(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】軒天構造
(51)【国際特許分類】
E04B 9/30 20060101AFI20240805BHJP
E04B 9/04 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
E04B9/30 E
E04B9/04 K
(21)【出願番号】P 2023003221
(22)【出願日】2023-01-12
(62)【分割の表示】P 2019019337の分割
【原出願日】2019-02-06
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】390036722
【氏名又は名称】神島化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087538
【氏名又は名称】鳥居 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100085213
【氏名又は名称】鳥居 洋
(72)【発明者】
【氏名】田原 雅士
(72)【発明者】
【氏名】片山 雄太
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-144316(JP,U)
【文献】特開2007-297829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/62-1/99
E04B 9/02
E04B 9/04
E04B 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に隣り合う軒天板の軒元側を野縁もしくは外壁に軒元側支持部材を介して支持し、軒天板の軒先側を野縁もしくは鼻隠し下地に軒先側支持部材を介して支持する軒天構造において、前記幅方向に隣り合う軒天板の接合部分にジョイント金具を備え、このジョイント金具は、幅方向に隣り合う軒天板の突合せ部分に位置する垂直板部と、この垂直板部の上方両側に設けられ、幅方向に隣り合う軒天板の上面に位置する一対の上面板部と、前記垂直板部の下方両側に設けられ、幅方向に隣り合う軒天板の端面に形成された雌サネ部に挿し込まれる挿し込み部とからなり、幅方向に隣り合う軒天板の上面に位置する一対の上面板部のうちの少なくとも一方を野縁等の下地に留め付け
、前記雌サネ部に挿し込まれる挿し込み部に、軒天板を押し上げる付勢部を設けたことを特徴とする軒天構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物の軒天構造に関する。
【背景技術】
【0002】
軒天板の施工においては、軒天板の下面から釘やビス等の留め付け具によって軒天板を建物側の野縁等に固定するのが一般的である。その場合、釘やビス等の留め付け具の頭部が目立たないように補修する必要があり、その補修個所が経年劣化によって目立つという不具合がある。
【0003】
また、従来、
図50又は
図51に示すように、軒先側の鼻隠し下地100もしくは野縁101に取り付けた見切り縁102に、軒天板103の軒先側を支持する軒天板支持片104を設けた軒天板の軒先側支持部材が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-98693号公報
【文献】特開平07-331793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および特許文献2の軒天板の軒先側支持部材は、軒天板103の軒先側を支持する軒天板支持片104が、軒先側の鼻隠し下地100もしくは野縁101に取り付けた見切り縁102に一体に設けられているため、軒天板支持片104の軒先出方向の位置が一定で変更できない。
【0006】
このため、軒天板103の軒先側の端面と軒天板支持片104との間に隙間ができて、軒天板103にガタが生じ易い。
【0007】
軒天板103にガタツキがあると、防火、防水、耐風圧の面で好ましくない。
【0008】
この発明は、幅方向に隣り合う軒天板の接合部分の横ずれ防止、垂れ防止及び野縁等に対する固定強度の向上しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、幅方向に隣り合う軒天板の軒元側を野縁もしくは外壁に軒元側支持部材を介して支持し、軒天板の軒先側を野縁もしくは鼻隠し下地に軒先側支持部材を介して支持する軒天構造において、前記幅方向に隣り合う軒天板の接合部分にジョイント金具を備え、このジョイント金具は、幅方向に隣り合う軒天板の突合せ部分に位置する垂直板部と、この垂直板部の上方両側に設けられ、幅方向に隣り合う軒天板の上面に位置する一対の上面板部と、前記垂直板部の下方両側に設けられ、幅方向に隣り合う軒天板の端面に形成された雌サネ部に挿し込まれる挿し込み部とからなり、幅方向に隣り合う軒天板の上面に位置する一対の上面板部のうちの少なくとも一方を野縁等の下地に留め付けたものである。
【0010】
前記雌サネ部に挿し込まれる挿し込み部には、軒天板を押し上げる付勢部を設けることができる。
【0011】
また、ジョイント金具として、野縁等の縦面に固定される固定板と、この固定板の下方に設けられ、軒天板の上面に位置する上面板と、この上面板に設けられ、幅方向に隣り合う軒天板の突合せ部分に挿し込まれるストッパー部とからなるものを使用することができる。
【0012】
