(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】情報処理システム、方法、プログラム、記憶媒体及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240802BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20240802BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F3/0484
(21)【出願番号】P 2022211115
(22)【出願日】2022-12-28
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【氏名又は名称】野本 裕史
(74)【代理人】
【識別番号】100220423
【氏名又は名称】榊間 城作
(72)【発明者】
【氏名】小林(道寄) 浩美
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/038882(WO,A1)
【文献】特開2022-014140(JP,A)
【文献】特開2002-117252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
G06F 3/0484- 3/0486
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが仮想的に試着する衣服を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記衣服の寸法データを含む衣服情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記衣服情報に基づいて前記衣服の画像を生成する画像生成部と、
前記ユーザの体型に対応するモデルの画像又は前記ユーザを撮像した画像に含まれる人体領域の少なくとも一部に前記衣服の画像を重畳表示する表示制御部と、
前記ユーザが登録しているサブスクリプションサービス
であって前記衣服の寸法データの補正に用いる仮想のピンを用いたサービスを特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記サブスクリプションサービスに
おいて前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正する補正部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記サブスクリプションサービス
において、前記ピンは、前記サブスクリプションサービスの登録時に前記ユーザに付与される所定本数の
仮想のピンであり、
前記補正部は、前記所定本数の範囲内で、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記サブスクリプションサービス
において、前記ピンは、所定期間において利用可能であり、
前記補正部は、前記所定期間を超えていない場合に、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記サブスクリプションサービス
において、前記ピンは、所定本数を利用可能な
仮想のピンであり、
前記補正部は、前記所定本数の範囲内で、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記サブスクリプションサービス
において、前記ピンは、衣服一着に限り本数無制限で利用可能な
仮想のピンであり、
前記補正部は、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記サブスクリプションサービス
において、前記ピンは、特定のブランドに関連付けられた
仮想のピンであり、
前記補正部は、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記特定のブランドに関連付けられたピンは、前記特定のブランド又は前記特定のブランドのグループの衣服に用いることができるピンであることを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記特定のブランドに関連付けられたピンに、前記特定のブランド又は前記特定のブランドのグループを識別可能な記号、文字、マークおよび図形のうちの少なくとも一つを表示することを特徴とする請求項6又は7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記サブスクリプションサービス
において、前記ピンは、特定のフィッターに関連付けられた
仮想のピンであり、
前記補正部は、前記特定のフィッターの操作に基づいて、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記サブスクリプションサービス
において、前記ピンは、衣服の属性に関連付けられた
仮想のピンであり、
前記補正部は、前記衣服の属性に応じて、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記表示制御部は、未使用の前記ピンを待機させるためのピンクッションを表示部に表示することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記ピンクッションに、前記衣服のブランド又は前記衣服のブランドのグループを識別可能な記号、文字、マークおよび図形のうちの少なくとも一つを表示することを特徴とする請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
コンピュータが実行する方法であって、
ユーザが仮想的に試着する衣服を決定するステップと、
決定した前記衣服の寸法データを含む衣服情報を取得するステップと、
前記衣服情報に基づいて前記衣服の画像を生成するステップと、
前記ユーザの体型に対応するモデルの画像又は前記ユーザを撮像した画像に含まれる人体領域の少なくとも一部に前記衣服の画像を重畳表示するステップと、
前記ユーザが登録しているサブスクリプションサービス
であって前記衣服の寸法データの補正に用いる仮想のピンを用いたサービスを特定するステップと、
前記サブスクリプションサービスに
おいて前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項14】
