(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】電池モジュール、これを含む電池パックおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/211 20210101AFI20240802BHJP
H01M 50/284 20210101ALI20240802BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20240802BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20240802BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240802BHJP
H01M 10/655 20140101ALI20240802BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20240802BHJP
H01M 50/557 20210101ALI20240802BHJP
H01M 50/264 20210101ALI20240802BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240802BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M50/284
H01M50/50 201Z
H01M50/298
H01M50/204 401H
H01M10/655
H01M50/548 301
H01M50/557
H01M50/264
H01M50/291
(21)【出願番号】P 2023511983
(86)(22)【出願日】2022-01-07
(86)【国際出願番号】 KR2022000274
(87)【国際公開番号】W WO2022149897
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0003178
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ホング・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・パク
(72)【発明者】
【氏名】スビン・パク
【審査官】多田 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-173890(JP,A)
【文献】特開2013-026090(JP,A)
【文献】特表2020-505723(JP,A)
【文献】国際公開第2020/194966(WO,A1)
【文献】特開2010-244894(JP,A)
【文献】特表2023-535947(JP,A)
【文献】特表2023-536453(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0066896(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0016326(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0054709(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0000551(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/20-50/298
H01M10/52-10/667
H01M50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極リードを含む複数の電池セルが積層された電池セル積層体と、
前記電極リードが突出した前記電池セル積層体の前面および後面をそれぞれ覆う第1センシングブロックおよび第2センシングブロックと、
前記第1センシングブロック、前記第2センシングブロックおよび前記電池セル積層体の両側面をカバーする弾性部材とを含み、
少なくとも2つの前記電極リードは、前記第1センシングブロックのスリットまたは前記第2センシングブロックのスリットを通過した後、曲がって互いに接合されて電極リード接合体を形成し、
前記弾性部材が前記電極リード接合体をカバー
し、
前記弾性部材は、前記第1センシングブロック、前記第2センシングブロックおよび前記電池セル積層体の前記両側面に沿って連続的につながる電池モジュール。
【請求項2】
前記電池セル積層体の上面および下面が露出する、請求項
1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記電池セルの電圧情報伝達のためのLV(Low Voltage)センシング組立体を含み、
前記LVセンシング組立体は、前記第1センシングブロックおよび前記第2センシングブロックの少なくとも1つに位置する、請求項
1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記LVセンシング組立体が前記電極リード接合体と連結される、請求項
3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記LVセンシング組立体は、LVコネクタと、前記LVコネクタと前記電極リード接合体とを連結する連結部材と、前記連結部材の一端に位置して前記電極リード接合体に接合される接合プレートとを含む、請求項
4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記連結部材は、フレキシブルプリント回路基板またはフレキシブルフラットケーブルである、請求項
5に記載の電池モジュール。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか一項に記載の電池モジュールと、
前記電池モジュールを収納するパックフレームと、
前記電池モジュールと前記パックフレームの底部との間に位置する熱伝導性樹脂層とを含み、
前記弾性部材は、下部が開放されて、前記電池セル積層体の下面が露出する電池パック。
【請求項8】
前記電池セル積層体の前記下面は、前記熱伝導性樹脂層と接触する、請求項
