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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】運転者状態推定システム
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/08 20120101AFI20240805BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20240805BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20240805BHJP
   A61B 5/18 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
B60W40/08
A61B5/11 120
A61B5/16 130
A61B5/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020113865
(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公開番号】P2022012207
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100059959
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】星野 陽子
(72)【発明者】
【氏名】藤原 由貴
(72)【発明者】
【氏名】貝野 彰
【審査官】戸田 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/155913(WO,A1)
【文献】特開2014-113227(JP,A)
【文献】国際公開第2019/031599(WO,A1)
【文献】特開2013-6511(JP,A)
【文献】特開2007-246023(JP,A)
【文献】国際公開第2010/032424(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0304806(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 40/08
A61B 5/11
A61B 5/16
A61B 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を運転する運転者の状態を推定する運転者状態推定システムであって、
上記運転者の顔を撮影するカメラと、
上記運転者の状態を推定するためのデータを取得するデータ取得時間の間、上記移動体に一定の減速度を生じさせる減速装置と、
プログラムを格納するメモリーと、
上記プログラムを実行するプロセッサーと、を有し、
上記プロセッサーは、
上記カメラにより撮影された顔の画像に基づき上記運転者の頭部のピッチ角及び眼球のピッチ角を検出し、
上記データ取得時間の間に検出された上記頭部のピッチ角及び上記眼球のピッチ角の時系列データに基づき、(1)上記移動体の減速度が一定となった後の上記頭部のピッチ角の極大値及び極小値と上記眼球のピッチ角の極大値及び極小値との出現順序が、まず上記頭部のピッチ角の極小値、次に上記眼球のピッチ角の極大値、次に上記頭部のピッチ角の極大値、次に上記眼球のピッチ角の極小値の順である場合、(2)上記頭部のピッチ角が極小値となってから上記眼球のピッチ角が極大値となるまでの時間及び上記頭部のピッチ角が極大値となってから上記眼球のピッチ角が極小値となるまでの時間が、それぞれ0秒以上0.05秒未満である場合、又は(3)上記移動体の減速度が一定値となった時から上記頭部のピッチ角が極小値となるまでの時間が、0.2秒以上である場合に、それぞれ点数を加算し、
上記点数の合計が、上記運転者の状態が正常又は異常の何れであるのかを推定するために予め設定された閾値以上である場合に、上記運転者の状態は正常であると推定する、
運転者状態推定システム。
【請求項2】
(1)上記頭部のピッチ角の極大値及び極小値と上記眼球のピッチ角の極大値及び極小値との出現順序が、まず上記頭部のピッチ角の極小値、次に上記眼球のピッチ角の極大値、次に上記頭部のピッチ角の極大値、次に上記眼球のピッチ角の極小値の順である場合に加算される点数は、(2)上記頭部のピッチ角が極小値となってから上記眼球のピッチ角が極大値となるまでの時間及び上記頭部のピッチ角が極大値となってから上記眼球のピッチ角が極小値となるまでの時間がそれぞれ0秒以上0.05秒未満である場合、及び(3)上記移動体の減速度が一定値となった時から上記頭部のピッチ角が極小値となるまでの時間が0.2秒以上である場合に加算される点数よりも大きい、請求項1に記載の運転者状態推定システム。