コンピュータに、請求項13に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
ユーザが仮想的に試着する衣服を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記衣服の寸法データを含む衣服情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記衣服情報に基づいて前記衣服の画像を生成する画像生成部と、
前記ユーザの体型に対応するモデルの画像又は前記ユーザを撮像した画像に含まれる人体領域の少なくとも一部に前記衣服の画像を重畳表示する表示制御部と、
前記ユーザが登録しているサブスクリプションサービス
であって前記衣服の寸法データの補正に用いる仮想のピンを用いたサービスを特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記サブスクリプションサービスに
おいて前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正する補正部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、方法、プログラム、記憶媒体及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、顧客が試着服を着た状態のシミュレーション画像を用いることにより試着服の補正ができるようにした衣服の補正装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、ユーザが登録しているサブスクリプションサービスに応じて衣服の寸法データを補正することついては何ら提案されていない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザが登録しているサブスクリプションサービスに応じて衣服の寸法データを補正することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係る情報処理システムは、ユーザが仮想的に試着する衣服を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記衣服の寸法データを含む衣服情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記衣服情報に基づいて前記衣服の画像を生成する画像生成部と、前記ユーザの体型に対応するモデルの画像又は前記ユーザを撮像した画像に含まれる人体領域の少なくとも一部に前記衣服の画像を重畳表示する表示制御部と、前記ユーザが登録しているサブスクリプションサービスを特定する特定部と、前記特定部が特定した前記サブスクリプションサービスに応じて前記衣服の前記寸法データを補正する補正部と、を有する。
【0007】
上記構成によれば、特定部が特定した前記サブスクリプションサービスに応じて衣服の寸法データを補正するので、ユーザが登録しているサブスクリプションサービスに応じて衣服の寸法データを補正することができる。
【0008】
第2態様に係る情報処理システムは、上記第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記サブスクリプションサービスは、前記衣服の前記寸法データの補正に用いる仮想のピンであって前記サブスクリプションサービスの登録時に前記ユーザに付与される所定本数のピンを用いたサービスであり、前記補正部は、前記所定本数の範囲内で、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正する。
【0009】
第3態様に係る情報処理システムは、上記第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記サブスクリプションサービスは、前記衣服の前記寸法データの補正に用いる仮想のピンであって所定期間において利用可能なピンを用いたサービスであり、前記補正部は、前記所定期間を超えていない場合に、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正する。
【0010】
第4態様に係る情報処理システムは、上記第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記サブスクリプションサービスは、前記衣服の前記寸法データの補正に用いる仮想のピンであって所定本数を利用可能なピンを用いたサービスであり、前記補正部は、前記所定本数の範囲内で、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正する。
【0011】
第5態様に係る情報処理システムは、上記第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記サブスクリプションサービスは、前記衣服の前記寸法データの補正に用いる仮想のピンであって衣服一着に限り本数無制限で利用可能なピンを用いたサービスであり、前記補正部は、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正する。
【0012】
第6態様に係る情報処理システムは、上記第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記サブスクリプションサービスは、前記衣服の前記寸法データの補正に用いる仮想のピンであって特定のブランドに関連付けられたピンを用いたサービスであり、前記補正部は、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正する。
【0013】
第7態様に係る情報処理システムは、上記第6態様に係る情報処理システムにおいて、前記特定のブランドに関連付けられたピンは、前記特定のブランド又は前記特定のブランドのグループの衣服に用いることができるピンである。
【0014】
第8態様に係る情報処理システムは、上記第6又は第7態様に係る情報処理システムにおいて、前記表示制御部は、前記特定のブランドに関連付けられたピンに、前記特定のブランド又は前記特定のブランドのグループを識別可能な記号、文字、マークおよび図形のうちの少なくとも一つを表示する。
【0015】
