(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-02
(45)【発行日】2024-08-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/80 20140101AFI20240805BHJP
G09B 19/02 20060101ALI20240805BHJP
G09B 5/02 20060101ALI20240805BHJP
【FI】
A63F13/80 D
A63F13/80 E
G09B19/02 H
G09B5/02
(21)【出願番号】P 2024055788
(22)【出願日】2024-03-29
【審査請求日】2024-03-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519347018
【氏名又は名称】株式会社でらゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100218969
【氏名又は名称】室伏 千恵子
(72)【発明者】
【氏名】高松 和信
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-172782(JP,A)
【文献】特開2016-214807(JP,A)
【文献】テトリスっぽくAIと言葉遊びをしながらブロックを消していくゲーム「Semantris」レビュー,GigaZiNe[online],2018年09月18日,[2024年5月10日検索]、インターネット:<URL:https://gigazine.net/news/20180918-semantris-google-game/>
【文献】のうトレRPG-ゆうしゃとさんすう- /スマホアプリゲーム,Youtube[online][video],2019年09月30日,[2024年5月10日検索]、インターネット:<URL:https://www.youtube.com/watch?v=uAuhnz_3PHQ>
【文献】懐かしのスライドパズル「パズルビンゴ」,wowGame[online],2015年04月09日,[2024年5月10日検索]、インターネット:<URL:https://www.wowgame.jp/news/news-read/59.html>
【文献】名作:初代ぷよぷよの魅力を初心者向けに解説,未夜ブログ[online],2022年10月22日,[2024年6月27日検索]、インターネット:<URL:https://mm1re.net/puyo-2/8317/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
G09B 19/02
G09B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、表示制御ステップと、選択ステップと、進行制御ステップとを実行し、
前記制御部は、
前記表示制御ステップにおいて、複数のオブジェクトと、前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた問題とを
含むプレイフィールドを表示部に表示し、
前記複数の前記オブジェクトの各々は、いずれかの外観上の属性を有し、
前記選択ステップにおいて、プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、前記表示部に表示された前記問題のうち前記入力情報が正解となる前記問題に対応付けられた前記オブジェクトを選択し、
前記進行制御ステップにおいて、
選択された前記オブジェクトを消去する第1消去ステップ(ただし、前記第1消去ステップは、前記プレイフィールドから、前記属性が同じオブジェクトであって、予め定められた配列のオブジェクトから構成される消去対象クラスタを消去するステップを除く)と、
消去した前記オブジェクトの上に別のオブジェクトが配置されている場合、前記別のオブジェクトを下に移動させる第1移動ステップと、
移動後の前記プレイフィールドに前記消去対象クラスタが存在する場合、前記消去対象クラスタを消去する第2消去ステップと、
前記消去対象クラスタを消去した後の前記プレイフィールドに対して、前記第1移動ステップ及び前記第2消去ステップを実行する連鎖ステップと
を実行することでゲームを進行する
情報処理装置。
【請求項2】
前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた前記問題は、計算問題を含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の前記オブジェクトのうち少なくとも2以上の前記オブジェクトの各々は、互いに内容は異なるが正解は同じである前記問題に対応付けられている
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記進行制御ステップにおいて、
前記別のオブジェクトを移動させた後、前記オブジェクトが欠けた領域に新しいオブジェクトを、前記新しいオブジェクトが所定の位置に積み上がるまで供給
する供給ステップを実行する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ゲームを開始してからの時間を計測し、予め定められた制限時間を経過した場合に、前記ゲームを終了させる
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記進行制御ステップにおいて、前記オブジェクトを選択してから前記消去対象クラスタが存在しなくなるまで、前記時間の前記計測を停止する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記時間の前記計測を停止している間、新しい入力情報を前記プレイヤから受け付け可能にする
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記プレイヤからの1の前記入力情報に対して前記消去対象クラスタを消去した回数又は消去した前記消去対象クラスタに含まれる前記オブジェクトの個数をカウントし、前記回数又は前記個数に応じて前記制限時間を延長する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
制御部を備える情報処理装置と、
プレイヤが操作するプレイヤ端末と
を備える情報処理システムであって、
前記制御部は、表示制御ステップと、選択ステップと、進行制御ステップとを実行し、
前記制御部は、
前記表示制御ステップにおいて、複数のオブジェクトと、前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた問題とを
含むプレイフィールドを前記プレイヤ端末に送信し、
前記複数の前記オブジェクトの各々は、いずれかの外観上の属性を有し、
前記選択ステップにおいて、前記プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、前記プレイヤ端末の表示部に表示された前記問題のうち前記入力情報が正解となる前記問題に対応付けられた前記オブジェクトを選択し、
