(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-01
(45)【発行日】2024-08-09
(54)【発明の名称】リード線保持部構造及びモータ
(51)【国際特許分類】
H05K 7/00 20060101AFI20240802BHJP
H02K 5/22 20060101ALI20240802BHJP
【FI】
H05K7/00 Q
H02K5/22
(21)【出願番号】P 2024527669
(86)(22)【出願日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 JP2023046709
【審査請求日】2024-06-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000113791
【氏名又は名称】マブチモーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100186875
【氏名又は名称】海老澤 知則
(72)【発明者】
【氏名】山形 泰浩
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 明子
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106385130(CN,A)
【文献】特許第5967349(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/00
H02K 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部品と前記第一部品に組み合わされる第二部品との間にリード線が保持されるとともに、前記リード線が前記第一部品及び前記第二部品の内部から外方へ引き出される保持部構造であって、
前記リード線の延設方向に沿って互いに離隔して並設され、前記延設方向に延びる溝を有する二つの第一凹部と、
前記第一部品及び前記第二部品の組合せ状態で、前記二つの第一凹部の間に位置し、且つ、前記第一凹部の前記溝とは逆向きであって前記延設方向に延びる溝を有する第二凹部と、を備え、
前記第一凹部及び前記第二凹部のうち、一方は前記第一部品側に設けられ他方は前記第二部品側に設けられ、
前記組合せ状態で、前記第一凹部の前記溝内及び前記第二凹部の前記溝内に配置された前記リード線が前記第一凹部及び前記第二凹部により屈曲保持され
、
前記第一部品及び前記第二部品のうち前記リード線が配置される部品側に設けられた凹部は前記リード線が配置されない部品側に設けられた凹部に比べて溝幅が狭い
ことを特徴とする、リード線保持部構造。
【請求項2】
前記組合せ状態で、一方の前記第一凹部及び前記第二凹部の対向する二つのコーナー部と、他方の前記第一凹部及び前記第二凹部の対向する二つのコーナー部との一方または両方で、前記リード線が保持される
ことを特徴とする、請求項1に記載のリード線保持部構造。
【請求項3】
第一部品と前記第一部品に組み合わされる第二部品との間にリード線が保持されるとともに、前記リード線が前記第一部品及び前記第二部品の内部から外方へ引き出される保持部構造であって、
前記リード線の延設方向に沿って互いに離隔して並設され、前記延設方向に延びる溝を有する二つの第一凹部と、
前記第一部品及び前記第二部品の組合せ状態で、前記二つの第一凹部の間に位置し、且つ、前記第一凹部の前記溝とは逆向きであって前記延設方向に延びる溝を有する第二凹部と、を備え、
前記組合せ状態で、前記第一凹部の前記溝内及び前記第二凹部の前記溝内に配置された前記リード線が前記第一凹部及び前記第二凹部により屈曲保持され
、
前記第一凹部及び前記第二凹部のうち少なくとも一つの凹部は、前記溝の内面に突設された突起部を有する
ことを特徴とする、リード線保持部構造。
【請求項4】
前記組合せ状態で、一方の前記第一凹部及び前記第二凹部の対向する二つのコーナー部と、他方の前記第一凹部及び前記第二凹部の対向する二つのコーナー部との一方または両方で、前記リード線が保持される
ことを特徴とする、請求項
3に記載のリード線保持部構造。
【請求項5】
前記突起部は、前記溝の内面のうち互いに対向する二つの側面の一方または両方に設けられる
ことを特徴とする、請求項
3に記載のリード線保持部構造。
【請求項6】
前記突起部は、基端から先端に向かって先細り形状である
ことを特徴とする、請求項
3に記載のリード線保持部構造。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のリード線保持部構造が適用されたモータであって、
前記第一部品が、前記リード線の接続対象物が配置されたハウジングであり、
