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特許7531777コアセンタリング機構を有するガイドワイヤ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】コアセンタリング機構を有するガイドワイヤ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20240805BHJP
【FI】
A61M25/09 514
A61M25/09 516
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021533229
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 US2020013754
(87)【国際公開番号】W WO2020150398
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】62/792,775
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/742,211
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515246317
【氏名又は名称】サイエンティア・バスキュラー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】デイビス,クラーク・シー
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー,エドワード・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ターンルンド,トッド・エイチ
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/017351(WO,A1)
【文献】特表2007-514458(JP,A)
【文献】特開2013-176560(JP,A)
【文献】特開2013-106854(JP,A)
【文献】特開2008-178656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位セクションおよび遠位セクションを有する内側部材と、
前記内側部材の前記遠位セクションがチューブ構造に入りかつ前記チューブ構造によって包まれるように前記内側部材に結合された外側チューブであって、前記外側チューブおよび前記内側部材が、前記外側チューブの内側表面と前記外側チューブ内に配置された前記内側部材の前記遠位セクションとの間に環状空間を画定する、外側チューブと、
前記環状空間の少なくとも一部分内に位置決めされた1つまたは複数のセンタリング機構であって、前記外側チューブ内での径方向中心に置かれた位置から外れる前記内側部材の移動を制限するように構成され、放射線不透過性の材料から形成されていない第1のセンタリングコイルを有する、1つまたは複数のセンタリング機構と、
放射線不透過性のマーカコイルと、
を備える、血管内デバイスであって、
前記1つまたは複数のセンタリング機構が、前記外側チューブの長さの少なくとも15%に延在し、
前記第1のセンタリングコイルは前記マーカコイルより更に近位側に延びており、前記マーカコイルは前記第1のセンタリングコイルより更に遠位側に延びており、
前記第1のセンタリングコイルの一部は前記マーカコイルと重なり、前記マーカコイルを覆って延びている、
血管内デバイス。
【請求項2】
前記内側部材の前記遠位セクションが、より小さな遠位直径へと先細りする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1のセンタリングコイルが、ステンレス鋼を含む、請求項またはに記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1のセンタリングコイルが、ポリマーコイルである、請求項またはに記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1のセンタリングコイルが、近位コイル継目において前記内側部材に隣接し、前記第1のセンタリングコイルの前記近位コイル継目が、前記内側部材の直径が前記外側チューブの内径のおおよそ20から80%になる箇所に位置する、請求項からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記1つまたは複数のセンタリング機構が、前記第1のセンタリングコイルの近位端部の遠位で終端する近位端部を含む第2のセンタリングコイルをさらに備える、請求項からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1のセンタリングコイルおよび前記第2のセンタリングコイルが、異なる外径対内径比を有する、請求項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1のセンタリングコイルが、1.05対2、または1.075対1.5、または1.1対1.3のピッチ対コイルワイヤ直径比を有する、請求項からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第2のセンタリングコイルが、1.05対2、または1.075対1.5、または1.1対1.3のピッチ対コイルワイヤ直径比を有する、請求項7または8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記1つまたは複数のセンタリング機構が、更にポリマー充填物を含む、請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ポリマー充填物が、エラストマーである、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記1つまたは複数のセンタリング機構が、完全に前記外側チューブ内に配置された内側チューブを更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記内側チューブが、前記外側チューブと同じ材料から形成される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記内側チューブが、ポリマーチューブとして形成される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項15】
前記内側チューブが、前記外側チューブの柔軟性プロファイル以下の柔軟性プロファイルを有する、請求項12から14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記センタリング機構が、前記チューブの前記近位端部を越えて近位方向に延在するか、前記チューブの前記遠位端部を越えて遠位方向に延在するか、またはその両方である、請求項1から15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第1のセンタリングコイルが、可変の内径と、実質的に一定の外径とを有する、請求項から16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
少なくとも前記チューブの外側表面に適用された被覆層をさらに備え、前記被覆層が、センタリング機構を有さない類似の血管内デバイスの被覆層と比較してより一様な厚さを有する、請求項1から17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記1つまたは複数のセンタリング機構が、前記外側部材の長さの少なくとも45%に延在する、請求項1から18のいずれか一項に記載の血管内デバイス。
