)に、5個の2'-OMe核酸塩基および1個のデオキシ核酸塩基を含有する2'OMe置換された5'セグメントを、非改変DNAのみを含有するセグメントにライゲートする能力を付与する。
【実施例4】
【0167】
変異体DNAリガーゼを用いた2'MOEリボース改変および5-メチルピリミジン改変オリゴヌクレオチドセグメントのアセンブリおよびライゲーション
4.1 材料
以下の表5に記載される改変オリゴヌクレオチドセグメントを、標準的な固相に基づく方法によって合成した。
【0168】
【0169】
野生型腸内細菌ファージCC31リガーゼ、野生型T4リガーゼおよび野生型シゲラファージShf125875リガーゼに基づく変異体DNAリガーゼ(配列番号20~28)を、標準的なクローニング、発現および抽出方法を用いて、それぞれ、セルロース結合ドメイン(CBD)にN末端で融合した。CBDに融合したリガーゼを、1.4に記載のようにPERLOZAビーズに結合させて、ビーズスラリーを生成した。PERLOZAビーズからリガーゼを遊離させるために、2μlのTEVプロテアーゼをスラリーに添加し、4℃で一晩インキュベートした。今やセルロース結合ドメインを欠く、切断されたタンパク質を、4000rpmで10minの遠心分離によって収集した。
【0170】
4.2 方法
反応を以下のように設定した:
中央セグメント 最終20μM
MOE3'セグメント 最終20μM
MOE5'セグメント 最終20μM
鋳型 最終20μM
NEB T4 DNAリガーゼバッファー 5μl
変異体DNAリガーゼ 15μl
H2O 最終反応容量50μlにする。
【0171】
全ての成分を混合し、ボルテックスした後、DNAリガーゼを添加した。反応物を35℃で1時間インキュベートした。1時間後、PCRブロック中、95℃で5分間加熱することにより、反応を停止させた。
【0172】
試料をHPLCとLCMSの両方によって分析して、実施例1(セクション1.2)で用いられたHPLCプロトコールに従って生成物の同一性を確認した。市販のNEB T4 DNAリガーゼの対照および陰性対照(いずれかのリガーゼの代わりにH2O)を含有させた。
【0173】
4.3 結果および結論
図10は、対照反応および配列番号23(クローンA4-変異体腸内細菌ファージCC31リガーゼ)により触媒される反応に関するHPLCトレースを示す。このHPLC法を用いると生成物および鋳型は同時に溶出し、したがって、生成物は、生成物+鋳型のピークのピーク面積の増大として現れる。変異体リガーゼのトレース(b)は、生成物+鋳型のピーク増大だけでなく、2つのピークが10.3および11.2分に現れる。これらのピークは、中央セグメントと、MOE5'セグメントまたはMOE3'セグメントのいずれかとのライゲーションに対応する。また、入力セグメントのピークは、生成物および中間体のピークの増大と一致して対照よりも実質的に小さい。市販のNEB T4リガーゼトレース(a)は、鋳型+生成物のピーク面積のわずかな増大、入力オリゴヌクレオチドセグメントの同時的減少と共に少量の中間体ライゲーション生成物を示した。しかしながら、変異体リガーゼ(配列番号23)は、実質的により大きい生成物+鋳型のピーク面積および入力オリゴヌクレオチドセグメントのピーク面積の同時的減少を示した。かくして、変異体リガーゼ(配列番号23)は、市販のT4 DNAリガーゼよりも、2'MOE置換されたセグメントのためのはるかにより効率的なリガーゼである。同様の改善は、他の変異体リガーゼ(配列番号20、21、24~28)についても示された。
【実施例5】
【0174】
ライゲーション部位での異なるヌクレオチド対の効果
5.1 材料
セルロース結合ドメイン(CBD)にN末端で誘導した変異体腸内細菌ファージCC31リガーゼ(配列番号23)を、標準的なクローニング、発現および抽出方法を用いて産生した。抽出されたCBD-変異体腸内細菌ファージCC31リガーゼ融合タンパク質を、25mlのPERLOZA 100(PERLOZA)セルロースビーズに添加し、20℃で1時間振とうした。次いで、PERLOZAビーズを収集し、250mlのバッファー(50mM Tris pH8.0、200mM NaCl、0.1%Tween 20、10%グリセロール)、次いで、250mlのPBSで洗浄し、最後に、10mlのPBS(10mM PO4
3-、137mM NaCl、2.7mM KCl pH7.4)中に再懸濁した。タンパク質発現を分析するために、15μlのPERLOZAビーズスラリーを、5μlのSDSローディングバッファーと混合し、80℃で10分間インキュベートした後、標準的なプロトコールに従ってSDS PAGE勾配ゲル(4~20%)上で泳動した。ビーズからのリガーゼの遊離のために、70μlのTEVプロテアーゼを添加し、振とうしながら4℃で一晩インキュベートした。80mlのPBSで消化されたビーズを洗浄することにより、リガーゼを収集した。次いで、Amicon 30Kd MCOフィルターを用いて、リガーゼを1.2mlまで濃縮した。
【0175】
以下のビオチン化されたDNA鋳型オリゴヌクレオチド(表6)およびDNAセグメントオリゴヌクレオチド(表7)を、標準的な固相方法によって合成した。太字のヌクレオチドはライゲーション部位に存在するもの(すなわち、ライゲーション反応において一緒に連結されたヌクレオチド-表7;およびライゲーション反応によって連結されたものと相補的であるヌクレオチド-表6)であることに留意されたい。
【0176】
【0177】
【0178】
N.B.以前の実施例と違って、本実施例におけるライゲーション反応が、2つのセグメント:5'セグメントおよび3'セグメントを一緒に連結することを含む、すなわち、中央セグメントがないことに留意されたい。
【0179】
5.2 方法
反応を以下のように設定した。
【0180】
【表8】
それぞれ50μLの反応について、
3'セグメント(1mMストック、最終20μM) 1μl
5'セグメント(1mMストック、最終20μM) 1μl
鋳型(1mMストック、最終20μM) 1μl
NEB DNAリガーゼバッファー(T4リガーゼについて) 5μl
変異体CC31 DNAリガーゼ(0.45mMストック、最終90μM) 10μl
H
2O 50μlまで。
【0181】
それぞれの反応混合物を、両方とも35℃で、30分間および1時間インキュベートした。それぞれの反応、95℃で5分間加熱することによって終結させた。HPLC分析を実行した。
【0182】
5.3 結果および結論
全ての反応物が、HPLC分析において1時間のインキュベーション後に生成物ピークをもたらした。したがって、ライゲーション方法は、連結しようとする接続部においてヌクレオチドの全ての組合せについて機能する。これらの結果は包括的であり、反応が連結しようとする接続部においてヌクレオチドの全ての組合せについて機能していることは明らかであったため、生成物収率を改善するための最適化は可能であるが、必要ではなかった。
【実施例6】
【0183】
ライゲーション部位での異なる改変の効果
6.1 材料
変異体腸内細菌ファージCC31リガーゼ(配列番号23)を、5.1に記載のように産生し、クロレラウイルスDNAリガーゼ(配列番号29、SplintRリガーゼ、NEBとして市販されている)を購入した。
【0184】
以下のビオチン化された鋳型オリゴヌクレオチドおよびセグメントオリゴヌクレオチド(表9)を、標準的な固相方法によって合成した。
【0185】
【0186】
6.2 方法
反応を以下のように設定した。
【0187】
【表10】
それぞれ50μLの反応について、
3'セグメント(1mMストック、最終20μM) 1μl
中央セグメント(1mMストック、最終20μM) 1μl
5'セグメント(1mMストック、最終20μM) 1μl
鋳型(1mMストック、最終20μM) 1μl
H
2O 50μlまで。
変異体腸内細菌ファージCC31リガーゼ(配列番号23)については、
DNAリガーゼバッファー(50mM Tris-HCl、1mM DTT) 5μl
変異体CC31 DNAリガーゼ(0.45mM) 10μl
MnCl
2(50mM) 5μl
ATP(10mM) 10μl。
一方、クロレラウイルスDNAリガーゼ(配列番号29、SplintRリガーゼ、NEBとして市販されている)については、
NEB DNAリガーゼバッファー(クロレラについて) 5μl
クロレラウイルスDNAリガーゼ 2μl。
【0188】
それぞれの反応混合物を20℃で1時間インキュベートした。それぞれの反応を、95℃で10分間加熱することによって終結させた。HPLC分析を、実施例1に記載の方法を用いて実行した。
【0189】
6.3 結果および結論
全ての反応物がHPLC分析において生成物ピークをもたらした。したがって、ライゲーション方法は、連結しようとする接続物において試験した改変の全ての組合せについて機能する。これらの結果は包括的であり、反応が連結しようとする接続部において試験した改変の全ての組合せについて機能していることは明らかであったため、生成物収率を改善するための最適化は可能であるが、必要ではなかった。
【実施例7】
【0190】
より大きいオリゴヌクレオチドを構築するために異なる数のセグメントを使用する能力
7.1 材料
変異体腸内細菌ファージCC31リガーゼ(配列番号23)を、5.1に記載のように産生した。 以下のビオチン化された鋳型DNAオリゴヌクレオチドおよびDNAセグメントオリゴヌクレオチド(表11)を、標準的な固相方法によって合成した。
【0191】
【0192】
7.2 方法
反応を、以下のように設定した。
【0193】
【表12】
反応を、リン酸緩衝生理食塩水、pH=7.04中、100μlの全量で行い、以下のように設定した:
鋳型(最終20μM)
各セグメント(最終20μM)
MgCl
2(最終10mM)
ATP(最終100μM)
変異体CC31 DNAリガーゼ(最終25μM)。
【0194】
それぞれの反応物を、28℃で一晩インキュベートした後、94℃で1分間加熱することによって終結させた。生成物を、HPLC質量分析によって分析した。
【0195】
7.3 結果および結論
