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特許7531595ピリド[3,4-D]ピリミジン誘導体およびこれを含む治療用薬学組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】ピリド[3,4-D]ピリミジン誘導体およびこれを含む治療用薬学組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20240802BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20240802BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20240802BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240802BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
C07D471/04 116
C07D471/04 CSP
A61K31/519
A61K31/5377
A61P35/00
A61P35/02
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022545902
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-24
(86)【国際出願番号】 KR2020009259
(87)【国際公開番号】W WO2021145521
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-07-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0005292
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】304039548
【氏名又は名称】コリア・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】テ・ボ・シム
(72)【発明者】
【氏名】チャン・スン・パク
(72)【発明者】
【氏名】スン・ヘ・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ハン・ナ・チョ
(72)【発明者】
【氏名】サンディップ・セングプタ
(72)【発明者】
【氏名】イン・ジェ・シン
(72)【発明者】
【氏名】ウ・ヨン・ホ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイプラカシ・ナラヤン・クマー
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特許第7262599(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0065969(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0065970(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K 31/
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物:
【化1】
前記化学式1において、
Bは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;C-C10ヘテロシクリル基;または-C(O)-(C-C13アルキル)であり;
Aは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;C-C10ヘテロシクリル基;-C(O)-(C-C13アルキル);またはAは、Rに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を任意に含むことができ、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和、不飽和または芳香族環を形成し;
は、水素;C-C13アルキル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロシクリル基であるか;またはRは、Aに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を任意に含むことができ、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和、不飽和または芳香族環を形成し;
は、水;ハロゲン基;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;またはC-C10ヘテロシクリル基であり;
は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C -C アルキル基;C -C アルケニル基;C -C 10 アリ-ル基;C -C 10 ヘテロアリ-ル基;またはC -C 10 ヘテロシクリル基であり;
Yは、C-C10アリ-ル基;または窒素(N)、酸素(O)および硫黄(S)原子から選択されたヘテロ原子が1~4個含まれた5員~9員のヘテロアリ-ル基であり;
Lは、-NR-;-NRCH-;-NHR-;-NRC(O)-;-C(O)NR-;-NRC(O)NR-;-S(O)-;-NRS(O)-;および-S(O)NR-;からなる群より選択され;
は、水素;C-Cアルキル基;およびオキサゾ-ル基;からなる群より選択され;
前記C-Cアルキル基、C-C13アルキル基またはC-C10シクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C-C13アルキル基;C-Cアルコキシ基;アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基またはC-C10ヘテロシクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;カルボニル基(-(C=O)R);ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルキル基;ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルコキシ基;C-C10フェノキシ;アミノ基(-NR);アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記RおよびRは、水素;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-Cアルキニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上を含み、
前記C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基は、N、O、およびSからなる群より選択された1種以上のヘテロ原子を含む。
【請求項2】
前記化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物は、下記化学式2~9で表される化合物のいずれか1つの化合物である、
請求項1に記載の化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物:
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
前記化学式2~9において、
Bは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;C-C10ヘテロシクリル基;または-C(O)-(C-C13アルキル)であり;
Aは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;C-C10ヘテロシクリル基;-C(O)-(C-C13アルキル);またはAは、Rに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を任意に含むことができ、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和、不飽和または芳香族環を形成し;
は、水素;C-C13アルキル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロシクリル基であるか;またはRは、Aに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を任意に含むことができ、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和、不飽和または芳香族環を形成し;
は、水;ハロゲン基;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;またはC-C10ヘテロシクリル基であり;
は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C -C アルキル基;C -C アルケニル基;C -C 10 アリ-ル基;C -C 10 ヘテロアリ-ル基;またはC -C 10 ヘテロシクリル基であり;
は、水素;またはC-Cアルキル基であり;
前記C-Cアルキル基、C-C13アルキル基またはC-C10シクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C-C13アルキル基;C-Cアルコキシ基;アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基またはC-C10ヘテロシクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;カルボニル基(-(C=O)R);ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルキル基;ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルコキシ基;C-C10フェノキシ;アミノ基(-NR);アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記RおよびRは、水素;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-Cアルキニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上を含み、
前記C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基は、N、O、およびSからなる群より選択された1種以上のヘテロ原子を含む。
【請求項3】
Bは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;またはC-C10ヘテロアリ-ル基であり;
Aは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基であり;またはAは、Rに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を含み、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和または不飽和環を形成し;
は、水素;C-C13アルキル基;またはRは、Aに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を含み、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和または不飽和環を形成し、
およびRは、それぞれ水素;ハロゲン基;C-Cアルキル基;またはC-Cアルケニル基であり;
前記C-Cアルキル基、C-C13アルキル基またはC-C10シクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C-C13アルキル基;C-Cアルコキシ基;アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基またはC-C10ヘテロシクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;カルボニル基(-(C=O)R);ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルキル基;ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルコキシ基;C-C10フェノキシ;アミノ基(-NR);アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記RおよびRは、水素;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-Cアルキニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上を含み、
前記C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基は、N、O、およびSからなる群より選択された1種以上のヘテロ原子を含む、
請求項2に記載の化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物。
【請求項4】
Bは、C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;またはC-C10ヘテロアリ-ル基であり;
Aは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;またはAは、Rに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を含む4~7員(membered)の飽和または不飽和環を形成し;
は、水素;またはRは、Aに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を含む4~7員(membered)の飽和または不飽和環を形成し;
は、水素;ハロゲン基;C-Cアルキル基;またはC-Cアルケニル基であり;
は、C-Cアルキル基であり;
前記C-Cアルキル基、C-C13アルキル基またはC-C10シクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C-C13アルキル基;C-Cアルコキシ基;アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基またはC-C10ヘテロシクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;カルボニル基(-(C=O)R);ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルキル基;ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルコキシ基;C-C10フェノキシ;アミノ基(-NR);アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記RおよびRは、水素;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-Cアルキニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上を含み、
前記C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基は、N、O、およびSからなる群より選択された1種以上のヘテロ原子を含む、
請求項2に記載の化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物。
【請求項5】
Bは、C-Cアルキル基;置換もしくは非置換のベンゼン;置換もしくは非置換のヘキサン;置換もしくは非置換のフラン;置換もしくは非置換のチオフェン;置換もしくは非置換のピリジン;置換もしくは非置換のベンゾフラン;置換もしくは非置換のナフタレン;置換もしくは非置換のアントラセン;または置換もしくは非置換のフェナントレンであり;
Aは、水素;置換もしくは非置換のピリダジン;置換もしくは非置換のピラジン;置換もしくは非置換のイミダゾ-ル;置換もしくは非置換のピラゾ-ル;置換もしくは非置換のフラン;置換もしくは非置換のピリミジン;置換もしくは非置換のピロ-ル;置換もしくは非置換のピリジン;置換もしくは非置換のシクロプロパン;置換もしくは非置換のシクロブタンであり;置換もしくは非置換のエタン;置換もしくは非置換のブタン;置換もしくは非置換のペンタンであり;またはAは、Rに連結された窒素原子と共に連結されたモルホリノ基であり;
は、水素;またはRは、Aに連結された窒素原子と共に連結されたモルホリノ基であり;
は、水素;塩素;フッ素;臭素;置換もしくは非置換のC-Cアルキル基;または置換もしくは非置換のC-Cアルケニル基であり;
は、水素;またはC-Cアルキル基;である、
請求項2に記載の化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物。
【請求項6】
前記化合物は、下記の化合物番号1~26からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物:
(化合物番号1)N-(3-(8-クロロ-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号2)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)-8-ビニルピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号3)N-(3-(8-エチル-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号4)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号5)N-(3-(2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号6)N-(3-(2-(サイクリックプロピルアミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号7)N-(3-(8-メトキシ-2-モルホリノピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号8)N-(3-(8-メトキシ-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号9)N-(3-(8-メトキシ-2-((6-モルホリノピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号10)N-(3-(8-メトキシ-2-((2-メトキシ-4-モルホリノフェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号11)N-(3-(2-((4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号12)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-4-(モルホリンメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号13)3-(4-メチル-1H-イミダゾ-ル-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号14)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-モルホリノ-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号15)4-(2,4-ジメチル-1H-イミダゾ-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号16)4-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号17)N-(3-(2-アミノピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号18)N-(3-(2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号19)N-(3-(2-(サイクリックプロピルアミノ)-ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号20)N-(4-メチル-3-(2-(フェニルアミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号21)N-(4-メチル-3-(2-((1-メチル-1H-ピラゾ-4-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号22)N-(3-(2-((1,3-ジメチル-1H-ピラゾ-ル-5-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号23)N-(4-メチル-3-(2-((4-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号24)N-(3-(2-((2,6-ジメチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号25)N-(3-(2-((4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;および
(化合物番号26)N-(3-(2-((3-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド。
【請求項7】
前記薬学的に許容可能な塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、グリコ-ル酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびトルエンスルホン酸から構成された群より選択される無機酸または有機酸の塩である、
請求項1に記載の化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物が有効成分として含まれている、癌の予防、軽減または治療用薬学組成物。
【請求項9】
前記癌がNRAS突然変異で誘発されることを特徴とする、請求項8に記載の癌の予防、軽減または治療用薬学組成物。
【請求項10】
前記薬学組成物は、NRAS突然変異を有する患者に適用される、請求項8に記載の癌の予防、軽減または治療用薬学組成物。
【請求項11】
前記癌は、黒色腫、大膓癌、肺癌、甲状腺癌、多発性骨髄腫および血液癌からなる群より選択される1以上である、請求項8に記載の癌の予防、軽減または治療用薬学組成物。
【請求項12】
