(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】ゲート駆動回路および電界発光表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3266 20160101AFI20240802BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240802BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240802BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20240802BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240802BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
G09G3/3266
G09F9/30 365
G09G3/20 611A
G09G3/20 611F
G09G3/20 622E
G09G3/20 624B
G09G3/20 680G
G09G3/3233
H05B33/14 A
H05B33/14 Z
(21)【出願番号】P 2022134573
(22)【出願日】2022-08-26
【審査請求日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0188335
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】イ スンジン
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/093100(WO,A1)
【文献】特開2020-187186(JP,A)
【文献】国際公開第2020/168798(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0931472(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0015554(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0035322(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/3266
G09F 9/30
G09G 3/20
G09G 3/3233
H10K 50/10
H05B 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Qノードの電圧を制御するように構成されたQノード制御回路と、
QB1ノードの電圧を制御するように構成されたQB1ノード制御回路と、
第1プルダウントランジスタを含み、前記第1プルダウントランジスタのゲート電極と接続された前記Qノードに印加される電圧によって制御され、前記Qノードに印加された前記電圧により前記第1プルダウントランジスタがターンオンされているときに前記第1プルダウントランジスタのソース電極またはドレイン電極と接続された第1出力ノードにロー電圧を伝達する第1プルダウン回路と、
第1プルアップトランジスタを含み、前記第1プルアップトランジスタのゲート電極と接続された前記QB1ノードに印加される電圧によって制御され、前記QB1ノードに印加された前記電圧により前記第1プルアップトランジスタがターンオンされているときに前記第1プルアップトランジスタのソース電極またはドレイン電極と接続された前記第1出力ノードにハイ電圧を伝達する第1プルアップ回路と、
前記QB1ノードの電圧をQB2ノードに伝達するQB2ノード制御回路と、
第2プルダウントランジスタを含み、前記第2プルダウントランジスタのゲート電極と接続された前記Qノードに印加される前記電圧によって制御され、前記Qノードに印加された前記電圧により前記第2プルダウントランジスタがターンオンされているときに前記第2プルダウントランジスタのソース電極またはドレイン電極と接続された第2出力ノードにロー電圧を伝達する第2プルダウン回路と、
第2プルアップトランジスタを含み、第2プルアップトランジスタのゲート電極と接続された前記QB2ノードに印加される電圧によって制御され、前記QB2ノードに印加された前記電圧により前記第2プルアップトランジスタがターンオンされているときに前記第2プルアップトランジスタのソース電極またはドレイン電極と接続された前記第2出力ノードに外部から入力された第1出力クロック信号のハイ電圧を伝達する第2プルアップ回路と
を含み、
前記Qノードに印加される前記電圧はハイ電圧およびロー電圧を含み、前記第1出力ノードに伝達される前記ハイ電圧および前記ロー電圧を含む信号のパルス幅は前記Qノードに印加される前記電圧のパルス幅と同一であり、
前記第2出力ノードに伝達される前記ハイ電圧および前記ロー電圧を含む信号のパルス幅は前記第1出力クロック信号のパルス幅と同一である、
ゲート駆動回路。
【請求項2】
前記第1出力ノードに伝達される前記信号のパルス幅は前記第2出力ノードに伝達される前記信号のパルス幅の二倍以上である、請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項3】
前記第2出力ノードに出力されるハイ電圧は1水平期間である、請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項4】
前記第2出力ノードに出力される信号は前記第1出力クロック信号のパルスエッジと同期化された、請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項5】
前記QB2ノード制御回路は、
前記第1出力クロック信号によって制御され、前記QB1ノードおよびQB3ノードに連結された第1n型トランジスタと、
前記ロー電圧によって制御されて前記QB3ノードと前記QB2ノードに連結されたp型トランジスタと、
前記QB2ノードと第2出力クロック信号が提供される配線に連結されたキャパシタと、
を含む、請求項1に記載のゲート駆動回路。
【請求項6】
前記Qノードに印加される前記電圧によって制御され、前記ロー電圧が提供される配線および前記QB1ノードに連結された第2n型トランジスタをさらに含む、請求項5に記載のゲート駆動回路。
【請求項7】
前記第1n型トランジスタおよび前記第2n型トランジスタはMOSFETであり、
前記第1プルダウン回路、前記第1プルアップ回路、前記第2プルダウン回路、および前記第2プルアップ回路に含まれたトランジスタはp型トランジスタである、請求項6に記載のゲート駆動回路。
【請求項8】
複数のピクセルを含む複数のピクセルラインを含む表示領域と、
前記複数のピクセルラインにゲート信号を提供する請求項1に記載のゲート駆動回路を含む非表示領域に区分される表示パネルと
を含み、
前記複数のピクセルはそれぞれピクセル回路と発光素子を含み、
前記ピクセル回路は複数のn型トランジスタを含み、
前記ピクセル回路は、
初期化期間でターンオンされる第1トランジスタと、
サンプリングおよびプログラミング期間でターンオンされる第2トランジスタと、
発光期間でターンオンされる第3トランジスタおよび第4トランジスタと
を含み、
前記ゲート駆動回路は前記第1トランジスタをターンオンさせるための第1スキャン信号および前記第2トランジスタをターンオンさせるための第2スキャン信号を提供し、
前記第1スキャン信号および前記第2スキャン信号は以前のピクセルラインで出力された第1出力信号をスタート信号として利用し、前記第1スキャン信号と同期されたスタートクロック信号および前記第2スキャン信号と同期された第1出力クロック信号によって出力される、電界発光表示装置。
【請求項9】
前記スタートクロック信号のパルス幅は前記第1出力クロック信号のパルス幅より大きい、請求項8に記載の電界発光表示装置。
【請求項10】
前記第1スキャン信号のパルス幅は前記第2スキャン信号のパルス幅の倍数である、請求項8に記載の電界発光表示装置。
【請求項11】
前記第1スキャン信号のパルス幅は1水平期間である、請求項8に記載の電界発光表示装置。
【請求項12】
前記第1出力ノードを通じて前記第1スキャン信号が出力され、
前記第2出力ノードを通じて前記第2スキャン信号が出力される、請求項8に記載の電界発光表示装置。
【請求項13】
前記QB2ノード制御回路は、
前記第1出力クロック信号によって制御され、前記QB1ノードおよびQB3ノードに連結された第1MOSFETと、
前記ロー電圧によって制御されて前記QB3ノードと前記QB2ノードに連結された多結晶トランジスタと、
前記QB2ノードと第2出力クロック信号が提供される配線に連結されたキャパシタと、
を含む、請求項8に記載の電界発光表示装置。
【請求項14】
前記Qノードによって制御され、前記ロー電圧が提供される配線および前記QB1ノードに連結された第2MOSFETをさらに含む、請求項13に記載の電界発光表示装置。
【請求項15】
前記第1MOSFETおよび前記
第2MOSFETはn型トランジスタであり、