4つのセグメントを用いる反応は、長さ27塩基対の完全にライゲートした生成物をもたらした。5つのセグメントを用いる反応は、長さ33塩基対の生成物をもたらした。両方の場合、生成物の観察された質量は、所望の配列について予想されたものと一致していた。結論として、複数のセグメントをアセンブリさせて、適切な相補的鋳型配列によって定義されるような所望の長さおよび配列のオリゴヌクレオチドを生成することができることが明らかである。
【実施例8】
【0196】
5'および3'セグメントが(i)2'-OMeリボース糖改変、(ii)ホスホロチオエート結合または(iii)2'-OMeリボース糖改変およびホスホロチオエート結合を含み、中央セグメントが非改変DNAを含む、ギャップマーを形成する5-10-5セグメントのアセンブリおよびライゲーション
8.1 材料
変異体腸内細菌CC31リガーゼ(配列番号23)を、5.1に記載のように産生した。以下のビオチン化された鋳型DNAオリゴヌクレオチドおよびセグメントオリゴヌクレオチド(表13)を、標準的な固相方法によって合成した。
【0197】
【0198】
8.2 方法
反応を、以下のように設定した。
【0199】
【表14】
それぞれの反応物1、2および3を、以下の成分と共に、リン酸緩衝生理食塩水中、100μlの最終容量に設定した:
3'セグメント 最終20μM
中央セグメント 最終20μM
5'セグメント 最終20μM
鋳型 最終20μM
MgCl
2 最終10mM
ATP 最終50μM
酵素 最終25μM。
【0200】
それぞれの反応混合物を、20℃で一晩インキュベートした。それぞれの反応を、95℃で10分間加熱することによって終結させた。HPLC質量分析を実行した。
【0201】
8.3 結果および結論
3つ全ての断片のライゲーションの成功に対応する生成物オリゴヌクレオチドが、3つ全ての反応において産生された。
【0202】
したがって、変異体腸内細菌ファージCC31リガーゼ(配列番号23)は、3セグメントを一緒にライゲートして、5'および3'「ウィング」がホスホロチオエート骨格を有するが、中央領域はホスホジエステル骨格を有し、ギャップマー中の全ての糖残基がデオキシリボース残基である、「ギャップマー」を形成することができる。腸内細菌ファージCC31リガーゼ(配列番号23)もまた、3セグメントを一緒にライゲートして、5'および3'「ウィング」が2'-メトキシリボース(2'-OMe)残基を有するが、中央領域はデオキシリボース残基を有し、全ての結合がホスホジエステル結合である、「ギャップマー」を形成することができる。最後に、腸内細菌ファージCC31リガーゼ(配列番号23)はまた、3セグメントを一緒になってライゲートして、5'および3'「ウィング」が組み合わせた改変(ホスホロチオエート骨格と2'-メトキシリボース残基)を有するが、中央領域はデオキシリボース残基およびホスホジエステル結合を有する、「ギャップマー」を形成することができる。
【実施例9】
【0203】
ロックド核酸(LNA)を含むセグメントのアセンブリおよびライゲーション
9.1 材料
変異体腸内細菌ファージCC31リガーゼ(配列番号23)を、5.1に記載のように産生した。変異体スタフィロコッカス・オーレウスNAD依存的リガーゼ(NAD-14)を、13.1に記載のように産生した。以下のビオチン化された鋳型DNAオリゴヌクレオチドおよびセグメントオリゴヌクレオチド(表15)を、標準的な固相方法によって合成した。
【0204】
【0205】
9.2 方法
反応を、以下のように設定した:
反応容量100μl
鋳型 最終20μM
酵素 最終25μM
全てのオリゴヌクレオチドセグメント 最終20μM。
【0206】
反応を、酵素(変異体腸内細菌ファージCC31リガーゼ(配列番号23)またはNAD-14)、二価イオン(Mg2+またはMn2+)および表16に記載されたオリゴヌクレオチドセグメントの組合せを変化させて設定した。
【0207】
【0208】
それぞれの反応混合物を、28℃で一晩インキュベートした。それぞれの反応を、94℃で1分間加熱することによって終結させた。HPLC質量分析を実行した。
【0209】
9.3 結果および結論
生成物オリゴヌクレオチドを、対照反応(非改変オリゴヌクレオチドのみ)において産生し、単一のロックド核酸が、それが接続物の3'または5'側にあるかどうかに関係なく、ライゲーション接続部において1つのセグメント中に含有されていた。ロックド核酸が両方の側(オリゴ1+オリゴ2)に含有された場合、生成物は検出されなかった。このデータは、両方の酵素について、また、Mg2+またはMn2+を用いたかどうかに関係なく類似していた。
【0210】
酵素変異および/または選択スクリーニングを実行して、接続部の3'および5'の両側にロックド核酸を有するセグメントをライゲートすることができる酵素を同定することができる。
【実施例10】
【0211】
Mg2+またはMn2+の存在下で腸内細菌ファージCC31リガーゼのバリアントを用いた、5'および3'セグメントが2'MOEリボース糖改変を含み、全ての結合がホスホロチオエート結合であるギャップマーを形成するための3つのセグメント(7-6-7)のアセンブリおよびライゲーション
10.1 ホスホロチオエート結合形成
変異体腸内細菌ファージCC31リガーゼ(配列番号23)がホスホロチオエート骨格、2'MOEリボース糖改変および5-メチル化ピリミジン塩基を有する改変オリゴヌクレオチドセグメントをライゲートすることができたかどうかを決定するために、表15に示されたオリゴヌクレオチドセグメントを用いて反応を実施した。反応を、Mg2+およびMn2+イオンの存在下で実施した。
【0212】
10.2 材料
オリゴヌクレオチドを、以下に示されるように標準的な方法を用いて化学的に合成した。
【0213】
【0214】
N.B.表17に示されたビオチン化された鋳型にハイブリダイズさせた場合、表17中のセグメントのライゲーションにより産生された標的2'MOE PS分子は、
5'-mG*mG*mC*mC*mA*dA*dA*dC*dC*dT*dC*dG*dG*dC*dT*mU*mA*mC*mC*mU-3' (配列番号1)
である。
【0215】
精製された変異体腸内細菌ファージCC31リガーゼ(配列番号23)を、実施例5.1に記載のように調製した。HPLC分析を実行した。
【0216】
10.3 腸内細菌ファージCC31リガーゼバリアント(配列番号23)を用いるオリゴヌクレオチドのアセンブリおよびライゲーション方法
反応物を、以下のように調製した:
MgCl2反応物
10X T4 DNAリガーゼバッファー(NEB)* 5μl
5'セグメント2'MOE PS 最終濃度20μM
中央セグメントPS 最終濃度20μM
3'セグメント2'MOE PS 最終濃度20μM
リガーゼ(24.3μM) 10μl
水 50μLにする
*1 xバッファーは、50mM Tris-HCl、10mM MgCl2、1mM ATP、10mM DTT、pH7.5を含有する。
MnCl2反応物
10 x リガーゼバッファー* 5μl
ATP(10mM) 5μl
MnCl2(50mM) 5μl
鋳型 最終濃度20μM
5'セグメント2'MOE PS 最終濃度20μM
中央セグメントPS 最終濃度20μM
3'セグメント2'MOE PS 最終濃度20μM
リガーゼ(24.3μM) 10μl
水 50μLにする
*1 xバッファーは、50mM Tris-HCl、10mM DTT、pH7.5を含有する。
【0217】
最終反応物は、20μMのそれぞれのセグメントおよび鋳型、5mM MgCl2または5mM MnCl2、1mM ATP、50mM Tris-HCl、10mM DTT、pH7.5および4.9μMリガーゼを含有していた。酵素を含有しないさらなる反応物を調製し、陰性対照として用いた。反応物を25℃で16時間インキュベートした後、95℃で5分間加熱することによってクエンチした。沈降したタンパク質を、遠心分離によって清澄化し、試料をHPLCによって分析した。
【0218】
10.4 結果および結論
生成物、鋳型およびセグメントオリゴヌクレオチドは、対照クロマトグラムにおいて明確に分解され、ライゲーションは観察されなかった。5mM MgCl2の存在下で実施されたリガーゼ反応は、5'セグメントおよび中央セグメントのライゲーションから形成される中間生成物の形成をもたらしたが、完全長生成物は検出されなかった。MnCl2の存在下で実施されたリガーゼ反応は、完全長生成物と中間体(5'セグメント+中央セグメントの中間体)の両方をもたらした。両方のリガーゼ反応は、ライゲートしていないオリゴヌクレオチドセグメントが残存していることを示した。しかしながら、生成物の収率を最大化するために、プロトコールの最適化は可能である。
【実施例11】
【0219】
天然Mg2+の存在下で野生型クロレラウイルスDNAリガーゼを用いた、5'および3'セグメントが2'MOEリボース糖改変を含み、全ての結合がホスホロチオエート結合であるギャップマーを形成するための3つのセグメント(7-6-7)のアセンブリおよびライゲーション
11.1 材料
【0220】
クロレラウイルスDNAリガーゼ(配列番号29、SplintRリガーゼ、NEBとして市販されている)がホスホロチオエート骨格、2'MOEリボース糖改変および5-メチル化ピリミジン塩基を有する改変オリゴヌクレオチドセグメントをライゲートすることができたかどうかを決定するために、実施例10.2、表17に示されたオリゴヌクレオチドセグメントを用いて反応を実施した。反応を25℃、30℃および37℃で実施して、酵素活性に対する温度の効果を調査した。
【0221】
11.2 市販のクロレラウイルスDNAリガーゼ(配列番号29)を用いたオリゴヌクレオチドのアセンブリおよびライゲーション方法
各オリゴヌクレオチドセグメントおよび鋳型を、以下に詳述されるようにヌクレアーゼを含まない水に溶解した:
ビオチン化された鋳型 249.6ng/μl
5'セグメント2'MOE PS 182.0ng/μl
中央セグメントPS 534.0ng/μl
3'セグメント2'MOE PS 531.0ng/μl。
反応物を、以下のように調製した:
10 xバッファー(NEB)* 6μl
鋳型 3.8μl
5'セグメント2'MOE PS 18.1μl
中央セグメントPS 4.8μl
3'セグメント2'MOE PS 6.3μl