前記癌は、急性骨髄性白血病(AML)である、請求項8に記載の癌の予防、軽減または治療用薬学組成物。
【請求項13】
前記薬学組成物は、NRAS G12Dを保有した患者に投与されることを特徴とする、請求項8に記載の癌の予防、軽減または治療用薬学組成物。
【請求項14】
前記有効成分は、ABL1、ABL2/ARG、ACK1、ARAF、BLK、BMX/ETK、BRAF、BRK、BTK、c-Kit、c-Src、CSK、DDR1、DDR2、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、ERBB2/HER2、ERBB4/HER4、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGR、FLT1/VEGFR1、FLT4/VEGFR3、FMS、FRK/PTK5、FYN、GCK/MAP4K2、HCK、HGK/MAP4K4、JAK1、JAK2、KDR/VEGFR2、KHS/MAP4K5、LCK、LYN、LYN B、MEKK1、MLK4、MYLK3、NEK5、P38a/MAPK14、P38b/MAPK11、PDGFRa、PDGFRb、PEAK1、RET、RIPK2、RIPK4、SIK2、SRPK1、TAOK3/JIK、TLK1、TNK1、TXK、TYK2、YES/YES1、YSK4/MAP3K19およびZAK/MLTKのいずれか1つ以上のタンパク質キナ-ゼ阻害する、請求項8に記載の癌の予防、軽減または治療用薬学組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質キナ-ゼ阻害活性を有する新規なピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物またはその立体異性体から選択された化合物、および前記化合物の製造方法、前記化合物を含む癌の予防、軽減または治療用薬学組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質キナ-ゼは、ATPのガンマ-リン酸基をタンパク質のチロシン、セリンおよびスレオニンのヒドロキシグル-プに伝達するリン酸化反応を触媒する酵素であって、細胞の代謝、遺伝子発現、細胞成長、分化および細胞分裂作用を担い、細胞シグナル伝達に重要な役割を果たしている。
【0003】
タンパク質キナ-ゼは、真核生物の遺伝体の約2%程度になり、人間の遺伝体には約518種が存在する。タンパク質キナ-ゼは、チロシンをリン酸化するチロシンタンパク質キナ-ゼとセリン、スレオニンをリン酸化するセリン/スレオニンキナ-ゼに分類される。その約90種以上はチロシンキナ-ゼであり、受容体チロシンキナ-ゼ(RTK)と、非受容体チロシンキナ-ゼ(NRTK)とに分けられる。受容体チロシンキナ-ゼは、細胞表面に成長因子を収容できるドメインを有しており、細胞質にチロシン残基をリン酸化できる活性部位を有している膜タンパク質である。非受容体チロシンキナ-ゼは、核と細胞質に存在する単一チロシンキナ-ゼドメインで、受容体の形状ではないが、シグナルを受けてチロシン残基をリン酸化させる。
【0004】
タンパク質キナ-ゼは、分子スイッチで細胞内で活性と非活性状態との間の転移が円滑に調節されなければならない。異常に調節されると、細胞内シグナル伝達を過度に活性化させて、統制不能の細胞分裂および増殖を誘導する。また、タンパク質キナ-ゼの遺伝子変異、増幅および過発現による異常な活性化は、多様な腫瘍の発生および進行に関連があり、癌細胞の成長と転移に決定的な役割をする。異常に調節される代表的なタンパク質キナ-ゼとしては、EGFR、VEGFR、PDGFRB、c-KIT、ABL1、SRC、BRAF、FGFR、BTK、SYK、ALK、MET、CDK、MEK、mTOR、JAK、LCK、PLK、RSK、LYN、FMS、TIE2、RET、AKT、MAP、FAK、DDR、FLT3、そしてFESなどがある。特に、受容体チロシンキナ-ゼは、細胞成長に対する外部シグナルと内部反応に対するシグナル伝達経路に主に関与するので、これを抑制して癌細胞成長の抑制および死滅も起こすことができる。
【0005】
このような特徴により、キナ-ゼの活性抑制は抗癌剤開発のための主要タ-ゲットとして注目されており、多様なキナ-ゼを標的として低分子有機化合物の開発研究が活発に進められている。
【0006】
キナ-ゼ抑制剤としては、Bcr-AblおよびPDGFRチロシンキナ-ゼ阻害剤であるグリベック(Gleevec(登録商標):imatinib、Novartis)、Her-2抗体であるハ-セプチン(Herceptin(登録商標):trastuzumab、Genentech)、EGFR阻害剤であるイレッサ(Iressa(登録商標):gefitinib、AstraZeneca)、Raf、VEGFR、KIT、RET、PDGFR-BおよびFLT-3阻害剤であるネクサ-バル(Nexavar(登録商標):sorafenib、bayer)、BRAF阻害剤であるゼルボラフ(Zelboraf(登録商標):vemurafenib、Roche)、EGFR抗体であるア-ビタックス(Erbitux(登録商標):cetuximab、Imclone)、EGFR阻害剤であるタルセバ(Tarceva(登録商標):erlotinib、Genentech/Roche)、そしてKDR阻害剤であるス-テント(Sutent(登録商標):sunitinib、Pfizer)などがあり、これらは、白血病、乳癌、非小細胞性肺癌、肝臓癌、悪性黒色腫、大膓癌などの抗癌治療剤としてFDAの承認を受けて、卓越した治療効能により1次標準療法として広く使用されている。その他にも、様々な化合物が臨床実験中にある。
【0007】
一方、急性骨髄性白血病(Acute Myeloid Leukemia、AML)は致命的な血液疾患の一つであって、血液細胞が異常に分化しながら絶えず増殖する疾病である。急性骨髄性白血病(AML)患者の16%以上が点突然変異したRAS(small Gタンパク質)タンパク質を有しており、RAS同酵素の中でNRAS突然変異が大部分(10%以上)を占める。このような理由から、NRAS Gタンパク質は、AMLを治療するための有望な薬物標的として見なされてきた。原癌遺伝子であるRASが突然変異すると、持続的にRASが活性化(gain-of-function)し、RAS下位の多様なシグナル体系が活性化して癌細胞の成長が加速化される。
【0008】
ここ40年間、RAS点突然変異種またはRAS下位の主要シグナル分子が標的として提案されたが、突然変異RASシグナル体系の複雑性と補償効果によってin vivo実験と臨床実験までつながることはできなかった。例えば、RAS下位の主要分子であるMEKを阻害するselumetinib(AZD6244)は、臨床2床でNRAS突然変異遺伝子を有するAML患者3名全員において治療効果を見せなかった。この他、標的を見つけるための試みとして、RNA interferenceスクリ-ニングによりKRAS突然変異と遺伝的に合成致死の関係にあるタンパク質(TBK1、STK33、そしてGATA2)を究明した。しかし、これも臨床的な治療効果を得ることができなかった。特に、STK33の場合、前臨床段階で細胞ベ-スの薬理学的スクリ-ニング(pharmacologic screening)によりKRAS突然変異と合成致死の原理を利用した治療戦略が成立できないことが裏付けられた。また、最近、細胞ベ-スの薬理学的スクリ-ニングによりRAS突然変異のシグナル伝達体系を選択的に阻害する化合物(GNF7)を確保し、前臨床白血病モデルにおける阻害効果を確認した。前記GNF7化合物の作用機序は、RAS突然変異の下位で特異的に細胞成長に寄与するGCKとACK1の両キナ-ゼを同時に阻害することである。これは、実際にNRAS突然変異を有するAML患者の細胞サンプルにおいてもその効能を示した。GCKとACK1の両キナ-ゼに対する阻害剤は、NRAS突然変異で誘発される癌疾患、例えば、黒色腫、大膓癌、甲状腺癌、多様な血液癌の治療に有効であると知られている。
【0009】
一方、国際公開特許WO2005-011597号(特許文献1)には、3,4-ジヒドロピリミド[4,5-d]ピリミジン-2(1H)-オンを母核構造として有するアミド化合物が開示されており、前記化合物がAbl、BCR-Ablなどのキナ-ゼ活性でもたらされる疾患または症状の治療に有効であることが開示されている。しかし、前記特許文献1では、BCR-Abl阻害活性に基づき、アミド化合物を慢性骨髄性白血病(chronic Myelogenous Leukemia、CML)治療剤として有用であることが開示されているに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】国際特許出願WO2015-011597
【非特許文献】
【0011】
【文献】Choi HG, Ren P, Adrian F, et al. A type-II kinase inhibitor capable of inhibiting the T315I “gatekeeper” mutant of Bcr-Abl. J. Med. Chem., 2010; 53(15): 5439-5448.
【文献】Nonami, A.; Sattler, M.; Weisberg, E.; Liu, Q.; Zhang, J.; Patricelli, M. P.; Christie, A. L.; Saur, A. M.; Kohl, N. E.; Kung, A. L.; Yoon, H.; Sim, T.; Gray, N. S.; Griffin, J. D., Identification of novel therapeutic targets in acute leukemias with NRAS mutations using a pharmacologic approach. Blood 2015, 125 (20), 3133-43.
【文献】Luo T, Masson K, Jaffe JD, et al. STK33 kinase inhibitor BRD-8899 has no effect on KRASdependent cancer cell viability. Proc Natl Acad Sci USA. 2012; 109(8): 2860-2865.
【文献】Jain N, Curran E, Iyengar NM, et al. Phase II study of the oral MEK inhibitor selumetinib in advanced acute myelogenous leukemia:a University of Chicago phase II consortium trial. Clin Cancer Res. 2014; 20(2): 490-498.
【文献】Johnson, D. B.; Smalley, K. S.; Sosman, J. A., Molecular pathways: targeting NRAS in melanoma and acute myelogenous leukemia. Clin Cancer Res 2014, 20(16), 4186-92.
【文献】H Cho, I Shin, E Ju, et al. First SAR Study for Overriding NRAS Mutant Driven Acute Myeloid Leukemia. J. Med. Chem. 2018, 61 (18), 8353-8373.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明の目的は、タンパク質キナ-ゼの阻害活性を有する新規なピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物を提供することである。
【0013】
また、本発明の他の目的は、新規なピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、薬学的に許容可能なその塩、その水和物、その溶媒和物またはその立体異性体が有効成分として含有される癌疾患の治療、予防および軽減に有用な薬学組成物を提供することである。
【0014】
さらに、本発明の他の目的は、新規なピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容される塩、その水和物、その溶媒和物またはその異性体が有効成分として含有するNRAS突然変異で誘発される癌疾患の治療剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、本発明は、下記化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物を提供する。
【化1】
前記化学式1において、
Bは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;C-C10ヘテロシクリル基;または-C(O)-(C-C13アルキル)であり;
Aは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;C-C10ヘテロシクリル基;-C(O)-(C-C13アルキル);またはAは、Rに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を任意に含むことができ、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和、不飽和または芳香族環を形成し;
は、水素;C-C13アルキル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロシクリル基であるか;またはRは、Aに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を任意に含むことができ、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和、不飽和または芳香族環を形成し;
およびRは、それぞれ水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;またはC-C10ヘテロシクリル基であり;
Yは、C-C10アリ-ル基;または窒素(N)、酸素(O)および硫黄(S)原子から選択されたヘテロ原子が1~4個含まれた5員~9員のヘテロアリ-ル基であり;
Lは、-NR-;-NRCH-;-NHR-;-NRC(O)-;-C(O)NR-;-NRC(O)NR-;-S(O)-;-NRS(O)-;および-S(O)NR-;からなる群より選択され;
は、水素;C-Cアルキル基;およびオキサゾ-ル基;からなる群より選択され;
前記C-Cアルキル基、C-C13アルキル基またはC-C10シクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C-C13アルキル基;C-Cアルコキシ基;アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基またはC-C10ヘテロシクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;カルボニル基(-(C=O)R);ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルキル基;ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルコキシ基;C-C10フェノキシ;アミノ基(-NR);アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記RおよびRは、水素;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-Cアルキニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上を含み、
前記C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基は、N、O、およびSからなる群より選択された1種以上のヘテロ原子を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明による化合物は、ABL1、ABL2/ARG、ACK1、ARAF、BLK、BMX/ETK、BRAF、BRK、BTK、c-Kit、c-Src、CSK、DDR1、DDR2、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、ERBB2/HER2、ERBB4/HER4、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGR、FLT1/VEGFR1、FLT4/VEGFR3、FMS、FRK/PTK5、FYN、GCK/MAP4K2、HCK、HGK/MAP4K4、JAK1、JAK2、KDR/VEGFR2、KHS/MAP4K5、LCK、LYN、LYN B、MEKK1、MLK4、MYLK3、NEK5、P38a/MAPK14、P38b/MAPK11、PDGFRa、PDGFRb、PEAK1、RET、RIPK2、RIPK4、SIK2、SRPK1、TAOK3/JIK、TLK1、TNK1、TXK、TYK2、YES/YES1、YSK4/MAP3K19、ZAK/MLTKなど、タンパク質キナ-ゼの活性を阻害する能力に優れている。したがって、異常な細胞成長で誘発される癌疾患の治療、予防および軽減を目的として使用できる。
【0017】
本発明による化合物、その薬学的に許容可能な塩、または水和物およびこれを有効成分として含む癌の予防または治療用薬学組成物は、低い細胞毒性を示しかつ、癌細胞に対して選択的に高い抑制活性および抗増殖効果を示すので、癌の予防または治療に有用に使用できる。
【0018】
本発明による化合物の処置によって治療、予防および軽減できる癌疾患は、胃癌、肺癌、肝臓癌、大膓癌、小腸癌、膵臓癌、脳癌、骨癌、黒色腫、乳癌、硬化性腺症、子宮癌、子宮頸癌、頭頸部癌、食道癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、腎臓癌、肉腫、前立腺癌、尿道癌、膀胱癌、血液癌(白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群を含む)、リンパ腫(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫を含む)、乾癬、または線維腺腫などが含まれる。
【0019】
特に、本発明による化合物は、GCKとACK1の両キナ-ゼに対する抑制活性に優れているので、NRAS突然変異で誘発される癌疾患、例えば、黒色腫、大膓癌、甲状腺癌、急性骨髄性白血病(AML)の治療に有効である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
他に明示されない限り、本明細書で使用された成分、反応条件、成分の含有量を表現するすべての数字、値および/または表現は、かかる数字が本質的に異なるものの中でかかる値を得るのに発生する測定の多様な不確実性が反映された近似値であるので、すべての場合、「約」という用語によって修飾されることが理解されなければならない。また、本記載において、数値範囲が開示される場合、このような範囲は連続的であり、他に指摘されない限り、かかる範囲の最小値から最大値が含まれた前記最大値までのすべての値を含む。さらに、このような範囲が整数を指す場合、他に指摘されない限り、最小値から最大値が含まれた前記最大値までを含むすべての整数が含まれる。
【0021】
本明細書において、範囲が変数に対して記載される場合、前記変数は、前記範囲の記載された終了点を含む記載範囲内のすべての値を含むことが理解されるであろう。例えば、「5~10」の範囲は、5、6、7、8、9、および10の値だけでなく、6~10、7~10、6~9、7~9などの任意の下位範囲を含み、5.5、6.5、7.5、5.5~8.5および6.5~9などといった記載範囲の範疇に妥当な整数間の任意の値も含むことが理解されるであろう。また、例えば、「10%~30%」の範囲は、10%、11%、12%、13%などの値と30%までを含むすべての整数だけでなく、10%~15%、12%~18%、20%~30%などの任意の下位範囲を含み、10.5%、15.5%、25.5%などのような記載範囲の範疇内の妥当な整数間の任意の値も含むことが理解されるであろう。
【0022】
以下、本発明について詳しく説明する。
【0023】
本発明者らは、上記の問題点を解決するために研究を継続した結果、癌細胞に対する優れた阻害活性を示す抗癌化合物、特に、選択的なキナ-ゼ活性抑制剤として癌の予防または治療に有用なピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体、またはその製造方法およびこれを有効成分として含む癌の予防または治療用薬学組成物を開発した。
【0024】
本発明の一側面は、下記化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物を提供する:
【化2】
前記化学式1において、
Bは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;C-C10ヘテロシクリル基;または-C(O)-(C-C13アルキル)であり;
Aは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;C-C10ヘテロシクリル基;-C(O)-(C-C13アルキル);またはAは、Rに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を任意に含むことができ、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和、不飽和または芳香族環を形成し;
は、水素;C-C13アルキル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロシクリル基であるか;またはRは、Aに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を任意に含むことができ、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和、不飽和または芳香族環を形成し;
およびRは、それぞれ水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;またはC-C10ヘテロシクリル基であり;
Yは、C-C10アリ-ル基;または窒素(N)、酸素(O)および硫黄(S)原子から選択されたヘテロ原子が1~4個含まれた5員~9員のヘテロアリ-ル基であり;
Lは、-NR-;-NRCH-;-NHR-;-NRC(O)-;-C(O)NR-;-NRC(O)NR-;-S(O)-;-NRS(O)-;および-S(O)NR-;からなる群より選択され;
は、水素;C-Cアルキル基;およびオキサゾ-ル基;からなる群より選択され;