また、ジョイント金具として、鼻隠し下地、外壁もしくは野縁の縦面に固定される固定板と、この固定板の下方に設けられ、軒天板の上面に位置する上面板と、この上面板と別体に設けられ、幅方向に隣り合う軒天板の突合せ部分に挿し込まれるストッパー部とを有し、前記上面板は、幅方向に隣り合う軒天板の突合せ部分に設けられた上面溝に重なるスリットを備え、前記ストッパーは、前記上面板の上面に重なる係合板部と、隣り合う軒天板の突合せ部分の上面溝に、前記上面板のスリットを介して嵌め込まれる嵌合部とからなるものを使用することができる。
【0013】
前記上面板の下面に、幅方向に隣り合う軒天板の突合せ部分の上面溝に係合する位置決め突起を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、この発明によれば、幅方向に隣り合う軒天板の接合部分の横ずれ防止、垂れ防止又は野縁等に対する固定強度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明の実施形態にかかる軒天構造の側面視による説明図である。
【
図2】
図1の軒天構造で用いられている軒先側見切り縁の斜視図である。
【
図3】
図1の軒天構造で用いられている軒先側固定金具の斜視図である。
【
図4】
図1の軒天構造で用いられている軒元側見切り縁の斜視図である。
【
図5】
図1の軒天構造で用いられている軒元側固定金具の斜視図である。
【
図6】この発明の他の実施形態にかかる軒天構造の軒先側の側面視による説明図である。
【
図7】この発明の他の実施形態にかかる軒天構造の軒先側の側面視による説明図である。
【
図8】この発明の他の実施形態にかかる軒天構造の軒先側の側面視による説明図である。
【
図9】この発明の他の実施形態にかかる軒天構造の軒先側の側面視による説明図である。
【
図10】この発明の他の実施形態にかかる軒天構造の軒先側の側面視による説明図である。
【
図11】
図10の軒天構造で用いられている軒先側固定金具の斜視図である。
【
図12】この発明の他の実施形態にかかる軒天構造の軒先側の側面視による説明図である。
【
図13】
図12の軒天構造で用いられている軒先側固定金具の斜視図である。
【
図14】この発明の他の実施形態にかかる軒天構造の軒先側の側面視による説明図である。
【
図15】
図14の軒天構造で用いられている軒先側固定金具の斜視図である。
【
図16】この発明の他の実施形態にかかる軒天構造の軒先側の側面視による説明図である。
【
図17】(a)は
図16の軒天構造で用いられている軒先側固定金具を構成するスライド部材を保持制限部材に対して軒先側に移動させた状態の側面図、(b)はスライド部材を保持制限部材に対して軒元側に移動させた状態の側面図である。
【
図18】(a)は
図16の軒天構造で用いられている軒先側固定金具におけるスライド部材の平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【
図19】
図16の軒天構造で用いられている軒先側固定金具のスライド部材の斜視図である。
【
図20】(a)は
図16の軒天構造で用いられている軒先側固定金具における保持制限部材の平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【
図21】
図16の軒天構造で用いられている軒先側固定金具における保持制限部材の斜視図である。
【
図22】
図16の軒天構造で用いられている軒先側固定金具を鼻隠し下地に固定した状態を示す説明図である。
【
図23】この発明の他の実施形態にかかる軒天構造の軒先側の側面視による説明図である。
【
図24】(a)は
図23の軒天構造で用いられている軒先側固定金具のスライド部材を保持制限部材に対して軒先側に移動させた状態の側面図、(b)はスライド部材を保持制限部材に対して軒元側に移動させた状態の側面図である。
【
図25】(a)は
図23の軒天構造で用いられている軒先側固定金具におけるスライド部材の平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【
図26】
図23の軒天構造で用いられている軒先側固定金具のスライド部材の斜視図である。
【
図27】(a)は
図23の軒天構造で用いられている軒先側固定金具における保持制限部材の平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【
図28】
図23の軒天構造で用いられている軒先側固定金具における保持制限部材の斜視図である。
【
図29】この発明に係る軒天構造の軒元側の他の実施形態の側面視による説明図である。
【
図30】
図29の軒天構造で用いられている軒元側固定金具の斜視図である。
【
図31】この発明に係る軒天構造の軒元側の他の実施形態の側面視による説明図である。
【
図32】
図31の軒天構造で用いられている軒元側固定金具の斜視図である。
【
図33】この発明に係る軒天構造の軒元側の他の実施形態の側面視による説明図である。
【
図34】
図33の軒天構造で用いられている軒元側固定金具の斜視図である。
【
図35】この発明に係る軒天構造の軒元側の他の実施形態の側面視による説明図である。
【
図36】
図35の軒天構造で用いられている軒元側固定金具の斜視図である。
【
図37】ジョイント金具を使用する隣り合う軒天板の突合せ部分の一例を示す断面図である。
【
図38】
図37の軒天板の突合せ部分で用いられているジョイント金具の斜視図である。
【
図39】
図38のジョイント金具を使用した隣り合う軒天板の突合せ部分の他の例を示す断面図である。
【
図40】ジョイント金具の他の例を使用した隣り合う軒天板の突合せ部分を示す断面図である。
【
図42】ジョイント金具の他の例を使用した隣り合う軒天板の突合せ部分を示す断面図である。
【
図44】ジョイント金具の他の例を使用した隣り合う軒天板の突合せ部分を示す断面図である。
【
