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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】通信トラフィック需要の推定
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/18 20090101AFI20240802BHJP
   H04W 16/22 20090101ALI20240802BHJP
【FI】
H04W16/18
H04W16/22
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022561035
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2021058595
(87)【国際公開番号】W WO2021204660
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】20205360
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】カリーリョ,マリア
(72)【発明者】
【氏名】サントス,ギル
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0379592(US,A1)
【文献】米国特許第08364155(US,B1)
【文献】特開2003-163975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、
1つまたは複数のソーシャルメディアアプリケーションを使用することによって、関心エリアにおける複数の場所のレコードを記憶するソーシャルメディアレイヤを形成するステップと、
前記複数の場所の実際のジオロケーションを記憶する少なくとも1つのソースを使用することによって、前記複数の場所を前記実際のジオロケーションにマッピングするジオロケーションレイヤを形成するステップと、
前記複数の場所を複数のクラスに分類し、各場所に前記場所のクラスに依存するトラフィックキャパシティ需要を示す重みを割り当てるステップと、
前記ジオロケーションレイヤによって提供される前記複数の場所の前記実際のジオロケーションおよび前記重みによって示される場所ごとの前記トラフィックキャパシティ需要に基づいて、前記関心エリアのキャパシティレイヤを構築するステップであって、前記キャパシティレイヤは、前記関心エリアの複数のサブエリアにおけるネットワークトラフィックキャパシティ需要の空間分布を示し、前記複数のサブエリアが、少なくとも1つの前記複数の場所を有するサブエリアおよび前記複数の場所間の複数のサブエリアを備えるステップとを前記装置に実行させることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、セルラーネットワークインフラストラクチャのネットワーク計画に対する前記キャパシティレイヤを出力するステップを前記装置にさせることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記ソーシャルメディアレイヤ内の前記同じレコードに、前記同じ場所を示すソーシャルメディアデータを組み合わせるステップであって、前記ソーシャルメディアデータは少なくとも第1のデータソースおよび第2のデータソースから取得され、両方のソーシャルメディアデータが互いにある距離内の前記場所のロケーションを示す場合および/または両方のソーシャルメディアデータが所定の閾値を超える類似度を有する名前によって同じ場所を示す場合、前記第1のデータソースから取得されるソーシャルメディアデータは、前記第2のデータソースから取得されるソーシャルメディアデータと同じ場所を表すとみなされるステップを前記装置にさせることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記トラフィックキャパシティ需要に対する推定にしたがって、前記キャパシティレイヤを構築するステップを前記装置にさせることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記場所の少なくとも2つの前記重みに基づいて、前記場所の少なくとも2つの間のサブエリアに対する前記ネットワークトラフィックキャパシティ需要を計画するステップを前記装置にさせることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、他の関心エリア内の複数の他の場所のレコードおよび前記複数の他の場所のそれぞれについて、それぞれの場所の前記トラフィックキャパシティ需要を示す前記複数のクラスの1つを記憶するソーシャルメディアレイヤの情報、および前記他の関心エリアにおける測定されたトラフィックキャパシティ需要の情報を前記キャパシティレイヤを構築するためのトレーニング入力として使用するステップを前記装置にさせることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記それぞれの場所の前記サブエリアの人口統計タイプにさらに基づいて前記重みを割り当てるステップを前記装置にさせることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
関心エリア内のネットワークトラフィックキャパシティ需要を推定するコンピュータによって実行される方法であって、
1つまたは複数のソーシャルメディアアプリケーションを使用することによって、前記関心エリアにおける複数の場所のレコードを記憶するソーシャルメディアレイヤを形成するステップと、
前記複数の場所の実際のジオロケーションを記憶する少なくとも1つのソースを使用することによって、前記複数の場所をジオロケーションにマッピングするジオロケーションレイヤを形成するステップと、
前記複数の場所を複数のクラスに分類し、各場所に前記場所のクラスに依存するトラフィックキャパシティ需要を示す重みを割り当てるステップと、
前記ジオロケーションレイヤによって提供される前記複数の場所の前記実際のジオロケーションおよび前記重みによって示される場所ごとの前記トラフィックキャパシティ需要に基づいて、前記関心エリアのキャパシティレイヤを構築するステップであって、前記キャパシティレイヤは、前記関心エリアの複数のサブエリアにおけるネットワークトラフィックキャパシティ需要の空間分布を示し、前記複数のサブエリアが、少なくとも1つの前記複数の場所を有するサブエリアおよび前記複数の場所間の複数のサブエリアを含むステップとを備えるコンピュータ実装方法。
【請求項9】
セルラーネットワークインフラストラクチャのネットワーク計画において前記キャパシティレイヤを使用するステップと、前記セルラーネットワークインフラストラクチャのセルのロケーションを選択するステップとをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ソーシャルメディアレイヤ内の前記同じレコードに、同じ場所を示すソーシャルメディアデータを組み合わせるステップであって、前記ソーシャルメディアデータは少なくとも第1のデータソースおよび第2のデータソースから取得され、両方のソーシャルメディアデータが互いにある距離内の前記場所のロケーションを示す場合および/または両方のソーシャルメディアデータが所定の閾値を超える類似度を有する名前によって同じ場所を示す場合、前記第1のデータソースから取得されるソーシャルメディアデータは、前記第2のデータソースから取得されるソーシャルメディアデータと同じ場所を表すステップをさらに備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記キャパシティレイヤはネットワークトラフィックの量を示す測定データなしに構築されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ネットワークトラフィックキャパシティ需要は、前記複数の場所の少なくとも2つの前記重みに基づいて、前記複数の場所の少なくとも2つの間のサブエリアに対して計画されることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
他の関心エリア内の複数の他の場所のレコードおよび前記複数の他の場所のそれぞれについて、それぞれの場所の前記トラフィックキャパシティ需要を示す前記複数のクラスの1つを記憶するソーシャルメディアレイヤの情報、および前記他の関心エリアにおける測定されたトラフィックキャパシティ需要の情報を前記キャパシティレイヤを構築するためのトレーニング入力として使用することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記それぞれの場所の前記サブエリアの人口統計タイプにさらに基づいて前記重みは割り当てられることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ可読媒体上に具体化され、第1のワイヤレスネットワークの装置についてコンピュータによって実行されるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムであって、関心エリア内のネットワークトラフィックキャパシティ需要を推定するコンピュータプロセスであって、
1つまたは複数のソーシャルメディアアプリケーションを使用することによって、前記関心エリアにおける複数の場所のレコードを記憶するソーシャルメディアレイヤを形成するステップと、
前記複数の場所の実際のジオロケーションを記憶する少なくとも1つのソースを使用することによって、前記複数の場所を前記実際のジオロケーションにマッピングするジオロケーションレイヤを形成するステップと、