前記第二部品が、前記ハウジングの開口に組み合わされるエンドベルである
ことを特徴とする、モータ。
【請求項8】
前記第一凹部及び/又は前記第二凹部は、前記ハウジング及び/又は前記エンドベルに一体で設けられる
ことを特徴とする、請求項7に記載のモータ。
【請求項9】
前記第一凹部及び/又は前記第二凹部は、前記ハウジング及び前記エンドベルとは別の部品に設けられ、
前記別の部品が、前記ハウジング及び前記エンドベルのそれぞれに装着される
ことを特徴とする、請求項7に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、リード線を保持するための保持部構造、及び、これが適用されたモータに関する。
【背景技術】
【0002】
リード線が用いられる電子機器において、機器の内部から外部へ引き出されるリード線を保持するための構造が提案されている。例えば特許文献1には、回路基板に接続されたリード線を、ブッシングを介して外部に引き出す構成を持つ電動機が開示されている。特許文献1のブッシングは、リード線を両側から挟み込んで保持する一対の保持片を備えており、一方の保持片にはリード線を1本ずつ保持する保持溝が設けられている。また、他方の保持片には、保持溝に収容されたリード線の周辺の一部を押圧することでリード線を強固に保持する係合凸部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1の構成では、回路基板に接続されたリード線の端部から、ブッシングの保持溝に保持されて外部へ引き出されるリード線が、ほぼ一直線上に延びており、リード線の長手方向(延設方向)に引張力が加わると、その引張力が回路基板との接続端部に作用してしまう。そのため、引張力の大きさによっては接続端部が回路基板から外れてしまい、断線のおそれがある。そのため、リード線を機器の外部へ引き出す部分の構造に関して改良の余地がある。なお、この課題は、特許文献1のような電動機(モータ)に限らず、リード線が用いられる電子機器において同様に発生しうる。
【0005】
本件のリード線保持部構造及びモータは、このような課題に鑑み案出されたもので、リード線の断線を抑制することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示のリード線保持部構造及びモータは、以下に開示する態様(適用例)として実現でき、上記の課題の少なくとも一部を解決する。態様2,態様4~6及び態様8~9は、いずれもが付加的に適宜選択されうる態様であって、いずれもが省略可能な態様である。態様2,態様4~6及び態様8~9の各態様は、いずれもが本件にとって必要不可欠な態様や構成を開示するものではない。
【0007】
態様1.開示する第一のリード線保持部構造は、第一部品と前記第一部品に組み合わされる第二部品との間にリード線が保持されるとともに、前記リード線が前記第一部品及び前記第二部品の内部から外方へ引き出される保持部構造であって、前記リード線の延設方向に沿って互いに離隔して並設され、前記延設方向に延びる溝を有する二つの第一凹部と、前記第一部品及び前記第二部品の組合せ状態で、前記二つの第一凹部の間に位置し、且つ、前記第一凹部の前記溝とは逆向きであって前記延設方向に延びる溝を有する第二凹部と、を備え、前記第一凹部及び前記第二凹部のうち、一方は前記第一部品側に設けられ他方は前記第二部品側に設けられる。また、前記組合せ状態で、前記第一凹部の前記溝内及び前記第二凹部の前記溝内に配置された前記リード線が前記第一凹部及び前記第二凹部により屈曲保持される。前記第一部品及び前記第二部品のうち前記リード線が配置される部品側に設けられた凹部は前記リード線が配置されない部品側に設けられた凹部に比べて溝幅が狭い。
【0008】
態様2.上記の態様1において、前記組合せ状態で、一方の前記第一凹部及び前記第二凹部の対向する二つのコーナー部と、他方の前記第一凹部及び前記第二凹部の対向する二つのコーナー部との一方または両方で、前記リード線が保持されることが好ましい。
【0009】
態様3.開示する第二のリード線保持部構造は、第一部品と前記第一部品に組み合わされる第二部品との間にリード線が保持されるとともに、前記リード線が前記第一部品及び前記第二部品の内部から外方へ引き出される保持部構造であって、前記リード線の延設方向に沿って互いに離隔して並設され、前記延設方向に延びる溝を有する二つの第一凹部と、前記第一部品及び前記第二部品の組合せ状態で、前記二つの第一凹部の間に位置し、且つ、前記第一凹部の前記溝とは逆向きであって前記延設方向に延びる溝を有する第二凹部と、を備え、前記組合せ状態で、前記第一凹部の前記溝内及び前記第二凹部の前記溝内に配置された前記リード線が前記第一凹部及び前記第二凹部により屈曲保持される。前記第一凹部及び前記第二凹部のうち少なくとも一つの凹部は、前記溝の内面に突設された突起部を有する。