図46】ジョイント金具の他の例を使用した隣り合う軒天板の突合せ部分を示す斜視図である。
【
図48】ジョイント金具の他の例を使用した隣り合う軒天板の突合せ部分を示す斜視図である。
【
図50】従来の軒天板の軒先側支持部材を示す断面図である。
【
図51】従来の軒天板の軒先側支持部材の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づき具体的に説明する。
図1に示す実施形態の軒天構造においては、軒天板1の軒元側を野縁2に軒元側支持部材3を介して支持し、軒天板1の軒先側を、野縁2及び鼻隠し下地4に軒先側支持部材5を介して支持している。
【0017】
前記軒先側支持部材5は、野縁2に対して固定する軒先側固定金具6Aと、この軒先側固定金具6Aを覆う軒先側見切り縁7Aとからなる。前記軒先側固定金具6Aは、野縁2に対して軒先の出方向に対して位置変更可能に固定され、前記軒先側見切り縁7Aは、鼻隠し下地4に取り付けられる。
【0018】
前記軒先側見切り縁7Aは、
図2に示すように、桁行方向に長い長尺部材(例えば3000mm程度)とされるのに対し、前記軒先側固定金具6Aは、
図3に示すように、短尺部材であり、桁行方向に間隔(例えば455mm間隔)を置いて配置される。
【0019】
前記軒先側固定金具6Aは、
図3に示すように、軒天板1の上面に位置する上側支持片6aと、軒天板1の下面に位置する下側支持片6bと、前記上側支持片6aと下側支持片6bとを繋ぎ、軒天板1の軒先側の端面に対して対向し、軒天板1の軒先側の端面を軒元側に向かって押圧する垂下片6cと、上側支持片6aの軒先側の端部から軒先側に延び、釘やビス等の留め付け具8によって上向きに野縁2に留め付けられる取付片6dとを備えている。
【0020】
前記軒先側固定金具6Aの取付片6dには、釘やビス等の留め付け具8の挿通孔6eを設けている。
【0021】
また、前記軒先側固定金具6Aの下側支持片6bの軒元側の先端は、下方に広げられており、上側支持片6aと下側支持片6bの間に、軒天板1の軒先側を挿し込む際に、軒天板1を挿し込み易くしている。
【0022】
前記軒先側見切り縁7Aは、
図2に示すように、上側部7aと、下側部7bと、これらを繋ぐ斜め立上部7cとを備えた断面略Z字形状をなしている。前記軒先側見切り縁7Aの上側部7aの屋外側端は、上側に折り返されている。同様に、前記軒先側見切り縁7Aの下側部7bの屋内側端も、上側に折り返されており、この折り返された部分が、前記軒先側固定金具6Aの下側支持片6bと軒天板1の下面との間に挿し込まれる挿し込み部7dを構成している。
【0023】
前記軒先側見切り縁7Aの上側部7aは、前記鼻隠し下地4の下面側から上向きに打ち込まれた釘やビス等の留め付け具9によって、前記鼻隠し下地4の下面に固定されている。前記鼻隠し下地4の屋外側には軒先側の建物部材である鼻隠し14が取り付けられている。前記鼻隠し14は、その下端部が前記軒先側見切り縁7Aの下端よりも下方に突出するように設けられている。
【0024】
前記軒先側見切り縁7Aの立上部7cには、天井裏に通じる通気口10が設けられ、立上部7cが通気壁を構成し、この立上部7cの通気口10により、軒天裏と屋外とを連通させることで、軒天裏の換気が行えるようにしている。
【0025】
一方、
図1に示す実施形態の軒天構造の軒元側支持部材3は、
図4に示す軒元側見切り縁11Aと
図5に示す軒元側固定金具12Aとからなり、軒元側見切り縁11Aと軒元側固定金具12Aが、野縁2の下面から上向きに打ち込まれた釘やビス等の留め付け具13によって、野縁2に固定されている。
【0026】
前記軒元側見切り縁11Aは、桁行方向に長い長尺部材(例えば3000mm程度)とされるのに対し、前記軒元側固定金具12Aは桁行方向に間隔(例えば455mm間隔)を置いて配置される短尺部材とされる。前記留め付け具13は、前記軒元側固定金具12A及び前記軒元側見切り縁11Aの上側部を貫通して前記野縁2の下面に打ち込まれている。前記軒元側固定金具12Aは前記軒元側見切り縁11Aごと前記野縁2に固定されている。
【0027】
前記軒元側見切り縁11Aは、
図4に示すように、上側部11aと、下側部11bと、これらを繋ぐ立上部11cとを備えて断面略コ字形状を有している。また、
図5に示すように、前記軒元側固定金具12Aも同様に、上側部12aと、下側部12bと、これらを繋ぐ立上部12cとを備えて断面略コ字形状を有し、上側部12aに、釘やビス等の留め付け具13を挿通する挿通孔12dを設けている。
【0028】
前記軒元側見切り縁11Aは、前記軒元側固定金具12Aの外面を覆うことができるように、当該軒元側固定金具12Aよりも一回り大きく形成されている。この軒元側見切り縁11Aの上側部11aは、前記野縁2の下面に当接しており、前記立上部11cは外壁材あるいは外壁下地の表面に当接している。
【0029】
また、前記軒元側固定金具12Aの上側部12aは、例えば水平配置される軒天板1の軒元側の上側に位置しており、下側部12bは前記軒天板1の軒元側の下側に位置しており、立上部12cには前記軒天板1の屋内側の端面が突き当てられる。
【0030】
そして、前記軒元側見切り縁11Aの上側部11aの屋外側端は、下側に折り返されており、この折り返された部分は、前記軒元側固定金具12Aの上側部12aの屋外側端に係止される。同様に、前記軒元側見切り縁11Aの下側部11bの屋外側端は、上側に折り返されており、この折り返された部分は、前記軒元側固定金具12Aの下側部12bの屋外側端に係止される。
【0031】
図1に示す軒天構造を施工する手順としては、例えば、前記軒元側固定金具12Aを軒元側見切り縁11Aに装着した状態で、前記軒元側固定金具12Aと軒元側見切り縁11Aを、所定ピッチで釘やビス等の留め付け具13によって野縁2に固定する(軒元側見切り縁11Aを先付けした後で、軒元側固定金具12Aを固定する場合もある。)。