【請求項20】
前記内側部材が、コアワイヤ、チューブ、編組物、およびコイルから成る群から選択される、請求項1から19のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2019年1月15日に出願された米国仮出願第62/792,775の優先権および利益を主張する2020年1月14日に出願されGuidewire with Core Centering Mechanismと題された米国特許出願第16/742,211号のPCT国際出願である。上述の特許出願のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
[0002]ガイドワイヤデバイスは、カテーテルまたは他の介入デバイスを患者の身体内の標的とされた解剖学的部位まで導くまたは案内するためにしばしば使用される。典型的には、ガイドワイヤは、例えば患者の心臓または脳に位置するかまたはその近くに位置し得る標的部位に到達するために、患者の血管構造に挿入されて血管構造を通過する。ガイドワイヤを標的部位まで操縦するのを支援するために、放射線造影法が典型的に利用される。多くの場合、標的とされた解剖学的部位まで複数のカテーテルまたは他の介入デバイスを案内するためにガイドワイヤが使用され得る介入手技中に、ガイドワイヤが体内に設置される。
【0003】
[0003]様々な外径サイズのガイドワイヤが入手可能である。広く利用されているサイズには、例えば、0.3556mm(0.014インチ)、0.4064mm(0.016インチ)、0.4572mm(0.018インチ)、0.6096mm(0.024インチ)、および0.889mm(0.035インチ)が含まれるが、それらは、より小さな直径またはより大きな直径である場合もある。トルク伝達は直径の関数であるので、より大きな直径のガイドワイヤは通例、より大きなトルク伝達(ワイヤの近位部分からワイヤのより遠位の部分までトルクを効率的に伝達する能力)を有する。これに対して、より小さな直径のガイドワイヤは通例、より優れた柔軟性を有する。
【0004】
[0004]一部のガイドワイヤは、コア、およびコアの遠位部分を取り囲む外側チューブを有して構成される。コアは、ステンレス鋼などの比較的剛性のある材料で形成されることが多いが、外側部材は、ニチノールなどのより柔軟な材料から形成されることが多い。外側部材はまた、柔軟性を高めるために、機械加工された横方向スロットを含み得る。そのような設計の意図は、効率的なトルク伝達のためにより大きな直径の外側部材を利用すると同時に、ワイヤの柔軟性を高めるためにガイドワイヤの遠位セクションにおいてコアの直径を減少させることである。
【0005】
[0005]そのようなガイドワイヤは成功を得ているが、依然としていくつかの限界がある。具体的には、外側チューブとコアとの間の直径の違いが、ガイドワイヤの一致するセクション内に環状空間を作り出す。外側チューブは設計によりコアワイヤよりも弾性があるので、ワイヤが屈曲部を進むときに、コアは外側チューブの中心線から偏って位置決めされることになる。ガイドワイヤが血管構造を通して移動されるときに、この偏り(off-centering)は、回転運動の円滑な遠位伝達を乱れさせて、ガイドワイヤを優先的な回転位置へ「弾撥」および/または「しなり」を伴って移動させる力の蓄積および突然の解放を生じさせ得る。このガイドワイヤの触覚的な感覚および制御の乱れは、オペレータがガイドワイヤを意図された通りに回転的に位置決めすることをさらに困難にして、介入手技の遅延、準至適な転帰、標的部位へのアクセス不能、さらには組織傷害の危険性を上昇させ得る。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示は、外側チューブ内に配置されたコアを有し、かつ、外側チューブ内のコアを径方向中心に配置するのに役立つように構成された1つまたは複数のセンタリング機構を含む、ガイドワイヤなどの血管内デバイスに関する。1つまたは複数のセンタリング機構は、ガイドワイヤの望ましくない弾撥および/またはしなり運動を有利に低減し(すなわち、センタリング機構は、回転制御を改善することができる)、それにより、ガイドワイヤのより優れた制御および改善された触覚的な操作を使用者が有することが可能になる。
【0007】
[0007]1つの実施形態では、ガイドワイヤデバイスが、近位部分および先細りする遠位セクションを有するコアを含む。コアの先細りする遠位セクションが外側チューブ内へ延在して外側チューブによって取り囲まれるように、外側チューブがコアに結合される。外側チューブは、外側チューブの柔軟性を高めるために、複数の窓を含み得る。1つまたは複数のセンタリング機構が、コアと外側チューブとの間の環状空間の少なくとも一部分内に位置決めされて、チューブ内でのコアの軸方向位置合わせを維持するのに役立つ。単純な継手または接着性プラグとは異なり、センタリング機構は、外側チューブの長さの約15%から100%など、外側チューブの長さの少なくとも15%、場合により最大で外側チューブの全長に沿って延在するように位置決めされる。好ましい実施形態は、外側チューブの長さの少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%に沿って延在する1つまたは複数のセンタリング機構を含む。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態では、コアは、ステンレス鋼から形成され、チューブは、ニチノールなどの超弾性材料から形成されるが、他の適切な生体適合性材料が、追加的にまたは代替的に使用されてもよい。いくつかの実施形態は、コアの遠位セクションの外側表面と外側チューブの内側表面との間に位置決めされたマーカコイルをさらに含む。コイルは、放射線不透過性材料から形成され得る。
【0009】
[0009]いくつかの実施形態では、センタリング機構が、環状空間内に配置された1つまたは複数のセンタリングコイルを含む。センタリングコイルは、ニチノールまたはステンレス鋼などの適切な金属または金属合金で形成され得るか、あるいは代替的に、以下で説明されるような適切なポリマーから形成され得る。本明細書において使用されるセンタリングコイルは、環状空間の一部分内に嵌合してそれを満たすサイズとされる。つまり、センタリングコイルは、チューブの内径以下の外径を有し、かつ、コア、マーカコイル、および/またはコアワイヤ組立体の他の構成要素の外径以上の内径を有する。
【0010】
[0010]他の実施形態は、ポリマー充填材および/または内側チューブなどの様々なセンタリング機構を追加的にまたは代替的に含み得る。ポリマー充填材は、デバイスの曲げ柔軟性プロファイルへの影響を最小限に抑えながら環状空間を構造的に満たす軟質材料であることが好ましい。内側チューブが、環状空間の一部分を同様に構造的に満たして、センタリング効果を提供してもよい。構成要素の長さの大部分にわたって、内側チューブの柔軟性プロファイルは、外側チューブの柔軟性プロファイルに実質的に合わせされるかまたはそれ未満であることが好ましい。
【0011】
[0011]さらなる特徴および利点は、部分的には以下の説明に記載され、また部分的には説明から明らかになるか、または、本明細書において開示される実施形態を実践することによって分かる。本明細書において開示される実施形態の目的および利点は、添付の特許請求の範囲において具体的に指摘される要素および組合せによって実現および達成され得る。上述の概要および以下の詳細な説明は、どちらも単に例示的かつ説明的なものであって、本明細書において開示されるかまたは特許請求される実施形態を制限するものではないことが、理解されるべきである。