態様4.上記の態様3において、前記組合せ状態で、一方の前記第一凹部及び前記第二凹部の対向する二つのコーナー部と、他方の前記第一凹部及び前記第二凹部の対向する二つのコーナー部との一方または両方で、前記リード線が保持されることが好ましい。
態様5.上記の態様3又は4において、前記突起部は、前記溝の内面のうち互いに対向する二つの側面の一方または両方に設けられることが好ましい。
態様6.上記の態様3~5のいずれか一つにおいて、前記突起部は、基端から先端に向かって先細り形状であることが好ましい。
【0010】
態様7.開示のモータは、上記の態様1~6のいずれか一つに記載のリード線保持部構造が適用されたモータであって、前記第一部品が、前記リード線の接続対象物が配置されたハウジングであり、前記第二部品が、前記ハウジングの開口に組み合わされるエンドベルである。
態様8.上記の態様7において、前記第一凹部及び/又は前記第二凹部は、前記ハウジング及び/又は前記エンドベルに一体で設けられることが好ましい。
態様9.上記の態様7において、前記第一凹部及び/又は前記第二凹部は、前記ハウジング及び前記エンドベルとは別の部品に設けられ、前記別の部品が、前記ハウジング及び前記エンドベルのそれぞれに装着されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
開示のリード線保持部構造及びモータによれば、第一凹部と第二凹部とによってリード線を屈曲保持することから、リード線の延設方向(長手方向)に引張力が加わってもリード線の断線を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係るリード線保持部構造を説明するための断面図であり、リード線の長手方向に沿って切断している。
【
図2】実施形態に係るリード線保持部構造を説明するための分解斜視図であり、リード線を省略している。
【
図3】実施形態に係るリード線保持部構造が適用されたモータを示す図であり、(a)は平面図、(b)は
図3(a)のA-A矢視断面図である。
【
図4】
図3のモータのハウジングの要部を示す図であり、(a)は平面図、(b)は
図4(a)のB-B矢視断面図である。
【
図5】
図3のモータのエンドベルの要部を示す図であり、(a)は平面図、(b)は
図5(a)のC-C矢視断面図である。
【
図6】
図3のモータに適用されたリード線保持部構造でリード線が保持された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照して、実施形態としてのリード線保持部構造及びモータについて説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0014】
[1.リード線保持部構造]
図1及び
図2は、リード線保持部構造(以下、「保持部構造」という)を説明するための図である。
図1に示すように、保持部構造は、第一部品1と、第一部品1に組み合わされる第二部品2との間にリード線4が保持されるとともに、このリード線4が第一部品1及び第二部品2の内部から外方へ引き出される構造である。リード線4は、その端部4aが、例えば第一部品1及び第二部品2の内部に配置される部品(以下「接続対象物5」という)に接続される。リード線4の本数は特に限られない。一本のリード線4が接続対象物5に接続される場合には、一つの保持部構造が設けられる。また、複数のリード線4が接続対象物5に接続される場合には、リード線4の本数と同数の保持部構造が設けられる。つまり、保持部構造は、リード線4ごとに設けられるものである。
【0015】
接続対象物5は、リード線4の端部4aが接続される部品であり、例えばコイルや回路基板などが挙げられる。本実施形態の第一部品1は、この接続対象物5が配置(収容、装着)される部品である。一方、第二部品2は、第一部品1に組み合わされる(取付、係合、装着)される部品であり、第一部品1とは別部品である。なお、接続対象物5は第二部品2側が配置されていてもよい。第一部品1と第二部品2とが組み合わされた状態(以下、「組合せ状態」という)では、二つの部品1,2のうち互いに対向又は接触する二面(第一部品1側の面及び第二部品2側の面)により合わせ面3が形成される。
図1では二点鎖線で合わせ面3を模式的に示している。なお、合わせ面3は平面に限られず曲面であってもよいし、また、面一とも限られず、段差面や傾斜面であってもよい。保持部構造は、例えばこの合わせ面3の一部に設けられる。この場合、この一部には、少なくともリード線4が挿通可能な隙間が設けられる。
【0016】
図1及び
