(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】カプセル内視鏡のマグネトロン装置及び制御システム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20240802BHJP
【FI】
A61B1/00 611
A61B1/00 C
(21)【出願番号】P 2023501183
(86)(22)【出願日】2021-07-09
(86)【国際出願番号】 CN2021105572
(87)【国際公開番号】W WO2022007960
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】202010665062.X
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517396261
【氏名又は名称】アンコン メディカル テクノロジーズ (シャンハイ) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ANKON MEDICAL TECHNOLOGIES (SHANGHAI) CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Floor 1,No.435,Chuanqiao Road,Pilot Free Trade Zone,Pudong New Area,Shanghai,201206,China
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100207217
【氏名又は名称】樋口 智夫
(72)【発明者】
【氏名】シェン ユェユェ
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン シャオバン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥアン シャオドン
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0365210(US,A1)
【文献】特表2016-515444(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0018615(US,A1)
【文献】特開2007-175408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル内視鏡の状態及び/又は動作を調節するためのカプセル内視鏡のマグネトロン装置であって、
上部ホルダ及び下部ホルダと、磁気部品と、第1回動ユニットと、第2回動ユニットとを備え、
前記下部ホルダは、前記上部ホルダに回動可能に取り付けられ、前記上部ホルダは、第1取付空間を有し、且つ前記上部ホルダと前記下部ホルダとの間には、第2取付空間が形成され、
前記磁気部品は、前記下部ホルダに取り付けられ、前記カプセル内視鏡の運動を駆動し、
前記第1回動ユニットは、前記下部ホルダに取り付けられ、前記磁気部品が第1回転軸線周りに回動するように駆動し、前記第1回動ユニットは、第1モータを含み、前記第1モータの少なくとも一部は、前記第2取付空間に位置し、
前記第2回動ユニットは、前記下部ホルダと前記上部ホルダとに取り付けられ、前記磁気部品及び前記第1回動ユニットが第2回転軸線周りに回動するように駆動し、前記第2回動ユニットは、第2モータを含み、前記第2モータの少なくとも一部は、前記第1取付空間に位置し、
前記第1回転軸線と前記第2回転軸線との間は、夾角を形成
し、
前記マグネトロン装置は、前記磁気部品が回動原点にあるか否かを判断するための少なくとも1つの回動原点検出機構を更に備え、
前記回動原点検出機構は、前記第1モータ及び/又は前記第2モータに電気的に接続されるスイッチユニットと、前記スイッチユニットに係合するスイッチ係合部材とを含み、
前記磁気部品が回動原点にあるときに、前記スイッチユニット制御回路は、オフにされることを特徴とするカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項2】
前記上部ホルダは、第1取付板、第2取付板及び第3取付板を少なくとも含み、且つ前記第1取付板、前記第2取付板及び前記第3取付板は、U字状の前記第1取付空間を取り囲むことを特徴とする請求項1に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項3】
カプセル内視鏡の状態及び/又は動作を調節するためのカプセル内視鏡のマグネトロン装置であって、
上部ホルダ及び下部ホルダと、磁気部品と、第1回動ユニットと、第2回動ユニットとを備え、
前記下部ホルダは、前記上部ホルダに回動可能に取り付けられ、前記上部ホルダは、第1取付空間を有し、且つ前記上部ホルダと前記下部ホルダとの間には、第2取付空間が形成され、
前記磁気部品は、前記下部ホルダに取り付けられ、前記カプセル内視鏡の運動を駆動し、
前記第1回動ユニットは、前記下部ホルダに取り付けられ、前記磁気部品が第1回転軸線周りに回動するように駆動し、前記第1回動ユニットは、第1モータを含み、前記第1モータの少なくとも一部は、前記第2取付空間に位置し、
前記第2回動ユニットは、前記下部ホルダと前記上部ホルダとに取り付けられ、前記磁気部品及び前記第1回動ユニットが第2回転軸線周りに回動するように駆動し、前記第2回動ユニットは、第2モータを含み、前記第2モータの少なくとも一部は、前記第1取付空間に位置し、
前記第1回転軸線と前記第2回転軸線との間は、夾角を形成し、
前記下部ホルダは、第3ケース及び取付部を含み、前記取付部は、前記上部ホルダと前記第3ケースとの間に位置し、
前記第1モータは、全て前記第3ケースと前記上部ホルダとの投影範囲内に位置することを特徴とするカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項4】
前記取付部は、前記上部ホルダに回動自在に取り付けられ、前記取付部は、前記第3ケースと前記上部ホルダとの前記第2回転軸線に沿う投影範囲内に位置し、
前記磁気部品の少なくとも一部は、前記第3ケースに取り付けられ、前記第1モータは、前記取付部に取り付けられていることを特徴とする請求項
3に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項5】
前記第3ケースは、部分球状構造であることを特徴とする請求項
4に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項6】
前記第2回動ユニット(3)は、第2伝動部材を含み、前記第2伝動部材は、前記第2回転軸線に沿って設けられる伝動軸を含み、
前記伝動軸は、一方端が前記第2モータに接続され、他方端が前記下部ホルダに固定されていることを特徴とする請求項
4に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項7】
前記第2伝動部材は、前記伝動軸に接続される支持部材を更に含み、前記伝動軸の外周には、第2軸受が設けられ、
前記支持部材は、前記第2軸受と前記伝動軸との間に設けられていることを特徴とする請求項
6に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項8】
前記第1回動ユニットは、前記下部ホルダの、前記磁気部品が設けられていない側に取り付けられていることを特徴とする請求項1~
7の何れか一項に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項9】
前記磁気部品は、磁性体及び取付キャビティを含み、前記磁性体は、前記取付キャビティ内に設けられ、
前記取付キャビティは、前記第1回転軸線に沿って回転軸が設けられ、前記下部ホルダには、前記第1回転軸線の方向に沿って第1スルーホールが開設され、前記回転軸は、前記第1スルーホール内に穿設されていることを特徴とする請求項
8に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項10】
前記下部ホルダは、前記第1回転軸線の方向において、対向配置される2つの前記第1スルーホールを有し、
前記回転軸は、第1回転軸及び第2回転軸を含み、前記第1回転軸は、一方の前記第1スルーホールに穿設され、前記第2回転軸は、他方の前記第1スルーホールに穿設され、