水 15μl
SplintRリガーゼ(25U/μl) 6μl
*1 xバッファーは、50mM Tris-HCl、10mM MgCl2、1mM ATP、10mM DTT、pH7.5を含有する。
【0222】
最終反応物は、20μMの各セグメントおよび鋳型、50mM Tris-HCl、10mM MgCl2、1mM ATP、10mM DTT、pH7.5および2.5U/μlリガーゼを含有していた。反応物を、25℃、30℃および37℃でインキュベートした。酵素を含まないさらなる反応物を調製し、陰性対照として用いた。16時間のインキュベーション後、95℃で10分間加熱することによって反応をクエンチした。沈降したタンパク質を遠心分離によって清澄化し、試料をHPLCによって分析した。
【0223】
11.3 結果および結論
生成物、鋳型およびセグメントオリゴヌクレオチドは、対照クロマトグラムにおいて明確に分解され、ライゲーションは観察されなかった。リガーゼ反応のHPLC分析により、ライゲートしていないオリゴヌクレオチドセグメントが残存するが、クロレラウイルスDNAリガーゼはセグメントを上手くライゲートすることができることが示された。リガーゼの活性は、温度の上昇と共に増加した。25℃では、クロレラウイルスDNAリガーゼは、5'セグメントおよび中央セグメントを上手くライゲートすることができたが、完全長生成物は観察されなかった。30℃および37℃では、5'セグメントおよび中央セグメントから形成される中間体に加えて、完全長生成物が検出された。
【実施例12】
【0224】
5'および3'セグメントが2'MOEリボース糖改変を含み、全ての結合がホスホロチオエート結合であるギャップマーを形成するための3つのセグメント(7-6-7)のライゲーションに対する活性に関する15種のATPおよびNADリガーゼのパネルのスクリーニング
12.1 材料
表18および19に記載される野生型ATPおよびNAD依存的リガーゼを、それぞれ、N末端でCBDに融合した。標準的なクローニング、発現および抽出方法を用いて、遺伝子を合成し、pET28a中にクローニングし、大腸菌BL21(DE3)中で発現させた。
【0225】
【0226】
【0227】
CBD-リガーゼ融合物を、以下のように改変して1.4に記載のようにPERLOZAビーズに結合させた。CBD-リガーゼ融合タンパク質を、BL21(DE3)細胞(NEB)の単一コロニーから増殖させ、50mLの発現培養物中で増殖させた。細胞を遠心分離によって収獲し、5~10mLのTris-HCl(50mM、pH7.5)に再懸濁し、超音波によって溶解した。溶解物を遠心分離によって明澄化し、1mLのPERLOZA 100(PERLOZA)ビーズ(50%スラリー、50mM Tris-HCl pH7.5で予め平衡化)を上清に添加し、20℃で1時間振とうした。次いで、PERLOZAセルロースを収集し、30mlのバッファー(50mM Tris pH8.0、200mM NaCl、0.1%Tween 20、10%グリセロール)、次いで、10mlのTris-HCl(50mM、pH7.5)で洗浄し、最後に1mLのTris-HCl(50mM、pH7.5)に再懸濁した。タンパク質発現を分析するために、20μlのPERLOZAビーズスラリーを20μlのSDSローディングバッファーと混合し、95℃で5分間インキュベートした後、標準的なプロトコールに従ってSDS PAGE勾配ゲル(4~20%)上で泳動した。
【0228】
12.2 2'MOEおよびホスホロチオエート改変オリゴヌクレオチドのアセンブリおよびライゲーション方法
実施例10.2の表17に示されたようなホスホロチオエート骨格、2'MOEリボース糖改変および5-メチル化ピリミジン塩基を有する改変オリゴヌクレオチドセグメントを用いた。各オリゴヌクレオチドセグメントおよび鋳型を、以下に詳述されるようなヌクレアーゼを含まない水に溶解した:
ビオチン化された鋳型 1500ng/μl
5'セグメント2'MOE PS 1008ng/μl
中央セグメントPS 725ng/μl
3'セグメント2'MOE PS 1112ng/μl。
ATPアッセイミックスを、以下のように調製した:
鋳型 85.6μl
5'セグメント2'MOE PS 43.5μl
中央セグメントPS 46.8μl
3'セグメント2'MOE PS 40.1μl
DTT 1M 8μl
MgCL2 1M 4μl
ATP(50mM) 16μl
Tris 0.5M 80μl
水 476μl。
NADアッセイミックスを、以下のように調製した:
鋳型 85.6μl
5'セグメント2'MOE PS 43.5μl
中央セグメントPS 46.8μl
3'セグメント2'MOE PS 40.1μl
DTT 1M 8μl
MgCL2 1M 4μl
NAD(50mM) 1.6μl
Tris 0.5M 80μl
水 490.4μl。
【0229】
それぞれの固定されたタンパク質(40μl、50%PERLOZAビーズスラリー)を、PCRチューブ中にピペットで入れた。ビーズを遠心分離によって沈降させ、上清をピペットで除去した。アッセイミックス(40μl)を各反応物に添加した(最終反応物は、PERLOZAビーズ上に20μMの各セグメントおよび鋳型、50mM Tris-HCl、10mM MgCl2、1mM ATPまたは100μM NAD、10mM DTT、pH7.5、および40μlのリガーゼを含有していた)。タンパク質を含有しない反応物を陰性対照として用いた。反応物を30℃で18時間インキュベートした後、95℃で10分間加熱することによってクエンチした。沈降したタンパク質を遠心分離によって明澄化し、試料をHPLCによって分析した。
【0230】
12.3 結果および結論
生成物、鋳型およびセグメントオリゴヌクレオチドは対照クロマトグラムにおいて明確に分解され、ライゲーションは観察されなかった。リガーゼ反応のHPLC分析により、全てのタンパク質が5'セグメントおよび中央セグメントのライゲーションの成功を触媒して、中間生成物を形成するが、一部のリガーゼのみが、3つ全部のセグメントのライゲーションを触媒して、表20に記載されるような完全長生成物をもたらすことが示された。スタフィロコッカス・オーレウス由来NAD依存的リガーゼ(SaNAD、配列番号61)は、最も多くの完全長生成物をもたらした。生成物収率を改善するための最適化は可能であり、当業者の技術の範囲内にある。
【0231】
【実施例13】
【0232】
半連続的(準連続的)ライゲーション反応
13.1 材料
N末端でCBDに融合された変異体スタフィロコッカス・オーレウスリガーゼ(NAD-14)を、標準的なクローニング、発現および抽出方法を用いて産生した。次いで、CBD-NAD-14変異体リガーゼを、PERLOZAビーズに結合させた:50mlのタンパク質溶解物を、7.5mlのPERLOZAビーズに添加し、室温で1時間インキュベートした後、ビーズをガラスカラム(BioRad Econo-Column 10cm長、2.5cm直径、#7372512)中に収集した。ビーズを200mlのバッファーY(50mM Tris8、500mM NaCl、0.1%Tween 20、10%グリセロール)で洗浄した後、200mlのバッファーZ(50mM Tris8、200mM NaCl、0.1%Tween 20、10%グリセロール)および200mlのPBSで洗浄した。ビーズ上の変異体NAD-14リガーゼの見積もり濃度は、ビーズ1mlあたり69μMのリガーゼであった。
【0233】
以下の鋳型DNAオリゴヌクレオチドおよびセグメントオリゴヌクレオチド(表21)を、標準的な固相方法によって合成した。
【0234】
【0235】
「ハブ」と呼ばれる支持材料および3つの鋳型配列を含む「3鋳型ハブ」(約24kDa)を産生した(
図11)。鋳型の各コピーを、それ自身の個々の結合点として、「ハブ」に共有結合させた。「3鋳型ハブ」分子は、標的(生成物)オリゴヌクレオチド(鋳型配列と100%相補的)よりも高分子量であり、それによって、不純物および生成物が反応混合物から分離される時にそれを保持することができる。この特定の場合、鋳型配列は配列番号30であり、3つのコピーはハブに結合していたことに留意すべきである。以下の実施例では、3鋳型ハブも産生したが、異なる鋳型配列を用いた。したがって、鋳型配列が実施例間で変化する場合、3鋳型ハブもそうである。
【0236】
以下の反応混合物(総量5ml)を調製した:
250μl 1M KH2PO4、pH7.5(最終50mM)
108μl 0.07011M中央セグメント(最終1.5mM)
137μl 0.05481M 3'-セグメント(最終1.5mM)
168μl 0.04461M 5'-セグメント(最終1.5mM)
750μl 0.00387Mハブ(鋳型)(最終0.55mM)
350μl 50mM NAD+(最終3.5mM)
1000μl 50mM MgCl2(最終10mM)
2237μl ヌクレアーゼを含まないH2O。
【0237】
13.2 方法
半連続システムを、
図12に示されるように設定した。
【0238】
4mlのPERLOZAビーズおよび固定された変異体NAD-14リガーゼを、Pharmacia XK16カラム(B)中に充填した。水浴および蠕動ポンプ(C)を用いて、カラム水区画を用いて、カラムの温度を30℃に保持した。50mM KH2PO4、pH7.5を含有する120ml(30倍カラム容量)のバッファーを1ml/minで120分間泳動することにより、ビーズを平衡化させた。AKTAエクスプローラーポンプA1(A)を用いて、Pharmacia XK16カラムの流れを作出した。
【0239】
カラム平衡化の後、5mlの反応混合物(ボルテックスによってよく混合する)をカラム上に載せ、リザーバーチューブ(D)中に収集し、AKTAエクスプローラーA1ポンプを用いてカラムを通して再循環させた。反応混合物を、連続循環様式で16時間、1ml/minの流量でシステムを通して再循環させた。試料を30分、60分、90分、4時間、5時間、6時間、7時間、14日間および16時間のHPLC分析後に収集した。
【0240】
13.3 結果および結論
【0241】
【表22】
各セグメント、中間体および生成物のパーセンテージを、3鋳型ハブのピーク面積に対する分画ピーク面積として表す。
