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特許7531647熱電変換装置、熱電変換装置の製造方法、および、電子冷却装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】熱電変換装置、熱電変換装置の製造方法、および、電子冷却装置
(51)【国際特許分類】
   H10N 10/13 20230101AFI20240802BHJP
   H10N 10/01 20230101ALI20240802BHJP
【FI】
H10N10/13
H10N10/01
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023047429
(22)【出願日】2023-03-24
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 成巳
(72)【発明者】
【氏名】桑原 敬史
(72)【発明者】
【氏名】狩野 天広
【審査官】小池 秀介
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-185318(JP,A)
【文献】特開2005-019792(JP,A)
【文献】特開平11-186617(JP,A)
【文献】特開2007-110082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10N 10/13
H10N 10/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1熱導体と第2熱導体とが熱電変換素子を介して対向して配置され、前記第1熱導体と前記第2熱導体と枠体とで囲まれた装置内部に前記熱電変換素子が収納される熱電変換装置において、
前記枠体の一部が溶着されて形成されている溶着部であって、前記第1熱導体の外周に対して密着する前記溶着部と、
を備えた、熱電変換装置。
【請求項2】
前記第1熱導体の外周において当該第1熱導体の外部方向に突出する突形状を形成する段差部を備え、
前記枠体は、
前記枠体が前記第1熱導体に組み付けられた状態において、前記段差部の表面に沿って前記第1熱導体に向かって延びる第1フランジ部を含み、
前記溶着部は、前記枠体の前記第1フランジ部と前記第1フランジ部に隣接する隣接部との少なくとも一方において前記段差部の表面に密着するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の熱電変換装置。
【請求項3】
前記枠体は、前記第2熱導体に組み付けられる第2フランジ部を含み、
前記第2熱導体は、前記第2フランジ部が組み付けられる第1溝部を有し、
前記枠体の前記第2フランジ部が前記第2熱導体の前記第1溝部に組み付けられた状態において、前記枠体の前記第2フランジ部と前記第2熱導体とが同一面を形成しており、
前記同一面に貼り付けられた防水シールまたは防湿シールを備えた、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱電変換装置。
【請求項4】
前記第2熱導体は、前記枠体の一部を収容するための第2溝部を有し、
前記枠体は、
前記枠体と前記第1熱導体と前記第2熱導体とが組み付けられた状態において、前記第1熱導体から離れる方向に延びた後に前記第2熱導体の前記第2溝部に向かう方向に折れ曲がる形状を有する第1折れ形状部と、
前記第1折れ形状部に接続して前記第2熱導体の前記第2溝部に向かって延びるように形成されており、前記第2溝部において前記第2熱導体から離れる方向に折れ曲がる形状を有する第2折れ形状部と、
前記第2折れ形状部に接続して形成され、前記第2熱導体に組み付けられた第2フランジ部と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱電変換装置。
【請求項5】
前記枠体は、
前記第2熱導体に組み付けられた第2フランジ部と、
前記隣接部と前記第2フランジ部との間に形成され、断面が弾性形状である弾性形状部と、を含み、
前記弾性形状部と前記第1熱導体との間に形成されている空間である段差空間部を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の熱電変換装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の前記熱電変換装置を備えた、
ことを特徴とする電子冷却装置。
【請求項7】
第1熱導体と第2熱導体とが熱電変換素子を介して対向して配置され、前記第1熱導体と前記第2熱導体と枠体とで囲まれた装置内部に前記熱電変換素子が収納される熱電変換装置の製造方法であって、
前記枠体に対し、前記第1熱導体を超音波インサート加工により圧入することで、前記枠体を、前記第1熱導体の側面において当該第1熱導体の外側方向に突出する突形状を形成する段差部の表面に溶着させて第2溶着部を形成する圧入溶着工程と、
前記枠体に対し、前記第1熱導体を前記枠体の第1フランジ部に接するまで圧入した後に、超音波溶着加工により前記第1フランジ部を前記第1熱導体に対して溶着させて第1溶着部を形成するフランジ溶着工程と、
のうちの少なくとも一方の工程を備える、
ことを特徴とする製造方法。
【請求項8】
第1熱導体と第2熱導体とが熱電変換素子を介して対向して配置され、前記第1熱導体と前記第2熱導体と枠体とで囲まれた装置内部に前記熱電変換素子が収納される熱電変換装置において、
前記第1熱導体との間で熱を伝え合うように配置された冷却板と、
前記枠体と前記第1熱導体と前記第2熱導体とが組み付けられた状態において、前記第2熱導体から前記第1熱導体の側面を覆うように前記冷却板まで延びた形状を有する前記枠体と、
前記冷却板と前記枠体との間に配置され、前記冷却板と接するとともに前記枠体と接する第1パッキン部品と、
を備え
前記枠体は、
前記第1熱導体および前記第2熱導体に組み付けられた第1枠体部であって第1係合部を有する前記第1枠体部と、
前記冷却板に組み付けられた第2枠体部であって前記第1枠体部の前記第1係合部と係合する第2係合部を有する前記第2枠体部と、
を含み、
前記第1枠体部と前記第2枠体部との間に配置され、前記第1枠体部に接するとともに前記第2枠体部に接する第2パッキン部品を備えた、
ことを特徴とする熱電変換装置。
【請求項9】
第1熱導体と第2熱導体とが熱電変換素子を介して対向して配置され、前記第1熱導体と前記第2熱導体と枠体とで囲まれた装置内部に前記熱電変換素子が収納される熱電変換装置において、
前記第1熱導体との間で熱を伝え合うように配置された冷却板と、
前記枠体と前記第1熱導体と前記第2熱導体とが組み付けられた状態において、前記第2熱導体から前記第1熱導体の側面を覆うように前記冷却板まで延びた形状を有する前記枠体と、
前記冷却板と前記枠体との間に配置され、前記冷却板と接するとともに前記枠体と接する第1パッキン部品と、
を備え、
前記枠体は、前記第2熱導体に組み付けられた第2フランジ部を含み、
前記第2熱導体は、前記第2フランジ部が組み付けられた第1溝部を有し、
前記枠体の前記第2フランジ部が前記第2熱導体の前記第1溝部に組み付けられた状態において、前記枠体の前記第2フランジ部と前記第2熱導体とが同一面を形成しており、
前記同一面に貼り付けられた防水シールまたは防湿シールを備えた、
ことを特徴とする熱電変換装置。
【請求項10】
第1熱導体と第2熱導体とが熱電変換素子を介して対向して配置され、前記第1熱導体と前記第2熱導体と枠体とで囲まれた装置内部に前記熱電変換素子が収納される熱電変換装置において、
前記第1熱導体との間で熱を伝え合うように配置された冷却板と、
前記枠体と前記第1熱導体と前記第2熱導体とが組み付けられた状態において、前記第2熱導体から前記第1熱導体の側面を覆うように前記冷却板まで延びた形状を有する前記枠体と、
前記冷却板と前記枠体との間に配置され、前記冷却板と接するとともに前記枠体と接する第1パッキン部品と、
を備え、
前記第2熱導体は、前記枠体の一部を収容するための第2溝部を有し、
前記枠体は、
前記枠体と前記第1熱導体と前記第2熱導体とが組み付けられた状態において、前記第1熱導体から離れる方向に延びた後に前記第2熱導体の前記第2溝部に向かう方向に折れ曲がる形状を有する第1折れ形状部と、