前記第1プルダウン回路、前記第1プルアップ回路、前記第2プルダウン回路、および前記第2プルアップ回路に含まれたトランジスタはp型トランジスタである、請求項14に記載の電界発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は低消費電力および画像品質を向上させたゲート駆動回路および電界発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化技術の発達につれて、使用者と情報間の連結媒体である表示装置の市場が大きくなっている。これに伴い、電界発光表示装置、液晶表示装置、有機発光表示装置および量子ドット表示装置などの多様な形態の表示装置の使用が増加している。
【0003】
この中で電界発光表示装置は応答速度が速く、発光効率が高く、視野角が大きい長所がある。一般的に、電界発光表示装置はスキャン信号によってターンオンされるトランジスタを利用してデータ電圧を駆動トランジスタのゲート電極に印加し、駆動トランジスタに供給されるデータ電圧をストレージキャパシタに充電する。そして、発光制御信号を利用してストレージキャパシタに充電されたデータ電圧を出力することによって発光素子を発光させる。発光素子は有機発光素子、無機発光素子、および量子ドット素子を含むことができる。
【0004】
発光素子が正確な色相と輝度で発光するために、駆動トランジスタおよびキャパシタを含むピクセル回路が多様に開発されており、最近は消費電力を減らすために酸化物を利用したトランジスタを利用している。
【0005】
電界発光表示装置はこのようなピクセル回路にゲート信号およびデータ信号を供給するゲート駆動回路およびデータ駆動回路を含む。このうちゲート駆動回路は、少なくとも一つ以上のエミッション信号とスキャン信号を提供することができる。一般的にスキャン信号を生成するゲート駆動回路は、ゲート信号を順次出力するためのシフトレジスタ(shift register)を含むことができる。
【0006】
ゲート駆動回路は表示パネルの非表示領域であるベゼル領域に、トランジスタの組み合わせで形成されるゲートインパネル(Gate In Panel、以下GIP)の形態で構成され得る。ゲート駆動回路は変化するピクセル回路の特性に適合するように、低消費電力効果のための駆動単純化、ナローベゼル領域の確保、および画像品質向上のための技術が摸索されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書の実施形態に係る解決課題は、ピクセル回路に含まれた酸化物トランジスタに提供するためのゲート信号を出力するゲート駆動回路およびこれを利用した電界発光表示装置を提供することである。
【0008】
本明細書の実施形態に係る解決課題は、二個以上のスキャン信号を出力するためのスキャン駆動回路を統合および駆動を単純化して表示パネルの非表示領域を減少させ、消費電力を減少させたゲート駆動回路およびこれを利用した電界発光表示装置を提供することである。
【0009】
本明細書の実施形態に係る解決課題は、低速周波数駆動時にも安定した出力を維持できるゲート駆動回路およびこれを利用した電界発光表示装置を提供することである。
【0010】
本明細書の課題は以上で言及した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書の一実施形態に係るゲート駆動回路において、ゲート駆動回路はQノードによって制御され、第1出力ノードにロー電圧を伝達する第1プルダウン回路、QB1ノードによって制御され、第1出力ノードにハイ電圧を伝達する第1プルアップ回路、QB1ノードの電圧をQB2ノードに伝達するQB2ノード制御回路、Qノードによって制御され、第2出力ノードにロー電圧を伝達する第2プルダウン回路、およびQB2ノードによって制御され、第2出力ノードに第1出力クロック信号のハイ電圧を伝達する第2プルアップ回路を含む。第1出力ノードに出力される信号のパルス幅は前記Qノードのパルス幅と同一であり、第2出力ノードに出力される信号のパルス幅は第1出力クロック信号のパルス幅と同一である。これにより、ゲート駆動回路の信頼性を確保し、電界発光表示装置のベゼルを減らすことができる。
【0012】
本明細書の一実施形態に係る電界発光表示装置において、電界発光表示装置は複数のピクセルを含む複数のピクセルラインを含む表示領域、および複数のピクセルラインにゲート信号を提供するゲート駆動回路を含む非表示領域に区分される表示パネルを含み、複数のピクセルはそれぞれピクセル回路と発光素子を含み、ピクセル回路は複数のn型トランジスタを含み、ゲート駆動回路はp型トランジスタを含む。ピクセル回路は初期化期間でターンオンされる第1トランジスタ、サンプリングおよびプログラミング期間でターンオンされる第2トランジスタ、および発光期間でターンオンされる第3トランジスタおよび第4トランジスタを含む。ゲート駆動回路は第1トランジスタをターンオンさせるための第1スキャン信号および第2トランジスタをターンオンさせるための第2スキャン信号を提供し、第1スキャン信号および第2スキャン信号は以前のピクセルラインで出力された第1出力信号をスタート信号として利用し、第1スキャン信号と同期されたスタートクロック信号および第2スキャン信号と同期された第1出力クロック信号によって出力される。これにより、ゲート駆動回路の信頼性を確保し、電界発光表示装置のベゼルを減らすことができる。
【0013】
その他の実施形態の具体的な事項は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0014】
本明細書の実施形態によると、酸化物トランジスタで具現されたピクセル回路に適合するようにゲート駆動回路を具現することによって、表示パネルの画像品質を向上させ消費電力を減らすことができる。
【0015】
そして、本明細書の実施形態によると、n型トランジスタおよびp型トランジスタをすべて含むゲート信号生成回路を利用することによって、表示パネルのベゼル領域を減らすことができる。
【0016】
そして、本明細書の実施形態によると、二個以上のスキャン信号を出力する駆動回路を統合することによって、表示パネルのベゼル領域を減らすことができる。
【0017】
そして、本明細書の実施形態によると、ゲート駆動回路は少なくとも一つの酸化物トランジスタを含むことによってトランジスタのしきい電圧シフトマージンの確保が可能であるため、ゲート駆動回路の信頼性を向上させることができる。
【0018】
以上の解決しようとする課題、課題解決手段、効果に記載した明細書の内容は請求項の必須の特徴を特定するものではないので、請求項の権利範囲は明細書の内容に記載された事項によって制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本明細書の一実施形態に係る電界発光表示装置のブロック図である。
【
図2】本明細書の一実施形態に係るピクセル回路の回路図である。
【
図3】本明細書の一実施形態に係るピクセル回路に提供されるゲート信号の波形図である。
【
図4】本明細書の一実施形態に係るゲート駆動回路の回路図である。
【
図5】本明細書の一実施形態に係るゲート駆動回路に提供される信号の波形図である。
【
図6】本明細書の他の実施形態に係るゲート駆動回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の利点および特徴、そして、それらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得るものであり、ただし本実施例は本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0021】
本発明の実施形態を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数等は例示的なものであるので、本発明は図示された事項に限定されるものではない。明細書全体に亘って同一の参照符号は同一の構成要素を指称する。また、本発明の説明において、関連した公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本明細書上で言及された「含む」、「有する」、「なされる」等が使われる場合、「~のみ」が使われない以上、他の部分が追加され得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り複数を含む場合を含む。
【0022】
構成要素の解釈において、別途の明示的記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0023】
位置関係に対する説明の場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~そばに」等で両部分の位置関係が説明される場合、「すぐに」または「直接」が使われない以上、両部分間に一つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0024】
時間関係に対する説明の場合、例えば、「~後に」、「~に引き続き」、「~次に」、「~前に」等で時間的な前後関係が説明される場合、「すぐに」または「直接」が使われない以上連続的でない場合も含むことができる。
【0025】
本明細書の多様な実施例のそれぞれの特徴が、部分的にまたは全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立的に実施可能であってもよく、連関関係で共に実施してもよい。
【0026】
