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特許7531606カラーフィルタアレイパターン画像の無相関化変換
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】カラーフィルタアレイパターン画像の無相関化変換
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/64 20060101AFI20240802BHJP
   H04N 19/85 20140101ALI20240802BHJP
   H04N 23/12 20230101ALI20240802BHJP
【FI】
H04N1/64
H04N19/85
H04N23/12
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022562823
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2020060790
(87)【国際公開番号】W WO2021209143
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 弥生
(74)【代理人】
【識別番号】100185672
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】リヒター,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ミーヌート,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ニートゥッシュ,ミッヒャ
(72)【発明者】
【氏名】シェアル,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ヘップナー,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ヤシュケ,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】フライスレーベン,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】アーメッド,ビラル
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-010277(JP,A)
【文献】特開2018-006999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/64
H04N 19/85
H04N 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表現(70)をカラーフィルタアレイ(CFA)パターン画像(10)に復号するための装置(500)であって、
前記CFAパターン画像(10)は、第1のチャンネルの第1のサンプル(12)と、第2のチャンネルの第2のサンプル(14)と、第3のチャンネルの第3のサンプル(16)とを含み、
前記CFAパターン画像は、各々第1から第4のサンプル位置を含むサンプルクラスタ(20)に分割され、前記第1のサンプル(12)のうちの1つは前記第1のサンプル位置(22)に位置し、前記第2のサンプル(14)のうちの1つは前記第2のサンプル位置(24)に位置し、2つの第3のサンプル(16A、16B)は前記第3及び第4のサンプル位置(26、28)にそれぞれ位置し、
前記装置は、各サンプルクラスタ(20)に関して、前記それぞれのサンプルクラスタ(20’)の前記第1のサンプル位置(22’)の第1の色座標(110’)、前記それぞれのサンプルクラスタ(20’)の前記第2のサンプル位置(24’)の第2の色座標(120’)、前記それぞれのサンプルクラスタ(20’)の前記第3のサンプル位置(26’)の第3の色座標(130’)、及び前記それぞれのサンプルクラスタ(20’)の前記第4のサンプル位置(28’)の第4の色座標(140’)を導出するように構成され、
前記装置は、
各サンプルクラスタの前記第3のサンプル位置(26’)について、前記第3のサンプル位置における前記第3の色座標(130’)と、前記第3のサンプル位置(26’)に隣接する第1及び第2のサンプル位置(22、24)に位置する第1及び第2の色座標(110、120)の第3の重み付き和(134’)を、前記第3の重み付き和(134’)の重みの和が1/2よりも大きくなるように形成することによって導出される第1のフィルタリング済み色座標(132’)との差を形成することによって、前記それぞれの第3のサンプル位置(26’)における前記第3のサンプル(16A’)を計算し、
各サンプルクラスタの前記第4のサンプル位置について、前記第4のサンプル位置(28’)における前記第4の色座標(140’)と、前記第4のサンプル位置(28’)に隣接する第1及び第2のサンプル位置(22、24)に位置する第1及び第2の色座標(110、120)の第4の重み付き和(144’)を、前記第4の重み付き和(144’)の重みの和が1/2よりも大きくなるように形成することによって導出される第2のフィルタリング済み色座標(142’)との差を形成することによって、前記それぞれの第4のサンプル位置における前記第3のサンプルを計算し、
各サンプルクラスタ(20’)の前記第1のサンプル位置(22’)について、前記第1のサンプル位置(22’)における前記第1の色座標(110’)と、前記第1のサンプル位置(22’)に隣接する第3及び第4のサンプル位置(26、28)について計算された第3のサンプル(16)の第1の重み付き和(114’)を形成することによって導出される第1のフィルタリング済み第3のサンプル値(112’)との総和を形成することによって、前記それぞれの第1のサンプル位置(22’)における前記第1のサンプル(12’)を計算し、
各サンプルクラスタ(20’)の前記第2のサンプル位置(24’)について、前記第2のサンプル位置(24’)における前記第2の色座標(120’)と、前記第2のサンプル位置(24’)に隣接する第3及び第4のサンプル位置(26、28)について計算された第3のサンプル(16)の第2の重み付き和(124’)を形成することによって導出される第2のフィルタリング済み第3のサンプル値(122’)との総和を形成することによって、前記それぞれの第2のサンプル位置(24’)における第2のサンプル(14’)を計算する
ことによって、前記画像表現を前記CFAパターン画像に復号するように構成される、装置(500)。
【請求項2】
前記第3及び第4の重み付き和(134’、144’)の前記重みは、第1の色座標(110)を重み付けするための第1の重みと、第2の色座標(120)を重み付けするための第2の重みとからなる、請求項1に記載の装置(500)。
【請求項3】
前記第1の重みは2の第1の累乗として実装され、前記第2の重みは2の第2の累乗として実装され、2の前記第1及び第2の累乗の指数は整数である、請求項2に記載の装置(500)。
【請求項4】
前記第1から第4のサンプル位置は、各々が交互に配置された第1のサンプル位置(22)及び第3のサンプル位置(26)を含む第1のタイプの行(52)と、交互に配置された第2のサンプル位置(24)及び第3のサンプル位置(28)を含む第2のタイプの行(54)とを有するアレイに配置され、前記第1のタイプの前記行及び前記第2のタイプの前記行は、前記アレイの列(62、64)に沿って交互に配置され、一方の前記第1のタイプの前記行内の前記第3のサンプル位置と、他方の前記第2のタイプの前記行内の前記第3のサンプル位置とは、異なる列(62、64)に位置する、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置(500)。
【請求項5】
前記装置は、等方性動作モード、垂直因果動作モード、及びストライプ動作モードのうちの少なくとも1つを含む動作モードのセットを含み、
前記CFAパターン画像のエッジに位置するサンプルクラスタを除いて、前記装置は、前記それぞれのサンプルクラスタの前記サンプル位置のうちの1つについて前記色座標のうちの1つ又は複数を計算するために、
前記等方性動作モードでは、前記それぞれのサンプルクラスタが位置する1つ又は複数の現在の行(56)内のサンプル位置に位置するサンプル、及び前記現在の行(56)の上下の行に位置するサンプル、
前記垂直因果動作モードでは、前記現在の行内のサンプル位置に位置するサンプル、及び前記現在の行(56)の上方の1つ又は複数の行に位置するサンプル、並びに
前記ストライプ動作モードでは、前記現在の行(56)内のサンプル位置に位置するサンプル
を排他的に含むように構成される、請求項4に記載の装置(500)。
【請求項6】
前記装置は、前記動作モードのセットのうちの1つを選択するように構成され、前記装置は、前記画像表現をシグナリングするデータストリームから前記画像表現を復号するために使用される前記動作モードを導出するように構成される、請求項5に記載の装置(500)。
【請求項7】
前記第3及び第4の重み付き和(134’、144’)は、前記それぞれの第1及び第2の色座標(110、120)の均等重み付き平均である、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置(500)。
【請求項8】
丸め演算を使用して、前記第1の重み付き和(114’)から前記第1のフィルタリング済み第3のサンプル値(112’)を導出し、前記第2の重み付き和(124’)から前記第2のフィルタリング済み第3のサンプル値(122’)を導出し、前記第3の重み付き和(134’)から前記第1のフィルタリング済み色座標(132’)を導出し、前記第4の重み付き和(144’)から前記第2のフィルタリング済み色座標(142’)を導出するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置(500)。
【請求項9】
各サンプルクラスタの前記第4のサンプル位置(28’)について、前記第4のサンプル位置(28’)における前記組み合わせ色座標(260)と、前記第4のサンプル位置(28’)に隣接する第3のサンプル位置(26)に位置する差分色座標(262)の第5の重み付き和(254’)を形成することによって導出されるフィルタリング済み差分色座標(250’)との差を形成することによって、前記それぞれの第4のサンプル位置(28’)における前記第4の色座標(140)を計算し、
各サンプルクラスタの前記第3のサンプル位置(26’)について、前記第3のサンプル位置(26’)における前記差分色座標(250)と、前記第3のサンプル位置(26’)に隣接する第4のサンプル位置(28)について計算された第4の色座標(252)の第6の重み付き和(264’)を形成することによって導出されるフィルタリング済み第4の色座標(140’)との総和を形成することによって、前記それぞれの第3のサンプル位置(26’)における前記第3の色座標(130)を計算する
ことによって、前記第3及び第4の色座標(130、140)を導出するように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置(500)。
【請求項10】
丸め演算を使用して、前記第5の重み付き和(254’)から前記フィルタリング済み差分色座標(262’)を導出し、前記第6の重み付き和(264’)から前記フィルタリング済み第4の色座標(252’)を導出するように構成される、請求項8に記載の装置(500)。
【請求項11】
前記第1から第4のサンプル位置は、各々が交互に配置された第1のサンプル位置(22)及び第3のサンプル位置(26)を含む第1のタイプの行(52)と、交互に配置された第2のサンプル位置(24)及び第3のサンプル位置(28)を含む第2のタイプの行(54)とを有するアレイに配置され、前記第1のタイプの前記行及び前記第2のタイプの前記行は前記アレイの列(62、64)に沿って交互に配置され、一方の前記第1のタイプの前記行内の前記第3のサンプル位置と、他方の前記第2のタイプの前記行内の前記第3のサンプル位置とは異なる列に位置し、前記装置は等方性動作モードを有し、