前記複数の場所を複数のクラスに分類し、各場所に前記場所のクラスに依存するトラフィックキャパシティ需要を示す重みを割り当てるステップと、
前記ジオロケーションレイヤによって提供される前記複数の場所の前記実際のジオロケーションおよび前記重みによって示される場所ごとの前記トラフィックキャパシティ需要に基づいて、前記関心エリアのキャパシティレイヤを構築するステップであって、前記キャパシティレイヤは、前記関心エリアの複数のサブエリアにおけるネットワークトラフィックキャパシティ需要の空間分布を示し、前記複数のサブエリアは、少なくとも1つの前記複数の場所および前記複数の場所間のサブエリアを有するステップとを含むコンピュータプロセスを前記コンピュータプログラムコードが実行するように前記コンピュータを構成するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明する様々な実施形態は、ワイヤレス通信の分野に関し、特に、関心エリアにおけるキャパシティ需要またはトラフィック密度を推定することに関する。
【背景技術】
【0002】
セルラーネットワークインフラストラクチャを構築または修正するためのネットワーク計画は、エリアにおけるキャパシティ需要を推定することを目的とする。エリア内の母集団密度は、ネットワーク計画における入力として使用され得るが、密度は必ずしもキャパシティ需要と相関しない。例えば、密度は、異なるネットワークオペレータの顧客間で不均等に分配されてもよい。ネットワークの動作中のネットワーク計画は、キャパシティを示すいくつかの主要性能インジケータを監視することによって、および主要性能インジケータの結果に反応することによって可能である。
【発明の概要】
【0003】
本発明のいくつかの態様は、独立請求項によって定義される。
【0004】
本発明のいくつかの実施形態は、従属請求項において定義される。
【0005】
独立請求項の範囲に入らない本明細書に記載される実施形態および特徴は、存在する場合、本発明の様々な実施形態を理解するのに有用な例として解釈されるべきである。本開示のいくつかの態様は、独立請求項によって定義される。
【0006】
一態様によれば、少なくとも1つのプロセッサとコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、1つまたは複数のソーシャルメディアアプリケーションを使用することによって、関心エリアにおける複数の場所のレコードを記憶するソーシャルメディアレイヤを形成するステップと、前記複数の場所の実際のジオロケーションを記憶する少なくとも1つのソースを使用することによって、前記複数の場所を前記実際のジオロケーションにマッピングするジオロケーションレイヤを形成するステップと、前記複数の場所を複数のクラスに分類し、各場所に前記場所のクラスに依存するトラフィックキャパシティ需要を示す重みを割り当てるステップと、前記ジオロケーションレイヤによって提供される前記複数の場所の前記実際のジオロケーションおよび前記重みによって示される場所ごとの前記トラフィックキャパシティ需要に基づいて、前記関心エリアのキャパシティレイヤを構築するステップであって、前記キャパシティレイヤは、前記関心エリアの複数のサブエリアにおけるネットワークトラフィックキャパシティ需要の空間分布を示し、前記複数のサブエリアが、少なくとも1つの前記複数の場所を有するサブエリアおよび前記場所間のサブエリアを備えるステップとを前記装置に実行させる。
【0007】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、セルラーネットワークインフラストラクチャのネットワーク計画に対する前記キャパシティレイヤを出力するステップを前記装置にさせる。
【0008】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記ソーシャルメディアレイヤ内の前記同じレコードに、前記同じ場所を示すソーシャルメディアデータを組み合わせるステップであって、前記ソーシャルメディアデータは少なくとも第1のデータソースおよび第2のデータソースから取得され、両方のソーシャルメディアデータが互いにある距離内の前記場所の位置を示す場合および/または両方のソーシャルメディアデータが所定の閾値を超える類似度を有する名前によって同じ場所を示す場合、前記第1のデータソースから取得されるソーシャルメディアデータは、前記第2のデータソースから取得されるソーシャルメディアデータと同じ場所を表すとみなされるステップを前記装置にさせる。
【0009】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、ネットワークトラフィックの量を示す測定データなしに前記キャパシティレイヤを構築するステップを前記装置にさせる。
【0010】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記場所の少なくとも2つの前記重みに基づいて、前記場所の少なくとも2つの間のサブエリアに対する前記ネットワークトラフィックキャパシティ需要を計画するステップを前記装置にさせる。
【0011】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、ソーシャルメディアレイヤが記憶する他の関心エリア内の他の場所のレコードおよび前記複数の場所のそれぞれについて、それぞれの場所のトラフィックキャパシティ需要を示す前記複数のクラスの1つを記憶するソーシャルメディアの情報、およびおよび前記他の関心エリアにおける測定されたトラフィックキャパシティ需要の情報を前記キャパシティレイヤを構築するためのトレーニング入力として使用するステップを前記装置にさせる。
【0012】
一実施形態によれば、前記関心エリアは第1の都市を表し、前記他の関心エリアは、前記第1の都市とは異なり、前記第1の都市のソーシャルメディアアクティビティと相関するソーシャルメディアアクティビティを有すると判断される第2の都市を表す。
【0013】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、少なくとも、前記ジオロケーションレイヤを使用することによって、前記関心エリアを前記複数のサブエリアに分割するステップと、前記サブエリア内の1つまたは複数の場所の1つまたは複数の前記重みを使用することによって、および前記複数のサブエリアの各々に隣接するサブエリア内の1つまたは複数の場所の1つまたは複数の前記重みをさらに使用することによって、前記複数のサブエリアの各々に対するトラフィックキャパシティ需要を算出するステップとを実行することによって、前記キャパシティレイヤを構築するステップを前記装置にさせる。
【0014】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記それぞれの場所の前記サブエリアの人口統計タイプにさらに基づいて前記重みを割り当てるステップを前記装置にさせる。
【0015】
一実施形態によれば、サブアーバンまたはルーラル人口統計タイプを有するサブエリア内の前記決定されたクラスよりもアーバン人口統計タイプを有するサブエリア内の決定されたクラスに高いトラフィックキャパシティ需要が割り当てられる一方、サブアーバンまたはルーラル人口統計タイプを有するサブエリア内の別に決定されたクラスよりもアーバン人口統計タイプを有するサブエリア内の前記別に決定されたクラスにより低いトラフィックキャパシティ需要が割り当てられる。
【0016】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに、前記関心エリア内の建物タイプおよび建物サイズの少なくとも1つの情報を取得するステップと、前記キャパシティレイヤを構築する場合、前記建物タイプおよび建物サイズの少なくとも1つをさらなる入力として使用するステップとを前記装置にさせる。
【0017】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つのメモリおよびコンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサとともに前記ソーシャルメディアレイヤにおいて、前記1つまたは複数のソーシャルメディアアプリケーションから取得された前記複数の場所のアドレスを記憶するステップと、前記アドレスを前記ジオロケーションレイヤ内の地理的座標にマッピングするステップと、前記地理的座標を使用することによって、前記複数の場所を前記サブエリアにマッピングするステップとを前記装置にさせる。
【0018】
一態様によれば、関心エリア内のネットワークトラフィックキャパシティ需要を推定するコンピュータ実装方法であって、1つまたは複数のソーシャルメディアアプリケーションを使用することによって、関心エリアにおける複数の場所のレコードを記憶するソーシャルメディアレイヤを形成するステップと、前記場所の実際のジオロケーションを記憶する少なくとも1つのソースを使用することによって、前記場所を前記実際のジオロケーションにマッピングするジオロケーションレイヤを形成するステップと、前記場所を複数のクラスに分類し、各場所に前記場所のクラスに依存するトラフィックキャパシティ需要を示す重みを割り当てるステップと、前記ジオロケーションレイヤによって提供される前記場所の前記実際のジオロケーションおよび前記重みによって示される場所ごとの前記トラフィックキャパシティ需要に基づいて、前記関心エリアのキャパシティレイヤを構築するステップであって、前記キャパシティレイヤは、前記関心エリアの複数のサブエリアにおけるネットワークトラフィックキャパシティ需要の空間分布を示し、前記複数のサブエリアは、少なくとも1つの前記場所および前記場所間のサブエリアを有するステップとを備えるコンピュータ実装方法が提供される。