本明細書で表示パネルの基板上に形成されるゲート駆動回路は、n型またはp型のトランジスタで具現され得る。例えば、トランジスタはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)構造のトランジスタで具現され得る。トランジスタはゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極を含んだ3電極素子である。ソース電極はキャリア(carrier)をトランジスタに供給する。トランジスタ内でキャリアはソースから移動し始める。ドレイン電極はトランジスタでキャリアが外部に出て行く電極である。トランジスタのソース電極とドレイン電極は固定されたものではなく、トランジスタのソース電極とドレイン電極は印加電圧により変更され得る。本明細書に記載されたトランジスタは薄膜トランジスタ(TFT、thin film transistor)を含むことができる。
【0027】
以下、添付された図面を参照して本明細書の実施例に係るゲート駆動回路およびこれを利用した電界発光表示装置について説明することにする。
【0028】
図1は、本明細書の一実施例に係る電界発光表示装置100のブロック図である。
【0029】
図1を参照すると、本明細書の一実施例に係る電界発光表示装置100は、複数のデータラインDLおよび複数のゲートラインGLが配置され、複数のデータラインDLおよび複数のゲートラインGLと連結される複数のサブピクセルPXが配列された表示パネル110と、表示パネル110に駆動信号を提供する駆動回路を含むことができる。
【0030】
サブピクセルPXはマトリックスの形態で配置されてピクセルアレイを構成するものとして図示したが、これに限定されず多様な形態で配置され得る。
【0031】
駆動回路は、複数のデータラインDLにデータ信号を提供するデータ駆動回路120、複数のゲートラインGLにゲート信号を提供するゲート駆動回路GD、データ駆動回路120およびゲート駆動回路GDを制御するコントローラ130等を含むことができる。
【0032】
表示パネル110は、映像が表示される表示領域DAと表示領域DAの外郭領域である非表示領域NDAを含むことができる。表示領域DAには複数のサブピクセルPXが配置され得る。複数のサブピクセルPXにデータ信号を提供するデータラインDLおよびゲート信号を提供するゲートラインGLが配置され得る。
【0033】
表示領域DAに配置された複数のデータラインDLは、非表示領域NDAまで延びてデータ駆動回路120と電気的に連結され得る。データラインDLはサブピクセルPXとデータ駆動回路120を電気的に連結させ、単一の配線で構成されてもよく、またはリンク配線を利用して複数の配線をコンタクトホールを通じて連結させてもよい。
【0034】
表示領域DAに配置された複数のゲートラインGLは、非表示領域NDAまで延びてゲート駆動回路GDと電気的に連結され得る。ゲートラインGLはサブピクセルPXとゲート駆動回路GDを電気的に連結させる。追加的に、非表示領域NDAにはゲート駆動回路GDがゲート信号を生成したり駆動するのに必要なゲート駆動関連配線が配置され得る。例えば、ゲート駆動関連配線はハイレバルの電圧をゲート駆動回路GDに供給する一つ以上のハイ電圧配線と、ローレベルのゲート電圧をゲート駆動回路GDに供給する一つ以上のロー電圧配線と、複数のクロック信号をゲート駆動回路GDに供給する複数のクロック配線と、スタート信号をゲート駆動回路GDに供給するスタート配線などを含むことができる。
【0035】
表示パネル110で複数のデータラインDLおよび複数のゲートラインGLはサブピクセルPXに配置される。例えば、複数のデータラインDLおよび複数のゲートラインGLはそれぞれ行または列で配置され得るが、説明の便宜のために複数のデータラインDLは列で配置され、複数のゲートラインGLは行で配置されるものと仮定する。
【0036】
コントローラ130は各フレームで実行されるタイミングによってスキャンを開始し、外部から入力される入力映像データをデータ駆動回路120で使うデータ信号の形式に合うように転換して転換された映像データを出力し、スキャンに合わせて適当な時間にデータ駆動を統制する。
【0037】
コントローラ130は入力映像データとともに、垂直同期信号、水平同期信号、入力データイネーブル信号、クロック信号などを含むタイミング信号を外部から受信する。タイミング信号を受信したコントローラ130は、データ駆動回路120およびゲート駆動回路GDを制御するための制御信号を生成して出力する。
【0038】
例えば、コントローラ130はデータ駆動回路120を制御するために、ソーススタートパルス、ソースサンプリングクロック、ソース出力イネーブル信号などを含む各種データ制御信号を出力する。ソーススタートパルスは、データ駆動回路120を構成する一つ以上のデータ信号生成回路のデータサンプリング開始タイミングを制御する。ソースサンプリングクロックは。データ信号生成回路それぞれでデータのサンプリングタイミングを制御するクロック信号である。ソース出力イネーブル信号はデータ駆動回路120の出力タイミングを制御する。
【0039】
また、コントローラ130はゲート駆動回路GDを制御するために、ゲートスタートパルス、ゲートシフトクロック、ゲート出力イネーブル信号などを含むゲート制御信号を出力する。ゲートスタートパルスは、ゲート駆動回路GDを構成する一つ以上のゲート信号生成回路の動作スタートタイミングを制御する。ゲートシフトクロックは、一つ以上のゲート信号生成回路に共通で入力されるクロック信号であって、スキャン信号のシフトタイミングを制御する。ゲート出力イネーブル信号は一つ以上のゲート信号生成回路のタイミング情報を指定している。
【0040】
コントローラ130は通常の表示装置の技術で利用されるタイミングコントローラーであるか、タイミングコントローラーを含んで他の制御機能もさらに遂行できる制御装置であり得る。
【0041】
コントローラ130はデータ駆動回路120と別途の部品で具現され得、データ駆動回路120とともに統合されて一つの集積回路で構成されてもよい。
【0042】
データ駆動回路120は一つ以上のデータ信号生成回路を含んで具現され得る。データ信号生成回路はシフトレジスタ、ラッチ回路、デジタルアナログコンバータ、出力バッファーなどを含むことができる。データ信号生成回路は場合によりアナログデジタルコンバータをさらに含むことができる。
【0043】
データ信号生成回路はテープオートメイテッドボンディング(TAB、Tape automated bonding)方式、チップオングラス(COG、Chip on glass)方式、またはチップオンパネル(COP、Chip on panel)方式で表示パネル110のボンディングパッドに連結されたり、表示パネル110に直接配置されてもよく、表示パネル110に集積化されて配置されてもよい。また、複数のデータ信号生成回路は表示パネル110に連結されたソース-回路フィルム上に実装されるチップオンフィルム(COF、Chip on film)方式で具現されてもよい。
【0044】
ゲート駆動回路GDは複数のゲートラインGLにスキャン信号を順次供給することによって、複数のゲートラインGLに連結されたサブピクセルPXを駆動させる。ゲート駆動回路GDはシフトレジスタ、レベルシフタなどを含むことができる。
【0045】
ゲート駆動回路GDはテープオートメイテッドボンディング(TAB、Tape automated bonding)方式、チップオングラス(COG、Chip on glass)方式、またはチップオンパネル(COP、Chip on panel)方式で表示パネル110のボンディングパッドに連結されたり、GIPタイプで具現されて表示パネル110に集積化されて配置され得る。また、複数のゲート信号生成回路は、表示パネル110に連結されたゲート-回路フィルム上に実装されるチップオンフィルム(COF、Chip on film)方式で具現されてもよい。以下では説明の便宜のために、ゲート駆動回路GDが複数のゲート信号生成回路を含み、複数のゲート信号生成回路はGIPタイプで具現されて表示パネル110の非表示領域NDAに配置される場合を例に挙げる。
【0046】
ゲート駆動回路GDはコントローラ130の制御により、トランジスタターンオン電圧またはトランジスタターンオフ電圧のスキャン信号を複数のゲートラインGLに順次供給する。データ駆動回路120はゲート駆動回路GDによって特定のゲートラインが開放されると、コントローラ130から受信した映像データをアナログ形態のデータ信号に変換して複数のデータラインDLに供給する。
【0047】
データ駆動回路120は表示パネル110の一側に位置することができる。例えば、表示パネル110の上側、下側、左側、または右側であり得る。また、データ駆動回路120は駆動方式、パネル設計方式などによって、表示パネル110の両側にすべて位置してもよい。例えば、表示パネル110の上側と下側、または左側と右側であり得る。
【0048】
ゲート駆動回路GDは表示パネル110の一側に位置することができる。例えば、表示パネル110の上側、下側、左側、または右側であり得る。また、ゲート駆動回路GDは駆動方式、パネル設計方式などによって、表示パネル110の両側にすべて位置してもよい。例えば、表示パネル110の上側と下側、または左側と右側であり得る。
【0049】
以下では、データ駆動回路120は表示パネル110の上側に位置し、ゲート駆動回路GDは表示パネル110の左側と右側にすべて位置するものを例に挙げて説明する。この場合、表示パネル110でゲート駆動回路GDが占める領域の幅Wをベゼルと呼称し得、ベゼルが小さいほど電界発光表示装置100の審美的な効果があるため、ベゼルを縮小するためにゲート駆動回路GDを簡素化しようとする要求がある。ゲート駆動回路GDを簡素化すれば駆動も単純化されて消費電力の節減効果も得ることができる。