図2に示すように、保持部構造は、リード線4の延設方向に沿って互いに離隔して並設された二つの第一凹部6と、第一部品1及び第二部品2の組合せ状態で、これら二つの第一凹部6の間に位置する一つの第二凹部7とを備える。ここでいう「延設方向」とは、リード線4が、その端部4aから外方へ引き出された状態で、保持部構造が設けられた位置において延びる方向(保持部構造の位置におけるリード線4の長手方向)である。二つの第一凹部6の間には第二凹部7が配置されることから、二つの第一凹部6の離間距離は、第二凹部7の延設方向の寸法よりも長く設定される。
【0017】
二つの第一凹部6は、所定の部品(第一部品1,第二部品2,またはこれらとは別の部品)の一部を切り欠いて形成されたものであり、延設方向に延びるとともに延設方向に開放された溝6Gをそれぞれ有する。二つの第一凹部6は、各溝6Gが略一直線上に位置するように形成される。この溝6Gには、リード線4が配置される。
図2に示すように、各溝6Gは、互いに対向する二つの側面6Gsと底面6Gbとから形成される。
図2に示す各溝6Gは、平面状の二つの側面6Gsの図中下端を、下に凸となる曲面状の底面6Gbで繋いだ形状となっている。なお、溝6Gの形状はこれに限られない。
【0018】
第二凹部7は、第一凹部6が設けられた部品とは別の所定の部品(第一部品1,第二部品2,またはこれらとは別の部品)の一部を切り欠いて形成されたものであり、延設方向に延びるとともに延設方向に開放された溝7Gを有する。この溝7G内にもリード線4が配置される。溝7Gは、互いに対向する二つの側面7Gsと底面7Gbとから形成される。
図2に示す溝7Gは、平面状の二つの側面7Gsの図中上端を、上に凸となる曲面状の底面7Gbで繋いだ形状となっているが、溝7Gの形状はこれに限られない。
【0019】
保持部構造は、これら二種類の溝6G,7Gが互いに逆向きに設けられる。このため、
図1に示すように、組合せ状態で、溝6G内及び溝7G内に配置されたリード線4が、第一凹部6及び第二凹部7により屈曲保持される。すなわち、リード線4の延設方向且つ溝6G,7Gの深さ方向の双方に直交する方向からみて、リード線4がU字に曲げられた状態で保持される。これにより、リード線4に外方からの引張力が加わった場合でも、リード線4の断線(例えば端部4aの外れや断線)が抑制される。なお、ここでいう「逆向き」とは、溝6G,7Gの底面6Gb,7Gbに向かう深さ方向が180度異なる(反転している)ことを意味する。
【0020】
図1及び
図2では、第一部品1側に二つの第一凹部6が設けられ、第二部品2側に第二凹部7が設けられている。このため、二つの第一凹部6の各溝6G内にリード線4を配置した状態で、第一部品1と第二部品2とを組合せ状態にすれば、リード線4が第二凹部7の溝7G内に位置するとともに溝7Gの底面7Gbに押圧される。つまり、リード線4が、180度ずれた二方向から、二つの凹部6,7の溝6G,7Gで挟まれ、
図1に示すようにU字状に屈曲して保持される。
【0021】
なお、第一部品1側に第二凹部7が設けられ、第二部品2側に二つの第一凹部6が設けられてもよい。この場合であっても、上記と同様、リード線4は180度ずれた二方向から二つの凹部6,7の溝6G,7Gで挟まれるため、U字状に屈曲して保持されることとなる。また、第一凹部6が、第一部品1又は第二部品2に直接形成されていなくてもよく、例えば、これらの部品1,2とは別の部品(図示略)に第一凹部6を設けておき、この部品を第一部品1又は第二部品2に装着してもよい。第二凹部7についても同様である。すなわち、第二凹部7が、第一部品1又は第二部品2に直接形成されていなくてもよく、例えば、これらの部品1,2及び第一凹部6が設けられた部品とは別の部品(図示略)に第二凹部7を設けておき、この部品を、第一部品1又は第二部品2(第一凹部6が設けられていない部品)に装着してもよい。
【0022】
保持部構造では、組合せ状態で、各凹部6,7のコーナー部6E,7Eでリード線4を保持することが好ましい。具体的には、一方の第一凹部6(例えば、
図1中の左の第一凹部6)及び第二凹部7の対向する二つのコーナー部6E,7Eと、他方の第一凹部6(
図1中の右の第一凹部6)及び第二凹部7の対向する二つのコーナー部6E,7Eとでリード線4が保持されることが好ましい。なお、「コーナー部」とは、各溝6G,7Gの、延設方向に開放した縁の部分である。また、各コーナー部6E,7Eは、リード線4に食い込むことがより好ましい。コーナー部6E,7Eによって、リード線4がより強固に保持される。なお、コーナー部6E,7EはいわゆるC面取り形状となっていてもよい。
【0023】