第9態様に係る情報処理システムは、上記第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記サブスクリプションサービスは、前記衣服の前記寸法データの補正に用いる仮想のピンであって特定のフィッターに関連付けられたピンを用いたサービスであり、前記補正部は、前記特定のフィッターの操作に基づいて、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正する。
【0016】
第10態様に係る情報処理システムは、上記第1態様に係る情報処理システムにおいて、前記サブスクリプションサービスは、前記衣服の前記寸法データの補正に用いる仮想のピンであって衣服の属性に関連付けられたピンを用いたサービスであり、前記補正部は、前記衣服の属性に応じて、前記衣服の画像上に配置された前記ピンの位置を基準として、前記衣服の前記寸法データを補正する。
【0017】
第11態様に係る情報処理システムは、上記第2から第10態様のいずれかに係る情報処理システムにおいて、前記表示制御部は、未使用の前記ピンを待機させるためのピンクッションを表示部に表示する。
【0018】
第12態様に係る情報処理システムは、上記第11態様に係る情報処理システムにおいて、前記表示制御部は、前記ピンクッションに、前記衣服のブランド又は前記衣服のブランドのグループを識別可能な記号、文字、マークおよび図形のうちの少なくとも一つを表示する。
【0019】
第13態様に係る方法は、ユーザが仮想的に試着する衣服を決定するステップと、決定した前記衣服の寸法データを含む衣服情報を取得するステップと、前記衣服情報に基づいて前記衣服の画像を生成するステップと、前記ユーザの体型に対応するモデルの画像又は前記ユーザを撮像した画像に含まれる人体領域の少なくとも一部に前記衣服の画像を重畳表示するステップと、前記ユーザが登録しているサブスクリプションサービスを特定するステップと、前記サブスクリプションサービスに応じて前記衣服の前記寸法データを補正するステップと、を有する。
【0020】
上記構成によれば、サブスクリプションサービスに応じて衣服の寸法データを補正するので、ユーザが登録しているサブスクリプションサービスに応じて衣服の寸法データを補正することができる。
【0021】
第14態様に係るプログラムは、コンピュータに、上記第13態様に係る方法を実行させるためのプログラムである。
【0022】
第15態様に係る記憶媒体は、上記第14態様に係るプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体である。
【0023】
第16態様に係る情報処理装置は、ユーザが仮想的に試着する衣服を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記衣服の寸法データを含む衣服情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記衣服情報に基づいて前記衣服の画像を生成する画像生成部と、前記ユーザの体型に対応するモデルの画像又は前記ユーザを撮像した画像に含まれる人体領域の少なくとも一部に前記衣服の画像を重畳表示する表示制御部と、前記ユーザが登録しているサブスクリプションサービスを特定する特定部と、前記特定部が特定した前記サブスクリプションサービスに応じて前記衣服の前記寸法データを補正する補正部と、を有する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ユーザが登録しているサブスクリプションサービスに応じて衣服の寸法データを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るサーバとユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係るフィッター端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係るサーバの記憶部に格納されたデータベースの一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る情報処理システムの処理フローの一例を示す図である。
【
図7A】本実施形態に係る仮想フィッティングルームの一例を示す図である。
【
図7B】本実施形態に係る仮想フィッティングルームの一例を示す図であって、ユーザが商品(衣服)を仮想的に試着した状態を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る仮想のピンクッションの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0027】
(情報処理システムの概要)
本実施形態に係る情報処理システムは、仮想空間又は拡張現実空間において、ユーザ(顧客)が、商品である衣服を仮想的に試着した状態で、フィッターによる衣服の寸法調整(補正)のサービスを受けることが可能なサブスクリプションサービスに用いられる。以下、本実施形態に係る情報処理システムの詳細について説明する。
【0028】
(情報処理システムの構成)
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、顧客であるユーザが使用するユーザ端末2(端末装置)と、ユーザが仮想的に試着した衣服の寸法調整(寸法データの補正)を行うフィッターが使用するフィッター端末3と、サーバ4と、を備えている。
【0029】
ユーザ端末2とフィッター端末3とサーバ4とは、インターネット等のネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク5は、有線回線と無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。ユーザ端末2、フィッター端末3及びサーバ4の少なくとも一部は、コンピュータ(情報処理装置)により実現される。ユーザ端末2及びフィッター端末3は、例えば、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末等の端末装置である。ユーザ端末2及びフィッター端末3は、情報処理システム1を利用するユーザ及びフィッターの数に応じて、多数存在しているものとする。
【0030】
(ハードウェア構成)