7に記載の電池パック。
【請求項9】
電極リードを含む複数の電池セルを積層して電池セル積層体を製造する段階と、
前記電極リードが突出した前記電池セル積層体の前面および後面をそれぞれ覆うように第1センシングブロックおよび第2センシングブロックを配置する段階と、
前記電極リードを前記第1センシングブロックのスリットまたは前記第2センシングブロックのスリットに通過させた後、少なくとも2つの前記電極リード同士を互いに接合させて電極リード接合体を形成する段階と、
前記第1センシングブロック、前記第2センシングブロックおよび前記電池セル積層体の両側面をカバーするように弾性部材を配置する段階とを含み、
前記弾性部材が前記電極リード接合体をカバー
し、
前記弾性部材は、前記第1センシングブロック、前記第2センシングブロックおよび前記電池セル積層体の前記両側面に沿って連続的につながる電池モジュールの製造方法。
【請求項10】
前記第1センシングブロックおよび前記第2センシングブロックの少なくとも1つに前記電池セルの電圧情報伝達のためのLV(Low Voltage)センシング組立体が位置する、請求項
9に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項11】
前記LVセンシング組立体と前記電極リード接合体とを連結する段階をさらに含む、請求項
10に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項12】
前記LVセンシング組立体は、LVコネクタと、前記LVコネクタと前記電極リード接合体とを連結する連結部材と、前記連結部材の一端に位置した接合プレートとを含み、
前記LVセンシング組立体と前記電極リード接合体とを連結する段階で、前記接合プレートを前記電極リード接合体に接合させる、請求項
11に記載の電池モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2021年1月11日付の韓国特許出願第10-2021-0003178号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュール、これを含む電池パックおよびその製造方法に関し、より具体的には、生産性が向上した電池モジュール、これを含む電池パックおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現代社会では、携帯電話、ノートパソコン、ビデオカメラ、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常化されるにつれ、このようなモバイル機器に関連する分野の技術に対する開発が活発になっている。また、充放電可能な二次電池は、化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方策として、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として用いられていることから、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在商用化された二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあるが、このうち、リチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらず、充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いというメリットから注目されている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は、主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と共に密封収納する電池ケースとを備える。
【0006】
一般に、リチウム二次電池は、外装材の形状により、電極組立体が金属缶に内蔵されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内蔵されているパウチ型二次電池とに分類される。
【0007】
小型機器に用いられる二次電池の場合、2-3個の電池セルが配置されるが、自動車などのような中大型デバイスに用いられる二次電池の場合は、多数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(Battery module)が用いられる。このような電池モジュールは、多数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって、容量および出力が向上する。また、1つ以上の電池モジュールは、BDU(Battery Disconnect Unit)、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0008】
図1は、従来の電池モジュールを示す分解斜視図である。
【0009】
図1を参照すれば、従来の電池モジュール10は、電池セル積層体20がモジュールフレーム30とエンドプレート40に収納されて形成される。
【0010】
電池セル積層体20は、複数の電池セル11が一方向に沿って積層されて形成され、これによって電極リード11Lが電池セル11の積層される一方向と垂直な方向に突出できる。
【0011】
モジュールフレーム30は、電池セル積層体20を外部衝撃などから保護するために所定の強度を有する素材からなり、構造的には、上部フレーム31と下部フレーム32とが結合されて形成される。上部フレーム31および下部フレーム32の対応する角同士で溶接接合を行うことができる。
【0012】
電池セル積層体20を基準として電極リード11Lの突出方向にエンドプレート40が位置することができ、電池セル積層体20とエンドプレート40との間にバスバーフレーム50が位置することができる。モジュールフレーム30とエンドプレート40は、対応する角同士で溶接接合を行うことができる。
【0013】
図2は、
図1の電池モジュールに含まれているバスバーフレーム50とエンドプレート40を拡大して示す斜視図であり、
図3は、
図2の「A」部分を拡大して示す部分図である。この時、説明の便宜のために、