【0242】
結論として、半連続的流動反応は機能し、16時間後、反応はほぼ完了した。
【実施例14】
【0243】
濾過による異なるサイズのオリゴヌクレオチドの分離:a)20マーオリゴヌクレオチド(配列番号1)と、3つの非相補的な20マーオリゴヌクレオチドを含むハブ(配列番号30)との分離;b)セグメント6マーおよび8マーオリゴヌクレオチド(表1を参照されたい)に由来する20マーオリゴヌクレオチド(配列番号1)と、3つの相補的な20マーオリゴヌクレオチド(配列番号2)を含むハブとの分離
14.1 材料
用いた全てのオリゴヌクレオチドを、標準的な固相方法によって合成した。13.1(
図11)に記載された3鋳型ハブを用いた。変化する分子量カットオフの、異なる製造業者からの様々なフィルターを、表23および表24に示されるように用いた。
【0244】
14.2 方法
14.2.1 ポリマー膜のスクリーニングのための終端濾過設定およびプロトコール:(プロトコール1)
磁気撹拌装置およびホットプレート上に置いた水浴中に入れたMET終端濾過セルを含む終端濾過リグを、
図13に示されるように設定した。セル内の圧力を、窒素流から提供した。
【0245】
試験される膜(14cm2)のクーポンを、最初に適切なサイズに切断し、セル中に入れた。膜を、最初にHPLC等級水(200ml)で、次いで、PBSバッファー(200ml)で条件付けた。次いで、セルを減圧し、残存するPBS溶液を除去し、オリゴヌクレオチドを含有する溶液(1g/L濃度の、PBS中の40mlのオリゴヌクレオチド)で置き換えた。セルをホット撹拌プレート上に置き、磁気撹拌を用いて撹拌しながら、溶液を所望の温度に加熱した。圧力をセルに印加した(約3.0バールを目指す;それぞれ、実際の圧力を記録した)。溶液の撹拌を停止または継続し、浸透溶液を収集(約20ml)し、HPLCによって分析した。流動を記録した。次いで、システムを減圧して、保持溶液のHPLCによるサンプリングおよび分析を可能にした。次いで、さらにPBSバッファー(20ml)を濾過セルに添加し、以前の手順を3回繰り返した。最後に、膜をPBSバッファーで洗浄した。
【0246】
全ての試料を、希釈することなくHPLCによって分析した。
【0247】
14.2.2 ポリマー膜のスクリーニングのための交差流動濾過設定およびプロトコール:(プロトコール2)
交差流動濾過リグを、
図14に示されるように設定した。円錐フラスコからなる供給容器(1)は、精製しようとするオリゴヌクレオチド溶液を含有していた。セル内の温度を、ホットプレート(3)を用いて維持しながら、HPLCポンプ(2)を用いて、交差流動濾過セル(4)に溶液をポンプで注入した。セル内の溶液を、ギアポンプ(6)を用いて再循環させた。圧力ゲージ(5)により、実験中に圧力を読み取ることができた。浸透溶液を、浸透液収集容器(8)からサンプリングしながら、保持溶液の試料を、サンプリングバルブ(7)から採取した。
【0248】
試験される膜のクーポンを、最初に適切なサイズに切断し、セルに入れた。システムを、PBS溶液(100ml)で洗浄した。溶液の温度を、所望の設定点に調整した。PBS中にオリゴヌクレオチド生成物を含有する溶液(1g/Lで7.5ml)を、システムに供給した。次いで、PBS溶液を、浸透溶液の流量(典型的には、3ml/min)に一致する流量でHPLCポンプを用いてシステムにポンプ注入した。圧力ゲージを用いて圧力を記録した。5倍透析濾過容量毎にHPLC分析のために保持溶液をサンプリングした。浸透溶液を、透析濾過容量毎にHPLC分析のためにサンプリングした。20倍透析濾過容量後に、実験を停止した。
【0249】
5kDa分子量カットオフを有するSnyder膜(ロット番号120915R2)ならびに配列番号46および配列番号30を用いる実験の場合、上記の方法を以下のように改変した。試験される膜のクーポンを、最初に適切なサイズに切断し、セルに入れた。システムを、リン酸カリウム溶液(100ml、50mM、pH7.5)で洗浄した。溶液の温度を、所望の設定点に調整した。リン酸カリウム中にオリゴヌクレオチド生成物を含有する溶液(約1g/L)を、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)(230μLの500mM溶液)に添加した。次いで、溶液をシステムに供給した。次いで、リン酸カリウムバッファーを、浸透溶液の流量(典型的には、4ml/min)に一致する流量でHPLCポンプを用いてシステムにポンプ注入した。圧力を、圧力ゲージを用いて記録した。5倍透析濾過容量毎にHPLC分析のために保持溶液をサンプリングした。浸透溶液を、透析濾過容量毎にHPLC分析のためにサンプリングした。15倍透析濾過容量後に、実験を停止した。
【0250】
14.3 結果
【0251】
【0252】
60℃で10kDa MWCO NADIR膜を用いる実験において、生成物配列(配列番号1)と、非相補的な3鋳型ハブ(配列番号30を含む)との明確な分離が示された。
図15は、a)2倍透析濾過容量後に、濾過セル中に残存し、主に3鋳型ハブを含有していた保持溶液のクロマトグラム;およびb)2倍透析濾過容量後に、生成物が富化された浸透溶液のクロマトグラムを示す。
【0253】
【0254】
50℃および3.0バールの圧力で5kDa MWCO Snyder膜を用いる実験において、セグメント配列(表1を参照されたい)と、相補的な3鋳型ハブ(配列番号2を含む)および生成物(配列番号1)との明確な分離が示された。
図16は、a)20倍透析濾過容量後に、主に3鋳型ハブおよび生成物を含有していた保持溶液のクロマトグラム;ならびにb)20倍透析濾過容量後に、主にセグメントオリゴヌクレオチドを含有していた浸透液のクロマトグラムを示す。
【0255】
80℃および3.1バールの圧力で5kDa MWCO Snyder膜を用いる実験において、相補的な3鋳型ハブ(配列番号2を含む)と生成物(配列番号1)との明確な分離が示された。
図17は、a)20倍透析濾過容量後に、3鋳型ハブのみを含有していた保持溶液のクロマトグラム;およびb)2倍透析濾過容量後に、生成物のみを含有していた浸透溶液のクロマトグラムを示す。
【0256】
14.4 結論
異なる長さおよび分子量のオリゴヌクレオチドを、濾過を用いて分離することができる。上記に示されたように、膜の型および温度などの条件が、分離のレベルに影響する。異なる長さ/分子量のオリゴヌクレオチドの所与のセットについて、好適な膜および条件を選択して、必要とされる分離を可能にすることができる。例えば、本発明者らは、表1に概略されたようなセグメントオリゴヌクレオチド(長さ6および8ヌクレオチドのショートマー)を、生成物オリゴヌクレオチド(配列番号1を有する20マーのオリゴヌクレオチド)および3鋳型ハブ(固相支持体に結合した配列番号2の20マーx3を含む)から分離し、次いで、生成物オリゴヌクレオチドおよび3鋳型ハブを互いに分離することができることを証明した。
【0257】
全体の結論
本発明者らは、相補的鋳型上で短いオリゴヌクレオチドセグメントをアセンブリさせること、そのセグメントを一緒にライゲートすること、および拡大可能であり、大規模な治療用オリゴヌクレオチド製造にとって好適である効率的なプロセスにおいて、生成物オリゴヌクレオチドを、不純物とその相補的鋳型との両方から分離することによって、溶液中で、様々な治療的に関連する化学的改変を有するオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを合成することができることを示した。
【0258】
溶液中でオリゴヌクレオチドを合成することにより、本発明者らは、固相方法によって課されるスケールアップの拘束を回避した。相補配列を特異的に認識し、相補配列の忠実性と、相補配列の長さとの両方を反映する親和性で相補配列に結合するDNAの固有の特性の使用において、本発明者らは、クロマトグラフィーを必要とすることなく、高純度のオリゴヌクレオチドを産生することができた。これは、産生プロセスの効率と、プロセスの拡張性の両方を改善する。分離プロセスの間に未変化状態にある鋳型を回収することにより、本発明者らは、さらなる周回の合成のために鋳型を再使用することができ、したがって、形成される生成物オリゴヌクレオチドの等量毎に1等量の鋳型を作製しなければならない経済的帰結を回避した。
【0259】
最後に、野生型リガーゼは正常なDNAに効率的にライゲートすることが知られているが、本発明者らは、DNAに対する改変が、ライゲーション効率の低下をもたらし、DNAに対する複数の改変が、ライゲーションの効率の低下に対するその効果において付加的なものであり、一部の例では、DNAリガーゼを完全に無効にすることを示した。本発明者らは、DNAリガーゼの適切な変異および進化により、ライゲーション効率を回復させることができ、適切に改変されたDNAリガーゼが、複数の改変を含有するオリゴヌクレオチドを合成するための有効な触媒であることを示した。
配列番号1
GGCCAAACCTCGGCTTACCT
配列番号2
TTTAGGTAAGCCGAGGTTTGGCC
配列番号3
MILKILNEIASIGSTKQKQAILEKNKDNELLKRVYRLTYSRGLQYYIKKWPKPGIATQSFGMLTLTDMLDFIEFTLATRKLTGNAAIEELTGYITDGKKDDVEVLRRVMMRDLECGASVSIANKVWPGLIPEQPQMLASSYDEKGINKNIKFPAFAQLKADGARCFAEVRGDELDDVRLLSRAGNEYLGLDLLKEELIKMTAEARQIHPEGVLIDGELVYHEQVKKEPEGLDFLFDAYPENSKAKEFAEVAESRTASNGIANKSLKGTISEKEAQCMKFQVWDYVPLVEIYSLPAFRLKYDVRFSKLEQMTSGYDKVILIENQVVNNLDEAKVIYKKYIDQGLEGIILKNIDGLWENARSKNLYKFKEVIDVDLKIVGIYPHRKDPTKAGGFILESECGKIKVNAGSGLKDKAGVKSHELDRTRIMENQNYYIGKILECECNGWLKSDGRTDYVKLFLPIAIRLREDKTKANTFEDVFGDFHEVTGL