前記第1回転軸と前記第1モータとは、第1伝動部材を介して接続されていることを特徴とする請求項
9に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項11】
前記下部ホルダは、第1エンドカバー及び第2エンドカバーを更に含み、前記第1エンドカバーと前記第2エンドカバーは、2つの前記第1スルーホールにそれぞれ設けられ、且つ前記下部ホルダの第3ケースに接続され、
前記第1回転軸は、前記第1エンドカバーに回動可能に設けられ、且つ前記第1伝動部材は、前記第1エンドカバーに固定され、
前記第2回転軸は、前記第2エンドカバーに回動可能に設けられていることを特徴とする請求項
10に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項12】
前記取付キャビティは、第1ケース及び第2ケースを少なくとも含み、前記第1ケースと前記第2ケースとは、前記取付キャビティの内腔を取り囲み、
前記第1回転軸は、前記第1ケースに設けられ、前記第2回転軸は、前記第2ケースに設けられていることを特徴とする請求項
9に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項13】
前記第1モータと前記第2モータとのうちの少なくとも一方は、ステッピングモータであり、
前記第1モータと前記第2モータとのトルクは、0.7N
・m以上であることを特徴とする請求項1~
7の何れか一項に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項14】
前記回動原点検出機構は、第1回動原点検出機構を含み、前記第1回動原点検出機構は、前記磁気部品と前記下部ホルダとの接続箇所に取り付けられ、第1スイッチユニット及び第1スイッチ係合部材を含み、
前記第1スイッチユニットは、前記磁気部品と前記下部ホルダとのうちの一方に取り付けられ、前記第1スイッチ係合部材(612)は、前記磁気部品と前記下部ホルダとのうちの他方に取り付けられ、前記第1スイッチユニットと前記第1スイッチ係合部材とは、相対回動することにより、前記第1モータのオンオフを制御することを特徴とする請求項
1に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項15】
前記回動原点検出機構は、第2回動原点検出機構を含み、前記第2回動原点検出機構は、前記上部ホルダと前記下部ホルダとの接続箇所に取り付けられ、第2スイッチユニット及び第2スイッチ係合部材を含み、
前記第2スイッチユニットは、前記上部ホルダと前記下部ホルダとのうちの一方に取り付けられ、前記第2スイッチ係合部材は、前記上部ホルダと前記下部ホルダとのうちの他方に取り付けられ、前記第2スイッチユニットと前記第2スイッチ係合部材とは、相対回動することにより、前記第2モータのオンオフを制御することを特徴とする請求項
1に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項16】
前記スイッチユニットは、光電スイッチであり、前記スイッチ係合部材には、検出部が設けられ、
前記光電スイッチと前記スイッチ係合部材との間の相対回動につれ、前記光電スイッチが前記検出部を検出したときに、前記光電スイッチ制御回路は、オフにされ、前記磁気部品は、回動原点に停止することを特徴とする請求項
1に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項17】
前記マグネトロン装置は、スリップリングを更に備え、前記スリップリングは、上部スリップリング及び下部スリップリングを含み、
前記上部スリップリングは、前記上部ホルダに取り付けられ、電源に電気的に接続されるために用いられ、前記下部スリップリングは、前記下部ホルダに取り付けられ、前記第1モータに電気的に接続されるために用いられ、
前記スリップリングは、PCBスリップリングを採用し、且つ前記PCBスリップリングの厚さは、10mm以下であることを特徴とする請求項1~
7の何れか一項に記載のカプセル内視鏡のマグネトロン装置。
【請求項18】
請求項1~17の何れか一項に記載のマグネトロン装置と、前記マグネトロン装置の位置を調節するための位置調節装置とを備えることを特徴とするカプセル内視鏡の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の技術分野に関し、特にカプセル内視鏡のマグネトロン装置及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願)
本願は、2020年07月10日に中国専利局へ出願された、出願番号が202010665062.Xであって発明の名称が「カプセル内視鏡のマグネトロン装置及び制御システム」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は、引用によって本明細書に組み込まれる。
【0003】
現在では、カプセル内視鏡を用いて人体の消化管に対して通常の検査を行うことが市場において先進的な検査手段である。従来の電子内視鏡を挿入するよりも、カプセル内視鏡を飲むことは、被検者の身体及び心理的な不快感を引き起こすことがなく、クロス感染の可能性も低減される。
【0004】
マグネトロンカプセル内視鏡は、操作端を介して検査視野を能動的に制御可能であるカプセル内視鏡である。現在、一般的な制御手段は、人体外に1つの磁性体を置き、磁性体の方位及び姿勢を変化させることで磁性体周囲の磁場の規則的な変化を引き起こし、マグネトロンカプセル内視鏡に内蔵された磁性体は、外部変化磁場の影響を受けてカプセル内視鏡を駆動することにより、カプセル内視鏡の検査視野の変化を実現する。しかし、従来の電動制御のマグネトロン装置の構造(例えば、サーボモータ、減速機、エンコーダ等を含む)が複雑であるため、マグネトロン装置の体積が大きく、コストが高い。
【0005】
したがって、現在では、上記問題を解決するためのカプセル内視鏡のマグネトロン装置及び制御システムは、急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、マグネトロン装置の体積を減少させてマグネトロン装置のコストを低減するようなカプセル内視鏡のマグネトロン装置及び制御システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様において、本発明は、カプセル内視鏡のマグネトロン装置を提供する。当該カプセル内視鏡のマグネトロン装置は、カプセル内視鏡の状態及び/又は動作を調節し、上部ホルダ及び下部ホルダと、磁気部品と、第1回動ユニットと、第2回動ユニットとを備え、
前記下部ホルダは、前記上部ホルダに回動可能に取り付けられ、前記上部ホルダは、第1取付空間を有し、且つ前記上部ホルダと前記下部ホルダとの間には、第2取付空間が形成され、
前記磁気部品は、前記下部ホルダに取り付けられ、前記カプセル内視鏡の運動を駆動し、
前記第1回動ユニットは、前記下部ホルダに取り付けられ、前記磁気部品が第1回転軸線周りに回動するように駆動し、前記第1回動ユニットは、第1モータを含み、前記第1モータの少なくとも一部は、前記第2取付空間に位置し、
前記第2回動ユニットは、前記下部ホルダと前記上部ホルダとに取り付けられ、前記磁気部品及び前記第1回動ユニットが第2回転軸線周りに回動するように駆動し、前記第2回動ユニットは、第2モータを含み、前記第2モータの少なくとも一部は、前記第1取付空間に位置し、
前記第1回転軸線と前記第2回転軸線との間は、夾角を形成する。
【0008】
1つの可能な設計において、前記上部ホルダは、第1取付板、第2取付板及び第3取付板を少なくとも含み、且つ前記第1取付板、前記第2取付板及び前記第3取付板は、U字状の前記第1取付空間を取り囲む。
【0009】
1つの可能な設計において、前記下部ホルダは、第3ケース及び取付部を含み、前記取付部は、前記上部ホルダと前記第3ケースとの間に位置し、且つ前記取付部は、前記上部ホルダに回動自在に取り付けられ、前記取付部は、前記第3ケースと前記上部ホルダとの前記第2回転軸線に沿う投影範囲内に位置し、
前記磁気部品の少なくとも一部は、前記第3ケースに取り付けられ、前記第1モータは、前記取付部に取り付けられている。
【0010】
1つの可能な設計において、前記第3ケースは、部分球状構造である。