図3は、電池セル11の電極リード11Lが含まれている様子を示した。
【0014】
図1~
図3を参照すれば、バスバーフレーム50にはバスバー51が装着される。バスバー51は、複数の電池セル間の電気的連結のためのもので、電池セル11の電極リード11Lがバスバーフレーム50に形成されたスリットを通過した後、曲がってバスバー51と連結される。電極リード11Lとバスバー51との間の連結において、電気的連結が可能であればその方法に制限はなく、一例として、溶接接合で連結される。このように、バスバー51を介して電池セル11が電気的に連結された電池セル積層体20は、外部に露出する端子バスバーなどを介して他の電池モジュールやBDU(Battery Disconnect Unit)などと連結可能である。つまり、従来の電池モジュール10は、バスバー51を介して電池セルを電気的に連結し、端子バスバーなどを介して電池モジュール10を他の電池モジュールと電気的に連結することによって、HV(High Voltage)連結を実現することができる。ここで、HV連結は、電力を供給するための電源の役割の連結であって、電池セル間の連結や電池モジュール間の連結を意味する。
【0015】
一方、電池モジュール10の発火や爆発を防止するために、電池セルの電圧情報と温度情報を測定してBMS(Battery Management System)に伝達する必要がある。従来の電池モジュール10は、LV(Low Voltage)センシング組立体60を含み、電池セルの電圧情報を前記BMSに伝達することができる。具体的には、LVセンシング組立体60が接合部材61によってバスバー51と連結されて各電池セルの電圧を測定することができ、測定された値をコネクタを介して外部BMSに伝達することができる。つまり、従来の電池モジュール10は、バスバー51とLVセンシング組立体60を介して電圧情報を伝達することによって、LV(Low Voltage)連結を実現することができる。ここで、LV連結は、電池セルの電圧を検知し制御するためのセンシング連結を意味する。
【0016】
まとめると、従来の電池モジュール10は、HV連結を実現するために、積層された電池セルそれぞれの電極リード11Lをバスバー51に接合し、LV連結を実現するために、LVセンシング組立体60を電極リード11Lが接合されたバスバー51に連結することができる。また、このようなバスバー51を装着するために、バスバーフレーム50を形成することができる。
【0017】
ただし、電池モジュール10にこのようなHV連結とLV連結を実現するためには、多くの部品が必要であり、複雑な一連の製造工程が要求されるというデメリットがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明が解決しようとする課題は、従来のHV連結構造とLV連結構造を改善して生産性が向上した電池モジュール、これを含む電池パックおよびその製造方法を提供することである。
【0019】
しかし、本発明の実施例が解決しようとする課題は上述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張可能である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一実施例による電池モジュールは、電極リードを含む複数の電池セルが積層された電池セル積層体と、前記電極リードが突出した前記電池セル積層体の前面および後面をそれぞれ覆う第1センシングブロックおよび第2センシングブロックと、前記第1センシングブロック、前記第2センシングブロックおよび前記電池セル積層体の両側面をカバーする弾性部材とを含む。少なくとも2つの前記電極リードは、前記第1センシングブロックのスリットまたは前記第2センシングブロックのスリットを通過した後、曲がって互いに接合されて電極リード接合体を形成し、前記弾性部材が前記電極リード接合体をカバーする。
【0021】
前記弾性部材は、前記第1センシングブロック、前記第2センシングブロックおよび前記電池セル積層体の前記両側面に沿って連続的につながる。
【0022】
前記電池セル積層体の上面および下面が露出できる。
【0023】
前記電池モジュールは、前記電池セルの電圧情報伝達のためのLV(Low Voltage)センシング組立体を含むことができ、前記LVセンシング組立体は、前記第1センシングブロックおよび前記第2センシングブロックの少なくとも1つに位置することができる。
【0024】
前記LVセンシング組立体が前記電極リード接合体と連結される。
【0025】
前記LVセンシング組立体は、LVコネクタと、前記LVコネクタと前記電極リード接合体とを連結する連結部材と、前記連結部材の一端に位置して前記電極リード接合体に接合される接合プレートとを含むことができる。
【0026】
前記連結部材は、フレキシブルプリント回路基板(FPCB:Flexible Printed Circuit Boardd)またはフレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)であってもよい。
【0027】
本発明の一実施例による電池パックは、前記電池モジュールと、前記電池モジュールを収納するパックフレームと、前記電池モジュールと前記パックフレームの底部との間に位置する熱伝導性樹脂(Thermal resin)層とを含む。前記弾性部材は、下部が開放されて、前記電池セル積層体の下面が露出する。
【0028】
前記電池セル積層体の前記下面は、前記熱伝導性樹脂層と接触できる。
【0029】
本発明の一実施例による電池モジュールの製造方法は、電極リードを含む複数の電池セルを積層して電池セル積層体を製造する段階と、前記電極リードが突出した前記電池セル積層体の前面および後面をそれぞれ覆うように第1センシングブロックおよび第2センシングブロックを配置する段階と、前記電極リードを前記第1センシングブロックのスリットまたは前記第2センシングブロックのスリットに通過させた後、少なくとも2つの前記電極リード同士を互いに接合させて電極リード接合体を形成する段階と、前記第1センシングブロック、前記第2センシングブロックおよび前記電池セル積層体の両側面をカバーするように弾性部材を配置する段階とを含む。前記弾性部材が前記電極リード接合体をカバーする。