【請求項3】
上記減速装置はブレーキ装置である、請求項1又は2に記載の運転者状態推定システム。
【請求項4】
上記移動体は自動車であり、上記減速装置は上記自動車の動力源から出力される動力を利用する補機である、請求項1又は2に記載の運転者状態推定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者状態推定システムに係わり、特に、移動体を運転する運転者の状態を推定する運転者状態推定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術が、例えば下記の特許文献に開示されている。特許文献1及び2には、鞍乗型車両のライダーが視対象に向けて視線を移動させるときの眼球運動のタイミングと頭部運動のタイミングのいずれが先であるかを判定し、この判定結果に基づき人の内的状態を推定する人の状態推定装置が開示されている。特許文献1及び2では、視対象が視野内に存在しているときには眼球運動が頭部運動よりも先に発生し易く、視対象が視野内に存在していないときには頭部運動が眼球運動よりも先に発生し易いとの考え方を提案している。そして、この考え方に基づき、特許文献1及び2の装置では、頭部運動が眼球運動よりも先に発生する割合が高いほど、ライダーの視野が狭い、即ち注意レベルが低いと推定する。
【0003】
また、特許文献3には、頭部運動に対してほぼ同じ速さで眼球を逆方向に回転させ、ブレのない視界を得るための反射性眼球運動(前庭動眼反射)に基づいて、車両の運転者、機械の操作者などが眠気を自覚する前の眠気の予兆を判定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6068964号明細書
【文献】特許第6344747号明細書
【文献】特許第6432702号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載された装置では、視対象に向けて視線を移動させるときの眼球運動及び頭部運動の順序に基づき人の内的状態を推定するので、内的状態推定の前提として、現在とは異なる視対象に向けて視線を移動させるという能動的な行動が必要となる。したがって、運転者が1つの対象物を注視し続けている場合など視線移動が発生しない状況では、運転者の状態を推定することができない。また、特許文献3の技術では、前庭動眼反射が発生しなければ運転者の眠気の予兆を判定することができない。このように、従来の技術では所望のタイミングで運転者の状態を推定することができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、所望のタイミングで運転者の状態を推定することができる運転者状態推定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、移動体を運転する運転者の状態を推定する運転者状態推定システムであって、運転者の顔を撮影するカメラと、運転者の状態を推定するためのデータを取得するデータ取得時間の間、移動体に一定の減速度を生じさせる減速装置と、プログラムを格納するメモリーと、プログラムを実行するプロセッサーと、を有し、プロセッサーは、カメラにより撮影された顔の画像に基づき運転者の頭部のピッチ角及び眼球のピッチ角を検出し、データ取得時間の間に検出された頭部のピッチ角及び眼球のピッチ角の時系列データに基づき、(1)移動体の減速度が一定となった後の頭部のピッチ角の極大値及び極小値と眼球のピッチ角の極大値及び極小値との出現順序が、まず頭部のピッチ角の極小値、次に眼球のピッチ角の極大値、次に頭部のピッチ角の極大値、次に眼球のピッチ角の極小値の順である場合、(2)頭部のピッチ角が極小値となってから眼球のピッチ角が極大値となるまでの時間及び頭部のピッチ角が極大値となってから眼球のピッチ角が極小値となるまでの時間が、それぞれ0秒以上0.05秒未満である場合、又は(3)移動体の減速度が一定値となった時から頭部のピッチ角が極小値となるまでの時間が、0.2秒以上である場合に、それぞれ点数を加算し、点数の合計が、運転者の状態が正常又は異常の何れであるのかを推定するために予め設定された閾値以上である場合に、運転者の状態は正常であると推定する。
このように構成された本発明では、運転者の能動的な行動や前庭動眼反射の自然発生を待つことなく、所望のタイミングで運転者の状態を推定することができる。さらに、頭部や眼球の運動の単なる発生順序ではなく、頭部の安定を保とうとする平衡機能や頭部と眼球の協調運動に関連する複数のパラメーターを用いて運転者状態を推定するので、運転者状態の推定の信頼性を向上させることができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、(1)頭部のピッチ角の極大値及び極小値と眼球のピッチ角の極大値及び極小値との出現順序が、まず頭部のピッチ角の極小値、次に眼球のピッチ角の極大値、次に頭部のピッチ角の極大値、次に眼球のピッチ角の極小値の順である場合に加算される点数は、(2)頭部のピッチ角が極小値となってから眼球のピッチ角が極大値となるまでの時間及び頭部のピッチ角が極大値となってから眼球のピッチ角が極小値となるまでの時間がそれぞれ0秒以上0.05秒未満である場合、及び(3)移動体の減速度が一定値となった時から頭部のピッチ角が極小値となるまでの時間が0.2秒以上である場合に加算される点数よりも大きい。