前記進行制御ステップにおいて、
選択された前記オブジェクトを消去する第1消去ステップ(ただし、前記第1消去ステップは、前記プレイフィールドから、前記属性が同じオブジェクトであって、予め定められた配列のオブジェクトから構成される消去対象クラスタを消去するステップを除く)と、
消去した前記オブジェクトの上に別のオブジェクトが配置されている場合、前記別のオブジェクトを下に移動させる第1移動ステップと、
移動後の前記プレイフィールドに前記消去対象クラスタが存在する場合、前記消去対象クラスタを消去する第2消去ステップと、
前記消去対象クラスタを消去した後の前記プレイフィールドに対して、前記第1移動ステップ及び前記第2消去ステップを実行する連鎖ステップとを実行し、
前記プレイヤ端末は、前記情報処理装置から受信した情報に基づく画面を前記表示部に表示する
情報処理システム。
【請求項10】
情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
前記情報処理方法は、表示制御ステップと、選択ステップと、進行制御ステップとを備え、
前記情報処理装置は、
前記表示制御ステップにおいて、複数のオブジェクトと、前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた問題とを
含むプレイフィールドを表示部に表示し、
前記複数の前記オブジェクトの各々は、いずれかの外観上の属性を有し、
前記選択ステップにおいて、プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、前記表示部に表示された前記問題のうち前記入力情報が正解となる前記問題に対応付けられた前記オブジェクトを選択し、
前記進行制御ステップにおいて、
選択された前記オブジェクトを消去する第1消去ステップ(ただし、前記第1消去ステップは、前記プレイフィールドから、前記属性が同じオブジェクトであって、予め定められた配列のオブジェクトから構成される消去対象クラスタを消去するステップを除く)と、
消去した前記オブジェクトの上に別のオブジェクトが配置されている場合、前記別のオブジェクトを下に移動させる第1移動ステップと、
移動後の前記プレイフィールドに前記消去対象クラスタが存在する場合、前記消去対象クラスタを消去する第2消去ステップと、
前記消去対象クラスタを消去した後の前記プレイフィールドに対して、前記第1移動ステップ及び前記第2消去ステップを実行する連鎖ステップとを実行する
情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置に、表示制御ステップと、選択ステップと、進行制御ステップとを実行させるためのプログラムであって、
前記情報処理装置は、
前記表示制御ステップにおいて、複数のオブジェクトと、前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた問題とを
含むプレイフィールドを表示部に表示し、
前記複数の前記オブジェクトの各々は、いずれかの外観上の属性を有し、
前記選択ステップにおいて、プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、前記表示部に表示された前記問題のうち前記入力情報が正解となる前記問題に対応付けられた前記オブジェクトを選択し、
前記進行制御ステップにおいて、
選択された前記オブジェクトを消去する第1消去ステップ(ただし、前記第1消去ステップは、前記プレイフィールドから、前記属性が同じオブジェクトであって、予め定められた配列のオブジェクトから構成される消去対象クラスタを消去するステップを除く)と、
消去した前記オブジェクトの上に別のオブジェクトが配置されている場合、前記別のオブジェクトを下に移動させる第1移動ステップと、
移動後の前記プレイフィールドに前記消去対象クラスタが存在する場合、前記消去対象クラスタを消去する第2消去ステップと、
前記消去対象クラスタを消去した後の前記プレイフィールドに対して、前記第1移動ステップ及び前記第2消去ステップを実行する連鎖ステップとを実行する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームに関する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤの思考力等を鍛えるための教育ゲームが知られている。例えば特許文献1には、プレイヤの操作に応じて落下中のクラスターを左右に移動し、落下したクラスターのブロックと隣接したブロックとを用いて所定の条件を満たした場合にブロックを消去する落ちゲームを実行するゲーム装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プレイヤの計算力、暗算力、暗記力及び思考力の少なくともいずれかを鍛え得る新たなゲームの提供が求められる。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題に鑑み、プレイヤの計算力、暗算力、暗記力及び思考力の少なくともいずれかを鍛え得る新たなゲームを提供する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかる情報処理装置は、制御部を備える。前記制御部は、表示制御ステップと、選択ステップと、進行制御ステップとを実行する。前記制御部は、前記表示制御ステップにおいて、複数のオブジェクトと、前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた問題とを表示部に表示する。前記制御部は、前記選択ステップにおいて、プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、前記表示部に表示された前記問題のうち前記入力情報が正解となる問題に対応付けられた前記オブジェクトを選択する。前記制御部は、前記進行制御ステップにおいて、選択された前記オブジェクトに基づいてゲームを進行する。
【0007】
本開示の一態様にかかる情報処理システムは、制御部を備える情報処理装置と、プレイヤが操作するプレイヤ端末とを備える。前記制御部は、表示制御ステップと、選択ステップと、進行制御ステップとを実行する。前記制御部は、前記表示制御ステップにおいて、複数のオブジェクトと、前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた問題とを前記プレイヤ端末に送信する。前記制御部は、前記選択ステップにおいて、前記プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、前記プレイヤ端末の表示部に表示された前記問題のうち前記入力情報が正解となる問題に対応付けられた前記オブジェクトを選択する。前記制御部は、前記進行制御ステップにおいて、選択された前記オブジェクトに基づいてゲームを進行する。前記プレイヤ端末は、前記情報処理装置から受信した情報に基づく画面を前記表示部に表示する。
【0008】