【0030】
前記弾性部材は、前記第1センシングブロック、前記第2センシングブロックおよび前記電池セル積層体の前記両側面に沿って連続的につながる。
【0031】
前記第1センシングブロックおよび前記第2センシングブロックの少なくとも1つに前記電池セルの電圧情報伝達のためのLV(Low Voltage)センシング組立体が位置することができる。
【0032】
前記電池モジュールの製造方法は、前記LVセンシング組立体と前記電極リード接合体とを連結する段階をさらに含むことができる。
【0033】
前記LVセンシング組立体は、LVコネクタと、前記LVコネクタと前記電極リード接合体とを連結する連結部材と、前記連結部材の一端に位置した接合プレートとを含むことができる。前記LVセンシング組立体と前記電極リード接合体とを連結する段階で、前記接合プレートを前記電極リード接合体に接合させることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の実施例によれば、従来のバスバーを除去する代わりに、電極リード間の接合および電極リードとLVセンシング組立体との間の接合を一体に形成して、HV連結とLV連結が同時に行われるので、生産性の向上を期待できる。
【0035】
また、バスバーの使用が不必要なだけに、電池モジュールの重量が軽くなり、製造単価が低くなるというメリットがある。
【0036】
さらに、センシングブロック上でHV連結とLV連結が行われるが、このようなセンシングブロックをカバーする弾性部材を配置して、センシングブロックの保護および固定が可能になる。
【0037】
本発明の効果は以上に言及した効果に制限されず、言及されていないさらに他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】従来の電池モジュールを示す分解斜視図である。
【
図2】
図1の電池モジュールに含まれているバスバーフレームとエンドプレートを拡大して示す斜視図である。
【
図3】
図2の「A」部分を拡大して示す部分図である。
【
図4】本発明の一実施例による電池モジュールを示す斜視図である。
【
図5】
図4の電池モジュールに対する分解斜視図である。
【
図6】
図5の電池モジュールに含まれている電池セルを示す斜視図である。
【
図7】
図4の電池モジュールの前面部分を拡大して示す部分斜視図である。
【
図8】
図7の電池モジュールの前面部分を正面から眺めた図である。
【
図9】
図5の電池モジュールに含まれている電池セル積層体と冷却フィンを示す斜視図である。
【
図10】
図4の電池モジュールが複数集まって形成した電池パックを示す斜視図である。
【
図11】
図10の切断線B-B’に沿った断面を示す断面図である。
【
図12】本発明の一実施例による電池モジュールの製造方法を説明するための斜視図である。
【
図13】本発明の一実施例による電池モジュールの製造方法を説明するための斜視図である。
【
図14】本発明の一実施例による電池モジュールの製造方法を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付した図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0040】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0041】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示のものに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0042】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは、他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。さらに、基準となる部分の「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に向かって「上に」位置することを意味するのではない。
【0043】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0044】
さらに、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0045】
図4は、本発明の一実施例による電池モジュールを示す斜視図である。
図5は、
図4の電池モジュールに対する分解斜視図である。
図6は、
図5の電池モジュールに含まれている電池セルを示す斜視図である。
【0046】
図4~
図6を参照すれば、本発明の一実施例による電池モジュール100は、電極リード111、112を含む複数の電池セル110が積層された電池セル積層体200と、電極リード111、112が突出した電池セル積層体200の前面および後面をそれぞれ覆う第1センシングブロック410および第2センシングブロック420と、第1センシングブロック410、第2センシングブロック420および電池セル積層体200の両側面をカバーする弾性部材700とを含む。ここで、前面は、電池セル積層体200のy軸方向の面を意味し、後面は、電池セル積層体200の-y軸方向の面を意味し、両側面は、それぞれ電池セル積層体200のx軸および-x軸方向の面を意味する。また、下面は、電池セル積層体200の-z軸方向の面を意味し、上面は、電池セル積層体200のz軸方向の面を意味する。ただし、これは説明の便宜のために称した面であり、対象となる事物の位置や観測者の位置などに応じて異なる。上述のように、電池セル積層体200の前面および後面は、電池セル110の突出した電極リード111、112が位置した面であってもよい。
【0047】
まず、電池セル110は、パウチ型電池セルであることが好ましく、長方形のシート状構造に形成される。本実施例による電池セル110の電極リードは、突出した第1および第2電極リード111、112を含む。具体的には、本実施例による電池セル110は、第1および第2電極リード111、112がセル本体113を基準として互いに対向して一端部114aと他端部114bからそれぞれ突出している構造を有する。より詳しくは、第1および第2電極リード111、112は、電極組立体(図示せず)と連結され、前記電極組立体(図示せず)から電池セル110の外部に突出する。第1および第2電極リード111、112は、互いに異なる極性であって、一例として、その1つは正極リード111であってもよく、他の1つは負極リード112であってもよい。つまり、1つの電池セル110を基準として正極リード111と負極リード112が互いに対向する方向に突出できる。