前記第1の重み付き和(114’)の前記第3のサンプル(16)は、前記アレイの垂直及び水平方向において前記第1のサンプル位置(22’)に隣接する前記第3のサンプルを含み、
前記第2の重み付き和(124’)の前記第3のサンプル(16)は、前記アレイの垂直及び水平方向において前記第2のサンプル位置(24’)に隣接する前記第3のサンプルを含み、
前記第3の重み付き和(134’)の前記第1及び第2の色座標(110、120)は、前記アレイの垂直及び水平方向において前記第3のサンプル位置(26’)に隣接する第1及び第2のサンプル位置について計算された前記第1及び第2の色座標を含み、
前記第4の重み付き和(144’)の前記第1及び第2の色座標(110、120)は、前記アレイの垂直及び水平方向において前記第4のサンプル位置(28’)に隣接する第1及び第2のサンプル位置について計算された前記第1及び第2の色座標を含み、
前記第5の重み付き和(254’)の前記第4の色座標(140)は、前記アレイの対角方向において前記第3のサンプル位置(26’)に隣接する第4のサンプル位置について計算された前記第4の色座標を含み、
前記第6の重み付き和(264’)の前記差分色座標(250)は、前記アレイの対角方向において前記第4の(28’)サンプル位置に隣接する第3のサンプル位置について計算された前記差分色座標を含む、
請求項9又は10に記載の装置(500)。
【請求項12】
前記第1から第4のサンプル位置は、各々が交互に配置された第1のサンプル位置(22)及び第3のサンプル位置(26)を含む第1のタイプの行(52)と、交互に配置された第2のサンプル位置(24)及び第3のサンプル位置(28)を含む第2のタイプの行(54)とを有するアレイに配置され、前記第1のタイプの前記行及び前記第2のタイプの前記行は、前記アレイの列(62、64)に沿って交互に配置され、一方の前記第1のタイプの前記行内の前記第3のサンプル位置と、他方の前記第2のタイプの前記行内の前記第3のサンプル位置とは異なる列に位置し、前記装置は垂直因果動作モードを有し、
前記第1の重み付き和(114’)の前記第3のサンプル(16)は、前記アレイの垂直及び水平方向において前記第1のサンプル位置(22’)に隣接する前記第3のサンプルからなり、
前記第2の重み付き和(124’)の前記第3のサンプル(16)は、前記アレイの水平方向及び第1の垂直方向において前記第2のサンプル位置(24’)に隣接する前記第3のサンプルからなり、水平方向において前記第2のサンプル位置(22’)に隣接する前記第3のサンプルの前記第2の重み付き和の重みの和は、前記第1の垂直方向において前記第2のサンプル位置(22’)に隣接する前記第3のサンプルの前記第2の重み付き和の重みに等しく、
前記第3の重み付き和(134’)の前記第1及び第2の色座標(110、120)は、前記アレイの垂直及び水平方向において第3のサンプル位置(26’)に隣接する第1及び第2のサンプル位置について計算された前記第1及び第2の色座標からなり、
前記第4の重み付き和(144’)の前記第1及び第2の色座標(110、120)は、前記アレイの水平方向及び前記第1の垂直方向において前記第4のサンプル位置(28’)に隣接する第1及び第2のサンプル位置について計算された前記第1及び第2の色座標からなり、
前記第5の重み付き和(254’)の前記第4の色座標(140)は、前記アレイの対角方向において前記第3のサンプル位置に隣接する第4のサンプル位置について計算された前記第4の色座標からなり、
前記第6の重み付き和(264’)の前記差分色座標(250)は、前記アレイの第1及び第2の対角方向において前記第4のサンプル位置(28’)に隣接する第3のサンプル位置について計算された前記差分色座標からなり、前記第1及び前記第2の対角方向の垂直成分は、前記第1の垂直方向と同じ方向を指し示す、
請求項9から11のいずれか一項に記載の装置(500)。
【請求項13】
前記第1から第4のサンプル位置は、各々が交互に配置された第1のサンプル位置(22)及び第3のサンプル位置(26)を含む第1のタイプの行(52)と、交互に配置された第2のサンプル位置(24)及び第3のサンプル位置(28)を含む第2のタイプの行(54)とを有するアレイに配置され、前記第1のタイプの前記行及び前記第2のタイプの前記行は、前記アレイの列(62、64)に沿って交互に配置され、一方の前記第1のタイプの前記行内の前記第3のサンプル位置と、他方の前記第2のタイプの前記行内の前記第3のサンプル位置とは異なる列に位置し、前記装置はストライプ動作モードを有し、
前記第1の重み付き和(114’)の前記第3のサンプル(16)は、前記アレイの水平方向及び第2の垂直方向において前記第1のサンプル位置に隣接する前記第3のサンプルからなり、水平方向において前記第2のサンプル位置に隣接する前記第3のサンプルの前記重み付き和の重みの和は、前記第2の垂直方向において前記第2のサンプル位置に隣接する前記第3のサンプルの前記重み付き和の重みに等しく、
前記第2の重み付き和(124’)の前記第3のサンプル(16)は、前記アレイの水平方向及び第1の垂直方向において前記第2のサンプル位置に隣接する前記第3のサンプルからなり、水平方向において前記第2のサンプル位置に隣接する前記第3のサンプルの前記重み付き和の重みの和は、前記第1の垂直方向において前記第1のサンプル位置に隣接する前記第3のサンプルの前記重み付き和の重みに等しく、
前記第3の重み付き和(134’)の前記第1及び第2の色座標(110、120)は、前記アレイの水平方向及び前記第2の垂直方向において第3のサンプル位置に隣接する第1及び第2のサンプル位置について計算された前記第1及び第2の色座標からなり、
前記第4の重み付き和(144’)の前記第1及び第2の色座標(110、120)は、前記アレイの水平方向及び前記第1の垂直方向において前記第4のサンプル位置(28’)に隣接する第1及び第2のサンプル位置について計算された前記第1及び第2の色座標からなり、
前記第5の重み付き和(254’)の前記第4の色座標(140)は、前記アレイの第3及び第4の対角方向において前記第3のサンプル位置(26’)に隣接する第4のサンプル位置について計算された前記第4の色座標(140)からなり、前記第3及び第4の対角方向の垂直成分は前記第2の垂直方向と同じ方向を指し示し、
前記第6の重み付き和(264’)の前記差分色座標(250)は、前記アレイの第1及び第2の対角方向において前記第4のサンプル位置(28’)に隣接する第3のサンプル位置について計算された前記差分色座標からなり、前記第1及び前記第2の対角方向の垂直成分は、前記第1の垂直方向と同じ方向を指し示す、
請求項9から12のいずれか一項に記載の装置(500)。
【請求項14】
前記第6の重み付き和(264’)は均等重み付き和であり、前記第6の重み付き和(264’)の重みの和は1/2に等しい、請求項9から13のいずれか一項に記載の装置(500)。
【請求項15】
前記第5の重み付き和(254’)は、前記第4の色座標(250)の均等重み付き平均である、請求項9から14のいずれか一項に記載の装置(500)。
【請求項16】
前記装置は、前記画像表現(70)として符号化表現(495)を受信するように構成され、前記装置は、
前記符号化表現(495)を復号し、それにより、前記画像表現の量子化表現(482)を導出するように構成されたエントロピーデコーダ(590)と、
逆量子化プロセスによって、前記第1から第4の色座標(110、120、130、140)、又は前記第1の、前記第2の、前記差分、及び前記組み合わせ色座標(110、120、250、260)を導出するように構成された逆量子化器(580)と
をさらに備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置(500)。
【請求項17】
前記装置は、前記画像表現(70)として符号化表現(495)を受信するように構成され、前記装置は、
前記符号化表現(495)を復号し、それにより、前記画像表現の量子化表現(482)を導出するように構成されたエントロピーデコーダ(590)と、
逆量子化プロセスによって、前記量子化表現(482)に基づいて空間的に無相関化された表現(478)を導出するように構成された逆量子化器(580)と、
逆空間的無相関化変換を使用することによって、前記空間的に無相関化された表現(478)から、前記第1から第4の色座標(110、120、130、140)、又は前記第1の、前記第2の、前記差分、及び前記組み合わせ色座標(110、120、250、260)を導出するように構成された逆空間的無相関化段(575)と
をさらに備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置(500)。
【請求項18】
前記装置は、前記画像表現(70)として符号化表現(495)を受信するように構成され、前記装置は、
前記符号化表現(495)を復号し、それにより、前記画像表現の量子化表現(482)を導出するように構成されたエントロピーデコーダ(590)と、
逆量子化プロセスによって、前記量子化表現(482)に基づいて空間的に無相関化された表現(478)及び前記差分色座標(250)を導出するように構成された逆量子化器(580)と、
逆空間的無相関化変換を使用することによって、前記空間的に無相関化された表現(478)から、前記第1の、前記第2の、及び組み合わせ色座標(110、120、260)を導出するように構成された逆空間的無相関化段(575)と
をさらに備える、請求項9から15のいずれか一項に記載の装置(500)。
【請求項19】
カラーフィルタアレイ(CFA)パターン画像(10)を画像表現(70)に符号化するための装置(100)であって、
前記CFAパターン画像(10)は、第1のチャンネルの第1のサンプル(12)と、第2のチャンネルの第2のサンプル(14)と、第3のチャンネルの第3のサンプル(16)とを含み、
前記CFAパターン画像は、各々が第1から第4のサンプル位置を含むサンプルクラスタ(20)に分割され、
前記第1のサンプル(12)のうちの1つは前記第1のサンプル位置(22)に位置し、前記第2のサンプル(14)のうちの1つは前記第2のサンプル位置(24)に位置し、2つの第3のサンプル(16A、16B)は前記第3及び第4のサンプル位置(26、28)にそれぞれ位置し、前記装置は、
各サンプルクラスタの前記第1のサンプル位置(22’)について、第1の色座標(110’)が前記第1のサンプル位置(22’)における前記第1のサンプル(12’)と、前記第1のサンプル位置(22’)に隣接する第3のサンプル(16)の第1の重み付き和(114’)を形成することによって導出される第1のフィルタリング済み第3のサンプル値(112’)との差を表すように、前記第1の色座標(110’)を計算し、
各サンプルクラスタの前記第2のサンプル位置(24’)について、第2の色座標(120’)が前記第2のサンプル位置(14’)における前記第2のサンプル(14’)と、前記第2のサンプル位置(24’)に隣接する第3のサンプル(16)の第2の重み付き和(124’)を形成することによって導出される第2のフィルタリング済み第3のサンプル値(122’)との差を表すように、前記第2の色座標(120’)を計算し、
各サンプルクラスタの前記第3のサンプル位置(26’)について、前記第3のサンプル位置(26’)における前記第3のサンプル(16A’)と、前記第3のサンプル位置(26’)に隣接する第1及び第2のサンプル位置(22、24)について計算された第1及び第2の色座標(110、120)の第3の重み付き和(134’)を、前記第3の重み付き和(134’)の重みの和が1/2よりも大きくなるように形成することによって導出される第1のフィルタリング済み色座標(132’)と、の総和を形成することによって、第3の色座標(130’)を計算し、