前記第1折れ形状部に接続して前記第2熱導体の前記第2溝部に向かって延びるように形成されており、前記第2溝部において前記第2熱導体から離れる方向に折れ曲がる形状を有する第2折れ形状部と、
前記第2折れ形状部に接続して形成され、前記第2熱導体に組み付けられた第2フランジ部と、
を含む、
ことを特徴とする熱電変換装置。
【請求項11】
前記枠体は、
前記第1熱導体および前記第2熱導体に組み付けられた第1枠体部であって第1係合部を有する前記第1枠体部と、
前記冷却板に組み付けられた第2枠体部であって前記第1枠体部の前記第1係合部と係合する第2係合部を有する前記第2枠体部と、
を含み、
前記第1枠体部と前記第2枠体部との間に配置され、前記第1枠体部に接するとともに前記第2枠体部に接する第2パッキン部品を備えた、
ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の熱電変換装置。
【請求項12】
請求項8から請求項10のうちのいずれか1項に記載の前記熱電変換装置を備えた、
ことを特徴とする電子冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は、熱電変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱電変換装置の中には、第1熱導体と第2熱導体とが熱電変換素子を介して対向して配置され、一方の熱導体と枠体とがインサートモールドで一体に形成され、当該熱導体と枠体との接合部にシール剤が塗布されたものがある。
特許文献1には、熱電変換素子群(上記「熱電変換素子」に相当)を介して吸熱側熱導体と放熱側熱導体(上記「第1熱導体」と上記「第2熱導体」とに相当)を設け、枠体内に吸熱側熱導体を配置して、吸熱側熱導体と枠体を一体にする構成であって、枠体を吸熱側熱導体の外周部にインサートモールドで一体に形成して、枠体と吸熱側熱導体の接合部の大気と接する外側部分を非極性材料のシール剤からなる非極性シール剤層で覆い、枠体と吸熱側熱導体の接合部の内側部分を極性材料で硬化しない軟質シール剤からなる極性非硬化型シール剤層で覆った構成が記載されている。
このような構成においては、熱導体と枠体との接合部が水平面でない形状である場合が多く、この場合には作業者により接合部にシール剤が塗布される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-206464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成は、作業者によるシール剤を塗布する工程が生じてしまいやすい、といった課題があった。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するもので、作業者によるシール剤を塗布する工程を少なくする、ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の熱電変換装置は、
第1熱導体と第2熱導体とが熱電変換素子を介して対向して配置され、前記第1熱導体と前記第2熱導体と枠体とで囲まれた装置内部に前記熱電変換素子が収納される熱電変換装置において、
前記枠体の一部が溶着されて形成されている溶着部であって、前記段差部の表面に密着する前記溶着部と、
を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業者によるシール剤を塗布する工程を少なくすることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態1に係る熱電変換装置1の一部を切り欠いて構成例を示した第1の図である。
図2図2は、実施の形態1に係る熱電変換装置1の一部を切り欠いて構成例を示した第2の図である。
図3図3は、熱電変換装置の枠体における溶着用突部の構成例を示す図である。
図4図4は、熱電変換装置の製造方法を説明する図であり、図4Aは、枠体が第1熱導体に嵌め込まれる直前の状態を示し、図4Bは、枠体を第1熱導体に嵌め込む際の圧入溶着工程を示し、図4Cは、第1フランジ部を第1熱導体に対して溶着させて第1溶着部を形成するフランジ溶着工程を示し、図4Dは、圧入溶着工程およびフランジ溶着工程を実施した後の状態を示している。
図5図5は、実施の形態2に係る熱電変換装置1Aの一部を切り欠いて構成例を示した図である。
図6図6は、実施の形態3に係る熱電変換装置1Bの一部を切り欠いて構成例を示した図である。
図7図7は、実施の形態4に係る熱電変換装置1Cの一部を切り欠いて構成例を示した図である。
図8図8は、実施の形態5に係る熱電変換装置1Dの一部を切り欠いて構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示をより詳細に説明するために、本開示の実施の形態について、添付の図面に従って説明する。
【0010】
実施の形態1.
実施の形態1においては、シール剤を塗布する工程を減らす第1の構成例を説明する。
【0011】
熱電変換装置の構成を説明する。
図1は、実施の形態1に係る熱電変換装置1の一部を切り欠いて構成例を示した第1の図である。
図2は、実施の形態1に係る熱電変換装置1の一部を切り欠いて構成例を示した第2の図である。
【0012】
熱電変換装置1は、電気を熱に変換する装置である。熱電変換装置1は、吸熱側部と放熱側部とを有し、吸熱側部から放熱側部へ熱を移動させる。これにより熱電変換装置1は、吸熱側部に接する物体の温度を下げるとともに、放熱側部に接する物体の温度を上げる。
熱電変換装置1は、例えば冷蔵庫を含む電子冷却装置における冷却板に組み付けられる装置である。
図1および図2に示す熱電変換装置1は、第1熱導体100、第2熱導体200、熱電変換素子300、マウント400、および、枠体500を備える。
図1は、熱電変換装置1における枠体500を切り欠いた状態を示している。
熱電変換装置1においては、第1熱導体100と第2熱導体200とが熱電変換素子300を介して対向して配置され、第1熱導体100と第2熱導体200と枠体500とで囲まれた装置内部に熱電変換素子300が収納される。
【0013】
第1熱導体100は、熱を伝えやすい物質(例えばアルミニウム)で形成されており、図に示す第1熱導体100は、例えば概ね立方体または概ね直方体といったブロック形状である。
第1熱導体100は、外周に、側面部101、下面部120、および、上面部130を有する。
外周の側面部101には、段差部110が形成されている。
段差部110は、第1熱導体100の外周において当該第1熱導体100の外部方向に突出する突形状を形成する。
上面部130は、図面上方の面部である。
下面部120は、図面下方の面部である。
第1熱導体100が吸熱側部である場合、上面部130は、電子冷却装置の冷却板と熱を伝え合うように組み付けられる。
下面部120は、熱電変換素子300の一方の面と熱を伝え合うように組み付けられる。
【0014】
第2熱導体200は、熱を伝えやすい物質(例えばアルミニウム)で形成されており、図1に示す第2熱導体200は、概ね直方体形状または概ね板状形状である。
第2熱導体200は、外周に、側面部、上面部、および、下面部を有する。
図において上面部には、第1熱導体100、熱電変換素子300、マウント400、および、枠体500が配置されて組み付けられている。
第2熱導体200が放熱側部である場合、下面部には、図示しないフィンが配置されて組み付けられるように構成してもよい。この構成にすれば、第2熱導体200から熱を効率よく放熱させることができる構成を実現できる。
【0015】
熱電変換素子300は、例えばペルティエ素子と呼ばれる半導体である。
熱電変換素子300は、概ね板状形状であり、電流が通されると電力を消費して一方の面から他方の面へ熱を移動させる。
本開示において、熱電変換素子300は、熱電変換素子群であってもよい。
【0016】
マウント400は、第1熱導体100と第2熱導体200と枠体500とで囲まれた装置内部に収納され、第1熱導体100と第2熱導体200と熱電変換素子300との間隔を調整するために配置されている。当該間隔の調整は、熱電変換効率などを考慮して行われる。
図1および図2に示すマウント400は、熱電変換素子300と第2熱導体200との間に配置されている。
