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特許7531690ケーブルを管に固定するための固定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】ケーブルを管に固定するための固定システム
(51)【国際特許分類】
   E21B 17/10 20060101AFI20240802BHJP
   H02G 9/06 20060101ALI20240802BHJP
   H02G 1/06 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
E21B17/10
H02G9/06
H02G1/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023507878
(86)(22)【出願日】2021-07-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-25
(86)【国際出願番号】 EP2021071176
(87)【国際公開番号】W WO2022028987
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】20189903.6
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504255249
【氏名又は名称】ヴァルレック オイル アンド ガス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロディ,アラステア ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンネーツェル,マキシム
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第07861982(US,B1)
【文献】英国特許出願公開第02201177(GB,A)
【文献】米国特許第05598995(US,A)
【文献】特開2019-080372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 17/10
H02G 9/06
H02G 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石油およびガス、エネルギー、または貯蔵用の管状カラム用の管(2)にケーブル(5)を固定するための固定システム(1)であって、
前記固定システム(1)は、
支持面(3)および外側面(4)であって、前記支持面(3)は内側に向けられており、前記支持面(3)は前記管(2)のための内側ハウジング(7)を画定し、前記外側面(4)は前記支持面(3)に対して外側に向けられている、支持面(3)および外側面(4)と、
開状態および閉状態を有する管固定機構(6)であって、前記管固定機構(6)は前記管固定機構(6)の閉状態において前記固定システム(1)を前記管(2)に固定するように構成され、前記管(2)は前記管固定機構(6)の閉状態において前記内側ハウジング(7)内に収容され、前記管固定機構(6)は前記管固定機構(6)の開状態において前記管(2)に対して移動可能であり、前記管固定機構(6)はバンド(101)を備え、前記バンド(101)は長手方向軸(A1)に沿って延在し、前記バンド(101)は半径方向に延在し、前記バンド(101)は前記管(2)の周りに延在し、前記バンド(101)は前記支持面(3)を形成している、管固定機構(6)と、
を備え、
前記固定システム(1)はさらに、ケーブル(5)を固定するための外側ハウジング(8)を有するケーブル固定機構(9)を備え、前記外側ハウジング(8)はその開口部を通してケーブル(5)を前記外側ハウジング(8)の内部に受け入れるための開口部を有し、前記外側ハウジング(8)の前記開口部は前記外側面(4)に配置され、
前記管固定機構(6)は中央本体(102)を備え、前記バンド(101)は第1の終端部(103)および第2の終端部(105)を有し、前記第1の終端部(103)は前記中央本体(102)に固定され、前記第2の終端部(105)は閉鎖位置と遠隔位置との間で前記中央本体(102)に対して移動可能に前記中央本体(102)に取り付けられ
前記中央本体(102)は、前記バンド(101)の前記第2の終端部(105)と前記中央本体(102)とを閉状態で互いに近づけるように構成されたロック機構(110)を備え、
前記ロック機構(110)は、前記中央本体(102)に枢動可能に取り付けられ、開状態と閉状態との間で回転するように構成されたロックレバー(109)を備え、
前記ケーブル固定機構(9)は、前記ロックレバー(109)を閉状態に維持するように構成された保持機構(118)を備える、
固定システム(1)。
【請求項2】
前記バンド(101)の前記第1の終端部(103)は第1の終端スリーブ(104)を備え、前記第1の終端スリーブ(104)は第1のシャフト(111)を収容し、前記第1のシャフト(111)は前記中央本体(102)を前記バンド(101)に固定する、
請求項1に記載の固定システム(1)。
【請求項3】
前記バンド(101)の前記第2の終端部(105)は、第2のシャフト(112)を収容する第2の終端スリーブ(106)を備える、
請求項1または2に記載の固定システム(1)。
【請求項4】
前記ロックレバー(109)は、前記管固定機構(6)の長手方向軸(A1)に平行な回転シャフト(114)上に枢動可能に取り付けられている、
請求項に記載の固定システム(1)。
【請求項5】
前記ロック機構(110)は、閉状態で回転シャフト(114)とシャフト(112)とを互いにロックするプリテンションねじ(115)を備える、
請求項に記載の固定システム(1)。
【請求項6】
前記中央本体(102)は、前記シャフト(111)を収容するように構成された少なくとも第1の終端スリーブ(108)を備える、
請求項2または請求項2に従属するときの請求項3~のいずれか一項に記載の固定システム(1)。
【請求項7】
前記ケーブル固定機構(9)の前記外側ハウジング(8)は、前記長手方向軸(A1)に平行な少なくとも1つの長手方向溝(120)を備え、前記長手方向溝(120)は、少なくとも1つのケーブル(5)を収容することができる、
請求項1または5~のいずれか一項に記載の固定システム(1)。
【請求項8】
前記ロックレバー(109)は、閉状態において前記中央本体(102)および前記管(2)の外側面に面する内側面(133)を備え、前記内側面(133)は、前記ケーブル(5)をクランプするように構成された把持面(134)を備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の固定システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石油およびガス、エネルギーまたは貯蔵の用途、例えば、稼働中の炭化水素坑井、地熱または炭素の収集のための管状カラムに使用することを目的とする金属管のための固定システムに関する。
【0002】
本発明は特に、少なくとも1つのケーブルを管状炭化水素カラム内の管に固定するための固定システムに関する。本発明は、このような固定システムを備えた金属管にも関する。
【背景技術】
【0003】
管状炭化水素カラムまたはワーキングストリングは一般に、一緒に取り付けられた複数の管からなる。より具体的には、炭化水素坑井または同様の坑井のための管状炭化水素カラムが一般に、一連の管ストリングおよびいくつかのケーシングストリングを含む。管ストリングは、ケーシングストリング内に収容された複数の完成管からなる。ケーシングストリングは、坑井の穿孔孔内に配置された複数のケーシング管からなる。ケーシング管は完成管の直径断面よりも大きい直径断面を有し、前記完成管を取り囲む。ケーシングストリングの下部では、ケーシング管はライナ管とも呼ばれる。
【0004】
ケーシングストリングは掘削孔の安定性を維持し、水砂の汚染を防止し、掘削、製造、および/または改修作業中の坑井の圧力を制御するために必要とされる。
【0005】
ケーシング管および完成管はスチール製であり、API規格、例えば、標準的なケーシングおよび管用のAPI規格仕様5CTまたは5CRAに従って作製され得るが、これらに限定されない。例えば、鋼は、グレードL80、P110またはQ125規格の1つである。
【0006】
ストリングの2つの管は、ねじ継手または接続部によって取り付けられてもよい。第1の管を第2の管に接続するための典型的なねじ継手は、ピン端とも呼ばれる第1の管の外周面に形成された雄ねじ部と、ボックス端とも呼ばれる第2の管の内周面に形成された雌ねじ部とを含むことができる。ねじ部は第1の管を第2の管に取り付けるように協働し、したがって、ねじ継手を形成する。
【0007】
別のタイプのねじ継手は、第1の管および第2の管を取り付けるための連結箱を含んでもよい。各第1の管および第2の管はその両端に、ピン端とも呼ばれる、前記管の外周面に形成された雄ねじ部を有する。第1の管には、その両端に、その内孔の内周に形成された雌ねじ部が設けられた内孔を有する連結箱が取り付けられている。連結箱は一般に、第1の管の前記端部の雄ねじ部と連結箱の第1の端部の雌ねじ部との間の協働することによって、第1の管の一端に取り付けられる。この構成によれば、第1の管と連結箱との組立体は、雄ねじ部を有する第1の端部と、連結箱の第2の端部によって形成された雌ねじ部を有する第2の端部とを有する。第2の管は、前記第2の管の雄ねじ部のうちの1つと、連結箱の第2の端部の雌ねじ部とによって、第1の管に取り付けられてもよい。
【0008】
そのようなねじ付き管状接続部は例えば、軸方向張力、軸方向圧縮、内圧曲げ力、ねじり力などの強度または方向の変化が起こり得る様々な応力の組み合わせを受ける。したがって、ねじ付き管状接続部は一般に、これらの応力を支持し、破裂に耐え、強固な密封を提供するように設計される。
【0009】
したがって、管のストリングの堅牢性は一般に、ねじ接続部または継手を形成する部品または部分に摩耗がないことに依存する。したがって、雄ねじ部および雌ねじ部を有する管のねじ部を保護するための装置が提案されている。
【0010】
現場での作業では、坑井に管を取り付ける前に保護装置を取り外す必要がある。管を坑井内に設置する前に、保護装置を最新の段階で取り外すことが好ましい。これらの操作は特に時間がかかり、管を管理しなければならない操作者から特別な注意を必要とする。したがって、カラムの設置プロセスは保護デバイスの使用によってより複雑になり、管の弱点は、カラムの設置中に保護されない。
【0011】