各サンプルクラスタの前記第4のサンプル位置(28’)について、前記第4のサンプル位置(28’)における前記第3のサンプル(16B’)と、前記第4のサンプル位置(28’)に隣接する第1及び第2のサンプル位置(22、24)について計算された第1及び第2の色座標(110、120)の第4の重み付き和(144’)を、前記第4の重み付き和(144’)の重みの和が1/2よりも大きくなるように形成することによって導出される第2のフィルタリング済み色座標(142’)と、の総和を形成することによって、第4の色座標(140’)を計算すること
によって、前記CFAパターン画像を前記画像表現に符号化するように構成される、装置(100)。
【請求項20】
画像表現(70)をカラーフィルタアレイ(CFA)パターン画像(10)に復号するための方法であって、
前記CFAパターン画像(10)は、第1のチャンネルの第1のサンプル(12)と、第2のチャンネルの第2のサンプル(14)と、第3のチャンネルの第3のサンプル(16)とを含み、
前記CFAパターン画像は、各々第1から第4のサンプル位置を含むサンプルクラスタ(20)に分割され、前記第1のサンプル(12)のうちの1つは前記第1のサンプル位置(22)に位置し、前記第2のサンプル(14)のうちの1つは前記第2のサンプル位置(24)に位置し、2つの第3のサンプル(16A、16B)は前記第3及び第4のサンプル位置(26、28)にそれぞれ位置し、
前記方法は、各サンプルクラスタ(20)に関して、前記それぞれのサンプルクラスタ(20’)の前記第1のサンプル位置(22’)の第1の色座標(110’)、前記それぞれのサンプルクラスタ(20’)の前記第2のサンプル位置(24’)の第2の色座標(120’)、前記それぞれのサンプルクラスタ(20’)の前記第3のサンプル位置(26’)の第3の色座標(130’)、及び前記それぞれのサンプルクラスタ(20’)の前記第4のサンプル位置(28’)の第4の色座標(140)を導出することを含み、
前記方法は、
各サンプルクラスタの前記第3のサンプル位置(26’)について、前記第3のサンプル位置における前記第3の色座標(130’)と、前記第3のサンプル位置(26’)に隣接する第1及び第2のサンプル位置(22、24)に位置する第1及び第2の色座標(110、120)の第3の重み付き和(134’)を、前記第3の重み付き和(134’)の重みの和が1/2よりも大きくなるように形成することによって導出される第1のフィルタリング済み色座標(132’)との差を形成することによって、前記それぞれの第3のサンプル位置(26’)における前記第3のサンプル(16A’)を計算し、
各サンプルクラスタの前記第4のサンプル位置について、前記第4のサンプル位置(28’)における前記第4の色座標(140’)と、前記第4のサンプル位置(28’)に隣接する第1及び第2のサンプル位置(22、24)に位置する第1及び第2の色座標(110、120)の第4の重み付き和(144’)を、前記第4の重み付き和(144’)の重みの和が1/2よりも大きくなるように形成することによって導出される第2のフィルタリング済み色座標(142’)との差を形成することによって、前記それぞれの第4のサンプル位置における前記第3のサンプルを計算し、
各サンプルクラスタ(20’)の前記第1のサンプル位置(22’)について、前記第1のサンプル位置(22’)における前記第1の色座標(110’)と、前記第1のサンプル位置(22’)に隣接する第3及び第4のサンプル位置(26、28)について計算された第3のサンプル(16)の第1の重み付き和(114’)を形成することによって導出される第1のフィルタリング済み第3のサンプル値(112’)との総和を形成することによって、前記それぞれの第1のサンプル位置(22’)における前記第1のサンプル(12’)を計算し、
各サンプルクラスタ(20’)の前記第2のサンプル位置(24’)について、前記第2のサンプル位置(24’)における前記第2の色座標(120’)と、前記第2のサンプル位置(24’)に隣接する第3及び第4のサンプル位置(26、28)について計算された第3のサンプル(16)の第2の重み付き和(124’)を形成することによって導出される第2のフィルタリング済み第3のサンプル値(122’)との総和を形成することによって、前記それぞれの第2のサンプル位置(24’)における第2のサンプル(14’)を計算する
ことによって、前記画像表現を前記CFAパターン画像に復号することを含む、方法。
【請求項21】
カラーフィルタアレイ(CFA)パターン画像(10)を画像表現(70)に符号化するための方法であって、
前記CFAパターン画像(10)は、第1のチャンネルの第1のサンプル(12)と、第2のチャンネルの第2のサンプル(14)と、第3のチャンネルの第3のサンプル(16)とを含み、
前記CFAパターン画像は、各々が第1から第4のサンプル位置を含むサンプルクラスタ(20)に分割され、
前記第1のサンプル(12)のうちの1つは前記第1のサンプル位置(22)に位置し、前記第2のサンプル(14)のうちの1つは前記第2のサンプル位置(24)に位置し、2つの第3のサンプル(16A、16B)は前記第3及び第4のサンプル位置(26、28)にそれぞれ位置し、
前記方法は、
各サンプルクラスタの前記第1のサンプル位置(22’)について、第1の色座標(110’)が前記第1のサンプル位置(22’)における前記第1のサンプル(12’)と、前記第1のサンプル位置(22’)に隣接する第3のサンプル(16)の第1の重み付き和(114’)を形成することによって導出される第1のフィルタリング済み第3のサンプル値(112’)との差を表すように、前記第1の色座標(110’)を計算し、
各サンプルクラスタの前記第2のサンプル位置(24’)について、第2の色座標(120’)が前記第2のサンプル位置(14’)における前記第2のサンプル(14’)と、前記第2のサンプル位置(24’)に隣接する第3のサンプル(16)の第2の重み付き和(124’)を形成することによって導出される第2のフィルタリング済み第3のサンプル値(122’)との差を表すように、前記第2の色座標(120’)を計算し、
各サンプルクラスタの前記第3のサンプル位置(26’)について、前記第3のサンプル位置(26’)における前記第3のサンプル(16A’)と、前記第3のサンプル位置(26’)に隣接する第1及び第2のサンプル位置(22、24)について計算された第1及び第2の色座標(110、120)の第3の重み付き和(134’)を、前記第3の重み付き和(134’)の重みの和が1/2よりも大きくなるように形成することによって導出される第1のフィルタリング済み色座標(132’)との総和を形成することによって、第3の色座標(130’)を計算し、
各サンプルクラスタの前記第4のサンプル位置(28’)について、前記第4のサンプル位置(28’)における前記第3のサンプル(16B’)と、前記第4のサンプル位置(28’)に隣接する第1及び第2のサンプル位置(22、24)について計算された第1及び第2の色座標(110、120)の第4の重み付き和(144’)を、前記第4の重み付き和(144’)の重みの和が1/2よりも大きくなるように形成することによって導出される第2のフィルタリング済み色座標(142’)との総和を形成することによって、第4の色座標(140’)を計算すること
によって、前記CFAパターン画像を前記画像表現に符号化することを含む、方法。
【請求項22】
コンピュータ又は信号プロセッサ上で実行されると、請求項20又は21に記載の方法を実装するためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、CFAパターン画像を画像表現に符号化するための装置、及び画像表現をCFAパターン画像に復号するための装置に関する。本開示の実施形態はまた、CFAパターン画像の変換に関し、特に、CFAパターン画像の色無相関化、又は色と空間の無相関化の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的なデジタルカメラには、3つのカラーチャンネル(図1を参照)を生成するためにカラーフィルタの規則的なパターン(又はアレイ)が重ね合わされた、センサ素子の規則的なグリッドからなる、いわゆるCFAパターンセンサ(例えば、ベイヤーセンサ)が装備されている。典型的には、フィルタは、赤色光、緑色光及び青色光に対応するが、他のフィルタ配置、例えば赤色、透明(フィルタなし)、青色も可能である。このようにして、3つの独立したカラーチャンネルを取り込むことができるが、それらは互いに位置合わせされず、取り込まれた画像からフルカラー画像を生成するために追加の後処理が必要である。
センサ付近の帯域幅及び処理電力を節約するために、CFAセンサデータをそのまま、すなわち再構成(又は後処理)なしでフル解像度RGB(トゥルーカラー)画像に圧縮し、圧縮されたCFA画像信号を送信し、受信機側でそれを再構成することが意図されている。次いで、フル解像度のトゥルーカラー画像の生成、すなわち後処理ステップが、再構成されたCFA画像データに対してデコーダ側で実行される。これは、センサごとに3つではなく1つの成分のみの送信を必要とするので、帯域幅は既に低減されている。
効果的な伝送及び帯域幅の低減には、通常、CFAデータのロッシー圧縮がさらに含まれ、これは複数のステップ:最初に、「色無相関化」と表される成分間の無相関化と、例えばウェーブレット又はDCT(離散コサイン変換)による空間信号無相関化と、その後の量子化(精度の不可逆的な低下)と、その後のデータのエントロピー符号化とからなる。
色及び空間無相関化プロセスはいずれも、復号された画像の高品質と組み合わされた、高圧縮率及び効率的な符号化プロセスを容易にすることを目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本開示は、より効率的なCFAパターン画像の符号化概念を提供することを目的とする。この目的は、本明細書に添付された独立請求項の主題によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様による本開示の実施形態は、CFAパターン画像の2つのチャンネルのエネルギーが出力画像表現の1つの出力座標に圧縮されるか、又は主に1つの出力座標を構成する場合、CFAパターン画像をより効率的に符号化することができるという発見に基づいている。CFAパターン画像の3つのチャンネルのエネルギーを1つの座標に圧縮することを目的とする一般的な変換とは対照的に、開示された概念は、例えば復元されたCFAパターン画像の信号対雑音比の改善に関して、より高い符号化効率を可能にする。
【0005】
追加的に、第1の態様と組み合わせることができる本発明の第2の態様による本開示の実施形態は、CFAパターン画像を符号化する品質が、例えばスーパーピクセルなどのサンプルクラスタの符号化のために、例えば空間的無相関化のために、現在符号化されているサンプルクラスタのサンプルに対してオフセットしている少なくとも1つのライン及び少なくとも1つの行を含むCFAパターン画像のライン及び行と交差する、CFAパターン画像の部分に位置するCFAパターン画像のサンプルを考慮することによって改善され得るという発見に基づいている。CFAパターン画像の大部分を考慮することにより、無相関化を改善することができ、したがって、エネルギーをより効率的に圧縮することができ、より高い圧縮率を可能にし、より低い信号対雑音比となる。
【0006】