次に、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理システム1に含まれるユーザ端末2とサーバ4のハードウェア構成の一例をブロック図である。
【0031】
ユーザ端末2において、CPU201は、このユーザ端末2全体の動作を制御する処理装置である。ROM202は、CPU201が実行する制御プログラムや各種のデータを格納する不揮発性メモリである。RAM203は、CPU201が実行するプログラムのロード領域やワーク領域に使用する揮発性メモリである。記憶装置204は、各種の情報を記憶するための記憶手段であり、ユーザ端末2本体に内蔵されているものでも、記憶媒体が着脱可能なものでもよい。入力装置205は、ユーザ端末2のユーザが情報を入力するための装置であり、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、マイクロフォン等である。ディスプレイ206は、各種の情報(ユーザインタフェース等)を表示する表示装置である。撮像素子207は、被写体の像を撮像する光電変換素子である。通信I/F(インタフェース)208は、サーバ4と接続するためのインタフェースである。バス209は、上記各構成要素を相互に接続するバスラインである。
【0032】
サーバ4において、CPU401は、このサーバ4全体の動作を制御する処理装置である。ROM402は、CPU401が実行する制御プログラムや各種のデータを格納する不揮発性メモリである。RAM403は、CPU401が実行するプログラムのロード領域やワーク領域に使用する揮発性メモリである。記憶装置404は、各種の情報を記憶するための記憶手段であり、サーバ4本体に内蔵されているものでも、記憶媒体が着脱可能なものでもよい。通信I/F(インタフェース)405は、サーバ4と接続するためのインタフェースである。バス406は、上記各構成要素を相互に接続するバスラインである。
【0033】
図3は、本実施形態に係る情報処理システム1に含まれるフィッター端末3のハードウェア構成の一例をブロック図である。フィッター端末3において、CPU301は、このフィッター端末3の全体の動作を制御する処理装置である。ROM302は、CPU301が実行する制御プログラムや各種のデータを格納する不揮発性メモリである。RAM303は、CPU301が実行するプログラムのロード領域やワーク領域に使用する揮発性メモリである。記憶装置304は、各種の情報を記憶するための記憶手段であり、ユーザ端末2本体に内蔵されているものでも、記憶媒体が着脱可能なものでもよい。入力装置305は、ユーザ端末2のユーザが情報を入力するための装置であり、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、マイクロフォン等である。ディスプレイ306は、各種の情報(ユーザインタフェース等)を表示する表示装置である。通信I/F(インタフェース)307は、サーバ4と接続するためのインタフェースである。バス308は、上記各構成要素を相互に接続するバスラインである。
【0034】
(機能構成)
次に、本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成の一例を示す図である。
【0035】
まず、ユーザ端末2の機能構成について説明する。
図4に示すように、ユーザ端末2は、通信部21と、ユーザ端末2の全体の動作を制御する制御部22と、ユーザが各種情報を入力する入力部23と、各種情報を出力する出力部24と、被写体の像を撮像する撮像部25と、各種情報を記憶する記憶部26と、を有している。
【0036】
通信部21は、ユーザ端末2とネットワーク5との間の通信インタフェースである。通信部21は、ネットワーク5を介してユーザ端末2とサーバ4あるいはフィッター端末3との間で情報を送受信する。
【0037】
制御部22は、人体検出部22aを有しており、この人体検出部22aは、撮像部25が撮像した画像から物体を検出する。例えば、人体検出部22aは、撮像部25が撮像した画像から人体の少なくとも一部を検出する。人体検出には、どのようなアルゴリズムを用いてもよい。例えば、HoGやHaar-likeなどの画像特徴とブースティングを組み合わせた識別器を用いてもよいし、R-CNN、Fast R-CNN、YOLO、SSD等のディープラーニングによる人体認識を用いてもよい。人体検出部22aが、人体を検出した場合には、人体が検出された領域(人体領域)の位置情報(例えば、絶対座標又は相対座標)が通信部21により、ネットワーク5を介してサーバ4に送信される。
【0038】
なお、人体検出部は、サーバ4の制御部42に設けられていてもい。すなわち、ユーザ端末2の撮像部25が撮像した画像をサーバ4がネットワーク5を介して受信し、受信した画像から制御部42の不図示の人体検出部が人体の少なくとも一部を検出してもよい。
【0039】
入力部23は、ユーザ端末2のユーザが情報を入力するための要素であり、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、マイクロフォン等である。
【0040】
出力部24は、ユーザ端末2からユーザに対して各種情報を出力するインタフェースであり、例えば、液晶ディスプレイ等の映像表示デバイス(表示部)である。出力部24は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を出力(表示)してもよい。
【0041】
撮像部25は、ユーザ端末2の撮像素子を含むカメラモジュールにより、被写体の像を撮像する。撮像部25により撮像した画像は、制御部22に出力され、各種画像処理が施され、出力部24により出力される。
【0042】
記憶部26は、例えば、内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。記憶部26には、制御部22が取り扱う各種データや通信部21がネットワーク5を介してサーバ4からダウンロードした各種情報、撮像部25が撮像した画像等が記憶される。なお、記憶部26は、必ずしもユーザ端末2内に設けられていなくてもよく、記憶部26の一部または全部は、ネットワーク5を介してユーザ端末2と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0043】
次に、フィッター端末3の機能構成について説明する。
図4に示すように、フィッター端末3は、通信部31と、制御部32と、入力部33と、出力部34と、記憶部35と、を有している。