さらに、第2の管の雄ねじ部を第1の管または連結箱の雌ねじ部に取り付けるとき、スタビングガイドが一般に使用される。このようなスタビングガイドは、第2の管の端部を第1の管または連結箱の端部に挿入する前にオペレータによって位置決めされ、次いで、第2の管を第1の管または連結箱にねじ込む前に取り外される。このような操作はまた、カラムの設置の操作時間を増加させる。
【0012】
さらに、管状炭化水素カラムは、沖合掘削リングの陸上のいずれかに設置することができ、それらは、ポンプ、安全弁、および他のダウンホール機器などの水中機器に電力を供給するための電気ケーブルを支持するために使用することができる。クランプと呼ばれる工具は一般に、そのような電気ケーブルを収容するために使用される。これらのクランプは通常、管上、特に連結箱上に設置され、一般に、設置のために複数の作業者および重い工具を必要とする。したがって、このようなクランプをカラムの全ての連結箱に取り付けることは、リグに対して時間がかかり、コストのかかる操作につながる。
【0013】
加えて、設置中に、管から別の管へのケーブルの良好な位置合わせを得ることが必要とされる。実際、カラムを下降させるときに、管の周り全体を巻き上げるケーブルを有することは問題である。実際、管状カラムは長さが大きく、数千メートルに達する可能性があり、したがって、それらが管上で巻き上げられるとき、より多くの重量および長さのケーブルが存在し、したがって、管上でより多くの重量を提供する。例えば、通常の状況ではケーブルが12メートルの長さに対して5kgの重量を有し、管状カラムは3kms以上に達する可能性がある。そのような過重はカラム全体の不安定性の原因となり得、さらに、リソースの不必要かつ高価な費用となり得る。別の結果は、より多くのケーブルを引き抜くか、またはケーブルを引き裂く危険性である。このような巻き上げは、クランプ装置がケーブルを固定するために設置されるときに、前記ケーブルが緩み、約20度の許容公差を超えて左方向または右方向に引っ張られることがあるので、起こり得る。したがって、ケーブルが誤って設置された場合、クランプ装置は取り外されなければならず、操作は完全かつ正確に繰り返されなければならず、したがって、カラムの全体的な設置時間が著しく増加する。
【0014】
したがって、「クリティカルパスアクティビティ(critical path activity)」とも呼ばれるカラムのインストール時間を短縮する必要がある。実際、前記クリティカルパスアクティビティは今日、管当たり約200秒であり、これは、リグの一日のレンタルのための高いコストを考慮すると、高価な設置作業につながる。
【0015】
本出願人は、先行技術として、以下の文献を知っている。
【0016】
まず、米国特許第5598995号明細書は、部材を互いに固くクランプするために可撓性のストラップを使用する高強度クランプ組立体を開示している。
【0017】
国際公開第2010/107322号パンフレットは、いくつかの部品から構成され、表面被覆鋼製ライザーと平行にかつそれから間隔を置いて複数の流体パイプを運ぶように設計されたライザークランプを開示し、このライザーは海底の井戸ヘッドと表面容器との間の連通のために海中に展開されるように設計され、このライザークランプは表面被覆ライザーに摩擦回転不能に固定するように設計され、それぞれの流体パイプを運ぶ複数のパイプサドルをさらに備える。
【0018】
国際公開第2010/107322号パンフレットは、ケーブルをパイプ等に固定するために坑井孔に使用するケーブルクランプ装置を開示しており、比較的可撓性の固締部材、およびその固締部材を受け入れかつ保持する保持手段を含んでいる。このケーブルクランプ装置は、当該ケーブルクランプ装置がパイプに取り付けられる場合に少なくとも1本のケーブルを受け入れかつ規制することができるケーブル規制手段を含んでいる。
【0019】
米国特許第6832427号明細書は、1つの部材を支持部材に連結するためのクランプ組立体、更に詳細には、臍管のようなパイプまたは管を他のパイプに取り付けるための高強度浮力クランプ組立体を開示しており、パイプや管が互いに対しておよび周囲の媒体に対して接触することから遮蔽するものである。
【0020】
米国特許第5973270号明細書は、坑井孔内で使用するためのケーブルプロテクタであって、電気潜水可能なポンプシステムのような坑井孔装置に対して配置されるよう構成された少なくとも1つのハウジング部材を有しているケーブルプロテクタを開示している。
【0021】
イギリス特許第2419906号明細書は、油井の孔に使用するための産油管にケーブルおよびホースを係留するセントラライザーとクランプの組合せを開示している。クランプは、産油管のための金属ベルトを含み、ケーブルとホースを係留するための一体的な剛性の湾曲突出体が設けられる。また、ねじを受け入れるためのスロットを持つ相補的フランジを含む固定部分も有している。
【0022】
米国特許第5598995号明細書は、細長い部材を支持部材にクランプするためのクランプ組立体および方法を開示している。クランプ組立体は、細長い部材を少なくとも部分的に受け入れる受器、その受器に連結された一対の可撓性の支持ストラップ、および一対の可撓性のクランプ用ストラップを備えている。一対の可撓性の支持ストラップは、支持部材の周りに互いに親和的に係合することができ、一対の可撓性のクランプ用ストラップは、細長い部材および支持部材の周りに互いに親和的に係合することができる
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の目的は、上述の欠点を克服することである。
【0024】
本発明の特定の目的は、現場での作業、特に、リグへのカラムの管の設置プロセスに必要とされる時間を短縮する観点から、作業の容易さおよび速度を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の一態様によれば、管の端部の容易かつ迅速な整合、位置合わせを提供することもまた、本発明の目的である。本発明の着想はまた、管の設置プロセス中にねじ継手を形成するように意図された管の連結箱部分の保護を改善することである。
【0026】
本発明は、石油およびガス、エネルギー、または貯蔵用途のための管状カラム用の管にケーブルを固定することを目的とする固定システムを提供し、前記固定システムは、以下の構成を備える。
-支持面および外側面であって、前記支持面は内向きに向けられないし曲げられ、前記支持面は前記管の内側ハウジングを画定し、前記外側面は前記支持面に対して外側に向けられないし曲げられる、支持面および外側面;
-開状態と閉状態とを有する管固定機構であって、前記管固定機構の閉状態において前記管に前記固定システムを固定するように構成され、前記管固定機構の前記閉状態において前記管を前記内側ハウジング内に収容し、前記管固定機構は、前記管固定機構の前記開状態において前記管に対して移動可能である、管固定機構;
-ケーブルを固定するための外側ハウジングを有するケーブル固定機構であって、前記外側ハウジングは、その開口部を通して前記ケーブルを前記外側ハウジング内に受け入れるための開口部を有し、前記外側ハウジングの前記開口部は、外側面上に配置される、ケーブル固定機構。
【0027】
これらの特徴のおかげで、ケーブルを現場で容易かつ迅速に管に固定することが可能である。実際、外側ハウジングの開口部が固定システムの外側面に配置されるので、管が内側ハウジング内に収容されていても、管の固定システムを取り外すことなく、ケーブルをケーブル固定機構の外側ハウジング内に収容することが可能である。したがって、固定システムは例えば、管の製造において、または管の製造と坑井内への管の設置との間の任意のステップの間に、管上に事前に設置することができ、ケーブルは、管から固定システムを取り外すことなく現場で固定することができる。管を井戸に設置する前に管に固定システムを予め取り付けることができ、管の固定システムを取り外すことなく管にケーブルを固定することができるので、現場で固定システムの内側ハウジング内に管を取り外すおよび/または収容する必要がなく、現場で管にケーブルを固定するのに必要な時間が非常に短い。
【0028】
そのような固定システムは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を備えることができる。
【0029】
一実施形態によれば、外側ハウジングは溝である。一実施形態によれば、外側ハウジングは、長手方向軸に平行に延在する。一実施形態によれば、外側ハウジングは、長手方向軸に垂直な平面において「U」字形断面を有する。
【0030】
一実施形態によれば、開口部は、第1の側部と、中央部と、第2の側部とを備える。一実施形態によれば、中央部は、長手方向軸に平行に延在する。一実施形態によれば、中央部は、長手方向軸に対して反対側を向くように方向付けられる。一実施形態によれば、第1の側部および/または第2の側部は、半径方向に延在する。言い換えれば、溝によって形成された外側ハウジングの場合、そのような溝は長手方向軸に平行に延在し、開口側は長手方向軸に対して反対を向き、長手方向軸に沿った2つの反体側の端部は開口し、開口部の第1および第2の開口側を形成する。
【0031】
一実施形態によれば、支持面は開位置と閉位置との間で切り替え可能であり、前記管固定機構は支持面を開位置と閉位置との間で切り替えるように構成され、支持面は閉位置において管上に固定システムを固定するよう、管に当接するように構成される。
【0032】
一実施形態によれば、支持面は管固定機構の開状態では開位置にあり、管固定機構の閉状態では閉位置にあるように構成される。
【0033】
一実施形態によれば、支持面は第1の部分と第2の部分とを備え、第1の部分と第2の部分との間の距離は開位置における前記距離よりも閉位置において最も短い。したがって、支持面のこれらの部分は、管に固定システムを固定するために管をクランプすることができる。
【0034】
一実施形態によれば、支持面は、少なくとも部分的に変形可能である。一実施形態では、支持面の第1の部分および/または支持面の第2の部分は閉位置および開位置において異なる形状を有する。一実施形態によれば、支持面の第1の部分および/または支持面の第2の部分は、閉位置よりも開位置において、より大きい曲率半径を有する。
【0035】
一実施形態によれば、管固定機構はカム機構を備え、カム機構は第1のカム面と第2のカム面とを備え、カム機構は支持面の第1の部分と第2の部分との間の距離を変更するように構成される。このカム機構により、支持面を閉位置と開位置との間で容易に切り替えることができる。
【0036】
一実施形態によれば、管固定機構はバンドを備え、バンドは第1の終端部と第2の終端部とを有する開放リングを画定し、第1の終端部と第2の終端部との間の距離は支持面の閉鎖位置と支持面の開放位置とで異なる。このようなバンドは製造が容易であり、管をクランプするように容易に変形することができる。そのような変形可能なバンドは、単一の部品または互いに接合された複数の部品、例えばスペーサ、例えばタイロッド、ヒンジ、またはチェーンリングのような金属リングによって互いに円周方向に接合された複数の部分で作製することができる。