【0050】
表示パネル110に配置された複数のゲートラインGLは複数のスキャンラインおよび複数の発光制御ラインなどを含むことができる。複数のスキャンラインおよび複数の発光制御ラインは、互いに異なるトランジスタのゲートノードで互いに異なる種類のゲート信号を伝達する配線である。
【0051】
したがって、ゲート駆動回路GDはゲートラインGLの一種である複数のスキャンラインにスキャン信号を出力する複数のスキャン駆動回路と他の一種である複数の発光制御ラインに発光制御信号を出力する複数の発光駆動回路を含むことができる。
【0052】
図2は本明細書の一実施形態に係るピクセル回路の回路図であり、
図3は本明細書の一実施例に係るピクセル回路に提供されるゲート信号の波形図である。
【0053】
表示領域DAは複数のサブピクセルPXを含み、それぞれのサブピクセルPXが表示する諧調に基づいて映像を表示する。前述した通り、一例として、それぞれのサブピクセルPXは列ライン(column line)に沿って配列されるデータラインDLと連結され、行ライン(pixel line)に沿って配列されるゲートラインGLと連結される。この場合、同一の行ラインに位置したサブピクセルPXをピクセルラインと指称し、同一のピクセルラインにあるサブピクセルPXは同一のゲートラインGLを共有し、同時にゲート信号が提供される。したがって、第1ゲートラインに連結されたサブピクセルPXを第1ピクセルラインと指称し、第nゲートラインに連結されたサブピクセルPXを第nピクセルラインと指称することができる。表示領域DAに配置されたピクセルラインがp個とする時、第1ピクセルラインから第pピクセルラインはゲート信号生成回路と同期されて順次駆動され得る。
【0054】
図2および
図3を参照すると、サブピクセルPXは発光素子ELおよび発光素子ELのアノードに印加される電流量を制御するピクセル回路を含む。ピクセル回路は6個のトランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6と一個のストレージキャパシタCstを含む。ピクセル回路に含まれたトランジスタはすべてn型トランジスタであって、酸化物トランジスタで構成され得る。
【0055】
本明細書の一実施形態に係るピクセル回路は、n番目のピクセルラインに含まれたピクセル回路を例に挙げて説明する。ピクセル回路には第1スキャン信号Scan1(n)、第2スキャン信号Scan2(n)、第1エミッション信号EM1(n)、第2エミッション信号EM2(n)、データ電圧Vdata、高電位電圧VDD、初期化電圧Vini、および低電位電圧VSSが提供される。第1スキャン信号Scan1(n)および第2スキャン信号Scan2(n)はゲート駆動回路GDに含まれたスキャン駆動回路から出力され、第1エミッション信号EM1(n)および第2エミッション信号EM2(n)はゲート駆動回路GDに含まれたエミシャーは駆動回路から出力される。一般的に信号別に信号を出力する駆動回路は別途に設けられるが、本明細書の一実施例に係るゲート駆動回路GDで第1スキャン信号Scan1(n)および第2スキャン信号Scan2(n)を出力する駆動回路は単一スキャン駆動回路から出力される。データ電圧Vdataはデータ駆動回路120から出力される。そして、高電位電圧VDD、初期化電圧Vini、および低電位電圧VSSは電源電圧であり、電源生成部から出力されてピクセル回路に提供される。
【0056】
ピクセル回路は初期化期間Ini、サンプリングおよびプログラミング期間SaP、ホールディング期間Hol1、Hol2、および発光期間Emiにより駆動されながら、駆動トランジスタのしきい電圧を補償し、駆動トランジスタが発光素子ELに駆動電流を提供する。この場合、駆動トランジスタは第1トランジスタT1で表す。
【0057】
第1トランジスタT1はゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極を含み、ソース電極は発光素子ELに電気的に連結されて駆動電流を提供する。
【0058】
第1エミッション信号EM1(n)がロー電圧に転換されながら発光期間が終わり、第1スキャン信号Scan1(n)がハイ電圧に転換されながら初期化期間Iniが始まる。初期化期間Iniで第2エミッション信号EM2(n)はハイ電圧を維持する。
【0059】
第1エミッション信号EM1(n)により第2トランジスタT2はターンオフされて第1トランジスタT1から発光素子ELに提供されていた駆動電流を遮断する。第2トランジスタT2のゲート電極は第1エミッション信号EM1(n)が提供される第1エミッションラインと連結され、ソース電極は第1トランジスタT1のソース電極と連結され、ドレイン電極は発光素子ELのアノード電極と連結される。
【0060】
第1トランジスタT1を除いた残りのトランジスタT2、T3、T4、T5、T6はスイッチングトランジスタであり、ソース電極とドレイン電極は状況によって変わってもよい。
【0061】
引き続き、第1スキャン信号Scan1(n)により第3トランジスタT3および第4トランジスタT4がターンオンされる。そして、第2エミッション信号EM2(n)により第5トランジスタT5はターンオン状態を維持する。
【0062】
第3トランジスタT3のゲート電極は第1スキャン信号Scan1(n)が提供される第1スキャンラインと連結され、ソース電極およびドレイン電極はそれぞれ第1トランジスタT1のゲート電極およびドレイン電極と連結される。
【0063】
第4トランジスタT4のゲート電極は第1スキャンラインと連結され、ソース電極は初期化電圧Viniが提供される初期化ラインに連結され、ドレイン電極は発光素子ELのアノード電極に連結される。
【0064】
第5トランジスタT5のゲート電極は第2エミッション信号EM2(n)が提供される第2エミッションラインに連結され、ソース電極は第1トランジスタT1のドレイン電極と連結され、ドレイン電極は高電位電圧VDDが提供される高電位ラインに連結される。
【0065】
初期化期間Viniで第3トランジスタT3はターンオンされて第1トランジスタT1のゲート電極とドレイン電極を互いに連結させ、第1トランジスタT1のゲート電極とドレイン電極を互いに同一電圧に作る。初期化期間Viniで第5トランジスタT5がターンオン状態であるので、第3トランジスタT3により第1トランジスタT1のゲート電極とドレイン電極は高電位電圧VDDとなる。
【0066】
初期化期間Viniで第4トランジスタT4はターンオンされて初期化電圧Viniを発光素子ELに提供し、発光素子ELのアノードを初期化電圧Viniに放電させる。
【0067】
引き続き、第2エミッション信号EM2(n)がロー電圧に転換され、第2スキャン信号Scan2(n)がハイ電圧に転換されながらサンプリングおよびプログラミング期間SaPが始まる。サンプリングおよびプログラミング期間SaPで第1スキャン信号Scan1(n)はハイ電圧を維持し、第1エミッション信号EM1(n)はロー電圧を維持する。
【0068】
第2エミッション信号EM2(n)により第5トランジスタT5はターンオフされて第1トランジスタT1に提供した高電位電圧VDDを遮断する。そして、第2スキャン信号Scan2(n)により第6トランジスタT6がターンオンされてデータ電圧Vdataを第1トランジスタT1のソース電極に提供する。
【0069】
第6トランジスタT6のゲート電極は第2スキャンラインと連結され、ソース電極は第1トランジスタT1のソース電極と連結され、ドレイン電極はデータ電圧Vdataが提供されるデータラインDLに連結される。
【0070】
サンプリングおよびプログラミング期間SaPでターンオン状態を維持する第3トランジスタT3によって、第1トランジスタT1のゲート電極とドレイン電極が電気的に連結された状態であるので第1トランジスタT1はダイオード-コネクション状態となり、この時、第6トランジスタT6がターンオンされて第1トランジスタT1のドレイン電極にデータ電圧Vdataを提供するので、第1トランジスタT1のゲート電極の電圧とソース電極の電圧の差が第1トランジスタT1のしきい電圧となるまで第1トランジスタT1のゲート電極の電圧は低くなる。
【0071】
一方、ストレージキャパシタCstの第1電極は第1トランジスタT1のゲート電極に連結され、第2電極は発光素子ELのアノード電極に連結される。サンプリングおよびプログラミング期間SaPでストレージキャパシタCstの第1電極にはデータ電圧Vdataと第1トランジスタT1のしきい電圧の差の電圧が印加され、ターンオン状態を維持する第4トランジスタT4によりストレージキャパシタCstの第2電極には初期化電圧Viniが印加され、ストレージキャパシタCstが充電される。
【0072】
第1スキャン信号Scan1(n)のハイ電圧は4水平期間4Hであり、第2スキャン信号Scan2(n)のハイ電圧は1水平期間1Hであるが、これに制限されはしない。第1スキャン信号Scan1(n)と第2スキャン信号Scan2(n)のハイ電圧を同一の長さで具現してもよい。
【0073】
第1スキャン信号Scan1(n)および第2スキャン信号Scan2(n)により初期化期間Iniは3水平期間3Hであり、サンプリングおよびプログラミング期間SaPは1水平期間1Hであるが、これに制限されはしない。同様に、初期化期間Iniとサンプリングおよびプログラミング期間SaPは同一の長さであってもよい。
【0074】