【0011】
1つの可能な設計において、前記第2回動ユニットは、第2伝動部材を含み、前記第2伝動部材は、前記第2回転軸線に沿って設けられる伝動軸を含み、
前記伝動軸は、一方端が前記第2モータに接続され、他方端が前記下部ホルダに固定されている。
【0012】
1つの可能な設計において、前記第2伝動部材は、前記伝動軸に接続される支持部材を更に含み、前記伝動軸の外周には、第2軸受が設けられ、
前記支持部材は、前記第2軸受と前記伝動軸との間に設けられている。
【0013】
1つの可能な設計において、前記第1回動ユニットは、前記下部ホルダの、前記磁気部品が設けられていない側に取り付けられている。
【0014】
1つの可能な設計において、前記磁気部品は、磁性体及び取付キャビティを含み、前記磁性体は、前記取付キャビティ内に設けられ、
前記取付キャビティは、前記第1回転軸線に沿って回転軸が設けられ、前記下部ホルダには、前記第1回転軸線の方向に沿って第1スルーホールが開設され、前記回転軸は、前記第1スルーホール内に穿設されている。
【0015】
1つの可能な設計において、前記下部ホルダは、前記第1回転軸線の方向において、対向配置される2つの前記第1スルーホールを有し、
前記回転軸は、第1回転軸及び第2回転軸を含み、前記第1回転軸は、一方の前記第1スルーホールに穿設され、前記第2回転軸は、他方の前記第1スルーホールに穿設され、
前記第1回転軸と前記第1モータとは、第1伝動部材を介して接続されている。
【0016】
1つの可能な設計において、前記下部ホルダは、第1エンドカバー及び第2エンドカバーを更に含み、前記第1エンドカバーと前記第2エンドカバーは、2つの前記第1スルーホールにそれぞれ設けられ、且つ前記下部ホルダの第3ケースに接続され、
前記第1回転軸は、前記第1エンドカバーに回動可能に設けられ、且つ前記第1伝動部材は、前記第1エンドカバーに固定され、
前記第2回転軸は、前記第2エンドカバーに回動可能に設けられている。
【0017】
1つの可能な設計において、前記取付キャビティは、第1ケース及び第2ケースを少なくとも含み、前記第1ケースと前記第2ケースとは、前記取付キャビティの内腔を取り囲み、
前記第1回転軸は、前記第1ケースに設けられ、前記第2回転軸は、前記第2ケースに設けられている。
【0018】
1つの可能な設計において、前記第1モータと前記第2モータとのうちの少なくとも一方は、ステッピングモータであり、
前記第1モータと前記第2モータとのトルクは、0.7N・m以上である。
【0019】
1つの可能な設計において、前記マグネトロン装置は、前記磁気部品が回動原点にあるか否かを判断するための少なくとも1つの回動原点検出機構を更に備え、
前記回動原点検出機構は、前記第1モータ及び/又は前記第2モータに電気的に接続されるスイッチユニットと、前記スイッチユニットに係合するスイッチ係合部材とを含み、
前記磁気部品が回動原点にあるときに、前記スイッチユニット制御回路は、オフにされる。
【0020】
1つの可能な設計において、前記回動原点検出機構は、第1回動原点検出機構を含み、前記第1回動原点検出機構は、前記磁気部品と前記下部ホルダとの接続箇所に取り付けられ、第1スイッチユニット及び第1スイッチ係合部材を含み、
前記第1スイッチユニットは、前記磁気部品と前記下部ホルダとのうちの一方に取り付けられ、前記第1スイッチ係合部材は、前記磁気部品と前記下部ホルダとのうちの他方に取り付けられ、前記第1スイッチユニットと前記第1スイッチ係合部材とは、相対回動することにより、前記第1モータのオンオフを制御する。
【0021】
1つの可能な設計において、前記回動原点検出機構は、第2回動原点検出機構を含み、前記第2回動原点検出機構は、前記上部ホルダと前記下部ホルダとの接続箇所に取り付けられ、第2スイッチユニット及び第2スイッチ係合部材を含み、
前記第2スイッチユニットは、前記上部ホルダと前記下部ホルダとのうちの一方に取り付けられ、前記第2スイッチ係合部材は、前記上部ホルダと前記下部ホルダとのうちの他方に取り付けられ、前記第2スイッチユニットと前記第2スイッチ係合部材とは、相対回動することにより、前記第2モータのオンオフを制御する。
【0022】
1つの可能な設計において、前記スイッチユニットは、光電スイッチであり、前記スイッチ係合部材には、検出部が設けられ、
前記光電スイッチと前記スイッチ係合部材との間の相対回動につれ、前記光電スイッチが前記検出部を検出したときに、前記光電スイッチ制御回路は、オフにされ、前記磁気部品は、回動原点に停止する。
【0023】
1つの可能な設計において、前記マグネトロン装置は、スリップリングを更に備え、前記スリップリングは、上部スリップリング及び下部スリップリングを含み、
前記上部スリップリングは、前記上部ホルダに取り付けられ、電源に電気的に接続されるために用いられ、前記下部スリップリングは、前記下部ホルダに取り付けられ、前記第1モータに電気的に接続されるために用いられ、
前記スリップリングは、PCBスリップリングを採用し、且つ前記PCBスリップリングの厚さは、10mm以下である。
【0024】
本発明の第2態様は、カプセル内視鏡の制御システムを提供する。当該カプセル内視鏡の制御システムは、上述したマグネトロン装置と、前記マグネトロン装置の位置を調節するための位置調節装置とを備える。
【発明の効果】
【0025】
したがって、本発明において、第1モータの少なくとも一部が第2取付空間内に位置し、第2モータの少なくとも一部が第1取付空間内に位置するときに、上部ホルダと下部ホルダとの内部空間及び両者の間の空間を合理的に利用することができ、それにより第1モータと第2モータとで占められる外部空間を減少させ、構造をよりコンパクト且つ小型にし、マグネトロン装置を移動させやすくなる。それとともに、上記第1取付空間は、第2モータに対して一定の保護作用を果たすことができ、それにより第2モータが破損するリスクを低減し、マグネトロン装置の耐用年数を向上させる。
【0026】
上述した一般的な説明及び後の詳細な説明が単に例示的なものであり、本発明を制限できるものではないことは、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施例に関わるカプセル内視鏡のマグネトロン装置の斜視模式図である。
【
図2a】
図1に示すマグネトロン装置の断面模式図である。
【
図2b】
図1に示すマグネトロン装置の断面模式図である。
【
図3】
図1に示すマグネトロン装置の正面図である。
【
図4】
図1に示すマグネトロン装置の1つの具体的な実施例における側面図である。
【
図5】
図1に示すマグネトロン装置の別の具体的な実施例における側面図である。
【
図6】
図3の第1回動原点検出機構の1つの具体的な実施例における構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ここでの図面は、明細書に組み込まれて本発明の一部を構成し、本発明に合致する実施例を示しながら、明細書とともに本発明の仕組みを解釈するために用いられる。
【0029】
本発明の技術的解決手段をよりよく理解するために、以下に図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。
【0030】
明らかに、説明される実施例は、単に本発明の一部の実施例である。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0031】
具体的な実施例において、以下に具体的な実施例により図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
【0032】
図1~3に示すように、本発明の実施例に関わるカプセル内視鏡のマグネトロン装置は、カプセル内視鏡(図示せず)の状態を調節するために用いられ、当該マグネトロン装置は、上部ホルダ41、下部ホルダ31、磁気部品1、第1回動ユニット2及び第2回動ユニット3を含む。ここで、上部ホルダ41は、マグネトロン装置を吊り上げるために用いられる。磁気部品1は、下部ホルダ31に接続され(直接接続されるか又は他の部材を介して間接的に接続される)、且つカプセル内視鏡の回動を駆動するために用いられる。第1回動ユニット2は、下部ホルダ31に接続される(直接接続されるか又は他の部材を介して間接的に接続される)。当該第1回動ユニット2は、第1モータ20を含み、第1モータ20は、磁気部品1が第1回転軸線L1の周りに回動するように駆動するために用いられる。第2回動ユニット3は、上部ホルダ41と下部ホルダ31とに接続される(直接接続されるか又は他の部材を介して間接的に接続される)。当該第2回動ユニット3は、第2モータ30を含み、第2モータ30は、磁気部品1と第1回動ユニット2とが第2回転軸線L2の周りに回動するように駆動するために用いられる。ここで、第1回転軸線L1と第2回転軸線L2との間は、夾角を形成する。