【0048】
一方、電池セル110は、セルケース114に電極組立体(図示せず)を収納した状態で、セルケース114の両端部114a、114bとこれらを連結する一側部114cとを接着することによって製造できる。言い換えれば、本実施例による電池セル110は、計3箇所のシーリング部を有し、シーリング部は、熱融着などの方法でシーリングされる構造であり、他の一側部は、連結部115からなる。セルケース114は、樹脂層と金属層とを含むラミネートシートからなる。
【0049】
このような電池セル110は複数で構成され、複数の電池セル110は、相互電気的に連結できるように積層されて電池セル積層体200を形成する。特に、
図4および
図5に示されているように、x軸と平行な方向に沿って複数の電池セル110が積層される。これによって、第1電極リード111および第2電極リード112は、それぞれy軸方向と-y軸方向に突出できる。つまり、第1電極リード111および第2電極リード112は、電池セル積層体200の前記前面および前記後面に位置することができる。
【0050】
以下、
図7および
図8などを参照して、本実施例による第1センシングブロックと第2センシングブロックについて詳しく説明する。
【0051】
図7は、
図4の電池モジュールの前面部分を拡大して示す部分斜視図である。
図8は、
図7の電池モジュールの前面部分を正面から眺めた図である。ただし、
図7および
図8は、説明の便宜のために、
図4の弾性部材700が省略された様子を示した。
【0052】
図5~
図8を併せて参照すれば、第1センシングブロック410と第2センシングブロック420は、電極リード111、112が突出した電池セル積層体200の前面および後面をそれぞれ覆う。より具体的には、第1センシングブロック410は、電池セル積層体200の前記前面と弾性部材700との間に位置することができ、第2センシングブロック420は、電池セル積層体200の前記後面と弾性部材700との間に位置することができる。弾性部材700については後述する。
【0053】
このような第1センシングブロック410と第2センシングブロック420は、電気的絶縁を示す素材を含むことができ、一例として、プラスチック素材、高分子素材または複合素材を含むことができる。また、第1センシングブロック410と第2センシングブロック420は、一種のバスケット形状を有し、電池セル積層体200の前記前面および前記後面をそれぞれ覆うように構成される。
【0054】
以下、説明の重複を避けるために、
図7と
図8に示された第1センシングブロック410を基準として説明するが、第2センシングブロック420にも同一あるいは類似の構造が適用可能である。
【0055】
上述のように、電極リード111、112が電池セル積層体200の前記前面および前記後面に位置することができる。この時、第1センシングブロック410にはスリット410Sが形成され、第1センシングブロック410が配置される時、電極リード111、112がこのようなスリット410Sを通過する。次に、少なくとも2つの電極リード111、112が曲がって互いに接合されて電極リード接合体110Lを形成する。第2センシングブロック420にも同様にスリットが形成され、電極リードがこのようなスリットを通過した後、曲がって電極リード接合体を形成することができる。
【0056】
より具体的には、隣接した電池セル110に対して同じ方向に突出した電極リード111、112がその電極リード111、112の突出方向と垂直な方向に曲がり、互いに接合されて電極リード接合体110Lを形成することができる。これによって、電極リード接合体110Lの一面は、電池セル110から電極リード111、112が突出する方向(y軸方向)と垂直であってもよい。この時、互いに同じ極性の電極リード同士で接合されてもよく、互いに異なる極性の電極リード同士で接合されてもよい。言い換えれば、電池セル110間の並列連結を実現するために、互いに同じ極性の電極リード同士で接合することができ、また、電池セル110間の直列連結を実現するために、互いに異なる極性の電極リード同士で接合することができる。これは電池モジュールの設計に応じて異なる。
【0057】
一方、電池セル積層体200の外側に位置した電池セル110の電極リード111、112は、端子バスバー500と連結される。従来の電池モジュール10(
図1~
図3参照)がバスバー51を介して電極リードを互いに連結したのとは異なり、本実施例による電極リード111、112は互いに直接接合され、その一部が端子バスバー500と連結されることによって、HV(High Voltage)連結を形成することができる。ここで、HV連結は、電力を供給するための電源の役割の連結であって、電池セル間の連結や電池モジュール間の連結を意味する。したがって、本実施例によるHV連結構造において、バスバーおよびバスバーが装着されるバスバーフレームは除去可能である。
【0058】
一方、本実施例による電池モジュール100は、電池セルの電圧情報伝達のためのLV(Low Voltage)センシング組立体900を含むことができる。LVセンシング組立体900は、第1センシングブロック410および第2センシングブロック420の少なくとも1つに位置することができる。具体的には、第1センシングブロック410のうち電池セル積層体200に対向する面の反対面にLVセンシング組立体900が位置することができる。同様に、具体的に図示しないが、第2センシングブロック420のうち電池セル積層体200に対向する面の反対面にLVセンシング組立体900が位置することができる。
【0059】
LVセンシング組立体900は、LV(Low voltage)連結のためのものであり、ここで、LV連結は電池セルの電圧を検知し制御するためのセンシング連結を意味する。LVセンシング組立体900を介して電池セル110の電圧情報と温度情報が外部BMS(Battery Management System)に伝達される。このようなLVセンシング組立体900は、電極リード接合体110Lと連結される。