本開示の一態様にかかる情報処理方法は、情報処理装置において実行される。前記情報処理方法は、表示制御ステップと、選択ステップと、進行制御ステップとを備える。前記情報処理装置は、前記表示制御ステップにおいて、複数のオブジェクトと、前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた問題とを表示部に表示する。前記情報処理装置は、前記選択ステップにおいて、プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、前記表示部に表示された前記問題のうち前記入力情報が正解となる問題に対応付けられた前記オブジェクトを選択する。前記情報処理装置は、前記進行制御ステップにおいて、選択された前記オブジェクトに基づいてゲームを進行する。
【0009】
本開示の一態様にかかるプログラムは、情報処理装置に、表示制御ステップと、選択ステップと、進行制御ステップとを実行させる。前記情報処理装置は、前記表示制御ステップにおいて、複数のオブジェクトと、前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた問題とを表示部に表示する。前記情報処理装置は、前記選択ステップにおいて、プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、前記表示部に表示された前記問題のうち前記入力情報が正解となる問題に対応付けられた前記オブジェクトを選択する。前記情報処理装置は、前記進行制御ステップにおいて、選択された前記オブジェクトに基づいてゲームを進行する。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、プレイヤの計算力、暗算力、暗記力及び思考力の少なくともいずれかを鍛え得る新たなゲームを提供する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】プレイヤ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】問題リストのデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】情報処理装置の情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】プレイヤ端末の表示部に表示される画面の一例である。
【
図8】プレイヤ端末の表示部に表示される画面の一例である。
【
図9】プレイヤ端末の表示部に表示される画面の一例である。
【
図10】プレイヤ端末の表示部に表示される画面の一例である。
【
図11】プレイヤ端末の表示部に表示される画面の一例である。
【
図12】実施例2においてプレイヤ端末の表示部に表示される画面の一例である。
【
図13】実施例3においてプレイヤ端末の表示部に表示される画面の一例である。
【
図14】実施例4においてプレイヤ端末の表示部に表示される画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0013】
<用語の定義>
以下の説明において「ゲーム」とは、プレイヤの操作に応じて仮想空間において進行するゲームである。
【0014】
また以下の説明において「X軸方向」とは、プレイヤが認識する画像の左右方向である。例えばX軸方向は、画面と水平であり、かつ縦向きである場合の画面の長軸方向であってよい。また例えばX軸方向は、画面と水平であり、かつ横向きである場合の画面の短軸方向であってよい。X軸正方向は右方向であり、X軸負方向は左方向である。また「Y軸方向」は、プレイヤが認識する画像の上下方向である。例えばY軸方向は、画面と水平であり、かつ縦向きである場合の画面の短軸方向であってよい。また例えばY軸方向は、画面と水平であり、かつ横向きである場合の画面の長軸方向であってよい。Y軸正方向は上方向であり、Y軸負方向は下方向である。X軸正方向かつY軸正方向に進む方向を右斜め上方向と称することがあり、X軸正方向かつY軸負方向に進む方向を右斜め下方向と称することがある。
【0015】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成について説明する。
図1は、情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
【0016】
1.1 情報処理システム1
情報処理システム1は、プレイヤが参加するゲームを実行するためのコンピュータシステムである。情報処理システム1では各種ゲームを実行することが可能である。本実施形態においてゲームは、パズルゲーム、ボードゲーム、又はプレイヤによるオブジェクト選択によりゲームを進行させるその他のゲームである。例えばパズルゲームは、マッチ3パズル、ロジックパズル、クロスワード(登録商標)、又は落ちものパズルである。
【0017】
情報処理システム1は、情報処理装置2と、プレイヤ端末3とを備えるコンピュータシステムである。情報処理装置2とプレイヤ端末3とは、インターネット等のネットワークNWを介して通信可能に接続される。なお
図1において情報処理システム1は1のプレイヤ端末3を含むように図示されるが、プレイヤ端末3の数は2以上であってもよい。
【0018】
1.2 プレイヤ端末3
プレイヤ端末3は、ゲームに参加するプレイヤが操作する通信端末である。プレイヤ端末3は、ゲームをプレイするために使用される。例えばプレイヤ端末3は、スマートフォン、タブレット端末、携帯用ゲーム機、据置型ゲーム機、遊戯施設等に設置される業務用ゲーム機、ラップトップ型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、又はその他の入出力可能な情報処理装置である。
【0019】
図2は、プレイヤ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。プレイヤ端末3は、制御部31と、通信部35と、記憶部36と、入力部37と、表示部38とを備え、これらの構成要素がプレイヤ端末3の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。制御部31は、プロセッサ32と、ROM33と、RAM34とを含む。制御部31、通信部35及び記憶部36については、後述の、情報処理装置2における制御部21、通信部25及び記憶部26と略同様のため省略する。
【0020】
入力部37は、プレイヤ端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部37は、表示部38と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部37がプレイヤによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バスを介して制御部31に転送され、制御部31が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0021】