ただし、初期化期間Iniをサンプリングおよびプログラミング期間SaPより長くする場合、電界発光表示装置にブラック画面を表示する時に鮮明なブラックを具現することができる。具体的には、第1スキャン信号Scan1(n)のパルス幅は第2スキャン信号Scan2(n)のパルス幅の二倍以上であり得る。
【0075】
引き続き、第1スキャン信号Scan1(n)および第2スキャン信号Scan2(n)がロー電圧に転換されながら第1ホールディング期間Hol1が始まる。第1ホールディング期間Hol1で第1エミッション信号EM1(n)および第2エミッション信号EM2(n)はロー電圧を維持する。
【0076】
第1ホールディング期間Hol1ではすべてのトランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6がターンオフされた状態で第1スキャン信号Scan1(n)および第2スキャン信号Scan2(n)のロー電圧に転換される時間に対するバッファー時間を提供する。第1ホールディング期間Hol1は第1エミッション信号EM1(n)がハイ電圧に転換されながら終わり、第2ホールディング期間Hol2が始まる。第1ホールディング期間Hol1は7水平期間7Hであり得るが、これに制限されない。
【0077】
第2ホールディング期間Hol2で第1エミッション信号EM1(n)により第2トランジスタT2がターンオンされて第1トランジスタT1のソース電極と発光素子ELのアノード電極を電気的に連結させる。第1トランジスタT1のソース電極には初期化電圧Viniが提供され、ストレージキャパシタCstに充電された電圧より第1トランジスタT1のゲート電極とソース電極の電圧が一定に維持される。第2ホールディング期間Hol2は第2エミッション信号EM2(n)がハイ電圧に転換されながら終わり、発光期間Emiが始まる。第2ホールディング期間Hol2は4水平期間4Hであり得るが、これに制限されはしない。
【0078】
発光期間Emiで第2エミッション信号EM2(n)により第5トランジスタT5がターンオンされて第1トランジスタT1のドレイン電極に高電位電圧VDDを提供する。これに伴い、第1トランジスタT1がターンオンされて駆動電流を発光素子ELのアノード電極に提供し、発光素子ELは発光する。
【0079】
第1エミッション信号EM1(n)および第2エミッション信号EM2(n)のロー電圧は同一の長さで具現され得る。例えば、第1エミッション信号EM1(n)および第2エミッション信号EM(n)は12水平期間12Hであり得るが、これに制限されはしない。第1エミッション信号EM1(n)は第1スキャン信号Scan1(n)および第2スキャン信号Scan2(n)がハイ電圧であるときにロー電圧を維持し、第2エミッション信号EM2(n)は第2スキャン信号Scan2(n)がハイ電圧であり、第1エミッション信号EM1(n)がハイ電圧に転換される時にロー電圧を維持する。
【0080】
本明細書の一実施例に係るピクセル回路は、第1スキャン信号Scan1(n)および第2スキャン信号Scan2(n)により制御される酸化物トランジスタを含み、第1スキャン信号Scan1(n)および第2スキャン信号Scan2(n)を通じて初期化期間Iniをサンプリングおよびプログラミング期間SaPより長く設計することによって消費電力を減らし、より鮮明なブラック画面を具現することができる。以下では、第1スキャン信号Scan1(n)および第2スキャン信号Scan2(n)を出力するゲート駆動回路GDについて説明する。
【0081】
図4は本明細書の一実施例に係るゲート駆動回路GDの回路図であり、
図5は本明細書の一実施例に係るゲート駆動回路GDに提供される信号の波形図である。
【0082】
表示パネル110に含まれたサブピクセルPXを駆動するためのゲート信号はスキャン信号およびエミッション信号を含む。したがって、ゲート駆動回路GDはスキャン信号を出力するスキャン信号生成回路およびエミッション信号を出力するエミッション信号生成回路を別途に含むことができる。スキャン信号はスキャンラインを通じてピクセルラインに印加され、エミション信号はエミッションラインを通じてピクセルラインに印加される。
【0083】
図4はスキャン信号を出力するスキャン信号生成回路のみを示す。具体的には、表示領域DAに含まれたピクセルラインがp個とする時、本明細書の一実施例に係るスキャン信号生成回路は第1スキャン信号生成回路~第pスキャン信号生成回路を含む。
図4はこのうちn番目のピクセルラインに入力されるスキャン信号を出力する第nスキャン信号生成回路である。この場合、pおよびnは自然数であり、1≦n≦pである。
【0084】
第nスキャン信号生成回路は第1スキャン信号Scan1(n)および第2スキャン信号Scan2(n)をすべて出力する単一回路である。第nスキャン信号生成回路にはクロック信号および定電圧が入力される。クロック信号は一定の周期を有しロー電圧とハイ電圧の間をスイングする信号であって、スタートクロック信号GCLK、第1出力クロック信号OCLK1、および第2出力クロック信号OCLK2を含み、定電圧はロー電圧VGLおよびハイ電圧VGHを含む。例えば、ロー電圧VGLは-4.5V~-6.5Vであり、ハイ電圧VGHは12V~13Vであり得る。
【0085】
スタートクロック信号GCLKと出力クロック信号OCLK1、OCLK2は互いに異なる周期を有する。出力クロック信号OCLK1、OCLK2は4相クロック信号であり、第nスキャン信号生成回路には第1出力クロック信号OCLK1と第2出力クロック信号OCLK2が使われる。スキャン信号生成回路は奇数番目のピクセルラインと偶数番目のピクセルラインに分けて順次スキャン信号を出力してもよい。例えば、nが奇数の場合、偶数番目のピクセルラインにスキャン信号を提供するスキャン信号生成回路には、4相クロックのうち第1出力クロック信号OCLK1と第2出力クロック信号OCLK2を除いた残りの二つのクロック信号を使うことができる。
【0086】
第1出力クロック信号OCLK1と第2出力クロック信号OCLK2のハイ電圧パルス幅は約1水平期間に対応する。そして、スタートクロック信号GCLKのハイ電圧パルス幅は出力クロック信号のハイ電圧パルス幅より大きい。
【0087】
第nスキャン信号生成回路はスタートクロック信号GCLKに対応してスタート信号をシフトしながら、第1スキャン信号Scan1(n)をn番目のピクセルラインに提供し、第1出力クロック信号OCLK1に対応して第2スキャン信号Scan2(n)をn番目のピクセルラインに提供する。この場合、スタート信号はn-1番目のピクセルラインに提供される第1スキャン信号Scan1(n-1)である。例えば、nが奇数の場合、スタート信号としてn-1番目のピクセルラインに提供される第1スキャン信号Scan1(n-1)の意味はn以前の奇数番目のピクセルラインを意味する。例えば、nが99である場合、n-1は97を意味する。そして、nが偶数の場合、スタート信号としてn-1番目のピクセルラインに提供される第1スキャン信号Scan1(n-1)の意味はn以前の偶数番目のピクセルラインを意味する。例えば、nが104である場合、n-1は102を意味する。
【0088】
本明細書の一実施例に係るスキャン信号生成回路は第1プルダウン回路、第1プルアップ回路、第2プルダウン回路、第2プルアップ回路、Qノード制御回路、QB1ノード制御回路、QB2ノード制御回路を含む。また、本明細書の一実施例に係るスキャン信号生成回路はn型トランジスタおよびp型トランジスタをすべて含む。第nスキャン信号生成回路を構成するトランジスタは電圧をスイッチングするスイッチングトランジスタであるので、ソース電極とドレイン電極は状況によって変わってもよい。
【0089】
第1プルダウン回路はQノードの電圧によって制御されて第1出力ノードO1にロー電圧VGLを出力し、第1プルアップ回路はQB1ノードの電圧によって制御されて第1出力ノードO1にハイ電圧VGHを出力する。
【0090】
第1プルダウン回路は第1プルダウントランジスタTd41および第1キャパシタC41を含む。第1プルダウントランジスタTd41はp型トランジスタであり、ゲート電極はQノードに連結され、ソース電極はロー電圧VGLが提供される配線に連結され、ドレイン電極は第1出力ノードO1に連結される。第1キャパシタC41の第1電極はQノードに連結され、第2電極は第1出力ノードO1に連結される。
【0091】
第1プルアップ回路は第1プルアップトランジスタTu41を含む。第1プルアップトランジスタTu41はp型トランジスタであり、ゲート電極はQB1ノードに連結され、ソース電極はハイ電圧VGHが提供される配線に連結され、ドレイン電極は第1出力ノードO1に連結される。
【0092】
第2プルダウン回路はQノードの電圧によって制御されて第2出力ノードO2にロー電圧VGLを出力し、第2プルアップ回路はQB2ノードの電圧によって制御されて第2出力ノードO2に第1出力クロック信号OCLK1を出力する。
【0093】
第2プルダウン回路は第2プルダウントランジスタTd42を含む。第2プルダウントランジスタTd42はp型トランジスタであり、ゲート電極はQノードに連結され、ソース電極はロー電圧VGLが提供される配線に連結され、ドレイン電極は第2出力ノードO2に連結される。
【0094】
