(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】リップル検出装置およびリップル抑制装置
(51)【国際特許分類】
H02M 3/155 20060101AFI20240802BHJP
H02M 3/157 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
H02M3/155 E
H02M3/155 H
H02M3/157
(21)【出願番号】P 2022581646
(86)(22)【出願日】2021-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2021102694
(87)【国際公開番号】W WO2022001938
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】202010602401.X
(32)【優先日】2020-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】王恰
(72)【発明者】
【氏名】周建平
(72)【発明者】
【氏名】林国仙
(72)【発明者】
【氏名】樊珊珊
(72)【発明者】
【氏名】鄂本
(72)【発明者】
【氏名】張偉
(72)【発明者】
【氏名】劉明明
【審査官】安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-151926(JP,A)
【文献】特開2003-338739(JP,A)
【文献】特開2015-211517(JP,A)
【文献】特開2018-085827(JP,A)
【文献】特開平08-065161(JP,A)
【文献】特開2003-088140(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0181234(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
H02M 3/157
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リップルサンプリングユニットと、少なくとも2つの直流サンプリングユニットと、デジタル信号処理ユニットとを含むリップル検出装置であって、
前記リップルサンプリングユニットは、少なくとも2つの入力ポートと1つの出力ポートを含み、前記リップルサンプリングユニットのi番目の入力ポートは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのi番目のポートに接続され、前記リップルサンプリングユニットの出力ポートは、前記デジタル信号処理ユニットの1つの入力ポートに接続され、iは1以上の整数であり、
前記少なくとも2つの直流サンプリングユニットのうちの1つの直流サンプリングユニットは、1つの入力ポートと1つの出力ポートを含み、前記直流サンプリングユニットの入力ポートは、前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの1つのポートに接続され、前記直流サンプリングユニットの出力ポートは、前記デジタル信号処理ユニットの1つの入力ポートに接続され、
前記リップルサンプリングユニットは、前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートの第1電圧信号を前記デジタル信号処理ユニットに出力するように構成され、
前記直流サンプリングユニットは、接続された前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのポートの第2電圧信号における第1直流信号を前記デジタル信号処理ユニットに出力し、前記デジタル信号処理ユニットへの前記第2電圧信号における交流信号の出力を遮断するように構成され、
前記デジタル信号処理ユニットは、前記第1電圧信号と前記第1直流信号とに基づいて前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートのリップルノイズ信号を確定するように構成される
ことを特徴とするリップル検出装置。
【請求項2】
前記リップルサンプリングユニットは、リップル選択回路と第1リップルサンプリング回路を含み、前記リップル選択回路は、少なくとも2つの入力ポートと1つの出力ポートを含み、前記リップル選択回路のi番目の入力ポートは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのi番目のポートに接続され、前記リップル選択回路の出力ポートは、前記第1リップルサンプリング回路の入力ポートに接続され、前記第1リップルサンプリング回路は、1つの入力ポートと1つの出力ポートを含み、前記第1リップルサンプリング回路の出力ポートは、前記デジタル信号処理ユニットの1つの入力ポートに接続され、
前記リップル選択回路は、前記デジタル信号処理ユニットの制御の下、前記第1電圧信号を前記第1リップルサンプリング回路に出力するように構成され、
前記第1リップルサンプリング回路は、前記第1電圧信号を前記デジタル信号処理ユニットに出力するように構成され、
前記デジタル信号処理ユニットは、前記リップル選択回路を制御して前記第1電圧信号を前記第1リップルサンプリング回路に出力するようにさらに構成される
請求項1に記載のリップル検出装置。
【請求項3】
前記リップル選択回路は、少なくとも2つの制御スイッチ群を含み、前記少なくとも2つの制御スイッチ群のそれぞれは、2つのサブスイッチを含み、
j番目の制御スイッチ群のうちの1つのサブスイッチは、前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのj番目のポートの正端子と前記第1リップルサンプリング回路の入力ポートの正端子との間の回路に直列接続され、前記j番目の制御スイッチ群のうちの別のサブスイッチは、前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのj番目のポートの負端子と前記第1リップルサンプリング回路の入力ポートの負端子との間の回路に直列接続され、jは1以上の整数である
請求項2に記載のリップル検出装置。
【請求項4】
前記リップル選択回路は、第1単極双投選択スイッチと第2単極双投選択スイッチを含み、
前記第1単極双投選択スイッチ及び前記第2単極双投選択スイッチのいずれかは、第1接点、第2接点、第3接点、及び切替片を含み、
前記切替片の一端は前記第3接点に接続され、前記切替片の他端は前記第1接点と前記第2接点との間で切り替えられ、
前記第1単極双投選択スイッチの第1接点は前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー
変換ユニットの一方のポートの負端子に接続され、前記第1単極双投選択スイッチの第2接点は前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー
変換ユニットの他方のポートの負端子に接続され、前記第1単極双投選択スイッチの第3接点は前記第1リップルサンプリング回路の入力ポートの負端子に接続され、前記第2単極双投選択スイッチの第1接点は前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー
変換ユニットの一方のポートの正端子に接続され、前記第2単極双投選択スイッチの第2接点は前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー
変換ユニットの他方のポートの正端子に接続され、前記第2単極双投選択スイッチの第3接点は前記第1リップルサンプリング回路の入力ポートの正端子に接続される
請求項2に記載のリップル検出装置。
【請求項5】
前記第1リップルサンプリング回路は、具体的には、前記第1電圧信号を増幅し直流バイアスして第3電圧信号を取得し、前記第3電圧信号をローパスフィルタして第4電圧信号を取得し、前記第4電圧信号を前記デジタル信号処理ユニットに出力するように構成される
請求項2~4のいずれか1項に記載のリップル検出装置。
【請求項6】
前記第1リップルサンプリング回路は、第1差動比例増幅回路、第1直流バイアス回路、及び第1ローパスフィルタ回路を含み、
前記第1差動比例増幅回路は、第1直流差動増幅回路と第1交流差動増幅回路を含み、
前記第1直流差動増幅回路は、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗、第4抵抗、第5抵抗、第6抵抗、第8抵抗及び第1演算増幅器を含み、前記第1抵抗の一端は前記リップル選択回路の出力ポートの正端子に接続され、前記第1抵抗の他端は前記第3抵抗の一端に接続され、前記第3抵抗の他端は前記第1演算増幅器の入力ポートの正端子に接続され、前記第2抵抗の一端は前記リップル選択回路の出力ポートの負端子に接続され、前記第2抵抗の他端は前記第4抵抗の一端に接続され、前記第4抵抗の他端は前記第1演算増幅器の入力ポートの負端子に接続され、前記第1演算増幅器の電源端は第1電源に接続され、前記第1演算増幅器の接地端は接地され、前記第5抵抗の一端は接地され、前記第5抵抗の他端は前記第6抵抗の一端及び前記第1演算増幅器の入力ポートの正端子に接続され、前記第6抵抗の他端は前記第1電源に接続され、前記第8抵抗の一端は前記第1演算増幅器の入力ポートの負端子に接続され、前記第8抵抗の他端は前記第1演算増幅器の出力ポートに接続され、
前記第1交流差動増幅回路は、第1コンデンサ、第2コンデンサ、第3コンデンサ、第4コンデンサ、第3抵抗、第4抵抗、第5抵抗、第8抵抗、及び第1演算増幅器を含み、前記第1コンデンサは前記第1抵抗と並列に接続され、前記第2コンデンサは前記第5抵抗と並列に接続され、前記第3コンデンサは前記第2抵抗と並列に接続され、前記第4コンデンサは前記第8抵抗と並列に接続され、
前記第1直流バイアス回路は、前記第5抵抗、前記第6抵抗、及び第1電源を含み、
前記第1ローパスフィルタ回路は、第7抵抗、第9抵抗及び第5コンデンサを含み、前記第7抵抗の一端は前記第1演算増幅器の入力ポートの負端子に接続され、前記第7抵抗の他端は接地され、前記第9抵抗の一端は前記第1演算増幅器の出力ポートに接続され、前記第9抵抗の他端は前記第5コンデンサの一端及び前記第1リップルサンプリング回路の出力ポートに同時に接続され、前記第5コンデンサの他端は接地される
請求項5に記載のリップル検出装置。
【請求項7】
前記第1リップルサンプリング回路は、第1ダイオード、第2ダイオード、第3ダイオード、及び第4ダイオードを含む第1クランプ保護回路をさらに含み、前記第1ダイオードのカソードは前記第1電源に接続され、前記第1ダイオードのアノードは前記第2ダイオードのカソード及び前記第1演算増幅器の入力ポートの正端子に接続され、前記第2ダイオードのアノードは接地され、前記第3ダイオードのカソードは前記第1電源に接続され、前記第3ダイオードのアノードは前記第4ダイオードのカソード及び前記第1演算増幅器の入力ポートの負端子に接続され、前記第4ダイオードのアノードは接地される
請求項6に記載のリップル検出装置。
【請求項8】
前記直流サンプリングユニットは、具体的には、前記第2電圧信号における第1直流信号を増幅し直流バイアスして第2直流信号を取得し、前記第2直流信号をローパスフィルタして第3直流信号を取得し、前記第3直流信号を前記デジタル信号処理ユニットに出力し、前記デジタル信号処理ユニットへの前記第2電圧信号における交流信号の出力を遮断するように構成される
請求項2~4のいずれか1項に記載のリップル検出装置。
【請求項9】
前記直流サンプリングユニットは、第2差動比例増幅回路、第2直流バイアス回路、及び第2ローパスフィルタ回路を含み、
前記第2差動比例増幅回路は、第10抵抗、第11抵抗、第12抵抗、第13抵抗、第14抵抗、第15抵抗、第17抵抗及び第2演算増幅器を含み、前記第10抵抗の一端は前記リップル選択回路の出力ポートの正端子に接続され、前記第10抵抗の他端は前記第12抵抗の一端に接続され、前記第12抵抗の他端は前記第2演算増幅器の入力ポートの正端子に接続され、前記第11抵抗の一端は前記リップル選択回路の出力ポートの負端子に接続され、前記第11抵抗の他端は前記第13抵抗の一端に接続され、前記第13抵抗の他端は前記第2演算増幅器の入力ポートの負端子に接続され、前記第2演算増幅器の電源端は第2電源に接続され、前記第2演算増幅器の接地端は接地され、前記第14抵抗の一端は接地され、前記第14抵抗の他端は前記第15抵抗の一端及び前記第2演算増幅器の入力ポートの正端子に接続され、前記第15抵抗の他端は前記第2電源に接続され、前記第17抵抗の一端は前記第2演算増幅器の入力ポートの負端子に接続され、前記第17抵抗の他端は前記第2演算増幅器の出力ポートに接続され、