【0012】
[0012]上記で簡潔に説明された本発明のより具体的な説明が、添付の図面に示された特定の実施形態を参照することによってなされる。それらの図面は単に本発明の典型的な実施形態を示すものであって本発明の範囲を限定するものではないという理解の下、本発明は、添付の図面の使用を通じてさらに具体的にかつ詳細に説明されかつ記述される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】[0013]コアおよび外側チューブを有しまた本明細書において説明されるコアセンタリング機構のうちの1つまたは複数を利用することができるガイドワイヤデバイスの一実施形態を示す図である。
図2】[0014]図2Aは、血管の直線セクションを示す、ガイドワイヤが挿入された血管の断面を示す図である。図2Bは、コアが外側チューブとの軸方向位置合わせからずれる傾向がある血管の曲線セクションを示す、ガイドワイヤが挿入された血管の断面を示す図である。
図3】[0015]コアと外側チューブの内側表面との間の環状空間内に配置されたセンタリングコイルを含むガイドワイヤデバイスの一実施形態を示す図である。
図4】[0016]環状空間内に配置された複数のセンタリングコイルを含むガイドワイヤデバイスの別の実施形態を示す図である。
図5】[0017]環状空間内に配置されたポリマー充填材を含むガイドワイヤデバイスの別の実施形態を示す図である。
図6】[0018]環状空間内に配置された内側チューブを含むガイドワイヤデバイスの別の実施形態を示す図である。
図7】[0019]環状空間内でマーカコイルに隣接して位置決めされたセンタリングコイルを含むガイドワイヤデバイスの別の実施形態を示す図である。
図8】[0020]複数のセンタリングコイルを含むガイドワイヤデバイスの別の実施形態を示す図であり、また、近位センタリングコイルが外側チューブを越えて近位方向に延長され得ることを示す図である。
図9】[0021]コアと外側チューブの近位端部との間に配置されたブッシングを含むガイドワイヤデバイスの別の実施形態を示す図である。
図10】[0022]センタリングコイルおよび/またはマーカコイル構成要素が外側チューブの遠位端部を越えて遠位方向に延長され得ることを示す、ガイドワイヤの遠位端部の実施形態を示す図である。
図11】センタリングコイルおよび/またはマーカコイル構成要素が外側チューブの遠位端部を越えて遠位方向に延長され得ることを示す、ガイドワイヤの遠位端部の実施形態を示す図である。
図12】[0023]コアおよび/またはマーカコイルに実質的に一致するように先細りする内径を有するセンタリングコイルを含むガイドワイヤデバイスの別の実施形態を示す図である。
図13】コアおよび/またはマーカコイルに実質的に一致するように先細りする内径を有するセンタリングコイルを含むガイドワイヤデバイスの別の実施形態を示す図である。
図14】[0024]図14Aは、被覆プロセスを示す図である。図14Bは、センタリング機構を含まないデバイスとセンタリング機構を含むデバイスとの間での被覆層一様性の違いを示す、微細加工チューブ上の得られた被覆層を示す図である。図14Cは、センタリング機構を含まないデバイスとセンタリング機構を含むデバイスとの間での被覆層一様性の違いを示す、微細加工チューブ上の得られた被覆層を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0025]図1は、本開示の1つまたは複数の特徴を利用することができるガイドワイヤ100を概略的に示す。示されたガイドワイヤ100は、コア102および外側チューブ104を含む。コア102は、図示のように外側チューブ104内へ延在する遠位セクション(本明細書では、遠位コア103と呼ばれる)を含む。遠位コア103は、より遠位のセクションがより近位のセクションよりも小さな直径および優れた柔軟性を有するように、連続的にまたは1つもしくは複数の別々のセクションにおいて、先細にされ得る。いくつかの実施形態では、コア102の最も遠位のセクションは、平坦な、矩形の、または長楕円形の断面を有するリボン様の形状に扁平化され得る。例えば、遠位コア103は、遠位端部におけるより小さな直径まで次第に先細りするように、研磨され得る。
【0015】
[0026]コア102およびチューブ104は、典型的には、異なる材料から形成される。例えば、チューブ104は、ニチノールなどの比較的柔軟かつ弾性のある材料から形成されることが好ましいが、コア102は、ステンレス鋼などの比較的柔軟性および弾性に乏しい材料から形成され得る。ステンレス鋼からコア102を形成することは、遠位先端がオペレータによって選択的に曲げられる/成形されるときに形状を保持することを可能にするので、また、より応答性のある並進運動を提供するのに十分な弾性率をステンレス鋼が提供するので、有利であり得る。これらの材料が目下好ましいが、ポリマーまたは他の金属/合金などの他の適切な材料も利用され得る。
【0016】
[0027]示されたデバイスでは、コア102の外径、およびチューブ104の内径は、コア102がチューブ104に入る取付点において、実質的に同様の直径を有する。いくつかの実施形態では、コア102の外径、およびチューブ104の内径は、取付点において異なる直径を有し、直径の差は、溶接部、ハンダ、接着剤、または他の構造上の取付け手段によって補償されるか、あるいは、センタリング機構(例えば、センタリングコイル、編組物、またはチューブ)の一部分を取付点に位置決めすることにより、かつ/または別のブッシング構造の使用を通じて、補償される。チューブ104は、ねじり力がコア102からチューブ104に伝達され、したがってチューブ104によってさらに遠位に伝達されることを有利に可能にする態様で、コア102に(例えば、接着剤、ハンダ付け、および/または溶接を使用して)結合される。デバイスの遠位端部110においてチューブ104をコアワイヤ102に結合させて非外傷性の被覆を形成するために、医療グレードの接着剤または他の適切な材料が使用され得る。
【0017】
[0028]外側チューブ104は、チューブに窓106を形成する、切込みパターンを含み得る。窓106のパターンは、例えば、優先屈曲方向の促進、優先屈曲方向の縮小もしくは排除、または長手軸に沿った柔軟性の勾配増大を含めて、所望の柔軟特性をチューブ104に提供するように配置され得る。本明細書において説明されるガイドワイヤデバイスで利用され得る切込みパターンおよび他のガイドワイヤデバイス特徴の例が、米国特許出願公開第2018/0193607号および第2018/0071496号、ならびに特許協力条約出願番号PCT/US2018/034756で詳細に挙げられており、それら出願のそれぞれの全体が、この参照により本明細書に援用される。
【0018】
[0029]ガイドワイヤデバイス100の近位セクション(チューブ104から近位方向に延在する部分)は、標的とされた解剖学的領域への送達のための十分なガイドワイヤ長を提供するのに必要な長さまで、近位方向に延在する。ガイドワイヤデバイス100は、典型的には、個々の応用ニーズに応じて、約50cmから約350cmに及ぶ長さを有する。チューブ104は、約20cmから約65cm、より典型的には約35cmから約45cmなどの約30cmから約55cmに及ぶ長さを有し得る。
【0019】