第2プルアップ回路は第2プルアップトランジスタTu42および第2キャパシタC42を含む。第2プルアップトランジスタTu42はp型トランジスタであり、ゲート電極はQB2ノードに連結され、ソース電極は第1出力クロック信号OCLK1が提供される配線に連結され、ドレイン電極は第2出力ノードO2に連結される。第2キャパシタC42の第1電極はQB2ノードに連結され、第2電極は第2出力クロック信号OCLK2が提供される配線に連結される。
【0095】
Qノード制御回路はQノードを充電または放電させるための回路であり、スタート信号(第1スキャン信号)Scan1(n-1)を利用してQノードにハイ電圧またはロー電圧を印加する。
【0096】
Qノード制御回路は第1トランジスタT41および第2トランジスタT42を含む。第1トランジスタT41はp型トランジスタであり、第1トランジスタT41のゲートはスタートクロック信号GCLKが提供される配線に連結され、ソース電極はスタート信号である第n-1スキャン信号生成回路から出力される第1スキャン信号Scan1(n-1)が提供される配線に連結され、ドレイン電極は第2トランジスタT42のソース電極に連結される。第1トランジスタT41はスタートクロック信号GCLKにより制御されて第n-1スキャン信号生成回路から出力される第1スキャン信号Scan1(n-1)を第2トランジスタT42のソース電極に印加する。
【0097】
そして、第2トランジスタT42はp型トランジスタであり、第2トランジスタT42のゲート電極はロー電圧VGLが提供される配線に連結され、ソース電極は第1トランジスタT41のドレイン電極に連結され、ドレイン電極はQノードに連結される。第2トランジスタT42はロー電圧VGLにより常にターンオン状態を維持し、第1トランジスタT41のドレイン電極とQノードを電気的に連結させる。本明細書の一実施例に係るスキャン信号生成回路でQノード制御回路はスタートクロック信号GCLKによりスタート信号をQノードに印加する。
【0098】
QB1ノード制御回路はQB1ノードを充電または放電させるための回路であり、Qノード制御回路によって印加されたQノード電圧によりQB1ノードにハイ電圧VGHまたはロー電圧VGLを印加する。
【0099】
QB1ノード制御回路は第3トランジスタT43および第4トランジスタT44を含む。第3トランジスタT43はn型トランジスタであり、第3トランジスタT43のゲートはQノードに連結され、ソース電極はQB1ノードに連結され、ドレイン電極はロー電圧VGLが提供される配線に連結される。第3トランジスタT43はQノードによって制御されてロー電圧VGLをQB1ノードに印加する。そして、第4トランジスタT44はp型トランジスタであり、第4トランジスタT44のゲート電極はQノードに連結され、ソース電極はハイ電圧VGHが提供された増えた配線に連結され、ドレイン電極はQB1ノードに連結される。
【0100】
第4トランジスタT44はQノードによって制御されてハイ電圧VGHをQB1ノードに印加する。本明細書の一実施例に係るスキャン信号生成回路でQB1ノード制御回路はn型およびp型トランジスタを含むことによって、Qノードを利用してQB1ノードの電圧を調節することができる。
【0101】
QB2ノード制御回路はQB2ノードを充電または放電させるための回路であり、第1出力クロック信号OCLK1によりQB2ノードにQB1ノードの電圧を印加する。
【0102】
QB2ノード制御回路は第5トランジスタT45、第6トランジスタT46、および第2キャパシタC42を含む。第5トランジスタT45はn型トランジスタであり、第5トランジスタT45のゲートは第1出力クロック信号OCLK1が提供される配線に連結され、ソース電極は第6トランジスタT46のソース電極に連結され、ドレイン電極はQB1ノードに連結される。第5トランジスタT45は第1出力クロック信号OCLK1により制御されてQB1ノードの電圧をQB3ノードに印加する。
【0103】
第6トランジスタT46はp型トランジスタであり、第6トランジスタT46のゲート電極はロー電圧VGLが提供される配線に連結され、ソース電極はQB3ノードに連結され、ドレイン電極はQB2ノードに連結される。第6トランジスタT46はロー電圧VGLにより常にターンオン状態を維持し、第5トランジスタT45のソース電極とQB2ノードを電気的に連結させる。そして、第2キャパシタC42の第1電極はQB2ノードに連結され、第2電極は第2出力クロック信号OCLK2が提供される配線に連結される。
【0104】
本明細書の一実施例に係るスキャン信号生成回路でQB2ノード制御回路はn型およびp型トランジスタを含むことによって、出力クロック信号を利用してQB2ノードの電圧を調節することができる。
【0105】
以下では、本明細書の一実施例に係るスキャン信号生成回路でスキャン信号生成回路に入力される信号およびこれに伴う各構成要素(駆動回路)の動作について説明する。
【0106】
スタートクロック信号GCLKがハイ電圧からロー電圧に転換される時を第1地点t1とすると、第1地点t1で第1トランジスタT41がターンオンされてn-1番目のピクセルラインに提供される第1スキャン信号Scan1(n-1)がQノードに印加される。この場合、n-1番目のピクセルラインに提供される第1スキャン信号Scan1(n-1)はハイ電圧であるので、Qノードはハイ電圧の状態となる。Qノードのハイ電圧によって第1プルダウントランジスタTd41、第4トランジスタT44、および第2プルダウントランジスタTd42がターンオフされ、第3トランジスタT43がターンオンされてロー電圧VGLをQB1ノードに印加する。QB1ノードによって第1プルアップトランジスタTu41はターンオンされてハイ電圧VGHを第1出力ノードO1に出力する。そして、第1地点t1で第1出力クロック信号OCLK1がハイ電圧からロー電圧に転換されるので第5トランジスタT45もターンオフされる。
【0107】
本明細書の一実施例に係るスキャン信号生成回路でスタートクロック信号GCLKがハイ電圧からロー電圧に転換されるパルスエッジに同期されてハイ電圧VGHが第1スキャン信号Scan1(n)としてn番目のピクセルラインに提供される。
【0108】
第1スキャン信号Scan1(n)がハイ電圧VGHに出力される状態はスタートクロック信号GCLKがロー電圧からハイ電圧に転換されてからも維持される。
【0109】
引き続き、第1出力クロック信号OCLK1がロー電圧からハイ電圧に転換され、第2出力クロック信号OCLK2がロー電圧である時を第2地点t2とすると、第2地点t2で第5トランジスタT45がターンオンされてQB1ノードの電圧がQB2ノードに印加される。この場合、QB1ノードの電圧はロー電圧であるので、QB2ノードもロー電圧の状態となる。QB2ノードのロー電圧によって第2プルアップトランジスタTu42がターンオンされて第1出力クロック信号OCLK1のハイ電圧が第2出力ノードO2に出力される。第1出力クロック信号OCLK1のハイ電圧が出力される時、第2出力クロック信号OCLK2はロー電圧であるので、第2キャパシタC42のブートストラッピング現象でQB2ノードの電圧がさらに低くなり、第2プルアップトランジスタTu42がターンオン状態をよく維持するようにする。そして、Qノードによって第2プルダウントランジスタTd42はターンオフ状態を維持する。
【0110】
本明細書の一実施例に係るスキャン信号生成回路で第1出力クロック信号OCLK1がロー電圧からハイ電圧に転換されるパルスエッジに同期されて第1出力クロック信号OCLK1が第2スキャン信号Scan2(n)としてn番目のピクセルラインに提供される。
【0111】
スタートクロック信号GCLKがハイ電圧からロー電圧に転換され、第1出力クロック信号OCLK1がハイ電圧からロー電圧に転換される時を第3地点t3とすると、第3地点t3で第5トランジスタT45がターンオフされ、第1トランジスタT41がターンオンされてn-1番目のピクセルラインに提供される第1スキャン信号Scan1(n-1)がQノードに印加される。この場合、n-1番目のピクセルラインに提供される第1スキャン信号Scan1(n-1)の電圧はロー電圧であるので、Qノードもロー電圧の状態となる。Qノードのロー電圧によって第1プルダウントランジスタTd41がターンオンされてロー電圧VGLが第1出力ノードO1に出力される。
【0112】
Qノードのロー電圧によって第3トランジスタT43がターンオフされ、第4トランジスタT44および第2プルダウントランジスタTd42がターンオンされる。ターンオンされた第4トランジスタT44はハイ電圧VGHをQB1ノードに印加する。QB1ノードによって第1プルアップトランジスタTu41はターンオフされる。そして、第3地点t3で第1出力クロック信号OCLK1がハイ電圧からロー電圧に転換されるので第5トランジスタT45もターンオフされる。また、ターンオンされた第2プルダウントランジスタTd42によりロー電圧VGLが第2出力ノードO2に出力される。
【0113】
本明細書の一実施例に係るスキャン信号生成回路でスタートクロック信号GCLKがハイ電圧からロー電圧に転換されるパルスエッジに同期されてロー電圧VGLが第1スキャン信号Scan1(n)でn番目のピクセルラインに提供され、第1出力クロック信号OCLK1がハイ電圧からロー電圧に転換されるパルスエッジに同期されてロー電圧VGLが第2スキャン信号Scan2(n)でn番目のピクセルラインに提供される。
【0114】
本明細書の一実施例に係るスキャン信号生成回路で第1スキャン信号Scan1(n)のハイ電圧のパルス幅はQノードのハイ電圧のパルス幅に対応する。すなわち、第1スキャン信号Scan1(n)のパルス幅はQノードのパルス幅と同一である。
【0115】