【0060】
このようなLVセンシング組立体900は、LVコネクタ910と、LVコネクタ910と電極リード接合体110Lとを連結する連結部材920と、連結部材920の一端に位置して電極リード接合体110Lに接合される接合プレート930とを含むことができる。
【0061】
LVコネクタ910は、複数の電池セル110を制御するために、外部の制御装置と信号を送受信するように構成される。連結部材920は、フレキシブルプリント回路基板(FPCB:Flexible Printed Circuit Boardd)またはフレキシブルフラットケーブル(FFC:Flexible Flat Cable)であってもよい。複数の電池セル110から測定された電圧および温度情報が、連結部材920とLVコネクタ910を介して外部のBMS(Battery Mamagement System)に伝達される。つまり、LVコネクタ910と連結部材920とを含むLVセンシング組立体900は、各電池セル110の過電圧、過電流、過発熱などの現象を検出し、制御することができる。接合プレート930は、連結部材920の一端に位置し、電気伝導性を有する金属素材で構成される。このような接合プレート930を電極リード111、112に接合することによって、連結部材920と電極リード111とを電気的、物理的に連結することができる。具体的には、接合プレート930の一側は、連結部材920を貫通した後、曲がることによって連結部材920と結合され、接合プレート930の他側は、板状形態に構成されて電極リード111、112と接合、特に溶接接合可能である。
【0062】
一方、上述のように、電池セル110は、x軸方向に沿って積層されて電池セル積層体200を形成することができ、これによって、電極リード111、112は、それぞれy軸方向と-y軸方向に突出できる。この時、上述のように、少なくとも2つの電極リード111、112が曲がって互いに接合されて電極リード接合体110Lを形成することができる。このような電極リード接合体110LにLVセンシング組立体900の接合プレート930が直接接合されて、LVセンシング組立体900と電極リード111、112とが互いに連結される。
【0063】
電極リード接合体110Lを形成するための電極リード111、112間の接合や電極リード接合体110Lと接合プレート930との間の接合において、電気的連結が可能であればその接合方式に特別な制限はなく、一例として、溶接接合が行われる。また、y軸方向に突出した電極リード111、112を基準として説明したが、-y軸方向に突出した電極リード111、112についても同様に電極リード接合体およびLVセンシング組立体900の構造が形成される。
【0064】
従来の電池モジュール10は、HV連結のために、バスバー51に電極リード11Lを接合させ、また、これとは別個にバスバー51にLVセンシング組立体60を連結する。これに対し、本実施例による電池モジュール100は、電極リード接合体110Lを形成する時、HV連結とLV連結がそれぞれ行われずに一度に行われるので、生産性の向上を期待することができ、バスバーフレームなどの構成を除去可能で、よりコンパクトな構成の電池モジュール100を製造できるというメリットを有する。
【0065】
これとともに、バスバーの使用が不必要で、バスバーやバスバーフレームを除去することができる。また、従来のバスバーフレーム50とエンドプレート40を、第1および第2センシングブロック410、420および後述する弾性部材700に代替したものであるので、電池モジュール100の重量が軽くなり、その製造単価が低くなるというメリットがある。
【0066】
一方、本実施例による第1センシングブロック410と第2センシングブロック420は、電池モジュール100のHV連結およびLV連結を案内すると同時に、所定の強度を備えて電池セル110を保護する役割を担うことができる。
【0067】
以下、このような弾性部材700について詳しく説明する。
【0068】
図4および
図5を再び参照すれば、本実施例による弾性部材700は、電池セル積層体200の前記前面、前記後面および前記両側面に沿って連続的につながる。より具体的には、弾性部材700が第1センシングブロック410、第2センシングブロック420および電池セル積層体200の両側面に沿って連続的につながる。複数の電池セル110が繰り返し充放電される過程で、その内部の電解質が分解しガスが発生して電池セル110が膨らむ現象、つまり、スウェリング(Swelling)現象が発生しうる。特に、各電池セル110は、電池セル110の積層方向(x軸と平行な方向)にスウェリングが起こりうる。本実施例では、弾性を有する弾性部材700が電池セル積層体200の前記前面、前記後面および前記両側面に沿って連続的につながるため、電池セル110のスウェリングを抑制することができ、電池セル110の積層方向での電池モジュール100の変形を最小化することができる。
【0069】
一方、
図4および
図5に示されているように、本実施例による弾性部材700は、電極リード111、112、つまり、電極リード接合体110Lをカバーする。構造上、電極リード接合体110Lが第1センシングブロック410や第2センシングブロック420の外側に位置するが、このような電極リード接合体110Lを弾性部材700がカバーすることによって、外部環境から電極リード接合体110Lに対する保護が可能である。
【0070】
つまり、本実施例により、第1センシングブロック410、第2センシングブロック420および弾性部材700を含む電池モジュールは、従来のモジュールフレーム30(
図1参照)とエンドプレート40(