[0030]ガイドワイヤデバイス100は、約0.3556mm(約0.014インチ)から約0.889mm(約0.035インチ)の直径を有し得るが、個々の応用ニーズに応じて、より大きなまたはより小さなサイズも利用され得る。例えば、特定の実施形態は、0.3556mm(0.014インチ)、0.4064mm(0.016インチ)、0.4572mm(0.018インチ)、0.6096mm(0.024インチ)などの標準的なガイドワイヤサイズ、またはガイドワイヤデバイスに共通する他のそのようなサイズに対応する、外径サイズを有し得る。コア102の遠位セクション103は、約0.0508mm(約0.002インチ)の直径、または約0.0254mm(約0.001インチ)から0.127mm(0.005インチ)の範囲内の直径まで先細りしてもよい。いくつかの実施形態では、遠位先端は、引張り強さに必要とされる断面積の縮小を最小限に抑えながら曲げ柔軟性をさらに強化するために、(例えば、矩形断面まで)扁平にされ得る。そのような実施形態では、断面は、例えば、約0.0254mm(約0.001インチ)掛ける約0.0762mm(約0.003インチ)の寸法を有し得る。いくつかの実施形態では、チューブ104は、約3から100cmの範囲内の長さを有する。
【0020】
[0031]図2Aおよび2Bは、ガイドワイヤデバイス100の遠位部分が挿入されている血管10の断面図を示す。図2Aに示されるように、血管10の比較的直線状のセクションでは、外側チューブ104および遠位コア103は、基本的に径方向において中央に位置し得る。環状空間108が、チューブ104内でチューブ104の内側表面と遠位コア103の外側表面との間に存在する。図2Bは、遠位コア103がどのようにして外側チューブ104に対して中心から外れ得るかについての1つの例を示す、血管10の屈曲セクションを示す。ガイドワイヤが血管10の曲率に適合するように曲線を描くときに、比較的柔軟性に劣る遠位コア103は、外側チューブ104の一致するセクションよりは簡単に曲がらない。これが、遠位コア103をチューブ104内で中心から外れさせる。この位置のずれは、円滑な回転運動を乱して、ガイドワイヤに望ましくない「弾撥」および/または「しなり」をもたらすエネルギーの蓄積および突然の解放を生じさせ得る。
【0021】
[0032]コアの中心から外れた配置に関連する問題は、ガイドワイヤのサイズが大きくなるにつれて、より問題になり得る。ガイドワイヤのサイズが大きくなるにつれて、チューブ104の内径は、遠位コア103の外径よりもさらに増大し得る。つまり、チューブ104の直径は、より優れたトルク伝達性(torquability)を提供するために増大され得るが、遠位コア103の直径は、デバイスの遠位部分の柔軟性プロファイルを保つために、実質的に維持され得る。これは、より大きなサイズのガイドワイヤは多くの場合より大きな環状空間108を有することになり、したがってチューブ104の長手軸に対するコアの位置ずれがより起きやすいことを意味する。例として、0.3556mm(0.014インチ)のガイドワイヤデバイスがある状況においてコアセンタリング機構を伴わずに適切に機能し得る場合、0.4572mm(0.018インチ)または0.6096mm(0.024インチ)のガイドワイヤなどのより大きなサイズのガイドワイヤは、中心から外れたコアの配置に関連する問題をますます示し得る。しかし、他の状況では、本明細書において説明されるコアセンタリング機構は、0.3556mm(0.014インチ)のガイドワイヤなどのより小さなガイドワイヤにおいてすら、有利に使用され得る。
【0022】
[0033]図3から図12は、上記で説明された望ましくない位置ずれを軽減または排除するように構成されたコアセンタリング特徴を含むガイドワイヤデバイスの様々な例示的な実施形態を示す。いくつかの実施形態は、開示された実施形態のうちの1つまたは複数の実施形態からの構成要素を組み込みかつ組み合わせ得る。以下の実施形態は、上記で説明されたガイドワイヤデバイス100の特徴を組み込む場合があり、また、例示的なコアセンタリング機構をより具体的に示すために、本明細書において提示される。さらに、示された実施形態はガイドワイヤデバイスに関連して説明されるが、同じ概念および特徴は、内側部材の強化されたセンタリングが有益になるであろう外側チューブおよび内側部材を含む血管内カテーテルなどの他の血管内デバイスにも利用され得ることが、理解されるであろう。
【0023】
[0034]図3は、外側チューブ204内に配置されたコア203を有するガイドワイヤ200の遠位セクションを示す。ガイドワイヤ200は、白金族、金、銀、パラジウム、イリジウム、オスミウム、タンタル、タングステン、ビスマス、ジスプロシウム、ガドリニウム、などのような1種または複数種の放射線不透過物質から形成された遠位マーカコイル212を含む。マーカコイル212は、手技中のガイドワイヤ200の遠位端部の放射線造影を可能にする。示された実施形態では、マーカコイル212は、デバイスの遠位端部210にまたはその近くに配置されており、かつ、近位方向にある距離だけ延在する。いくつかの実施形態では、マーカコイル212は、チューブ204の長さに実質的に一致する長さを有するが、典型的な実施形態では、マーカコイル212は、チューブ204よりも短い。例えば、マーカコイル212は、約1から30cmの長さを有する場合があり、またはより典型的には、約5から10cmなどの、約3から15cmの長さを有する場合がある。
【0024】
[0035]示されるように、ガイドワイヤ200は、コア203とチューブ204との間に環状空間208を含む。センタリングコイル214が環状空間208内に設けられて、環状空間を満たし、かつ、チューブ204に対するコア203の径方向運動を制限する。これは、チューブ204内でのコア203のセンタリングを維持するのに役立ち、これは、上記で説明された位置ずれの望ましくない影響を防ぐとともに、デバイスの曲げ柔軟性への影響を最小限に抑える。本明細書において示されたセンタリングコイルの例は、円形の断面を持つワイヤを有して示されているが、他のコイルのタイプも利用され得ることが、理解されるであろう。例えば、センタリングコイルは、縁巻きされてよく、かつ/または、リボン、矩形、長楕円形、または他の非円形状の断面形状を有し得る。
【0025】
[0036]センタリングコイル214は、マーカコイル212から分離される。理論的には、マーカコイル212は、より多くの環状空間208を満たすために延長および/または拡大され、それによりセンタリング機能の役目を果たし得る。しかし、放射線不透過マーカとして十分に機能する材料(例えば、プラチナ)は、比較的高価である。また、環状空間208の大部分を満たすためのパッキング材料としてのそれらの使用は、ガイドワイヤ200の遠位セクションをx線蛍光透視法下で撮像したときに過度に輝かせる場合があり、したがって、オペレータが他の関心領域を可視化することを可能にしない場合がある。マーカコイル212とセンタリングコイル214との間に小さな間隙が示される場合があるが、他の実施形態は、それぞれのコイルが互いに接触するかまたは互いに実質的に隣接するように、それぞれのコイルを位置決めし得る(例えば、図7参照)。
【0026】
[0037]センタリングコイル214は、ニチノールまたはステンレス鋼などの、適切な金属または金属合金から形成され得る。ステンレス鋼は永久ひずみを得る可能性があるが、ステンレス鋼がコイルの形態で提供される場合、ステンレス鋼は、そのようになる傾向を解消するかまたは大きく低下させる。センタリングコイル214は、ガイドワイヤ200の一致する部分の全体的な柔軟性の阻害を最小限に抑えるために、十分な柔軟性を維持するように構成される。コア203の強化されたセンタリングから得られる便益はまた、デバイスの全体的な柔軟性プロファイルにおけるいかなる変化、特に0.3556mm(0.014インチ)よりも大きなガイドワイヤにおけるいかなる変化にも勝ることが判明した。