配列番号4
GSILKILNEIASIGSTKQKQAILEKNKDNELLKRVYRLTYSRGLQYYIKKWPKPGIATQSFGMLTLTDMLDFIEFTLATRKLTGNAAIEELTGYITDGKKDDVEVLRRVMMRDLECGASVSIANKVWPGLIPEQPQMLASSYDEKGINKNIKFPAFAQLKADGARCFAEVRGDELDDVRLLSRAGNEYLGLDLLKEELIKMTAEARQIHPEGVLIDGELVYHEQVKKEPEGLDFLFDAYPENSKAKEFAEVAESRTASNGIANKSLKGTISEKEAQCMKFQVWDYVPLVEIYSLPAFRLKYDVRFSKLEQMTSGYDKVILIENQVVNNLDEAKVIYKKYIDQGLEGIILKNIDGLWENARSKNLYKFKEVIDVDLKIVGIYPHRKDPTKAGGFILESECGKIKVNAGSGLKDKAGVKSHELDRTRIMENQNYYIGKILECECNGWLKSDGRTDYVKLFLPIAIRLREDKTKANTFEDVFGDFHEVTGL
配列番号5
GGC CAA ACC UCG GCU UAC CU
配列番号6
MILDIINEIASIGSTKEKEAIIRRHKDNELLKRVFRMTYDGKLQYYIKKWDTRPKGDIHLTLEDMLYLLEEKLAKRVVTGNAAKEKLEIALSQTSDADAEVVKKVLLRDLRCGASRSIANKVWKNLIPEQPQMLASSYDEKGIEKNIKFPAFAQLKADGARAFAEVRGDELDDVKILSRAGNEYLGLDLLKQQLIEMTKEARERHPGGVMIDGELVYHASTLPAGPLDDIFGDLPELSKAKEFKEESRTMSNGLANKSLKGTISAKEAAGMKFQVWDYVPLDVVYSEGKQSGFAYDVRFRALELMVQGYSQMILIENHIVHNLDEAKVIYRKYVDEGLEGIILKNIGAFWENTRSKNLYKFKEVITIDLRIVDIYEHSKQPGKAGGFYLESECGLIKVKAGSGLKDKPGKDAHELDRTRIWENKNDYIGGVLESECNGWLAAEGRTDYVKLFLPIAIKMRRDKDVANTFADIWGDFHEVTGL
配列番号7
GSILDIINEIASIGSTKEKEAIIRRHKDNELLKRVFRMTYDGKLQYYIKKWDTRPKGDIHLTLEDMLYLLEEKLAKRVVTGNAAKEKLEIALSQTSDADAEVVKKVLLRDLRCGASRSIANKVWKNLIPEQPQMLASSYDEKGIEKNIKFPAFAQLKADGARAFAEVRGDELDDVKILSRAGNEYLGLDLLKQQLIEMTKEARERHPGGVMIDGELVYHASTLPAGPLDDIFGDLPELSKAKEFKEESRTMSNGLANKSLKGTISAKEAAGMKFQVWDYVPLDVVYSEGKQSGFAYDVRFRALELMVQGYSQMILIENHIVHNLDEAKVIYRKYVDEGLEGIILKNIGAFWENTRSKNLYKFKEVITIDLRIVDIYEHSKQPGKAGGFYLESECGLIKVKAGSGLKDKPGKDAHELDRTRIWENKNDYIGGVLESECNGWLAAEGRTDYVKLFLPIAIKMRRDKDVANTFADIWGDFHEVTGL
配列番号8
MILDILNQIAAIGSTKTKQEILKKNKDNKLLERVYRLTYARGIQYYIKKWPGPGERSQAYGLLELDDMLDFIEFTLATRKLTGNAAIKELMGYIADGKPDDVEVLRRVMMRDLEVGASVSIANKVWPGLIQLQPQMLASAYDEKLITKNIKWPAFAQLKADGARCFAEVRDDGVQFFSRAGNEYHGLTLLADELMEMTKEARERHPNGVLIDGELVYHSFDIKKAVSSGNDLSFLFGDNEESEEVQVADRSTSNGLANKSLQGTISPKEAEGMVLQAWDYVPLDEVYSDGKIKGQKYDVRFAALENMAEGFKRIEPIENQLVHNLDEAKVVYKKYVDQGLEGIILKNRDSYWENKRSKNLIKFKEVIDIALEVVGYYEHSKDPNKLGGVELVSRCRRITTDCGSGFKDTTHKTVDGVKVLIPLDERHDLDRERLMAEAREGKLIGRIADCECNGWVHSKGREGTVGIFLPIIKGFRFDKTEADSFEDVFGPWSQTGL
配列番号9
GSILDILNQIAAIGSTKTKQEILKKNKDNKLLERVYRLTYARGIQYYIKKWPGPGERSQAYGLLELDDMLDFIEFTLATRKLTGNAAIKELMGYIADGKPDDVEVLRRVMMRDLEVGASVSIANKVWPGLIQLQPQMLASAYDEKLITKNIKWPAFAQLKADGARCFAEVRDDGVQFFSRAGNEYHGLTLLADELMEMTKEARERHPNGVLIDGELVYHSFDIKKAVSSGNDLSFLFGDNEESEEVQVADRSTSNGLANKSLQGTISPKEAEGMVLQAWDYVPLDEVYSDGKIKGQKYDVRFAALENMAEGFKRIEPIENQLVHNLDEAKVVYKKYVDQGLEGIILKNRDSYWENKRSKNLIKFKEVIDIALEVVGYYEHSKDPNKLGGVELVSRCRRITTDCGSGFKDTTHKTVDGVKVLIPLDERHDLDRERLMAEAREGKLIGRIADCECNGWVHSKGREGTVGIFLPIIKGFRFDKTEADSFEDVFGPWSQTGL
配列番号10
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配列番号11
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配列番号12
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配列番号13
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配列番号14
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配列番号15
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配列番号16
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配列番号17
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配列番号18
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配列番号19
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配列番号20
MILKILNEIASIGSTKQKQAILEKNKDNELLKRVYRLTYSRGLQYYIKKWPKPGIATQSFGMLTLTDMLDFIEFTLATRKLTGNAAIEELTGYITDGKKDDVEVLRRVMMRDLECGASVSIANKVWPGLIPEQPQMLASSYDEKGINKNIKFPAFAQLKADGARCFAEVRGDELDDVRLLSRAGNEYLGLDLLKEELIKMTAEARQIHPEGVLIDGELVYHEQVKKEPEGLDFLFDAYPENSKAKEFAEVAESRTASNGIANKSLKGTISEKEAQCMKFQVWDYVPLVEIYSLPAFRLKYDVRFSKLEQMTSGYDKVILIENQVVNNLDEAKVIYKKYIDQGLEGIILKNIDGLWENARSKNLYKFKRVIVVDLKIVGIYPHRKDPTKAGGFILESECGKIKVNAGSGLKDKAGVKSHELDRTRIMENQNYYIGKILECECNGWLKSDGRTDYVKLFLPIAIRLREDKTKANTFEDVFGDFHEVTGL
配列番号21
MILKILNEIASIGSTKQKQAILEKNKDNELLKRVYRLTYSRGLQYYIKKWPKPGIATQSFGMLTLTDMLDFIEFTLATRKLTGNAAIEELTGYITDGKKDDVEVLRRVMMRDLECGASVSIANKVWPGLIPEQPQMLASSYDEKGINKNIKFPAFAQLKADGARCFAEVRGDELDDVRLLSRAGNEYLGLDLLKEELIKMTAEARQIHPEGVLIDGELVYHEQVKKEPEGLDFLFDAYPENSKAKEFAEVAESRTASNGIANKSLKGTISEKEAQCMKFQVWDYVPLVEIYSLPAFRLKYDVRFSKLEQMTSGYDKVILIENQVVNNLDEAKVIYKKYIDQGLEGIILKNIDGLWENARSKNLYKFKKVIEVDLKIVGIYPHRKDPTKAGGFILESECGKIKVNAGSGLKDKAGVKSHELDRTRIMENQNYYIGKILECECNGWLKSDGRTDYVKLFLPIAIRLREDKTKANTFEDVFGDFHEVTGL
配列番号22
MILKILNEIASIGSTKQKQAILEKNKDNELLKRVYRLTYSRGLQYYIKKWPKPGIATQSFGMLTLTDMLDFIEFTLATRKLTGNAAIEELTGYITDGKKDDVEVLRRVMMRDLECGASVSIANKVWPGLIPEQPQMLASSYDEKGINKNIKFPAFAQLKADGARCFAEVRGDELDDVRLLSRAGNEYLGLDLLKEELIKMTAEARQIHPEGVLIDGELVYHEQVKKEPEGLDFLFDAYPENSKAKEFAEVAESRTASNGIANKSLKGTISEKEAQCMKFQVWDYVPLVEIYSLPAFRLKYDVRFSKLEQMTSGYDKVILIENQVVNNLDEAKVIYKKYIDQGLEGIILKNIDGLWENARSKNLYKFKKVIHVDLKIVGIYPHRKDPTKAGGFILESECGKIKVNAGSGLKDKAGVKSHELDRTRIMENQNYYIGKILECECNGWLKSDGRTDYVKLFLPIAIRLREDKTKANTFEDVFGDFHEVTGL