【0019】
一実施形態によれば、前記コンピュータ実装方法は、セルラーネットワークインフラストラクチャのネットワーク計画において前記キャパシティレイヤ使用するステップと、前記セルラーネットワークインフラストラクチャのセルの場所を選択するステップとをさらに備える。
【0020】
一実施形態によれば、前記コンピュータ実装方法は、前記ソーシャルメディアレイヤ内の前記同じレコードに、同じ場所を示すソーシャルメディアデータを組み合わせるステップであって、前記ソーシャルメディアデータは少なくとも第1のデータソースおよび第2のデータソースから取得され、両方のソーシャルメディアデータが互いにある距離内の前記場所の位置を示す場合および/または両方のソーシャルメディアデータが所定の閾値を超える類似度を有する名前によって同じ場所を示す場合、前記第1のデータソースから取得されるソーシャルメディアデータは、前記第2のデータソースから取得されるソーシャルメディアデータと同じ場所を表すステップをさらに備える。
【0021】
一実施形態によれば、前記キャパシティレイヤはネットワークトラフィックの量を示す測定データなしに構築される。
【0022】
一実施形態によれば、前記ネットワークトラフィックキャパシティ需要は、少なくとも2つの前記重みに基づいて、前記場所の少なくとも2つの間のサブエリアに対して計画される。
【0023】
一実施形態によれば、ソーシャルメディアレイヤが記憶する他の関心エリア内の他の場所のレコードと、前記他の場所のそれぞれについて、それぞれの場所のトラフィックキャパシティ需要を示す前記複数のクラスの1つが記憶される、および前記他の関心エリアにおける測定されたトラフィックキャパシティ需要を前記キャパシティレイヤを構築するためのトレーニング入力として使用する。
【0024】
一実施形態によれば、前記関心エリアは第1の都市を表し、前記他の関心エリアは、前記第1の都市とは異なり、前記第1の都市のソーシャルメディアアクティビティと相関するソーシャルメディアアクティビティを有すると判断される第2の都市を表す。
【0025】
一実施形態によれば、少なくとも、前記ジオロケーションレイヤを使用することによって、前記関心エリアを前記複数のサブエリアに分割するステップと、前記サブエリア内の1つまたは複数の場所の1つまたは複数の前記重みを使用することによって、および前記複数のサブエリアの各々に隣接するサブエリア内の1つまたは複数の場所の1つまたは複数の前記重みをさらに使用することによって、前記複数のサブエリアの各々に対するトラフィックキャパシティ需要を算出するステップとを実行することによって、前記キャパシティレイヤは構築される。
【0026】
一実施形態によれば、前記それぞれの場所の前記サブエリアの人口統計タイプにさらに基づいて前記重みは割り当てられる。
【0027】
一実施形態によれば、サブアーバンまたはルーラル人口統計タイプを有するサブエリア内の前記決定されたクラスよりもアーバン人口統計タイプを有するサブエリア内の決定されたクラスに高いトラフィックキャパシティ需要が割り当てられる一方、サブアーバンまたはルーラル人口統計タイプを有するサブエリア内の別に決定されたクラスよりもアーバン人口統計タイプを有するサブエリア内の前記別に決定されたクラスにより低いトラフィックキャパシティ需要が割り当てられる。
【0028】
一実施形態によれば、前記関心エリア内の建物タイプおよび建物サイズの少なくとも1つの情報が取得され、前記キャパシティレイヤを構築する場合前記建物タイプおよび建物サイズの少なくとも1つが使用される。
【0029】
一実施形態によれば、前記コンピュータ実装命令は、前記ソーシャルメディアレイヤにおいて、前記1つまたは複数のソーシャルメディアアプリケーションから取得された前記複数の場所のアドレスを記憶するステップと、前記アドレスを前記ジオロケーションレイヤ内の地理的座標にマッピングするステップと、前記地理的座標を使用することによって、前記複数の場所を前記サブエリアにマッピングするステップとをさらに含む。
【0030】
一態様によれば、コンピュータ可読媒体上に具体化され、第1のワイヤレスネットワークの装置についてコンピュータによって読み取り可能なコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラム製品であって、関心エリア内のネットワークトラフィックキャパシティ需要を推定するコンピュータプロセスであって、1つまたは複数のソーシャルメディアアプリケーションを使用することによって、関心エリアにおける複数の場所のレコードを記憶するソーシャルメディアレイヤを形成するステップと、前記場所の実際のジオロケーションを記憶する少なくとも1つのソースを使用することによって、前記場所を前記実際のジオロケーションにマッピングするジオロケーションレイヤを形成するステップと、前記場所を複数のクラスに分類し、各場所に前記場所のクラスに依存するトラフィックキャパシティ需要を示す重みを割り当てるステップと、前記ジオロケーションレイヤによって提供される前記場所の前記実際のジオロケーションおよび前記重みによって示される場所ごとの前記トラフィックキャパシティ需要に基づいて、前記関心エリアのキャパシティレイヤを構築するステップであって、前記キャパシティレイヤは、前記関心エリアの複数のサブエリアにおけるネットワークトラフィックキャパシティ需要の空間分布を示し、前記複数のサブエリアは、少なくとも1つの前記場所および前記場所間のサブエリアを有するステップとを含むコンピュータプロセスを前記コンピュータプログラムコードが実行するように前記コンピュータを構成するコンピュータプログラム製品が提供される。
【0031】
一実施形態によれば、前記コンピュータプログラム製品は、前記コンピュータプログラム実装方法の前記上述の実施形態のいずれか1つを実行するために前記コンピュータを構成するためのコンピュータプログラムコードをさらに含む。
【0032】
実施形態は、添付の図面を参照して、単なる例として以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、セルラーネットワーク計画を示す図である。
図2図2は、関心エリアに対する通信サービスキャパシティ需要を推定するためのプロセスの一実施形態を示す図である。
図3図3は、図2のプロセスのいくつかの実施形態を示す図である。
図4図4は、関心エリアをグリッドに分割することによってキャパシティレイヤがどのように構築されるかを示す図である。
図5図5は、機械学習アルゴリズムをトレーニングし、キャパシティレイヤを構築する際にトレーニングされた機械学習を使用することを示す図である。
図6図6は、機械学習の構造および動作を示す図である。
図7図7は、機械学習の構造および動作を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態による装置の構造を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の実施形態は例である。本明細書は、いくつかの箇所で「一(an)」、「ある(one)」、または「いくつかの(some)」実施形態と言及する場合があるが、これは、必ずしも、そのようなそれぞれの言及が同じ実施形態に対するものであること、または特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを意味するものではない。異なる実施形態の単一の特徴を組み合わせて他の実施形態を提供することもできる。さらに、「備える(comprising)」および「含む(including)」という用語は、記載された実施形態を、言及された特徴のみからなるように限定するものではなく、そのような実施形態は、具体的に言及されていない特徴/構造も含み得ると理解されるべきである。
【0035】
図1は、セルラー通信システムのセルラカバレッジの概念を示す図である。セルラー通信システムは、Global System for Mobile Communicationsなどの第2世代システムから、ロングタームエボリューションアドバンスド(LTE Advanced、LTE-A)または新無線(NR、5G)などの現代システムまでの任意のシステムであってよく、実施形態をいかなるアーキテクチャにも限定しない。実施形態は、他の種類の通信ネットワークにも適用され得る。適切なシステムのための他のオプションのいくつかの例は、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)無線アクセスネットワーク(UTRANまたはE-UTRAN)、ロングタームエボリューション(LTE、E-UTRAと同じ)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLANまたはWiFi)、マイクロ波アクセスのためのワールドワイドインターオペラビリティ(WiMAX)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、またはそれらの任意の組合せである。
【0036】