【0027】
[0038]センタリングコイル214は、あるいは、1種または複数種のポリマー材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、例えば、センタリングコイルは、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、アセタールコポリマー、ポリフェニレンスルフィド、アクロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、および/または他の適切なポリマーから形成され得る。
【0028】
[0039]センタリングコイル214は、チューブ204の長さの相当な部分に沿って延在することが好ましい。例えば、センタリングコイル214は、チューブ204の長さの少なくとも約15%の長さ、または少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%の長さ、さらにはチューブ204の長さの100%、または上記の値のうちのいずれか2つによって定められた端点を含む範囲内の長さを有することが好ましい。いくつかの実施形態では、センタリングコイルは、チューブ204の近位端部および/または遠位端部を越えて延在することが可能であり、したがって、チューブ204よりも長くなり得る。適切な長さを持つセンタリングコイル214をチューブ204内に設けることにより、コア203の十分なセンタリングを可能にするための十分な構造の存在が保証される。
【0029】
[0040]センタリングコイル214は、環状空間208の一部分内に収まってその部分を満たすサイズとされる。つまり、センタリングコイル214は、チューブ204の内径以下の外径と、コア203の外径以上の内径とを有する。当然ながら、いくつかの実施形態では、コア203は、先細りし、また、コア203の外径は、長手方向位置に従って変化する。そのような実施形態では、センタリングコイル214の内径は、許容可能な間質空間の大きさに起因してセンタリングコイル214が位置決めされ得る場所を決定することになる。
【0030】
[0041]センタリングコイル214の構造特性は、環状空間208内でのセンタリングコイル214の位置決めに関連し得る。例えば、センタリングコイル214の近位端部が過度に遠位に位置する場合、センタリングコイル214は、センタリングを効果的に実現するためのチューブ204の十分な長さと一致し得ない。これに対して、センタリングコイルの近位端部が過度に近位に位置する場合、コア203の直径がより大きくなる箇所において、センタリングコイル214の内径は、センタリングコイル214が環状空間208の大部分を満たすことを可能にするには大き過ぎる可能性がある。いくつかの実施形態に対しては、コア203の直径がチューブ204の内径のおおよそ20から80%になる箇所にセンタリングコイル214の近位端部が位置するときに良好なバランスが見出された。これらの値は、コア203の特定の先細りプロファイル、利用されるセンタリングコイルの数、および個々の応用ニーズなどの、個々の設計特徴に従って調整され得る。センタリングコイル214などのコアセンタリング機構は、曲げ柔軟性の増大を最小限に抑えながらできる限り多くの環状空間を占めるように設けられることが好ましい。したがって、以下でより詳細に説明されるように、いくつかの実施形態は、環状空間を満たしかつセンタリングを実現するために、1つもしくは複数の追加のセンタリングコイル、および/または1つもしくは複数の(編組物、チューブ、ポリマー充填材、積み重ねられたリングの組、先細りする内径を有するコイル、または微細加工チューブなどの)代替的な特徴を利用し得る。
【0031】
[0042]センタリングコイル214は、図3に示されるように、マーカコイル212と重なり合うのを回避するように位置決めされ得る。あるいは、センタリングコイル214の一部分は、センタリングコイル214の内径がマーカコイル212の外径以上である限り、マーカコイル212の上に延在することができる。
【0032】
[0043]いくつかの実施形態では、コア203の効果的なセンタリングを実現するのに、単一のセンタリングコイル214で十分である。しかし、以下でより詳細に説明されるように、デバイスの全体的なセンタリング効果を強化するために、追加のセンタリング機構も設けられてよい。例として、おおよそ0.0254mm(0.001インチ)から0.1524mm(0.006インチ)(例えば、約0.0508mm(約0.002インチ))の直径まで先細りするコア、または平坦な形状まで先細りするコアを前提とすると、図3に示された単一のセンタリングコイルの実施形態は、ガイドワイヤ200が約0.4572mm(約0.018インチ)である(サイズは、チューブ204および/またはチューブ204のコア近位のセクションの外径によって定められる)場合などの、ガイドワイヤ200が約0.3556mm(約0.014インチ)から約0.6096mm(約0.024インチ)までのサイズとされているときに効果的であることが見出された。
【0033】
[0044]図4は、複数のセンタリングコイルを含むガイドワイヤ300の代替的な実施形態を示す。複数のセンタリングコイルは、より大きなサイズのガイドワイヤなどのために、さらなる環状空間308を満たすことおよびコア303のさらなるセンタリングを促進することに有利であり得る。例として、おおよそ0.0254mm(0.001インチ)から0.1524mm(0.006インチ)(例えば、約0.0508mm(約0.002インチ))の直径まで先細りするコア、または平坦な形状まで先細りするコアを前提とすると、図4に示された複数のセンタリングコイルの実施形態は、ガイドワイヤ300が約0.6096mm(約0.024インチ)である場合などの、ガイドワイヤ300が約0.4572mm(0.018インチ)から約0.889mm(約0.035インチ)までのサイズとされているときに効果的であることが見出された。ガイドワイヤ300は、その他の点ではガイドワイヤ200に類似し、また、注記されている場合を除き、図3のガイドワイヤ構成要素に関する説明は、図4のガイドワイヤ300の類似の構成要素にも適用され得る。
【0034】
[0045]ガイドワイヤ300は、より遠位の第2のセンタリングコイル316の近位に配置された第1のセンタリングコイル314を含む。他の実施形態は、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上などの、2つよりも多くのセンタリングコイルを含み得る。第2のセンタリングコイル316は、示されるように、少なくとも部分的にマーカコイル312の上に延在してもよく、または、第2のセンタリングコイル316の全長がマーカコイル312の少なくとも一部分と一致するように位置決めされてもよい。
【0035】
[0046]複数のコイルは、コア303の先細りプロファイルにより良好に適合しかつチューブ304の環状空間308をより効率的に満たすために、有利に使用され得る。例えば、より近位に位置決めされたセンタリングコイルは、コア303の対応する近位セクションのより大きな直径により、より大きな内径を有することができ、一方で、漸進的に遠位の位置に位置決めされたセンタリングコイルは、コア303のより遠位のセクションの相応により小さな直径により良く適合するために、漸進的により小さな内径を有し得る。当然ながら、コイル316などのセンタリングコイルがマーカコイル312と重なり合う場合、センタリングコイル316の内径は、重なり合いことを可能にするために、相応のサイズとされる。