表示部38は、例えば、プレイヤ端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部38は、プレイヤが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(GUI=Graphical User Interface)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、プレイヤ端末3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。
【0022】
1.3 情報処理装置2
情報処理装置2は、ゲームを実行するためのサーバコンピュータである。情報処理装置2は、ゲームを実行するためのゲームデータをプレイヤ端末3に送信する。
【0023】
図3は、情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置2は、制御部21と、通信部25と、記憶部26と、入力部27とを備え、これらの構成要素が情報処理装置2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。
【0024】
制御部21は、プロセッサ22と、ROM23と、RAM24とを備える。プロセッサ22は、ROM23又は記憶部26に記憶されたプログラムを実行することにより、各機能を実現する。各機能については次節で詳述する。ROM23は、ROM(Read-only memory)等の非一時的な記憶媒体であり、プロセッサ22が各種制御又は演算を行うための各種プログラム又はデータが予め格納されている。RAM24は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶媒体であり、プロセッサ22の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。このRAM24には、本実施形態による各種処理を行うためのエリアが確保可能になっている。
【0025】
通信部25はネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。記憶部26は、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体を含む記憶装置である。
【0026】
入力部27は、上述のプレイヤ端末3における入力部37と略同様のため省略する。なお入力部27は情報処理装置2において必須ではない。
【0027】
2.機能構成
本節では、情報処理装置2の機能構成について説明する。
図4は、制御部21の機能構成を示すブロック図である。情報処理装置2の制御部21はプログラムを実行することにより、登録部211、表示制御部212、取得部213、及び選択部214の機能を実現する。
【0028】
登録部211は、登録ステップにおいて、管理者から、問題情報と、問題情報に対する正解情報とを取得した場合、問題情報と正解情報とを対応付けた情報を問題リストT1に登録する。なお登録部211が管理者から情報を取得するとは、入力部27を介して管理者から情報の入力を受け付けること、又は管理者が操作する外部端末から情報を受信することを指す。なお問題情報は、単に問題と称される場合がある。また正解情報は、単に正解と称される場合がある。
【0029】
図5は、問題リストT1のデータ構造の一例を示す図である。問題リストT1は、記憶部26に格納され、各レコードにプレイヤに出題する問題が登録されている。具体的には、問題リストT1は、問題識別番号T11と、問題情報T12と、正解情報T13とを対応付けた情報を含む。問題識別番号T11は、問題を識別する情報である。問題情報T12は、問題の内容を示す情報である。例えば問題は、四則演算等の計算問題である。
図5に示す例においては、問題リストT1の問題は全て掛け算問題であるが、他の種別の問題(例えば足し算問題)が含まれていてもよい。出題する問題の種別を統一することで、その分野の問題を集中的に訓練することができる。一方、プレイ中に複数の異なる種別の問題を出題することでゲームの難易度が高まる。したがって思考力を高めることが可能となる。またプレイヤがゲームに飽きにくくなる。
【0030】
なおゲームは複数のゲームステージに分かれていてよく、登録部211は、ゲームステージ毎に異なる問題リストT1を作成してよい。そして登録部211は、ゲームステージの難易度に基づいて問題リストT1に含まれるレコードの数及び問題の内容を決定してよい。ゲームステージの難易度が高いほどレコードの数が多くなってよい。ゲームステージの難易度が高い場合は同じゲームステージ中に重複した問題が出現しないため、プレイヤがゲームに飽きにくくなる。一方、ゲームステージの難易度が低い場合は重複した問題が繰り返し出現するため、反復練習が可能となる。反復練習により暗算力又は暗記力を強化できる。
【0031】
図4に戻り説明を続ける。表示制御部212は、制御部21が実行した各種処理結果を、プレイヤ端末3の表示部38に表示する。すなわち表示制御部212は、各種処理結果に関する画面情報を、通信部25を介してプレイヤ端末3に送信し、プレイヤ端末3が表示部38に画面情報を表示する。つまり本実施形態では、表示制御方式として「ブラウザタイプ」を採用する。より具体的には「ブラウザタイプ」において表示制御部212は、プレイヤ端末3からの入力操作に伴うデータ取得リクエストに応じて、予め保持していたゲーム進行に伴う一連の表示制御情報に基づいて画面情報を生成し、当該画面情報をプレイヤ端末3に送信する。そしてプレイヤ端末3がウェブブラウザ上で表示処理をする。
【0032】
例えば表示制御部212は、表示制御ステップとして、複数のオブジェクトと、各オブジェクトに対応付けられた問題とをプレイヤ端末3の表示部38に表示する。また例えば表示制御部212は、ゲーム進行状況をプレイヤ端末3の表示部38に表示する。上記オブジェクトは、ゲームにおいてプレイヤが選択可能なオブジェクトである。オブジェクトは、プレイヤの操作対象となり得る。本実施形態では、選択可能なオブジェクトはブロックであり、ブロックオブジェクトとも称される。しかし選択可能なオブジェクトは、複数のブロックの集合であってもよい。そして各オブジェクトは、いずれかの外観上の属性を有する。例えば外観上の属性は、色、形状、大きさ、模様、物品の種別又はこれらの組み合わせである。物品の種別は、例えばキャラクタ、動物、花、野菜、又は果物の種別であってよい。
【0033】
また表示制御部212は、進行制御ステップとして、後述する選択部214によるオブジェクトの選択が行われた場合に、選択したオブジェクトを操作することで、ゲームを進行する。そして表示制御部212は、ゲームの進行状況をプレイヤ端末3の表示部38に表示する。
【0034】
なお表示制御部212は、ゲームを開始してからの時間を計測し、予め定められた制限時間を経過した場合に、ゲームを終了させてよい。制限時間という負荷をプレイヤにかけることで、プレイヤの瞬発力を鍛えることができる。
【0035】
取得部213は、取得ステップとして、プレイヤから入力情報を取得する。取得部213がプレイヤから入力情報を取得するとは、プレイヤ端末3の入力部37がプレイヤから文字列又は数字といった入力情報を受け付け、プレイヤ端末3が情報処理装置2に入力情報を送信し、情報処理装置2が当該入力情報を受信する一連の処理を指してよい。
【0036】