図1を参照すると、セルラーネットワークの計画の一態様は、例えば、セルラーネットワークオペレータがカバレッジを提供することを選択する関心エリア(AOI)のあらゆる部分においてカバレッジを提供することである。人口密度が高い都市および他の地域は、通信サービスのユーザ数が多いため、特にポピュラーである。このような地域では、カバレッジだけでなく、通信サービスの需要を満たす充分な通信サービスキャパシティを提供することに特別な関心がもたれている。今日、人々はモバイルであり、その結果、エリアにおけるサービス需要を推定することは容易ではない。広いエリアをカバーするマクロセル100、102、104のレベルでは、サービス需要がより安定しているより大きいエリアのために推定はより容易である。しかしながら、建物または都市内の各建物などのより小さいエリアに対するサービス需要を推定することは、時間がかかり、かつ不正確である。各建物を別々に評価しなければならないという意味では時間がかかる。これは、小さいエリア内の人のモビリティが予測不可能であるという意味で不正確である。したがって、スモールセル110、112またはマクロセル内のホットスポットに対する需要を推定することは、より厳しい。
【0037】
セルラー通信システムの地理的カバレージエリアは、複数の異なる種類の無線セルを備え得る。無線セルは、通常数十キロメートルまでの直径を有する大きなセルであるマクロセル100、102、104(またはアンブレラセル)を含み得る。マクロセル内で、マイクロセル、フェムトセル、またはピコセルなどのより小さいセルが、サービス容量を改善するためにローカルホットスポットを提供するために確立され得る。現代のセルラー通信システムは、いくつかの種類のセルを含むマルチレイヤネットワークとして実装され得る。典型的には、マルチレイヤネットワークでは、1つのアクセスノードまたは基地局(いくつかのシステム仕様ではeNB、gNB)が1つのタイプのセルまたは複数のセルを提供し、そのようなネットワーク構造を提供するために複数のセルまたは複数のセルが必要とされる。
【0038】
図2は、関心エリアにおける通信サービス需要を推定するためのコンピュータ実装プロセスの一実施形態を示す。図2を参照すると、このプロセスは、少なくとも1つのプロセッサまたはコンピュータ処理システムによって実行されるとき、1つまたは複数のソーシャルメディアアプリケーションを使用することによって、関心エリア内の複数の場所のレコードを記憶するソーシャルメディアレイヤを形成するステップ(ブロック200)と、場所の実際のジオロケーションを記憶する少なくとも1つのソースを使用することによって、場所をジオロケーションにマッピングするジオロケーションレイヤを形成するステップ(ブロック202)と、場所を複数のクラスに分類するステップ(ブロック204)であって、各場所に、場所のクラスに依存するトラフィック容量需要を示す重みを割り当てるステップと、そして、ジオロケーションレイヤによって提供される場所の実際のジオロケーションおよび重みによって示される場所ごとのトラフィックキャパシティ需要に基づいて、関心エリアのためのキャパシティレイヤを構築するステップ(ブロック204)であって、キャパシティレイヤは、関心エリアの複数のサブエリアにおけるネットワークトラフィックキャパシティ需要の空間分布を示し、複数のサブエリアは、場所および場所間のサブエリアのうち少なくとも1つを有するステップとを備える。カフェ、レストラン、ホテルなどの様々な場所へのユーザのロケーションのマッピングを可能にする様々なソーシャルメディアアプリケーションがある。そのようなアプリケーションの例は、Facebook、Twitter、Foursquare、Google Places、Yellow Pagesなどを含む。そのようなアプリケーションは、人々のロケーションおよび人々の分布の推定を可能にするソーシャルメディアデータのソースとして使用され得る。それらは、典型的には、人々と場所との間のマッピングと、場所のロケーションの指示とを提供する。しかしながら、アプリケーションに応じて、ロケーションは、低い地理的精度を有し得る。いくつかのアプリケーションは、サイトのロケーションを提供するために衛星測位を使用する。衛星測位は、衛星測位を実行するときのシステムおよびユーザのロケーションに応じて、不正確であり得る。測位誤差は、数メートル以上である場合があり、これは、そのようなソースを、非常に小さいAOI、例えば100平方メートルにおけるトラフィック需要を推定するのにあまり適用できないものにする。いくつかのソーシャルメディアアプリケーションは、その場所のアドレスの登録を可能にするが、登録されたアドレスは、例えば、ソーシャルメディアアプリケーションの不正確な地理的測位能力のために、その実際のジオロケーションに関して不正確になり得る。図2の実施形態は、地理的レイヤを使用して、場所のロケーションに対してより正確なデータソースを使用することによって、地理的ロケーション(座標)を補正するように場所を結び付ける。そのようなソースは、例えば、AOIの地理的マップにマッピングされ得る各場所のアドレスを示し得る。地理的レイヤのための別のデータソースは、場所のロケーションを記憶するナビゲーションアプリケーションであり得る。そのようなナビゲーションアプリケーションの一例は、HERE(登録商標)アプリケーションである。地理的レイヤのデータソースの別の例は、Facebook、Twitter、Foursquareなどよりも正確な場所の地理的位置を提供するGoogle Placesである。場所がそれらの正しい地理的ロケーションに結び付けると、トラフィックキャパシティ需要のより正確な推定を行うことができ、したがって、より正確なキャパシティレイヤを提供する。
【0039】
一実施形態では、ソーシャルメディアデータのソースが場所の正確なロケーションを提供すると判定された場合、ブロック202は、ソーシャルメディアデータのソースから取得された場所のロケーションを利用し得る。そのような正確なソースの例は、Google Placesである。
【0040】
一実施形態では、キャパシティレイヤは、セルラーネットワークインフラストラクチャのネットワーク計画のために使用される。この点において、キャパシティレイヤは、関心エリアにおける平均または静的トラフィックキャパシティ需要分布を表すと理解され得る。これは、トラフィックキャパシティ需要における一定の、周期的な、またはそうでなければ規則的な傾向に関して理解することができ、ネットワーク計画を容易にする。セル、特にスモールセルの位置は、キャパシティレイヤに基づいて決定され得る。しかしながら、キャパシティレイヤは、他の目的にも使用され得る。
【0041】
一実施形態では、ソーシャルメディアレイヤは、各場所について、1つまたは複数のソーシャルメディアアプリケーションを使用することによってその場所でチェックインしたいくつかのユーザを記憶する。チェックインの数は、特定の場所に対する重みを割り当てるための入力として使用され得る。チェックインは、ソーシャルメディアアプリケーションのコントラストにおいて理解され得る。ある人がソーシャルメディアアプリケーションの場所のレビュー、例えばTripAdvisorを書いた場合、その人はその場所にチェックインしている。人がFacebook、Twitter、またはFoursquareなどのソーシャルメディアアプリケーションの場所で訪問を示した場合、その人はその場所でチェックインしている。多くのソーシャルメディアアプリケーションは、入力として直接使用することができる各場所のチェックインの数を追跡する。
【0042】
一実施形態では、キャパシティレイヤは、AOI内の1つまたは複数のワイヤレスネットワークにおいて測定されたネットワークトラフィックの量を示す測定データなしに構築される。測定されたトラフィックは、例えば、ネットワーク計画およびセルロケーションの決定のために、重みを割り当てるための追加の入力として使用されてもよく、または測定されたトラフィックは、ブロック204の実行をトレーニングするために使用されてもよいが、必須ではない。ソーシャルメディアレイヤは、AOIにおける人々の分布の表示を提供し、ジオロケーションレイヤは、場所を正しい地理的ロケーションに結び付ける。人々の分布の表示は、AOI内の場所へのチェックイン、AOI内の場所の評価、AOI内の場所の営業時間等の情報を含んでもよい。
【0043】
上記のように、場所は分類されてもよい。クラスは、場所の経済的、共同的、または社会的機能、例えば、カフェ、レストラン、教会、住宅建物、オフィス、政府建物などを定義することができる。これは、ソーシャルメディアレイヤ、したがってキャパシティレイヤを構築するときに追加の入力として使用され得る。例えば、Google Places Application Programming Interface(ApI)は、そのような場所を見つけるためのツールである。それはまた、場所のための分類を提供し、したがって、分類に有用であり得る。分類は、関心エリアまたは場所におけるユーザごとのトラフィックキャパシティ需要を重み付けするために使用され得る。例えば、ある数のチェックインおよび/またはレーティングなどが、教会におけるトラフィックキャパシティ需要とは異なるトラフィックキャパシティ需要をカフェにおいて設定し得る。別の例として、分類は、観測されたチェックインの数なしにトラフィックキャパシティ需要を示し得る。そのような場合、重み付けは、各クラスについての統計的仮定、測定値、または観測に依存し得る。例えば、カフェはあるトラフィックキャパシティ需要を割り当てられてもよく、教会は異なるトラフィッキャパシティ需要などを割り当てられてもよい。各クラスは、トラフィックキャパシティ需要に対する固有の重みを有することができ、重みおよびAOI内の充分な数の場所のロケーションを使用することによって、総トラフィックキャパシティ需要およびその分布に対する統計的有意性をAOIに対して導出することができる。
【0044】