図1参照)が除去されたモジュールレス(module-less)構造を形成することができる。モジュールフレーム30やエンドプレート40の代わりに、電池モジュール100が第1センシングブロック410、第2センシングブロック420および弾性部材700によってその形態が維持および固定できる。モジュールフレームとエンドプレートが除去されることによって、電池セル積層体200をモジュールフレームの内部に収納する工程やモジュールフレームとエンドプレートを組立てる工程のように精密なコントロールが要求される複雑な工程が不必要である。また、除去されたモジュールフレームとエンドプレートだけ電池モジュール100の重量を大きく低減できるというメリットを有する。また、本実施例による電池モジュール100は、モジュールフレームの除去により、電池パック組立工程時に再作業性が有利というメリットを有するが、従来の電池モジュール10において、モジュールフレーム30自体の溶接やモジュールフレーム30とエンドプレート40との間の溶接において不良が発生しても再作業が不可能であることと比較できる。
【0071】
また、弾性部材700の上部と下部が開放されて電池セル積層体200の上面および下面が外部に露出するが、モジュールフレームによって囲まれるよりも熱発散に効果的であるため、冷却性能が向上できる。ここで、上面は、電池セル積層体200のz軸方向の面を意味し、下面は、電池セル積層体200の-z軸方向の面を意味する。
【0072】
一方、このような弾性部材700は、所定の弾性力を有すればその素材に特別な制限はないが、一例として、高分子ポリマー合成素材、FRP(Fiber-reinforced plastic)などの複合材料および金属合金の少なくとも1つを含むことができる。
【0073】
図9は、
図5の電池モジュールに含まれている電池セル積層体と冷却フィンを示す斜視図である。
【0074】
図5および
図9を参照すれば、本実施例による電池モジュール100は、電池セル110の間に位置した冷却フィン300をさらに含むことができる。
図5および
図9では、1つの冷却フィン300のみを示したが、電池セル110の間それぞれに、本実施例による冷却フィン300がすべて位置することができる。
【0075】
冷却フィン300は、熱伝導度が高い金属素材を含むことができる。具体的な素材の制限はなく、一例として、アルミニウム(Al)を含むことができる。熱伝導度が高い冷却フィン300を電池セル110の間に配置し、直接付着させて冷却面積を広げることができる。これによって冷却性能が向上する。
【0076】
上述のように、弾性部材700の下部が開放されて電池セル積層体200の下面が外部に露出するが、本実施例による冷却フィン300は、電池セル積層体200の下面から突出できる。これによって、本実施例による冷却フィン300は、後述する熱伝導性樹脂層と直接接触できる。電池セル110の間に配置された冷却フィン300を直接熱伝導性樹脂層と接触させることによって、電池モジュールの熱排出性能を極大化させることができる。
【0077】
一方、
図4および
図5を再び参照すれば、本実施例による電池モジュール100は、電池セル積層体200の前記両側面と弾性部材700との間に位置する板状型の側面パッド600をさらに含むことができる。モジュールフレームとエンドプレートが除去される代わりに、側面パッド600が電池セル積層体200の前記両側面に配置されて、電池モジュール100の剛性を補完し、電池セル110と弾性部材700との間に緩衝機能を行うことができる。このような側面パッド600にはフォーム素材のパッドが適用可能である。
【0078】
以下、
図10および
図11を参照して、本発明の一実施例による電池パックについて詳しく説明する。
【0079】
図10は、
図4の電池モジュールが複数集まって形成した電池パックを示す斜視図である。
図11は、
図10の切断線B-B’に沿った断面を示す断面図である。
図11は、
図10の電池モジュール100、熱伝導性樹脂層1300およびパックフレーム1100の底部1110が、
図10とは異なり、互いに接触した状態であることを仮定し、その断面を示したものである。
【0080】
図10および
図11を参照すれば、本発明の一実施例による電池パック1000は、電池モジュール100と、電池モジュール100を収納するパックフレーム1100と、電池モジュール100とパックフレーム1100の底部1110との間に位置する熱伝導性樹脂(Thermal resin)層1300とを含む。
【0081】
電池モジュール100は、先に説明したように、電池セル積層体200と、第1および第2センシングブロック410、420と、弾性部材700とを含む。電池モジュール100に関する説明は先に言及した内容と重複するので省略する。
【0082】
電池パック1000は、パックフレーム1100を覆う上部カバー1200をさらに含むことができる。つまり、多数の電池モジュール100がパックフレーム1100と上部カバー1200との間に収納される。
【0083】
熱伝導性樹脂層1300は、底部1110に熱伝導性樹脂(Thermal resin)を塗布して形成される。具体的には、前記熱伝導性樹脂を底部1110上に塗布し、その上に本実施例による電池モジュール100を位置させた後、前記熱伝導性樹脂が硬化して熱伝導性樹脂層1300が形成される。
【0084】
前記熱伝導性樹脂は、熱伝導性接着物質を含むことができ、具体的には、シリコーン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材およびアクリル(Acrylic)素材の少なくとも1つを含むことができる。前記熱伝導性樹脂は、塗布時には液状であるが、塗布後に硬化して、電池セル積層体200を構成する複数の電池セル110を固定する役割を果たすことができる。また、熱伝導特性に優れ、電池モジュール100で発生した熱を迅速に底部1110に伝達して電池パック1000の過熱を防止することができる。
【0085】
図4、
図10および
図11を参照すれば、上述のように、本実施例による電池モジュール100は、モジュールフレームとエンドプレートが除去されたモジュールレス(module-less)構造を形成することができ、弾性部材700の下部が開放されて電池セル積層体200の下面が露出する。電池パック1000において、電池セル積層体200の下面は、前記熱伝導性樹脂層1300と接触する。このため、電池セル110で発生した熱が、熱伝導性樹脂層1300を経て直にパックフレーム1100の底部1110に伝達される。モジュールフレーム30がある従来の電池モジュール10の場合、電池セルで発生した熱が複数の層を経て電池モジュールの外部に排出されるため、熱伝達経路が複雑である。つまり、電池セルから発生した熱が効果的に伝達されにくく、各層の間に形成されうるエアギャップ(Air gap)などの微細な空気層が熱伝達を妨げることがある。これとは異なり、本実施例による電池セル110は、
