(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】バットからの振動および衝撃の伝達を低減するための親指装着保護打撃補助具
(51)【国際特許分類】
A63B 71/14 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
A63B71/14 F
(21)【出願番号】P 2021566242
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(86)【国際出願番号】 US2020031848
(87)【国際公開番号】W WO2020227511
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-05-08
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521486125
【氏名又は名称】ファースト、クレイグ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファースト、クレイグ
【審査官】酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04461043(US,A)
【文献】特開平06-086846(JP,A)
【文献】特開2006-198235(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0270901(US,A1)
【文献】米国特許第07377566(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
野球選手の遠位手の親指に、近位手と前記遠位手の両方でバットのハンドルを握りながら装着する打撃補助具であって、前記打撃補助具は、痛みおよび怪我を低減するように前記バットからの振動および衝撃の伝達を最小限に抑え、前記打撃補助具は、前記バットに対する選手のグリップを改善するようになっており、
前記打撃補助具は、
前記遠位手の前記親指の基節骨を実質的に取り囲むように構成された親指リングであって、前記親指リングを前記親指の前記基節骨に固定するようにする、親指リングと、
前記親指リングと統合され、前記親指リングから突出するサドルと
を備え、
前記サドルは、
前記遠位手の人差し指の中手骨の遠位部分と係合するように構成された頂部と、
前記人差し指の前記中手骨の中央部分に実質的に沿って延在するように構成された少なくとも1つの弾性変形可能なフラップと
を有する、打撃補助具。
【請求項2】
前記弾性変形可能なフラップは、前記選手が前記バットの前記ハンドルを握ったときに前記バットの前記ハンドルの一部に実質的に倣うように構成された凹状曲面を含む外面を有する、請求項1に記載の打撃補助具。
【請求項3】
前記凹状曲面は、楕円形の凹面である、請求項2に記載の打撃補助具。
【請求項4】
前記親指リングおよび前記サドルは、注入可能なゴム、ソルボセイン(登録商標)、シリコーンゴム、およびシリコーンを含む群から選択される弾性変形可能な材料から作製される、請求項1に記載の打撃補助具。
【請求項5】
前記サドルは、前記バットの前記ハンドルからの振動および衝撃を吸収するクッションとして機能するように構成される、請求項1に記載の打撃補助具。
【請求項6】
前記弾性変形可能なフラップは、前記バットの前記ハンドルが保持されている間に前記弾性変形可能なフラップと前記バットのハンドルが接触する場所で強化された摩擦を提供する材料でできている、請求項1に記載の打撃補助具。
【請求項7】
前記弾性変形可能なフラップは、前記バットの前記ハンドルが保持されている間に前記弾性変形可能なフラップと前記バットのハンドルとが接触する場所で大きな摩擦を提供する強化摩擦面を含む、請求項1に記載の打撃補助具。
【請求項8】
前記サドルは、
第1の弾性変形可能なフラップと左右対称の関係で延在する第2の弾性変形可能なフラップをさらに含む、請求項1の打撃補助具。
【請求項9】
前記親指リングの内面と共に前記サドルの内面は、前記遠位手の前記親指と前記人差し指の前記中手骨の対面側との間に形成される略V字型の領域に係合し、実質的にまたがるように構成される、請求項1に記載の打撃補助具。
【請求項10】
前記サドルの前記頂部は、前記遠位手の前記親指の前記基節骨の遠位端と前記人差し指の前記中手骨の遠位端との間の領域に実質的にまたがる、請求項1に記載の打撃補助具。
【請求項11】