【0037】
バンドは、バンドの第1の終端部と第2の終端部との間の距離の変更が支持面の第1の部分と支持面の第2の部分との間の距離を変更するように構成される。バンドの第1の終端部と第2の終端部との間の距離のこのような変更は支持面を開位置から閉位置に切り替えるために、直線的に、前記距離を増加または減少させて、円周方向に測定することができる。例えば、バンドの第1の終端部と第2の終端部との間の円周方向距離を減少させることにより、バンドを管の周りに締め付け、支持面の第1の部分および支持面の第2の部分を管に当接させることができる。
【0038】
一実施形態によれば、バンドは金属材料、例えば、ステンレス金属、例えば、板金の形態で作られる。
【0039】
一実施形態によれば、バンドの内側は、支持面の第1の部分および第2の部分を含む。しかしながら、第1および第2の部分を有する支持面は、異なる方法で製造することができる。例えば、管固定機構は互いに対して回転するように取り付けられた2つの脚部を備えてもよく、各脚部は支持面のそれぞれの部分を有し、管固定機構は閉状態または開状態における脚部の位置で回転を阻止するように構成される。
【0040】
一実施形態によれば、固定システムは中央本体を備え、中央本体はロックレバーを備え、バンドの第1の終端部は中央本体に固定され、バンドの第2の終端部はロックレバーに連結され、ロックレバーは中央本体上に回転可能に取り付けられ、第1のカム面は中央本体上に配置され、第2のカム面はロックレバー上に配置される。一実施形態によれば、カム機構は、中央本体に対するロックレバーの回転がバンドの第1の終端部とバンドの第2の終端部との間の距離を変更するように構成される。
【0041】
これらの特徴のおかげで、第1の終端部と第2の終端部との間の距離は、容易かつ迅速に変更することができる。実際には、この距離は変更することができ、したがって、固定システムはカム機構によるロックレバーの単純な回転のために、管に固定される。
【0042】
一実施形態によれば、管が内側ハウジング内に収容された管固定機構の開状態において、固定システムは管の周りを回転するように運動可能であり、管への支持面の当接によって管の長手方向軸に対して半径方向への変位が制限される。
【0043】
これらの特徴のおかげで、管を内側ハウジングから取り外すことなく、管の周りで固定システムを回転させることが可能である。したがって、内側ハウジングから管を取り外すことなく、外側ハウジングの開口部の円周方向の向きを変更することができる。外側ハウジングの開口部の円周方向の向きを変更することによって、管に対するケーブルの位置に従って前記開口部の位置を調整することが可能であり、したがって、管が坑井内に挿入されたときにケーブルが管の周りのどの位置にあっても、固定システムは、管上のケーブルの向きの角度公差内でケーブルを受け入れるように円周方向に配向することができる。
【0044】
しかしながら、外側ハウジングの開口部の円周方向の向きは、固定システムの他の実施形態のおかげで変更することができる。例えば、一実施形態によれば、ケーブル固定機構は、支持面に対して内側ハウジングの周りを移動可能であり得る。したがって、管は管固定機構によって固定され、内側ハウジング内に留まることができ、一方、固定機構は、要求された配向で開口部を円周方向に調整して配置するために、管および支持面に対して回転される。したがって、管にプリインストールされた固定システムであっても、そのようなプリインストールされた固定システム上のケーブル固定機構の向きは問題ではなく、固定システムは、ケーブル固定機構の向きを変更することによって、ケーブルの要求された角度方向公差内で管上にケーブルを固定することができる。
【0045】
ケーブル固定機構は、異なる実施形態によれば、外側ハウジング内にケーブルを固定することができる。例えば、一実施形態によれば、ケーブル固定機構は蓋を備え、当該蓋はロック位置とロック解除位置との間で外側ハウジングに対して移動可能であり、外側ハウジングの開口部はケーブルが前記開口部を通して外側ハウジング内に挿入されることを可能にするように、蓋のロック解除位置において自由であり、蓋は、ケーブルが外側ハウジング内に収容され、蓋がロック位置にあるときに、ケーブルが固定システムに固定されるように、ロック位置において外側ハウジングを閉じる。
【0046】
このような蓋のおかげで、ケーブルは蓋のロック解除位置において外側ハウジング内に収容することができ、蓋をロック解除位置から蓋のロック位置に移動させることによって外側ハウジング内に固定することができる。
【0047】
一実施形態によれば、ロック位置にある蓋は、開口部を部分的に覆うことによって、例えば、開口部の中央部を覆い、開口部の第1の側部および第2の側部を自由に保つことによって、外側ハウジングを閉じる。このような開口部の部分的な閉鎖はハウジングが外側ハウジング内に長いケーブルを収容することを可能にし、前記長いケーブルは蓋が中央部を閉鎖し、開口部の2つの側部を通って外側ハウジングを横切ることによって外側ハウジング内に固定される。
【0048】
一実施形態によれば、外側ハウジングは、ケーブルを固定するための少なくとも1つのクランプを備える。一実施形態によれば、蓋および外側ハウジングは例えば、前記ケーブルを蓋と外側ハウジングの底部との間で圧搾することによって、ケーブルを外側ハウジング内に半径方向にクランプするように構成される。一実施形態によれば、前記クランプは、ケーブルを円周方向に圧迫するレバーまたはクリップを備える。一実施形態によれば、蓋は、ケーブルを外側ハウジング内に半径方向に保持するためにケーブルを覆う金属の薄片、例えば、0.5~5mmの半径方向厚さを有する金属の薄片である。
【0049】
一実施形態によれば、ロックレバーは蓋を形成する。この特徴のおかげで、中央本体に対するロックレバーの単純な回転は、固定システムを管上に固定することと、同じ回転運動で、ケーブルを固定するために外側ハウジングを閉じることとの両方を行うことができる。さらに、そのようなロックレバーは、外側ハウジングを閉じることと、ロックレバーの手動回転だけによって、工具なしで固定システムを固定することとの両方が可能である。
【0050】
一実施形態によれば、ケーブル固定機構は複数の外側ハウジングを有し、各外側ハウジングはケーブルを固定するように構成され、前記外側ハウジングは前記外側ハウジング内のその開口部を通ってケーブルを受け入れるための開口部を有し、前記外側ハウジングの前記開口部は外側面に配置される。このような複数の外側ハウジングのおかげで、固定システムは、ケーブル固定機構の向きの限定された変更なしに、または変更を伴って、ケーブルの要求された角度方向公差内で管上にケーブルを固定することができる。
【0051】
一実施形態によれば、外側ハウジングの開口部は、外側面上に円周方向に分布している。
【0052】
本発明の一態様によれば、本発明は石油およびガス、エネルギー、または貯蔵用途のための管状カラム用の管にケーブルを固定することを目的とする固定システムを提供し、前記固定システムは以下の構成を有する。
-支持面および外側面であって、前記支持面は内向きに向けられないし曲げられ、前記支持面は前記管の内側ハウジングを画定し、前記外側面は前記支持面に対して外側に向けられないし曲げられる、支持面および外側面;
-開状態および閉状態を有する管固定機構であって、前記管固定機構は前記管固定機構の閉状態において前記管上に前記固定システムを固定するように構成され、前記管は前記管固定機構の前記閉状態において前記内側ハウジング内に収容され、前記管固定機構は前記管固定機構の開状態において前記管に対して移動可能であり、前記管固定機構はバンドを備え、前記バンドは長手方向軸に沿って延在し、前記バンドは半径方向に延在し、前記バンドは前記管の周りに延在し、前記バンドは支持面を形成する、管固定機構;
-ケーブルを固定するための外側ハウジングを有するケーブル固定機構であって、前記外側ハウジングは、その開口部を通して、前記外側ハウジングの内側のケーブルを受け入れるための開口部を有し、前記外側ハウジングの前記開口部は、外側面に配置される、ケーブル固定機構。
【0053】
そのようなバンドは、管の周りで容易に変形可能であり得る。したがって、支持面を形成するバンドのおかげで、前記支持面は変形可能であることができ、したがって、管の周りにおける前記支持面の過剰延長(overextension)を可能にする。この過剰延長のおかげで、バンドは異なるサイズの管を収容することができ、したがって、固定機構は、必要に応じて、異なるサイズの管に対して使用され、また再使用されることができる。
【0054】
さらに、このような変形可能なバンドは、支持面を管に当接させるために、管の周りに容易に締め付けることができる。したがって、固定機構は、管の周りにバンドを締め付けるだけで、固定システムを管上に容易かつ迅速に固定することができる。
【0055】
そのような固定システムは、上述の特徴または以下の特徴のうちの1つまたは複数を備えることができる。
【0056】
固定システムの一実施形態によれば、管固定機構は、管固定機構の開状態で管が内側ハウジング内に収容されるとき、管に対して移動可能である。
【0057】
これらの特徴のおかげで、開状態の管固定機構は、管を内側ハウジングから取り外すことなく、管の周りを回転させることができる。したがって、固定システムを管から取り外すことなく、管に対する固定システムの向きを変更することができる。したがって、管に固定機構を予め取り付けることができ、管が坑井に取り付けられたとき、固定システムを管から取り外すことなく、ケーブルを開口部の前に配置するために、固定システムの管の周りの向きを変えることができる。したがって、固定システムの向き、特に固定機構の開口部は、現場で迅速かつ容易に変更することができる。
【0058】
固定システムの一実施形態によれば、管固定機構のバンドは円形断面を有する管の周りに円周方向に、すなわち、正放線方向に(orthoradially)延在し、前記バンドは支持面を形成する。
【0059】
一実施形態によれば、バンドは、バンドが管に対して引っ張られると、管の周りに延在することができる。
【0060】
固定システムの一実施形態によれば、管固定機構は、中央本体を備える。一実施形態によれば、バンドは第1の終端部および第2の終端部を有し、第1の終端部は中央本体に固定され、第2の終端部は閉鎖位置と遠隔位置との間で中央本体に対して移動可能に中央本体に取り付けられる。
【0061】