本開示の第1の態様によれば、この発見は、CFAパターン画像の第1のチャンネルの1つの第1のサンプル、第2のチャンネルの1つの第2のサンプル、及び第3のチャンネルの2つの第3のサンプルをそれぞれ有するサンプルクラスタに分割されたCFAパターン画像を符号化するために利用される。CFAパターン画像の符号化は、各サンプルクラスタの第1及び第2のサンプル位置について、それぞれのサンプルクラスタの第1のサンプル又は第2のサンプルのそれぞれと、第1又は第2のフィルタリング済み第3のサンプル値との差をそれぞれ形成することによって、第1及び第2の色座標をそれぞれ計算することを含む。CFAパターン画像の符号化のさらなるステップは、各サンプルクラスタの第3及び第4のサンプル位置について、それぞれのサンプルクラスタの第3のサンプル又は第4のサンプルと、第1又は第2のフィルタリング済み色座標との総和をそれぞれ形成することによって、第3及び第4の色座標をそれぞれ計算することを含む。第1及び第2のフィルタリング済み色座標は、それぞれの第3及び第4のサンプル位置に隣接する第1及び第2の色座標の第3及び第4の重み付き和を形成することによって導出され、第3及び第4の重み付き和の各々の重みの和は1/2よりも大きい。1以上であってもよい。一例では、和は、第1の色座標に関する重みについては1/4より大きく、第2の色座標に関する重みについては1/4より大きい。0.5以上であってもよい。第3及び第4の色座標の算出のための第3及び第4の重み付き和の重みのこの選択により、第1及び第2のチャンネル、特に低周波数成分は、第1のチャンネルに関して第3及び第4の色座標において重みが過剰であるか、代替的に、第3及び第4の色座標のエネルギーは、CFAパターン画像の第1及び第2のチャンネルのエネルギーによって主に決定され、これは最終的により良好な無相関化につながり、それによって、後続の量子化及びエントロピー符号化プロセスにおいてより高い圧縮率又はより低い量子化損失をもたらすこととなる。第3のチャンネルが緑色で、第1及び第2のサンプルの重みが等しいRGBパターンの場合、第3及び第4の色座標は、CFA画像のローパスフィルタリング済みバージョンのマゼンタ色、又は青色と赤色の混合に主に対応し、緑色はないか、又はより小さいエネルギーに緑色の一部のみがある。
【0007】
実施形態によれば、第3及び第4の重み付き和の重みは、第1の色座標及び第2の色座標を重み付けするための個々の重みからなり、その結果、重みは、それぞれのチャンネルの感度に別々に適合することができる。第1及び第2のチャンネルが第3及び第4の色座標において等しく重み付けされるように、第1及び第2の色座標の重みを選択することによって、符号化効率が向上する。
実施形態によれば、第3及び第4の重み付き和における第1及び第2の色座標を重み付けするための重みはそれぞれ、2の累乗として実装され、2の累乗の各々の指数は整数である。したがって、第1及び第2の色座標とそれらのそれぞれの重みとの乗算は、計算上効率的なビットシフト演算として実行することができる。
【0008】
実施形態によれば、CFAパターン画像の符号化のために動作モードのセットが利用可能であり、CFAパターン画像の第1から第3のサンプルは行及び列に配置される。行及び列の文脈において、水平方向はCFAパターン画像の行における方向を指し、垂直方向はCFAパターン画像の列に沿った方向を指す。さらに、行及び列の定義は、CFAパターン画像を90°回転させることによって交換可能であるため、行及び列の属性は限定的ではないと理解されるべきである。いくつかの例では、CFAパターン画像の符号化は行ごとに実行されてもよく、第2の行の上方に位置すると呼ばれる第1の行は、第2の行の前に符号化されると理解されるべきである。したがって、第2の行は、第1の行の下方に位置する。動作モードのセットは、等方性動作モード、垂直因果動作モード、及びストライプ動作モードのうちの1つ又は複数を含み、これらは、選択されたサンプルクラスタの選択されたサンプル位置について色座標を算出するために考慮されるCFAパターン画像の部分において異なる。指定された動作モードのすべてにおいて、選択されたサンプルクラスタが位置する行に位置するいくつかのサンプルが、色座標の計算に含まれる。等方性動作モードでは、選択されたサンプルクラスタが位置する行(現在の行と呼ばれる)の上下の行に位置するサンプルが、選択されたサンプル位置のそれぞれのタイプの色座標の計算に含まれる。算出において、CFAパターン画像の現在の行に追加の行を含めることにより、CFAパターン画像の垂直方向の低周波成分及び高周波成分を分離することができ、CFAパターン画像のエネルギーを1つ又は複数の色座標により良好に圧縮することができる。対照的に、現在の列内のサンプルのみを使用して、主に水平方向にエネルギーの圧縮を実行してもよい。したがって、現在の行の上方及び/又は下方の追加の行を含めることにより、より効率的なデータ圧縮及びより低い信号対雑音比を提供することができる。垂直因果動作モードでは、現在の行の上方であるが下方ではない行に位置するサンプルが、選択されたサンプル位置のそれぞれのタイプの色座標の計算に含まれる。現在の行の下方の行に位置するサンプルは考慮されないので、後続の行のサンプルをシグナリングするデータを待つことなく、現在の行のサンプルをシグナリングするデータを受信した直後に、符号化を実行することができる。それでも、現在の行の上方の行に位置するサンプルを考慮することにより、CFAパターン画像の大部分が色座標を算出する際に考慮され、品質が向上する。したがって、この動作モードは、高符号量と高速符号化との組み合わせを提供することができる。ストライプ動作モードでは、現在の行内に位置するサンプルのみが色座標の計算に含まれる。したがって、特定のサンプル位置のサンプルは、その特定のサンプル位置の色座標を算出する瞬間に上書き又はドロップすることができ、垂直因果及び等方性動作モードと比較して、現在の行より上方の行を参照するデータで、記憶する必要があるものが少なくて済む。したがって、ストライプ動作モードは、垂直因果動作モードの高速であるという利点と、メモリの要件が低いこととを組み合わせる。
【0009】
一実施形態によれば、CFAパターン画像の符号化は、第3及び第4の色座標に基づいて差分色座標を計算するステップと、第4の及び差分色座標に基づいて組み合わせ色座標を計算するステップとをさらに含む。これらのステップは、1つの色座標への、すなわち組み合わせ色座標へのCFAパターン画像のエネルギーの特に高い圧縮を提供し、したがってエントロピー符号化プロセスによる画像表現の高圧縮を可能にした。
本開示の第2の態様によれば、上記で導入された概念は、CFAパターン画像の第1のチャンネルの第1のサンプル、第2のチャンネルの第2のサンプル、及び第3のチャンネルの第3のサンプルを有するCFAパターン画像を符号化するために利用され、第1から第3のサンプルは行及び列を有するアレイに配置される。CFAパターン画像を符号化することは、第1のサンプルが位置する第1のサンプル位置のそれぞれについて、それぞれの第1のサンプル位置における第1のサンプルと、第1のサンプル位置に隣接する第3のサンプルの第1の重み付き和を形成することによって導出される第1のフィルタリング済み第3のサンプル値との差を形成することによって、第1の色座標を計算することを含む。第3の重み付き和の第3のサンプルは、それぞれの第1のサンプル位置のサンプルクラスタが位置する1つ又は複数の行(以下では現在の行と呼ぶ)に隣接する行に位置する第3のサンプルを含む。例えば、隣接する行は、現在の行の上方の行であってもよく、その行が既に符号化プロセスに利用可能であるように、以前に符号化されていてもよい。第3の重み付き和の計算において現在の行に隣接する行の第3のサンプルを含めることによって、1つの追加の行が必要とされるが、垂直因果及び等方性動作モードに関して上述したように符号化の品質が向上する。
【0010】
一実施形態によれば、CFAパターン画像を符号化するために動作モードのセットが利用可能であり、動作モードのうちの第3の動作モードは、第1の動作モード、例えば上記で導入された垂直因果及び等方性動作モードのうちの1つと、ストライプ動作モードとを含む。ストライプ動作モードでは、第1の重み付き和の第3のサンプルは、現在の行内に位置するサンプルからなる。したがって、動作モード間の選択が可能であり、ストライプ動作モードは、高速の符号化及び低いメモリ要件を提供し、第1の動作モードは、符号化のより高い効率のためのより高い品質を提供する。
【0011】
上述したような第1及び第2の態様による本開示の実施形態は、CFAパターン画像を画像表現に符号化するために使用されてもよく、画像表現はそのまま提供されてもよく、又は画像表現の符号化表現で提供されてもよく、そして、上述したような第1及び第2の態様による本開示の実施形態は、画像表現を復号することによって、画像表現又は符号化表現からCFAパターン画像をそれぞれ取得するために使用されてもよい。したがって、CFAパターン画像の符号化に関して説明した特徴、機能、及び利点は、符号化及び復号化プロセスに等しく適用可能である。
本開示の有利な実施態様は、従属請求項の主題であり、好ましい実施形態は、図面を参照して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態によるCFAパターン画像を符号化するための装置を示す図である。
図2】さらなる実施形態によるCFAパターン画像を符号化するための装置を示す図である。
図3】CFAパターン画像の一例を示す図である。
図4】さらなる実施形態によるCFAパターン画像を符号化するための装置を示す図である。
図5】一実施形態による画像表現をCFAパターン画像に復号するための装置を示す図である。
図6】さらなる実施形態による画像表現をCFAパターン画像に復号するための装置を示す図である。
図7】さらなる実施形態による画像表現をCFAパターン画像に復号するための装置を示す図である。
図8】CFAパターン画像の一例を示す図である。
図9】ストライプ動作モードでCFAパターン画像を符号化するための現在の行の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、実施形態について詳細に説明するが、実施形態は、多種多様な画像及びビデオの処理及び符号化において具体化され得る多くの適用可能な概念を提供することを理解されたい。説明された特定の実施形態は、本概念を実装及び使用するための特定の方法の単なる例示であり、実施形態の範囲を限定するものではない。以下の説明では、本開示の実施形態のより完全な解説を提供するために、複数の詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細なしで他の実施形態が実施され得ることは当業者には明らかであろう。他の例では、本明細書に記載の例を不明瞭にすることを避けるために、周知の構造及びデバイスが詳細ではなくブロック図の形態で示されている。追加的に、本明細書に記載の異なる実施形態の特徴は、特に明記しない限り、互いに組み合わせることができる。
以下の実施形態の説明では、同じ若しくは類似の要素又は同じ機能を有するには同じ参照符号が付されるか、又は同じ名前で識別され、そして、同じ参照番号が付されるか、又は同じ名前で識別される要素の繰り返しの説明は通常省略される。したがって、同じ若しくは類似の参照番号を有するか、又は同じ名前で識別される要素について提供される説明は、相互に交換可能であるか、又は異なる実施形態において互いに適用することができる。
【0014】
複数の色変換を、CFAパターン画像を符号化するための色無相関化に適用することができる。これらの変換はまた、空間的無相関化を含む場合がある。
一例はRCTD変換であり、これは、ロッシー又は可逆圧縮の目的でトゥルーカラー画像に適用されるRCT変換の4成分変形である。図8に見られるようなCFAパターンを、2×2の「スーパーピクセル」に分離し、その各々は、1つの赤色、1つの青色、及び2つの緑色の値からなり、それらから、以下のように各スーパーピクセル内の4つの成分を形成する:
は、整数への丸め、例えば、次の小さな整数へのfloor演算若しくはround-down演算、又は次の大きな整数へのceil演算若しくはround-up演算を表す。この表現は、本出願全体の式に適用可能である。次に、4つ組(Y、C、C、Δ)がさらなる圧縮ステップに入力される。この変換は損失なく正確に可逆的であることが容易に分かる。
【0015】
最近、ベルギーのintoPix社は、色変換と共に空間的無相関化ステップを含む上記の変換の変形を提案した。この目的のために、CFA画像を水平ストライプに分離し、その各々は2つのピクセル、すなわち1つのスーパーピクセルの高さであり、CFA画像全体と同じ幅である。各ストライプ内では、色変換は、各々がそれ自体で可逆な4つの持ち上げステップで実行される。