【0032】
そして、前記軒天板1の軒元側を前記軒元側固定金具12Aの上側部12aと下側部12bの間に差し込み、また、前記軒天板1の軒先側を持ち上げ、この軒先側を軒先側固定金具6Aの上側支持片6aと下側支持片6bの間に挿し込んで軒先側固定金具6Aを軒天板1の軒先側に装着する。さらに、前記軒先側固定金具6Aを屋内側にスライドさせ、軒天板1を軒元側に移動させて垂下片6cによって軒天板1を軒元側方向に押し付ける。その後に、前記軒先側固定金具6Aの取付片6dを釘やビス等の留め付け具8によって上向きに野縁2に留め付ける。
【0033】
この後、前記軒先側見切り縁7Aの挿し込み部7dを軒先側固定金具6Aの下側支持片6bと軒天板1の下面との間に挿し込み、この挿し込み量を調整しながら前記軒先側見切り縁7Aの上側部7aを鼻隠し下地4の所定の位置に釘やビス等の留め付け具9によって留め付ける。
【0034】
このように、
図1に示す軒天構造では、前記軒先側固定金具6Aを屋内側にスライドさせ、軒天板1を軒元側に移動させて垂下片6cによって軒天板1を軒元側方向に押し付けることにより、軒天板1をガタツキなく取付けることができる。
【0035】
そして、軒先側固定金具6Aによって軒天板1を軒元側方向に押し付けることにより、軒先側固定金具6Aの軒先の出方向の位置が変わっても、軒先側見切り縁7Aの挿し込み部7dを軒先側固定金具6Aの下側支持片6bと軒天板1の下面との間に挿し込み、この挿し込み量を調整しながら軒先側見切り縁7Aの上側部7aを鼻隠し下地4の所定の位置に釘やビス等の留め付け具9によって留め付けることにより、軒先側見切り縁7Aによって軒先側固定金具6Aの留め付け具8と軒先側固定金具6A自体を隠すことができるので、下方から見たときの美観が損われない。
【0036】
次に、
図6はこの発明の軒天構造の他の実施形態を示している。この実施形態は、
図1の軒先側見切り縁7Aの変形例である軒先側見切り縁7Bを用いた例である。軒先側見切り縁7Aと軒先側見切り縁7Bで共通する部位には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、以下の各種の例においても、共通する部位は同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0037】
この
図6の軒先側見切り縁7Bは、上側部7aの屋外側端から上側に折り返された折り返し部を、立上部7cを屋内側に超える位置まで延長し、この延長部の屋内側端部を、前記通気口10からの気流(矢印)の通過箇所に至るように下向きに折り返し、この折り返し部の端部を水返し片7eとして機能させ、軒天裏への雨水の浸入を抑制できるようにしている。
【0038】
また、前記軒先側見切り縁7Bの下側部7bの内側には、火災時の熱で膨張する熱膨張防火材15を、膨張時に立上部7cの通気口10を遮蔽するように配置している。例えば、前記熱膨張防火材15は、テープ状に形成されており、前記軒先側見切り縁7Bの下側部7bの内面上で且つ前記通気口10の下方側となる位置において桁行方向に貼られている。
【0039】
また、
図7もこの発明の軒天構造に用いる軒先側見切り縁7Aの他の例である軒先側見切り縁7Cを示している。
【0040】
この
図7の軒先側見切り縁7Cは、上側部7aの屋外側の端部に下向きに設けられた垂下部7fと、この垂下部7fの下端を屋外側に向かって延長させた第2下側部7gと、この第2下側部7gの屋外側の端部を上向きに延長させ、鼻隠し14に当接する第3立上部7hとによって軒先側に第2通気空間を形成し、前記垂下部7fに形成した第2通気口16によって軒天裏と屋外とを連通させ、軒天裏の換気を向上させている。
【0041】
さらに、
図8もこの発明の軒天構造に使用する軒先側見切り縁7Aの他の例である軒先側見切り縁7Dを示し、
図7の軒先側見切り縁7Cよりもさらに軒天裏の換気を向上させている。
【0042】
この
図8の軒先側見切り縁7Dは、第3立上部7hを鼻隠し下地4の下面に当接するまで上方に延長し、この第3立上部7hの上端を屋外側に折り曲げて、鼻隠し下地4の下面に当接する第2上側部7iを設けている。第2上側部7iは、前記鼻隠し下地4の下面側から上向きに打ち込まれた釘やビス等の留め付け具17によって、前記鼻隠し下地4の下面に固定されている。
【0043】
そして、第3立上部7hには、第3通気口18が形成され、この第3通気口18により軒天裏と屋外とを連通させ、軒天裏の換気を向上させている。
【0044】
また、前記軒先側見切り縁7Dには、下側部7bの軒元側端部と挿し込み部7dの軒元側端部との間に、第4通気口19を備える立上部7jを設けている。
【0045】
さらに、
図9もこの発明の軒天構造に使用する軒先側見切り縁7Aの他の例である軒先側見切り縁7Eを示し、
図8の軒先側見切り縁7Dよりもさらに軒天裏の換気を向上させている。
【0046】
この
図9の軒先側見切り縁7Eは、第3立上部7hと垂下部7fの長さを、軒先側見切り縁7Dよりもさらに下向きに延長し、通気空間をより大きくすることによって軒天裏の換気をより向上させた例である。
【0047】
次に、
図10はこの発明の軒天構造における他の実施形態を示している。
【0048】
この
図10の軒天構造に使用する軒先側固定金具6Bは、
図1の軒先側固定金具6Aの変形例であり、