このように構成された本発明においては、運転者状態の正常時と異常時との間で差が出やすいパラメーターの重み付けを大きくしているので、運転者状態の推定の信頼性をより向上させることができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、減速装置はブレーキ装置である。
このように構成された本発明においては、ブレーキ装置により減速度を生じさせるので、運転者状態の推定に必要な減速度を確実に発生させることができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、移動体は自動車であり、減速装置は自動車の動力源から出力される動力を利用する補機である。
このように構成された本発明においては、補機により自動車に減速度を発生させるので、動力源から出力される動力を有効利用しつつ運転者状態の推定に必要な減速度を発生させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の運転者状態推定システムによれば、所望のタイミングで運転者の状態を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態による運転者状態推定システムが適用された車両の概略構成を示す平面図である。
図2】本発明の実施形態による運転者状態推定システムの機能構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態による運転者状態推定処理のメインルーチンのフローチャートである。
図4】本発明の実施形態による運転者状態推定処理のサブルーチンのフローチャートである。
図5】本発明の実施形態による運転者状態推定システムが運転者状態を推定するときの頭部ピッチ角及び眼球ピッチ角の変化を例示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による運転者状態推定システムについて説明する。
【0014】
<システム構成>
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態による運転者状態推定システムの構成を説明する。図1は、本実施形態による運転者状態推定システムが適用された車両の概略構成を示す平面図であり、図2は、本実施形態による運転者状態推定システムの機能構成を示すブロック図である。
【0015】
図1において、符号1は、本実施形態による運転者状態推定システムを搭載した車両を示す。車両1の車体前部には、駆動輪(図1の例では左右の前輪2)を駆動する動力源4が搭載されている。動力源4は、例えばガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどの内燃エンジンあるいは電気モーターであり、本実施形態ではガソリンエンジンである。動力源4の近傍には、動力源4により駆動される補機としてエアコン用コンプレッサー6及びオルタネーター8が設けられている。
【0016】
また、車両1は、制動力を発生させるためのブレーキシステム10を備えている。ブレーキシステム10は、各車輪に設けられたブレーキ装置12、ブレーキ装置12において制動力を発生させるために必要なブレーキ液圧を生成する液圧ポンプ14、及び液圧ポンプ14からブレーキ装置12へ供給される液圧を制御するためのブレーキコントローラー16を備えている。液圧ポンプ14は、例えばバッテリーから供給される電力で駆動され、ブレーキペダルが踏み込まれていないとき(即ち運転者が車両1を減速させる意思の無いとき)であっても、各ブレーキ装置12において制動力を発生させるために必要なブレーキ液圧を生成することが可能となっている。ブレーキコントローラー16は、ECU(Electronic Control Unit)18に電気的に接続され、相互に信号の入出力が可能となっている。
【0017】
また、車両1の車室内に、運転者の顔を撮影するカメラ20が設けられている。カメラ20は、例えば車両1のフロントウィンドウ上部に設置され、運転者を含む車室内の状況を撮影する。カメラ20によって撮影された画像はECU18に送信される。
【0018】