第1のステップは、図9に示すように、赤色及び青色、並びに隣接する緑色サンプルから2つの彩度座標を生成する。
変換を定義するために、現在位置の左にあるサンプル値をサブインデックスlで示し、現在位置の右にあるサンプル値をサブインデックスrで示す。同様に、サブインデックスtは上にある位置を示し、サブインデックスbは現在のサンプルの下にあるサンプル位置を示す。次に、第1の持ち上げステップは、赤色値及び青色値から緑色サンプル値の重み付き和を減算し、したがって、緑色値の重み付き近傍からではあるが、上記と同様に、C及びCチャンネルを形成する:

左右のエッジでは、存在しない左の緑色チャンネルが右の緑色チャンネルに置き換えられ、右の画像エッジでは、存在しない右の緑色チャンネルが左のサンプル値に置き換えられる。
【0016】
第2の持ち上げステップでは、C、C及び緑色チャンネルから、以下のように2つの輝度チャンネルY、Yが形成される:

ここで、図2に示すように、Yサンプルは、2ラインの画素配置のうちの上の行に位置し、Yサンプルは下の行に位置する。
第3の持ち上げステップは、ここで、Y及びYから、最上行での輝度差チャンネルΔを計算する。上記と同様に、サブインデックスrtは、斜め右上にあるサンプル値、ltは左上にあるサンプル値、rbは右下にあるサンプル値、及びlbは左下にあるサンプル値を示す。したがって、
最後の持ち上げステップは、最終的に、差分信号Δを使用することによって、Y及びYから平均として出力輝度信号を生成する:
【0017】
次に、4つ組(Y、C、C、Δ)がさらなる圧縮ステップに入力され、ここで、Δは、ハイパスフィルタリング済み差分信号から既に構成されているため、任意の空間的無相関化から任意選択的に除外される。
同様の変換、すなわち空間的及び色無相関化を組み合わせる変換は、以前に文献で、例えばT.Suzukiによる「Lossless compression of CFA-sampled images using YDgCoCg transforms with CDF wavelets」(Proc.of Intl.Conf.on Image Proc.(ICIP),2018)で論じられている。しかしながら、そこで論じられている変換は、H.S.Malvar及びG.J.Sullivanによる「Progressive-to-lossless compression of color-filter-array images using macropixel spectral-spatial transformation」(Proc.of DCC’12,Snowbird,UT,Apr.2012,pp.3-12)によって最初に提案されたYCgCo変換に基づいている。Suzuki変換もまた、intoPixによって説明されたものと同様に持ち上げに基づいているが、2つのラインに制限されない。
【0018】
上述のintoPix変換は、3つのチャンネルのエネルギーを1つの輝度チャンネル、すなわちYに圧縮することを目的としており、さらに水平ストライプに限定される。本開示による第1の態様の意図は、前述のように、3つのチャンネルのうちの2つのチャンネルのエネルギーの圧縮である。本開示の第2の態様によれば、変換は、現在符号化されているサンプルクラスタの行を超える、サンプルの少なくとも1つの行を含む。
詳細な説明の第1の部分は、本開示の両方の態様による実施形態によって実装される一般的な概念を紹介する。続いて、第1及び第2の態様による異なる実施形態を、一般的な概念を参照して明確に述べる。
【0019】
図1は、CFAパターン画像10を画像表現70に符号化するための装置100の一例の概略図を示す。CFAパターン画像10は、第1のチャンネルの第1のサンプル12と、第2のチャンネルの第2のサンプル14と、第3のサンプル16A、16Bを含む第3のチャンネルの第3のサンプル16とを含む。例えば、第1から第3のチャンネルは、赤色、青色及び緑色チャンネル、又は赤色、白色及び青色チャンネルからなる。
例えば、CFAパターン画像10は、複数のセンサ素子から取得され、センサ素子の各々は、第1のチャンネル、第2のチャンネル、及び第3のチャンネルのうちの1つに関連付けられ、共通のチャンネルに関連付けられたセンサ素子は、チャンネルに固有の共通波長範囲内の光を検出するように構成される。例えば、CFAパターン画像は、例えば図8に示すようなベイヤーパターンを有してもよい。
CFAパターン画像10は、サンプルクラスタ20に分割され、その各々は、第1のサンプル位置22に位置する第1のサンプル12のうちの1つ、第2のサンプル位置24に位置する第2のサンプル14のうちの1つ、第3のサンプル位置26に位置する第3のサンプル16A、及び第4のサンプル位置28に位置するさらなる第3のサンプル16Bをそれぞれ含む。
【0020】
装置100は、サンプルクラスタ20の各々に関して、第1から第4のサンプル位置22、24、26、28について、第1から第4の色座標110、120、130、140を計算することによって、CFAパターン画像を画像表現70に符号化するように構成される。第1の持ち上げステップと呼ばれ得るステップ1では、装置100は、サンプルクラスタ20のそれぞれに関して、それぞれのサンプルクラスタ20’の第1のサンプル位置22’について、第1の色座標110’、例えば第1の彩度差チャンネル座標を計し、その結果、第1の色座標がそれぞれのサンプルクラスタ20’の第1のサンプル位置22’の第1のサンプルと第1のフィルタリング済み第3のサンプル値112’との差を示すことが理解される。第1のフィルタリング済み第3のサンプル値112’は、第1のサンプル位置22’に隣接する第3のサンプル16の第1の重み付き和114’を形成することによって導出される。特定のサンプル位置に隣接するサンプルは、特定のサンプル位置と同じサンプルクラスタの一部であってもよいが、別のサンプルクラスタの一部であってもよいことに留意されたい。さらに、装置100は、それぞれのサンプルクラスタ20’の第2のサンプル位置24’について、第2の色座標120’、例えば第2の彩度差チャンネル座標を、第2の色座標120’がそれぞれのサンプルクラスタ20’第2のサンプル位置24’の第2のサンプル14’と、第2のフィルタリング済み第3のサンプル値122’との差を表すように計算するように構成される。第2のフィルタリング済み第3のサンプル値122’は、第2のサンプル位置24’に隣接する第3のサンプル16の第2の重み付き和124’を形成することによって導出される。
【0021】
第2の持ち上げステップと呼ばれ得る後続のステップ2では、装置100は、サンプルクラスタ20の各々に関して、それぞれのサンプルクラスタ20’の第3のサンプル位置26’について、それぞれのサンプルクラスタ20’の第3のサンプル位置26’における第3のサンプル16A’と、第3のサンプル位置26’に隣接する第1及び第2のサンプル位置22、24について計算された第1及び第2の色座標110、120の第3の重み付き和134’を形成することによって導出される第1のフィルタリング済み色座標132’との総和、例えば均等重み付き総和を形成することによって、第3の色座標130’を計算するように構成される。装置100は、各サンプルクラスタ20’の第4のサンプル位置28’について、それぞれのサンプルクラスタ20’の第4のサンプル位置28’における第3のサンプル16B’と、第4のサンプル位置28’に隣接する第1及び第2のサンプル位置22、24について計算された第1及び第2の色座標110、120の第4の重み付き和144’によって導出される第2のフィルタリング済み色座標142’との総和、例えば均等重み付き総和を形成することによって、第4の色座標140’を計算するように構成される。
【0022】
例えば、装置100は、サンプルクラスタ20の各々に関して、画像表現70内のそれぞれの第1から第4の色座標110、120、130、140を提供することができる。第1から第4の色座標110、120、130、140に基づく画像表現70の表現は、変換表現149と呼ばれる場合がある。
代替的に、装置100は、サンプルクラスタ20の各々に関して、差分色座標250及び組み合わせ色座標260を計算するための中間値として、第3及び第4の色座標130、140を使用するように構成されてもよい。図2は、第1から第4の色座標110、120、130、140の計算に加えて、第3及び第4の色座標130、140に基づいて、差分色座標250及び組み合わせ色座標260を計算するための2つの追加のステップを含む装置100の別の例の概略図を示す。この場合、装置100は、サンプルクラスタ20の各々に関して、画像表現70内のそれぞれの第1の、第2の、差分、及び組み合わせ色座標110、120、250、260を提供することができる。第1の、第2の、差分、及び組み合わせ色座標110、120、250、260に基づく画像表現70の表現は、圧縮変換表現249と呼ばれる場合がある。
したがって、第3の持ち上げステップと呼ばれ得る第3のステップ3では、装置100は、サンプルクラスタ20の各々に関して、それぞれのサンプルクラスタ20’の第3のサンプル位置26’における第3の色座標250’とフィルタリング済み第4の色座標130’との差を形成することによって、それぞれのサンプルクラスタ20’の第3のサンプル位置26’について、差分色座標252’を計算することができる。フィルタリング済み第4の色座標252’は、第3のサンプル位置26’に隣接する第4のサンプル位置28について計算された第4の色座標140の第5の重み付き和254’、例えば均等重み付き和を形成することによって導出される。
【0023】
第4の持ち上げステップと呼ばれ得る第4のステップ4では、装置100は、サンプルクラスタ20の各々に関して、それぞれのサンプルクラスタ20’の第4のサンプル位置28’について、それぞれのサンプルクラスタ20’の第4のサンプル位置28’における第4の色座標140’とフィルタリング済み差分色座標262’との総和を形成することによって、組み合わせ色座標260を計算することができる。フィルタリング済み差分色座標262’は、第4のサンプル位置28’に隣接する第3のサンプル位置26について計算された差分色座標250の第6の重み付き和264’、例えば均等重み付き和を形成することによって導出される。
実施形態によれば、例えば、図1のCFAパターン画像に関して示されるように、第1から第4のサンプル位置は、第1のタイプの行52及び第2のタイプの行54を有するアレイに配置される。第1のタイプの行52は、交互に配置された第1のサンプル位置22及び第3のサンプル位置26を含み、第2のタイプの行54は、交互に配置された第2のサンプル位置24及び第4のサンプル位置28を含む。第1のタイプの行52及び第2のタイプの行は、アレイの列に沿って交互に配置されている。第1のタイプの行52の第1のサンプル位置22及び第2のタイプの行54の第2のサンプル位置24は、アレイの異なる列62、64に位置する。
【0024】
したがって、説明されたアレイ配置では、第1のサンプル位置22の各々は、4つの第3のサンプル16と隣接しており、そのうちの2つの第3のサンプル16Aは、第1のサンプル位置22に水平方向に隣接する第3のサンプル位置26に位置し、2つの第3のサンプル16Bは、第1のサンプル位置22に垂直方向に隣接する第4のサンプル位置28に位置する。この文脈において、水平方向は上及び下を指し、垂直方向は左及び右を指す。同様に、第2のサンプル位置24の各々は、4つの第3のサンプル16と隣接しており、そのうち2つの第3のサンプル16は、第2のサンプル位置24に垂直方向に隣接する第3のサンプル位置26に位置し、2つの第3のサンプル16は、第2のサンプル位置24に水平方向に隣接する第4のサンプル位置28に位置する。サンプル位置の配置の説明された例によれば、サンプルクラスタ20の各々は、1つの第1のタイプの行52及び1つの第2のタイプの行54を含むサンプルの隣接する2つの行のペア内に位置する。図1に示すような第1のタイプの行52及び第2のタイプの行54、並びに第1のタイプの列62及び第2のタイプの列64に関するサンプルクラスタ20のビュー配置は例示的であり、すなわち、行及び列のそれぞれ上下位置及び左右位置をそれぞれ交換することができ、これにより、サンプルクラスタ20内の第1から第4のサンプル位置の4つの異なる配置をもたらすことができることが指摘される。