【0044】
通信部31は、フィッター端末3とネットワーク5との間の通信インタフェースである。通信部31は、ネットワーク5を介してフィッター端末3とユーザ端末2あるいはサーバ4との間で情報を送受信する。
【0045】
制御部32は、フィッター端末3の全体の動作を制御する。
【0046】
入力部33は、ユーザ端末2のユーザが情報を入力するための要素であり、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、マイクロフォン等である。
【0047】
出力部34は、ユーザ端末2からユーザに対して各種情報を出力するインタフェースであり、例えば、液晶ディスプレイ等の映像表示デバイス(表示部)である。出力部34は、ユーザからの操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を出力(表示)してもよい。
【0048】
記憶部35は、例えば、内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。記憶部35には、制御部32が取り扱う各種データや通信部31がネットワーク5を介してユーザ端末2やサーバ4からダウンロードした各種情報等が記憶される。なお、記憶部35は、必ずしもフィッター端末3内に設けられていなくてもよく、記憶部35の一部または全部は、ネットワーク5を介してフィッター端末3と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0049】
次に、サーバ4の機能構成について説明する。
図4に示すように、サーバ4は、通信部41と、制御部42と、記憶部43と、を有する。
【0050】
通信部41は、サーバ4とネットワーク5との間の通信インタフェースである。通信部41は、ネットワーク5を介しサーバ4とユーザ端末2又はフィッター端末3との間で情報を送受信する。
【0051】
制御部42は、サーバ4の全体の動作を制御する。また、制御部42は、決定部42aと、取得部42bと、画像生成部42cと、表示制御部42dと、特定部42eと、補正部42fと、を有している。
【0052】
決定部42aは、ユーザ(顧客)が仮想的に試着する衣服(商品)を決定する。具体的には、決定部42aは、通信部41がネットワーク5を介してユーザ端末2から受信した情報(商品識別情報)に対応する衣服をユーザが仮想的に試着する衣服として決定する。
【0053】
取得部42bは、決定部42aが決定した衣服(商品)の寸法データを含む衣服情報を取得する。具体的には、取得部42bは、記憶部43に記憶された後述の商品情報43aから、ユーザが試着する衣服の商品識別情報をクエリとして衣服(商品)の寸法データを抽出する。
【0054】
また、取得部42bは、記憶部43に記憶された後述のユーザ情報DB43bからユーザ情報を取得する。例えば、取得部42bは、ユーザIDをクエリとして、ユーザの体型情報、画像データ、サブスクリプションサービスに関する情報を取得してもよい。なお、情報処理システム1に接続された不図示の三次元計測装置によって計測されたユーザの身体の三次元計測データを体型情報としてもよい。
【0055】
また、取得部42bは、記憶部43に記憶された後述のフィッター情報DB43cから、仮想のフィッティングルームにおいてユーザの衣服(商品)の寸法調整(補正)を行うフィッターに関する情報を取得する。
【0056】
また、取得部42bは、記憶部43に記憶された後述のピン情報DB43dから、仮想のフィッティングルームにおいてフィッターが使用する仮想のピンに関する情報を取得する。
【0057】
また、取得部42bは、記憶部43に記憶された後述のピンクッション情報DB43eから、仮想のフィッティングルームにおいて未使用の仮想のピンを待機させておく仮想のピンクッションに関する情報を取得する。
【0058】
画像生成部42cは、取得部42bが取得した商品情報(衣服情報)に基づいて衣服の画像を生成する。具体的には、画像生成部42cは、例えば、取得部42bが取得した商品情報に含まれる衣服(商品)の画像データを読み出すことにより衣服の画像を生成する。なお、画像生成部42cは、取得部42bが取得した商品情報に含まれる衣服の寸法(サイズ)及び属性(色彩、生地等)に対応する画像を生成してもよい。
【0059】
また、画像生成部42cは、取得部42bが取得したユーザ情報に基づいてユーザの体型に対応するモデル(アバター)の画像を生成する。具体的には、画像生成部42cは、例えば、取得部42bが取得したユーザ情報に含まれるユーザの体型に対応するモデルの画像データを読み出すことにより衣服の画像を生成する。なお、画像生成部42cは、例えば、取得部42bが取得したユーザ情報に含まれる体型情報に対応するモデルの画像を生成してもよい。
【0060】
表示制御部42dは、ユーザの体型に対応するモデルの画像又はユーザを撮像した画像に含まれる人体領域の少なくとも一部に衣服の画像を重畳表示する。具体的には、表示制御部42dは、例えば、ユーザ端末2の出力部(表示部)24及び/又はフィッター端末3の出力部(表示部)34において、画像生成部42cが生成したユーザのモデルの画像の少なくとも一部に、画像生成部42cが生成した衣服の画像を重畳表示したり、ユーザ端末2の撮像部25により撮像された画像内における人体領域の少なくとも一部に、画像生成部42cが生成した衣服の画像を重畳表示したりする。表示制御部42dが、ユーザのモデルの画像の少なくとも一部に、衣服の画像を重畳表示する場合は、仮想空間において、ユーザが衣服を仮想的に試着することができる。また、表示制御部42dが、撮像された画像内における人体領域の少なくとも一部に、衣服の画像を重畳表示する場合には、拡張現実空間において、ユーザが衣服を仮想的に試着することができる。
【0061】
また、表示制御部42dは、ユーザ端末2の出力部24又はフィッター端末3の出力部34を介して、仮想空間または拡張現実空間に設置された仮想のフィッティングルーム(以下、仮想フィッティングルームという。)を表示する。
【0062】
図7Aは、表示制御部42dによってユーザ端末2の表示部(出力部)24に表示された仮想フィッティングルーム70を示す図である。