本明細書の一実施例に係るスキャン信号生成回路で第2スキャン信号Scan2(n)のハイ電圧のパルス幅は第1出力クロック信号OCLK1のハイ電圧のパルス幅に対応する。すなわち、第2スキャン信号Scan2(n)のパルス幅は第1出力クロック信号OCLKのパルス幅と同一である。
【0116】
本明細書の実施例によると、スキャン信号生成回路で少なくとも一つの酸化物トランジスタを含むことによってトランジスタのしきい電圧シフトマージンの確保が可能であるため、ゲート駆動回路の信頼性を向上させることができる。
【0117】
図6は、本明細書の他の実施例に係るゲート駆動回路の回路図である。本明細書の他の実施例に係るゲート駆動回路に提供される信号の波形図は
図5が同一に適用される。
図5の信号に対する重複する説明は省略する。
【0118】
図6は、
図4と同様にn番目のピクセルラインに入力されるスキャン信号を出力する第nスキャン信号生成回路である。第nスキャン信号生成回路は第1スキャン信号Scan1(n)および第2スキャン信号Scan2(n)をすべて出力する単一回路である。第nスキャン信号生成回路にはスタートクロック信号GCLK、第1出力クロック信号OCLK1、および第2出力クロック信号OCLK2を含み、定電圧はロー電圧VGLおよびハイ電圧VGHを含む。
【0119】
本明細書の他の実施例に係るスキャン信号生成回路は第1プルダウン回路、第1プルアップ回路、第2プルダウン回路、第2プルアップ回路、Qノード制御回路、QB1ノード制御回路、QB2ノード制御回路を含む。また、本明細書の他の実施例に係るスキャン信号生成回路はp型トランジスタを含む。第nスキャン信号生成回路を構成するトランジスタは電圧をスイッチングするスイッチングトランジスタであるので、ソース電極とドレイン電極は状況によって変わってもよい。
【0120】
第1プルダウン回路はQノードの電圧によって制御されて第1出力ノードO1にロー電圧VGLを出力し、第1プルアップ回路はQB1ノードの電圧によって制御されて第1出力ノードO1にハイ電圧VGHを出力する。
【0121】
第1プルダウン回路は第1プルダウントランジスタTd61および第1キャパシタC61を含む。第1プルダウントランジスタTd61はp型トランジスタであり、ゲート電極はQノードに連結され、ソース電極はロー電圧VGLが提供される配線に連結され、ドレイン電極は第1出力ノードO1に連結される。第1キャパシタC61の第1電極はQノードに連結され、第2電極は第1出力ノードO1に連結される。
【0122】
第1プルアップ回路は第1プルアップトランジスタTu61および第2キャパシタC62を含む。第1プルアップトランジスタTu61はp型トランジスタであり、ゲート電極はQB1ノードに連結され、ソース電極はハイ電圧VGHが提供される配線に連結され、ドレイン電極は第1出力ノードO1に連結される。第2キャパシタC62の第1電極はQB1ノードに連結され、第2電極はハイ電圧VGHが提供される配線に連結される。
【0123】
第2プルダウン回路はQノードの電圧によって制御されて第2出力ノードO2にロー電圧VGLを出力し、第2プルアップ回路はQB2ノードの電圧によって制御されて第2出力ノードO2に第1出力クロック信号OCLK1を出力する。
【0124】
第2プルダウン回路は第2プルダウントランジスタTd62を含む。第2プルダウントランジスタTd62はp型トランジスタであり、ゲート電極はQノードに連結され、ソース電極はロー電圧VGLが提供される配線に連結され、ドレイン電極は第2出力ノードO2に連結される。
【0125】
第2プルアップ回路は第2プルアップトランジスタTu62および第4キャパシタC64を含む。第2プルアップトランジスタTu62はp型トランジスタであり、ゲート電極はQB2ノードに連結され、ソース電極は第1出力クロック信号OCLK1が提供される配線に連結され、ドレイン電極は第2出力ノードO2に連結される。第4キャパシタC64の第1電極はQB2ノードに連結され、第2電極は第2出力クロック信号OCLK2が提供される配線に連結される。
【0126】
Qノード制御回路はQノードを充電または放電させるための回路であり、スタート信号(第1スキャン信号)Scan1(n-1)を利用してQノードにハイ電圧またはロー電圧を印加する。
【0127】
Qノード制御回路は第1トランジスタT61および第2トランジスタT62を含む。第1トランジスタT61はp型トランジスタであり、第1トランジスタT61のゲートはスタートクロック信号GCLKが提供される配線に連結され、ソース電極はスタート信号である第n-1スキャン信号生成回路から出力される第1スキャン信号Scan1(n-1)が提供される配線に連結され、ドレイン電極はQ1ノードに連結される。第1トランジスタT61はスタートクロック信号GCLKにより制御されて第n-1スキャン信号生成回路から出力される第1スキャン信号Scan1(n-1)をQ1ノードに印加する。そして、第2トランジスタT62はp型トランジスタであり、第2トランジスタT62のゲート電極はロー電圧VGLが提供される配線に連結され、ソース電極はQ1ノードに連結され、ドレイン電極はQノードに連結される。第2トランジスタT62はロー電圧VGLにより常にターンオン状態を維持し、Q1ノードとQノードを電気的に連結させる。本明細書の他の実施例に係るスキャン信号生成回路でQノード制御回路はスタートクロック信号GCLKによりスタート信号(第1スキャン信号)Scan1(n-1)をQノードに印加する。
【0128】
QB1ノード制御回路はQB1ノードを充電または放電させるための回路であり、Q2ノード、スタートクロック信号GCKL、およびスタート信号(第1スキャン信号)Scan1(n-1)を利用してQB1ノードにハイ電圧またはロー電圧を印加する。
【0129】
QB1ノード制御回路は第3トランジスタT63、第4トランジスタT64、第5トランジスタT65、および第3キャパシタC63を含む。第3トランジスタT63はp型トランジスタであり、第3トランジスタT63のゲートはスタート信号(第1スキャン信号)Scan1(n-1)が提供される配線に連結され、ソース電極はハイ電圧VGHが提供される配線に連結され、ドレイン電極はQ2ノードに連結される。第3トランジスタT63はスタート信号(第1スキャン信号)Scan1(n-1)により制御されてハイ電圧VGHをQ2ノードに印加する。
【0130】
第4トランジスタT64はp型トランジスタであり、第4トランジスタT64のゲート電極はQ2ノードに連結され、ソース電極はスタートクロック信号GCLKが提供される配線に連結され、ドレイン電極はQB1ノードに連結される。第4トランジスタT64はQ2ノードによって制御されてスタートクロック信号GCLKをQB1ノードに印加する。
【0131】
第5トランジスタT65はp型トランジスタであり、第5トランジスタT65のゲート電極はQ1ノードに連結され、ソース電極はハイ電圧VGHが提供される配線に連結され、ドレイン電極はQB1ノードに連結される。第5トランジスタT65はQ1ノードによって制御されてハイ電圧VGHをQB1ノードに印加する。
【0132】
第3キャパシタC63の第1電極はスタートクロック信号GCLKに連結されて第2電極はQ2ノードに連結される。
【0133】
本明細書の他の実施例に係るスキャン信号生成回路でQB1ノード制御回路はスタート信号(第1スキャン信号)Scan1(n-1)、スタートクロック信号GCKL、およびQ1ノードを利用してQB1ノードの電圧を調節することができる。
【0134】
QB2ノード制御回路はQB2ノードを充電または放電させるための回路であり、Qノードの電圧によりQB2ノードにQB1ノードの電圧を印加する。
【0135】
QB2ノード制御回路は第6トランジスタT66、第7トランジスタT67、および第4キャパシタC64を含む。第6トランジスタT66はp型トランジスタであり、第6トランジスタT66のゲートはQノードに連結され、ソース電極はQB1ノードに連結され、ドレイン電極はQB3ノードに連結される。第6トランジスタT66はQノードによって制御され、QB1ノードの電圧をQB3ノードに印加する。
【0136】
第7トランジスタT67はp型トランジスタであり、第7トランジスタT67のゲート電極はロー電圧VGLが提供される配線に連結され、ソース電極はQB3ノードに連結され、ドレイン電極はQB2ノードに連結される。第7トランジスタT67はロー電圧VGLにより常にターンオン状態を維持し、第6トランジスタT66のドレイン電極とQB2ノードを電気的に連結させる。
【0137】
第4キャパシタC64の第1電極はQB2ノードに連結され、第2電極は第2出力クロック信号OCLK2が提供される配線に連結される。
【0138】
本明細書の他の実施例に係るスキャン信号生成回路でQB2ノード制御回路はQノードおよびQB1ノードを利用してQB2ノードの電圧を調節することができる。
【0139】
以下では、本明細書の他の実施例に係るスキャン信号生成回路でスキャン信号生成回路に入力される信号およびこれに伴う各構成要素(駆動回路)の動作について説明する。
【0140】
スタートクロック信号GCLKがハイ電圧からロー電圧に転換される時を第1地点t1とすると、第1地点t1で第1トランジスタT61がターンオンされてn-1番目のピクセルラインに提供される第1スキャン信号Scan1(n-1)がQノードに印加される。この場合、n-1番目のピクセルラインに提供される第1スキャン信号Scan1(n-1)はハイ電圧であるので、Qノードはハイ電圧の状態となる。Qノードのハイ電圧によって第1プルダウントランジスタTd61、第6トランジスタT66、および第2プルダウントランジスタTd62がターンオフされる。そして、Q1ノードのハイ電圧によって第5トランジスタT65がターンオフされる。そして、n-1番目のピクセルラインに提供される第1スキャン信号Scan1(n-1)により第3トランジスタT63がターンオフされる。