【0033】
したがって、上記第1回動ユニット2及び/又は第2回動ユニット3が回動する時に、いずれも磁気部品1の回動を駆動することができる。磁気部品1の回動中において、その周囲の磁場が規則的に変化し、更に人体内のカプセル内視鏡の運動を制御することにより、カプセル内視鏡の状態及び動作を調整する。
【0034】
具体的には、
図1に示すマグネトロン装置の方位を例として、上記第2回転軸線L2は、鉛直方向Yに平行な方向であってもよく、上記第1回転軸線L1は、水平方向Xに平行な方向であってもよい。無論、マグネトロン装置の配置方位が変更されたときに、上記第1回転軸線L1は、水平方向Xに平行ではなくなり、第2回転軸線L2も鉛直方向Yに平行ではなくなる可能性がある。本明細書は、マグネトロン装置が
図1に示す方位にあることを例として説明する。
【0035】
同時に、
図2aに示すように、当該上部ホルダ41の内部に第1取付空間411を有し、且つ上部ホルダ41と下部ホルダ31との間に第2取付空間313が形成される。上記第1モータ20の少なくとも一部は、第2取付空間313内に位置し、第2モータ30の少なくとも一部は、第1取付空間411内に位置する。即ち、第1モータ20の一部は、第2取付空間313内に位置し、又は、第1モータ20は、全て第2取付空間313内に位置する。第2モータ30の一部は、第1取付空間411内に位置し、又は、第2モータ30は、全て第1取付空間411内に位置する。
【0036】
なお、上記第2取付空間313は、上部ホルダ41と下部ホルダ31との間の空間であり、且つ当該第2取付空間313は、上部ホルダ41と下部ホルダ31とが第2回転軸線L2方向に沿って正対する空間を含むだけではなく、上部ホルダ41と下部ホルダ31との正対位置からずれた空間も含む。
図2aに示すように、当該上部ホルダ41と下部ホルダ31は、第2回転軸線L2に沿って正対する位置に回動自在に接続され、且つ接続された後、両者の回動軸線は、第2回転軸線L2であり、この時、当該第2取付空間313は、上部ホルダ41と下部ホルダ31との接続位置の一側に位置し、即ち、当該第2取付空間313は、第2回転軸線L2からずれる。
【0037】
したがって、本実施例において、第1モータ20の少なくとも一部が第2取付空間313内に位置し、第2モータ30の少なくとも一部が第1取付空間411内に位置するときに、上部ホルダ41と下部ホルダ31との内部空間及び両者の間の空間を合理的に利用することができ、それにより第1モータ20と第2モータ30とで占められる外部空間を減少させ、構造をよりコンパクト且つ小型にし、マグネトロン装置を移動させやすくなる。同時に、上記第1取付空間411は、第2モータ30に対して一定の保護作用を果たすことができ、それにより第2モータ30が破損するリスクを低減し、マグネトロン装置の耐用年数を向上させる。
【0038】
なお、本発明の実施例に関わる第1モータ20と第2モータ30は、それぞれ第1伝動部品23と第2伝動部品32を制御する。ここで、第1モータ20が下部ホルダ31に対して固定され、第2モータ30が上部ホルダ41に対して固定されるため、第2モータ30が第2回動ユニット3を駆動して下部ホルダ31を回動させるとき、第1モータ20は、下部ホルダ31とともに回動することができる。この時、下部ホルダ31の回動中において第1モータ20が下部ホルダ31とともに回動しないことに比べて、本実施例の設置方式は、第1モータと下部ホルダ31との間の伝動チェーンを簡略化することができ(両者を固定接続すればよい)、磁気マグネトロンの構造をよりコンパクトにする。
【0039】
具体的には、
図1に示すように、当該上部ホルダ41は、少なくとも第1取付板412、第2取付板413及び第3取付板414を含み、且つ当該第1取付板412、第2取付板413及び第3取付板414は、U字状の第1取付空間411を取り囲む。第1取付板412と第2取付板413は、第3取付板414の両端に接続される。
【0040】
本実施例において、
図2aに示すように、第2モータ30は、上部ホルダ41で取り囲まれた第1取付空間411内に位置し、それにより上部ホルダ41の空間利用率を向上させ、且つ上部ホルダ41で占められる外部空間を減少させる。同時に、当該第1取付空間411は、第2モータ30に対して保護作用を果たし、第2モータ30が外部装置に接触するリスクを低減することができる。
【0041】
ここで、当該第1取付板412、第2取付板413及び第3取付板414は、固定接続されてもよく、又は一体成形されてもよい。
【0042】
本発明の他の実施例において、上部ホルダ41は、円筒状又は角柱状等の他の構造に形成されてもよく、他の数の取付板で組み合わせられてもよく、ここで説明を省略し、形成された取付空間が第2モータ30の取付に役立つことを確保できればよい。
【0043】
当該マグネトロン装置は、上部ホルダ41の頂部に蓋設された上部カバープレート42を更に含んでもよい。当該上部カバープレート42は、第1取付板412及び第2取付板413に固定接続される。それにより、上部カバープレート42、第1取付板412、第2取付板413及び第3取付板414が上記第1取付空間411を取り囲み、構造がよりコンパクトで小型であるだけでなく、第2モータ30等の部材に対する保護も実現することができる。更に、当該マグネトロン装置は、上部カバープレート42に穿設される吊り下げ具43を更に含み、吊り下げ具43は、上部ホルダ41を吊り下げるために用いられ、それによりマグネトロン装置の吊り下げを実現する。ここで、吊り下げ具43の外周壁には、位置調節装置と固定されたねじ穴又は他の固定構造が設けられてもよく、マグネトロンシステムの位置調節装置に接続される。このように、位置調節装置を制御することにより、マグネトロン装置の位置の調節を実現する。ここで、位置調節装置は、一般的に地面に取り付けられ、マグネトロン装置は、固定的に位置調節装置に吊り下げられ、且つ位置調節装置は、マグネトロン装置の前後、上下、左右の移動を駆動することができ、検出を容易にする。
【0044】
より具体的には、
図1及び
図2bに示すように、当該第2モータ30には、固定板302及び支持柱301が接続され、固定板302は、第2モータ30に固定接続される(例えば、両者は、ボルトで接続され、又は係止され、又は溶接等であってもよい)。同時に、支持柱301の一方端は、固定板302に接続され、他方端は、上部ホルダ41の底壁に当接し(具体的に、当該支持柱301は、上部ホルダ41の第3取付板414に当接してもよい)、且つ当該支持柱301は、固定板302に固定接続されてもよく、上部ホルダ41の底壁に固定接続されてもよい。それにより、支持柱301を介して第2モータ30を第1取付空間411内に支持し、且つ第2モータ30の安定性を向上させる。また、本発明の幾つかの実施例において、支持柱301は、上部ホルダ41(又は第3取付板414)と一体に形成されてもよい。
【0045】
より具体的には、
図5に示す実施例において、当該第2モータ30は、第1取付板412及び第2取付板413からはみ出さない。即ち、第2モータ30は、全て上記第1取付空間411内に位置し、この時、当該第1取付空間411は、第2モータ30に対して有効的な保護作用を果たし、第2モータ30が外部構造に接触することを防止することができる。
【0046】
また、当該上部ホルダ41は、第4取付板及び第5取付板(図示せず)を更に含み、当該第4取付板及び第5取付板は、いずれも第1取付板412、第2取付板413及び第3取付板414に接続され、且つ上記第1取付空間411の開口を封止してもよい。それにより、上部ホルダ41の第2モータ30に対する保護作用を更に向上させる。
【0047】
その一方、