前記サドルの前記弾性変形可能なフラップは、前記遠位手が前記バットを把持したときに、前記バットが前記遠位手の指に向かって前方に傾斜するように前記遠位手に付勢されるように構成される、請求項1に記載の打撃補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く言えばスポーツ安全用具、より具体的には、打撃スポーツ用の手保護用具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、野球、ソフトボール、アイスホッケー、フィールドホッケー、クリケットを含む多くのスポーツでは、バットまたはスティックを使用する必要がある。今日、多くのスポーツ選手は、バットおよびスティックを用いてプレイする間、手を保護するために安全用具を使用する。例えば、アイスホッケー選手は通常、プレイ中に手袋を使用し、野球の打者は通常、バットを握っている間、手を保護するために手袋を装着する。
【0003】
野球では、選手がバットを振って、バットが投げられたボールを打つと、バットから選手の手に非常に深刻となり得る振動が伝わることがある。この振動は、一般に「バットスティング(bat sting)」と呼ばれるものを引き起こす可能性がある。
【0004】
プロ野球では、投球された野球の平均速度は約90MPHであり、典型的な投球速度は80MPH~100MPHの範囲であり、一部の投手は常に100MPHを超えて投球する。スイングしたバットを突くボールの結果として生じる瞬間的なピーク衝撃は、5000~10000ポンドの力に達する可能性がある。
【0005】
バットがボールに当たると、振動が衝突部位からバットのシャフトを下って選手の手に伝わる。これらの振動は、バットの曲げモードによって引き起こされる。高速度写真を使用して、バットの振動モードが測定され、研究されている。
【0006】
理想的には、選手はバットの「スイートスポット」内でボールを打とうとする。「スイートスポット」とは、バットの振動が最小限に抑えられるバット上の場所であり、したがって、「バットスティング」が最小限に抑えられるようにバット上でボールを打つ場所である。ボールが「スイートスポット」の領域外でバットに当たると、バットの曲げモードが激しくなる可能性があり、選手の手に強い振動が伝わる。バットスティングは、選手の手に痛みを引き起こす可能性があり、また、選手の手にあざおよび怪我を引き起こす可能性もある。バットの振動によって最も影響を受ける手は「遠位」の手であり、遠位の手はボールとバットの間の接触点に最も近い手である。右利きの打者の場合、遠位の手は打者の右手になるだろう。
【0007】
バットスティングは、選手の集中力と自信の両方を妨げるほど痛みを伴う可能性があり、したがって、選手の打撃パフォーマンスを妨げる可能性がある。したがって、選手はできるだけ頻繁にバットのスイートスポット内でボールを打とうとする。
【0008】
バットスティングは選手の手に怪我を引き起こす可能性があり、打撃パフォーマンスに悪影響を与えるため、打者の手への振動衝撃を低減するための様々な方法が提案されている。
【0009】
一例は、Lomedicoの特許文献1で教示されているように、打者の手とバットの間に保持されるように作られたクッションパッドである。特に、Lomedicoは、打者の手のひら領域に配置されるクッション材で作られた打撃パッドを教示しており、打者の親指にフィットするように適合されたリング部分も有する。しかしながら、パッドとリングの部分が打者の親指を中心に意図せずに枢動する可能性があるため、Lomedicoのクッションパッドは親指に対して任意の角度に向けることができ、用具の効果が低下する。Lomedicoのクッションパッドが手の掌領域内に正しく配置されるように注意深く繰り返し確認および調整する必要性は、打者が到来するボールを打つ準備をしているときに、打者の気を散らす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の打撃補助具は、打者の遠位手の手のひらの一部を緩和する、弾性変形可能な保護フラップを提供する。弾性変形可能な保護フラップは、バットからの振動および衝撃の伝達を最小限に抑え、バットスティングからの痛みおよび怪我を低減する。
【0012】
本発明の打撃補助具はまた、バットのハンドルに倣い、バットに対する選手のグリップを改善する。いくつかの実施形態では、弾性変形可能な保護フラップは、打撃補助具とバットのシャフトとの間の強化された摩擦を提供することができる。また、弾性変形可能な保護フラップは、中手骨(手のひら内の指の部分)をバットのシャフトから離して位置決めするのに役立ち、これは、選手の指の基節骨に「より軽いタッチ」を与えることにより、バットの改善された制御を提供できる。この強化された「より軽いタッチ」は、バット角度のより正確な指の制御を提供することができ、より大きな手首の柔軟性を提供することができ、強化されたバットスイング機構を提供することができる。
【0013】