図11に示されているように、熱伝導性樹脂層1300と直接接触するため、電池モジュール100の下側方向への熱伝達経路が単純化され、エアギャップなどの空気層の発生の可能性を低減することができる。したがって、電池モジュール100およびこれを含む電池パック1000の冷却性能を高めることができる。
【0086】
また、本実施例による冷却フィン300は、電池セル積層体200の下面から延びて熱伝導性樹脂層1300と接触する。電池セル積層体200の下面が露出しているため、電池セル110の間に位置した冷却フィン300が直に底部1110上の熱伝導性樹脂層1300と接触できる。電池セル110と対面する冷却フィン300を直接熱伝導性樹脂層1300と接触するように構成することによって、熱排出性能を極大化させることができる。
【0087】
一方、モジュールフレームが除去されたモジュールレス(module-less)構造において、構造的安全性のために露出する電池セル110を固定することが必須である。このため、本実施例による電池パック1000は、電池モジュール100を構成するそれぞれの電池セル110が熱伝導性樹脂層1300に接触したまま固定されるので、構造的安全性を補完することができる。
【0088】
また、不必要な冷却構造を除去してコスト節減が可能である。また、電池パック1000の高さ方向に対する部品の個数が少なくなるため、空間活用度を高められて電池モジュールの容量や出力を増大させることができる。
【0089】
以下、
図12~
図14などを参照して、本発明の一実施例による電池モジュール100の製造方法について詳しく説明する。ただし、先に説明した内容と重複する部分については、説明の重複を避けるために省略する。
【0090】
図12~
図14は、本発明の一実施例による電池モジュールの製造方法を説明するための斜視図である。
【0091】
図6、
図9および
図12を参照すれば、本発明の一実施例による電池モジュール100の製造方法は、電極リード111、112を含む複数の電池セル110を積層して電池セル積層体200を製造する段階と、電極リード111、112が突出した電池セル積層体200の前面および後面をそれぞれ覆うように第1センシングブロック410および第2センシングブロック420を配置する段階とを含む。
【0092】
電池セル積層体200の両側面には、剛性補完のために側面パッド600を配置することができ、電池セル110の間には、冷却および放熱のために冷却フィン300を配置することができる。場合によっては、電池セル110と側面パッド600との間や電池セル110と冷却フィン300との間に両面テープなどの接着部材を配置することができる。
【0093】
次に、
図6、
図8、
図12および
図13を参照すれば、本実施例による電池モジュール100の製造方法は、電極リード111、112を第1センシングブロック410のスリット410Sまたは第2センシングブロック420のスリット420Sに通過させた後、少なくとも2つの電極リード111、112同士を互いに接合させて、電極リード接合体110Lを形成する段階を含む。
【0094】
この時、第1センシングブロック410および第2センシングブロック420の少なくとも1つにLVセンシング組立体900を位置させることができる。LVセンシング組立体900は、上述のように、LVコネクタ910と、連結部材920と、接合プレート930とを含むことができる。詳しい内容は説明の重複であるので省略する。
【0095】
本実施例による電池モジュール100の製造方法は、LVセンシング組立体900と電極リード接合体110Lとを連結する段階をさらに含むことができる。具体的には、前記電極リード接合体110Lを形成する段階で、電極リード接合体110Lの形成と共に、LVセンシング組立体900の接合プレート930を電極リード接合体110Lに接合させることができる。電極リード接合体110Lを形成するための、電極リード111、112間の接合や電極リード接合体110Lと接合プレート930との間の接合にすべて溶接接合が適用できるが、これら2つの溶接工程を同時に行うことによって、生産性が向上できる。つまり、HV連結とLV連結を同時に実現することができる。
【0096】
次に、
図14を参照すれば、本実施例による電池モジュール100の製造方法は、第1センシングブロック410、第2センシングブロック420および電池セル積層体200の両側面をカバーするように弾性部材700を配置する段階を含む。つまり、弾性部材700が第1センシングブロック410、第2センシングブロック420および電池セル積層体200の両側面に沿って連続的につながる。この時、上述のように、構造上、電極リード接合体110Lが第1センシングブロック410や第2センシングブロック420の外側に位置するので、弾性部材700は、電極リード接合体110L、さらにLVセンシング組立体900をカバーする。電極リード接合体110LとLVセンシング組立体900とを弾性部材700がカバーすることによって、外部環境から電極リード接合体110LとLVセンシング組立体900に対する保護が可能である。
【0097】
本実施例において、前、後、左、右、上、下といった方向を示す用語が使用されたが、これらの用語は説明の便宜のためのものに過ぎず、対象となる事物の位置や観測者の位置などに応じて異なる。
【0098】
上述した本実施例による1つまたはそれ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0099】
前記電池モジュールや電池パックは、多様なデバイスに適用可能である。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用できるが、これに制限されず、二次電池を使用できる多様なデバイスに適用可能である。
【0100】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0101】
100:電池モジュール
200:電池セル積層体
410:第1センシングブロック
420:第2センシングブロック
700:弾性部材