【0036】
[0047]複数のセンタリングコイルを含む実施形態では、相対的により小さな内径を有するセンタリングコイルは、環状空間308を補いかつ環状空間308を満たすための構造を提供するために、より大きなワイヤサイズから形成され得る。別の言い方をすれば、第1のセンタリングコイルの外径の内径に対する比(OD/ID)は、1つまたは複数の他のセンタリングコイルのそれとは異なり得る。典型的には、センタリングコイルがより遠位に位置決めされるほど、OD/IDは、デバイス内の他のセンタリングコイルに対してますます高くなる。これは、より遠位に位置するセンタリングコイルが、より小さなコア直径を有するコア303のセクションに位置することになり、したがって、それらのセンタリングコイルが、より大きなワイヤサイズとともにより小さな内径を有することになるためである。しかし、マーカコイル312の上に配置される遠位のセンタリングコイルは、その内径が下層のコア303ばかりでなくマーカコイル312も考慮しなければならないので、そのような傾向に沿わない。
【0037】
[0048]図3および図4に示されるようなセンタリングコイルは、ハンダ付け、溶接、接着接合、または他の適切な固定手段により、所望の位置でコアに接合され得る。あるいは、チューブが両端においてコアに接合される場合、環状空間は基本的に閉じられることになり、センタリングコイルは、チューブ内で単純に位置決めされて、コアまたはチューブに直接固定されることなしに「浮遊」することを可能とされ得る。
【0038】
[0049]さらに、図3および図4に示されるようなセンタリングコイルは、十分な曲げを可能にするが曲げ剛性の増大を最小限に抑えるピッチを有することが好ましい。より大きなピッチが、屈曲部の内側で隣り合うコイルが互いに積み重ねられることになる前に、より多くの曲げの余地を提供する。しかし、より大きなピッチはまた、コイルの各巻きがデバイスの曲げ剛性を追加するより大きな軸方向成分を有することになることを意味する。いくつかの実施形態では、センタリングコイルは、基本的に積み重ねられ得る(すなわち、ピッチはコイルワイヤ直径に等しい)。しかし、好ましい実施形態では、センタリングコイルは、コイルワイヤ直径よりもわずかに大きいピッチを有する。センタリングコイルのピッチのコイルワイヤ直径に対する比率は、約1.05対約2、または約1.075対約1.5、またはより好ましくは約1.1対1.3であり得る。例えば、コイルワイヤ直径は、約0.2286mm(約0.009インチ)であってよく、ピッチは、約0.254mm(約0.01インチ)であってよい。コイルワイヤが非円形断面を有する実施形態では、コイルワイヤ「直径」は、環状空間内に位置決めされたときのコイルワイヤの長手方向/軸方向寸法に相当する。
【0039】
[0050]図5は、コアセンタリング機構を有するガイドワイヤ400の別の実施形態を示す。ガイドワイヤ400は、センタリングコイルではなくコア403とチューブ404との間の環状空間408の少なくとも一部分内に配置されたポリマー充填材418を含む。ガイドワイヤ400は、その他の点では、本明細書において説明される他の実施形態に関連して説明される構成要素を含み得る。ポリマー充填材418は、環状空間408の少なくとも一部分を満たしてチューブ404内でのコア403の径方向センタリングを維持するのを支援することにより、他の実施形態のセンタリングコイルと同様に機能する。ポリマー充填材418は、コア403に何かを結合するための接着剤として機能するかまたは利用される必要はない。むしろ、ポリマー充填材418は、デバイスの全曲げ剛性の増大を最小限に抑えながら、コアセンタリング機構として機能する。
【0040】
[0051]ポリマー充填材418は、ポリマーチューブ、ポリマー発泡体、ポリマーラップ、または環状空間内に保持されることが可能な他の構造であってよい。ポリマーチューブは、チューブ内に窓を形成する切込みパターンを含み得る。いくつかの実施形態では、ポリマー充填材418は、ポリマー充填材418の内径がコア403に実質的に適合するように、巻回、浸漬、押出、および研磨されるかまたは他の方法でコア403に貼付され得る。必要であれば、ポリマー充填材418の外径は、チューブ404がポリマー充填材418の上に位置決めされることを可能にするために、適切なサイズに研磨されるかまたは他の方法で機械加工され得る。
【0041】
[0052]ポリマー充填材418は、デバイスの曲げ柔軟性プロファイルへの影響を最小限に抑えながら環状空間408を構造的に満たす、エラストマーなどの軟質材料であることが好ましい。充填材料418は、例えば、ウレタン、ポリイソプレン(例えば、天然ゴム)、ポリブタジエン(BR)、クロロプレン(CR)、ブチルゴム(HR)、スチレン-ブタジエン(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、ポリアクリルゴム(ACM、ABR)、シリコーンゴム、フルオロエラストマー、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、およびそれらの組合せを含み得る。いくつかの実施形態では、ポリマーの少なくとも一部分(例えば、遠位部分)が、ポリマーの放射線不透過性を高めるために、ビスマス、タングステン、硫酸バリウム、および/または他の放射線不透過性材料などの、1種または複数種の材料でドープされ得る。そのような実施形態は、マーカコイルの必要性を排除し得る。ポリマー充填材418は、約10から90ショアAのデュロメータを有することが好ましい。
【0042】
[0053]ポリマー充填材料418は、他の実施形態においてセンタリングコイルによって満たされる割合と同様の環状空間408の割合を満たすことができる。例えば、ポリマー充填材418は、チューブ404の長さの少なくとも約15%、またはチューブ404の長さの少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、さらには100%、または上記の値のうちのいずれか2つによって定められる端点を含む範囲内の長さを満たすことができる。
【0043】
[0054]ポリマー充填材418は、他の実施形態に示されるような1つまたは複数のセンタリングコイルと組み合わせられ得る。例えば、いくつかのガイドワイヤ実施形態は、充填材料で環状空間の1つまたは複数のセクションを満たし、かつ、センタリングコイルで環状空間の1つまたは複数の他のセクションを満たすことができる。そのような実施形態は、結果として生じるデバイスの曲げ柔軟性のいかなる低下もさほど重要ではないチューブ内のより近位のセクションに充填材料を位置決めし、かつ、柔軟性の要求がより敏感であるチューブ内のより遠位のセクションにセンタリングコイルを位置決めすることができるが、この配置は必須ではない。
【0044】
[0055]図6は、センタリング機構として機能するためにコア503とチューブ504との間の環状空間508内に配置された内側チューブ524を含むガイドワイヤ500の別の実施形態を示す。ガイドワイヤ500は、その他の点では、本明細書において説明される他の実施形態に類似した構成要素を含み得る。内側チューブ524は、環状空間508の少なくとも一部分に詰め物をし、それによりチューブ504内でのコア503の径方向センタリングを維持するのを支援することにより、他の実施形態のセンタリングコイルまたはポリマー充填材と同様に機能する。
【0045】