車室内における運転者の前方には、ECU18の制御に基づいて各種の情報を表示するディスプレイ22が設けられている。このディスプレイ22としては、例えば液晶ディスプレイやヘッドアップディスプレイが用いられる。また、ECU18の制御に基づいて各種の情報を音声出力するスピーカー24が車室内に設置されている。
【0019】
さらに、車両1は、車両1の加速度及び減速度を検出する加速度センサー26を備えている。加速度センサー26は、検出値をECU18に出力する。
【0020】
ECU18は、図2に示すように、プロセッサー28、及び、当該プロセッサー28上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)や各種のデータを記憶するためのメモリー30(ROMやRAM等)を有している。
【0021】
この車両1においては、ECU18が各種の制御を行う。本実施形態では、ECU18は、動力源4、ブレーキコントローラー16、エアコン用コンプレッサー6、オルタネーター8等を制御することに加えて、カメラ20により撮影された顔の画像を用いて運転者の頭部のピッチ角及び眼球のピッチ角を検出し、これらの頭部及び眼球のピッチ角に基づき運転者の状態を推定する。
【0022】
<制御処理>
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態による運転者状態推定処理について説明する。図3は、本実施形態による運転者状態推定処理のメインルーチンのフローチャートであり、図4は運転者状態推定処理のサブルーチンのフローチャートである。図3のフローは、車両1の電源がONにされるとECU18によって開始され、所定の周期で繰り返し実行される。
【0023】
まず、ステップS1において、ECU18は、運転者状態推定を行うタイミングであるか否かを判定する。具体的には、ECU18は、例えば既知の技術により直近の所定時間内においてステアリング操作のふらつきが検出された場合や、運転者のまぶたの開き具合から眠気が検知された場合、あるいは所定時間毎に、運転者状態推定を行うタイミングであると判定する。その結果、運転者状態推定を行うタイミングではないと判定した場合、ECU18は運転者状態推定処理を終了する。
【0024】
一方、運転者状態推定を行うタイミングであると判定した場合、ステップS2に進み、ECU18は、運転者の視線を運転者の前方の対象物に誘導する。具体的には、例えば、ECU18は前走車、ディスプレイ22、あるいはメーターパネル等を見ることを運転者に促すメッセージをディスプレイ22やスピーカー24から出力させる。前走車、ディスプレイ22、メーターパネル等の何れの対象物に運転者の視線を誘導するかは、車速や走行中の道路等の走行状況に応じて決定することができる。
【0025】
次に、ステップS3において、ECU18は、カメラ20により撮影された顔の画像に基づき運転者の頭部のピッチ角及び眼球のピッチ角の検出を開始する。頭部のピッチ角及び眼球のピッチ角の検出は、既存の画像処理技術によって実現することができる。頭部のピッチ角及び眼球のピッチ角は時系列データとして取得される。
【0026】
続いて、ステップS4において、ECU18は、車両1の減速を開始させる。具体的には、ECU18は、運転者状態推定を行うための所定の減速度(例えば1m/s2)を指示する減速指令をブレーキコントローラー16に出力する。ブレーキコントローラー16は、車両1に発生させる減速度と液圧ポンプ14の回転数との関係を規定したマップを予め記憶しており、このマップを参照することにより、ECU18から指示された減速度に対応する回転数で液圧ポンプ14を作動させる。このステップS4におけるブレーキシステム10の制御は、運転者によるブレーキペダルの操作とは無関係に行われる。
【0027】
ステップS4における減速開始後、ステップS5において、ECU18は、車両1の減速度がブレーキコントローラー16に指示した値(例えば1m/s2)に到達するまで待機する。車両1の減速度がECU18から指示された値に到達すると、ブレーキコントローラー16は、加速度センサー26の検出値に基づき、減速度を一定に維持するように液圧ポンプ14を制御する。
【0028】
ステップS5において車両1の減速度がブレーキコントローラー16に指示した値(例えば1m/s2)に到達し、ブレーキコントローラー16により減速度が一定に維持されるようになると、ステップS6に進み、ECU18は、頭部のピッチ角及び眼球のピッチ角の時系列データに基づき、車両1の減速度が一定となった後の頭部のピッチ角及び眼球のピッチ角のそれぞれの極大値及び極小値の出現時期を取得する。
【0029】
次に、ステップS7において、ECU18は、車両1の減速度が一定となった後、運転者状態推定を行うために必要なデータ取得時間(例えば2秒。以下、必要に応じて「推定時間」という)が経過したか否かを判定する。その結果、推定時間が経過していない場合、ステップS6に戻る。以降、推定時間が経過するまでステップS6の処理を繰り返す。