各々についての一側のみで互いに固定されるバンドと中央本体との間のこの構成により、バンドの第2の側部は中央本体に対して移動可能であり、固定システムは管上に軸方向に容易に装填または取り外すことができ、固定システムは、開放ベルトなどの前記管を取り囲む。
【0062】
管固定機構のおかげで、全てのリグの操作の前に固定機構を予め取り付けることが考えられ、したがって、固定機構が既に装填された管を輸送し、前記リグの操作中に物事を処理するのに必要な時間を大幅に節約する。
【0063】
「固定する(fix)」という用語は、特定の方向に従った移動を抑制または防止する2つのアイテムまたは特徴へのリンクを定義する。例えば、物体は別の物体上に回転して取り付けられ、その回転軸の周りを回転することができるが、他の軸に沿ったその相対位置は同じままである。
【0064】
固定システムの一実施形態によれば、バンドは第1の終端部および第2の終端部を有し、第1の終端部は中央本体に固定され、第1の終端部および第2の終端部は対向する反対の方向を向く。
【0065】
固定システムの一実施形態によれば、第2の終端部は、中央本体上に直接的または間接的に取り付けられ、閉鎖位置と遠隔位置との間で、中央本体に対して移動可能である。
【0066】
固定システムの一実施形態によれば、前記バンドの第1の終端部は第1の終端スリーブを備え、前記第1の終端スリーブは第1のシャフトを収容し、前記第1のシャフトは前記中央本体を前記バンドに固定する。
【0067】
これらの特徴のおかげで、バンドは中央本体に結合される。終端部のおかげで、バンドは、第1の終端スリーブなどのアタッチメントまたは接続要素を収容することができ、第1の終端スリーブは、中央本体などの他の要素と結合することができる。中央本体は、バンドのスリーブおよび中央本体の内側に収容されたときに枢動可能である第1のシャフトのおかげで、バンドに対して移動可能なままである。
【0068】
固定システムの一実施形態によれば、前記バンドの第2の終端部は、第2のシャフトを収容する第2の終端スリーブを備える。
【0069】
固定システムの一実施形態によれば、第2のシャフトは、中央本体に連結される。
【0070】
固定システムの一実施形態によれば、中央本体は、閉状態において、バンドの第2の終端部と中央本体とを互いに近づけるように構成されたロック機構を備える。
【0071】
固定システムの一実施形態によれば、ロック機構は、中央本体に枢動可能に取り付けられ、開状態と閉状態との間で回転するように構成されたロックレバーを備える。
【0072】
固定システムの一実施形態によれば、ロック機構は、中央本体に枢動可能に取り付けられ、そのロックレバーが中央本体から半径方向に離れている開状態と閉状態との間で回転するように構成されたロックレバーを備える。
【0073】
固定システムの一実施形態によれば、ロックレバーは、管固定機構の長手方向軸に平行な回転シャフト上に枢動可能に取り付けられる。
【0074】
固定システムの一実施形態によれば、ロック機構は、回転シャフトおよびシャフトを閉じた状態で一緒にロックするプリテンションねじを備える。
【0075】
ロック機構のおかげで、固定機構は必要に応じて、ロックレバーを開くことによって、例えば、手動で、または機械的装置を使用して遠隔で、容易に取り外すことができる。
【0076】
ロック機構のおかげで、固定システムは、管に向かう前記固定システムの任意の長手方向または回転運動を防止するために閉じることができる。
【0077】
ロックレバーのおかげで、自由端であるバンドの第2の終端部は、カム機構により中央本体の他の自由端に近づけることができる。閉鎖動作では、ロックレバーによって提供されるカム機構が、支持面の接触を通してバンドを管に対して引っ張ることによってバンド上の張力を増加させ、したがって、固定システム全体が管にしっかりと固定され、固定システムのすべての回転運動を防止することを可能にする。一実施形態によれば、カム機構は、クランクの回転によって管に対してバンドを引っ張ることによってバンドの張力を増加させるクランク機構によって置き換えられる。
【0078】
開放動作において、ロックレバーによって提供されるカム機構はバンドの前記張力を解放し、したがって、間隙を作り出すことを可能にし、前記間隙は管の周りにおける固定システムの手動回転を可能にし、例えば、それを所望の位置に調整する。
【0079】
プリテンションねじのおかげで、バンドの第2の終端部は、中央本体の残りの自由端部に係止される。前記プリテンションねじは、閉鎖動作において、カム機構のおかげで、バンドが中央本体に向かって引っ張られることを可能にする。
【0080】
固定システムの一実施形態によれば、中央本体は、シャフトを収容するように構成された少なくとも第1の終端スリーブを備える。
【0081】
固定システムの一実施形態によれば、ケーブル固定機構の外側ハウジングは長手方向軸に平行な少なくとも1つの長手方向溝を備え、前記長手方向溝は少なくとも1つのケーブルを収容することができる。
【0082】
本発明によるケーブル固定機構のおかげで、リグが操作の現場に到達する前に、装置全体を管上にプリインストールすることが考えられる。実際、本発明は、固定機構を緩め、ケーブルに向かって正しい方向に調整し、容易に閉じることを必要とするだけであるため、クランプ装置がケーブルの領域に面する場所を予測することのすべての困難を解消する。そのようなプリインストールはかなりの時間を節約し、したがって、クリティカルパスアクティビティを大幅に低減する。
【0083】
固定システムの一実施形態によれば、ロックレバーは閉状態において、中央本体に面する内側面と、管の外側面とを備え、内側面はケーブルをクランプするように設計された複数の歯を備える。
【0084】
複数の歯のおかげで、ロックレバーの閉鎖操作においてケーブルをクランプすることがより容易になり、前記ケーブルが滑り落ちることを防止し、ケーブルを長手方向溝の内側に直接同伴させることが可能になる。
【0085】
固定システムの一実施形態によれば、ケーブル固定機構は、ロックレバーを閉状態に維持するように構成された保持機構を備える。
【0086】
固定システムの一実施形態によれば、保持機構は、中央本体に枢動可能に取り付けられた保持レバーを備え、閉状態と開状態との間で長手方向に回転する。
【0087】
保持レバーのおかげで、ロックレバーは完全にブロックされ、したがって、ロックレバーがカラム内での利用中にそれ自体をロック解除することを防止することによって、さらなる付加的な安全性を提供する。保持レバーはまた、閉鎖操作においてロックレバーの閉鎖を完了するための追加の強度を提供することができる。
【0088】
一実施形態によれば、本発明は、石油およびガス、エネルギー、または貯蔵用途のための管状カラム用の管にケーブルを固定するように意図された固定システムも提供し、前記固定システムは以下の構成を備える。
-第1のリングと、
-第2のリングと、
-第1のリングと第2のリングとの間に長手方向軸に沿って配置された中央本体と、を備え、
第1のリングは、第2のリングに向かって方向付けられた持ち上げ面を有し、前記持ち上げ面は半径方向に延び、前記持ち上げ面は前記管を持ち上げて、第1のリングに向かう長手方向軸に沿って前記第1のリングの変位を阻止するように、前記管に当接するように構成され、
前記第2のリングは、第1のリングに向かって方向付けられた当接面を有し、前記当接面は半径方向に延び、前記当接面は前記第1のリングに向かう長手方向軸に沿って前記第2のリングの変位を阻止するように、前記管に当接するように構成され、
前記中央本体は、第1の長手方向端部と第2の長手方向端部とを有し、前記中央本体の前記第1の長手方向端部は、当該第1の長手方向端部を前記第1のリングにリンクするように構成され、第2の長手方向軸に沿った中央本体に対する第1のリングの変位を阻止する第1の阻止機構を有し、前記中央本体の前記第2の長手方向端部は、当該第2の長手方向端部を第2のリングにリンクするよう構成され、第1のリングから離れる長手方向軸に沿った中央本体に対する第2のリングの変位を阻止する第2の阻止機構を有し、ケーブルを固定するための外側ハウジングを有するケーブル固定機構をさらに備え、前記外側ハウジングは前記外側ハウジング内の前記ケーブルを、その開口部を通して受け入れるための開口部を有し、前記外側ハウジングの前記開口部は前記固定システムの外側面上に配置され、前記外側面は前記固定システムの内側ハウジングに対して外側に向けられ、前記内側ハウジングは前記管を収容するように構成される、固定システム。
【0089】
これらの特徴のおかげで、固定システムは管を持ち上げるために、または、坑井内に管またはストリングを設置するためのストリングを持ち上げるために、使用することができる。より具体的には、固定システムの持ち上げ面が管の対応する面、例えば、管の連結箱によって形成される肩面と協働することができる。
【0090】
さらに、第2のリングのおかげで、固定システムは、前記固定システムが坑井に取り付けられる前に管に予め取り付けられている場合、管のねじ部のためのプロテクタとして使用することができる。
【0091】
したがって、そのような固定システムは例えば、ケーブルを管に固定するためにリグ上で容易かつ迅速に使用することに関して、上述の利点を提供することができ、さらに、前記管を坑井内に設置するために持ち上げ、リグ上でのその輸送および変位中に管を保護するために使用することができる。さらに、固定システムの構造、すなわち、2つの別々の分離されたリングおよび中央本体のおかげで、固定システムの各部分は、その主要機能専用の材料を使用して製造することができる。例えば、第1のリングは坑井内のストリング全体を持ち上げることを可能にする抵抗および機械的強度特性を有する材料を使用して製造することができ、一方、中央本体および第2のリングは、より軽い材料で製造することができる。
【0092】
そのような固定システムは、上述の特徴のうちの1つまたは複数、および/または以下の特徴のうちの1つまたは複数を備え得る。
【0093】
一実施形態によれば、第2のリングは案内面を備え、前記案内面は第1のリングに対して反対に方向付けられ、前記案内面は長手方向軸に対してテーパ状であり、前記案内面の第1の長手方向端部が大径を有し、かつ、前記案内面の第2の長手方向端部が小径を有し、前記案内面の第2の長手方向端部は、長手方向軸に沿って案内面の第1の長手方向端部と第1のリングとの間に配置される。
【0094】
一実施形態によれば、小径の部分は、管の内径に対して半径方向外側にオフセットされるように、例えば、管の内側ねじ山に対して半径方向外側にオフセットされるように構成される。
【0095】
これらの特徴のおかげで、第2のリングは、固定システムが取り付けられる管内への別の管の挿入を案内するための案内リングとして使用することができる。言い換えれば、固定システムは上述したように、管上にケーブルをクランプする機能を提供するだけでなく、管またはストリングを持ち上げ、さらに、固定システムが取り付けられる管内に別の管を挿入するのを案内する機能も提供する。したがって、そのような第2のリングを製造するために使用される材料は、固定システムが取り付けられる管内への第2の管の挿入を案内する機能に従って選択することができる。