【0141】
第1地点t1でスタートクロック信号GCLKがハイ電圧からロー電圧に転換されながら第3キャパシタC63のカップリング現象によりフローティング状態であるQ2ノードの電圧が低くなる。これに伴い、第4トランジスタT64がターンオンされてスタートクロック信号GCLKのロー電圧がQB1ノードに印加される。QB1ノードのロー電圧によって第1プルアップトランジスタTu61がターンオンされてハイ電圧VGHを第1出力ノードO1に出力する。そして、第2キャパシタC62はスタートクロック信号GCLKがハイ電圧になって第4トランジスタT64がターンオフされてもQB1ノードの電圧がロー電圧を維持するようにする。
【0142】
本明細書の他の実施例に係るスキャン信号生成回路でスタートクロック信号GCLKがハイ電圧からロー電圧に転換されるパルスエッジに同期されてハイ電圧VGHが第1スキャン信号Scan1(n)でn番目のピクセルラインに提供される。
【0143】
引き続き、第1出力クロック信号OCLK1がロー電圧からハイ電圧に転換され、第2出力クロック信号OCLK2がロー電圧である時を第2地点t2とすると、第2地点t2で第2出力クロック信号OCLK2がハイ電圧からロー電圧に転換されながら第4キャパシタC64のカップリング現象によりフローティング状態であるQB2ノードの電圧が低くなる。これに伴い、第2プルアップトランジスタTu62がターンオンされて第1出力クロック信号OCLK1のハイ電圧が第2出力ノードO2に出力する。そして、Qノードによって第2プルダウントランジスタTd62はターンオフ状態を維持する。
【0144】
本明細書の他の実施例に係るスキャン信号生成回路で第1出力クロック信号OCLK1がロー電圧からハイ電圧に転換されるパルスエッジに同期されて第1出力クロック信号OCLK1が第2スキャン信号Scan2(n)でn番目のピクセルラインに提供される。
【0145】
スタートクロック信号GCLKがハイ電圧からロー電圧に転換され、第1出力クロック信号OCLK1がハイ電圧からロー電圧に転換される時を第3地点t3とすると、第3地点t3で第1トランジスタT61がターンオンされてn-1番目のピクセルラインに提供される第1スキャン信号Scan1(n-1)がQノードに印加される。この場合、n-1番目のピクセルラインに提供される第1スキャン信号Scan1(n-1)の電圧はロー電圧であるので、Qノードもロー電圧の状態となる。Qノードのロー電圧によって第1プルダウントランジスタTd61がターンオンされてロー電圧VGLが第1出力ノードO1に出力される。
【0146】
QノードはQ1ノードと同一電圧であるので、Q1ノードのロー電圧によって第5トランジスタT65がターンオンされ、ハイ電圧VGHをQB1ノードに印加する。QB1ノードによって第1プルアップトランジスタTu61はターンオフされる。
【0147】
Qノードによって第6トランジスタT66および第2プルダウントランジスタTd62がターンオンされる。ターンオンされた第6トランジスタT66によりQB1ノードのロー電圧はQB2ノードに印加され、QB2ノードによって第2プルアップトランジスタTu62はターンオンされて第1出力クロック信号OCLK1のロー電圧が第2出力ノードO2に出力される。そして、ターンオンされた第2プルダウントランジスタTd62によりロー電圧VGLが第2出力ノードO2に出力される。
【0148】
本明細書の他の実施例に係るスキャン信号生成回路でスタートクロック信号GCLKがハイ電圧からロー電圧に転換されるパルスエッジに同期されてロー電圧VGLが第1スキャン信号Scan1(n)でn番目のピクセルラインに提供され、第1出力クロック信号OCLK1がハイ電圧からロー電圧に転換されるパルスエッジに同期されてロー電圧VGLが第2スキャン信号Scan2(n)でn番目のピクセルラインに提供される。
【0149】
本明細書の他の実施例に係るスキャン信号生成回路で第1スキャン信号Scan1(n)のハイ電圧のパルス幅はQノードのハイ電圧のパルス幅に対応する。すなわち、第1スキャン信号Scan1(n)のパルス幅はQノードのパルス幅と同一である。
【0150】
本明細書の他の実施例に係るスキャン信号生成回路で第2スキャン信号Scan2(n)のハイ電圧のパルス幅は第1出力クロック信号OCLK1のハイ電圧のパルス幅に対応する。すなわち、第2スキャン信号Scan2(n)のパルス幅は第1出力クロック信号OCLKのパルス幅と同一である。
【0151】
本明細書の実施例に係るゲート駆動回路およびこれを利用した電界発光表示装置は、次のように説明され得る。
【0152】
本明細書の一実施例に係るゲート駆動回路において、ゲート駆動回路はQノードによって制御され、第1出力ノードにロー電圧を伝達する第1プルダウン回路、QB1ノードによって制御され、第1出力ノードにハイ電圧を伝達する第1プルアップ回路、QB1ノードの電圧をQB2ノードに伝達するQB2ノード制御回路、Qノードによって制御され、第2出力ノードにロー電圧を伝達する第2プルダウン回路、およびQB2ノードによって制御され、第2出力ノードに第1出力クロック信号のハイ電圧を伝達する第2プルアップ回路を含む。第1出力ノードに出力される信号のパルス幅は前記Qノードのパルス幅と同一であり、第2出力ノードに出力される信号のパルス幅は第1出力クロック信号のパルス幅と同一である。これにより、ゲート駆動回路の信頼性を確保し、電界発光表示装置のベゼルを減らすことができる。
【0153】
本明細書の他の特徴によると、第1出力ノードに出力される信号のパルス幅は第2出力ノードに出力される信号のパルス幅の二倍以上であり得る。
【0154】
本明細書の他の特徴によると、第2出力ノードに出力されるハイ電圧は1水平期間であり得る。
【0155】
本明細書の他の特徴によると、第2出力ノードに出力される信号は第1出力クロック信号のパルスエッジと同期化され得る。
【0156】
本明細書の他の特徴によると、QB2ノード制御回路は第1出力クロック信号によって制御され、QB1ノードおよびQB3ノードに連結された第1n型トランジスタ、ロー電圧によって制御され、QB3ノードとQB2ノードに連結されたp型トランジスタ、およびQB2ノードと第2出力クロック信号が提供される配線に連結されたキャパシタを含むことができる。
【0157】
本明細書の他の特徴によると、Qノードによって制御されてロー電圧が提供される配線およびQB1ノードに連結された第2n型トランジスタをさらに含むことができる。
【0158】
本明細書の他の特徴によると、第1n型トランジスタおよび第2n型トランジスタは酸化物トランジスタであり、第1プルダウン回路、第1プルアップ回路、第2プルダウン回路、および第2プルアップ回路に含まれたトランジスタはp型トランジスタであり得る。
【0159】
本明細書の他の特徴によると、QB2ノード制御回路はQノードによって制御され、QB1ノードおよびQB3ノードに連結された第1トランジスタ、ロー電圧によって制御されてQB3ノードとQB2ノードに連結された第2トランジスタ、およびQB2ノードと第2出力クロック信号が提供される配線に連結されたキャパシタを含むことができる。
【0160】
本明細書の一実施例に係る電界発光表示装置において、電界発光表示装置は複数のピクセルを含む複数のピクセルラインを含む表示領域、および複数のピクセルラインにゲート信号を提供するゲート駆動回路を含む非表示領域に区分される表示パネルを含み、複数のピクセルはそれぞれピクセル回路と発光素子を含み、ピクセル回路は複数のn型トランジスタを含み、ゲート駆動回路はp型トランジスタを含む。ピクセル回路は初期化期間でターンオンされる第1トランジスタ、サンプリングおよびプログラミング期間でターンオンされる第2トランジスタ、および発光期間でターンオンされる第3トランジスタおよび第4トランジスタを含む。ゲート駆動回路は第1トランジスタをターンオンさせるための第1スキャン信号および第2トランジスタをターンオンさせるための第2スキャン信号を提供し、第1スキャン信号および第2スキャン信号は以前のピクセルラインで出力された第1出力信号をスタート信号として利用し、第1スキャン信号と同期されたスタートクロック信号および第2スキャン信号と同期された第1出力クロック信号によって出力される。これにより、ゲート駆動回路の信頼性を確保し、電界発光表示装置のベゼルを減らすことができる。
【0161】
本明細書の他の特徴によると、第1出力ノードを通じて第1スキャン信号が出力され、第2出力ノードを通じて第2スキャン信号が出力され得る。
【0162】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で多様に変形実施され得る。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。したがって、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解されるべきである。本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0163】
100:電界発光表示装置
110:表示パネル
120:データ駆動回路
130:コントローラ