【0030】
ステップS7において、車両1の減速度が一定となってから推定時間が経過したと判定された場合、ステップS8に進み、ECU18は、運転者の前方対象物への視線の誘導、頭部のピッチ角と眼球のピッチ角の検出、及び車両1の減速を終了する。
【0031】
続いて、ステップS9において、ECU18は、車両1の減速度が一定となってから推定時間の間に取得した頭部のピッチ角及び眼球のピッチ角の時系列データに基づき、運転者の状態を推定する。このステップS9において運転者状態を推定するためのサブルーチンを、図4を参照して説明する。
【0032】
図4に示すように、まずステップS11において、ECU18は、車両1の減速度が一定となった後の頭部ピッチ角の極大値及び極小値と眼球ピッチ角の極大値及び極小値との出現順序が所定の順序か否かを判定する。具体的には、車両1の減速度が一定となった後、頭部ピッチ角が極小→眼球ピッチ角が極大→頭部ピッチ角が極大→眼球ピッチ角が極小→頭部ピッチ角が極小(以下、同じ順序を繰り返す)の順で頭部ピッチ角と眼球ピッチ角のそれぞれの極大値及び極小値が出現した場合、ECU18は、運転者の状態は正常であると推定する。この場合、ステップS12に進み、運転者の状態を表す点数を2点加算する。なお、この点数の初期値は0点に設定されている。
一方、頭部ピッチ角と眼球ピッチ角のそれぞれの極大値及び極小値が上記の順序で出現していない場合、ECU18は、運転者の状態は異常であると推定する。この場合、ECU18はステップS12をスキップする(つまり点数を加算しない)。
【0033】
次に、ステップS13において、ECU18は、頭部ピッチ角の極小値から眼球ピッチ角の極大値までの時間及び頭部ピッチ角の極大値から眼球ピッチ角の極小値までの時間が所定範囲内か否かを判定する。具体的には、頭部ピッチ角の極小値から眼球ピッチ角の極大値までの時間及び頭部ピッチ角の極大値から眼球ピッチ角の極小値までの時間がそれぞれ所定時間内(具体的には、例えば0秒以上0.05秒未満。この数値範囲は実験的に得られたものである)である場合、ECU18は、運転者の状態は正常であると推定する。この場合、ステップS14に進み、運転者の状態を表す点数を1点加算する。
一方、頭部ピッチ角の極小値から眼球ピッチ角の極大値までの時間又は頭部ピッチ角の極大値から眼球ピッチ角の極小値までの時間の少なくとも一方が上記の範囲外である場合、ECU18は、運転者の状態は異常であると推定する。この場合、ECU18はステップS14をスキップする(つまり点数を加算しない)。
【0034】
次に、ステップS15において、ECU18は、車両1の減速度が一定値となった時から頭部ピッチ角が極小値となるまでの時間が所定値以上か否かを判定する。具体的には、車両1の減速度が一定となってから頭部ピッチ角が極小値となるまでの時間が0.2秒以上である場合、ECU18は、運転者の状態は正常であると推定する。この場合、ステップS16に進み、運転者の状態を表す点数を1点加算する。
一方、車両1の減速度が一定となってから頭部ピッチ角が極小値となるまでの時間が0.2秒未満である場合、ECU18は、運転者の状態は異常であると推定する。この場合、ECU18はステップS16をスキップする(つまり点数を加算しない)。
【0035】
続いて、ステップS17において、ECU18は、ステップS11からS16までの間に加算した点数の合計に基づき、運転者状態の最終的な推定を行う。具体的には、点数の合計が3点以上の場合に運転者の状態は正常であると推定し、2点以下の場合には異常と推定する。このステップS17の後、メインルーチンに戻り、ECU18は運転者状態推定処理を終了する。
【0036】
<実施例>
次に、図5を参照して、本実施形態の運転者状態推定システムによる運転者状態推定の実施例を説明する。
本願発明者らは、運転者状態推定システムにより運転者状態推定が行われる状況を模した走行実験を行った。図5は、その走行実験における運転者の頭部ピッチ角及び眼球ピッチ角の変化を例示したグラフであり、図5(a)は運転者状態が正常である場合(ケース1)を示し、図5(b)は運転者状態が異常である場合(ケース2)を示している。なお、運転者状態が異常であるケース2については、実験中被験者に暗算負荷を与えて交感神経系を意図的に優位にすることにより、自律神経系の異常を再現した。
【0037】
これらの図5(a)、(b)において、横軸は時間[s]、左側の縦軸は加速度[m/s2]、右側の縦軸は頭部及び眼球のピッチ角[deg]を示している。加速度が負値の場合、車両1が減速していることを意味する。また、頭部及び眼球のピッチ角は、頭部及び眼球がそれぞれ上向きになるほど大きく、下向きになるほど小さくなる。グラフ中の実線は加速度、点線は頭部ピッチ角、一点鎖線は眼球ピッチ角を示し、○は頭部ピッチの極小値、●は頭部ピッチ角の極大値、△は眼球ピッチ角の極大値、▲は眼球ピッチ角の極小値を表す。