図2aに示すように、当該下部ホルダ31は、固定接続又は一体成形された第3ケース311及び取付部312を含む。磁気部品1の少なくとも一部は、第3ケース311に取り付けられ、第2モータ30は、伝動軸321を介して取付部312に接続され、且つ第1モータ20は、当該モータ312に取り付けられる。ここで、当該取付部312は、上部ホルダ41と第3ケース311との間に位置し、且つ当該取付部312が上部ホルダ41に回動自在に取り付けられることにより、下部ホルダ31は、上部ホルダ41に回動自在に取り付けられ、当該取付部312は、第3ケース311と上部ホルダ41との投影範囲内に位置する。
【0048】
本実施例において、第2回転軸線L2の方向に沿って、上部ホルダ41、取付部312及び下部ホルダ31の第3ケース311は、いずれも投影を有し、且つ当該取付部312の投影は、上部ホルダ41の投影範囲内に位置し、且つ第3ケース311の投影範囲内に位置する。それにより、取付部312に取り付けられた第1モータ20の少なくとも一部は、下部ホルダ31の第3ケース311と上部ホルダ41との投影範囲内に位置することができる。この時、第1モータ20の一部は、第3ケース311と上部ホルダ41との投影範囲内に位置し、又は第1モータ20は、全て第3ケース311と上部ホルダ41との投影範囲内に位置する。それにより、第1モータ20は、上部ホルダ41と下部ホルダ31との間の空間を合理的に利用することができる。第1回転軸線L1が水平方向Xに平行であり、第2回転軸線L2が鉛直方向Yに平行であり、且つ第1モータ20の全部が第3ケース311と上部ホルダ41との投影範囲内に位置するときに、当該マグネトロン装置で占められる水平方向Xの空間は、上部ホルダ41と下部ホルダ31により決定され、第1モータ20は、マグネトロン装置で占められる水平方向Xの空間を増大させることがない。それにより、マグネトロン装置の水平方向Xに沿うコンパクト性を更に向上させる。
【0049】
以上の各実施例において、
図2bに示すように、上記第2回動ユニット3は、第2伝動部材32を含み、当該第2伝動部材32は、第2回転軸線L2に沿って設けられた伝動軸321を含む。ここで、当該伝動軸321の一方端は、第2モータ30の出力軸(図示せず)に接続され、他方端は、下部ホルダ31に固定される。
【0050】
本実施例において、第2伝動部材32を設置することにより、第2モータ30の出力軸の回動運動を下部ホルダ31に伝達することができ、それにより下部ホルダ31の回動を実現する。且つ、伝動軸321を設置することにより、第2モータ30の出力軸が下部ホルダ31に直接接続されることを回避することができる。
【0051】
更に、
図2a及び
図2bに示すように、第2伝動部材32は、伝動軸321に接続される支持部材322を更に含み、当該伝動軸321の外周には、第2軸受323が嵌設され、支持部材322は、第2軸受323と伝動軸321との間に設けられる。
【0052】
具体的には、支持部材322と伝動軸321は、互いに固定接続される。1つの具体的な実施形態において、当該支持部材322に取付孔(図示せず)が設けられてもよく、伝動軸321は、当該取取付孔を通過して支持部材322に締り嵌めされることにより、伝動軸321と支持部材322との間の固定接続を実現する。同時に、第2軸受323が支持部材322の外周に嵌着され、即ち、第2軸受323の内輪が支持部材322に接続され、外輪が上部ホルダ41の内壁に接続され、それにより第2軸受323により支持部材322が上部ホルダ41に対して回動することを実現し、更に伝動軸321が上部ホルダ41に対して回動することを実現する。また、他の実施形態において、支持部材322は、支持ナットであってもよく、当該支持ナットに雌ネジが設けられ、伝動軸321の支持ナットに接続された一方端に雄ネジが設けられ、両者は、ネジ接続により固定接続を実現する。
【0053】
本実施例において、支持部材322と第2軸受323を設置することにより、伝動軸321と第2軸受323との間の構造強度及び安全性を向上させることができる。同時に、伝動軸321と第2モータ30の出力軸との間の接続を図ることで両者の接続信頼性を向上させるために、当該第2伝動部品32は、第2カップリング324を更に含み、当該第2カップリング324を介して第2モータ30の出力軸及び伝動軸321に接続される。
【0054】
より具体的には、
図2aに示すように、下部ホルダ31の取付部312の内腔は、位置制限板312aを含み、当該位置制限板312aは、第2スルーホールを有し、伝動軸321は、当該第2スルーホールを介して取付部312の内腔内に挿入される。同時に、当該伝動軸321には、取付部312の内腔内に位置する位置制限ディスク321aが接続され、当該位置制限ディスク321aが位置制限板312aの底壁に当接し、且つ当該位置制限ディスク312aの直径が第2スルーホールの直径より大きく、それにより位置制限板312aによって位置制限ディスク321aを取付部312の内腔内に制限し、伝動軸321と下部ホルダ31との接続を実現する。また、伝動効果を確保するために、当該位置制限板312aと位置制限ディスク321aは、ネジ等の接続部材により固定接続されてもよく、それにより伝動軸321と下部ホルダ31との間の接続信頼性を向上させる。
【0055】
具体的な実施例において、
図1に示すように、当該下部ホルダ31は、第3ケース311及び取付部312を含み、第3ケース311は、上記磁気部品1を取り付けるために用いられる。ここで、当該第3ケース311は、球状又は部分球状構造であってもよく、取付部312は、円柱体構造であってもよく、且つ当該取付部312と第3ケース311との間は、円弧状移行であり、それにより下部ホルダ31の応力集中を減少させ、その耐用年数を向上させる。また、球状又は部分球状構造(例えば、半球状)の第3ケース311を採用することで下部ホルダ31の占用する空間を減少させることができ、それにより第2取付空間313を増大させ、且つ第2取付空間313内でより多くの構造を組み立てることができ、更に全体機構をよりコンパクトにする。
【0056】
本実施例において、当該第3ケース311は、半球状構造であってもよく、磁気部品1は、当該半球状構造の内腔に取り付けられ、磁気部品1の取付信頼性を保証する。また、当該半球状構造の第3ケース311の体積が小さく、磁気部品1の取付信頼性を保証する前提で、マグネトロン装置の体積を更に減少させることができ、それによりマグネトロン装置のコンパクトの目的を実現する。
【0057】
具体的には、
図1に示すように、当該第3ケース311の取付部312から離れる外側輪郭は、曲線型であってもよく、即ち、当該第3ケース311は、不規則な部分球状構造であってもよく、第3ケース311の体積を減少させると同時に、第3ケース311と磁気部品1との接続信頼性をできるだけ向上させることができる。
【0058】
より具体的には、
図1に示すように、当該第1回動ユニット2は、下部ホルダ31の、磁気部品1が設けられていない側に取り付けられ、且つ当該第1回動ユニット2の各部品は、第1モータ20に近接して設けられ、それにより第1回動部材2の各部品と第1モータ20との接続を実現しやすく、且つ第1回動ユニット2の構造を簡略化する。
【0059】
幾つかの具体的な実施例において、
図2aに示すように、当該磁気部品1は、磁性体11及び取付キャビティ12を含み、当該磁性体11は、磁性を有し、且つ磁性体11の周囲に変化する磁界が存在する時、当該磁性体11は、移動することができる。当該取付キャビティ12は、磁性体11を取り付けるために用いられ、且つ磁性体11が固定的に取付キャビティ12の内腔内に取り付けられるとき、当該取付キャビティ12は、磁性体11を保護する作用を果たすことができる。
【0060】
同時に、取付キャビティ12には、第1回転軸線L1に沿って回転軸が設けられ、当該下部ホルダ31には、第1回転軸線L1の方向に沿って第1スルーホールが設けられ、当該回転軸が第1スルーホール内に穿設され、且つ当該回転軸が第1スルーホール内で回動することができ、それにより取付キャビティ12の回動を駆動し、更に取付キャビティ12内に位置する磁気部品1の回動を駆動する。
【0061】
また、当該回転軸の一部は、第1スルーホールから伸び出し、且つ第1回動ユニット2の第1伝動部材23に接続され、更に第1伝動部材23を介して回転軸と第1モータ20の出力軸との接続を実現し、第1モータ20の出力軸を介して回転軸の回動を駆動する。
【0062】
更に、