保持部構造では、第一凹部6及び第二凹部7のうちの一方は第一部品1側に設けられ、第一凹部6及び第二凹部7のうちの他方は第二部品2側に設けられるが、リード線4が配置される部品(ここでは第一部品1)側に設けられた凹部6又は7は、リード線4が配置されない部品(ここでは第二部品2)側に設けられた凹部7又は6に比べて溝幅が狭いことが好ましい。ここでいう「溝幅」は、溝を形成する二つの側面の離間距離である。
図1及び
図2では、リード線4が配置される第一部品1側に第一凹部6が設けられ、第二部品2側に第二凹部7が設けられているため、第一凹部6の溝幅が第二凹部7の溝幅よりも狭いことが好ましい。なお、逆の構成の場合には、溝幅の大小関係も逆であることが好ましい。
【0024】
リード線4が、第一部品1に配置された接続対象物5に接続されている場合には、リード線4が第一部品1側の凹部(例えば第一凹部6)の溝内に配置された状態で、第一部品1に対し第二部品2が組み合わされることとなる。そのため、例えば第一凹部6の溝幅が、第二部品2側の凹部(この場合、第二凹部7)の溝幅よりも狭ければ、リード線4を屈曲させるときに、リード線4が第二凹部7の溝7G内に入りやすくなり、組み立て性が向上する。なお、第一部品1側の凹部(例えば第一凹部6)の溝幅が、リード線4の外径と同等か僅かに大きい程度であれば、この凹部によりリード線4の位置決めが可能であり、組み立て性がさらに向上する。
【0025】
また、
図2に示すように、保持部構造では、第一凹部6及び第二凹部7のうち少なくとも一つの凹部6,7が、溝6G,7Gの内面に突設された突起部6P,7Pを有することが好ましい。突起部6P,7Pは、溝6G,7G内に配置されたリード線4に食い込むことでリード線4をより強固に保持する機能(コーナー部6E,7Eと同様の機能)を持つ。
図2に示す例では、二つの第一凹部6のうち、接続対象物5に近い一方の第一凹部6に突起部6Pが設けられ、第二凹部7にも突起部7Pが設けられている。言い換えると、接続対象物5から遠い(より外方にある)他方の第一凹部6には突起部6Pが存在しない。これにより、第一部品1及び第二部品2を組み合わせるとき(リード線4を屈曲させるとき)に、突起部6Pがない他方の第一凹部6に位置するリード線4が溝6G内をスライドできるため、リード線4の屈曲変形が阻害されない。
【0026】
突起部6Pは、溝6Gの内面のうち延設方向の一部(
図2では延設方向の中央部)に設けられることが好ましく、さらに、内面のうち互いに対向する二つの側面6Gsの一方または両方に設けられる(言い換えると底面6Gbには設けられない)ことが好ましい。これにより、第一部品1及び第二部品2を組み合わせたとき(リード線4を屈曲させたとき)に、リード線4が底面6Gbから押し上げられることがないため、第一部品1に対して第二部品2が浮き上がることがなく、良好な組み立て性が確保される。また、突起部6Pは、基端(内面に接する端部)から先端に向かって先細り形状であることが好ましい。これにより、先端がリード線4に食い込みやすくなり、保持力が向上する。
【0027】
突起部7Pについても同様である。すなわち、突起部7Pは、溝7Gの内面のうち延設方向の一部(
図2では延設方向の中央部)に設けられることが好ましく、さらに、内面のうち互いに対向する二つの側面7Gsの一方または両方に設けられる(底面7Gbには設けられない)ことが好ましい。また、突起部7Pも、基端(内面に接する端部)から先端に向かって先細り形状であることが好ましい。なお、二つの第一凹部6の両方に突起部6Pが設けられていてもよいし、第一凹部6及び第二凹部7の一方のみに突起部6P,7Pが設けられてもよい。
【0028】
[2.モータ]
次に、上記の保持部構造の実施例として、保持部構造が適用されたモータ10を説明する。
図3(a)はモータ10の平面図であり、
図3(b)はモータ10の、保持部構造を通る軸方向断面図〔
図3(a)のA-A矢視断面図〕である。
図3(b)に示すように、このモータ10は、インナーロータ型のブラシレスモータであり、シャフト21と一体回転するロータ20と、ロータ20の径方向外側(以下、単に「外側」という)に位置するステータ30とが、ハウジング11に内蔵されて構成される。本実施例のモータ10は、シャフト21にインペラ(図示略)が固定され、ブロアの駆動源として機能する。
【0029】
ロータ20は、シャフト21に固定されたマグネット22と、マグネット22を軸方向から挟む二つのバランサ23とを有し、軸受24によりハウジング11及びエンドベル12に対して回転自在に固定される。ステータ30は、ハウジング11の内周面に固定されるステータコア31と、ステータコア31に対してインシュレータ32を介して巻回されたコイル35とを有する。コイル35の端部には、リード線14が接続される。
【0030】