ソーシャルメディアレイヤは、ユーザを場所にリンクするソーシャルメディアデータを記憶するデータベースまたはデータ構造として理解され得る。データ構造は、各場所に対するレコードを含んでもよく、レコードは、場所の名前または別の識別子と、場所にリンクされたユーザの数とを含む。さらに、レコードは、場所に関連し、ソーシャルメディアアプリケーションから取得された他の情報を記憶することができる。そのような他の情報は、場所のロケーションにおけるトラフィックキャパシティ需要、たとえば、ユーザごとのトラフィックキャパシティを示してもよく、例えば、場所のユーザレーティングおよび/または場所の営業時間を含み得る。ソーシャルメディアレイヤは、公的に利用可能なソースから取得されたソーシャルメディアデータに基づいて構築されてもよく、および/または市販されているソーシャルメディアデータに基づいて構築されてもよい。
【0045】
キャパシティレイヤが構築された後、ソーシャルメディアレイヤは削除されてもよい。いくつかのソースは、取得されたソーシャルメディアデータの時間的制限を指定することができる。いずれの場合も、ソーシャルメディアレイヤの目的は、キャパシティレイヤを構築することであってもよく、キャパシティレイヤが構築されると、ソーシャルメディアレイヤは、もはや必要とされず、廃棄され得る。
【0046】
次に、図3を参照して図2のプロセスのいくつかの実施形態を説明する。図3は、ブロック200~204の様々な実施形態を説明し、様々な実施形態は、互いに独立していると考えられる。図3を参照すると、ソーシャルメディアデータは、ソーシャルメディアアプリケーションごとに別々に、様々なデータベースに記憶され得る。例としては、Google Placesデータベース300、Facebookデータベース302、Foursquareデータベース304が挙げられる。図3のプロセスを実行するコンピュータシステムは、そのようなデータベースにアクセスし、ユーザを場所にリンクするソーシャルメディアデータを取得することができる。そのようなソーシャルメディアデータは、チェックインデータ、場所ごとのユーザレーティングデータ、および/またはユーザが場所のジオロケーションで場所を訪問したことを示す他の情報を含み得る。データベースからソーシャルメディアデータを取得した結果として、コンピュータシステムは、発見されたサイトごとのレコードを含むデータベースを構築することができる。
【0047】
様々なソーシャルメディアアプリケーションおよびデータベースは、同じまたは同様の情報を異なる名前またはクラスによって記憶することができる。例えば、あるデータベース内の場所の名前は、別のデータベース内の同じサイトの名前とは異なり得る。さらに、異なるデータベースは、同じ場所に対して異なる分類を使用してもよい。さらに、異なるデータベースは、場所のロケーションをアドレスまたは地理的座標として記憶し得るが、ロケーションの精度は、上述のように変動し得る。したがって、データベースは、この段階で、同じ場所の複製であるレコードを含むことができ、レコードは、同じ場所の同じまたは異なる情報を記憶することができる。ブロック310において、コンピュータシステムは、同じ場所を表すが異なるソーシャルメディアソースから収集されたソーシャルメディアデータを組み合わせることができる。一実施形態では、コンピュータシステムは、ソーシャルメディアレイヤ305内の同じレコードに、同じ場所を表すソーシャルメディアデータを組み合わせる。ファジー論理または別の方式が、組み合わせにおいて使用され得る。組み合わせは、以下の原理に従うことができる。第1のデータソースから取得されたソーシャルメディアデータは、両方のソーシャルメディアデータが互いからある距離内の場所のロケーションを示す場合、および/または両方のソーシャルメディアデータが、決定された閾値を超える類似度を有する名前によって同じ場所を示す場合、第2のデータソースから取得されたソーシャルメディアデータと同じ場所を表すと見なされ得る。場所の名前における類似性は、例えば、少なくとも70%の類似性、少なくとも80%の類似性、または90%の類似性を必要とする場合があり、閾値は、それに応じて設定され得る。特定の距離は、例えば、最も不正確なソーシャルメディアソースの平均推定不正確さに基づいて決定され得る。例としては、80メートル未満、70メートル未満、または60メートル未満が挙げられる。両方の条件(名前および距離)を使用することは、真に同じ場所を表すレコードを組み合わせる性能を当然に改善する。組み合わせることは、場所の名前を統合すること(ブロック312)を含んでもよく、例えば、場所の公式名が維持されてもよく、他の名前が破棄されてもよい。組み合わせの結果の一例を下記の表1に示す。明らかに、場所の数は著しく多くてもよい。
【0048】
【表1】
【0049】
表1に示すように、ソーシャルメディアデータは、異なる場所に対する様々な情報を含んでもよく、ある場所に存在するいくつかの情報は、別の場所の記録から欠落し得る。プロセスの一実施形態はブロック314を含み、コンピュータシステムが、例えばランダムフォレストアルゴリズムへの入力として、場所および/または他の場所の利用可能な情報を使用することによって、場所の欠落情報を予測する。別のアルゴリズムを代わりに使用することができる。アルゴリズムは、他のサイトに利用可能な情報に基づいて、欠落した情報を挿入することができる。例えば、挿入ロジックは、同じタイプの、同様の他の特性を有する他の場所の平均を使用してもよい。例えば、Cafe FlancoのGoogle評価は、Cafe Flancoと同じまたは類似の領域における他のカフェのGoogle評価の平均として計算することができる。同様の地域は、「都市(urban)」、「郊外(suburban)」、「地方(rural)」などに関して、その地域の同様の社会経済的クラスまたは人口統計学的クラスのコンテクストで理解され得る。ブロック314の結果として、表1のソーシャルメディアレイヤ305は、表2の形式に修正されてもよく、ここで、情報の欠落した部分のうちの少なくともいくつかは、予測とともに挿入される。
【0050】
【表2】
【0051】
ブロック310の実行時に、コンピュータシステムは、ソーシャルメディアレイヤを記憶するデータベース305にソーシャルメディアレイヤを記憶または更新してもよい。
【0052】
ブロック202の結果として、以下の表3のデータベースをAOIについて構築することができる。ロケーション座標は、ソーシャルメディアレイヤに含まれる場所、例えばHEREまたはGoogle Placesの正確なロケーションデータを提供するソースから取得されてもよい。いくつかの実施形態では、ソーシャルメディアレイヤは、ソーシャルメディアデータのソースから取得された座標を容易に含み得る。しかしながら、前述のように、そのような座標は、不正確であり得る。したがって、ブロック202は、そのような不正確さを補正するために実行され得る。ブロック202は、複数のソーシャルメディアソースからソーシャルメディアレイヤにおいて容易に利用可能なロケーション座標を一致させるために使用され得る。例えば、Google Placesは、その場所の実際のジオロケーションを使用することによってその場所の正確なロケーション座標を提供し得るが、Facebookは、衛星測位受信機から取得されたその場所の不正確なロケーション座標を提供し得る。次いで、ブロック202は、不正確であると見なされるロケーション座標を破棄し、その場所の正確なロケーション座標のみを維持することができる。破棄は、ソーシャルメディアアプリケーションの事前知識または分類に基づいて、ロケーション座標において充分な精度を提供するものおよびロケーション座標において充分な精度を提供しないものにすることができる。正確なロケーション座標が欠落している場合、HEREなどの外部ジオロケーションソースを使用して、その場所の正確なロケーション座標を提供することができる。
【0053】
【表3】
【0054】
ブロック204は、次いで、表2および表3を組み合わせ、結果として、例えば、表4の形態のキャパシティレイヤを提供することができる。表4は、結合された表2および表3に記憶された情報を分析するように構成された機械学習モデルを使用することによって、組み合わされた表2および表3に基づいて構築され得る。機械学習モデルは、以下でいくつかの実施形態で説明するように、実際の測定データを使用することによって訓練することができる。
【0055】
【表4】
【0056】
表4は、AOI内のサブエリアに対するトラフィックキャパシティ需要を示す。下記のようにする。表4の実施形態では、建物のフロアを考慮した3次元キャパシティレイヤが構築されている。別の実施形態は、第3の次元(フロア)を除外する。トラフィックキャパシティ需要は、座標のロケーションに対するトラフィック重みを記述することができる。結果として、キャパシティレイヤは、AOI内の様々なサブエリアに対する相対トラフィックキャパシティ需要を示し得る。AOI内の人数、例えば、母集団は、次いで、相対キャパシティ需要を絶対需要に変換するために、例えば、スモールセル配置設計等のセルラーネットワーク計画のために、サブエリアに分配されてもよい。サブエリアのサイズは、キャパシティレイヤの目的に応じて選択することができる。例えば、目的がスモールセル(例えば、20メートル×20メートル)のネットワーク計画である場合、サブエリアのサイズは、目的がマクロセルのネットワーク計画である場合(例えば、100メートル×100メートル)よりも小さくなり得る。
【0057】
AOIは、表4に示すように、複数のサブエリアに分割され、サブエリアごとにトラフィックキャパシティ需要が計算され得る。そのために、ブロック320は、AOIに位置する場所をジオロケーションデータベースから検索することと、場所をサブエリアにマッピングすること(ブロック322)とを含み得る。サブエリアのセットは、例えば、(全体)AOIを覆うグリッドを形成し得る。その結果、AOI内の各場所がサブエリアに割り当てられる。したがって、各サブエリアは、トラフィックキャパシティ需要推定のためのビン(bin)として理解することができ、ビンは、サブエリアのキャパシティ需要推定に寄与する複数の場所を含む。図2に関連して上述したように、場所の1つまたは複数を含むサブエリアと、場所間にあるサブエリアとが存在し得る。いくつかのサブエリアは、その中にマッピングされていないことがあり、トラフィックキャパシティ需要は、依然として、1つまたは複数の隣接するサブエリアにマッピングされた場所に基づいて決定されたトラフィックキャパシティ需要に基づいてそのようなサブエリアに計画され得る。