本開示の熱電変換装置1においては、マウント400を備える構成を示しているが、マウント400は本開示に必須の構成ではなく、マウント400を備えていない構成であってもよい。
【0017】
枠体500は、第1熱導体100と第2熱導体200とが熱電変換素子300を介して対向して配置された状態を保持するように、第1熱導体100と第2熱導体200とにそれぞれ組み付けられている。
枠体500は、例えば超音波により溶着可能な物質により構成されている。
枠体500は、第1フランジ部510を含む。
第1フランジ部510は、枠体500が第1熱導体100に組み付けられた状態において、段差部110の表面に沿って第1熱導体100に向かって延びるように形成されている。
また、枠体500は、第1フランジ部510に隣り合って接続する第1フランジ隣接部520(単に「隣接部」とも記載する場合がある)を含む。
第1フランジ隣接部520は、枠体500が第1熱導体100の段差部110に沿って折れ曲がる点において第1フランジ部510に接続する。
枠体500の内部において対向する第1フランジ隣接部520同士の間隔といった枠体500の内部の寸法は、枠体500と第1熱導体100とが組み付けられる前の状態において、第1熱導体100の外形の寸法より若干小さい。組み付けられる際に、第1フランジ隣接部520は、枠体500の内部側が溶着されることで溶着部に変化して、当該溶着部を介して第1熱導体100と密着する。これにより、枠体500の内部の寸法は、第1熱導体100の外形の寸法と同等になっている。
【0018】
熱電変換装置1は、枠体500と第1熱導体100との間に溶着部600を備える。
溶着部600は、枠体500の一部が溶着されて形成されている。
溶着部600は、枠体500と一体であるとともに、第1熱導体100の外周に対して密着している。
具体的には、溶着部600は、例えば超音波により枠体500の一部が溶けて、第1熱導体100の外周に対して密着するように変形し、変形した状態で冷えて固まったものである。溶着部600は、このような超音波溶着により形成される。
【0019】
さらに具体的には、図1および図2に示す溶着部600は、第1溶着部610および第2溶着部620を有する。
図2は、熱電変換装置1における枠体500を切り欠いた状態から、さらに、溶着部600を切り欠いた状態を示している。
なお、構成をわかりやすく図示するために、図面上、溶着部600と隣接する構成との間の一部に隙間が描かれている場合があるが、実際には隙間が生じないように構成されている。
【0020】
第1溶着部610は、枠体500の第1フランジ部510と段差部110の上面部との間において、第1熱導体100の外周を1周するように形成されている。
第1溶着部610は、溶着前の状態において枠体500の一部である溶着用突部515が例えば超音波により溶けて、第1熱導体100における段差部110の上面部に対して密着するように変形し、変形した状態で冷えて固まったものである。
図3は、熱電変換装置1の枠体500における溶着用突部515の構成例を示す図である
図3に示す溶着用突部515は、枠体500のフランジ部において枠体500の内側に向かって突出するように形成されており、複数の溶着用突部515が枠体500のフランジ部において1周するように配置されている。
【0021】
第2溶着部620は、第1フランジ部510に接続する第1フランジ隣接部520と段差部110の側面部との間において、第1熱導体100の外周を1周するように形成されている。
第2溶着部620は、溶着前の状態において枠体500の一部である第1フランジ隣接部520の内面部が例えば超音波により溶けて、第1熱導体100における段差部110の側面部に対して密着するように変形し、変形した状態で冷えて固まったものである。
【0022】
本開示においては、溶着部600が第1溶着部610および第2溶着部620を含む構成を明示したが、第1溶着部610と第2溶着部620とのうちいずれかを有するように構成するものであればよい。
すなわち、溶着部600は、枠体500の第1フランジ部510と第1フランジ部510に隣接する第1フランジ隣接部520との少なくとも一方において段差部110の表面に密着するように形成されている。
【0023】
なお、図示しないが、熱電変換装置1は、熱電変換素子300に電力を供給するように配線を備えて構成される。
【0024】
熱電変換装置1が電子冷却装置に含まれる場合、電子冷却装置は、熱電変換装置1に加え、さらに、図示しない冷却板が熱電変換装置1の第1熱導体100または第2熱導体200に組み付けられて構成される。
具体的には、第1熱導体100が吸熱側部であり、第2熱導体200が放熱側部である場合、第1熱導体100と電子冷却装置の冷却板との間で熱が伝わり合うように、電子冷却装置の冷却板と第1熱導体100とが組み付けられている。
【0025】
熱電変換装置1の製造方法の一部を説明する。ここでは、第1熱導体100と枠体500とを組み付けるための工程について説明する。
図4は、熱電変換装置1の製造方法を説明する図である。
図4Aは、枠体500が第1熱導体100に嵌め込まれる直前の状態を示している。
図4Bは、枠体500を第1熱導体100に嵌め込む際の圧入溶着工程を示している。
図4Cは、第1フランジ部510を第1熱導体100に対して溶着させて第1溶着部610を形成するフランジ溶着工程を示している。
図4Dは、圧入溶着工程およびフランジ溶着工程を実施した後の状態を示している。
なお、構成をわかりやすく図示するために、図面上、一部隙間が描かれている場合があるが、実際には隙間が生じないように構成されている。
【0026】
まず、図4Aに示すように、枠体500に対し、第1熱導体100を第1熱導体100の上面部130から枠体500の内部に挿入するように嵌め込んでいく。
ここで、組み付ける前の枠体500の内部の幅寸法は、第1熱導体100における段差部110の幅寸法以下である。
【0027】
続いて、図4Bに示すように、枠体500の第1フランジ隣接部520の内面と第1熱導体100の段差部110の側面とが接して摩擦される。この状態においてさらに超音波が印加される(圧入溶着工程α)ことで、第1フランジ隣接部520の内面が溶けて第1熱導体100の段差部110の側面部に密着する。
これにより、枠体500に対し、超音波インサート加工により第1熱導体100が圧入されて、枠体500に第2溶着部620が形成される。
すなわち、圧入溶着工程αは、枠体500に対し、第1熱導体100を超音波インサート加工により圧入することで、枠体500を、第1熱導体100の側面において当該第1熱導体100の外側方向に突出する突形状を形成する段差部110の表面に溶着させて第2溶着部620を形成する工程である。
【0028】
続いて、図4Cに示すように、第1熱導体100の段差部110の上面部が枠体500のフランジ部の溶着用突部515に接するまで嵌め込まれると、溶着用突部515に対して超音波が印加される(フランジ溶着工程β)。
これにより、図4Dに示すように、第1フランジ部510の溶着用突部515が溶けて第1熱導体100の段差部110の上面部に密着し、第1溶着部610が形成される。
すなわち、フランジ溶着工程βは、枠体500に対し、第1熱導体100を枠体500の第1フランジ部510に接するまで圧入した後に、超音波溶着加工により第1フランジ部510を第1熱導体100に対して溶着させて第1溶着部610を形成する。
【0029】
なお、熱電変換装置1の製造方法は、圧入溶着工程αとフランジ溶着工程βとのうちの少なくとも一方の工程を備えていれば、本開示の目的を達成できる。
【0030】
上述したような構成により、従来の枠体の外側における枠体と熱導体との接合部にシール剤を塗布する工程を行わなくてもよい。また、従来の枠体の内側における枠体と熱導体との接合部にシール剤を塗布する工程を行わなくてもよい。
また、シール剤を塗布する工程は、塗布時間および乾燥時間など比較的長時間を要する場合が多いが、本開示によれば製造に係る時間を短縮することができる。
また、従来のように作業者がシール剤を塗布する場合、作業者の熟練度に応じて、本来得ようとするシール効果が得られない場合があるが、本開示によれば比較的安定してシール効果が得られる。
【0031】
本開示の熱電変換装置は、以下のように構成した。