前記第2直流バイアス回路は、前記第14抵抗、前記第15抵抗、及び前記第2電源を含み、
前記第2ローパスフィルタ回路は、第16抵抗、第18抵抗及び第8コンデンサを含み、前記第16抵抗の一端は前記第2演算増幅器の入力ポートの負端子に接続され、前記第16抵抗の他端は接地され、前記第18抵抗の一端は前記第2演算増幅器の出力ポートに接続され、前記第18抵抗の他端は前記第8コンデンサの一端及び前記第1リップルサンプリング回路の出力ポートに同時に接続され、前記第8コンデンサの他端は接地される
請求項8に記載のリップル検出装置。
【請求項10】
前記直流サンプリングユニットは、第5ダイオード、第6ダイオード、第7ダイオード、及び第8ダイオードをさらに含み、前記第5ダイオードのカソードは前記第2電源に接続され、前記第5ダイオードのアノードは前記第6ダイオードのカソード及び前記第2演算増幅器の入力ポートの正端子に接続され、前記第6ダイオードのアノードは接地され、前記第7ダイオードのカソードは前記第2電源に接続され、前記第7ダイオードのアノードは前記第8ダイオードのカソード及び前記第2演算増幅器の入力ポートの負端子に接続され、前記第8ダイオードのアノードは接地される
請求項9に記載のリップル検出装置。
【請求項11】
前記リップルサンプリングユニットは、少なくとも2つの第2リップルサンプリング回路を含み、
前記少なくとも2つの第2リップルサンプリング回路のうちの1つの第2リップルサンプリング回路は、1つの入力ポートと1つの出力ポートを含み、前記第2リップルサンプリング回路の入力ポートは前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの1つのポートに接続され、前記第2リップルサンプリング回路の出力ポートは前記デジタル信号処理ユニットの1つの入力ポートに接続され、
前記第2リップルサンプリング回路は、接続された前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのポートの第5電圧信号を前記デジタル信号処理ユニットに出力するように構成され、
前記デジタル信号処理ユニットは、全ての前記第2リップルサンプリング回路が出力する前記第5電圧信号から、いずれか1つを前記第1電圧信号として選択するようにさらに構成される
請求項1に記載のリップル検出装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のリップル検出装置と、リップル抑制ユニットとを含むリップル抑制装置であって、
前記リップル抑制ユニットは、
基準電圧信号とリップルノイズ信号に対応するデジタル信号との差分演算を行って第1差分信号を取得し、前記第1差分信号と第1電圧信号に対応するデジタル信号との差分演算を行って第2差分信号を取得し、前記第2差分信号に基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号を算出して、
前記リップルノイズ信号に基づいて前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの前記駆動信号を調整して、前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの前記出力ポートの第1電圧が正常電圧値からずれるようにする場合、前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの前記出力ポートの前記第1電圧を正常電圧値に戻し、調整した駆動信号を駆動ユニットに出力するように構成され、
又は、基準電圧信号と低周波リップル信号に対応するデジタル信号との差分演算を行って第3差分信号を取得し、前記第3差分信号と第1電圧信号に対応するデジタル信号との差分演算を行って第4差分信号を取得し、前記第4差分信号に基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号を算出して、
前記低周波リップル信号に基づいて前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの前記駆動信号を調整して、前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの前記出力ポートの第1電圧が正常電圧値からずれるようにする場合、前記非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの前記出力ポートの前記第1電圧を正常電圧値に戻し、調整した駆動信号を駆動ユニットに出力するように構成される
ことを特徴とするリップル抑制装置。
【請求項13】
前記リップル抑制ユニットは、具体的には、以下の形態を用いて、第2差分信号に基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号を算出するように構成され、
デジタル三角波キャリア信号を生成し、前記デジタル三角波
キャリア信号の周波数は前記スイッチングデバイスの周波数と同一であり、前記デジタル三角波キャリア信号が前記第2差分
信号より大きい場合、前記スイッチングデバイスの駆動信号がハイレベルであり、前記デジタル三角波
キャリア信号が前記第2差分
信号より小さい場合、前記スイッチングデバイスの駆動信号がローレベルである
請求項12に記載のリップル抑制装置。
【請求項14】
前記リップル抑制ユニットは、具体的には、以下の形態を用いて、第2差分信号に基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号を算出するように構成され、
デジタル三角波キャリア信号を生成し、前記デジタル三角波
キャリア信号の周波数は前記スイッチングデバイスの周波数と同一であり、前記デジタル三角波キャリア信号が前記第2差分
信号より大きい場合、前記スイッチングデバイスの駆動信号がローレベルであり、前記デジタル三角波
キャリア信号が前記第2差分
信号より小さい場合、前記スイッチングデバイスの駆動信号がハイレベルである
請求項12に記載のリップル抑制装置。
【請求項15】
前記リップル抑制ユニットは、具体的には、以下の形態を用いて、第4差分信号に基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号を算出するように構成され、
デジタル三角波キャリア信号を生成し、前記デジタル三角波
キャリア信号の周波数は前記スイッチングデバイスの周波数と同一であり、前記デジタル三角波キャリア信号が前記第4差分
信号より大きい場合、前記スイッチングデバイスの駆動信号がハイレベルであり、前記デジタル三角波
キャリア信号が前記第4差分
信号より小さい場合、前記スイッチングデバイスの駆動信号がローレベルである
請求項12に記載のリップル抑制装置。
【請求項16】
前記リップル抑制ユニットは、具体的には、以下の形態を用いて、第4差分信号に基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号を算出するように構成され、
デジタル三角波キャリア信号を生成し、前記デジタル三角波
キャリア信号の周波数は前記スイッチングデバイスの周波数と同一であり、前記デジタル三角波キャリア信号が前記第4差分
信号より大きい場合、前記スイッチングデバイスの駆動信号がローレベルであり、前記デジタル三角波
キャリア信号が前記第4差分
信号より小さい場合、前記スイッチングデバイスの駆動信号がハイレベルである
請求項12に記載のリップル抑制装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年6月28日に中国特許庁へ提出された、出願番号を202010602401.Xとする中国特許出願の優先権を主張し、当該出願の全ての内容を参照により本出願に援用する。
【0002】
本出願の実施例は、パワーエレクトロニクスの技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0003】
DC/DC(直流-直流)双方向エネルギー変換器は、2つ以上のエネルギーポートを有する変換器を指す。例えば、2ポート双方向エネルギー変換器を例に挙げると、そのうちの1つはエネルギー入力ポートであり、もう1つはエネルギー出力ポートであり、エネルギー入力ポートとエネルギー出力ポートは相互に交換可能であり、エネルギーは入力ポートと出力ポートで双方向に伝送し流すことができる。
【0004】
回路構成が簡単で変換効率が高いため、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換器が近年広く用いられているが、出力ポートにリップルノイズ信号が発生することが多く、リップルノイズ信号は非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換器の動作性能を低下させる。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施例の第1態様は、リップルサンプリングユニットと、少なくとも2つの直流サンプリングユニットと、デジタル信号処理ユニットとを含むリップル検出装置であって、リップルサンプリングユニットは、少なくとも2つの入力ポートと1つの出力ポートを含み、リップルサンプリングユニットのi番目の入力ポートは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのi番目のポートに接続され、リップルサンプリングユニットの出力ポートは、デジタル信号処理ユニットの1つの入力ポートに接続され、iは1以上の整数であり、少なくとも2つの直流サンプリングユニットのうちの1つの直流サンプリングユニットは、1つの入力ポートと1つの出力ポートを含み、直流サンプリングユニットの入力ポートは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの1つのポートに接続され、直流サンプリングユニットの出力ポートは、デジタル信号処理ユニットの1つの入力ポートに接続され、リップルサンプリングユニットは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートの第1電圧信号をデジタル信号処理ユニットに出力するように構成され、直流サンプリングユニットは、接続された非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのポートの第2電圧信号における第1直流信号をデジタル信号処理ユニットに出力し、デジタル信号処理ユニットへの第2電圧信号における交流信号の出力を遮断するように構成され、デジタル信号処理ユニットは、第1電圧信号と第1直流信号とに基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートのリップルノイズ信号を確定するように構成されるリップル検出装置を提供する。
【0006】
本出願の実施例の第2態様は、上記リップル検出装置と、リップル抑制ユニットとを含むリップル抑制装置であって、リップル抑制ユニットは、基準電圧信号とリップルノイズ信号に対応するデジタル信号との差分演算を行って第1差分信号を取得し、第1差分信号と第1電圧信号に対応するデジタル信号との差分演算を行って第2差分信号を取得し、第2差分信号に基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号を算出して、駆動信号を駆動ユニットに出力するように構成され、又は、基準電圧信号と低周波リップル信号に対応するデジタル信号との差分演算を行って第3差分信号を取得し、第3差分信号と第1電圧信号に対応するデジタル信号との差分演算を行って第4差分信号を取得し、第4差分信号に基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号を算出して、駆動信号を駆動ユニットに出力するように構成されるリップル抑制装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本出願の実施例によるリップル検出装置の1つの構成ブロック図である。