【0058】
その後、ブロック330において、キャパシティ需要(例えば、表4)は、ソーシャルメディアレイヤに記憶されたソーシャルメディアデータを各サブエリアにリンクして使用することによって、各サブエリアについて計算され得る。言い換えれば、サブエリア(ビンとも呼ばれることがある)の容量需要を計算することは、(もしあれば)サブエリアにマッピングされた場所のレコードに記憶された少なくともソーシャルメディアデータを考慮に入れることができる。さらなる実施形態では、サブエリアに対するキャパシティ需要を計算することはまた、サブエリアに隣接するサブエリアの決定された数にリンクされたソーシャルメディアレイヤに記憶された情報を使用し得る。図4はこの実施形態を示す。
【0059】
図4を参照すると、サブエリアAに対するキャパシティ需要を推定するとき、コンピュータシステムは、サブエリアAにマッピングされた場所のソーシャルメディアデータと、さらに、サブエリアAの周囲のサブエリアにマッピングされた場所のソーシャルメディアデータとを考慮に入れることができる(a1~a8)。実施形態に応じて、サブエリアa1~a8の周囲のサブエリアさえも考慮に入れることができる。したがって、平均化を達成することができる。例えば、サブエリアAがマッピングされた場所を含まない図4に示される状況において有用であり得る。しかし、サブエリアの周囲のサブエリアa1~a8には、いくつかの場所が存在するため、サブエリアAにおけるトラフィックキャパシティ需要にも影響を与える可能性がある。数式1は、サブエリアAごとのトラフィックキャパシティ需要Tを推定する例を提供する。
(数式1)
【数1】
【0060】
変数Y1、Y2、…は、上述のように、クラスごとに定義され得る重みを表す。パラメータma1~maxは、例えば、特定のサブエリアにおける集団または集団密度および/または他の因子に基づいて決定され得る定数を表す。さらなるパラメータ、例えば、場所あたりのチェックインの数は、方程式に取り込まれてもよい。上記式は、単純化された例である線形モデルに基づく。他の実施形態では、別の回帰モデルが使用される。
【0061】
上述のように、AOIまたはサブエリアにおける場所ごとの重みを示すソーシャルメディアデータは、AOIまたはサブエリアにおける(相対的な)トラフィックキャパシティ需要を示す。また、AOIまたはサブエリア内の場所の数も、AOIまたはサブエリア内のトラフィックキャパシティ需要に比例する。評価またはチェックインの数は、場所あたりの人の数にも比例する。第1の場所に対する高い評価および高い評価数を有する場所は、より低い評価およびより低い評価数を有する第2の場所に対するよりもユーザ数が多いことを示し得る。営業時間は、トラフィックキャパシティ需要の時間的特性を推定する能力を提供することができる。例えば、トラフィックキャパシティ需要は、AOI内の場所の営業時間外よりも営業時間中に高いと推定され得る。これらのパラメータは、組み合わされると、AOIまたはサブエリア内の人々の相対数の指標を提供する。
【0062】
上述したように、ブロック330において、場所の分類も考慮に入れることができる。例えば、ユーザ毎のトラフィックキャパシティ需要は、場所のクラスに基づいて決定されてもよい。コンピュータシステムは、ユーザごとに、または異なるクラス内の場所ごとに、トラフィックキャパシティ需要に異なる重みを割り当てることができる。例えば、ホテルやカフェについては、教会よりもトラフィックキャパシティ需要を高く設定してもよい。また、上述のように、時間的特性も考慮に入れることができる。
【0063】
一実施形態では、場所の重みは、それぞれの場所のサブエリアの人口統計タイプにさらに基づいて割り当てられる。人口統計タイプは、都市、郊外、地方などを含み得る。例えば、都市エリア内のバーまたは教会には、地方エリア内のバーまたは教会とは異なる重みが割り当てられ得る。都市エリア内のバーは、地方エリア内のバーよりも高いトラフィックキャパシティ需要にリンクされ得る。一般に、特定のクラスの場所であって都市のサブエリアに位置する場所には、特定のクラスの場所であって郊外のサブエリアに位置する場所よりも高いトラフィックキャパシティ需要を示す重みが割り当てられ得る。同様に、特定のクラスの場所であって、郊外のサブエリアに位置する場所には、特定のクラスの場所であって、地方のサブエリアに位置する場所よりも高いトラフィック容量需要を示す重みが割り当てられ得る。しかし、いくつかのクラスは、逆効果を有することが観察され得る。例えば、特定の地方エリア内の教会は、都市エリア内の教会よりも高いトラフィックキャパシティ需要に関連付けられ得る。これは、教会当たりの訪問者の数が、特定のAOIにおける地方エリアにおいてより高いことに起因し得る。したがって、より高いトラフィックキャパシティ需要に関連する重みは、郊外または地方の人口統計タイプを有するサブエリア内の決定されたクラスよりも都市の人口統計タイプを有するサブエリア内の決定されたクラスに割り当てられ得る一方、より低いトラフィックキャパシティ需要に関連する重みは、郊外または地方の人口統計タイプを有するサブエリア内の別の決定されたクラスよりも都市の人口統計タイプを有するサブエリア内の別の決定されたクラスに割り当てられ得る。要約すると、人口統計タイプおよび場所の分類は、トラフィックキャパシティ需要に対する独立変数を提供することができる。
【0064】
AOIまたはAOI内のサブエリアの人口統計タイプは、様々な手段によって決定することができる。例えば、都市が、例えば人口統計エリアに分割され、各エリアが特定の人口統計タイプに従って指定される、人口統計データベースが提供されてもよい。結果として、AOIおよび/またはAOIのサブエリアの直接マッピングを、人口統計データベースから導出することができる。別の実施形態では、AOIまたはサブエリアの人口統計タイプは、エリア内の場所に基づいて決定される。例えば、AOIまたはサブエリア(決定された数の隣接サブエリアとともに)が、少なくとも決定された数のバー、カフェ、またはレストランを含む場合、都市または郊外であると決定される。AOIまたはサブエリアが住宅建物および少数の共同体または商業的場所のみを含む場合、それは地方であると決定され得る。したがって、人口統計タイプは、AOIまたは特定のサブエリア内の場所の数および分類を観察することによって検出され得る。さらに別の実施形態では、人口統計タイプが与えられる。例えば、AOIが都市のダウンタウンのみをカバーする場合、AOIおよびおよび全てのサブエリアはデフォルトで都市である。
【0065】
一実施形態では、AOI内の建物に関する情報を提供する建物レイヤが構築される。建物レイヤは、建物の高さ若しくは地理的エリアに関する属性、および/または他の建物サイズ属性を含んでもよい。AOI内の建物に関する情報は、キャパシティ需要の指示として使用され得る。例えば、大型住宅建物は、小型家屋よりも高いキャパシティ需要を有し得る。いくつかの建物は、ソーシャルメディアレイヤにおいてより少ない情報を有し得るが、依然として高いまたは著しいキャパシティ需要に関連する。そこで、本実施形態では、このような建物レイヤや、AOI内の建物の情報を記憶した建物データベース307を用いる。建物に関する情報は、高さ、建物のタイプ(住宅用、地域用、政府用、工業用、商業用など)、建物によってカバーされるランドエリアなどのうちの1つまたは複数に関する建物サイズに関する情報を含み得る。建物に関する情報は、様々なソースから取得され得る。例えば、建物に関する情報は、(購入された)商業的ソースから、オープンストリートマップなどの無料ソースから、衛星画像からなどで取得され得る。機械学習は、キャパシティレイヤを構築するために有用な形式に情報を適合させるために適用され得る。例えば、建物のサイズおよび地理的ロケーションを区別するために、機械学習が衛星画像に適用されてもよく、機械学習は、建物のタイプを決定するためにソーシャルメディアレイヤを相互参照し得る。上述したように、ソーシャルメディアレイヤは、AOI内の場所の種類に関する情報を含む。1つまたは複数の衛星画像から機械学習アルゴリズムによって区別される建物が、ソーシャルメディアレイヤによって示されるように、少なくともいくつかの場所を含むと決定された場合、その建物は商業建物として示され得る。建物が大きく、ある数未満の場所を含む場合、ソーシャルメディアレイヤまたは別の情報が建物タイプにリンクしない限り、住宅建物であると決定され得る。次いで、ブロック330を実行するコンピュータシステムは、キャパシティ需要を推定するためのさらなる入力としてAOI内の建物情報を使用してよく、したがってキャパシティ需要のより正確な推定を提供する。
【0066】
データベース305または実行ブロック330を構築する機械学習は、建物に関する情報をトラフィックキャパシティにマッピングする際に、上述の論理を使用することができる。より大きい建物は、より小さい建物よりも高いキャパシティ需要にマッピングされる。各建物タイプは、ユーザあたりのあるキャパシティ需要にマッピングされてもよく、建物のサイズおよび建物のソーシャルメディアレイヤは、ユーザの数を推定し、したがって、建物の全体的なキャパシティ需要を提供するために使用されてもよい。他のロジックが追加的または代替的に実装されてもよい。
【0067】