[0056]内側チューブ524は、そのより小さな直径および長さを除いては、外側チューブ504に類似し得る。例えば、内側チューブ524は、ニチノールなどの可撓性材料から形成されてよく、また好ましくは、上記で言及された1つまたは複数の切込みパターンによる、柔軟性向上窓を含む。いくつかの実施形態では、外側チューブ504の柔軟性プロファイルは、内側チューブ524の柔軟性プロファイルに実質的に適合される。例えば、外側チューブ504が、窓の配置(例えば、より遠位のセクションにおける窓のより大きな密度、深さ、および/またはサイズ)の結果として勾配のある柔軟性プロファイルを含む場合、内側チューブ524は、外側チューブ504および内側チューブ524の柔軟性がデバイスの所与の長さに適合するように構成され得る。
【0046】
[0057]内側チューブ524は、他の実施形態においてセンタリングコイルによって満たされる割合と同様の環状空間508の割合を満たすことができる。例えば、内側チューブ524は、チューブ504の長さの少なくとも約15%、またはチューブ504の長さの少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、さらには100%、または上記の値のうちのいずれか2つによって定められる端点を含む範囲内の長さを満たすことができる。
【0047】
[0058]内側チューブ524は、他の実施形態に示されるような1つまたは複数のセンタリングコイルおよび/またはポリマー充填材と組み合わせられ得る。例えば、いくつかのガイドワイヤ実施形態は、環状空間の1つまたは複数のセクションを内側チューブで満たし、かつ、環状空間の1つまたは複数の他のセクションをセンタリングコイルおよび/またはポリマー充填材で満たすことができる。
【0048】
[0059]図7は、コア603とチューブ604との間の環状空間内でマーカコイル612に隣接して位置決めされた単一のセンタリングコイル614を含むガイドワイヤ600の別の実施形態を示す。ガイドワイヤ600は、図3のガイドワイヤ200に類似してよく、したがって、図3の構成要素に関する説明は、図7の類似の構成要素に適用され得る。ガイドワイヤ600は、別々のコイル間のいかなる間隙も最小限に抑えるために、センタリングコイル614およびマーカコイル612が基本的に互いに接触され得ることを示す。上記で説明された実施形態におけるように、マーカコイル612は、プラチナなどの放射線不透過性材料から形成され得るが、別体のセンタリングコイル614は、ステンレス鋼、他の適切な金属、または適切なポリマー材料などの、異なる(例えば、より費用のかからない)材料から形成される。
【0049】
[0060]図8は、コア703とチューブ704との間の環状空間内に位置決めされた複数のセンタリングコイル(714および716)を有するガイドワイヤ700の別の実施形態を示す。ガイドワイヤ700は、図4のガイドワイヤ300に類似してよく、したがって、図4の構成要素に関する説明は、図8の類似の構成要素に適用され得る。ガイドワイヤ700は、第1のセンタリングコイル714が第2のセンタリングコイル716の少なくとも一部分に重なってその上に延在する、センタリングコイルの代替的な配置を示す。示されるように、第1のセンタリングコイル714はまた、マーカコイル712の少なくとも一部分に重なってその上に延在し得る。第2のセンタリングコイル716は、センタリングコイル712の近位に位置決めされてよく、かつ、コア703の外径が第2のセンタリングコイル716の内径に一致するところであるコア703の部分に達するまで、近位方向に延在し得る。より大きな内径を有する第1のセンタリングコイル714は、追加の環状空間を満たす。図4の実施形態と同様に、図8の複数のセンタリングコイルの実施形態は、コア703が可変の先細りする外径を有していても、環状空間を有利に満たすことができる。
【0050】
[0061]図8のガイドワイヤ700はまた、チューブ704の近位端部における近位端部継目707まで延在するかさらには近位端部継目707を越えて近位方向に延在する近位端部705をセンタリングコイル714が有する例を提供する。近位端部継目707をチューブ704の近位端部の近くに形成することは、特に比較的大きなサイズのガイドワイヤ(チューブ704が約0.6096mm(約0.024インチ)以上の外径を有するガイドワイヤなど)において、構造上の便益をガイドワイヤに提供し得る。例えば、一部のガイドワイヤは、継目707において大きな外径不連続性を有して形成されたコア703を含む。コア703における不連続性(すなわち、外径の突然の変化)は、継目707における曲げ剛性を最小化するように形成され得る。しかし、チューブ704の直径が継目707におけるコア703のセクションよりも大きい場合、継目707においてチューブ704とコア703との間に径方向空間が残ることになる。示されるように、センタリングコイル714は、この空間を満たすように延在し、かつ、継目707においてコア703をチューブ704に機械的に結合するための構造を提供し得る。したがって、この構造配置は、コア703の直径の減少を有利に可能にし、それにより、継目707における過度の曲げ剛性を回避するとともに、継目707にまたがる外径の不連続を回避するかまたは最小限に抑える。
【0051】
[0062]図9は、継目807にまたがるコア803とチューブ804との間の空間を満たす助けとなるように近位端部継目807にまたはその近くに配置されたブッシング820を有するガイドワイヤ800の別の実施形態を示す。したがって、ブッシング820は、図8のセンタリングコイル714の最も近位のセクションと同様に機能し得る。この実施形態では、センタリングコイル814は、チューブ804の近位端部まで延在しない。むしろ、センタリングコイル814は、ブッシング820まで延在し、ブッシング820は、チューブ804の近位端部まで、またはチューブ804の近位端部を越えて延在する。ブッシング820は、例えば、チューブまたは編組材料の一セクションとして形成されてよく、かつ、適切な金属、合金、またはポリマーで形成されてよい。ガイドワイヤ800は、その他の点では、本明細書において説明される他の実施形態と同様に、マーカコイル812および場合により第2のセンタリングコイル816などを有して構成され得るが、ブッシング820は、本明細書において説明される他の実施形態でも利用され得る。
【0052】
[0063]図10および図11は、本明細書において説明される実施形態で利用され得るガイドワイヤ遠位端部の例示的な構成を示す。図10では、ガイドワイヤ900が、チューブ904の遠位端部911を越えて延在して遠位先端910の一部分を形成する、センタリングコイル914を含む。マーカコイル912もまた、コア903の遠位セクションの周りに配置されてよく、また場合により、チューブ904の遠位端部911を越えて延在し得る。センタリングコイル914をチューブ904の遠位端部911を越えて延在させて遠位先端910を形成することは、向上された曲げ柔軟性を遠位先端910に与えることができる。チューブ904は、直径の推移を改善するために、面取りされるか、フィレット加工されるか、または他の方法で遠位端部における直径を小さくされ得る。図11は、チューブ1004の遠位端部1011を越えて延在して遠位先端1010の一部分を形成するセンタリングコイル1014を含む、ガイドワイヤ1000の別の例を示す。マーカコイル1012もまた、コア1003の遠位セクションの周りに配置されてよく、また場合により、チューブ1004の遠位端部1011を越えて延在してもよい。この実施形態では、センタリングコイル1014は、チューブ1004の遠位端部1011を越えて延在する部分がチューブ1004の外径に実質的に一致する外径を有するように、巻かれる。これは、チューブ1004から遠位先端1010への移行部にまたがるデバイスの外径のいかなる不連続性をも有利に防止する。