【
図2】
図2は、本出願の実施例によるリップル検出装置の別の構成ブロック図である。
【
図3】
図3は、本出願の実施例によるリップル選択回路の1つの構成ブロック図である。
【
図4】
図4は、本出願の実施例によるリップル選択回路の別の構成ブロック図である。
【
図5】
図5は、本出願の実施例によるリップル選択回路の別の構成ブロック図である。
【
図6】
図6は、本出願の実施例による第1リップルサンプリング回路が出力するローパスフィルタされた後の第1電圧信号の概略図である。
【
図7】
図7は、本出願の実施例による直流サンプリング回路が出力するローパスフィルタされた後の直流信号の概略図である。
【
図8】
図8は、本出願の実施例による低周波リップル信号の概略図である。
【
図9】
図9は、本出願の実施例によるリップルサンプリング回路が出力する電圧信号の概略図である。
【
図10】
図10は、本出願の実施例による直流サンプリングユニットが出力する電圧信号の概略図である。
【
図11】
図11は、本出願の実施例による非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの1つの構成ブロック図である。
【
図12】
図12は、本出願の実施例による非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの別の構成ブロック図である。
【
図13】
図13は、本出願の実施例による非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの別の構成ブロック図である。
【
図14】
図14は、本出願の実施例による非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの別の構成ブロック図である。
【
図15】
図15は、本出願の実施例による三角波キャリア信号に基づいて駆動信号を生成することを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
当業者が本出願の技術案をよりよく理解するために、以下に図面を組み合わせて本出願によるリップル検出装置とリップル抑制装置を詳しく説明する。
【0009】
以下では図面を参照して例示的な実施例について十分に説明するが、例示的な実施例が異なる形式で体現されてもよく、本明細書で記載の実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本出願を徹底して完全なものにするために提供され、当業者に本出願の範囲を十分に理解させるように提供される。
【0010】
本出願の各実施形態及び各実施形態における各特徴は、矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0011】
本明細書で用いられる「及び/又は」という用語は、少なくとも1つの関連する列挙された項目の任意の組み合わせ及び全ての組み合わせを含む。
【0012】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施例を説明するためのものに過ぎず、本出願を限定することを意図しない。例えば本明細書で用いられる単数形の「1つ」及び「当該」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で「含む」及び/又は「……からなる」という用語を用いる場合、述べられた特徴、全体、ステップ、操作、要素及び/又は構成要素の存在を明示しているが、少なくとも1つの他の特徴、全体、ステップ、操作、要素、構成要素及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことも理解されたい。
【0013】
特に限定されない限り、技術的及び科学的な用語を含む、本明細書で用いられる全ての用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術及び本出願の文脈でのそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明確にそのように限定されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味を有すると解釈されるべきではないことも理解されたい。
【0014】
非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換器が出力ポートにリップルノイズ信号を発生させる理由には以下の2つがある。第一に、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換器における回路の非絶縁構造により、外部給電設備から入力ポートに入力された低周波リップル信号が回路を介して出力ポートに伝達され、この低周波リップル信号が変換器自体が発生する高周波ノイズ信号と重畳されて、出力ポートに大きなリップルノイズ信号を発生させることが多い。第二に、入力ポートと出力ポートが入れ替わる時にリップルノイズ信号も元の出力ポートから元の入力ポートに転送される。
【0015】
リップルノイズ信号が非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換器の動作性能を低下させるため、リップルノイズ信号を検出し抑制する必要がある。
【0016】
なお、リップルノイズ信号は、低周波リップル信号及び高周波ノイズ信号を含み、本出願実施例のリップル検出回路は、低周波リップル信号及び高周波ノイズ信号の検出と、低周波リップル信号の抑制とを実現することができる。
【0017】
なお、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換器(即ち、下記の非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット)は、2つ以上のエネルギーポートを含み、少なくとも1つが入力ポートであり、1つが出力ポートであり、入力ポートと出力ポートの負端子は同一のネットワークにあり、エネルギーは入力ポートと出力ポートとの間で双方向に流れることができる。
【0018】
本出願の実施例はリップル検出装置を提供する。
図1は、本出願の実施例によるリップル検出装置の1つの構成ブロック図であり、
図1に示すように、リップル検出装置は、リップルサンプリングユニット101と、少なくとも2つの直流サンプリングユニット102と、デジタル信号処理ユニット103とを含んでいる。
【0019】
実施可能な一形態において、リップルサンプリングユニット101は、少なくとも2つの入力ポートと1つの出力ポートを含み、リップルサンプリングユニット101のi番目の入力ポートは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのi番目のポートに接続され、リップルサンプリングユニット101の出力ポートは、デジタル信号処理ユニット103の1つの入力ポートに接続され、iは1以上の整数である。
【0020】
各直流サンプリングユニット102は、1つの入力ポートと1つの出力ポートを含み、直流サンプリングユニット102の入力ポートは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの1つのポートに接続され、直流サンプリングユニット102の出力ポートは、デジタル信号処理ユニット103の1つの入力ポートに接続され、直流サンプリングユニット102が接続されるデジタル信号処理ユニット103の入力ポートは、リップルサンプリングユニット101が接続されるデジタル信号処理ユニット103の入力ポートと異なり、異なる直流サンプリングユニット102が接続されるデジタル信号処理ユニット103の入力ポートは異なる。
図2は、2ポートの非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットを例とする概略図であり、
図2に示すように、2つの直流サンプリングユニット102(それぞれは直流サンプリングユニット1と直流サンプリングユニット2)が含まれており、直流サンプリングユニット1の入力ポートの正端子は、入力電圧Vin(即ち、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの入力ポート)の正端子に接続され、直流サンプリングユニット1の第1入力ポートの負端子は、入力電圧Vinの負端子に接続され、直流サンプリングユニット2の入力ポートの正端子は、出力電圧Vo(即ち、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポート)の正端子に接続され、直流サンプリングユニット2の入力ポートの負端子は、出力電圧Voの負端子に接続され、直流サンプリングユニット1及び直流サンプリングユニット2の出力ポートは、デジタル信号処理ユニット103の入力ポートに接続される。
【0021】
デジタル信号処理ユニット103は、少なくとも3つの入力ポートを含む。
【0022】
実施可能な一形態において、リップルサンプリングユニット101の入力ポートの数は、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのポートの数以上であり、直流サンプリングユニット102の数は、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのポートの数に等しい。
【0023】
実施可能な一形態において、リップルサンプリングユニット101は、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートの第1電圧信号をデジタル信号処理ユニット103に出力するように構成される。
【0024】
直流サンプリングユニット102は、接続された非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのポートの第2電圧信号における第1直流信号をデジタル信号処理ユニット103に出力し、デジタル信号処理ユニット103への第2電圧信号における交流信号の出力を遮断するように構成される。
【0025】
デジタル信号処理ユニット103は、第1電圧信号と第1直流信号とに基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートのリップルノイズ信号を確定するように構成される。
【0026】
実施可能な一形態において、デジタル信号処理ユニット103は、具体的には、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートのリップルノイズ信号が第1電圧信号と第1直流信号との差であると確定するように構成される。
【0027】
本出願の実施例によるリップル検出装置は、リップルサンプリングユニットを用いて、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートの第1電圧信号の収集を実現し、直流サンプリングユニットを用いて、接続された非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのポートの第2電圧信号における第1直流信号の収集を実現し、デジタル信号処理ユニットを用いて、リップルサンプリングユニットが収集した第1電圧信号と第1直流サンプリングユニットが収集した直流信号とを処理して、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートのリップルノイズ信号を得ることを実現し、これにより、リップルノイズ信号の検出を実現し、ひいては、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの動作性能を向上させる。
【0028】
実施可能な一形態において、リップルサンプリングユニット101は、以下の形態一及び形態二のいずれか1つを用いて実現されてもよい。
【0029】
形態一において、