【0096】
一実施形態によれば、第1のリングは第1の内側面を有し、前記第1の内側面は管の第1の部分を取り囲むように意図され、前記第2のリングは第2の内側面を有し、前記第2の内側面は管の第2の部分を取り囲むように意図され、前記中央本体は第3の内側面を有し、前記第3の内側面は管の第3の部分に向かって方向付けられるように意図され、前記管の第3の部分は管の長手方向軸に沿って管の第1の部分と管の第2の部分との間に配置され、前記第1の内側面、第2の内側面、および第3の内側面は管の内側ハウジングを形成する。一実施形態によれば、第1の内側面および/または第2の内側面および/または第3の内側面は、例えば歯またはリブなどの把持レリーフを備える。そのような把持レリーフは管に対する前記内側面の回転を阻止または制限するために、それぞれ、管の第1の部分、管の第2の部分、または管の第3の部分に当接する。
【0097】
一実施形態によれば、第2のリングは内側肩部を備え、前記内側肩部は当接面を形成し、前記内側肩部は第2の内側面から半径方向内向きに延びる。したがって、第2の内側面は管の端部への第2のリングの良好な挿入を可能にし、その一方で、そのような内側肩部は、前記内側肩部の管の端部に当接することによって、第1のリングへの第2のリングの変位を阻止する。
【0098】
一実施形態によれば、第2のリングは、長手方向軸に沿って第2の内側面と案内面との間に配置された中央内側面を備え、前記中央内側面は長手方向軸に平行であり、内側肩部と案内面とを接合する。これらの特徴のおかげで、第2のリングは、特に内側肩部および案内面の両方に関して、良好な機械的抵抗を提供する長手方向厚さを有する。
【0099】
一実施形態によれば、第3の内側面は、持ち上げ面の内径に対して半径方向外側にオフセットされる。そのような第3の内側面は例えば、連結箱によって形成された管の第3の部分を取り囲むように意図され、したがって、主管外径よりも大きい外径を有する。
【0100】
一実施形態によれば、外側面は、中央本体上に配置される。第1のリングおよび第2のリングに関して、中央本体を製造するために使用される材料は管上にケーブルを固定する関連機能に従って選択することができ、したがって、ケーブル重量を支持するのに十分に強い機械的抵抗、または外側ハウジング内にケーブルを受容するための外側ハウジングの変形を可能にする剛性、寸法および弾性を有するが、外側ハウジング内に収容されたときに前記ケーブルをクランプすることを可能にする前記外側ハウジングの弾性特性および寸法を有する。
【0101】
一実施形態によれば、固定システムは、開状態および閉状態を有する管固定機構をさらに備え、管固定機構は、管固定機構の閉状態で管に固定システムを固定するように構成され、管は管固定機構の前記閉状態で固定システムの内側ハウジング内に収容され、管固定機構は管固定機構の開状態で管に対して移動可能である。
【0102】
一実施形態によれば、管固定機構は、バンドを備え、前記バンドは長手方向軸の周りに円周方向に延在し、前記バンドは管に当接することが意図される支持面を形成する内側面を有し、前記バンドは前記バンドの内径を変更するように、互いに対して移動可能な第1の終端部および第2の終端部を有する。
【0103】
一実施形態によれば、中央本体は、第1のリングおよび/または第2のリングに対して長手方向軸の周りで回転可能である。一実施形態によれば、第1のリングは円周方向に延びる第1の外側溝を備え、第2のリングは円周方向に延びる第2の外側溝を備え、第1の阻止機構は第1の外側溝に収容された第1のフックを備え、第2の阻止機構は第2の外側溝に収容された第2のフックを備える。これらの特徴のおかげで、阻止機構は、リングに対する中央本体の長手方向軸に沿った変位を阻止する。
【0104】
一実施形態によれば、第1の外側溝は第1の主当接面と第2の主当接面とを備え、第1の主当接面は第2の主当接面に円周方向に対向し、第1のフックは第1の主当接面と第2の主当接面との間に円周方向に配置される。
【0105】
一実施形態によれば、第2の外側溝は第1の二次当接面および第2の二次当接面を備え、第1の二次当接面は第2の二次当接面に円周方向に対向し、第2のフックは第1の二次当接面と第2の二次当接面との間に円周方向に配置される。
【0106】
本発明はさらに、パイプと、上記に記載の固定システムとを備えるカラム部分セット(column portion set)を提供し、前記管が前記固定システムの内側ハウジング内に収容され、前記管固定機構が閉状態にあり、前記ケーブル固定機構が前記管に固定されている。
【0107】
管固定機構およびケーブル固定機構のおかげで、管のクリティカルパスアクティビティまたは設置時間は、例えば約3秒~5秒、大幅に低減され、設置作業の大幅なコスト削減につながる。
【0108】
上述の特徴のおかげで、本発明は同じシステムにおいて異なる機能を組み合わせることを可能にし、管固定機構は固定システムを管に固定することができ、ケーブル固定機構は管に固定されるケーブルをクランプすることができ、両方の機能は、単独でまたは組み合わせて使用することができる。
【0109】
これらの特徴のおかげで、本発明はまた、前記管上に設置されたときに、管に対する保護を提供する。実際、そのような固定システムは例えば雄型または雌型端部ねじ付き管状要素を外部環境から隔離し、管が落下した場合の衝撃損傷を防止するために管を保護する機能を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0110】
本発明はより良く理解され、本発明の他の目的、詳細、特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的な例示としてのみ与えられる本発明のいくつかの特定の実施形態の以下の説明の過程でより明確になるであろう。
図1図1は、管に取り付けられるように意図された固定システムの概略分解図である。
図2図2は、固定システムの固定機構が閉じた状態で管に取り付けられた図1の固定システムの概略図である。
図3図3は、図2とは異なる視角から管に取り付けられた図1の固定システムの概略図である。
図4図4は、図2または図3の管に取り付けられた固定システムの、管の長手方向軸に平行な平面における断面図である。
図5図5は、固定システムの中央本体の第1の長手方向端部と、固定システムの第1のリングと、管との間の協働を示す図4の詳細図である。
図6図6は、固定システムの中央本体の第2の長手方向端部と、固定システムの第2のリングと、管との間の協働を示す図4の詳細図である。
図7図7は、管の長手方向軸に垂直な平面内で、固定機構が開状態で管に取り付けられた固定システムの断面図である。
図8図8は、管の長手方向軸に垂直な平面内で、固定機構が閉じた状態で管に取り付けられた固定システムの断面図である。
図9図9は、図2または図3の固定システムの保持レバーの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0111】
以下の説明では「長手方向」、「横断方向」、「垂直方向」、「前部」、「後部」、「左」、および「右」という用語は図面に示されるような通常の直交ベンチマークに従って定義され、以下の軸を含むものである。
【0112】
長手方向軸X: 正面図の左から右への水平方向軸、
横断方向軸Y: 長手方向軸Xに垂直であり、正面図の後部から前部に延びる横軸、
垂直方向軸Z: 長手方向軸Xおよび横断方向軸Yに直交する縦軸。
【0113】
さらに、明細書および特許請求の範囲において、用語「外側」または「内側」および向き「軸方向」および「半径方向」は、明細書に与えられた定義に従って、固定システムまたは管の要素を示すために使用されるものとする。長手方向軸Xは、「軸方向」配向を決定する。「半径方向」配向は、長手方向軸Xに対して直角に向けられる。「円周方向」配向は、長手方向軸ないし回転軸Xに直交し、半径方向に直交する、すなわち、直交方向に向けられる。用語「外側」または「内側」は、長手方向軸Xに関して、1つの構成要素の別の構成要素に対する向きまたは相対位置を定義するために使用される。前記長手方向軸に近接するかまたは対向する構成要素は、外周に半径方向に位置するか、または長手方向軸Xから離れる方向に面する外側または外側構成要素とは反対に、内側または内向きと呼ばれる。
【0114】
図1は、ケーブル5を管2に固定するための固定システム1を示す。管2は先に定義され、図1に示されるように、長手方向軸Xに平行な長手方向軸A1を有する。
【0115】
固定システム1は、管固定機構6と、管2を収容するための内側ハウジング7を画定する支持面3と、ケーブル固定機構9と、第1のリング12と、第2のリング13とを備える(本明細書でさらに詳細に説明する)。
【0116】
管固定機構6は、図示の実施形態では、管2を部分的に取り囲むように、直交方向に延びるバンド101を備える。このバンド101はまた、管2の周りに半径方向に延び、バンド101の厚さを画定する。バンド101はまた、軸A1に平行に長手方向に延在し、したがって、バンド101の幅を画定する。このバンド101は、固定システム1の支持面3を部分的に形成する。
【0117】
前記バンド101は変形可能であることができ、また、管2の周りにおいて、前記バンド101、ひいては支持面3を過剰伸長(overextension)することを可能にする。この過剰伸長のおかげで、バンド101は異なるサイズの管2を収容することができ、したがって、固定システム1は、必要に応じて、異なるサイズの管2に対して使用および再使用することができる。
【0118】
バンド101は、バンド101が管2を円周方向に取り囲む際に反対の方向を向いている第1の終端部103および第2の終端部105をさらに備える。これらの終端部103および105は、それぞれ、第1の終端スリーブ104および第2の終端スリーブ106を備える。それぞれの終端スリーブ104および106は、当該終端スリーブがいかなる種類の中断も含まない場合には連続的であるか、あるいは、終端スリーブが同じ終端スリーブの2つの終端部の間の孔のような中断を許容することができる場合には不連続的であるかのいずれかであり得る。図1に示される実施形態の場合、第1の終端スリーブ104および第2の終端スリーブ106は不連続である。スリーブは多くの実施形態によって作製することができ、例えば、図1では、終端スリーブ104および106はループ状である。
【0119】
固定システム1は、開放ベルトなどの管2の包囲体を完成させる中央本体102を備える。中央本体102は、長手方向軸A1に平行な第1の終端スリーブ108を備える。
【0120】