図2aに示すように、当該下部ホルダ31の第3ケース311は、第1回転軸線L1の方向において、対向配置される2つの第1スルーホールを有し、それ相応に、磁気部品1は、2つの回転軸、即ち、第1回転軸211及び第2回転軸221を含む。ここで、当該第1回転軸211と第2回転軸221は、いずれも第1回転軸線L1の方向に沿って延在し、且つ第1回転軸線L1方向に沿って磁気部品1の両側に位置する。当該第1回転軸211は、そのうちの一方の第1スルーホールに穿設され、第2回転軸221は、他方の第1スルーホールに穿設される。当該第1回転軸211と第1モータ20は、下部ケース31の同一側に位置し、且つ当該第1回転軸211と第1モータ20は、上記第1伝動部品23を介して接続される。磁気部品1に2つの回転軸が設けられ、第3ケース311に2つの第1スルーホールが開設されるときに、第1回動ユニット2の回動の安定性及び信頼性を向上させることができる。
【0063】
更に、
図2aに示すように、当該第1回動ユニット2は、第1エンドカバー24及び第2エンドカバー25を更に含んでもよく、第1エンドカバー24及び第2エンドカバー25は、2つの第1スルーホールにそれぞれ設けられ、且つ下部ホルダ31の第3ケース311に固定される(2つのエンドカバーは、具体的にボルト接続又は係止等の方式により第3ケース311に固定されてもよい)。同時に、第1回転軸211は、第1エンドカバー24に回動可能に設けられ、且つ第1伝動部品23は、第1エンドカバー24に固定される。同様に、第2回転軸221は、第2エンドカバー25に回動可能に設けられる。
【0064】
より具体的には、第1エンドカバー24に第3スルーホールが設けられ、第2エンドカバー25に第4スルーホールが設けられ、且つ当該第3スルーホール及び第4スルーホールが対応する第1スルーホールとそれぞれ連通することにより、回転軸が上記スルーホールに対して回動する。具体的には、第1モータ20が磁気部品1の回動を駆動するときに、第1回転軸211は、対応する第1スルーホール及び第3スルーホールを通過することができ、且つ対応する第1スルーホール及び第3スルーホールに対して回動することができ、第2回転軸221は、対応する第1スルーホール及び第4スルーホールを通過することができ、対応する第1スルーホール及び第4スルーホールに対して回動することができる。
【0065】
本実施例において、上記第1エンドカバー24及び第2エンドカバー25を設置することにより、第1回動ユニット2の回動の安定性及び信頼性を向上させることができる。
【0066】
更に、
図2bに示すように、当該第1回転軸211と第1エンドカバー24との間及び第2回転軸221と第2エンドカバー25との間には、第1軸受26がそれぞれ設けられる。このように、第1軸受26により、回転軸と第1スルーホール、第3スルーホール及び第4スルーホールとの間の摩擦を減少させ、磁気部品1が下部ホルダ31内でスムーズに回動するようにする。
【0067】
本実施例において、2つの第1スルーホールの何れの内部にも当該第1軸受26が設けられるときに、第1回転軸211と第2回転軸221との回動の安定性及び信頼性を向上させることができ、更に第1回動ユニット2の回動の安定性及び伝動信頼性を向上させ、且つ磁気部品1をよりスムーズに且つ大きな抵抗力を持たずに回動させることができる。
【0068】
幾つかの実施形態において、
図1に示すように、第1回転軸線L1は、水平方向Xと同じ方向であってもよく、第2回転軸線L2は、鉛直方向Yと同じ方向であってもよい。マグネトロン装置が動作する時、第1軸受26が主に鉛直方向Yに沿う支持力を受け、当該鉛直方向Yが第1軸受26の径方向であり、即ち、第1軸受26が径方向応力を受けるため、第1軸受26は、深溝玉軸受又はアンギュラ軸受として選択され得る。それにより、第1軸受26は、十分な径方向応力を受けることができる。第2軸受323(上部ホルダ41と伝動軸321との間に位置する)が主に鉛直方向Yに沿う支持力を受け、当該鉛直方向Yが第2軸受323の軸方向であり、即ち、第2軸受323が軸方向応力を受けるため、第2軸受323は、アンギュラ軸受として選択され得る。それにより、第2軸受323は、十分な軸方向応力を受けることができる。
【0069】
具体的には、当該第1回動ユニット2の第1伝動部材23は、具体的に、第1モータ20と第1回転軸211との間の接続を実現できる任意の構造であってもよい。例えば、
図1及び
図2bに示すように、当該第1伝動部材23は、第1カップリング231、駆動輪232、搬送ベルト233、従動輪234、テンションプーリ235、軸受スリーブ236及び第3軸受237を含んでもよい。ここで、第1カップリング231は、第1モータ20の出力軸及び駆動輪232にそれぞれ接続され、従動輪234は、第1回転軸211に接続され、搬送ベルト233は、駆動輪232及び従動輪234に巻設され、搬送ベルト233の両側にテンションプーリ235が設けられ、第1カップリング231の外側に軸受スリーブ236が設けられ、軸受スリーブ236の外側に第3軸受237が設けられ、軸受スリーブ236は、第1エンドカバー24に固定され、第1カップリング231、軸受スリーブ236、第3軸受237は、マグネトロン装置の構造コンパクト性が向上するように、いずれも駆動輪232と第1エンドカバー24との間に収容されてもよい。幾つかの実施形態において、第3軸受237は、深溝玉軸受であってもよく、それにより第3軸受237の径方向応力を受ける。
【0070】
以上の各実施例において、
図2a及び
図2bに示すように、当該磁気部品1は、磁性体11及び取付キャビティ12を含み、当該取付キャビティ12は、少なくとも第1ケース121及び第2ケース122を含み、当該取付キャビティ12が第1ケース121及び第2ケース122を含む場合、当該第1ケース121と前記第2ケース122は、取付キャビティ12の内腔を取り囲む。無論、第1ケース121及び第2ケース122の他に、当該取付キャビティ12は、更に他の構造、例えば第4ケース(図示せず)を含んでもよく、当該第1ケース121、第2ケース122及び第4ケースは、上記取付キャビティ12の内腔を取り囲む。
【0071】
本実施例において、第1ケース121、第2ケース122は、取付キャビティ12の内腔を取り囲み、磁性体11は、取付キャビティ12の内腔に固定される。このように、第1回動ユニット2と磁性体11との接続を実現することができ、それにより第1回動ユニット2により磁性体11の回動を駆動する。同時に、磁性体11は、取付キャビティ12の内腔に固定され、当該内腔は、磁性体11に対して保護作用を果たし、マグネトロン装置の耐用年数を向上させることができる。
【0072】
1つの具体的な実施形態において、磁性体11は、外部構造部材を介して第1ケース121及び/又は第2ケース122に固定されてもよい。例えば、第1ケース121及び/又は第2ケース122には、取付孔が設けられ又は形成され、磁性体11は、当該取取付孔に対応するねじ孔が設けられ、ねじ部材により磁性体11と第1ケース121及び/又は第2ケース122を固定する。別の具体的な実施形態において、磁性体11は、更に第1ケース121と第2ケース122との係合関係により両者を固定してもよい。例えば、第1ケース121と第2ケース122とが係合して取付キャビティ12を形成する時、磁性体11を完全に包んでもよい。即ち、この時、取付キャビティ12の内腔の形状及び寸法は、磁性体11の形状及び寸法にフィットし、それにより磁性体11と第1回動ユニット2との接続を実現する。そして、この時、外部構造部材により磁性体11と第1回動ユニット2を固定する必要がない。また、第1ケース121と第2ケース122の係合方式は、ネジ接続、係止又はリベット締め等の方式であってもよく、ここで、本発明は、それを具体的に限定しない。
【0073】
具体的には、
図2a及び
図2bに示すように、当該第1回転軸211は、第1ケース121と第2ケース122とのうちの少なくとも1つに固定接続されるか又は一体成形され、第2回転軸221は、第1ケース121と第2ケース122とのうちの少なくとも1つに固定接続されるか又は一体成形され、それにより、第1回転軸211及び第2回転軸221が回動する時、取付キャビティ12が回動するように駆動することができる。又は、第1回転軸211は、他の方式を採用して第1ケース121と第2ケース122に固定接続される。第1回転軸211と取付キャビティ12とが同時に回動することを保証すればよい。
【0074】
以上の各実施において、本発明の実施例の第1モータ20及び第2モータ30のうちの少なくとも1つは、ステッピングモータである。
【0075】