「第1熱導体と第2熱導体とが熱電変換素子を介して対向して配置され、前記第1熱導体と前記第2熱導体と枠体とで囲まれた装置内部に前記熱電変換素子が収納される熱電変換装置において、
前記枠体の一部が溶着されて形成されている溶着部であって、前記第1熱導体の外周に対して密着する前記溶着部と、
を備えた、
熱電変換装置。」

このように構成したことにより、本開示は、作業者によるシール剤を塗布する工程を少なくできる構成を有する熱電変換装置を提供することができる、という効果を奏する。
【0032】
本開示の電子冷却装置は、以下のように構成した。

「前記熱電変換装置を備えた、
ことを特徴とする電子冷却装置。」

このように構成したことにより、本開示は、作業者によるシール剤を塗布する工程を少なくできる構成を有する電子冷却装置を提供することができる、という効果を奏する。
【0033】
本開示の製造方法は、以下のように構成した。

「第1熱導体と第2熱導体とが熱電変換素子を介して対向して配置され、前記第1熱導体と前記第2熱導体と枠体とで囲まれた装置内部に前記熱電変換素子が収納される熱電変換装置の製造方法であって、
前記枠体に対し、前記第1熱導体を超音波インサート加工により圧入することで、前記枠体を、前記第1熱導体の側面において当該第1熱導体の外側方向に突出する突形状を形成する段差部の表面に溶着させて第2溶着部を形成する圧入溶着工程と、
前記枠体に対し、前記第1熱導体を前記枠体の第1フランジ部に接するまで圧入した後に、超音波溶着加工により前記第1フランジ部を前記第1熱導体に対して溶着させて第1溶着部を形成するフランジ溶着工程と、
のうちの少なくとも一方の工程を備える、
ことを特徴とする製造方法。」

このように構成したことにより、本開示は、作業者によるシール剤を塗布する工程を少なくできる構成を有する熱電変換装置の製造方法を提供することができる、という効果を奏する。
【0034】
本開示の熱電変換装置は、以下のように構成した。

「前記第1熱導体の外周において当該第1熱導体の外部方向に突出する突形状を形成する段差部を備え、
前記枠体は、
前記枠体が前記第1熱導体に組み付けられた状態において、前記段差部の表面に沿って前記第1熱導体に向かって延びる第1フランジ部を含み、
前記溶着部は、前記枠体の前記第1フランジ部と前記第1フランジ部に隣接する隣接部との少なくとも一方において前記段差部の表面に密着するように形成されている、
ことを特徴とする熱電変換装置。」