ハウジング11は、ロータ20及びステータ30の配置空間を形成する有底筒状部11Aと、図示しないカバー部材との間にインペラの配置空間を形成する環状部11Bとを有する。環状部11Bは、有底筒状部11Aの側壁部11cの外周面から外側へ連続して形成される。環状部11Bの上端部は、側壁部11cから外側へ延在するフランジ部11fとして機能する。
【0031】
有底筒状部11Aの底部11dには、シャフト21が挿通される貫通孔と、軸受24及びOリング25が固定される段部11eとが設けられる。有底筒状部11Aの開口(側壁部11cの上端縁で形成される開口)は、エンドベル12により覆われる。エンドベル12は、ハウジング11に組み合わされる蓋部材である。本実施例では、エンドベル12の外周端部12aがハウジング11のフランジ部11fに載置されて、ハウジング11に対してエンドベル12が固定される。
【0032】
すなわち、本実施例では、ハウジング11が上記の第一部品1に対応し、ハウジング11の開口に組み合わされるエンドベル12が第二部品2に対応し、リード線14がハウジング11及びエンドベル12の間に保持されて、これらハウジング11及びエンドベル12の内部から外方へと引き出される。また、リード線14の端部が接続されるコイル35が上記の接続対象物5に対応し、フランジ部11f及び外周端部12aにおいて互いに対向する面が上記の合わせ面3に対応する。本実施例の保持部構造は、
図3(a)に示すように、この対向する面のうち周方向の一部(リード線14が引き出される部分)に設けられる。なお、本実施例では、五本のリード線14が並設されているため、五つの保持部構造が並設される。五つの保持部構造はすべて同様に構成されていることから、以下の説明では特に言及しない限り、一つの保持部構造に符号を付して説明する。
【0033】
次に、本実施例の保持部構造について、
図4(a)及び(b),
図5(a)及び(b),
図6を用いて説明する。
図4(a)及び(b)は、ハウジング11の要部を示す平面図及び断面図〔
図4(a)のB-B矢視断面図〕であり、
図5(a)及び(b)は、エンドベル12の要部を示す平面図及び断面図〔
図5(a)のC-C矢視断面図〕である。
図6は、保持部構造でリード線14が保持された状態を示す断面図である。なお、
図4(a)にのみ、リード線14を一本だけ図示している。
【0034】
図4(b)に示すように、ハウジング11のフランジ部11fは、エンドベル12側の端面(図中上面)が平坦面ではなく、軸方向に凸凹な面となっている。以下、エンドベル12側の面(エンドベル12を向く面)を便宜上、「上端面」と呼ぶ。具体的には、側壁部11cの上端面の軸方向位置を基準位置Xとしたときに、基準位置Xよりもエンドベル12側に突出した二つの環状凸部11hと、基準位置Xに対してエンドベル12から離隔する方向に凹んだ二つの環状凹部11gとが設けられる。各環状凸部11h及び各環状凹部11gは、軸方向から見て、シャフト21の軸心を中心とした同心の円環状となっており、径方向内側(以下、単に「内側」という)から、環状凹部11g,環状凸部11h,環状凹部11g,環状凸部11hの順に、互い違いに設けられる。
【0035】
本実施例では、上記の第一凹部6に対応する第一凹部16が二つの環状凸部11hにそれぞれ形成される。すなわち、二つの第一凹部16はハウジング11に一体で設けられている。本実施例では、
図4(a)に示すように、一方の第一凹部16が内側の環状凸部11hの上端面を切り欠いて形成されており、他方の第一凹部16が外側の環状凸部11hの上端面を切り欠いて形成されている。各第一凹部16は、リード線14の延設方向に延びる溝16Gを有する。
【0036】
なお、本実施例では、
図4(b)に示すように、外側の環状凸部11hの方が、内側の環状凸部11hよりも、基準位置Xからの突出量が大きくなっているが、二つの第一凹部16の溝16Gの底面位置(底面の軸方向位置)は互いに略同等である。つまり、外側の第一凹部16の方が溝16Gの深さが深く形成されている。なお、二つの第一凹部16の溝幅は互いに略同等である。また、
図4(a)に示すように、外側の第一凹部16には、上記の突起部6Pに対応する突起部16Pが設けられる。
【0037】
図5(b)に示すように、エンドベル12の外周端部12aも、ハウジング11側の端面(図中下面)が平坦面ではなく、軸方向に凸凹な面となっている。以下、ハウジング11側の面(ハウジング11を向く面)を便宜上、「下端面」と呼ぶ。外周端部12aの下端面は、フランジ部11fの上端面の形状に合わせた凹凸形状となっている。具体的には、フランジ部11fの外側の環状凸部11hに載置(接触配置)される載置面12bと、外側の環状凹部11gに入り込む環状凸部12cと、内側の環状凸部11hに対向する対向面12dとが設けられる。
【0038】