【0025】
例えば、装置100は、色座標、すなわち第1から第4の色座標110、120、130、140、並びに任意選択的に、差分及び組み合わせ色座標250、260の算出を、行ごとの方式で、すなわち1行ずつ実行してもよい。異なる処理方式又は動作モードが可能であり、第1から第6の重み付き和114’、124’、134’、144’、254’、264’に関するそれぞれの入力値のソースとして機能するCFAパターン画像の部分のサイズが異なる。
例えば、装置100は、後続の持ち上げステップが記憶された色座標を使用することができるように、それぞれの第1から第4の持ち上げステップ中に計算された第1から第4の色座標並びに/又は差分及び組み合わせ色座標をそれぞれのデータバッファに記憶することができる。さらなるサンプルクラスタの色座標の計算に必要とされない場合、バッファされた色座標110、120、130、140、250、260又はサンプル12、14、16は解放又は上書きされてもよい。したがって、それぞれのデータバッファに記憶される必要があるデータ量は、したがって、それぞれのデータバッファを使用する持ち上げステップで考慮される隣接するサンプル位置の数に依存する場合がある。
【0026】
図3は、色座標を計算するための、サンプルクラスタ20’を含むCFAパターン画像10の一部の例を示す。サンプルクラスタ20’は、現在の行56と呼ばれる第1及び第2のタイプの行52’、54’に位置する。
例えば、装置100は、現在の行56内のサンプル位置に位置するサンプルのみが第1から第6の重み付き和114’、124’、134’、144’、254’、264’に寄与し得るストライプ動作モード又はインライン動作モードで動作してもよい。代替的に、装置100は、現在の行56の上方の1つ又は複数の行に位置する追加のサンプルが、第1から第6の重み付き和114’、124’、134’、144’、254’、264’のうちの1つ又は複数に寄与し得る垂直因果動作モードで動作してもよい。さらに別の仮定では、装置100は等方性動作モードを動作してもよく、この場合、垂直因果動作モードに加えて、現在の行56の下方の1つ又は複数の行に位置するサンプルが、第1から第6の重み付き和114’、124’、134’、144’、254’、264’のうちの1つ又は複数に寄与することができる。
第1から第6の重み付き和114’、124’、134’、144’、254’、264’に寄与するサンプルの詳細な説明は、CFAパターン画像のエッジの位置ではないサンプル位置に対して行われることが指摘される。エッジサンプル位置の場合、欠落したサンプル位置は、それぞれの重み付き和が算出されるサンプル位置を考慮して、欠落したサンプル位置の反対のサンプル位置によって置き換えられてもよい。
【0027】
ストライプ動作モードでは、現在の行56内に位置するサンプルのみが、第1から第6の重み付き和114’、124’、134’、144’、254’、264’の入力値と見なされる。例えば、第1の重み付き和114’の第3のサンプル16は、それぞれのサンプルクラスタ20’の第1のサンプル位置22’に水平方向に隣接する第3のサンプル位置26-1、26’に位置する第3のサンプル16と、第4のサンプル位置28’に位置する第3のサンプル16とからなってもよい。したがって、第2の重み付き和124’の第3のサンプル16は、それぞれのサンプルクラスタ20’の第2のサンプル位置24’に水平方向に隣接する第4のサンプル位置28-1、28’に位置する第3のサンプル16と、第3のサンプル位置26’に位置する第3のサンプル16とからなってもよい。第4の重み付き和144’を計算するための第1及び第2の色座標110、120は、それぞれのサンプルクラスタ20’の第4のサンプル位置28’に水平方向に隣接する第2のサンプル位置24’、24-1に位置する第2の色座標120と、第1の垂直方向、例えば上方向において第3のサンプル位置26’に隣接する第1のサンプル位置22’に位置する第1の色座標110とからなってもよい。さらに、第3の重み付き和134’を計算するための第1及び第2の色座標110、120は、それぞれのサンプルクラスタ20’の第3のサンプル位置26’に水平方向に隣接する第1のサンプル位置22’、22-1に位置する第1の色座標110と、第2の垂直方向、例えば下方向において第3のサンプル位置26’に隣接する第2のサンプル位置24’に位置する第2の色座標120とからなってもよい。
第5の重み付き和254’及び第6の重み付き和264’をそれぞれ計算するための第4の色座標140及び差分色座標250は、アレイの対角方向においてそれぞれの第3のサンプル位置26’及び第4のサンプル位置28’に隣接する。第1及び第2の対角方向は、第1の垂直方向又は上方向を指し示す垂直成分を有する対角方向を指す。第3及び第4の対角方向は、第2の垂直方向又は方向を指し示す垂直成分を有する対角方向を指す。
【0028】
ストライプ動作モードでは、第5の重み付き和254’を算出するための第4の色座標140は、アレイの第3及び第4の対角方向、例えば左下及び右下の対角方向において、それぞれのサンプルクラスタ20の第3のサンプル位置26’に隣接する第4のサンプル位置28’、28-1について計算された第4の色座標140からなってもよい。したがって、第6の重み付き和264’の差分色座標250は、第1及び第2の対角方向、例えば右上対角方向の左上において、それぞれのサンプルクラスタ20’の第4のサンプル位置28’に隣接する第3のサンプル位置26’、26-1について計算された差分色座標250からなってもよい。
ストライプ動作モードでは、現在の行56の色座標を算出するためにのみ、サンプルを明示的に使用することができるので、特定のサンプル位置は、特定のサンプル位置に対して算出された色座標によって置き換えることができる。したがって、この動作モードは、特に低いメモリ要件を有する。それでも、画像表現の1つの色座標における第1及び第2のチャンネルのエネルギーの圧縮により、最新技術の変換に関する性能を、例えば、低ビットレートで約0.3dB向上させることができる。
【0029】
それぞれの色座標を計算するために使用される現在の行56の別の例が、赤、青、及び緑色チャンネルである第1、第2、及び第3のチャンネルの場合について図9に示されている。
さらなる可能な動作モードは、図3を参照して解説される垂直因果動作モードである。垂直因果動作モードでは、第1の垂直方向、例えば上方向において現在の行56に隣接する1つ又は複数の行内のサンプル位置が、第1から第6の重み付き和114’、124’、134’、144’、254’、264’のうちの1つ又は複数の算出に含まれる場合がある。好ましくは、第1の垂直方向は、現在の行56の時間的に前に、装置100によって受信されたアレイの行を指し示す。したがって、CFAパターン画像10は、ストライプ動作モードに関して追加の時間遅延なしに符号化することができる。
【0030】
例えば、垂直因果動作モードにおいて、第2の重み付き和124’、第4の重み付き和144’及び第6の重み付き和264’は、ストライプ動作モードに関して説明したように算出することができる。第1の重み付き和114’の第3のサンプル16は、それぞれのサンプルクラスタ20’の第1のサンプル位置22’に水平方向に隣接する第3のサンプル位置26-1、26’に位置する第3のサンプル16と、第1のサンプル位置22’に垂直方向に隣接する第4のサンプル位置28’、28-2に位置する第3のサンプル16とからなってもよい。追加的に、第3の重み付き和134’を計算するための第1及び第2の色座標110、120は、それぞれのサンプルクラスタ20’の第3のサンプル位置26’に水平方向に隣接する第1のサンプル位置22’、22-1に位置する第1の色座標110と、第3のサンプル位置26’に垂直方向に隣接する第2のサンプル位置24’、24-2に位置する第2の色座標120とからなってもよい。第5の重み付き和254’を算出するための第4の色座標140は、アレイの4つの対角方向においてそれぞれのサンプルクラスタ20の第3のサンプル位置26’に隣接する第4のサンプル位置28’、28-1、28-3、28-4について計算された第4の色座標140からなってもよい。言い換えれば、垂直因果モードの例では、上方の隣接部のみにアクセスし、したがって、持ち上げステップごとに1つの追加ラインをバッファしなければならないが、追加のレイテンシは作成されない。すなわち、エンコーダ、例えば装置100、入力バッファ要件は、4つのラインだけ増加すればよく、デコーダ、例えば図5の装置500、出力バッファ要件は、4つのラインだけ増加すればよい。
【0031】
ストライプ動作モード及び垂直因果動作モードにおいて、第1から第6の重み付き和114’、124’、134’、144’、254’、264’は、それぞれの色座標が算出されるサンプル位置に水平方向に隣接するサンプル位置からの寄与の重みの合計が、それぞれの色座標が算出されるサンプル位置に垂直方向に隣接するサンプル位置からの寄与の重みの合計と等しくなるように重み付けされてもよい。すなわち、垂直に隣接するサンプル位置が1つのみ考慮される場合、それぞれの値は2倍に重み付けされてもよい。
【0032】
さらなる可能な動作モードは等方性動作モードであり、等方性動作モードでは、両方の垂直方向において現在の行56に隣接する行に位置するサンプルが、色座標110、120、130、140、250、260のうちの1つ若しくは複数、又はすべての算出において考慮される。第1の重み付き和114’、第3の重み付き和134’及び第5の重み付き和254’は、垂直因果動作モードに関して説明したように算出することができる。第2の重み付き和124’の第3のサンプル16は、それぞれのサンプルクラスタ20’の第2のサンプル位置24’に水平方向に隣接する第4のサンプル位置28-1、28’に位置する第3のサンプル16と、第2のサンプル位置24’に垂直方向に隣接する第3のサンプル位置26’、26-2に位置する第3のサンプル16とを含んでもよい。この場合、第2の色座標120を算出するためには、前述の動作モードに関して現在の行56の下方にある1つの追加の行が必要である。追加的に、ただし任意選択的に、例えば現在の行56の下方に位置する追加の行を考慮することによって導入される最大許容可能時間遅延に応じて、第4の重み付き和144’を計算するための第1及び第2の色座標110、120は、それぞれのサンプルクラスタ20’の第4のサンプル位置28’に水平方向に隣接する第2のサンプル位置24’、24-1に位置する第2の色座標120と、第3のサンプル位置26’に垂直方向に隣接する第1のサンプル位置22’、22-2に位置する第1の色座標110とを含んでもよい。この場合、前述の動作モードに関して、現在の行56より下方にある2つの追加の行が必要である。追加的に、ただし任意選択的に、第6の重み付き和264’の差分色座標250は、4つの対角方向においてそれぞれのサンプルクラスタ20’の第4のサンプル位置28’に隣接する第3のサンプル位置26’、26-1、26-2、26-3について計算された差分色座標250からなってもよい。この場合、前述の動作モードに関して、現在の行56より下方にある4つの追加の行が必要である。言い換えれば、エンコーダ変換はその出力70を4つのライン又は行だけ遅延させ、デコーダは4つのライン又は行による追加の遅延を含み、したがって、エンドツーエンドレイテンシは8つのライン又は行だけ増加する場合がある。
【0033】
実施形態によれば、装置100は、等方性動作モード、垂直因果動作モード、及びストライプ動作モードのうちの1つ又は複数を含む動作モードのセットを含む。したがって、利用可能なメモリと、CFAパターン画像10の符号化及び復号化に許容可能な最大時間遅延とに応じて、動作モードのセットのうちの1つを選択することができる。