【0038】
図5(a)に示すケース1は、運転者状態が正常であるときの頭部及び眼球のピッチ角変化を例示している。運転者状態が正常であるということは、頭部の安定を保とうとする平衡機能や頭部と眼球の協調運動が正常に行われるということである。
【0039】
具体的には、まず、車両1の減速開始(図3のステップS3)に伴い頭部ピッチ角が減少し始める。これは、慣性力により運転者の頭部を下向きに回転させる力が働くためである。このとき、運転者の視線は前方の対象物(前走車あるいはディスプレイ22)に誘導されているので(図3のステップS2)、頭部の回転と反対方向に眼球を回転させることにより対象物を視野の中心に維持しようとする眼球反応(前庭動眼反射)が引き起こされる。即ち、眼球ピッチ角は増大する。
【0040】
その後、車両1の減速による慣性力に対して頭部を安定させようと平衡機能が働くことにより、頭部のピッチ角は増減を繰り返しながら徐々に収束に向かう。図5(a)に示すケース1では、時刻TSにおいて車両1の減速度が所定値(例えば1m/s2)で一定に維持され始めた後、0.2秒以上経過した時刻T1において頭部の下向きの回転を抑えようとする筋力が慣性力を上回ることにより、頭部ピッチ角は増大に転じる。即ち、時刻T1において頭部ピッチ角は最初の極小値となっている。続いて時刻T2において頭部ピッチ角は再び減少し始める。即ち、時刻T2において頭部ピッチ角は極大値となっている。以降、時刻TEにおいて車両1の減速が終了する(図3のステップS9)までの間、頭部ピッチ角は増減を繰り返し、時刻T3に極小値、時刻T4に極大値、時刻T5に極小値、時刻T6に極大値となる。
【0041】
上述のように頭部のピッチ角が増減すると、これに対する前庭動眼反射により眼球ピッチ角も増減する。即ち、時刻T1において頭部ピッチ角が増大に転じると、時刻T1からΔT1後に眼球ピッチ角は極大値となり減少に転じる。以降、眼球ピッチ角は時刻T2からΔT2後に極小値、時刻T3からΔT3後に極大値、時刻T4からΔT4後に極小値、時刻T5から後に遅れて極大値、時刻T6からΔT6後に極小値となっている。
【0042】
このケース1においては、時刻TSにおいて車両1の減速度が一定となった後、頭部ピッチ角が極小→眼球ピッチ角が極大→頭部ピッチ角が極大→眼球ピッチ角が極小→頭部ピッチ角が極小(以下、同じ順序を繰り返す)の順で頭部ピッチ角と眼球ピッチ角のそれぞれの極大値及び極小値が出現しているので、運転者の状態を表す点数が2点加算される(図4のステップS12)。
また、頭部ピッチ角の極小値から眼球ピッチ角の極大値までの時間(ΔT1、ΔT3、ΔT5)及び頭部ピッチ角の極大値から眼球ピッチ角の極小値までの時間(ΔT2、ΔT4、ΔT6)がそれぞれ所定時間内(具体的には、0秒以上0.05秒未満の範囲内)なので、運転者の状態を表す点数は1点加算される(図4のステップS14)。
さらに、車両1の減速度が一定となった時刻TSから頭部ピッチ角が最初の極小値となる時刻T1までの時間が0.2秒以上なので、点数は1点加算される(図4のステップS16)。
以上の結果、加算した点数の合計は4点であり3点を超えているので、運転者の状態は正常であると正しく推定される(図4のステップS17)。
【0043】
一方、図5(b)に示すケース2は、運転者状態が異常であるときの頭部及び眼球のピッチ角変化を例示している。運転者状態が異常であるということは、頭部の安定を保とうとする平衡機能や頭部と眼球の協調運動が正常に行われないということである。
【0044】
具体的には、頭部を安定させる平衡機能が正常に機能しないので、正常時と比較して車両1の減速による慣性力の影響を受けやすくなる。その結果、ケース2では、時刻TS’において車両1の減速度が所定値(例えば1m/s2)で一定に維持され始めた後、0.2秒経過する前の時刻T1’において頭部ピッチ角は極小値に達してしまう。したがって、図4のステップS16はスキップされ、点数は加算されない。
【0045】
また、前庭動眼反射が正常に機能しなくなるため、頭部ピッチ角の変化と眼球ピッチ角の変化との協調運動が乱れてしまう。ケース2では、時刻T2’及びT4’において頭部ピッチ角の極大値と眼球ピッチ角の極小値とがほぼ同時に(つまりX秒未満の時間差で)出現している。また、時刻T3’における頭部ピッチ角の極小値とその後の眼球ピッチ角の極大値との時間差はY秒よりも大きい。したがって、図4のステップS14はスキップされ、点数は加算されない。
【0046】
ただし、このケース2においても、時刻TS’において車両1の減速度が一定となった後、頭部ピッチ角が極小→眼球ピッチ角が極大→頭部ピッチ角が極大→眼球ピッチ角が極小→頭部ピッチ角が極小(以下、同じ順序を繰り返す)の順で頭部ピッチ角と眼球ピッチ角のそれぞれの極大値及び極小値が出現しているので、図4のステップS12において点数が2点加算される。