前記C-Cアルキル基、C-C13アルキル基またはC-C10シクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C-C13アルキル基;C-Cアルコキシ基;アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基またはC-C10ヘテロシクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;カルボニル基(-(C=O)R);ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルキル基;ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルコキシ基;C-C10フェノキシ;アミノ基(-NR);アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記RおよびRは、水素;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-Cアルキニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上を含み、
前記C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基は、N、O、およびSからなる群より選択された1種以上のヘテロ原子を含む。
【0025】
本発明の一側面において、Bは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;またはC-C10ヘテロアリ-ル基であり;
Aは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基であり;またはAは、Rに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を含み、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和または不飽和環を形成し;
は、水素;C-C13アルキル基;またはRは、Aに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を含み、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和または不飽和環を形成し、
およびRは、それぞれ水素;ハロゲン基;C-Cアルキル基;またはC-Cアルケニル基であり;
前記C-Cアルキル基、C-C13アルキル基またはC-C10シクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C-C13アルキル基;C-Cアルコキシ基;アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基またはC-C10ヘテロシクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;カルボニル基(-(C=O)R);ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルキル基;ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルコキシ基;C-C10フェノキシ;アミノ基(-NR);アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記RおよびRは、水素;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-Cアルキニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上を含み、
前記C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基は、N、O、およびSからなる群より選択された1種以上のヘテロ原子を含む、
化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物を提供する。
【0026】
本発明の一側面において、前記化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物は、下記化学式2~9で表される化合物のいずれか1つの化合物である、化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物を提供する:
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
前記化学式2~9において、
Bは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;C-C10ヘテロシクリル基;または-C(O)-(C-C13アルキル)であり;
Aは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;C-C10ヘテロシクリル基;-C(O)-(C-C13アルキル);またはAは、Rに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を任意に含むことができ、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和、不飽和または芳香族環を形成し;
は、水素;C-C13アルキル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロシクリル基であるか;またはRは、Aに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を任意に含むことができ、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和、不飽和または芳香族環を形成し;
およびRは、それぞれ水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;またはC-C10ヘテロシクリル基であり;
は、水素;またはC-Cアルキル基であり;
前記C-Cアルキル基、C-C13アルキル基またはC-C10シクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C-C13アルキル基;C-Cアルコキシ基;アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基またはC-C10ヘテロシクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;カルボニル基(-(C=O)R);ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルキル基;ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルコキシ基;C-C10フェノキシ;アミノ基(-NR);アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記RおよびRは、水素;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-Cアルキニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上を含み、
前記C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基は、N、O、およびSからなる群より選択された1種以上のヘテロ原子を含む。
【0027】
本発明の一側面において、Bは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;またはC-C10ヘテロアリ-ル基であり;
Aは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基であり;またはAは、Rに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を含み、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和または不飽和環を形成し;
は、水素;C-C13アルキル基;またはRは、Aに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を含み、C-C13アルキル基、C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基、ヒドロキシル基、ハライド基およびシアノ基の少なくとも1種で任意に置換されていてもよい4~7員(membered)の飽和または不飽和環を形成し、
およびRは、それぞれ水素;ハロゲン基;C-Cアルキル基;またはC-Cアルケニル基であり;
前記C-Cアルキル基、C-C13アルキル基またはC-C10シクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C-C13アルキル基;C-Cアルコキシ基;アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基またはC-C10ヘテロシクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;カルボニル基(-(C=O)R);ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルキル基;ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルコキシ基;C-C10フェノキシ;アミノ基(-NR);アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記RおよびRは、水素;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-Cアルキニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上を含み、
前記C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基は、N、O、およびSからなる群より選択された1種以上のヘテロ原子を含む、
化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物を提供する。
【0028】
本発明の一側面において、Bは、C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;またはC-C10ヘテロアリ-ル基であり;
Aは、水素;C-C13アルキル基;C-C10アリ-ル基;C-C10シクリル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;またはAは、Rに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を含む4~7員(membered)の飽和または不飽和環を形成し;
は、水素;またはRは、Aに連結された窒素原子と共に、N、O、NH、C=N、C=OまたはSOの少なくとも1種を含む4~7員(membered)の飽和または不飽和環を形成し;
は、水素;ハロゲン基;C-Cアルキル基;またはC-Cアルケニル基であり;
は、C-Cアルキル基であり;
前記C-Cアルキル基、C-C13アルキル基またはC-C10シクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;C-C13アルキル基;C-Cアルコキシ基;アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記C-C10アリ-ル基、C-C10ヘテロアリ-ル基またはC-C10ヘテロシクリル基は、水素;ヒドロキシ基;ハロゲン基;カルボニル基(-(C=O)R);ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルキル基;ハロゲンまたはC-C10ヘテロシクリル基で置換もしくは非置換のC-Cアルコキシ基;C-C10フェノキシ;アミノ基(-NR);アミド基(-(C=O)NR);C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上の置換基を含み、
前記RおよびRは、水素;C-Cアルキル基;C-Cアルケニル基;C-Cアルキニル基;C-C10アリ-ル基;C-C10ヘテロアリ-ル基;およびC-C10ヘテロシクリル基からなる群より選択される1以上を含み、
前記C-C10ヘテロアリ-ル基およびC-C10ヘテロシクリル基は、N、O、およびSからなる群より選択された1種以上のヘテロ原子を含む、
化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物を提供する。
【0029】
本発明の一側面において、Bは、C-Cアルキル基;置換もしくは非置換のベンゼン;置換もしくは非置換のヘキサン;置換もしくは非置換のフラン;置換もしくは非置換のチオフェン;置換もしくは非置換のピリジン;置換もしくは非置換のベンゾフラン;置換もしくは非置換のナフタレン;置換もしくは非置換のアントラセン;または置換もしくは非置換のフェナントレンであり;
Aは、水素;置換もしくは非置換のピリダジン;置換もしくは非置換のピラジン;置換もしくは非置換のイミダゾ-ル;置換もしくは非置換のピラゾ-ル;置換もしくは非置換のフラン;置換もしくは非置換のピリミジン;置換もしくは非置換のピロ-ル;置換もしくは非置換のピリジン;置換もしくは非置換のシクロプロパン;置換もしくは非置換のシクロブタンであり;置換もしくは非置換のエタン;置換もしくは非置換のブタン;置換もしくは非置換のペンタンであり;またはAは、Rに連結された窒素原子と共に連結されたモルホリノ基であり;
は、水素;またはRは、Aに連結された窒素原子と共に連結されたモルホリノ基であり;
は、水素;塩素;フッ素;臭素;置換もしくは非置換のC-Cアルキル基;または置換もしくは非置換のC-Cアルケニル基であり;
は、水素;またはC-Cアルキル基;である、
化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物を提供する。
【0030】
本発明の一側面において、前記化合物は、下記の化合物番号1~26からなる群より選択されることを特徴とする、化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物およびその立体異性体から選択された化合物を提供する:
(化合物番号1)N-(3-(8-クロロ-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号2)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)-8-ビニルピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号3)N-(3-(8-エチル-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号4)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号5)N-(3-(2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号6)N-(3-(2-(サイクリックプロピルアミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号7)N-(3-(8-メトキシ-2-モルホリノピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号8)N-(3-(8-メトキシ-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号9)N-(3-(8-メトキシ-2-((6-モルホリノピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号10)N-(3-(8-メトキシ-2-((2-メトキシ-4-モルホリノフェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号11)N-(3-(2-((4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号12)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-4-(モルホリンメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号13)3-(4-メチル-1H-イミダゾ-ル-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号14)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-モルホリノ-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号15)4-(2,4-ジメチル-1H-イミダゾ-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号16)4-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号17)N-(3-(2-アミノピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号18)N-(3-(2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号19)N-(3-(2-(サイクリックプロピルアミノ)-ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号20)N-(4-メチル-3-(2-(フェニルアミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号21)N-(4-メチル-3-(2-((1-メチル-1H-ピラゾ-4-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号22)N-(3-(2-((1,3-ジメチル-1H-ピラゾ-ル-5-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号23)N-(4-メチル-3-(2-((4-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号24)N-(3-(2-((2,6-ジメチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
(化合物番号25)N-(3-(2-((4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;および
(化合物番号26)N-(3-(2-((3-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド。
【0031】
本発明において、置換基に関する定義において、用語「アルキル」は、脂肪族炭化水素ラジカルを意味する。アルキルは、アルケニルやアルキニル部位を含まない「飽和アルキル(saturated alkyl)」であるか、少なくとも1つのアルケニルまたはアルキニル部位を含む「不飽和アルキル(unsaturated alkyl)」であってもよい。「アルケニル(alkenyl)」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含むグル-プを意味し、「アルキニル(alkynyl)」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含むグル-プを意味する。アルキルは、単独でまたは組み合わせて使用される場合に、それぞれ環状、分枝状または直鎖状であってもよい。
【0032】
用語「アリ-ル」は、単独でまたは他のラジカルと組み合わせて、芳香族、飽和または不飽和であり得る第2の5または6員性カルボサイクリック基と追加的に融合してもよい、炭素原子6個を含むカルボサイクリック芳香族単環式基を意味する。アリ-ルの例としては、フェニル、インダニル、1-ナフチル、2-ナフチル、テトラヒドロナフチルなどを含むことができるが、これらに限定されない。アリ-ルは、芳香族環上の適正位置において他の基に連結可能である。
【0033】
用語「アルコキシ」は、酸素原子を介して他の基に連結されたアルキル基(すなわち、-O-アルキル)を意味する。アルコキシ基は、置換されないか、1つ以上の適切な置換基で置換されていてもよい。アルコキシ基の例としては、(C1-C6)アルコキシ基、例えば、-O-メチル、-O-エチル、-O-プロピル、-O-イソプロピル、-O-2-メチル-1-プロピル、-O-2-メチル-2-プロピル、-O-2-メチル-1-ブチル、-O-3-メチル-1-ブチル、-O-2-メチル-3-ブチル、-O-2,2-ジメチル-1-プロピル、-O-2-メチル-1-ペンチル、3-O-メチル-1-ペンチル、-O-4-メチル-1-ペンチル、-O-2-メチル-2-ペンチル、-O-3-メチル-2-ペンチル、-O-4-メチル-2-ペンチル、-O-2,2-ジメチル-1-ブチル、-O-3,3-ジメチル-ブチル、-O-2-エチル-1-ブチル、-O-ブチル、-O-イソブチル、-O-t-ブチル、-O-ペンチル、-O-イソペンチル、-O-ネオペンチルおよび-O-ヘキシルを含むが、これに限定されない。
【0034】
用語「フェノキシ」は、酸素原子を介して他の基に連結されたフェニル基(すなわち、-O-アリ-ル)を意味する。フェノキシ基は、置換されないか、1つ以上のハロゲン;アルキル基;アリ-ル基およびヘテロアリ-ル基で置換されていてもよいが、これに限定されない。
【0035】
用語「アミノ基」は、窒素原子を介して他の基に連結されたアルキル基(すなわち、-NH-または-N-アルキル)を意味する。アミン基は、置換されないか、1つ以上の適切な置換基で置換されていてもよい。アルコキシ基の例としては、アミン基の例としては、(C1-C6)アミノ基、例えば、-NH-メチル、-NH-エチル、-NH-プロピル、-NH-イソプロピル、-NH-2-メチル-1-プロピル、-NH-2-メチル-2-プロピル、-NH-2-メチル-1-ブチル、-NH-3-メチル-1-ブチル、-NH-2-メチル-3-ブチル、-NH-2,2-ジメチル-1-プロピル、-NH-2-メチル-1-ペンチル、3-NH-メチル-1-ペンチル、-NH-4-メチル-1-ペンチル、-NH-2-メチル-2-ペンチル、-NH-3-メチル-2-ペンチル、-NH-4-メチル-2-ペンチル、-NH-2,2-ジメチル-1-ブチル、-NH-3,3-ジメチル-ブチル、-NH-2-エチル-1-ブチル、-NH-ブチル、-NH-イソブチル、-NH-t-ブチル、-NH-ペンチル、-NH-イソペンチル、-NH-ネオペンチル、-NH-ヘキシル、-N,N-ジメチル、-N-メチル-N-エチル、-N-メチル-N-プロピル、-N-メチル-イソプロピル、-N-メチル-N-ブチル、-N-メチル-N-イソブチル、-N-メチル-N-ペンチル、-N-メチル-N-イソペンチル、N-メチル-N-ヘキシル、N-メチル-N-イソヘキシル、-N,N-ジエチル、-N-エチル-N-プロピル、-N-エチル-N-イソプロピル、-N-エチル-N-ブチル、-N-エチル-N-イソブチル、-N-エチル-N-ペンチル、-N-エチル-N-イソペンチル、-N-エチル-N-ヘキシル、-N-エチル-N-イソヘキシル、-N,N-ジプロピル、-N-プロピル-N-イソプロピル、-N-プロピル-N-ブチル、-N-プロピル-N-イソブチル、-N-プロピル-N-ペンチル、-N-プロピル-N-イソペンチル、-N-プロピル-N-ヘキシル、-N-プロピル-N-イソヘキシル、-N,N-ジブチル、-N-ブチル-N-イソブチル、-N-ブチル-N-ペンチル、-N-ブチル-N-イソペンチル、-N-ブチル-N-ヘキシル、-N-ブチル-N-イソヘキシル、-N,N-ジペンチル、-N-ペンチル-N-ヘキシル、-N-ペンチル-N-イソヘキシル、-N,N-ジヘキシルを含むが、これに限定されない。