配列番号23
MILDIINEIASIGSTKEKEAIIRRHKDNELLKRVFRMTYDGKLQYYIKKWDTRPKGDIHLTLEDMLYLLEEKLAKRVVTGNAAKEKLEIALSQTSDADAEVVKKVLLRDLRCGASRSIANKVWKNLIPEQPQMLASSYDEKGIEKNIKFPAFAQLKADGARAFAEVRGDELDDVKILSRAGNEYLGLDLLKQQLIEMTKEARERHPGGVMIDGELVYHASTLPAGPLDDIFGDLPELSKAKEFKEESRTMSNGLANKSLKGTISAKEAAGMKFQVWDYVPLDVVYSEGKQSGFAYDVRFRALELMVQGYSQMILIENHIVHNLDEAKVIYRKYVDEGLEGIILKNIGAFWENTRSKNLYKFKRVIVIDLRIVDIYEHSKQPGKAGGFYLESECGLIKVKAGSGLKDKPGKDAHELDRTRIWENKNDYIGGVLESECNGWLAAEGRTDYVKLFLPIAIKMRRDKDVANTFADIWGDFHEVTGL
配列番号24
MILDIINEIASIGSTKEKEAIIRRHKDNELLKRVFRMTYDGKLQYYIKKWDTRPKGDIHLTLEDMLYLLEEKLAKRVVTGNAAKEKLEIALSQTSDADAEVVKKVLLRDLRCGASRSIANKVWKNLIPEQPQMLASSYDEKGIEKNIKFPAFAQLKADGARAFAEVRGDELDDVKILSRAGNEYLGLDLLKQQLIEMTKEARERHPGGVMIDGELVYHASTLPAGPLDDIFGDLPELSKAKEFKEESRTMSNGLANKSLKGTISAKEAAGMKFQVWDYVPLDVVYSEGKQSGFAYDVRFRALELMVQGYSQMILIENHIVHNLDEAKVIYRKYVDEGLEGIILKNIGAFWENTRSKNLYKFKKVIKIDLRIVDIYEHSKQPGKAGGFYLESECGLIKVKAGSGLKDKPGKDAHELDRTRIWENKNDYIGGVLESECNGWLAAEGRTDYVKLFLPIAIKMRRDKDVANTFADIWGDFHEVTGL
配列番号25
MILDIINEIASIGSTKEKEAIIRRHKDNELLKRVFRMTYDGKLQYYIKKWDTRPKGDIHLTLEDMLYLLEEKLAKRVVTGNAAKEKLEIALSQTSDADAEVVKKVLLRDLRCGASRSIANKVWKNLIPEQPQMLASSYDEKGIEKNIKFPAFAQLKADGARAFAEVRGDELDDVKILSRAGNEYLGLDLLKQQLIEMTKEARERHPGGVMIDGELVYHASTLPAGPLDDIFGDLPELSKAKEFKEESRTMSNGLANKSLKGTISAKEAAGMKFQVWDYVPLDVVYSEGKQSGFAYDVRFRALELMVQGYSQMILIENHIVHNLDEAKVIYRKYVDEGLEGIILKNIGAFWENTRSKNLYKFKGVIFIDLRIVDIYEHSKQPGKAGGFYLESECGLIKVKAGSGLKDKPGKDAHELDRTRIWENKNDYIGGVLESECNGWLAAEGRTDYVKLFLPIAIKMRRDKDVANTFADIWGDFHEVTGL
配列番号26
MILDIINEIASIGSTKEKEAIIRRHKDNELLKRVFRMTYDGKLQYYIKKWDTRPKGDIHLTLEDMLYLLEEKLAKRVVTGNAAKEKLEIALSQTSDADAEVVKKVLLRDLRCGASRSIANKVWKNLIPEQPQMLASSYDEKGIEKNIKFPAFAQLKADGARAFAEVRGDELDDVKILSRAGNEYLGLDLLKQQLIEMTKEARERHPGGVMIDGELVYHASTLPAGPLDDIFGDLPELSKAKEFKEESRTMSNGLANKSLKGTISAKEAAGMKFQVWDYVPLDVVYSEGKQSGFAYDVRFRALELMVQGYSQMILIENHIVHNLDEAKVIYRKYVDEGLEGIILKNIGAFWENTRSKNLYKFKGVILIDLRIVDIYEHSKQPGKAGGFYLESECGLIKVKAGSGLKDKPGKDAHELDRTRIWENKNDYIGGVLESECNGWLAAEGRTDYVKLFLPIAIKMRRDKDVANTFADIWGDFHEVTGL
配列番号27
MILDIINEIASIGSTKEKEAIIRRHKDNELLKRVFRMTYDGKLQYYIKKWDTRPKGDIHLTLEDMLYLLEEKLAKRVVTGNAAKEKLEIALSQTSDADAEVVKKVLLRDLRCGASRSIANKVWKNLIPEQPQMLASSYDEKGIEKNIKFPAFAQLKADGARAFAEVRGDELDDVKILSRAGNEYLGLDLLKQQLIEMTKEARERHPGGVMIDGELVYHASTLPAGPLDDIFGDLPELSKAKEFKEESRTMSNGLANKSLKGTISAKEAAGMKFQVWDYVPLDVVYSEGKQSGFAYDVRFRALELMVQGYSQMILIENHIVHNLDEAKVIYRKYVDEGLEGIILKNIGAFWENTRSKNLYKFKRVIFIDLRIVDIYEHSKQPGKAGGFYLESECGLIKVKAGSGLKDKPGKDAHELDRTRIWENKNDYIGGVLESECNGWLAAEGRTDYVKLFLPIAIKMRRDKDVANTFADIWGDFHEVTGL
配列番号28
MILDILNQIAAIGSTKTKQEILKKNKDNKLLERVYRLTYARGIQYYIKKWPGPGERSQAYGLLELDDMLDFIEFTLATRKLTGNAAIKELMGYIADGKPDDVEVLRRVMMRDLEVGASVSIANKVWPGLIQLQPQMLASAYDEKLITKNIKWPAFAQLKADGARCFAEVRDDGVQFFSRAGNEYHGLTLLADELMEMTKEARERHPNGVLIDGELVYHSFDIKKAVSSGNDLSFLFGDNEESEEVQVADRSTSNGLANKSLQGTISPKEAEGMVLQAWDYVPLDEVYSDGKIKGQKYDVRFAALENMAEGFKRIEPIENQLVHNLDEAKVVYKKYVDQGLEGIILKNRDSYWENKRSKNLIKFKRVIVIALEVVGYYEHSKDPNKLGGVELVSRCRRITTDCGSGFKDTTHKTVDGVKVLIPLDERHDLDRERLMAEAREGKLIGRIADCECNGWVHSKGREGTVGIFLPIIKGFRFDKTEADSFEDVFGPWSQTGL
配列番号29
MAITKPLLAATLENIEDVQFPCLATPKIDGIRSVKQTQMLSRTFKPIRNSVMNRLLTELLPEGSDGEISIEGATFQDTTSAVMTGHKMYNAKFSYYWFDYVTDDPLKKYIDRVEDMKNYITVHPHILEHAQVKIIPLIPVEINNITELLQYERDVLSKGFEGVMIRKPDGKYKFGRSTLKEGILLKMKQFKDAEATIISMTALFKNTNTKTKDNFGYSKRSTHKSGKVEEDVMGSIEVDYDGVVFSIGTGFDADQRRDFWQNKESYIGKMVKFKYFEMGSKDCPRFPVFIGIRHEEDR
配列番号30
TTTGGTGCGAAGCAGACTGAGGC
配列番号31
TTTGGTGCGAAGCAGAGTGAGGC
配列番号32
TTTGGTGCGAAGCAGATTGAGGC
配列番号33
TTTGGTGCGAAGCAGAATGAGGC
配列番号34
TTTGGTGCGAAGCAGTCTGAGGC
配列番号35
TTTGGTGCGAAGCAGTGTGAGGC
配列番号36
TTTGGTGCGAAGCAGTTTGAGGC
配列番号37
TTTGGTGCGAAGCAGTATGAGGC
配列番号38
TTTGGTGCGAAGCAGCCTGAGGC
配列番号39
TTTGGTGCGAAGCAGCGTGAGGC
配列番号40
TTTGGTGCGAAGCAGCTTGAGGC
配列番号41
TTTGGTGCGAAGCAGCATGAGGC
配列番号42
TTTGGTGCGAAGCAGGCTGAGGC
配列番号43
TTTGGTGCGAAGCAGGGTGAGGC
配列番号44
TTTGGTGCGAAGCAGGTTGAGGC
配列番号45
TTTGGTGCGAAGCAGGATGAGGC
配列番号46
GCCUCAGTCTGCTTCGCACC
配列番号47
TTTGGTGCGAAGCAGAAGGTAAGCCGAGGTTTGGCC
配列番号48
MAITKPLLAATLENIEDVQFPCLATPKIDGIRSVKQTQMLSRTFKPIRNSVMNRLLTELLPEGSDGEISIEGATFQDTTSAVMTGHKMYNAKFSYYWFDYVTDDPLKKYSDRVEDMKNYITAHPHILDHEQVKIIPLIPVEINNITELLQYERDVLSKGFEGVMIRKPDGKYKFGRSTLKEGILLKMKQFKDAEATIISMTALFKNTNTKTKDNFGYSKRSTHKNGKVEEDVMGSIEVDYDGVVFSIGTGFDADQRRDFWQNKESYIGKMVKFKYFEMGSKDCPRFPVFIGIRHEEDH
配列番号49
MTIAKPLLAATLENLDDVKFPCLVTPKIDGIRSLKQQHMLSRTFKPIRNSVMNKLLSELLPEGADGEICIEDSTFQATTSAVMTGHKVYDEKFSYYWFDYVVDDPLKSYTDRVNDMKKYVDDHPHILEHEQVKIIPLIPVEINNIDELSQYERDVLAKGFEGVMIRRPDGKYKFGRSTLKEGILLKMKQFKDAEATIISMSPRLKNTNAKSKDNLGYSKRSTHKSGKVEEETMGSIEVDYDGVVFSIGTGFDDEQRKHFWENKDSYIGKLLKFKYFEMGSKDAPRFPVFIGIRHEEDC