選択部214は、選択ステップとして、プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、プレイヤ端末3の表示部38に表示された問題のうち入力情報が正解となる問題を特定する。このとき選択部214は、登録部211により登録された問題リストT1を参照することで、正解となる問題を特定する。そして選択部214は、当該問題に対応付けられたオブジェクトを選択する。
【0037】
3.情報処理システム1の動作について
3.1 情報処理の概要
本節では情報処理装置2により実行される情報処理方法の流れについて説明する。
まず表示制御部212は、複数のオブジェクトと、各オブジェクトに対応付けられた問題とをプレイヤ端末3の表示部38に表示する(S10:表示制御ステップ)。次に取得部213は、プレイヤから入力情報、例えば数字を取得する(S11:取得ステップ)。次に選択部214は、問題リストT1を参照し、表示部38に表示された問題のうち入力情報が正解となる問題を特定し、当該問題に対応付けられたオブジェクトを選択する(S12:選択ステップ)。そして表示制御部212は、後述する選択部214によるオブジェクトの選択が行われた場合に、選択したオブジェクトを操作することで、ゲームを進行する(進行制御ステップ)。
【0038】
[効果]
このように情報処理装置2は、プレイヤを楽しませながら問題を解くための訓練場として機能する新しいゲームを提供する。これによりプレイヤの計算力、暗算力、暗記力及び思考力の少なくともいずれかを効果的に鍛えることができる。なお情報処理装置2は、プレイヤの回答に基づいてオブジェクトを選択する点で上述の特許文献1に記載のゲーム装置とは相違する。また情報処理装置2は、プレイヤの回答を起点としてゲームを進行させるため、プレイヤ自身がゲームの進行タイミングを制御できる。したがって情報処理装置2は、初心者がプレイしやすいゲームを提供できる。さらに情報処理装置2が提供するゲームは、問題リストT1の構成の変更により難易度の調整が容易である。したがって初心者から上級者までプレイしやすいゲームを提供できる。
【0039】
次に図を参照しながら情報処理装置2の実施例により実行される情報処理方法の流れについて説明する。なお、処理の順番は適宜入れ替えることができ、複数の処理が同時に実行されてもよいし、一部の処理が省略されてもよい。
【0040】
3.2 実施例1
まず本実施形態の実施例1について説明する。実施例1では、情報処理装置2は、プレイフィールドに敷き詰められたブロックオブジェクトをプレイヤが操作し、同属性のブロックオブジェクトから構成されるクラスタの形成を目指すというパズルゲームを実行する。プレイヤは、所定のブロックオブジェクトの消去に伴い、関連するブロックオブジェクトを移動させることで、ブロックオブジェクトを操作する。
【0041】
3.2.1 実施例1における情報処理の概要
図6は、情報処理装置2の情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0042】
まず表示制御部212は、複数のオブジェクトと、各オブジェクトに対応付けられた問題とをプレイヤ端末3の表示部38に表示する(S10:表示制御ステップ)。
【0043】
次に取得部213は、プレイヤから入力情報、例えば数字を取得する(S11:取得ステップ)。次に選択部214は、問題リストT1を参照し、表示部38に表示された問題のうち入力情報が正解となる問題を特定し、当該問題に対応付けられたオブジェクトを選択する(S12:選択ステップ)。
【0044】
次に表示制御部212は、以下の進行制御ステップを実行することで、ゲームを進行する。すなわち表示制御部212は、まずオブジェクトが選択されたことに応じて、選択されたオブジェクトを消去する(S13)。次に表示制御部212は、消去したオブジェクトの上に別のオブジェクトが配置されている場合、当該別のオブジェクトを下に移動させる(S14)。
【0045】
そして表示制御部212は、S13~S14によってオブジェクトが欠けた領域に新しいオブジェクトを、新しいオブジェクトが所定の位置に積み上がるまで供給する(S15)。
【0046】
ここで表示制御部212は、消去対象クラスタがあるか否かを判定する(S16)。消去対象クラスタは、消去対象として予め定められたオブジェクトの集合体である。消去対象クラスタは、属性が同じオブジェクトが所定の配列で配置したクラスタである。表示制御部212は、判定結果が肯定的である場合(S16でYES)、消去対象クラスタを消去する(S17)。そして表示制御部212は、処理をS14に戻す。すなわち表示制御部212は、消去対象クラスタが出現しなくなるまでS14~S17を繰り返す。
【0047】
一方、表示制御部212は、判定結果が否定的である場合(S16でNO)、ゲームが終了するかを判定する(S18)。ゲーム終了条件は、ゲームの制限時間が経過したこと、プレイヤがゲーム終了のための操作を行ったこと、又はプレイヤの操作手段がなくなったことであってよい。プレイヤの操作手段がなくなるとは、一例として正解してから次に正解するまでの持ち時間が経過することであってよい。
【0048】
制御部21は、ゲームが終了したと判定するまでS11~S18に示す処理を繰り返す。
【0049】
3.2.2 実施例1における情報処理の詳細
次に上述した情報処理の詳細について説明する。
【0050】
[表示制御ステップ~取得ステップ:S10~S11]
まずS10において表示制御部212は、記憶部26に格納された問題リストT1から問題情報T12を読み出す。より具体的には、表示制御部212は、問題リストT1を参照し、問題リストT1に含まれる問題情報T12を、表示部38に表示するオブジェクトの個数だけ読み出す。このとき表示制御部212は問題情報T12を、問題識別番号T11の小さい順から順次読み出してもよいし、ランダムに読み出してもよい。そして表示制御部212は、各オブジェクトと問題情報T12とを対応付け、対応関係にあるオブジェクト及び問題情報T12をセットで表示部38に表示する。
【0051】
図7は、プレイヤ端末3の表示部38に表示される画面10の一例である。画面10は、プレイフィールド101と、入力用オブジェクト102と、入力情報103と、スコア情報104と、インジケータ105とを含む。
【0052】
プレイフィールド101は、ゲームの進行状況を表す領域である。プレイフィールド101は、プレイヤが選択可能な複数のブロックオブジェクトOB(例えばブロックオブジェクトOB1)が出現可能な領域である。表示制御部212は、プレイフィールド101の上端から下方にブロックオブジェクトOBを落下させ、予め定められた高さH1に到達するまでブロックオブジェクトOBを積み上げる。このとき表示制御部212は、各属性のブロックオブジェクトOBがランダムに配置されるようにブロックオブジェクトOBを積み上げてよい。
【0053】
ここで各ブロックオブジェクトOBの中心には、対応関係にある問題情報T12が表示されている。画面10に示す例では、問題情報T12は計算問題を含む。なお問題情報T12の表示位置又は表示態様は、プレイヤが対応関係を認識できる位置又は態様であれば、これに限らない。
【0054】