バンド101の第1の終端スリーブ104および中央本体102の第1の終端スリーブ108は両方とも、第1のシャフト111を収容する。この構成は、バンド101および中央本体102が依然として一定レベルの可動性を認めながら互いに接合されることを可能にする。実際、中央本体102は、バンド101および中央本体102のスリーブ104および108の内側に収容されたときに枢動可能である第1のシャフト111のおかげで、バンド101に対して移動可能なままである。
【0121】
長手方向軸A1に平行な第2のシャフト112は、バンド101の第2の終端部105の第2の終端スリーブ106に収容される。第2のシャフト112は、貫通孔116を備える。
【0122】
管固定機構6は、ロック機構110の閉状態において、バンド101の第2の終端部105と中央本体102とを互いに近づけるように構成されたロック機構110を備える。
【0123】
ロック機構110は、図1のようなロックレバー109を備える。ロックレバー109が中央本体102に枢動可能に取り付けられ、ロックレバー109が中央本体から半径方向に離れている開状態と閉状態との間で回転するように構成される。より具体的には、ロックレバー109は、中空の空洞117を備える回転シャフト114上に枢動可能に取り付けられ、ロックレバー109および回転シャフト114の両方は中央本体102上に収容される。そのような中空の空洞は例えば、図に示されるような貫通孔、または盲孔であり得る。
【0124】
回転シャフト114は、長手方向軸A1に平行なそれ自体の回転軸A2を提供する。回転シャフトは以下に説明するように、中央本体に対して並進移動可能に取り付けられる。
【0125】
ロック機構110は、第2のシャフト112の貫通孔116および回転シャフト114の中空空洞117を横切ることができるプリテンションねじ115を備え、したがって、回転シャフト114および第2のシャフト112を閉状態で一緒にロックする。
【0126】
ロックレバー109は、回転シャフト114の長手方向回転軸A2の周りでロックレバー109を回転させるときに、回転シャフト114が中央本体102に対して移動するように、回転軸A2と比較して中心がずれた部分である後述の湾曲部141を有する。プリテンションねじ115は、シャフト112および114が対応する中空空洞117および貫通孔116内を摺動するときにそれのシャフトに接続され、それによって、バンドの第2の終端部を中央本体102の第2の自由端(T2)に向かって近付ける。このことは、以下の図7および8においても説明される。
【0127】
ロック機構110のおかげで、固定システム1は、手動または遠隔でロックレバー109を開くことによって、必要に応じて容易に取り外すことができる。
【0128】
ロック機構110のおかげで、固定システム1は、管に対する前記固定システム1の任意の長手方向または回転運動を防止するために閉じることができる。
【0129】
ロックレバー109によって、自由端であるバンド101の第2の終端部105は、以下に説明するようなカム機構によって、中央本体の他の自由端に近づけることができる。
【0130】
閉鎖動作において、ロックレバー109によって提供されるカム機構は、支持面3の接触を通して管2に対してバンド101を引っ張ることによってバンド101に対する張力を増加させ、したがって、固定システム1全体が管2にしっかりと固定され、固定システム1のすべての回転運動を防止することを可能にする。
【0131】
開放動作においては、ロックレバー109によって提供されるカム機構は、バンド101の前記張力を解放し、したがって、間隙を作り出すことを可能にし、前記間隙は例えば、それを所望の位置に調整するために、管2の周りにおける固定システム1の手動回転を可能にする。
【0132】
プリテンションねじ115のおかげで、バンド101の第2の終端部105は、中央本体102に係止される。前記プリテンションねじ115は、閉鎖動作において、カム機構によって、バンド101が中央本体102に向かって引っ張られることを可能にする。
【0133】
ケーブル固定機構9は、長手方向軸A1に平行な少なくとも1つの長手方向溝120を備える外側ハウジング8を備え、前記長手方向溝120は少なくとも1つのケーブル5を収容することができる。
【0134】
本発明によるケーブル固定機構9のおかげで、リグの作業現場に到着する前に、管2上に固定システム1全体をプリインストールすることが考えられる。実際、本発明は、ケーブル固定機構をケーブル5に向かって正しい方向に調整し、容易に閉じるために、管固定機構6を緩めることのみを必要とするだけであるので、ケーブル固定機構がケーブルの領域に面する場所を予測するという全ての困難を解消する。そのようなプリインストールはかなりの時間を節約し、したがって、クリティカルパスアクティビティを大幅に低減する。
【0135】
ロックレバー109は、閉状態で、中央本体102と管2の外側面とに面する内側面133を備え、内側面133はケーブル5をクランプするように設計された把持面134を備える。
【0136】
把持面134のおかげで、ロックレバー109の閉鎖操作においてケーブル5をクランプすることがより容易になり、ケーブル5が滑り落ちるのを防ぎ、ケーブル5を長手方向溝の内側に直接付随させることが可能になる。例えば、把持面134は、複数の歯であってもよい。
【0137】
管固定機構6およびケーブル固定機構9のおかげで、前記固定システム1を管2に固定するための工具は必要なく、ケーブル5をクランプするための工具も必要なく、その結果、管2のクリティカルパスアクティビティまたは設置時間は、例えば約3秒~5秒で大幅に低減され、設置作業の大幅なコスト削減につながる。
【0138】
これらの特徴のおかげで、本発明は同じ固定システム1において異なる機能を組み合わせることを可能にし、管固定機構6は管2上に固定システムを固定することができ、ケーブル固定機構9はケーブル5をクランプすることができ、両方の機能は、単独でまたは組み合わせて使用することができる。
【0139】
これらの特徴のおかげで、本発明はまた、前記管2上に設置されたときに、管2に対する保護を提供する。実際、このような固定システム1は例えば、雄または雌の端部ねじ付き管状要素を外部環境から分離し、管2を保護して、落下した場合の管2の衝撃損傷を防止する機能を提供する。
【0140】
図2は、図1の固定システム1を、組み立てられた状態で、かつ、閉じられた状態で示す。この選択された視角では、プリテンションねじ115によって互いに固定されたバンド101の第2の終端部105と、中央本体102の第2の自由端(T2)との間のレイアウトが示されている。プリテンションねじ115は、貫通孔116を通して第2の終端スリーブ106を、中空空洞117を通して回転シャフト114を、一緒にロックする。したがって、第2の終端スリーブ106と回転シャフト114とは、それらの間に直接接触がないので、互いに離れて固定される。
【0141】
図3図2の固定システム1の別の視角を示す。この選択された視角では、バンド101の第1の終端スリーブ104と中央本体102の第1の終端スリーブ108との間のレイアウトが図示されており、これらは両方とも同じ第1のシャフト111を収容している。したがって、前記シャフト111は、バンド101の第1の終端スリーブ104および中央本体の第1の終端スリーブ108の両方の内側で摺動される。この構成では、バンド101と中央本体102とが密接に接合されているので、それらを分離する距離は存在しない。
【0142】
中央本体102に収容された保持機構118も示されている。前記保持機構118は、ロックレバー109を閉状態に維持するための補強を提供する保持レバー119を備える。保持機構118のさらなる詳細は、図8および図9を参照してさらに説明される。
【0143】
中央本体102、第1のリング12、第2のリング13、および管の間の協働について、図4図6を参照して以下に説明する。
【0144】
図4または図5に示されるように、管2の外側面22は、外側肩部23を含む。この外側肩部23は管2が管2の本体部分24のための主外径D1と、管2の端部25のための終端外径D2とを有するように半径方向に延在し、管2の前記端部25は、別の管の外側ねじ部を受容するための内側ねじ部を備える。管2の終端外径D1は、管2の終端外径D2よりも小さい。
【0145】
第1のリング12は、円周方向に延びる内側面14を有する。内側面14の直径D3は、管2の主外径D1よりも大きく、管2の終端外径D2よりも小さい。したがって、第1のリング12は、内側面14が管2の前記本体部分24を包囲するように、管2の本体部分24に取り付けることができる。
【0146】
第1のリング12は、内側面14から半径方向外側に延在する持ち上げ面26をさらに備える。この持ち上げ面26は、当該持ち上げ面26が管2の外側肩部23に当接することができるように、第1のリング12の装着状態で管2の外側肩部23に面している。したがって、第1のリング12は、管2の外側肩部23に対して持ち上げ面26を当接させることによって、管2、または、互いにねじ込まれた複数の管を含む完成した管ストリングさえも、持ち上げるために使用することができる。特に、終端外径D2が内側面14の前記直径D3よりも大きいままであり、その結果、持ち上げ面26が管2の外側肩部23に当接することができる限り、同じ第1のリング12を、内側面14の直径D3よりも小さい異なる主外径D1を有する異なる管に取り付けることができる。
【0147】
図1図3に示すように、第1リング12は、半径方向外側に延びる第1の阻止壁27および第2の阻止壁28をさらに備える。第1の阻止壁27および第2の阻止壁28の各々は、長手方向部分および円周方向部分を備える。長手方向部分は長手方向軸A1に垂直な平面内に延在し、第2のリング13に対向するよう方向付けられた長手方向阻止面29を形成する。周方向部分は、半径方向外側にかつ長手方向軸A1に平行に延びる円周方向阻止面30を形成する。第1の阻止壁27の横方向阻止面30と第2の阻止壁28の円周方向阻止面30は、互いに円周方向に対向している。
【0148】
第2のリング13は、円周方向に延びる内側面15を備える。前記内側面15の直径は、管2の終端外径D2よりも大きい。第2のリング13は、内側肩部31を備える。前記内側肩部31は、長手方向軸A1に垂直な平面内で内側面15から半径方向に延びる。内側肩部31の半径方向内側端部は、前記内側肩部31が管2の終端部に当接するように、終端外径D2よりも小さい直径を有する。さらに、内側肩部31の半径方向内側端部は、管2の端部25の内径D4よりも大きい直径を有し、その結果、内側肩部31は、管2の端部25の内側面を越えて半径方向内側に延在せず、管2の端部25の内側への別の管の挿入を阻止しない。第1のリング12と同様に、第2のリング13は、内側面15の直径が終端外径D2よりも大きく、内側肩部31の半径方向内側端部が内径D4よりも大きい直径を有する限り、異なる終端外径D2および内径D4を有する異なる管2に取り付けることができる。したがって、異なる寸法を有する異なる管に固定システム1を取り付けるために、第1および第2のリング12、13の直径の標準寸法を使用することが可能である。