図11に示すように、下側支持片6bの屋内側端の両縁部に、一部が切り込まれて略中央部が上側に突出するように屈曲されたバネ性を有する付勢部6fを形成している。前記付勢部6fの先端裾側は、下側支持片6bと略面一の高さにあり、差し込まれる前記軒天板1の下面によって当該付勢部6fが徐々に上方に押されていくことになる。この付勢部6fは、前記軒天板1の下面に押されて下方に撓むとともに、当該軒天板1の厚み方向に押し上げる。これによれば、軒天板1の軒先側における厚み方向の支持隙間の発生も防止できるようになり、軒天板1の軒先側での前記厚み方向のガタツキも防止できる。
【0049】
また、前記軒先側固定金具6Bの垂下片6cには、前記軒天板1を軒元側に付勢する付勢部6gを切り起こしによって形成している。この垂下片6cに付勢部6gを設けることにより、軒天板1に経年変化によって軒元支持側から軒先支持側の方向に痩せが生じたとしても、当該方向の経年によるガタツキを防止することができる。この
図10の例では、軒先側見切り縁7Bを使用している。
【0050】
また、
図12もこの発明の軒天構造における軒先側固定金具6Aの他の例である軒先側固定金具6Cを示しており、この実施形態では軒先側見切り縁7Bを使用している。
【0051】
この
図12の軒先側固定金具6Cは、
図13に示すように、上側支持片6aの屋内側端の両縁部に、一部が切り込まれて略中央部が下側に突出するように屈曲されたバネ性を有する付勢部6hを形成している。前記付勢部6hの先端裾側は、上側支持片6aと略面一の高さにあり、差し込まれる前記軒天板1の上面によって当該付勢部6fが徐々に下方に押されていくことになる。この付勢部6hは、前記軒天板1の上面に押されて上方に撓むとともに、当該軒天板1の厚み方向に押し下げる。これによれば、軒天板1の軒先側における厚み方向の支持隙間の発生も防止できるようになり、軒天板1の軒先側での前記厚み方向のガタツキも防止できる。
【0052】
また、前記軒先側固定金具6Cの垂下片6cには、前記軒天板1を軒元側に付勢する付勢部6gを切り起こしによって形成している。この垂下片6cに付勢部6gを設けることにより、軒天板1に経年変化による軒元支持側から軒先支持側間の方向の痩せが生じたとしても、当該方向の経年によるガタツキを防止することができる。
【0053】
また、
図14もこの発明の軒天構造における軒先側固定金具6Aの他の例である軒先側固定金具6Dを示しており、この実施形態では軒先側見切り縁7Bを使用している。
【0054】
この
図14の軒先側固定金具6Dは、
図15に示すように、垂下片6cに軒天板1の端面に挿し込む突起6iを切り起こしによって形成している。この突起6iを軒天板1の端面に挿し込むことにより、軒先側固定金具6Dと軒天板1との間のガタツキを防止することができる。
【0055】
次に、
図16もこの発明の軒天構造における軒先側固定金具6Aの他の例の軒先側固定金具6Eを示しており、この実施形態では軒先側見切り縁7Aを使用している。
【0056】
図16に示す実施形態の軒先側固定金具6Eは、
図17(a)(b)に示すように、前記軒天板1を軒元側に押圧する方向へスライドできるスライド部材61(二点鎖線で示している)と、前記スライド部材61をスライド可能に保持する一方で前記押圧する方向と反対の方向への戻りを制限する保持制限部材62とを備える。
【0057】
前記保持制限部材62は、前記鼻隠し下地4の屋内側(裏側)の縦面に、釘や螺子等の留め付け具81によって固定される固定板部621を一体に設けている。この固定板部621は、前記保持制限部材62の上面の屋外側の端縁に直角に一体に設けられている。固定板部621には、保持制限部材62を前記鼻隠し下地4の裏面に固定する留め付け具81を打ち込む挿通孔622を設けている。前記保持制限部材62は、固定板部621を鼻隠し下地4の裏面に当接させて、留め付け具81を挿通孔622に打ち込むことにより、鼻隠し下地4に固定される。
【0058】
前記スライド部材61は、
図18(a)(b)(c)及び
図19に示すように、上側部611と下側部612とこれらを繋ぐ縦板部613とを備える。前記上側部611は前記保持制限部材62Eによって保持されて移動の許容と制限が行われる部分であり、この上側部611の下面に凹凸部614が形成されている。前記下側部612は前記軒天板1の下側に位置して当該軒天板1を支持する。また、前記縦板部613は前記軒天板1の屋外側の端面に対向し、この軒天板1を軒元側に押す部分となる。
【0059】
前記保持制限部材62は、
図20(a)(b)(c)及び
図21に示すように、横板部と、この横板部の両側辺に沿って上方に直角に起立する一対の縦板部とを有する金物であり、縦板部は前記固定板部621を構成している。
【0060】
前記保持制限部材62における横板部には、縦板部と平行な2本の切れ込みを入れ、この切れ込みの間をプレス加工に下方に押し込み、スライド部材61の上側部611をスライド自在に包む単一の袋部623を一体に形成している。この袋部623には、スライド部材61の上側部611の下面に形成した凹凸部614に係合する突起部624を切り起こしによって形成している。
【0061】
また、保持制限部材62における袋部623の下面には、軒天板1をスライド部材61の下側部612に押し付けるバネ鋼製の付勢部625を設けている。このバネ鋼製の付勢部625が、軒天板1をスライド部材61Eの下側部612に押し付けることにより、軒天板1の厚みにバラツキがあったり、軒天板1の厚みが経年変化により痩せが生じたりしても、隣合う軒天板1の下面が揃うため、軒天板1を下方から見上げた際に、段差が生じず、見栄えが良い。なお、バネ鋼製の付勢部625は、軒元側から軒先側に向かって垂れ下がり、軒元側がバーリングカシメ部626によって袋部623に接合されている。
【0062】
前記保持制限部材62には、固定板部621を構成する一対の縦板部の間から軒先側に向かって延びる第2の固定板部627が形成されている。この第2の固定板部627と横板部とは同一平面上に位置している。第2の固定板部627には、前記保持制限部材62を留め付け具82によって鼻隠し下地4の下面に固定することができるように、留め付け具82の挿通孔628を設けている。