【0036】
用語「ハロゲン基」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0037】
用語「ヘテロシクリル基」は、他に言及がなければ、N、O、およびSから構成された群より選択された1種以上のヘテロ原子を含むヘテロ芳香族化合物を意味する。好ましくは、前記ヘテロシクリル基は、ピロリジン、フラン基、モルホリン基、ピペラジンおよびピペリジン基を含むことができ、さらに好ましくは、ピロリジン基、ピペリジン基、ピペラジン基、およびモルホリン基を含むことができるが、これに限定されない。
【0038】
用語「ヘテロアリ-ル基」は、他に言及がなければ、N、O、およびSから構成された群より選択された1種以上のヘテロ原子を含むヘテロ芳香族化合物を意味する。好ましくは、前記ヘテロアリ-ル基は、ピリジン基、ピラジン基、ピリミジン基、ピリダジン基、ピラゾ-ル基、イミダゾ-ル基、トリアゾ-ル基、インド-ル基、オキサジアゾ-ル基、チアジアゾ-ル基、キノリン、イソキノリン基、イソキサゾ-ル基、オキサゾ-ル基、チアゾ-ル基、ピロ-ル基を含むことができるが、これに限定されない。
【0039】
本発明による化合物として好ましい化合物の具体例は次の通りである:
(化合物番号1)N-(3-(8-クロロ-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化11】
(化合物番号2)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)-8-ビニルピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化12】
(化合物番号3)N-(3-(8-エチル-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化13】
(化合物番号4)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化14】
(化合物番号5)N-(3-(2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化15】
(化合物番号6)N-(3-(2-(サイクリックプロピルアミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化16】
(化合物番号7)N-(3-(8-メトキシ-2-モルホリノピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化17】
(化合物番号8)N-(3-(8-メトキシ-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化18】
(化合物番号9)N-(3-(8-メトキシ-2-((6-モルホリノピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化19】
(化合物番号10)N-(3-(8-メトキシ-2-((2-メトキシ-4-モルホリノフェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化20】
(化合物番号11)N-(3-(2-((4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化21】
(化合物番号12)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-4-(モルホリンメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化22】
(化合物番号13)3-(4-メチル-1H-イミダゾ-ル-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化23】
(化合物番号14)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-モルホリノ-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化24】
(化合物番号15)4-(2,4-ジメチル-1H-イミダゾ-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化25】
(化合物番号16)4-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化26】
(化合物番号17)N-(3-(2-アミノピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化27】
(化合物番号18)N-(3-(2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化28】
(化合物番号19)N-(3-(2-(サイクリックプロピルアミノ)-ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化29】
(化合物番号20)N-(4-メチル-3-(2-(フェニルアミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化30】
(化合物番号21)N-(4-メチル-3-(2-((1-メチル-1H-ピラゾ-4-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化31】
(化合物番号22)N-(3-(2-((1,3-ジメチル-1H-ピラゾ-ル-5-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化32】
(化合物番号23)N-(4-メチル-3-(2-((4-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化33】
(化合物番号24)N-(3-(2-((2,6-ジメチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化34】
(化合物番号25)N-(3-(2-((4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化35】
(化合物番号26)N-(3-(2-((3-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化36】
【0040】
本発明による化学式1の化合物は、無機酸または有機酸から誘導された薬学的に許容可能な塩の形態で使用可能であり、好ましい塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、グリコ-ル酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、マンデル酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびトルエンスルホン酸から構成された群より選択される1つ以上であってもよい。
【0041】
本発明による化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、水和物および溶媒和物を含むことができる。前記水和物は、化学式1の化合物が水分子と結合して形成されたものを意味することができる。
【0042】
本発明の他の側面は、活性成分として、本発明による化学式1の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その水和物またはその立体異性体から選択された化合物を含む、癌の予防、軽減または治療用薬学組成物を提供する。
【0043】
本発明による薬学組成物は、タンパク質キナ-ゼの活性を阻害する能力に優れている。前記タンパク質キナ-ゼは、具体的には、ABL1、ABL2/ARG、ACK1、ARAF、BLK、BMX/ETK、BRAF、BRK、BTK、c-Kit、c-Src、CSK、DDR1、DDR2、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、ERBB2/HER2、ERBB4/HER4、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGR、FLT1/VEGFR1、FLT4/VEGFR3、FMS、FRK/PTK5、FYN、GCK/MAP4K2、HCK、HGK/MAP4K4、JAK1、JAK2、KDR/VEGFR2、KHS/MAP4K5、LCK、LYN、LYN B、MEKK1、MLK4、MYLK3、NEK5、P38a/MAPK14、P38b/MAPK11、PDGFRa、PDGFRb、PEAK1、RET、RIPK2、RIPK4、SIK2、SRPK1、TAOK3/JIK、TLK1、TNK1、TXK、TYK2、YES/YES1、YSK4/MAP3K19、ZAK/MLTKなどが含まれる。
【0044】
したがって、本発明の薬学組成物は、異常な細胞成長で誘発される癌疾患の治療、予防および軽減を目的として使用できる。本発明の薬学組成物の処置によって予防、治療または軽減できる癌疾患は、胃癌、肺癌、肝臓癌、大膓癌、小腸癌、膵臓癌、脳癌、骨癌、黒色腫、乳癌、硬化性腺症、子宮癌、子宮頸癌、頭頸部癌、食道癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、腎臓癌、肉腫、前立腺癌、尿道癌、膀胱癌、血液癌(白血病、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群を含む)、リンパ腫(ホジキン病、非ホジキンリンパ腫を含む)、乾癬、または線維腺腫などが含まれる。
【0045】
特に、本発明の薬学組成物は、GCKとACK1の両キナ-ゼに対する阻害活性を有しているので、NRAS突然変異で誘発される癌疾患、例えば、黒色腫、大膓癌、甲状腺癌、多様な血液癌の治療に有効であることが知られている。また、前記化学式1で表される化合物は、NRAS突然変異細胞株(OCI-AML3)の増殖抑制活性を示しかつ、Ba/F3(Parental)細胞株に対しては抑制活性を示さないので、急性骨髄性白血病(AML)の治療剤として特に有効である。
【0046】
好ましくは、前記癌は、タンパク質キナ-ゼによって媒介されて誘発されることを特徴とし、さらに好ましくは、前記タンパク質キナ-ゼは、GCKおよびACK1から1以上選択されるものであってもよい。
【0047】
本発明の他の側面は、前記のいずれか1つの化合物が有効成分として含まれている、癌の予防、軽減または治療用薬学組成物を提供する。
【0048】
本発明の他の側面において、前記癌がNRAS突然変異で誘発されることを特徴とする、癌の予防、軽減または治療用薬学組成物を提供する。
【0049】
本発明の他の側面において、前記薬学組成物は、NRAS突然変異を有する患者に適用される、癌の予防、軽減または治療用薬学組成物を提供する。
【0050】
本発明の他の側面において、前記癌は、黒色腫、大膓癌、甲状腺癌、および血液癌からなる群より選択される1以上である、癌の予防、軽減または治療用薬学組成物を提供する。
【0051】
本発明の他の側面において、前記癌は、急性骨髄性白血病(AML)である、癌の予防、軽減または治療用薬学組成物を提供する。
【0052】
本発明の他の側面において、前記薬学組成物は、NRAS G12Dを保有した患者に投与されることを特徴とする、癌の予防、軽減または治療用薬学組成物を提供する。
【0053】
前記薬学組成物は、マウス、ウサギ、ラット、モルモット、またはハムスタ-のような実験動物またはヒトを含む霊長類などに適用可能であるが、これに限定されず、好ましくは、ヒトを含む霊長類、さらに好ましくは、ヒトに適用可能である。
【0054】
本明細書において、「治療」は、症状の軽減または改善、疾患の範囲の減少、疾患進行の遅延または緩和、疾患状態の改善、軽減または安定化、部分的または完全な回復、生存の延長その他の有利な治療結果などをすべて含む意味で使われる。
【0055】
また、本明細書において、癌の治療は、すべての癌細胞に対する治療を意味し、癌とは、内皮細胞の血管新生およびその有糸分裂(固形腫瘍、腫瘍転移および陽性腫瘍)も含む。例えば、癌とは、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、前立腺癌、精巣癌、泌尿生殖器官癌、食道癌、喉頭癌、膠芽腫、胃癌、皮膚癌、角化棘細胞腫、肺癌、扁平上皮癌、大細胞癌腫、小細胞癌腫、肺腺癌、骨癌、結腸癌、腺腫、膵臓癌、腺癌腫、甲状腺癌、濾胞状腺癌、未分化癌、乳頭癌、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝臓癌および胆汁管癌、腎臓癌、骨髄性疾患、リンパ性疾患、ホジキン病、毛細胞癌、口腔癌、咽頭(喉頭)癌、口唇癌、舌癌、小腸癌、結腸-直膓癌、大膓癌、直膓癌、脳癌、中枢神経系癌、白血病、血管腫、トラコ-マまたは化膿性肉芽腫を含むことができるが、これに限定されない。
【0056】
本発明の薬学組成物の使用態様および使用方法により、有効成分である前記化学式1で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、または水和物の含有量は、当業者の選択によって適宜調節して使用可能である。
【0057】
一例として、前記薬学組成物は、前記化学式1で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、または水和物を、全体組成物の総重量に対して0.1~10重量%、さらに好ましくは0.5~5重量%の量で含むことができる。
【0058】
前記化学式1で表される化合物その薬学的に許容可能な塩、または水和物は、前記薬学組成物内に単独で含まれてもよいし、またはその他薬理学的に許容可能な担体、賦形剤、希釈剤または副成分と共に含まれてもよい。
【0059】
前記薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤の例としては、ラクト-ス、デキストロ-ス、スクロ-ス、ソルビト-ル、マンニト-ル、キシリト-ル、エリスリト-ル、マルチト-ル、デンプン、アカシアガム、アルギネ-ト、ゼラチン、カルシウムホスフェ-ト、カルシウムシリケ-ト、セルロ-ス、メチルセルロ-ス、微晶質セルロ-ス、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエ-ト、プロピルヒドロキシベンゾエ-ト、タルク、マグネシウムステアレ-トおよび鉱物油、プロピルヒドロキシベンゾエ-ト、タルク、マグネシウムステアレ-トおよび鉱物油、デキストリン、カルシウムカ-ボネ-ト、プロピレングリコ-ル、リキッドパラフィンおよび生理食塩水からなる群より選択された1種以上が挙げられるが、これに限定されるものではなく、通常の担体、賦形剤または希釈剤とも使用可能である。また、前記薬学組成物は、通常の充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、pH調整剤、営養剤、ビタミン、電解質、アルギン酸およびその塩、ペクチン酸およびその塩、保護性コロイド、グリセリン、香料、乳化剤または防腐剤などを追加的に含むことができる。
【0060】
本発明による化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、癌または腫瘍を治療するための他の抗癌剤と共に併用投与することにより、抗癌剤の治療効果を強化させることができる。
【0061】
具体的には、前記薬学組成物は、前記有効成分以外にも、癌の治療または予防に有効なものとして公知の1種以上の他の抗癌剤またはその他の治療剤をさらに含んで同時または異時に適用される併用療法で使用することができる。前記併用療法に適用可能な他の抗癌剤またはその他の治療剤は、例えば、グリベック(Gleevec(登録商標)、imatinib)、ス-テント(Sutent(登録商標)、sunitinib)、ハ-セプチン(Herceptin(登録商標)、Trastuzumab)、ベルケ-ド(Velcade(登録商標)、Bortezomib)、デキサメタソン(dexamethasone)、ネクサバ-ル(Nexavar(登録商標)、Sorafenib)、アロマタ-ゼ阻害剤またはキナ-ゼ阻害剤からなる群より選択される1種以上の化合物を含むことができるが、これに限定されない。
【0062】
前記薬学組成物の投与方法は、経口または非経口とも可能であり、一例としては、経口、経皮、皮下、静脈または筋肉を含んだ多様な経路を通して投与可能である。また、前記組成物の剤形は、使用方法により異なり、哺乳動物に投与された後、活性成分の迅速、遅速または遅延された放出を提供できるように、本発明の属する技術分野にてよく知られた方法を用いて剤形化される。一般的には、経口投与のための固形製剤には、錠剤(TABLETS)、丸薬、軟質または硬質カプセル剤(CAPSULES)、丸剤(PILLS)、散剤(POWDERS)および顆粒剤(GRANULES)などが含まれ、このような製剤は、1つ以上の賦形剤、例えば、デンプン、カルシウムカ-ボネ-ト(calcium carbonate)、スクロ-ス(sucrose)またはラクト-ス(lactose)、ゼラチンなどを混合して調剤可能である。また、単純な賦形剤のほか、マグネシウムステアレ-ト、タルクのような潤滑剤も使用可能である。経口のための液状製剤としては、懸濁剤(SUSTESIONS)、内用液剤、乳剤(EMULSIONS)およびシロップ剤(SYRUPS)などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィンのほか、様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれる。非経口投与のための形態は、クリ-ム(CREAM)、ロ-ション剤(LOTIONS)、軟膏剤(ONITMENTS)、硬膏剤(PLASTERS)、液剤(LIQUIDS AND SOULTIONS)、エアロゾル剤(AEROSOLS)、流動エキス剤(FRUIDEXTRACTS)、エリキシル(ELIXIR)、浸剤(INFUSIONS)、香り袋(SACHET)、パッチ剤(PATCH)または注射剤(INJECTIONS)などの形態であってもよいし、注射用剤形になる場合、好ましくは、等張性水溶液または懸濁液の形態になってもよい。
【0063】
前記薬学組成物は、滅菌剤、防腐剤、安定化剤、水和剤または乳化促進剤、浸透圧調節のための塩および/または緩衝剤などの補助剤と、その他治療学的に有用な物質をさらに含有してもよいし、通常の混合、顆粒化またはコ-ティング方法によって製剤化することができ、その他にも当該技術分野における公知の適切な方法を用いて剤形化することができる。
【0064】
また、前記薬学組成物の投与量は、投与方法、服用者の年齢、性別、患者の重症度、状態、体内での活性成分の吸収度、不活性率および併用される薬物を考慮して決定可能であり、1回または数回に分けて投与することができる。薬学組成物の有効成分として、好ましくは、ヒトを含めた哺乳類に1日ベ-スで0.001~100mg/kgの体重、好ましくは0.01~35mg/kgの体重の量で、1日1回または分割して経口または非経口経路で投与可能である。
【0065】
本発明のさらに他の実施形態は、下記化学式1で表される化合物、その薬学的に許容可能な塩、または水和物を治療学的有効量で投与するステップを含む、癌の治療方法を提供する。
【0066】
好ましくは、前記治療方法は、前記投与ステップの前に、前記癌の予防または治療を要する患者を確認するステップを追加的に含むことができる。
【0067】
本発明の「治療学的有効量」は、癌の予防または治療に効果的な、哺乳類に対する有効成分の量を意味し、前記治療学的有効量は、疾患の種類、疾患の重症度、組成物に含有された有効成分および他の成分の種類および含有量、剤形の種類および患者の年齢、体重、一般の健康状態、性別および食事、投与時間、投与経路および組成物の血中清掃率、治療期間、同時使用される薬物を含めた多様な因子によって調節可能であるが、好ましくは、上述のように、1日ベ-スで0.001~100mg/kgの体重、好ましくは0.01~35mg/kgの体重の量で、1日1回または分割して経口または非経口経路で投与可能である。
【0068】
また、本発明は、前記化学式1で表される化学式1で表されるピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物、その薬学的に許容可能な塩または水和物の製造方法に関する。
【0069】
合成例:化学式1のピリド[3,4-d]ピリミジン誘導体化合物の製造
合成例1.(化合物番号1)N-(3-(8-クロロ-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化37】
【0070】
ステップ1:メチル5-ブロモ-2-(メチルチオ)ピリミジン-4-カルボキシレ-ト
【化38】
アセチルクロライド(1.1eq、10.5mL)を0℃でメタノ-ル(200ml)に溶かした。0℃で10分間撹拌した後に、5-ブロモ-2-(メチルチオ)ピリミジン-4-カルボキシリックアシッド(25g、1eq.)を15分かけてゆっくり入れた。4時間還流、冷却する。反応終結後には加圧下に濃縮した。ジクロロメタンで希釈した後、ソジウムバイカ-ボネ-ト飽和水溶液で洗い、その後、塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。エチルアセテ-トとヘキサンを用いて固体化した後、フィルタして、黄色の目的化合物(20g、76%)を得た。1H-NMR: (400 MHz, CDCl3): δ (ppm): 8.68 (1H, s), 3.98 (3H, s), 2.54 (3H, s). LCMS (ESI): 263 (M + H)+
【0071】
ステップ2:トリメチル((2-メチル-5-ニトロフェニル)エチニル)シラン
【化39】
丸底フラスコに、2-ブロモ-1-メチル-4-ニトロベンゼン(15g、1eq)、ジイソプロピルエチルアミン(24mL、2eq)、Pd(PPh(4g、0.05eq)、ヨウ化第一銅(1.3g、0.1eq)とトリメチルシリアセチレン(12mL、1.2eq)を、ジメチルホルムアミド(50mL)を用いて溶かした。80℃で4時間撹拌した後、セライトで濾過した。この濾過液をエチルアセテ-トで希釈した後に塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。クロマトグラフィ-方法(2%エチルアセテ-ト/ヘキサン)で精製して、褐色の目標化合物(10.5g、65%)を得た。1H-NMR: (400 MHz, CD6CO): δ (ppm): 8.18 (1H, s), 8.14 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.58 (1H, d, J = 8.5 Hz), 2.54 (3H, s), 0.28 (9H, s).