以上の結果、加算した点数の合計は2点であり3点未満であるので、運転者の状態は異常であると正しく推定される(図4のステップS17)。
【0047】
<変形例>
次に、本発明の変形例を説明する。
上述した実施形態では、(1)頭部ピッチ角の極大値及び極小値と眼球ピッチ角の極大値及び極小値との出現順序、(2)頭部ピッチ角が極小値となってから眼球ピッチ角が極大値となるまでの時間及び頭部ピッチ角が極大値となってから眼球ピッチ角が極小値となるまでの時間、及び(3)車両1の減速度が一定値となった時から頭部ピッチ角が極小値となるまでの時間に基づき運転者状態を推定すると説明したが、これら3つのパラメーターの何れか1つ、あるいは任意の2つの組み合わせに基づき運転者状態を推定するようにしてもよい。
【0048】
また、上述の実施形態では、図3のステップS4においてECU18はブレーキシステム10を制御することにより、運転者によるブレーキペダルの操作とは無関係に車両1を減速させると説明したが、エアコン用コンプレッサー6やオルタネーター8を含む補機を制御することにより車両1を減速させてもよい。具体的には、図3のステップS4において、ECU18は、エアコン用コンプレッサー6やオルタネーター8が動力源4により駆動されるように、制御指令を出力する。これにより、動力源4から出力される駆動力の一部がエアコン用コンプレッサー6やオルタネーター8を駆動させるために使用されるので、駆動輪2を駆動するための駆動力が減少し、運転者の意思から独立して車両1に減速度が発生する。このとき、ECU18はエアコン用コンプレッサー6やオルタネーター8の駆動負荷を制御することにより、運転者状態推定を行うための所定の減速度(例えば1m/s2)を発生させることができる。
【0049】
また、上述の実施形態では、車両1の減速度が一定となった後の頭部ピッチ角の極大値及び極小値と眼球ピッチ角の極大値及び極小値との出現順序が所定の順序であった場合、運転者の状態を表す点数を2点加算し(図4のステップS12)、頭部ピッチ角の極小値から眼球ピッチ角の極大値までの時間及び頭部ピッチ角の極大値から眼球ピッチ角の極小値までの時間が所定範囲内であった場合、点数を1点加算し(図4のステップS14)、車両1の減速度が一定値となった時から頭部ピッチ角が極小値となるまでの時間が所定値以上であった場合、点数を1点加算する(図4のステップS16)と説明したが、それぞれの場合において加算する点数を変えてもよい。
【0050】
また、上述の実施形態は運転者状態推定システムを4輪自動車に適用した例を示したが、4輪自動車以外の車両や、車両以外の移動体(例えば鉄道、飛行機、船舶)にも本実施形態による運転者状態推定システムを適用することができる。
【0051】
<作用効果>
次に、上述した実施形態及び変形例による運転者状態推定システムの作用効果について説明する。
【0052】
まず、ECU18は、運転者の意思から独立してブレーキ装置12や補機により車両1に減速度を生じさせている間において、頭部ピッチ角が極小値から極大値まで増大する間に眼球ピッチ角が極大値となり、頭部ピッチ角が極大値から極小値まで減少する間に眼球ピッチ角が極小値となっている場合に、運転者の状態は正常であると推定し、そうでない場合には運転者の状態は異常であると推定する。
したがって、運転者の能動的な行動や前庭動眼反射の自然発生を待つことなく、所望のタイミングで運転者の状態を推定することができる。さらに、頭部や眼球の運動の単なる発生順序ではなく、頭部ピッチ角及び眼球ピッチ角が極大値及び極小値となる順序に基づいて運転者状態を推定するので、前庭動眼反射の異常による頭部ピッチ角の変化と眼球ピッチ角の変化との協調運動の乱れを推定に反映することができ、運転者状態の推定の信頼性を向上させることができる。
【0053】
また、ECU18は、運転者の意思から独立してブレーキ装置12や補機により車両1に一定の減速度を生じさせるので、減速度の変動に応じて頭部ピッチ角が不必要に変化し、頭部ピッチ角及び眼球ピッチ角が極大値及び極小値となる順序に影響を与えることを防止できる。これにより、運転者状態の推定の信頼性を確保することができる。
【0054】
また、ECU18は、車両1に減速度を生じさせている間において、頭部ピッチ角の複数の極大値及び極小値と眼球ピッチ角の複数の極大値及び極小値との出現時期に基づき、運転者の状態を推定するので、前庭動眼反射の異常による頭部ピッチ角の変化と眼球ピッチ角の変化との協調運動の乱れをより正確に推定に反映することができ、運転者状態の推定の信頼性を向上させることができる。
【0055】