【0063】
また、スライド部材61Eの上側部611の屋外側の端部には、上側部611と同一平面で屋外側に延び、先端が下方に屈曲する一対の固定板部615が形成されている。一対の固定板部615は、スライド部材61のスライド方向に対して直交する方向に所定の間隔が空けられており、
図22に示すように、留め付け具82を一対の固定板部615の間に位置させることにより、留め付け具82によって保持制限部材62の第2の固定板部627を鼻隠し下地4の下面に固定することができる。
【0064】
この
図16に示す形態の軒天構造では、スライド部材61の上側部611の屋外側の端部に、上側部611と同一平面で屋外側に延び、先端が下方に屈曲する一対の固定板部615を形成しており、スライド部材61によって前記軒天板1を軒元側へ押し込んだ後、軒先側見切り縁7Bを留め付け具9によって前記鼻隠し4に取り付けることにより、スライド部材61の一対の固定板部615を軒先側見切り縁7Bに当てて、スライド部材61の戻り防止を確実に行っている。
【0065】
図16に示す実施形態の軒先側固定金具6Eは、
図17(a)に示すように、保持制限部材62に対してスライド部材61を屋外方向に強く引っ張っても、スライド部材61が保持制限部材62の袋部623から抜け出さないように、スライド部材61の上側部611の屋内側の端部上面に、抜け出しを防止する突起616を設けておくことが好ましい。なお、突起616は、スライド部材61を保持制限部材62の袋部623に挿し込んで組み立てる前に形成しておくと、保持制限部材62の袋部623への挿し込みに支障がでるので、スライド部材61を保持制限部材62に袋部623を挿し込んだ後に、プレス加工によって形成する必要がある。
【0066】
次に、
図23は、
図16に示す軒先側固定金具6Eの変形例である軒先側固定金具6Fを使用した実施形態である。
【0067】
図23に示す形態の軒天構造は、
図16に示す形態の軒天構造と同様に、スライド部材61の上側部611の屋外側の端部に、上側部611と同一平面で屋外側に延び、先端が下方に屈曲する一対の固定板部615を形成しており、スライド部材61によって前記軒天板1を軒元側へ押し込んだ後、軒先側見切り縁7Aを留め付け具9によって前記鼻隠し下地4に取り付けることにより、スライド部材61の一対の固定板部615を軒先側見切り縁7Aに当てて、スライド部材61の戻り防止を確実に行っている。
【0068】
図24に示す軒先側固定金具6Fは、
図24(a)(b)に示すように、前記軒天板1を軒元側に押圧する方向へスライドできるスライド部材61(二点鎖線で示している)と、前記スライド部材61をスライド可能に保持する一方で前記の押圧する方向と反対の方向への戻りを制限する保持制限部材62とを備える。
【0069】
この保持制限部材62は、
図16に示す形態の軒天構造における保持制限部材62のように、固定板部621を構成する上方に直角に起立する縦板部を、横板部の両側辺に沿って一対設けるのではなく、
図27(a)(b)(c)及び
図28に示すように、横板部の軒先側の先端辺の中央部に、固定板部621を構成する一つの縦板部を形成している。そして、横板部の軒先側の先端辺の両側から軒先側に向かって延びる第2の固定板部627を一対設けている。
【0070】
前記固定板部621には、前記保持制限部材62を前記鼻隠し下地4の裏面に固定する釘や螺子等の留め付け具81を打ち込む挿通孔622を設けている。前記保持制限部材62は、前記保持制限部材62の固定板部621を鼻隠し下地4の裏面に当接させて、留め付け具81を挿通孔622に打ち込むことにより、鼻隠し下地4に固定される。
【0071】
前記スライド部材61は、
図25(a)(b)(c)及び
図26に示すように、上側部611と下側部612とこれらを繋ぐ縦板部613とを備える。前記上側部611は、前記保持制限部材62によって保持されて移動の許容と制限が行われる部分であり、この上側部611の下面に凹凸部614が形成されている。前記下側部612は前記軒天板1の下側に位置して当該軒天板1を支持する。また、前記縦板部613は前記軒天板1の屋外側の端面に対向し、この軒天板1を軒元側に押す部分となる。
【0072】
前記保持制限部材62は、
図27(a)(b)(c)及び
図28に示すように、横板部と、この横板部の屋外側の側辺の中央部に直角に起立する縦板部とを有する金物であり、縦板部は前記固定板部621を構成している。
【0073】
前記保持制限部材62における横板部には、縦板部と平行な2本の切れ込みを入れ、この切れ込みの間をプレス加工に下方に押し込み、スライド部材61の上側部611をスライド自在に包む単一の袋部623を一体に形成している。この袋部623には、スライド部材61の上側部611の下面に形成した凹凸部614に係合する突起部624を切り起こしによって形成している。
【0074】
また、保持制限部材62における袋部623の下面には、軒天板1をスライド部材61の下側部612に押し付けるバネ鋼製の付勢部625を設けている。このバネ鋼製の付勢部625が、軒天板1をスライド部材61の下側部612に押し付けることにより、軒天板1の厚みにバラツキがあったり、軒天板1の厚みが経年変化により痩せが生じたりしても、隣合う軒天板1の下面が揃うため、軒天板1を下方から見上げた際に、段差が生じず、見栄えが良い。なお、バネ鋼製の付勢部625は、軒元側から軒先側に向かって垂れ下がり、軒元側がバーリングカシメ部626によって袋部623に接合されている。
【0075】