本発明の打撃補助具は、選手の親指の周りに便利に装着され、打撃補助具のサドルは、打者の手の手のひら内の最適な位置にサドルを調整する少なくとも1つの弾性変形可能なフラップを含む。打撃補助具には、選手の手内で自己調整する弾性変形可能なフラップが少なくとも1つ含まれているため、打者は打撃補助具の位置を変えるのに時間をかける必要がなく、したがって、打者は投げられたボールを打つことにより容易に集中することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一般的な一態様は、野球選手の遠位手の親指に、近位手と遠位手の両方でバットのハンドルを握りながら装着する打撃補助具であって、打撃補助具は、痛みおよび怪我を低減するようにバットからの振動および衝撃の伝達を最小限に抑え、打撃補助具はまた、バットに対する選手のグリップを改善する。打撃補助具は、遠位手の親指の基節骨を実質的に取り囲むように構成された親指リングであって、親指リングを親指の基節骨に固定するようにする、親指リングと、親指リングと統合され、親指リングから突出するサドルとを含み、サドルは、遠位手の人差し指の中手骨の遠位部分と係合するように構成された頂部と、人差し指の中手骨の中央部分に実質的に沿って延在するように構成された少なくとも1つの弾性変形可能なフラップとを有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、弾性変形可能なフラップは、選手がバットのハンドルを握ったときにバットのハンドルの一部に実質的に倣うように構成された凹状曲面を含む外面を有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、凹状曲面は、楕円形の凹面である。
【0017】
いくつかの実施形態では、親指リングおよびサドルは、注入可能なゴム、ソルボセイン(登録商標)、シリコーンゴム、およびシリコーンを含む群から選択される弾性変形可能な材料から作製される。
【0018】
いくつかの実施形態では、サドルは、バットのハンドルからの振動および衝撃を吸収するクッションとして機能するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、弾性変形可能なフラップは、バットのハンドルが保持されている間に弾性変形可能なフラップとバットのハンドルが接触する場所で強化された摩擦を提供する材料でできている。
【0020】
いくつかの実施形態では、弾性変形可能なフラップは、バットのハンドルが保持されている間に弾性変形可能なフラップとバットのハンドルが接触する場所で強化された摩擦を提供する強化摩擦面を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、サドルは、第1の弾性変形可能なフラップと左右対称の関係で延在する第2の弾性変形可能なフラップをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1の弾性変形可能なフラップよりも短く延在する第2の弾性変形可能なフラップをさらに含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、親指リングの内面と共にサドルの内面は、係合し、遠位手の親指と人差し指の中手骨の対面側との間に形成される略V字型の領域に実質的にまたがるように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、サドルの頂部は、遠位手の親指の基節骨の遠位端と人差し指の中手骨の遠位端との間の領域に実質的にまたがる。
【0025】
いくつかの実施形態では、サドルの弾性変形可能なフラップは、遠位手がバットを把持したときに、バットが遠位手の指に向かって前方に傾斜するように遠位手に付勢されるように構成される。
【0026】
添付の図と併せて検討するとき、以下の説明を読むと、多くの追加の構成および利点が当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】親指リングおよびサドルを示す、遠位手の親指に装着された打撃補助具の一実施形態の斜視側面図であり、サドルの頂部、およびサドルの1つの弾性変形可能なフラップも示している。
【
図1B】
図1Aの打撃補助具の斜視側面図であり、サドルの弾性変形可能なフラップ上の強化された摩擦面をさらに含む。
【
図2A】親指リングおよびサドルを示す、打撃補助具の回転された側面斜視図であり、サドルは2つの弾性変形可能なフラップを含む。
【
図2B】親指リングおよびサドルを示す、
図2Aの打撃補助具の回転された側面図であり、サドルは親指リングとサドルを接続する頂部と、サドルの1つの弾性変形可能なフラップとを含む。
【
図2C】親指リングおよびサドルを示す、
図2Aの打撃補助具の上面図であり、サドルは頂部およびサドルの2つの弾性変形可能なフラップを含む。
【
図3】遠位手の親指に装着された
図1の打撃補助具の斜視正面図であり、親指リングと、選手の遠位手と自己調整している2つの弾性変形可能なフラップを示している。