図2に示すように、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートは固定ではなく、リップル検出装置は出力ポート側のリップルノイズ信号を検出するだけでよいため、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのどちら側が出力ポートであるかをデジタル信号処理ユニット103により判断してリップルサンプリングユニットを出力ポートと接続し、入力ポートから切り離すように制御する。よって、リップルサンプリングユニット101はリップル選択回路と第1リップルサンプリング回路を含む。第1リップルサンプリング回路をどちら側に接続するかをリップル選択回路で制御し、接続された側の電圧信号を第1リップルサンプリング回路に入力することにより、出力ポートの第1電圧信号の収集を実現する。このように、どちら側が出力ポートであっても、同じ第1リップルサンプリング回路を用いることで、回路構成が削減され、第1リップルサンプリング回路の一貫性とサンプリング精度が保証される。
【0030】
形態二において、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートは固定ではなく、リップル検出装置は出力ポート側のリップルノイズ信号を検出するだけでよいため、各ポートに第2リップルサンプリング回路を1つずつ設ける必要があり、即ち、リップルサンプリングユニット101は少なくとも2つの第2リップルサンプリング回路を含む。これにより、出力ポートの第1電圧信号の収集を実現する。
【0031】
なお、
図2は、2ポートの非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットを例とする概略図であり、多ポートの非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットに対応するリップル検出回路はこれと同様であり、この図は本出願の実施例を限定するものではない。
【0032】
以下では上記2つの実施形態をそれぞれ詳細に説明する。
【0033】
(一)リップルサンプリングユニット101は、リップル選択回路と第1リップルサンプリング回路を含む。
【0034】
形態一に対して、実施可能な一形態において、リップル選択回路は、少なくとも2つの入力ポートと1つの出力ポートを含み、リップル選択回路のi番目の入力ポートは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのi番目のポートにそれぞれ接続され、リップル選択回路の出力ポートは、第1リップルサンプリング回路の入力ポートに接続され、第1リップルサンプリング回路は、1つの入力ポートと1つの出力ポートを含み、第1リップルサンプリング回路の出力ポートは、デジタル信号処理ユニットの1つの入力ポートに接続される。
図2は、2ポートの非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットを例とする概略図であり、
図2に示すように、リップル選択回路は、2つの入力ポート(それぞれ、第1入力ポート及び第2入力ポート)と1つの出力ポートを含み、リップル選択回路の第1入力ポートの正端子は、入力電圧Vin(即ち、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの入力ポート)の正端子に接続され、リップル選択回路の第1入力ポートの負端子は、入力電圧Vinの負端子に接続され、リップル選択回路の第2入力ポートの正端子は、出力電圧Vo(即ち、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポート)の正端子に接続され、リップル選択回路の第2入力ポートの負端子は、出力電圧Voの負端子に接続され、リップル選択回路の出力ポートは、第1リップルサンプリング回路の入力ポートに接続されている。
【0035】
形態一に対して、実施可能な一形態において、リップル選択回路の入力ポートの数は、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのポートの数以上である。
【0036】
形態一に対して、実施可能な一形態において、リップル選択回路は、デジタル信号処理ユニットの制御の下、第1電圧信号を第1リップルサンプリング回路に出力するように構成される。したがって、第1リップルサンプリング回路は、第1電圧信号をデジタル信号処理ユニットに出力するように構成される。したがって、デジタル信号処理ユニットは、リップル選択回路を制御して第1電圧信号を第1リップルサンプリング回路に出力するようにさらに構成される。
【0037】
形態一に対して、実施可能な一形態において、デジタル信号処理ユニットは、ディスパッチシステムから受信したディスパッチ信号に基づいて、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのどのポートが出力ポートであるかを確定することができ、このディスパッチ信号は、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのどのポートが出力ポートであるかを指示するために用いられる。
【0038】
なお、一般的に、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの1つのポートは、電源と負荷と並列に接続され、電源と負荷との間も並列関係であり、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの他のポートは、バッテリーと並列に接続され、ディスパッチシステムは、バッテリーが満充電状態にあり、且つバッテリーの電圧が負荷の電圧より高いことを検出し、負荷と電源と並列に接続されたポートを出力ポートとして確定する。ディスパッチシステムは、負荷の電圧がバッテリーの電圧より高いことを検出し、バッテリーに接続されたポートを出力ポートとして確定する。ディスパッチシステムは、出力ポートを確定した後、デジタル信号処理ユニットにディスパッチ信号を送信する。
【0039】
形態一に対して、実施可能な一形態において、リップル選択回路は、以下の形態1及び形態2のいずれか1つを用いて実現されてもよい。
【0040】
形態1において、
図3及び
図4に示すように、リップル選択回路は、少なくとも2つの制御スイッチ群を含み、各制御スイッチ群は2つのサブスイッチを含み、j番目の制御スイッチ群のうちの1つのサブスイッチは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのj番目のポートの正端子と第1リップルサンプリング回路の入力ポートの正端子との間の回路に直列接続され、j番目の制御スイッチ群のうちの別のサブスイッチは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのj番目のポートの負端子と第1リップルサンプリング回路の入力ポートの負端子との間の回路に直列接続され、jは1以上の整数である。
【0041】
なお、形態1に対して、N個の制御スイッチ群が相補的にオンとなり、Nは、リップル選択回路に含まれる制御スイッチ群の数である。即ち、N個の制御スイッチ群のうち、1つの制御スイッチ群がオンとなり、残りの制御スイッチ群がオフとなる。
【0042】
なお、1つの制御スイッチ群がオンとなるとは、当該制御スイッチ群に含まれる2つのサブスイッチが共にオンとなることを意味し、1つの制御スイッチ群がオフとなるとは、当該制御スイッチ群に含まれる2つのサブスイッチが共にオフとなることを意味する。
【0043】
形態2において、
図5に示すように、2ポートの非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットに対して、リップル選択回路は、2つの単極双投選択スイッチ(例えば、
図5における単極双投選択スイッチK1及び単極双投選択スイッチK2)を用いて実現されてもよい。単極双投選択スイッチは、第1接点(例えば、
図5における接点1)、第2接点(例えば、
図5における接点2)、第3接点(例えば、
図5における接点3)、及び切替片を含む。切替片の一端は第3接点に接続され、切替片の他端は第1接点と第2接点との間で切り替えられる。一方の単極双投選択スイッチの第1接点(例えば、
図5における接点1)は非絶縁型DC/DC双方向エネルギー選択ユニットの一方のポートの負端子に接続され、一方の単極双投選択スイッチの第2接点(例えば、
図5における接点2)は非絶縁型DC/DC双方向エネルギー選択ユニットの他方のポートの負端子に接続され、一方の単極双投選択スイッチの第3接点(例えば、
図5における接点3)は第1リップルサンプリング回路の入力ポートの負端子に接続され、他方の単極双投選択スイッチの第1接点(例えば、
図5における接点1)は非絶縁型DC/DC双方向エネルギー選択ユニットの一方のポートの正端子に接続され、他方の単極双投選択スイッチの第2接点(例えば、
図5における接点2)は非絶縁型DC/DC双方向エネルギー選択ユニットの他方のポートの正端子に接続され、他方の単極双投選択スイッチの第3接点(例えば、
図5における接点3)は第1リップルサンプリング回路の入力ポートの正端子に接続される。
【0044】
なお、2つの単極双投スイッチの切替片が共に第1接点に切り替えられた場合、リップル選択回路の入力ポートは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー選択ユニットの一方のポートに接続され、2つの単極双投スイッチの切替片が共に第2接点に切り替えられた場合、リップル選択回路の入力ポートは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー選択ユニットの他方のポートに接続される。
【0045】
形態一に対して、実施可能な一形態において、第1リップルサンプリング回路及び直流サンプリングユニット102は、以下の形態11及び形態12のいずれか1つを用いて実現されてもよい。
【0046】
形態11において、第1リップルサンプリング回路が出力する第1電圧信号と直流サンプリングユニット102が出力する第1直流信号はいずれもデジタル信号処理ユニット103の信号受信範囲外であるため、デジタル信号処理ユニット103に入力される信号がデジタル信号処理ユニット103の信号受信範囲内となるように、第1リップルサンプリング回路において第1電圧信号を増幅し直流バイアスし、直流サンプリングユニット102において第2電圧信号における第1直流信号を増幅し直流バイアスする必要がある。
【0047】
第1リップルサンプリング回路は、具体的には、第1電圧信号を増幅し直流バイアスして第3電圧信号を取得し、第3電圧信号をデジタル信号処理ユニット103に出力するように構成されてもよい。したがって、直流サンプリングユニット102は、具体的には、第2電圧信号における第1直流信号を増幅し直流バイアスして第2直流信号を取得し、第2直流信号をデジタル信号処理ユニットに出力し、デジタル信号処理ユニットへの第2電圧信号における交流信号の出力を遮断するように構成される。したがって、デジタル信号処理ユニット103は、具体的には、第3電圧信号と第2直流信号とに基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートのリップルノイズ信号を確定するように構成される。
【0048】
なお、第1リップルサンプリング回路と直流サンプリングユニット102の増幅率は、等しくてもよいし、等しくなくてもよい。
【0049】
形態11に対して、実施可能な一形態において、第1リップルサンプリング回路は、具体的には、第1電圧信号における直流信号を増幅することと、第1電圧信号における交流信号を増幅しないことによって、第1電圧信号を増幅するように構成される。この場合、デジタル信号処理ユニット103は、具体的には、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートのリップルノイズ信号が第3電圧信号と第2直流信号との差であると確定するように構成される。
【0050】
形態11に対して、実施可能な別の形態において、第1リップルサンプリング回路は、具体的には、第1電圧信号における直流信号及び交流信号を増幅することによって、第1電圧信号を増幅するように構成される。この場合、デジタル信号処理ユニット103は、具体的には、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートのリップルノイズ信号が、第3電圧信号と第2直流信号との差と、増幅率との比であると確定するように構成される。