また、スライド部材61の上側部611の屋外側の端部には、上側部611と同一平面で屋外側に延び、先端が下方に屈曲する固定板部615が形成されている。
【0076】
前記保持制限部材62には、固定板部621を構成する縦板部の両側から軒先側に向かって延びる第2の固定板部627が形成されている。この第2の固定板部627と横板部とは同一平面上に位置している。第2の固定板部627には、前記保持制限部材62を留め付け具82によって鼻隠し下地4の下面に固定することができるように、留め付け具82の挿通孔628を設けている。
【0077】
この
図23に示す形態の軒天構造では、スライド部材61の上側部611の屋外側の端部に、上側部611と同一平面で屋外側に延び、先端が下方に屈曲する固定板部615を形成しており、スライド部材61によって前記軒天板1を軒元側へ押し込んだ後、軒先側見切り縁7Aを留め付け具9によって前記鼻隠し下地4に取り付けることにより、スライド部材61の固定板部615を軒先側見切り縁7Aに当てて、スライド部材61の戻り防止を確実に行っている。
【0078】
前記スライド部材61は、
図24(a)に示すように、保持制限部材62に対してスライド部材61を屋外方向に強く引っ張っても、スライド部材61が保持制限部材62の袋部623から抜け出さないように、スライド部材61の上側部611の屋内側の端部上面に、抜け出しを防止する突起616を設けておくことが好ましい。なお、突起616は、スライド部材61を保持制限部材62に袋部623を挿し込んで組み立てる前に形成しておくと、保持制限部材62の袋部623への挿し込みに支障がでるので、スライド部材61を保持制限部材62に袋部623を挿し込んだ後に、プレス加工によって形成する必要がある。
【0079】
次に、
図29は、軒元側固定金具12Aの変形例である軒元側固定金具12Bを用いた実施形態であり、軒元側固定金具12Bも
図1の実施形態の軒元側固定金具12Aと同様に、上側部12aと、下側部12bと、これらを繋ぐ立上部12cとを備えて断面略コ字形状を有し、上側部12aに、釘やビス等の留め付け具13の挿通孔12dを設けている。この
図29の実施形態における軒元側固定金具12Bは、
図30に示すように、下側部12bの屋外側端の両縁部に、一部が切り込まれて略中央部が上側に突出するように屈曲された山形形状のバネ性を有する付勢部12eを形成した点に特徴がある。前記付勢部12eの先端裾側は、下側部12bと略面一の高さにあり、差し込まれる前記軒天板1の下面によって当該付勢部12eが徐々に下方に押されていくことになる。そして、この付勢部12eは、前記軒天板1の下面に押されて下方に撓むとともに、当該軒天板1を前記上側部12aの方向(軒天板1の厚み方向)に押し上げる。
【0080】
また、
図31及び
図32は、軒元側固定金具12Aの変形例である軒元側固定金具12Cを用いた実施形態を示している。この変形例の軒元側固定金具12Cは、軒天板1を下側部12bに押し付けるバネ鋼製の付勢部20を上側部12aに設けている。このバネ鋼製の付勢部20は、軒天板1を軒元側固定金具12Cの下側部12bに押し付けているので、軒天板1の厚みにバラツキがあったり、軒天板1の厚みが経年変化により痩せが生じたりしても、軒天板1を下方から見上げた際に、隣合う軒天板1に段差が生じず、見栄えが良い。バネ鋼製の付勢部20は、
図32に示すように、軒先側から軒元側に向かって中央部が下面側に垂れ下がって湾曲する一対のバネ片201と、この一対のバネ片201を繋ぐ連結部202とからなり、連結部202が上側部12aの軒先側に、バーリングカシメ部203によって接合されている。軒元側固定金具12Cの上側部12aの中央には、軒元側固定金具12Cを野縁2に留め付け具13によって固定するための釘孔204を設けている。
【0081】
また、
図33及び
図34は、
図29及び
図30に示す軒元側固定金具12Bの変形例である軒元側固定金具12Dを用いた実施形態を示している。この
図33及び
図34に示す軒元側固定金具12Dは、立上部12cに、二点鎖線で示すように、前記軒天板1を軒先側に付勢する付勢部21を設けている。付勢部21は、板バネからなり、中央部が立上部12cにカシメ固定され、板バネは中央の固定位置からから離れる端側ほど軒天板1の端面に近づくように曲げられている。
【0082】
また、
図35及び
図36も、
図29及び
図30に示す軒元側固定金具12Bの変形例である軒元側固定金具12Eを用いた実施形態を示している。軒元側固定金具12Eは、
図36に示すように、上側部12aの端部が上側に折り曲げられた取り付け部23を有している。そして、この取り付け部23には、留め付け具13を野縁2に打ち込むための釘孔24を設けている。また、この実施形態で用いる軒元側見切り縁11Bは、上側部の端部が上側に折り曲げられて前記取り付け部23に沿うようになっており、この曲げ部分に留め付け具13が打ち込まれている。
【0083】
次に、
図37~
図48は、幅方向に隣り合う軒天板1の接合部分の横ずれ防止、垂れ防止及び野縁等に対する固定強度の向上のために使用する各種のジョイント金具を示している。
【0084】
図37~
図39に示すジョイント金具30Aは、幅方向に隣り合う軒天板1の突合せ部分に位置する垂直板部31と、この垂直板部31の上方両側に設けられ、幅方向に隣り合う軒天板1の上面に位置する一対の上面板部32と、前記垂直板部31の下方両側に設けられ、幅方向に隣り合う軒天板1の端面に形成された雌サネ部34に挿し込まれる挿し込み部35とからなり、幅方向に隣り合う軒天板1の上面に位置する一対の上面板部32のうちの少なくとも一方が野縁2等の下地に、釘やビス等の留め付け具84によって留め付ける。
【0085】
図37及び