環状凸部12cは、載置面12bに対して、ハウジング11側に突設される。この環状凸部12cの径方向寸法は、載置面12bが環状凸部11hに載置された状態(すなわち上記の組合せ状態)で、環状凸部12cが環状凹部11gに接触せず、且つ、二つの環状凸部11hのそれぞれとの間にリード線14の外径と同等かやや小さい隙間を形成するサイズに設定される。環状凸部12cの載置面12bからの突出量は、組合せ状態で、例えば環状凸部12cが環状凹部11gに接触しないサイズに設定される。載置面12b,環状凸部12c,対向面12dはいずれも、軸方向から見て、シャフト21の軸心を中心とした同心の円環状となっており、外側からこの順に設けられる。
【0039】
本実施例では、上記の第二凹部7に対応する第二凹部17が環状凸部12cに形成される。すなわち、第二凹部17はエンドベル12に一体で設けられている。本実施例では、
図5(a)に示すように、第二凹部17が環状凸部12cの上端面を切り欠いて形成されている。第二凹部17は、リード線14の延設方向に延びる溝17Gを有する。溝17Gの深さは、リード線14の外径,環状凹部11gに対する環状凸部12cのサイズ,第一凹部16の溝16Gの深さ等に応じて設定される。また、溝17Gの溝幅は、溝16Gの溝幅よりも僅かに小さく設定される。
【0040】
図6に示すように、ハウジング11にエンドベル12が組み合わされた組合せ状態では、第一凹部16の溝16G内と第二凹部17の溝17G内とに配置されたリード線14が、第一凹部16及び第二凹部17により屈曲保持される。さらに、リード線14は、一方の第一凹部16及び第二凹部17の対向する二つのコーナー部16E,17Eと、他方の第一凹部16及び第二凹部17の対向する二つのコーナー部16E,17Eとで保持される。
【0041】
[3.効果]
(1)上述した保持部構造では、
図1に示すように、第一部品1と第二部品2との間にリード線4が保持されるとともに、このリード線4が第一部品1及び第二部品2の内部から外方へ引き出される。このとき、リード線4は、二つの第一凹部6と一つの第二凹部7とによって屈曲させて保持されることから、リード線4の長手方向(延設方向)に引張力が加わっても、リード線4の断線を抑制できる。例えば、リード線4が、第一部品1及び第二部品2の内部に配置された接続対象物5に接続されている場合に、その接続箇所に引張力が作用しにくくなるため、リード線4の断線を抑制できる。
【0042】
(2)上述した保持部構造では、第一部品1及び第二部品2の組合せ状態で、一方の第一凹部6及び第二凹部7の対向する二つのコーナー部6E,7Eと、他方の第一凹部6及び第二凹部7の対向する二つのコーナー部6E,7Eとで、リード線4を保持してもよい。この場合、四か所のコーナー部6E,7Eによってリード線4を強固に保持できる。これにより、リード線4の長手方向に引張力が加わっても、リード線4の断線を抑制できる。
【0043】
(3)上述した保持部構造では、リード線4が配置される部品(第一部品1)側に設けられた凹部(第一凹部6又は第二凹部7)が、リード線4が配置されない部品(第二部品2)側に設けられた凹部(第二凹部7又は第一凹部6)に比べて溝幅が狭くなっていてもよい。この場合、リード線4が配置される部品である第一部品1側の凹部に配置されたリード線4を、第二部品2側の凹部で屈曲させるときに、リード線4が第二部品2側の凹部の溝内に入りやすくなるため、組み立て性を向上させることができる。特に、第一部品1側に設けられた凹部の溝幅の寸法公差やリード線4の線径の寸法公差などが重畳され、最終的にリード線4が第一部品1に配置され得る範囲よりも第二部品2側に設けられた凹部の溝幅を広く設けた場合には、第一部品1に第二部品2を組み立てるのみで各部品の寸法公差等を吸収することができるため、組み立てがしやすくなる。
【0044】
(4)上述した保持部構造では、第一凹部6及び第二凹部7のうち少なくとも一つの凹部が、溝6G,7Gの内面に突設された突起部6P,7Pを有してもよい。この場合、突起部6P,7Pによってリード線4を強固に保持できる。これにより、リード線4の長手方向に引張力が加わっても、リード線4と接続対象物5との接続箇所にその引張力が作用しないようにすることができ、断線を抑制できる。第一凹部6または第二凹部7の一方のみに突起部6Pまたは7Pを設けることもできる。その場合には第一凹部6及び第二凹部7の両方に突起部6P及び突起部7Pを設けた時と比較して、組み立てた際の突起部6P及び突起部7Pのリード線4への食い込みが小さくなるため、食い込みより生じるリード線4の反発力を抑制し、各部品の所定の位置への組み込みが容易になる。
【0045】
(5)上述した突起部6P,7Pは、溝6G,7Gの内面のうち互いに対向する二つの側面6Gs,7Gsの一方または両方に設けられてもよい。この場合、リード線4が突起部6P,7Pによって浮き上がることがなく、且つ、強固に保持することができる。