本発明に関わるカプセル内視鏡のマグネトロン装置は、ステッピングモータを用いて第1回動ユニット2と第2回動ユニット3との回動を駆動することにより、減速機、エンコーダ等の部品を必要とせずに正確な制御を実現することができるため、コストを低減し、且つ全体構造をコンパクトにすることができ、それによりマグネトロン装置の体積を更に減少させてマグネトロン装置のコストを低減することができる。
【0076】
理解できるように、サーボモータで制御された従来のマグネトロン装置の構造は、クローズドループ制御を採用し、即ち、エンコーダを必要とし、且つ一般的なサーボモータが減速機と組み合わせて使用され、このようにマグネトロン装置の体積が大きくコストが高い。本発明におけるマグネトロン装置は、ステッピングモータを採用し、ステッピングモータは、オープンループ制御を採用し、即ち、エンコーダを必要とせず、且つ、大トルクのステッピングモータも減速機と組み合わせて自体のトルクを増大させる必要がない。このように、本発明は、ステッピングモータの駆動方式を採用することにより、減速機及びエンコーダ等の部品を使用することを回避することができ、更にマグネトロン装置の体積を減少させてマグネトロン装置のコストを低減する。
【0077】
幾つかの実施形態において、第1モータ20と第2モータ30とのトルクは、0.7N・m以上であり、この時、ステッピングモータは、マグネトロン装置の使用時の大トルク状態にあると考えられ、それによりステッピングモータは、減速機を採用する必要がなく、このようにサーボモータの駆動方式よりもコストを低減する。
【0078】
理解できるように、マグネトロン装置は、具体的に磁気部品1の状態(即ち、角度)を調節することによりカプセル内視鏡へ外部磁界を提供する。磁気部品1の調節の利便性を保証するために、例えば磁気部品1は、球状として設けられてもよい。また、磁気部品1の人体への放射損傷を低減するために、磁気部品1における磁性体11は、ネオジム鉄ホウ素、四酸化三鉄、サマリウムコバルト又はアルニコ等の人体への放射損傷が小さい常磁性体を選択して製造してもよい。
【0079】
また、
図2a及び
図2bに示すように、当該マグネトロン装置は、スリップリング5を更に含んでもよく、当該スリップリング5は、上部ホルダ41と下部ホルダ31との間に位置し、当該スリップリング5は、第1モータ20に通電するために用いられる。具体的には、当該スリップリング5は、上部スリップリング51及び下部スリップリング52を含み、上部スリップリング51と下部スリップリング52は、相対回動するとともに両者の間の電気的接続を確保することができる。ここで、上部スリップリング51は、上部ホルダ41に取り付けられ、下部スリップリング52は、下部ブラケット31に取り付けられ、上部スリップリング51は、電源と電気的に接続するために用いられ、下部スリップリング52は、第1モータ20に電気的に接続されてもよい。動作状態にある時、上部スリップリング51は、下部スリップリング52に通電することができ、それにより上部スリップリング51と下部スリップリング52により第2取付空間313に位置する第1モータ20への通電を実現し、第1モータ20が長い導線を使用して電源に接続されることによって導線が下部ホルダ31とともに回動する時に巻回されるリスクを回避する。なお、上記電源は、本発明におけるマグネトロン装置自身の電源(マグネトロン装置に設けられる電源を含む)であってもよく、マグネトロン装置を組み立てるための装置における外部電源であってもよく、マグネトロン装置を商用電源にアクセスする等であってもよく、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0080】
ここで、導電スリップリング5は、PCB板(Printed Circuit Board、プリント回路基板)型スリップリングを採用してもよく、且つPCBスリップリングの厚さは、10mm以下である。他のタイプの導電スリップリングよりも、PCB板型スリップリングの厚さがより小さく、第2回動軸線L2に沿って占める空間を減少させることができ、マグネトロン装置1の全体寸法のコンパクト化に役立つ。
【0081】
その一方、マグネトロン装置に電源を入れて初期化した後で操作者による後続の操作を容易にするために、本発明の実施例におけるマグネトロン装置は、磁気部品1が回動原点(即ち、磁性体11の回動原点)にあるか否かを判断するための少なくとも1つの回動原点検出機構6を更に含んでもよい。ここで、当該回動原点検出機構6は、第1モータ20及び/又は第2モータ30に電気的に接続されるスイッチユニットと、スイッチユニットに係合して制御回路のオンオフを制御するスイッチ係合部材とを含む。対応する指令が受信された後、磁気部品1が回動原点にあるとき、スイッチユニット制御回路がオフにされることにより、第1モータ20及び/又は第2モータ30が動作を停止するように制御し、磁気部品1がその回動原点に停止する。磁気部品1が回動原点にないとき、スイッチユニット制御回路がオン状態にあり、それにより第1モータ20及び/又は第2モータ30が動作するように制御し、磁気部品1がその回動原点まで回動して停止するまで、磁気部品1の回動を駆動する。
【0082】
説明すべきことは、本設計において、回動原点は、磁気部品1が第1回転軸線L1の周りに回動する回動原点(第1ゼロ点とも呼ばれる)であってもよく、磁気部品1が第2回転軸線L2の周りに回動する回動原点(第2ゼロ点とも呼ばれる)であってもよい。幾つかの場合に、磁気部品1が第1ゼロ点にあるとき、磁性体11のN極が上方へ向け、S極が下方へ向けると考えられてもよい。他の場合において、磁気部品1の他の姿勢をゼロ点位置としてもよい。例えば、磁性体11のS極が上方へ向け、N極が下方へ向ける等、マグネトロン装置がカプセル内視鏡を制御しやすいだけでよい。
【0083】
磁気部品1が第1ゼロ点及び/又は第2ゼロ点まで移動するか否かを検出及び制御するために、本発明の実施例は、第1回動原点検出機構61及び第2回動原点検出機構62を含んでもよい。ここで、第1回動原点検出機構61は、磁気部品1が第1ゼロ点に位置するか否かを検出することで第1モータ20のオンオフを制御してもよく、第2回動原点検出機構62は、磁気部品1が第2ゼロ点に位置するか否かを検出することで第2モータ30のオンオフを制御してもよい。
【0084】
本発明の実施例において、当該第2回動原点検出機構62は、上部ホルダ41と下部ホルダ31との間に位置する。ここで、第2回動原点検出機構62の第2スイッチユニット621は、上部ホルダ41と下部ホルダ31とのうちの一方に取り付けられ、第2回動原点検出機構62の第2スイッチ係合部材622は、上部ホルダ41と下部ホルダ31のうちの他方に取り付けられ、上記第2回動原点検出機構62の第2スイッチユニット621と第2スイッチ係合部材622とは、相対回動することにより、第2モータ30のオンオフを制御する。
【0085】
具体的には、第1回動原点検出機構61の第1スイッチユニット611を光電スイッチとし、第1スイッチ係合部材612をコードホイールとして説明する。
図3及び
図6に示すように、1つの可能な設計において、第1原点検出機構61は、
図2bに示すように、その第1スイッチ係合部材612(コードホイール)が第2回転軸221を介して磁気部品1に接続され、第1スイッチユニット611が下部ホルダ31の第2エンドカバー25に接続されることにより、当該第1スイッチ係合部品612は、磁気部品1の回動とともに第1スイッチユニット611に対して相対回動することができる。第1スイッチユニット611(光電スイッチ)が第1スイッチ係合部材612(コードホイール)の検出部612aを感知すると、磁気部品1が第1ゼロ点に到達したと判断する。同時に、当該第1スイッチユニット611(光電スイッチ)は、第1モータ20に電気的に接続され、磁気部品1が第1ゼロ点まで回動すると、当該第1スイッチユニット611(光電スイッチ)は、第1モータ20の動作を停止するように制御する。
【0086】
ここで、