入力用オブジェクト102は、S11においてプレイヤが入力するための入力領域である。各入力用オブジェクト102には、いずれかの数字又は文字が割り当てられている。そして入力用オブジェクト102は、テンキー又はキーボードとして機能するように予め定められた配列で配置されている。なお表示制御部212は、入力用オブジェクト102を、常時同じ配列で配置してもよいし、プレイごとに異なる配列で配置してもよい。また表示制御部212は、プレイ中に配列を変更してもよい。また表示制御部212は、ゲームステージの難易度に応じて配列を決定してもよい。配列が単純であるほど、反復練習が容易となり、暗算力又は暗記力を強化できる。一方、配列を複雑化するほど難易度が高まる。したがって思考力を高めることが可能となる。またプレイヤがゲームに飽きにくくなる。
【0055】
入力情報103は、S11において入力用オブジェクト102を用いてプレイヤが入力した情報である。例えばプレイヤが「3」に対応する入力用オブジェクト102を選択し、次に決定を示す「FIRE」の入力用オブジェクト102を選択した場合、表示制御部212は入力情報103として「3」を表示する。
【0056】
スコア情報104は、ゲーム中にプレイヤが獲得したスコアに関する情報である。
【0057】
インジケータ105は、残り時間を表示するオブジェクトである。インジケータ105は、残り時間のカウントダウンを示す数字、及び残り時間の減少に伴い変化する画像のうち少なくとも1つを含む。
【0058】
なお画面10に表示される複数のブロックオブジェクトOBのうち少なくとも2以上のブロックオブジェクトOBの各々は、互いに内容は異なるが正解は同じである問題に対応付けられてよい。例えば問題「3×6」と問題「2×9」とは、内容が異なるが正解は同じである。したがってプレイヤが入力情報103として「18」を入力した場合、問題「3×6」に対応するブロックオブジェクトOBと、問題「2×9」に対応するブロックオブジェクトOBとが後のステップにおいて選択され、消去される。
【0059】
[選択ステップ~オブジェクトの消去ステップ:S12~S13]
図8は、プレイヤ端末3の表示部38に表示される画面11の一例である。選択部214は、S11において入力情報103として「3」を取得したことに応じて、S12において問題リストT1を参照し、「3」という正解をキーとして問題を検索する。そして選択部214は、問題「1×3」を得る。選択部214は、問題「1×3」に対応付けられたブロックオブジェクトOB2を特定し、当該ブロックオブジェクトOB2を選択状態にする。
【0060】
そしてS13において表示制御部212は、選択されたブロックオブジェクトOB2をプレイフィールド101から消去する。このとき表示制御部212は、入力情報103を初期化し、スコア情報104にスコアを加算する。加算されるスコアの量は、一定であってもよいし、可変であってもよい。後者の場合、例えば表示制御部212は、プレイヤが回答した問題が計算問題である場合には正解の値に基づいて加算量を決定してよい。また加算量を決定する基礎となる情報は、正解の値、消去されるブロックオブジェクトOBの個数、問題情報の難易度のうち少なくともいずれかであってよい。
【0061】
[ブロックオブジェクトの移動ステップ~供給ステップ:S14~S15]
図9は、プレイヤ端末3の表示部38に表示される画面12の一例である。S14において表示制御部212は、消去したブロックオブジェクトOB2の上に積みあがったブロックオブジェクトOB3,OB4,OB5,OB6を下に移動させる。これによりブロックオブジェクトOB6が配置されていた領域が空になる。
【0062】
そしてS15において表示制御部212は、空いた領域にブロックオブジェクトOB7を供給する。
【0063】
[クラスタの判定ステップ~クラスタの消去ステップ:S16~S17]
図10は、プレイヤ端末3の表示部38に表示される画面13の一例である。S16において表示制御部212は、消去対象クラスタがあるか否かを判定する。本図に示す例では、消去対象クラスタは、同属性の予め定められた数以上のブロックオブジェクトOBが左右方向に隣接して配列したクラスタである。予め定められた数は、例えば3であるが、これに限らない。また消去対象クラスタにおいてブロックオブジェクトOBの配列方向を左右方向としたが、上下方向、右斜め上方向、又は右斜め下方向であってもよい。また配列態様はこれに限らず、左右方向の配列及び上下方向の配列を組み合わせた態様、例えばL字型又はU字型であってもよい。また消去対象クラスタは同属性のブロックオブジェクトOBから構成されるとしたが、類似する属性のブロックオブジェクトOBから構成されていてもよい。
【0064】
表示制御部212は、消去対象クラスタがある場合、S17において消去対象クラスタを消去する。そして表示制御部212は、スコア情報104にスコアを加算する。加算されるスコアの量は、一定であってもよいし、可変であってもよい。後者の場合、加算量を決定する基礎となる情報は、消去対象クラスタに含まれるブロックオブジェクトOBに対応する問題の正解の値、消去されるブロックオブジェクトOBの個数、消去されるブロックオブジェクトOBの配列の複雑さ、又はゲームステージの難易度のうち少なくともいずれかであってよい。
【0065】
そして表示制御部212は、処理をS14に戻し、表示画面を画面13から画面14に遷移させる。
図11は、プレイヤ端末3の表示部38に表示される画面14の一例である。S14において再び表示制御部212は、消去したブロックオブジェクトOB2,OB8,OB9の上に積みあがったブロックオブジェクトOBを下に移動させ、S15において空いた領域にブロックオブジェクトOB10,OB11,OB12を供給する。
【0066】
そして表示制御部212はS16において消去対象クラスタがあると判定しなくなるまでS14~S17に示す処理を繰り返す。ここでプレイヤからの1度の入力に対して消去対象クラスタを複数回消去することを連鎖と称する。このときスコアの加算量は、連鎖の回数又は連鎖により消去した消去対象クラスタに含まれるブロックオブジェクトOBの個数に依存してよい。すなわち連鎖の回数又は消去したブロックオブジェクトOBの個数が多いほど、加算量が多くなってよい。表示制御部212は消去対象クラスタが出現しなくなると、処理をS11に戻す。すなわち取得部213が再びプレイヤから入力情報を取得する。
【0067】
なお表示制御部212は、ゲームが開始してからの時間を計測するが、ブロックオブジェクトOBの移動中や連鎖中はタイマーを停止する機能を有してよい。具体的には表示制御部212は、プレイヤからの1度の入力に対してブロックオブジェクトOBを選択してから消去対象クラスタが存在しなくなる一連の処理の間、時間の計測を停止してよい。このような構成のゲームは連鎖が発生するほど有利になる仕組みであるため、プレイヤに対して連鎖が発生する起点となるブロックオブジェクトOBを特定して入力するというインセンティブが働く。これによりゲームの興趣性を高めることができる。
【0068】
さらに表示制御部212は、タイマー停止中に制限時間を延長してよい。具体的には表示制御部212は、プレイヤからの1の入力情報に対する連鎖の回数又は連鎖により消去した消去対象クラスタに含まれるブロックオブジェクトOBの個数をカウントし、回数又は個数に応じて制限時間を延長してもよい。すなわち鎖の回数又は消去したブロックオブジェクトOBの個数が多いほど、延長時間が長くなってよい。これにより上記インセンティブがより一層働き、ゲームの興趣性をより一層高めることができる。