図7Aに示すように、仮想フィッティングルーム70には、人体部分71と、仮想のピンクッション72と、衣服の寸法データの補正に用いる仮想のピン73とが含まれている。人体部分71は、仮想フィッティングルーム70が仮想空間上に設置される場合は、画像生成部42cによって生成されたユーザの体型に対応するモデルの画像であり、仮想フィッティングルーム70が拡張現実空間上に設置される場合は、撮像部25により撮像された画像内から人体検出部22aにより検出された人体を含む人体領域である。また、ピン73は、未使用時は、ピンクッション72に刺さった状態で待機される。
【0063】
図7Bは、仮想フィッティングルームにおいてユーザが衣服を試着した状態を示す図である。
図7Bに示すように、表示制御部42dは、仮想フィッティングルーム70において、人体部分71の少なくとも一部に、ユーザが仮想的に試着する衣服の画像74を重畳表示する。また、
図7Bにおいて、表示制御部42dは、衣服の画像74上の、フィッター端末3を使用するフィッターが指定した位置に仮想のピン73を配置する。そして、仮想のピンが配置された位置を基準として、衣服の補正位置を示す指標75が衣服の画像74上に表示される。この指標75を、実空間におけるフィッティングの仮縫いに対応させてもよい。
【0064】
図8は、仮想フィッティングルーム70に表示される仮想のピンクッションの他の例を示す図である。
図8に示すように、仮想のピンクッション72Aが特定のブランドと関連付けられている場合には、表示制御部42dは、ピンクッション72Aにこの特定のブランド又はブランドグループを識別可能な識別情報80(
図8の例では「ABC」)を表示する。また、表示制御部42dは、ピン73Aに特定のブランド又はブランドグループを識別可能な識別情報(
図8の例では「ABC」)を表示する。なお、特定のブランド又はブランドグループを識別可能な識別情報は、記号、文字、マークおよび図形のうちの少なくとも一つであればよい。
【0065】
特定部42eは、ユーザが登録しているサブスクリプションサービスを特定する。具体的には、特定部42eは、例えば、取得部42bが取得したユーザ情報に含まれるサブスクリプションサービスに関する情報から、ユーザが登録しているサブスクリプションサービスを特定する。
【0066】
補正部42fは、特定部42eが特定したサブスクリプションサービスに応じて衣服の寸法データを補正する。具体的には、補正部42fは、例えば、ユーザが登録しているサブスクリプションサービスに対応する仮想のピンがフィッター端末3のユーザ(フィッター)の操作に基づいて衣服の画像上に配置された位置を基準として衣服の寸法データを補正する。補正部42fが補正した寸法データは、通信部41によりネットワーク5を介して外部の仕立て業者等の端末(不図示)に送信される。
【0067】
記憶部43は、例えば、内蔵メモリや外部メモリ(SDメモリカード等)などのデータストレージである。記憶部43には、制御部42が取り扱う各種データや通信部41がネットワーク5を介してユーザ端末2やフィッター端末3からダウンロードした各種情報、データベース等が記憶される。
【0068】
図5は、サーバ4の記憶部43に格納されたデータベース(DB)の一例を示す図である。
図5に示すように、記憶部43には、商品情報DB43aと、ユーザ情報DB43bと、フィッター情報DB43cと、ピン情報DB43dと、ピンクッション情報DB43eと、が含まれている。
【0069】
商品情報DB43aは、商品である衣服に関する情報が格納されたデータベースである。商品情報DB43aは、例えば、衣服(商品)の、識別情報、ブランドの名称、ブランドグループ(レーベル)の名称、製造元の名称、寸法(サイズ)、属性(男性用、女性用、子供用、フォーマル、カジュアル、シャツ、ブラウス、Tシャツ、カットソー、トップス、アウター、スーツ、ジャケット、パンツ、スカート、ワンピース、色彩、生地等)、画像データ、在庫数、寸法調整(裾上げ、丈詰め等)の可否等に関する情報を含む。
【0070】
ユーザ情報DB43bは、情報処理システム1のユーザ(顧客)に関する情報が格納されたデータベースである。ユーザ情報DB43bは、例えば、ユーザがユーザ端末2を介して入力したユーザID(識別情報)、体型情報(ユーザの身体のサイズに関する情報)、ユーザの体型に対応するモデル(アバター)の画像データ、サブスクリプションサービス、年齢、生年月日、性別、居住地(都道府県情報)、職業等の情報を含む。
【0071】
フィッター情報DB43cは、仮想のフィッティングルームにおいて、ユーザが仮想的に試着した衣服の寸法調整(寸法データの補正)を行うフィッターに関する情報を格納するデータベースである。フィッター情報DB43cは、例えば、フィッターの、ID(識別情報)、年齢、性別、顔画像データ、フィッター歴(年数)、得意なジャンル、ランク、ユーザ評価等に関する情報を含む。
【0072】
ピン情報DB43dは、仮想のフィッティングルームにおいて、ユーザが試着した衣服に対してフィッターが仮想的な仮縫いをすることにより衣服の寸法調整(補正)を行うための仮想のピンに関する情報を格納するデータベースである。ピン情報DB43dは、例えば、ピンに関連付けられたサービス(当該サービスの識別情報を含む)、使用期限、ブランドの名称、店舗の名称、価格、サイズ、画像データ等に関する情報を含む。
【0073】
ここで、ピンに関連付けられたサービスとして、例えば、情報処理システム1を利用したサービスの初期登録時にユーザに付与される所定本数のピンを用いたサービスを含んでもよい。この所定本数のピンは、期間無制限で使用できるようにしてもよい。
【0074】
また、ピンに関連付けられたサービスとして、例えば、期間限定で使用できるピンを用いたサービスを含んでもよい。具体的には、例えば、1カ月、3カ月、6カ月等の所定期間に使用可能なピンに関連付けられたサービスであってもよい。
【0075】
また、ピンに関連付けられたサービスとして、例えば、所定本数のセットで販売されるピンを用いたサービスを含んでもよい。具体的には、12本セットのピンで10本分の価格で購入可能なピンに関連付けられたサービスであってもよい。
【0076】
また、ピンに関連付けられたサービスとして、例えば、衣服一着に限り本数無制限で利用可能なピンを用いたサービスを含んでもよい。
【0077】
また、ピンに関連付けられたサービスとして、例えば、特定のブランドに関連付けられたピンを用いたサービスを含んでもよい。この特定のブランドに関連付けられたピンは、特定のブランド又は特定のブランドのグループの衣服に用いることができるピンであってもよい。
【0078】