【
図4A】親指リングおよびサドルを示す、遠位手の親指に装着された打撃補助具の斜視上面図であり、サドルは頂部および2つの弾性変形可能なフラップを含み、遠位手の指が開いた位置にあることも示している。
【
図4B】遠位手の親指に装着された
図4Aの打撃補助具の斜視上面図であり、バットハンドルを把持するように遠位手の指を閉じた位置に示し、バットハンドルと選手の遠位手の手のひらとの間に配置された2つの弾性変形可能なフラップのうちの1つも示している。
【
図5A】遠位手の親指に装着された打撃補助具の斜視側面図であり、遠位手と近位手の両方によって把持されたバットハンドルを示し、親指リングとサドルの弾性変形可能なフラップもまた示し、サドルは、バットハンドルを把持するように閉じた位置に遠位手の指を有し、バットハンドルと選手の遠位手の手のひらとの間に押し込まれたサドルの1つの弾性変形可能なフラップを有する。
【
図5B】遠位手の親指に装着された打撃補助具の正面図であり、遠位手と近位手の両方によって把持されたバットハンドルを示し、親指リング、サドルの頂部、および第2の弾性変形可能なフラップもまた示し、遠位手の指がバットハンドルの周りのグリップに閉じられている間、第1の弾性変形可能なフラップは、バットハンドルと選手の遠位手の手のひらとの間に隠れている。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1Aを参照すると、遠位手108の親指104に装着された>打撃補助具100の斜視図が示されている。打撃補助具100は、親指104の基節骨106にフィットして、打撃補助具100を遠位手108の親指104に固定する親指リング112を含む。2つの弾性変形可能なフラップ116(1つだけが図示されている)を含むサドル114もまた示されている。弾性変形可能なフラップ116は、遠位手108の手のひら110に対して位置決めされる。サドル114はまた、親指リング112との接続を形成する頂部118を含み、頂部118はまた、人差し指102の基部と係合するように構成される。
【0029】
図1Bを参照すると、遠位手108の親指104に装着された
図1Aの打撃補助具100の斜視図が示されている。サドル114の弾性変形可能なフラップ116上に強化摩擦面120を有し、バットハンドル402上の遠位手108のグリップを改善するように構成された強化摩擦表面120を有する打撃補助具100の代替実施形態が示されている。弾性変形可能なフラップ116は、遠位手108の手のひら110に対して位置決めされ、弾性変形可能なフラップ116は、(
図4Bに示される)遠位手108によって把持されたときにバットハンドル402に倣う。
【0030】
いくつかの実施形態では、弾性変形可能なフラップ116は、強化された摩擦を提供する材料でできており、弾性変形可能なフラップ116のうちの1つとバットハンドル402は、バットハンドル402が把持されている間に接触する。
【0031】
いくつかの実施形態では、弾性変形可能なフラップ116は、遠位手108がバットハンドル402を把持するときにバットハンドル402に実質的に倣うように構成された凹状の曲面を有する。いくつかの実施形態では、弾性変形可能なフラップ116はそれぞれ、楕円形の凹面曲面である凹面曲面を有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、サドル114は、バットハンドル402からの振動および衝撃を吸収するクッションとして機能するように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、親指リング112およびサドル114は、注入可能なゴム、ソルボセイン(登録商標)、シリコーンゴム、およびシリコーンを含む群から選択される弾性変形可能な材料から作られる。
【0034】
図2Aを参照すると、打撃補助具100の斜視図が示され、親指リング112および2つの弾性変形可能なフラップ116を有するサドル114が示されている。この実施形態では、2つの弾性変形可能なフラップ116は、互いに左右対称の関係で延在する。
【0035】
いくつかの実施形態では、2つの弾性変形可能なフラップ116は、不均等に延在する。
【0036】
この実施形態では、親指リング112の内面と共にサドル114の内面は、親指104(
図1Aに図示される)と遠位手108の人差し指102の中手骨の対面側(両方とも
図1Aに図示される)との間に形成される略V字形の領域に係合し、実質的にまたがるように構成される。
【0037】
図2Bを参照すると、
図2Aの打撃補助具100の側面図が示されており、親指リング112と、頂部118を含むサドル114を示し、2つの弾性変形可能なフラップ116のうちの1つを示している。
【0038】
図2Cを参照すると、