【0072】
ステップ3:2-エチニル-1-メチル-4-ニトロベンゼン
【化40】
丸底フラスコに、炭酸カリウム(15g、2.5eq)とメタノ-ル(100mL)を入れて、トリメチル((2-メチル-5-ニトロフェニル)エチニル)シラン(10.0g、1eq)をゆっくり滴加した。反応終結後にセライトで濾過した。濾過液をエチルアセテ-トで希釈した後、アンモニウムクロライド飽和水溶液で洗い、その後、塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。クロマトグラフィ-方法(2%エチルアセテ-ト/ヘキサン)で精製して、黒色の目標化合物(5.5g、80%)を得た。1H-NMR (400 MHz, CD6CO): δ (ppm):8.23 (1H, s), 8.15 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.57 (1H, d, J = 8.5 Hz), 4.13 (1H, s), 2.55 (3H, s).
【0073】
ステップ4:メチル5-((2-メチル-5-ニトロフェニル)エチニル)-2-(メチルチオ)ピリミジン-4-カルボキシレ-ト
【化41】
丸底フラスコに、メチル5-ブロモ-2-(メチルチオ)ピリミジン-4-カルボキシレ-ト(5g、1eq.)、2-エチニル-1-メチル-4-ニトロベンゼン(4.5g、1.2eq.)、PdCl(PPh(670mg、0.05eq.)とヨウ化第一銅(362mg、0.1eq)を入れた。トリエチルアミンを溶媒として添加した後、80℃で25時間撹拌した。反応が終結すると、セライトで濾過した。この濾過液をジクロロメタンで希釈した後に塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。クロマトグラフィ-方法(5%エチルアセテ-ト/ヘキサン)で精製して、白色の目標化合物(5g、77%)を得た。1H-NMR: (400 MHz, CD6CO): δ (ppm): 9.06 (1H, s), 8.35 (1H, s), 8.19 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.64 (1H, d, J = 8.5 Hz),4.02 (3H, s), 2.69 (3H, s), 2.63 (3H, s). LCMS (ESI): 344 (M + H)+.
【0074】
ステップ5:5-((2-メチル-5-ニトロフェニル)エチニル)-2-(メチルチオ)ピリミジン-4-カルボキシリックアシッド
【化42】
丸底フラスコに、メチル5-((2-メチル-5-ニトロフェニル)エチニル)-2-(メチルチオ)ピリミジン-4-カルボキシレ-ト(5g、1eq.)を入れて、テトラヒドロフラン(50mL)を入れて溶かした。0℃で2N水酸化ナトリウム飽和水溶液(40mL)をゆっくり滴加した。24時間撹拌した後、加圧下にテトラヒドロフランを除去した。塩化水素を用いてpHを3-4とし、この時生じた固体をフィルタし、水(2×50mL)で洗った。乾燥して、黄色の目標化合物(3.4g、97%)を得た。1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm): 9.08 (1H, s), 8.27 (1H, s), 8.17 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.61 (1H, d, J = 8.5 Hz), 3.50 (1H, brs), 2.59 (3H, s), 2.57 (3H, s). LCMS (ESI): 330 (M + H)+.
【0075】
ステップ6:6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-2-(メチルチオ)-8H-ピラノ[3,4-d]ピリミジン-8-オン
【化43】
丸底フラスコに、5-((2-メチル-5-ニトロフェニル)エチニル)-2-(メチルチオ)ピリミジン-4-カルボキシリックアシッド(3.4g、1eq)を入れて、トルエン(25mL)を入れて溶かした。p-トルエンスルホニックアシッド1水和物(500mg、0.8eq)を入れて、110℃で7時間撹拌した。反応が終結すると、10%メタノ-ル/ジクロロメタンで希釈した後、ソジウムバイカ-ボネ-ト飽和水溶液で洗い、その後、塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。クロマトグラフィ-方法(50%エチルアセテ-ト/ヘキサン)で精製して、黄色の目標化合物(2.4g、71%)を得た。1H-NMR: (400 MHz, CD6CO): δ (ppm): 9.20 (1H, s), 8.45 (1H, s), 8.29 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.71 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.18 (1H, s),2.70 (3H, s), 2.68 (3H, s). LCMS (ESI): 330 (M + H)+.
【0076】
ステップ7:6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-2-(メチルチオ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-8(7H)-オン
【化44】
丸底フラスコに、6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-2-(メチルチオ)-8H-ピラノ[3,4-d]ピリミジン-8-オン(2.4g、1eq.)、酢酸(25mL)、酢酸アンモニウム(5.6g、10eq)を入れて、90℃、12時間撹拌した。加圧下に酢酸を除去した後、20%イソプロパノ-ル/クロロホルムで希釈した。ソジウムバイカ-ボネ-ト飽和水溶液で洗い、その後、塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮して、褐色の目標化合物(2.2g、92%)を得た。1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 12.34 (1H, brs), 9.22 (1H,s), 8.72 (1H, s), 8.23 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.63 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.67 (1H, s), 2.63 (3H, s), 2.44 (3H, s). LCMS (ESI): 329 (M + H)+. LCMS (ESI): 329 (M + H)+.
【0077】
ステップ8:6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-2-(メチルスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-8(7H)-オン
【化45】
丸底フラスコに、6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-2-(メチルチオ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-8(7H)-オン(2.2g、1eq)をジクロロメタン(25mL)に溶かした。0℃で3-クロロパ-ベンゾイックアシッド(3.5g、3eq.)を入れて、常温で24時間撹拌した。反応が終結すると、10%メタノ-ル/ジクロロメタンで希釈した後、ソジウムバイカ-ボネ-ト飽和水溶液で洗い、その後、塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。クロマトグラフィ-方法(0-10%メタノ-ル/ジクロロメタン)で精製して、黄色の目標化合物(1.2g、50%)を得た。1H-NMR: (400 MHz, CD6CO): δ (ppm): 11.30 (1H, brs), 9.58 (1H, s), 8.37 (1H, s), 8.30 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.71 (1H, d, J = 8.5Hz), 6.92 (1H, s), 3.44 (3H, s), 2.60 (3H, s). LCMS (ESI): 361 (M + H)+.
【0078】
ステップ9:6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-8(7H)-オン
【化46】
丸底フラスコに、6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-2-(メチルスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-8(7H)-オン(1.2g、1eq.)、N-(6-メチルピリミジン-3-イル)ホルムアミド(685mg、1.5eq.)、セシウムカ-ボネ-ト(5.5g、5eq.)とジメチルスルホキシド(10mL)を入れた。90℃で2時間撹拌した。反応が終結すると、セライトで濾過した。この濾過液をエチルアセテ-トで希釈した後に塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。クロマトグラフィ-方法(0-10%メタノ-ル/ジクロロメタン)で精製して、黄色の目標化合物(400mg、31%)を得た。1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 11.99 (1H, brs), 10.23 (1H, s), 9.14 (1H, s), 8.97 (1H, s), 8.30 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.23(1H, d, J = 8.5 Hz), 8.21 (1H, s), 7.63 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.22 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.62 (1H, s), 2.45 (3H, s), 2.43 (3H, s). LCMS (ESI): 389 (M + H)+.
【0079】
ステップ10:8-クロロ-6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-N-(6-メチルピリジン-3-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-アミン
【化47】
丸底フラスコに、6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-8(7H)-オン(400mg、1eq)を入れて、塩化ホスホリル(40eq)を入れた。70℃で1時間撹拌した。反応が終結すると、10%メタノ-ル/ジクロロメタンで希釈した後、ソジウムバイカ-ボネ-ト飽和水溶液で洗い、その後、塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。クロマトグラフィ-方法(0-10%メタノ-ル/ジクロロメタン)で精製して、黄色の目標化合物(250mg、60%)を得た。1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 10.71 (1H, s), 9.57 (1H, s), 9.19 (1H, brs), 8.42 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.40 (1H, s), 8.36 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.35 (1H, s), 7.65 (1H, d, J= 8.5 Hz), 7.35 (1H, d, J = 8.4 Hz), 2.56 (3H, s), 2.48 (3H, s). LCMS (ESI): 407 (M + H)+.
【0080】
ステップ11:6-(5-アミノ-2-メチルフェニル)-8-クロロ-N-(6-メチルピリミジン-3-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-アミン
【化48】
丸底フラスコに、8-クロロ-6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-N-(6-メチルピリジン-3-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-アミン(240mg、1eq)、鉄(330mg、10eq.)、塩化アンモニウム(313mg、10eq.)とテトラヒドロフラン:メタノ-ル:水(2:1:1、6mL)を入れた。80℃で1時間撹拌した。反応が終結すると、セライトで濾過した。20%メタノ-ル/ジクロロメタンで洗い、この濾過液をソジウムバイカ-ボネ-ト飽和水溶液で洗い、その後、塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。クロマトグラフィ-方法(0-10%メタノ-ル/ジクロロメタン)で精製して、黄色の目標化合物(160mg、72%)を得た。1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 10.55 (1H, s), 9.54 (1H,s), 9.13 (1H, brs), 8.42 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.94 (1H, s), 7.28 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.98 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.76 (1H, s), 6.56 (1H, d, J = 8.4 Hz), 5.03 (2H, brs), 2.45 (3H, s), 2.23(3H, s). LCMS (ESI): 377 (M + H)+.
【0081】
ステップ12:N-(3-(8-クロロ-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化49】
丸底フラスコに、6-(5-アミノ-2-メチルフェニル)-8-クロロ-N-(6-メチルピリミジン-3-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-アミン(160mg、1eq.)を入れて、テトラヒドロフラン:ジクロロメタン(4:1、5mL)を入れて溶かした。0℃でジイソプロピルエチルアミンを入れて、10分間撹拌した。その後、3-トリフルオロメチルベンゾイッククロライド(132mg、1.5eq.)をゆっくり滴加した。常温で3時間撹拌した。反応が終結すると、エチルアセテ-トで希釈した後にソジウムバイカ-ボネ-ト飽和水溶液で洗い、その後、塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。クロマトグラフィ-方法(0-10%メタノ-ル/ジクロロメタン)で精製して、黄色の目標化合物(110mg)を得た。
1H-NMR: (400 MHz, CD3OD): δ (ppm): 9.54 (1H, s), 9.16 (1H, s), 9.14 (1H, s), 8.42 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.04 (3H, m), 7.99 (1H, s), 7.94 (1H, s), 7.28 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.35(1H, d, J = 8.5 Hz), 7.30 (1H, d, J = 8.4 Hz), 2.50 (3H, s), 2.45 (3H, s). LCMS (ESI): 549 (M + H)+.
【0082】
合成例2.(化合物番号2)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)-8-ビニルピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化50】
丸底フラスコに、化合物番号1のN-(3-(8-クロロ-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(40mg、1eq)、トリブチル(ビニル)チン(32mg、1.3eq.)、Pd(PPh(2.8mg、0.03eq.)と1,4-ジオキサン(6mL)を入れた。2時間還流、冷却した。反応が終結すると、エチルアセテ-トで希釈した後に塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。クロマトグラフィ-方法(0-10%メタノ-ル/ジクロロメタン)で精製して、黄色の目標化合物(12mg)を得た。
1H-NMR: (400 MHz, CDCl3): δ (ppm): 9.18 (1H, s), 9.56 (1H, s), 8.21 (2H, m), 8.15 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.0 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.99 (2H, m), 7.88 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.60 (3H,m), 7.45 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.32 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.78 (1H, d, J = 8.7 Hz), 5.74 (1H, m), 2.59 (3H, s), 2.48 (3H, s). LCMS (ESI): 541 (M + H)+.