【0069】
さらに表示制御部212は、タイマーが停止している間、入力情報の予約機能を有してよい。具体的には表示制御部212は、時間の計測を停止している間、新しい入力情報をプレイヤから受け付け可能にしてよい。時間の計測が再開すると、選択部214は、ただちに、受け付けた入力情報に基づいてブロックオブジェクトOBの選択を実行する。画面14においては、タイマー停止中に入力情報103として「6」が予約されている。これによりプレイヤに対して休みなく回答するインセンティブが働くため、プレイヤに対して負荷がかかり、その結果、訓練の効果をより一層高めることができる。なお予約可能な入力情報の個数は、複数であってもよい。
【0070】
3.3 実施例2
上述の実施例1では、情報処理装置2が実行するゲームは、消去対象となるブロックオブジェクトOBをプレイヤに間接的に選択させ、消去に伴い関連するブロックオブジェクトを移動させるパズルゲームであった。しかし実施例2では、情報処理装置2が実行するゲームは、移動対象となるブロックオブジェクトをプレイヤに選択させるパズルゲームである。実施例2において情報処理装置2は、実施例1と同様にS10~S12を実行するが、その後の処理が実施例1と異なる。
【0071】
図12は、実施例2においてプレイヤ端末3の表示部38に表示される画面15の一例である。画面15はプレイフィールド101aを含む。プレイフィールド101aは、プレイヤが選択可能な複数のブロックオブジェクトが配置された領域と、空の領域とを含む。
【0072】
プレイヤが入力用オブジェクト102を用いて入力情報103を入力したことに応じて、表示制御部212は入力情報103に対応するブロックオブジェクト150を特定し、選択する。その後、表示制御部212は、選択したブロックオブジェクト150を移動可能な方向に1マス分移動させ、空の領域に配置させる。そして表示制御部212は、ブロックオブジェクトの配列が所定の条件を満たした場合にスコアを加算する、又はゲームクリアと判定する。
【0073】
3.4 実施例3
実施例3では、情報処理装置2が実行するゲームは、お題に対応するオブジェクトをプレイヤに選択させる問答ゲームである。
図13は、実施例3においてプレイヤ端末3の表示部38に表示される画面16の一例である。画面16においてお題は「お題オブジェクト160に含まれる凹みの形状と一致するオブジェクトを選ぶ」というものである。画面16のプレイフィールド101bには選択候補として種々の形状のオブジェクトが表示されている。そして選択候補の各オブジェクトには互いに異なる問題が付与されている。実施例3において情報処理装置2は、実施例1と同様にS10~S12を実行するが、その後の処理が実施例1と異なる。
【0074】
プレイヤが入力用オブジェクト102を用いて入力情報103を入力したことに応じて、表示制御部212は入力情報103に対応する問題が付されたオブジェクト161を特定し、選択する。そして表示制御部212は、選択されたオブジェクト161がお題を満たすものである場合、スコアを加算する、又はゲームクリアと判定する。
【0075】
3.5 実施例4
次に実施例4について説明する。実施例4では、オブジェクトの操作方向をプレイヤの回答により選択する。例えば実施例4では、情報処理装置2が実行するゲームは、落下するブロックオブジェクトをプレイヤが左右に操作する落ちものパズルである。実施例4において情報処理装置2は、実施例1と同様にS10~S12を実行するが、その後の処理が実施例1と異なる。
【0076】
図14は、実施例4においてプレイヤ端末3の表示部38に表示される画面17の一例である。画面17のプレイフィールド101cには、これまで落下したブロックオブジェクトOBが配置され、新たにブロックオブジェクトOB13が供給され、落下しようとしている。操作オブジェクト170,171のいずれかが選択されると、ブロックオブジェクトOB13の落下位置が左右方向に移動する。操作オブジェクト170は左方向への移動に対応し、操作オブジェクト171は右方向への移動に対応する。
【0077】
操作オブジェクト170,171の各々には問題が対応付けられている。表示制御部212はプレイヤからの入力情報103に対応する問題が付された操作オブジェクトを特定し、選択する。これにより表示制御部212は、ブロックオブジェクトOB13の落下位置を左右方向において移動させる。そして表示制御部212は、ブロックオブジェクトの配列が所定の条件を満たした場合にスコアを加算する、又はゲームクリアと判定する。
【0078】
なお情報処理装置2が実行するゲームは、上述した実施例1~4に示すゲームに限定されず、オブジェクトを選択するその他のゲームに適用可能である。
【0079】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記によって限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0080】
例えば上述の実施形態では、表示制御方式として「ブラウザタイプ」を採用した。しかし表示制御方式としては、これに代えて「アプリタイプ」を採用することもできる。「アプリタイプ」は、予め情報処理装置2からアプリケーションプログラムをプレイヤ端末3にダウンロードしておく。プレイヤ端末3はアプリケーションプログラムを実行し、アプリケーションプログラムに含まれる表示制御情報と、入力操作を契機に情報処理装置2から取得されるデータとに基づいて画面情報を生成して画面を表示する。あるいはプレイヤ端末3は情報処理装置2が作成した問題リストT1を情報処理装置2から受信し、プレイヤ端末3単独で画面情報を生成して画面を表示する。この場合、登録ステップは情報処理装置2において実行されてよいが、その他のステップはプレイヤ端末3及び情報処理装置2が協働で、あるいはプレイヤ端末3単独で実行されてよい。上述した表示制御方式はプレイヤ端末3がスマートフォン又はタブレット端末である場合はもちろんのこと、携帯用ゲーム機、据置型ゲーム機、又は業務用ゲーム機であっても同様である。
【0081】
また実施形態では、情報処理装置として単一の装置である場合を説明したが、情報処理装置の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現されてもよい。この場合、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、情報処理装置2の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0082】
一例として登録ステップは情報処理装置2とは異なる外部装置において行われてもよい。情報処理装置2は、ゲームの進行状況に合わせて、外部装置が格納した問題リストT1に含まれる情報を読み出してよい。
【0083】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、表示制御ステップと、選択ステップと、進行制御ステップとを実行し、