図2Aの打撃補助具100の上面図が示されており、親指リング112およびサドル114が示されている。サドル114は、頂部118によって結合された2つの下降する弾性変形可能なフラップ116からなる。親指リング112は、弾性変形可能なフラップ116およびサドル114の頂部118に接続されている。
【0039】
図3を参照すると、遠位手108の親指104に装着された打撃補助具100の斜視正面図が示されている。親指リング112は、遠位手108の親指104の基節骨106にフィットする。サドル114は、2つの弾性変形可能なフラップ116を含み、2つの弾性変形可能なフラップ116のうちの1つは、遠位手108の手のひら110に対して位置決めされる。
【0040】
2つの弾性変形可能なフラップ116は遠位手108と自己調整しているので、打者は打撃補助具100の調整に時間を費やす必要がなく、したがって打者は投げられたボールを打つことに集中することができる。
【0041】
図4Aを参照すると、遠位手108の親指104に装着された打撃補助具100の斜視上面図が示されている。また、親指リング112およびサドル114も示されており、サドル114は、頂部118および2つの弾性変形可能なフラップ116を含む。弾性変形可能なフラップ116は、遠位手108と自己調整している。遠位手108の指404は、開いた位置で示されている。
【0042】
この実施形態では、サドル114の頂部118は、遠位手108の親指104の基節骨の遠位端と人差し指102の中手骨の遠位端との間の領域に実質的にまたがっている。
【0043】
図4Bを参照すると、遠位手108の親指104に装着された打撃補助具100の斜視上面図が示されている。また、親指リング112およびサドル114も示されており、サドル114は、頂部118および2つの弾性変形可能なフラップ116を含む。遠位手108の指404は、バットハンドル402を把持するように閉じた位置にある。
【0044】
サドル114の1つの弾性変形可能なフラップ116は、バットハンドル402と、選手の遠位手108の(
図1Aに示される)手のひら110との間に捕捉される。この弾性変形可能なフラップ116は、バットハンドル402に倣い、バットハンドル402上の遠位手108のグリップを改善する。
【0045】
図5Aを参照すると、遠位手108の親指104に装着された打撃補助具100の斜視図が示されている。バットハンドル402は、遠位手108および近位手502の両方によって把持され、遠位手108の指404は、バットハンドル402を把持するように閉じた位置にある。
【0046】
また、親指リング112およびサドル114も示されている。サドル114の2つの弾性変形可能なフラップ116のうちの1つは、バットハンドル402と選手の遠位手108の手のひら110との間で押される。
【0047】
バットハンドル402と選手の遠位手108の手のひら110との間に捕捉された弾性変形可能なフラップ116は、バットが投げられたボールに当たるときのバットハンドル402からの振動および衝撃を緩和し、選手を痛みおよび怪我から保護する。
【0048】
図5Bを参照すると、遠位手108の親指104に装着された打撃補助具100の斜視図が示されている。バットハンドル402は、遠位手108および近位手502の両方によって把持され、遠位手108の指404は、バットハンドル402を把持するように閉じた位置にある。
【0049】
また、親指リング112およびサドル114も示されており、サドル114は、頂部118および2つの弾性変形可能なフラップ116のうちの第2のものを含み、第2の弾性変形可能なフラップ116は、バットハンドル402から離れて延在して示されている。(この図では隠れている)2つの弾性変形可能なフラップ116のうちの他方のフラップは、バットハンドル402と選手の遠位手108の手のひら110との間に捕捉される。
【0050】
この実施形態では、弾性変形可能なフラップ116の両方が遠位手108と自己調整し、したがって、打者は、打撃補助具100の調整に時間を費やす必要がなく、したがって、打者は、投げられたボールを打つことに集中することができる。
【0051】
この実施形態では、バットハンドル402と接触するように押し付けられた弾性変形可能なフラップ116(この図では隠れている)は、遠位手108がバットハンドル402を把持したときに、バットハンドル402が遠位手108の指404に向かって前方に傾斜するように遠位手108に付勢されるように構成される。
【0052】
他の修正および実施は、特許請求されるような本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者に生じるであろう。したがって、上記の説明は、以下の特許請求の範囲に示されている場合を除き、本発明を限定することを意図するものではない。