【0083】
合成例3.(化合物番号3)N-(3-(8-エチル-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化51】
丸底フラスコに、化合物番号2のN-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)-8-ビニルピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(10mg、1eq.)を入れて、メタノ-ル(2mL)を入れて溶かした。Pd/C(3mg、30wt.%)を入れて、水素風船を用いて水素気体を加圧した。反応が終結すると、セライトで濾過した。この濾過液を加圧下に濃縮した。エチルエ-テルとヘキサンを用いて固体化し、フィルタし、乾燥して、黄色の目標化合物(2.5mg)を得た。
1H-NMR: (400 MHz, CDCl3): δ (ppm): 9.18 (1H, s), 8.96 (1H, s), 8.29 (1H, d), 8.26 (1H, s), 8.15 (1H, d), 7.90 (1H, s), 7.83 (2H, m), 7.66 (3H, m), 7.44 (1H, s), 7.35 (1H, d), 7.33(1H, d), 3.46 (2H, q), 2.59 (3H, s), 2.44 (3H, s), 1.5 (3H, t). LCMS (ESI): 543 (M + H)+.
【0084】
合成例4.(化合物番号4)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化52】
丸底フラスコに、化合物番号1のN-(3-(8-クロロ-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(60mg、1eq)とテトラヒドロフラン(5mL)を入れて、15分間窒素風船を用いて溶媒中の気体を除去した。その後、PdCl(dppf)(8mg、0.1eq.)、テトラメチルエチレンジアミン(44mg、3.4eq.)と水素化ホウ素ナトリウム(14mg、3.4eq.)を20分かけて常温で滴加した。反応を終結すると、セライトで濾過した。この濾過液をエチルアセテ-トで希釈した後に塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。クロマトグラフィ-方法(0-10%メタノ-ル/ジクロロメタン)で精製して、淡黄色の目標化合物(10mg、17%)を得た。
1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 10.54 (1H, s), 10.30 (1H, s), 9.54 (1H, s), 9.21(1H, s), 8.99 (1H, brs), 8.31 (3H, m), 7.98 (3H, m), 7.79 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.28 (1H,d, J = 8.5 Hz), 7.25 (1H, d, J = 8.5 Hz), 2.45 (3H, s), 2.38 (3H, s). LCMS (ESI): 515 (M + H)+.
【0085】
合成例5.(化合物番号5)N-(3-(2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化53】
【0086】
ステップ1:8-メトキシ-6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-2-(メチルチオ)ピリド[3,4-d]ピリミジン
【化54】
丸底フラスコに、化合物番号1のステップ7の6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-2-(メチルチオ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-8(7H)-オン(3.3g、1eq)、ヨウ化メチル(2mL、3eq)、炭酸カリウム(5.5g、4eq)とアセトニトリル(50mL)を入れた。80℃で2時間撹拌した。反応が終結すると、セライトで濾過し、20%イソプロパノ-ル/クロロホルムで洗った。減圧下に濃縮し、クロマトグラフィ-方法(0-5%メタノ-ル/ジクロロメタン)で精製して、黄色の目標化合物(0.54g、25%)を得た。LCMS (ESI): 343 (M +H)+.
【0087】
ステップ2:3-(8-メトキシ-2-(メチルチオ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルアニリン
【化55】
丸底フラスコに、8-メトキシ-6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-2-(メチルチオ)ピリド[3,4-d]ピリミジン(300mg、1eq)、鉄(500mg、10eq)、テトラヒドロフラン:メタノ-ル(2:1、15mL)と塩化アンモニウム水溶液(5mL)を入れた。80℃で1時間撹拌した。反応が終結すると、セライトで濾過し、20%イソプロパノ-ル/クロロホルムで洗った。ソジウムバイカ-ボネ-ト飽和水溶液で洗い、その後、塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。エチルエ-テルを用いて固体化し、フィルタし、乾燥して、黄色の目標化合物(164mg、60%)を得た。LCMS (ESI): 313 (M + H)+.
【0088】
ステップ3:N-(3-(8-メトキシ-2-(メチルチオ)ピリミド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化56】
丸底フラスコに、3-(8-メトキシ-2-(メチルチオ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルアニリン(100mg、1eq)、ジイソプロピルエチルアミン(0.2mL、3eq)とテトラヒドロフラン:ジクロロメタン(4:1、15mL)を入れた。0℃で3-トリフルオロメチルベンゾイッククロライド(0.06ml、1.5eq)を入れて、常温で2時間撹拌した。反応が終結すると、ジクロロメタンで希釈した後、ソジウムバイカ-ボネ-ト飽和水溶液で洗い、その後、塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。エチルエ-テルを用いて固体化し、フィルタし、乾燥して、黄色の目標化合物(110mg、76%)を得た。LCMS (ESI): 485 (M + H)+.
【0089】
ステップ4:N-(3-(8-メトキシ-2-(メチルスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化57】
丸底フラスコに、N-(3-(8-メトキシ-2-(メチルチオ)ピリミド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(100mg、1eq)とジクロロメタン(10mL)を入れた。0℃で3-クロロパ-ベンゾイックアシッド(70mg、2.5eq)を入れて、常温で1時間撹拌した。反応が終結すると、20%イソプロパノ-ル/クロロホルムで希釈した後、ソジウムバイカ-ボネ-ト飽和水溶液で洗い、その後、塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。エチルエ-テルを用いて固体化し、フィルタし、乾燥して、黄色の目標化合物(52mg、49%)を得た。LCMS (ESI): 517 (M + H)+.
【0090】
ステップ5:N-(3-(2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化58】
丸底フラスコに、N-(3-(8-メトキシ-2-(メチルスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(50mg、1eq)、2-アミノエタノ-ル(2eq)とジメチルホルムアミド(2mL)を入れた。80℃で2時間撹拌した。反応が終結すると、加圧下に濃縮し、クロマトグラフィ-方法で精製して、黄色の目標化合物を得た。
LCMS (ESI): 498 (M + H)+.
【0091】
合成例6.(化合物番号6)N-(3-(2-(サイクリックプロピルアミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化59】
化合物番号5のステップ5において、2-アミノエタノ-ルの代わりにシクロプロピルアミンを用いたことを除き、実験方法は同様である。
LCMS (ESI): 494 (M + H)+.
【0092】
合成例7.(化合物番号7)N-(3-(8-メトキシ-2-モルホリノピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化60】
化合物番号5のステップ5において、2-アミノエタノ-ルの代わりにモルホリンを用いたことを除き、実験方法は同様である。
LCMS (ESI): 524 (M + H)+.
【0093】
合成例8.(化合物番号8)N-(3-(8-メトキシ-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化61】
丸底フラスコに、化合物番号5のステップ4のN-(3-(8-メトキシ-2-(メチルスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(50mg、1eq)、N-(6-メチルピリジン-3-イル)ホルムアミド(2eq)、セシウムカ-ボネ-ト(3eq)とジメチルホルムアミド(2mL)を入れた。80℃で2時間撹拌した。反応が終結すると、加圧下に濃縮し、クロマトグラフィ-方法で精製して、黄色の目標化合物を得た。
LCMS (ESI): 545 (M + H)+.
【0094】
合成例9.(化合物番号9)N-(3-(8-メトキシ-2-((6-モルホリノピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化62】
化合物番号8において、N-(6-メチルピリジン-3-イル)ホルムアミドの代わりにN-(6-モルホリノピリジン-3-イル)ホルムアミドを用いたことを除き、実験方法は同様である。
LCMS (ESI): 616 (M + H)+.
【0095】
合成例10.(化合物番号10)N-(3-(8-メトキシ-2-((2-メトキシ-4-モルホリノフェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化63】
化合物番号8において、N-(6-メチルピリジン-3-イル)ホルムアミドの代わりにN-(2-メトキシ-4-モルホリノフェニル)ホルムアミドを用いたことを除き、実験方法は同様である。
LCMS (ESI): 645 (M + H)+.
【0096】
合成例11.(化合物番号11)N-(3-(2-((4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化64】
化合物番号8において、N-(6-メチルピリジン-3-イル)ホルムアミドの代わりにN-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)ホルムアミドを用いたことを除けば、実験方法は同様である。
LCMS (ESI): 642 (M + H)+.
【0097】
合成例12.(化合物番号12)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-4-(モルホリンメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化65】
【0098】
ステップ1:エチル-5-アミノ-2-クロロイソニコチネ-ト
丸底フラスコに、エチル-2-クロロ-5-クロロイソニコチネ-ト(30g、129mmol)、Fe(72g、1290mmol)、NHCl(66g、1290mmol)、テトラヒドロフラン:メタノ-ル:水(2:1:1)(450ml)を入れて、80℃で1時間撹拌した。反応後、セライトで濾過した。この濾過液をエチルアセテ-トで希釈した後に塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。ヘキサンを添加して、褐色の目標化合物(24.5g)を得た。1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 8.06 (1H, s), 7.49 (1H, s), 6.78(2H, brs), 4.30 (2H, q), 1.31 (3H, t). LCMS (ESI): 201 (M + H)+.
【化66】
【0099】
ステップ2:エチル-5-アミノ-2-(4-メチル-3-ニトロフェニル)イソニコチネ-ト
丸底フラスコに、5-アミノ-2-クロロイソニコチネ-ト(24.5g、122.2mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-1,3,2-ジオキサボラン(38.6g、146.6mmol)、NaCO(25.8g、244.3mmol)ジオキサン/水(4:1)(611mL)を入れて、20分間degassを進行させた。その後、Pd(PPh(7.05g、6.11mmol)を添加し、110℃で12時間撹拌した。反応後、セライトで濾過した。この濾過液をエチルアセテ-トで希釈した後に塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。エ-テルを添加して、黄色の目標化合物(15g)を得た。1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 8.38 (1H, s), 8.16 (1H, s), 8.12 (1H, d), 7.70 (1H, s), 7.56 (1H, d), 6.91(2H, brs), 4.32 (2H, q), 2.44 (3H, s), 1.32 (3H, t). LCMS (ESI): 302 (M + H)+.
【化67】
【0100】
ステップ3:6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
丸底フラスコに、5-アミノ-2-(4-メチル-3-ニトロフェニル)イソニコチネ-ト(15g、49.8mmol)、ウレア(60g、996mmol)を入れて、180℃で加熱した。反応が終結すると、水を添加し、30分間冷却還流した、生成された固体を水を用いてフィルタし、乾燥して、白色の目標化合物(13.2g)を得た。1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm): 11.66 (2H, brs), 8.69 (1H, s), 8.23 (1H, s), 8.18 (1H, d), 7.96 (1H, s), 7.62 (1H, d), 6.91 (2H, brs), 2.47 (3H, s). LCMS (ESI): 299 (M + H)+.
【化68】
【0101】
ステップ4:2,4-ジクロロ-6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン
丸底フラスコに、6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)ピリド[3,4-0]ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(13g、43.6mmol)、ジエチルアニリン(26g、174.5mmol)、POClを入れて冷却還流した。反応が終結すると、POClを減圧下に乾燥した後、氷水に反応物を添加した。生じた固体を濾過してエチルアセテ-トとエ-テルで洗った。固体を乾燥して、明るい赤色の目標化合物(6.5g)を得た。1H-NMR: (400 MHz, CDCl3): δ (ppm): 9.58 (1H, s), 8.41 (1H, s), 8.25 (1H, d), 8.15 (1H, s), 7.53 (1H, d), 2.54 (3H, s). LCMS (ESI): 335(M + H)+.
【化69】
【0102】
ステップ5:丸底フラスコに、2,4-ジクロロ-6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(6.5g、19.5mmol)、テトラヒドロフラン/エタノ-ル(2:1)(450ml)を入れた。0℃でNaBH(7.4g、195mmol)をゆっくり添加した後、常温で30分間撹拌した。反応が終結すると、氷水とエチルアセテ-トを添加した。NHClを用いて中和した。有機層を塩水で洗った後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。エ-テルを添加して、黄色の目標化合物(4.5g)を得た。1H-NMR: (400 MHz, CDCl3): δ(ppm): 8.15 (3H, m), 7.59 (1H, d), 7.34 (1H, s), 4.74 (2H, s), 2.46 (3H, s). LCMS (ESI): 303 (M + H)+.
【化70】
【0103】
ステップ6:2-クロロ-6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン
丸底フラスコに、2-クロロ-6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-3,4-ジヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン(4.5g、14.9mmol)、ジクロロメタン(100ml)を入れた。0℃でDDQ(10g、44.7mmol)をゆっくり添加した後、常温で24時間撹拌した。反応が終結すると、ジクロロメタンを用いてフィルタした後、減圧下に乾燥した。メタノ-ルを添加して生成された固体をフィルタして、白色の目標化合物(2.4g)を得た。1H-NMR: (400 MHz, CDCl3): δ (ppm): 9.84 (1H, s), 9.59 (1H, s), 8.46 (1H, s), 8.39 (1H, s), 8.26 (1H, d),8.70 (1H, d), 2.54 (3H, s). LCMS (ESI): 301 (M + H)+.
【化71】
【0104】
ステップ7:6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-N-(6-メチルピリジン-3-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-アミン
丸底フラスコに、2-クロロ-6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(2.4g、8mmol)、6-メチルピリジン-3-アミン(1.3g、12mmol)、Xphos(0.95g、2mmol)、KCO(3.3g、24mmol)を入れて、20分間degassした。その後、Pd(dba)(1.8g、2mmol)を添加し、12時間冷却還流した。反応が終結すると、水とエチルアセテ-トを添加し、有機層を塩水で洗った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。クロマトグラフィ-方法(メタノ-ル/ジクロロメタン)で精製して、黄色の目標化合物(630mg)を得た。1H-NMR: (400 MHz, CDCl3): δ (ppm): 10.35 (1H, s), 9.53 (1H, s), 9.22 (1H, s), 8.98 (1H, s), 8.38 (1H, s), 8.34 (1H, d), 8.23 (1H, d), 8.14 (1H, s),7.66 (1H, d), 7.26 (1H, d), 2.54 (3H, s), 2.45 (3H, s). LCMS (ESI): 373 (M + H)+.