このように構成したことにより、本開示は、さらに、熱導体と枠体とがより位置決めされた状態で溶着されて組み付けられた構成を有する熱電変換装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を電子冷却装置に適用することにより、電子冷却装置において上記効果と同様の効果を奏する。
【0035】
実施の形態2.
実施の形態2においては、シール剤を塗布する工程を減らす第2の構成例を説明する。
実施の形態2の説明では、実施の形態1において既に説明した構成について、同じ符号を用いる。また、これらの構成の説明を適宜省略する場合がある。
【0036】
熱電変換装置の構成例を説明する。
図5は、実施の形態2に係る熱電変換装置1Aの一部を切り欠いて構成例を示した図である。
【0037】
図5に示す熱電変換装置1Aは、第1熱導体100、第2熱導体200A、熱電変換素子300、マウント400、および、枠体500Aを含み構成されている。
第1熱導体100、熱電変換素子300、および、マウント400は、既に説明した第1熱導体100、熱電変換素子300、および、マウント400と同様であるため、説明を省略する。
【0038】
枠体500Aは、第1熱導体100と第2熱導体200Aとが熱電変換素子300を介して対向して配置された状態を保持するように、第1熱導体100と第2熱導体200Aとにそれぞれ組み付けられている。
枠体500Aは、例えば超音波により溶着可能な物質により構成されている。
枠体500Aは、第2フランジ部530を含み構成されている。
第2フランジ部530は、第2フランジ部530に隣接する枠体500Aの部分に対して折れ曲がったフランジ形状を有し、第2熱導体200Aにおける第1溝部210に組み付けられている。
【0039】
第2熱導体200Aは、第2フランジ部530が組み付けられる第1溝部210を有する。
第1溝部210は、第2フランジ部530の厚みと略同じ深さ寸法を有する。
図5に示すように、枠体500Aの第2フランジ部530が第2熱導体200Aの第1溝部210に組み付けられた状態において、枠体500Aの第2フランジ部530と第2熱導体200Aとが同一面を形成している。
【0040】
熱電変換装置1Aは、さらに防水シール630を備えている。
防水シール630は、第2フランジ部530と第2熱導体200Aとの同一面に貼り付けられている。なお、防水シール630は、防湿シールでもよい。
すなわち、熱電変換装置1Aは、枠体500Aの第2フランジ部530と第2熱導体200Aとの同一面に貼り付けられた防水シール630または防湿シールを備える。
【0041】
枠体500Aは、さらに、弾性形状部540を含む。
弾性形状部540は、第1フランジ隣接部と第2フランジ部530との間に形成され、屈曲部を有した断面の弾性形状である。
図5に示す弾性形状部540は、垂直方向に切った断面がT字形状である断面T字部541を有する。
断面T字部541は、例えばU字形状である断面U字部、また、L字形状である断面L字部といった構成であってもよい。
また、図5に示す弾性形状部540は、垂直方向に切った断面が折れ曲がった形状である第1折れ形状部542を有する。
弾性形状部540は、図5に示すような枠体500Aへの熱応力(応力方向a、応力方向b)を吸収して緩和させることができる。
【0042】
弾性形状部540は、段差空間部550を介して第1熱導体100と対向するように配置されている。
すなわち、熱電変換装置1Aは、段差空間部550を有する。段差空間部550は、弾性形状部540と第1熱導体100との間に形成されている空間である。具体的には、図5に示す段差空間部550は、第1熱導体100の段差部110によって、枠体500Aの弾性形状部540と第1熱導体100との間に形成される空間であって、枠体500Aの弾性形状部540と第1熱導体100と第2熱導体200Aとの間に形成されている空間である。さらに具体的には、図5に示す段差空間部550は、枠体500Aの弾性形状部540と第1熱導体100と熱電変換素子300とマウント400と第2熱導体200Aとに囲まれた空間である。
段差空間部550は、弾性形状部540が熱応力により撓むことを補助する空間である。
段差空間部550により、枠体500Aの弾性形状部540は、図5に示す枠体500Aへの熱応力(応力方向a、応力方向b)をより吸収して緩和させることができる。
【0043】
上述したような構成により、従来の枠体の外側における枠体と熱導体との接合部にシール剤を塗布する工程を行わなくてもよい。また、従来の枠体の内側における枠体と熱導体との接合部にシール剤を塗布する工程を行わなくてもよい。
シール剤を塗布する工程は、塗布時間および乾燥時間など比較的長時間を要する場合が多いが、本開示によれば製造に係る時間を短縮することができる。
また、従来のように作業者がシール剤を塗布する場合、作業者の熟練度に応じて、本来得ようとするシール効果が得られない場合があるが、本開示によれば比較的安定してシール効果が得られる。
弾性形状部および段差空間部により枠体への熱応力を緩和させて変形を抑制できる。
【0044】
本開示の熱電変換装置は、以下のように構成した。

「前記枠体は、前記第2熱導体に組み付けられる第2フランジ部を含み、
前記第2熱導体は、前記第2フランジ部が組み付けられる第1溝部を有し、
前記枠体の前記第2フランジ部が前記第2熱導体の前記第1溝部に組み付けられた状態において、前記枠体の前記第2フランジ部と前記第2熱導体とが同一面を形成しており、
前記同一面に貼り付けられた防水シールまたは防湿シールを備えた、
ことを特徴とする、熱電変換装置。」

このように構成したことにより、本開示は、作業者によるシール剤を塗布する工程をさらに少なくできる構成を有する熱電変換装置を提供することができる、という効果を奏する。
また、シール剤を塗布する作業に比べてシールを貼り付ける作業が容易であるため、
本開示は、製造効率がよい構成を有する熱電変換素子を提供することができる。
さらに、本開示は、上記構成を電子冷却装置に適用することにより、電子冷却装置において上記効果と同様の効果を奏する。
【0045】
本開示の熱電変換装置は、さらに、以下のように構成した。

「前記枠体は、
前記第2熱導体に組み付けられた第2フランジ部と、
前記隣接部と前記第2フランジ部との間に形成され、断面が弾性形状である弾性形状部と、を含み、
前記弾性形状部と前記第1熱導体との間に形成されている空間である段差空間部を有する、
ことを特徴とする、熱電変換装置。」

このように構成したことにより、本開示は、さらに、熱変化による膨張および収縮により変形してしまうことを抑制することができる構成を有する熱電変換装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を電子冷却装置に適用することにより、電子冷却装置において上記効果と同様の効果を奏する。
【0046】
実施の形態3.
実施の形態3においては、シール剤を塗布する工程を減らす構成を有する熱電変換装置に関し、熱変化による膨張および収縮の影響を緩和する構成を有する形態を説明する。
実施の形態3の説明では、実施の形態1において既に説明した構成または実施の形態2において既に説明した構成について、同じ符号を用いる。また、これらの構成の説明を適宜省略する場合がある。
【0047】
熱電変換装置の構成を説明する。
図6は、実施の形態3に係る熱電変換装置1Bの一部を切り欠いて構成例を示した図である。
熱電変換装置1Bは、第1熱導体100、第2熱導体200B、熱電変換素子300、マウント400、および、枠体500Bを含み構成されている。
第1熱導体100、熱電変換素子300、および、マウント400は、既に説明した第1熱導体100、熱電変換素子300、および、マウント400と同様であるため、説明を省略する。
【0048】
第2熱導体200Bは、枠体500Bの一部を収容するための第2溝部220を有する。
具体的には、第1熱導体100と第2熱導体200Bと熱電変換素子300と枠体500Bとが組み付けられた後の状態において、第2溝部220は、枠体500Bの第2折れ形状部543の一部を受け入れるように構成されている。
【0049】
枠体500Bは、第1熱導体100と第2熱導体200Bとが熱電変換素子300を介して対向して配置された状態を保持するように、第1熱導体100と第2熱導体200Bとにそれぞれ組み付けられている。
枠体500Bは、例えば超音波により溶着可能な物質により構成されている。
【0050】
枠体500Bは、弾性形状部540B、および、第2フランジ部530Bを含み構成されている。
弾性形状部540Bは、断面T字部541、第1折れ形状部542、および、第2折れ形状部543、を含み構成されている。
断面T字部541は、既に説明した断面T字部541と同様に、垂直方向に切った断面がT字形状である。
【0051】
第1折れ形状部542は、枠体500Bと第1熱導体100と第2熱導体200Bとが組み付けられた状態において、第1熱導体100から離れる方向に延びた後に第2熱導体200Bの第2溝部220に向かう方向に折れ曲がる形状を有する。
【0052】
第2折れ形状部543は、第1折れ形状部542に接続して第2熱導体200Bの第2溝部220に向かって延びるように形成されており、第2溝部220において第2熱導体200Bから離れる方向に折れ曲がる形状を有する。
【0053】
第2フランジ部530Bは、第2折れ形状部543に接続して形成され、第2熱導体200Bに組み付けられている。
第2フランジ部530Bは、第2熱導体200Bへの組み付け用のねじ穴が形成されている。
組み付け後の熱電変換装置1Bにおいては、第2フランジ部530Bのねじ穴を覆うように防水シール630B(または防湿シール)が貼り付けられている。
図6に示す熱電変換装置1Bにおいては、第2フランジ部530Bと第2熱導体200Bとの境界にシール剤690が塗布されている。
【0054】
上述したような構成により、熱応力により変形してしまうことをより抑制することができる。
また、高さ調整のためのマウントを設けない構成を実現でき、熱電変換装置の高さ方向の厚み寸法を小さくすることができる。
【0055】
本開示の熱電変換装置は、さらに、以下のように構成した。