【0149】
第2のリング13は、案内面32を備える。案内面32は長手方向軸A1に対して先細のテーパ状であり、小径は、前記案内面32の大径よりも管2から近くに配置される。第2リング13の中央内側面33は、長手方向軸A1に平行に延びて、内側肩部31の半径方向内側端部を案内面32の小径に接合する。これらの特徴のおかげで、第2のリング13は、管2の端部25に別の管を挿入するためのスタビングガイドとして使用することができる。
【0150】
第2のリング13は、上述した第1のリング12の第1の阻止壁27および第2の阻止壁28と同様の第1の阻止壁34および第2の阻止壁35を有する。第1の阻止壁34および第2の阻止壁35は、第1のリング12の長手方向阻止面29および第2のリング13の長手方向阻止面29が長手方向軸A1に沿って対向する向きを有し、第1のリング12の長手方向阻止面29が第2のリング13から離れるように方向付けられ、第2のリング13の長手方向阻止面29が第1のリング12から離れるように方向付けられるという点で、第1の阻止壁27および第2の阻止壁28とは異なる。
【0151】
中央本体102は、本体部分36と、2対の脚部37とを備える。上述のような本体部分36は、バンド101と協働して、前記中央本体102を管2上に固定する。一対の脚部37の各脚部37は中央本体102の本体部分36から、図に示される実施形態では円周側から長手方向に延在する。第1の対の脚部37の脚部37は本体部分36から第1のリング12に向かって長手方向に延び、第1のリング12のそれぞれの長手方向阻止面29を越えて延びる。第2の一対の脚部37の脚部37は本体部分36から第2のリング13に向かって長手方向に延び、第2のリング13のそれぞれの長手方向阻止面29を越えて延びる。
【0152】
中央本体102の本体部分36に対向する脚部37の長手方向端部はラグ38を含む。前記ラグ38は、長手方向軸A1に沿って、対応する長手方向阻止面29に面するように半径方向内向きに延在する。
【0153】
図5に示すように、第1の対の脚部37の脚部37は、長手方向軸A1に沿って第2のリング13に向かう中央本体102の移動を阻止するように、第1のリング12の長手方向阻止面29と当接して協働する。同様に、図6に示すように、第2の対の脚部37の脚部37は、長手方向軸A1に沿って第1のリング12に向かう中央本体102の移動を阻止するように、第2のリング13の長手方向阻止面29と当接するように協働する。
【0154】
言い換えれば、脚部37は、中央本体102およびリング12および13を長手方向軸A1に沿って一緒に維持するためにリング12および13と協働するフックを形成する。さらに、第1のリング12が第2のリング13に向かう変位を阻止されるので、持ち上げ面26が管2の外側肩部23に当接し、第2のリング13が第1のリング12に向かう変位を阻止され、また、内側肩部31が管2の終端部分に当接し、第2のリング13に向かう変位を阻止されるので、固定システム1が管2に取り付けられるとき、固定システム1全体は長手方向軸A1に沿った変位を阻止される。したがって、例えば製造プロセス中に固定システム1をプリインストールすることが可能であり、固定システム1は、設置場所への輸送のすべてのステップ中、管2上に設置されたままである。さらに、第2のリング13は例えば輸送中または貯蔵中に、管2の終端部に保護を提供する。さらに、第2のリング13が案内面32を備えるので、固定システム1がプリインストールされていれば、リグに別の管を挿入するための案内手段を設置する必要がなく、リグへの対応する設置期間が節約される。
【0155】
図1図3に示されるように、脚部37のラグ38の各々は、それぞれの円周方向阻止面30に対して円周方向に面する。各リング12および13の円周方向阻止面30が円周方向に対面するので、第1のリング12および第2のリング13の対応する円周方向阻止面30に対するラグ38の当接によって、リング12および13ならびに中央本体102は、長手方向軸A1の周りにおける相対回転が阻止される。
【0156】
長手方向阻止面29および円周方向阻止面30は、他の実施形態に従って作製されるべきである。例えば、第1の阻止壁27、34および第2の阻止壁28、35は、リング12、13の半径方向の厚さにおいて半径方向に延びる溝または孔に置き換えることができる。したがって、長手方向阻止面29および円周方向阻止面30は、リング12、13の厚さにおいて前記溝または孔を画定する壁によって形成される。さらに、ラグ38は、長手方向阻止面29および円周方向阻止面30と協働するように、前記溝または孔の内側で半径方向内向きに延在する。
【0157】
上記したように、管2またはストリングを持ち上げるための第1のリング12、管2の終端部への別の管の挿入を案内するための第2のリング13、およびケーブル5を管2に固定するためのケーブル固定機構9を含む中央本体102を使用することにより、関連する機能に適合した材料を使用して、リング12、13および中央本体102を製造することが可能になる。例えば、第1のリング12は、管2またはストリングの重量に抵抗するのに十分な機械的抵抗を有する材料で製造される。第1のリング12のためのこのような材料は例えば、110ksiを超える高い降伏強度を有する金属である。第2のリング13の主な機能は管2の終端部を保護し、また別の管の挿入を案内することであるので、前記第2のリング13を製造するために選択される材料は、第1のリング12に使用される材料よりも軽いものとすることができる。第2のリング13のためのそのような材料は例えば、316ステンレス鋼または他のステンレス鋼である。同様に、中央本体102を製造するための材料は、主にケーブル5を固定し、ケーブル5の重量を支持し、リング12、13および中央本体102を一緒に維持するその機能に従って選択することができ、したがって、例えば、316ステンレス鋼または他のステンレス鋼または耐腐食性金属から作製することができる。
【0158】
次に、図7図8を参照して、管固定機構6について詳細に説明する。図7および図8は、管固定機構6の開状態および閉状態における管固定機構6をそれぞれ示している。
【0159】
図7に示されるように、バンド101は、第1の終端部103から第2の終端部105まで、管2を円周方向から取り囲む。上述のように、第1のシャフト111は、バンド101の第1の終端部103が中央本体102に枢動可能に取り付けられ、円周方向および半径方向に沿って中央本体102に固定されるように、バンド101の第1の終端部103の第1の終端スリーブ104および中央本体102の第1の終端スリーブ108の両方に収容される。
【0160】
バンド101の第2の終端部105は、プリテンションねじ115と、ロックレバー109が取り付けられる回転シャフトとによって、ロックレバー109に連結される。プリテンションねじ115の第1の端部136はバンド101の第2の終端スリーブ106の2つの部分の間を通り、また第2の終端スリーブ106に収容された第2のシャフト112の貫通孔116を通る。このプリテンションねじ115の頭部137は、中央本体102に対向する第2のシャフト112の側に配置される。この頭部137は第2のシャフト112の貫通孔116よりも大きい寸法を有し、プリテンションねじ115が中央本体102に向かって引っ張られるとき、プリテンションねじ115の前記頭部137が第2のシャフト112に当接するようになっている。プリテンションねじ115は、中央本体102内の通路138を通過する。頭部137とは反対のプリテンションねじ115の第2の端部139は、ねじ切りされている。回転シャフト114の中空空洞117もねじ切りされている。プリテンションねじ115の第2の端部139は、ロックレバー109内に収容された回転シャフト114のねじ切りされた中空空洞117内にねじ込まれる。したがって、回転シャフト114にプリテンションねじ115を多少ねじ込むことによって、プリテンションねじ115の頭部137、したがってバンド101の第2の終端部105を、中央本体102に対して閉じた位置または離れた位置に調整することができる。
【0161】
また、上述したように、固定機構9は、カム機構を備えている。このカム機構は、ロックレバー109上に配置された第1のカム面121と、中央本体102上に配置された第2のカム面122とを備える。
【0162】
第1カム面121は、平面部140と、湾曲部141とを有する。したがって、ロックレバー109が取り付けられた回転シャフト114の回転軸A2が、湾曲部141よりも平面部140から近くなるような曲率となるように、当該湾曲部が形成されている。言い換えると、湾曲部141と回転軸A2との間の最短距離は、平面部140と湾曲部141との接合部に位置する。
【0163】
第2のカム面122は平面であり、半径方向に延在する。図7および図8に示される実施形態では、中央本体102が長手方向軸A1に沿って半径方向外側に延びるフランジ142を備える。このフランジ142は、プリテンションねじ115のための通路138を備え、第2のカム面122を形成する。
【0164】
図7に示すように、固定機構6の開状態では、ロックレバー109が開放され、第1カム面121の平面部140が第2カム面122に当接している。その結果、回転シャフト114はフランジ142から近く、プリテンションねじ115の頭部137は中央本体102から離れる。頭部137が中央本体102から離れているので、バンド101は緩く、中央本体102は管2の周りを回転することができる。さらに、ロックレバー109のこの開状態ではロックレバー109は、ロックレバー109がケーブル固定機構9の外側ハウジング8の開口部10から離れるように主に半径方向に延び、この開口部10はケーブル5が外側ハウジング8の内部で引っ張られることができるように自由である。
【0165】