【化72】
【0105】
ステップ8:6-(5-アミノ-2-メチルフェニル)-N-(6-メチルピリジン-3-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-アミン
丸底フラスコに、6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-N-(6-メチルピリジン-3-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-アミン(630mg、1.7mmol)、エタノ-ル、SnCl(1.98g、8.5mmol)を入れた。3時間冷却還流後、反応が終結すると、クロロホルム/イソプロピルアルコ-ルとソジウムバイカ-ボネ-ト水溶液を添付した。有機層を塩水で洗った後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。クロマトグラフィ-方法(メタノ-ル/ジクロロメタン)で精製して、黄色の目標化合物(410mg)を得た。1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ(ppm): 10.26 (1H, s), 9.51 (1H, s), 9.16 (1H, s), 8.98 (1H, s), 8.31 (1H, d), 7.87 (1H, s), 7.25 (1H, d), 6.96 (1H, d), 6.80 (1H, s), 6.55 (1H, d), 4.97 (2H, brs), 2.54 (3H, s), 2.45(3H, s). LCMS (ESI): 343 (M + H)+.
【化73】
【0106】
ステップ9:N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-4-(モルホリンメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
丸底フラスコに、6-(5-アミノ-2-メチルフェニル)-N-(6-メチルピリジン-3-イル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-2-アミン(410mg、1.16mmol)、テトラヒドロフラン、DIPEA(1.1ml、6.9mmol)を入れた。0℃で4-(モルホリノメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド(703mg、2.9mmol)を添加した後、常温で1時間撹拌した。反応が終結すると、エチルアセテ-トと水を添加した。有機層を塩水で洗った後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。濃縮後にエチルアセテ-トを添加して固体を作り、フィルタして、黄色の目標化合物(290mg)を得た。
1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 9.82 (1H, s), 9.48 (1H, s), 9.29 (1H, s), 9.24 (1H, s), 9.07 (1H, s), 8.48 (1H, d), 8.34 (1H, s), 8.29 (1H, d), 8.05 (2H, m), 7.96 (1H, s),7.85 (1H, d), 7.34 (1H, d), 7.28 (1H, d), 3.75 (2H, s), 3.67 (4H, m), 2.54 (4H, m), 2.51 (3H, s), 2.44 (3H, s). LCMS (ESI): 614 (M + H)+.
【0107】
合成例13.(化合物番号13)3-(4-メチル-1H-イミダゾ-ル-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化74】
化合物番号12において、4-(モルホリノメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに3-(4-メチル-1H-イミダゾ-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドを用いたことを除けば、実験方法は同様である。
LCMS (ESI): 595 (M + H)+.
【0108】
合成例14.(化合物番号14)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-モルホリノ-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化75】
化合物番号12において、4-(モルホリノメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに4-モルホリノ-3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドを用いたことを除けば、実験方法は同様である。
1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 9.77 (1H, s), 9.46 (1H, s), 9.29 (1H, s), 9.23 (1H, s), 9.07 (1H, s), 8.47 (1H, d), 8.00 (1H, s), 7.94 (1H, s), 7.82 (2H, m), 7.73 (1H, s),7.40 (1H, s), 7.32 (1H, d), 7.27 (1H, d), 3.83 (4H, m), 3.45 (4H, m), 2.50 (3H, s), 2.43 (3H, s). LCMS (ESI): 600 (M + H)+.
【0109】
合成例15.(化合物番号15)4-(2,4-ジメチル-1H-イミダゾ-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化76】
化合物番号12において、4-(モルホリノメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに3-(2,4-ジメチル-1H-イミダゾ-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドを用いたことを除けば、実験方法は同様である。
1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 9.99 (1H, s), 9.48 (1H, s), 9.30 (1H, s), 9.24 (1H, s), 9.07 (1H, s), 8.53 (1H, s), 8.47 (2H, m), 8.05 (1H, s), 7.96 (1H, s), 7.86 (1H, d),7.69 (1H, d), 7.36 (1H, d), 7.27 (1H, d), 6.86 (1H, s), 2.50 (3H, s), 2.44 (3H, s), 2.15 (3H, s), 2.08 (3H, s). LCMS (ESI): 609 (M + H)+.
【0110】
合成例16.(化合物番号16)3-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化77】
化合物番号12において、4-(モルホリノメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに4-(4-hydroxypiperidin-1-yl)-3-(trifluoromethyl)benzoyl chlorideを用いたことを除けば、実験方法は同様である。
LCMS (ESI): 614 (M + H)+.
【0111】
合成例17.(化合物番号17)N-(3-(2-アミノピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化78】
【0112】
ステップ1:エチル-5-アミノ-2-クロロイソニコチネ-ト
合成例1のステップ7の8-クロロ-6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-2-(メチルチオ)ピリド[3,4-d]ピリミジン(2g)、POCl(40mL)を入れて、70℃で撹拌した。反応が終結すると、減圧下にPOClを乾燥し、氷水に反応物を添加した。生じた固体をエ-テルを用いてフィルタして、褐色の目標化合物(1.4g)を得た。1H-NMR: (400 MHz, Acetone-d6): δ(ppm): 9.59 (1H, s), 8.44 (1H, s), 8.43 (1H, s), 8.27 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.68 (1H, d, J = 8.5 Hz), 2.76 (3H, s), 2.62 (3H, s). LCMS (ESI): 347 (M + H)+.
【化79】
【0113】
ステップ2:3-(8-クロロ-2-(メチルチオ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルアニリン
丸底フラスコに、8-クロロ-6-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-2-(メチルチオ-ル)ピリド[3,4-d]ピリミジン(1.4g、1eq)、テトラヒドロフラン:メタノ-ル:水(2:1:1、20mL)、Fe(2.2g、10eq)、NHCl(2.0g、10eq.)を入れた。80℃で1時間撹拌した。反応が終結すると、セライトで濾過した。この濾過液をエチルアセテ-トで希釈した後に塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮して、黄色の目標化合物(800mg)を得た。1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 9.61 (1H, s), 8.07 (1H, s), 6.99(1H, d, J = 8.5 Hz), 6.78 (1H, s), 6.59 (1H, d, J = 8.5 Hz), 5.06 (2H, brs) 2.70 (3H, s), 2.22 (3H, s). LCMS (ESI): 317 (M + H)+.
【化80】
【0114】
ステップ3:N-(3-(8-クロロ-2-(メチルチオ-ル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
丸底フラスコに、3-(8-クロロ-2-(メチルチオ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルアニリン(800mg、1eq)、テトラヒドロフラン(15mL)、DIPEA(1.3mL、3eq)を入れた。0℃で3-トリフルオロメチルベンゾイルクロライド(1.05g、2eq)をゆっくり添加した。常温で2時間撹拌した後、反応が終結すると、ジクロロメタンとソジウムバイカ-ボネ-トソリュ-ションを添加した。有機層を塩水で洗った後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。濃縮後にエ-テルを添加して固体を作り、フィルタして、黄色の目標化合物(750mg)を得た。1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 10.58 (1H, s), 9.64 (1H, s), 8.33 (1H, s), 8.28 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.19 (1H, s), 7.98 (2H, m),7.81 (3H, m), 7.38 (1H, d, J = 8.5 Hz), 2.701 (3H, s), 2.40 (3H, s). LCMS (ESI): 489 (M + H)+.
【化81】
【0115】
ステップ4:N-(4-メチル-3-(2-(メチルチオ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
丸底フラスコに、N-(3-(8-クロロ-2-(メチルチオ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(750mg、1eq)、Et3N(1.25mL、5.6eq)、HCOOH(0.17mL、3.5eq.)、Pd(PPh(165mg、0.1eq)、ジメチルスルホキシドを入れた。80℃で2時間撹拌した。反応が終結すると、エチルアセテ-トと水を添加した。有機層を塩水で洗った後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。濃縮後にエ-テルを添加して固体を作り、フィルタして、黄色の目標化合物(400mg)を得た。1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 10.55 (1H, s), 9.61 (1H, s), 9.40 (1H, s), 8.30 (2H, m), 8.15 (1H, s), 7.89 (2H, m), 7.79 (2H, m), 7.37 (1H, d, J = 8.5Hz), 2.71 (3H, s), 2.38 (3H, s). LCMS (ESI): 455 (M + H)+.
【化82】
【0116】
ステップ5:N-(4-メチル-3-(2-(メチルスルホニル)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
丸底フラスコに、N-(4-メチル-3-(2-(メチルチオ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(400mg、1eq)をジクロロメタン(10mL)に溶かした。0℃で3-クロロパ-ベンゾイックアシッド(379mg、2.5eq.)を入れて、常温で24時間撹拌した。反応が終結すると、10%メタノ-ル/ジクロロメタンで希釈した後、ソジウムバイカ-ボネ-ト飽和水溶液で洗い、その後、塩水で拭き取った。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。濃縮後にエ-テルを添加して固体を作り、フィルタして、黄色の目標化合物(300mg)を得た。LCMS (ESI): 487 (M + H)+.
【化83】
【0117】
ステップ6:N-(3-(2-アミノピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
合成例5のステップ5において、アミノエタノ-ルの代わりにアンモニア水を用いたことを除き、実験方法は同様である。
1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 9.83 (1H, brs), 9.33 (1H, s), 9.01 (1H, s), 8.35 (1H, s), 8.34 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.00 (1H, s), 7.94 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.82 (3H, m),7.32 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.59 (2H, brs), 2.42 (3H, s). LCMS (ESI): 424 (M + H)+.
【0118】
合成例18.(化合物番号18)N-(3-(2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化84】
合成例5のステップ5の実験方法と同様である。
1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 10.51 (1H, s), 9.32 (1H, brs), 9.00 (1H, s), 8.33 (1H, s), 8.26 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.94 (2H, m), 7.86 (1H, s), 7.77 (3H, m), 7.33 (1H, d,J = 8.4 Hz), 4.76 (1H, brs), 3.57 (2H, m), 3.50 (2H, m), 2.90 (1H, m), 2.37 (3H, s). LCMS (ESI): 468 (M + H)+.
【0119】
合成例19.(化合物番号19)N-(3-(2-(サイクリックプロピルアミノ)-ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化85】
化合物番号5のステップ5において、2-アミノエタノ-ルの代わりにシクロプロピルアミンを用いたことを除き、実験方法は同様である。
1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 10.52 (1H, s), 9.32 (1H, brs), 9.06 (1H, s), 8.33 (1H, s), 8.28 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.04 (1H, s), 7.96 (2H, m), 7.94 (1H, s), 7.82 (2H, m),7.32 (1H, d, J = 8.4 Hz), 2.90 (1H, m), 2.37 (3H, s), 0.77 (2H, m), 0.58 (2H, m). LCMS (ESI): 464 (M + H)+.
【0120】
合成例20.(化合物番号20)N-(4-メチル-3-(2-(フェニルアミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化86】
合成例8において、N-(6-メチルピリジン-3-イル)ホルムアミドの代わりにN-フェニルホルムアミドを用いたことを除き、実験方法は合成例8の通りである。
LCMS (ESI): 500 (M + H)+.
【0121】
合成例21.(化合物番号21)N-(4-メチル-3-(2-((1-メチル-1H-ピラゾ-4-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化87】
合成例8において、N-(6-メチルピリジン-3-イル)ホルムアミドの代わりにN-(1-メチル-1H-ピラゾ-ル-4-イル)ホルムアミドを用いたことを除き、実験方法は合成例8の通りである。
1H-NMR: (400 MHz, Acetone-d6): δ (ppm): 9.83 (1H, s), 9.37 (1H, s), 9.22 (1H, s), 8.35 (3H, m), 8.02 (1H, s), 8.01 (1H, d), 7.93 (1H, s), 7.87 (2H, m), 7.76 (1H, s), 7.34 (1H,d), 3.93 (3H, s), 2.43 (3H, s). LCMS (ESI): 504 (M + H)+.
【0122】
合成例22.(化合物番号22)N-(3-(2-((1,3-ジメチル-1H-ピラゾ-ル-5-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化88】
合成例8において、N-(6-メチルピリジン-3-イル)ホルムアミドの代わりにN-(1,3-ジメチル-1H-ピラゾ-ル-5-イル)ホルムアミドを用いたことを除き、実験方法は合成例8の通りである。
LCMS (ESI): 518 (M + H)+.
【0123】
合成例23.(化合物番号23)N-(4-メチル-3-(2-((4-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化89】
合成例8において、N-(6-メチルピリジン-3-イル)ホルムアミドの代わりにN-(4-メチルピリジン-3-イル)ホルムアミドを用いたことを除き、実験方法は合成例8の通りである。
LCMS (ESI): 515 (M + H)+.
【0124】
合成例24.(化合物番号24)N-(3-(2-((2,6-ジメチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化90】
合成例8において、N-(6-メチルピリジン-3-イル)ホルムアミドの代わりにN-(2,6-ジメチルピリジン-3-イル)ホルムアミドを用いたことを除き、実験方法は合成例8の通りである。
1H-NMR: (400 MHz, Acetone-d6): δ (ppm): 9.84 (1H, s), 9.46 (1H, s), 9.08 (1H, s), 8.47 (1H, s), 8.36 (2H, m), 8.17 (1H, d), 8.03 (1H, s), 7.94 (2H, s), 7.82 (2H, m), 7.34 (1H,d), 7.16 (1H, d), 2.57 (3H, s), 2.50 (3H, s), 2.43 (3H, s). LCMS (ESI): 529 (M + H)+.
【0125】
合成例25.(化合物番号25)N-(3-(2-((4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化91】
合成例8において、N-(6-メチルピリジン-3-イル)ホルムアミドの代わりにN-(4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)ホルムアミドを用いたことを除き、実験方法は合成例8の通りである。
LCMS (ESI): 612 (M + H)+.