また、ピンに関連付けられたサービスとして、例えば、特定のフィッターに関連付けられたピンを用いたサービスを含んでもよい。
【0079】
また、ピンに関連付けられたサービスとして、例えば、衣服の属性に関連付けられたピンを用いたサービスを含んでもよい。具体的には、例えば、特定の属性(シャツ、ブラウス、カットソー、トップス、スーツ、ジャケット、パンツ、スカート、ワンピース等)の衣服にのみ使用可能なピンに関連付けられたサービスであってもよい。
【0080】
ピンクッション情報DB43eは、仮想のフィッティングルームにおいて、未使用の仮想のピンを待機させておくための仮想のピンクッションに関する情報を格納するデータベースである。ピンクッション情報DB43eは、例えば、ピンクッションの、識別情報、使用期限、ブランドの名称、店舗の名称、価格、サイズ、画像データ等に関する情報を含む。
【0081】
なお、記憶部43は、必ずしもサーバ4内に設けられていなくてもよく、記憶部43の一部または全部は、ネットワーク5を介してサーバ4と通信可能に接続された別の装置内に設けられていてもよい。
【0082】
(動作の一例)
次に、情報処理システム1の動作の一例について説明する。
図6は、情報処理システム1を利用したフィッティングのサブスクリプションサービスにユーザが登録してから、仮想のフィッティングルームにおいて、ユーザが仮想的に試着した衣服の寸法調整(補正)をフィッターが行うまでの、情報処理システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0083】
まず、ユーザ端末2において、入力部23を介してユーザ操作等に基づいてユーザ情報が入力される(ステップS101)。
【0084】
次に、ユーザ端末2の制御部22は、通信部21により、ユーザ情報をサーバ4にネットワーク5を介して送信する(ステップS102)。
【0085】
ユーザ端末2からユーザ情報を受信したサーバ4の制御部42は、ユーザ情報に含まれる情報(サブスクリプションサービスを特定する情報)に基づいて、サブスクリプションサービスを登録する(ステップS103)。例えば、制御部42は、ユーザIDとサブスクリプションサービスとを関連付けて記憶部43のユーザ情報DB43bに記憶する。
【0086】
そして、サーバ4の制御部42は、通信部41により、サブスクリプションサービスの初期登録時に付与される仮想のピンをユーザが獲得した旨の通知をユーザ端末2にネットワーク5を介して送信する(ステップS104)。
【0087】
サブスクリプションサービスへの登録後、ユーザが衣服(商品)のフィッティング(試着)を希望する場合、ユーザ端末2の入力部23を介したユーザ操作に基づいて、ユーザ端末2の制御部22は、通信部21により、フィッティングの要求をサーバ4にネットワーク5を介して送信する(ステップS105)。
【0088】
ユーザ端末2からフィッティングの要求を受信したサーバ4の制御部42は仮想のフィッティングルームを構築する。具体的には、制御部42の表示制御部42dは、ユーザ端末2の表示部(出力部)24に仮想のフィッティングルームのユーザインタフェースを表示する(ステップS106)。
【0089】
次に、仮想のフィッティングルームを構築したサーバ4は、通信部41により、商品選択の要求をユーザ端末2にネットワーク5を介して送信する(ステップS107)。
【0090】
サーバ4から商品選択の要求を受信したユーザ端末2の制御部22は、入力部23を介したユーザ操作に基づいて、商品(衣服)を選択する(ステップS108)。
【0091】
そして、ユーザ端末2の制御部22は、通信部21により、選択した商品(衣服)の識別情報をサーバ4にネットワーク5を介して通知する(ステップS109)。
【0092】
ユーザ端末2から商品の識別情報を受信したサーバ4は、制御部42の決定部42aにより、ユーザが仮想的に試着する商品(衣服)を決定する(ステップS110)。
【0093】
次に、サーバ4において、制御部42の取得部42bにより、決定部42aが決定した衣服に関する情報(衣服情報)を取得する(ステップS111)。例えば、取得部42bは、商品の識別情報をクエリとして、記憶部43の商品情報DB43aから衣服情報(商品情報)を取得する。
【0094】
次に、サーバ4において、制御部42の画像生成部42cは、取得部42bが取得した衣服情報(商品情報)に基づいて、衣服の画像を生成する(ステップS112)。衣服の仮想的な試着にユーザのモデル(アバター)を用いる場合は、画像生成部42cは、ユーザの体型に対応するモデルの画像も併せて生成する。
【0095】
そして、サーバ4において、制御部42の表示制御部42dは、ユーザの体型に対応するモデルの画像又はユーザを撮像した画像に含まれる人体領域の少なくとも一部に衣服の画像を重畳表示する(ステップS113)。
【0096】
次に、ユーザ端末2において、制御部22は、入力部23を介したユーザ操作に基づいて、衣服の寸法データの補正の要求をサーバ4にネットワーク5を介して送信する(ステップS114)。
【0097】
ユーザ端末2から衣服の寸法データの補正の要求を受信したサーバ4は、制御部42の特定部42eにより、ユーザが登録しているサブスクリプションサービスを特定する(ステップS115)。
【0098】
次に、サーバ4において、制御部42の取得部は、特定部42eが特定したサブスクリプションサービスに対応する仮想のピン及びピンクッションに関する情報を、記憶部43のピン情報DB43d及びピンクッション情報DB43eからそれぞれ取得する(ステップS116)。このとき、制御部42の表示制御部42dは、ユーザが登録しているサブスクリプションサービスに対応する仮想のピン及びピンクッションをユーザ端末2の表示部(出力部)24に表示する。
【0099】
そして、サーバ4において、制御部42は、通信部41により、ユーザの衣服の寸法データの補正を行うフィッターの選択を要求する通知をユーザ端末2にネットワーク5を介して送信する(ステップS117)。
【0100】
サーバ4からフィッター選択の要求を受信したユーザ端末2の制御部22は、入力部23を介したユーザ操作に基づいて、フィッターを選択する(ステップS118)。
【0101】
そして、ユーザ端末2の制御部22は、選択したフィッターの識別情報をサーバ4にネットワーク5を介して送信する(ステップS119)。
【0102】
ユーザ端末2からフィッターの識別情報を受信したサーバ4の制御部42は、受信した識別情報に基づいてフィッターを決定する(ステップS120)。