一実施形態では、建物は、「グリッド」を形成し、図4に関連して上述したように形成されたグリッドに取って代わるために使用される。そのような場合、建物はサブエリアとして理解されてもよく、場所はブロック322において建物にマッピングされる。結果として、建物データベース307は、ブロック320への入力を提供する。
【0068】
一実施形態では、建物データベース307は、ジオロケーションデータベース306に含まれる。例えば、建物データベースは、第3の次元(高さ)をジオロケーションデータベース306に提供することができる。図4の実施形態を使用するとき、または一般に、AOIをサブエリアに分割するとき、ブロック322において、建物をサブエリアにマッピングすることもできる。そして、建物に関する情報を用いて、サブエリア毎のキャパシティ需要を推定することができる。例えば、各サブエリアにおける建物の高さまたはサイズは、キャパシティレイヤを計算する実施形態において考慮され得る。平均建物高さまたはサイズは、キャパシティレイヤ計算のためにサブエリアごとに計算され得る。
【0069】
上記のように、キャパシティレイヤは、AOIにおけるネットワークトラフィックの量を測定することに関する測定データがなくても構築され得る。一実施形態では、そのような測定データは、図2のプロセスまたは少なくともブロック204もしくはブロック330を実行する機械学習アルゴリズムをトレーニングするときに使用され得る。そのような実施形態では、コンピュータシステムは、キャパシティレイヤを構築するためのトレーニング入力として情報を使用することができ、その情報は、他のAOIのためのソーシャルメディアレイヤと、他のAOIにおける測定されたトラフィックキャパシティ需要である。2つのAOI間にソーシャルメディアアクティビティに相関がある場合、1つのAOIのソーシャルメディアレイヤは、機械学習アルゴリズム、例えばニューラルネットワークをトレーニングする際に使用されてもよく、その後、コンピュータシステムは、測定データのないソーシャルメディアレイヤに基づいてキャパシティレイヤを構築してもよい。ジオロケーションレイヤは、場所の位置決めを改善するために使用され得る。一実施形態では、AOIは第1の都市を表し、他のAOIは第1の都市とは異なる第2の都市を表す。したがって、都市間のソーシャルメディアアクティビティが相関すると、他の都市のキャパシティレイヤも実際のトラフィックキャパシティ需要と相関する。例えば、ソーシャルメディアアクティビティは、典型的には、同じ国の異なる都市において、またはそうでなければ異なる国の同様の都市において類似している。図5は、これらの実施形態を示す。
【0070】
図5を参照すると、機械学習アルゴリズムがブロック510においてトレーニングされる。機械学習アルゴリズムは、ニューラルネットワークまたは他の回帰モデルを採用してもよい。図6は、1つの隠れレイヤを有するニューラルネットワークの実施形態を示し(例えばブロック330を実行する)、図7は、ニューラルネットワークの計算ノードの実施形態を示す。
【0071】
深層学習(深層構造化学習または階層学習としても知られる)は、人工ニューラルネットワークにおいて使用されるレイヤに基づく機械学習方法のより広いファミリーの一部である。
【0072】
人工ニューラルネットワーク(ANN)は、回帰、分類、クラスタリング、およびパターン認識などのタスクを実行するように設計されたルールのセットを備える。ANNは、学習手順を用いてそのような目的を達成し、所望の出力とともに、入力データの様々な例が示されている。これにより、トレーニングデータマニホルド内の任意の入力に対して適切な出力を識別することを学習する。ラベルを用いた学習は教師あり学習と呼ばれ、ラベルなしの学習は教師なし学習と呼ばれる。深層学習は、典型的には、大量の入力データを必要とする。この場合、教師あり学習が用いられる。
【0073】
深層ニューラルネットワーク(DNN)は、入力レイヤ1300と出力レイヤ1314との間に複数の隠れレイヤ1302を備える人工ニューラルネットワークである。DNNのトレーニングにより、たとえ関係が非常に非線形および/または複雑な場合でも、正しい数学的操作を見つけて、入力を適切な出力に変換することが可能になる。
【0074】
各隠れレイヤ1302は、計算が行われるノード1304、1306、1308、1310、1312を備える。図7に示されるように、各ノード1304は、入力データ1300を、その入力1300を増幅または減衰させる係数または重み1400のセットと組み合わせ、それによって、アルゴリズムが学習しようとしているタスクに関して入力1300に有意性を割り当てる。入力重み積1402が加算され、合計が活性化関数1404を通過し、分類の行為等の最終結果に影響を及ぼすために、その信号がネットワーク330を通してさらに進行すべきかどうか、およびどの程度進行すべきかを決定する。本プロセスでは、ニューラルネットワークは、ある関連特徴と最適な結果との間の相関を認識するように学習する。
【0075】
分類の場合、深層学習ニューラルネットワークの出力は、この場合、データパケットの復号成功の確率など、特定の結果の尤度と見なされ得る。この場合、レイヤ1302の数は、使用される入力データ1300の数に比例して変化し得る。しかしながら、入力データ1300の数が多い場合、結果1314の精度はより信頼性が高い。他方、レイヤ1302がより少ないとき、計算はより少ない時間を要し、それによってレイテンシを低減し得る。しかしながら、これは、特定のDNNアーキテクチャおよび/または計算リソースに大きく依存する。
【0076】
モデルの初期重み1400は、様々な代替的な方法で設定することができる。トレーニング段階の間、それらは、意思決定におけるエラーを分析することに基づいて、プロセスの精度を向上させるように適合される。モデルのトレーニングは、基本的にトライアンドエラーアクティビティである。原理的には、ニューラルネットワーク330の各ノード1304、1306、1308、1310、1312は、決定(入力*重み)を行い、次いで、この決定を収集されたデータと比較して、収集されたデータとの差異を見出す。言い換えれば、重み1400が調整される誤差を決定する。したがって、モデルのトレーニングは、補正フィードバックループと見なされ得る。
【0077】
典型的には、ニューラルネットワークモデルは、確率的勾配降下最適化アルゴリズムを使用してトレーニングされ、勾配は、逆伝搬アルゴリズムを使用して計算される。勾配降下アルゴリズムは、次の評価が誤差を低減するように重み1400を変化させようとし、これは、最適化アルゴリズムが誤差の勾配(または傾き)を下るようにナビゲートしていることを意味する。充分に正確な重み1400を提供する場合、任意の他の適切な最適化アルゴリズムを使用することも可能である。その結果、ニューラルネットワーク330のトレーニングされたパラメータ332は、重み1400を含み得る。
【0078】
最適化アルゴリズムのコンテクストであって、候補解(すなわち重みのセット)を評価するために使用される関数は、目的関数と呼ばれる。典型的には、ニューラルネットワークでは、目標が誤差を最小にすることである場合、目的関数は、コスト関数または損失関数と呼ばれることが多い。重み1400を調整する際に、任意の好適な方法が損失関数として使用されてもよく、いくつかの例は、平均二乗誤差(MSE)、最尤(MLE)、およびクロスエントロピーである。
【0079】
ノード1304の活性化関数1404に関して、入力または入力のセット1300を所与として、ノード1304の出力1314を定義する。ノード1304は、入力の加重和を計算し、おそらくバイアスを加え、次いで、バイナリ活性化として、または非線形決定関数を与える活性化関数1404を使用して、決定閾値に基づいて、「活性化」または「非活性化」として決定を行う。任意の適切な活性化関数1404、例えば、シグモイド、整流線形ユニット(ReLU)、正規化指数関数(softmax)、sotfplus、tanhなどを使用することができる。深層学習では、活性化関数1404は、通常、レイヤレベルに設定され、そのレイヤ内の全てのニューロンに適用される。次いで、出力1314は、元の問題に対する所望の解が見つかるまで、次のノード等のための入力として使用される。
【0080】
ニューラルネットワークの入力レイヤとして、ブロック510は、1つのAOI(AOI1)に対して、組み合わされたソーシャルメディアレイヤ500およびジオロケーションレイヤ306を使用し得る。ニューラルネットワークの出力レイヤとして、ブロック510は、AOI1のための測定されたトラフィックキャパシティ需要に基づいて形成されたキャパシティレイヤを使用し得る(502)。次いで、ブロック510は、ニューラルネットワークノードの更新を実行し得る。次いで、このようにトレーニングされたニューラルネットワークの構成は、データベース504に記憶され得る。同様のトレーニングが、他の機械学習アルゴリズムのために実行され得る。ソーシャルメディアレイヤは、ジオロケーションレイヤ306からの補正されたジオロケーション、および測定された(真の)トラフィックキャパシティ需要とともに、機械学習をトレーニングするために使用され得る。機械学習はまた、クラスごとの適切な重みを決定するように訓練されてもよい。上述のように、ソーシャルメディアレイヤ500は、ジオロケーションレイヤと共に、機械学習アルゴリズムがAOI1内の場所をマッピングしてAOI1内の場所の空間分布を決定することを可能にする。さらに、測定されたキャパシティ需要502は、AOI1におけるトラフィックキャパシティ需要の空間分布を示し得る。場所の数が統計的に有意である場合、機械学習は、この情報に基づいて、トラフィックキャパシティ需要に対する各クラスの効果を推定し、結果として、適切な重みを各クラスに割り当てることができる。