配列番号50
MTAIQKPLLAASFKKLTVADVKYPVFATPKLDGIRALKIDGAFVSRTFKPIRNRAIADALQDLLPNGSDGEILSGSTFQDASSAVMTAKAGIGANTIFYWFDYVKDDPNKPYLDRMTDMENYLKERPEILNDDRIKIVPLIPKKIETKDELDTFEKICLDQGFEGVMIRSGAGKYKFGRSTEKEGILIKIKQFEDDEAVVIGFTPMQTNTNDKSMNELGDMKRSSHKDGKVNLDTLGALEVDWNGITFSIGTGFDHALRDKLWSERDKLIGKIVKFKYFAQGVKTAPRFPVFIGFRDPDDM
配列番号51
MAIQKPLLAASLKKMSVGDLTFPVFATPKLDGIRALKVGGTIVSRTFKPVRNSAISEVLASILPDGSDGEILSGKTFQESTSTVMTADAGLGSGTMFFWFDYVKDDPNKGYLDRIADMKSFTDRHPEILKDKRVTIVPLFPKKIDTTEELHEFEKWCLDQGFEGVMVRNAGGKYKFGRSTEKEQILVKIKQFEDDEAVVIGVSALQTNTNDKKLNQLGEMRRTSHQDGKVELEMLGALDVDWNGIRFSIGTGFDRDTRVDLWKRREGVIGKIVKFKYFSQGIKTAPRFPVFLGFRDKDDM
配列番号52
MAIQKPLLAASLKKLSVDDLTFPVYATPKLDGIRALKIDGTLVSRTFKPIRNTTISKVLTSLLPDGSDGEILSGKTFQDSTSTVMSADAGIGSGTTFFWFDYVKDDPNKGYLDRIADIKKFIDCRPEILKDSRVIIVPLFPKKIDTAEELNVFEKWCLDQGFEGVMVRNAGGKYKFGRSTEKEQILVKIKQFEDDEAVVIGVSALQTNTNDKKVNELGEMRRTSHQDGKVDLDMLGALDVDWNGIRFGIGTGFDKDTREDLWKRRDSIIGKIVKFKYFSQGVKTAPRFPVFLGFRDKNDM
配列番号53
MAIQKPLLAASLKKLSVDDLTFPVYATPKLDGIRALKIDGTIVSRTFKPIRNTTISNVLMSLLPDGSDGEILSGKTFQDSTSTVMSADAGIGSGTTFFWFDYVKDDPDKGYLDRIADMKKFVDSHPEILKDRRVTIVPLIPKKIDTVEELNVFEQWCLDQGFEGVMVRNAGGKYKFGRSTEKEQILVKIKQFEDDEAVVIGVSALQTNVNDKKMNELGDMRRTSHKDGKIDLEMLGALDVEWNGIRFGIGTGFDKDTREDLWKKRDSIIGKVVKFKYFSQGIKTAPRFPVFLGFRDENDM
配列番号54
MAIQKPLLAASLKKMSVDNLTFPVYATPKLDGIRALKIDGTLVSRTFKPIRNTTISKVLASLLPDGSDGEILSGKTFQDSTSTVMTTDAGIGSDTTFFWFDYVKDDPDKGYLDRIADMKTFVDQHPEILKDSCVTIVPLFPKKIDTPEELHVFEKWCLDQGFEGVMVRTAGGKYKFGRSTEKEQILVKIKQFEDDEAVVIGVSALQTNTNDKKLNQLGEMRRTSHQDGKVDLDMLGALDVDWNGIRFSIGTGFDKDTREDLWKQRDSIVGKVVKFKYFSQGIKTAPRFPVFLGFRDENDM
配列番号55
MAIQKPLLAASLKKMSVDDLTFPVYTTPKLDGIRALKIDGTLVSRTFKPVRNSAISEVLASLLPDGSDGEILSGKTFQDSTSTVMTTDAGIGSDTTFFWFDYVKDDPNKGYLDRIADMKTFIDQHPEMLKDNHVTIVPLIPKKIDTVEELNIFEKWCLDQGFEGVMVRNAGGKYKFGRSTEKEQILVKIKQFEDDEAVVIGVSALQTNTNDKKLNQLGEMRRTSHQDGKIDLEMLGALDVDWNGIRFSIGTGFDRDTRVDLWKRRDGIVGRTIKFKYFGQGIKTAPRFPVFLGFRDKDDM
配列番号56
MLAGNFDPKKAKFPYCATPKIDGIRFLMVNGRALSRTFKPIRNEYIQKLLSKHLPDGIDGELTCGDTFQSSTSAIMRIAGEPDFKAWIFDYVDPDSTSILPFIERFDQISDIIYNGPIPFKHQVLGQSILYNIDDLNRYEEACLNEGYEGVMLRDPYGTYKFGRSSTNEGILLKVKRFEDAEATVIRIDEKMSNQNIAEKDNFGRTKRSSCLDGMVPMETTGALFVRNSDGLEFSIGSGLNDEMRDEIWKNKSSYIGKLVKYKYFPQGVKDLPRHPVFLGFRDPDDM
配列番号57
MDAHELMKLNEYAERQNQKQKKQITKPMLAASLKDITQLDYSKGYLATQKLDGIRALMIDGKLVSRTFKPIRNNHIREMLEDVLPDGADGEIVCPGAFQATSSGVMSANGEPEFIYYMFDYVKDDITKEYWRRTQDMVQWLINQGPTRTPGLSKLKLLVPTLIKNYDHLKTYETECIDKGFEGVILRTPDSPYKCGRSTAKQEWLLKLKRFADDEAVVIGFTEKMHNDNEATKDKFGHTVRSSHKENKRPAGTLGSLIVRDIKTEIEFEIGTGFDDELRQKIWDARPEWDGLCVKYKHFAISGVKEKPRFPSFIGVRDVEDM
配列番号58
MSSPDADQTAPEVLRQWQALAEEVREHQFRYYVRDAPIISDAEFDELLRRLEALEEQHPELRTPDSPTQLVGGAGFATDFEPVDHLERMLSLDNAFTADELAAWAGRIHAEVGDAAHYLCELKIDGVALSLVYREGRLTRASTRGDGRTGEDVTLNARTIADVPERLTPGDDYPVPEVLEVRGEVFFRLDDFQALNASLVEEGKAPFANPRNSAAGSLRQKDPAVTARRRLRMICHGLGHVEGFRPATLHQAYLALRAWGLPVSEHTTLATDLAGVRERIDYWGEHRHEVDHEIDGVVVKVDEVALQRRLGSTSRAPRWAIAYKYPPEEAQTKLLDIRVNVGRTGRITPFAFMTPVKVAGSTVGQATLHNASEIKRKGVLIGDTVVIRKAGDVIPEVLGPVVELRDGSEREFIMPTTCPECGSPLAPEKEGDADIRCPNARGCPGQLRERVFHVASRNGLDIEVLGYEAGVALLQAKVIADEGELFALTERDLLRTDLFRTKAGELSANGKRLLVNLDKAKAAPLWRVLVALSIRHVGPTAARALATEFGSLDAIAAASTDQLAAVEGVGPTIAAAVTEWFAVDWHREIVDKWRAAGVRMVDERDESVPRTLAGLTIVVTGSLTGFSRDDAKEAIVARGGKAAGSVSKKTNYVVAGDSPGSKYDKAVELGVPILDEDGFRRLLADGPASRT
配列番号59
MEQQPLTLTAATTRAQELRKQLNQYSHEYYVKDQPSVEDYVYDRLYKELVDIETEFPDLITPDSPTQRVGGKVLSGFEKAPHDIPMYSLNDGFSKEDIFAFDERVRKAIGKPVAYCCELKIDGLAISLRYENGVFVRGATRGDGTVGENITENLRTVRSVPMRLTEPISVEVRGECYMPKQSFVALNEEREENGQDIFANPRNAAAGSLRQLDTKIVAKRNLNTFLYTVADFGPMKAKTQFEALEELSAIGFRTNPERQLCQSIDEVWAYIEEYHEKRSTLPYEIDGIVIKVNEFALQDELGFTVKAPRWAIAYKFPPEEAETVVEDIEWTIGRTGVVTPTAVMAPVRVAGTTVSRASLHNADFIQMKDIRLNDHVIIYKAGDIIPEVAQVLVEKRAADSQPYEMPTHCPICHSELVHLDEEVALRCINPKCPAQIKEGLNHFVSRNAMNIDGLGPRVLAQMYDKGLVKDVADLYFLTEEQLMTLDKIKEKSANNIYTAIQGSKENSVERLIFGLGIRHVGAKAAKILAEHFGDLPTLSRATAEEIVALDSIGETIADSVVTYFENEEVHELMAELEKAQVNLTYKGLRTEQLAEVESPFKDKTVVLTGKLAQYTREEAKEKIENLGGKVTGSVSKKTDIVVAGEDAGSKLTKAESLGVTVWNEQEMVDALDASHF
配列番号60
MTNIQTQLDNLRKTLRQYEYEYHVLDNPSVPDSEYDRLFHQLKALELEHPEFLTSDSPTQRVGAKPLSGFSQIRHEIPMLSLDNAFSDAEFNAFVKRIEDRLILLPKPLTFCCEPKLDGLAVSILYVNGELTQAATRGDGTTGEDITANIRTIRNVPLQLLTDNPPARLEVRGEVFMPHAGFERLNKYALEHNEKTFANPRNAAAGSLRQLDPNITSKRPLVLNAYGIGIAEGVDLPTTHYARLQWLKSIGIPVNPEIRLCNGADEVLGFYRDIQNKRSSLGYDIDGTVLKINDIALQNELGFISKAPRWAIAYKFPAQEELTLLNDVEFQVGRTGAITPVAKLEPVFVAGVTVSNATLHNGDEIERLNIAIGDTVVIRRAGDVIPQIIGVLHERRPDNAKPIIFPTNCPVCDSQIIRIEGEAVARCTGGLFCAAQRKEALKHFVSRKAMDIDGVGGKLIEQLVDRELIHTPADLFKLDLTTLTRLERMGAKSAENALNSLENAKSTTLARFIFALGIREVGEATALNLANHFKTLDALKDANLEELQQVPDVGEVVANRIFIFWREAHNVAVVEDLIAQGVHWETVEVKEASENLFKDKTVVLTGTLTQMGRNEAKALLQQLGAKVSGSVSSKTDFVIAGDAAGSKLAKAQELNITVLTEEEFLAQITR