図38に示すジョイント金具30Aでは、幅方向に隣り合う軒天板1の上面に位置する一対の上面板部32のうちの一方(図面上において左側)が釘やビス等の留め付け具84によって野縁2等の下地に固定され、この固定側が他方よりも幅方向に長く形成し、留め付け具84の挿通孔38を形成している。
【0086】
また、
図37の幅方向に隣り合う軒天板1の突合せ部分は、板厚の半分を互いに切り欠いて重なり部分を作った合い決り形状に形成され、重なり部分に雌サネ部34を形成している。
【0087】
前記ジョイント金具30Aは、
図39に示すように、幅方向に隣り合う軒天板1の突合せ部分が真っ直ぐな木口で、この木口に雌サネ部34を形成した軒天板1の接合にも用いることができる。
【0088】
次に、
図40及び
図41に示すジョイント金具30Bは、
図37~
図39に示すジョイント金具30Aの変形例であり、雌サネ部34に挿し込まれる挿し込み部35の両縁部に、一部が切り込まれて略中央部が上側に突出するように屈曲された山形形状のバネ性を有する付勢部37を形成した点に特徴がある。この付勢部37によって、ジョイント金具30Bの挿し込み部35と雌サネ部34とのガタツキが防止され、幅方向に隣り合う軒天板1の接合部分の垂れを防止することができる。
【0089】
また、
図42及び
図43に示すジョイント金具30Cは、
図40及び
図41に示すジョイント金具30Bの変形例であり、雌サネ部34に挿し込まれる挿し込み部35の一方の両縁部に、一部が切り込まれて略中央部が上側に突出するように屈曲された山形形状のバネ性を有する付勢部37を形成し、他方の雌サネ部34に挿し込まれる挿し込み部35には、中央部分に上側に突出するように屈曲された山形形状のバネ性を有する付勢部37を設けた点に特徴がある。
【0090】
次に、
図44及び
図45のジョイント金具30Dは、野縁2等に縦面に固定される固定板39と、この固定板39の下方に設けられ、軒天板1の上面に位置する上面板41と、この上面板41に設けられ、幅方向に隣り合う軒天板1の突合せ部分に挿し込まれるストッパー部40とからなる。
【0091】
このジョイント金具30Dは、
図44に示すように、ストッパー部40を幅方向に隣り合う軒天板1の突合せ部分に挿し込んだ後、上面板41を軒天板1の上面に位置させて、固定板39を鼻隠し下地、外壁もしくは野縁2の縦面に、釘やビス等の留め付け具85によって固定することにより、隣り合う軒天板1の横ずれを防止することができる。このジョイント金具30Dの固定板39には、釘やビス等の留め付け具85を挿通する挿通孔42を形成している。
【0092】
次に、
図46及び
図47のジョイント金具30Eは、
図44及び
図45のジョイント金具30Dの変形例であり、鼻隠し下地、外壁もしくは野縁2の縦面に固定される固定板39と、この固定板39の下方に設けられ、軒天板1の上面に位置する上面板41と、この上面板41に設けられ、幅方向に隣り合う軒天板1の突合せ部分に挿し込まれるストッパー部40とからなる。このジョイント金具30Eでは、上面板41とストッパー部40とが別体で形成されている。上面板41は、幅方向に隣り合う軒天板の突合せ部分に設けられた上面溝36に重なるスリット43を有する。ストッパー部40は、上面板41の上面に重なる係合板部44と、隣り合う軒天板1の突合せ部分の上面溝36に嵌め込まれる嵌合部45とからなる。ストッパー部40の係合板部44と嵌合部45は、T字形に板材を折り曲げて形成されている。
【0093】
図46及び
図47のジョイント金具30Eには、
図48及び
図49に示すように、上面板41のスリット43を、幅方向に隣り合う軒天板1の突合せ部分に設けられた上面溝36に対して位置合わせを行い易くするために、前記上面板41の下面に、幅方向に隣り合う軒天板1の突合せ部分の上面溝36に係合する位置決め突起46を設けておくことが好ましい。
【符号の説明】
【0094】
1 :軒天板
2 :野縁
2b :下側部
2c :立上部
3 :軒元側支持部材
4 :鼻隠し下地
5 :軒先側支持部材
6A、6B、6C、6D、6E、6F :軒先側固定金具
6a :上側支持片
6b :下側支持片
6c :垂下片
6d :取付片
6e :挿通孔
6f、6g、6h :付勢部
6i :突起
7A、7B、7C、7D、7E :軒先側見切り縁
7a :上側部
7b :下側部
7c :立上部
7d :挿し込み部
7e :水返し片
7f :垂下部
7g :第2下側部
7h :第3立上部
7i :第2上側部
7j :立上部
8、9、13、14、17、81、82、84、85 :留め付け具
10 :通気口
11A、11B :軒元側見切り縁
11a :上側部
11b :下側部
11c :立上部
12A、12B、12C、12D、12E :軒元側固定金具
12a :上側部
12b :下側部
12c :立上部
12d :挿通孔
12e、20、21 :付勢部
15 :熱膨張防火材
16 :第2通気口
18 :第3通気口
19 :第4通気口
23 :取り付け部
24 :釘孔
30A、30B、30C、30D、30E :ジョイント金具
31 :垂直板部
32 :上面板部
34 :雌サネ部
35 :挿し込み部
36 :上面溝
37 :付勢部
38 :挿通孔
39 :固定板
40 :ストッパー部
41 :上面板
42 :挿通孔
43 :スリット
44 :係合板部
45 :嵌合部
46 :位置決め突起
61、61E :スライド部材
62、62E :保持制限部材
201 :バネ片202 :連結部
203 :バーリングカシメ部
204 :釘孔
611 :上側部
612 :下側部
613 :縦板部
614 :凹凸部
615 :固定板部
616 :突起
621 :固定板部
622 :挿通孔
623 :袋部
624 :突起部
625 :付勢部
626 :バーリングカシメ部
627 :第2の固定板部
628 :挿通孔