【0051】
形態11に対して、実施可能な一形態において、第1リップルサンプリング回路は、第1差動比例増幅回路及び第1直流バイアス回路を含む。
【0052】
実施可能な一形態において、第1差動比例増幅回路は、第1直流差動増幅回路及び第1交流差動増幅回路を含む。
【0053】
実施可能な一形態において、第1差動比例増幅回路及び第1直流バイアス回路は、以下の形態12における第1差動比例増幅回路及び第1直流バイアス回路と同一であり、他の回路を用いて実現されてもよく、具体的な回路実現は本出願の実施例を限定するものではなく、ここでは説明を省略する。
【0054】
形態11に対して、実施可能な一形態において、直流サンプリングユニットは、第2差動比例増幅回路及び第2直流バイアス回路を含む。
【0055】
実施可能な一形態において、第2差動比例増幅回路は、第2直流差動増幅回路及び第2交流差動増幅回路を含む。
【0056】
実施可能な一形態において、第2差動比例増幅回路及び第2直流バイアス回路は、以下の形態12における第2差動比例増幅回路及び第2直流バイアス回路と同一であり、他の回路を用いて実現されてもよく、具体的な回路実現は本出願の実施例を限定するものではなく、ここでは説明を省略する。
【0057】
形態12において、上記リップルノイズ信号は、低周波リップル信号と高周波ノイズ信号との重畳信号である。低周波リップル信号を得るために、加えて第1リップルサンプリング回路から出力される第1電圧信号と直流サンプリングユニット102から出力される直流信号がいずれもデジタル信号処理ユニット103の信号受信範囲外であることから、デジタル信号処理ユニット103に入力される信号をデジタル信号処理ユニット103の受信範囲内に収めるためには、第1リップルサンプリング回路において第1電圧信号に増幅、直流バイアス及びローパスフィルタを施し、直流サンプリングユニット102において第2電圧信号における直流信号に増幅、直流バイアス及びローパスフィルタを施す必要がある。即ち、第1リップルサンプリング回路は、具体的には、第1電圧信号を増幅し直流バイアスして第3電圧信号を取得し、第3電圧信号をローパスフィルタして第4電圧信号を取得し、第4電圧信号(
図6に示す)をデジタル信号処理ユニット103に出力するように構成される。
【0058】
直流サンプリングユニット102は、具体的には、第2電圧信号における第1直流信号を増幅し直流バイアスして第2直流信号を取得し、第2直流信号をローパスフィルタして第3直流信号を取得し、第3直流信号(
図7に示す)をデジタル信号処理ユニット103に出力し、デジタル信号処理ユニット103への第2電圧信号における交流信号の出力を遮断するように構成される。
【0059】
形態12に対して、実施可能な一形態において、リップルサンプリングユニット101は、具体的には、第1電圧信号における直流信号を増幅することと、第1電圧信号における交流信号を増幅しないことによって、第1電圧信号を増幅するように構成される。この場合、デジタル信号処理ユニット103は、具体的には、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートの低周波リップル信号(
図8に示す)が第4電圧信号と第3直流信号との差であると確定するように構成される。
【0060】
形態12に対して、実施可能な別の形態において、リップルサンプリングユニット101は、具体的には、第1電圧信号における直流信号及び交流信号を増幅することによって、第1電圧信号を増幅するように構成される。この場合、デジタル信号処理ユニット103は、具体的には、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートのリップルノイズ信号が、第4電圧信号と第3直流信号との差と、増幅率との比であると確定するように構成される。
【0061】
形態12に対して、実施可能な一形態において、
図9に示すように、第1リップルサンプリング回路は、第1差動比例増幅回路、第1直流バイアス回路、及び第1ローパスフィルタ回路を含む。
【0062】
実施可能な一形態において、差動比例増幅回路は、第1直流差動増幅回路と第1交流差動増幅回路を含む。
【0063】
実施可能な一形態において、第1直流差動増幅回路は、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3、第4抵抗R4、第5抵抗R5、第6抵抗R6、第8抵抗R8及び第1演算増幅器D1を含み、第1抵抗R1の一端はリップル選択回路の出力ポートの正端子に接続され、第1抵抗R1の他端は第3抵抗R3の一端に接続され、第3抵抗R3の他端は第1演算増幅器D1の入力ポートの正端子に接続され、第2抵抗R2の一端はリップル選択回路の出力ポートの負端子に接続され、第2抵抗R2の他端は第4抵抗R4の一端に接続され、第4抵抗R4の他端は第1演算増幅器D1の入力ポートの負端子に接続され、第1演算増幅器D1の電源端は第1電源VCC1に接続され、第1演算増幅器D1の接地端は接地され、第5抵抗R5の一端は接地され、第5抵抗R5の他端は第6抵抗R6の一端及び第1演算増幅器D1の入力ポートの正端子に接続され、第6抵抗R6の他端は第1電源VCC1に接続され、第8抵抗R8の一端は第1演算増幅器D1の入力ポートの負端子に接続され、第8抵抗R8の他端は第1演算増幅器D1の出力ポートに接続される。
【0064】
実施可能な一形態において、第1交流差動増幅回路は、第1コンデンサC1、第2コンデンサC2、第3コンデンサC3、第4コンデンサC4、第3抵抗R3、第4抵抗R4、第5抵抗R5、第8抵抗R8、及び第1演算増幅器D1を含み、第1コンデンサC1は第1抵抗R1と並列に接続され、第2コンデンサC2は第5抵抗R5と並列に接続され、第3コンデンサC3は第2抵抗R2と並列に接続され、第4コンデンサC4は第8抵抗R8と並列に接続される。
【0065】
実施可能な一形態において、第1直流バイアス回路は、第5抵抗R5、第6抵抗R6、及び第1電源VCC1を含む。
【0066】
実施可能な一形態において、第1ローパスフィルタ回路は、第7抵抗R7、第9抵抗R9及び第5コンデンサC5を含み、第7抵抗R7の一端は第1演算増幅器D1の入力ポートの負端子に接続され、第7抵抗R7の他端は接地され、第9抵抗R9の一端は第1演算増幅器D1の出力ポートに接続され、第9抵抗R9の他端は第5コンデンサC5の一端及び第1リップルサンプリング回路の出力ポートに同時に接続され、第5コンデンサC5の他端は接地される。第1ローパスフィルタ回路は、第3電圧信号における高周波信号をフィルタリングし、低周波信号(直流信号及び低周波リップル信号を含む)を保持するように構成される。
【0067】
実施可能な一形態において、R1=R2、R3=R4、R5=R8、R7=R9である。
【0068】
実施可能な一形態において、C1=C3、C2=C4である。
【0069】
第1リップルサンプリング回路における第1コンデンサC1、第2コンデンサC2、第3コンデンサC3、第4コンデンサC4は、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートの第1電圧信号における交流信号に交流経路を提供し、交流信号は、第1リップルサンプリング回路の出力ポートに直接伝達され、R3=R4=R5=R8である場合、交流信号に対する増幅率が1であり、第1リップルサンプリング回路の出力ポートが出力するローパスフィルタされた後の第1電圧信号は、比例増幅された直流信号と元の交流信号との重畳であるはずであり、R3≠R5である場合、交流信号の増幅率が1ではなく、第1リップルサンプリング回路の出力ポートが出力するローパスフィルタされた後の第1電圧信号は、比例増幅された直流信号と比例増幅された交流信号との重畳であるはずである。
【0070】
形態12に対して、実施可能な一形態において、
図9に示すように、ローパスフィルタされた後の第1電圧信号は、
【数1】
であり、(R5/R6)VCC1は、直流バイアス電圧であり、VACは、ローパスフィルタされた第1電圧信号における交流信号であり、VDC_DSPは、ローパスフィルタされた第1電圧信号における直流信号であり、V
O_DCは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートの第1電圧信号における直流信号であり、V
O_ACは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートの第1電圧信号における交流信号であり、VCC1は、第1電源である。
【0071】
形態12に対して、実施可能な一形態において、第1リップルサンプリング回路は第1クランプ保護回路をさらに含む。
【0072】
実施可能な一形態において、第1クランプ保護回路は、第1ダイオードVD1、第2ダイオードVD2、第3ダイオードVD3、及び第4ダイオードVD4を含み、第1ダイオードVD1のカソードは第1電源VCC1に接続され、第1ダイオードVD1のアノードは第2ダイオードVD2のカソード及び第1演算増幅器D1の入力ポートの正端子に接続され、第2ダイオードVD2のアノードは接地され、第3ダイオードVD3のカソードは第1電源VCC1に接続され、第3ダイオードVD3のアノードは第4ダイオードVD4のカソード及び第1演算増幅器D1の入力ポートの負端子に接続され、第4ダイオードVD4のアノードは接地される。第1クランプ保護回路は、第1演算増幅器D1の入力電圧を0~3.3Vの間に制限し、保護の役割を果たす。
【0073】
形態12に対して、実施可能な一形態において、
図10に示すように、直流サンプリングユニット102は、第2差動比例増幅回路、第2直流バイアス回路、及び第2ローパスフィルタ回路を含む。
【0074】
実施可能な一形態において、第2差動比例増幅回路は第2直流差動増幅回路を含む。
【0075】
実施可能な一形態において、第2直流差動増幅回路は、第10抵抗R11、第11抵抗R12、第12抵抗R13、第13抵抗R14、第14抵抗R15、第15抵抗R16、第17抵抗R18及び第2演算増幅器D2を含み、第10抵抗R11の一端はリップル選択回路の出力ポートの正端子に接続され、第10抵抗R11の他端は第12抵抗R13の一端に接続され、第12抵抗R13の他端は第2演算増幅器D2の入力ポートの正端子に接続され、第11抵抗R12の一端はリップル選択回路の出力ポートの負端子に接続され、第11抵抗R12の他端は第13抵抗R14の一端に接続され、第13抵抗R14の他端は第2演算増幅器D2の入力ポートの負端子に接続され、第2演算増幅器D2の電源端は第2電源VCC2に接続され、第2演算増幅器D2の接地端は接地され、第14抵抗R15の一端は接地され、第14抵抗R15の他端は第15抵抗R16の一端及び第2演算増幅器D2の入力ポートの正端子に接続され、第15抵抗R16の他端は第2電源VCC2に接続され、第17抵抗R18の一端は第2演算増幅器D2の入力ポートの負端子に接続され、第17抵抗R18の他端は第2演算増幅器D2の出力ポートに接続される。
【0076】
実施可能な一形態において、第2直流バイアス回路は、第14抵抗R15、第15抵抗R16、及び第2電源VCC2を含む。
【0077】
実施可能な一形態において、第2ローパスフィルタ回路は、第16抵抗R17、第18抵抗R19及び第8コンデンサC13を含み、第16抵抗R17の一端は第2演算増幅器D2の入力ポートの負端子に接続され、第16抵抗R17の他端は接地され、第18抵抗R19の一端は第2演算増幅器D2の出力ポートに接続され、第18抵抗R19の他端は第8コンデンサC13の一端及び第1リップルサンプリング回路の出力ポートに同時に接続され、第8コンデンサC13の他端は接地される。第2ローパスフィルタ回路は、第2直流信号における高周波信号をフィルタリングし、低周波信号(直流信号を含む)を保持するように構成される。
【0078】
実施可能な一形態において、R11=R12、R13=R14、R15=R18、R17=R19である。
【0079】
実施可能な一形態において、C11=C12である。
【0080】
実施可能な一形態において、直流サンプリングユニット102は、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのポートの第2電圧信号における交流信号に交流経路を提供することができず、交流信号は第1リップルサンプリング回路の出力ポートに伝達されないため、直流サンプリングユニット102は、ローパスフィルタされた後の直流信号のみを出力する。