図6に示すように、当該第1スイッチ係合部材612(コードホイール)の検出部612aは、反射部材又は切り欠き等であってもよい。それ相応に、当該第1スイッチユニット611(光電スイッチ)には、溝611aが設けられてもよい。第1スイッチ係合612(コードホイール)の検出部612aが溝611a内に位置するときに、検出部612aは、第1スイッチユニット611(光電スイッチ)と係合して第1モータ20の回路のオンオフを制御することができる。即ち、検出部612aの回動初期位置(電源投入されていない時)は、溝611a内に位置し、第1スイッチユニット611(光電スイッチ)は、第1スイッチ係合部材612(コードホイール)の検出部612aが溝611a内に位置することを検出したときに、磁気部品1は、第1ゼロ点まで回動する。磁気部品1は、回動中において、第1スイッチ係合部材612(コードホイール)の回動を駆動することができ、且つ検出部612aが再び溝611a内に位置するまで回動すると、第1スイッチユニット611(光電スイッチ)は、検出部612aを再び検出し、磁気部品1は、第1ゼロ点に戻り、第1スイッチユニット611(光電スイッチ)は、第1モータ20の動作を停止するように制御する。
【0087】
無論、本発明の他の実施例において、検出部612aは、他の構造であってもよく、磁気部品1が回動原点に停止するように制御できればよい。例えば、検出部612aは、第1スイッチ係合部材612(コードホイール)の外縁に設けられる環状薄壁遮光板であってもよく、且つ遮光板に開口又は透明部が設けられ、開口又は透明部が溝611aの内部にあるとき、第1スイッチユニット611(光電スイッチ)は、第1モータ20を制御することにより磁気部品1を第1ゼロ点に停止させることができる。具体的な応用において、異なる光電スイッチの種類(例えば、対向型光電スイッチ、溝式光電スイッチ等)に基づいて、それに係合可能な検出部を選択することができ、具体的に説明しないが、磁気部品1が第1ゼロ点に正確に停止するように制御できればよい。
【0088】
別の実施例において、第2回動原点検出機構62の第2スイッチユニット621を光電スイッチとし、第2スイッチ係合部材622を遮蔽部材として説明する。
図4及び
図5に示すように、当該第2スイッチ係合部材622(遮蔽部材)が下部ホルダ31に接続され、第2スイッチユニット621(光電スイッチ)が上部ホルダ41に接続されることにより、当該第2スイッチ係合部材622(遮断部材)は、下部ホルダ31の回動とともに第2スイッチユニット621(光電スイッチ)に対して相対回動することができる。第2スイッチユニット621(光電スイッチ)が第2スイッチ係合部材622(遮蔽部材)を感知した後、即ち、第2スイッチユニット621(光電スイッチ)が第2スイッチ係合部材622(遮蔽部材)によって遮蔽された後、磁気部品1が第2ゼロ点まで回動したと判断する。同時に、当該第2スイッチユニット621(光電スイッチ)は、第2モータ30に電気的に接続され、磁気部品1が第2ゼロ点まで回動したときに、当該第2スイッチユニット621(光電スイッチ)は、第2モータ30の動作を停止するように制御する。
【0089】
ここで、第2スイッチ係合部材622が遮蔽部材であるときに、当該遮蔽部材622の少なくとも一部は、当該第2スイッチ係合部材622の検出部である。
【0090】
本実施例において、スイッチユニットとスイッチ係合部材との係合により、磁気部品1の回動位置を判断することができる。且つ磁気部品1が回動原点に位置するときに、スイッチユニットは、第1モータ20及び/又は第2モータ30の動作を停止するように制御することにより、磁気部品1が回動を停止するように制御する。このように、磁気部品1の回動原点を探してカプセル胃鏡の初期位置を明確にすることは、容易になる。同時に、磁気部品1が少なくとも1周回動することを確保することで、磁気部品1の磁界変化により人体内のカプセル胃鏡が少なくとも一回転するように駆動する。このように、カプセル胃鏡は、人体の胃内部状況をより全面的に観察することができる。
【0091】
無論、本発明の実施例において、磁性体11の実際に回動する回転数(即ち、磁性体11が回動原点を通る回数を検出する)に基づいて磁気部品1の回動を制御してもよい。例えば、磁性体11が回動原点を通った回数が光電スイッチによって検出された回数の閾値を設定してもよい。磁性体11が回動原点を通った回数が当該閾値を超えることが検出されると、光電スイッチは、第1モータ20及び/又は第2モータ30の動作を停止するように制御することができる。具体的には、当該閾値を150に設定してもよく、即ち、光電スイッチは、磁性体11が回動原点を150回通ったことを検出する。
【0092】
また、当該回動原点検出機構6におけるスイッチユニットは、マイクロスイッチ群であってもよく、スイッチ係合部材は、接触係合部であってもよい。マイクロスイッチ群と接触係合部との間の相対回動に伴い、マイクロスイッチ群が接触係合部を検出すると、マイクロスイッチ群制御回路がオフにされ、第1モータ20及び/又は第2モータ30の動作を停止するように制御する。
【0093】
ここで、マイクロスイッチ群は、第1モータ20及び/又は第2モータ30に電気的に接続され、マイクロスイッチ及び接触部品を含む。マイクロスイッチには、接触部品に係合可能な接触係合部が設けられる。接触部品と接触係合部との接触及び分離により、制御回路のオンオフを制御する。ここで、マイクロスイッチ群は、磁気部品1の回動原点位置に設けられ、その接触部品とマイクロスイッチとのうちの一方は、磁気部品1の回動とともに回動することができるように設けられ、他方は、固定的に設けられ、且つ両者は、互いに係合することで回路のオンオフを制御することができ、それにより磁気部品1は、回動原点位置に停止することができる。
【0094】
第1モータ20及び第2モータ30をそれぞれ調節するために、マイクロスイッチ群は、少なくとも2つあり、磁気部品1が第1ゼロ点に停止することと、磁気部品1が第2ゼロ点に停止することとをそれぞれ制御する。1つの具体的な実施例では、マイクロスイッチ群(図示せず)が上部ホルダ41に設けられ、接触部品(図示せず)が動作リードであり、接触係合部(図示せず)が、下部ホルダ31がマイクロスイッチ群に向けて突起したバンプであり、且つバンプが下部ホルダ31とともに回動し、バンプが動作リードに接触した後、マイクロスイッチが第1モータ20の動作を停止するように制御し、磁気部品1が第1ゼロ点に停止する。また、マイクロスイッチ群は、更に下部ホルダ31に設けられ、バンプは、上部ホルダ41に設けられ且つ上部ホルダ41と共に回動し、バンプが動作リードに接触した後、マイクロスイッチが第2モータ30をオフに制御し、磁気部品1が第2ゼロ点に停止し、作業者による使用を容易にする。
【0095】
また、本発明の実施例は、カプセル内視鏡の制御システムを提供する。当該制御システムは、上記内容に言及されたマグネトロン装置と、マグネトロン装置の位置を調節するための位置調節装置(図示せず)とを含む。なお、位置調節装置は、出願番号が201310136094.0である中国特許出願を参照可能である。即ち、当該位置調節装置は、三軸(即ち、X軸、Y軸及びZ軸)変位ベースであり、マグネトロン装置の位置を変化させる。当該制御システムは、上記マグネトロン装置と同様の有益な効果を有し、ここで繰り返し説明しない。
【0096】
なお、本特許出願書類の一部は、著作権で保護されたコンテンツを含む。特許庁の特許文献又は記録された特許文書内容に対してコピーを作成する以外に、著作権者は、著作権を保留する。
【符号の説明】
【0097】
L1…第1回転軸線
L2…第2回転軸線
X…水平方向
Y…鉛直方向
1…磁気部品
11…磁性体
12…取付キャビティ
121…第1ケース
122…第2ケース
2…第1回動ユニット
20…第1モータ
211…第1回転軸
221…第2回転軸
23…第1伝動部材
231…第1カップリング
232…駆動輪
233…搬送ベルト
234…従動輪
235…テンションプーリ
236…軸受スリーブ
237…第3軸受
24…第1エンドカバー
25…第2エンドカバー
26…第1軸受
3…第2回動ユニット
30…第2モータ
301…支持柱
302…固定板
31…下部ホルダ
311…第3ケース
312…取付部
312a…位置制限板
313…第2取付空間
32…第2伝動部材
321…伝動軸
321a…位置制限ディスク
322…支持部材
323…第2軸受
324…第2カップリング
41…上部ホルダ
411…第1取付空間
412…第1取付板
413…第2取付板
414…第3取付板
42…上部カバープレート
43…吊り下げ具
5…スリップリング
51…上部スリップリング
52…下部スリップリング
6…回動原点検出機構
61…第1回動原点検出機構
611…第1スイッチユニット
611a…溝
612…第1スイッチ係合部材
612a…検出部
62…第2回動原点検出機構
621…第2スイッチユニット
622…第2スイッチ係合部材