「前記第2熱導体は、前記枠体の一部を収容するための第2溝部を有し、
前記枠体は、
前記枠体と前記第1熱導体と前記第2熱導体とが組み付けられた状態において、前記第1熱導体から離れる方向に延びた後に前記第2熱導体の前記第2溝部に向かう方向に折れ曲がる形状を有する第1折れ形状部と、
前記第1折れ形状部に接続して前記第2熱導体の前記第2溝部に向かって延びるように形成されており、前記第2溝部において前記第2熱導体から離れる方向に折れ曲がる形状を有する第2折れ形状部と、
前記第2折れ形状部に接続して形成され、前記第2熱導体に組み付けられた第2フランジ部と、
を含む、
ことを特徴とする、熱電変換装置。」

このように構成したことにより、本開示は、さらに、熱応力により変形してしまうことを抑制することができる構成を有する熱電変換装置を提供することができる、という効果を奏する。
【0056】
実施の形態4.
実施の形態4は、シール剤を塗布する工程を減らす第3の構成例を説明する。
実施の形態4の説明では、実施の形態1において既に説明した構成、実施の形態2において既に説明した構成、または、実施の形態3において既に説明した構成について、同じ符号を用いる。また、これらの構成の説明を適宜省略する場合がある。
【0057】
熱電変換装置の構成を説明する。
図7は、実施の形態4に係る熱電変換装置1Cの一部を切り欠いて構成例を示した図である。
熱電変換装置1Cは、第1熱導体100C、第2熱導体200C、熱電変換素子300、マウント400、枠体500C、冷却板1000、および、第1パッキン部品710を備える。
熱電変換装置1Cは、第1熱導体100Cと第2熱導体200Cとが熱電変換素子300を介して対向して配置され、第1熱導体100Cと第2熱導体200Cと枠体500Cとで囲まれた装置内部に前記熱電変換素子300を収納するように構成されている。
第2熱導体200C、熱電変換素子300、および、マウント400は、既に説明した第2熱導体200,200A,200B、熱電変換素子300、および、マウント400と同様であるため、説明を省略する。
【0058】
第1熱導体100Cは、熱を伝えやすい物質(例えばアルミニウム)で形成されており、図に示す第1熱導体100Cは、例えば概ね立方体または概ね直方体といったブロック形状である。
第1熱導体100Cは、上面部130に対向して冷却板1000が組み付けられている。
冷却板1000は、例えばねじ止めなどで組み付けられている。
【0059】
枠体500Cは、枠体500Cと第1熱導体100Cと第2熱導体200Cと冷却板1000とが組み付けられた状態において、第2熱導体200Cから第1熱導体100Cの側面を覆うように冷却板1000まで延びた形状を有する。
枠体500Cは、金型内に第1熱導体100Cが装填されてインサートモールド成形されることにより、インサートモールド成形後の状態において第1熱導体100Cと一体化されている。
枠体500Cは、冷却板1000に組み付けられている。
具体的には、枠体500Cは、第3フランジ部560を含み構成されている。
第3フランジ部560は、枠体500Cにおいて、第1熱導体100Cの側面に沿って冷却板1000に到達する位置で折れ曲がったフランジ形状を有する。
図面上、第3フランジ部560と冷却板1000との間に広い隙間が描かれているが、実際には隙間がほぼ生じないように構成される。
【0060】
冷却板1000は、第1熱導体100Cとの間で熱を伝え合うように配置されて熱電変換装置1Cに組み付けられている。
冷却板1000は、例えば熱電変換装置1Cを電子冷却装置に組み付けた状態において、電子冷却装置の冷却板1000を構成することができる。
【0061】
第1パッキン部品710は、冷却板1000と枠体500Cとの間に配置され、冷却板1000と接するとともに枠体500Cと接するように配置されて熱電変換装置1Cに組み付けられている。
熱電変換装置1Cに組み付けられることで、第1パッキン部品710は、冷却板1000と枠体500Cとの間で圧接されている。
なお、図面上、構成をわかりやすく図示するために、第1パッキン部品710は、圧接されていない状態で描かれているが、実際には圧接されて構成されている。
第1パッキン部品710は、冷却板1000と枠体500Cとの間を1周するような枠形状である。
第1パッキン部品710は、防水機能を有するものであり、例えば2色成形にて形成された軟質パッキンで構成されている。
なお、本開示の第1パッキン部品710は、2色成形にて形成された軟質パッキンで構成されたものに限定されない。例えば、第1パッキン部品710の製造工程を省略するために2色成形以外の成形方法を用いて形成したものであってもよい。
【0062】
上述したような構成により、従来の枠体と熱導体との接合部に外側からシール剤を塗布する工程を行わなくてもよい。
また、シール剤を塗布する工程は、塗布時間および乾燥時間など比較的長時間を要する場合が多いが、本開示によれば製造に係る時間を短縮することができる。
また、従来のように作業者がシール剤を塗布する場合、作業者の熟練度に応じて、本来得ようとするシール効果が得られない場合があるが、本開示によれば比較的安定してシール効果が得られる。
【0063】
本開示の熱電変換装置は、さらに、以下のように構成した。

「第1熱導体と第2熱導体とが熱電変換素子を介して対向して配置され、前記第1熱導体と前記第2熱導体と枠体とで囲まれた装置内部に前記熱電変換素子が収納される熱電変換装置において、
前記第1熱導体との間で熱を伝え合うように配置された冷却板と、
前記枠体と前記第1熱導体と前記第2熱導体とが組み付けられた状態において、前記第2熱導体から前記第1熱導体の側面を覆うように前記冷却板まで延びた形状(第2枠体部)を有する前記枠体と、
前記冷却板と前記枠体との間に配置され、前記冷却板と接するとともに前記枠体と接する第1パッキン部品と、
を備えた、
熱電変換装置。」

このように構成したことにより、本開示は、作業者によるシール剤を塗布する工程を少なくできる構成を有する熱電変換装置を提供することができる、という効果を奏する。
【0064】
本開示の電子冷却装置は、さらに、以下のように構成した。