【0081】
形態12に対して、実施可能な一形態において、
図10に示すように、ローパスフィルタされた後の直流信号は、
【数2】
であり、(R15/R16)VCC2は、直流バイアス電圧であり、VDC_DSPは、第3直流信号であり、V
O_DCは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートの第1電圧信号における直流信号であり、VCC2は、第2電源である。
【0082】
形態12に対して、実施可能な一形態において、直流サンプリングユニット102は、第5ダイオードVD11、第6ダイオードVD21、第7ダイオードVD31、及び第8ダイオードVD41をさらに含み、第5ダイオードVD11のカソードは第2電源VCC2に接続され、第5ダイオードVD11のアノードは第6ダイオードVD21のカソード及び第2演算増幅器D2の入力ポートの正端子に接続され、第6ダイオードVD21のアノードは接地され、第7ダイオードVD31のカソードは第2電源VCC2に接続され、第7ダイオードVD31のアノードは第8ダイオードVD41のカソード及び第2演算増幅器D2の入力ポートの負端子に接続され、第8ダイオードVD41のアノードは接地される。第2クランプ保護回路は、第2演算増幅器D2の入力電圧を0~3.3Vの間に制限し、保護の役割を果たす。
【0083】
(二)リップルサンプリングユニット101は、少なくとも2つの第2リップルサンプリング回路を含む。
【0084】
形態二に対して、実施可能な一形態において、第2リップルサンプリング回路の数は、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのポートの数に等しい。
【0085】
形態二に対して、実施可能な一形態において、第2リップルサンプリング回路は1つの入力ポートと1つの出力ポートを含み、第2リップルサンプリング回路の入力ポートは非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの1つのポートに接続され、第2リップルサンプリング回路の出力ポートはデジタル信号処理ユニットの1つの入力ポートに接続される。
【0086】
形態二に対して、実施可能な一形態において、異なる第2リップルサンプリング回路の入力ポートが接続する非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのポートは異なり、異なる第2リップルサンプリング回路の出力ポートが接続するデジタル信号処理ユニットの入力ポートは異なる。
【0087】
形態二に対して、実施可能な一形態において、第2リップルサンプリング回路は、接続された非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのポートの第5電圧信号をデジタル信号処理ユニットに出力するように構成される。また、デジタル信号処理ユニット103は、全ての第2リップルサンプリング回路が出力する第5電圧信号から、いずれか1つを第1電圧信号として選択するようにさらに構成される。
【0088】
形態二に対して、実施可能な一形態において、デジタル信号処理ユニット103が、全ての第2リップルサンプリング回路が出力する第5電圧信号から、いずれか1つを第1電圧信号として選択するとは、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの出力ポートに接続された第2リップルサンプリング回路からデジタル信号処理ユニット103に入力される第5電圧信号を選択することを意味し、当該第5電圧信号は即ち第1電圧信号である。
【0089】
実施可能な一形態において、第2リップルサンプリング回路は、第1リップルサンプリング回路と同じ回路を用いて実現されてもよく、他の回路を用いて実現されてもよい。具体的な回路実現は本出願の実施例を限定するものではない。
【0090】
実施可能な一形態において、デジタル信号処理ユニット103は、例えばTexas Instrument(TI)社のTMS320F28xxシリーズのチップのようなデジタル信号処理(Digital Signal Processing,DSP)チップを用いて実現されてもよい。
【0091】
実施可能な一形態において、リップル検出装置は、入力ポートと出力ポートの電圧信号を変換するように構成された非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット104をさらに含む。
【0092】
実施可能な一形態において、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット104は、以下の形態21~形態24のいずれか1つを用いて実現されてもよい。
【0093】
形態21において、
図11に示すように、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット104は、Hブリッジ回路を用いて実現され、第1スイッチングデバイスVT1、第2スイッチングデバイスVT2、第3スイッチングデバイスVT3、第4スイッチングデバイスVT4、第1インダクタンスL1、第9コンデンサCin1、第10コンデンサCo1を含む。第1スイッチングデバイスVT1のドレインは、一方のポートの正端子に接続され、第1スイッチングデバイスVT1のソースは、第1インダクタンスL1の一端及び第2スイッチングデバイスVT2のドレインに同時に接続され、第1スイッチングデバイスVT1のゲートは、駆動回路1の一方の出力ポートに接続される。第2スイッチングデバイスVT2のソースは、一方のポートの負端子に接続され、第2スイッチングデバイスVT2のゲートは、第1駆動回路の他方の出力ポートに接続される。第9コンデンサCin1は、一方のポートの正負端子に並列接続され、第1インダクタンスL1の第2端子は、第3スイッチングデバイスVT3のドレイン及び第4スイッチングデバイスVT4のソースに同時に接続される。第3スイッチングデバイスVT3のソースは、他方のポートの負端子に接続され、第3スイッチングデバイスVT3のゲートは、第2駆動回路の一方の出力ポートに接続される。第4スイッチングデバイスVT4のドレインは他方のポートの正端子に接続され、第4スイッチングデバイスVT4のゲートは第2駆動回路の他方の出力ポートに接続される。第10コンデンサCo1は、他方のポートの正負端子に並列接続され、2つのポートの負端子は接地され、一方のポートの負端子と他方のポートの負端子は同一のネットワーク上に位置している。
【0094】
形態22において、
図12に示すように、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット104は、第5スイッチングデバイスVT5、第6スイッチングデバイスVT6、第2インダクタンスL2、第11コンデンサCin2、第12コンデンサCo2を含む。第5スイッチングデバイスVT5のドレインは、一方のポートの正端子に接続され、第5スイッチングデバイスVT5のソースは、第2インダクタンスL2の一端及び第6スイッチングデバイスVT6のドレインに同時に接続され、第5スイッチングデバイスVT5のゲートは、第3駆動回路の一方の出力ポートに接続される。第6スイッチングデバイスVT6のソースは、一方のポートの負端子に接続され、第6スイッチングデバイスVT6のゲートは、第3駆動回路の他方の出力ポートに接続される。第11コンデンサCin2は、一方のポートの正負の端子間に並列接続され、第2インダクタンスL2の他端は、他方のポートの正端子に同時に接続され、第12コンデンサCo2は、他方のポートの正負の端子間に並列接続され、2つのポートの負端子は接地される。一方のポートの負端子と他方のポートの負端子は同一のネットワーク上に位置している。
【0095】
形態23において、
図13に示すように、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット104は、2つのHブリッジ回路を用いて実現され、第1Hブリッジ回路は、第7スイッチングデバイスVT7、第8スイッチングデバイスVT8、第9スイッチングデバイスVT9、第10スイッチングデバイスVT10、第3インダクタンスL3、第13コンデンサCin3、第14コンデンサCo3を含む。第7スイッチングデバイスVT7のドレインは、一方のポートの正端子に接続され、第7スイッチングデバイスVT7のソースは、第3インダクタンスL3の一端及び第8スイッチングデバイスVT8のドレインに同時に接続され、第7スイッチングデバイスVT7のゲートは、第5駆動回路の第1出力ポートに接続される。第8スイッチングデバイスVT8のソースは、一方のポートの負端子に接続され、第8スイッチングデバイスVT8のゲートは、第5駆動回路の第2出力ポートに接続される。第13コンデンサCin3は、一方のポートの正負端子に並列接続され、第3インダクタンスL3の第2端子は、第9スイッチングデバイスVT9のドレイン及び第10スイッチングデバイスVT10のソースに同時に接続される。第9スイッチングデバイスVT9のソースは、他方のポートの負端子に接続され、第9スイッチングデバイスVT9のゲートは、第6駆動回路の第1出力ポートに接続される。第10スイッチングデバイスVT10のドレインは、他方のポートの正端子に接続され、第10スイッチングデバイスVT10のゲートは、第6駆動回路の第2出力ポートに接続される。第14コンデンサCo3は、他方のポートの正負の端子間に並列接続され、2つのポートの負端子は接地され、一方のポートの負端子と他方のポートの負端子は同一のネットワーク上に位置している。
【0096】
第2Hブリッジ回路は、第11スイッチングデバイスVT11、第12スイッチングデバイスVT12、第13スイッチングデバイスVT13、第14スイッチングデバイスVT14、第4インダクタンスL4を含む。第11スイッチングデバイスVT11のドレインは、一方のポートの正端子に接続され、第11スイッチングデバイスVT11のソースは、第4インダクタンスL4の一端及び第12スイッチングデバイスVT12のドレインに同時に接続され、第11スイッチングデバイスVT11のゲートは、第5駆動回路の第3出力ポートに接続される。第12スイッチングデバイスVT12のソースは、一方のポートの負端子に接続され、第12スイッチングデバイスVT12のゲートは、第5駆動回路の第4出力ポートに接続される。第4インダクタンスL4の他端は、第13スイッチングデバイスVT13のドレイン及び第14スイッチングデバイスVT14のソースに同時に接続される。第13スイッチングデバイスVT13のソースは、他方のポートの負端子に接続され、第13スイッチングデバイスVT13のゲートは、第6駆動回路の第3出力ポートに接続される。第14スイッチングデバイスVT14のドレインは、他方のポートの正端子に接続され、第14スイッチングデバイスVT14のゲートは、第6駆動回路の第4出力ポートに接続される。一方のポートの負端子と他方のポートの負端子は同一のネットワーク上に位置している。
【0097】
2つのHブリッジ回路は並列に動作し、第1Hブリッジ回路と第2Hブリッジ回路は180°位相をずらして動作することにより、出力ポートの低周波リップル信号を低減することができる。
【0098】
形態24において、
図14に示すように、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット104は、2つのHブリッジ回路を用いて実現され、第3Hブリッジ回路は、第15スイッチングデバイスVT15、第16スイッチングデバイスVT16、第17スイッチングデバイスVT17、第18スイッチングデバイスVT18、第5インダクタンスL5、第15コンデンサCin4、第16コンデンサCo4を含む。第15スイッチングデバイスVT15のドレインは、第1ポートの正端子に接続され、第15スイッチングデバイスVT15のソースは、第5インダクタンスL5の一端及び第16スイッチングデバイスVT16のドレインに同時に接続され、第15スイッチングデバイスVT15のゲートは、第7駆動回路の第1出力ポートに接続される。第16スイッチングデバイスVT16のソースは、第1ポートの負端子に接続され、第16スイッチングデバイスVT16のゲートは、第7駆動回路の第2出力ポートに接続される。第15コンデンサCin4は、第1ポートの正負端子に並列接続され、第5インダクタンスL5の第2端子は、第17スイッチングデバイスVT17のドレイン及び第18スイッチングデバイスVT18のソースに同時に接続される。第17スイッチングデバイスVT17のソースは、第2ポートの負端子に接続され、第17スイッチングデバイスVT17のゲートは、第8駆動回路の第1出力ポートに接続される。第18スイッチングデバイスVT18のドレインは、第2ポートの正端子に接続され、第18スイッチングデバイスVT18のゲートは、第8駆動回路の第2出力ポートに接続される。第16コンデンサCo4は、第2ポートの正負の端子間に並列接続され、2つのポートの負端子は接地され、第1ポートの負端子と第2ポートの負端子は同一のネットワーク上に位置している。