実施形態によれば、装置100は、CFAパターン画像10を符号化するための動作モードのセットのうちの1つを選択し、画像表現70がシグナリングされるデータストリーム内の選択された動作モードをシグナリングすることができる。
実施形態によれば、第1のフィルタリング済み第3のサンプル値112’、第2のフィルタリング済み第3のサンプル値122’、第1のフィルタリング済み色座標132’、第2のフィルタリング済み色座標142’、フィルタリング済み第4の色座標252’、及びフィルタリング済み差分色座標262’は、それぞれ丸め演算によって第1の重み付き和114’、第2の重み付き和124’、第3の重み付き和134’、第4の重み付き和144’、第5の重み付き和254’、及び第6の重み付き和264’から取得され、それぞれの色座標の効率的な計算及び記憶を可能にすることができる。例えば、丸め演算は、数値を次の小さな又は大きな整数にそれぞれ丸めることができるfloor演算又はceil演算であってもよい。
【0034】
実施形態によれば、第1の重み付き和114’及び第2の重み付き和124’はそれぞれ、それらのそれぞれの第3のサンプルの平均を表す。したがって、第1及び第2の色値110’、120’は、それぞれ第1及び第2のサンプル12’、14’と、第1及び第2のサンプル位置22’、24’に隣接するそれぞれの第3のサンプルの空間的フィルタリング済み平均値との間の差を表すことができる。
実施形態によれば、第3及び第4の重み付き和134’、144’の重みは、第1の色座標を重み付けするための第1の重みと、第2の色座標を重み付けするための第2の重みとからなる。例えば、第1の重みは2の第1の累乗として実装されてもよく、第2の重みは2の第2の累乗として実装されてもよく、2の第1及び第2の累乗の指数は整数、例えば負、0、又は正である。
【0035】
以下では、色座標110、120、130、140、250、260を計算するための例をより詳細に説明する。例示を目的として、いくつかの実施形態によれば、第1のチャンネルは赤色チャンネルであり、第2のチャンネルは青色チャンネルであり、第3のチャンネルは緑色チャンネルであると仮定される。それにもかかわらず、説明された変換は、異なる構成にとっても有利である。例えば、さらなる実施形態では、第1及び第2のチャンネルは交換されてもよく、及び/又は第3のチャンネルは白色チャンネルであってもよい。以下の式において、Rは第1のサンプル12を表し、Bは第2のサンプル22を表し、Gは第3のサンプル24を表し、より正確にはそのサンプル値を表す。また、限定ではないが例示目的のために、第1の垂直方向が上方向として選択され、第2の垂直方向が下方向として選択され、水平方向が左右として選択される。それぞれの色座標が算出されるサンプル位置の隣接するサンプルは、左のl、右のr、上のt、及び下のb、並びに対応する対角方向のlt、lb、rt、rbでインデックス付けされる。したがって、第1の色座標110を第1の彩度差チャンネルCとして呼ぶことができ、第2の色座標120を第2の彩度差チャンネルCと呼ぶことができ、第3の色座標130を第1のマゼンタチャンネルMと呼ぶことができ、第4の色座標140を第2のマゼンタチャンネルMと呼ぶことができ、差分色座標250をマゼンタ差分チャンネルΔと呼ぶことができ、組み合わせ色座標260を平均マゼンタチャンネルMと呼ぶことができる。
【0036】
一実施形態によれば、第3及び第4の重み付き和134’、144’のそれぞれにおいて、第1の色座標110の重みの合計は第2の色座標120の重みの合計に等しく、それぞれの重み付き和の重みの和は1に等しい。この特定の場合については、均等重み付き和である第1及び第2の重み付き和114’、124’と組み合わせて、第3のチャンネル、例えば緑色チャンネルの空間ハイパスを形成することができ、結果として得られる組み合わせ色座標の高周波成分又はDC成分は、第1及び第2のチャンネルの成分、例えば赤色及び青色成分を主に、又はさらにはそれらのみを含み、第3のチャンネルの成分、例えば緑色成分は含まない。したがって、第1及び第2のチャンネルが赤色チャンネル及び青色チャンネルを表す場合、組み合わせ色座標はマゼンタチャンネル(M)と呼ばれる場合がある。言い換えれば、MのDC成分は、赤色チャンネルと青色チャンネルの平均であってもよく、その名前は「マゼンタ」と呼ばれる。しかしながら、持ち上げ、例えば第3及び第4の持ち上げステップにより、緑色DC成分がC、C及びMから再構築可能であることを保証することができ、CFAパターン画像のエネルギーをマゼンタチャンネルに圧縮することにより、より効率的な符号化をもたらし、信号対雑音比を例えば0.3dBだけ減少させることができる。
例えば、最初の持ち上げステップにおいて、第1の色座標110及び第2の色座標120は、等方性動作モードに関して非常によく示されている以下の式に従って計算することができる:

【0037】
「垂直因果」モードでは、Cの計算におけるGがGに置き換えられる。「ストライプ動作モード」では、前回の置換が行われ、かつCの計算におけるGもGに置き換えられる。
第2の持ち上げステップにおいて、第3の色座標130及び第4の色座標140は、等方性動作モードにおいて、以下に従って計算することができる:

例えば、Mサンプルは最上行に位置し、Mチャンネルは最下行に位置する。垂直因果動作モードでは、Mの計算におけるCr,bをCr,tに置き換えてもよい。ストライプ動作モードでは、加えて、Cb,tをCb,bに置き換えてもよい。置換規則は、第1の持ち上げステップのものと同様であり、すなわち、上方又は下方からの同様のサンプルの反射によって利用不可能なサンプルを作成する。
上記のM1及びM2の式において、第1の色座標110(C)の重みは2の第1の累乗として実装され、第2の色座標120(C)の重みは2の第2の累乗として実装される。r=b=1の場合、2の第1の累乗の指数及び2の第2の累乗の指数は両方とも-2に等しく、第1及び第2の色座標のそれぞれに対する重みは1/4になり、その結果、この場合、第3及び第4の重み付き和134’、144’の重みの和は1であり、したがって、第1及び第2のチャンネルがそれぞれ赤及び青のチャンネルである場合について、CFAパターン画像のエネルギーをマゼンタチャンネルに圧縮するための例示的な実装形態を提供する。
【0038】
実施形態によれば、第5の重み付き和254’は、第5の重み付き和254’の第4の色座標140の均等重み付き平均である。例えば、この場合、差分色座標250は主に第1の2つの第3のチャンネルの差分成分を表すことができ、その結果、差分色座標250は特に小さくてもよく、これにより効率的な符号化が可能になる。
例えば、差分色座標250は、等方性及び垂直因果動作モードにおいて、以下に従って計算することができる:
ストライプ動作モードでは、MltをMlbに、MrtをMrbに置き換えてもよい。
実施形態によれば、第6の重み付き和264’は、第6の重み付き和264’の第4の色座標の均等重み付き平均であり、第6の重み付き和264’の重みの和は1/2に等しい。
例えば、組み合わせ色座標260は、以下に従って計算することができる:
したがって、説明された変換は、組み合わせ色座標216における第1及び第2のチャンネルのエネルギーと接触する場合がある。垂直モード及びストライプ動作モードでは、ΔlbをΔltに置き換えてもよく、ΔrbをΔrtに置き換えてもよい。
例えば、変換の最終出力、例えば圧縮変換表現249は、(M、C、C、Δ)サンプルのアレイであってもよい。これらは、さらなる空間的無相関化に入力されてもよい。任意選択的に、Δのみならば、追加の空間的無相関化を必要としない場合がある。
【0039】
図4は、CFAパターン画像10を符号化する装置100の他の例を示す。図示のように、装置100は、量子化器480及びエントロピーコーダ490を追加的に備えてもよい。量子化器480は、変換表現149、すなわちサンプルクラスタ20の第1から第4の色座標110、120、130、140、又は代替的に、圧縮変換表現249、すなわちサンプルクラスタ20の第1及び第2の色座標110、120並びに差分色座標250及び組み合わせ色座標260を量子化することによって、量子化表現482を導出することができる。エントロピーコーダ490は、量子化表現482を符号化して、画像表現70として提供され得る符号化表現495を取得することができる。
【0040】
任意選択的に、装置100は、変換表現149又は圧縮変換表現249をさらに空間的に無相関化するために、空間的無相関化変換、例えば離散コサイン変換又は離散ウェーブレット変換を使用し得る空間的無相関化段475をさらに備えてもよい。一例では、空間的無相関化段475は、空間的に無相関化された表現478を取得するために、第1から第4の色座標110、120、130、140、又は第1の、第2の、差分、及び組み合わせ色座標110、120、250、260に空間的無相関化変換を適用し、それに基づいて量子化器480は量子化表現482を導出することができる。別の例では、空間的無相関化段475は、空間的に無相関化された表現478を取得するために、第1の、第2の、及び組み合わせ色座標110、120、260を用いて空間的無相関化変換を適用し、量子化器480は、空間的に無相関化された表現478及びサンプルクラスタ20の差分色座標250から量子化表現482を導出することができる。
【0041】
図5は、CFAパターン画像10を取得するために画像表現70を復号するための装置500の概略図を示す。装置500は、サンプルクラスタ20の各サンプルクラスタ20’に関して、第1から第4の色座標110、120、130、140から第1のサンプル12’、第2のサンプル14’、及び2つの第3のサンプル16A’、16B’を計算するように構成される。
装置500は、それぞれのサンプルクラスタ20’の第3のサンプル位置26’について、それぞれのサンプルクラスタ20’の第3のサンプル位置26’における第3の色座標130’と第1のフィルタリング済み色座標132’との差を形成することによって、それぞれの第3のサンプル位置26’における第3のサンプル16A’を計算することができる。さらに、装置500は、各サンプルクラスタ20’の第4のサンプル位置28’について、それぞれのサンプルクラスタ20’の第4のサンプル位置28’における第4の色座標140’と第2のフィルタリング済み色座標142’との差を形成することによって、それぞれの第4のサンプル位置28’における第3のサンプル16B’を計算することができる。第1及び第2のフィルタリング済み色座標132、142は、装置100に関して説明したように第1及び第2の色座標から取得することができる。
【0042】
後続のステップでは、装置500は、各サンプルクラスタ20’の第1のサンプル位置22’について、それぞれのサンプルクラスタ20’の第1のサンプル位置22’における第1の色座標110’と第1のフィルタリング済み第3のサンプル値112’との総和を形成することによって、それぞれの第1のサンプル位置22’における第1のサンプル12’を計算することができる。さらに、装置500は、各サンプルクラスタ20’の第2のサンプル位置24’について、それぞれのサンプルクラスタ20’の第2のサンプル位置24’における第2の色座標120’と第2のフィルタリング済み第3のサンプル値122’との総和を形成することによって、それぞれの第2のサンプル位置24’における第2のサンプル14’を計算することができる。第1及び第2のフィルタリング済み第3のサンプル値112、122は、装置100に関して説明したように以前のステップに従って、第3及び第4のサンプル位置26、28について計算された第3のサンプル16から取得することができる。
装置500は、装置100と同等に、第1から第6の重み付き和を計算するための動作モードのセットを含んでもよい。実施形態によれば、装置500は、画像表現をシグナリングするデータストリームから画像表現を復号するために使用されるべき動作モードを導出することができ、それに応じて動作モードのセットのうちの1つを選択することができる。