(6)また、突起部6P,7Pは、基端から先端に向かって先細り形状であってもよい。この場合、突起部6P,7Pの先端がリード線4に食い込みやすくなるため、より強固にリード線4を保持することができる。
【0046】
(7)上述したモータ10には、上述した保持部構造が適用される。具体的には、第一部品1としてのハウジング11に、リード線14の接続対象物であるコイル35が配置され、第二部品2としてのエンドベル12がハウジング11に組み合わされ、このハウジング11とエンドベル12と間にリード線14を保持する際に、上述した保持部構造が適用される。これにより、上記(1)~(6)の効果を得ることができるため、ハウジング11及びエンドベル12の内部から外方へ引き出されるリード線14の抜け耐力を確保しつつ、モータ10の内部での断線を抑制できる。
【0047】
(8)さらに、上述したモータ10では、第一凹部16がハウジング11に一体で設けられ、第二凹部17がエンドベル12に一体で設けられることから、部品点数が増加することなく、組み立て性を向上させることができる。なお、第一凹部16をハウジングに一体で設ける構造、または、第二凹部17をエンドベルに一体で設ける構造、のどちらか一方の構造のみを採用することもできる。
【0048】
[4.その他]
上述したモータ10は一例であって、上述した構成に限られない。例えば、第一凹部16及び第二凹部17がいずれも、ハウジング11及びエンドベル12の双方とは別の部品に設けられてもよい。この場合、ハウジング11及びエンドベル12のそれぞれに、この別の部品が取り付けられる部位(例えば窪みや開口)を設けておき、別の部品がそれぞれ装着されることで、上記のモータ10と同様の作用効果を得ることができる。第一凹部16及び第二凹部17はリード線14の太さによってその形状を設定する必要があるが、この構成であれば、別の部品をハウジング11及びエンドベル12に装着すればよいため、モータ10の主要部品であるハウジング11及びエンドベル12を、リード線14の太さに関係なく共用化することができる。
【0049】
なお、第一凹部16または第二凹部17の一方はハウジングに一体で設けられ、他方はエンドベルに別体で設けられてもよい。また、第一凹部16または第二凹部17の一方はハウジングに別体で設けられ、他方はエンドベルに一体で設けられてもよい。
【0050】
上記のモータ10では、第一凹部16がハウジング11側に設けられ、第二凹部17がエンドベル12側に設けられているが、これは逆でもよい。例えば、第一凹部16がエンドベル12に一体で設けられ、第二凹部17がハウジング11に一体で設けられる場合であっても、上記(8)と同様の効果を得ることができる。
また、上記のモータ10では、第二凹部17に突起部が設けられていないが、
図2に示すような突起部7Pが設けられていてもよい。
図1及び
図2を用いて説明した保持部構造のすべては、モータに対して適用可能である。
【0051】
なお、上述したモータ10では、リード線14の接続対象物がコイル35であったが、接続対象物はこれに限られず、例えば基板であってもよい。また、モータの種類はインナーロータ型ブラシレスモータに限られず、アウターロータ型のモータに適用してもよいし、リード線が用いられる場合にはブラシ付きモータに適用してもよい。
上述した保持部構造の適用対象はモータに限られず、モータ以外の電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 第一部品
2 第二部品
4 リード線
6 第一凹部
6E コーナー部
6G 溝
6Gs 側面
6P 突起部
7 第二凹部
7E コーナー部
7G 溝
7Gs 側面
7P 突起部
10 モータ
11 ハウジング(第一部品)
12 エンドベル(第二部品)
14 リード線
16 第一凹部
16E コーナー部
16G 溝
16P 突起部
17 第二凹部
17E コーナー部
17G 溝
35 コイル(接続対象物)
【要約】
第一部品(1)とこれに組み合わされる第二部品(2)との間にリード線(4)が保持されるとともに、リード線(4)が第一部品(1)及び第二部品(2)の内部から外方へ引き出される保持部構造は、リード線(4)の延設方向に沿って互いに離隔して並設されて延設方向に延びる溝(6G)を有する二つの第一凹部(6)と、第一部品(1)及び第二部品(2)の組合せ状態で、二つの第一凹部(6)の間に位置し、且つ、第一凹部(6)の溝(6G)とは逆向きであって延設方向に延びる溝(7G)を有する第二凹部(7)と、を備える。上記の組合せ状態で、第一凹部(6)の溝(6G)内及び第二凹部(7)の溝(7G)内に配置されたリード線(4)は、第一凹部(6)及び第二凹部(7)により屈曲保持される。