「前記熱電変換装置を備えた、
ことを特徴とする電子冷却装置。」

このように構成したことにより、本開示は、作業者によるシール剤を塗布する工程を少なくできる構成を有する電子冷却装置を提供することができる、という効果を奏する。
【0065】
実施の形態5.
実施の形態5は、シール剤を塗布する工程を減らす第4の構成例を説明する。
実施の形態5の説明では、実施の形態1において既に説明した構成、実施の形態2において既に説明した構成、実施の形態3において既に説明した構成、または、実施の形態4において既に説明した構成について、同じ符号を用いる。また、これらの構成の説明を適宜省略する場合がある。
【0066】
熱電変換装置の構成を説明する。
図8は、実施の形態5に係る熱電変換装置1Dの一部を切り欠いて構成例を示した図である。
熱電変換装置1Dは、第1熱導体100D、第2熱導体200D、熱電変換素子300、マウント400、枠体500D、冷却板1000、第1パッキン部品710、および、第2パッキン部品720を含み構成されている。
熱電変換素子300、マウント400、冷却板1000、および、第1パッキン部品710は、既に説明した熱電変換素子300、マウント400、冷却板1000、および、第1パッキン部品710と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
第1熱導体100Dは、熱を伝えやすい物質(例えばアルミニウム)で形成されており、図に示す第1熱導体100Dは、例えば概ね立方体または概ね直方体といったブロック形状である。
第1熱導体100Dは、へこみ部150を有している。
へこみ部150は、第1熱導体100Dの側面部において当該第1熱導体100Dの内部に向かってくぼんだ形状を有し、複数個のへこみ部150が第1熱導体100Dの側面部に形成されている。
第1熱導体100Dは、インサートモールド成形により、へこみ部150に枠体500Dを構成する物質が充填されることで、インサートモールド成形後の状態において枠体500Dと一体化されている。
第1熱導体100Dは、上面部130に対向して冷却板1000が組み付けられている。
冷却板1000は、例えばねじ止めなどで組み付けられている。
【0068】
既に説明した枠体500Cは一体の構成であったが、枠体500Dは、冷却板1000側の構成部と第1熱導体100D側の構成部とが組み合わされて構成された枠体である。
枠体500Dは、第1枠体部501と第2枠体部502とを含み構成されている。
【0069】
第1枠体部501は、第1枠体部501は、第1熱導体100Dおよび第2熱導体200Dに組み付けられている。
枠体500Dにおける第1枠体部501は、金型内に第1熱導体100Dが装填されてインサートモールド成形されることにより、インサートモールド成形後の状態において第1熱導体100Dと一体化されている。
第1枠体部501は、第2枠体部502の第2係合部572と係合する第1係合部570を有する。
図8に示す第1係合部570は、係合用突起を示している。第1係合部570の係合用突起は、第2係合部572の係合用爪を引っ掛けることができるように構成されている。
第1枠体部501は、弾性形状部540Dを含み構成されている。弾性形状部540Dは、既に説明した弾性形状部540Aまたは弾性形状部540Bの構成と同様に構成されている。
【0070】
第2枠体部502は、枠体500Dと第1熱導体100Dと第2熱導体200Dとが組み付けられた状態において、第1熱導体100Dの中間部から第1熱導体100Dの側面を覆うように冷却板1000まで延びた形状を有する。
第2枠体部502は、冷却板1000に組み付けられている。
具体的には、第2枠体部502は、第3フランジ部560を含み構成されている。
第3フランジ部560は、第2枠体部502において第1熱導体100Dの側面に沿って冷却板1000に到達する位置で折れ曲がったフランジ形状を有する。
図面上、第3フランジ部560と冷却板1000との間に広い隙間が描かれているが、実際には隙間がほぼ生じないように構成される。
第2枠体部502は、第1枠体部501の第1係合部570と係合する第2係合部572を有する。
図8に示す第2係合部572は、係合用爪を示している。第2係合部572の係合用爪は、第1係合部570の係合用突起に引っ掛かるように構成されている。
【0071】
第2パッキン部品720は、第1枠体部501と第2枠体部502との間に配置され、第1枠体部501に接するとともに第2枠体部502に接する。
第2パッキン部品720は、第1枠体部501と第2枠体部502との間を1周するような枠形状である。
第2パッキン部品720は、防水機能を有するものであり、例えば2色成形にて形成された軟質パッキンで構成されている。
第2パッキン部品720は、熱電変換装置1Dに組み付けられることで、第1枠体部501と第2枠体部502との間で圧接されている。図面上、構成をわかりやすく図示するために、第2パッキン部品720は、第1枠体部501との間または第2枠体部502との間に隙間が描かれているが、実際には圧接されており、隙間がほとんど生じないように構成されている。
なお、本開示の第2パッキン部品720は、2色成形にて形成された軟質パッキンで構成されたものに限定されない。例えば、第2パッキン部品720の製造工程を省略するために2色成形以外の成形方法を用いて形成したものであってもよい。
【0072】
枠体500Dは、第2フランジ部530を含み構成されている。
具体的には、枠体500Dの第1枠体部501は、第2フランジ部530を含み構成されている。第2フランジ部530は、第2フランジ部530に隣接する枠体500Dの部分に対して折れ曲がったフランジ形状を有し、第2熱導体200Dにおける第1溝部210Dに組み付けられている。
【0073】
第2熱導体200Dは、第2フランジ部530が組み付けられる第1溝部210Dを有する。第1溝部210Dは、第2フランジ部530の厚みと略同じ深さ寸法を有する。
【0074】
図8に示すように、枠体500Dにおける第1枠体部501の第2フランジ部530が第2熱導体200Dの第1溝部210Dに組み付けられた状態において、枠体500Dの第2フランジ部530と第2熱導体200Dとは同一面を形成している。
【0075】
熱電変換装置1Dは、さらに防水シール630を備えている。
防水シール630は、第2フランジ部530と第2熱導体200Dとの同一面に貼り付けられている。なお、防水シール630は、防湿シールでもよい。
すなわち、熱電変換装置1Dは、枠体500Dの第2フランジ部530と第2熱導体200Dとの同一面に貼り付けられた防水シール630または防湿シールを備える。
【0076】
実施の形態5の熱電変換装置1Dは、実施の形態3の構成を適用した構成であってもよい。
実施の形態3の構成を適用した構成を説明する。
第2熱導体200Dは、枠体500Dにおける第1枠体部501の一部を収容するための第2溝部220(図6を参照)を有する。
具体的には、第1熱導体100Dと第2熱導体200Dと熱電変換素子300と枠体500Dとが組み付けられた後の状態において、第2溝部220(図6を参照)は、枠体500Dの第2折れ形状部の一部を受け入れるように構成されている。
【0077】
枠体500Dにおける第1枠体部501は、弾性形状部540D、および、第2フランジ部530を含み構成されている。
弾性形状部540Dは、第1折れ形状部542(図6を参照)、および、第2折れ形状部543(図6を参照)、を含み構成されている。
【0078】
第1折れ形状部542(図6を参照)は、枠体500Dの第1枠体部501と第1熱導体100Dと第2熱導体200Dとが組み付けられた状態において、第1熱導体100Dから離れる方向に延びた後に第2熱導体200Dの第2溝部220(図6を参照)に向かう方向に折れ曲がる形状を有する。
【0079】
第2折れ形状部543(図6を参照)は、第1折れ形状部542(図6を参照)に接続して第2熱導体200Dの第2溝部220(図6を参照)に向かって延びるように形成されており、第2溝部220(図6を参照)において第2熱導体200Dから離れる方向に折れ曲がる形状を有する。
【0080】
第2フランジ部530は、弾性形状部540Dにおける第2折れ形状部543(図6を参照)に接続して形成され、第2熱導体200Dに組み付けられている。
第2フランジ部530は、第2熱導体200Dへの組み付け用のねじ穴(図6を参照)が形成されている。
組み付け後の熱電変換装置1Dにおいては、第2フランジ部530のねじ穴(図6を参照)を覆うように防水シール630B(図6を参照)または防湿シールが貼り付けられている。
この構成の場合の熱電変換装置1Dにおいては、第2フランジ部530と第2熱導体200Dとの境界にはシール剤690(図6を参照)が塗布されている。
【0081】
上述したような構成により、従来の枠体と熱導体との接合部に外側からシール剤を塗布する工程を行わなくてもよい。
また、シール剤を塗布する工程は、塗布時間および乾燥時間など比較的長時間を要する場合が多いが、本開示によれば製造に係る時間を短縮することができる。
また、従来のように作業者がシール剤を塗布する場合、作業者の熟練度に応じて、本来得ようとするシール効果が得られない場合があるが、本開示によれば比較的安定してシール効果が得られる。
【0082】
本開示の熱電変換装置は、さらに、以下のように構成した。