【0099】
第4Hブリッジ回路は、第19スイッチングデバイスVT19、第20スイッチングデバイスVT20、第21スイッチングデバイスVT21、第22スイッチングデバイスVT22、第6インダクタンスL6、第17コンデンサCo5を含む。第19スイッチングデバイスVT19のドレインは、第1ポートの正端子に接続され、第19スイッチングデバイスVT19のソースは、第6インダクタンスL6の一端と第20スイッチングデバイスVT20のドレインに同時に接続され、第19スイッチングデバイスVT19のゲートは、第7駆動回路の第3出力ポートに接続される。第20スイッチングデバイスVT20のソースは、第1ポートの負端子に接続され、第20スイッチングデバイスVT20のゲートは、第7駆動回路の第4出力ポートに接続される。第6インダクタンスL6の他端は、第21スイッチングデバイスVT21のドレイン及び第22スイッチングデバイスVT22のソースに同時に接続される。第21スイッチングデバイスVT21のソースは、第3ポートの負端子に接続され、第21スイッチングデバイスVT21のゲートは、第8駆動回路の第3出力ポートに接続される。第22スイッチングデバイスVT22のドレインは、第3ポートの正端子に接続され、第15スイッチングデバイスVT15のゲートは、第8駆動回路の第4出力ポートに接続される。第1ポートの負端子と第3ポートの負端子は同一のネットワーク上に位置している。
【0100】
なお、上記に挙げた非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット104は、いくつかの実現可能な例に過ぎず、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット104の実現形態を網羅するものではなく、他の実現形態も本出願の実施例である。
【0101】
実施可能な一形態において、リップル検出装置は、駆動信号に基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット内のスイッチングデバイスを駆動するように構成された駆動ユニット105をさらに含む。
【0102】
実施可能な一形態において、当該駆動信号は、ディスパッチシステムによって生成されてもよく、デジタル信号処理ユニットによって生成されてもよい。駆動信号がデジタル信号処理ユニットによって生成される場合、当該駆動信号は、スイッチングデバイスを直接駆動する能力を持たず、また、安全上の配慮から、デジタル信号処理ユニットによって生成された駆動信号と、非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット内のスイッチングデバイスとを電気的に絶縁する必要があるため、駆動ユニットが追加され、駆動ユニットは、駆動能力の追加と絶縁という役割を果たす。
【0103】
本出願の実施例は、本出願の実施例によるリップル検出装置と、リップル抑制ユニットとを含むリップル抑制装置をさらに提供する。
【0104】
実施可能な一形態において、リップル抑制ユニットは、基準電圧信号とリップルノイズ信号に対応するデジタル信号との差分演算を行って第1差分信号を取得し、第1差分信号と第1電圧信号に対応するデジタル信号との差分演算を行って第2差分信号を取得し、第2差分信号に基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号を算出して、算出された駆動信号を駆動ユニットに出力するように構成される。
【0105】
実施可能な別の形態において、リップル抑制ユニットは、基準電圧信号と低周波リップル信号に対応するデジタル信号との差分演算を行って第3差分信号を取得し、第3差分信号と第1電圧信号に対応するデジタル信号との差分演算を行って第4差分信号を取得し、第4差分信号に基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号を算出して、算出された駆動信号を駆動ユニットに出力するように構成される。
【0106】
本出願の実施例によるリップル抑制装置は、リップルノイズ信号又は低周波リップル信号に基づいて非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号を調整して、出力ポートの第1電圧が正常電圧値からずれるようにする場合、出力ポートの第1電圧を正常電圧値に戻すことによって、リップルノイズ信号又は低周波リップル信号の抑制を実現する。
【0107】
実施可能な一形態において、リップル抑制ユニットは、以下の形態を用いて、第2差分信号に基づく非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号の計算を実現するように構成されてもよく、即ち、デジタル三角波キャリア信号を生成し、デジタル三角波信号の周波数はスイッチングデバイスの周波数と同一であり、デジタル三角波キャリア信号が第2差分値より大きい場合、スイッチングデバイスの駆動信号がハイレベルであり、デジタル三角波信号が第2差分値より小さい場合、スイッチングデバイスの駆動信号がローレベルであるというものである。
【0108】
実施可能な一形態において、デジタル三角波キャリア信号のピーク値は、第2差分値の範囲に基づいて確定される。
【0109】
実施可能な一形態において、デジタル三角波キャリア信号のピーク値は、第2差分値の範囲の最大値である。
【0110】
実施可能な一形態において、リップル抑制ユニットは、以下の形態を用いて、第2差分信号に基づく非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号の計算を実現するように構成されてもよく、即ち、デジタル三角波キャリア信号を生成し、デジタル三角波信号の周波数はスイッチングデバイスの周波数と同一であり、デジタル三角波キャリア信号が第2差分値より大きい場合、スイッチングデバイスの駆動信号がローレベルであり、デジタル三角波信号が第2差分値より小さい場合、スイッチングデバイスの駆動信号がハイレベルであるというものである。
【0111】
実施可能な一形態において、リップル抑制ユニットは、以下の形態を用いて、第4差分信号に基づく非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号の計算を実現するように構成されてもよく、即ち、デジタル三角波キャリア信号を生成し、デジタル三角波信号の周波数はスイッチングデバイスの周波数と同一であり、デジタル三角波キャリア信号が第4差分値より大きい場合、スイッチングデバイスの駆動信号がハイレベルであり、デジタル三角波信号が第4差分値より小さい場合、スイッチングデバイスの駆動信号がローレベルであるというものである。
【0112】
実施可能な一形態において、デジタル三角波キャリア信号のピーク値は、第4差分値の範囲に基づいて確定される。
【0113】
実施可能な一形態において、デジタル三角波キャリア信号のピーク値は、第4差分値の範囲の最大値である。
【0114】
実施可能な一形態において、リップル抑制ユニットは、以下の形態を用いて、第4差分信号に基づく非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットの各スイッチングデバイスの駆動信号の計算を実現するように構成されてもよく、即ち、デジタル三角波キャリア信号を生成し、デジタル三角波信号の周波数はスイッチングデバイスの周波数と同一であり、デジタル三角波キャリア信号が第4差分値より大きい場合、スイッチングデバイスの駆動信号がローレベルであり、デジタル三角波信号が第4差分値より小さい場合、スイッチングデバイスの駆動信号がハイレベルであるというものである。
【0115】
実施可能な一形態において、リップル抑制ユニットは、上記デジタル信号処理ユニットを直接用いて実現されてもよく、他の回路を用いて実現されてもよい。
【0116】
以下では、上記に挙げた全ての非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニットのスイッチングデバイスの駆動信号の確定についてそれぞれ説明する。
【0117】
(1)上記形態21を用いて実現される非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット。
第1スイッチングデバイスVT1の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT1は
図15のデューティ比Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVinからVoに変換された場合、VT1はデューティ比1に対応する駆動信号で常時オン状態で動作し、電圧が降圧方式でVoからVinに変換された場合、VT1はデューティ比1に対応する駆動信号で常時オン状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT1は
図15のデューティ比Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作する。
【0118】
第2スイッチングデバイスVT2の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT2は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVinからVoに変換された場合、VT2はデューティ比0に対応する駆動信号で常時オフ状態で動作し、電圧が降圧方式でVoからVinに変換された場合、VT2はデューティ比0に対応する駆動信号で常時オフ状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT2は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作する。
【0119】
第3スイッチングデバイスVT3の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT3はデューティ比0に対応する駆動信号で常時オフ状態で動作し、電圧が昇圧方式でVinからVoに変換された場合、VT3は
図15のデューティ比Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が降圧方式でVoからVinに変換された場合、VT3は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT3はデューティ比0に対応する駆動信号で常時オフ状態で動作する。
【0120】
第4スイッチングデバイスVT4の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT4はデューティ比1に対応する駆動信号で常時オン状態で動作し、電圧が昇圧方式でVinからVoに変換された場合、VT4は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が降圧方式でVoからVinに変換された場合、VT4は
図15のデューティ比0に対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT4はデューティ比1に対応する駆動信号で常時オン状態で動作する。
【0121】
(2)上記形態22を用いて実現される非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット。