【0126】
合成例26.(化合物番号26)N-(3-(2-((3-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
【化92】
合成例8において、N-(6-メチルピリジン-3-イル)ホルムアミドの代わりにN-(3-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)ホルムアミドを用いたことを除き、実験方法は合成例8の通りである。
LCMS (ESI): 612 (M + H)+.
前記合成例の方法に基づいて化合物番号1~26の化合物を合成した。
【実施例
【0127】
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。ただし、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容が下記の実施例によって限定されるものではない。
前記合成例1-26に基づいて実施例1-26を製造した。実施例1-26は下記の通りである。
【0128】
実施例1.(化合物番号1)N-(3-(8-クロロ-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化93】
1H-NMR: (400 MHz, CD3OD): δ (ppm): 9.54 (1H, s), 9.16 (1H, s), 9.14 (1H, s), 8.42 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.04 (3H, m), 7.99 (1H, s), 7.94 (1H, s), 7.28 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.35(1H, d, J = 8.5 Hz), 7.30 (1H, d, J = 8.4 Hz), 2.50 (3H, s), 2.45 (3H, s). LCMS (ESI): 549 (M + H)+.
【0129】
実施例2.(化合物番号2)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)-8-ビニルピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化94】
1H-NMR: (400 MHz, CDCl3): δ (ppm): 9.18 (1H, s), 9.56 (1H, s), 8.21 (2H, m), 8.15 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.0 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.99 (2H, m), 7.88 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.60 (3H,m), 7.45 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.32 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.78 (1H, d, J = 8.7 Hz), 5.74 (1H, m), 2.59 (3H, s), 2.48 (3H, s). LCMS (ESI): 541 (M + H)+.
【0130】
実施例3.(化合物番号3)N-(3-(8-エチル-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化95】
1H-NMR: (400 MHz, CDCl3): δ (ppm): 9.18 (1H, s), 8.96 (1H, s), 8.29 (1H, d), 8.26 (1H, s), 8.15 (1H, d), 7.90 (1H, s), 7.83 (2H, m), 7.66 (3H, m), 7.44 (1H, s), 7.35 (1H, d), 7.33(1H, d), 3.46 (2H, q), 2.59 (3H, s), 2.44 (3H, s), 1.5 (3H, t). LCMS (ESI): 543 (M + H)+.
【0131】
実施例4.(化合物番号4)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化96】
1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 10.54 (1H, s), 10.30 (1H, s), 9.54 (1H, s), 9.21(1H, s), 8.99 (1H, brs), 8.31 (3H, m), 7.98 (3H, m), 7.79 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.28 (1H,d, J = 8.5 Hz), 7.25 (1H, d, J = 8.5 Hz), 2.45 (3H, s), 2.38 (3H, s). LCMS (ESI): 515 (M + H)+.
【0132】
実施例5.(化合物番号5)N-(3-(2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化97】
LCMS (ESI): 498 (M + H)+.
【0133】
実施例6.(化合物番号6)N-(3-(2-(サイクリックプロピルアミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化98】
LCMS (ESI): 494 (M + H)+.
【0134】
実施例7.(化合物番号7)N-(3-(8-メトキシ-2-モルホリノピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化99】
LCMS (ESI): 524 (M + H)+.
【0135】
実施例8.(化合物番号8)N-(3-(8-メトキシ-2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化100】
LCMS (ESI): 545 (M + H)+.
【0136】
実施例9.(化合物番号9)N-(3-(8-メトキシ-2-((6-モルホリノピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化101】
LCMS (ESI): 616 (M + H)+.
【0137】
実施例10.(化合物番号10)N-(3-(8-メトキシ-2-((2-メトキシ-4-モルホリノフェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化102】
LCMS (ESI): 645 (M + H)+.
【0138】
実施例11.(化合物番号11)N-(3-(2-((4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-8-メトキシピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化103】
LCMS (ESI): 642 (M + H)+.
【0139】
実施例12.(化合物番号12)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-4-(モルホリンメチル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化104】
1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 9.82 (1H, s), 9.48 (1H, s), 9.29 (1H, s), 9.24 (1H, s), 9.07 (1H, s), 8.48 (1H, d), 8.34 (1H, s), 8.29 (1H, d), 8.05 (2H, m), 7.96 (1H, s),7.85 (1H, d), 7.34 (1H, d), 7.28 (1H, d), 3.75 (2H, s), 3.67 (4H, m), 2.54 (4H, m), 2.51 (3H, s), 2.44 (3H, s). LCMS (ESI): 614 (M + H)+.
【0140】
実施例13.(化合物番号13)3-(4-メチル-1H-イミダゾ-ル-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化105】
LCMS (ESI): 595 (M + H)+.
【0141】
実施例14.(化合物番号14)N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-モルホリノ-5-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化106】
1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 9.77 (1H, s), 9.46 (1H, s), 9.29 (1H, s), 9.23 (1H, s), 9.07 (1H, s), 8.47 (1H, d), 8.00 (1H, s), 7.94 (1H, s), 7.82 (2H, m), 7.73 (1H, s),7.40 (1H, s), 7.32 (1H, d), 7.27 (1H, d), 3.83 (4H, m), 3.45 (4H, m), 2.50 (3H, s), 2.43 (3H, s). LCMS (ESI): 600 (M + H)+.
【0142】
実施例15.(化合物番号15)4-(2,4-ジメチル-1H-イミダゾ-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化107】
LCMS (ESI): 609 (M + H)+.
【0143】
実施例16.(化合物番号16)4-(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-N-(4-メチル-3-(2-((6-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化108】
LCMS (ESI): 614 (M + H)+.
【0144】
実施例17.(化合物番号17)N-(3-(2-アミノピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化109】
1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 9.83 (1H, brs), 9.33 (1H, s), 9.01 (1H, s), 8.35 (1H, s), 8.34 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.00 (1H, s), 7.94 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.82 (3H, m),7.32 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.59 (2H, brs), 2.42 (3H, s). LCMS (ESI): 424 (M + H)+.
【0145】
実施例18.(化合物番号18)N-(3-(2-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化110】
1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 10.51 (1H, s), 9.32 (1H, brs), 9.00 (1H, s), 8.33 (1H, s), 8.26 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.94 (2H, m), 7.86 (1H, s), 7.77 (3H, m), 7.33 (1H, d,J = 8.4 Hz), 4.76 (1H, brs), 3.57 (2H, m), 3.50 (2H, m), 2.90 (1H, m), 2.37 (3H, s). LCMS (ESI): 468 (M + H)+.
【0146】
実施例19.(化合物番号19)N-(3-(2-(サイクリックプロピルアミノ)-ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化111】
1H-NMR: (400 MHz, DMSO-d6): δ (ppm): 10.52 (1H, s), 9.32 (1H, brs), 9.06 (1H, s), 8.33 (1H, s), 8.28 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.04 (1H, s), 7.96 (2H, m), 7.94 (1H, s), 7.82 (2H, m),7.32 (1H, d, J = 8.4 Hz), 2.90 (1H, m), 2.37 (3H, s), 0.77 (2H, m), 0.58 (2H, m). LCMS (ESI): 464 (M + H)+.
【0147】
実施例20.(化合物番号20)N-(4-メチル-3-(2-(フェニルアミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化112】
LCMS (ESI): 500 (M + H)+.
【0148】
実施例21.(化合物番号21)N-(4-メチル-3-(2-((1-メチル-1H-ピラゾ-4-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化113】
1H-NMR: (400 MHz, Acetone-d6): δ (ppm): 9.83 (1H, s), 9.37 (1H, s), 9.22 (1H, s), 8.35 (3H, m), 8.02 (1H, s), 8.01 (1H, d), 7.93 (1H, s), 7.87 (2H, m), 7.76 (1H, s), 7.34 (1H,d), 3.93 (3H, s), 2.43 (3H, s). LCMS (ESI): 504 (M + H)+.
【0149】
実施例22.(化合物番号22)N-(3-(2-((1,3-ジメチル-1H-ピラゾ-ル-5-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化114】
LCMS (ESI): 518 (M + H)+.
【0150】
実施例23.(化合物番号23)N-(4-メチル-3-(2-((4-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)フェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化115】
LCMS (ESI): 515 (M + H)+.
【0151】
実施例24.(化合物番号24)N-(3-(2-((2,6-ジメチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化116】
1H-NMR: (400 MHz, Acetone-d6): δ (ppm): 9.84 (1H, s), 9.46 (1H, s), 9.08 (1H, s), 8.47 (1H, s), 8.36 (2H, m), 8.17 (1H, d), 8.03 (1H, s), 7.94 (2H, s), 7.82 (2H, m), 7.34 (1H,d), 7.16 (1H, d), 2.57 (3H, s), 2.50 (3H, s), 2.43 (3H, s). LCMS (ESI): 529 (M + H)+.
【0152】
実施例25.(化合物番号25)N-(3-(2-((4-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化117】
LCMS (ESI): 612 (M + H)+.
【0153】
実施例26.(化合物番号26)N-(3-(2-((3-(4-エチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)ピリド[3,4-d]ピリミジン-6-イル)-4-メチルフェニル)-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【化118】
LCMS (ESI): 612 (M + H)+.
【0154】
[実験例]
実験例1.キナ-ゼ阻害活性の測定
本発明の化合物に対するタンパク質キナ-ゼの阻害活性(%阻害能)を測定するために、キナ-ゼパネル(full kinase panel)で生化学的アッセイを行った。
実験化合物4を1μMの単一濃度処理時にキナ-ゼの阻害効能を測定して、残留%酵素活性値を算出した。算出された残留%酵素活性値が30%以下(すなわち70%以上阻害された場合)のキナ-ゼを確認した。
<70%以上の阻害能を有するキナ-ゼ>
ABL1、ABL2/ARG、ACK1、ARAF、BLK、BMX/ETK、BRAF、BRK、BTK、c-Kit、c-Src、CSK、DDR1、DDR2、EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、ERBB2/HER2、ERBB4/HER4、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGR、FLT1/VEGFR1、FLT4/VEGFR3、FMS、FRK/PTK5、FYN、GCK/MAP4K2、HCK、HGK/MAP4K4、JAK1、JAK2、KDR/VEGFR2、KHS/MAP4K5、LCK、LYN、LYN B、MEKK1、MLK4、MYLK3、NEK5、P38a/MAPK14、P38b/MAPK11、PDGFRa、PDGFRb、PEAK1、RET、RIPK2、RIPK4、SIK2、SRPK1、TAOK3/JIK、TLK1、TNK1、TXK、TYK2、YES/YES1、YSK4/MAP3K19、ZAK/MLTK
【0155】
実験例2.GCKおよびACK1キナ-ゼ抑制活性
本発明の化合物に対して、GCKおよびACK1の両キナ-ゼに対する阻害能を測定してIC50値を算出した。算出したIC50値は下記表1に示した。対照群として下記の化合物GNF7を対照群として使用した。
[対照群:GNF7]
【化119】
算出したIC50値は下記表1に示した。
【表1】
【0156】
実験例3.OCI-AML3(N-Ras Q61L)およびBa/F3(N-Ras G12D)増殖抑制活性
本発明の化合物に対して、mt-NRAS(G12D)Ba/F3、OCI-AML3(mt-NRAS)細胞株で増殖抑制能を測定してGI50値を算出した。算出したGI50値は下記表2に示した。
【表2】
前記表2の結果によれば、本発明の化合物は、NRAS突然変異遺伝子を有するヒト急性骨髄性白血病細胞株(OCI-AML3)に対する増殖抑制活性を有し、その効果が著しいことが分かる。したがって、本発明の化合物は、急性骨髄性白血病(AML)の治療剤として特に有効であることが分かる。
【0157】
実験例4.Ba/F3(Parental)増殖抑制活性
本発明の化合物に対して、Ba/F3(Parental)細胞株で増殖抑制能を測定してGI50値を算出した。算出したGI50値は下記表2に示した。
【表3】
本発明の化合物は、Ba/F3(Parental)に対して、対照群に比べて阻害活性が低いため、細胞毒性が少ないことが分かる。
【0158】
[製剤例]
一方、本発明による前記化学式1で表される新規化合物は、目的によって多様な形態に製剤化可能である。以下、本発明による前記化学式1で表される化合物を活性成分として含有させたいくつかの製剤化方法を例示したもので、本発明がこれに限定されるものではない。
【0159】
製剤例1:錠剤(直接加圧)
活性成分5.0mgを篩にかけた後、ラクト-ス14.1mg、クロスポビドンUSNF0.8mgおよびマグネシウムステアレ-ト0.1mgを混合し、加圧して錠剤にした。
【0160】
製剤例2:錠剤(湿式造粒)
活性成分5.0mgを篩にかけた後、ラクト-ス16.0mgとデンプン4.0mgを混合した。ポリソルベ-ト80 0.3mgを純粋な水に溶かした後、この溶液の適量を添加した後、微粒化した。乾燥後に微粒を篩にかけた後、コロイダルシリコンジオキシド2.7mgおよびマグネシウムステアレ-ト2.0mgと混合した。微粒を加圧して錠剤にした。
【0161】
製剤例3:粉末とカプセル剤
活性成分5.0mgを篩にかけた後に、ラクト-ス14.8mg、ポリビニルピロリドン10.0mg、マグネシウムステアレ-ト0.2mgと共に混合した。混合物を適当な装置を用いて硬いNo.5のゼラチンカプセルに満たした。
【0162】
製剤例4:注射剤
活性成分として100mgを含有させ、その他にも、マンニト-ル180mg、NaHPO・12HO26mgおよび蒸留水2974mgを含有させて注射剤を製造した。
【0163】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることを理解するであろう。そのため、以上に述べた実施例はあらゆる面で例示的であり、限定的ではないと理解しなければならない。