【0103】
次に、サーバ4において、制御部42は、ステップS120において決定したフィッターが使用するフィッター端末3に通知を送信することによりフィッターを呼び出す(ステップS121)。
【0104】
サーバ4から呼び出し通知を受信したフィッター端末3の制御部32は、入力部33を介したフィッターの操作に基づいて、仮想のフィッティングルームへの参加の通知をサーバ4にネットワーク5を介して送信する(ステップS122)。
【0105】
フィッター端末3から参加通知を受信したサーバ4の制御部42は、通信部41により、フィッターの参加通知があった旨の通知をユーザ端末2にネットワーク5を介して送信する(ステップS123)。
【0106】
仮想のフィッティングルームにおいては、ユーザ(顧客)とフィッターとが音声、テキスト又は画像等を用いて意思疎通を図ることが可能となっている。そして、ユーザの要望やフィッターの助言等により衣服の寸法データの補正が必要と判断された場合には、フィッター端末3の制御部32は、入力部33を介したフィッターの操作に基づいて、衣服の寸法データの補正のレコメンドをサーバ4に送信する(ステップS124)。具体的には、フィッターは、フィッター端末3の表示部(出力部)34にユーザインタフェースとして表示された仮想のピンクッションから仮想のピンを選択し、ユーザが仮想的に試着した衣服の画像上の寸法データの補正が必要な箇所にピンを配置する。
【0107】
次に、サーバ4の制御部42は、通信部41により、衣服の寸法データの補正のレコメンドがあった旨の通知をユーザ端末2にネットワーク5を介して送信する(ステップS125)。このとき、制御部42の表示制御部42dは、ユーザ端末2の表示部(出力部)24に表示された衣服の画像上にフィッターが配置したピンを重畳表示する。
【0108】
そして、サーバ4において、制御部42の表示制御部42dは、衣服の寸法データを補正した後(仕立て後)の衣服の画像をユーザ端末2の表示部(出力部)24にプレビュー表示する(ステップS126)。
【0109】
次に、ユーザ端末2において、制御部22は、入力部23を介したユーザ操作に基づいて、衣服の寸法データの補正のレコメンドを承認する旨の情報をサーバ4にネットワーク5を介して送信する(ステップS127)。
【0110】
衣服の寸法データの補正のレコメンドを承認する旨の情報をユーザ端末2から受信したサーバ4は、衣服の寸法データの補正のレコメンドが承認された旨をフィッター端末3にネットワーク5を介して送信する(ステップS128)。
【0111】
最後に、サーバ4の制御部42は、フィッター端末3によって行われた衣服の寸法データの補正を確定する(ステップS129)。確定された寸法データの補正の情報は、通信部41により、情報処理システム1に接続された外部の仕立て業者等の装置に送信される。なお、ステップS129で衣服の寸法データの補正が確定されると、補正に使用された仮想のピンの使用済みの状態が確定される。そのため、ピンの本数に制限がある場合には、ユーザが保有するピンが消費されることになる。
【0112】
以上説明したとおり、本実施形態によれば情報処理システム1は、ユーザが仮想的に試着する衣服を決定する決定部42aと、決定部42aが決定した衣服の寸法データを含む衣服情報を取得する取得部42bと、取得部42bが取得した衣服情報に基づいて衣服の画像を生成する画像生成部42cと、ユーザの体型に対応するモデルの画像又はユーザを撮像した画像に含まれる人体領域の少なくとも一部に衣服の画像を重畳表示する表示制御部42dと、ユーザが登録しているサブスクリプションサービスを特定する特定部42eと、特定部42eが特定したサブスクリプションサービスに応じて衣服の寸法データを補正する補正部42fと、を有するので、ユーザが登録しているサブスクリプションサービスに応じて衣服の寸法データを補正することができる。
【0113】
本明細書で述べた各機能部の任意の一部または全部をプログラムによって実現するようにしてもよい。本明細書で言及したプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に非一時的に記録して頒布されてもよいし、インターネットなどの通信回線(無線通信も含む)を介して頒布されてもよいし、任意の端末にインストールされた状態で頒布されてもよい。
【0114】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形例を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【0115】
例えば、本明細書において1台の装置(あるいは部材、以下同じ)として説明されるもの(図面において1台の装置として描かれているものを含む)を複数の装置によって実現してもよい。逆に、本明細書において複数の装置として説明されるもの(図面において複数の装置として描かれているものを含む)を1台の装置によって実現してもよい。あるいは、ある装置(例えばサーバ)に含まれるとした手段や機能の一部または全部が、他の装置(例えばユーザ端末)に含まれるようにしてもよい。
【0116】
また、本明細書に記載された事項の全てが必須の要件というわけではない。特に、本明細書に記載され、特許請求の範囲に記載されていない事項は任意の付加的事項ということができる。
【0117】
なお、本出願人は本明細書の「先行技術文献」欄の文献に記載された文献公知発明を知っているにすぎず、本発明は必ずしも同文献公知発明における課題を解決することを目的とするものではないことにも留意されたい。本発明が解決しようとする課題は本明細書全体を考慮して認定されるべきものである。例えば、本明細書において、特定の構成によって所定の効果を奏する旨の記載がある場合、当該所定の効果の裏返しとなる課題が解決されるということもできる。ただし、必ずしもそのような特定の構成を必須の要件とする趣旨ではない。
【符号の説明】
【0118】
1 情報処理システム
2 ユーザ端末
21 通信部
22 制御部
23 入力部
24 出力部(表示部)
25 撮像部
26 記憶部
3 フィッター端末
31 通信部
32 制御部
33 入力部
34 出力部(表示部)
39 記憶部
4 サーバ
42 制御部
42a 決定部
42b 取得部
42c 画像生成部
42d 表示制御部
42e 特定部
42f 補正部
43 記憶部
5 ネットワーク