【0043】
図6は、画像表現70内でシグナリングすることができる、第1及び第2の色座標110、120並びに差分及び組み合わせ色座標250、260から、第1から第4のサンプル12、14、16A、16Bを取得するように構成された装置500の別の例を示す。図6に示す実施形態は、差分及び組み合わせ色座標250、260から第3及び第4の色座標130、140を計算するために、図5に示す実施形態に関して2つの追加のステップを含む。その目的のために、装置500は、それぞれのサンプルクラスタ20’の第4のサンプル位置28’について、それぞれのサンプルクラスタ20’の第4のサンプル位置28’における組み合わせ色座標260’とフィルタリング済み差分色座標262’との差を形成することによって、それぞれの第4のサンプル位置28’における第4の色座標140’を計算することができる。フィルタリング済み差分色座標262は、装置100に関して説明したように差分色座標250から取得することができる。
後続のステップで、装置500は、それぞれのサンプルクラスタ20’の第3のサンプル位置26’について、それぞれのサンプルクラスタ20’の第3のサンプル位置26’における差分色座標130’とフィルタリング済み第4の色座標252’との総和を形成することによって、それぞれの第3のサンプル位置26’における第3の色座標250’を計算することができる。フィルタリング済み第4の色座標252は、装置100に関して説明したように、第4の色座標140から取得することができる。
【0044】
図7は、エントロピーデコーダ590及び逆量子化器580をさらに備える装置500の別の例の概略図を示す。エントロピーデコーダ590は、量子化表現482を取得するために、画像表現70を表し得る符号化表現495を復号することができる。逆量子化器580は、逆量子化プロセスを使用して、量子化表現482から、変換表現149として示され得る第1から第4の色座標110、120、130、140、又は代替的に、圧縮変換表現249として示され得る第1の、第2の、差分、及び組み合わせ色座標110、120、250、260を取得することができる。
任意選択的に、逆量子化器580は、装置100(図4を参照)に関して導入された、空間的に無相関化された表現478を提供し、装置500は、逆空間的無相関化変換、例えば逆離散コサイン変換又は逆離散ウェーブレット変換を使用して、第1から第4の色座標110、120、130、140、又は第1の、第2の、差分、及び組み合わせ色座標110、120、250、260を導出することができる逆空間的無相関化段575をさらに備える。
【0045】
別の選択肢によれば、逆量子化器580は、空間的に無相関化された表現478及び差分色座標250を提供し、装置500は、逆空間的無相関化変換を使用して第1の、第2の、及び組み合わせ色座標110、120、260を導出することができる逆空間的無相関化段575をさらに備える。
画像表現70をCFAパターン画像10に復号するための装置500のさらなる詳細については、装置100の説明を参照されたい。同一の参照符号で示された信号は、例えば量子化損失のために異なる可能性があるが、装置500に関して同一の参照符号で示された装置100の特徴は、同等の機能を有し、それぞれの説明で紹介されたように同等に実装することができる。
【0046】
以下では、第1及び第2の態様による本開示の実施形態について説明する。実施形態は、図1に示され、図1に関して説明した装置100に基づく。
本開示の第1の態様による実施形態では、第3の重み付き和134’は、第3の重み付き和134’の重みの和が1/2よりも大きくなるように計算され、第4の重み付き和144’は、第4の重み付き和144’の重みの和が1/2よりも大きくなるように導出される。
本開示の第2の態様による実施形態では、第1の重み付き和114’の第3のサンプル16の第3のサンプル位置26は、それぞれのサンプルクラスタ20’が位置するアレイの現在の行56を超える。例えば、第1の重み付き和114’は、等方性動作モード又は垂直因果動作モードに関して説明したように算出することができる。任意選択的に、第2から第6の重み付き和124’、134’、144’、254’、264’の計算も、垂直因果動作モード及び等方性動作モードのうちの1つに従って実行されてもよい。言い換えれば、本開示の第2の態様によれば、装置100、500は等方性動作モード及び垂直因果動作モードのうちの1つを含んでもよい。これらの動作モードの様々な可能な実施態様が上述されている。
【0047】
第2の態様によるさらなる実施形態は、ストライプ動作モードを追加的に含むことができる。例えば、装置100、500は、ストライプ動作モードと、例えば等方性又は垂直因果動作モードに対応し得る第1の動作モードとの間で選択することができる。実施形態によれば、装置100は、画像表現70がシグナリングされるデータストリーム内の画像表現70を計算するために使用される動作モードをシグナリングするように構成されてもよい。したがって、装置500は、CFAパターン画像を得るために画像表現70を復号するために使用される動作モードを、データストリームから導出するように構成されてもよい。
【0048】
いくつかの態様が装置の文脈における特徴として説明されているが、そのような説明が方法の対応する特徴の説明とも見なされ得ることは明らかである。いくつかの態様は、方法の文脈における特徴として説明されているが、そのような説明が、装置の機能に関する対応する特徴の説明とも見なされ得ることは明らかである。
方法ステップの一部又はすべては、例えばマイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータ、又は電子回路などのハードウェア装置によって(又はそれらを使用して)実行されてもよい。いくつかの実施形態では、最も重要な方法ステップの1つ又は複数は、そのような装置によって実行されてもよい。
本発明の符号化画像信号は、デジタル記憶媒体に記憶することができ、又は無線伝送媒体などの伝送媒体若しくはインターネットなどの有線伝送媒体上で伝送することができる。
特定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェア若しくはソフトウェアで、又は少なくとも部分的にハードウェアで、又は少なくとも部分的にソフトウェアで実装することができる。実装は、電子的に読み取り可能な制御信号が記憶されたデジタル記憶媒体、例えばフロッピーディスク、DVD、Blu-Ray、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM又はフラッシュメモリを使用して実行することができ、これらはそれぞれの方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働する(又は協働することができる)。したがって、デジタル記憶媒体はコンピュータ可読であってもよい。
本発明によるいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働することができる、電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを含む。
【0049】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実装することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに方法のうちの1つを実行するように動作する。プログラムコードは、例えば、機械可読キャリアに記憶することができる。
他の実施形態は、機械可読キャリアに記憶された、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムを含む。
言い換えれば、したがって、本発明の方法の一実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムを記録して含むデータキャリア(又はデジタル記憶媒体、又はコンピュータ可読媒体)である。データキャリア、デジタル記憶媒体、又は記録媒体は、通常、有形及び/又は非一時的である。
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリーム又は信号シーケンスである。データストリーム又は信号シーケンスは、例えば、データ通信接続を介して、例えばインターネットを介して転送されるように構成することができる。
【0050】
さらなる実施形態は、本明細書に記載された方法のうちの1つを実行するように構成又は適合された処理手段、例えばコンピュータ、又はプログラマブルロジックデバイスを備える。
さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムをインストールしたコンピュータを含む。
本発明によるさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのコンピュータプログラムを受信機に転送(例えば、電子的又は光学的に)するように構成された装置又はシステムを備える。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイルデバイス、メモリデバイスなどであってもよい。装置又はシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に転送するためのファイルサーバを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用して、本明細書に記載された方法の機能の一部又はすべてを実行することができる。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働することができる。一般に、方法は、任意のハードウェア装置によって実行されることが好ましい。
【0051】
本明細書に記載の装置は、ハードウェア装置を使用して、又はコンピュータを使用して、又はハードウェア装置とコンピュータとの組み合わせを使用して実装することができる。
本明細書に記載の方法は、ハードウェア装置を使用して、又はコンピュータを使用して、又はハードウェア装置とコンピュータとの組み合わせを使用して実行することができる。
上記の詳細な説明では、本開示を簡素化する目的で、様々な特徴が例において一緒にグループ化されていることが分かる。この開示方法は、特許請求される例が各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、主題は、単一の開示された例のすべての特徴よりも少ない特徴にある場合がある。したがって、以下の特許請求の範囲は詳細な説明に組み込まれ、各請求項は別個の例として独立していてもよい。各請求項は別個の例として独立していてもよいが、従属請求項は請求の範囲において1つ又は複数の他の請求項との特定の組み合わせを指す場合があるが、他の例はまた、従属請求項と他の従属請求項の主題との組み合わせ、又は各特徴と他の従属若しくは独立請求項との組み合わせを含み得ることに留意されたい。そのような組み合わせは、特定の組み合わせが意図されていないと述べられていない限り、本明細書において提案される。さらにまた、ある請求項が独立請求項に直接従属させられていなくても、他の任意の独立請求項にこの請求項の特徴を含めることも意図されている。
上述の実施形態は、本開示の原理の単なる例示である。本明細書に記載の構成及び詳細の修正及び変形は、当業者には明らかであることが理解される。したがって、本明細書の実施形態の説明及び解説として提示される特定の詳細によってではなく、係属中の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図されている。
図1
図2
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図9