前記制御部は、
前記表示制御ステップにおいて、複数のオブジェクトと、前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた問題とを表示部に表示し、
前記選択ステップにおいて、プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、前記表示部に表示された前記問題のうち前記入力情報が正解となる問題に対応付けられた前記オブジェクトを選択し、
前記進行制御ステップにおいて、選択された前記オブジェクトに基づいてゲームを進行する
情報処理装置。
(付記2)
前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた前記問題は、計算問題を含む
付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記複数の前記オブジェクトのうち少なくとも2以上の前記オブジェクトの各々は、互いに内容は異なるが正解は同じである問題に対応付けられている
付記1又は2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記複数の前記オブジェクトの各々は、いずれかの外観上の属性を有し、
前記制御部は、前記進行制御ステップにおいて、
前記オブジェクトが選択されたことに応じて、選択された前記オブジェクトを消去し、
消去した前記オブジェクトの上に別のオブジェクトが配置されている場合、前記別のオブジェクトを下に移動させ、
前記オブジェクトが欠けた領域に新しいオブジェクトを、前記新しいオブジェクトが所定の位置に積み上がるまで供給し、
前記属性が同じオブジェクトであって、予め定められた配列のオブジェクトから構成される消去対象クラスタが存在する場合、前記消去対象クラスタを消去する
付記1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記制御部は、前記ゲームを開始してからの時間を計測し、予め定められた制限時間を経過した場合に、前記ゲームを終了させる
付記4に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記制御部は、前記進行制御ステップにおいて、前記オブジェクトを選択してから前記消去対象クラスタが存在しなくなるまで、前記時間の前記計測を停止する
付記5に記載の情報処理装置。
(付記7)
前記制御部は、前記時間の前記計測を停止している間、新しい入力情報を前記プレイヤから受け付け可能にする
付記6に記載の情報処理装置。
(付記8)
前記制御部は、前記プレイヤからの1の前記入力情報に対して前記消去対象クラスタを消去した回数又は消去した前記消去対象クラスタに含まれる前記オブジェクトの個数をカウントし、前記回数又は前記個数に応じて前記制限時間を延長する
付記5から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記9)
制御部を備える情報処理装置と、
プレイヤが操作するプレイヤ端末と
を備える情報処理システムであって、
前記制御部は、表示制御ステップと、選択ステップと、進行制御ステップとを実行し、
前記制御部は、
前記表示制御ステップにおいて、複数のオブジェクトと、前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた問題とを前記プレイヤ端末に送信し、
前記選択ステップにおいて、前記プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、前記プレイヤ端末の表示部に表示された前記問題のうち前記入力情報が正解となる問題に対応付けられた前記オブジェクトを選択し、
前記進行制御ステップにおいて、選択された前記オブジェクトに基づいてゲームを進行し、
前記プレイヤ端末は、前記情報処理装置から受信した情報に基づく画面を前記表示部に表示する
情報処理システム。
(付記10)
情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
前記情報処理方法は、表示制御ステップと、選択ステップと、進行制御ステップとを備え、
前記情報処理装置は、
前記表示制御ステップにおいて、複数のオブジェクトと、前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた問題とを表示部に表示し、
前記選択ステップにおいて、プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、前記表示部に表示された前記問題のうち前記入力情報が正解となる問題に対応付けられた前記オブジェクトを選択し、
前記進行制御ステップにおいて、選択された前記オブジェクトに基づいてゲームを進行する
情報処理方法。
(付記11)
情報処理装置に、表示制御ステップと、選択ステップと、進行制御ステップとを実行させるためのプログラムであって、
前記情報処理装置は、
前記表示制御ステップにおいて、複数のオブジェクトと、前記複数の前記オブジェクトの各々に対応付けられた問題とを表示部に表示し、
前記選択ステップにおいて、プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、前記表示部に表示された前記問題のうち前記入力情報が正解となる問題に対応付けられた前記オブジェクトを選択し、
前記進行制御ステップにおいて、選択された前記オブジェクトに基づいてゲームを進行する
プログラム。
【符号の説明】
【0084】
1 情報処理システム
2 情報処理装置
3 プレイヤ端末
10,11,12,13,14,15,16,17 画面
101 プレイフィールド
102 入力用オブジェクト
103 入力情報
104 スコア情報
105 インジケータ
21 制御部
22 プロセッサ
23 ROM
24 RAM
25 通信部
26 記憶部
27 入力部
31 制御部
32 プロセッサ
33 ROM
34 RAM
35 通信部
36 記憶部
37 入力部
38 表示部
150,160,161,170,171 オブジェクト
211 登録部
212 表示制御部
213 取得部
214 選択部
NW ネットワーク
T1 問題リスト
T11 問題識別番号
T12 問題情報
T13 正解情報
OB1,OB2,OB3,OB4,OB5,OB6,OB7,OB8,OB9,OB10,OB11,OB12,OB13 ブロックオブジェクト
【要約】
【課題】プレイヤの計算力、暗算力、暗記力及び思考力の少なくともいずれかを効果的に鍛え得る新たなゲームを提供する。
【解決手段】情報処理装置の制御部は、表示制御ステップと、選択ステップと、進行制御ステップとを実行する。制御部は、表示制御ステップにおいて、複数のオブジェクトと、複数のオブジェクトの各々に対応付けられた問題とを表示部に表示する。制御部は、選択ステップにおいて、プレイヤから入力情報を取得したことに応じて、表示部に表示された問題のうち入力情報が正解となる問題に対応付けられたオブジェクトを選択する。制御部は、進行制御ステップにおいて、選択されたオブジェクトに基づいてゲームを進行する。
【選択図】
図6