配列番号61
MADLSSRVNELHDLLNQYSYEYYVEDNPSVPDSEYDKLLHELIKIEEEHPEYKTVDSPTVRVGGEAQASFNKVNHDTPMLSLGNAFNEDDLRKFDQRIREQIGNVEYMCELKIDGLAVSLKYVDGYFVQGLTRGDGTTGEDITENLKTIHAIPLKMKEPLNVEVRGEAYMPRRSFLRLNEEKEKNDEQLFANPRNAAAGSLRQLDSKLTAKRKLSVFIYSVNDFTDFNARSQSEALDELDKLGFTTNKNRARVNNIDGVLEYIEKWTSQRESLPYDIDGIVIKVNDLDQQDEMGFTQKSPRWAIAYKFPAEEVVTKLLDIELSIGRTGVVTPTAILEPVKVAGTTVSRASLHNEDLIHDRDIRIGDSVVVKKAGDIIPEVVRSIPERRPEDAVTYHMPTHCPSCGHELVRIEGEVALRCINPKCQAQLVEGLIHFVSRQAMNIDGLGTKIIQQLYQSELIKDVADIFYLTEEDLLPLDRMGQKKVDNLLAAIQQAKDNSLENLLFGLGIRHLGVKASQVLAEKYETIDRLLTVTEAELVEIHDIGDKVAQSVVTYLENEDIRALIQKLKDKHVNMIYKGIKTSDIEGHPEFSGKTIVLTGKLHQMTRNEASKWLASQGAKVTSSVTKNTDVVIAGEDAGSKLTKAQSLGIEIWTEQQFVDKQNELNS
【0260】
配列番号62
MNKRMNELVALLNRYATEYYTSDNPSVSDSEYDRLYRELVELETAYPEQVLADSPTHRVGGKVLDGFEKYSHQYPLYSLQDAFSREELDAFDARVRKEVAHPTYICELKIDGLSISLTYEKGILVAGVTRGDGSIGENITENLKRVKDIPLTLPEELDITVRGECYMPRASFDQVNQARQENGEPEFANPRNAAAGTLRQLDTAVVAKRNLATFLYQEASPSTRDSQEKGLKYLEQLGFVVNPKRILAENIDEIWNFIQEVGQERENLPYDIDGVVIKVNDLASQEELGFTVKAPKWAVAYKFPAEEKEAQLLSVDWTVGRTGVVTPTANLTPVQLAGTTVSRATLHNVDYIAEKDIRKDDTVIVYKAGDIIPAVLRVVESKRVSEEKLDIPTNCPSCNSDLLHFEDEVALRCINPRCPAQIMEGLIHFASRDAMNITGLGPSIVEKLFAANLVKDVADIYRLQEEDFLLLEGVKEKSAAKLYQAIQASKENSAEKLLFGLGIRHVGSKASQLLLQYFHSIENLYQADSEEVASIESLGGVIAKSLQTYFATEGSEILLRELKETGVNLDYKGQTVVADAALSGLTVVLTGKLERLKRSEAKSKLESLGAKVTGSVSKKTDLVVVGADAGSKLQKAQELGIQVRDEAWLESL
本開示は以下の実施形態を包含する。
[1] 少なくとも1個の改変ヌクレオチド残基を有する一本鎖オリゴヌクレオチド生成物を産生するための方法であって、
a)鋳型が生成物からの分離を可能にする特性を有する、生成物の配列と相補的な鋳型オリゴヌクレオチド(I)を提供すること;
b)オリゴヌクレオチド(II)のプールを提供すること;
c)アニーリングを可能にする条件で(I)と(II)とを接触させること;
d)アニーリングした鋳型と不純物オリゴヌクレオチド鎖とを変性させること、および不純物を分離することを含む、任意の不純物を分離するために条件を変化させること;ならびに
e)アニーリングした鋳型と生成物オリゴヌクレオチド鎖とを変性させること、および生成物を分離することを含む、生成物を分離するために条件を変化させること
を含む、前記方法。
[2] a)鋳型が生成物からの分離を可能にする特性を有する、生成物の配列と相補的な鋳型オリゴヌクレオチド(I)を提供すること;
b)少なくとも1個のセグメントが少なくとも1個の改変ヌクレオチド残基を含有する、生成物配列のセグメントであるオリゴヌクレオチドを含有するオリゴヌクレオチド(II)のプールを提供すること;
c)アニーリングを可能にする条件で(I)と(II)とを接触させること;
d)セグメントオリゴヌクレオチドを連結して、生成物を形成させること;
e)アニーリングした鋳型と不純物オリゴヌクレオチド鎖とを変性させること、および不純物を分離することを含む、任意の不純物を分離するために条件を変化させること;ならびに
f)アニーリングした鋳型と生成物オリゴヌクレオチド鎖とを変性させること、および生成物を分離することを含む、生成物を分離するために条件を変化させること
を含む、実施形態1に記載の方法。
[3] 変性が温度の上昇、pHの変化、または緩衝溶液中の塩濃度の変化によりもたらされる、実施形態1または2に記載の方法。
[4] 温度を上昇させる2つのステップ:i)任意のアニーリングした不純物を変性させることおよびii)アニーリングした生成物を変性させることを含む、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
[5] セグメントオリゴヌクレオチドが酵素的ライゲーションによって連結され、場合により、酵素がリガーゼである、実施形態2~4のいずれかに記載の方法。
[6] セグメントが3~15ヌクレオチド長である、実施形態2~5のいずれかに記載の方法。
[7] 生成物が10~200ヌクレオチド長、場合により、20~30ヌクレオチド長、場合により、20~25ヌクレオチド長である、実施形態1~6のいずれかに記載の方法。
[8] 前記生成物が20ヌクレオチド長であり、前記生成物が3個のセグメントオリゴヌクレオチド:
(i)7ヌクレオチド長である5'セグメント、6ヌクレオチド長である中央セグメントおよび7ヌクレオチド長である3'セグメント;
(ii)6ヌクレオチド長である5'セグメント、8ヌクレオチド長である中央セグメントおよび6ヌクレオチド長である3'セグメント;または
(iii)5ヌクレオチド長である5'セグメント、10ヌクレオチド長である中央セグメントおよび5ヌクレオチド長である3'セグメント
を含む、実施形態7に記載の方法。
[9] 鋳型を生成物から分離することを可能とする特性が、鋳型が支持材料に結合されていることである、実施形態1~8のいずれかに記載の方法。
[10] 支持材料が可溶性支持材料であり、場合により、支持材料が、ポリエチレングリコール、可溶性有機ポリマー、DNA、タンパク質、デンドリマー、多糖、オリゴ糖、および炭水化物からなる群から選択される、実施形態9に記載の方法。
[11] 支持材料が不溶性支持材料であり、場合により、支持材料が、ガラスビーズ、ポリマービーズ、繊維性支持体、膜、ストレプトアビジン被覆ビーズ、セルロースからなる群から選択されるか、または反応容器自体の一部、例えば、反応壁である、実施形態9に記載の方法。
[12] 鋳型の複数の反復コピーが単一の結合点を介して支持材料に連続的様式で結合されている、実施形態9~11のいずれかに記載の方法。
[13] 鋳型を生成物から分離することを可能とする特性が、鋳型の分子量である、実施形態1~12のいずれかに記載の方法。
[14] 鋳型、または鋳型と支持材料が、将来の反応における使用のためにリサイクルされる、実施形態1~13のいずれかに記載の方法。
[15] 反応が、連続的または半連続的流動プロセスを用いて実行される、実施形態1~14のいずれかに記載の方法。
[16] 改変が、糖部分の2'位にあり、場合により、2'-F、2'-OMe、2'-MOE、および2'-アミノからなる群から選択されるか、または、オリゴヌクレオチドが、PMO、LNA、PNA、BNA、もしくはSPIEGELMERを含む、実施形態1~15のいずれかに記載の方法。
[17] 改変が核酸塩基中にあり、場合により、改変が5-メチルピリミジン、7-デアザグアノシンおよび脱塩基ヌクレオチドからなる群から選択される、実施形態1~16のいずれかに記載の方法。
[18] 改変が骨格中にあり、場合により、改変がホスホロチオエート、ホスホロアミダートおよびホスホロジアミダートからなる群から選択される、実施形態1~17のいずれかに記載の方法。
[19] 得られる生成物が少なくとも90%純粋であり、場合により、生成物が少なくとも95%純粋であり、場合により、生成物が少なくとも98%純粋である、実施形態1~18のいずれかに記載の方法。
[20] 2つの相補的一本鎖オリゴヌクレオチドが、実施形態1~19のいずれかに記載の方法によって産生され、次いで、アニーリングを可能にする条件下で混合される、二本鎖オリゴヌクレオチド生成物を産生するための方法。
[21] 治療的オリゴヌクレオチドを産生するためのものである、実施形態1~20のいずれかに記載の方法。
[22] 生成物がグラムもしくはキログラム規模で産生される、および/または方法が1L以上のリアクター中で実行される、実施形態1~21のいずれかに記載の方法。
[23] 場合により、オリゴヌクレオチドがギャップマーである、実施形態1~22のいずれかに記載の方法によって産生されるオリゴヌクレオチド。
[24] 368位のアミノ酸がRもしくはKで置き換えられる;および/または371位のアミノ酸がL、K、Q、V、P、もしくはRで置き換えられる、配列番号3に記載のアミノ酸配列を含むリガーゼ。
[25] 配列番号10~28のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含むリガーゼ。
[26] 3'セグメント内の全ての糖部分が改変されておらず、場合により、5'セグメントが、2'-OMe改変を有する1個以上の糖部分を含有する、1個以上の改変された糖部分を含有する5'セグメントを、3'セグメントにライゲートするための、配列番号6または配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むリガーゼの使用。
【配列表】