固定機構6を図7に示す開状態から図8に示す閉状態に切り替えるために、ロックレバー109は、外側ハウジング8の開口部10に向かってその回転軸を中心に回動される。この回転中、第1のカム面121および第2のカム面122は、第1のカム面121の第2のカム面122に当接する部分を第1のカム面121の平面部分140から第1のカム面121の湾曲部141に切り替えることによって協働する。第1のカム面121の湾曲部141が第2のカム面122と協働すると、回転シャフト114は、中央本体102のフランジ142から離れるように移動する。回転シャフト114をフランジ142から遠ざけることによって、プリテンションねじ115の頭部137、ひいてはバンド101の第2の終端部105は、中央本体102のより近くに引っ張られる。バンド101の第2の終端部105のこの変位は、バンド101が管2を円周方向に取り囲み、バンド101の第1の終端部103が中央本体102に円周方向に固定される一方で、バンド101を管2に対して締め付け、バンド101が管2に当接し、バンド101および中央本体102の管2上での回転を阻止する力を管2に加える。言い換えると、ロックレバー109を閉じることにより、バンド101の第2の終端部105が中央本体102に近づき、管2の周りでバンド101を締め付けて、固定システム1を管上に固定する。
【0166】
このような固定機構6のおかげで、固定システム1は、管2の周りの回転において容易にロックまたはロック解除することができる。実際、固定機構6を、固定システム1が管2に固定されている閉状態から、固定システム1を管2の周りで回転させることができる開状態に切り替えることは、ロックレバー109を開くだけで容易に行うことができる。さらに、開状態では、固定システム1は依然として管2を取り囲んでおり、中央本体102の両側に連結された2つの終端部103、105を有するバンド101のおかげで、固定システム1は管2の周りを回転することしかできず、管2から半径方向に離れることができない。上述のように、中央本体102は、第1および第2のリング12および13によって長手方向軸A1に沿ってブロックされるので、固定システム1もまた、長手方向軸A1に沿ってブロックされる。その結果、固定システム1が管2上に残っている間に、外側ハウジング8の開口部10の向きを変えるために、固定システム1は、管2の周りで容易に回転させることができる。
【0167】
また、この開位置から閉位置への回動時には、ロックレバー109が外側ハウジング8の開口部10を覆うように回動され、ロックレバー109が外側ハウジング8の内部のケーブル5を阻止するために外側ハウジング8の蓋を形成する。管固定機構6が閉状態では、ロックレバー109が主に円周方向に延在し、中央本体102および外側ハウジング8を覆う。
【0168】
プリテンションねじ115の設置中、第1のシャフト111と第1のカム面121との間の、バンド101およびプリテンションねじ115の円周方向長さによって画定される管2の周りの距離が第1のシャフト111と第2のカム面122の半径方向外側端部との間の管2の同じ部分の周りの距離よりも最短になるように、プリテンションねじ115は中空空洞117にねじ込まれ、この距離は円周方向成分および半径方向成分を含む。これらの特徴のおかげで、ロックレバー109の回転中でさえ、ロックレバー109は中央本体から半径方向に離れることができず、第1のカム面121は第2のカム面122と接触したままである。ロックレバー109を中央本体に半径方向に連結された状態でさらに維持するために、第2のカム面は、ロックレバー109に向かってわずかに先細にされ得、したがって、上述の距離の間の差を増加させる。別の実施形態では、フランジ142内の通路138は窓であり、プリテンションねじ115は前記窓を画定するフランジ142の上部に当接することによって、前記窓を通過し、したがって半径方向にブロックされる。別の実施形態では、中央本体が回転シャフト114の長手方向の反対側の2つの端部を収容し、かつ変位を案内するためのスロット付きハウジングを有することができる。
【0169】
図7および図8に示される実施形態では、ケーブル固定機構9の外側ハウジング8は2つの溝39を備える。前記溝39は、中央本体102の外側面4上に配置され、それぞれ1本または複数のケーブル5を収容することができる。各溝39は、長手方向軸A1に平行に延びる。各溝39は、第1の長手方向側部40と、中央部41と、第2の長手方向側部42とを有する開口部を備える。中央部41は、第1の長手方向側部40から第2の長手方向側部42まで長手方向に延在する。溝39の前記開口部は、外側ハウジング8の開口部10を形成する。言い換えれば、各溝39は長手方向軸A1に垂直な平面において「U」字形の断面を有し、中央本体102の外側面4によって形成される底面と、側壁43によってそれぞれ形成される2つの側面とを有する。これらの側壁43は主に、半径方向外側に延び、長手方向軸A1に平行である。側壁43は、連続的または不連続的であり得る。図7および8に示される実施形態では、中央本体102は、外側面4から連続的かつ長手方向に延在するリブ44を備える。このリブ44は2つの溝39の各々のためのそれぞれの第1の側壁を形成し、リブ44は、前記2つの溝39を分離する。このリブ44は、その回転を阻止することなくロックレバー109を受容するための外側凹部45を備える。他の側壁43は不連続であり、脚部38およびロックレバー109によって形成される。
【0170】
1つまたは複数のそのような溝39によって形成された外側ハウジング8は、外側ハウジング8内に引き込まれる1つまたは複数のケーブル5に対して半径方向に到達可能な開口部10を有する。さらに、開いた第1の長手方向側部40および第2の長手方向側部42を有するこのような溝39は、長いケーブル5を収容することができ、ケーブル5は開口部の中央部41を通って溝39内に引き込まれ、前記長いケーブル5は第1の長手方向側部40および第2の長手方向側部42を通って延びる。このように、ロックレバー109が閉状態のケーブル固定機構6を切り替えるために下げられると、ロックレバー109は、ケーブル5が依然として第1の長手方向側部40および第2の長手方向側部42を通過する間に、開口部10の中央部41を覆うことによって、長いケーブル5を溝39内にブロックする。
【0171】
溝39はロックレバー109がケーブル5を溝39内にクランプし、したがってケーブル5を径方向および長手方向の両方の位置に維持するように、ケーブル5の直径よりも最短の径方向深さを有することができる。溝39および/またはロックレバー109はまた、溝39内にケーブル5をクランプする、歯またはリブなどの把持面を有することができる。外側ハウジング8はまた、ケーブル5を外側ハウジング8内にクランプするための変形可能なクリップ(図示せず)を有することができる。
【0172】
ケーブル固定機構9は、ケーブル5を外側ハウジング8内にブロックするための異なる実施形態を有することができる。例えば、蓋は、ロックレバー109の主要な機能が管上にバンド101を締め付けることになるように、ロックレバー109から分離することができ、一方、中央本体102上に回転可能に取り付けられた独立した蓋(図示せず)は、外側ハウジング8を閉じるために使用することができる。
【0173】
図7および8に示される実施形態では、固定システムが保持レバー119を備える。保持レバー119は、バンド101の第1の終端部103と同じ側方で中央本体102に枢動可能に取り付けられる。保持レバー119は、長手方向軸A1に垂直な軸の周りを回転可能である。保持レバー119は、保持レバー119がロックレバー109の回転を妨げない第1の位置と、保持レバー119が回転シャフト114に対向するロックレバー109の端部46を覆う第2の位置との間で切り替え可能である。保持レバー119は主に、図7に示される開位置において直交方向に延び、図8に示される閉位置においては長手方向軸A1に平行である。
【0174】
ロックレバー109の端部46はロックレバーが開口部10を覆っているときに、ロックレバー109の本体部分に対して半径方向内側にオフセットされた凹部47を備え、ロックレバーの前記本体部分は、外側ハウジング8のための蓋を形成する。保持レバー119は、ロックレバー109の閉位置および保持レバー119の閉位置において前記凹部47を覆い、その結果、ロックレバー109は、最初に保持レバー119を開かなければ、開くことができない。したがって、この保持レバー119により、ロックレバー109を容易に閉位置に維持することができる。
【0175】
図8または図9に示すように、保持レバー119の内側面48は湾曲している。この内側面48の湾曲は、保持レバー119がロックレバー109に向かう薄い半径方向厚さと、ロックレバー109に対向する大きな厚さとを有するようなものである。保持レバー119が開位置から閉位置に回動すると、まず、保持レバー119の薄肉部を有する内側面48がロックレバー109の凹部47の外側面に当接する。次いで、保持レバー119をさらに閉じることによって、保持レバー119が閉位置にされている間、保持レバーの厚さが内側面48の湾曲によって上昇することにつれて、ロックレバー109の凹部47は、内側面48によって中央本体102に向かって半径方向に引っ張られる。保持レバー119を閉じることにより、ロックレバー109の凹部47に増大する力を加え、前記ロックレバー109を中央本体102に向かって引っ張ることになるので、上記のような湾曲した内側面48は、ロックレバー109を閉じる容易な方法を提供する。保持レバー119とロックレバー109との協働を閉位置において維持するために、保持レバー119はロック面49を有し、ロック面49は、保持レバー119が凹部47を覆うときに、周方向成分を有する力を加えることなく凹部47に当接するように、ロックレバー109の凹部47の外側面に平行に延びる。
【0176】
一実施形態によれば、保持レバー119は、スロット付き孔50を使用して中央本体102に枢動可能に取り付けることができる。保持レバー119が閉状態では、このようなスロット付き孔50は、保持レバー119の閉位置において長手方向軸線A1と平行に延びる。したがって、保持レバー119の前記閉位置において、保持レバー119は保持レバー119が閉位置から開位置に移動するためにその回転軸の周りを自由に回転することができる第1の閉位置から、保持レバー119がその回転軸の周りを回転してロックされ、閉位置に維持される、すなわち、開位置に切り替えることができないロック位置まで、長手方向軸A1に沿って並進させることができる。前記ロック位置では、保持レバー119は、例えば、保持レバー119のロック面が中央本体102の対応するロック面に当接することによって、回転を阻止することができ、前記ロック面は保持レバー119の回転を可能にするために、第1の閉位置で長手方向軸A1に沿ってオフセットされる。
【0177】
動詞「有する」、「備える」または「含む」およびその同語源の形態のいずれかの使用は、請求項に記載されたもの以外の要素またはステップの存在を排除しない。要素またはステップに対する不定冠詞「a」または「an」の使用は別段の指定がない限り、複数のそのような要素またはステップの存在を排除するものではない。
【0178】
特許請求の範囲において、括弧内の任意の参照符号は、特許請求の範囲の限定事項として解釈されるべきではない。
図1
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