「前記枠体は、
前記第1熱導体および前記第2熱導体に組み付けられた第1枠体部であって第1係合部を有する前記第1枠体部と、
前記冷却板に組み付けられた第2枠体部であって前記第1枠体部の前記第1係合部と係合する第2係合部を有する前記第2枠体部と、
を含み、
前記第1枠体部と前記第2枠体部との間に配置され、前記第1枠体部に接するとともに前記第2枠体部に接する第2パッキン部品を備えた、
ことを特徴とする、熱電変換装置。」

このように構成したことにより、本開示は、さらに、熱電変換装置を電子冷却装置などの別装置に容易に組み付けることができる構成を有する熱電変換装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を電子冷却装置に適用することにより、電子冷却装置において上記効果と同様の効果を奏する。
【0083】
本開示の熱電変換装置は、さらに、以下のように構成した。

「前記枠体(前記枠体における前記第1枠体部)は、前記第2熱導体に組み付けられた第2フランジ部を含み、
前記第2熱導体は、前記第2フランジ部が組み付けられた第1溝部を有し、
前記枠体(前記枠体における前記第1枠体部)の前記第2フランジ部が前記第2熱導体の前記第1溝部に組み付けられた状態において、前記枠体の前記第2フランジ部と前記第2熱導体とが同一面を形成しており、
前記同一面に貼り付けられた防水シールまたは防湿シールを備えた、
ことを特徴とする、熱電変換装置。」

このように構成したことにより、本開示は、作業者によるシール剤を塗布する工程をさらに少なくできる構成を有する熱電変換装置を提供することができる、という効果を奏する。
また、シール剤を塗布する作業に比べてシールを貼り付ける作業が容易であるため、
本開示は、製造効率がよい構成を有する熱電変換素子を提供することができる。
さらに、本開示は、上記構成を電子冷却装置に適用することにより、電子冷却装置において上記効果と同様の効果を奏する。
【0084】
本開示の熱電変換装置は、さらに、以下のように構成した。

「前記第2熱導体は、前記枠体(前記枠体の前記第1枠体部)の一部を収容するための第2溝部を有し、
前記枠体(前記枠体の前記第1枠体部)は、
前記枠体(前記枠体の前記第1枠体部)と前記第1熱導体と前記第2熱導体とが組み付けられた状態において、前記第1熱導体から離れる方向に延びた後に前記第2熱導体の前記第2溝部に向かう方向に折れ曲がる形状を有する第1折れ形状部と、
前記第1折れ形状部に接続して前記第2熱導体の前記第2溝部に向かって延びるように形成されており、前記第2溝部において前記第2熱導体から離れる方向に折れ曲がる形状を有する第2折れ形状部と、
前記第2折れ形状部に接続して形成され、前記第2熱導体に組み付けられた第2フランジ部と、
を含む、
ことを特徴とする、熱電変換装置。」

このように構成したことにより、本開示は、さらに、熱変化による膨張および収縮により変形してしまうことを抑制することができる構成を有する熱電変換装置を提供することができる、という効果を奏する。
さらに、本開示は、上記構成を電子冷却装置に適用することにより、電子冷却装置において上記効果と同様の効果を奏する。
【0085】
なお、本開示は、この開示の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、または各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0086】
本開示の熱電変換装置または熱電変換装置の製造方法は、例えば電子冷却装置および冷蔵庫などの冷却装置に用いるのに適している。
【符号の説明】
【0087】
1,1A,1B,1C,1D 熱電変換装置、100,100C,100D 第1熱導体、101 側面部(外周部)、110 段差部(外周部)120 下面部(外周部)、130 上面部(外周部)、150 へこみ部、200,200A,200B,200C,200D 第2熱導体、210,210D 第1溝部、220 第2溝部、300 熱電変換素子、400 マウント、500,500A,500B,500C,500D 枠体、501 第1枠体部、502 第2枠体部、510 第1フランジ部、515 溶着用突部、520 第1フランジ隣接部、530,530B,530D 第2フランジ部、540,540B,540D 弾性形状部、541 断面T字部、542 第1折れ形状部、543 第2折れ形状部、550 段差空間部、560 第3フランジ部、570 第1係合部、572 第2係合部、600 溶着部、610 第1溶着部、620 第2溶着部、630,630B 防水シール、690 シール剤、710 第1パッキン部品、720 第2パッキン部品、1000 冷却板。
【要約】
【課題】熱電変換装置に関し、作業者によるシール剤を塗布する工程を少なくする構成を提供する。
【解決手段】熱電変換装置は、第1熱導体と第2熱導体とが熱電変換素子を介して対向して配置され、第1熱導体と前記第2熱導体と枠体とで囲まれた装置内部に熱電変換素子が収納される熱電変換装置において、枠体の一部が溶着されて形成されている溶着部であって、段差部の表面に密着する溶着部と、を備えた。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8