【0081】
他のAOI(AOI2)に対してキャパシティレイヤを計算するタスクが発行されると、ブロック512の実行が発行され得る。ブロック512は、データベース502からニューラルネットワークの構成を検索することと、このように構成されたニューラルネットワークへの入力レイヤとしてAOI2のための組み合わされたソーシャルメディアレイヤ506およびジオロケーションレイヤ306を使用することとを含み得る。ブロック512はまた、ニューラルネットワークの出力レイヤを測定し、したがってAOI2のキャパシティレイヤを取得することを含み得る。
【0082】
ソーシャルメディアアクティビティがAOI1およびAOI2において同様であるという仮定で、トレーニング入力として使用される測定値502に基づいてAOI1について決定された重みは、AOI2についても正確であると見なすことができる。結果として、AOI2のためのジオロケーションレイヤの助けを借りてソーシャルメディアレイヤから取得される、AOI2における場所およびそれらのクラスの空間分布は、AOI2におけるトラフィックキャパシティ需要の空間分布を決定することを可能にする。
【0083】
2つのAOIの間でソーシャルメディアアクティビティに既知の差がある場合、他のAOIについてニューラルネットワークをトレーニングするときに、上述の重み付けを変更することができる。例えば、AOI1のデータベース500から取得されたソーシャルメディアレイヤは、AOI2の実際のソーシャルメディアアクティビティとのより高い相関を提供するように、既知の差に基づいて修正され得る。既知の差は、AOI1とAOI2との間のソーシャルメディアアクティビティの差を補正するために修正において使用され得る。例えば、ユーザがAOI1よりもAOI2においてより多くのホテルにおいてセルラー通信サービスを使用することが知られている場合、より高いキャパシティ需要重みが、ホテルにリンクされたAOI2のユーザに割り当てられ得る。AOI間の挙動に既知の差異がある場合、同様の修正が他の場所クラスに対して実行され得る。
【0084】
他の機械学習アルゴリズムは、キャパシティ需要推定のために、例えば、AOI内のユーザを予測するために、回帰モデルを採用する。当技術分野で知られているように、回帰モデルは、関数として理解することができる。
【数2】
式中、X1およびX2は、特定のサブ関心エリア(A)について上記の表から取得された変数である。X1は、第1の場所についてのユーザ評価を表してもよく、X2は、第1の場所でチェックインしたユーザの数であり、X3は、第2の場所についてのユーザ評価であり、X4は、第2の場所でチェックインしたユーザの数であり、以下同様である。Yは、推定されるパラメータ(キャパシティ需要)である。そこで、回帰モデルは、例えば、データベース502から取得した機械学習と実測キャパシティ需要とをトレーニング入力として、変数毎の重み(m、n、o、p)を発見する。回帰モデルがトレーニングに基づいて構築されるとき、例えば、重みが発見されたとき、回帰モデルは、同じAOI(ソーシャルメディアデータの異なるセットを有する)において、またはソーシャルメディアデータの異なるセット(X1、X2、X3、X4、…の異なる値)に対する異なるAOIにおいて、後の使用のために記憶され得る。
【0085】
図8は、図2のプロセスを実行するための装置またはシステムの上述の機能性の構造またはその実施形態のいずれか1つの実施形態を示す。一実施形態では、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのプロセッサを用いて、装置に図2のプロセスまたはその実施形態のいずれか1つを実行させるように構成されたコンピュータプログラムコードとを備える。
【0086】
図8を参照すると、装置は、少なくとも1つのプロセッサを備える処理システム10を備えることができる。処理システムは、単一の物理的コンピュータシステムの1つまたは複数のプロセッサを含んでもよく、または様々な物理的コンピュータにおいて分散計算リソースを含んでもよい。処理システムは、クラウドコンピューティングおよび/またはローカル処理リソースを採用してもよい。
【0087】
装置は、1つまたは複数のコンピュータネットワークを介して通信する能力を装置に提供するように構成された通信インターフェース22を備えることができる。例えば、上述のデータベース(図8の26)は、通信インターフェースを使用することによってアクセス可能なリモートメモリリソース内に提供され得る。通信インターフェースは、インターネットプロトコル(IP)、トランスポート制御プロトコル(TCP)などの1つまたは複数のネットワーキングプロトコルをサポートするネットワークアダプタであり得る。
【0088】
装置は、装置のプロセッサの動作を構成する1つまたは複数のコンピュータプログラム製品24を記憶するメモリ20をさらに備えることができる。メモリ20は、半導体ベースのメモリデバイス、フラッシュメモリ、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実装され得る。メモリ20は、上述のデータベース26の少なくともいくつかをさらに記憶することができる。メモリ20は、上述の実施形態に従ってキャパシティレイヤを構築するように構成された機械学習エージェント18の構成を記憶する構成データベース28をさらに記憶することができる。構成データベース28は、例えば、ニューラルネットワーク(NN)の構成を記憶することができる。
【0089】
処理システム10は、サブモジュールとして、ソーシャルメディアレイヤビルダ12と、ジオロケーションレイヤビルダ14と、キャパシティレイヤビルダ16とを備えることができる。モジュール12~16の各々は、別個のコンピュータプログラムコードモジュールによって定義され得る。ソーシャルメディアレイヤビルダ12は、上述の実施形態のいずれかによるブロック200を実行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ビルダ12はブロック310を実行する。ジオロケーションレイヤビルダ14は、ブロック202を実行するように構成されてもよく、いくつかの実施形態では、ブロック320を実行するように構成されてもよい。キャパシティレイヤビルダ16は、ブロック204を実行するように構成されてもよく、いくつかの実施形態では、ブロック330を実行するように構成されてもよい。キャパシティレイヤビルダは、キャパシティレイヤを構築する際に機械学習エージェント18を用いてもよい。機械学習エージェント18は、例えば、ニューラルネットワークを実現してもよい。そのような場合、機械学習エージェントは、図5の手順、特にブロック510および512を実装するように構成されてもよい。
【0090】
本出願で使用される場合、用語「回路」は、以下のうちの1つまたは複数を指す。(a)アナログおよび/またはデジタル回路のみにおける実装のようなハードウェアのみの回路実装(b)回路およびソフトウェアおよび/またはファームウェアの組み合わせであって、(適用可能な場合)(i)プロセッサまたはプロセッサコアの組み合わせ、または(ii)デジタル信号プロセッサを含むプロセッサ/ソフトウェアの部分、ソフトウェア、および装置に特定の機能を実行させるために協働する少なくとも1つのメモリ(c)たとえソフトウェアまたはファームウェアが物理的に存在しなくても、動作のためにソフトウェアまたはファームウェアを必要とするマイクロプロセッサまたはマイクロプロセッサの一部などの回路。
【0091】
「回路」のこの定義は、本出願におけるこの用語の使用に適用される。さらなる例として、本出願で使用する「回路」という用語はまた、単にプロセッサ(または複数のプロセッサ)またはプロセッサの一部分、たとえばマルチコアプロセッサの1つのコア、ならびにその(またはそれらの)付随するソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装形態をカバーする。用語「回路」はまた、例えば、適用可能であれば、特定の要素、ベースバンド集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または本発明の実施形態による装置のためのフィールドプログラマブルグリッドアレイ(FPGA)回路をカバーするであろう。図2図3、および図5に記載されるプロセスまたは方法、またはその実施形態のいずれかはまた、1つまたは複数のコンピュータプログラムによって定義される1つまたは複数のコンピュータプロセスの形態で実行され得る。別個のコンピュータプログラムは、図面に関連して説明したプロセスの機能を実行する1つまたは複数の装置において提供され得る。コンピュータプログラムは、ソースコード形式、オブジェクトコード形式、または何らかの中間形式であってもよく、プログラムを搬送することができる任意のエンティティまたはデバイスであり得る、何らかの種類のキャリアに記憶されてもよい。そのようなキャリアは、一時的および/または非一時的なコンピュータ媒体、例えば、記録媒体、コンピュータメモリ、読み取り専用メモリ、電気キャリア信号、電気通信信号、およびソフトウェア配信パッケージを含む。必要とされる処理能力に応じて、コンピュータプログラムは、単一の電子デジタル処理ユニットで実行されてもよく、または複数の処理ユニットに分散されてもよい。
【0092】
本明細書で説明される実施形態は、上記で定義されるコンピュータシステムだけでなく、他のシステムにも適用可能。技術が進歩するにつれて、本発明の概念が様々な方法で実装され得ることが当業者には明らかであろう。実施形態は、上述の例に限定されず、特許請求の範囲内で変更することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8