第5スイッチングデバイスVT5の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT5は
図15のデューティ比Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT5は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作する。
【0122】
第6スイッチングデバイスVT6の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT6は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT6は
図15のデューティ比Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作する。
【0123】
(3)上記形態23を用いて実現される非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット。
第7スイッチングデバイスVT7の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT7は
図15のデューティ比Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVinからVoに変換された場合、VT7はデューティ比1に対応する駆動信号で常時オン状態で動作し、電圧が降圧方式でVoからVinに変換された場合、VT7はデューティ比1に対応する駆動信号で常時オン状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT7は
図15のデューティ比Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作する。
【0124】
第8スイッチングデバイスVT8の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT8は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVinからVoに変換された場合、VT8はデューティ比0に対応する駆動信号で常時オフ状態で動作し、電圧が降圧方式でVoからVinに変換された場合、VT8はデューティ比0に対応する駆動信号で常時オフ状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT8は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作する。
【0125】
第9スイッチングデバイスVT9の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT9はデューティ比0に対応する駆動信号で常時オフ状態で動作し、電圧が昇圧方式でVinからVoに変換された場合、VT9は
図15のデューティ比Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が降圧方式でVoからVinに変換された場合、VT9は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT9はデューティ比0に対応する駆動信号で常時オフ状態で動作する。
【0126】
第10スイッチングデバイスVT10の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT10はデューティ比1に対応する駆動信号で常時オン状態で動作し、電圧が昇圧方式でVinからVoに変換された場合、VT10は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が降圧方式でVoからVinに変換された場合、VT10は
図15のデューティ比0に対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT10はデューティ比1に対応する駆動信号で常時オン状態で動作する。
【0127】
第11スイッチングデバイスVT11の駆動信号は第7スイッチングデバイスVT7と同一であるが、位相が180゜異なる。
【0128】
第12スイッチングデバイスVT12の駆動信号は第8スイッチングデバイスVT8と同一あるが、位相が180゜異なる。
【0129】
第13スイッチングデバイスVT13の駆動信号は第9スイッチングデバイスVT9と同一あるが、位相が180゜異なる。
【0130】
第14スイッチングデバイスVT14の駆動信号は第10スイッチングデバイスVT10と同一であるが、位相が180゜異なる。
【0131】
(4)上記形態24を用いて実現される非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット。
第15スイッチングデバイスVT15の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT15は
図15のデューティ比Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVinからVoに変換された場合、VT15はデューティ比1に対応する駆動信号で常時オン状態で動作し、電圧が降圧方式でVoからVinに変換された場合、VT15はデューティ比1に対応する駆動信号で常時オン状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT15は
図15のデューティ比Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作する。
【0132】
第16スイッチングデバイスVT16の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT16は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVinからVoに変換された場合、VT16はデューティ比0に対応する駆動信号で常時オフ状態で動作し、電圧が降圧方式でVoからVinに変換された場合、VT16はデューティ比0に対応する駆動信号で常時オフ状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT16は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作する。
【0133】
第17スイッチングデバイスVT17の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT17はデューティ比0に対応する駆動信号で常時オフ状態で動作し、電圧が昇圧方式でVinからVoに変換された場合、VT17は
図15のデューティ比Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が降圧方式でVoからVinに変換された場合、VT17は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT17はデューティ比0に対応する駆動信号で常時オフ状態で動作する。
【0134】
第18スイッチングデバイスVT18の駆動信号については、電圧が降圧方式でVinからVoに変換された場合、VT18はデューティ比1に対応する駆動信号で常時オン状態で動作し、電圧が昇圧方式でVinからVoに変換された場合、VT18は
図15のデューティ比1-Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が降圧方式でVoからVinに変換された場合、VT18は
図15のデューティ比Dに対応する駆動信号でスイッチング状態で動作し、電圧が昇圧方式でVoからVinに変換された場合、VT18はデューティ比1に対応する駆動信号で常時オン状態で動作する。
【0135】
第19スイッチングデバイスVT19の駆動信号は第15スイッチングデバイスVT15と同一であり、第15スイッチングデバイスVT15と同一の位相であってもよく、異なる位相であってもよい。
【0136】
第20スイッチングデバイスVT20の駆動信号は第16スイッチングデバイスVT16と同一であり、第16スイッチングデバイスVT16と同一の位相であってもよく、異なる位相であってもよい。
【0137】
第21スイッチングデバイスVT21の駆動信号は第17スイッチングデバイスVT17と同一であり、第17スイッチングデバイスVT17と同一の位相であってもよく、異なる位相であってもよい。
【0138】
第22スイッチングデバイスVT22の駆動信号は第18スイッチングデバイスVT18と同一であり、第18スイッチングデバイスVT18と同一の位相であってもよく、異なる位相であってもよい。
【0139】
本出願の実施例によるリップル抑制装置は、負帰還ループを用いて出力電圧を調整し、低周波リップル信号の周波数が非絶縁型DC/DC双方向エネルギー変換ユニット内部のスイッチングデバイスのスイッチング周波数よりもはるかに高いため、出力ポートの第1電圧が正常電圧値から正の方向に離れるとき、第2誤差信号又は第4誤差信号が減少し、第2誤差信号又は第4誤差信号の減少は、スイッチング状態で動作するスイッチングデバイスのデューティ比を減少させ、これにより出力電圧を正常電圧に戻す。逆に、出力ポートの第1電圧が正常電圧値から負の方向に離れるとき、第2誤差信号又は第4誤差信号が増加し、第2誤差信号又は第4誤差信号の増加は、スイッチング状態で動作するスイッチングデバイスのデューティ比の増加をもたらし、これにより出力電圧を正常電圧に戻す。
【0140】
当業者は、上記に開示されている方法のステップの全て又はいくつかのステップ、システム、装置の機能モジュール/ユニットが、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実施され得ることを理解するであろう。ハードウェア実施形態において、上記の説明で言及された機能モジュール/ユニット間の区分は、必ずしも物理的構成要素の区分に対応しない。例えば、1つの物理的構成要素は、複数の機能を有してもよく、或いは1つの機能又はステップは、いくつかの物理的構成要素によって協働して実行されてもよい。いくつかの物理的構成要素又は全ての物理的構成要素は、中央プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、若しくはマイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして実施されてもよく、又はハードウェアとして実施されてもよく、又は専用集積回路などの集積回路として実施されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(又は非一時的媒体)及び通信媒体(又は一時的媒体)を含み得るコンピュータ可読媒体上に配置されてもよい。当業者によく知られているように、コンピュータ記憶媒体という用語は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法又は技術で実施される揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ若しくは他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。また、通信媒体は、一般に、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波若しくは他の伝送機構などの変調データ信号内の他のデータを含み、任意の情報配信媒体を含み得ることが当業者に知られている。
【0141】
本明細書において例示的な実施例が開示されており、具体的な用語が用いられているが、それらは、一般的な例示的な意味でのみ用いられており、一般的な例示的な意味でのみ解釈されるべきであり、限定を目的としたものではない。いくつかの例では、特定の実施例に関連して説明される特徴、特性、及び/又は要素は、特に明記しない限り、単独で使用されてもよく、又は他の実施例に関連して説明される特徴、特性、及び/又は要素と組み合わせて用いられてもよいことは、当業者に明らかであろう。よって、添付の特許請求の範囲に記載された本出願の範囲から逸脱することなく、様々な形態及び詳細における変更が行われ得ることを当業者は理解するであろう。