【0053】
[0064]図12は、センタリングコイル1114を有するガイドワイヤ1100の別の実施形態を示す。この実施形態では、センタリングコイル1114は、先細りする内径を有して形成される。センタリングコイル1114は、例えば、内径がコア1103の先細りプロファイルに実質的に一致するように形成され得る。センタリングコイル1114は、コア1103の先細りプロファイルに一致する内径を含むことができると同時に、実質的に一定の外径を有することもできる。このタイプの構造は、たとえコア1103が先細りしても、コア1103とチューブ1104との間の環状空間を有利に満たす。本明細書において説明される他のセンタリングコイルのいずれも、コア1103における直径の不連続性により良く適合するために、全体にまたは部分的にこの態様で形成され得る。ガイドワイヤ1100はまた、遠位先端1110の近くに配置されたマーカコイル1112を含み得る。マーカコイル1112が利用される場合、マーカコイル1112と一致するセンタリングコイル1114の任意の部分は、センタリングコイル1114の内径がマーカコイル1112のための十分な空間を与えるように形成され得る。
【0054】
[0065]図13は、チューブ1204とコア1203との間の環状空間内に配置されたセンタリングコイル1214を有するガイドワイヤ1200のセクションの別の例を示す。図12のセンタリングコイル1114のように、センタリングコイル1214は、実質的に一定の外径と、コア1203の先細りする形状により良く適合するための可変の内径とを有して構成される。センタリングコイル1214は、例えば、一定の直径のワイヤを用意し、そして可変内径のコイルを得るためにワイヤを選択的に圧延させかつ先細のマンドレルに巻き付けることによって、形成され得る。示されるように、環状空間が相対的により小さくなるところに位置するセンタリングコイル1214のより近位のセクションは、センタリングコイルのより遠位のセクションよりも大きく圧延/平坦化され得る。
【0055】
[0066]本明細書において説明されるセンタリング機構は、上記で説明されたセンタリング機能に無関係な追加の便益を提供し得る。例えば、チューブの外側表面への被覆(例えば、親水性ポリマーまたは他の適切な被覆)の適用は、センタリング機構が省略される場合とは対照的に、センタリング機構が利用される場合により効率的にされることが見出された。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、環状空間内のセンタリング機構の存在は、適用中の被覆の流れを調節して、チューブの外部表面に沿ったより均一な仕上がりをもたらすと考えられる。センタリング機構がない場合、被覆材料は、一様でない態様で内部表面に向かってチューブの窓を通過する傾向がより大きくなり得る。環状空間をより良く満たすこと、および、チューブの長さにわたって満たされていない環状空間のサイズの違いを最小限に抑えることにより、被覆は、より一様に存在しかつチューブに沿って重合または硬化するように思われる。
【0056】
[0067]センタリング機構によって提供される強化された被覆の一様性が、図14Aから図14Cによって概略的に示される。図14Aは、典型的な浸漬被覆プロセスを示すが、センタリング機構によって提供される被覆一様性の便益は、吹付け被覆などの他の被覆プロセスでも実現され得る。浸漬被覆プロセスでは、チューブ1304は、ポリマー20に挿入され、次いでポリマー20から引き出される。図14Bおよび図14Cは、チューブ1304の領域1305の拡大図である。図14Bは、センタリング機構を含まないデバイスに適用されたときの典型的な被覆層1326aを示し、一方で、図14Cは、センタリング機構1318を含むデバイスに適用されたときの被覆層1326bを示す。センタリング機構1318は、1つまたは複数のコイル、チューブ、ポリマー充填材、またはそれらの組合せなどの、本明細書において説明された例示的なセンタリング構造のいずれかまたはそれらの組合せを含み得る。
【0057】
[0068]図14Bに示されるように、被覆層1326aは、センタリング機構が利用されていないときに層の一様性を低下させる「塊(glob)」を形成する傾向がある。対照的に、図14Cに示されるように、被覆層1326bは、センタリング機構1318が存在するときに、より優れた相対的一様性を有して形を成す。ガイドワイヤの外径とカテーテルの内径との間のクリアランスは典型的にかなり小さいので、被覆層のより優れた一様性は、有益である。被覆層1326aにおける「突起」は、ガイドワイヤの特定の部分における外径を事実上増大させ、そのことが、カテーテルの通過をより困難にし得る。
【0058】
[0069]被覆層1326bにおけるより優れた一様性は、デバイスの特定の設計特徴のより微細な制御を可能にする。例えば、デバイスの全体的な外径において被覆層における突起を考慮する必要性を低減または排除することにより、デバイスの全体的な外径の限界を超えることなしに、被覆の平均厚さが増大され得る。さらに、またはその代わりに、チューブ1304は、デバイスの全体的な外径の限界を超えることなしに拡大され得る。
【0059】
[0070]本明細書において説明されるセンタリング機構の原理は、有益なセンタリング効果を提供するために、他の構造配置とともに利用され得る。例えば、上記の実施形態は、コアワイヤ「内側部材」および微細加工されたチューブ「外側部材」を含むいくつかのセンタリング機構を説明するが、他の構造が、説明されたセンタリング機構のうちの1つまたは複数と一緒に外側部材および/または内側部材として追加的にまたは代替的に利用され得る。例えば、内側部材は、ワイヤ(上記で説明された研磨コアなど)、チューブ(例えば、金属もしくはポリマー製のハイポチューブ、または、金属もしくはポリマー製の微細加工チューブ)、編組物、またはコイルであってよい。さらなる例として、外側部材は、チューブ(例えば、金属もしくはポリマー製のハイポチューブ、または、金属もしくはポリマー製の微細加工チューブ)、編組物、コイル、または、編組物もしくはコイルが注入されたポリマー製チューブであってよい。センタリング機構は、コイル、チューブ(例えば、金属もしくはポリマー製のハイポチューブ、または、金属もしくはポリマー製の微細加工チューブ)、編組物、または積み重ねられたリングのセットなどの、本明細書において説明されたもののうちのいずれか1つまたはその組合せであってよい。
【0060】
[0071]本明細書において使用される場合、用語「おおよそ(approximately)」、「約(about)」、および「実質的に(substantially)」は、所望の機能をなおも実行するかまたは所望の結果をなおも得る、述べられた量または状態に近い量または状態を意味する。例えば、用語「おおよそ」、「約」、および「実質的に」は、述べられた量または状態から10%未満、または5%未満、または1%未満、または0.1%未満、または0.01%未満だけ逸脱する量または状態を意味し得る。
【0061】
[0072]本発明は、その趣旨または本質的特質から逸脱することなく、他の形態で具現化され得る。説明された実施形態は、あらゆる点で、単に説明に役立つものであって制限的なものではないと見なされるべきである。したがって、本発明の範囲は、これまでの説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲に入る全ての変更は、特許請求の範囲に包含されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C