また、ECU18は、ブレーキ装置12や補機により車両1に減速度を生じさせている間において、(1)頭部ピッチ角の極大値及び極小値と眼球ピッチ角の極大値及び極小値との出現順序が所定の順序である場合、(2)頭部ピッチ角が極小値となってから眼球のピッチ角が極大値となるまでの時間及び頭部ピッチ角が極大値となってから眼球ピッチ角が極小値となるまでの時間が所定範囲内である場合、又は(3)車両1の減速度が一定値となった時から頭部ピッチ角が極小値となるまでの時間が所定値以上である場合に、それぞれ点数を加算し、点数の合計が閾値以上である場合に運転者の状態は正常であると推定する。
したがって、運転者の能動的な行動や前庭動眼反射の自然発生を待つことなく、所望のタイミングで運転者の状態を推定することができる。さらに、頭部や眼球の運動の単なる発生順序ではなく、頭部の安定を保とうとする平衡機能や頭部と眼球の協調運動に関連する複数のパラメーターを用いて運転者状態を推定するので、運転者状態の推定の信頼性を向上させることができる。
【0056】
また、(1)頭部ピッチ角の極大値及び極小値と眼球ピッチ角の極大値及び極小値との出現順序が所定の順序である場合に加算される点数は、(2)頭部ピッチ角が極小値となってから眼球ピッチ角が極大値となるまでの時間及び頭部ピッチ角が極大値となってから眼球ピッチ角が極小値となるまでの時間が所定範囲内である場合、及び(3)車両1の減速度が一定値となった時から頭部ピッチ角が極小値となるまでの時間が所定値以上である場合に加算される点数よりも大きい。
即ち、運転者状態の正常時と異常時との間で差が出やすいパラメーターの重み付けを大きくしているので、運転者状態の推定の信頼性をより向上させることができる。
【0057】
また、ECU18は、ディスプレイ22やスピーカー24から情報を出力させることにより運転者の視線を当該運転者前方の対象物に誘導した後、運転者の意思から独立してブレーキ装置12や補機により車両1に減速度を生じさせている間において、頭部ピッチ角の極大値及び極小値と眼球ピッチ角の極大値及び極小値との出現順序が所定の順序である場合に、運転者の状態は正常であると推定し、そうでない場合には運転者の状態は異常であると推定する。
したがって、運転者の能動的な行動や前庭動眼反射の自然発生を待つことなく、所望のタイミングで運転者の状態を推定することができる。さらに、頭部や眼球の運動の単なる発生順序ではなく、頭部ピッチ角及び眼球ピッチ角が極大値及び極小値となる順序に基づいて運転者状態を推定するので、前庭動眼反射の異常による頭部ピッチ角の変化と眼球ピッチ角の変化との協調運動の乱れを推定に反映することができ、運転者状態の推定の信頼性を向上させることができる。また、運転者の視線を当該運転者前方の対象物に誘導するので、視線が不必要に変化し、頭部ピッチ角及び眼球ピッチ角が極大値及び極小値となる順序に影響を与えることを防止できる。これにより、運転者状態の推定の信頼性を確保することができる。
【0058】
また、運転者の視線を運転者前方のディスプレイ22に誘導するので、運転者の視線を誘導する位置やタイミングを正確にコントロールすることができ、運転者状態の推定の信頼性をより向上することができる。
【0059】
また、運転者の視線を前方の他車両に誘導するので、運転操作を妨げることなく運転者の視線を誘導することができる。
【0060】
また、ECU18は、運転者の意思から独立してブレーキ装置12や補機により車両1に一定の減速度を生じさせ、減速度が一定値となった時から頭部ピッチ角が極小値となる時までの時間が閾値以上である場合に、運転者の状態は正常であると推定し、そうでない場合には運転者の状態は異常であると推定する。
したがって、運転者の能動的な行動や前庭動眼反射の自然発生を待つことなく、所望のタイミングで運転者の状態を推定することができる。さらに、頭部や眼球の運動の単なる発生順序ではなく、減速度が一定値となった時から頭部ピッチ角が極小値となる時までの時間に基づいて運転者状態を推定するので、車両1の減速による慣性力に対して頭部を安定させようとする平衡機能の乱れを推定に反映することができ、運転者状態の推定の信頼性を向上させることができる。
【0061】
特に、運転者状態推定の基準となる閾値を0.2秒とすることにより、運転者状態が正常か異常かを適切に推定できる。
【0062】
また、ブレーキ装置12により車両1に減速度を生じさせるので、運転者状態の推定に必要な減速度を確実に発生させることができる。
【0063】
また、補機により車両1に減速度を発生させるので、動力源4から出力される動力を有効利用しつつ運転者状態の推定に必要な減速度を発生させることができる。
【符号の説明】
【0064】
1 車両
2 駆動輪(前輪)
4 動力源(エンジン)
6 エアコン用コンプレッサー
8 オルタネーター
10 ブレーキシステム
12 ブレーキ装置
14 液圧ポンプ
16 ブレーキコントローラー
18 ECU
20 カメラ
22 ディスプレイ
24 スピーカー
26 加速度センサー
28 プロセッサー
30 メモリー
図1
図2
図3
図4
図5